図面 (/)

技術 PCR用サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性を試験するための方法およびその実施のための手段

出願人 アンスティテュナシオナルドゥラルシェルシュアグロノミック‐インラ
発明者 ボダン,アントニープリエル,マルクフレス,ピエール-オリヴィエクチュール,キャロルファランタン,シリル
出願日 2010年2月11日 (10年9ヶ月経過) 出願番号 2011-549571
公開日 2012年8月2日 (8年3ヶ月経過) 公開番号 2012-517236
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物・酵素関連装置 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 最低温度値 自動設置 最高温度値 各測定センサ 平均温度値 温度測定センサー 調整閾値 空間ゾーン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年8月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、PCRサーマルサイクラーのサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および忠実度試験するための方法において、前記熱ユニットおよびパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャが反応混合液チューブのための複数のスペースを含む方法であって、a)前記熱ユニットおよびパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャ内の選択された反応混合液用チューブのためのスペースの中に温度測定センサー一式を配置するステップであって、前記温度測定センサーが、(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した反応チューブと、(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段とを含み、温度測定センサーが中に配置される前記スペースが、前記熱ユニットの表面上で、少なくとも二つの温度測定センサーが前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々の中に配置されるような形で、あるいはパルス送りされる空気によって熱制御されるエンクロージャについては、PCR用チューブもしくは毛細管のために設けられたスペースに、これらのスペースのうちの少なくとも半分が測定センサーにより占有されるような形で分配されているステップと、b)PCR反応用の温度設定値プログラミングされた少なくとも一回のサイクルのために、正常な使用条件下でサーマルサイクラーを始動させるステップと、c)ステップb)と同時に、所与の複数の瞬間において測定センサーの各々で温度の値を測定するステップと、を含む方法からなる。

概要

背景

ポリメラーゼ連鎖反応(「Polymerase Chain Reaction」、略してPCR)による核酸増幅技術は、医学診断法医学分野でのDNA分析、ヒト、動物または植物のための病原性微生物検出、分子生物学研究などといったさまざまな分野を含めて、分子遺伝学の分野ではその使用を避けて通ることがほとんどできない方法である。

PCR反応は、当初試料中に存在する核酸コピー数増幅させる、熱制御されたインビトロでの酵素反応からなる。公知のとおり、PCR反応は、核酸プライマー耐熱性DNAポリメラーゼを含む反応混合液を使用し、前記反応混合液は、熱調節された多段階反応サイクルに付される。従来、PCR反応サイクルは、連続して(i)95℃に近い特定の温度で実施される2本鎖DNA分子変性段階と、(ii)60℃に近い特定の温度で実施されるヌクレオチドプライマーハイブリダイゼーション段階と、(iii)72℃に近い特定の温度で実施される伸長段階とを含む。

PCR反応は、専用に構想された装置、つまりサーマルサイクラーの中で実施される。サーマルサイクラーには、実施中の試験に含まれる各々のPCR増幅サイクルについて、上述の各段階(i)、(ii)および(iii)において、経時的に反応混合液の温度を精確に調節する手段が備わっている。サーマルサイクラーの主要な要素の一つは、反応混合液用チューブを収容するための複数のスペースすなわち「ウェル」を含む、互いに独立して熱調節される複数の素子で構成された、熱ユニットからなる。公知のとおり、PCR反応の持続時間全体にわたり反応媒質の温度をきわめて高い精度で制御することが、信頼性の高い再現性ある結果を得るために不可欠である。

例えば、変性段階中に、選択された温度に対して温度が負にずれると、DNAの不完全な変性がひき起こされ、かつ/または耐熱性DNAポリメラーゼの少なくとも部分的な分解がひき起こされ得る。

同様に、ハイブリダイゼーション段階中の温度の負のずれは、非特異的なハイブリダイゼーションを含め、増幅すべきDNAへのヌクレオチドプライマーのミスマッチをひき起こす可能性があり、これは偽陽性の結果をもたらし得る。反対に、伸長段階時における温度の正のずれは、標的DNAとプライマー対合不在をひき起こす可能性があり、これは偽陰性の結果を生み出し得る。

その上、伸長段階時の温度の正または負のずれは、PCR反応の収量の低下を誘発するような、DNAポリメラーゼ触媒活性の低下をひき起こし得る。

以上で示したとおり、PCR反応が行われる熱条件の再現性は、実施された試験の結果の生物学的な意義にとって、および異なる試験の結果を比較できるようにするために、不可欠である。

数多くの著者が、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性(PCRサーマルサイクラーの「熱調節」という表現を用いることもできるが、この表現はさほど適切でなくまたさほど精確でもない)は、いかに精確であろうとも、
(i)同じ市販型式の異なるサーマルサイクラーの場合を含めた、異なるサーマルサイクラーでの同じ試験に関して、
(ii)同じサーマルサイクラーでの、時間的に隔てて実施された試験の間で、
そしてさらには
(iii)熱ユニットの表面上で地理的に離れて配置された反応チューブ内において同じサーマルサイクラー内で時間的に同時に実施された試験の間で、
得られる結果の再現性の欠如をひき起こすのに充分なほどの可変性を示す、ということを指摘してきた。

PCR反応中に使用される反応混合液の、正確性および熱的信頼性におけるこの不均質性は、熱的ずれのタイプに応じて偽陽性または偽陰性の結果をもたらすおそれがあり、疾病の医学的診断のための試験の実施の分野において特に気がかりである。

これらの技術的欠点を克服するために、熱ユニットの反応チューブ収容用ウェル内における温度の局所的可変性を検出することのできる、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定装置が記載されてきた。熱ユニットの所与の場所においてこの熱可変性を検出することができることにより、サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の微調整作業、あるいはサーマルサイクラーの熱「調整」作業(サーマルサイクラーの熱「較正」という用語も時には使用できる)が可能になる。

いずれにせよ、国の機関発行する公的証明書申請する、サーマルサイクラーのユーザーである研究所にとっては、サーマルサイクラーの熱調整作業は必須となっている。

公知のPCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定装置の一つのタイプとして、Quanta Biotech社が販売するMTAS(登録商標)システムがある。このシステムは、サーマルサイクラーの熱ユニットの表面に類似した表面をもつ平坦支持体からなり、この支持体上に、ユーザーの選択に応じて、一つまたは複数の温度プローブを固定することができる。一つまたは複数のプローブが備わった支持体は熱ユニットの上部部分に据えつけられ、次に一つまたは複数のプローブが熱ユニットの対応するウェル内に導入される。その後、サーマルサイクラーは、特に1増幅サイクルの異なる段階における温度設定値についての、および設定値に至るまでの温度の上昇時間値または下降時間値についての既定プログラムに従って、始動させられる。同時に、MTAS(登録商標)装置の温度プローブの各々により生成される信号が、内部にプローブが導入された熱ユニットの各ウェル内における経時的な温度値の変化を記録する電子ユニット伝送される。測定結果により、試験されたサーマルサイクラーの熱調節の欠陥位置決定をし、(i)後にPCR反応を実施する際に単にこれらの欠陥を考慮に入れるかまたは、(ii)サーマルサイクラーの熱調節システム微調整を行う、すなわちこのサーマルサイクラーの「調整」を行うことが可能になる。きわめて類似した別の測定システムが、DRIFTCON(登録商標)およびDRIFTCON(登録商標)RFという名称で、その名の起源となった会社により商品化されている。このシステムが前述のシステムと異なるのは、特に、有線式ではなく無線式で温度プローブにより生成されたデータを伝送するという点にある。

以上で記載した原理と同じ原理に基づく別の測定システムは、試験対象のサーマルサイクラーに適合したタイプの検定用マイクロプレートのウェル内に導入することのできる複数の温度プローブで構成されている。一つまたは複数の温度プローブが備わった検定用マイクロプレートはサーマルサイクラーの熱ユニット上に設置され、装置はユーザーにより予め規定されたサイクルに従って起動させられる。プローブにより生成された温度データは、次に、記録され分析される。このような測定システムは、例えばAnachem社によりCYCLERtest(登録商標)という名称で商品化されている。

データ収集手段に接続された温度プローブが中に導入される微量の水が入った複数のチューブを含む、PCR用サーマルサイクラーの性能評価システムについても記載されてきた(Kimら、2008年、BioTechniques、Vol.44(n°4):495−505)。

公知の測定システムのうち少なくともいくつかは、調整によりサーマルサイクラーの熱可変性の存在を克服するのに充分なものであるように思われる。

それでも、公知のシステムとの関係において代替的なまたは改善された、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定システムに対するニーズがなおも存在する。

PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定システムに対するこのニーズは、考慮されているサーマルサイクラーのタイプの如何に関わらず、(i)複数の熱素子を含む熱ユニットが具備されたプレート式PCRサーマルサイクラーに対しても、(ii)パルス送りされる加熱空気流の生成によって加熱が行われる毛細管式のPCRサーマルサイクラーに対しても存在する。

概要

本発明は、PCR用サーマルサイクラーのサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および忠実度を試験するための方法において、前記熱ユニットおよびパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャが反応混合液用チューブのための複数のスペースを含む方法であって、a)前記熱ユニットおよびパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャ内の選択された反応混合液用チューブのためのスペースの中に温度測定センサー一式を配置するステップであって、前記温度測定センサーが、(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した反応チューブと、(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段とを含み、温度測定センサーが中に配置される前記スペースが、前記熱ユニットの表面上で、少なくとも二つの温度測定センサーが前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々の中に配置されるような形で、あるいはパルス送りされる空気によって熱制御されるエンクロージャについては、PCR用チューブもしくは毛細管のために設けられたスペースに、これらのスペースのうちの少なくとも半分が測定センサーにより占有されるような形で分配されているステップと、b)PCR反応用の温度設定値でプログラミングされた少なくとも一回のサイクルのために、正常な使用条件下でサーマルサイクラーを始動させるステップと、c)ステップb)と同時に、所与の複数の瞬間において測定センサーの各々で温度の値を測定するステップと、を含む方法からなる。

目的

実施形態に応じて、熱ユニットは、PCRのための反応混合液用チューブを収容することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

PCRサーマルサイクラーのサーマルサイクラー熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性試験するための方法において、前記熱ユニットまたは前記熱制御されるエンクロージャが反応混合液チューブのための複数のスペースを含む方法であって、a)前記熱ユニットまたは前記熱制御されるエンクロージャ内の選択された反応混合液用チューブのためのスペースの中に温度測定センサー一式を配置するステップであって、前記温度測定センサーが、(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した反応チューブ、または熱エンクロージャの場合には回転ステージ内に設けられたスペースに適合した毛細管もしくはチューブと、(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段と、を含み、内部に温度測定センサーが配置される前記スペースが、−前記熱ユニットの表面上で、少なくとも二つの温度測定センサーが、前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々の中に配置されるような形で、−パルス送りされる空気によって熱制御されるエンクロージャ内で、PCR用チューブもしくは毛細管のために設けられたスペースで、これらのスペースのうちの少なくとも半分または多くとも20個が測定センサーにより占有されるような形で、それぞれ分配されているステップと、b)PCR反応用の温度設定値プログラミングされた少なくとも一回のサイクルのために、正常な使用条件(すなわち加熱蓋が閉じられ活動状態にある条件)下でサーマルサイクラーを始動させるステップと、c)ステップb)と同時に、所与の複数の瞬間において測定センサーの各々を用いて温度値を測定するステップと、を含む方法。

請求項2

測定センサーが、同じ熱調節素子内において、前記熱調節素子の縁部の一つに置かれたウェル内に少なくとも一つの第1の測定センサーが位置づけされ、かつ前記熱調節素子の中央部分に置かれたウェル内に少なくとも一つの第2の測定センサーが位置づけされるような形で配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

ステップa)において、−それぞれ24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルまたは384ウェルの熱ユニットのための少なくとも4個、5個、6個、8個、10個、16個および16個の測定センサーと、−それぞれ32ウェル、36ウェル、72ウェルおよび99ウェルの回転ステージを有する、パルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャのための、少なくとも16個、18個および18個の温度測定センサーと、が配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

サーマルサイクラーの熱ユニットの熱調節素子一個あたり少なくとも測定センサー二個の割合で、ただし前記熱ユニットの各コーナーおよび中心にも一個の測定センサーが位置づけされるような形で、サーマルサイクラーの熱ユニット上に測定センサーが位置づけされていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項5

