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技術 高炉出銑孔閉塞用マッド材

出願人 品川リフラクトリーズ株式会社
発明者 新谷悠記北村匡譜梶谷昭仁
出願日 2011年9月20日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2011-204620
公開日 2013年4月11日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2013-063883
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品3 溶鉱炉
主要キーワード 揮発消失 押し出し試験 閉塞作業 有機バインダー量 閉塞材 見かけ気孔率 閉塞用 粘土質原料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年4月11日)のものです。
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課題

本発明の目的は、有機バインダーを多く含むことで発生する高炉出銑孔閉塞用マッド材組織破壊を抑制し、かつ口元剥離を解決した高炉出銑孔閉塞用マッド材を提供することにある。

解決手段

本発明は、耐火性骨材分散剤及び有機バインダーを含む高炉出銑孔閉塞用マッド材において、分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩及び/またはポリエーテルエステル酸アミン塩であることを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材にある。

概要

背景

鉄鉱石に含まれる酸化鉄カーボン還元して溶銑を作る反応容器である高炉は,通常2〜4個の出銑孔を持つ。炉内に生成した溶銑を取り出す際には、生成した溶融スラグも同時に出るが、この操作を便宜的に「出銑」と称している。出銑は、炉底に近い側壁に直径40〜70mm程度の直径で開けられた孔を通じて行われ,この孔を出銑孔と称する。出銑操作では数個の出銑孔の内,通常2つの出銑孔が交互に使用される。一方の出銑孔から出銑中は、他方の出銑孔はマッド材閉塞されている。一定時間(120〜240分)出銑した後、出銑孔にマッド材を充填、閉塞して出銑を終了させる。ほぼ同時に閉塞されていた別の出銑孔を開孔し、充填したマッド材を通じて出銑する。この操作を繰り返すことで,マクロには出銑が継続される。

このように出銑閉塞材として使用されるマッド材に対する安定した高炉操業のためのユーザーの様々な要求は、近年、ますます厳しいものになっている。安定した操業阻害するトラブルには以下のようなものがある。閉塞作業が巧く行かなければ、出銑を止めることができなくなる。一方、開孔作業が巧く行かず、予定した時間以上にかかり過ぎて出銑できない場合、その間も原料投入が継続されると炉内に溶銑と溶融スラグが過剰に溜まることになるので、送風量を抑えて反応速度を抑えるなどの措置が必要となることもある。更に深刻な場合には、出銑孔の数メートル上部にある高炉内熱風を吹き込む羽口にまで溶融スラグレベルが上昇し、羽口閉塞を起こす場合もある。また、出銑時間が著しく短くなると作業負荷が増大し、トラブルと見なされる場合もある。

従来、マッド材には、アルミナ質原料アルミナシリカ質原料粘土質原料及びシリカ質原料を主原料とし、炭素質原料炭化珪素窒化珪素等の副原料を添加し、高炉出銑孔への良好な充填性を得るためバインダー有機結合材)を多量に添加し、優れた作業性を得ていた。しかし、この手法では高炉出銑孔へ充填されたマッド材内でのバインダーの急激な沸騰により組織破壊され、長時間出銑可能なマッド材を得ることが難しかった。また、バインダーを多量に添加したマッド材は、高炉出銑孔へ充填した後のバインダーの揮発に時間が掛かるため,出銑孔の口元剥離現象が発生することがあった。

これらの問題を解決するために,従来からもマッド材のバインダー低減は検討されてきた。例えば、特許文献1には、シャモット、アルミナ、蝋石ジルコンマグネシア、及び炭化珪素等耐火原料の1種以上と、コークス等の炭素質原料と、平均粒径が5μm以下のアルミナ、シリカ、炭化珪素、ジルコン及び合成クロム酸化物から選ばれた1種以上の超微粉1〜10重量%と、土状黒鉛1〜10重量%とこれに有機結合剤とを添加混練してなる高炉出銑口閉塞材が開示されている。特許文献1によれば、超微粉を配合することにより、有機結合剤の添加量を低減でき、このため、高炉出銑口閉塞材を炉内に充填する際の急激な加熱による有機結合剤の沸騰により引き起こされるマッド材組織の破壊を抑制できるとしている。

