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技術 分析を目的とするサンプル内に存在する微生物の溶解、ならびにこの微生物の核酸の抽出および精製のための自動システム

出願人 ビオメリュー
発明者 ブロワイエ,パトリックデュポンフィリヤール,アニエスガルディエーロ,マッシモギュイ,ミシェルクロイヴェル,ヘルマナス,ヨハネス,マリアマイオーネ,エミリアーノフェルヴィン,エミール,ジェレベルン,マリア
出願日 2009年12月9日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2011-540170
公開日 2012年5月24日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2012-511318
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物・酵素関連装置 微生物、その培養処理 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 空気循環回路 心出しピン 残り屑 多方向バルブ ウォームねじ 空気進入 表面サンプル 空気吸引ポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

本発明は、とりわけ、空気中の微生物収集するための装置に関する。前記装置は:空気収集モジュールであって、i.前記モジュールへの空気の流れの進入を可能にする空気進入ダクトを含む上部部材であって、ダクトの底部には空気の流れを乱す手段が設けられている上部部材と、ii.生成される空気の流れを外へと出すことができる空気排出手段を有する下部部材であって、上部部材と結合することにより、前記空気収集モジュール内部で空気の流れを生成することができる下部部材とを含む空気収集モジュールと、 おおむね円筒形であって、微生物保持ゾーンを有し、前記保持ゾーンが微生物の溶解手段を有するカートリッジであって、前記空気収集モジュールの内部に配置されるカートリッジとを備えている。

概要

背景

病院における院内感染急増が、ここ数年にわたって見られる。これらの感染は、病院の環境に存在し、設備および表面の殺菌ならびに空気の処理に常に振り向けられている多大な注意にもかかわらず撲滅されない病原微生物による入院患者(したがって、当然ながら免疫が低下している)の汚染によって説明される。これらのますます頻繁になる環境の微生物による汚染の事例に鑑みて、環境の管理を改善および促進する装置および方法の開発が、医療従事者にとって大きな課題となっている。

院内感染の問題に加えて、環境条件の管理も、長年にわたって産業(特には、食品業界ならびに医薬または化粧品業界)において繰り返されている懸案事項である。食品業界において、病原微生物による製品(あるいは、原料)の汚染によって生じうる消費者の健康への破滅的な結果は、周知のとおりである。実際、リステリア菌またはサルモネラ菌などといった種類の細菌に起因する食中毒が、今や頻発している。空気の品質の管理も、医薬または化粧品業界の品質アプローチにおける重要なプロセスである。

さらには、これらの管理は、規制がどんどん厳格になってきているため、ますます増える要件に従わなければならない。

医療従事者または製造者が環境の管理の実行において利用することができるツールの中でも、微生物エアサンプラが、空気中の微生物を検出するための最適な技術的解決策である。これらの装置は、微生物による空気の汚染の測定が必要とされる場所の適切な地点に配置される。これらの装置は、一般に、エアサンプラを培地に組み合わせて構成されている。エアサンプラによって採取された空気が、培地に接触させられ、採取された空気に含まれる微生物が、培地に付着する。次いで、培地が回収され、微生物の増殖を促進するためにストーブに配置される。このようにして、それらの微生物を、従来からの微生物学的技法によって検出および特定することが可能である。

しかしながら、これらの装置は、使用される技術に関連した大きな欠点を抱えている。この欠点は、分析結果を得るために要する時間である。実際、微生物学(特には、細菌学)の従来からの技法を使用することで、細胞の増殖に必要な培養時間が必要であり、あるいは特定を可能にするための特定の培地への植え直しの段階さえ必要である。結果として、院内感染または食中毒の原因である病原菌の検出および特定を試みるとき、結果を得るために要する時間が比較的長く、場合によっては長すぎる。

この種の装置のもう1つの欠点は、培地を使用することによって細菌の属および種の間の区別は可能であるが、1つの同じ細菌種の株の区別が、通常は不可能である点にある。今や、微生物の病原性が、前記当の株に応じて大きく変化しうることが知られている。

