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課題

天然物由来フルクトース体内吸収(摂取)を特異的に阻害させることができ、しかも安全かつ各種の食品医薬品、動物飼料に適用可能で摂取が容易なフルクトース吸収阻害剤を提供する。

解決手段

本発明のフルクトース吸収阻害剤は、加水分解性タンニンを有効成分とし、該加水分解性タンニンは、グルコース水酸基没食子酸誘導体および/またはエラグ酸誘導体エステル結合したものであり、グルコースの水酸基の2位と3位または4位と6位もしくは両方に、少なくとも1つ以上のヘキサヒドロキシジフノイル基またはバロネオイル基がエステル結合したエラジタンニン、もしくはグルコースの水酸基の少なくとも3箇所以上が没食子酸とエステル結合したガロタンニンである。

概要

背景

肥満体内脂肪が過剰に蓄積した状態である。脂肪が体内に蓄積する原因の一つに糖質炭水化物)の過剰摂取が挙げられる。一般に、飲食物中に含まれる糖質は、体内に摂取されると、消化酵素によって消化され、主に単糖となって腸管り体内に吸収される。

単糖の一種であるグルコースブドウ糖)は、消化吸収後、解糖系と呼ばれる酵素群により代謝される。これらの酵素のうち、ホスホフルクトキナーゼを経る段階で代謝調節を受けるため、大量に摂取しても脂肪合成経路はただちに活性化されるわけではない。
一方、同じく単糖の一種であるフルクトース果糖)は、グルコースとは異なりホスホフルクトキナーゼを迂回する経路で代謝される。そのため、大量に摂取すると肝臓においてすみやかに脂肪合成経路へと流れ、生成した脂肪は脂肪組織に蓄積されていく。それゆえ、通常の摂取量では健康・安全性に問題は生じないが、フルクトースを過剰摂取すると肥満等の病態惹起するリスクが高まる。

また、フルクトースは、単糖類の中でも甘味が強く、温度が低くなると甘みが増強される特性を有する。そのため、冷菓果糖ブドウ糖液糖(high-fructose corn syrup, HFCS)を含む清涼飲料水など加工食品甘味料として広く使用されており、近年、急速に消費量が増加している。

このような果糖ブドウ糖液糖入り清涼飲料水の多量摂取は各国において社会問題になっていることはよく知られている。日本でも主に若年男性において、毎日リットル以上の清涼飲料水を摂取し、ケトーシスあるいはケトアシドーシスを惹き起こす、いわゆる「ペットボトル症候群」あるいは「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれる症例が増加しつつある。さらに、糖尿病患者においてはフルクト−スの血中濃度あるいは尿中排泄量が増加しており、特に食後の血中フルクト−ス濃度の高値糖尿病性網膜症相関することが報告されるなど(非特許文献1)、糖尿病合併症の原因ともなり得ることが示されている。

このような社会的背景のもと、WHO(世界保健機関)は甘味料として添加した糖の摂取量が総エネルギー摂取量の10%を超えないよう勧告している(非特許文献2)。例えば、米国ではADA(米国糖尿病協会)が、糖尿病診療ガイドラインショ糖代替品としてフルクト−スを使用するといった行為に対して警告を発している。日本でも、厚生労働省は、厚生労働省が策定した「日本人食事摂取基準」2010年版においてフルクトースの大量摂取に注意喚起している。

フルクトースの過剰摂取は、上記以外にも様々な疾病を惹き起こす要因となり得る。すなわち、生体内酸化ストレス亢進(非特許文献2)、タンパク糖化(glycation)(非特許文献3、4)、カルシウム腎臓沈着(非特許文献5)、高尿酸血症(非特許文献6)、インスリン抵抗性の惹起(非特許文献7)、心血管系腎臓病の惹起(非特許文献8)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)(非特許文献9)などである。

タンパクの糖化とは、生体内で糖とタンパクが反応して、AGE(Advanced Glycation End-product,最終糖化産物またはグリケーション後期反応生成物)が生成することをいう。この反応の過程細胞老化、タンパク変性をおこす。生成したAGEもまた周辺のタンパク等と反応して、生体組織の変性等を促進する。AGEは毛細血管の老化等にかかわるので、白内障腎機能低下などの原因の1つとされており、特に糖尿病が亢進して生ずる合併症発症・悪化に強く関与するといわれている。フルクトースは還元性が強いため、その糖化力はグルコースよりもはるかに高いことが多数報告されている。フルクトース代謝の過程で副生するメチルグリオキサールもまた、AGEの前駆物質として問題視されている。

ところで、前記糖質の一種である砂糖スクロース)は、糖質分解消化酵素により前記グルコースとフルクトースに分解される。砂糖を大量に摂取すると、速やかなグルコースの吸収により血糖値急上昇し、それに伴ってインスリン一気分泌される。インスリンはフルクトースやグルコースから脂質へと変換させる系やグリコーゲン合成、脂肪細胞グルコース取り込みを促進させる働きがある。したがって、砂糖もまた肥満等を惹き起こす物質として医学上重要視されている。

