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技術 送電線張力調整装置

出願人 中国電力株式会社
発明者 石井康雄
出願日 2011年8月2日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2011-169453
公開日 2013年2月14日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2013-034321
状態 未査定
技術分野 電線・ケーブルの架設
主要キーワード 強化対策 過荷重状態 リンク金具 電源供給ケーブル 増容量化 既設送電線 収縮操作 ギャロッピング現象
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

架空送電線張力を適切に調整する。

解決手段

制御装置4は、送電線潮流及び張力並びに外気温を取得し(S601)、張力が最大使用張力を超えていれば(S602のY)、油圧ジャッキ伸長させる(S603)。最大使用張力を超えず(S602のN)、張力設定値未満であれば(S604のY)、外気温が気温設定値を超えているかを判定する(S605)。気温設定値を超えていなければ(S605のN)、張力が小さく、外気温が低い状態が時間設定値以上継続かを判定する(S606)。気温設定値を超えている場合(S605のY)、時間設定値以上継続の場合(S606のY)には、潮流が潮流設定値を越えているかを判定する(S607)。越えていれば(S607のY)、油圧ジャッキを収縮させる(S608)。張力設定値未満でない場合等(S604のN、S606のN、S607のN)には、油圧ジャッキの初期設定を行う(S608)。

概要

背景

架空送電線に設計上の想定を超える張力が加わったことを検出する器具として、特許文献1に「架空電線張力測定具」が開示されている。これは、架空電線耐張装置の地側連結金具に異常張力を検出するための張力計介装するようにしたものにおいて、張力計の両端部にそれぞれ地側連結金具のクレビス部を嵌め、これら両クレビス部と、これら両クレビス部を外側から挟む一対のリンク金具とを張力計の両端部に対してそれぞれ連結軸と連結軸の抜け止め子とで着脱可能に取付けると共に、リンク金具の連結軸挿通孔を、地側連結金具で張力計を引張した状態において連結軸に遊嵌するように選定した架空電線張力測定具である。

一方、既設送電線増容量化に伴う電線弛度の増加を抑制して地上高不足を解消することを目的として、特許文献2には、電線張力が低下した時に、油圧によるピストンの作動によって電線を引き上げ、地上高不足を解消し、過張力に対してはピストンを引き戻して張力を低減する「弛度抑制と過張力防止のための電線張力調整装置」が開示されている。この場合、電線に直列に挿入される部分は小型軽量であることが要求されるので、油圧タンク鉄塔に設置し、電線に直列に設置される電線張力調整具シリンダーへの油圧供給油圧ホースを通して行う。

概要

架空送電線の張力を適切に調整する。制御装置4は、送電線潮流及び張力並びに外気温を取得し(S601)、張力が最大使用張力を超えていれば(S602のY)、油圧ジャッキ伸長させる(S603)。最大使用張力を超えず(S602のN)、張力設定値未満であれば(S604のY)、外気温が気温設定値を超えているかを判定する(S605)。気温設定値を超えていなければ(S605のN)、張力が小さく、外気温が低い状態が時間設定値以上継続かを判定する(S606)。気温設定値を超えている場合(S605のY)、時間設定値以上継続の場合(S606のY)には、潮流が潮流設定値を越えているかを判定する(S607)。越えていれば(S607のY)、油圧ジャッキを収縮させる(S608)。張力設定値未満でない場合等(S604のN、S606のN、S607のN)には、油圧ジャッキの初期設定を行う(S608)。

目的

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、架空送電線の張力を適切に調整することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

送電線張力を調整する送電線張力調整装置であって、前記送電線の張力及び潮流並びに外気温を取得する手段と、前記送電線の支持位置を、前記送電線を緩ませる向きと引張る向きとに移動させることが可能な調整機構と、前記張力が第1閾値より小さく、前記外気温が第2閾値より高く、かつ、前記潮流が第3閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を引張る向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段と、を備えることを特徴とする送電線張力調整装置。

