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技術 フレキシブルプリント配線板用銅箔

出願人 JX金属株式会社
発明者 西田習太郎鮫島大輔中室嘉一郎
出願日 2011年9月21日 (9年3ヶ月経過) 出願番号 2011-206352
公開日 2013年4月18日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2013-069787
状態 特許登録済
技術分野 非鉄金属または合金の熱処理 プリント基板への印刷部品(厚膜薄膜部品)
主要キーワード 測定点近傍 板厚ばらつき 樹脂フィルム付 ロール目 頂部幅 底部幅 エッチングファクタ 律速過程
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

板厚精度の高いフレキシブルプリント配線板用銅箔、及びその製造方法を提供する。

解決手段

圧延行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)が0.01〜0.15μmであり、ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下であるフレキシブルプリント配線板用銅箔であり、その製造方法として、最終冷間圧延工程において、最終パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm以上であり、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm未満であることを特徴とする。

概要

背景

フレキシブルプリント配線板FPC)は、導電層である金属と樹脂フィルムに代表される柔軟性絶縁基板とが接合されたものである。一般に導電層には銅箔が用いられ、特に屈曲性が求められる用途には、屈曲性に優れる圧延銅箔が用いられている。

一般的なFPC製造工程は以下のようなものである。まず銅箔を樹脂フィルムと接合する。接合には、銅箔上に塗布したワニス熱処理を加えることでイミド化する方法や、接着剤付きの樹脂フィルムと銅箔とを重ねてラミネートする方法がある。これらの工程によって接合された樹脂フィルム付き銅箔をCCL(銅張積層板)と呼ぶ。このCCL製造工程における熱処理によって、銅箔は再結晶する。

製造されたCCLの銅箔面にフォトレジストを塗布し、配線パターン焼付けを行った後にUV露光現像を行い、エッチングにより不要部の銅箔を除去することで、FPCが製造される。近年では電子機器の小型化、高機能化に伴い、形成される配線パターンは微細化する傾向があり、それに伴い銅箔には高いエッチング性が求められている。

特開2006−283146号公報には、高いエッチングファクタを得る手法として、銅箔の配向性を高める手法が記載されている。200℃で30分加熱して再結晶組織調質した常態において、圧延銅箔の圧延面の(100)面のX線回折強度Iと微粉末銅の(100)面のX線回折強度I0の比が10≦I/I0≦60、好ましくは40≦I/I0≦60であるとされる。
また特開2011−12297号公報には、銅箔表面をCu−Zn合金層またはZn層、及びCr層銅層表面の少なくとも一部を被覆する手法が記載されている。

概要

板厚精度の高いフレキシブルプリント配線板用銅箔、及びその製造方法を提供する。圧延行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)が0.01〜0.15μmであり、ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下であるフレキシブルプリント配線板用銅箔であり、その製造方法として、最終冷間圧延工程において、最終パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm以上であり、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm未満であることを特徴とする。なし

目的

本発明はファインピッチ加工に適したフレキシブルプリント配線板用銅箔を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

圧延行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)が0.01〜0.15μmであり、ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下であるフレキシブルプリント配線板用銅箔

請求項2

銅箔板厚が5〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔。

請求項3

銅箔の板厚の最大値(tmax)と板厚の平均値(tavg)との差、又は最小値(tmin)と板厚の平均値(tavg)との差のいずれか大きい方の値の、板厚の平均値(tavg)に対する割合が1.3%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔。

請求項4

圧延平行方向における表面粗さRSmの平均(RSmavg)に対するΔRSm=RSmmax−RSmminの比(ΔRSm/RSmavg)が0.5以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のフレキシブルプリント配線板用銅箔。

請求項5

請求項1〜4何れか一項記載の銅箔を導体層として用いたフレキシブルプリント配線板

請求項6

最終冷間圧延工程において、最終パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm以上であり、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm未満であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法。