しかしながら、砂糖は甘味料として風味上最も優れているので、ジュース菓子類料理等に大量に消費されている。

このため、砂糖を大量に摂取しても、砂糖の消化により生成するグルコースとフルクトースの体内吸収阻害することができれば、総摂取カロリー量を減らす効果が期待できる。しかしながら、グルコースは哺乳動物生化学上最も重要な単糖であり、様々な組織主エネルギー源である。特に脳は通常グルコースを唯一エネルギー源とする。それゆえ、グルコースの吸収を強力に阻害することは安全上問題がある。

一方、フルクトースは、前記のように、カロリー源としての役割以外はほとんど確認されていないため、栄養学的にグルコースほど重要視されていない。したがって、糖質を過剰に摂取した場合の肥満等の予防方法としては、腸管が体内にフルクトースを吸収する過程を特異的に阻害させることが最善の策であるといえる。

従来の知見として、フルクトースの体内吸収を特異的に阻害させる物質については、ユーカリ葉抽出物(特許文献1)や数種の天然抽出物(特許文献2)、およびフルクトースやソルビトールアナログとして合成されたglyco-1,3-oxazolidin-2-one類およびその類縁体(非特許文献10)が報告されている。
しかしながら、これら天然抽出物は阻害活性が弱く、大量に用いる必要がある。また、混合物であるため品質を一定に保つことが難しい、独特の風味を有するため食品や飲料、動物用飼料などに添加しにくいといった問題がある。合成物質は、飲食物に用いることはできず、医薬用途に用いる場合でも安全性を厳密に検証する必要があり、実用化するのは非常に困難である。

概要

天然物由来でフルクトースの体内吸収(摂取)を特異的に阻害させることができ、しかも安全かつ各種の食品、医薬品、動物飼料に適用可能で摂取が容易なフルクトース吸収阻害剤を提供する。本発明のフルクトース吸収阻害剤は、加水分解性タンニンを有効成分とし、該加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基没食子酸誘導体および/またはエラグ酸誘導体エステル結合したものであり、グルコースの水酸基の2位と3位または4位と6位もしくは両方に、少なくとも1つ以上のヘキサヒドロキシジフノイル基またはバロネオイル基がエステル結合したエラジタンニン、もしくはグルコースの水酸基の少なくとも3箇所以上が没食子酸とエステル結合したガロタンニンである。なし

目的

本発明の目的は、天然物由来でフルクトースの体内吸収を特異的に阻害させることができ、しかも安全でかつ各種の食品、医薬品、動物飼料に適用可能で摂取が容易なフルクトース吸収阻害剤を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

前記加水分解性タンニンは、グルコース水酸基没食子酸誘導体および/またはエラグ酸誘導体エステル結合したものであることを特徴とする請求項1に記載のフルクトース吸収阻害剤。

請求項3

前記没食子酸誘導体は、一般式(1)で表される化合物である、請求項2に記載のフルクトース吸収阻害剤。式中、R1は水酸基もしくはアルコキシ基などを示す。R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は異なった、水素原子アルキル基アシル基などを示す。

請求項4

前記エラグ酸誘導体は、一般式(2)で表される化合物、エラグ酸酸化物由来するヘキサヒドロキシジフノイル基を有する化合物、またはヘキサヒドロキシジフェノイル基に没食子酸が付加したバロネオイル基を有する化合物である、請求項2に記載のフルクトース吸収阻害剤。式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は異なった、水素原子、アルキル基、もしくはアシル基などを示す。

請求項5

前記加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基の2位と3位または4位と6位もしくは両方に、少なくとも1つ以上のヘキサヒドロキシジフェノイル基またはバロネオイル基がエステル結合したエラジタンニンであることを特徴とする請求項1または2に記載のフルクトース吸収阻害剤。

請求項6

前記加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基の少なくとも3箇所以上が没食子酸とエステル結合したガロタンニンであることを特徴とする請求項1または2に記載のフルクトース吸収阻害剤。

請求項7

食品形態または医薬品形態である、請求項1〜6のいずれかに記載のフルクトース吸収阻害剤。

請求項8

動物飼料形態または動物飼料用添加剤形態である、請求項1〜6のいずれかに記載のフルクトース吸収阻害剤。

技術分野

0001

本発明は、飲食物中に含まれるフルクトース果糖)が小腸内で体内に吸収される過程阻害し、フルクトース摂取に起因する肥満脂肪肝糖尿病などの生活習慣病を予防・改善できるフルクトース吸収阻害剤に関する。

背景技術

0002

肥満は体内に脂肪が過剰に蓄積した状態である。脂肪が体内に蓄積する原因の一つに糖質炭水化物)の過剰摂取が挙げられる。一般に、飲食物中に含まれる糖質は、体内に摂取されると、消化酵素によって消化され、主に単糖となって腸管り体内に吸収される。