また、特許文献2には、アルミナ、ろう石、炭化珪素、窒化珪素鉄粘土カーボンブラック等の耐火物原料に対し、粒径0.1〜5.0mmの大きさを有し、かつ平均アスペクト比が0.5〜2.0を示す球状に近い耐火物原料を5〜60重量部使用して混練したことを特徴とする高炉出銑孔閉塞材が開示されている。特許文献2によれば、これらの粒子を使用することで、高密度、高強度になり、出銑時間の長いマッド材が得られるとしている。

更に、特許文献3には、高炉出銑孔の閉塞用マッド材に分散剤として疎水基脂肪族芳香族で、親水基カルボン酸ポリオキシエチレン水酸基アミノアミド基からなる分散剤を一種または複合して使用する高炉出銑孔閉塞用マッド材で、マイクロシリカ等の超微粉、微粉原料を含む耐火物骨材100重量%に対し上記した分散剤を0.005〜3.0重量%配合したことを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材が開示されている。

一方、バインダー系の改良例としては、例えば、特許文献4には、炭素質原料3〜20重量%、炭化珪素5〜50重量%、窒化珪素系原料5〜45重量%、ロー石、シャモット、アルミナ、スピネル及びマグネシアから選択される1種または2種以上の耐火原料3〜75重量%及び粘土3〜20重量%からなる耐火材料65〜92重量%、及びバインダー8〜35重量%からなり、且つ該バインダーが固定炭素32.5%以上で,60℃の粘性として600〜1600cpに調整された無水コールタールピッチからなることを特徴とする溶融金属出湯口用閉塞材が開示されている。特許文献4では、従来の無水タールより固定炭素量の多い無水タールを使用して使用時に出湯口周辺の炉の温度により溶融金属出湯口用閉塞材が焼成される過程で、多くの固定炭素が残留し、溶融金属出湯口用閉塞材中カーボンボンド強化し、その結果、閉塞材の低温側から高温側までの強度を向上し、溶銑、スラグに対する耐摩耗性が大幅に向上しているとしている。更に、溶融金属出湯口用閉塞材の組織内に均一に分布するカーボン量を増加させ、緻密化することで耐食性も増加し、長時間出銑が可能となり、亀裂の発生が抑えられ、開孔難も発生しにくくなるとしている。

概要

本発明の目的は、有機バインダーを多く含むことで発生する高炉出銑孔閉塞用マッド材の組織の破壊を抑制し、かつ口元剥離を解決した高炉出銑孔閉塞用マッド材を提供することにある。本発明は、耐火性骨材、分散剤及び有機バインダーを含む高炉出銑孔閉塞用マッド材において、分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩及び/またはポリエーテルエステル酸アミン塩であることを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材にある。なし

目的

本発明の目的は、有機バインダーを多く含むことで発生する高炉出銑孔閉塞用マッド材の組織の破壊を抑制し、かつ口元剥離を解決した高炉出銑孔閉塞用マッド材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

耐火性骨材分散剤及び有機バインダーを含む高炉出銑孔閉塞用マッド材において、分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩及び/またはポリエーテルエステル酸アミン塩であることを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材。

請求項2

分散剤の配合量が、耐火性骨材100質量%に対して0.05〜2.0質量%の範囲内である、請求項1記載の高炉出銑孔閉塞用マッド材。

技術分野

0001

本発明は、高炉出銑孔閉塞用マッド材に関し,特に、特定の分散剤を使用して有機バインダー使用量を低減した高炉出銑孔閉塞用マッド材に関するものである。

背景技術

0002

鉄鉱石に含まれる酸化鉄カーボン還元して溶銑を作る反応容器である高炉は,通常2〜4個の出銑孔を持つ。炉内に生成した溶銑を取り出す際には、生成した溶融スラグも同時に出るが、この操作を便宜的に「出銑」と称している。出銑は、炉底に近い側壁に直径40〜70mm程度の直径で開けられた孔を通じて行われ,この孔を出銑孔と称する。出銑操作では数個の出銑孔の内,通常2つの出銑孔が交互に使用される。一方の出銑孔から出銑中は、他方の出銑孔はマッド材閉塞されている。一定時間(120〜240分)出銑した後、出銑孔にマッド材を充填、閉塞して出銑を終了させる。ほぼ同時に閉塞されていた別の出銑孔を開孔し、充填したマッド材を通じて出銑する。この操作を繰り返すことで,マクロには出銑が継続される。

