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技術 臓器の組織アブレーションの際に別の臓器の熱傷を最小限にするための方法及び装置

出願人 アドヴァンストカーディアックセラピューティクスインコーポレイテッド
発明者 レニハン,ティモシー,ジェイ.
出願日 2010年1月20日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2011-547955
公開日 2012年7月12日 (8年4ヶ月経過) 公開番号 2012-515612
状態 拒絶査定
技術分野 手術用機器
主要キーワード 壁部部分 外部制御ユニット 温度指標 目標箇所 表面センサ 端部コネクタ サービスライン ポッピング
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

組織アブレーションの際に熱傷を低減するための方法であって、アブレーションカテーテル患者体内の第1の臓器上のアブレーション箇所に配置し、アブレーションカテーテルにエネルギーを供給して、第1の臓器の組織をアブレーション箇所で加熱し、マイクロ波アンテナと、アンテナ出力応答し且つアンテナによってピックアップされた熱照射に対応する温度信号を生成するための放射計を収容するプローブを備えているマイクロ波放射分析装置を提供し、アブレーション箇所に隣接する壁部部分を有する患者の体内の第2の臓器の身体通路内にプローブを、マイクロ波アンテナがアブレーション箇所に対向する測定箇所に配置されるように配置し、放射分析装置を使用して、第2の臓器の組織における深部での温度を測定箇所で測定して、対応する温度信号を提供し、温度信号に応答して、第2の臓器の組織に熱傷を生じさせない所定の値より小さい第2の臓器の組織の温度を維持するようにアブレーションカテーテルを制御することを含む。上記方法を実施するための装置も開示されている。

概要

背景

解剖学的に、食道は、左心房の部分に極めて接近しており、それと接触している場合も多い。よって、心臓における様々な不整脈治療するために左心房の特定の領域をアブレーションすることにより、意図せずに食道に熱的な損傷を生じさせることがあり、重篤な結果を招いてしまうことも多い。本発明は、特に、心臓アブレーションの際に、深部での食道壁部の温度を測定し、監視し、それにより壁部の過熱を回避するための技術に関する。

典型的な心臓アブレーション処置の際には、電極カテーテルを用いて、通常心臓の左側の心臓組織を、標的とする組織に意図的に抵抗体によってダメージを与えるのに十分に加熱し、それにより潜在的に命に関わる心不整脈を治療する。典型的には、30〜60秒間、70℃を超える温度での組織の加熱は、壊死が起こるに十分である。この処置は、20年前に最初に試みられたものであり、大抵の上室性頻脈(supraventricular tacchycardias、SVT)に対する標準的な治療方法となっている。治療の際、通常RF周波数領域での電磁エネルギーを、電極カテーテルの先端と患者の背中に着脱可能に取り付けた接地板との間に印加し、電気回路を形成する。この回路における最大の抵抗点、通常はカテーテル先端と心臓組織との間の界面は、最も熱くなる領域であり、よって不整脈を正常化するために心臓組織に意図的に不可逆的な損傷を起こし得る。

標準的なSVTアブレーション処置では、カテーテルに接触する組織において発生した熱は、カテーテル先端に設けられたサーミスタ又は熱電対のような温度センサで監視される。センサからの信号は、外部制御ユニット内のディスプレイに適用され、手術医(外科医)が、必要に応じてアブレーションカテーテルへの電力(出力)を調整することができるようにし、壊死を起こさせるのに十分であるが、麻痺若しくは発作及び/又は心臓の血管壁破裂させ得る微小気泡ポッピング(popping))の形成を生じさせ得る組織の表面焦げを生じさせるのには十分でない組織の加熱を提供する。また、場合によっては、温度センサからの同じ出力が使用されて、RF発生器フィードバック信号が供給され、それにより、アブレーションカテーテルと接触させた組織の加熱が自動的に制御される。

時間と共に得られた経験から、手術医は、患者の好ましい結果を得るためには、徐々に深く心臓の左側の組織を焼かなくてはならないことを見出した。上述の組織の表面焦げを最小限にするためには、今日のアブレーションカテーテルの先端は、カテーテルを通して流体循環させることによって冷却できる。しかし、この人工的な冷却により損傷部はずっと深くなり、また食道が、そのような処置の際に多くの場合アブレーションされる左心房の領域に比較的近く位置していることによって、加熱し、それにより破壊しようとしている左心房の部分のアブレーションによって、食道が不注意にも過熱され損傷し得る大きなリスクがある。このことは、食道の潰瘍出血、食道壁の穿孔のような深刻な合併症、及び患者の死をも招くことがある。