1〜24と付番された5〜24本の列と、A〜Pと付番された2〜16本の行とを含む24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルまたは384ウェルの熱ユニット上の測定センサーの位置づけ座標が、−24ウェルのユニット:1A、5B、8A、12B、−30ウェルのユニット:1A、1F、3C、5A、5F、−40ウェルのユニット:1A、1H、2C、4E、5A、5H、−48ウェルのユニット:1A、1H、2C、3E、4G、5D、6A、6H、−60ウェルのユニット:1A、1F、3D、4B、5F、6C、7A、8E、10A、10F、−96ウェルのユニット:1A、1H、3C、3F、5A、5E、5H、6C、8B、8E、8G、9A、10F、11C、12A、12H(戦略1)、または1A、1E、1H、2C、4D、4G、6A、6F、7D、8H、9B、9E、11C、11F、12A、12H(戦略2)、−384ウェルのユニット:1A、1P、5K、6F、9A、10I、10P、12E、15N、16D、16I、18B、20K、21F、24A、24P(戦略1)、または1A、1I、1P、4E、7N、8G、11A、11K、13H、15P、17C、17I、21E、21K、24A、24P(戦略2)、であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項6

環状にそれぞれ1〜32、1〜36または1〜72と付番された32ウェル、36ウェルまたは72ウェルの回転ステージを有する熱制御されるエンクロージャ内の測定センサーの位置づけ座標が、−32ウェル:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31(2個に1個のウェル)、−36ウェル:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35(2個に1個のウェル)、−72ウェル:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69(4個に1個のウェル)、−99ウェル:1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95(5個に1個のウェル)、であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項7

前記温度測定センサーが、E、J、K、N、T、R、S、BまたはCタイプの熱電対プローブまたはPT100タイプの抵抗プローブを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項8

補足的被覆を前記温度測定センサーに追加することができ、ポリプロピレンポリエチレンPTFE、シリコーンという材料が、限定的にではないにせよ本願に特に関係していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項9

測定センサーのリンク手段が、直径2ミリメートル未満電気ケーブルからなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。

請求項10

前記熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性の欠陥を決定するステップd)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。

請求項11

PCR用サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性を試験するための方法において、a)請求項1〜7のいずれか一つに記載の物理較正試験方法を実施するステップと、b)各々公知の全く異なる最適なハイブリダイゼーション温度を有する複数のプライマー対を用いて、生物学的較正試験を実施するステップと、を含む方法。

請求項12

PCR用のサーマルサイクラーの熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャのウェルの温度測定センサーにおいて、(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した、または試験対象の熱エンクロージャの回転ステージのタイプに適合した反応チューブと、(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段と、を含む温度測定センサー。

請求項13

PCR用サーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性を試験するためのシステムにおいて:a)請求項1〜6のいずれか一つに記載の複数の温度測定センサーと、b)前記センサーの各々により生成される温度測定信号の少なくとも一つの受信手段と、を含むシステム。

請求項14

PCR用サーマルサイクラー装置の熱ユニットの調節の生物学的調整方法において、a)前記サーマルサイクラー装置のために、調整閾値温度を決定するステップであって、前記調整閾値温度が、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で(i)配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対、(ii)配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対、(iii)配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対、ならびに(iv)多少の差こそあれ配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、というプライマー対の各々によりヒトの胎盤由来するDNAが増幅される温度である、サーマルサイクラーによって測定されたハイブリダイゼーション温度であるステップと、(b)(i)ステップa)で決定された閾値温度に等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度で、PCR反応を実施し、次に(ii)前記プログラミングされた閾値温度で、ステップa)で定義されている三つまたは四つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されることを確認することによって、前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットの調節を試験するステップと、を含む方法。

請求項15

前記熱ユニットの表面上に分布したウェル内に上述の反応混合液用チューブを配置して、少なくとも二本の反応混合液用チューブが前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々の中に配置されているようにすることによって、ステップb)を実施することを特徴とする、請求項11に記載の方法。

請求項16

前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットの調節試験による、PCR用サーマルサイクラーの生物学的調整方法において、a)前記サーマルサイクラーの調整閾値温度に等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度でPCR反応を実施するステップであって、前記調整閾値温度が、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で(i)配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対、(ii)配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対、(iii)配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対、ならびに(iv)多少の差こそあれ配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、というプライマー対の各々によりヒトの胎盤に由来するDNAが増幅される温度である、サーマルサイクラーによって測定されたハイブリダイゼーション温度であるステップと、(b)前記プログラミングされた閾値温度で、ステップa)で定義されている三つまたは四つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されることを確認するステップと、を含む方法。

請求項17

PCR用サーマルサイクラー装置の生物学的調整試験を実施するための核酸プライマー組成物において、(i)50℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対と、(ii)55℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対と、(iii)60℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対と、(iv)65℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、という核酸プライマー対を、組合せた形でまたは別個の形で含む組成物。

請求項18

配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対。

請求項19

PCR用サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性の生物学的調整方法において、a)前記サーマルサイクラー装置のために、調整閾値温度(Tt)を決定するステップであって、前記調整閾値温度(Tt)が、(i)耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対により環状プラスミドDNA(「標的DNA」)が増幅される温度である、サーマルサイクラーにより測定されるハイブリダイゼーション温度と、(ii)耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で配列番号11および配列番号12の配列のプライマー対により環状プラスミドDNA(「標的DNA」)が増幅されない温度である、サーマルサイクラーにより測定される限界ハイブリダイゼーション温度、という条件(i)および(ii)が確認される共通の温度値であるステップと、b)前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性を試験するステップであって、該試験が、b1)(1)ステップa)で決定された閾値温度(Tt)、(2)ステップa)で決定された閾値温度(Tt)よりも0.5℃低い温度(Tt−0.5℃)、および(3)ステップa)で決定された閾値温度よりも1℃低い温度(Tt−1℃)にそれぞれ等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度で、三回のPCR反応を実施するステップと、b2)(1)前記温度(Tt−0.5℃)および(Tt−1℃)で、配列番号9〜10および配列番号11〜12の二つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されること、ならびに(2)ステップa)で決定された前記閾値温度(Tt)で、配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対のみを用いて前記標的DNAが増幅されること、を確認するステップと、を実施することによって行われるステップと;を含む方法。

請求項20

PCR用サーマルサイクラー装置の生物学的調整試験を実施するための核酸プライマー組成物において、それぞれ配列番号9〜10の配列のプライマー対と配列番号11〜12の配列のプライマー対という二つのプライマー対を含む組成物。

技術分野

0001

本発明は、物理的手段または生物学的手段による、PCR反応の実施のためのサーマルサイクラー装置の熱較正の分野に関する。

背景技術

0002

ポリメラーゼ連鎖反応(「Polymerase Chain Reaction」、略してPCR)による核酸増幅技術は、医学診断法医学分野でのDNA分析、ヒト、動物または植物のための病原性微生物検出、分子生物学研究などといったさまざまな分野を含めて、分子遺伝学の分野ではその使用を避けて通ることがほとんどできない方法である。

0003

PCR反応は、当初試料中に存在する核酸コピー数増幅させる、熱制御されたインビトロでの酵素反応からなる。公知のとおり、PCR反応は、核酸プライマー耐熱性DNAポリメラーゼを含む反応混合液を使用し、前記反応混合液は、熱調節された多段階反応サイクルに付される。従来、PCR反応サイクルは、連続して(i)95℃に近い特定の温度で実施される2本鎖DNA分子変性段階と、(ii)60℃に近い特定の温度で実施されるヌクレオチドプライマーハイブリダイゼーション段階と、(iii)72℃に近い特定の温度で実施される伸長段階とを含む。

0004

PCR反応は、専用に構想された装置、つまりサーマルサイクラーの中で実施される。サーマルサイクラーには、実施中の試験に含まれる各々のPCR増幅サイクルについて、上述の各段階(i)、(ii)および(iii)において、経時的に反応混合液の温度を精確に調節する手段が備わっている。サーマルサイクラーの主要な要素の一つは、反応混合液用チューブを収容するための複数のスペースすなわち「ウェル」を含む、互いに独立して熱調節される複数の素子で構成された、熱ユニットからなる。公知のとおり、PCR反応の持続時間全体にわたり反応媒質の温度をきわめて高い精度で制御することが、信頼性の高い再現性ある結果を得るために不可欠である。

0005

例えば、変性段階中に、選択された温度に対して温度が負にずれると、DNAの不完全な変性がひき起こされ、かつ/または耐熱性DNAポリメラーゼの少なくとも部分的な分解がひき起こされ得る。

0006

同様に、ハイブリダイゼーション段階中の温度の負のずれは、非特異的なハイブリダイゼーションを含め、増幅すべきDNAへのヌクレオチドプライマーのミスマッチをひき起こす可能性があり、これは偽陽性の結果をもたらし得る。反対に、伸長段階時における温度の正のずれは、標的DNAとプライマー対合不在をひき起こす可能性があり、これは偽陰性の結果を生み出し得る。

0007

その上、伸長段階時の温度の正または負のずれは、PCR反応の収量の低下を誘発するような、DNAポリメラーゼ触媒活性の低下をひき起こし得る。

0008

以上で示したとおり、PCR反応が行われる熱条件の再現性は、実施された試験の結果の生物学的な意義にとって、および異なる試験の結果を比較できるようにするために、不可欠である。

0009

数多くの著者が、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性(PCRサーマルサイクラーの「熱調節」という表現を用いることもできるが、この表現はさほど適切でなくまたさほど精確でもない)は、いかに精確であろうとも、
(i)同じ市販型式の異なるサーマルサイクラーの場合を含めた、異なるサーマルサイクラーでの同じ試験に関して、
(ii)同じサーマルサイクラーでの、時間的に隔てて実施された試験の間で、
そしてさらには
(iii)熱ユニットの表面上で地理的に離れて配置された反応チューブ内において同じサーマルサイクラー内で時間的に同時に実施された試験の間で、
得られる結果の再現性の欠如をひき起こすのに充分なほどの可変性を示す、ということを指摘してきた。

0010

PCR反応中に使用される反応混合液の、正確性および熱的信頼性におけるこの不均質性は、熱的ずれのタイプに応じて偽陽性または偽陰性の結果をもたらすおそれがあり、疾病の医学的診断のための試験の実施の分野において特に気がかりである。

0011

これらの技術的欠点を克服するために、熱ユニットの反応チューブ収容用ウェル内における温度の局所的可変性を検出することのできる、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定装置が記載されてきた。熱ユニットの所与の場所においてこの熱可変性を検出することができることにより、サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の微調整作業、あるいはサーマルサイクラーの熱「調整」作業(サーマルサイクラーの熱「較正」という用語も時には使用できる)が可能になる。

0012

いずれにせよ、国の機関発行する公的証明書申請する、サーマルサイクラーのユーザーである研究所にとっては、サーマルサイクラーの熱調整作業は必須となっている。

0013

公知のPCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定装置の一つのタイプとして、Quanta Biotech社が販売するMTAS(登録商標)システムがある。このシステムは、サーマルサイクラーの熱ユニットの表面に類似した表面をもつ平坦支持体からなり、この支持体上に、ユーザーの選択に応じて、一つまたは複数の温度プローブを固定することができる。一つまたは複数のプローブが備わった支持体は熱ユニットの上部部分に据えつけられ、次に一つまたは複数のプローブが熱ユニットの対応するウェル内に導入される。その後、サーマルサイクラーは、特に1増幅サイクルの異なる段階における温度設定値についての、および設定値に至るまでの温度の上昇時間値または下降時間値についての既定プログラムに従って、始動させられる。同時に、MTAS(登録商標)装置の温度プローブの各々により生成される信号が、内部にプローブが導入された熱ユニットの各ウェル内における経時的な温度値の変化を記録する電子ユニット伝送される。測定結果により、試験されたサーマルサイクラーの熱調節の欠陥位置決定をし、(i)後にPCR反応を実施する際に単にこれらの欠陥を考慮に入れるかまたは、(ii)サーマルサイクラーの熱調節システム微調整を行う、すなわちこのサーマルサイクラーの「調整」を行うことが可能になる。きわめて類似した別の測定システムが、DRIFTCON(登録商標)およびDRIFTCON(登録商標)RFという名称で、その名の起源となった会社により商品化されている。このシステムが前述のシステムと異なるのは、特に、有線式ではなく無線式で温度プローブにより生成されたデータを伝送するという点にある。

0014

以上で記載した原理と同じ原理に基づく別の測定システムは、試験対象のサーマルサイクラーに適合したタイプの検定用マイクロプレートのウェル内に導入することのできる複数の温度プローブで構成されている。一つまたは複数の温度プローブが備わった検定用マイクロプレートはサーマルサイクラーの熱ユニット上に設置され、装置はユーザーにより予め規定されたサイクルに従って起動させられる。プローブにより生成された温度データは、次に、記録され分析される。このような測定システムは、例えばAnachem社によりCYCLERtest(登録商標)という名称で商品化されている。

0015

データ収集手段に接続された温度プローブが中に導入される微量の水が入った複数のチューブを含む、PCR用サーマルサイクラーの性能評価システムについても記載されてきた(Kimら、2008年、BioTechniques、Vol.44(n°4):495−505)。