請求項2

請求項1に記載の送電線張力調整装置であって、前記張力が前記第1閾値より小さく、前記外気温が前記第2閾値以下である状態が第4閾値以上の時間だけ継続しており、かつ、前記潮流が前記第3閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を引張る向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段をさらに備えることを特徴とする送電線張力調整装置。

請求項3

請求項2に記載の送電線張力調整装置であって、前記張力が第5閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を緩ませる向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段をさらに備えることを特徴とする送電線張力調整装置。

請求項4

請求項3に記載の送電線張力調整装置であって、前記張力が前記第5閾値以下である場合に、前記張力が前記第1閾値以上であるとき、前記状態が前記第4閾値より短い時間だけ継続しているとき、又は、前記潮流が前記第3閾値以下であるときに、前記調整機構を、前記支持位置を初期設定するように制御する手段をさらに備えることを特徴とする送電線張力調整装置。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の送電線張力調整装置であって、前記送電線を架設する鉄塔ごとに設置され、前記調整機構を、前記送電線を引張る向き及び緩ませる向きに前記支持位置を移動させるように制御するときに、前記送電線の伸縮動作回数更新し、記憶することを特徴とする送電線張力調整装置。

技術分野

0001

本発明は、架空送電線張力を調整する装置に関する。

背景技術

0002

架空送電線に設計上の想定を超える張力が加わったことを検出する器具として、特許文献1に「架空電線張力測定具」が開示されている。これは、架空電線耐張装置の地側連結金具に異常張力を検出するための張力計介装するようにしたものにおいて、張力計の両端部にそれぞれ地側連結金具のクレビス部を嵌め、これら両クレビス部と、これら両クレビス部を外側から挟む一対のリンク金具とを張力計の両端部に対してそれぞれ連結軸と連結軸の抜け止め子とで着脱可能に取付けると共に、リンク金具の連結軸挿通孔を、地側連結金具で張力計を引張した状態において連結軸に遊嵌するように選定した架空電線張力測定具である。

0003

一方、既設送電線増容量化に伴う電線弛度の増加を抑制して地上高不足を解消することを目的として、特許文献2には、電線張力が低下した時に、油圧によるピストンの作動によって電線を引き上げ、地上高不足を解消し、過張力に対してはピストンを引き戻して張力を低減する「弛度抑制と過張力防止のための電線張力調整装置」が開示されている。この場合、電線に直列に挿入される部分は小型軽量であることが要求されるので、油圧タンク鉄塔に設置し、電線に直列に設置される電線張力調整具シリンダーへの油圧供給油圧ホースを通して行う。

先行技術

0004

実用新案登録第2597655号公報
特開2002−165344号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記の技術には、それぞれ以下のような問題がある。

0006

特許文献1の「架空電線張力測定具」では、送電線に異常張力が加わると、張力計が伸びたり、破断したりすることがあるので、その都度取替が必要となるため、これに伴う顧客との停電調整や取替工事費が負担になるという問題がある。また、異常張力検出後の弛度調整機能がないため、引き続き異常張力が発生するおそれがある。

0007

特許文献2の「弛度抑制と過張力防止のための電線張力調整装置」は、油圧によるピストンの作動によって、電線に加わる張力を検出して弛度を調整するものであるが、弛度抑制機能シリンダ内のピストンを電線側へ引き付けて設定し、一方、過張力防止機能はシリンダ内のピストンを鉄塔側に押し付けて設定するため、一度にいずれか一方の効果しか期待できない。また、ギャロッピング現象翼状着氷雪した電線が、強風を受けて揚力により浮き上がり、その後下降する現象)により、誤作動するおそれがある。例えば、浮き上がった電線は張力が少なくなるので、弛度抑制機能が働いて当該電線が引張られると、元に戻ったときに鉄塔や送電線に負担がかかることとなる。さらに、一度動作した後は復元できない構造であり、動作後は機能の再設定を行う必要があるため、これに伴う顧客との停電調整や再設定に伴う作業手間等が発生するといった問題がある。

