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技術 車両と外部との間での充電/給電システムにおける動作モードの識別方法、及び同識別方法によって同システムの動作モードを識別する識別装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 澤田博樹鈴木保男新川友香市川真士
出願日 2011年8月30日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2011-186934
公開日 2013年3月14日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2013-051754
状態 特許登録済
技術分野 給配電網の遠方監視・制御 電池等の充放電回路 二次電池の保守(充放電、状態検知) 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 勘合状態 合成インピーダンス値 停電モード モーティブ 充放電コントローラ データ入出力ポート 電気短絡 被給電装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モード給電モードとを確実に識別する。

解決手段

外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する。具体的には、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出し、前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定する。

概要

背景

電動車両は、蓄電装置(例えば、二次電池キャパシタ等)を搭載し、且つ当該蓄電装置に蓄えられた電力によって駆動する動力源(例えば、モータ等)から生じる駆動力を用いて走行する。かかる電動車両としては、例えば、電気自動車EV)、ハイブリッド自動車HV)等が含まれる。

かかる電動車両においては、例えば、各家庭に供給される商用電源(例えば、100V若しくは200V等の比較的低い電圧供給源)により、電動車両に搭載された蓄電装置を充電する技術が既に開発されている。以下、車両の外部電源により、車両に搭載された蓄電装置(例えば、バッテリ等)を充電可能な車両を「プラグイン車」とも称する場合がある。

尚、ハイブリッド自動車(HV)においては、例えば、HVに搭載された内燃機関又は回生ブレーキ等によって、通常時は動力源として機能するモータを発電機として駆動し、HVに搭載された蓄電装置を充電することもできるが、当該蓄電装置を上記のように外部電源により充電することもできる。かかるHVは、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)とも称される。

一方、例えば、環境保護の観点からの電力の有効利用や災害時等における電力不足緩和等を目的として、上記のような電動車両に搭載された蓄電装置から外部の被給電装置(例えば、電源電気負荷等)に対して、電力を供給することが提案されている。換言すれば、電動車両に搭載された蓄電装置を、外部の被給電装置に対する給電装置として使用することが提案されている。

この場合、電動車両に搭載された蓄電装置から外部の被給電装置に対して電力を供給するための給電機構を、外部の給電装置(例えば、商用電源等)から電動車両に搭載された蓄電装置に対して電力を供給して当該蓄電装置を充電するための充電機構とは別個に構成することも可能である。しかしながら、このように充電機構とは別個に給電機構を設けることは、例えば、車両の大型化、給電/充電機構の複雑化、車両の製造コストの増大等の様々な問題を招く虞がある。

そこで、当該技術分野においては、車両から外部の被給電装置への給電及び外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を1つの機構において切り替えて実行することを可能とする様々な技術が提案されている。

例えば、電気自動車のバッテリと住宅との間で相互に電力伝達可能とする電力マネジメントシステムにより、住宅側メインコントローラにおいて充電モードにするか放電モードにするかが判断され、住宅側の充放電コントローラから通信用アンテナを介して車両側バッテリコントローラ充放電制御信号が送信され、車両において、通信用アンテナを介して受信した充放電制御信号に基づいて、充電制御または放電制御が実行される技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。

ところで、上記のように車載バッテリを住宅から充電することが可能な電気自動車の規格としては、アメリカ合衆国においてはSAE(ソサエティオブオートモーティブエンジニアズ(Society of Automotive Engineers))により「エスエーイー・エレクトリックビークルコンダクティブチャージカプラ(SAE Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」(非特許文献1)が制定されており、日本においても「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」(非特許文献2)が制定されている。

また、上記非特許文献1及び非特許文献2においては、コントロールパイロットに関する規格が定められている。当該コントロールパイロットは、構内配線から車両へ電力を供給するEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)の制御回路と車両の接地部とを車両側の制御回路を介して接続する制御線として定義されており、当該制御線を介して通信されるCPLT信号パイロット信号)に基づいて、充電ケーブル接続状態や電源から車両への電力供給可否、EVSEの定格電流等が判断される。

そこで、車両に搭載された蓄電装置を車両外部の電源から充電可能であり、且つ蓄電装置から車両外部の電源または車両外部の電気負荷へ給電可能な車両の充放電システムにおいて、当該充放電システムが備える信号生成回路に、電力ケーブル充電用のものか給電用のものかを区別可能制御信号(CPLT信号)を生成させ、当該信号生成回路から与えられる制御信号に従って、車両に搭載された制御装置が充電モード及び給電モードの何れかで電力変換装置を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。

しかしながら、上記のように特定の制御信号のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行う場合、例えば、当該制御信号を伝達する信号経路の破損、当該制御信号を検出する検出手段の故障誤動作、接続部(例えば、インレット等)とコネクタとの間での接触不良経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等、何等かの原因により、特定の制御信号が正しく検出されないことに起因して、動作モードの誤判定に繋がる虞がある。

かかる誤判定が発生すると、例えば、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電が行われない、車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題を生ずる虞がある。更には、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電と車両から外部の被給電装置への給電とが同時に実行され、結果として車両と外部の給電装置との電気的短絡等により、外部の給電装置や車両が搭載する蓄電装置・発電装置の破損・焼損等の事態を招く虞もある。

以上のように、当該技術分野においては、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる技術に対する継続的な要求が存在する。

概要

車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別する。外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する。具体的には、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出し、前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定する。

目的

本発明は、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することを1つの目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法であって、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、を特徴とする識別方法。

請求項2

請求項1に記載の識別方法であって、前記複数の検出値が、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出される前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC(PowerLineCommunication)通信電力線通信)の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタ勘合状態を表す制御信号の検出値、並びに前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブル接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値、から選ばれる少なくとも1つの検出値を含むこと、を更なる特徴とする識別方法。

請求項3

請求項2に記載の識別方法であって、前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号ケーブル接続信号)であること、を更なる特徴とする識別方法。

請求項4

請求項2に記載の識別方法であって、前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号パイロット信号)であること、を更なる特徴とする識別方法。

請求項5

請求項2に記載の識別方法であって、前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、及び前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、を更なる特徴とする識別方法。

請求項6

請求項5に記載の識別方法であって、前記複数の検出値が、前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、前記PISW信号の検出値と、前記CPLT信号の検出値と、を含むこと、を更なる特徴とする識別方法。

請求項7

請求項5に記載の識別方法であって、前記複数の検出値が、前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、前記PLC通信の有無に対応する検出値及び前記PLC通信によって伝達される信号の検出値と、前記PISW信号の検出値と、前記CPLT信号の検出値と、を含むこと、を更なる特徴とする識別方法。

請求項8

請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の識別方法であって、前記複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係を予め定めること、及び前記対応関係に基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、を更なる特徴とする識別方法。

請求項9

外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別装置であって、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、を特徴とする識別装置。

請求項10

請求項9に記載の識別装置であって、前記複数の検出値が、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出される前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値、並びに前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値、から選ばれる少なくとも1つの検出値を含むこと、を更なる特徴とする識別装置。

請求項11

請求項10に記載の識別装置であって、前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、を更なる特徴とする識別装置。

請求項12

請求項10に記載の識別装置であって、前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、を更なる特徴とする識別装置。

請求項13

請求項10に記載の識別装置であって、前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、及び前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、を更なる特徴とする識別装置。

請求項14

請求項13に記載の識別装置であって、前記複数の検出値が、前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、前記PISW信号の検出値と、前記CPLT信号の検出値と、を含むこと、を更なる特徴とする識別装置。

