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技術 温度差発電装置

出願人 サイエンスパーク株式会社ZENTA株式会社
発明者 武藤佳恭小路幸市郎谷口敬太
出願日 2011年8月25日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2011-183447
公開日 2013年3月4日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2013-045929
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード ファン無し 稼動部分 稼働電圧 生活場面 冷温熱源 低温度差 温度差発電装置 ゼーベック素子
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重要な関連分野

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図面 (18)

課題

ロウソクオイル等の汎用熱源を利用し、小型で高効率の温度差発電装置を提供する。

解決手段

熱電変換素子2の両側に加熱板3と放熱板4を張り合わせ、熱源を格納した筐体5の上部開口に配置する。加熱板3は、この開口の一部を塞ぎ、空気が筐体5に出入りするための通気口9を設ける。この通気口9から、熱源へ外気が供給される。同時に、熱源の燃焼による高温ガスが加熱板3を加熱しながらこの通気口9から排出される。放熱板4は、放熱を助長するためにヒートパイプ8が接着され、その近傍にファンが設置される。ファンは、熱電変換素子2から出力される電力で駆動し、その回転で、その周囲の空気を強制的に流し、放熱を助長し、温度差発電装置1の発電効率を向上させる効果を有する。

概要

背景

地震津波等の自然災害、大規模事故のとき、被災者にとっては、通信手段、情報収集手段が求められ、従って、これらの通信手段、情報収集手段用等のための電源確保が重要である。これらの電源は、大きな電圧出力のものは必要ではなく、数ボルト程度の出力があれば、最低限の用途に利用できる。これらの状況を鑑みて、自然エネルギーを利用した装置やシステムがあり、例えば、風力発電装置太陽光発電装置熱電変換装置等が多数提案されている。

風力発電装置は、大きなモータを有し、数ボルト程度発電する装置でも、重く携帯用として不向きである。これに比べ、太陽光発電装置は程度の小型の装置が実現できるものの、太陽光に頼るので、いつでも利用できるとは限らない。熱電変換装置は、排熱エネルギー電気エネルギーに変換する装置であり、トムソン効果を伴うもの、ペルチェ効果を伴うもの、ゼーベック効果を伴うものが知られている。この中で特にゼーベック効果を伴う温度差発電素子を組み込んだ温度差発電装置が注目されている。

温度差発電装置の場合は、小型のものができる。温度差発電は、異なる2種類の金属や半導体に温度差を設けると直流起電圧が発生する物理現象を利用するもので、一般的にゼーベック効果と呼ばれている。このゼーベック効果を利用するゼーベック素子は、p型熱電材料とn型熱電材料を交互に配置して構成される素子であり、熱エネルギーの温度差が生じたときに電子活性化され、n型熱電材料は高温側、p型熱電材料は低温側へ拡散電流が流れ、電気エネルギーに変換される。

このときの起電圧は、温度差が大きければ大きいほど大きな起電圧が発生する。温度差発電のための温度差を作るためには、必ず高温熱源低温熱源の2つが必要である。高温熱源には、自然高温熱源と人工高温熱源がある。自然高温熱源の例としては、マグマ熱、太陽熱温泉源泉高熱岩盤地中熱などある。人工高温熱源の例は、工場製鉄所廃熱エンジン自動車バイク)廃熱、電車のモータやブレーキの廃熱、厨房ガスレンジ給湯器の廃熱、風呂釜の廃熱、パソコンサーバーの廃熱、摩擦熱原子力発電所の廃熱、等々、様々な廃熱がある。

低温熱源では、自然冷温熱源の例として空気、地下水、川の水、海水などがある。人工低温熱源には、直流(DC)ファン液化天然ガスLNG基地などがある。ゼーベック温度差発電の利点は、片手で持てるぐらいの小型化可能である点である。更に、ゼーベック素子は、半導体であるため機械稼動部分がなく、低温度差発電では、特に、発電装置長寿命化が期待できる。被災者が手軽に購入でき、かつ、持ち運びやすい小型の発電ユニットも多数提案されている。

例えば、電気絶縁体間にN型半導体とP型半導体を有する電極体が設けられ、一方の電気絶縁体に冷水部が設けられ他方の電気絶縁体に温泉等の温水部が設けられるようにした発電ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

ロウソクオイル等の汎用熱源を利用し、小型で高効率の温度差発電装置を提供する。熱電変換素子2の両側に加熱板3と放熱板4を張り合わせ、熱源を格納した筐体5の上部開口に配置する。加熱板3は、この開口の一部を塞ぎ、空気が筐体5に出入りするための通気口9を設ける。この通気口9から、熱源へ外気が供給される。同時に、熱源の燃焼による高温ガスが加熱板3を加熱しながらこの通気口9から排出される。放熱板4は、放熱を助長するためにヒートパイプ8が接着され、その近傍にファンが設置される。ファンは、熱電変換素子2から出力される電力で駆動し、その回転で、その周囲の空気を強制的に流し、放熱を助長し、温度差発電装置1の発電効率を向上させる効果を有する。

目的

本発明の目的は、汎用の熱源を利用し、小型で高効率の温度差発電装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

度差により熱エネルギー電気エネルギーに変換する熱電変換素子と、前記熱エネルギーを発する熱源区画するためのもので、上部が開口した中空筐体と、外気が前記熱源へ供給され、前記熱源の燃焼による高温排気ガス及び/又は前記熱源で加熱された空気である、高温ガスが前記筐体から排出されるための通気口を設け、かつ、前記開口の一部を塞いで前記筐体の上側に配置されたもので、前記熱電変換素子の高温側に張り合わされた加熱板と、前記熱電変換素子の低温側に張り合わされた放熱板と、前記熱電変換素子から出力される電力で駆動するもので、前記放熱板の周囲に配置され、前記放熱板の空冷を促進するためのファンと、前記ファンの回転速度を制御し、前記放熱板の前記空冷を制御して、前記熱電変換素子の出力電圧出力電力を最大にするための制御手段とからなることを特徴とする温度差発電装置