0003

単糖の一種であるグルコースブドウ糖)は、消化吸収後、解糖系と呼ばれる酵素群により代謝される。これらの酵素のうち、ホスホフルクトキナーゼを経る段階で代謝調節を受けるため、大量に摂取しても脂肪合成経路はただちに活性化されるわけではない。
一方、同じく単糖の一種であるフルクトース(果糖)は、グルコースとは異なりホスホフルクトキナーゼを迂回する経路で代謝される。そのため、大量に摂取すると肝臓においてすみやかに脂肪合成経路へと流れ、生成した脂肪は脂肪組織に蓄積されていく。それゆえ、通常の摂取量では健康・安全性に問題は生じないが、フルクトースを過剰摂取すると肥満等の病態惹起するリスクが高まる。

0004

また、フルクトースは、単糖類の中でも甘味が強く、温度が低くなると甘みが増強される特性を有する。そのため、冷菓果糖ブドウ糖液糖(high-fructose corn syrup, HFCS)を含む清涼飲料水など加工食品甘味料として広く使用されており、近年、急速に消費量が増加している。

0005

このような果糖ブドウ糖液糖入り清涼飲料水の多量摂取は各国において社会問題になっていることはよく知られている。日本でも主に若年男性において、毎日リットル以上の清涼飲料水を摂取し、ケトーシスあるいはケトアシドーシスを惹き起こす、いわゆる「ペットボトル症候群」あるいは「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれる症例が増加しつつある。さらに、糖尿病患者においてはフルクト−スの血中濃度あるいは尿中排泄量が増加しており、特に食後の血中フルクト−ス濃度の高値糖尿病性網膜症相関することが報告されるなど(非特許文献1)、糖尿病合併症の原因ともなり得ることが示されている。

0006

このような社会的背景のもと、WHO(世界保健機関)は甘味料として添加した糖の摂取量が総エネルギー摂取量の10%を超えないよう勧告している(非特許文献2)。例えば、米国ではADA(米国糖尿病協会)が、糖尿病診療ガイドラインショ糖代替品としてフルクト−スを使用するといった行為に対して警告を発している。日本でも、厚生労働省は、厚生労働省が策定した「日本人食事摂取基準」2010年版においてフルクトースの大量摂取に注意喚起している。

0007

フルクトースの過剰摂取は、上記以外にも様々な疾病を惹き起こす要因となり得る。すなわち、生体内酸化ストレス亢進(非特許文献2)、タンパク糖化(glycation)(非特許文献3、4)、カルシウム腎臓沈着(非特許文献5)、高尿酸血症(非特許文献6)、インスリン抵抗性の惹起(非特許文献7)、心血管系腎臓病の惹起(非特許文献8)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)(非特許文献9)などである。

0008

タンパクの糖化とは、生体内で糖とタンパクが反応して、AGE(Advanced Glycation End-product,最終糖化産物またはグリケーション後期反応生成物)が生成することをいう。この反応の過程で細胞老化、タンパク変性をおこす。生成したAGEもまた周辺のタンパク等と反応して、生体組織の変性等を促進する。AGEは毛細血管の老化等にかかわるので、白内障腎機能低下などの原因の1つとされており、特に糖尿病が亢進して生ずる合併症発症・悪化に強く関与するといわれている。フルクトースは還元性が強いため、その糖化力はグルコースよりもはるかに高いことが多数報告されている。フルクトース代謝の過程で副生するメチルグリオキサールもまた、AGEの前駆物質として問題視されている。

0009

ところで、前記糖質の一種である砂糖スクロース)は、糖質分解消化酵素により前記グルコースとフルクトースに分解される。砂糖を大量に摂取すると、速やかなグルコースの吸収により血糖値急上昇し、それに伴ってインスリン一気分泌される。インスリンはフルクトースやグルコースから脂質へと変換させる系やグリコーゲン合成、脂肪細胞グルコース取り込みを促進させる働きがある。したがって、砂糖もまた肥満等を惹き起こす物質として医学上重要視されている。

0010

しかしながら、砂糖は甘味料として風味上最も優れているので、ジュース菓子類料理等に大量に消費されている。

0011

このため、砂糖を大量に摂取しても、砂糖の消化により生成するグルコースとフルクトースの体内吸収を阻害することができれば、総摂取カロリー量を減らす効果が期待できる。しかしながら、グルコースは哺乳動物生化学上最も重要な単糖であり、様々な組織主エネルギー源である。特に脳は通常グルコースを唯一エネルギー源とする。それゆえ、グルコースの吸収を強力に阻害することは安全上問題がある。

0012

一方、フルクトースは、前記のように、カロリー源としての役割以外はほとんど確認されていないため、栄養学的にグルコースほど重要視されていない。したがって、糖質を過剰に摂取した場合の肥満等の予防方法としては、腸管が体内にフルクトースを吸収する過程を特異的に阻害させることが最善の策であるといえる。