さらに、この種の装置は、生存能力を有するが、培養することが不可能である空気中の微生物を、検出できないという欠点を抱えている。

さらには、空気中の粒子、特には微生物を回収する目的の装置が存在する。すなわち、特許文献GB2254024が、空気中の粒子を集めるための装置を記載しており、その原理は、サイクロン効果に基づいている。そのような装置は、微生物を含む空気中の粒子の収集に適することが明らかになっているが、そのようにして得られるサンプルの処理については研究されておらず、特には分析に使用する目的の遺伝物質の抽出について、研究されていない。

より一般的には、臨床サンプルであっても、あるいは環境サンプルであっても、微生物の特定および/または結果をもたらす速度に関して最も適切な技法が、分子診断の技法であることは明らかである。微生物の遺伝物質の分析にもとづき、特には対象の一定の特定配列の分析に基づくこれらの技法は、培養段階の省略を可能にするため、記録的な速さで微生物のきわめて正確な特定を得ることを可能にする。

しかしながら、そのような技法の使用は、幾つかの限界を抱えており、そのうちで最も重要なものは、空気中に存在しており、したがって分析の実行のために回収することができる微生物の量が、おそらくは限られている点にある。実際、環境サンプルならびに特定の臨床サンプルにおいて、微生物が比較的少ないことが知られている。結果として、この原料から得られる遺伝物質の量が、わずかでしかない。したがって、核酸を抽出するために使用される技法の収率に関する性能が、重要なパラメータになる。

さらには、微生物を溶解させるための既存の技法の多くは、すべての微生物について汎用的に適用できるものではなく、かつ/または手作業による段階を行うために有資格者の介在を必要とする。

特許文献WO−A−2005/038025が、特には空気サンプルからの微生物から核酸を抽出するための方法を記載している。この方法は、3つの異なる溶解方法、すなわち化学的溶解熱衝撃による溶解、および機械的溶解の使用を含んでいる。そのような方法は、核酸の抽出効率を最適化でき、したがって分析に利用できる遺伝物質の量を増やすことができることが明らかであるが、この効率は、回収される微生物の量に依然として依存している。さらに、前記微生物の回収の最適化について、この特許文献には何も記載されていない。

特許文献US5707861が、微生物などの生きた細胞を破壊するための装置を記載している。この装置は、ガラスビーズを使用し、さらには微生物を収容する管とこれらの管を保持する支持部の穴との間に存在するすき間に起因する振動の効果によって、細胞の溶解を可能にしている。このようにして、この種の装置は、細胞の溶解を最適にし、遺伝物質の抽出を最適化することを可能にしている。この装置および後者によって使用される方法は、上述の限界と同じ限界を抱えており、すなわち回収される微生物の量に依然として依存する。さらに、細胞の残り屑から核酸を単離するために、核酸の濃縮という後続の段階を必要とするというさらなる欠点を抱えている。最後に、濃縮段階終わりにおいて、核酸を手作業で回収する必要がある。

これらの問題は、特許文献US5567050に記載の装置においても生じる。

より一体化されたシステムも、明らかにされている。すなわち、特許文献WO−A−2004/018704が、空気から微生物を集め、それらを特定するために、PCRポリメラーゼ連鎖反応増幅技法を使用する装置および関連の方法を記載している。このシステムは、郵便仕分けセンターにおいて企てられる生物学的汚染による攻撃対抗するために特に適している。このシステムは、郵便を運ぶための回路に沿って配置された空気サンプラと、サイクロン効果による粒子のろ過/分離のための装置と、液体サンプル内の粒子の濃縮/回収のための装置と、サンプルの一部をCepheid社のGeneXpert(商標)というPCR分析カートリッジへと移すための装置とで構成されている。次いで、カートリッジが、空気から集められた微生物の特定のために、別の自動生物学的分析器へと手作業で移される。

このシステムは、上述の装置および方法に関する数々の技術的問題の解決を可能にするが、それでもなお、幾つかの大きな欠点を抱えている。第1にそれらの欠点は、分析カートリッジへの移動に先立つサンプルの処理(収集、分離、濃縮/回収)のためのシステムが、比較的複雑かつ高価である点である。もう1つの欠点は、核酸の溶解および精製の両方を実行することができるGeneXpert(商標)カートリッジが存在しない点にある。さらに、第2の欠点は、集められた微生物が液体サンプルにて回収され、その一部だけしか分析されない点にある。これは、微生物がすべては回収されず、したがって核酸がすべては回収されない恐れが極めて大であり、分析の妥当性が大きく制限されることを意味する。さらには、その複雑さにもかかわらず、このシステムでは、カートリッジをGeneXpert(商標)自動分析器へと手動で移さなければならない。

