図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2013年3月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

解決手段

(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子を含有してなることを特徴とする口腔用軟膏組成物、及び上記(A)〜(D)成分からなる口腔バイオフィルム殺菌剤。

概要

背景

歯周病は、口腔内病原性細菌の1種である歯周病原因菌が口腔内に定着することにより始まる炎症性疾患である。口腔清掃が不十分であると歯垢口腔細菌とその代謝物)が歯肉と歯の境目付着後、定着し、増殖する。この異物に反応して好中球マクロファージ浸潤し、炎症が起こる。早めの段階でブラッシング等により口腔清掃ができればこの炎症は改善される。しかし、歯垢が蓄積した状態を放置すると炎症は拡大し、歯周ポケットが形成されると、そこに蓄積された歯垢はブラッシング等では除去し難くなる。そのため、歯周病の予防・改善に有効な手段として歯垢の抑制、即ち、口腔内の病原性細菌を殺菌・静菌することが有用であると言われている。

近年、歯垢はバイオフィルムとして捉えられ(非特許文献1;Science 284,p1318−1322,1999参照)、口腔バイオフィルム(歯垢)中の細菌は、浮遊性細菌と比較すると細菌のたんぱく質発現パターン薬剤耐性が大きく異なり、浮遊性細菌に有効であった薬剤がバイオフィルム構成細菌に対して有効でないことが明らかになってきた。

これまでに殺菌手段として数多くの抗菌剤、例えば塩化セチルピリジニウム塩化ベンゼトニウムクロルヘキシジン等のカチオン性抗菌剤や、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤が、口腔用組成物に配合され有効であることが知られている。例えば、トリクロサンは歯垢形成抑制剤として歯磨組成物に配合すること(特許文献1;特開昭60−239410号公報)、チモール等のフェノール性化合物も口腔用組成物に配合することで歯垢を抑制すること(特許文献2;特表2001−526202号公報)が知られている。

しかしながら、これら抗菌剤は、バイオフィルム細菌の薬剤耐性メカニズムにより、これだけでは十分なバイオフィルム抑制効果が得られないことが明らかとなった。これら抗菌剤の殺菌力を向上させるべく、抗菌剤の滞留性向上(特許文献3;特開平08−26953号公報)や香料成分との併用(特許文献4;特開2002−370953号公報)による改善技術が提案されているが、いずれもバイオフィルムへの薬剤浸透性の低さなどにより顕著な効果が得られていなかった。

更に、バイオフィルム抑制組成物としてラクトン及び/又はフラン誘導体の配合(特許文献5;特開2004−155681号公報)、非イオン性抗菌剤及びジカルボン酸化化合物の配合(特許文献6;特開2005−015369号公報)、クランベリー又はその抽出物の配合(特許文献7;特開2009−155271号公報)などが提案されている。しかし、これら技術は、コストや供給性、製剤安定性等に問題があり、未だ市場に導入されていないのが現状であった。

一方、キク科植物カミツレやユソウ木、ユーカリなどの油性成分は古くから消炎作用を有することが知られており、その消炎成分カマアズレングアイアズレンなどのアズレン類である。本来、水に不溶性のアズレン類はスルホン化などの化学合成をすることで水溶性となる。特に、グアイアズレンの誘導体であるアズレンスルホン酸塩は、抗炎症作用抗アレルギー作用抗潰瘍作用組織修復作用等を有するため、様々な医療分野治療や予防の目的で広く使用されている。