0003

このように出銑閉塞材として使用されるマッド材に対する安定した高炉操業のためのユーザーの様々な要求は、近年、ますます厳しいものになっている。安定した操業阻害するトラブルには以下のようなものがある。閉塞作業が巧く行かなければ、出銑を止めることができなくなる。一方、開孔作業が巧く行かず、予定した時間以上にかかり過ぎて出銑できない場合、その間も原料投入が継続されると炉内に溶銑と溶融スラグが過剰に溜まることになるので、送風量を抑えて反応速度を抑えるなどの措置が必要となることもある。更に深刻な場合には、出銑孔の数メートル上部にある高炉内熱風を吹き込む羽口にまで溶融スラグレベルが上昇し、羽口閉塞を起こす場合もある。また、出銑時間が著しく短くなると作業負荷が増大し、トラブルと見なされる場合もある。

0004

従来、マッド材には、アルミナ質原料アルミナシリカ質原料粘土質原料及びシリカ質原料を主原料とし、炭素質原料炭化珪素窒化珪素等の副原料を添加し、高炉出銑孔への良好な充填性を得るためバインダー有機結合材)を多量に添加し、優れた作業性を得ていた。しかし、この手法では高炉出銑孔へ充填されたマッド材内でのバインダーの急激な沸騰により組織破壊され、長時間出銑可能なマッド材を得ることが難しかった。また、バインダーを多量に添加したマッド材は、高炉出銑孔へ充填した後のバインダーの揮発に時間が掛かるため,出銑孔の口元剥離現象が発生することがあった。

0005

これらの問題を解決するために,従来からもマッド材のバインダー低減は検討されてきた。例えば、特許文献1には、シャモット、アルミナ、蝋石ジルコンマグネシア、及び炭化珪素等耐火原料の1種以上と、コークス等の炭素質原料と、平均粒径が5μm以下のアルミナ、シリカ、炭化珪素、ジルコン及び合成クロム酸化物から選ばれた1種以上の超微粉1〜10重量%と、土状黒鉛1〜10重量%とこれに有機結合剤とを添加混練してなる高炉出銑口閉塞材が開示されている。特許文献1によれば、超微粉を配合することにより、有機結合剤の添加量を低減でき、このため、高炉出銑口閉塞材を炉内に充填する際の急激な加熱による有機結合剤の沸騰により引き起こされるマッド材組織の破壊を抑制できるとしている。

0006

また、特許文献2には、アルミナ、ろう石、炭化珪素、窒化珪素鉄粘土カーボンブラック等の耐火物原料に対し、粒径0.1〜5.0mmの大きさを有し、かつ平均アスペクト比が0.5〜2.0を示す球状に近い耐火物原料を5〜60重量部使用して混練したことを特徴とする高炉出銑孔閉塞材が開示されている。特許文献2によれば、これらの粒子を使用することで、高密度、高強度になり、出銑時間の長いマッド材が得られるとしている。

0007

更に、特許文献3には、高炉出銑孔の閉塞用マッド材に分散剤として疎水基脂肪族芳香族で、親水基カルボン酸ポリオキシエチレン水酸基アミノアミド基からなる分散剤を一種または複合して使用する高炉出銑孔閉塞用マッド材で、マイクロシリカ等の超微粉、微粉原料を含む耐火物骨材100重量%に対し上記した分散剤を0.005〜3.0重量%配合したことを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材が開示されている。