食道への熱的損傷を防ぐことを意図した、心臓アブレーション処置の際に食道へ挿入するためのカテーテル装置がある。そのような装置の1つは、冷却された流体がバルーンカテーテルを通って食道壁部へと供給するものであり、熱交換原理を利用して当該壁部の温度を低下させるものである。例えば、米国特許出願公開第2007/0055328A1号を参照。別のタイプの装置は、従来の点源温度センサ(point source temperature sensor)、例えば熱電対、サーミスタ、光ファイバプローブ又はこれらに類するものを保持したカテーテルを利用し、アブレーションカテーテルへ供給される電力を切断又は減少することによって、監視を行い、最終的には食道壁の過熱を防止する。例えば、米国特許出願公開第2007/0066968Al号参照。

食道のみを冷却する前者のタイプの食道カテーテルでは、食道の内表面の絶え間ない洗浄を伴っていたとしても、食道の壁部又は外表面上に損傷が起こる場合があるし、このタイプの器具では、食道の壁部の効果的な冷却が達成されているかどうかを知る術はない。つまり、例えば、RFアブレーションカテーテルのような多くの能動的な冷却カテーテルの場合と同様に、冷却剤が一旦導入されると、従来の温度センサを使用して、組織の温度を監視することができない。それというのは、このようなセンサは、一点で温度を感知するのみであり、深部で感知する訳ではないからである。したがって、上記のセンサは、冷却剤の温度を測定するのみであり、組織の温度を測定するものではない。よって、上記のような食道の冷却カテーテルが温度測定を可能にするとしても、一旦冷却が開始された後は食道の温度を正確に測定することはできないであろう。さらに、表面の冷却がそのようなカテーテルを用いて達成されても、冷却の効率についての指標はなく、壁部中の深部での又は食道の外表面での温度上昇は測定されない。

その外表面上に従来の温度センサを有する上記後者のタイプの食道のカテーテルは、食道の内表面の温度を測定することしかできず、また、点で測定しかできず、深部で測定できないので、食道の過熱の問題の極めて遅れた指標を提供することとなる。臨床的な例では、従来の表面センサを使用した場合、手術医は、1〜2℃の温度上昇が記録されると食道への熱的な損傷を報告する。これは、そのようなカテーテルによって検知又は報告されない食道壁部の深部での熱の形成(発生)が明らかにあるからである。

概要

組織アブレーションの際に熱傷を低減するための方法であって、アブレーションカテーテルを患者の体内の第1の臓器上のアブレーション箇所に配置し、アブレーションカテーテルにエネルギーを供給して、第1の臓器の組織をアブレーション箇所で加熱し、マイクロ波アンテナと、アンテナ出力応答し且つアンテナによってピックアップされた熱照射に対応する温度信号を生成するための放射計を収容するプローブを備えているマイクロ波放射分析装置を提供し、アブレーション箇所に隣接する壁部部分を有する患者の体内の第2の臓器の身体通路内にプローブを、マイクロ波アンテナがアブレーション箇所に対向する測定箇所に配置されるように配置し、放射分析装置を使用して、第2の臓器の組織における深部での温度を測定箇所で測定して、対応する温度信号を提供し、温度信号に応答して、第2の臓器の組織に熱傷を生じさせない所定の値より小さい第2の臓器の組織の温度を維持するようにアブレーションカテーテルを制御することを含む。上記方法を実施するための装置も開示されている。

目的

センサからの信号は、外部制御ユニット内のディスプレイに適用され、手術医(外科医)が、必要に応じてアブレーションカテーテルへの電力(出力)を調整することができるようにし、壊死を起こさせるのに十分であるが、麻痺若しくは発作及び/又は心臓の血管壁を破裂させ得る微小気泡(ポッピング(popping))の形成を生じさせ得る組織の表面焦げを生じさせるのには十分でない組織の加熱を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

