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技術 脱硝方法

出願人 三菱日立パワーシステムズ株式会社
発明者 加藤泰良今田尚美甲斐啓一郎池本清司松山琴衣
出願日 2011年9月6日 (9年3ヶ月経過) 出願番号 2011-193588
公開日 2013年3月21日 (7年9ヶ月経過) 公開番号 2013-052371
状態 特許登録済
技術分野 触媒による排ガス処理 触媒
主要キーワード 析出開始温度 析出領域 排ガス濃度 メタルラス 系無機繊維 毛管凝縮 自由エネルギー変化 析出温度
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この項目の情報は公開日時点(2013年3月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

平衡定数で決定される酸性硫安析出温度以下の温度での運用が可能な脱硝方法を提案する。

解決手段

三酸化イオウ(SO3)を含有する排ガスに、還元剤としてアンモニア(NH3)もしくはNH3の前駆体である尿素を吹き込んだ後、触媒と接触させて排ガスに含有される窒素酸化物(NOx)を還元除去する脱硝方法であって、この触媒として、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)の少なくとも一方、バナジウム(V)、およびリン(P)の酸化物からなる触媒を用い、NH3、SO3、及び水(H2O)のそれぞれの濃度の積で決まる酸性硫安の析出温度以下の温度で脱硝反応を行わせること。

概要

背景

ボイラ等からの排ガスに、アンモニア(NH3)やNH3の前駆体として尿素を添加した後に触媒と接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元除去する所謂、接触還元脱硝方法は、比較的簡単な装置構成で高い性能が得られるため広く用いられている。

ところで、この種の脱硝方法において還元剤として用いられるNH3は、排ガス中のSO3と反応して酸性硫安を生成する。この酸性硫安が触媒の細孔を閉塞させて触媒活性を低下させることが知られている。この点については、例えば、非特許文献1等に記載されている。

このため、脱硝装置起動時や夜間等に行われるボイラの低負荷運転時等、排ガス温度が酸性硫安の析出温度以下になる条件では、(1)NH3注入を行わないか、(2)排ガス温度が酸性硫安の析出温度以上になるようにボイラを運転したり、高温の排ガスを脱硝装置の上流に吹き込む等の対策を採って、酸性硫安の析出による触媒の劣化を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

また、排ガス中のSO3やNO2の成分とNH3との化合物の析出温度範囲については、特許文献2の第2図に示されている。

概要

平衡定数で決定される酸性硫安の析出温度以下の温度での運用が可能な脱硝方法を提案する。三酸化イオウ(SO3)を含有する排ガスに、還元剤としてアンモニア(NH3)もしくはNH3の前駆体である尿素を吹き込んだ後、触媒と接触させて排ガスに含有される窒素酸化物(NOx)を還元除去する脱硝方法であって、この触媒として、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)の少なくとも一方、バナジウム(V)、およびリン(P)の酸化物からなる触媒を用い、NH3、SO3、及び水(H2O)のそれぞれの濃度の積で決まる酸性硫安の析出温度以下の温度で脱硝反応を行わせること。なし

目的

本発明の課題は、平衡定数で決定される酸性硫安の析出温度以下での運用が可能な脱硝技術を提案することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

三酸化イオウ(SO3)を含有する排ガスに、還元剤としてアンモニア(NH3)もしくはNH3の前駆体である尿素を吹き込んだ後、触媒と接触させて前記排ガスに含有される窒素酸化物(NOx)を還元除去する脱硝方法であって、前記触媒として、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の少なくとも一方、バナジウム(V)、及びリン(P)の酸化物からなる触媒を用い、NH3、SO3、及び水(H2O)のそれぞれの濃度の積で決まる酸性硫安析出温度以下の温度で脱硝反応を行わせることを特徴とする脱硝方法。

請求項2

Mo及びWは1〜10atom%、Vは0を超えて7wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の脱硝方法。

請求項3

Pの添加量は、酸化チタンに対し正燐酸(H3PO4)として、1wt%〜10wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱硝方法。

技術分野

0001

本発明は、NOx及びSO3を含有する排ガス脱硝方法係り、特に、酸性硫安析出温度以下でNH3もしくはNH3の前駆体である尿素を吹き込んでも触媒劣化することなく、高い脱硝性能を維持することができる脱硝方法に関する。

背景技術

0002

ボイラ等からの排ガスに、アンモニア(NH3)やNH3の前駆体として尿素を添加した後に触媒と接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元除去する所謂、接触還元脱硝方法は、比較的簡単な装置構成で高い性能が得られるため広く用いられている。

0003

ところで、この種の脱硝方法において還元剤として用いられるNH3は、排ガス中のSO3と反応して酸性硫安を生成する。この酸性硫安が触媒の細孔を閉塞させて触媒活性を低下させることが知られている。この点については、例えば、非特許文献1等に記載されている。