0008

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、架空送電線の張力を適切に調整することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明は、送電線の張力を調整する送電線張力調整装置であって、前記送電線の張力及び潮流並びに外気温を取得する手段と、前記送電線の支持位置を、前記送電線を緩ませる向きと引張る向きとに移動させることが可能な調整機構と、前記張力が第1閾値より小さく、前記外気温が第2閾値より高く、かつ、前記潮流が第3閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を引張る向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段と、を備えることを特徴とする。

0010

この構成によれば、送電線の張力が小さく、降雪がなく、かつ、過潮流により送電線が弛緩していると判定したときには、送電線を引張るように制御を行う。これによれば、張力だけでなく、他のパラメータを考慮することにより、架空送電線の張力を適切に調整することができる。なお、第1閾値は送電線が弛緩しているか否かを判定するための閾値であり、第2閾値は降雪があるか否かを判定するための閾値であり、第3閾値は過潮流による送電線の弛緩がなく、その送電線の線下地上高が確保されるか否かを判定するための閾値である。

0011

また、本発明の上記送電線張力調整装置において、前記張力が前記第1閾値より小さく、前記外気温が前記第2閾値以下である状態が第4閾値以上の時間だけ継続しており、かつ、前記潮流が前記第3閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を引張る向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段をさらに備えることとしてもよい。

0012

この構成によれば、送電線の張力が小さく、降雪のある状態が所定時間以上継続していれば、降雪があったとしても、着雪した送電線が上下して弛緩と緊張が繰り返されるギャロッピング現象は発生していないと考えられる。そのような場合に、さらに過潮流により送電線が弛緩していると判定したときに、送電線を引張るように制御を行う。これによれば、降雪があっても、ギャロッピング現象が発生していなければ、張力が小さく、過潮流により弛緩している送電線を引張ることができる。なお、第4閾値は、ギャロッピング現象が発生しているか否かを判定するための閾値である。

0013

また、本発明の上記送電線張力調整装置において、前記張力が第5閾値より大きい場合に、前記調整機構を、前記送電線を緩ませる向きに前記支持位置を移動させるように制御する手段をさらに備えることとしてもよい。

0014

この構成によれば、送電線が緊張していると判定したときには、無条件に送電線を緩ませるように制御を行う。これによれば、架空送電線の張力を適切に調整することができる。なお、第5閾値は、送電線が緊張しているか否かを判定するための閾値である。

0015

また、本発明の上記送電線張力調整装置において、前記張力が前記第5閾値以下である場合に、前記張力が前記第1閾値以上であるとき、前記状態が前記第4閾値より短い時間だけ継続しているとき、又は、前記潮流が前記第3閾値以下であるときに、前記調整機構を、前記支持位置を初期設定するように制御する手段をさらに備えることとしてもよい。

0016

この構成によれば、送電線が緊張も弛緩もしていないとき、ギャロッピング現象が発生しているとき、又は、過潮流による送電線の弛緩がないときに、送電線の支持位置を初期設定するように制御を行う。これによれば、特に、着雪によるギャロッピング現象が発生したときに、誤って送電線を引張ってしまい、元に戻ったときに送電線が緊張するのを防止することができる。

0017

また、本発明の上記送電線張力調整装置は、前記送電線を架設する鉄塔ごとに設置され、前記調整機構を、前記送電線を引張る向き及び緩ませる向きに前記支持位置を移動させるように制御するときに、前記送電線の伸縮動作回数更新し、記憶することとしてもよい。

0018

この構成によれば、鉄塔ごとに、送電線の弛緩及び緊張に対応して伸縮動作を行った回数が把握できるので、例えば、ある地域だけ伸縮動作の回数が多ければ、その地域の鉄塔のケア補強建て替え等)を検討することができる。

0019

その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。

発明の効果

0020

本発明によれば、架空送電線の張力を適切に調整することができる。

図面の簡単な説明

0021

送電線張力調整システム1の構成の概要を示す図である。
送電線張力調整システム1の構成の詳細を示す図であり、(a)は変電所側装置2の周辺構成及び鉄塔腕金の周辺構成を示し、(b)は制御装置4及び油圧ポンプ装置5の周辺構成を示す。
変電所側装置2のハードウェア構成を示す図である。
制御装置4のハードウェア構成を示す図である。
(a)は変電所側装置2の記憶部24に記憶されるデータの構成を示し、(b)は制御装置4の記憶部44に記憶されるデータの構成を示す。
制御装置4が油圧ジャッキ6を制御する処理を示すフローチャートである。

