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技術 製造コスト管理システム及び管理方法

出願人 三菱重工航空エンジン株式会社
発明者 田房正宏藤原直之田中徹
出願日 2011年8月26日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2011-185201
公開日 2013年3月4日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2013-045430
状態 特許登録済
技術分野 総合的工場管理 特定用途計算機
主要キーワード 目標材料 材料消費量 原価要素 目標コスト 加工ミス 材料単価 材料購入 作業班
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

製造コストリアルタイムで且つ効率的に集計分析することができる製造コスト管理システム及び方法を提供する。

解決手段

複数種生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理システム1であって、目標材料費及び実績材料費が格納される材料費データベース22と、目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベース23とを含む複数のデータベースからデータを取得可能に構成されており、生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、実績単価を算出する実績単価算出手段13と、実績単価算出手段13で算出された実績単価と、予め設定された生産品の目標単価との差分を算出する差分算出手段14と、算出された差分を用いて、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用とデータベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析手段16とを備える。

概要

背景

一般的な生産品製造コスト管理の流れを図9に示す。なお、ここでいう生産品とは、部品、複数の部品の集合体、及び複数の集合体からなる製品のいずれかを含むものである。
同図に示すように、生産品の製造指示が出た際に、想定される費用予想利益等を考慮した目標単価原価)、及び材料費加工費等の要素別目標費用からなる実行予算を作成する。次いで、生産品を製造するための複数の工程からなる生産計画を作成し、この生産計画に見合った直接費工程別予算を作成する。次いで、生産計画に基づいて生産品の製造を行うが、この際に生産品の仕掛り状況や作業実績を各々記録している。そして、最終的に完成品が出来上がった時点で実際にかかった費用から実績単価を算出していた。

品種の生産品の製造においては、製造コスト管理が複雑化するため、従来からデータベースを用いて製造コストを管理することが行われている。例えば、エンジンの部品を製造する場合、予算データ、材料費データ、加工費データ等の製造コストに関するデータをそれぞれ蓄積した複数のデータベース、さらに部品表工程表等の製造コスト以外のデータをそれぞれ蓄積した複数のデータベースなどが用いられており、それぞれのデータベースが独立して管理されていた。

関連する技術として、特許文献1(特開2010−92267号公報)には、製造装置消費した品種別の材料コストを算出できる製造コスト算出装置が開示されている。この装置は、加工あたり材料消費量加工種別や品種と紐付けして記憶し、この材料消費量と材料単価とから材料コストを算出する。さらに、品種ごとの材料コストと、非製品加工品の材料コストとから品種別製造コストを算出する。これにより、品種別の材料コストを正確に算出することを可能としている。

概要

製造コストをリアルタイムで且つ効率的に集計分析することができる製造コスト管理システム及び方法を提供する。複数種の生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理システム1であって、目標材料費及び実績材料費が格納される材料費データベース22と、目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベース23とを含む複数のデータベースからデータを取得可能に構成されており、生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、実績単価を算出する実績単価算出手段13と、実績単価算出手段13で算出された実績単価と、予め設定された生産品の目標単価との差分を算出する差分算出手段14と、算出された差分を用いて、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用とデータベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析手段16とを備える。

目的

本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、製造コストをリアルタイムで且つ効率的に集計、分析することができる製造コスト管理システム及び方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数種生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理システムであって、各生産品ごとに割り当てられた目標材料費及び実際の購入にかかる実績材料費が格納される材料費データベースと、各生産品ごとに割り当てられた目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベースとを含む複数のデータベースからデータを取得可能に構成されており、前記データベースから前記生産品に対応する前記実績材料費及び前記実績加工費を取得し、前記実績材料費及び前記実績加工費を用いて前記生産品の実績単価を算出する実績単価算出手段と、前記実績単価算出手段で算出された前記実績単価と、予め設定された前記生産品の目標単価との差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段で算出された差分を用いて、前記生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と前記データベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析手段とを備えることを特徴とする製造コスト管理システム。

請求項2

前記差分算出手段で算出された差分に基づいて、製造コストの見直しが必要とされる優先度順に前記複数種の生産品のそれぞれに優先順位を付ける優先順位付与手段をさらに備え、前記要因分析手段では、前記複数種の生産品のうち、前記優先順位付与手段で付与された前記優先順位に従って順に要因分析を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項3