アズレン類は、暗青色の結晶又は液体であり、アズレンスルホン酸ナトリウムを水に溶解すると青紫色の水溶液になる。しかしながら、アズレン水溶液中のアズレンは、光、熱、酸素などの影響で分解し、その水溶液は退色することが知られている。そのため、アズレン液剤を安定化する方法として、アズレン類を含む液剤に、炭酸水素塩を濃度30〜100重量%のアルコールと共に配合する方法(特許文献8;特公平7−35342号公報)が提案されているが、この方法は、溶媒としてアルコールを大量に添加しなければならず、口腔内で使用する場合は刺激の点で改善の余地があった。また、緩衝液水溶性アズレンを溶解し、縮合リン酸塩を添加することで、液製剤でのアズレン安定性を高めた製法(特許文献9;特開昭58−144365号公報)、アズレンス水溶液に陽イオン性界面活性剤又はクロルヘキシジンと非イオン性界面活性剤を配合し安定化する方法(特許文献10;特開昭59−196816号公報)が開示されているが、これら安定化方法は長期間の安定性という面では不十分であった。このようにアズレン類の安定化については種々検討がなされているが、いずれも水溶液での検討に限られていた。

概要

口腔バイオフィルム殺菌効果に優れ、その殺菌効果持続する口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供する。(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子を含有してなることを特徴とする口腔用軟膏組成物、及び上記(A)〜(D)成分からなる口腔バイオフィルム殺菌剤。なし

目的

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高い口腔バイオフィルム殺菌効果を奏し、その効果が持続する口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子を含有してなることを特徴とする口腔用軟膏組成物

請求項2

(A)成分/(B)成分が、質量比として0.2〜50である請求項1記載の組成物

請求項3

(A)陽イオン性抗菌剤が、塩化セチルピリジニウム塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる1種以上の第4級アンモニウム塩である請求項1又は2記載の組成物。

請求項4

(D)水溶性ビニル系高分子が、ポリビニルピロリドン及び/又はカルボキシビニルポリマーである請求項1乃至3のいずれか1項記載の組成物。

請求項5

(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子からなる口腔バイオフィルム殺菌剤

請求項6

(A)成分/(B)成分が、質量比として0.2〜50である請求項5記載の殺菌剤

技術分野

背景技術

0002

歯周病は、口腔内病原性細菌の1種である歯周病原因菌が口腔内に定着することにより始まる炎症性疾患である。口腔清掃が不十分であると歯垢口腔細菌とその代謝物)が歯肉と歯の境目付着後、定着し、増殖する。この異物に反応して好中球マクロファージ浸潤し、炎症が起こる。早めの段階でブラッシング等により口腔清掃ができればこの炎症は改善される。しかし、歯垢が蓄積した状態を放置すると炎症は拡大し、歯周ポケットが形成されると、そこに蓄積された歯垢はブラッシング等では除去し難くなる。そのため、歯周病の予防・改善に有効な手段として歯垢の抑制、即ち、口腔内の病原性細菌を殺菌・静菌することが有用であると言われている。

0003

近年、歯垢はバイオフィルムとして捉えられ(非特許文献1;Science 284,p1318−1322,1999参照)、口腔バイオフィルム(歯垢)中の細菌は、浮遊性細菌と比較すると細菌のたんぱく質発現パターン薬剤耐性が大きく異なり、浮遊性細菌に有効であった薬剤がバイオフィルム構成細菌に対して有効でないことが明らかになってきた。

0004

これまでに殺菌手段として数多くの抗菌剤、例えば塩化セチルピリジニウム塩化ベンゼトニウムクロルヘキシジン等のカチオン性抗菌剤や、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤が、口腔用組成物に配合され有効であることが知られている。例えば、トリクロサンは歯垢形成抑制剤として歯磨組成物に配合すること(特許文献1;特開昭60−239410号公報)、チモール等のフェノール性化合物も口腔用組成物に配合することで歯垢を抑制すること(特許文献2;特表2001−526202号公報)が知られている。

0005

しかしながら、これら抗菌剤は、バイオフィルム細菌の薬剤耐性メカニズムにより、これだけでは十分なバイオフィルム抑制効果が得られないことが明らかとなった。これら抗菌剤の殺菌力を向上させるべく、抗菌剤の滞留性向上(特許文献3;特開平08−26953号公報)や香料成分との併用(特許文献4;特開2002−370953号公報)による改善技術が提案されているが、いずれもバイオフィルムへの薬剤浸透性の低さなどにより顕著な効果が得られていなかった。