0008

一方、バインダー系の改良例としては、例えば、特許文献4には、炭素質原料3〜20重量%、炭化珪素5〜50重量%、窒化珪素系原料5〜45重量%、ロー石、シャモット、アルミナ、スピネル及びマグネシアから選択される1種または2種以上の耐火原料3〜75重量%及び粘土3〜20重量%からなる耐火材料65〜92重量%、及びバインダー8〜35重量%からなり、且つ該バインダーが固定炭素32.5%以上で,60℃の粘性として600〜1600cpに調整された無水コールタールピッチからなることを特徴とする溶融金属出湯口用閉塞材が開示されている。特許文献4では、従来の無水タールより固定炭素量の多い無水タールを使用して使用時に出湯口周辺の炉の温度により溶融金属出湯口用閉塞材が焼成される過程で、多くの固定炭素が残留し、溶融金属出湯口用閉塞材中カーボンボンド強化し、その結果、閉塞材の低温側から高温側までの強度を向上し、溶銑、スラグに対する耐摩耗性が大幅に向上しているとしている。更に、溶融金属出湯口用閉塞材の組織内に均一に分布するカーボン量を増加させ、緻密化することで耐食性も増加し、長時間出銑が可能となり、亀裂の発生が抑えられ、開孔難も発生しにくくなるとしている。

先行技術

0009

特開昭59−57968号公報
特開2002−255660号公報
特開2003−147422号公報
特許第3519907号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特許文献1の高炉出銑口閉塞材では、低有機結合剤化のために組成が限定されるという問題点があり、マッド材の強度、耐食性といった特性が大きく変化してしまうため、マッド材に広く適用することはできなかった。更に、低有機結合剤化されたマッド材では、口元剥離を完全に抑制することはできなかった。また、特許文献2の高炉出銑孔閉塞材では、口元剥離をほぼ完全に抑制することはできるが、使用原料が限定されてしまうという問題点があった。更に、特許文献3の高炉出銑孔閉塞用マッド材では、分散剤を添加することによって、同一の粘性を有する高炉出銑孔閉塞用マッド材を得るために必要なコールタールのような有機結合剤の添加量を多少低減することはできるが、有機結合剤の低減量は十分ではなかった。このため、長時間にわたる出銑を行うことができず、また、口元剥離の抑制も充分なものとは言えない。特許文献4の溶融金属出湯口用閉塞材では、無水コールタールピッチの粘性が高くなるため、バインダー量は多少増加する傾向にあり、充填された際の急激な加熱による沸騰で引き起こされる溶融金属出湯口用閉塞材組織の破壊を抑制することができないことがある。また、口元剥離も防止することはできなかった。

0011

従って、本発明の目的は、有機バインダーを多く含むことで発生する高炉出銑孔閉塞用マッド材の組織の破壊を抑制し、かつ口元剥離を解決した高炉出銑孔閉塞用マッド材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

即ち、本発明は、耐火性骨材、分散剤及び有機バインダーを含む高炉出銑孔閉塞用マッド材において、分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩及び/またはポリエーテルエステル酸アミン塩であることを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材にある。

0013

また、本発明の高炉出銑孔閉塞用マッド材は、分散剤の配合量が耐火性骨材100質量%に対して0.05〜2.0質量%であることを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明の高炉出銑孔閉塞用マッド材によれば、分散剤としてポリエステル酸アマイドアミン塩及び/またはポリエーテルエステル酸アミン塩を配合することにより、有機バインダーの配合量を顕著に削減することができ、それによって高炉出銑孔閉塞用マッド材を急激に加熱した時の組織破壊を抑制することができ、長時間出銑が可能となり、また、口元剥離を抑制することができる。

0015

本発明の高炉出銑孔閉塞用マッド材(以下、「マッド材」と記載する)は、分散剤としてポリエステル酸アマイドアミン塩および/またはポリエーテルエステル酸アミン塩を使用することで、同一の耐火性骨材の配合を有するマッドにおいて、同一の流動特性得るために必要な有機バインダー量を著しく低減することができるものである。なお、耐火性骨材の配合によってその低減効果は異なるものの、有機バインダー量を約10〜35%削減することができる。