請求項15

請求項13に記載の識別装置であって、前記複数の検出値が、前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、前記PLC通信の有無に対応する検出値及び前記PLC通信によって伝達される信号の検出値と、前記PISW信号の検出値と、前記CPLT信号の検出値と、を含むこと、を更なる特徴とする識別装置。

請求項16

請求項9乃至請求項15の何れか1項に記載の識別装置であって、前記複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係を予め定めること、及び前記対応関係に基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、を更なる特徴とする識別装置。

技術分野

0001

本発明は、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モード切り替えて実行可能な充電/給電システムにおいて両モードに共通の接続部(例えば、インレット等)を使用する場合に、同システムの動作モードを識別する識別方法に関する。また、本発明は、同方法によって同システムの動作モードを識別する識別装置にも関する。

背景技術

0002

電動車両は、蓄電装置(例えば、二次電池キャパシタ等)を搭載し、且つ当該蓄電装置に蓄えられた電力によって駆動する動力源(例えば、モータ等)から生じる駆動力を用いて走行する。かかる電動車両としては、例えば、電気自動車EV)、ハイブリッド自動車HV)等が含まれる。

0003

かかる電動車両においては、例えば、各家庭に供給される商用電源(例えば、100V若しくは200V等の比較的低い電圧供給源)により、電動車両に搭載された蓄電装置を充電する技術が既に開発されている。以下、車両の外部電源により、車両に搭載された蓄電装置(例えば、バッテリ等)を充電可能な車両を「プラグイン車」とも称する場合がある。

0004

尚、ハイブリッド自動車(HV)においては、例えば、HVに搭載された内燃機関又は回生ブレーキ等によって、通常時は動力源として機能するモータを発電機として駆動し、HVに搭載された蓄電装置を充電することもできるが、当該蓄電装置を上記のように外部電源により充電することもできる。かかるHVは、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)とも称される。

0005

一方、例えば、環境保護の観点からの電力の有効利用や災害時等における電力不足緩和等を目的として、上記のような電動車両に搭載された蓄電装置から外部の被給電装置(例えば、電源電気負荷等)に対して、電力を供給することが提案されている。換言すれば、電動車両に搭載された蓄電装置を、外部の被給電装置に対する給電装置として使用することが提案されている。

0006

この場合、電動車両に搭載された蓄電装置から外部の被給電装置に対して電力を供給するための給電機構を、外部の給電装置(例えば、商用電源等)から電動車両に搭載された蓄電装置に対して電力を供給して当該蓄電装置を充電するための充電機構とは別個に構成することも可能である。しかしながら、このように充電機構とは別個に給電機構を設けることは、例えば、車両の大型化、給電/充電機構の複雑化、車両の製造コストの増大等の様々な問題を招く虞がある。

0007

そこで、当該技術分野においては、車両から外部の被給電装置への給電及び外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を1つの機構において切り替えて実行することを可能とする様々な技術が提案されている。

0008

例えば、電気自動車のバッテリと住宅との間で相互に電力伝達可能とする電力マネジメントシステムにより、住宅側メインコントローラにおいて充電モードにするか放電モードにするかが判断され、住宅側の充放電コントローラから通信用アンテナを介して車両側バッテリコントローラ充放電制御信号が送信され、車両において、通信用アンテナを介して受信した充放電制御信号に基づいて、充電制御または放電制御が実行される技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。

0009

ところで、上記のように車載バッテリを住宅から充電することが可能な電気自動車の規格としては、アメリカ合衆国においてはSAE(ソサエティオブオートモーティブエンジニアズ(Society of Automotive Engineers))により「エスエーイー・エレクトリックビークルコンダクティブチャージカプラ(SAE Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」(非特許文献1)が制定されており、日本においても「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」(非特許文献2)が制定されている。

0010

また、上記非特許文献1及び非特許文献2においては、コントロールパイロットに関する規格が定められている。当該コントロールパイロットは、構内配線から車両へ電力を供給するEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)の制御回路と車両の接地部とを車両側の制御回路を介して接続する制御線として定義されており、当該制御線を介して通信されるCPLT信号パイロット信号)に基づいて、充電ケーブル接続状態や電源から車両への電力供給可否、EVSEの定格電流等が判断される。

0011

そこで、車両に搭載された蓄電装置を車両外部の電源から充電可能であり、且つ蓄電装置から車両外部の電源または車両外部の電気負荷へ給電可能な車両の充放電システムにおいて、当該充放電システムが備える信号生成回路に、電力ケーブル充電用のものか給電用のものかを区別可能制御信号(CPLT信号)を生成させ、当該信号生成回路から与えられる制御信号に従って、車両に搭載された制御装置が充電モード及び給電モードの何れかで電力変換装置を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。

0012

しかしながら、上記のように特定の制御信号のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行う場合、例えば、当該制御信号を伝達する信号経路の破損、当該制御信号を検出する検出手段の故障誤動作、接続部(例えば、インレット等)とコネクタとの間での接触不良経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等、何等かの原因により、特定の制御信号が正しく検出されないことに起因して、動作モードの誤判定に繋がる虞がある。

0013

かかる誤判定が発生すると、例えば、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電が行われない、車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題を生ずる虞がある。更には、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電と車両から外部の被給電装置への給電とが同時に実行され、結果として車両と外部の給電装置との電気的短絡等により、外部の給電装置や車両が搭載する蓄電装置・発電装置の破損・焼損等の事態を招く虞もある。

0014

以上のように、当該技術分野においては、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる技術に対する継続的な要求が存在する。

0015

特開2001−008380号公報
特開2010−035277号公報
特開2009−106053号公報

先行技術

0016

「エスエーイー・エレクトリック・ビークル・コンダクティブ・チャージ・カプラ(SAEElectric Vehicle Conductive Charge Coupler)」、(アメリカ合衆国)、エスエーイー規格(SAE Standards)、エスエーイー・インターナシナル(SAE International)、2001年11月
「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」、日本電動車両協会規格(日本電動車両規格)、2001年3月29日

発明が解決しようとする課題

0017

前述のように、当該技術分野においては、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる技術に対する継続的な要求が存在する。

0018

本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。より具体的には、本発明は、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することを1つの目的とする。

課題を解決するための手段

0019

本発明の上記目的は、
外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法であって、
前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び
前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を特徴とする識別方法によって達成することができる。

0020

また、本発明の上記目的は、
外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別装置であって、
前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び
前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を特徴とする識別装置によっても達成することができる。

発明の効果

0021

上記のように、本発明に係る識別方法又は識別装置によれば、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の1つの実施例に係る識別装置の構成を説明する模式図である。
本発明の1つの実施例に係る識別方法において実行される種々の処理の流れを表すフローチャートである。

0023

前述のように、本発明は、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することを1つの目的とする。

0024

本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、特定の制御信号のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行うのではなく、車両と外部装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて判定を行うことにより、充電モードと給電モードとの識別における信頼性を高めることができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。

0025

即ち、本発明の第1の実施態様は、
外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法であって、
前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び
前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を特徴とする識別方法である。

0026

本実施態様に係る識別方法は、上記のように、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法である。

0027

上記車両は、蓄電装置(例えば、二次電池やキャパシタ等)を搭載する車両を指し、具体的には、例えば、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)又は電気自動車(EV)等の電動車両を指す。上記車両は、外部の給電装置から当該車両が搭載する蓄電装置への充電を行うことができ、例えば、当該車両と給電装置とを接続する充電用コネクタ等を勘合させるための接続部(例えば、インレット等)を備えているのが一般的である。当然のことながら、充電用コネクタは、例えば、ケーブル等によって、給電装置と電気的に接続される。