0006

更に、バイオフィルム抑制組成物としてラクトン及び/又はフラン誘導体の配合(特許文献5;特開2004−155681号公報)、非イオン性抗菌剤及びジカルボン酸化化合物の配合(特許文献6;特開2005−015369号公報)、クランベリー又はその抽出物の配合(特許文献7;特開2009−155271号公報)などが提案されている。しかし、これら技術は、コストや供給性、製剤安定性等に問題があり、未だ市場に導入されていないのが現状であった。

0007

一方、キク科植物カミツレやユソウ木、ユーカリなどの油性成分は古くから消炎作用を有することが知られており、その消炎成分カマアズレングアイアズレンなどのアズレン類である。本来、水に不溶性のアズレン類はスルホン化などの化学合成をすることで水溶性となる。特に、グアイアズレンの誘導体であるアズレンスルホン酸塩は、抗炎症作用抗アレルギー作用抗潰瘍作用組織修復作用等を有するため、様々な医療分野治療や予防の目的で広く使用されている。

0008

アズレン類は、暗青色の結晶又は液体であり、アズレンスルホン酸ナトリウムを水に溶解すると青紫色の水溶液になる。しかしながら、アズレン水溶液中のアズレンは、光、熱、酸素などの影響で分解し、その水溶液は退色することが知られている。そのため、アズレン液剤を安定化する方法として、アズレン類を含む液剤に、炭酸水素塩を濃度30〜100重量%のアルコールと共に配合する方法(特許文献8;特公平7−35342号公報)が提案されているが、この方法は、溶媒としてアルコールを大量に添加しなければならず、口腔内で使用する場合は刺激の点で改善の余地があった。また、緩衝液水溶性アズレンを溶解し、縮合リン酸塩を添加することで、液製剤でのアズレン安定性を高めた製法(特許文献9;特開昭58−144365号公報)、アズレンス水溶液に陽イオン性界面活性剤又はクロルヘキシジンと非イオン性界面活性剤を配合し安定化する方法(特許文献10;特開昭59−196816号公報)が開示されているが、これら安定化方法は長期間の安定性という面では不十分であった。このようにアズレン類の安定化については種々検討がなされているが、いずれも水溶液での検討に限られていた。

0009

特開昭60−239410号公報
特表2001−526202号公報
特開平08−26953号公報
特開2002−370953号公報
特開2004−155681号公報
特開2005−015369号公報
特開2009−155271号公報
特公平7−35342号公報
特開昭58−144365号公報
特開昭59−196816号公報

先行技術

0010

Science 284,p1318−1322,1999

発明が解決しようとする課題

0011

このような現状から、従来の技術に代わる、口腔バイオフィルム中の細菌に対して有効な新たな殺菌技術が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高い口腔バイオフィルム殺菌効果を奏し、その効果が持続する口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)陽イオン性抗菌剤と(B)アズレンとを併用すると、高い口腔バイオフィルム殺菌効果が発現し、かかる併用系と(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子とを配合することにより、特に軟膏組成物中でアズレンが経時で安定化し、口腔バイオフィルム殺菌効果が持続すること、これにより高い口腔バイオフィルム殺菌効果を奏し、その殺菌効果が持続する口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供できることを知見し、本発明をなすに至った。

0013

即ち、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム等の陽イオン性抗菌剤は、口腔内の浮遊菌殺菌効果は高いものの、口腔バイオフィルム殺菌効果は非常に弱いものであったが、本発明者らは、このような陽イオン性抗菌剤にアズレンを併用すると、意外にも口腔バイオフィルム殺菌効果が有効に発現することを見出した。しかしながら、更にこの場合、アズレンを口腔用組成物、特に軟膏組成物に安定に配合することが難しいという問題があることを知見した。即ち、本発明者らが、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム等の水溶性アズレンを一般的な水溶性高分子であるセルロース系の水溶性高分子を主体とする水溶性軟膏剤に配合したところ、経時的にアズレン特有の青紫色が退色し分解することが確認された。そこで、本発明者らは、アズレンを軟膏組成物に安定に配合すべく更に研究を進めた結果、アズレンと共に低級1価アルコール及び水溶性ビニル系高分子を配合すると、アズレンの分解が抑えられて安定化し、特に軟膏組成物で上記併用系による口腔バイオフィルム殺菌効果が持続し、長期保存しても高い殺菌効果を奏することを見出した。