アブレーションカテーテルを、患者体内の第1の臓器上のアブレーション箇所に配置し、前記アブレーションカテーテルへエネルギーを供給して、前記第1の臓器の組織を前記アブレーション箇所で加熱し、マイクロ波アンテナ、及び前記アンテナの出力に応答し且つ前記アンテナによってピックアップされた熱的照射に対応する温度信号を生成するための放射計を収容するプローブを備えているマイクロ波放射分析装置を提供し、前記プローブを、前記アブレーション箇所に隣接する壁部部分を有する患者の体内の第2の臓器の身体通路内に、前記マイクロ波アンテナが前記アブレーション箇所に対向する測定箇所に配置されるように配置し、放射分析装置を用いて、前記第2の臓器の組織内の深部での温度を前記測定箇所で測定し、対応する温度信号を提供し、前記温度信号に応答して前記アブレーションカテーテルを制御し、前記第2の臓器の組織の温度を、前記第2の臓器の組織に熱傷が生じない特定の値より小さく維持することを含む、組織アブレーションの際に熱傷を低減する方法。

請求項2

前記第1の臓器が心臓であり、前記第2の臓器が食道である、請求項1に記載の方法請求項1に記載の方法。

請求項3

前記第1の臓器が尿道であり、前記第2の臓器が直腸である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記アブレーションカテーテルが、前記アブレーションカテーテルと前記アブレーション箇所との間の距離を変更することによって、制御される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記アブレーションカテーテルが、加熱エレメントを備えており、当該加熱エレメントに適用される電流を調整することによって制御される、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記アブレーションカテーテルが、RPアンテナを備えており、当該RFアンテナに適用されるエネルギーを調整することによって制御される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記プローブを冷却し、それにより、前記第1の臓器の組織をアブレーションしている間に前記第2の臓器の組織を冷却することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記冷却することが、前記温度信号に応答して、前記プローブを通して流体を流すこと並びに流体の流量及び/又は温度を調節することによって達成される、請求項7に記載の方法。

請求項9

患者の体内の第1の臓器上のアブレーション箇所に配置するためのアブレーションカテーテル、前記アブレーションカテーテルにエネルギーを提供し、前記アブレーション箇所で前記第1の臓器の組織を加熱するための装置、マイクロ波アンテナ、及び前記アンテナの出力に応答し且つ前記アンテナによってピックアップされた熱的照射に対応する温度信号を生成するための放射計を収容するプローブを備えているマイクロ波放射分析装置であって、前記プローブが、前記アブレーション箇所に隣接する壁部部分を有する患者の体内の第2の臓器の身体通路内に、前記マイクロ波アンテナが前記アブレーション箇所に対向する測定箇所に配置されるように配置されており、前記放射分析装置が、前記第2の臓器の組織内の深部での温度を前記測定箇所で測定し、対応する温度信号を提供するようになっている、マイクロ波放射分析装置、並びに前記アブレーションカテーテルを前記温度信号に応答して制御し、それにより前記第2の臓器組織に熱傷を生じさせない所定の値より低い第2の臓器の組織の温度を維持するようにする制御器を備えている、組織アブレーションの際の熱傷を低減するための装置。

請求項10

前記第1の臓器が心臓であり、前記第2の臓器が食道である、請求項9に記載の装置。

請求項11

前記第1の臓器が尿道であり、前記第2の臓器が直腸である、請求項9に記載の装置。

請求項12

前記アブレーションカテーテルが、加熱エレメントを備えており、前記制御器が、当該加熱エレメントに適用させる電流を調整する装置を備えている、請求項9に記載の装置。

請求項13

前記アブレーションカテーテルが、RFアンテナを備えており、前記制御器が、当該RFアンテナに供給されるエネルギーを調整するための装置を備えている、請求項9に記載の装置。

請求項14

前記プローブを通して冷却流体を流すための装置、及び前記冷却流体の流量及び/又は温度を制御し、前記第1の臓器の組織をアブレーションする際に、前記第2の臓器の組織を冷却する制御装置をさらに備えている、請求項9に記載の装置。

請求項15

前記放射分析装置が、前記第2の臓器組織の温度を指標するための温度信号に応答する温度指標も含む、請求項9に記載の装置。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2009年1月20日付出願の米国特許仮出願第61/145,800号の利益を主張するものである。