0028

また、上記車両は当該車両から外部の被給電装置への給電を行うこともできる。本実施態様においては、当該車両から外部の被給電装置への給電を行う際にも、例えば、当該車両と被給電装置とを接続する給電用コネクタ等を、上記接続部に勘合させる。即ち、本実施態様においては、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードの両方の動作モードにおいて共通の接続部を使用する。当然のことながら、給電用コネクタは、例えば、ケーブル等によって、被給電装置と電気的に接続される。

0029

尚、本実施態様において、給電装置とは、車両に電力を供給して、当該車両が搭載する蓄電装置(例えば、二次電池やキャパシタ等)を充電する装置を指し、例えば、各家庭に供給される商用電源や充電スタンド等を例として挙げることができる。また、被給電装置とは、車両から供給される電力を受ける装置を指し、例えば、家庭用電化製品等の電気負荷、電源や電力網等を例として挙げることができる。

0030

従って、上記車両は、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムを備える。

0031

上記充電/給電システムは、例えば、給電装置から供給される電力を、車両が搭載する蓄電装置を充電するのに適切な状態に変換したり、車両が搭載する発電装置(例えば、発電機、発電機としても機能するモータ、回生ブレーキ等)によって発電される電力や蓄電装置に蓄えられる電力を被給電装置に給電するのに適切な状態に変換したりするための電力変換機構(例えば、AC−DCコンバータ等)を含むことができる。

0032

更に、上記充電/給電システムは、例えば、車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給する電力経路、車両と給電装置又は被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態やケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、給電装置の定格電流等を表す制御信号を伝達する信号経路、これらの電力経路や信号経路を介して伝達される種々の制御信号を検出する検出手段(例えば、電圧センサ等の各種センサ)、検出手段によって検出される種々の検出値に基づいて充電モードと給電モードとを切り替える制御手段等の種々の機構を含むことができる。

0033

上記制御手段としては、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、データ記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ揮発性メモリ等)、データ入出力ポート等を含む電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等を挙げることができる。但し、上記充電/給電システムの構成に関する上記説明はあくまでも例示であって、上記充電/給電システムの構成は上記説明に限定されるものではない。

0034

上述のように、本実施態様に係る識別方法は、上記充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法である。具体的には、本実施態様に係る識別方法においては、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値が検出され、前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定される。

0035

上記通電経路は、例えば、車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給する電力経路、車両と給電装置又は被給電装置との間で種々の制御信号を伝達する信号経路等、車両と給電装置又は被給電装置とを電気的に接続する通電経路を指す。更に、上記通電経路には、例えば、電装置又は被給電装置とを接続するためのコネクタと車両との間に形成される通電経路、かかるコネクタを勘合させる接続部と車両が備える制御装置や検出手段との間に形成される通電経路等も含まれる。

0036

より具体的には、本実施態様に係る識別方法は、上述のような通電経路等に配設された検出手段(例えば、電圧センサ等の各種センサ)によって、上記電力経路を介して供給される電力の電圧や電流、上記信号経路を介して伝達される種々の制御信号等に対応する複数の検出値を検出し、これら複数の検出値の組み合わせに基づいて、例えば、CPU、データ記憶装置、データ入出力ポート等を含むECU等(例えば、電力制御装置PM−ECU)によって、充電/給電システムの動作モードを充電モード又は給電モードの何れかに判定する。

0037

また、充電/給電システムの動作モードを充電モード又は給電モードの何れかに判定する処理等は、例えば、かかる処理をCPUに実行させるためのプログラムとして、例えば、上記データ記憶装置に格納することができる。但し、上記説明はあくまでも例示であって、本実施態様の実施形態が上記説明に限定されると解釈されるべきではない。

0038

尚、本実施態様に係る識別方法においては、複数の検出値の組み合わせに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モード又は給電モードの何れかに判定されるが、充電/給電システムの構成や検出値の組み合わせによっては、充電/給電システムの動作モードの更なる選択肢として、充電モードでも給電モードでもない、第3の動作モードが更に含まれていてもよい。具体的には、当該第3の動作モードは、例えば、充電モード又は給電モードの何れも実行されない停電モードであってもよい。

0039

また、複数の検出値の種々の組み合わせの各々に対応する充電/給電システムの動作モードは、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況、個々の検出値の誤検出に起因する充電/給電システムの動作モードの誤判定が発生した場合に想定される問題の重大性等を考慮して、適宜決定することができる。

0040

上記のように、本実施態様に係る識別方法は、特定の制御信号等の検出値のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行うのではなく、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて判定を行う。これにより、例えば、制御信号を伝達する信号経路の破損、制御信号を検出する検出手段の故障や誤動作、接続部(例えば、インレット等)とコネクタとの間での接触不良や経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等の原因により、特定の制御信号等が正しく検出されない場合においても、充電/給電システムの動作モードを誤って判定する危険性を低減することができる。

0041

前述のように、上記のような誤判定が発生すると、例えば、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電が行われない、車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題を生ずる虞がある。更には、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電と車両から外部の被給電装置への給電とが同時に実行され、結果として車両と外部の給電装置との電気的短絡等により、外部の給電装置や車両が搭載する蓄電装置・発電装置の破損・焼損等の事態を招く虞もある。しかしながら、本実施態様に係る識別方法によれば、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができるので、上記のような問題の発生を抑制・防止することができる。

0042

上述のように、本実施態様に係る識別方法においては、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値が検出され、前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定される。これら複数の検出値は、上述のように、例えば、車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給する電力経路、車両と給電装置又は被給電装置との間で種々の制御信号を伝達する信号経路等の通電経路等に配設された検出手段によって、上記電力経路を介して供給される電力の電圧や電流、上記信号経路を介して伝達される種々の制御信号等を検出することによって得ることができる。

0043

具体的には、前記複数の検出値には、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において検出される給電装置から車両への印加電圧の有無に対応する検出値が含まれていてもよい。

0044

また、前記複数の検出値には、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において検出されるPLC(Power Line Communication)通信(電力線通信)の有無に対応する検出値、及びPLC通信によって伝達される信号の検出値が含まれていてもよい。

0045

更に、前記複数の検出値には、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値が含まれていてもよい。

0046

また更に、前記複数の検出値には、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値が含まれていてもよい。

0047

従って、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係る識別方法であって、
前記複数の検出値が、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出される前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC(Power Line Communication)通信(電力線通信)の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値、並びに
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値、
から選ばれる少なくとも1つの検出値を含むこと、
を更なる特徴とする識別方法である。

0048

本実施態様に係る識別方法においては、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において検出される給電装置から車両への印加電圧の有無に対応する検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを判定することができる。

0049

車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において給電装置から車両への印加電圧が検出されるということは、当該車両には給電装置が接続されており、当該車両が搭載する蓄電装置への充電を行うための電力が当該給電装置から当該車両に供給されていることを意味する。

0050

かかる場合、充電/給電システムの動作モードが誤って給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品ユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。従って、上記電力経路において給電装置から車両への印加電圧が検出された場合は、充電/給電システムの動作モードは充電モードに設定されるべきである。

0051

しかしながら、上記電力経路における給電装置から車両への印加電圧の検出が、例えば、通電経路の破損、検出手段の故障や誤動作、電気的接点間での接触不良や経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等、何等かの原因による誤検出であり、実際には当該車両に給電装置が接続されていない場合もあり得る。このような場合、上記検出値のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モードに設定されても、実際には当該車両に給電装置が接続されていないため、車両が搭載する蓄電装置の充電が行われないという問題に繋がる虞がある。