0013

従来の知見として、フルクトースの体内吸収を特異的に阻害させる物質については、ユーカリ葉抽出物(特許文献1)や数種の天然抽出物(特許文献2)、およびフルクトースやソルビトールアナログとして合成されたglyco-1,3-oxazolidin-2-one類およびその類縁体(非特許文献10)が報告されている。
しかしながら、これら天然抽出物は阻害活性が弱く、大量に用いる必要がある。また、混合物であるため品質を一定に保つことが難しい、独特の風味を有するため食品や飲料、動物用飼料などに添加しにくいといった問題がある。合成物質は、飲食物に用いることはできず、医薬用途に用いる場合でも安全性を厳密に検証する必要があり、実用化するのは非常に困難である。

0014

特開2003−160504号公報
特開2009−184992号公報

先行技術

0015

T.Kawasaki et al., Metabolism, 53, 583-588 (2004)
A. Cavarape et al., J. Endocrinol. Invest., 24, 838-845 (2001)
河崎孝弘ら,糖尿病,48, 419-421 (2005)
C.G. Schalkwijk et al., Diabetes Metab. Res. Rev., 20, 369-382 (2004)
江指隆年,食衛誌,35, 409-412 (1994)
X. Gao et al., Hypertension, 50, 306-312 (2007)
S.S. Elliott et al., Am. J. Clin. Nutr., 76, 911-922 (2002)
R.J. Johnson et al., Am. J. Clin. Nutr., 86, 899-906 (2007)
T. Kawasaki et al., J. Nutr., 139, 2067-2071 (2009)
J. Girniene et al., Carbohyd. Res., 338,・・・・・・・・ (2003)

発明が解決しようとする課題

0016

したがって、各種食品や飲料、動物用飼料に添加したり、医薬品として用いるには、食経験が豊富で安全性が高く、少量の用量で十分効果が発揮されるフルクトース吸収阻害剤が提供されることが望まれる。さらに、安定して安価に大量入手できれば、産業上非常に有用である。

0017

本発明の目的は、天然物由来でフルクトースの体内吸収を特異的に阻害させることができ、しかも安全でかつ各種の食品、医薬品、動物飼料に適用可能で摂取が容易なフルクトース吸収阻害剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0018

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、グルコースなど単糖の水酸基エラグ酸誘導体および/または没食子酸誘導体エステル結合した加水分解性タンニンが非常に強く腸管のフルクトース吸収を阻害することを見出し、本発明を解決するに至った。

0019

すなわち、本発明のフルクトース吸収阻害剤は、以下の構成からなる。
(1)加水分解性タンニンを有効成分とするフルクトース吸収阻害剤。
(2)前記加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基に没食子酸誘導体および/またはエラグ酸誘導体がエステル結合したものであることを特徴とする前記(1)に記載のフルクトース吸収阻害剤。
(3)前記加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基の2位と3位または4位と6位もしくは両方に、少なくとも1つ以上のヘキサヒドロキシジフノイル基またはバロネオイル基がエステル結合したエラジタンニンであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフルクトース吸収阻害剤。
(4)前記加水分解性タンニンは、グルコースの水酸基の少なくとも3箇所以上が没食子酸とエステル結合したガロタンニンであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフルクトース吸収阻害剤。

発明の効果

0020

本発明のフルクトース吸収阻害剤は、腸管からの高いフルクトース吸収阻害作用を有する。したがって、フルクトースの過剰摂取によって生じる肥満や種々の疾病を予防、改善・治療するのに有効である。しかも、本発明における加水分解性タンニンは食品等に利用される天然物に多く含まれるので、安全性が高いという効果もある。さらに、本発明における加水分解性タンニンは、いずれも摂取または服用が容易であり、少ない使用量で効果も期待できる。したがって、さまざまな食品、医薬品、動物飼料等に含有させることができ、摂取や服用に適した各種食品、医薬品、動物飼料などを製造することができる。

0021

本発明のフルクトース吸収阻害剤は、加水分解性タンニンを有効成分とする。該フルクトース吸収阻害剤は、食品、飲料、動物用飼料、医薬部外品または医薬品に含有させることもできる。
加水分解性タンニンは、ポリフェノールの一種であり、グルコースなどのポリオールに没食子酸誘導体やエラグ酸誘導体がエステル結合したもののことをいう。本発明では、グルコースに没食子酸誘導体および/またはエラグ酸誘導体がエステル結合したものであるのが好ましく、そのグルコースは開環した状態であってもよい。

0022

没食子酸誘導体としては、下記一般式(1)で表されるように、基本骨格として没食子酸構造を有し、没食子酸の水酸基がアルキル基あるいはアシル基などに置換されたものなどが挙げられる。