0016

公知の測定システムのうち少なくともいくつかは、調整によりサーマルサイクラーの熱可変性の存在を克服するのに充分なものであるように思われる。

0017

それでも、公知のシステムとの関係において代替的なまたは改善された、PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定システムに対するニーズがなおも存在する。

0018

PCRサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の測定システムに対するこのニーズは、考慮されているサーマルサイクラーのタイプの如何に関わらず、(i)複数の熱素子を含む熱ユニットが具備されたプレート式PCRサーマルサイクラーに対しても、(ii)パルス送りされる加熱空気流の生成によって加熱が行われる毛細管式のPCRサーマルサイクラーに対しても存在する。

発明が解決しようとする課題

0019

本発明によると、PCR用サーマルサイクラーの熱ユニット、またはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節を試験するための方法が提供されており、その詳細な特徴は、本明細書中で後述される。

0020

本出願人は、熱ユニットまたは検定用マイクロプレートのウェル内に導入されるプローブを含むタイプの、PCRサーマルサイクラーの熱調節を測定する公知のシステムを用いて、熱ユニットの調節における可変性を有効に検出できるということに気づいた。しかしながら、このタイプの公知の装置を用いて検出された熱可変性は、反応混合液が受ける実際の熱変動をほとんど反映していなかった。一方では、本出願人は、これらの装置が熱ユニット自体の温度値を測定し、反応混合液の温度値を測定していないことに気づいた。他方では、これらの装置の体積が大きいことから、サーマルサイクラーのフードを閉じることができず、そのため付加的な温度測定上のアーチファクトがひき起こされ、これらの付加的な測定上のアーチファクトは、試験対象のサーマルサイクラーに加熱フードが備わっている場合に非常に大きいものであった。

0021

本出願人は同様に、Kimら(2008年、上記を参照)により記載されたタイプの公知のチューブ式システムを用いた場合、熱ユニット内の温度センサーの数および配置が、充分な精度での熱可変性の検出を不可能にしているということにも気づいた。その上、このようなシステムには、特定の一タイプの熱ユニットのために構想されているという欠点があり、このことはすなわち、さまざまな装置の調整を行うためには、熱ユニットのタイプの数と同数のシステムのタイプが必要であったということを意味している。

0022

公知のシステムの上述の欠点は、本発明によって解決された。

課題を解決するための手段

0023

本発明の目的は、PCR用サーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性を試験するための方法において、(i)複数の熱調節された素子を含む熱ユニットが備わった、プレート式PCRサーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性の試験と、(ii)パルス送りされる加熱空気の生成による熱調節システムが備わった、毛細管式PCRサーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性の試験とを含む方法にある。

図面の簡単な説明

0024

本発明にしたがって使用される温度測定センサーの特定の一実施形態の概略図であって、センサーを表す図である。
センサーの外側に向かうリンク手段(15)の通路を示す図である。
温度プローブにより生成された信号の受信手段への温度プローブのリンク手段が反応チューブの蓋(12)の壁を通過する、温度測定センサーの一実施形態を示す図である。
図1Aおよび図1Bに示されたセンサーの別の表示の図である。
温度プローブにより生成された信号の受信手段への温度プローブのリンク手段が反応チューブの側壁(11)を通過する、温度測定センサーの一実施形態を示す図である。
規定にしたがった、PCRサーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサー位置づけ構成の概略図であって、参考文献に由来する図である(Schoderら、2003年および2005年)。
Driftcon/Genotronics社により作成された分析報告書に由来する図である。
INRAの内部刊行物(Hachetら、2005年)に由来する図である。
Applied Biosystems社により作成された分析報告書に由来する図である。
ISO規格XP CEN ISO/TS 20836 2005に由来する図である。
Aviso社が販売するシステムの観察記録に由来する図である。
極秘ではないが未公開先行の内部手順に由来する図である。
Thermo Electro Corporation社のアフターサービス課の推奨事項に由来する図である。
24ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
30ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
40ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
48ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
60ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
96ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
96ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
384ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
384ウェルのプレートを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱ユニット上での測定センサーの位置づけの概略図である。
32ウェルの回転ステージを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱装置上での測定センサーの位置づけの概略図である。
36ウェルの回転ステージを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱装置上での測定センサーの位置づけの概略図である。
72ウェルの回転ステージを伴うPCR用サーマルサイクラーの熱装置上での測定センサーの位置づけの概略図である。
サーマルサイクラーの熱ユニットの正確性および熱的信頼性の測定システムの概略図である。
サーマルサイクラーの適合された熱調節モードにおける、変性段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーの適合された熱調節モードにおける、ハイブリダイゼーション段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーの適合された熱調節モードにおける、伸長段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
温度の安定化の前の、熱過剰(「オーバーショット」)または熱欠損(「アンダーショット」)を伴うサーマルサイクラーの熱調節モードにおける、変性段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
温度の安定化の前の、熱過剰(「オーバーショット」)または熱欠損(「アンダーショット」)を伴うサーマルサイクラーの熱調節モードにおける、ハイブリダイゼーション段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
温度の安定化の前の、熱過剰(「オーバーショット」)または熱欠損(「アンダーショット」)を伴うサーマルサイクラーの熱調節モードにおける、伸長段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーの非線形熱調節モード、すなわち温度の上昇または下降が非常に穏やかである熱調節モードにおける、変性段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーの非線形熱調節モード、すなわち温度の上昇または下降が非常に穏やかである熱調節モードにおける、ハイブリダイゼーション段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーの非線形熱調節モード、すなわち温度の上昇または下降が非常に穏やかである熱調節モードにおける、伸長段階についての温度動態プロフィールを示す図である。
サーマルサイクラーAでの、生物学的較正試験の結果を示す図である。
サーマルサイクラーAでの、生物学的較正試験の結果を示す図である。
サーマルサイクラーBでの、生物学的較正試験の結果を示す図である。
サーマルサイクラーBでの、生物学的較正試験の結果を示す図である。
図3Fまたは図3Gにしたがったユニット上に分布した16個のスペースにおける、57.6℃の固定されたハイブリダイゼーション温度で実施された生物学的較正試験の結果を示す図である。
図3Fまたは図3Gにしたがったユニット上に分布した16個のスペースにおける、58.3℃のされたハイブリダイゼーション温度で実施された生物学的較正試験の結果を示す図である。
図3Fまたは図3Gにしたがったユニット上に分布した16個のスペースにおける、59℃の固定されたハイブリダイゼーション温度で実施された生物学的較正試験の結果を示す図である。
それぞれ閾値温度Tt−1℃、閾値温度Tt−0.5℃および閾値温度Ttにおける三回の生物学的較正試験の結果を示す図。

0025

空気をパルス送りされるPCRサーマルサイクラー装置は、一つの熱調節されるエンクロージャを含み、このエンクロージャ内に複数の毛細管(または装置によってはプラスチックチューブ)が配置され、その内孔の中でPCR増幅反応が起こる。複数のチューブが内部に配置されているエンクロージャの熱調節は、パルス送りされる空気の生成装置を介して実施され、この装置には少なくとも一つの加熱素子、すなわち一般的には一つまたは複数の電気抵抗が含まれる。これらのPCRサーマルサイクラー装置において、前記加熱素子内に配置されたファンにより生成され得るパルス送りされる空気流は加熱素子と接触し、こうして所望の温度に加熱される。パルス送りされ所望の温度に加熱された空気は、熱調節されるエンクロージャの内部に向かって送出され、そこで、内部でPCR増幅反応が起こるチューブ各々の外部壁と接触する。各チューブの内孔に収納された反応混合液が、次に、熱伝導によって所望の温度に達する。このタイプのPCRサーマルサイクラー装置において、チューブは一般に、熱調節されるエンクロージャ内で環状の配置に沿って位置づけされる。一般に、チューブは、それらが上に固定される回転ステージを用いて環状に配置される。一例としては、パルス送りされる空気により加熱される毛細管式PCRサーマルサイクラー装置は、例えば、Roche社によりLightCycler(登録商標)という呼称で販売されている装置であり得る。同様に一例としては、パルス送りされる空気により加熱されるプラスチックチューブ式PCRサーマルサイクラー装置は、例えば、Qiagen社によりRotorgene(登録商標)の呼称で販売されている装置であり得る。

0026

本明細書においては、プレート式PCRサーマルサイクラー装置の反応混合液の加熱手段を指して、好ましくは「熱ユニット」という用語を使用するものとする。

0027

本明細書においては、パルス送りされる空気により加熱される毛細管またはプラスチックチューブ式のPCRサーマルサイクラー装置の反応混合液の加熱手段を指して、好ましくは「熱エンクロージャ」または「熱制御されるエンクロージャ」という用語を使用するものとする。

0028

それぞれプレート式装置或いはパルス送りされる空気により加熱される毛細管またはプラスチックチューブ式装置という、考慮されるPCRサーマルサイクラー装置のタイプの如何に関わらず、反応混合液が入れられ内部でPCR増幅反応が発生し得る容器を、「反応混合液用チューブ」という共通の用語で呼称することができる。

0029

本発明の目的は、PCR用サーマルサイクラーの熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性を試験するための方法において、前記熱ユニットまたは前記熱制御されるエンクロージャが反応混合液用チューブのための複数のスペースおよび複数の熱調節素子を含む方法であって、
a)前記熱ユニットまたは前記熱制御されるエンクロージャ内の選択された反応混合液用チューブのためのスペースの中に、温度測定センサー一式を配置するステップであって、
前記温度測定センサーが、
(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した反応チューブと、
(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、
(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、
(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段と、
を含み、
内部に温度測定センサーが配置される前記スペースが、
−前記熱ユニットの表面上で、少なくとも二つの温度測定センサーが、前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々の中に配置されるような形で、
−パルス送りされる空気によって熱制御されるエンクロージャ内で、PCR用チューブもしくは毛細管のために設けられたスペースで、これらのスペースのうちの少なくとも半分または多くとも20個が測定センサーにより占有されるような形で、
それぞれ分配されているステップと、
b)PCR反応用の温度設定値でプログラミングされた少なくとも一回のサイクルのために、正常な使用条件下でサーマルサイクラーを始動させるステップと、
c)ステップb)と同時に、所与の複数の瞬間において測定センサーの各々を用いて温度値を測定するステップと、
を含む方法にある。

0030

試験すべきサーマルサイクラーの熱ユニットのサイズに応じて、前記熱ユニットは一般に、互いに独立した形で制御される二〜八個の熱調節素子で構成される。本出願人は、同一のサーマルサイクラー装置内部における異なる熱調節素子の調整が不精確であり、そのため反応チューブが内部に配置されたウェルを有する熱調節素子に応じて、反応混合液に加えられる温度に可変性が生じたということを示した。

0031

このような理由から、この欠点を克服するために、本発明の方法によると、試験対象のサーマルサイクラーの熱ユニットを構成する各熱調節素子のウェル内に少なくとも二つの温度測定センサーを配置し、これにより、サーマルサイクラーが影響を受ける可能性のある熱調節の不均質性をより高い信頼性および再現性で測定することが可能となる。

0032

「反応混合液用チューブのためのスペース」とは、限定的ではないにせよ、本質的に、
−PCR反応を実施するための反応混合液の入ったチューブを収容する目的で、PCR用サーマルサイクラーの制御される熱エンクロージャ内に設けられた「スペース」かまたは、
−PCR反応を実施するための反応混合液の入ったチューブを収容する目的で、PCR用サーマルサイクラーの熱ユニットの構造内に設けられた、ウェルの形で成形された「スペース」(なお、前記チューブは、前記ウェルまたはスペースに特別に適合された幾何形状および容積を有する)、
を意味する。

0033

温度「測定センサー」とは、以上で定義した特徴の組合せを有するセンサーのことである。熱センサーの一実施形態を表す図1Aを参照すると、前記熱センサーは、本体(11)と蓋(12)を含む反応チューブ(1)もしくは毛細管を含む。本体(11)と蓋(12)の組合わされた幾何形状により、一方を他方に嵌め合わせることが可能になっている。本体(11)と蓋(12)が嵌め合わされた場合、反応チューブ(1)の内部容積は、外部雰囲気から隔離され、接合部は液体および気体に対して密封されている。反応チューブ(1)は、一定の体積の液体(13)を含み、その中に少なくとも部分的に温度プローブ(14)が浸漬され、この温度プローブ(14)は、図1Aにより表されている、温度プローブ(14)により生成される可能性のある信号の受信手段へのリンク手段(15)によって延長されている。

0034

「熱ユニット」とは、本発明によると、PCR反応を実施するための反応混合液の入ったチューブが中に設置されるウェルを含むPCRサーマルサイクラーの加熱手段を意味する。一般に、熱ユニットはペルティエ効果による加熱手段からなる。実施形態に応じて、熱ユニットは、PCRのための反応混合液用チューブを収容することを目的とする、24個、30個、40個、48個、60個、96個または384個のウェルを含むことができる。