0002

本発明は、心臓アブレーション焼灼処置時の食道への熱的負傷を最小限にするための方法及び装置に関する。

背景技術

0003

解剖学的に、食道は、左心房の部分に極めて接近しており、それと接触している場合も多い。よって、心臓における様々な不整脈治療するために左心房の特定の領域をアブレーションすることにより、意図せずに食道に熱的な損傷を生じさせることがあり、重篤な結果を招いてしまうことも多い。本発明は、特に、心臓アブレーションの際に、深部での食道壁部の温度を測定し、監視し、それにより壁部の過熱を回避するための技術に関する。

0004

典型的な心臓アブレーション処置の際には、電極カテーテルを用いて、通常心臓の左側の心臓組織を、標的とする組織に意図的に抵抗体によってダメージを与えるのに十分に加熱し、それにより潜在的に命に関わる心不整脈を治療する。典型的には、30〜60秒間、70℃を超える温度での組織の加熱は、壊死が起こるに十分である。この処置は、20年前に最初に試みられたものであり、大抵の上室性頻脈(supraventricular tacchycardias、SVT)に対する標準的な治療方法となっている。治療の際、通常RF周波数領域での電磁エネルギーを、電極カテーテルの先端と患者の背中に着脱可能に取り付けた接地板との間に印加し、電気回路を形成する。この回路における最大の抵抗点、通常はカテーテル先端と心臓組織との間の界面は、最も熱くなる領域であり、よって不整脈を正常化するために心臓組織に意図的に不可逆的な損傷を起こし得る。

0005

標準的なSVTアブレーション処置では、カテーテルに接触する組織において発生した熱は、カテーテル先端に設けられたサーミスタ又は熱電対のような温度センサで監視される。センサからの信号は、外部制御ユニット内のディスプレイに適用され、手術医(外科医)が、必要に応じてアブレーションカテーテルへの電力(出力)を調整することができるようにし、壊死を起こさせるのに十分であるが、麻痺若しくは発作及び/又は心臓の血管壁破裂させ得る微小気泡ポッピング(popping))の形成を生じさせ得る組織の表面焦げを生じさせるのには十分でない組織の加熱を提供する。また、場合によっては、温度センサからの同じ出力が使用されて、RF発生器フィードバック信号が供給され、それにより、アブレーションカテーテルと接触させた組織の加熱が自動的に制御される。

0006

時間と共に得られた経験から、手術医は、患者の好ましい結果を得るためには、徐々に深く心臓の左側の組織を焼かなくてはならないことを見出した。上述の組織の表面焦げを最小限にするためには、今日のアブレーションカテーテルの先端は、カテーテルを通して流体循環させることによって冷却できる。しかし、この人工的な冷却により損傷部はずっと深くなり、また食道が、そのような処置の際に多くの場合アブレーションされる左心房の領域に比較的近く位置していることによって、加熱し、それにより破壊しようとしている左心房の部分のアブレーションによって、食道が不注意にも過熱され損傷し得る大きなリスクがある。このことは、食道の潰瘍出血、食道壁の穿孔のような深刻な合併症、及び患者の死をも招くことがある。

0007

食道への熱的損傷を防ぐことを意図した、心臓アブレーション処置の際に食道へ挿入するためのカテーテル装置がある。そのような装置の1つは、冷却された流体がバルーンカテーテルを通って食道壁部へと供給するものであり、熱交換原理を利用して当該壁部の温度を低下させるものである。例えば、米国特許出願公開第2007/0055328A1号を参照。別のタイプの装置は、従来の点源温度センサ(point source temperature sensor)、例えば熱電対、サーミスタ、光ファイバプローブ又はこれらに類するものを保持したカテーテルを利用し、アブレーションカテーテルへ供給される電力を切断又は減少することによって、監視を行い、最終的には食道壁の過熱を防止する。例えば、米国特許出願公開第2007/0066968Al号参照。