実施例

0022

以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係る送電線張力調整システムは、鉄塔の腕金と、がいし連との間に取り付けた油圧ジャッキの伸縮により、送電線に加わる張力を調整するものである。すなわち、過大な張力が加わった場合には、油圧ジャッキを伸長させて張力を低減させ、一方、過潮流により送電線が弛緩しているため、線下地上高が確保できない場合には、油圧ジャッキを収縮させて弛度を抑制する。ただし、送電線が弛んでいても、着雪によるギャロッピング現象で弛緩している場合には、元に戻ったときに送電線が緊張状態にならないように、弛度の抑制は行わない。

0023

これによれば、送電線の張力だけでなく、その他の状態も含めて考慮することにより、適切に送電線の張力を調整することができる。特に、送電線が弛んだときに、その要因が、によるギャロッピング現象なのか、過潮流なのかを判定することにより、適切に対応することができる。

0024

≪システムの構成と概要≫
図1は、送電線張力調整システム1の構成の概要を示す図である。送電線張力調整システム1は、変電所側装置2、情報通信装置3、制御装置4、油圧ポンプ装置5、油圧ジャッキ6、太陽光パネルPV及び蓄電池BTを備える。変電所側装置2は、変電所(図示せず)付近に設置される情報処理装置であり、送電線PL潮流データを取得して情報通信装置3に送信し、一方、情報通信装置3から送電線PLの張力及び油圧ジャッキ6の動作回数等を受信して記憶する。情報通信装置3は、鉄塔STの上部に設置される無線通信装置であり、変電所側装置2と、制御装置4との間におけるデータ送受信中継する。

0025

制御装置4は、油圧ポンプ装置5ごとに設置される情報処理装置であり、油圧ポンプ装置5から外気温及び送電線PLの張力を取得するとともに、変電所側装置2から情報通信装置3経由で送電線PLの潮流を取得し、取得した外気温、送電線PLの張力及び潮流に基づいて、油圧ポンプ装置5に対して油圧ジャッキ6の伸縮操作を指示する。油圧ポンプ装置5は、外気温を測定するための温度センサと、油圧室の圧力に応じて送電線PLの張力を出力する(油圧室の圧力が高いほど、油圧ジャッキ6につながる送電線PLの張力が大きいと判断する)油圧センサとを備え、温度センサにより外気温を測定し、油圧センサにより送電線PLの張力を測定するとともに、制御装置4からの指示に応じて油圧ジャッキ6を伸縮操作する。油圧ジャッキ6は、鉄塔STの腕金と、がいし連INとの間に設けられ、例えば約1m程度の伸縮動作に応じてがいし連INを移動させることで、送電線PLの弛みを調節する。なお、変電所側装置2と、情報通信装置3との間の通信は、無線に限らず、例えば、PLC(Power Line Communication)を用いてもよい。

0026

図2は、送電線張力調整システム1の構成の詳細を示す図である。図2(a)に示すように、変電所側装置2は、電流計CTから、送電線PLを流れる潮流の測定値を取得する。電流計CTは、変圧器一次側の送電線PLを流れる潮流を測定する。送電線PLにはいくつか分岐があるが、各鉄塔STにおける電流値は、変電所の手前で計測した電流値でほぼ等しいと想定する。

0027

変電所側装置2と、情報通信装置3との間では、無線通信によりデータの送受信が行われる。油圧ポンプ装置5は、図示しない油貯め、ポンプ駆動制御機構、温度センサ及び油圧センサを備え、油圧ホース7を通じて油圧により油圧ジャッキ6を伸縮させ、一方、温度センサにより外気温を測定し、油圧センサにより送電線PLの張力を測定する。