請求項2

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記加熱板は、前記熱源から上昇して流れる前記高温ガスの流れと直交するように配置され、前記加熱板は、前記熱電変換素子の前記高温側に張り合わされず、かつ、前記加熱板と所定の角度を有する1以上のプレートに連続的に接続され、前記高温ガスが前記加熱板と接触した後で、前記プレートを接触しながら流れて前記筐体の外へ排出されることを特徴とする温度差発電装置。

請求項3

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記放熱板は、外周に複数のフィン又はヒートパイプを設けた構成のものであることを特徴とする温度差発電装置。

請求項4

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記放熱板は、外気側に複数のフィン又はヒートパイプを有して設けられていることを特徴とする温度差発電装置。

請求項5

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記筐体は、耐熱ガラスであることを特徴とする温度差発電装置。

請求項6

請求項3又は4に記載の温度差発電装置において、前記放熱板の前記ヒートパイプは、中間部が曲部を有して端部が外方へ張り出し空気との熱交換により放熱する空冷であることを特徴とする温度差発電装置。

請求項7

請求項2に記載の温度差発電装置において、前記加熱板は、前記高温ガスの排気方向に付けた多数の板からなることを特徴とする温度差発電装置。

請求項8

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記熱源は、ロウソク灯油又はナフサ燃料に用いたオイルライタ、及び、ブタンガスを燃料に用いたガスライターから選択される1熱源であることを特徴とする温度差発電装置。

請求項9

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記制御手段は、直列に接続された直流−直流変換器定電流ダイオード、及び前記ファンからなる制御回路からなり、前記制御回路は、前記熱電変換素子と並列に接続され、前記温度差発電装置の発電稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていることを特徴とする温度差発電装置。

請求項10

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記制御手段は、直流−直流変換器、前記ファン、CPU、スイッチからなる制御回路からなり、前記制御回路は、前記熱電変換素子と並列に接続され、前記直流−直流変換器、前記スイッチ、及び、前記ファンは直列に接続されてから前記熱電変換素子に並列に接続され、前記CPUは、前記熱電変換素子の出力端子、前記ファンからデータを取得し、前記CPUは、前記ファンへの供給される電流を前記スイッチによって制御し、前記温度差発電装置の発電で稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていることを特徴とする温度差発電装置。

請求項11

請求項1に記載の温度差発電装置において、前記制御回路は、直流−直流変換器、前記ファン、及び、CPUからなる制御回路からなり、前記直流−直流変換器と前記ファンは、直列に接続されてから前記熱電変換素子に並列に接続され、前記CPUは、前記熱電変換素子の出力端子、前記ファンからデータを取得し、前記CPUは、前記ファンの回転速度を設定して制御し、前記温度差発電装置の発電で稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていることを特徴とする温度差発電装置。

請求項12

請求項10又は11に記載の温度差発電装置において、前記CPUに接続され、前記制御を行うための制御プログラム、及び、前記プログラムの動作中のデータを格納するメモリを有することを特徴とする温度差発電装置。

請求項13

請求項9乃至12の中から選択される1項に記載の温度差発電装置において、前記負荷は、映像装置可視光線を発する発光装置若しくは発光素子、前記温度差発電装置で発電された電力を蓄積するためのバッテリ通信装置、及び、ラジオから選択される1装置であることを特徴とする温度差発電装置。

技術分野

0001

本発明は、ロウソク等の燃焼時の熱エネルギーを利用して電気エネルギーに変換する温度差発電装置に関する。更に詳しくは、特にロウソク等の燃焼時に排出される高温空気外気温度の温度差を利用し、熱電変換素子を使用して電気エネルギーに変換する温度差発電装置に関する。

背景技術

0002

地震津波等の自然災害、大規模事故のとき、被災者にとっては、通信手段、情報収集手段が求められ、従って、これらの通信手段、情報収集手段用等のための電源確保が重要である。これらの電源は、大きな電圧出力のものは必要ではなく、数ボルト程度の出力があれば、最低限の用途に利用できる。これらの状況を鑑みて、自然エネルギーを利用した装置やシステムがあり、例えば、風力発電装置太陽光発電装置熱電変換装置等が多数提案されている。

0003

風力発電装置は、大きなモータを有し、数ボルト程度発電する装置でも、重く携帯用として不向きである。これに比べ、太陽光発電装置は程度の小型の装置が実現できるものの、太陽光に頼るので、いつでも利用できるとは限らない。熱電変換装置は、排熱エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であり、トムソン効果を伴うもの、ペルチェ効果を伴うもの、ゼーベック効果を伴うものが知られている。この中で特にゼーベック効果を伴う温度差発電素子を組み込んだ温度差発電装置が注目されている。

0004

温度差発電装置の場合は、小型のものができる。温度差発電は、異なる2種類の金属や半導体に温度差を設けると直流起電圧が発生する物理現象を利用するもので、一般的にゼーベック効果と呼ばれている。このゼーベック効果を利用するゼーベック素子は、p型熱電材料とn型熱電材料を交互に配置して構成される素子であり、熱エネルギーの温度差が生じたときに電子活性化され、n型熱電材料は高温側、p型熱電材料は低温側へ拡散電流が流れ、電気エネルギーに変換される。

0005

このときの起電圧は、温度差が大きければ大きいほど大きな起電圧が発生する。温度差発電のための温度差を作るためには、必ず高温熱源低温熱源の2つが必要である。高温熱源には、自然高温熱源と人工高温熱源がある。自然高温熱源の例としては、マグマ熱、太陽熱温泉源泉高熱岩盤地中熱などある。人工高温熱源の例は、工場製鉄所廃熱エンジン自動車バイク)廃熱、電車のモータやブレーキの廃熱、厨房ガスレンジ給湯器の廃熱、風呂釜の廃熱、パソコンサーバーの廃熱、摩擦熱原子力発電所の廃熱、等々、様々な廃熱がある。

0006

低温熱源では、自然冷温熱源の例として空気、地下水、川の水、海水などがある。人工低温熱源には、直流(DC)ファン液化天然ガスLNG基地などがある。ゼーベック温度差発電の利点は、片手で持てるぐらいの小型化可能である点である。更に、ゼーベック素子は、半導体であるため機械稼動部分がなく、低温度差発電では、特に、発電装置長寿命化が期待できる。被災者が手軽に購入でき、かつ、持ち運びやすい小型の発電ユニットも多数提案されている。