0035

「熱制御されるエンクロージャ」とは、本発明によると、PCR反応を実施するための反応混合液の入ったチューブもしくは毛細管を挿入するようになっているウェルを有する回転ステージが内部に存在するチャンバを意味する。このエンクロージャの熱調節は、パルス送りされる空気によって行われる。実施形態に応じて、熱制御されるエンクロージャには、PCRのための反応混合液用チューブもしくは毛細管を収容することを目的とする32個、36個、72個または99個のウェルを含み得る回転ステージが備わっている。

0036

「熱調節素子」とは、本発明によると、熱ユニット内に収納されている、一般的にペルティエ効果による加熱素子のうちのいずれか一つを意味する。PCR用サーマルサイクラーの熱ユニットは、ほとんどの場合、複数の熱調節素子を含む。一般に、各々の熱調節素子は、他の全ての熱調節素子から独立した形で調節される。熱ユニットは一般的には、二〜八個の熱調節素子を含む。サーマルサイクラーの大部分は、独立した2個、4個、6個または8個の熱調節素子を含む熱ユニットを備えている。

0037

ステップb)において、「正常な使用条件」とは、メーカーが前記サーマルサイクラーを構想した使用条件を意味する。より厳密には、正常な使用条件には、「フード開放」条件下にあるサーマルサイクラーと共に使用するように構想されている公知のシステムの場合に見られる、熱損失に起因するあらゆるアーチファクトを回避しながらの、「フード閉鎖状態」でのサーマルサイクラーの使用、すなわち、メーカーが想定した熱調節および断熱条件における使用が包含される。

0038

本明細書において詳細に後述されるとおり、本発明の測定センサーの有利な一部の特徴によって、反応混合液用チューブを自動的に熱ユニットと接触させた状態に設置する手段が備わった、ユーザーがこの熱ユニットにアクセスできないようになっているサーマルサイクラー装置を含めて、あらゆるタイプのサーマルサイクラー装置を試験することが可能である。

0039

ステップb)では、少なくとも一回のPCR反応サイクルについて、すなわち(i)DNAの変性段階、(ii)一つまたは複数のヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーション段階、および(iii)予めハイブリダイズしたプライマーの伸長段階を連続的に実施するように通常は想定されている1サイクルについて、サーマルサイクラーが起動させられる。従来、段階(i)、(ii)および(iii)のための温度設定値はそれぞれ、95℃、60℃そして72℃である。本方法の本質的な目的は、サーマルサイクラー装置をプログラミングするために当初選択された温度設定値と測定センサーにより測定された実際の温度値との間に場合によって見られる差異を決定することにあることから、(i)、(ii)および(iii)の各段階について、さまざまな他の設定値を選択することができる。特に、温度設定値は、PCR反応のための一連のサイクルを実際に実施するためにユーザーが後に使用を企図している温度に応じて、サーマルサイクラーの予備的プログラミングにおいて定めることができる。

0040

業者であれば容易に理解するように、本方法のステップb)におけるプログラミングされる、または実施されるPCR反応サイクルの数は、限定的なものではなく、温度測定データの数は、ステップb)で実施されるPCR反応サイクル数と共に増大するだけである。一回のPCR反応のためにプログラミングされた複数のサイクルが実施される、本方法の特定の実施形態においては、このとき、一回のサイクルの特徴的な各々の瞬間について、かつ実施された全サイクルについて、各測定センサーにより測定された温度値の平均を計算することができ、これにより、熱ユニットの調節試験の精度を高めることができる。

0041

信頼性および再現性が非常に高い試験結果を得るために、ステップb)では、一回のPCR反応のためにプログラミングされた少なくとも3回のサイクル、より良くは少なくとも5回のサイクルが実施される。信頼性および再現性がきわめて高い試験結果を得るためには、例えば一回のPCR反応のためにプログラミングされた少なくとも10回のサイクルが実施される。

0042

ステップc)において、「複数の所与の瞬間」とは、1サイクルの実行時間の少なくとも三つの重要な瞬間、すなわちそれぞれ(i)DNA変性段階中、(ii)ヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーション段階中、そして(iii)プライマーの伸長段階中に、各測定センサーにより温度測定値が生成されることを意味している。先に挙げた測定の各々について、測定の瞬間は好ましくは、各段階で温度値が通常安定している時に、すなわち好ましくはこれらの段階の各々の持続時間の中間のところに選択される。

0043

一般に、本方法のステップb)において、プログラミングされたサイクルの持続時間全体にわたり、所与の三つを超える瞬間で温度が測定される。これらの測定は、前述の各段階中でも、前述の三つの段階の各々の間の遷移段階中でも実施されて、プログラミングされた温度変動段階中でもサーマルサイクラーの熱ユニットの各熱素子の調節を確認し、これにより、温度設定値の遵守と、プログラミングされた温度変動の経時的な出発点および到達点での各設定値の遵守との両方の観点、ならびにプログラミングされた前記変動の持続時間の遵守の観点から、サーマルサイクラーの信頼性の試験が可能になる。

0044

実際には、本方法のステップc)において、かつ各々のセンサーについて、PCR反応の1サイクルの持続時間中、少なくとも約100回の温度測定が実施され、こうして「複数の所与の瞬間」は一般に少なくとも100に等しいものである。実際、センサーの温度測定速度は通常、頻度で表される。

0045

本方法のステップc)において、一般的には、各センサーを用いて、毎秒少なくとも1回、有利には毎秒2回、好ましくは毎秒4回、そして本方法の一部の実施形態においては毎秒少なくとも10回、20回または40回の測定頻度で温度値の測定が行われる。

0046

好ましくは、測定センサーは、同じ熱調節素子内において、前記熱調節素子の縁部の一つに置かれたウェル内に少なくとも一つの第1の測定センサーが位置づけされ、かつ前記熱調節素子の中央部分に置かれたウェル内に少なくとも一つの測定センサーが位置づけされるような形で配置される。このような配置は、(i)熱調節素子一つあたり少なくとも二個の温度プローブの位置づけ、(ii)熱ユニットの各コーナーに少なくとも一個ずつの温度プローブの位置づけ、そして(iii)熱ユニットの中心での少なくとも一個の温度プローブの位置づけを同時に意味している。

0047

本出願人は、PCRサーマルサイクラーの調節の公知の測定装置においては、熱ユニット上の温度プローブの地理的分布が、場合によって発生する正確性および熱的信頼性の不均質性を忠実に結果に反映させる測定の実施には適合していないということを示した。

0048

本出願人は同様に、サーマルサイクラーの性能検定条件を定義づけるISO規格XP CEN ISO/TS 20836 2005などの現行規格の規定が、少なくとも熱ユニット上の試験用温度プローブの配置規則に関して、試験対象の熱ユニットの実際の熱的信頼性および正確性を忠実にかつ/または網羅的に反映する結果を得ることを可能にするものでない、ということも示した。この規格は、「臨界空間(espace critique)」の概念を導入しているが、熱ユニット上での温度プローブの配置の厳密な指示を定義していない。臨界空間がわかっていない場合、この規格では、試験すべき熱ユニットのウェル内でランダムに温度プローブを分布させることを規定している。

0049

本出願人は同様に、包括的に言って、熱ユニットの周囲に置かれたウェルが、熱調節不良の影響を受け、そのために「臨界空間」を構成していることも示した。特に、本発明によると、反応混合液の温度値の、熱ユニットの中心から周囲に向かって低下する勾配の存在が認められた。熱ユニットの各コーナーに置かれたウェルは、最大の熱調節欠陥が認められたウェルである。

0050

本発明によると、熱ユニットの大部分は、独立した形で熱調節される複数の素子、一般的には独立した2〜8個の熱調節素子を含み、その各々にも、特に前記熱調節素子の周囲に置かれたウェルにも一つの「臨界空間」が存在することから、熱調節の不均質性が熱ユニットの中央部分にも存在することが示された。事実、熱ユニットの所与の熱調節素子の周囲に置かれたウェルは、実際には前記熱ユニットの中央部分に置かれる可能性がある。また、考慮対象のサーマルサイクラーの型式に応じて、熱ユニットを構成する熱調節素子の各々の幾何形状および位置づけは異なり、そのため、所与の数の熱調節素子を有する第1の熱ユニット上の温度プローブのランダムな配置のスキーマを、同数の熱調節素子を含む熱ユニットを有する別のサーマルサイクラーを試験するために首尾よく転用できる確率は低い、ということも明記しておく。

0051

本出願人は、前述の規格XP CEN ISO/TS 20836 2005に含まれる規定を含め、試験すべきサーマルサイクラーの熱ユニット上でのプローブの位置づけの規定が、試験対象の熱ユニットの調節を忠実に反映する結果の獲得に適合していないプローブの位置づけを導くことを示した。上述のISO規格により規定されたプローブの位置づけ規則を用いて、96ウェルの熱ユニットの備わったさまざまなサーマルサイクラーで、温度プローブの配置のために規定された構成のうち複数のものが、特に8個の熱調節素子を含む熱ユニットについて、熱ユニットの全ての熱調節素子の制御を可能にしないということが判明した。本出願人は同様に、規格により規定されたプローブのその他の位置づけ構成が、熱ユニット内に存在する臨界空間のうちの一つまたは複数のものの制御を可能にしないということも示した。規格XP CEN ISO/TS 20836 2005に含まれた規則に従って本出願人が実施した検定の結果は、図2に表されている。図2は、試験対象のさまざまな型式のサーマルサイクラーに装備される熱ユニット上のプローブの位置づけ図を表す。黒の四角は、温度プローブの配置を示す。円は、試験対象の各々のサーマルサイクラーについて、試験において制御されていない熱調節ゾーンを表している。

0052

先の知識によって得られた結果から、本出願人は、長期にわたる研究の後、試験対象のサーマルサイクラーのタイプまたは型式の如何に関わらず、熱ユニットの正確性および熱的信頼性を信頼性、再現性のある形で網羅的に試験できるようにする温度測定センサーの位置づけ構成を定義づけした。本発明に係る測定センサーの好ましい位置づけ構成は、図3に示されている。図3に示されている構成においては、試験対象の熱ユニットを構成する熱調節素子一つあたり少なくとも二個の温度測定センサーが、そして臨界空間ゾーンの各々の中に少なくとも一個の温度測定センサーが、位置づけされている。図3(3A〜3I)は、24個、30個、40個、48個、60個、96個または384個のウェルを含む熱ユニットのための測定センサーの好ましい位置づけ構成を示している。上述の規則に基づいて、また場合によっては図3の図に基づいて、当業者であれば、24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルまたは384ウェルの熱ユニットを含めたあらゆるタイプの熱ユニットについて、温度測定センサーの一つまたは複数の最適な位置づけ構成を容易に決定することができる。

0053

温度測定センサーの好ましい位置づけ構成、そして特に図3(3A〜3L)に示されている位置づけ構成は、本発明の別の目的を構成する。

0054

パルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの概略図において、回転ステージは、慣例的に環状に1〜32、1〜36、1〜72または1〜99と付番されている32個、36個、72個または99個のウェルを有している。したがって温度測定センサーの好ましい位置づけ構成は、温度測定センサーの位置づけ座標により記載された以下の構成からなる:
−32ウェル(図3J):1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31(2個に1個のウェル)
−36ウェル(図3K):1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35(2個に1個のウェル)
−72ウェル(図3L):1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69(4個に1個のウェル)
−99ウェル:1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95(5個に1個のウェル)。

0055

24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルまたは384ウェルのユニットの概略図(図3A図3I)において、各列は、図の上から下に向かう方向で慣例的にそれぞれA〜Pと付番されている2〜16個のウェルを含む。その上、各行は、図の左から右に向かう方向で慣例的にそれぞれ1〜24と付番されている5〜24個のウェルを含む。

0056

したがって、24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルまたは384ウェルの熱ユニット上の本発明に係る温度測定センサーの好ましい位置づけ構成は、温度測定センサーの位置づけ座標によって記載されている以下の構成からなる:
−24ウェル:1A、5B、8A、12B
−30ウェル:1A、1F、3C、5A、5F
−40ウェル:1A、1H、2C、4E、5A、5H
−48ウェル:1A、1H、2C、3E、4G、5D、6A、6H
−60ウェル:1A、1F、3D、4B、5F、6C、7A、8E、10A、10F
−96ウェル:1A、1H、3C、3F、5A、5E、5H、6C、8B、8E、8G、9A、10F、11C、12A、12H(戦略1)、または1A、1E、1H、2C、4D、4G、6A、6F、7D、8H、9B、9E、11C、11F、12A、12H(戦略2)
−384ウェル:1A、1P、5K、6F、9A、10I、10P、12E、15N、16D、16I、18B、20K、21F、24A、24P(戦略1)、または1A、1I、1P、4E、7N、8G、11A、11K、13H、15P、17C、17I、21E、21K、24A、24P(戦略2)。