0016

ポリエステル酸アマイドアミン塩としては、例えばディスパロンDA−703−50(化成製)、ディスパロンDA−705(楠本化成製)、ディスパロンDA−725(楠本化成製)、ディスパロンDA−7301(楠本化成製)等を使用することができる。

0017

また、ポリエーテルエステル酸アミン塩としては、例えばディスパロンDA−234(楠本化成製)等を使用することができる。

0018

分散剤の添加量は、耐火性骨材100質量%に対して外掛けで0.05〜2.0質量%、より好ましくは0.1〜1.0質量%重量%であり、さらに好ましくは0.2〜0.9質量%の範囲内である。ここで、分散剤の添加量が外掛けで0.05質量%未満では十分な有機バインダー量の低減効果が得らないために好ましくなく、一方,外掛けで2.0質量%を超えると分散剤としての分散効果飽和して経済的でないことと、マッド材の強度の低下が著しくなるために好ましくない。

0019

高炉出銑孔へ充填されたマッド材は,急激に高温状態となり組織内で有機バインダーの急激な沸騰現象が発生し、この影響で充填されたマッド材の組織は破壊され,長時間出銑が困難となっていたが、分散剤として、ポリエステル酸アマイドアミン塩および/またはポリエーテルエステル酸アミン塩を使用すれば、マッド材の作業性を損なうことなく有機バインダー量を低減することができ、それによって高炉出銑孔内での有機バインダーの沸騰を抑制して組織を安定化することができ、これまで以上の長時間出銑が可能となる。

0020

一方、有機バインダー量の低減は口元の剥離現象の低減に有効である。前述のように出銑していた出銑口にマッド材を充填した後、次の出銑のための開口まで一定時間待機するが、その間に有機バインダーが高炉の熱によって揮発消失している必要がある。有機バインダーの揮発消失によって強度が大きくなるが、揮発消失が完了しない場合、十分な強度が得られず、口元が剥離することがあり、有機バインダー量の低減によって有機バインダーの揮発消失にかかる時間を短くすることができ、それによって本発明のマッド材では、口元剥離をほぼ完全に抑制することが可能となる。

0021

更に、上記分散剤を使用することで、耐火性骨材がマッド材として要求される高耐食性、高強度、易充填性、易開口性などの特性を満足させるための組成や粒度を変更することなく、有機バインダー量を低減することができる。

0022

本発明のマッド材に使用される耐火性骨材は,アルミナ質原料、アルミナ・シリカ質原料、粘土質原料及びシリカ質原料からなる群から選択される1種または2種以上の酸化物耐火原料、炭素質原料、炭化珪素質原料窒化珪素質原料などから構成される。

0023

耐火性骨材を構成するアルミナ質原料、アルミナ・シリカ質原料、粘土質原料及びシリカ質原料からなる群から選択される1種または2種以上の酸化物耐火原料は,主骨材を構成し、その配合量は、5〜75質量%、好ましくは30〜65質量%の範囲内である。ここで、酸化物耐火原料の配合量が75質量%を超えると、耐食性が低下するために好ましくなく、また、5質量%未満では、気孔率が高くなる傾向にあるためるために好ましくない。なお、上記の酸化物耐火原料としては、例えば、焼結アルミナ電融アルミナバン頁岩ボーキサイト、シャモット質原料、ロー石などを使用できる。

0024

次に、耐火性骨材を構成する炭素質原料としては、例えば、黒鉛、土状黒鉛、石炭コークス石油コークス及びこれらのコークスの粉末黒鉛電極屑、カーボンブラック、石炭ピッチ石油ピッチなどが使用可能である。炭素質原料はスラグの浸透抑制並びに過焼結抑制を目的に添加されるものであり、その配合量は、3〜20質量%、好ましくは4〜16質量%の範囲内である。炭素質原料の配合量が3質量%未満であると,焼結過多となるために好ましくなく、一方、20質量%を超えると、強度が著しく低下するために好ましくない。