概要

本発明は、とりわけ、空気中の微生物を収集するための装置に関する。前記装置は:空気収集モジュールであって、i.前記モジュールへの空気の流れの進入を可能にする空気進入ダクトを含む上部部材であって、ダクトの底部には空気の流れを乱す手段が設けられている上部部材と、ii.生成される空気の流れを外へと出すことができる空気排出手段を有する下部部材であって、上部部材と結合することにより、前記空気収集モジュール内部で空気の流れを生成することができる下部部材とを含む空気収集モジュールと、 おおむね円筒形であって、微生物保持ゾーンを有し、前記保持ゾーンが微生物の溶解手段を有するカートリッジであって、前記空気収集モジュールの内部に配置されるカートリッジとを備えている。

目的

本発明の第1の目的は、随意により植物状態または胞子の形態にある幅広い種類の微生物に関して、それが細菌、ウイルス、または菌類のいずれであろうと、環境サンプルおよび臨床サンプルの両方について有効な溶解の装置、システム、および普遍的方法を提供する

効果

実績

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請求項1

空気中の微生物収集するための装置であって、−空気収集モジュールであって、i.前記モジュールへの空気の流れの進入を可能にする空気進入ダクトを有し、前記ダクトの底部に空気の流れを乱す手段が設けられている上部部材、及びii.生成される空気の流れを外へと出すことができる排気手段を有している下部部材を備え、前記空気収集モジュールの内部に空気の流れが生じるように前記上部部材と前記下部部材とを互いに一体化させることができる、空気収集モジュールと、−おおむね円筒形であって、微生物保持ゾーンを有し、前記保持ゾーンが微生物の溶解手段を有しているカートリッジであって、前記空気収集モジュールの内部に配置されるカートリッジとを有する装置。

請求項2

前記カートリッジの微生物保持ゾーンが、微生物を保持することができ、溶解手段を所定の位置に保持することができ、かつ液体の存在下において溶解することができる物質をさらに含んでいる、請求項1に記載の装置。

請求項3

前記空気の流れを乱す手段が、前記空気進入ダクトの腔の中心に配置された累積度数分布曲線の形状の円錐30と、前記累積度数分布曲線の形状の部品を前記空気進入ダクトの内面へと接続する少なくとも1枚のブレードとを備えている、請求項1または2に記載の装置。

請求項4

前記空気収集モジュールが、空気循環回路または空気吸引装置へと接続されるように意図されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。

請求項5

微生物の溶解装置であって、−微生物保持ゾーンを有するおおむね円筒形のカートリッジであって、ステータ役割を実行するカートリッジと、−前記カートリッジ内に配置することができるロータであって、回転手段を有するロータとを有している装置。

請求項6

前記ロータを前記カートリッジと一体に保つためのキャップをさらに有している、請求項5に記載に装置。

請求項7

前記回転手段が行き止まりのダクトの壁に形成された溝で構成されており、前記溝が、正反対に向かい合っており、かつ前記ロータを回転させる手段の伝達シャフトの端部を受け入れるように意図されている、請求項5または6に記載の装置。

請求項8

前記カートリッジの内径が前記ロータの外径よりも大きいことにより、前記ロータが前記カートリッジに取り付けられたときに、前記カートリッジの内壁から前記ロータの外壁までの距離が、溶解手段が前記すき間空間内に位置するために充分に大きく、かつ溶解手段が前記壁の一方または他方に接触するために充分に小くなる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の装置。

請求項9

微生物の溶解および前記微生物の核酸の精製のためのシステムであって、−請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を位置決めする手段と、−前記溶解装置が前記位置決め手段上に配置されたときに前記ロータを回転させる手段と、−核酸を受け入れるための少なくとも1つの容器と、−液体の吸引/排出のための少なくとも1つの手段と、−前記微生物の溶解装置、精製された核酸を受け入れるための容器、および液体の吸引/排出手段に連通する多方向バルブとを有している溶解システム