0004

このため、脱硝装置起動時や夜間等に行われるボイラの低負荷運転時等、排ガス温度が酸性硫安の析出温度以下になる条件では、(1)NH3注入を行わないか、(2)排ガス温度が酸性硫安の析出温度以上になるようにボイラを運転したり、高温の排ガスを脱硝装置の上流に吹き込む等の対策を採って、酸性硫安の析出による触媒の劣化を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

また、排ガス中のSO3やNO2の成分とNH3との化合物の析出温度範囲については、特許文献2の第2図に示されている。

先行技術

0006

特開平11−319482号公報
特開平4−118025号公報
S.Matsuda etc,Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.21(1982),P48

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、例えば、特許文献1において、NH3の注入を停止する間は、脱硝を行うことができないため、環境保全の観点から好ましくない。また、脱硝装置に投入する排ガス濃度を酸性硫安の析出温度以上に保持すると、エネルギーの浪費にあたり、CO2排出量の増加に繋がる。

0008

近年では、米国等で高S炭を燃料とするボイラが増加しており、その場合には排ガス中のSO3 濃度が高く、50ppmを超えることも少なくない。SO3 とNH3 とから酸性硫安の析出反応は、式(1)及び式(2)で示される平衡定数を持った平衡反応である。
NH3(ガス)+SO3(ガス)+H2O(ガス)
→ NH4HSO4(液体)・・・・・・(1)
K=1/([NH3][SO3][H2O]) ・・・・・・(2)

0009

このため、SO3 濃度が高ければ、酸性硫安の析出開始温度、つまり劣化防止のため維持しなければならない温度が益々高温化する傾向にある。

0010

本発明の課題は、平衡定数で決定される酸性硫安の析出温度以下での運用が可能な脱硝技術を提案することにある。

課題を解決するための手段

0011

まず、本発明で使用する触媒の作用について説明する。

0012

式(2)で説明したように、酸性硫安の析出温度は、熱力学的な平衡定数に基づいて決定される。ここで、酸性硫安は300℃付近でも液体であり、これが触媒細孔内に毛管凝縮すると、熱力学的な析出温度よりも高い温度で触媒中に堆積するようになる(非特許文献1参照。)。また、触媒に硫酸根が容易に吸着されると、酸性硫安の生成を促進するため、劣化は更に加速される。

0013

この点、本発明で用いる触媒は、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の少なくとも一方、及びバナジウム(V)に加えて、リン(P)の酸化物を有しているため、リン酸化物燐酸イオンの形で酸化チタンに吸着し、触媒に硫酸根を吸着し難くする。したがって、硫酸根とNH3が反応して酸性硫安が細孔内に生成されるのを抑制することができる。また、酸性硫安が生成されたとしても、酸性硫安中のNH3と排ガス中のNOとが反応する式(3)及び式(3´)が進行することで、ガス状のH2SO4もしくはSO3に戻されて排ガス中に飛散する。このため、触媒中に蓄積する酸性硫安を極めて低く維持することができる。

0014

NH4HSO4+NO+1/4O2
→ H2SO4+N2+1/2H2O・・・・・(3)
NH4HSO4+NO+1/4O2
→ SO3+N2+3/2H2O・・・・・・・(3´)

0015

ここで、本発明者らは、当該触媒を脱硝触媒として使用するべく、さらに鋭意検討を進めた結果、この組成を有する触媒は、触媒劣化を抑制するだけでなく、酸性硫安の熱力学的析出温度以下でも高い活性を示すことを知見し、本発明の脱硝方法を完成するに至った。

0016

すなわち、本発明は、三酸化イオウ(SO3)を含有する排ガスに、還元剤としてアンモニア(NH3)もしくはNH3の前駆体である尿素を吹き込んだ後、触媒と接触させて排ガスに含有される窒素酸化物(NOx)を還元除去する脱硝方法であって、触媒として、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の少なくとも一方、バナジウム(V)、及びリン(P)の酸化物からなる触媒を用い、NH3、SO3、及び水(H2O)のそれぞれの濃度の積で決まる酸性硫安の析出温度以下の温度で脱硝反応を行わせることを特徴とする。

0017

本発明によれば、式(1)の反応が進行し、触媒上に酸性硫安が析出し始めるが、酸性硫安中のNH3は、触媒作用によって、式(3)の反応により脱硝に使われるため、結果として、硫酸(H2SO4)もしくはSO3とH2Oが生成される。さらに、この触媒は、SO3もしくはSO4の吸着能力が極めて低いため、生成したSO3又はSO4は直ちに脱離してガス相移行し、触媒に蓄積することがない。

0018

したがって、例えば、排ガスに含有される窒素酸化物の脱硝反応が行われる空間の一部又は全部が、酸性硫安の析出温度以下の温度になったとしても、式(1)と式(3)が逐次起こることにより、触媒への酸性硫安や硫酸根の蓄積を抑制することができる。そのため、ボイラ等、燃焼機の起動時における温度の低い条件から脱硝が可能になるとともに、夜間等の低負荷時に起こる排ガス温度が酸性硫安の析出温度以下になる条件でも劣化することなく、脱硝装置を運転することが可能になる。加えて、本発明によれば、CO2 排出量を増加させることもないので、環境保全や地球の温暖化防止にも寄与する。