0007

例えば、電気絶縁体間にN型半導体とP型半導体を有する電極体が設けられ、一方の電気絶縁体に冷水部が設けられ他方の電気絶縁体に温泉等の温水部が設けられるようにした発電ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0008

特開2002−34273号公報

発明が解決しようとする課題

0009

以上記載した従来の装置は、自然エネルギーや排熱を利用する技術として提案されているものであるが、ほとんどは発電効率も悪く、まだ改善の余地があるものである。しかしながら、ゼーベック温度差発電は、小型化ができる利点があるが、従来は、ゼーベック素子自体の発電効率の改良の研究がほとんどである。ゼーベック温度差発電の利点を引き出し、発電装置として効率よく発電するものが求められている。無論、災害時、平時でも電源確保ができないときに、携帯できる小型の発電装置が求められている。

0010

本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、汎用熱源を利用し、小型で高効率の温度差発電装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に、ロウソクや汎用オイル燃焼熱を利用して発電し、携帯することが可能な温度差発電装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明の温度差発電装置は、温度差により熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子と、前記熱エネルギーを発する熱源を区画するためのもので、上部が開口した中空筐体と、
外気が前記熱源へ供給され、前記熱源の燃焼による高温の排気ガス及び/又は前記熱源で加熱された空気である高温ガスが前記筐体から排出されるための通気口を設け、かつ、前記開口の一部を塞いで前記筐体の上側に配置されたもので、前記熱電変換素子の高温側に張り合わされた加熱板と、前記熱電変換素子の低温側に張り合わされた放熱板と、前記熱電変換素子から出力される電力で駆動するもので、前記放熱板の周囲に配置され、前記放熱板の空冷を促進するためのファンと、及び、前記ファンの回転速度を制御し、前記放熱板の前記空冷を制御して、前記熱電変換素子の出力電圧出力電力を最大にするための制御手段とからなることを特徴とする。

0012

前記加熱板は、前記熱源から上昇して流れる前記高温ガスの流れと直交するように配置されていると良い。前記加熱板は、前記熱電変換素子の前記高温側に張り合わされず、かつ、前記加熱板と所定の角度を有する1以上のプレートに連続的に接続され、前記高温ガスが前記加熱板と接触した後で、前記プレートを接触しながら流れて前記筐体の外へ排出されると良い。
前記放熱板は、外周に複数のフィン又はヒートパイプを設けた構成のものであると良い。
前記放熱板は、外気側に複数のフィン又はヒートパイプを有して設けられていると良い。

0013

前記筐体は、耐熱ガラスであると良い。
前記放熱板の前記ヒートパイプは、中間部が曲部を有して端部が外方へ張り出し空気との熱交換により放熱する空冷であると良い。
前記加熱板は、前記高温ガスの排気方向に付けた多数の板からなると良い。
前記熱源は、ロウソク、灯油又はナフサ燃料に用いたオイルライタ、及び、ブタンガスを燃料に用いたガスライターから選択される1熱源であると良い。

0014

前記制御手段は、直列に接続された直流−直流変換器定電流ダイオード、及び前記ファンからなる制御回路からなり、
前記制御回路は、前記熱電変換素子と並列に接続され、
前記温度差発電装置の発電で稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていると良い。

0015

前記制御手段は、直流−直流変換器、前記ファン、CPU、スイッチからなる制御回路からなり、
前記制御回路は、前記熱電変換素子と並列に接続され、
前記直流−直流変換器、前記スイッチ、及び、前記ファンは直列に接続されてから前記熱電変換素子に並列に接続され、
前記CPUは、前記熱電変換素子の出力端子、前記ファンからデータを取得し、
前記CPUは、前記ファンへの供給される電流を前記スイッチによって制御し、
前記温度差発電装置の発電で稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていると良い。

0016

前記制御回路は、直流−直流変換器、前記ファン、及び、CPUからなる制御回路からなり、
前記直流−直流変換器と前記ファンは、直列に接続されてから前記熱電変換素子に並列に接続され、
前記CPUは、前記熱電変換素子の出力端子、前記ファンからデータを取得し、
前記CPUは、前記ファンの回転速度を設定して制御し、
前記温度差発電装置の発電で稼働する負荷を接続するための出力端子は、前記制御回路と前記熱電変換素子の接続点に接続されていると良い。

0017

前記温度差発電装置は、前記CPUに接続され、前記制御を行うための制御プログラム、及び、前記プログラムの動作中のデータを格納するメモリを有すると良い。
前記負荷は、映像装置可視光線を発する発光装置若しくは発光素子、前記温度差発電装置で発電された電力を蓄積するためのバッテリ通信装置、及び、ラジオから選択される1装置であると良い。

発明の効果

0018

本発明によると、次の効果が奏される。
本発明の温度差発電装置によると、ロウソク等の汎用の熱源を利用して発電し、携帯可能なコンパクトな形態にしたことで、小型で高効率の温度差発電装置になった。

図面の簡単な説明

0019

図1は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の概要を図示している投影図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の空気の流れの概要を示す正面図である。
図3は、本発明の温度差発電装置1のヒートパイプ8が(多数のフィン10を有する構造例を示す正面図である。
図4は、本発明の温度差発電装置1のプレート3aがフィン3bを有する例を図示した投影図である。
図5は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の回路の例を示す回路図である。
図6は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の回路の他の例を示す回路図である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の回路の他の例(CPUを用いた制御)を示す回路図である。
図8は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1の回路の他の例(CPUを用いた制御)を示す回路図である。
図9は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1をCPUで制御する手順(図7の回路の例)を示すフローチャートである。
図10は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1をCPUで制御する手順(図8の回路の例)を示すフローチャートである。
図11は、本発明の第1の実施の形態の温度差発電装置1に照明51を付けた実施例を示す正面図である。
図12は、本発明の実施例の測定回路を示す回路図(ファン無し)である。
図13は、本発明の実施例の測定回路を示す回路図(ファンあり)である。
図14は、本発明の実施例の熱電変換素子2の出力電圧を測定した結果を示すグラフである。
図15は、本発明の実施例の熱電変換素子2(ファンが無い場合)の高温側と低温側の温度を測定した結果を示すグラフである。
図16は、本発明の実施例の熱電変換素子2(ファンがある場合)の高温側と低温側の温度を測定した結果を示すグラフである。
図17は、本発明の実施例の熱電変換素子2の出力電力を測定した結果を示すグラフである。