0052

一方、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において給電装置から車両への印加電圧が検出されないということは、当該車両には給電装置が接続されておらず、当該車両が搭載する蓄電装置への充電を行うための電力が当該給電装置から当該車両に供給されていないことを意味する。

0053

かかる場合に、充電/給電システムの動作モードが誤って充電モードに設定されると、実際には給電装置から当該車両に電力が供給されていないため、車両が搭載する蓄電装置の充電が行われないという問題に繋がる虞がある。従って、上記電力経路において給電装置から車両への印加電圧が検出されない場合は、充電/給電システムの動作モードは給電モード(又は停電モード)に設定されるべきである。

0054

しかしながら、上記電力経路における給電装置から車両への印加電圧の検出が何等かの原因による誤検出であり、実際には当該車両に給電装置が接続されている場合もあり得る。このような場合に、上記検出値のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。

0055

本実施態様に係る識別方法によれば、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において検出される給電装置から車両への印加電圧の有無に対応する検出値のみならず、当該検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが判定される。従って、本実施態様に係る識別方法によれば、上記のような誤判定が防止され、充電/給電システムの動作モードを確実に判定することができる。

0056

また、本実施態様に係る識別方法においては、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路において検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを判定することができる。

0057

ここで、PLCとは電力を供給する電気配線(電力経路)に信号を乗せて送る通信技術を指し、当該技術により、種々の変調方式による様々な信号を電力経路を介して送ることができる。本実施態様においては、例えば、充電/給電システムに対して充電モード又は給電モードでの動作を指示する制御信号を、上記電力経路を介して、給電装置又は被給電装置から車両へ送ることができる。

0058

車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路においてPLC信号が検出され、且つ当該PLC信号が充電/給電システムに対して充電モードでの動作を指示する制御信号である場合、充電/給電システムの動作モードが誤って給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。従って、上記電力経路においてPLC信号が検出され、且つ当該PLC信号が充電/給電システムに対して充電モードでの動作を指示する制御信号である場合は、充電/給電システムの動作モードは充電モードに設定されるべきである。

0059

しかしながら、上記電力経路におけるPLC信号の検出結果が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記検出結果のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モードに設定されても、実際には当該車両に給電装置が接続されておらず、車両が搭載する蓄電装置の充電が行われないという問題に繋がる虞がある。

0060

一方、上記電力経路においてPLC信号が検出され、且つ当該PLC信号が充電/給電システムに対して給電モードでの動作を指示する制御信号である場合、充電/給電システムの動作モードが誤って充電モードに設定されると、当該車両には被給電装置が接続されており、且つ当該車両から被給電装置への給電が行われるべきところ、充電/給電システムが誤って充電モードにて動作するため、当該車両から被給電装置への給電が行われないという問題に繋がる虞がある。従って、上記電力経路においてPLC信号が検出され、且つ当該PLC信号が充電/給電システムに対して給電モードでの動作を指示する制御信号である場合は、充電/給電システムの動作モードは給電モードに設定されるべきである。

0061

しかしながら、上記電力経路におけるPLC信号の検出結果が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記検出結果のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。

0062

更に、上記電力経路においてPLC信号が検出されない場合、当該検出結果のみでは、充電/給電システムの動作モードを充電モードに設定すべきであるのか又は給電モードに設定すべきであるのか特定することはできない。しかしながら、上記電力経路においてPLC信号が検出されないという状況が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記状況のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードを特定せず、充電/給電システムの動作モードを正しく切り替えないと、本来実行されるべきであった外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電又は車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題に繋がる虞がある。

0063

しかしながら、本実施態様に係る識別方法によれば、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路から検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値のみならず、当該検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが判定される。従って、本実施態様に係る識別方法によれば、上記のような誤判定が防止され、充電/給電システムの動作モードを確実に判定することができる。

0064

更に、本実施態様においては、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを判定することができる。

0065

ここで、コネクタの勘合状態とは、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部における、給電装置と電気的に接続された充電用コネクタ又は被給電装置と電気的に接続された給電用コネクタの勘合状態、これらのコネクタが備える特定の信号経路と接続部側の対応する信号経路との電気的接続状態等を指す。

0066

具体的には、コネクタの勘合状態としては、例えば、コネクタと接続部とが未だ勘合されておらず、且つコネクタが備える特定の信号経路が接続部側の対応する信号経路と電気的に接続されていない未勘合状態、コネクタが備える特定の信号経路が接続部側の対応する信号経路と電気的に接続されているものの、コネクタと接続部とが完全には勘合されていない半勘合状態、及びコネクタが備える特定の信号経路が接続部側の対応する信号経路と電気的に接続され、且つコネクタと接続部とが完全に勘合されている完全勘合状態等が想定される。

0067

また、コネクタの勘合状態を表す制御信号は、例えば、上記特定の信号経路の合成インピーダンス合成抵抗)の値として、上記充電/給電システムが備える制御手段によって上記特定の信号経路を介して検出されるものであってもよい。この場合、上記特定の信号経路の合成インピーダンス値合成抵抗値)が上述のようなコネクタの個々の勘合状態に対応して異なる値となるように、例えば、上記特定の信号経路のコネクタに含まれる部分に配設される抵抗器電気的接続状況がコネクタの勘合状態に対応して変化するように構成されていてもよい。

0068

上記のように、上記特定の信号経路のコネクタに含まれる部分に配設される抵抗器の電気的接続状況がコネクタの勘合状態に対応して変化するように構成する手法としては、例えば、コネクタが備えるロック機構の凸部が接続部の対応する凹部に勘合する動作に連動するマイクロスイッチ等を利用して、当該信号経路のコネクタに含まれる部分に配設される抵抗器の電気的接続状況を変更すること等が挙げられるが、当該手法に限定されるものではない。

0069

また、上記特定の信号経路のインピーダンスは、例えば、上記特定の信号経路を含む回路に所定の電圧を印加し、当該信号経路の電位を検出手段によって検出し、当該電位に基づいて当該信号経路のインピーダンスを算出することによって求めることができる。但し、上記特定の信号経路のインピーダンスの検出方法は、上記方法に限定されるものではない。

0070

更に、コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値は、接続部に勘合されたコネクタが充電用コネクタであるのか又は給電用コネクタであるのかに対応して異なる値となるように構成されていてもよい。例えば、上述のように、コネクタの個々の勘合状態に対応して上記特定の信号経路の合成インピーダンス(合成抵抗)の値が変化するように構成されている場合は、コネクタの種々の勘合状態のうちの少なくとも1つの勘合状態に対応する上記特定の信号経路の合成インピーダンス(合成抵抗)の値が、充電用コネクタと給電用コネクタとで、異なる範囲に設定されていてもよい。これにより、上記充電/給電システムが備える制御手段は、接続部に勘合されたコネクタが充電用コネクタであるのか又は給電用コネクタであるのかを容易に識別することができる。

0071

車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される車両と給電装置又は被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値(例えば、合成抵抗値)に基づいて充電/給電システムが充電モードで動作すべきであると判定される場合、充電/給電システムの動作モードが誤って給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。従って、上記コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値に基づいて充電/給電システムが充電モードで動作すべきであると判定される場合は、充電/給電システムの動作モードは充電モードに設定されるべきである。

0072

しかしながら、上記コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出結果が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記検出結果のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モードに設定されても、実際には当該車両に給電装置が接続されておらず、車両が搭載する蓄電装置の充電が行われないという問題に繋がる虞がある。