0028

図2(b)に示すように、太陽光パネルPV及び蓄電池BTが、電源として電源供給ケーブルPCを通じて、制御装置4及び油圧ポンプ装置5に接続される。情報通信装置3と制御装置4の間、及び、制御装置4と油圧ポンプ装置5の間は、それぞれ制御ケーブルCCで接続され、データや指示メッセージが送受信される。なお、電源は、送電線から供給することも考えられる。

0029

≪装置の構成≫
図3は、変電所側装置2のハードウェア構成を示す図である。変電所側装置2は、通信部21、入力部22、処理部23及び記憶部24を備え、各部がバス25を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部21は、無線により情報通信装置3とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。入力部22は、電流計CTから潮流の測定値データを取得する部分であり、例えば、シリアルポートによって実現される。処理部23は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、変電所側装置2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部24は、処理部23からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。

0030

図4は、制御装置4のハードウェア構成を示す図である。制御装置4は、通信部41、入出力部42、処理部43及び記憶部44を備え、各部がバス45を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部41は、情報通信装置3を介して変電所側装置2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。入出力部42は、油圧ポンプ装置5との間で、指示を出力し、データを取得する部分であり、例えば、シリアルポートによって実現される。処理部43は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、制御装置4全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部44は、処理部43からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。

0031

≪データの構成≫
図5(a)は、変電所側装置2の記憶部24に記憶されるデータの構成を示す図である。記憶部24は、送電線張力調整システム1の制御用として、送電線潮流241、送電線張力242、油圧ジャッキ伸長回数243及び油圧ジャッキ収縮回数244を記憶する。送電線潮流241は、送電線PLを流れる潮流の測定値であり、電流計CTから取得され、設定される。送電線張力242は、送電線PLの張力の測定値であり、制御装置4から受信され、設定される。油圧ジャッキ伸長回数243は、油圧ジャッキ6が伸長動作を行った回数であり、制御装置4から受信され、鉄塔STごとに設定される。油圧ジャッキ収縮回数244は、油圧ジャッキ6が収縮動作を行った回数であり、制御装置4から受信され、鉄塔STごとに設定される。

0032

図5(b)は、制御装置4の記憶部44に記憶されるデータの構成を示す図である。記憶部44は、送電線張力調整システム1の制御用として、送電線潮流441、送電線張力442、外気温443、油圧ジャッキ伸長回数444、油圧ジャッキ収縮回数445、最大使用張力設定値446、張力設定値447、気温設定値448、時間設定値449及び潮流設定値4410を記憶する。送電線潮流441は、送電線PLを流れる潮流の測定値であり、変電所側装置2から受信され、設定される。送電線張力442は、送電線PLの張力の測定値であり、油圧ポンプ装置5から取得され、設定される。外気温443は、外気の温度であり、油圧ポンプ装置5から取得され、設定される。油圧ジャッキ伸長回数444は、所定期間内に油圧ジャッキ6が伸長動作を行った回数であり、油圧ポンプ装置5に油圧ジャッキ6の伸長操作指示を出す度にカウント値が更新される。油圧ジャッキ収縮回数445は、所定期間内に油圧ジャッキ6が収縮動作を行った回数であり、油圧ポンプ装置5に油圧ジャッキ6の収縮操作指示を出す度にカウント値が更新される。

0033

各設定値446〜4410は、制御装置4が送電線PLの状態を判定する際の基準値であり、予め定められた値が設定される。最大使用張力設定値446は、送電線PLが緊張しているか否かを判定するための、送電線PLの張力の閾値であり、油圧ジャッキ6を伸長するか否かの判定に用いられる。なお、送電線PLの張力が大きくなる原因には、着雪、風圧、夜間や期の温度低下等がある。