0014

従って、本発明は下記の口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供する。
請求項1:
(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子を含有してなることを特徴とする口腔用軟膏組成物。
請求項2:
(A)成分/(B)成分が、質量比として0.2〜50である請求項1記載の組成物。
請求項3:
(A)陽イオン性抗菌剤が、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる1種以上の第4級アンモニウム塩である請求項1又は2記載の組成物。
請求項4:
(D)水溶性ビニル系高分子が、ポリビニルピロリドン及び/又はカルボキシビニルポリマーである請求項1乃至3のいずれか1項記載の組成物。
請求項5:
(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子からなる口腔バイオフィルム殺菌剤。
請求項6:
(A)成分/(B)成分が、質量比として0.2〜50である請求項5記載の殺菌剤

発明の効果

0015

本発明によれば、高い口腔バイオフィルム殺菌効果を奏し、その殺菌効果が持続する口腔用軟膏組成物及び口腔バイオフィルム殺菌剤を提供できる。

0016

以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用軟膏組成物は、(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子を含有する。

0017

(A)成分;陽イオン性抗菌剤
陽イオン性抗菌剤としては、ビスグアニド系や第4級アンモニウム塩系が用いられ、例えば塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリウム、グルコン酸クロルヘキシジン等のクロルヘキシジン類臭化ドミフェン等が挙げられる。これらから選ばれる1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて配合することができる。好ましくは第4級アンモニウム塩であり、具体的には塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムが挙げられる。

0018

陽イオン性抗菌剤の配合量は、バイオフィルム殺菌作用の点から、組成物全体の0.01〜1%(質量%、以下同様。)、特に0.02〜0.5%が好ましい。配合量が0.01%未満では十分なバイオフィルム殺菌効果が得られない場合がある。1%を超えて配合しても、もはやバイオフィルム殺菌効果の向上は望めず、逆に苦味が出てしまい口腔内での使用上好ましくない場合がある。製剤の有効性使用感両立するためには1%を超えないことが望ましい。

0019

(B)成分;アズレン
アズレンとは、キク科植物カミツレやユウソウ木、ユーカリなどに含まれる成分で、抗炎症作用を有することから、古くから民間薬として種々の抗炎症疾患に使用されている。
ここで、アズレンとしては、アズレンの誘導体、その水溶性塩なども含む。このようなアズレンの代表としては、カマズアズレン(1,4−ジメチル−7−エチルアズレン)、グアイアズレン(1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレン)などのアズレン誘導体、更にはこれらのアズレン誘導体の3位にスルホン酸基を導入した水溶性塩が挙げられ、これらは水溶性アズレンやグアイアズレンスルホン酸塩とも称される。水溶性塩は、特に限定されないが、ナトリウム塩カリウム塩アンモニウム塩などを例示することができ、ナトリウム塩を用いるのが好ましい。これらアズレンの中で、アズレンスルホン酸ナトリウムがより好適である。

0020

アズレンの配合量は、組成物全体の0.01%以上0.4%未満、特に0.02〜0.3%、とりわけ0.02〜0.2%が好ましい。配合量が0.01%未満では十分なバイオフィルム殺菌効果が得られない場合がある。0.4%以上配合してもバイオフィルム殺菌効果の増強は望めず、逆にアズレン特有の甘みが出てきてしまい口腔内で使用上好ましくない場合がある。有効性と使用面を両立するには0.4%に満たないことが望ましい。