技術分野

0001

本発明は屈曲性を求められるフレキシブルプリント配線板用銅箔に関し、特に微細配線加工が施されるフレキシブルプリント配線板に用いられる銅箔に関する。

背景技術

0002

フレキシブルプリント配線板(FPC)は、導電層である金属と樹脂フィルムに代表される柔軟性絶縁基板とが接合されたものである。一般に導電層には銅箔が用いられ、特に屈曲性が求められる用途には、屈曲性に優れる圧延銅箔が用いられている。

0003

一般的なFPC製造工程は以下のようなものである。まず銅箔を樹脂フィルムと接合する。接合には、銅箔上に塗布したワニス熱処理を加えることでイミド化する方法や、接着剤付きの樹脂フィルムと銅箔とを重ねてラミネートする方法がある。これらの工程によって接合された樹脂フィルム付き銅箔をCCL(銅張積層板)と呼ぶ。このCCL製造工程における熱処理によって、銅箔は再結晶する。

0004

製造されたCCLの銅箔面にフォトレジストを塗布し、配線パターン焼付けを行った後にUV露光現像を行い、エッチングにより不要部の銅箔を除去することで、FPCが製造される。近年では電子機器の小型化、高機能化に伴い、形成される配線パターンは微細化する傾向があり、それに伴い銅箔には高いエッチング性が求められている。

0005

特開2006−283146号公報には、高いエッチングファクタを得る手法として、銅箔の配向性を高める手法が記載されている。200℃で30分加熱して再結晶組織調質した常態において、圧延銅箔の圧延面の(100)面のX線回折強度Iと微粉末銅の(100)面のX線回折強度I0の比が10≦I/I0≦60、好ましくは40≦I/I0≦60であるとされる。
また特開2011−12297号公報には、銅箔表面をCu−Zn合金層またはZn層、及びCr層銅層表面の少なくとも一部を被覆する手法が記載されている。

先行技術

0006

特開2006-283146号公報
特開2011-12297号公報

発明が解決しようとする課題

0007

配線パターンが微細になると、エッチング部へのエッチング液の流入が制限されるため、エッチング反応律速過程は界面の化学反応速度が主となる。そのため、銅箔の厚み方向にエッチングが進むと同時に回路幅方向にもエッチングが進む。
そのため、銅箔厚みにばらつきがあると、回路幅が一定になるようにエッチング条件を決めると銅箔が厚い部分では銅箔を除去しきれず、回路短絡する。一方、銅箔のエッチング残りが起こらない条件でエッチングを行うと、回路幅が不均一になる。
すなわち、銅箔の僅かな厚みのばらつきが回路の加工精度大きく影響を与える結果となる。そのため、板厚精度に優れた銅箔が望まれる。

0008

しかしながら、フレキシブルプリント配線板用銅箔のこれまでの開発の方向性は、屈曲性向上を狙ったミクロ的視点での表面性状制御が圧倒的であった。そのため、マクロ的な視点で銅箔の板厚精度を向上させて、フレキシブルプリント配線板の回路加工精度の向上を図るという課題は未解決のままである。

0009

そこで、本発明はファインピッチ加工に適したフレキシブルプリント配線板用銅箔を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのような銅箔の製造方法を提供することを別の課題の一つとする。

課題を解決するための手段

0010

銅箔は圧延銅箔と電解銅箔に大別される。圧延銅箔においては、板厚精度は圧延機の機能(能力)に起因することが多いが、現状の圧延機では板厚精度は目標とする板厚10μmにおいて±1.6%が限度である。根本的な対策として圧延機の改造や開発も望まれるが、多額の研究開発費用が必要となるため、直ちに行うことは困難である。