0020

本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の温度差発電装置1の概要を図示している等角投影図である。温度差発電装置1は、熱電変換素子2、加熱板3、放熱板4、筐体5等からなる。熱電変換素子2は、温度差により熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。熱電変換素子2は、図示しないが、発電された電気エネルギーを負荷に供給するために、出力端子を有する。加熱板3は、熱源の熱エネルギーを熱電変換素子2に伝熱するためのものであり、熱電変換素子2の高温側に張り合わされる。

0021

放熱板4は、熱電変換素子2の低温側に張り合わされたもので、熱電変換素子2を冷却し、熱電変換素子2の高温側との温度差を実現するためのものである。筐体5は、熱源を格納するためのものであり、熱源から発された熱エネルギーを、加熱板3に導くためのものでもある。本実施の形態においては、筐体5は、中空の箱形をしている。筐体5の上部は、上部が開口している。筐体5の中には、熱源が配置されている。

0022

熱源は、熱電変換素子2の高温側を加熱するものであれば、既知の任意の熱源を利用できるが、本実施の形態においては、ロウソク6を熱源として用いている。ロウソク6は、筐体5の底面に配置された置き皿7上に配置されている。ロウソク6は、燃焼すると高温の燃焼ガスを排出すると共に、その燃焼の熱によって周囲の空気も高温になる。これらの高温の燃焼ガスと高温の空気は、合わせて高温ガスとする。熱電変換素子2は、本実施の形態においては、板状の形状をし、その両面には、加熱板3と放熱板4が張り合わされている。熱電変換素子2と加熱板3、熱電変換素子2と放熱板4との接着又は固定は、接着剤を用いる等の既知の任意の接着手段又は固定手段を利用する。

0023

筐体5の上部の開口には、加熱板3、熱電変換素子2、放熱板4の順位に設置される。ロウソク6から見ると、加熱板3のみが見える。筐体5の上部の開口には、この開口を加熱板3で全部塞がれることが無く、新鮮な空気の取り入れ、燃焼した排気ガス等の排出の隙間である通気口9を有するように設置されている。本実施の形態においては、ロウソク6の燃焼には必要な酸素等を含む外気は、通気口9からのみ供給され、ロウソク6の燃焼による高温ガスもこの通気口9から排出される。

0024

筐体5は、本実施の形態では、骨組みは金属製であり、筐体5の各面は、透明板で塞がれている。よって、筐体5内で燃焼しているロウソク6は、この透明板を通してその周囲を照らす役割もする。この透明板は、ロウソク6等の熱源の熱に対して耐熱構造で、透明であれば任意の材料が利用できる。例えば、透明板には耐熱ガラスが利用できる。ロウソク6の炎6aは、加熱板3を直接加熱させてもよいが、ロウソク6の燃焼による高温ガスが加熱板3と接触し、高温ガスと加熱板3の間に熱交換が行われることで、加熱板3を加熱することが好ましい。

0025

よって、ロウソク6の炎6aで加熱された空気は、通常は、上側へ上がるので、この加熱効率を上げるためには、加熱板3はロウソク6の炎6aの燃焼する鉛直方向と直交する面に配置される。よって、図2に図示したように、加熱板3はロウソク6の上に、正確にはロウソク6の炎の上面側に配置されている。加熱板3は、熱電変換素子2の高温側に直接張り合わされている。加熱板3は、プレート3aに接続されている。プレート3aは、熱電変換素子2の高温側に張り合わされず、かつ、加熱板3と所定の角度を有する。

0026

加熱板3とプレート3aは、一枚の金属板であり、図1図2に示すように、その中部が加熱板3になり、その中部の両側が少し折り曲がって、プレート3aになったものである。図1の例では、加熱板3が1枚、プレート3aは加熱板3の両側に設置された2枚になっている。プレート3aは、熱源で加熱された熱気が、ヒートパイプ8へ直接流れて、接触しないように熱気の流れを変えるためのものである。また、プレート3aは、加熱板3の熱がプレート3aを伝熱して放熱され、加熱板3と熱電変換素子2が必要以上に過熱することを防ぐ役割をする。また、プレート3aは、加熱板3と接触した熱い空気が流れて排出されるための排出路の役割をする。

0027

プレート3aの下面は、熱い空気が接触しながら流れ、プレート3aの上面は、外気と接触して、熱を放熱するものである。よって、筐体5内の高温ガスが加熱板3と接触した後で、プレート3aを接触しながら流れて筐体5からその外へ排出される。ロウソク6等を熱源に用いた温度差発電装置1においては、空気の流れがとても重要である。高温ガスなどの空気は、図2に矢印で図示したように、開口している通気口9から排気され、同じ通気口9から新鮮な空気が供給される。ここでは、筐体5から外側へ向かう矢印9aで、高温ガスの流れを、外側から筐体5内へ向かう矢印9bで外気の流れを図示している。

0028

ロウソク6の燃焼時は、その炎6aで加熱された高温ガスは上昇して流れるため、通気口9から供給された新鮮な空気は、筐体5の壁とロウソク6の間を流れて下降し、ロウソク6の下からのみロウソク6の燃焼に供給される。加熱板3は、筐体5に既知の固定手段で固定される。例えば、加熱板3は、図示しないが、筐体5の骨組みに固定ネジや接着剤等で固定される。また、加熱板3と筐体5の骨組みは、金属なので互いに溶接で固定することもできる。

0029

放熱板4は、図1の例では、板状の形状をし、その一面は熱電変換素子2の低温側に張り合わされ、その他面は外気に接触するように配置されている。放熱板4は、その放熱機能を高めるために、複数のヒートパイプ8を有する。ヒートパイプ8は、中空の金属パイプであり、その一端が放熱板4に直接固定され、他端が外気に曝されている。ヒートパイプ8は、放熱板4の外周に固定され、その中間部が曲部を有して端部が外方へ張り出し空気に浸る構成のものである。