前記差分算出手段は、前記実績単価算出手段で算出した現時点までの実績単価推移と、前記生産品の製造進捗率に対応した目標単価推移とを比較して、時系列に対応した差分推移を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項4

前記差分算出手段は、前記実績単価算出手段で算出した現時点までの実績単価及び現時点の製造進捗率に基づいて推定した完成生産品の推定実績単価と、予め設定された完成生産品の目標単価との差分を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項5

前記実績単価算出手段は、前記実績材料費及び前記実績加工費に加えて、作業の準備、移動若しくは待機時間を含む仕掛り時間を費用換算した仕掛り消耗費を用いて前記生産品の実績単価を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項6

前記実績単価算出手段は、前記実績材料費及び前記実績加工費に加えて、材料の輸送費、手戻り費及び加工外注費の少なくともいずれかを用いて実績製造コストを算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項7

前記要因分析手段にて要因分析した結果を、作業工程ごとに詳細表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の製造コスト管理システム。

請求項8

複数種の生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理方法であって、各生産品ごとに割り当てられた目標材料費及び実際の購入にかかる実績材料費が格納される材料費データベースと、各生産品ごとに割り当てられた目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベースとを含む複数のデータベースから、前記生産品に対応する前記実績材料費及び前記実績加工費を取得し、前記実績材料費及び前記実績加工費を用いて前記生産品の実績単価を算出する実績単価算出工程と、前記実績単価算出工程で算出された前記実績単価と、予め設定された前記生産品の目標単価との差分を算出する差分算出工程と、前記差分算出工程で算出された差分を用いて、前記生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と前記データベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析工程とを備えることを特徴とする製造コスト管理方法。

技術分野

0001

本発明は、複数種生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理システム及び管理方法に関する。

背景技術

0002

一般的な生産品の製造コスト管理の流れを図9に示す。なお、ここでいう生産品とは、部品、複数の部品の集合体、及び複数の集合体からなる製品のいずれかを含むものである。
同図に示すように、生産品の製造指示が出た際に、想定される費用予想利益等を考慮した目標単価原価)、及び材料費加工費等の要素別目標費用からなる実行予算を作成する。次いで、生産品を製造するための複数の工程からなる生産計画を作成し、この生産計画に見合った直接費工程別予算を作成する。次いで、生産計画に基づいて生産品の製造を行うが、この際に生産品の仕掛り状況や作業実績を各々記録している。そして、最終的に完成品が出来上がった時点で実際にかかった費用から実績単価を算出していた。

0003

品種の生産品の製造においては、製造コスト管理が複雑化するため、従来からデータベースを用いて製造コストを管理することが行われている。例えば、エンジンの部品を製造する場合、予算データ、材料費データ、加工費データ等の製造コストに関するデータをそれぞれ蓄積した複数のデータベース、さらに部品表工程表等の製造コスト以外のデータをそれぞれ蓄積した複数のデータベースなどが用いられており、それぞれのデータベースが独立して管理されていた。

0004

関連する技術として、特許文献1(特開2010−92267号公報)には、製造装置消費した品種別の材料コストを算出できる製造コスト算出装置が開示されている。この装置は、加工あたり材料消費量加工種別や品種と紐付けして記憶し、この材料消費量と材料単価とから材料コストを算出する。さらに、品種ごとの材料コストと、非製品加工品の材料コストとから品種別製造コストを算出する。これにより、品種別の材料コストを正確に算出することを可能としている。

先行技術

0005

特開2010−92267号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記したように従来の製造コスト管理においては、予算データ、材料費データ、加工費データ等の各々のデータベースがそれぞれ独立して管理されており、手作業で必要なデータを集めて予算と実績とを比較、分析していたので時間を要してしまい、コス悪化要因に対して迅速な対策を講じることが難しかった。特許文献1は、材料費のみに着目したものであり、材料費以外の他の費用を含む統括的な製造コスト管理については開示されていない。