0023

[式中、R1は水酸基もしくはアルコキシ基などを示す。R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は異なった、水素原子、アルキル基、アシル基などを示す。]
なお、没食子酸誘導体は、複数の一般式(1)で表される構造体エーテルまたはエステル結合した2量体、3量体などのオリゴマーや;一般式(1)と、一または複数のエラグ酸誘導体とが、エーテルまたはエステル結合したものなどであってもよい。

0024

エラグ酸誘導体としては、基本骨格としてエラグ酸構造を有し、その水酸基がアルキル基あるいはアシル基などに置換されたものなどが挙げられる。例えば、下記一般式(2)で表される。また、エラグ酸の酸化物由来するヘキサヒドロキシジフェノイル(hexahydroxydiphenoyl、以下「HHDP」と略す)基を有する化合物や、HHDP基に没食子酸が付加したバロネオイル(valoneoyl)基を有する化合物もエラグ酸誘導体である。

0025

[式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は異なった、水素原子、アルキル基、もしくはアシル基などを示す。]
なお、エラグ酸誘導体は、一般式(2)と、1つまたは複数の一般式(1)で表される没食子酸誘導体とが、エーテルまたはエステル結合したもの;複数の一般式(2)で表される構造体がエーテルまたはエステル結合した2量体、3量体などのオリゴマーなどであってもよい。

0026

上記加水分解性タンニンとしては、エラジタンニン、ガロタンニンいずれも好もしく用いることができる。
エラジタンニンとは、エラグ酸の酸化物に由来するHHDP基がグルコースなどの多価アルコールの水酸基とエステル結合した化合物群のことをいい、加水分解するとエラグ酸と多価アルコールが生成する。
ガロタンニンとは、没食子酸が多価アルコールの水酸基とエステル結合した化合物群のことをいい、加水分解すると没食子酸と多価アルコールが生成する。
上記加水分解性タンニンとして、より好ましくは、例えば、エラジタンニンとしては、グルコースの水酸基の2位と3位または4位と6位もしくは両方に、少なくとも1つ以上のHHDP基またはバロネオイル基がエステル結合したもの;ガロタンニンとしては、グルコースの水酸基の少なくとも3箇所以上が没食子酸とエステル結合したものなど挙げられる。
ここで、バロネオイル基は、HHDP基に下記構造体(3)に示すガロイル基エーテル結合したものである。これらエラジタンニンは、多価アルコールの他の水酸基に没食子酸がエステル結合している化合物も多い。

0027

上記加水分解性タンニンの具体例として、下記構造体(4)〜(8)に示す、テリマグランジンI(Tellimagrandin I)およびII、ストリクチニン(Strictinin)、カスアリクチン(Casuarictin)、1,3−ジガロイル−4,6−HHDPグルコース(1,3-di-O-galloyl-4,6-HHDP-β-D-glucose)、オエノテインB(Oenothein B)、ユーゲニフロリンD2(Eugeniflorin D2)、1,2,3−トリガロイルグルコース、1,2,3,6−テトラガロイルグルコース、1,2,3,4,6−ペンタガロイルグルコースなどが挙げられ、なかでも、テリマグランジンIおよびII、1,3−ジガロイル−4,6−HHDPグルコース、オエノテインB、ユーゲニフロリンD2からなる群より選ばれる少なくとも1種、または1,2,3−トリガロイルグルコース、1,2,3,6−テトラガロイルグルコース、1,2,3,4,6−ペンタガロイルグルコースからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。

0028

これらは、下記の構造式(4)〜(8)にて示される化合物である。なお、下記構造式(4)〜(8)におけるGは、下記構造体(3)を表す。

0029

0030

0031

0032

0033

0034

0035

上記加水分解性タンニンの原料としては、特に限定されないが、例えば、加水分解性タンニンを含有する被子植物双子葉植物綱エングラー体系)の離弁花植物やタンニン酸などが挙げられる。

0036

上記植物からフルクトース吸収阻害活性を有する加水分解性タンニンを得る製造方法は特に制限されるものではなく、通常用いられる方法により製造することができる。また、加水分解性タンニンを抽出して得る場合は、抽出条件も特に制約はなく、例えば、上記植物の各種部位(全草、花、、種子、果実、葉、枝、樹皮根皮根茎、根等)をそのまま、または裁断粉砕もしくは細紛した後、搾取または溶媒で抽出することにより加水分解性タンニンの抽出物が得られる。

0037

上記植物としては、例えば、フトモモ科バラ科モクマオウ科、ブナ科ツバキ科アカバナ科ミソハギ科、ヒシ科、ザクロ科ノボタン科、シクンシ科、サガリバナ科等が挙げられる。これら植物には、加水分解性タンニンが多く含まれるので、これらの植物を原料にすると効率よく加水分解性タンニンを得ることができる。なかでも、フトモモ科植物が好ましく、さらにはユーカリ属フトモモ属ピメンタ属、メラレウカ属植物は食品や香辛料香料等に用いられる植物が多い。したがって、これらに属するユーカリチョウジオールスパイス等を原料とすると、食経験や安全性の観点から好ましい。特に、ユーカリはフルクトース吸収阻害活性が非常に強く、ユーカリ葉抽出物には加水分解性タンニンが豊富に含まれており、テリマグランジンIおよびII、オエノテインB、ガロイルグルコース類等が多く含まれているので好ましい。