0030

ヒートパイプ8は放熱板4に溶接で固定される。又は、ヒートパイプ8は放熱板4に接着剤でも固定することができる。図1に図示したように、本実施の形態の例では、プレート3aが2枚にのみになっているが、加熱板3の周囲に4枚又は1枚を配置する等のように、任意の数にすることができる。加熱板3は、本実施の形態おいては、1枚のみなっているが、排気方向に付けた多数の加熱板3を重なった構造にすることができる。ヒートパイプ8についても、図中8本になっているが、熱電変換素子2の放熱が効率よく行われるのであれば、任意の数にすることができる。

0031

また、ヒートパイプ8は、放熱板4の上側等のように、放熱板4の任意の外気側に設けることができる。図3に図示したように、ヒートパイプ8は、放熱を助長するために複数のフィン10を有する。温度差発電装置1は、放熱板4及び/又はヒートパイプ8の周囲に配置され、放熱板4の空冷を促進するためのファン11を有する。図3の例では、ファン11は、フィン10の正面に固定されている。ファン11は、基本的に、熱電変換素子2から出力される電力で駆動する。

0032

ファン11は、回転するモータ(図示せず。)と、モータのローターに固定された羽根11a、羽根11aの周囲に設置された筐体11bからなり、汎用のものである。ファン11は、汎用の任意のものを用いるが、ファン11は、その回転数を調整できるものと、できないものがあり、それを制御するための回路を上述する。熱電変換素子2は、異なる種類の半導体からなるゼーベック素子である。ゼーベック素子は、P型半導体とN型半導体を導体サンドイッチした構造で、ゼーベック素子の下を加熱し、素子の上を吸熱するとN型半導体とP型半導体の間に直流の起電圧が発生する。

0033

ゼーベック素子の起電圧は、N型半導体が+電位、P型半導体が−電位になり、逆に、ゼーベック素子の上を加熱し、素子の下を吸熱するとP型半導体が+電位に、N型半導体が−電位になる。このときの起電圧は、温度差が大きければ大きいほど大きな起電圧が発生する。本発明の温度差発電装置1は、熱電変換素子2そのもの発明ではなく、汎用の熱電変換素子2を用いて、効率よく発電する温度差発電装置1の発明なので、熱電変換素子2の詳細な構造及び動作については、省略する。

0034

図4は、フィン3bを有するプレート3aの例を図示している。フィン3bは、細長い板状である。フィン3bは、プレート3aに、プレート3aと加熱板3との接続線に直行するように、配置されている。高温ガスが通気口9から排出されるとき、フィン3bの間を流れるように排出される。同じく、新鮮な空気も、フィン3bの間を流れながら通気口9から筐体5内に入る。高温ガスがフィン3bとは、熱交換しながら流れる。

0035

〔回路〕
温度差発電装置1の電気回路は、図5に例示している。ロウソク6等の熱源21の熱は、熱電変換素子2を加熱する。熱電変換素子2は、電気回路では、内部抵抗素子Riと直流起電圧Vとして表す。以下、この内部抵抗素子Riとこの直流起電圧Vは、合わせて電源回路22という。ファン11は、電源回路22の出力に並列に接続される。ファン11は、電源回路22が出力する電力を受けて回転し、周囲の空気を強制的に流すものである。

0036

ファン11への電流制限を行うために定電流ダイオード23をファン11と直列に接続している。言い換えると、定電流ダイオード23とファン11は直列に接続されてから、電源回路22に並列に接続されている。定電流ダイオード23は、不安定な電圧でも一定の電流を供給できるものである。電源回路22の出力電圧が変動するとき、定電流ダイオード23は、一定の電流をファン11に供給でき、ファン11の動作が一定になる。更に、定電流ダイオード23は、ファン11の消費電力が一定の値を超えないように制限するものである。温度差発電装置1の電気出力を示す出力端子25は、電源回路22の出力になっており、電源回路22とファン11の接続点に接続されている。

0037

負荷27は、この出力端子25に接続される。これにより、負荷27は、温度差発電装置1で発電された電力で稼働する。負荷27は、既知の任意の電気装置や素子が利用できる。負荷27としては、映像装置、可視光線を発する発光装置若しくは発光素子、バッテリ、通信装置、ラジオ等が例示できる。図6には、直流−直流変換器24を有する別の回路の例を図示している。図6回路構成は、図5の回路と同じであるが、直流−直流変換器24が定電流ダイオード23とファン11に直列に接続されている。

0038

直列に接続された直流−直流変換器24、定電流ダイオイード23、及びファン11は、電源回路22に並列に接続されている。直流−直流変換器24は、入力された直流電圧を所定の電圧に変換し、一定の電圧の出力をするものである。ファン11の定格電圧は、例えば、1.2V、1.5V、3.5V、5V等であり、使用するファンによって異なる。そのため、直流−直流変換器24は、電源回路22の出力電圧を、ファン11の定格電圧に変換するものである。

0039

図7には、温度差発電装置1の別の回路例を図示している。この回路例では、CPU(中央処理装置)26を利用して、温度差発電装置1の回路制御をし、ファン11の制御動作を実現している。具体的には、CPU26でスイッチ28を制御して、ファン11へ供給される電流を制御している。スイッチ28は、スイッチング動作高速という特徴がある電界効果トランジスタFET)からなると良い。スイッチ28は、それを接続する回路を接続又は遮断するためのものである。直流−直流変換器24、スイッチ28、及び、ファン11は直列に接続されてから、電源回路22と並列に接続されている。

0040

直流−直流変換器24とスイッチ28の接続点は、CPU26に接続され、CPU26に電源供給をする。直流−直流変換器24は、電源回路22の出力電圧を、CPU26の動作電圧に変換するものである。つまり、ファン11もCPU26も同じ電圧で稼働する。もし、ファン11とCPU26が異なる電圧で稼働する場合は、図示しないが、必要に応じて抵抗器を用いて電圧降下を実現する。CPU26は、電源回路22の出力端子、ファン11に接続され、それらのデータを取得している。

0041

CPU26は、任意のものが利用できるが、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)機能を備えたワンチップCPUが好ましい。このPWM機能は、パルス信号パルス幅を長くしたり、短くしたりして、電流や電圧を制御するためのものである。図7の例では、CPU26から出力された制御信号に基いて、スイッチ28のFETのゲート入力にCPU26からのPWM信号を加え、FETのソースドレイン間の電流を制御する。このように、スイッチ28のFETをON/OFF動作させる。このPWM機能による制御は、コイルを含む回路等の電圧制御によく用いられているもので、詳細な説明は省略する。