0007

また、従来は、生産品の仕掛り状況と作業実績についてもそれぞれ独立したデータベースとして存在していたため、仕掛り中の生産品の単価については把握できていなかった。したがって、例えば実際に購入した材料費と予算とが乖離していたり、加工に時間がかかり予定以上に加工費を要したりする場合に、完成品の単価が予算を大幅に上回ってしまうことがある。しかし、コスト悪化が判明するのは生産品が完成した後となるため、コスト改善の対策を講じることができないという問題があった。
したがって、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、製造コストをリアルタイムで且つ効率的に集計、分析することができる製造コスト管理システム及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の課題を解決するために、本発明に係る製造コスト管理システムは、複数種の生産品の製造コストを統括的に管理する製造コスト管理システムであって、各生産品ごとに割り当てられた目標材料費及び実際の購入にかかる実績材料費が格納される材料費データベースと、各生産品ごとに割り当てられた目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベースとを含む複数のデータベースからデータを取得可能に構成されており、前記データベースから前記生産品に対応する前記実績材料費及び前記実績加工費を取得し、前記実績材料費及び前記実績加工費を用いて前記生産品の実績単価を算出する実績単価算出手段と、前記実績単価算出手段で算出された前記実績単価と、予め設定された前記生産品の目標単価との差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段で算出された差分を用いて、前記生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と前記データベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析手段とを備えることを特徴とする。

0009

本発明によれば、データベースから生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、これらの実績材料費及び実績加工費を用いて生産品の実績単価を算出するようにしたので、それぞれのデータベースから手作業で各データを集める必要がなくなり、データ収集や単価算出の作業効率化及び時間短縮化が図れる。また、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出するようにしたので、実績費用と目標費用との差分から、コスト悪化要因に対してどの要素がどの程度影響を与えているかを簡単に把握でき、コスト改善の的確な対策を講じることが可能となる。さらにまた、製造進捗に応じて逐次入力される実績費用を用いて要因分析を行うようにしたので、リアルタイムで実際の製造コストを把握することができ、仕掛り中であっても迅速なコスト改善対策を講じることが可能となる。
なお、加工費とは、加工レート工場従業員賃金労務費)や経費等によって1時間当たりにかかる費用)に作業進捗率を掛け合わせたものである。

0010

上記製造コスト管理システムにおいて、前記差分算出手段で算出された差分に基づいて、製造コストの見直しが必要とされる優先度順に前記複数種の生産品のそれぞれに優先順位を付ける優先順位付与手段をさらに備え、前記要因分析手段では、前記複数種の生産品のうち、前記優先順位付与手段で付与された前記優先順位に従って順に要因分析を行うようにしてもよい。

0011

このように、優先順位付与手段によって、差分算出手段で算出された差分に基づいて複数種の生産品のそれぞれに優先順位を付けるようにしたので、生産品が多数ある場合であっても、コスト悪化に対して影響度の高い部品を簡単に把握することができる。また、影響度の高い部品から順に要因分析を行うようにしたので、分析時間を短縮することが可能となる。

0012

また、上記製造コスト管理システムにおいて、前記差分算出手段は、前記実績単価算出手段で算出した現時点までの実績単価推移と、前記生産品の製造進捗率に対応した目標単価推移とを比較して、時系列に対応した差分推移を算出するようにしてもよい。
このように、製造進捗率に対応した実績単価推移を算出するようにしたので、この実績単価推移と目標単価推移とを比較することでより正確な要因分析を行うことが可能となる。

0013

上記製造コスト管理システムにおいて、前記差分算出手段は、前記実績単価算出手段で算出した現時点までの実績単価及び現時点の製造進捗率に基づいて推定した完成生産品の推定実績単価と、予め設定された完成生産品の目標単価との差分を算出するようにしてもよい。
このように、製造進捗率に基づいて推定した完成生産品の推定実績単価と予め設定された完成生産品の目標単価との差分を算出するようにしたので、仕掛り中においても完成生産品の予算との乖離が簡単に把握できる。

0014

上記製造コスト管理システムにおいて、前記実績単価算出手段は、前記実績材料費及び前記実績加工費に加えて、作業の準備、移動若しくは待機時間を含む仕掛り時間を費用換算した仕掛り消耗費を用いて前記生産品の実績単価を算出するようにしてもよい。
このように、実績材料費及び前記実績加工費に加えて、仕掛り消耗費を用いて生産品の実績単価を算出するようにしたので、実際にかかる費用により近い単価を算出することができる。