0021

(A)陽イオン性抗菌剤と(B)アズレンとの配合比率は、バイオフィルム殺菌効果の発現の点から、(A)/(B)が質量比として0.2以上、特に0.25以上であることが望ましく、好ましい範囲は0.2〜50、より好ましくは0.25〜30である。上記範囲を外れるとバイオフィルム殺菌効果が満足に得られない場合がある。

0022

(C)成分;低級1価アルコール
本発明では、(C)低級1価アルコールを(D)水溶性ビニル系高分子と組み合わせて配合することで、アズレンが安定化し、これにより上記併用系の口腔バイオフィルム殺菌効果が高まり長期保存後も高い殺菌効果を奏する。
低級1価アルコールとしては、一般式ROHで示される化合物で、Rが炭素数6以下、特に炭素数1〜6、とりわけ1〜4の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基であるものが好適である。具体的には、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノールブタノール等が挙げられ、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。特に、エタノールが好適である。

0023

低級1価アルコールの配合量は、アズレンの安定化の点から、組成物全体の0.1〜25%、特に0.1〜20%が好ましい。配合量が0.1%未満ではアズレンの安定性を確保できない場合がある。25%を超えるとアズレンの安定性は確保できても軟膏剤の製剤としての安定性を確保できない場合がある。アズレンの安定化と製剤の安定化を両立し、口腔バイオフィルム殺菌効果を高めるには、25%を超えないことが望ましい。

0024

また、本発明組成物には、更に低級多価アルコールを配合することが好ましい。上記(C)成分の低級1価アルコールに加え、低級多価アルコールを配合することが、アズレンの安定性向上に有効である。具体的には、グリセリンエチレングリコールプロピレングリコール等の低級多価アルコールが挙げられ、中でもグリセリンが好ましい。
低級多価アルコールを配合する場合、その配合量は本発明の効果を妨げない範囲であれば特に限定されないが、組成物全体の5〜60%、特に10〜45%が好ましい。

0025

(D)成分;水溶性ビニル系高分子
(D)水溶性ビニル系高分子としては、具体的にポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用できる。特にポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーが好適に用いられる。とりわけ製剤調製時の製剤均一性の点でポリビニルピロリドンが好適である。

0026

ポリビニルピロリドンとしては、重量平均分子量光散乱法による)が2,000〜1,600,000のものが好ましく、20,000〜1,400,000のものがより好ましく、本発明の効果を妨げない限り種々のグレードのものを用いることができる。例えば、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK60、ポリビニルピロリドンK90等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
具体的な市販製品としては、プラスドンPLASDONE)K−25、プラスドンK−90、プラスドンK−90D、プラスドンK−90M、プラスドンK−29/32(ISP社製)、コリドン12PF、コリドン17PF、コリドン25、コリドン30、コリドン90F(BASF社製)などが挙げられる。

0027

カルボキシビニルポリマーとしては、粘度(BH型回転粘度計、濃度0.2質量%、ローターNo.7、回転数20rpm、25℃)の範囲が3,000〜80,000mPa・sのものが好ましく、5,000〜50,000mPa・sのものがより好ましい。カルボキシビニルポリマーはその塩も含まれる。具体的な市販製品としては、カーボポール(Carbopol)914、934、934P、971P、974P、980、981、2984、5984、ETD2050、Ultrez10(NOVEON社製)、ジュロンPW−110、PW−111、PW−150、PW−302、PW−310、PW−350(日本純薬(株)製)、ハイビスワコー103、104、105(和光純薬工業(株)製)、AQUPECHV−501、HV−504、HV−505(住友精化(株)製)などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。

0028

水溶性ビニル系高分子の配合量は、アズレンの安定化の点から、組成物全体の0.05〜15%、特に0.1〜10%、とりわけ0.2〜5%が好ましい。配合量が0.05%未満では、アズレンの安定性を確保することができない場合があり、15%を超えるとアズレンの安定性は確保できても、軟膏剤の製剤としての安定性が確保できない場合がある。アズレンの安定化と製剤の安定化を両立し口腔バイオフィルム殺菌効果を高めるには、15%を超えないことが望ましい。