0042

CPU26は、電源回路22の出力端子でその出力電圧、ファン11からはその回転速度等の稼働データを取得して、それらのデータを用いて、ファン11の稼働最適値を計算し、スイッチ28をON/OFF制御して、ファン11への供給電流を制御する。CPU26は、図示しないがメモリに接続され、メモリに格納されている制御プログラムによって動作する。このメモリは、EPROM等でできたROMであることが好ましい。ファン11がその回転速度を制御する機能を持たない場合、この図7の電気回路による制御が好ましい。

0043

制御プログラムは、基本的に、アセンブラ等の機会言語で記述されてプログラムである。ファン11としては、例えば、一般的に、パソコン等の内蔵半導体素子を冷却するために利用しているファンが利用できる。ファン11は、基本的に、モータを有する機械部品であり、所定の一定の電圧にならないと回転しない。よって、熱電変換素子2で発電された電圧を、所定の電圧に変換するために、直流−直流変換器24を設けている。言い換えると、直流−直流変換器24は、熱電変換素子2で発電された電圧を、ファン11の定格電圧になるように、電圧変換するための電圧変換器である。

0044

熱電変換素子2は、一例では、1V未満から2V程度の電圧出力であり、これをファン11の稼働電圧5V、3.5Vに直流−直流変換器24で昇圧する。ファン11は、任意の既知のモータを利用できるが、ブラシレスタイプのモータであると稼働時静かであり好ましい。ファン11は、その回転によってその周囲の空気の流れを助長し、放熱板4、ヒートパイプ8を空冷する働きをする(図3を参照。)。よって、ファン11は、図5のように必ずしも昇圧回路を必要としないが、直流−直流変換器24等の昇圧回路を用いると、ファン11は安定して動作する。

0045

本発明の温度差発電装置1がファン11を有するので、その発電した電力をファン11のために使うので、発電効率が悪くなるように思われる。しかし、ファン11を回転させることで、放熱効率を上げ、従って、温度差発電装置1は、総合的に発電効率が上がる。
図8には、温度差発電装置1の他の回路例を図示している。この回路例では、CPU(中央処理装置)26を利用して、ファン11の回転速度を制御している。この場合は、ファン11がその回転速度を調整する機能を有ものである。

0046

直流−直流変換器24とファン11は直列に接続されてから、電源回路22と並列に接続されている。直流−直流変換器24とファン11の接続点は、CPU26に接続され、CPU26に電源供給をする。CPU26は、電源回路22の出力端子、ファン11に接続され、それらのデータを取得している。CPU26は、電源回路22の出力端子でその出力電圧、ファン11からはその回転速度等の稼働データを取得して、それらのデータを用いて、ファン11の稼働最適値を計算し、ファン11の回転速度を制御する。

0047

CPU26は、図示しないがメモリに接続され、メモリに格納されている制御プログラムによって動作する。このメモリは、上述した通りである。図9には、制御プログラムの動作を示すフローチャートの一例を図示している。制御プログラムは、図7の回路を例にしている。制御プログラムは、ROM等のメモリから読み出されてメモリのRAM(図示せず。)に展開される(ステップ1、2)。これにより、制御プログラムに記述された命令は、CPU26に順番に読み出されて、それらの命令によって温度差発電装置1を制御し始める(ステップ3)。

0048

まずは、制御プログラムによって、メモリに保存された温度差発電装置1の設定値等を読み出して、初期化を行う(ステップ4)。その後、電源回路22の出力端子25のデータを取得する(ステップ5)。データとしては、基本的に、出力端子25の出力電圧である。最後は、ファン11の回転速度等の稼働データを取得する(ステップ6)。出力端子25の出力電圧とファン11の稼働データを用いて、ファン11の稼働最適値を計算する(ステップ7)。この稼働最適値とは、温度差発電装置1の発電効率の最大化を意味する。又は、負荷27が温度差発電装置1に接続された状況では、負荷27が動作するに最適な温度差発電装置1の発電効率である。

0049

〔稼働最適値の計算〕
ここで、稼働最適値の計算の一例を示す。稼働最適値の計算は、負荷を考慮しなければならないが、基本的に、熱電変換素子2の発電最大値を求めることである。熱電変換素子2が熱源で加熱されていると、徐々に電変換素子2の温度が上昇し、さらに、放熱板4の温度も上昇し、電変換素子2の温度差が縮まってくる。この温度差の縮小は、出力端子25の電圧の低下を招き、結果的に発電効率が落ちる。そこで、ファン11を回転させて放熱板4の温度を下げる。ファン11の回転を大きくすれば、放熱板4の周囲の空気を多く流し、放熱板4の放熱効果が大きくなる。

0050

ファン11の回転は、その仕様上、消費電力の上限値があり、それ以上に回転速度を上げることはできない。消費電力の上限値は、使用最大電圧消費最大電流で決まる。直流—直流変換器24では、電変換素子2の出力電圧を、ファン11の使用電圧に変換している。CPU26は、スイッチ28を制御して、ファン11へ供給される電流の増減を制御している。よって、CPU26は、ファン11の回転数を多くするとき、ファン11へ供給される電流を増加させるように制御する。また、CPU26は、ファン11の回転数を少なくするとき、ファン11へ供給される電流を減少させるように制御する。

0051

温度差発電装置1の立ち上がりの時は、特に、ファン11による放熱板4の冷却は必須ではない。しかし、このとき、ファン11を最低限稼働させることができる。温度差発電装置1が稼働開始してから、通常(室温25℃で)は、数分で、例えば、1〜2分で、放熱板4の冷却を開始しなければならない。温度差発電装置1が稼働開始してから、出力電圧が上昇し、最大値に達してから下がる。ファン11があると、その下がり幅が少なくすみ、そしてほぼ一定の電圧になる。結果的に、稼働最適値の計算は、温度差発電装置1が稼働開始してから、ファン11をいつ稼動させるかを決定する。