0015

上記製造コスト管理システムにおいて、前記実績単価算出手段は、前記実績材料費及び前記実績加工費に加えて、材料の輸送費、手戻り費及び加工外注費の少なくともいずれかを用いて実績製造コストを算出するようにしてもよい。
このように、実績材料費及び前記実績加工費に加えて、材料の輸送費、手戻り費及び加工外注費の少なくともいずれかを用いて生産品の実績単価を算出するようにしたので、実際にかかる費用により近い単価を算出することができる。なお、手戻り費とは、検査よって発見された欠陥部分補修または加工ミスによる修正など、標準作業以外に発生した作業の費用をいい、(作業に掛かった時間)×(レート)で算出できる。

0016

上記製造コスト管理システムにおいて、前記要因分析手段にて要因分析した結果を、作業工程ごとに詳細表示する表示手段をさらに備えることが好ましい。
このように、表示手段によって、要因分析結果を作業工程ごとに詳細表示することで、コスト悪化要因をより詳細に分析、把握することが可能となる。

0017

本発明に係る製造コスト管理システムは、複数種の生産品の各製造コストを統括的に管理する製造コスト管理方法であって、各生産品ごとに割り当てられた目標材料費及び実際の購入にかかる実績材料費が格納される材料費データベースと、各生産品ごとに割り当てられた目標加工費及び製造進捗に応じて逐次入力される実績加工費が格納される加工費データベースとを含む複数のデータベースから、前記生産品に対応する前記実績材料費及び前記実績加工費を取得し、前記実績材料費及び前記実績加工費を用いて前記生産品の実績単価を算出する実績単価算出工程と、前記実績単価算出工程で算出された前記実績単価と、予め設定された前記生産品の目標単価との差分を算出する差分算出工程と、前記差分算出工程で算出された差分を用いて、前記生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と前記データベースから取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する要因分析工程とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0018

以上記載のように本発明によれば、データベースから生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、これらの実績材料費及び実績加工費を用いて生産品の実績単価を算出するようにしたので、それぞれのデータベースから手作業で各データを集める必要がなくなり、データ収集や単価算出の作業効率化及び時間短縮化が図れる。また、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出するようにしたので、実績費用と目標費用との差分から、コスト悪化要因に対してどの要素がどの程度影響を与えているかを簡単に把握でき、コスト改善の的確な対策を講じることが可能となる。さらにまた、製造進捗に応じて逐次入力される実績費用を用いて要因分析を行うようにしたので、リアルタイムで実際の製造コストを把握することができ、仕掛り中であっても迅速なコスト改善対策を講じることが可能となる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態に係る製造コスト管理システムの全体構成図である。
材料費データベースの構成例を示す図である。
加工費データベースの構成例を示す図である。
製造コストの集計結果の構成例を示す図である。
実績単価と目標単価の表示例を示す図である。
本発明の実施形態に係る製造コスト管理方法を示すフローチャートである。
表示手段における表示画面の一例を示す図である。
本発明の実施形態に係る製造コスト管理システムの変形例を説明する図である。
一般的な製造コスト管理の流れを示す概略図である。

実施例

0020

以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。

0021

図1は、本実施形態に係る製造コスト管理システムの全体構成図である。同図に示すように、本実施形態の製造コスト管理システム1は、主に、記憶部11と、演算部12と、表示部17と、入力部18とを備え、複数種の生産品の各製造コストを管理するために用いられる。各部位の具体的な説明は後述する。
ここで、生産品とは、部品、複数の部品の集合体、及び複数の集合体からなる製品のいずれかを含むものであり、好適には、例えばエンジン部品等のように、受注生産品であってもよい。なお、本実施形態では一例として、生産品が部品である場合につき説明する。
また、製造コストとは、実行予算に応じて設定される目標単価(目標原価)、実際にかかる実績単価(実績原価)、及び、生産品の目標単価を構成する要素、すなわち目標材料費や目標加工費等を含むものである。

0022

また、製造コスト管理システム1は、データベース装置2からデータを取得可能に構成されている。データベース装置2は、製造コスト管理システム1に内蔵されていてもよいし、データ通信可能に接続されていてもよい。データ通信可能に接続する場合は、製造コスト管理システム1とデーベース装置2とを、インターネット等の公衆回線又は専用回線を介して接続することができる。