0025

また、耐火性骨材を構成する炭化珪素質原料としては、例えば、アチソン法で製造した炭化珪素質原料や、シリカを還元炭化した炭化珪素原料などが使用可能である。炭化珪素質原料は、スラグに対する耐食性向上を目的として添加されるものであり、その配合量は、5〜50質量%、好ましくは15〜40質量%の範囲内である。炭化珪素質原料の配合量が5質量%未満では,耐食性向上の寄与が少ないために好ましくなく、また、50質量%を超えると、焼結後の強度が低下するために好ましくない。

0026

更に、窒化珪素質原料も、耐食性を向上するために配合される原料であり、例えば、シリカを還元窒化して得た窒化珪素,金属珪素直接窒化した窒化珪素,フェロシリコンを直接窒化珪素鉄などが使用可能である。その配合量は、5〜45質量%、好ましくは15〜40質量%の範囲内である。窒化珪素質原料の配合量が5質量%未満では,耐食性向上に対する十分な効果が得られないために好ましくなく、一方、45質量%を超えると、コストに見合った添加効果が得られないために好ましくない。

0027

また、本発明のマッド材に使用する耐火性骨材には、金属アルミニウム、金属珪素及び金属アルミニウム・珪素合金の1種または2種以上を添加することもできる。これら金属または合金の添加量は、10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。分散剤と、金属アルミニウム、金属珪素、金属アルミニウム・珪素合金等と、有機バインダーを併用することにより、加熱後のマッド材の強度を著しく向上させることができる。これらの金属または合金の添加効果の原因は定かではないが、炭化物の生成が寄与すると考えられ、カーボンボンド形成の効果と炭化物の結合効果とが相乗的に寄与しあって,特に高強度となるものと推定される。

0028

なお、上記耐火性骨材の粒度範囲は、1.0mm以上の粒子が5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、1.0mm未満75μm超の粒子が5〜45質量%、好ましくは10〜35質量%、75μm以下の粒子が20〜70質量%、好ましくは30〜60質量%の範囲内である。

0029

また、本発明のマッド材において、分散剤の添加方法は特には規定されない。耐火性骨材の量と併行して行い耐火性骨材と一緒に混ぜ込むことが可能である。また、混練の際に、別添加とすることでも良い。混練方法は、特定されず一般の混練方法が利用できる。たとえば、深井式のコナーミキサー、上回りミキサーなどが利用できる。

0030

有機バインダーとしては、マッド材用として知られている有機バインダー、すなわち、コールタールやフェノールレジンなどが利用可能である。特に、本発明になる分散剤は、コールタールを有機バインダーとして使用した際に、特に著しい有機バインダー低減効果を発揮する。

0031

本発明品1〜11及び比較品1〜2
分散剤による有機バインダーの配合量の低減効果を評価するために、アルミナ質原料8質量%、ろう石質原料24質量%、粘土質原料8質量%から構成される酸化物耐火原料を46質量%、炭化珪素質原料を15質量%、窒化珪素鉄を30質量%及び炭素質原料を9質量%からなり、1.0mm上の粒子量が17質量%、1.0mm未満75μm超の粒子量が28質量%、75μm以下の粒子量が55質量%である耐火性骨材を使用し、表1に記載する配合量にて分散剤並びに有機バインダーを配合してマッド材を得た。