0038

このうち、溶媒を用いた抽出は、加水分解性タンニンが溶出される条件で抽出する。例えば、使用する溶媒に合わせて常圧〜加圧下で常温〜溶媒の沸点温度条件下で10分〜1週間程度行えばよい。
抽出に使用する溶媒としては、植物種や処理工程にあわせて通常用いられる溶媒を適宜選択して用いればよく、例えば、水;アルコール類(例えば、メタノールエタノール等の低級アルコール、またはエチレングリコールプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールグリセリン等の多価アルコール);アセトン等比較的極性が高いケトン類酢酸エチル等のエステル類等の有機溶媒が挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノールおよびアセトンと水を組み合わせた溶媒が好ましい。食品として用いる場合のように有機溶媒の残留が好ましくない場合は、特に水、エタノール、含水エタノールを使用することが好ましい。これらの溶媒は単独で用いることもできるが、2種類以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
加水分解性タンニンの抽出方法としては、特に制限はなく、常温ホモジナイズ抽出、還流抽出超臨界流体抽出等が使用可能である。

0039

具体的には、例えば以下の方法が使用できる。加水分解性タンニンを多く含む植物原体あるいは乾燥物細砕する。次に、抽出溶媒を植物原体あるいは乾燥物の総量に対して5〜20倍量加え、常圧下、室温で1週間程度静置、または抽出溶媒の沸点付近で10〜30分程抽出する。その後、濾過して得られた濾液減圧乾固あるいは凍結乾燥して植物抽出物を得る。

0040

上記のようにして得られた植物の抽出物は加水分解性タンニンを多く含むので、そのままの状態で使用することができる。また、必要に応じて加水分解性タンニンに影響のない範囲で脱臭、脱色等の精製処理を加えても良い。
このような精製処理の方法としては、通常の手段を任意に選択して行えば良く、例えば、ろ過または液々抽出、イオン交換樹脂活性炭カラム等を用い、吸着・脱色・精製等を行えば良い。さらに、凍結乾燥または濃縮処理等により溶液状、ペースト状、ゲル状、又は粉末状の精製物を得ることができる。

0041

本発明のフルクトース吸収阻害剤の形態としては、特に限定されず、例えば、所定量の加水分解性タンニンを所望の剤型で含有する単位用量形態で用いてもよいし、前述の方法を用いて植物から得られた抽出物あるいは精製物をそのまま用いてもよい。単位用量形態で用いる場合には、例えば、フルクトース吸収阻害剤と必要に応じて加えられる他の成分とからなる組成物として用いてもよい。
このような組成物としては、例えば、フルクトース吸収阻害剤と適当な担体(食品または医薬品に使用されている担体等)とからなる組成物や、フルクトース吸収阻害剤とフルクトースを含有する組成物等が挙げられる。
フルクトース吸収阻害剤の剤型としては、特に限定されず、例えば、食品(飲食物等)、医薬品、動物飼料、動物飼料用添加剤等の用途に適した形態であればよい。

0042

本発明のフルクトース吸収阻害剤における加水分解性タンニンの含有量は、フルクトース吸収阻害剤の単位用量あたり、好ましくは1〜5000mgであり、さらに好ましくは10〜3000mgであり、特に好ましくは50〜1000mgであるのがよい。フルクトース吸収阻害剤の単位用量あたりにおける加水分解性タンニンの含有量が1mg未満であると、腸管からの高いフルクトース吸収阻害作用が不十分となるおそれがある。一方、5000mgを超えると、加水分解性タンニンの含有量に見合った効果が得られないおそれがある。また、加水分解性タンニンを必要以上に摂取すると、体質によっては下痢を引き起こす場合がある。
なお、単位用量とは、本発明のフルクトース吸収阻害剤を錠剤その他の形態で服用するときに、当該形態に含有され、フルクトース吸収阻害効果を生じるように計算された所定量をいう。

0043

食品形態とするには、加水分解性タンニンと食材とを混合し、例えば、固形食品クリーム状ないしジャム状半流動食品ゲル状食品、飲料等の形態に調製する。このような食品形態で使用する際には、特にフルクトースおよび/またはこれを含む前記多糖類と併用すると、嗜好性に優れ、しかもフルクトースの吸収を阻害することができる食品を製造することができる。