0011

本発明者はこのような実情の下で、上記課題を解決するために研究を重ねたところ、圧延銅箔の製造過程において、圧延の多くはフィードフォワードでの板厚制御のため、製品の板厚精度について、最終冷間圧延最終パス前の表面粗さのばらつきが板厚制御に影響を与える要因の一つであることに着目し、最終パス前段階において表面粗さを小さくし、表面粗さのばらつきを小さくすることで、板厚精度が向上することを見出した。具体的には、最終パス前の圧延について表面粗さの小さなワークロールを用い、最終パスにおいて所望する表面粗さのワークロールを用いることで最終的に板厚精度がよく、所望の表面粗さを有する銅箔を得ることができることが分かった。フレキシブルプリント配線板用銅箔では樹脂フィルム等の柔軟性絶縁基板との密着性を考慮する関係から一定の表面粗さが要求されるが、最終冷間圧延の最終パス前において表面粗さを可及的に小さくしておくことで、板厚精度を高めながら所望の表面粗さを有することができるのである。

0012

以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、圧延平行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)が0.01〜0.15μmであり、ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下であるフレキシブルプリント配線板用銅箔である。

0013

本発明に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の一実施形態においては、銅箔の板厚が5〜20μmである。

0014

本発明に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の別の一実施形態においては、銅箔の板厚の最大値(tmax)と板厚の平均値(tavg)との差、又は最小値(tmin)と板厚の平均値(tavg)との差のいずれか大きい方の値の、板厚の平均値(tavg)に対する割合が1.3%以下である。

0015

本発明に係るフレキシブルプリント配線板用銅箔の一実施形態においては、圧延平行方向における表面粗さRSmの平均(RSmavg)に対するΔRSm=RSmmax−RSmminの比(ΔRSm/RSmavg)が0.5以下である。

0016

本発明は別の一側面において、本発明に係る銅箔を導体層として用いたフレキシブルプリント配線板である。

0017

本発明は更に別の一側面において、最終冷間圧延工程において、最終パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm以上であり、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaが0.03μm未満であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用銅箔の製造方法である。

発明の効果

0018

本発明に係る銅箔は板厚精度に優れているため、エッチング量の誤差を抑えることが可能となるので、量産されるフレキシブルプリント配線板の配線直線性向上を図ることができる。従って、本発明に係る銅箔はファインピッチ加工に好適に使用できる。

0019

本発明において使用する銅箔基材は圧延銅箔である。「銅箔」には銅合金箔も含まれるものとする。銅箔の材料としては、特に制限はなく、用途や要求特性に応じて適宜選択すればよい。例えば、限定的ではないが、銅(無酸素銅タフピッチ銅電気銅等)の他、銅(無酸素銅やタフピッチ銅、電気銅等)にSn、Ag、Fe、In、Te等を添加した銅合金、Ni、Si等を添加したCu−Ni−Si系銅合金、Cr、Zr等を添加したCu−Zr系、Cu−Cr−Zr系銅合金のような銅合金が挙げられる。圧延銅箔は、強度が高く、振動が継続的に発生する環境に対応でき、耐屈曲性が高い点で優れている。

0020

銅箔の厚みは特に制限はなく、要求特性に応じて適宜選択すればよい。一般的には1〜100μmであるが、フレキシブルプリント配線板の導体層として使用する場合、銅箔を薄肉化した方がより高い屈曲性を得ることができる。そのような観点から、典型的には2〜50μm、より典型的には5〜20μm程度である。

0021

本発明に係る銅箔は、圧延平行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)、及びΔRa=Ramax−Raminによって規定される。Raは粗さ曲線中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積基準長さLで割った値であり、JIS B0601:2001に準拠して測定される。本発明において表面粗さRaの平均(Raavg)とは、任意の10点の平均であり、本発明においてΔRaとは、測定した10点のRaのうち、最大値であるRamaxと最小値であるRaminの差である。ただし、ここでいう任意の10点は、各測定点がお互いの近傍での10点を意味するものではなく、たとえば、コイル状の場合であれば、得られた長さに応じて、圧延方向に少なくとも50mm間隔、好ましくは100mm間隔以上、より好ましくは500mm間隔以上で10点を選択する。各測定点におけるRaは測定点近傍を3回測定した平均値で与えられる。なお、各測定点は、幅方向中央とする。また、樹脂と積層された状態であっても50mm以上の測定間隔が確保できるのであれば、そのシートに対して表面粗さの測定をすることができる。