0052

ファン11を稼働させる時期は、上述のように、稼働最適値の計算では、温度差発電装置1が稼働開始してから所定の時間経過後、例えば1〜2分、または、熱電変換素子2の出力電圧が低下し始めたときである。その後は、熱電変換素子2の出力電圧が低下を続けている間は、ファン11の回転数を増加させる。ファン11の回転数を変化したらすぐに放熱効果が現れるものではなく、通常は、数秒〜数十秒を要する。そのため、上述のステップ5、6の稼働データの取得は、数秒〜数十秒以上の時間間隔、例えば、1秒、2秒、3秒、5秒、10秒、30秒、1分の時間間隔で、取得し、稼働最適値の計算をする。

0053

稼働最適値の計算のもう一つの制御方法は、ファン11の回転数と熱電変換素子2の出力電圧を、稼働データを取得した最後の時間から遡って、10秒、20秒、30秒、1分、2分等のように、測定所定期間で統計処理して、制御する。このとき、測定所定期間で、熱電変換素子2の出力電圧が低下しているか上昇している安定しているか等の傾向を計算して、ファン11の回転数を増やすか減らすか維持するかを決定する。この統計処理に関しては、測定所定期間中の出力電圧の平均値標準偏差値標準誤差値等のような任意の統計用計算方法が利用できる。

0054

温度差発電装置1が稼働して安定動作になったとき、ファン11の回転数を増減して、温度差発電装置1の出力電圧を最大値に保つ。このときの制御は、熱電変換素子2の出力電圧が低下したら、ファン11の回転数を増加させる。この増加によって、熱電変換素子2の出力電圧がさらに低下するようであれば、ファン11の回転数を減少させる。熱電変換素子2の出力電圧が低下したら、ファン11の回転数を増加させ、この増加によって、熱電変換素子2の出力電圧が上昇すれば、ファン11の回転数をさらに増加させる。この制御を繰り返すことで、温度差発電装置1が稼働最適値で稼働する。

0055

ここで、稼働最適値は、熱電変換素子2の出力電圧を監視して行なったが、熱電変換素子2の出力電力で計算しても良い。熱電変換素子2の出力電力の場合は、上述の熱電変換素子2の出力電圧の制御と同じであるが、ファン11の稼働時の回転数からその消費電力を予想できるので、稼働最適値の計算がより正確になる。つまり、CPU26は、取得したファン11の回転数からその消費電力を計算し、熱電変換素子2の出力電圧と、ファン11の消費電流、熱電変換素子2の内部抵抗から、熱電変換素子2の出力電力を計算する。この計算式の例は、図13に示している。

0056

上述のステップ4の初期化は、制御プログラムによって、出力端子25からのデータ取得、ファン11の回転数の取得が正常に行われるのか、否かを確認し、正常でなければ、通知手段で通知し、終了する。この通知手段は、CPU26に接続されたLED等の点灯手段、スピーカであると良い。正常の場合は、続けて、動作し、ステップ5へ移る。また、初期化では、必要であれば、熱電変換素子2の内部抵抗、最大出力電圧、ファン11の定格電圧、最大消費電流最大消費電力、ファン11の稼動開始時間、出力端子25からデータを取得する間隔、ファン11からデータを取得する間隔等がメモリから読み出されて、制御プログラムの初期値として設定される。

0057

温度差発電装置1の発電効率の最大化になったとき、負荷27に必要な電力以上の電力が発電された場合は、この余分な電力は、図示しないが蓄電池蓄電されると良い。ファン11の稼働最適値の計算が終了すると、この計算結果に基いて、ファン11の動作を制御する。この例では、ファン11のスイッチ28を接続、切断することで、ファン11の稼働を制御、詳しくは、ファン11の回転速度を制御する(ステップ8)。その後、ステップ5からの制御を再開する。図10には、制御プログラムの動作を示すフローチャートの他の例を図示している。制御プログラムは、図8の回路を例にしている。

0058

制御のステップは、図9のフローチャートと同じであるがステップ7に示すファン11の稼働最適値の計算が終了すると、この計算結果に基いて、ファン11の動作を制御する。この例では、ファン11を直接制御して、ファン11の回転速度を制御している(ステップ9)。その後、ステップ5からの制御を再開する。上述の通り、ファン11の制御は、ファン11への電流を大きくして、その回転速度の高速化、ファン11への電流を少なくして、その回転速度の減少化である。図8に示すように、この制御は、回転速度を設定できるファン11の場合、ファン11の回転速度を大きく、又は小さくして行われる。

0059

この制御、稼働最適値の計算は、上述の図9のフローチャート、図7の回路と同じである。出力端子25の電圧に比例して、次のような制御になる。現実的には、出力端子の電圧が上がった場合は、ファン11の回転数を高速化し、出力端子の電圧が下がった場合は、ファン11の回転数を少なくする制御になる。というのは、出力端子25の電圧が上がると、熱電変換素子2の温度差が大きくなったことを意味し、空冷が必要になる。よって、ファン11を高速回転させて、放熱板4をもっと空冷する必要になるからである。

0060

〔その他〕
加熱板3、放熱板4、ヒートパイプ8等は、銅、アルミ、それらの合金等の伝熱性が良い材料が用いる。熱源は、上述の通り、ロウソク6になっているが、灯油又はナフサを燃料に用いたオイルライタを用いたガスライターが利用できる。また、熱源は、ブタンガスを燃料に用いたガスライターも利用できる。また、これらの液体燃料等を用いた液体キャンドルも用いることができる。

0061

図11には、温度差発電装置1の用途の一例を図示している。温度差発電装置1は、上述の通り、フィン10とファン11を備え、照明51に電力供給を行っている。照明51は、基板50の上に設置されたもので、基板は、ヒートパイプ8の上部に設置されている。この照明51は、温度差発電装置1で発電された電力を、電線ケーブル(図示せず。)を介して受け取る。通気口9の大きさを大きくしたり小さくしたりして調整し、筐体5内への空気の供給を調整し、従って、ロウソク6の燃焼熱を調整することができる。