0057

本方法の一部の実施形態においては、試験対象のサーマルサイクラーの熱ユニットを構成する熱調節素子一個あたり少なくとも三個、四個さらには五個の測定センサーが配置される。

0058

前述した好ましい構成を包含する一部の有利な実施形態においては、本方法のステップa)において、熱ユニットの選択されたスペース内に4個、5個、6個、8個、10個または16個の測定センサー一式が配置される。本出願人は、(i)熱調節素子一個あたりのセンサー数が最少である前述の条件での、そして任意には(ii)前記熱調節素子の各々におけるセンサーの配置条件での、熱ユニットの選択されたウェル内への4個、5個、6個、8個、10個または16個の測定センサー一式の配置が、24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェルおよび384ウェルの前記熱ユニットのフォーマットに関し万能の温度測定センサーの配置を構成するということを示したのであり、そのような配置は、類似の数のウェルを有する試験対象のサーマルサイクラーの如何に関わらず利用可能である。

0059

したがって、本発明の方法の別の態様によると、ステップa)において、24ウェル、30ウェル、40ウェル、48ウェル、60ウェル、96ウェル、384ウェルの前記熱ユニットについてそれぞれ、少なくとも4個、5個、6個、8個、10個、16個および16個の温度測定センサーが配置され、そして前記パルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの32ウェル、36ウェル、72ウェルおよび99ウェルの回転ステージについてそれぞれ、少なくとも16個、18個および18個の温度測定センサーが配置される。本発明の方法の別の有利な配置が、特に、利用される温度測定センサーの特定の実施形態の具体的特徴と関連づけて、以下で記載される。

0060

一部の実施形態において、測定センサーの温度プローブは、公知のタイプの熱電対プローブからなる。こうして、温度プローブは特に、当業者にとって周知のE、J、K、N、T、R、S、BまたはCタイプの熱電対プローブ、そしてPT100タイプの抵抗プローブの中から選択される。

0061

好ましくは、温度プローブは銅とニッケル合金で構成されたTタイプの熱電対プローブである。

0062

別の有利な特徴によると、測定センサーを構成する反応チューブ内に入った「液体」は、PCR反応の実施のための反応混合液の組成模倣した組成を有する液体からなる。一部の実施形態において、前記液体は蒸留水または脱塩水である。他の実施形態においては、前記液体は、PCR反応を実施するために一般に用いられているものと同じタイプの緩衝溶液である。さらに別の実施形態では、前記液体は、シリコーン油、またより好ましくはシリコーン油層で上部界面が覆われているPCR用タイプの緩衝溶液である。

0063

実際、本発明によると、本発明の測定センサーを構成する反応チューブ内に入った液体が、PCR反応の実施のために用いられる反応混合液にできるかぎり近い組成または密度を有する場合に、本方法のロバスト性および反復性が改善されることが示された。

0064

別の好ましい態様によると、測定センサーの反応チューブ内に入っている液体の「体積」は、少なくとも10μLである。本発明によると、10μL未満の液体体積の利用が、本方法の信頼性および再現性にとって不利であることが認められた。

0065

しかしながら、反応チューブ内に入った液体の体積は、後にPCR反応を実際に実施するために利用される可能性のある反応混合液の体積と類似していることが好ましい。場合に応じて、PCR反応のために用いられる反応混合液の体積は、10μLから50μLまで変動する。

0066

したがって、本発明に係る測定センサーの反応チューブ内に入った液体の体積は、好ましくは10μL〜50μLの前記液体を含む。

0067

本発明の温度測定センサーを構成する「反応チューブ」とは、(i)一般に下部が先細になっている円筒形本体と、(ii)チューブの内部体積を外部雰囲気から隔離し、こうしてチューブを液体および気体に対して密閉にすることのできる蓋とを含む、PCR反応を実施するために一般的に使用されている公知のタイプのあらゆるチューブを意味する。本明細書の以下の部分でさらに詳述されるように、本方法において使用される温度測定センサーは、その構造的特徴のため、ウェルの形状および容積の如何に関わらず、あらゆるタイプのサーマルサイクラー熱ユニットに適合可能である。特に、本発明の方法において用いられる測定センサーは、40μLの体積用のチューブを含めたきわめて小さい容積の反応混合液用チューブのためのウェルを備えた熱ユニットと共に使用可能である。本方法がパルス送りされる空気により熱調節されるエンクロージャの付いたPCRサーマルサイクラー装置の熱調整に利用される、本発明の実施形態において、「反応チューブ」は、このタイプの装置の中で従来使用されている毛細管またはプラスチックチューブを包含する。

0068

極めて好適には、温度プローブにより生成される信号の受信手段への温度プローブの「リンク手段」は、反応チューブの上縁部閉鎖位置の蓋の縁部との間(図1A図1D)を、またはチューブ本体を横断する通路を通して(図1E)、または蓋の壁を横断する通路を通して(図1C)通過することのできる、小さな直径の電気ケーブルからなる。

0069

小さな直径の電気ケーブルタイプのリンク手段は特に、蓋による前記チューブの閉塞を妨げることなく、ひいては反応チューブの縁部と閉鎖位置の蓋の縁部との間の接合部の密閉性に影響を及ぼすことなく、チューブの内側から外側に向かって通過することができる。

0070

好ましくは、最大でも2ミリメートルの直径、そして非常に好ましくは最大でも0.8ミリメートルの直径を有し、最小で0.2ミリメートルの直径をもつ電気ケーブルからなるリンク手段が使用される。

0071

本発明の測定センサーのために小さい直径のリンク手段を使用した結果として得られるもう一つの利点は、熱調節試験方法において用いられる測定センサー一式を構成するリンク手段全体の外形寸法がきわめて小さいという点にある。サーマルサイクラー装置の使用の「正常な条件における」本発明の方法の実施可能性に寄与するのは、この使用される測定センサーのリンク手段全体の外形寸法の小ささである。実際、リンク手段の小さい外形寸法は、サーマルサイクラーの正常な閉鎖をリンク手段が邪魔しないことを理由として、試験対象のサーマルサイクラーのタイプの如何に関わらず、「フードが閉じた」状態での試験の実施を可能にしている。同様に、本発明の方法は、ユーザーが熱ユニットにアクセスできないようになっている、熱ユニットへの反応チューブの自動補給システムが備わったサーマルサイクラーを試験するために実施され、成功をおさめた。このタイプのサーマルサイクラーの場合、自動補給機構起動時点での、装置の内部に向かう全てのリンク手段の移動が、装置の内部に向かう本発明の測定センサーの反応チューブの移動を妨げることはない。

0072

小さい直径をもつ電気ケーブルからなるリンク手段を本発明の測定センサーにおいて利用する結果として得られる、さらに別の有利な側面は、温度プローブ、つまり一般的には熱電対プローブによって生成される電気信号の伝送が、負荷効果無く行われるという点にある。負荷効果というのは、反応チューブ内に加えられた熱電対の全質量が、熱ユニットの温度調節に影響を及ぼさないほど充分低いものであることを意味している。

0073

同様にして、温度プローブ/リンク手段アセンブリの寸法が小さいことは、40μLチューブの場合を含め非常に小さい容積のチューブのためのウェルが備わった熱ユニットの正確性および熱的信頼性を試験するために使用可能な測定センサーの製造に適合している。これらの実施形態においては、この場合、温度測定センサーを構成する反応チューブとして市販の40μLチューブを使用することができる。

0074

本発明に係る温度測定センサーにおいて、温度プローブは、適切な溶接、例えば金属溶接、例えば金または銀溶接を用いて、リンク手段、好ましくは小さい直径の電気ケーブルと常時接触した状態に維持される。

0075

本発明に係るセンサーの他の実施形態において、温度プローブ(14)およびリンク手段(15)は、単一のケーブル、例えば銅/ニッケル合金製のT字タイプ熱電対ケーブルの異なる二つの部分を構成する。

0076

これらの実施形態において、反応混合液内に浸漬されたケーブルの端部は温度プローブ(14)の機能を有し、反応混合液中に浸漬された端部と信号受信手段に接続するための端部との間に置かれたケーブルの残りの部分は、ケーブルが導電性を有するために、リンク手段(15)の機能を果たす。

0077

好ましくは、リンク手段として用いられる電気ケーブルは、0℃〜104℃の範囲の温度に対し耐性を有する。その結果、この方法において使用される測定センサーは、PCR反応サイクルの実施のためにプログラミングされた温度設定値の如何に関わらず、そして特にDNAの変性段階のためにプログラミングされた温度設定値の如何に関わらず、サーマルサイクラーの熱調節試験に適合していることになる。

0078

別の態様によると、リンク手段として用いられる電気ケーブルは、反応チューブの上縁部と前記反応チューブの蓋の縁部との間に挿入された前記ケーブルの区域が受ける機械的応力により改変されない程度の機械的耐性を有する。

0079

上述の電気ケーブルは、所要耐熱性および機械的耐性という特性を同時に有する。機械的耐性の質を最適化するために、一部の実施形態において、前記電気ケーブルは、ケーブルが元々有する従来の被覆の上に重ねられた補足的被覆を有する。この補足的被覆のために用いられる材料は、低い熱伝導係数を有しかつ105℃超の温度に耐えることのできる材料である。ポリプロピレンPTFE、シリコーンという材料が、限定的にとは言わないまでも、本願に特に関係する。

0080

さらに別の態様によると、リンク手段は、当然のこととして、温度プローブによって生成された電気信号を信号受信手段まで伝送するのに充分な長さを有する。リンク手段の長さは、試験すべきサーマルサイクラーのタイプおよびこのサーマルサイクラーとの関係における信号受信手段の空間的配置のタイプに応じて、当業者によって容易に適合され得る。一般に、リンク手段の長さは、前記サーマルサイクラーとの関係における信号受信手段の大半の空間的配置において、あらゆるタイプのサーマルサイクラーを試験するために適合されていることが有利である。実際には、大部分の試験状況において、少なくとも50センチメートルのリンク手段の長さを利用することができる。少なくとも50センチメートルの長さには、少なくとも60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190および200センチメートルの長さが包含される。本発明によると、熱ユニット上への反応混合液用チューブの自動設置手段が備わったサーマルサイクラーを含めた、あらゆるタイプのPCRサーマルサイクラーを試験するために用いることのできる、本発明に係る測定センサーの製造のためには、少なくとも100センチメートルのリンク手段の使用が適しているということが示されている。

0081

栓の壁を通って(図1C)または、閉鎖位置で互いに嵌め合わさった反応チューブ本体の上縁部と蓋の下縁部との間の接合部において(図1A図1D)、または前記反応チューブの本体の壁を通って(図1E)リンク手段を通過させることができることにより、試験すべきサーマルサイクラーのタイプに完璧に適合し、製造が簡単であり、かつ原価が低い測定センサーを利用することが可能になっている。

0082

実際、所与の第1のタイプのウェルを備えた熱ユニットを有するサーマルサイクラーの第1の試験から、第1のものとは全く異なる所与の第2のタイプのウェルを備えたサーマルサイクラーの第2の試験への移行には、温度プローブ/リンク手段アセンブリを、第1のタイプのウェルに適合した第1のタイプの反応チューブから引き出し、選択された量の液体が充填されることになる所与の第2のタイプのウェルに適合した第2のタイプの反応チューブに再び入れるという一つの作業しか必要とされない可能性がある。

0083

換言すると、異なるタイプのサーマルサイクラー装置についての、本発明に係る正確性および熱的信頼性の試験方法は、第1の所要の測定センサーから第2の所要の測定センサーへと構成器材を完全に交換する必要なく実施可能である。

0084

これらの具体的利点は、本発明の測定センサーを用いた場合に、以下の理由により得ることができるものである:
−温度プローブ/リンク手段アセンブリを、利用される反応チューブ内に導入するだけでよいため、本発明に係る測定センサーの製造には、利用される反応チューブに特定の修正を加える必要が全く無い。
−異なるタイプのサーマルサイクラーのための一連の測定センサーを製造する場合、必ずしも所望の測定センサーと同じ数の温度プローブ/リンク手段アセンブリを利用する必要はない。

0085

本発明に係る熱センサーの製造のためには、温度プローブ/リンク手段アセンブリは、リンク手段と接触している一方の端部の反対側にある温度プローブの自由端部が、反応チューブ内に収容された液体の中に少なくとも部分的に浸漬されるような形で、反応チューブ内に導入される。