0008

食道のみを冷却する前者のタイプの食道カテーテルでは、食道の内表面の絶え間ない洗浄を伴っていたとしても、食道の壁部又は外表面上に損傷が起こる場合があるし、このタイプの器具では、食道の壁部の効果的な冷却が達成されているかどうかを知る術はない。つまり、例えば、RFアブレーションカテーテルのような多くの能動的な冷却カテーテルの場合と同様に、冷却剤が一旦導入されると、従来の温度センサを使用して、組織の温度を監視することができない。それというのは、このようなセンサは、一点で温度を感知するのみであり、深部で感知する訳ではないからである。したがって、上記のセンサは、冷却剤の温度を測定するのみであり、組織の温度を測定するものではない。よって、上記のような食道の冷却カテーテルが温度測定を可能にするとしても、一旦冷却が開始された後は食道の温度を正確に測定することはできないであろう。さらに、表面の冷却がそのようなカテーテルを用いて達成されても、冷却の効率についての指標はなく、壁部中の深部での又は食道の外表面での温度上昇は測定されない。

0009

その外表面上に従来の温度センサを有する上記後者のタイプの食道のカテーテルは、食道の内表面の温度を測定することしかできず、また、点で測定しかできず、深部で測定できないので、食道の過熱の問題の極めて遅れた指標を提供することとなる。臨床的な例では、従来の表面センサを使用した場合、手術医は、1〜2℃の温度上昇が記録されると食道への熱的な損傷を報告する。これは、そのようなカテーテルによって検知又は報告されない食道壁部の深部での熱の形成(発生)が明らかにあるからである。

発明が解決しようとする課題

0010

したがって、本発明の課題は、食道壁部の温度を、食道が冷却されているかどうかに関係なく、深部で正確に測定するための方法を提供することである。

0011

本発明の別の課題は、アブレーション処置の際に食道の内表面を効果的に冷却する方法を提供し、それにより、食道壁部の深部で及び外表面で温度を正確に測定しながら、意図せぬ熱的損傷から食道を保護することである。

0012

本発明のさらなる課題は、全体の冷却の効率、つまり食道の内表面だけでなく食道壁部の深部及びその外表面での冷却の効率も正確に測定する方法を提供することである。

0013

さらに本発明の別の課題は、孔の空いた食道若しくは心房食道瘻(つまり、左心房と食道との間での不都合な接続)を起こす可能性を低減させる方法を提供することである。

0014

本発明のさらなる課題は、アブレーション処置の際に、意図しない組織の損傷を防ぐために手術医に提供される情報を低減する方法を提供することである。

0015

本発明のさらに別の課題は、食道に隣接した心臓の外壁のアブレーションが成功したことの指標を、食道へ損傷が生じ得る前に、提供することができる方法を提供することである。

0016

本発明のさらなる課題は、所与の方向からの温度の測定を簡単にする方法を提供することである。

0017

追加的な課題は、全ての方向(全方向、omni-directional)からの温度測定を容易にする方法を提供することである。

0018

本発明のさらに別の課題は、上記方法を実施するための装置を提供することである。

0019

本発明のさらに別の課題は、患者の良好な結果が得られる確率を向上させる、心臓アブレーションの際に食道の温度を測定するための装置を提供することである。

0020

本発明のさらなる課題は、意図せぬ組織の損傷を防止するために、関連の装置に制御信号を提供することができる、食道の温度を測定するための装置である。

0021

別の課題は、ある程度は自明であり、またある程度は以下の説明より明かとなろう。

課題を解決するための手段

0022

したがって、本発明は、いくつかのステップ及びそのようなステップの1つ以上と別の各ステップとの関係、並びにそのようなステップを行うために用いられる構造、エレメント組合せ及び部分の配置の特徴を具現化する装置を含み、これらの全ては、以下の詳細な説明に例示されている。

0023

簡単に述べると、上記方法に関し、温度感知マイクロ波アンテナプローブを、アブレーションを行おうとする組織に隣接した身体通路又は空洞内へ、当該プローブが前記通路又は空洞の、前記組織とは反対の側に位置するように挿入する。本明細書では、プローブが、患者の、心臓の隣にある食道に配置される心臓アブレーション処置の際に実施される方法について記述する。しかし、この方法は、別の処置、例えば、アブレーションカテーテルが患者の尿道内に配置され且つ本発明に組み込まれる温度プローブ直腸内に配置される良性前立腺肥大症(BPH)の治療に関連して用いることができることを理解されたい。