0023

データベース装置2は、少なくとも、目標単価データベース21と、材料費データベース22と、加工費データベース23とを有している。さらに、データベース装置2は、輸送費データベース24、手戻り費データベース25、加工外注費データベース25、計画製造工程データベース27、部品系列データベース28、実績製造工程データベース29、実績/目標単価データベース30とを有していてもよい。なお、これらのデータベースのうち、複数のデータベースが組み合わされて一つのデータベースを構成していてもよい。例えば、材料費データベース22と加工費データベース23とが一つのデータベースを構成してもよい。

0024

目標単価データベース21には、生産品の目標単価が蓄積される。目標単価は、生産品の製造前に計画された実行予算にて決定される。
材料費データベース22は、目標材料費と実績材料費とが蓄積される。目標材料費は、生産品の製造前に計画された実行予算にて決定される。実績材料費は、実際の購入にかかる材料費であり、材料購入時に入力部3から入力される。

0025

加工費データベース23には、目標加工費と実績加工費とが蓄積される。ここで加工費とは、加工レート(工場従業員の賃金(労務費)や経費等によって、1時間当たりにかかる費用)に作業進捗率を掛け合わせたものである。目標加工費は、生産品の製造前に計画された実行予算にて決定される。実績加工費は、実際の加工にかかる費用であり、製造進捗に応じて逐次入力部3から入力される。
なお、入力部3は、製造コスト管理システム1の入力部18と同一であってもよいし、データベース装置2側に別個に設けられていてもよいし、あるいは通信回線を介して他のコンピュータから入力するようにしてもよい。

0026

上記と同様に、材料の輸送にかかる輸送費が蓄積される輸送費データベース24、手戻り作業を時間換算した費用が蓄積される手戻り費データベース25、及び加工外注費が蓄積される加工外注費データベース25には、実行予算にて決定される目標費用(目標輸送費、目標手戻り費、目標加工外注費等)と、実際にかかる実績費用(実績輸送費、実績手戻り費、実績加工外注費等)とがそれぞれ蓄積される。なお、目標費用と実績費用とは別のデータベースにそれぞれ格納されてもよい。

0027

計画製造工程データベース27は、生産品の製造に必要とされる製造工程を時系列に並べたものであり、部品名称、工程ごとの目標工数及び目標人工等が設定されているものであり、ガントチャート等によって表示部17に画面表示することができる。
部品系列データベース28は、複数種の部品を系列的に蓄積したものである。
実績製造工程データベース29は、入力部3から逐次入力されるものであり、製造工程ごとに実際に投入された工数や人工等が蓄積される。
実績/目標単価データベース30は、演算部12で演算された結果を蓄積する。

0028

図2乃至図5は、上記したデータベースの構成例を示す。
図2は、材料費データベース22の構成例を示す図である。同図に示すように、材料費データベース22は、複数種の部品ごとにそれぞれ設けられており、材料費に該当する原価要素名と、これに対応した材料費の平均単価と、実際の払出数及び払出金額が蓄積されている。ここで、図中、オーダー番号とは、製造する部品ごとに設定されるものである。原価要素名とは、原価を構成する要素の名称である。伝票番号とは、加工外注メーカ等の外部に発注した場合に、発注した案件を管理するための番号である。資材C’は資材管理費を示す。また、払出数とは、倉庫等にて保有する在庫材料から製造工程に回す(原)材料の数量であり、払出金額とは、材料の平均単価に払出数を乗じたものである。なお、この材料費データベース22は、実績材料費のみを蓄積したものであり、目標材料費を蓄積した材料費データベースは他に存在する。
図3は、加工費データベース23の構成例を示す図である。同図に示すように、加工費データベース23は、複数種の部品ごとにそれぞれ設けられており、加工費に該当する原価要素名と、これに対応した加工費の平均単価と、実行予算から形状される目標費用と、実際にかかった実績費用とが蓄積されている。ここで、図中、オーダー番号とは、製造する部品ごとに設定されるものである。原価要素名とは、原価を構成する要素の名称である。相手勘定名/部課とは、加工を担当する相手方勘定名または部課である。工数/数量、該当する加工費が用いられる加工作業における工数または数量である。また、製作対応の工数/数量とは、ある工程を担当する作業班で掛かった作業時間、若しくは、加工した部品の数量である。計上金額は、工数または数量に加工レートを乗じた値である。
なお、この加工費データベース23は、実績加工費のみを蓄積したものであり、目標加工費を蓄積した加工費データベースは他に存在する。