請求項10

磁化手段をさらに有している請求項9に記載の溶解システム。

請求項11

加熱手段をさらに有している請求項9または10に記載の溶解システム。

請求項12

前記多方向バルブが吸引−排出手段を備えている、請求項9〜11のいずれか一項に記載の溶解システム。

請求項13

空気中の微生物の収集方法であって、a)空気収集モジュールの内側にカートリッジを配置することにより請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物収集装置を得て、前記カートリッジの保持ゾーンを前記空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、c)空気中の微生物を前記カートリッジの保持ゾーンに集める段階とを含んでいる方法。

請求項14

空気中の微生物の溶解方法であって、a)カートリッジを空気収集モジュールの内側に配置することにより請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物収集装置を得て、前記カートリッジの保持ゾーンを前記空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、c)空気中の微生物を前記カートリッジの保持ゾーンに集める段階と、d)前記空気収集モジュールから前記カートリッジを取り出す段階と、e)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、f)前記微生物の溶解装置を、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムに配置する段階と、g)前記カートリッジに溶出液を導入し、前記カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、h)前記ロータの回転手段によって前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階とを有している方法。

請求項15

空気中の微生物から核酸を抽出する方法であって、a)カートリッジを空気収集モジュールの内側に配置することにより請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物収集装置を得て、前記カートリッジの保持ゾーンを前記空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、c)空気中の微生物を前記カートリッジの保持ゾーンに集める段階と、d)前記空気収集モジュールから前記カートリッジを取り出す段階と、e)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、f)前記吸引−排出手段によって前記カートリッジに溶出液を導入し、前記カートリッジに含まれる溶解手段を懸濁させる段階と、g)前記ロータの回転手段によって前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と、h)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、i)核酸を受け入れて精製するための容器に前記溶出液を送出する段階とを有している方法。

請求項16

核酸の洗浄および精製を行う段階をさらに含んでいる、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記カートリッジの保持ゾーンに集められた微生物を増殖させることからなる段階d’)をさらに有している請求項13〜16に記載の方法。

請求項18

増殖が、2〜24時間の範囲内の時間にわたるストーブでの前記カートリッジの培養によって達成される、請求項17に記載の方法。

請求項19

段階f)〜i)が、請求項9〜12のいずれか一項に記載の微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムにおいて使用される、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

微生物の溶解方法であって、a)微生物がその保持ゾーンに集められているカートリッジを入手する段階と、b)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、c)前記カートリッジに溶出液を導入し、前記カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、d)前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階とを有している方法。

請求項21

微生物から核酸を抽出する方法であって、a)微生物が保持ゾーンに集められているカートリッジを入手する段階と、b)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、c)前記カートリッジに溶出液を導入し、前記カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、d)前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と、e)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、f)核酸を受け入れて精製するための容器に前記溶出液を送出する段階とを有している方法。

請求項22

核酸の洗浄および精製を行う段階をさらに含んでいる請求項21に記載の方法。

請求項23

液体サンプルに含まれる微生物の溶解方法であって、a)前記微生物を含んでいる液体サンプルをカートリッジの前記保持ゾーンの近傍に導入することにより、前記液体サンプルが前記カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、b)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、c)前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが、微生物を保持している前記溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階とを有している方法。

請求項24

液体サンプルに含まれる微生物から核酸を抽出する方法であって、a)前記微生物を含んでいる液体サンプルをカートリッジの前記保持ゾーンの近傍に導入することにより、前記液体サンプルが、前記カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、b)前記カートリッジに前記ロータを配置することにより請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得る段階と、c)前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と、d)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる液体サンプルを吸引する段階と、e)核酸を受け入れて精製するための容器に前記液体サンプルを送出する段階とを有している方法。

請求項25

細胞組織サンプルから核酸を抽出するための方法であって、a)細胞組織のサンプルを、溶出液の存在下においてカートリッジへと導入する段階と、b)前記カートリッジにロータを配置する段階と、c)前記カートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが前記カートリッジ内に含まれる溶解手段を回転させることによって、細胞組織の細胞の機械的溶解を行う段階と、d)溶解の際に放出される前記細胞に由来する核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、e)核酸を受け入れて精製するための容器に前記溶出液を送出する段階とを有している方法。