0044

フルクトース吸収阻害剤を食品形態として用いる場合、通常食品に使用される各種成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ブドウ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイドコーンシロップ乳糖クエン酸酒石酸リンゴ酸コハク酸乳酸L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルアラビアガムカラギーナンカゼインゼラチンペクチン寒天ビタミンB群ニコチン酸アミドパントテン酸カルシウムアミノ酸類カルシウム塩類色素、香料、保存剤等が挙げられ、これらを食品の種類に応じて適宜配合すればよい。

0045

前記食品の具体例としては、清涼飲料、ジュース、コーヒー紅茶リキュール牛乳乳清飲料、乳酸菌飲料キャンデーチューインガムチョコレートグミヨーグルトアイスクリームプディング等が挙げられる。抽出物またはフルクトース吸収阻害剤の食品への添加は、加水分解性タンニンの含有量が0.5〜100mg/gの範囲内となるようにフルクトース吸収阻害剤を添加するのが適当である。サプリメントの場合は重量比で90%含有させても安全性や効果に問題はない。

0046

前記医薬製剤の形態で使用するには、加水分解性タンニンと通常の製薬上許容される担体とを混合し、固体半固体または液体の形態に調製する。具体的な形態としては、例えば、錠剤、カプセル丸剤顆粒剤散剤乳濁液懸濁剤シロップ剤ペレット剤等の経口投与剤坐薬等の非経口投与剤などが挙げられる。

0047

製剤化に際しては、剤形に応じて従来から使用されている界面活性剤賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤等の担体を使用することができる。好ましくは、例えば、デンプン、乳糖、マンニットカルボキシメチルセルロースコーンスターチ無機塩等の固形担体蒸留水生理食塩水ブドウ糖水溶液アルコール(エタノール等)、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体;さらに各種の動植物油白色ワセリンパラフィンロウ等の油性担体等が挙げられる。

0048

前記医薬製剤は、フルクトースの吸収阻害に有効な加水分解性タンニンを有効成分として含有することから、フルクトース吸収阻害作用を有する。そのため、フルクトースの過剰摂取によって生じる種々の障害や疾病の予防、改善、治療に有効である。

0049

具体的には、例えば、生体内における酸化ストレスの亢進、タンパクの糖化、カルシウムの腎臓沈着、高尿酸血症、ケトーシス、インスリン抵抗性の惹起、心血管系の腎臓病の惹起、糖尿病合併症(糖尿病性腎機能障害、白内障等、下肢壊死等)といった疾病のほか、高脂血症および単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患の予防または治療剤の他、抗肥満剤内臓脂肪皮下脂肪等の脂肪蓄積抑制剤抗動脈硬化症剤、血栓防止剤トリグリセリド低下作用剤、血中コレステロール低下作用剤等の用途にも適用可能である。

0050

本発明における加水分解性タンニンを使用して、フルクトースの吸収を阻害する動物飼料を製造する場合には、当該抽出物の1種または2種以上を動物飼料に使用する各種成分と混合して調製する。

0051

また、本発明における加水分解性タンニンを動物飼料用添加剤の形態で使用してもよい。この場合、抽出物をそのまま動物飼料に添加してもよく、あるいは粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等の形態に調製されたものであってもよい。前記動物飼料用添加剤を添加する動物飼料には、前記したような種類の動物飼料が挙げられる。また添加量は前記した動物飼料の配合量と同程度であればよい。動物飼料の添加時期は製造時または製造後のいずれの段階でもよい。

0052

以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例で使用した抽出物および加水分解性タンニンの調製、フルクトース吸収阻害活性の評価、および測定されたデータの取り扱いは以下の方法により行った。

0053

<抽出物の調製方法
ユーカリ葉粗抽出物
まず、ユーカリ葉5kgを30%エタノール45kgで2時間還流を行った。次に、室温冷却後ろ過し、得られたろ液減圧濃縮・凍結乾燥してユーカリ葉粗抽出物を得た(収量約1kg)。

0054

(20%エタノール溶出画分
得られたユーカリ葉粗抽出物100gを、樹脂(三菱化学(株)製の「ダイヤイオン登録商標)HP20」)に吸着させた。次に、0〜100%エタノールにて順次溶出させ、各溶出液を得た。そして、分画した各溶出液を減圧濃縮・凍結乾燥した。それらのうち、20%エタノール溶出画分に強いフルクトース吸収阻害活性が認められた。

0055

(60%メタノール溶出画分
得られた各溶出液のうち、20%エタノール溶出画分について、収量16gのうち5gを樹脂(東ソー(株)製の「トヨパール(登録商標)HW40(fグレード)」)に吸着させ、40〜100%メタノールを溶離液として用い順次溶出させた。各溶出液の成分分析には、高速液体クロマトグラフィを用いた。すなわち、グラジエントモードで溶媒濃度を変化させて5%酢酸アセトニトリル(100%→0%)を40℃下のPAQカラムナカライテスク(株)製)に流し、フォトダイオードアレイ検出器測定範囲を270〜350nmに設定して各溶出画分成分分布モニターした。約20の画分に分画し、それらのうち60%メタノール溶出画分に強いフルクトース吸収阻害活性が認められた。