0029

(C)低級1価アルコールと(D)水溶性ビニル系高分子との配合比率は、特に制限されないが、(C)/(D)が質量比として0.05〜130、特に0.1〜100、とりわけ0.5〜75であることが好ましい。比率が前記範囲外であると、アズレンの安定性が満足に得られない場合がある。

0030

本発明の口腔用軟膏組成物は、ペースト状、ゲル状等の形状に調製できる。更に、本発明組成物には、その形状等に応じ、上記成分以外に、軟膏組成物に通常配合される公知成分を任意に配合できる。具体的には、湿潤剤界面活性剤増粘剤溶剤、更には必要により薬効成分、保存剤pH調整剤香料などが添加されるが、これら成分は、本発明の効果を妨げない範囲で配合し得る。

0031

軟膏基剤としては水溶性基剤油性基剤が用いられるが、本発明組成物は水溶性軟膏剤として好適に調製されるもので、このため水溶性基剤が好適に用いられる。本発明では、特に水溶性軟膏剤に水溶性アズレンを配合した場合のアズレンの分解を効果的に抑制し、アズレンの安定性を改善することができる。ここで、本発明において水溶性軟膏剤とは、水溶性高分子を溶剤(水、アルコール、マクロゴールポリエチレングリコール)等)でゲル化させたもの、あるいは、マクロゴール等の水溶性基剤を使用したものである。なお、本発明組成物は、特に流動パラフィン固形パラフィン等の石油系炭化水素などの油性基剤は含まなくてもよい。

0032

湿潤剤としては、上記低級多価アルコール以外にソルビトールキシリトールエリスリトールマルチトールラクチトール等の糖アルコールが挙げられる。
増粘剤としては、メチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体キサンタンガムトラガカントガム、ジェラガムカラヤガムアラビアガム等のガム類等が挙げられる。これらの中で、アルギン酸塩には口腔患部への滞留性向上作用があるとされるが、本発明においては、アルギン酸塩を必須成分として配合する必要はない。
界面活性剤としては特に制限されないが、ノニオン性界面活性剤が好ましい。例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ショ糖脂肪酸エステルステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステルステアリン酸ソルビタンオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。特にショ糖脂肪酸エステルやステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が好ましい。
溶剤としては、水、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール200〜20,000などのポリエチレングリコール等が挙げられる。

0033

薬効成分としては、上記以外の抗菌剤、殺菌剤、抗炎症剤抗ヒスタミン剤組織修復剤局所麻酔剤生薬ビタミン剤血行促進剤等が挙げられる。

0034

組成物のpHは特に限定されないが、25℃でのpHが4.5〜9.6、特に5.5〜9.0が好適である。

0035

また、組成物の粘度は、特に限定されないが、BH型回転粘度計(測定条件:ローターNo.7、回転数20rpm、回転60秒後、25℃)での測定値で50〜300Pa・s、特に60〜200Pa・sに調整することが好ましい。

0036

本発明の軟膏組成物の調製方法は特に限定されず、常法に従い調製することができ、例えば水溶性軟膏剤の場合は、(A)〜(D)成分、更には水溶性基剤などの任意成分を通常の方法で混合することにより調製できる。

0037

また、本発明は、(A)陽イオン性抗菌剤、(B)アズレン、(C)低級1価アルコール及び(D)水溶性ビニル系高分子からなる口腔バイオフィルム殺菌剤を提供する。この場合、(A)〜(D)成分については上記と同様であり、各成分の配合比率等も同様である。

0038

以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。

0039

なお、試験組成物の調製は常法により行った。
用いた配合原料の詳細は以下の通りである。
塩化セチルピリジニウム(東京化成工業社製)
塩化ベンゼトニウム(東京化成工業社製)
塩化ベンザルコニウム(東京化成工業社製)
アズレンスルホン酸ナトリウム(アルプス薬品工業社製
エタノール(和光純薬工業社製)
ポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:PLASDONE K−90)
カルボキシビニルポリマー(NOVEON社製、商品名:Carbopol 980)