0086

実施例において開示されているとおり、サーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節を試験するための方法の実施は、装置の実際の熱調節条件を決定するためにうまく応用可能である。実際、本出願人は、メーカーの技術説明書中で記載されているサーマルサイクラーの性能特性と本発明の方法により実際の使用条件で測定された特性との間には、少なくとも正確性および熱的信頼性に関して、時として非常に大きな有意な差異が存在することを観察した。こうして、現在、本発明の方法は、サーマルサイクラーのユーザーが試験対象の熱ユニットの問題のゾーン全体を精確に決定することを可能にしている。特に、本発明の方法によって、ユーザーには、今後、試験対象の熱ユニットの問題のゾーン全てについて、そして一回または複数回のPCR反応サイクルを含む試験の持続時間全体について、最初にプログラミングされた設定値と実際値との間に場合によって存在する温度偏差の情報が提供される。その結果、本発明の方法により、ユーザーは今後、約30秒〜1分というかなり短い持続時間内で、(i)変性段階からハイブリダイゼーション段階へ、(ii)ハイブリダイゼーション段階から伸長段階へ、そしてその後(iii)伸長段階から次のPCR反応サイクルの変性段階へ連続して移行する場合に、変性段階、ハイブリダイゼーション段階および伸長段階の温度の実際値のみならず、プログラミングされた温度変動段階中の複数の瞬間における温度値も入手することができる。一般に「温度移行」段階とも呼ばれる温度変動段階が生じる際の条件は、最終的な結果に対し有意な影響を及ぼす。ところが、本出願人は、多数のサーマルサイクラーについて、反応混合液の実際の温度が、当初プログラミングされた設定値よりも高いかまたは低いものであり得、さらには、同じ「温度移行」段階についても、考慮対象のPCR反応サイクルの段階によって、考慮対象の「温度移行」段階の瞬間に応じて、(i)まず設定値より高く、次に設定値より低いか、または(ii)まず設定値より低く、次に設定より高いものであり得ることを示した。

0087

一般的に、本発明に係るPCR用のサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節を試験するための方法により、ユーザーは、PCR用のサーマルサイクラー装置の実際の性能を知ることができ、こうしてこのユーザーは装置のプログラミング、特に温度設定値を適合させ、場合によっては「温度移行」段階の持続時間の値をも適合させて、後に、選択された絶対条件に近い条件に従ってPCR反応を実施することができる。

0088

こうして、PCR用サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性を試験するための方法は、試験対象の熱ユニット、そしてより一般的には前記サーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性の欠陥を決定する追加のステップd)を含むことができる。

0089

「正確性および熱的信頼性の欠陥の決定」というのは、本質的に(i)サーマルサイクラーがプログラミングされた設定値と、(ii)本方法のステップc)において測定された作動実際値との間の比較計算を意味する。

0090

設定値と測定された実際値との間の比較によって、試験対象のサーマルサイクラーの「性能」の計算が可能になる。

0091

PCR用サーマルサイクラーの「性能」には、(i)温度の精度、(ii)温度の均一性、および(iii)「温度移行」の速度が包含される。

0092

温度の精度は、所与の瞬間「t」における、異なる測定センサーにより測定された温度値の平均からなる。温度の精度は、以下の式(I)に従って計算することができる:
E=Tprog−Tmean(I)、
なお式中、
−Eは、例えば摂氏温度で表現された温度の精度の値を意味し、
−Tprogは、サーマルサイクラー上でプログラミングされた温度設定値を意味し、
−Tmeanは、同じく摂氏温度で表現できる、前記瞬間「t」の全測定センサーによって測定された平均温度値を意味し、
ここで、平均温度値Tmeanはそれ自体、以下の式(II)に従って計算される:



なお式中、
−Tprobe(i)は、測定センサー(i)により測定された温度測定値を意味し、
−nは、熱ユニット上またはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャ内に配置された温度測定センサーの数に等しい整数である。

0093

温度の均一性は、瞬間「t」において測定センサーにより測定された最高温度値最低温度値の間の偏差からなる。温度の均一性の値は、以下の式(III)に従って計算することができる:
U=Tmax−Tmin(III)、
なお式中、
−Uは、摂氏温度で表現できる、温度の均一性の値であり、
−Tmaxは、前記瞬間「t」における、測定センサーにより測定された最高温度値であり、
−Tminは、前記瞬間「t」における、測定センサーにより測定された最低温度値である。

0094

「温度移行」速度は、プログラミングされた一つの温度値から別の温度値へと移行するために必要な時間からなる。「温度移行」速度は、以下の式(IV)に従って計算することができる:



なお式中、
−「平均温度移行速度」は、毎秒の摂氏温度数で表現することのできる「温度移行」速度値であり、
−T1は、瞬間t1において測定された温度値であり、
−T2は、瞬間t2において測定された温度値である。

0095

本発明は同様に、PCRサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの回転ステージのウェルの温度測定センサーにおいて、
(i)試験対象の熱ユニットのタイプに適合した反応チューブと、
(ii)前記反応チューブを少なくとも部分的に満たす、選択された量の液体と、
(iii)前記液体中に少なくとも部分的に浸漬させられた温度プローブと、
(iv)前記温度プローブと前記温度プローブにより生成される信号の受信手段との少なくとも一つのリンク手段と、
を含む温度測定センサーをもその目的としている。

0096

本発明に係る温度測定センサーの他の有利な特徴は、本明細書中ですでに記載されている。

0097

本発明は同様に、PCR用サーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性を試験するためのシステムにおいて、
a)以上で定義されたとおりの、複数の温度測定センサーと、
b)前記センサーの各々により生成される温度測定信号の少なくとも一つの受信手段と、
を含むシステムをもその目的としている。

0098

PCR用のサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性を試験するためのシステムは、図4に示されているこのシステムの実施形態を参考にして、以下で記載される。

0099

前記システムは、複数の測定センサー(1)を含み、この測定センサーのリンク手段(15)は、前記センサー(1)の温度プローブとは反対側のその端部において、前記センサー(1)により生成された温度測定信号の受信手段(20)に連結されている。

0100

図4の概略図では、測定センサー(1)は、試験対象のサーマルサイクラー(40)に具備された熱ユニット(41)のさまざまなウェル内に配置されている。図4では、写実的な形で表されてはいないものの、本発明の方法を実施するためには、サーマルサイクラー(41)は正常な作動条件、すなわち「フード閉鎖状態」にあることを理解しなければならず、これは、各々のリンク手段(15)の好ましくは1ミリメートル未満という小さい直径によって、ひいては複数のリンク手段(15)で構成された束の外形寸法が非常に小さいことによって可能となっている。

0101

信号受信手段(20)は、温度プローブ、好ましくは熱電対プローブによって生成される電気信号の受信に適合した任意のタイプの装置からなるものでよい。好ましくは、温度プローブの各々によって送出されたアナログ信号デジタル信号に変換するモジュールを含む信号受信手段が利用されて、このデジタル信号は次に適切なデジタルコンピュータ内で処理され得る。好ましくは、毎秒数回各々の測定センサーが生成する信号の処理のために適合された信号受信手段が利用される。好ましくは、毎秒少なくとも5ヶ所の測定点という収集および処理頻度で各測定センサーから受信した信号を処理することができる受信手段が使用され、この頻度には、毎秒少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45ヶ所の測定点または少なくとも50ヶ所の測定点が含まれる。当然のこととして、本方法において使用される全ての温度測定センサーに由来する信号を処理できる受信手段が選択される。例えば、Fluke社から販売されているNetDaq(登録商標)2640Aタイプの収集手段を使用することができる。

0102

信号受信手段(20)は、デジタルコンピュータの中央処理ユニット(31)に連結されている。前記デジタルコンピュータは、中央処理ユニット(31)に加えて、同様に中央処理ユニット(31)に連結されたキーボード(32)またはポインティングデバイス(33)といったデータ入力手段を少なくとも一つ含む。

0103

デジタルコンピュータは、少なくとも一つのデータプロセッサおよび少なくとも一つのデータ記憶手段を含む。

0104

本明細書中で定義づけされているPCR用サーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性を試験するための方法を実施する場合、受信手段(20)に向かって測定センサー(1)が伝送する信号は、それがアナログタイプのものである場合、デジタル信号に変換される。このように生成されたデジタル信号は、好ましくはデジタルコンピュータのメモリー内に記憶される。前記デジタル信号は、複数の瞬間「t」において各測定センサー(1)が測定する温度値の集合または全温度値からなる。したがって、データのセットは、二次元マトリクスの形を呈していてよく、これらのマトリクス内で、記憶された各々の温度値に対して、前記値を生成した測定センサー(1)のリファレンスおよび前記値が生成された瞬間「t」が結びつけられる。

0105

その後、デジタルコンピュータ内で、上述の測定データを処理することができる。例えば、デジタルコンピュータのメモリーに、試験対象のサーマルサイクラーの性能、例えばそれぞれ(i)温度の精度、(ii)温度の均一性、および(iii)「温度移行」速度の各値を計算するための論理命令一式を含む、コンピュータプログラムをロードすることができる。例えば、(i)所与の1サイクルについての温度の精度および均一性の各値に応じて評価される、一回のPCR反応サイクルの性能の計算、(ii)複数のPCR反応サイクル、すなわち場合によっては、完全なPCR反応の全サイクルについての性能の計算(これによって、適用された全サイクルおよび使用された測定センサー(1)の数について計算された性能の値が得られる)、あるいはさらに(iii)1サイクル、複数のサイクルまたはPCR反応に含まれる全サイクルについての、所与の測定センサー(1)によって生成された温度測定データに基づく温度の精度および温度の均一性の各値の計算からなる、ゾーン性能の計算を実施することができる。この最後の計算により、場合によって発生する、熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの熱調節の不均質性を、最適な形で評価することが可能になる。

0106

PCR用のサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性についての一つまたは複数の性能パラメータの計算のための命令一式を含むコンピュータプログラムを、例えば、一般的な表計算ソフトウェアデジタルファイル内に記憶された測定データから、処理用マクロコマンドを書き込むことによって実施することができる。

0107

好ましくは、各々の一定温度域について、試験対象のサーマルサイクラーの性能が特徴づけされる。

0108

こうして、本発明の方法によって、ユーザーは今後、サーマルサイクラーの熱調節条件を非常に精確な形で制御し、経時的に前記熱調節条件の安定性を確認することができる。

0109

同様に、設定値との関係における所与のサーマルサイクラーの温度のずれの値を精確な形で知ることになったユーザーは、今後、所望の温度条件と同じかまたはほぼ同じ実際の温度条件下でPCR反応を実施するために、本発明の方法および測定センサーで測定された温度のずれを補償することができる。

0110

PCR用のサーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節の物理的試験方法は、当業者にとって周知の生物学的調整試験によって補完または確認され得る。

0111

本発明は同様に、PCR用のサーマルサイクラーの正確性および熱的信頼性を試験するための方法において、
a)本明細書中で以上に定義したとおりの物理的較正試験方法を実施するステップと、
b)各々公知の全く異なる最適なハイブリダイゼーション温度を有する複数のプライマー対を用いて、生物学的調整試験を実施するステップと、
を含む方法にも関する。

0112

本発明のニーズに応えて、前述した物理的調整試験と併せてまたは物理的較正試験とは別個に使用するための生物学的調整試験が特に開発された。

0113

本発明の生物学的調整試験は、原理的に、まず最初に、所与のPCR用サーマルサイクラー装置に対するその利用のための閾値温度を決定すること、次に前記サーマルサイクラーのために決定された閾値温度で前記試験を周期的に使用して、熱ユニット全体について熱ユニットの調節を確認することからなる。

0114

後で特徴を明記する、決定すべき閾値温度は、各々連続して(i)DNA変性段階、(ii)核酸プライマーのハイブリダイゼーション段階、および(iii)プライマー伸長段階を含む複数のPCR反応サイクルからなるPCR反応における、プライマーのハイブリダイゼーションの閾値温度である。

0115

本発明の生物学的調整試験は、各々特異的な理論的温度「Tm」、すなわち融解温度で標的DNA上にハイブリダイズする、複数の核酸プライマー対の特性に基づくものであり、連続したプライマー対は約5℃の間隔の融解温度でハイブリダイズする。

0116

好ましくは、本発明の調整試験においては、使用される反応溶液中での標的DNAへの最適なハイブリダイゼーション温度値がそれぞれ50℃、55℃、60℃および65℃である、三つまたは四つのプライマー対が使用される。

0117

本発明の調整方法の第1ステップは、装置によって測定されたハイブリダイゼーション温度値であり、使用されるプライマー対の各々を用いた標的DNAからのアンプリコンの生成が検出される「閾値温度」の値を、試験対象のサーマルサイクラー装置について特に決定することからなる。反応混合液としては、
−PCR用緩衝溶液と、
−増幅すべき標的DNAと、
−全く異なる最適ハイブリダイゼーション温度を有する三つまたは四つのプライマー対と、
−例えばTaqポリメラーゼなどの耐熱性DNAポリメラーゼと、
を含む媒質が使用される。

0118

試験すべきサーマルサイクラー装置は、それぞれDNA変性段階、核酸プライマーのハイブリダイゼーション段階、および核酸プライマー伸長段階の各々についての所望の温度をプログラミングすることによって準備される。