0024

明らかに、温度プローブは、その機能を発揮させるためには、身体通路内を目標の箇所へと通すことができるように、直径が小さく且つ極めて可撓性でなければならない。プローブは、目標の箇所の表示、洗浄又は目標箇所の冷却等の公知の手段を利用して様々な補助的な処置を簡易化することも必要とされ得る。

0025

温度プローブは、長い可撓性のサービスラインによって外部制御ユニットに接続されており、当該外部制御ユニットは、プローブ内アンテナによってピックアップされた、検査される組織の温度を反映するマイクロ波放射を検出する、好ましくは放射計の形態のレシーバを備えている。レシーバは、対応する温度信号を発生させ、当該温度信号は、その温度を指標するようディスプレイを制御するために使用することができる。

0026

好ましくは、プローブアンテナは、当該プローブアンテナが、それが配置された通路又は空洞の壁部の比較的深い領域から、またその壁部の外表面からも放射をピックアップすることができるように選択された周波数領域に適合したインピーダンスとなっている。

0027

心不整脈のための心臓アブレーション処置の際、アブレーションカテーテルが心臓の左心房内に通され、それにより、エネルギーを、カテーテル先端から左心房の後方壁部の組織内へと伝達することができる。すると、その壁部で加熱が起こり、左心房の局所的な壊死を生じさせ、不整脈を阻止する傷害部を生じさせる。

0028

この方法によれば、上記処置の際、患者の心臓におけるアブレーション箇所に極めて近接している食道の組織の深部での温度が、マイクロ波放射分析を利用して測定され、その測定が、意図せずに食道に生じ得る潜在的な損傷を判断(決定)するのに使用される。マイクロ波放射分析は体積温度(volumetric temperature)を測定するので、その測定は、組織に対する温度プローブの接触角度とは無関係であり、組織上の点を測定するにすぎないサーミスタ及び熱電対を利用する従来の温度感知カテーテルの場合と異なる。マイクロ波放射分析の性質のためもあり、食道壁部における深部での温度を、食道が冷却されている時にも正確に測定することができる。

0029

よって、この方法及び装置を用いて、手術医は、心臓の左側の組織をアブレーションする間、リアルタイムで食道の温度を観察することができる。心臓アブレーションカテーテルからのエネルギーが、心臓の外壁を越えて加熱し始め、不都合にも食道の隣接する前方表面を加熱し始めると、食道に配置された温度プローブによってピックアップされた顕著な温度上昇が現れ、それにより、装置のディスプレイが、手術医に、食道の潜在的な損傷の明確で早期の警告を提供する。これは、上述のように、食道へのいかなる損傷もが重篤な結果をもたらすことを考えると、極めて重要である。

0030

これもまた上述されているが、マイクロ波放射分析の性質のために、本願の方法を実施するために使用される温度プローブは、壁部の組織の温度を正確に監視するばかりでなく、食道壁を冷却するための冷却機能を有していてよい。

0031

加えて、このプローブを使用して、手術医は、心臓の、食道に対向する外表面の温度を間接的に監視することもでき、それにより、心臓の外壁が十分にアブレーションされたかどうかが判断され、これは、心房性細動のような病気の治療が成功するかどうかの大きな指標となる。

0032

従来の温度プロビング技術の場合と異なり、食道の不慮の過熱を回避しつつ、心臓の安全なアブレーションを容易にする本発明の方法及び装置は、本質的に、人工的な冷却のため、プローブ自体の表面温度とは独立している。これは、マイクロ波放射分析が、組織の深部での温度を測定し、プローブ中のアンテナによって生成されるアンテナパターン関数となっているからである。

0033

最後に、温度プローブからの温度信号は、プローブが冷却機能を備えている場合には、温度プローブの冷却を制御するために使用することができる。これらのいくつかの信号は、心臓組織をアブレーションするのに使用される関連のアブレーションカテーテルに供給される出力の制御を助成するために使用することができる。

0034

本発明の性質及び課題を完全に理解するために、添付の図面と関連した以下の詳細な説明を参照されたい。

図面の簡単な説明

0035

患者の頭部及び胴部の略図であり、心臓の左心房内に設けられたアブレーションカテーテルと、カテーテルに隣接して食道に配置された本発明によるマイクロ波アンテナを備えている温度プローブとを示している。
図1の温度プローブを含む、心臓アブレーションの際に食道に対する熱的損傷を低減するための装置のブロック図である。
図1の温度プローブを詳細に示す、より大きなスケールの部分的な側面図である。
プローブのようなアンテナパターンを示す略図である。
組織のアブレーションの際に、図4に示す温度プローブを使用して、深部での温度を測定する放射計の出力を示すグラフの表示である。