0040

[実施例、比較例]
表1〜5に示す組成の口腔用軟膏組成物を調製し、得られた組成物を試験組成物として、下記方法でバイオフィルム殺菌効果、アズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を下記方法で評価した。結果を表1〜5に示す。
なお、得られた実施例の軟膏組成物の粘度はいずれも50〜100Pa・s(BH型回転粘度計、ローターNo.7、回転数20rpm、回転60秒後、25℃での測定値。)、pHは5.0〜7.0の範囲内であった。

0041

(1)バイオフィルム殺菌効果の評価方法
試験組成物として作製した口腔用軟膏組成物について、調製直後保存試験前)と、後述の過酷試験を供し50℃で1ヶ月間保存した後(保存試験後)のバイオフィルム殺菌効果を評価した。

0042

アメリカン タイプカルチャーコレクションATCC)より購入したアクチノマイセイス ヴィスコサス(Actinomyces viscocus)ATCC43146、フゾバクテリウムヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)ATCC10953、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)ATCC33277の3菌種菌液40μLをそれぞれ121℃で15分間オートクレーブした5mg/mLヘミン(Sigma社製)及び1mg/mLビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドヘウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM※1)4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。
同様に保存してあったベイヨネラパルビュラ(Veillonella parvula)ATCC17745菌液80μLを、1.26%乳酸ナトリウム(Sigma社製)を含むトッドヘウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL※2)4mLに添加し、同様に培養した。
培養後、ベイヨネラ パルビュラを除く3菌種の菌液からそれぞれ300μLを採取し、30mLのTHBHMに添加し、更に一晩培養した。ベイヨネラ パルビュラの菌液から同様に300μLを採取し、30mLのTHBLに添加し一晩培養した。
再培養後、各菌液を遠心分離(10,000rpm、10分間)し、上清廃棄した。各沈渣(細菌)に対して121℃で15分間オートクレーブしたベイサルメディウムムチン培養液(BMM※3)を添加し、再懸濁した後、予めBMM1,000mLを入れた培養槽(直径140mm×高さ200mm)に、上記各菌数がそれぞれ1×107個/mLになるように摂取し、スターラー撹拌(約100rpmで回転)しながら、37℃、嫌気条件下(95vol%窒素、5vol%二酸化炭素)で一晩培養した。
その後、BMMを100mL/hの速度で供給するとともに、同速度で培養液を排出した。上記培養槽から排出された培養液は、液量が300mLに保たれる別の培養槽に連続的に供給した。この培養槽内回転盤(約80rpmで回転)には、付着担体として直径7mmのハイドロキシアパタイト板を0.45μmのフィルター濾過したヒト無刺激唾液で2時間処置したものを装着し、その表面に21日間かけてバイオフィルムを形成させた。

0043

試験組成物のバイオフィルム殺菌効果を評価するため、バイオフィルムが付着したハイドロキシアパタイト板を培養槽から取り出し、シャーレ(直径35mm×高さ14mm)に移し、表に示した試験組成物5g※4に10分間浸漬させた後、生理食塩水(大塚製薬社製)5gで3回洗浄後、バイオフィルムの付着したハイドロキシアパタイトを4mLのTHBHMを添加した試験管(直径13mm×100mm)に移した。直ちに超音波破砕(200μAの出力で10秒間)し、段階希釈(10倍希釈を6段階)を行い、常法に従い血液寒天平板培地※5に塗沫した。同平板培地は、肉眼コロニーが確認できるまで嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)し、コロニー数カウント後、生菌数を算出した。