0029

図4は、製造コストの集計結果の構成例を示す図である。図4(a)は各部品ごとの材料費及び加工費、並びにその他の経費を示し、図4(b)は実行予算に占める目標材料費、目標加工費及びその他の目標費用の総計と、実際にかかった実績材料費、実績加工費及びその他の実績費用の総計を示している。これらの集計結果は、図2に示した材料費データベース22、または図3に示した加工費データベース23から取得することができる。
図5は、実績単価と目標単価の表示例を示す図である。これは、演算部12で演算した結果を含むものであり、表示部17に表示される表示画面を示している。このように、製造進捗率に対応した目標単価推移と、実績単価推移と、実績単価推移から推定した完成生産品の単価推移を表示させることもできる。

0030

ここで、演算部12の具体的な構成を説明する。
演算部12は、プログラムを実行するCPUを備え、実績単価算出手段13、差分算出手段14、優先順位付与手段15、要因分析手段16を含む各種の機能を実行するための演算を行う。演算部12は、バスを介して半導体を使用したROMやRAM、磁性体を使用した磁気ディスクなどの記憶部11に接続されており、必要に応じて記憶部11に格納されたプログラムを演算部12が読み出し、このプログラムを実行することによって各機能が実現されるようになっている。また、演算部12は、通信ボードアンテナなどの通信機器と接続されていてもよい。

0031

実績単価算出手段13は、データベース装置2から生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、これらを用いて生産品の実績単価を算出する。
差分算出手段14は、実績単価算出手段13で算出された実績単価と、予め設定された生産品の目標単価との差分を算出する。目標単価は、データベース装置2から取得してもよい。
優先順位付与手段15は、差分算出手段14で算出された差分に基づいて、製造コストの見直しが必要とされる優先度順に複数種の生産品のそれぞれに優先順位を付ける。
要因分析手段16は、差分算出手段14で算出された差分を用いて、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用とデータベース2から取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する。ここで、要因分析手段16では、複数種の生産品のうち、前記優先順位付与手段で付与された前記優先順位に従って順に要因分析を行うようにしてもよい。

0032

演算部12に接続される入力部18は、キーボードタッチパネルマウス等のようにデータを直接入力する装置であってもよいし、無線回線有線回線等のように通信回線を介してデータを入力する装置であってもよい。
演算部12に接続される表示部17は、要因分析結果等を画面表示する装置である。

0033

次に、図6を参照して、本実施形態に係る製造コスト管理方法のフローチャートを説明する。
まず最初に、ステップS1にて、生産品の製造前にこの生産品の計画製造工程を作成し、これに沿った目標コストを設定する。計画製造工程及び目標コストは、部品名称、オーダー、予算、計画製造工程データベース27等を含む作業指示データと、部品系列データベース28、材料基準量標準作業時間を含む標準データとに基づいて設定されてもよい。

0034

ステップS1で作成された計画製造工程に基づいて、生産品の製造を行う。製造中には、データベース装置2の製造進捗データ及び資材データが逐次蓄積又は更新される。ここで、ステップS2において、製造コスト管理システム1では、定期的にデータベース装置2から実績材料費及び実績加工費を取得する。
さらに、ステップS3において、製造コスト管理システム1では、実績単価算出手段13で実績材料費及び実績加工費から生産品の実績単価を算出する。生産品の実績単価は、例えば以下の式によって算出することができる。
実績単価=実績加工費[加工レート(10千円/時間)×作業進捗率]+仕掛り時間×係数+実績材料費

0035

なお、この式では、実績材料費及び実績加工費に加えて、作業の準備、移動若しくは待機時間を含む仕掛り時間を費用換算した仕掛り消耗費を用いて生産品の実績単価を算出するようにしている。
また別の例として、実績材料費及び実績加工費に加えて、材料の輸送費、手戻り費及び加工外注費の少なくともいずれかを用いて実績製造コストを算出するようにしてもよい。
このように、他の原価要素を加えることで、実際にかかる費用により近い単価を算出することができる。