0062

放熱板4は、外周及び/又は外気側に複数のフィン10を設けた構成のものであることができる。温度差発電装置1は、汎用のロウソク6を内蔵し、掌程度の大きさである。温度差発電装置1は、このように小型であり、携帯し易く、言い換えると持ち運びやすい。熱源も汎用の物を利用するので、自然災害等の非常時に、携帯電話等の通信装置、ラジオ、携帯用テレビランプ等の電源として利用できる。本発明の温度差発電装置1に接続された負荷装置には、1台の温度差発電装置1の出力電力、出力電圧が足りないとき、温度差発電装置1を2台以上(その出力端子)を並列又は直列に接続して、必要な出力電力、出力電圧を負荷装置に供給することができる。

0063

無論、本発明の温度差発電装置1は、平時にも、装置の電力源として利用でき、電気節約にも役立つ。例えば、工事現場キャンプ場等のように、電源が確保しにくい場面でも、温度差発電装置1を電源として利用できる。このように、温度差発電装置1はその携帯し易さ、使い易さを生かして様々な生活場面で利用できる。本発明の温度差発電装置1は、ロウソク等の汎用の熱源を利用して発電し、携帯可能なコンパクトな形態にしたことで、小型で高効率の温度差発電装置になった。

0064

本実施例は、上述の温度差発電装置1の発電状況を測定したものである。本実施例の温度差発電装置1は、図3に示すものであり、ファン11を有するものと、ファン11が無いものの動作を比較したものである。本実施例の温度差発電装置1の回路図を、図12図13に図示している。図12のファン11がない場合は、ファン11、定電流ダイオード23、直流−直流変換器24等が無い回路である。図13のファン11がある場合は、熱電変換素子2の出力電圧を直接測定し、直流−直流変換器24とファン11を直列に接続して、出力端子25の電圧を測定した。

0065

図13に示すように、電流計を、直流−直流変換器24とファン11に直列に接続して、直流−直流変換器24へ供給される電流を測定した。電圧の測定は、熱電変換素子2の出力のオープンの電圧を測定した。この測定は、熱電変換素子2の出力電圧が一定の値に落ち着くまで行った。本実施例の温度差発電装置1のロウソク6は、大径が4cm、長さが2.5cmのものを使用した。ロウソク6の芯は、升田養蜂場(本社:広島県三次市)製、ロウソク専用芯No1にした。また、本実施例の温度差発電装置1の熱電変換素子2の温度を、温度計で測定した。

0066

温度計(熱電対)は、銅製の加熱板3と、アルミニウム製の放熱板4(ヒートシンク)の熱電変換素子2(ゼーべック素子)に一番近い部分に接着した。まず、図12図13の回路で示すように、電圧計と電流計を接続して、熱電変換素子2の出力電圧を測定した。この電圧の測定は、日置電機株式会社(本社:長野県上田市)製のデータロガー型番MEMORY HiCORDER 8870)を用いて測定した。ファンがある場合は、電流計を目視し1秒毎に記録した。ロウソク6を点灯せずに測定を開始してから、ロウソク6を点火させた。出力端子25のオープン電圧が所定の値に落ち着いたら、データロガーの測定を停止して、測定を終了した。次の表1には、データロガーの設定を示している。

0067

0068

図14は、オープン電圧の時間経過の測定結果を示すグラフであり、横軸は測定の経過時間、縦軸は測定された電圧である。このグラフからは、ファンがある温度差発電装置1の場合は、ファンが無い場合と比べて、出力電圧が大きいことが分かる。つまり、温度差発電装置1が起動、言い換えると熱源を点火してから、熱電変換素子2の出力電圧が上昇し、ピーク値に達した後、減少している。この減少幅は、ファンがある場合は、ファンが無い場合と比べて少ない。このピーク値に達する時間は、測定開始から数分、大体2分になっている。

0069

図15は、ファンが無い場合、熱電変換素子2の高温側と低温側の温度を、測定した結果を示している。図16、ファンがある場合、熱電変換素子2の高温側と低温側の温度を測定した結果を示している。図15図16の横軸は、測定時間を示し、縦軸は、測定された温度及び、出力電圧を示している。図15のグラフからみると、熱電変換素子2の低温側の温度は、ずっと上昇し、100℃を超えており、熱電変換素子2の高温側の温度も同じくずっと上昇し、140℃を超えている。

0070

図16のグラフからみると、熱電変換素子2の低温側の温度は、60℃前後で一定になっており、熱電変換素子2の高温側の温度も同じく120℃前後に一定になっている。出力電圧も、図15のグラフの場合2.5〜3.0Vになっており、図16のグラフの場合3.0V以上になっている。高温側温度と低温側温度の差は、図15のグラフの場合は、40℃前後で一定なっており、高温側温度も低温側温度も測定中ずっと上昇している。高温側温度と低温側温度の差は、図16のグラフの場合は、40℃〜60℃ある。

0071

この温度差は、ファンなしの図15のグラフの場合と比べてずっと高い値である。図16のグラフの場合は、低温側温度が60℃前後で一定になっており、ファン11の影響がはっきりと確認できる。また、高温側温度は、ファン11がある場合(図16)は、120℃前後になり、ファン11がない場合(図15)の140〜170℃と比べ小さい値である。しかし、高温側温度と低温側温度の差は、ファン11がある場合(図16)がファン11がない場合(図15)よりずっと大きい。

実施例

0072

これより、ファン11がある場合(図16)は、出力電圧が高いことがすぐ理解できる。図17のグラフは、ファンがある場合とファンが無い場合の温度差発電装置1の出力電力を示すグラフである。このグラフの横軸は時間を示し、縦軸は出力電力を示している。このグラフからは、ファンがある場合は、測定開始直後の場合を除いて、ずっと高い値を示していることが分かる。出力電力のピーク値に達する時間は、ファンある場合とファンが無い場合の両方にとって、ほぼ同じ時間で、測定開始から数分、大体2分になっている。

0073

本発明は、小型熱源を利用した発電する電源を用いる分野に利用するとよい。特に、自然災害や通常の電源が確保しにくい場合に、携帯用電源として利用する分野で利用すると良い。

0074

1…温度差発電装置
2…熱電変換素子
3…加熱板
3a…プレート
4…放熱板
5…筐体
6…ロウソク
8…ヒートパイプ
9…通気口
10…フィン
11…ファン
22…電源回路
23…定電流ダイオード
24…直流—直流変換器
25…出力端子
26…CPU
27…負荷
28…スイッチ

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