発明の効果

0019

本発明によれば、平衡定数で決定される酸性硫安の析出温度以下でも運用が可能になる。

0020

以下、本発明の実施例を説明する。

0021

脱硝方法において、酸性硫安の析出温度以下での脱硝を可能にするために重要なのは触媒の組成である。本発明の脱硝方法における触媒は、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の少なくとも一方、バナジウム(V)、及びリン(P)の酸化物であることを特徴としている。

0022

ここで、Mo及びWは、通常1〜10atom%、Vは0を超えて7wt%以下とするのが好ましい。

0023

また、Pは触媒中の酸化チタン表面に燐酸イオンとして吸着し、硫酸根が硫酸イオンとして吸着することを阻害する働きをするため、特に重要である。Pの添加量は酸化チタンの表面積にもよるが、酸化チタンに対し正燐酸(H3PO4)として1wt%〜10wt%、望ましくは2〜8wt%であることが好ましい。

0024

添加するPの化合物としては、通常、正燐酸が用いられるが、他の縮合燐酸や焼成により燐酸を与える塩類であっても差し支えない。

0025

触媒の形状は、原理上効果は形状によらないため、板状、ハニカム、粒状等どのような形状であっても差し支えないが、硫黄(S)含有量の大きい石炭焚の場合には、板状や大口径のハニカム等が燃焼灰による、触媒の細孔の閉塞がなく好都合である。

0026

また、本発明の触媒が適用される酸性硫安の析出温度Tとは、式(1)で示される反応のギブス自由エネルギー変化ΔGを用いて、以下の式(5)のように求められる。
T=ΔG/(−R*lnK) ・・・・・・・・・・・・ (5)
ここで、Kは式(2)に示した析出の平衡定数である。

0027

次に、本発明の脱硝方法を実際に実施してみた。以下、その実施例について詳細に説明する。

0028

(実施例1〜4)
酸化チタン(石原産業製、比表面積150m2/g)、ヘキサモリブデン酸アンモニウムメタバナジン酸アンモニウムシリカゾル日産化学製、OSゾル)、85%リン酸の各原料をそれぞれ表1に示した分量に量してニーダに投入、これに更に水50gを添加後、60分混練した。その後、シリカアルミナ系無機繊維(東ファインフレックス)を徐々に添加しながら、30分間混練して水分27%の触媒ペーストを得た。得られたペーストを、厚さ0.16mmのSUS430製鋼板をメタルラス加工した厚さ0.7mmの基材の上に置き、これを二枚のポリエチレンシートに挟んで一対の加圧ローラに通して、メタルラス基材網目を埋めるように塗布した。そして、これを風で乾燥後、500℃で2時間焼成して触媒を得た。

0029

0030

(実施例5)
実施例1のヘキサモリブデン酸アンモニウムに代えて、メタタングステン酸アンモニウムを用いた。そして、酸化チタン、メタタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、シリカゾル、85%リン酸の各原料をそれぞれ表2に示した分量に秤量して、実施例1〜4の場合と同様な操作を行って触媒を調整した。

0031

0032

(比較例1〜5)
表1(実施例1〜4)及び表2(実施例5)に示した各原料のうち、Pの添加量を0gにし、他は各実施例1〜5と同様にして触媒を調整した。

0033

次に、上記実施例1〜5及び比較例1〜5で調整した触媒を用いて、下記の実験を行った。

0034

(実験例1)
実施例1〜5及び比較例1〜5の触媒について、SO3 を100ppm添加した水分濃度10%−300℃のプロパン燃焼排ガス中に500時間曝露し、その前後の触媒について触媒中の硫酸根を蛍光X線分析により測定した。得られた結果を表3に示す。

0035

0036

表3を見てみると、本発明における実施例1〜5の触媒は、100ppmという高濃度のSO3に曝されても、SO4量の増加が少なく、触媒への硫酸根の吸着・蓄積が大幅に低減されていることが分かる。

0037

(実験例2)
本発明の触媒が酸性硫安の析出領域で劣化し難いことを明らかにするため、実施例1〜5及び比較例1〜5の触媒について、SO3 を100ppm、NH3 を300ppm添加するとともに、温度を酸性硫安の析出温度以下にするために270℃に低下させて、実験例1と同様の試験を実施した。なお、本実験例における酸性硫安析出温度は、式(5)を用いて計算すると、約293℃に相当する。

0038

試験後の触媒の硫酸根を蛍光X線分析で測定するとともに、表4の条件で脱硝率を測定した。

0039

0040

得られたSO4分析の結果を表3に、脱硝性能に関する結果を表5にまとめて示す。

0041

実施例

0042

表3および表5を見ると、実施例1〜5の触媒は触媒中への硫酸根の蓄積が極めて小さく、また本実験によっても脱硝率の低下が殆ど起こっていないことが分かる。

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