0044

結果は、比較例1を対照とした試験組成物の効果を下式により算出し、その算出値から下記の評価基準に基づき判定した。
比較例1を対照とした試験組成物のバイオフィルム殺菌効果=
−log(試験組成物で処置後の生菌数/比較例1の組成物で処置後の生菌数)
評価基準;
◎:3.0以上(高いバイオフィルム殺菌効果が認められる。)
○:2.0以上3.0未満(ややバイオフィルム殺菌効果が認められる。)
△:1.0以上2.0未満(わずかにバイオフィルム殺菌効果が認められる。)
×:1.0未満(バイオフィルム殺菌効果が対照と同等、もしくは劣る。)

0045

※1 THBHMの組成:1L中の質量で表す。
トッドヘウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
ヘミン(シグマアルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で15分間オートクレーブした。)

0046

※2 THBLの組成:1L中の質量で表す。
トッドヘウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
60%乳酸ナトリウム水溶液(シグマアルドリッチ社製): 21g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で15分間オートクレーブした。)

0047

※3 BMMの組成:1L中の質量で表す。
プロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製):
4g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製):
2g/L
イーストエキストラクト(Becton and Dickinson社製):
2g/L
ムチン(シグマアルドリッチ社製): 5g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 2.5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 0.5mg/L
KCl(和光純薬工業社製): 1g/L
システイン(和光純薬工業社製): 0.2g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で15分間オートクレーブした。)

0048

※4試験組成物5g
20mLビーカーを用いて、試験組成物5gに生理食塩水10gを添加し、回転数360rpmで3時間(37℃)で分散させたもの。

0049

※5血液寒天平板培地の組成:1L中の質量で表す。
トッドヘウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製): 15g/L
ヘミン(シグマアルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で15分間オートクレーブした。)
脱繊血(日本バイオテスト研究所製): 50g/L
オートクレーブ後、50℃に冷却し添加)

0050

(2)アズレンスルホン酸ナトリウムの安定性評価
試験組成物を下記の苛酷試験に供した。苛酷試験開始後1ヶ月経過時にアズレンスルホン酸ナトリウムの含有量を測定し、苛酷試験開始前と比べてアズレンスルホン酸ナトリウムが残存している割合を下記式により残存率(%)として算出した。算出された残存率から下記判定基準に基づき安定性を判定した。

0051

苛酷試験;
苛酷試験は、組成物20gをエポキシフェノール樹脂焼付けコーティングアルミチューブ充填し、50℃で1ヶ月間保存した。

0052

アズレンスルホン酸ナトリウムの含有量は、高速液体クロマトグラフィーで測定した。測定条件は以下の通りである。
検出器紫外吸光光度計測定波長:246nm)。
カラム内径約4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフオクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:40℃付近の一定温度。
移動相トリエチルアミン0.7mLに蒸留水900mLを加えた後、リン酸を加えてpHを7.5に調整し、更に蒸留水を加えて1,000mLとした溶液アセトニトリルを7:3の割合で加えた。

0053

アズレンスルホン酸ナトリウムの残存率(%)=
(苛酷試験後の含量/苛酷試験前の含量)×100
判定基準;
◎:95%以上100%以下
○:90%以上95%未満
×:90%未満

0054

0055

0056

0057

0058

実施例

0059

表1〜5の結果から、(A)陽イオン性抗菌剤又は(B)アズレンを欠く場合はバイオフィルム殺菌効果が発現せず、また、トリクロサン又はイソプロピルメチルフェノールにアズレンを併用してもバイオフィルム殺菌効果は発現しないが、(A)成分と(B)成分とを併用するとバイオフィルム殺菌効果が有効に発現することがわかった。更に、(A)及び(B)成分の併用系に(C)成分又は(D)成分を配合してもアズレンスルホン酸ナトリウムを安定化できないが、上記併用系に(C)及び(D)成分を配合するとアズレンスルホン酸ナトリウムの経時での分解が抑制されて安定化し、保存後もバイオフィルム殺菌効果を奏することがわかった。従って、(A)〜(D)成分を配合することで、高いバイオフィルム殺菌効果を奏し、かつその殺菌効果が持続することが確認できた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