請求項26

核酸の洗浄および精製を行う段階をさらに含んでいる請求項24または25に記載の方法。

請求項27

細胞組織のサンプルの細胞を溶解させるための、請求項5〜8のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置の使用。

請求項28

細胞組織のサンプルの細胞を溶解させるための、請求項9〜12のいずれか一項に記載の、微生物の溶解、および前記微生物に由来する核酸の精製のためのシステムの使用。

技術分野

0001

本発明の技術分野は、生物学的分析の分野である。より詳しくは、本発明は、第1に、環境サンプルまたは臨床サンプルに存在する微生物の溶解、ならびにこの微生物の核酸の抽出および精製のための装置に関する。さらに本発明は、分析を目的とする微生物の溶解、ならびにこの微生物の核酸の抽出および精製のための自動システムに関する。

背景技術

0002

病院における院内感染急増が、ここ数年にわたって見られる。これらの感染は、病院の環境に存在し、設備および表面の殺菌ならびに空気の処理に常に振り向けられている多大な注意にもかかわらず撲滅されない病原微生物による入院患者(したがって、当然ながら免疫が低下している)の汚染によって説明される。これらのますます頻繁になる環境の微生物による汚染の事例に鑑みて、環境の管理を改善および促進する装置および方法の開発が、医療従事者にとって大きな課題となっている。

0003

院内感染の問題に加えて、環境条件の管理も、長年にわたって産業(特には、食品業界ならびに医薬または化粧品業界)において繰り返されている懸案事項である。食品業界において、病原微生物による製品(あるいは、原料)の汚染によって生じうる消費者の健康への破滅的な結果は、周知のとおりである。実際、リステリア菌またはサルモネラ菌などといった種類の細菌に起因する食中毒が、今や頻発している。空気の品質の管理も、医薬または化粧品業界の品質アプローチにおける重要なプロセスである。

0004

さらには、これらの管理は、規制がどんどん厳格になってきているため、ますます増える要件に従わなければならない。

0005

医療従事者または製造者が環境の管理の実行において利用することができるツールの中でも、微生物エアサンプラが、空気中の微生物を検出するための最適な技術的解決策である。これらの装置は、微生物による空気の汚染の測定が必要とされる場所の適切な地点に配置される。これらの装置は、一般に、エアサンプラを培地に組み合わせて構成されている。エアサンプラによって採取された空気が、培地に接触させられ、採取された空気に含まれる微生物が、培地に付着する。次いで、培地が回収され、微生物の増殖を促進するためにストーブに配置される。このようにして、それらの微生物を、従来からの微生物学的技法によって検出および特定することが可能である。

0006

しかしながら、これらの装置は、使用される技術に関連した大きな欠点を抱えている。この欠点は、分析結果を得るために要する時間である。実際、微生物学(特には、細菌学)の従来からの技法を使用することで、細胞の増殖に必要な培養時間が必要であり、あるいは特定を可能にするための特定の培地への植え直しの段階さえ必要である。結果として、院内感染または食中毒の原因である病原菌の検出および特定を試みるとき、結果を得るために要する時間が比較的長く、場合によっては長すぎる。

0007

この種の装置のもう1つの欠点は、培地を使用することによって細菌の属および種の間の区別は可能であるが、1つの同じ細菌種の株の区別が、通常は不可能である点にある。今や、微生物の病原性が、前記当の株に応じて大きく変化しうることが知られている。

0008

さらに、この種の装置は、生存能力を有するが、培養することが不可能である空気中の微生物を、検出できないという欠点を抱えている。

0009

さらには、空気中の粒子、特には微生物を回収する目的の装置が存在する。すなわち、特許文献GB2254024が、空気中の粒子を集めるための装置を記載しており、その原理は、サイクロン効果に基づいている。そのような装置は、微生物を含む空気中の粒子の収集に適することが明らかになっているが、そのようにして得られるサンプルの処理については研究されておらず、特には分析に使用する目的の遺伝物質の抽出について、研究されていない。