0073

一方、上記コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値に基づいて充電/給電システムが給電モードで動作すべきであると判定される場合、充電/給電システムの動作モードが誤って充電モードに設定されると、当該車両には被給電装置が接続されており、且つ当該車両から被給電装置への給電が行われるべきところ、充電/給電システムが誤って充電モードにて動作するため、当該車両から被給電装置への給電が行われないという問題に繋がる虞がある。従って、上記コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値に基づいて充電/給電システムが給電モードで動作すべきであると判定される場合は、充電/給電システムの動作モードは給電モードに設定されるべきである。

0074

しかしながら、上記コネクタの勘合状態を表す制御信号の検出結果が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記検出結果のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。

0075

しかしながら、本実施態様に係る識別方法によれば、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路から検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値のみならず、当該検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが判定される。従って、本実施態様に係る識別方法によれば、上記のような誤判定が防止され、充電/給電システムの動作モードを確実に判定することができる。

0076

また更に、本実施態様においては、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを判定することができる。

0077

上記制御信号は、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う際に、給電装置と車両とを接続するケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、又は給電装置の定格電流等を車両側の制御手段に伝達する信号である。具体的には、上記制御信号は、例えば、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流等に応じてパルス幅変調される制御信号であってもよい。また、上記制御信号は、例えば、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流等に応じた電圧として検出される制御信号であってもよい。従って、例えば、所定の周波数や電圧を有する制御信号が検出されることは、外部の給電装置が車両に正しく接続されていることを意味する。

0078

上記のように車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた信号経路において上記制御信号が正しく検出される場合、外部の給電装置が車両に正しく接続されている。従って、充電/給電システムの動作モードが誤って給電モードに設定されると、例えば、車両が搭載する電力変換機構や給電装置が電気短絡に陥り、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムを構成する種々の部品やユニットの故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。従って、上記信号経路において上記制御信号が正しく検出される場合、充電/給電システムの動作モードは充電モードに設定されるべきである。

0079

しかしながら、上記信号経路における上記制御信号の検出結果が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記検出結果のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モードに設定されても、実際には当該車両に給電装置が接続されておらず、車両が搭載する蓄電装置の充電が行われないという問題に繋がる虞がある。

0080

一方、上記信号経路において上記制御信号が正しく検出されない場合は、少なくとも、外部の給電装置が車両に正しく接続されていない。従って、充電/給電システムの動作モードが誤って充電モードに設定されても、当該車両には給電装置が正しく接続されていないため、車両が搭載する蓄電装置の充電が正しく行われず、状況によっては車両が搭載する蓄電装置の故障、破損、焼損等の問題を生ずる虞がある。従って、上記信号経路において上記制御信号が正しく検出されない場合は、充電/給電システムの動作モードを充電モードに設定すべきではないと判定することはできる。しかしながら、当該検出結果のみでは、充電/給電システムの動作モードを給電モードに設定すべきであるのか否かについては特定することはできない。

0081

更に、上記信号経路において上記制御信号が正しく検出されないという状況が、何等かの原因による誤検出に基づくものである場合もあり得る。このような場合、上記状況のみに基づいて、充電/給電システムの動作モードを充電モードには設定しないものの、充電/給電システムの動作モードを給電モードに設定するべきか否かについては特定されないと、本来実行されるべきであった外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電又は車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題に繋がる虞がある。

0082

しかしながら、本実施態様に係る識別方法によれば、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた車両と給電装置又は被給電装置との間で電力を供給するための電力経路から検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値のみならず、当該検出値と少なくとも1つの他の検出値との組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードが判定される。従って、本実施態様に係る識別方法によれば、上記のような誤判定が防止され、充電/給電システムの動作モードを確実に判定することができる。

0083

ところで、前述のように、車載バッテリを住宅から充電することが可能な電気自動車の規格としては、アメリカ合衆国においてはSAEにより「エスエーイー・エレクトリック・ビークル・コンダクティブ・チャージ・カプラ」(非特許文献1)が制定されている。尚、SAE(ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers))とは、米国の技術者団体の1つである。昨今普及しつつあるプラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)や電気自動車(EV)等が搭載する蓄電装置への充電を行うための充電システムは、上記SAEが定める規格に準拠したものが主流となっている。

0084

上記SAEが定める種々の規格のうち、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電システムにおける種々の制御信号、ケーブル、及びコネクタ等に関する規格としては、J1772規格が定められている。これらの種々の制御信号には、例えば、信号経路のインピーダンスが変化することによって充電用コネクタと接続部(インレット)との勘合状態を判定するための情報を伝達するPISW信号ケーブル接続信号)や、充電ケーブルの接続状態や電源から車両への電力供給の可否、EVSEの定格電流等を車両側の制御回路に伝達するためのCPLT信号(パイロット信号)等が含まれる。

0085

上記種々の制御信号のうち、PISW信号は、例えば、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電システムが備える検出手段によって、充電用コネクタと接続部(インレット)との勘合状態に対応する信号経路のインピーダンスの変化として検出され、当該検出値に基づいて、例えば、充電システムが備える制御装置によって、コネクタと接続部との勘合状態が判定される。従って、PISW信号は、本発明の前記第2の実施態様における、車両と給電装置又は被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号に相当する。

0086

また、上記種々の制御信号のうち、CPLT信号は、例えば、給電装置と車両とを接続するケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、又は給電装置の定格電流等に応じてパルス幅変調されたり電圧調整されたりする制御信号である。従って、CPLT信号は、本発明の前記第2の実施態様における、給電装置と車両とを接続するケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、又は給電装置の定格電流を表す制御信号に相当する。

0087

従って、本発明に係る充電/給電システムの動作モードの識別方法において、充電/給電システムの動作モードの判定基準として用いられる複数の検出値が、上記PISW信号及びCPLT信号の何れか又は両方の検出値を含んでいてもよい。

0088

従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係る識別方法であって、
前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号(ケーブル接続信号)であること、
を更なる特徴とする識別方法である。

0089

また、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係る識別方法であって、
前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号(パイロット信号)であること、
を更なる特徴とする識別方法である。

0090

更に、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係る識別方法であって、
前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、及び
前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、
を更なる特徴とする識別方法である。

0091

上記のように、本実施態様に係る識別方法においては、PISW信号及びCPLT信号の何れか又は両方の検出値を含む複数の検出値に基づいて充電/給電システムの動作モードが判定される。従って、本実施態様に係る識別方法は、昨今普及しつつあるSAEが定める規格に準拠したプラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)や電気自動車(EV)等が搭載する蓄電装置への充電を行うための充電システムに対して、容易に適用することができる。即ち、本実施態様に係る識別方法は、昨今普及しつつあるSAEが定める規格に準拠した充電システムの構成を大幅に変更すること無く、動作モードを確実に識別することができる充電/給電システムを容易に実現することができる。本実施態様に係る識別方法のかかる特徴は、システムの大型化、複雑化、及び高コスト化等の不都合を抑制しつつ、充電モードと給電モードとを識別する上で極めて有用である。

0092

前述のように、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別方法において、前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出し、前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定することができる。前記複数の検出値の組み合わせとしては、これまで説明してきた種々の検出値、及びそれら以外の種々の検出値から適宜選択された検出値の組み合わせを用いることができる。

0093

従って、本発明の第6の実施態様は、
本発明の前記第5の実施態様に係る識別方法であって、
前記複数の検出値が、
前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、
前記PISW信号の検出値と、
前記CPLT信号の検出値と、
を含むこと、
を更なる特徴とする識別方法である。