0056

(テリマグランジンI)
20%エタノール溶出画分を分画して得られた各溶出画分のうち、60%メタノール溶出画分について、収量106mgのうち80mgを、上記と同じ溶離液を用いてPAQカラムによりHPLC分取を繰り返し、テリマグランジンI(32mg)を得た。物質の同定は、HPLCの保持時間および各種NMRデータ標準物質と比較することにより確認した。
その他の加水分解性タンニンについては、ユーカリ葉など各種フトモモ科植物より単離・同定したものを用いた。

0057

<腸管フルクトース吸収阻害活性の評価方法
フルクトース吸収阻害活性の評価は、小腸膜モデル実験に利用されているヒト大腸がん由来細胞株Caco−2(大日本住友製薬(株)製)を用いて行った。培地は、DMEM培地(SIGMA社製)に、FCS(BIOWEST社製)を10%、およびNEAA(SIGMA社製)を1%になるよう添加して用いた。

0058

6穴トランズウェルインサート内面積4.2cm2)にCaco−2細胞を播種し、3〜4日に一度DMEM培地を交換し、約3週間かけてCaco−2細胞の密度が約2×105cells/インサートになるよう継代培養した。実験前にTEER値を測定し、Caco−2細胞の状態を確認した。表1に示す各試料は、10%ジメチルスルホキシドDMSO)に溶解した。

0059

6穴トランズウェルインサートの培地を捨て、インサートの内側、外側をともにリン酸緩衝液(pH7.2)(PBS)で洗浄したのち、糖質および血清を含まないD−PBS(GIBCO社製)に交換した。37℃、5%CO2下で30分間インキュベートし、TEER値を測定した。インサート内に表1に示す各試料のサンプル液を添加し、5分間プレインキュベートした。終濃度が50mMになるようにフルクトース液を添加し、37℃、5%CO2下で3時間インキュベートした。TEER値を測定し、培養前後で数値の低下がみられないもののみインサート外側の透過液採取し、−80℃下で保存した。表1に示す各試料について3回ずつ測定した。

0060

透過液のフルクトース濃度は、D−フルクトースデヒドロゲナーゼ(Gluconobac sp.由来)を用いた酵素法によって測定した(各試薬の濃度はそれぞれ終濃度を表す)。すなわち、100mMPBS(pH6.0)、1% Triton X−100、0.2mM WST-1、8μM 1-メトキシPMS、および10U フルクトースデヒドロゲナーゼ(東洋紡績(株)製)を含む混合液に透過液を添加し、30℃で3時間反応させたのち、438nmにおける吸光度を測定した。

0061

各化合物のフルクトース吸収阻害率を、以下の式(I)を用いて求めた。その結果を表1に表す。比較対照として、没食子酸、エラグ酸、ケルセチン、(+)−カテキン、(−)−エピカテキンおよび(−)−エピガロカテキンガレートも測定した。
ブランク(10%DMSO)のフルクトース透過量−サンプルのフルクトース透過量)/ブランクのフルクトース透過量×100・・・(I)

0062

0063

表1に示すように、試料No.1〜10の加水分解性タンニンは、用量がわずか5μg/mlであるにも拘らず、阻害率が43%以上であり、強いフルクトース吸収阻害活性を有することが分かる。この結果より、加水分解性タンニンは、小腸においてフルクトースの体内吸収を阻害し、フルクトース過剰摂取に起因する肥満等を抑制することが期待される。なお、本実施例では腸管上皮細胞Caco−2を用いるモデル吸収実験表面積4.2cm2)において、加水分解性タンニンの用量が5μg/mlで有効であることが示されている。ところが、ヒトを含めた哺乳動物では、フルクトースの吸収を行う腸管上皮細胞はこのモデル吸収実験よりもはるかにおびただしく存在し、その表面積はヒトでは200m2に及ぶと推定されている。したがって、臨床上、本発明における加水分解性タンニンの有効容量は少なくとも1mg以上と考えられ、好ましくは10mg以上、さらに好ましくは50mg以上と考えられる。
一方、上記ユーカリ葉粗抽出物(特許文献1の抽出物に相当する)を用いた場合、1000μg/mlの用量で阻害率が65%、100μg/mlの用量で阻害率が20%未満であった。このように、ユーカリ葉粗抽出物をそのまま用いて、フルクトース吸収阻害活性を発揮させるためには、1000μg/mlの用量が必要である。

実施例

0064

なお、上記実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適用されることは勿論である。たとえば、本実施例では、ユーカリ葉から得られた1成分(テリマグランジンI)のみについて説明したが、ユーカリに限らず加水分解性タンニンを含む植物を使用してもよく、それらを部分的に精製して用いてもよく、さらに加水分解性タンニンの混合物を用いてもよい。

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