0119

実施例2および実施例3の場合のように、蛍光マーカーを含む核酸プライマーが使用される場合、「閾値温度」の値は、サーマルサイクラー内でプログラミングされたハイブリダイゼーション温度の値であり、この温度で、使用されるプライマー対の各々からのDNAの伸長により生成されたアンプリコンについての蛍光が同時に検出される。

0120

各プライマー対での増幅反応の発生の視覚化は、(i)増幅されたDNA全てのゲル電気泳動、次に(ii)各核酸プライマー対の伸長により生成されるアンプリコンに対応するDNAバンドの蛍光による検出によって実施されてよい。

0121

好ましくは、閾値温度を決定するステップのために、連続するウェル間にハイブリダイゼーション温度勾配を生成するような形でサーマルサイクラーを使用して、上述の反応媒質を用いて、異なる連続するウェルについて増大するハイブリダイゼーション温度の範囲で同時の増幅反応を実施し、ここで前記ハイブリダイゼーション温度の範囲は、使用される全核酸プライマー対により網羅される最適なハイブリダイゼーション温度範囲の少なくとも中央部分を網羅するものであり、すなわちできれば56℃〜60℃の、サーマルサイクラー内でプログラミングされたハイブリダイゼーション温度範囲内にある。

0122

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、下限が最低45℃である(これには最低46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃および56℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0123

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、上限が最高70℃である(これには最高65℃、64℃、63℃、62℃および61℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0124

例えば、サーマルサイクラーは、56℃〜60℃のハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされてよい。

0125

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる変性温度は95℃である。

0126

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる伸長温度は72℃である。

0127

試験対象のPCR用サーマルサイクラー装置についての「閾値温度」の値は、三つまたは四つのプライマー対の各々を用いた標的DNAの増幅が観察されているウェルの、サーマルサイクラー装置により測定されたハイブリダイゼーション温度である。

0128

好ましくは、PCRサーマルサイクラーの熱調節の生物学的調整方法を実施するために、以下のプライマー対が使用される:
(i)50℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対、
(ii)55℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対、
(iii)60℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対、
(iv)65℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対。

0129

配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対は、非常に高い再現性で、ヒトDNA、特にヒト胎盤DNAの同じ遺伝子上の483塩基対フラグメントを増幅するために特異的に開発されたものである。配列番号7と配列番号8の配列のプライマー対は、それらを含む組成物、特にPCR用サーマルサイクラー装置の正確性および熱的信頼性の生物学的調整試験において使用するための組成物と同様、本発明の目的を構成している。

0130

好ましくは、PCRサーマルサイクラーの熱調節の生物学的調整方法を実施するためには、ヒト胎盤標的DNAが使用される。一例としては、Sigma社がD4642番の照会番号で販売しているヒト胎盤DNAを使用することができる。

0131

その後、試験対象のPCRサーマルサイクラーについて閾値温度を決定した後、所望される場合、例えば経時的に定期的に、または機能不良の疑いがある場合に、調整検定を実施して、前記装置の熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの熱調節を確認することができる。

0132

好ましくは、前記サーマルサイクラーをウェル全体について同一の温度にプログラミングし、前記熱ユニット内に含まれる熱素子の各々の中に少なくとも二本の反応混合液用チューブが配置されるような形で、前記熱ユニットの表面上に分布したウェル内に上述の反応混合液用チューブを配置するか、またはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャについては、PCR用チューブもしくは毛細管のために設けられたスペースにこれらを配置して、これらのスペースの少なくとも半分が反応混合液用チューブにより占有されるようにすることによって、前記サーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性が確認される。一般に、各々の熱素子は、ほぼすべてのサーマルサイクラー装置において、熱ユニット内に含まれるペルティエ効果式の加熱素子の各々からなる。

0133

以上の説明から、本発明は同様に、PCR用サーマルサイクラー装置の熱ユニットの調節の生物学的調整方法において、
a)前記サーマルサイクラー装置のために、調整閾値温度を決定するステップであって、前記調整閾値温度が、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で(i)配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対、(ii)配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対、(iii)配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対、ならびに(iv)多少の差こそあれ配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、というプライマー対の各々によりヒトの胎盤に由来するDNAが増幅される温度である、サーマルサイクラーによって測定されたハイブリダイゼーション温度であるステップと、
(b)(i)ステップa)で決定された閾値温度に等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度で、PCR反応を実施し、次に(ii)前記プログラミングされた閾値温度で、ステップa)で定義されている三つまたは四つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されることを確認することによって、前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節を試験するステップと、
を含む方法をも目的とすることになる。

0134

好ましくは、前記熱ユニットの表面上に分布したウェル内に上述の反応混合液用チューブを配置して、少なくとも二本の反応混合液用チューブが、前記熱ユニット内に含まれた熱素子の各々、すなわち一般にペルティエ効果による加熱素子の各々の中に配置されているようにすることによって、ステップb)を実施する。

0135

本発明は同様に、前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節試験による、PCR用サーマルサイクラーの生物学的調整方法において、
a)前記サーマルサイクラーの調整閾値温度に等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度でPCR反応を実施するステップであって、前記調整閾値温度が、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で(i)配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対、(ii)配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対、(iii)配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対、ならびに(iv)多少の差こそあれ、配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、というプライマー対の各々によりヒトの胎盤に由来するDNAが増幅される温度である、サーマルサイクラーによって測定されたハイブリダイゼーション温度であるステップと、
(b)前記プログラミングされた閾値温度で、ステップa)で定義されている四つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されることを確認するステップと、
を含む方法にも関する。

0136

本発明は同様に、PCR用サーマルサイクラー装置の生物学的調整試験を実施するための核酸プライマー組成物において、
(i)50℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号1および配列番号2の配列のプライマー対と、
(ii)55℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号3および配列番号4の配列のプライマー対と、
(iii)60℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号5および配列番号6の配列のプライマー対と、
(iv)65℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号7および配列番号8の配列のプライマー対、
という核酸プライマー対を、組合せた形でまたは別個の形で含む組成物をも目的としている。

0137

好ましくは、上述の組成物において、各々のプライマー対は、別個の容器内に含み入れられている。

0138

好ましくは、上述の組成物において、プライマーは凍結乾燥された形を呈し、プライマー溶液は、場合に応じて脱塩蒸留水または適切な緩衝溶液を加えて復元させた後、PCRサーマルサイクラー装置の生物学的調整試験を実施するために使用可能である。

0139

本発明に係る生物学的調整方法の別の実施形態は、実施例3で例示されている。本発明の生物学的調整試験のこのもう一つの実施形態においては、内含されたプロモーターおよびプラスミドpBR322のアンプリコン、すなわち適切なプライマー(例えば配列番号11および配列番号12の配列のプライマー)により増幅された核酸がアガロースゲル上で増幅シグナルを全く与えなくなる閾値温度(Tt)が、サーマルサイクラー上で決定される。この試験は誤差が0.5℃の感度を有する。

0140

したがってユーザーは、プライマーのハイブリダイゼーション段階のための温度勾配検定を実施して、この限界閾値温度を決定しなければならない。その後ユーザーは、それぞれ、
−温度1:Tt−1℃
−温度2:Tt−0.5℃
−温度3:Tt
という三つの固定プライマーハイブリダイゼーション温度でPCR試験を実施する。

0141

好ましくは、閾値温度を決定するステップのために、連続するウェル間にハイブリダイゼーション温度勾配を生成するような形でサーマルサイクラーを使用して、以下で記載する反応媒質を用いて、異なる連続するウェルについて増大するハイブリダイゼーション温度の範囲で同時の増幅反応を実施し、ここで前記ハイブリダイゼーション温度の範囲は、使用される二つの全核酸プライマー対により網羅される最適ハイブリダイゼーション温度範囲の少なくとも中央部分を網羅するものであり、すなわちできれば58℃〜64℃の、サーマルサイクラー内でプログラミングされたハイブリダイゼーション温度範囲内にある。

0142

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、下限が最低55℃である(これには最低55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃および64℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0143

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、上限が最高70℃である(これには最高65℃、64℃、63℃、62℃および61℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0144

例えば、サーマルサイクラーは、58℃〜64℃のハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされてよい。

0145

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる変性温度は95℃である。

0146

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる伸長温度は72℃である。

0147

試験対象のPCR用サーマルサイクラー装置についての「閾値温度」の値は、プライマーpBR322F01およびpBR322R03の対を用いた標的DNApBR322の増幅の欠如が観察されているウェルの、サーマルサイクラー装置により測定されたハイブリダイゼーション温度である。

0148

好ましくは、PCRサーマルサイクラーの熱調節の生物学的調整方法を実施するために、以下のプライマー対が使用される:
(v)60℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対;
(vi)プロモーターpBR322のアンプリコンがアガロースゲル上で増幅シグナルを全く与えなくなる閾値温度(Tt)よりも0.5℃低い限界ハイブリダイゼーション温度を有する、配列番号11および配列番号12の配列のプライマー対。

0149

したがって、本発明は、PCR用サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたは熱制御されたエンクロージャの正確性および熱的信頼性の生物学的調整方法において、
a)前記サーマルサイクラー装置のために、調整閾値温度(Tt)を決定するステップであって、前記調整閾値温度(Tt)が、
(i)耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対により環状プラスミドDNA(「標的DNA」)が増幅される温度である、サーマルサイクラーにより測定されるハイブリダイゼーション温度と、
(ii)耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で配列番号11および配列番号12の配列のプライマー対により環状プラスミドDNA(「標的DNA」)が増幅されない温度である、サーマルサイクラーにより測定される限界ハイブリダイゼーション温度、
という条件(i)および(ii)が確認される共通の温度値であるステップと、
b)前記サーマルサイクラー装置の熱ユニットまたは熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性を試験するステップであって、該試験が、
b1) (1)ステップa)で決定された閾値温度(Tt)、(2)ステップa)で決定された閾値温度(Tt)よりも0.5℃低い温度(Tt−0.5℃)、および(3)ステップa)で決定された閾値温度よりも1℃低い温度(Tt−1℃)にそれぞれ等しいプログラミングされたハイブリダイゼーション温度で、三回のPCR反応を実施するステップと、
b2) (1)前記温度(Tt−0.5℃)および(Tt−1℃)で、配列番号9〜10および配列番号11〜12の二つのプライマー対の各々を用いて前記標的DNAが増幅されること、ならびに(2)ステップa)で決定された前記閾値温度(Tt)で、配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対のみを用いて前記標的DNAが増幅されること、を確認するステップと、
を実施することによって行われるステップと、
を含む方法にも関する。

0150

本発明は同様に、PCR用サーマルサイクラー装置の生物学的調整試験を実施するための核酸プライマー組成物において、それぞれ配列番号9〜10の配列のプライマー対と配列番号11〜12の配列のプライマー対という二つのプライマー対を含む組成物にも関する。

0151

本発明はさらに、以下の実施例により例証されるが、これに限定されるわけではない。

0152

実施例1:温度動態プロフィールの決定
PCR反応動態の特徴的プロフィールをよりよく評価するために、市販の複数のサーマルサイクラーについて本発明の方法を用いて異なる熱調節試験を実施した。

0153

試験対象の装置の如何に関わらず、一般に得られるのは同じプロフィールである。熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの調節モードが正しい場合、温度プロフィール線形で完全に釣合いがとれている。図5A1(変性段階)、図5A2(ハイブリダイゼーション段階)および図5A3(伸長段階)の動態プロフィール上には、平坦域の始まりと終わりが明白に識別できる。

0154

熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されるエンクロージャの正確性および熱的信頼性が不均質または不精確である場合、温度平坦域の始めに過渡的な段階が見られる。その持続時間は多少の差こそあれ長い。この段階は、図5B1(変性段階)、図5B2(ハイブリダイゼーション段階)および図5B3(伸長段階)の動態プロフィール上で示されているように、平坦域の平均温度との関係において正または負のピークの形で特徴づけされ得る。

0155

過渡的段階は同様に、温度の非常に穏やかな上昇または下降の形で現れる可能性もあり、したがって、図5C1(変性段階)、図5C2(ハイブリダイゼーション段階)および図5C3(伸長段階)の動態プロフィール上に示されているように、平坦域の真の出発点を定めるのは不可能である。

0156

したがって、サーマルサイクラーの熱ユニットまたはパルス送りされる空気により熱制御されたエンクロージャの調節の方法、測定センサー、そしてより一般的には測定システムは、実用に供し得るものである。

0157

測定センサーに由来する信号の受信手段により収集されたデータのデジタル処理プログラムも開発された。

0158

実施例2:生物学的較正試験の説明[戦略2]
以下で記載する生物学的較正試験を、Yangらの論文(Use of multiplex polymerase chain reactions to indicate the accuracy of the annealing temperature of thermal cycling ; Analytical Biochemistry、Vol.338(2005):192−200)中に含まれている情報に基づいて実施した。