0022

本発明に係る銅箔は圧延平行方向における表面粗さRaの平均(Raavg)について、0.01〜0.15μmを満たすことを特徴としている。0.01μm≦Raavg≦0.15μmを条件としたのは、Raavgが0.01μm未満だと表面が平滑で樹脂層との十分な接着性が得られない一方で、0.15μmを超えるとたとえ、最終パス前の圧延で粗さを小さくして表面粗さのばらつきが少ない状態にしても最終パスの圧延でばらついてしまうからである。しかし、表面傷等の表面欠陥の少ない外観品質が安定的に作りこめるという観点から考えるとRaavgは0.03μm以上が望ましく、0.03μm≦Raavg≦0.1μmがより好ましい範囲である。

0023

また、ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下を満たすことも特徴としている。ΔRa=Ramax−Raminが0.025μm以下を条件としたのは、製品である最終圧延後の銅箔のΔRaが0.025μm以下であれば、最終圧延の最終パス前のΔRaが0.025μm以下であることを意味することができるからである。最終圧延の最終パス前のΔRaが0.025μm以下であれば、最終圧延の最終パス時での表面粗さのばらつき(変動)による板厚制御への影響は小さく、最終パスでのすなわち、製品の板厚精度が向上する。ΔRaが0.025μmを超える場合には、最終圧延の最終パス前のΔRaが0.25μmを超えている場合が多く、その場合には表面粗さの大きいところと表面粗さの小さいところの粗さが最終圧延の最終パスの板厚制御に与える影響が異なり、結果としてその条における最終圧延板厚のばらつきが大きくなる。ΔRaは好ましくは0.025μm以下であり、より好ましくは0.020μm以下であり、典型的には0.001〜0.025μmである。

0024

一方で、圧延銅箔においては、ロール目によって定まる表面粗さとは別に、オイルピットとよばれる圧延銅箔特有くぼみが表面上に多数存在する。オイルピットは圧延油被圧延材に押し込まれて発生するくぼみであり、圧延油の油膜の厚さによって表面上のオイルピットの密度が異なることとなる。表面上のオイルピットの密度が異なれば、重量法で求められる銅箔の板厚にも影響を与え、ばらつきの要因となる。従って、オイルピットは銅箔表面上に均一に分布しているほうが望ましい。

0025

オイルピットの発生量は、圧延平行方向における表面粗さRSmを指標とすることができる。RSmが大きい場合には表面上のオイルピットが少なく、RSmが小さい場合にはオイルピットの量が多いことを示す。板厚精度の特定に影響を与えるのは、オイルピットの分布のばらつきであることから、圧延平行方向における表面粗さRSmの平均(RSmavg)に対するΔRSm=RSmmax−RSmminの比(ΔRSm/RSmavg)を指標とした。ΔRSm/RSmavgが小さいほど、オイルピットが銅箔表面上に均一に分布していることを示す。RSmavgで割ることとしたのは、分布のばらつきにおいては、ΔRSmが大きいからといって必ずしもばらつきは大きいとはいえないからである。すなわち、たとえ、同じΔRSmでも、RSmavgが大きければ分布のばらつきとしては大きくないためその影響は小さく、RSmavgが小さい場合には分布のばらつきとして大きいため影響が大きくなる。

0026

圧延速度を速く、圧延油の粘度を高く、又は1パス当たりの圧下率を小さくすることでオイルピットの発生量が増加し、RSmが小さくなりやすい。逆に、圧延速度を遅く、圧延油の粘度を低く、又は1パス当たりの圧下率を大きくすることでオイルピットの発生量が減少し、RSmが大きくなりやすい。