0034

各設定値447〜4410は、油圧ジャッキ6を収縮するか否かの判定に用いられる。張力設定値447は、送電線PLが弛緩しているか否かを判定するための、送電線PLの張力の閾値である。気温設定値448は、降雪があるか否かを判定するための、外気温の閾値である。時間設定値449は、ギャロッピング現象が発生しているか否かを判定するための、送電線PLの張力が小さく、外気温が低い状態が継続する時間の閾値である。潮流設定値4410は、過潮流により送電線PLが線下地上高を確保できない程度に弛緩しているか否かを判定するための、送電線PLの潮流の閾値である。すなわち、送電線PLは、過潮流により発熱し、その熱により膨張して弛緩することで、線下地上高を確保できなくなることがあるため、本実施形態では、送電線PLが弛緩しているか否かの閾値として潮流値を用いている。

0035

≪システムの処理≫
図6は、制御装置4が油圧ジャッキ6を制御する処理を示すフローチャートである。本処理は、送電線張力調整システム1の制御装置4において、主として処理部43が、通信部41により変電所側装置2との間でデータを送受信し、入出力部42により油圧ポンプ装置5との間でデータを入出力し、記憶部44のデータを参照、更新しながら、油圧ジャッキ6の操作指示により送電線PLの張力を調整するものである。

0036

まず、制御装置4は、送電線PLに関するデータを取得する(S601)。詳細には、送電線PLの潮流を変電所側装置2から受信し、送電線潮流441として記憶部44に記憶する。そして、送電線PLの張力及び外気温を油圧ポンプ装置5から取得し、送電線張力442及び外気温443として記憶部44に記憶する。

0037

次に、制御装置4は、送電線張力442が最大使用張力設定値446を超えているか否かを判定する(S602)。超えていれば(S602のY)、送電線PLの張力が大き過ぎることを意味するので、送電線PLの張力を低下させて鉄塔STへの負荷を抑制するべく、油圧ポンプ装置5に対して油圧ジャッキ6を所定長(例えば、0.5m)だけ伸長するように指示する(S603)。このとき、油圧ジャッキ伸長回数444を1だけ増加させる。その後、S601の処理に戻る。送電線張力442が最大使用張力設定値446以下であれば(S602のN)、制御装置4は、油圧ジャッキ6を伸長させることなく、S604へ進む。これによれば、送電線張力が設定値以下になるまで、油圧ジャッキ6を所定長ずつ伸長させることになる。

0038

S604において、制御装置4は、送電線張力442が張力設定値447未満か否かを判定する。張力設定値447未満であれば(S604のY)、外気温443が気温設定値448を超えているか否かを判定する(S605)。気温設定値448を超えていなければ(S605のN)、送電線張力442が小さく、かつ、外気温443が低い状態の継続時間が時間設定値449以上か否かを判定する(S606)。

0039

気温設定値448を超えている場合(S605のY)、又は、時間設定値449以上の場合(S606のY)には、降雪がないこと、又は、降雪があっても送電線張力が小さい状態が長時間続いていることから、一時的に張力が小さくなるギャロッピング現象は発生していないと判断できるので、制御装置4は、送電線潮流441が潮流設定値4410を越えているか否かを判定する(S607)。潮流設定値4410を越えていれば(S607のY)、送電線PLが過潮流により弛緩していることを示すので、送電線PLを引張るために、油圧ポンプ装置5に対して油圧ジャッキ6を所定長(例えば、0.5m)だけ収縮するように指示する(S608)。このとき、油圧ジャッキ収縮回数445を1だけ増加させる。その後、S601の処理に戻る。これによれば、送電線PLが弛緩しなくなるまで、油圧ジャッキ6を所定長ずつ収縮させることになる。

0040

張力設定値447以上である場合(S604のN)、時間設定値449より短い場合(S606のN)、又は、潮流設定値4410以下である場合(S607のN)には、送電線張力が小さくないこと、ギャロッピング現象が発生していること、又は、過潮流による弛緩がないことから、油圧ジャッキ6の収縮が不要であることを判断できるので、制御装置4は、油圧ポンプ装置5に対して油圧ジャッキ6の初期設定を行うように指示する(S609)。特に、時間設定値449より短い場合(S606のN)は、降雪があり、かつ、送電線張力が小さい状態が一時的であることから、着雪によるギャロッピング現象が発生していると判断できる。その後、S601の処理に戻る。