実施例

0036

まず、図面のうちの、左心室HV及び左心房HAを有する心臓Hを有する患者の頭部及び胴部を示す図1を参照されたい。通常そうであるように、心臓の左心房は、患者の食道Eの前方壁部に、接触していなくとも極めて近接している。心臓アブレーション処置の際、アブレーションカテーテルCを、左心室HVを介して左心房HAへと通し、カテーテルの作業端部C’を左心房の後方壁部に接触させる。

0037

このようなアブレーション処置の際、食道Eの過熱を防止するために、全体として番号8で示され且つマイクロ波アンテナ10(図3)を収容する温度プローブを、患者のの通路N内へと挿入し、プローブが、図1に示すアブレーション箇所にあるカテーテル端部C’の直ぐ反対側に位置するまで、患者の咽頭Pを介して食道E内へと下方に通すことができる。本発明によれば、心臓HがカテーテルCによってアブレーションされる時、プローブアンテナ10が、食道の壁部Ewの比較的深い領域からのマイクロ波発振をピックアップし、対応する温度信号を生成し、その信号を、食道の過熱を防ぐために本書で説明するように使用することができる。

0038

図面の図2に示すように、プローブ8は、外部制御ユニット12に、端部コネクタ14aを有する長い可撓性の供給ライン14によって接続されていてよく、端部コネクタ14aは、ユニット12上で嵌合コネクタ12aに接続されている。典型的には、プローブ8は、長さ80〜130cm及び直径1〜10mmのオーダーであってよく、可動型であっても非可動型であってもよい。

0039

制御ユニット12は、入力部を有する放射計18を備えており、当該入力部には、アンテナ10が、供給ライン14内の同軸ケーブル20によって接続されている。放射計は、アンテナによってピックアップされたマイクロ波エネルギーに対応する温度信号を生成する。放射計は、1〜4GHz、好ましくは4GHzの中心周波数で操作され、それにより、装置が、食道壁部の比較的深い領域からの発振を検出することができる。但し過度に深い領域ではない。

0040

増幅器22は、放射計からの信号を調整し、それをプロセッサ24に送る。当該プロセッサ24は、プローブ8によってプローブ(検査)される組織の温度を表示することができるディスプレイ26を制御するための対応する制御信号を生成する。もちろん、ディスプレイ26は、装置の適切な操作に関連する他のパラメータを表示することができ、好ましくは、食道の組織温度を時間の関数として表示することができ、それにより、手術医は、その温度をリアルタイムで見ることができる。プロセッサ24は、ユニット12の出力端子28に温度信号を供給することもできる。プロセッサ24は、ユニット12上の操作者により制御される入力キーボード30の制御ボタン30aを介して指示を受容することができる。

0041

特定の応用例では、端子28での制御信号は、アブレーションカテーテルCに電力供給するRF発生器34を備えている関連の心臓アブレーション装置32に結合されてよい。このようにして、その制御信号を、心臓H(図1)における目標とする組織にアブレーションカテーテルCによって供給されるエネルギーを制御するために使用することができる。

0042

図2に示すように、制御ユニット12は、プロセッサ24によって制御され且つ1つ以上のホース42aを介して、ユニット12の外側に設けられた対応するコネクタ42bに接続されている冷却ユニット38も備えていてよい。コネクタ42bは、コネクタ14aに通ずる導管44bの端部で、嵌め合いコネクタ44aに結合されていてよい。コネクタ14aで、チューブ44bは、供給ライン14内の1つ以上の通路56に接続されており、それにより、冷却流体を、プローブ10へと、また場合によりプローブ10からも循環させることができる。冷却流体が、食道Eを洗浄するために使用されている場合には、図2に示すように、1つ又は複数の通路56に接続された小さな穴58がカテーテルに設けられていてよい。プロセッサ24は、プローブ8への冷却剤の流量を増加又は減少させるために冷却ユニット38を制御することができ、且つ/又は冷却剤温度を変化させて、カテーテル先端C’(図1)に対向する食道壁Ewの一部を所望の温度に保持することができる。