0094

上記のように、本実施態様に係る識別方法においては、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値は、必ずしも前記複数の検出値に含まれない。従って、本実施態様に係る識別方法は、PLC通信のための機構を備えない充電/給電システムの動作モードにおいて充電モード又は給電モードの識別を行おうとする際に有用である。

0095

一方、PLC通信のための機構を備える充電/給電システムの動作モードにおいて充電モード又は給電モードの識別を行おうとする際には、前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値が前記複数の検出値に含まれる方がより望ましい。

0096

従って、本発明の第7の実施態様は、
本発明の前記第5の実施態様に係る識別方法であって、
前記複数の検出値が、
前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、
前記PLC通信の有無に対応する検出値及び前記PLC通信によって伝達される信号の検出値と、
前記PISW信号の検出値と、
前記CPLT信号の検出値と、
を含むこと、
を更なる特徴とする識別方法である。

0097

前述のように、複数の検出値の種々の組み合わせの各々に対応する充電/給電システムの動作モードは、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況、個々の検出値の誤検出に起因する充電/給電システムの動作モードの誤判定が発生した場合に想定される問題の重大性等を考慮して適宜決定することができる。尚、複数の検出値の個々の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係を予め定めておき、上述の各実施態様に係る識別方法を実行する際に、当該予め定められた対応関係に基づいて、充電/給電システムの動作モードを判定するようにしてもよい。

0098

即ち、本発明の第8の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様乃至前記第7の実施態様の何れかに係る識別方法であって、
前記複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係を予め定めること、及び
前記対応関係に基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を更なる特徴とする識別方法である。

0099

本実施態様において、前記複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係は、前述のように、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況、個々の検出値の誤検出に起因する充電/給電システムの動作モードの誤判定が発生した場合に想定される問題の重大性等を考慮して、予め定めることができる。

0100

また、前記対応関係に基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定するための具体的手法としては、例えば、複数の検出値の個々の組み合わせに対応する動作モードにて充電/給電システムが動作するように充電/給電システムを制御する処理を、充電/給電システムの制御手段が備えるCPUに実行させるための種々の命令記述されたプログラムを同制御手段が備えるデータ記憶装置に格納しておき、同プログラムに従ってCPUが種々の処理を実行するようにすることが挙げられる。

0101

あるいは、複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係を、充電/給電システムの制御手段が備えるデータ記憶装置にデータテーブルとして格納しておき、充電/給電システムの制御手段が備えるCPUが充電/給電システムの動作モードを識別する処理を実行する際に、当該データテーブルを参照して、複数の検出値の個々の組み合わせに対応する動作モードを特定することができるように充電/給電システムの制御手段を構成してもよい。尚、上記説明はあくまでも例示であって、予め定められた複数の検出値の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係に基づいて充電/給電システムの動作モードを識別する方法の具体的な実行手順や充電/給電システムの制御手段の構成は上記説明に限定されるものではない。

0102

以上のように、本発明の各実施態様に係る識別方法においては、特定の制御信号のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行うのではなく、車両と外部装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて判定を行う。これにより、本発明の各実施態様に係る識別方法によれば、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる。

0103

ところで、冒頭で述べたように、本発明は、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードを切り替えて実行可能な充電/給電システムにおいて両モードに共通の接続部を使用する場合に、同システムの動作モードを識別する識別装置にも関する。本発明に係る識別装置の構成及び同識別装置において実行される種々の処理については、本発明の各実施態様に係る識別方法についての上述の説明から当業者に明らかである。

0104

従って、本発明に係る識別装置の種々の実施態様のうち、それらのうちの幾つかを以下に列挙するが、個々の実施態様に係る識別装置の詳細については説明を割愛する。

0105

本発明の第9の実施態様は、
外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電を行う充電モード及び車両から外部の被給電装置への給電を行う給電モードに共通の接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続し、前記充電モードと前記給電モードとを切り替えて動作することができる充電/給電システムの動作モードを識別する識別装置であって、
前記接続部を介して前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から複数の検出値を検出すること、及び
前記複数の検出値の組み合わせに基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を特徴とする識別装置である。

0106

本発明の第10の実施態様は、
本発明の前記第9の実施態様に係る識別装置であって、
前記複数の検出値が、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出される前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた電力経路において検出されるPLC通信の有無に対応する検出値及びPLC通信によって伝達される信号の検出値、
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置とを接続するコネクタの勘合状態を表す制御信号の検出値、並びに
前記車両と前記給電装置又は前記被給電装置との間に設けられた信号経路において検出される、前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号の検出値、
から選ばれる少なくとも1つの検出値を含むこと、
を更なる特徴とする識別装置である。

0107

本発明の第11の実施態様は、
本発明の前記第10の実施態様に係る識別装置であって、
前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、
を更なる特徴とする識別装置である。

0108

本発明の第12の実施態様は、
本発明の前記第10の実施態様に係る識別装置であって、
前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、
を更なる特徴とする識別装置である。

0109

本発明の第13の実施態様は、
本発明の前記第10の実施態様に係る識別装置であって、
前記コネクタの勘合状態を表す制御信号が、PISW信号であること、及び
前記前記給電装置と前記車両とを接続するケーブルの接続状態、前記給電装置から前記車両への電力供給の可否、又は前記給電装置の定格電流を表す制御信号が、CPLT信号であること、
を更なる特徴とする識別装置である。

0110

本発明の第14の実施態様は、
本発明の前記第13の実施態様に係る識別装置であって、
前記複数の検出値が、
前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、
前記PISW信号の検出値と、
前記CPLT信号の検出値と、
を含むこと、
を更なる特徴とする識別装置である。

0111

本発明の第15の実施態様は、
本発明の前記第13の実施態様に係る識別装置であって、
前記複数の検出値が、
前記給電装置から前記車両への印加電圧の有無に対応する検出値と、
前記PLC通信の有無に対応する検出値及び前記PLC通信によって伝達される信号の検出値と、
前記PISW信号の検出値と、
前記CPLT信号の検出値と、
を含むこと、
を更なる特徴とする識別装置である。

0112

本発明の第16の実施態様は、
本発明の前記第9の実施態様乃至前記第15の実施態様に係る識別装置であって、
前記複数の検出値の組み合わせと前記充電/給電システムの動作モードとの対応関係を予め定めること、及び
前記対応関係に基づいて、前記充電/給電システムの動作モードを前記充電モード又は前記給電モードの何れかに判定すること、
を更なる特徴とする識別装置である。

0113

以上のように、本発明の各実施態様に係る識別方法及び識別装置においては、特定の制御信号のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行うのではなく、車両と外部装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて判定を行う。これにより、本発明の各実施態様に係る識別方法及び識別装置によれば、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができる。

0114

以下、本発明の特定の実施態様につき、添付図面を参照しつつ説明する。但し、以下に述べる説明はあくまで例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。

0115

1)実施例に係る識別装置の構成
前述のように、図1は、本発明の1つの実施例に係る識別装置の構成を説明する模式図である。本実施例においては、本発明を説明するための一例として、給電装置から車両への電力経路における印加電圧の有無に対応する検出値と、同電力経路を介するPLC通信の有無に対応する検出値及び同PLC通信によって伝達される信号の検出値と、PISW信号経路におけるPISW信号の検出値と、CPLT信号経路におけるCPLT信号の検出値と、の組み合わせに基づいて充電/給電システムの動作モードを識別する実施態様について説明する。