0041

変電所側装置2は、制御装置4から油圧ジャッキの伸長回数及び収縮回数を随時受信し、鉄塔STごとの油圧ジャッキ伸長回数243及び油圧ジャッキ収縮回数244に記憶部24に設定する。これによれば、油圧ジャッキ動作回数のトレンドを把握することにより、実態に合わせて送電線PLや鉄塔STを設計することが可能になる。例えば、ある箇所だけ油圧ジャッキ6の伸長回数が多ければ、過張力が常態化していると判断し、鉄塔STのケア(補強や建て替え等)を検討することになる。

0042

なお、上記実施の形態では、図1に示す送電線張力調整システム1内の各装置を機能させるために、処理部(CPU)で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る送電線張力調整システム1が実現されるものとする。この場合、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。

0043

以上説明した本発明の実施の形態によれば、鉄塔ST間に架設された送電線PLの張力を簡便かつ適切に調整することができる。

0044

詳細には、送電線PLには時として想定を超える着雪や風圧による一時的に過大な荷重がかかる場合があるが、上記実施の形態によれば、そのような一時的な過荷重状態を回避又は軽減することができる。そして、油圧ジャッキ6の動作条件として、送電線PLの張力だけでなく、外気温、弛緩及び低温の状態の継続時間、送電線PLを流れる潮流を考慮に入れるので、ギャロッピング現象により一時的に送電線PLの張力が低下した場合に、誤って油圧ジャッキ6を収縮することを防止することができる。すなわち、間違って送電線PLを引張ると、ギャロッピング現象がなくなって元に戻ったときに、張力が大きくなり、鉄塔STへの負荷が増えるが、そういうことをなくすことができる。

0045

また、油圧ポンプ装置5が油圧により送電線PLの張力を測定するため、張力計が使用できなくなることがないので、張力計を取り替えなくて済む。そして、過張力防止の判定と、弛度抑制の判定とを続けて行い、別々に行うわけではないので、両者の切り替えや再設定を行わなくて済む。

0046

以上によれば、特に着氷雪が多い地域で耐雪強化対策がなされていない鉄塔STや、風が収束する地域において、送電線PLの張力調整に有効である。

0047

また、過潮流により伸びた送電線PLを油圧ジャッキ6で引張ることにより、電線弛度を吸収するので、送電線PLのルート変更や鉄塔STの高度化等を行わずに、線下地上高を確保することが可能である。これは、例えば、既設の鉄塔STを流用した送電容量の増加策として、インバー線等の大容量送電線への張り替えを実施した場合に、電線許容温度が高いので(送電線が伸びる)弛度が大きくなるために、送電線が垂れ下がるのに対して、線下地上高を確保する際に非常に有効である。

0048

≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。

0049

(1)上記実施の形態では、送電線PLを引張ったり、伸ばしたりするのに油圧ジャッキ6を用いるように記載したが、油圧ジャッキ6ではなく、別の機器バネ等)を用いてもよい。また、油圧により送電線PLの張力を測定するように記載したが、壊れることのない、専用の張力センサ別途設置してもよい。

0050

(2)上記実施の形態では、S603及びS608に示すように、所定長(例えば、0.5m)だけ油圧ジャッキ6を伸長する、又は、収縮する、すなわち、一律に変位させるように制御することを説明したが、送電線PLの張力と、設定値との差分に応じて(例えば、差分に比例するように)、油圧ジャッキ6の変位を決めてもよい。

0051

1送電線張力調整システム
4制御装置(送電線張力調整装置)
43 処理部
44 記憶部
441送電線潮流
442送電線張力
443外気温
444油圧ジャッキ伸長回数(送電線の伸縮動作の回数)
445 油圧ジャッキ収縮回数(送電線の伸縮動作の回数)
446最大使用張力設定値(第5閾値)
447張力設定値(第1閾値)
448気温設定値(第2閾値)
449時間設定値(第4閾値)
4410 潮流設定値(第3閾値)
5油圧ポンプ装置
6 油圧ジャッキ(調整機構)

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