0027

RSmは粗さ曲線が平均線と交差する交点から求めた山谷周期の間隔の平均値であり、JIS B0601:2001に準拠して測定される。本発明において表面粗さRSmの平均(RSmavg)は任意の10点の平均であり、ΔRSmとは測定した10点のRaのうち、最大値であるRSmmaxと最小値であるRSmminの差である。ただし、ここでいう任意の10点は、各測定点がお互いの近傍での10点を意味するものではなく、たとえば、コイル状の場合であれば、得られた長さに応じて、圧延方向に少なくとも50mm間隔、好ましくは100mm間隔以上、より好ましくは500mm間隔以上で10点を選択する。各測定点におけるRSmは測定点近傍を3回測定した平均値で与えられる。なお、各測定点は、幅方向中央のRSmとする。また、樹脂と積層された状態であっても50mm以上の測定間隔が確保できるのであれば、そのシートに対して表面粗さの測定をすることができる。

0028

本発明に係る銅箔の好ましい一実施形態においては、ΔRSm/RSmavgが0.5以下であり、典型的には0.3〜0.5である。

0029

本発明に係る銅箔の好ましい一実施形態においては、銅箔の板厚の最大値(tmax)と板厚の平均値(tavg)との差、又は最小値(tmin)と板厚の平均値(tavg)との差のいずれか大きい方の値の、板厚の平均値(tavg)に対する割合が1.3%以下とすることができる。この割合は好ましくは1.2%以下とすることもでき、より好ましくは1.1%以下とすることもでき、典型的には0.05〜1.2%とすることができる。

0030

次に、本発明に係る銅箔の製造方法について説明する。表面粗さRaの制御はワークロールの表面粗さの調整により行うことができ、例えば、Raの大きなワークロールを使用すれば得られる圧延銅箔のRaも大きくなり、逆に、Raの小さなワークロールを使用すれば得られる圧延銅箔のRaも小さくなる。一方、一般的にばらつきの値自体は平均値が大きい方が大きくなる。表面粗さRaのばらつきの値についても同様で、表面粗さRaの平均値が大きいほうがばらつきの値も大きいので、表面粗さRaのばらつきの値を低減するため、表面粗さRaの平均値を小さくすればよい。

0031

ただし、各々の製品においては、柔軟性絶縁基板との密着性などの観点から求められる表面粗さの要求があるので、最終的には求められる値に作りこむ必要がある。また、冷間圧延においては、圧延速度を高く設定できるという圧延効率の観点では表面粗さがある程度粗いほうがよい。
そこで、例えば、最終冷間圧延の最終パス直前の1パスについてのみ表面粗さの小さいワークロールを用いて表面粗さの小さな、すなわち表面が平滑な銅箔を作り込み、最終パスで表面粗さの大きなワークロールを用いて所望の表面粗さRaを作り込む。
これにより、高い厚み精度を得ながら所望の表面粗さを有し、活物質との密着性の良好な銅箔を得ることができる。すなわち、最終パスの2パス前までは表面粗さRaの粗いロールでよく、最終パス直前の1パスのみ、前パス及び最終パスより小さい粗さのロールを用いる。

0032

最終パス直前の1パスのみならず、それ以前のパスについても表面粗さの小さなワークロールを使用してもよいが、表面粗さの小さいロールは、圧延速度を上げることが出来ないため、生産性の観点からは望まれない。そこで通常は最終パス直前のパスに使用するワークロールのみ表面粗さを小さくする。ただし、生産性の観点を無視すれば、最終パス直前の1パスよりも前のパスについても表面粗さの小さいロールとする方が表面粗さのばらつきの低減効果は高い。例えば最終パス直前の2パスだけ表面粗さの小さいロールとするのでも効果はある。