0116

図1には、車両、給電装置、及び同給電装置と電気的に接続されたコネクタが描かれている。車両は、同コネクタを勘合させて同車両と給電装置とを電気的に接続するための接続部、同接続部を介して車両に供給される電力及び各種信号等を検出する各種検出手段、及び各種検出手段によって検出された検出値に基づいて同車両における電力制御を行う電力制御装置PM−ECUを備える。尚、電力制御装置PM−ECUは、前述のように、例えば、CPU、データ記憶装置、データ入出力ポート等(何れも図示せず)を含む電子制御装置として構成することができる。

0117

給電装置は、交流電源、給電装置と車両とを接続するケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、又は給電装置の定格電流等を表す制御信号であるCPLT信号を生成するCPLT信号制御ユニット、充電モード又は給電モードでの動作を指示する制御信号を交流電源から車両に電力を供給する電力経路に乗せて伝達するPLC通信を行うPLCユニットを備える。

0118

コネクタは、車両が備える接続部と同コネクタとの勘合状態に対応するPISW信号を伝達するPISW信号経路、給電装置が備えるCPLT信号制御ユニットが生成するCPLT信号を伝達するCPLT信号経路、給電装置が備える交流電源から供給される電力を伝達する電力経路、及びグランドを備える。また、コネクタは、接続部との勘合時に、これらの通電経路を接続部側の対応する通電経路と電気的に接続するための端子を備える。具体的には、これらの端子は、PISW信号経路に対応するPISW、CPLT信号経路に対応するCPLT、電力経路に対応するACIH(ホット側)及びACIC(コールド側)、並びにグランドに対応するGNDである。

0119

上記PISW信号は、車両が備える接続部と同コネクタとの勘合状態に対応して変化するPISW信号経路の合成抵抗値として検出される。本実施例においては、コネクタにおいて抵抗器R2に並列に配設されたスイッチSW1は、例えば、例えば、コネクタが備えるロック機構(図示せず)の凸部が接続部の対応する凹部に勘合する動作に連動するマイクロスイッチ等を利用して、コネクタと接続部との勘合状態に応じて開閉することにより、PISW信号経路の合成抵抗値が変化するように構成されている。

0120

具体的には、スイッチSW1は、コネクタと接続部とが未だ勘合されていない(従って、コネクタが備える上記信号経路と接続部が備える上記信号経路とは電気的に接続されていない)未勘合状態においては閉じるように構成されている。また、スイッチSW1は、コネクタと接続部とが不完全に勘合され、コネクタ側のPISW信号経路と接続部側のPISW信号経路とは電気的に接続されているものの、コネクタと接続部とが完全には勘合されていない半勘合状態においては開くように構成されている。更に、スイッチSW1は、コネクタと接続部とが完全に勘合され、且つコネクタ側のPISW信号経路と接続部側のPISW信号経路とが電気的に接続されている完全勘合状態においては再び閉じるように構成される。

0121

上記により、未勘合状態においてはコネクタと接続部とが電気的に接続されていないことから、車両側の検出手段によって検出されるPISW信号経路とグランドとの間の合成インピーダンスの値(合成抵抗値)は、車両が備える接続部側のPISW信号経路とグランドとの間に配設された抵抗器R1の抵抗値と等しくなる。また、半勘合状態においてはコネクタと接続部とが電気的に接続されているものの、スイッチSW1が開いていることから、上記合成抵抗値は、接続部側の抵抗器R1とコネクタ側の抵抗値R2及びR3との合成抵抗値と等しくなる。更に、完全勘合状態においてはコネクタと接続部とが電気的に接続されており、且つスイッチSW1が閉じていることから、上記合成抵抗値は、接続部側の抵抗器R1とコネクタ側の抵抗値R3との合成抵抗値と等しくなる。この場合、コネクタ側の抵抗値R2は、スイッチSW1によってバイパスされるため、上記合成抵抗値に寄与しない。

0122

尚、図1に示す給電装置に代えて、被給電装置を車両に接続して車両から被給電装置に電力を供給しようとする場合には、例えば、被給電装置と電気的に接続されたコネクタ側のPISW信号経路上に配設される抵抗器R3の抵抗値を図1に示すコネクタとは異なる値(例えば、より低い抵抗値)にすることにより、車両が備える接続部に勘合されているコネクタが被給電装置のコネクタであることを識別可能とすることができる。斯くして、電力制御装置PM−ECUは、PISW信号経路とグランドとの間の合成抵抗値に基づいて、充電モードと給電モードとを識別することができる。

0123

また、上記CPLT信号は、上述のように、給電装置と車両とを接続するケーブルの接続状態、給電装置から車両への電力供給の可否、又は給電装置の定格電流等の情報を表す制御信号であり、CPLT信号制御ユニットによって、かかる情報に応じた所定の周波数及び/又は電圧を呈するようにパルス幅変調される。即ち、所定の周波数及び/又は電圧を有するCPLT信号が検出される場合は給電装置が車両に接続されており、かかるCPLT信号が検出されない場合は給電装置が車両に接続されていないことを意味する。斯くして、電力制御装置PM−ECUは、CPLT信号に基づいて、充電モードの実行可否を識別することもできる。

0124

更に、上記電力経路を介するPLC通信においては、充電モード又は給電モードでの動作を要求する制御信号が電力制御装置PM−ECUに対して伝達される。加えて、給電装置が車両と接続されている場合には、給電装置が備える交流電源から供給される電力そのものが、上記電力経路を通じて、車両側に伝達(供給)される。即ち、上記電力経路において給電装置が備える交流電源から供給される電力が検出されるということは、給電装置が車両に接続されていることを意味する。従って、かかる場合には、車両側から電力を供給してはならない。斯くして、電力制御装置PM−ECUは、上記電力経路における検出値に基づいて、給電モードの実行可否を識別することもできる。

0125

本実施例においては、PISW信号、CPLT信号、PLC通信による制御信号、及び電力経路における電力供給の有無の組み合わせに基づいて、充電モードと給電モードとを識別する。斯くして複数の検出値の組み合わせに基づいて充電/給電システムの動作モードを識別することにより、特定の制御信号のみに基づく従来技術に係る識別方法よりも、充電/給電システムの動作モードをより信頼性高く制御することができる。

0126

2)複数の検出値の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係
本実施例においては、図1に示す構成を有する識別装置において、上記複数の検出値の個々の組み合わせに対応する充電/給電システムの動作モードを、以下の表1に示すように予め定め、当該対応関係を、電力制御装置PM−ECUが備えるデータ記憶装置にデータテーブルとして格納しておき、電力制御装置PM−ECUが備えるCPUが充電/給電システムの動作モードを識別する処理を実行する際に、当該データテーブルを参照して、上記複数の検出値の個々の組み合わせに対応する動作モードを特定する場合について説明する。

0127

0128

上記表1に示すように、本実施例に係る識別方法においては、判定条件1として、前述のように、PISW信号経路のインピーダンスの値(合成抵抗値)に基づいて、給電/充電システムが給電モード又は充電モードの何れの動作モードで動作すべきかが判定される。また、判定条件2として、前述のように、既存の給電装置からCPLT信号経路を介して伝達されるCPLT信号の有無に基づいて、給電/充電システムの動作モードが判定される。更に、判定条件3として、電力経路を介して送受信されるPLC通信の有無やPLC通信によって伝達される信号の内容に基づいて、給電/充電システムの動作モードが判定される。また更に、判定条件4として、電力経路を介する電力供給の有無に応じて、給電/充電システムの動作モードが判定される。