0032

0033

表1中、
分散剤(1):ポリエステル酸アマイドアミン塩[ディスパロンDA−703−50(楠本化成製)]
分散剤(2):ポリエステル酸アマイドアミン塩[ディスパロンDA−7301(楠本化 成製)]
分散剤(3):ポリエーテルエステル酸アミン塩[ディスパロンDA−234(楠本化成 製)]
分散剤(4):ポリアルキレンポリイミンアルキレンオキシド付加物ディスコール20 6(第一工業製薬製)]
有機バインダー:コールタール[AD−MTHV(JFEケミカル製)]
作業性:
作業性は、押し出し試験によって評価した。先端形状がφ20mmで長さが20mmの形状のキャピラリーからマッド材を一定速度で押し出した際の押し出し圧力を測定し、作業性の評価値とした。押し出し圧力が大きい場合には、マッド材は変形しにくく、逆に、圧力が小さい場合は、変形し易いマッド材であることが判る。実機においては、マッド材が柔らか過ぎても、また、硬すぎても好ましくなく、適度な固さが良い。なお、比較品1の押し出し圧力は4.2kNであった。
分散剤の評価:
分散剤の評価は、上記作業性の評価において押し出し圧力が4.2kNとなるに必要なコールタール配合量を求め、コールタール配合量が少ないほど分散剤の性能が高いと判断した。表1において、比較品1のコールタール配合量に対する低減率を示す。低減率が大きいほど、分散剤の性能が高い。
焼成後の圧縮強さ
焼成後の圧縮強さは、JIS R 2206−2に基づき測定した。
焼成後の見かけ気孔率
焼成後の見かけ気孔率は、JIS R 2205に基づき測定した。
急加熱試験
急加熱試験は、1000℃に保持した電気炉中へ、φ50mm×50mmの試料を投入して加熱し、加熱後の状態を目視により評価したものである。なお、◎:破壊なし、○:破壊軽微、△:破壊中、×:破壊大をそれぞれ示す。
乾燥試験
乾燥試験は、秤に吊り下げされたφ50mm×50mmの試験片を400℃に維持した乾燥機中へ入れ、質量変化を測定して有機バインダーの質量減少速度を測定した。なお、◎:質量減少速度速い、○:質量減少速度中、△:質量減少速度やや低、×:質量減少速度低をそれぞれ示す。

0034

本発明品12及び比較品3
アルミナ質原料10質量%、ろう石質原料38質量%、シリカ質原料2質量%から構成される酸化物耐火原料を50質量%、炭化珪素質原料を20質量%、窒化珪素鉄を19質量%及び炭素質原料を11質量%からなり、1.0mm上の粒子量が44質量%、1.0mm未満75μm超の粒子量が13質量%、75μm以下の粒子量が43質量%である耐火性骨材を使用し、表2に記載する配合量にて分散剤並びに有機バインダーを配合してマッド材を得た。

0035

0036

表2中、
分散剤(1):ポリエステル酸アマイドアミン塩[ディスパロンDA−703−50(楠本化成製)]
有機バインダー:コールタール[AD−MTOHV(JFEケミカル製)]

実施例

0037

実機使用例
本発明品5及び比較品1を実機にて使用した。比較品1は、慣用の実機使用されているマッド材である。本発明品5を使用した際のマッドガンへの充填状況、出銑中の出銑孔への充填圧力と充填時間は比較品1とほぼ同等であった。また、前述のように充填されたマッド材は、他の出銑孔から出銑している間待機した後、開孔機によって開孔し出銑するが、開孔作業は問題なく行うことができ、また、開孔に要する時間も比較品1とほぼ同等であった。
その結果、出銑時間は比較品1が183分であったのに対し、本発明品5では227分となり、比較品1に比べて24%延長した。また、口元の欠けについては、比較品1の発生率が8%であったのに対し、本発明品5では発生せず、口元剥離に対しても有効であることが確認された。

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    【課題】水抜け性が良好な熱間吹付補修材を実現する。【解決手段】マグネシア原料と、マグネシア原料に対して外掛で5〜20質量%の鉄粉と、を含む。... 詳細

  • 旭化成株式会社の「 炭素フォーム、複合体及び製造方法」が 公開されました。( 2021/08/12)

    【課題・解決手段】炭素フォームは炭素繊維からなる。任意の20箇所の中の90%以上において炭素繊維の繊維径が平均繊維径の±20%以内である。... 詳細

  • デンカ株式会社の「 六方晶窒化ホウ素焼結体」が 公開されました。( 2021/08/10)

    【課題】密度に対するショア硬さに優れる焼結体を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、六方晶窒化ホウ素を含み、上記六方晶窒化ホウ素の含有量が98質量%以上であり、水銀ポロシメーターによって測定され... 詳細

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