0010

より一般的には、臨床サンプルであっても、あるいは環境サンプルであっても、微生物の特定および/または結果をもたらす速度に関して最も適切な技法が、分子診断の技法であることは明らかである。微生物の遺伝物質の分析にもとづき、特には対象の一定の特定配列の分析に基づくこれらの技法は、培養段階の省略を可能にするため、記録的な速さで微生物のきわめて正確な特定を得ることを可能にする。

0011

しかしながら、そのような技法の使用は、幾つかの限界を抱えており、そのうちで最も重要なものは、空気中に存在しており、したがって分析の実行のために回収することができる微生物の量が、おそらくは限られている点にある。実際、環境サンプルならびに特定の臨床サンプルにおいて、微生物が比較的少ないことが知られている。結果として、この原料から得られる遺伝物質の量が、わずかでしかない。したがって、核酸を抽出するために使用される技法の収率に関する性能が、重要なパラメータになる。

0012

さらには、微生物を溶解させるための既存の技法の多くは、すべての微生物について汎用的に適用できるものではなく、かつ/または手作業による段階を行うために有資格者の介在を必要とする。

0013

特許文献WO−A−2005/038025が、特には空気サンプルからの微生物から核酸を抽出するための方法を記載している。この方法は、3つの異なる溶解方法、すなわち化学的溶解熱衝撃による溶解、および機械的溶解の使用を含んでいる。そのような方法は、核酸の抽出効率を最適化でき、したがって分析に利用できる遺伝物質の量を増やすことができることが明らかであるが、この効率は、回収される微生物の量に依然として依存している。さらに、前記微生物の回収の最適化について、この特許文献には何も記載されていない。

0014

特許文献US5707861が、微生物などの生きた細胞を破壊するための装置を記載している。この装置は、ガラスビーズを使用し、さらには微生物を収容する管とこれらの管を保持する支持部の穴との間に存在するすき間に起因する振動の効果によって、細胞の溶解を可能にしている。このようにして、この種の装置は、細胞の溶解を最適にし、遺伝物質の抽出を最適化することを可能にしている。この装置および後者によって使用される方法は、上述の限界と同じ限界を抱えており、すなわち回収される微生物の量に依然として依存する。さらに、細胞の残り屑から核酸を単離するために、核酸の濃縮という後続の段階を必要とするというさらなる欠点を抱えている。最後に、濃縮段階終わりにおいて、核酸を手作業で回収する必要がある。

0015

これらの問題は、特許文献US5567050に記載の装置においても生じる。

0016

より一体化されたシステムも、明らかにされている。すなわち、特許文献WO−A−2004/018704が、空気から微生物を集め、それらを特定するために、PCRポリメラーゼ連鎖反応増幅技法を使用する装置および関連の方法を記載している。このシステムは、郵便仕分けセンターにおいて企てられる生物学的汚染による攻撃対抗するために特に適している。このシステムは、郵便を運ぶための回路に沿って配置された空気サンプラと、サイクロン効果による粒子のろ過/分離のための装置と、液体サンプル内の粒子の濃縮/回収のための装置と、サンプルの一部をCepheid社のGeneXpert(商標)というPCR分析カートリッジへと移すための装置とで構成されている。次いで、カートリッジが、空気から集められた微生物の特定のために、別の自動生物学的分析器へと手作業で移される。

0017

このシステムは、上述の装置および方法に関する数々の技術的問題の解決を可能にするが、それでもなお、幾つかの大きな欠点を抱えている。第1にそれらの欠点は、分析カートリッジへの移動に先立つサンプルの処理(収集、分離、濃縮/回収)のためのシステムが、比較的複雑かつ高価である点である。もう1つの欠点は、核酸の溶解および精製の両方を実行することができるGeneXpert(商標)カートリッジが存在しない点にある。さらに、第2の欠点は、集められた微生物が液体サンプルにて回収され、その一部だけしか分析されない点にある。これは、微生物がすべては回収されず、したがって核酸がすべては回収されない恐れが極めて大であり、分析の妥当性が大きく制限されることを意味する。さらには、その複雑さにもかかわらず、このシステムでは、カートリッジをGeneXpert(商標)自動分析器へと手動で移さなければならない。