0129

上記のように、本実施例に係る識別方法においては、判定条件1乃至4として使用される複数の検出値の組み合わせに基づいて、充電/給電システムの動作モードが充電モード又は給電モードの何れかに判定される。尚、検出値の組み合わせによっては、充電モード又は給電モードの何れも実行されないことが望ましい場合が想定されるので、充電モードでも給電モードでもない第3の動作モードとして、停電モードが設けられている。

0130

例えば、表1の1行目に示すように、判定条件1であるPISW信号、判定条件2であるCPLT信号、及び判定条件3であるPLC信号の全てに基づいて充電モードが判定され、且つ判定条件4としての電力経路を介する電力供給も有りとして検出される場合は、給電/充電システムの動作モードとしては、高い信頼性をもって、充電モードであると判定することができる。逆に、表1の下から3行目に示すように、判定条件1であるPISW信号、判定条件2であるCPLT信号、及び判定条件3であるPLC信号の全てに基づいて給電モードが判定され、且つ判定条件4としての電力経路を介する電力供給が無しとして検出される場合、給電/充電システムの動作モードとしては、高い信頼性をもって、給電モードであると判定することができる。

0131

一方、上記のように複数の検出値において一貫した検出結果が得られない場合には、それぞれの検出値に基づく判定結果と、個々の検出値が万一誤検出で有った場合に想定される問題の重大性や、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況等を考慮して、複数の検出値の個々の組み合わせに対応する充電/給電システムの動作モードを適宜定めることができる。

0132

例えば、表1の下から4行目に示すように、判定条件1であるPISW信号、判定条件2であるCPLT信号、及び判定条件3であるPLC信号の全てに基づいて給電モードが判定されるにもかかわらず、判定条件4としての電力経路を介する電力供給が有りとして検出される場合、外部の給電装置から車両へ電力が供給されている蓋然性が極めて高いと判断される。従って、かかる場合に、判定条件1乃至3に基づく結果に基づいて給電/充電システムの動作モードを給電モードとして判定し、車両から外部への給電を開始すると、前述のように、結果として車両と外部の給電装置との電気的短絡等により、外部の給電装置や車両が搭載する蓄電装置・発電装置の破損・焼損等の事態を招く虞がある。かかる懸念から、本実施例に係る識別方法においては、表1に示すように、判定条件4としての電力経路を介する電力供給が有りとして検出される場合には、車両から外部への給電を行わないように設定している。

0133

上記のように、本実施例に係る識別方法は、特定の制御信号等の検出値のみに基づいて充電モードと給電モードとの判定を行うのではなく、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて判定を行う。これにより、例えば、制御信号を伝達する信号経路の破損、制御信号を検出する検出手段の故障や誤動作、接続部(例えば、インレット等)とコネクタとの間での接触不良や経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等の原因により、特定の制御信号等が正しく検出されない場合においても、充電/給電システムの動作モードを誤って判定する危険性を低減することができる。

0134

前述のように、上記のような誤判定が発生すると、例えば、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電が行われない、車両から外部の被給電装置への給電が行われない等の問題を生ずる虞がある。更には、外部の給電装置から車両が搭載する蓄電装置への充電と車両から外部の被給電装置への給電とが同時に実行され、結果として車両と外部の給電装置との電気的短絡等により、外部の給電装置や車両が搭載する蓄電装置・発電装置の破損・焼損等の事態を招く虞もある。しかしながら、本実施例に係る識別方法によれば、車両と外部との間で相互に電力を伝達可能とするシステムにおいて、充電モードと給電モードとを確実に識別することができるので、上記のような問題の発生を抑制・防止することができる。

0135

尚、表1に示す複数の検出値の種々の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係は、あくまでも一例である。即ち、前述のように、複数の検出値の種々の組み合わせの各々に対応する充電/給電システムの動作モードは、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況、個々の検出値の誤検出に起因する充電/給電システムの動作モードの誤判定が発生した場合に想定される問題の重大性等を考慮して、適宜決定することができる。

0136

3)充電/給電システムの動作モード識別方法の実行手順
ここで、充電/給電システムの動作モード識別方法の実行手順の一例につき、図2を参照しながら説明する。前述のように、図2は、本発明の1つの実施例に係る識別方法において実行される種々の処理の流れを表すフローチャートである。尚、本実施例においては、上述の表1に示す検出値の組み合わせを用いて充電/給電システムの動作モードの識別を行うこととした。

0137

図2に示すフローチャートにおいては、先ず、判定条件1乃至4のそれぞれに対応するPISW信号経路のインピーダンスの値(合成抵抗値)、CPLT信号の有無、PLC通信の有無やPLC通信によって伝達される信号の内容、及び電力経路を介する電力供給の有無を、例えば、車両が搭載する電力制御装置PM−ECUが備える各種検出手段によって検出し、判定条件1乃至4のそれぞれに対応する判定結果1乃至4として特定する。尚、図2のフローチャートに示すように、判定条件1乃至4に基づく判定処理実行順序は特に限定されるものではなく、例えば、車両、給電装置、被給電装置、及び充電/給電システムの構成や使用状況等を考慮して適宜定めることができる。

0138

次いで、上記のように特定された判定結果1乃至4を、上述の表1に示した複数の検出値の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係と照合し、特定された判定結果1乃至4の組み合わせに合致する充電/給電システムの動作モードを特定し、充電/給電システムの動作モードについて最終的な判定結果を下す。

0139

尚、本実施例に係る識別方法においては、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路等に配設された検出手段(例えば、電圧センサ等の各種センサ)によって、上記電力経路を介して供給される電力の電圧や電流、上記信号経路を介して伝達される種々の制御信号等に対応する複数の検出値を検出し、これら複数の検出値の組み合わせに基づいて、例えば、CPU、データ記憶装置、データ入出力ポート等を含む電力制御装置PM−ECUによって、充電/給電システムの動作モードを充電モード又は給電モードの何れかに判定することにより、上述のような判定条件1乃至4のそれぞれに対応する判定結果を得た。

0140

また、図2のフローチャートに示す充電/給電システムの動作モードを充電モード又は給電モードの何れかに判定するための種々の処理は、かかる処理をCPUに実行させるためのプログラムとして、上記データ記憶装置に格納した。更に、上述の表1に示した複数の検出値の組み合わせと充電/給電システムの動作モードとの対応関係を、充電/給電システムの制御手段が備えるデータ記憶装置にデータテーブルとして格納しておき、充電/給電システムの制御手段が備えるCPUが、上述のプログラムに従って充電/給電システムの動作モードを識別する処理を実行する際に、当該データテーブルを参照して、複数の検出値の個々の組み合わせに対応する動作モードを特定することができるようにした。

0141

上記のように、本実施例に係る識別方法によれば、特定の制御信号等の検出値のみに基づいて充電/給電システムの動作モードが判定されるのではなく、車両と給電装置又は被給電装置との間に設けられた少なくとも1つの通電経路から検出される複数の検出値の組み合わせに基づいて充電/給電システムの動作モードが判定される。これにより、例えば、制御信号を伝達する信号経路の破損、制御信号を検出する検出手段の故障や誤動作、接続部(例えば、インレット等)とコネクタとの間での接触不良や経年劣化等に伴う接触抵抗の増加等の原因により、特定の制御信号等が正しく検出されない場合においても、充電/給電システムの動作モードが誤って判定される危険性を低減することができる。

実施例

0142

以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する実施例について説明してきたが、上記説明はあくまでも例示であって、本発明の実施形態が上記説明に限定されると解釈されるべきではない。即ち、本発明の範囲は、かかる例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでも無い。

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