0036

次いでステップS4では、差分算出手段14によって、実績単価算出手段13で算出された実績単価と、予め設定された生産品の目標単価との差分を算出する。このとき、差分算出手段14は、実績単価算出手段13で算出した現時点までの実績単価推移と、生産品の製造進捗率に対応した目標単価推移とを比較して、時系列に対応した差分推移を算出するようにしてもよい。このように、製造進捗率に対応した実績単価推移を算出するようにしたので、この実績単価推移と目標単価推移とを比較することでより正確な要因分析を行うことが可能となる。また別の構成として、差分算出手段14は、実績単価算出手段で算出した現時点までの実績単価及び現時点の製造進捗率に基づいて推定した完成生産品の推定実績単価と、予め設定された完成生産品の目標単価との差分を算出するようにしてもよい。このように、製造進捗率に基づいて推定した完成生産品の推定実績単価と予め設定された完成生産品の目標単価との差分を算出するようにしたので、仕掛り中においても完成生産品の予算との乖離が簡単に把握できる。

0037

ここで、ステップS5として、優先順位付与手段15によって、差分算出手段14で算出された差分に基づいて複数種の生産品のそれぞれに優先順位を付けるようにしてもよい。この場合、要因分析手段16では、優先順位に沿って生産品の要因分析を行うようにする。このように優先順位を付与することによって、生産品が多数ある場合であっても、コスト悪化に対して影響度の高い部品を簡単に把握することができる。また、影響度の高い部品から順に要因分析を行うようにしたので、分析時間を短縮することが可能となる。

0038

さらにステップS6では、要因分析手段16によって、差分算出手段14で算出された差分を用いて、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用とデータベース装置2から取得された目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出する。この要因分析手段16では、例えば、上述した図5に示す画面を表示する。同図において、実績単価推移が一定の差分をもって目標単価推移を上回った状態が続いており、且つこれらの傾きがほぼ同一であることから、実績材料費が目標材料費を超過しており、且つ実績加工費は目標加工費とほぼ乖離していないことが推定できる。さらに詳しく要因分析する際には、該当部品におけるそれぞれの実績費用と目標費用とを比較、分析する。
このようにして要因分析した結果、及び加工費や材料費等のデータは、図7に示すような表示画面として表示部17に表示させることができる。このとき、機種部品カテゴリ、部品番号、オーダー、費用、期間等から該当部品を検索できるようにしてもよい。

0039

本実施形態に係る製造コスト管理システム1によれば、データベース装置2から生産品に対応する実績材料費及び実績加工費を取得し、これらの実績材料費及び実績加工費を用いて生産品の実績単価を算出するようにしたので、それぞれのデータベース装置2から手作業で各データを集める必要がなくなり、データ収集や単価算出の作業効率化及び時間短縮化が図れる。また、生産品の単価を構成する要素のうち、実績費用と目標費用とを比較してマイナス割合の大きい要素を抽出するようにしたので、実績費用と目標費用との差分から、コスト悪化要因に対してどの要素がどの程度影響を与えているかを簡単に把握でき、コスト改善の的確な対策を講じることが可能となる。さらにまた、製造進捗に応じて逐次入力される実績費用を用いて要因分析を行うようにしたので、リアルタイムで実際の製造コストを把握することができ、仕掛り中であっても迅速なコスト改善対策を講じることが可能となる。

0040

以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態において各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、図8に示すように、要因分析手段にて要因分析した結果を、作業工程ごとに詳細表示するようにしてもよい。このように、要因分析結果を作業工程ごとに詳細表示することで、コスト悪化要因をより詳細に分析、把握することが可能となる。

0041

1製造コスト管理システム
2データベース装置
3、18 入力部
11 記憶部
12演算部
13実績単価算出手段
14差分算出手段
15優先順位付与手段
16要因分析手段
17 表示部
21目標単価データベース
22材料費データベース
23加工費データベース
24輸送費データベース
25 手戻り費データベース
26 加工外注費データベース
27計画製造工程データベース
28部品系列データベース
29実績製造工程データベース
30 実績/目標単価データベース

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