0159

試験では、同じ組織の異なる二つの遺伝子を標的とする。標的DNAは、SIGMA社が販売しているヒト胎盤DNAである(SIGMA−Aldrich、St.Louis、MO;照会番号D4642)。

0160

Yangら(2005年)の論文は、四つのプライマー対を用いた多重PCR反応について記載していた。しかしながら、本出願人は、「482」と呼ばれるYangら(2005年)が記載した第4のプライマー対が機能的ではないことを観察した。

0161

本実施例で記載されている試験は、Yangら(2005年)によって記載された四つのプライマー対のうちの三つ、すなわちそれぞれ「200」、「300」および「400」と呼ばれるプライマー対を使用している。

0162

「480」と呼ばれる第4のプライマー対をこの実施例のために特に開発した。より厳密には、「480」と呼ばれるプライマー対は、新しい特異的プライマー、つまり配列番号8の配列のプライマー「DNA AS483」を含み、このプライマーは、配列番号7の配列のプライマー「DNA S480」と併用した場合、483塩基対のアンプリコンの生成を可能にする。

0163

・ 200:最適ハイブリダイゼーション温度が50℃のフラグメント
DNA配列S200:5’CACACTTCTATTTACCCAT3’(配列番号1)
DNA配列AS200:5’TTGTTTAATAGAGACGAAGG3’(配列番号2)
・ 300:最適ハイブリダイゼーション温度が55℃のフラグメント:
DNA配列S300:5’ATGGACATTTACGGTAGTGG3’(配列番号3)
DNA配列AS300:5’AAGTATTTCAATGCCGGTAG3’(配列番号4)
・ 400:最適ハイブリダイゼーション温度が60℃のフラグメント:
DNA配列S400:5’GCTAGCTGTAACTGGAGCCG3’(配列番号5)
DNA配列AS400:5’GTCTGCTGAAACTGCCAACA3’(配列番号6)
・ 480:最適ハイブリダイゼーション温度が65℃のフラグメント:
DNA配列S480:5’GGCCTGCTGAAAATGACTGA3’(配列番号7)
DNA配列AS483:5’CAAAACAAAACAATATATACATTCCAA3’(配列番号8)

0164

したがって、プライマーAS483は、実施例の具体的試験では、Yangら(2005年)の論文中で当初予想されたように480bpではなく同じ遺伝子上の483bpのフラグメントを増幅するためのS480の相補的プライマーである。

0165

1ウェルあたり5〜30ngの純粋な胎盤DNAを加える。

0166

エンドポイントPCR試験
プライミング限界条件下で複数の標的DNAを増幅し、温度の上昇または低下を明らかにするため、ハイブリダイゼーション温度勾配で多重PCRを実施する。勾配は、PCRユニットの各列かまたは各行(市販のPCR装置の型式による)で、異なるプライマーのハイブリダイゼーション温度を得ることからなる。

0167

0168

プライマー溶液の調製は、経時的な実験再現性にとってきわめて重要なステップである。吸引すべき体積に適合した、正確かつ再現性のある、最新度量衡検査を受けたピペットを使用するようにする。同様に、(NanoVueTMまたはNanoDropTMを用いて精確に再量した)各プライマーの単一のロットを準備することも心がけ、そこからアリコート画分を採取する。初期ロットに由来する各々のアリコート画分を、一回使いきりで使用する。MgCl2、プライマー、ならびにさまざまなTaqポリメラーゼのさまざまな濃度を比較研究した上で、プライマーの最終濃度確立した。

0169

使用したPCRプログラムは、以下の表2中に記されている。

0170

0171

第1世代(2006年以前)のサーマルサイクラーは、3℃/秒の最大「温度移行」温度を有し、一方第2世代のサーマルサイクラー(2006年以降)は4℃/秒の最大「温度移行」温度を有する。

0172

ただし、勾配の選択肢をもたない装置については、PCRは最初の一回を閾値温度前後の二つの理論的温度で実施され、次に3本または4本のバンドが存在する制御閾値温度で実施されるものである。

0173

0174

NTC:DNA無しの陰性対照(「No Template Control」の略)
Plac D10:10倍に希釈した胎盤DNA30ng

0175

結果は図6(a、b)(サーマルサイクラーA)と図7(a、b)(サーマルサイクラーB)に示され、これらの図は、2%のアガロースゲル上のアンプリコンの移動写真からなる。電気泳動による移動は、120ボルトで行われる。

0176

図6a中、4本のバンドが同じ強度で存在する限界点は58℃にある。その0.7℃前では3本の鮮明なバンド(480、400および200bp)だけが得られ、0.7℃後では2本の鮮明なバンド(480および400bp)だけが得られる。

0177

この試験は、温度上昇および温度降下に対して誤差0.7℃の感度を有する。

0178

図6b中、3本のバンドが同じ強度で存在する限界点は、58.1〜58.6℃の間を跨いで58.3℃にある。その0.7℃前では2本の鮮明なバンド(400および200bp)だけが、そして0.7℃後では2本の鮮明なバンド(400bp)だけが得られる。

0179

この試験は、温度上昇および温度降下に対して誤差0.7℃の感度を有する。

0180

図7a中、4本のバンドが同じ強度で存在する限界点は、58.9〜58.2℃の間にある。その0.7℃前では1本の鮮明なバンド(400bp)だけが、そして0.7℃後では1本の鮮明なバンド(200bp)だけが得られる。300bpのバンドは非常に弱く、480bpのバンドは見えない。

0181

図7b中、3本のバンドが同じ強度で存在する限界点は、57.2〜57.8℃の間にある。0.6℃前では2本の鮮明なバンド(200および300bp)が、そして0.6℃後では2本の鮮明なバンド(300および400bp)が得られる。まさに期待した3本のバンドがある。

0182

この試験は、装置によってもメーカーによっても異なる。上述の反応混合液に基づいて、ユーザーは、制御するべき各装置について制御図を作成し、こうして4本のバンドのうちの少なくとも2本が見られる装置の閾値温度を決定しなければならない。

0183

反応混合液は異なる標的間で良い平衡が得られるように最適化されていることから、この制御図は、初めは装置の温度移行速度の調整によって、そしてその後必要な場合にはDNA鋳型の濃度の調整によって完成される。

0184

この図がひとたび作成され、この閾値温度が決定されたならば、ユーザーは、例えば3ヵ月毎に、あるいは異常な結果が観察された場合に、この閾値温度でプレート全体にわたり1回のPCR反応を実施するだけでよい。

0185

勾配は、試験の完成にのみ必要である。

0186

この試験は、ユニット上の16ヵ所を位置づけするためのスキーマを順守して、一つの装置上で、3本のバンドを有するモデルについて固定温度で実施された。図8a中、57.6℃という選択された温度は閾値温度に先行し、2本のバンド(200および300)しか見られない。

0187

図8b中では、58.3℃(58.1〜58.6℃の間)という選択された温度は閾値温度であり、まさに3本のバンド(200、300および400)が見られる。

0188

図8cでは、59℃という選択された温度は閾値直後の温度であり、2本のバンド(300および400)だけが見られる。

0189

実施例3:別の生物学的較正試験の説明[戦略3]
1.鋳型
市販の鋳型:Invitrogen製のGateway(登録商標)pDESTTM14Vector
カタログ照会番号:11801−016
公知の配列を有する6μgに秤量された6422bpの環状プラスミド

0190

2. 50〜65℃の間の使用温度の如何に関わらずPCR反応の機能が有効であると確認する陽性内部対照プライマー
標的は、ベクターpDEST14のAMPアンピシリン遺伝子配列である(遺伝子のサイズ=861bp)。

0191

得られたアンプリコンのサイズは78bpである。

0192

使用されたAMP遺伝子の配列上のオリゴは以下のとおりである:
オリゴコードAMPF01:5’GA TAAATCTGG AGCCGG TGA3’(配列番号9)、供給業者によるオリゴ生産時の簡単な脱塩あり。
オリゴコードAMPR01:5’GA TAC GGG AGG GCT TACCAT3’(配列番号10)、供給業者によるオリゴ生産時の簡単な脱塩あり。

0193

3.鋳型上でのプライマーのハイブリダイゼーション段階時における0.5℃の温度偏差の検出を可能にする生物学的試験のプライマー
標的は、ベクターpDEST14のプロモーターpBR322の配列である(プロモーターのサイズ=674bp)。

0194

以下のプライマーが付着した場合に得られるアンプリコンのサイズは198bpである。

0195

オリゴコードpBR322F01:5’CC GGA TCA AGAGCTACCAAC3’(配列番号11)、供給業者によるオリゴ生産時の簡単な脱塩あり。
オリゴコードpBR322R03:5’CA ACCCGG TAA GACACGACC3’(配列番号12)、供給業者によるオリゴ生産時のHPLCタイプの精製あり。

0196

プライマーpBR322R03は、3’位におけるオリゴの最後の塩基上にミスマッチを有する。このミスマッチにより、PCR反応の化学的条件および温度条件に応じて、標的配列上のこのプライマーの付着が不安定になる可能性がある。

0197

この試験の方法は、プロモーターpBR322のアンプリコンがアガロースゲル上で増幅シグナルを全く与えなくなる閾値温度(Tt)をサーマルサイクラーについて決定することからなる。この試験は、0.5℃の誤差の感度を有する。

0198

したがってユーザーは、プライマーの付着段階のための温度勾配検定を実施して、この限界閾値温度を決定しなければならない。その後ユーザーは、
−温度1:Tt−1℃
−温度2:Tt−0.5℃
−温度3:Tt
という三つの固定プライマーハイブリダイゼーション温度でPCR試験を実施するものである。

0199

好ましくは、閾値温度を決定するステップのために、連続するウェル間にハイブリダイゼーション温度勾配を生成するような形でサーマルサイクラーを使用して、以下で記載する反応媒質を用いて、異なる連続するウェルについて増大するハイブリダイゼーション温度の範囲で同時の増幅反応を実施し、ここで前記ハイブリダイゼーション温度の範囲は、使用される二つの全核酸プライマー対により網羅される最適なハイブリダイゼーション温度範囲の少なくとも中央部分を網羅するものであり、すなわちできれば58℃〜64℃の、サーマルサイクラー内でプログラミングされたハイブリダイゼーション温度範囲内にある。

0200

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、下限が最低55℃である(これには最低55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃および64℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0201

好ましくは、PCR用サーマルサイクラー装置は、上限が最高70℃である(これには最高65℃、64℃、63℃、62℃および61℃が含まれる)ハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされる。

0202

例えば、サーマルサイクラーは、58℃〜64℃のハイブリダイゼーション温度勾配を実現するようにプログラミングされてよい。

0203

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる変性温度は95℃である。

0204

好ましくは、サーマルサイクラー内でプログラミングされる伸長温度は72℃である。

0205

試験対象のPCR用サーマルサイクラー装置についての「閾値温度」の値は、プライマー対pBR322F01およびpBR322R03を用いた標的DNApBR322の増幅の欠如が観察されているウェルの、サーマルサイクラー装置により測定されたハイブリダイゼーション温度である。

0206

好ましくは、PCRサーマルサイクラーの熱調節の生物学的調整方法を実施するために、以下のプライマー対が使用される:
(vii)60℃の最適ハイブリダイゼーション温度を有する配列番号9および配列番号10の配列のプライマー対、
(viii)プロモーターpBR322のアンプリコンがアガロースゲル上で増幅シグナルを全く与えなくなる閾値温度(Tt)よりも0.5℃低い限界ハイブリダイゼーション温度を有する、配列番号11および配列番号12の配列のプライマー対。

0207

4.試験の条件
PCRミック

0208

PCRプログラム

0209

アガロースゲル上での分離
被着物:すでに緑色のローディングバッファーを含むPCR産物10μl
・ TAE0.5×
・ BioRad槽
電圧:80V(つまり約5.5V・cm−1)
・持続時間:1時間50分
・ アガロースゲル3%

0210

結果
96ウェルのプレート内での以下の計画にしたがった試料の配置:
黒色ウェル:それぞれA1、A5、A9、A12、B8、C3、C6、C11、E5、E8、F3、F10、G8、H1、H5、H12の位置にある、20μlのPCRミックス+鋳型DNA、
白色ウェル:96ウェルのプレートの行列の残りの位置にある、20μlのH2Oup。

0211

結果は図9に示されている。

0212

結果は、陽性内部対照のプライマー(配列番号9および10)が50℃〜65℃の温度範囲内でのPCR増幅反応の実施を可能にすることを示している。

実施例

0213

結果は同様に、生物学的試験のプライマー(配列番号11および12)が、所望の温度との関係における0.5℃の温度偏差の検出を可能にすることも示している。

0214

1反応チューブ、測定センサー
11 本体、側壁
12 蓋
13液体
14温度プローブ
15リンク手段

先行技術

0215

Kimら、2008年、BioTechniques、Vol.44(n°4):495−505

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