0043

次に、温度プローブ8におけるアンテナ10を詳細に示す図3を参照されたい。見て取れるように、アンテナは、らせん形のアンテナであり、外部導体62、内部導体64、及び低誘電率及び低損失正接を有し且つ2つの導体を分離するPTFEのような誘電材料66を備えている。2つの導体の近位の端部は、供給ライン14における同軸ケーブル20に接続されており、誘電材料66は、ライン14内の1つ又は複数の通路56からプローブ8に設けられた穴58に通ずる流体通路(図示せず)を形成していてよい。アンテナ10は、米国特許第5,683,382号に開示されているタイプのものであってよく、その内容全体は参照によりここで援用される。図3のアンテナは、軸対象であり、全方向アンテナパターンを有する。しかし、図面から分かるように、プローブ8は、指向性のアンテナ(directional antenna)も含み得る。いずれの場合にも、アンテナ10は、選択された放射計周波数、例えば4GHzに対する良好なインピーダンス適合を提供するように、設計されるべきである。

0044

心臓アブレーション処置が関連の装置32によって行われる場合、温度プローブ8は、図1に示すように、カテーテル先端C’に対向する食道Eに配置されていてよく、食道の壁部Ewにおける深部での若しくは深度ごとの温度を感知する監視装置であってよい。放射計18からの温度指標信号は、プロセッサ24によって処理され、ディスプレイ26は、作業位置での食道組織の温度を時間の関数として表示する。よって、操作を行う手術医が、リアルタイムでのその温度を見ることができ、アブレーションカテーテルCによる食道の過熱を防ぐために迅速に反応することができる。例えば、キーパッド30を使用して、手術医は、プローブ8を適宜冷却することができ、且つ/又はアブレーションカテーテルCへの電力供給を減少させることができる。

0045

実施例
図4に描画した温度プローブ8を用いて、組織の一部を冷却しながら組織内での深部での温度を記録できることを確かめるため試験を行った。試験は、2.4GHzでのマイクロ波出力の、カテーテルCを介しての組織への送達によって行い、当該組織は、血液流モデルとするよう組織下を流れる体温食塩水溶液によって能動的に冷却し、組織内の深部での若しくは深度での温度を記録するためにプローブ8を配置した。図4のプローブ8は、図3のプローブ8と類似であるが、アンテナ上に低誘電材料の本体を有しており、それにより、図4のアンテナパターンの長手方向断面図から見て、アンテナが組織内を「見」下ろすようになっている、つまり、アンテナが指向性を有する点で異なる。プローブ8内のアンテナは、4GHzの周波数で作動する。図4に示すアンテナパターンは、受信モードでなく、送信又は放射モードのアンテナにより得ることができることに留意されたい。それというのは、これが慣例的であるからであって、それは相互関係によって2つのパターンが同一であることになるためである。いずれの場合にも、選択された周波数でのアンテナパターンがプローブに沿って比較的均一であり、プローブの下に位置する組織内に十分に到達していることは、図4から明かである。

0046

図5は、組織を冷却しながら、図4に示す組織における深部での温度を感知するプローブ8によって、電力が組織へ供給される典型的な試験実施を示す。図5に示すように、温度を示す放射計の読みは、組織が冷却されている時でも増加する。

0047

実施例では、温度プローブ8は、患者に、つまり心臓の左心房に近接した食道Eに挿入することができる。手術医は、ディスプレイの温度の読みを観察しながら、アブレーションカテーテルに供給される電力を変更し、その電力を遮断し且つ/又は当該プローブに供給される冷却剤の流量及び/又は温度を増加させることによって温度プローブ8への冷却の効果を増大させることができる。

0048

よって、以上の説明から明らかとされたものが含まれる上述の課題は、効果的に達成され、また、特定の変更が、本発明の範囲から逸脱することがなければ、上述の方法を実施する上で及び記載された構造において行うことができるので、上記説明に含まれる又は添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものであって、限定の意味はないものと解されるべきである。

0049

以下の特許請求の範囲は、ここに記載の本発明の概括的な特徴及び具体的な特徴の全てを包含することを意図していることも理解されたい。

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