0033

最終パスにおいて、銅箔の圧延平行方向におけるRaの平均(Raavg)が0.01〜0.15μmとなるように、ワークロールは表面粗さRaが0.01μmを超えるものを用いることになるため、表面粗さのばらつきの値を小さくするためには、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaは、最終パスに用いられるワークロールより小さくなければならない。したがって、最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaは、0.01μm以下が望ましい。
しかしながら、表面粗さRaが0.01μm以下で表面傷等の外観上の問題ないロールを安定的に作製することは、高い技術を要し、コスト的にも割高となる。
したがって、最終パスにおいて使用するワークロールは表面粗さRaが0.03μm以上であるのが好ましく、ゆえに最終パス直前の1パスに用いられるワークロールの表面粗さRaは、0.03μm未満とすることが望ましい。

0034

表面粗さRSmのばらつきを低減するためには、オイルピットの分布を均一にすることが重要となる。オイルピットの分布を均一にするには、いくつかの要因の中でも圧延油の粘度を圧延中に一定に保つことが重要である。圧延油の粘度は圧延油の種類によって基本的に定まるが、圧延中の加工熱によって圧延油が徐々に上昇することで粘度が低下する。圧延油の粘度の変化に伴い、圧延油が銅箔表面へ押し込まれる度合いが変化すると、オイルピット分布のばらつきにつながる。
例えば、圧延油は、圧延前の温度調整においては25℃前後に保たれる時、圧延油を圧延中のワークロールに噴射すると加工熱によって上昇したワークロール等からの熱が伝わり、圧延油は40℃くらいまで上昇する。この状態で維持できれば、オイルピットの分布のばらつきは少なく、銅箔形状には問題ない。しかしながら、圧延油の温度制御が十分でなく、圧延油温度が40℃を超えてばらつく場合には、銅箔の表面性状がばらつきやすくなるだけでなく、板形状にも影響を与える。従って、圧延中の圧延油の温度を40℃程度に調整するためには、ロール噴射前の圧延油温度、圧延速度、加工度等を総合的に調整する必要がある。

0035

本発明に係る圧延銅箔を材料とする導体層を用いて、慣用手段によりフレキシブルプリント配線板を作製することができるが、以下に作製方法を例示する。

0036

まず、銅箔と柔軟性絶縁基板を貼り合わせて銅張積層板を製造する。銅箔が積層される柔軟性絶縁基板はフレキシブルプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、ポリエステルフィルムポリイミドフィルム等の樹脂フィルムを使用する事ができる。

0037

ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムと銅箔をエポキシ系やアクリル系の接着剤を使って接着することができる(3層構造)。また、接着剤を使用しない方法(2層構造)としては、ポリイミドの前駆体であるポリイミドワニスポリアミド酸ワニス)を銅箔に塗布し、加熱することでイミド化するキャスティング法や、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に銅箔を重ね合わせ、加熱加圧するラミネート法が挙げられる。キャスティング法においては、ポリイミドワニスを塗布する前に熱可塑性ポリイミド等のアンカーコート材を予め塗布しておくことも有効である。

0038

銅張積層板からプリント配線板を製造する工程は当業者に周知の方法を用いればよく、例えばエッチングレジストを銅張積層板の銅箔面に導体パターンとしての必要部分だけに塗布し、エッチング液を銅箔面に噴射することで不要銅箔を除去して導体パターンを形成し、次いでエッチングレジストを剥離・除去して導体パターンを露出することができる。

0039

以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。

0040

<例1(表面粗さRaのばらつきの影響)>
[圧延銅箔の製造]
タフピッチ銅のインゴット熱間圧延した後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、最後に冷間圧延を行って圧延方向長さが10m以上で設定厚みの圧延銅箔(No.1〜6)を得た。銅箔厚みはNo.1〜4がそれぞれ12μm、18μm、36μm、6μmとし、No.5〜6は10μmとした。最終冷間圧延において、最終パス直前の1パスにのみ用いたワークロールの表面粗さ、及び最終パスに用いたワークロール表面粗さを表1に示す。用いた圧延油の粘度は7.0cSt(40℃)であり、最終冷間圧延における圧延油の温度は40℃前後に制御した。ワークロールの表面粗さは、JIS B0601:2001に従い、接触式の表面粗さ計にて測定した。

0041

得られた圧延銅箔をガラス板上に乗せて固定し、レーザーテック社のコンフォーカル顕微鏡HD100Dを用い、Raavg、ΔRa、RSmavg(例2のみ)、及びΔRSm(例2のみ)を先述した測定方法に基づいて算出した。結果を表1に示す。各測定点の間隔は圧延方向に50mmとした。

0042

[板厚精度評価]
圧延銅箔の板厚は、重量法(IPC−TM−650)に準拠して測定した。得られた銅箔から任意の10mの圧延方向長さを選択し、これについて1mおきに板厚を10点測定した。各測定点の板厚Tは3回測定した平均値を取った。10点のTの平均値をTavg、10点のTの最大値をTmax、10点のTの最小値をTminとした。表1には(Tavg−Tmin)/Tavg及び(Tmax−Tavg)/Tavgの大きい方を「板厚ばらつき(%)」として記載した。

0043

No.1〜No.4は発明例であり、板厚のばらつきを1.3%以下に抑えることができた。
No.5は最終パス直前の1パスの表面粗さが大きかったため、ΔRaが十分に制御できなかった。No.6は最終パス直前の1パスのワークロールの表面粗さを大きくするかわりに、最終パスのワークロールの表面粗を小さくしたが、依然としてΔRaが十分に制御できなかった。

0044

[回路の直線性の評価]
上記の製造方法によって得られた各圧延銅箔を350℃で15分間焼鈍後、ドライフィルムレジスト(旭化成(株)、SUNFORT、厚さ20μm)をラミネートし、回路幅50μm、回路間隔50μmの短冊型の回路パターン露光、現像した。そして、エッチング液として45℃、45ボーメ塩化第2鉄水溶液を用い、エッチングファクタ((銅箔厚み)×2/(各回路の底部幅−各回路の頂部幅))が3.5〜4.5となる条件で銅箔をエッチングした。エッチング後の回路を上から顕微鏡観察し、回路の周縁部分の輪郭目視評価した。
◎:顕微鏡観察したとき、回路の周縁部分の輪郭が直線に近い。
○:顕微鏡観察したとき、回路の周縁部分の輪郭の観察長の半分以下にうねりがみられる。
△:顕微鏡観察したとき、回路の周縁部分の輪郭の観察長の半分超にうねりがみられるが、うねりが見られない箇所も存在する。
×:顕微鏡観察したとき、回路の周縁部分の輪郭全体がうねりを持って波打っている。

0045

0046

<例2(オイルピットの分布の影響)>
[圧延銅箔の製造]
タフピッチ銅のインゴットを熱間圧延した後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、最後に冷間圧延を行って圧延方向長さが10m以上で設定厚み10μmの圧延銅箔(No.7〜12)を得た。最終冷間圧延において、最終パス前まで用いたワークロールの表面粗さRaを0.010μm、及び最終パスに用いたワークロール表面粗さRaを0.050μmとした。用いた圧延油の粘度は7.0cSt(40℃)であり、発明例は、最終冷間圧延中の圧延油の温度を40℃前後となるように調整した。各種特性評価は例1と同様の方法で行った。試験結果を表2に示す。

0047

発明例No.7〜9は最終圧延機の圧延油の温度管理が40℃に管理されているため、オイルピットの分布は均一となり、ばらつきは少なく、板厚のばらつきは1.2%未満と小さかった。
発明例No.10〜12は、最終冷間圧延機中の圧延油の温度の管理以外は発明例No.7〜9と同じ条件で実施した。ここでは最終冷間圧延機中の圧延油の温度の管理を十分には行なわなかったため、40℃を超えて45℃程度にまで上昇した。その結果、オイルピットの分布は均一化することができず、板厚のばらつきが1.2%を超えるケースが見られた。

実施例

0048

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