発明が解決しようとする課題

0018

したがって、本発明の第1の目的は、随意により植物状態または胞子の形態にある幅広い種類の微生物に関して、それが細菌、ウイルス、または菌類のいずれであろうと、環境サンプルおよび臨床サンプルの両方について有効な溶解の装置、システム、および普遍的方法を提供することにある。

0019

本発明の別の目的は、空気などの環境サンプルまたは臨床サンプルに含まれる前記微生物を、統合されたやり方で分析の目的のために核酸を抽出して回収するために、効率的に溶解させるために適した装置を提供することにある。

0020

本発明の別の目的は、空気サンプルに含まれる微生物のすべてを収集するために適した装置を提供することにある。

0021

本発明の別の目的は、手作業による段階の数および複雑さを最小限にする単純な設計の装置を提供することにある。

0022

本発明の別の目的は、きわめてコンパクトな装置を提供することにある。

0023

本発明の別の目的は、上述したさまざまな段階が外的な汚染の恐れなく行われる閉じた装置を提供することにある。

0024

本発明の別の目的は、上述の段階が作業者によるサンプルの移動を必要とせずに行われ、したがって作業者の汚染を防止する装置を提供することにある。

0025

本発明の別の目的は、人間による介入を抑え、サンプルの処理のトレーサビリティを改善する装置およびシステムを提供することにある。

0026

最後に、本発明の別の目的は、対象の核酸を、例えば増幅および検出の段階を含む分子診断の段階において遠心分離またはろ過などの追加の前処理段階を必要とせずに直接的に使用することができるバッファにて供給することができる装置および自動システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0027

これらの目的は、とりわけ、第1には、空気中の微生物を収集するための装置であって、
空気収集モジュール、および
・カートリッジ
を有しており、
前記空気収集モジュールが、
i.前記モジュールへの空気の流れの進入を可能にする空気進入ダクトを有しており、前記ダクトの底部に空気の流れを乱す手段が設けられている上部部材と、
ii.生成される空気の流れを外へと出すことができる排気手段を有している下部部材と
を備えており、
前記空気収集モジュールの内部に空気の流れを生じさせることができるよう、前記上部および下部部材を互いに一体化させることができ、
前記カートリッジは、おおむね円筒形であって、微生物保持ゾーンを有しており、前記保持ゾーンが、微生物の溶解手段を有しており、前記カートリッジが、前記空気収集モジュールの内部に配置される装置に関する本発明によって達成される。

0028

好ましくは、微生物収集装置のカートリッジの微生物保持ゾーンが、微生物を保持することができ、溶解手段を所定の位置に保持することができ、かつ液体の存在下において溶解することができる物質をさらに含んでいる。

0029

本発明による装置においては、空気の流れを乱す手段が、空気進入ダクトの腔の中心に配置された累積度数分布曲線の形状の円錐と、前記累積度数分布曲線の形状の部品を空気進入ダクトの内面へと接続する少なくとも1枚のブレードとを備える。

0030

有利には、空気収集モジュールが、空気の循環のための回路または空気の吸引のための装置へと接続されるように意図されている。

0031

さらに本発明は、微生物の溶解装置であって、
・おおむね円筒形の形状であり、微生物のための保持ゾーンを有しており、ステータ役割を実行するカートリッジと、
・前記カートリッジ内に配置でき、回転手段を有しているロータ
を有している装置に関する。

0032

好ましい実施の形態によれば、この装置が、ロータをカートリッジと一体に保つように意図されたキャップをさらに備える。

0033

有利には、回転手段が、行き止まりのダクトの壁に形成された溝で構成されており、これらの溝が、正反対に向かい合っており、前記ロータを回転させる手段の伝達シャフトの端部を受け入れるように意図されている。

0034

微生物の溶解のためのこの装置の特すべき特徴によれば、ロータがカートリッジに取り付けられたときに、カートリッジの内壁をロータの外壁から隔てる距離が、このすき間空間に溶解手段を配置できるように充分に大きく、かつ溶解手段を前記壁の一方または他方に接触させるために充分に小さいように、カートリッジの内径がロータの外径よりも大きい。

0035

さらに本発明は、微生物の溶解および前記微生物の核酸の精製のためのシステムであって、
・本発明による微生物の溶解装置を位置決めする手段と、
・前記溶解のための装置が前記位置決め手段に配置されたときにロータを回転させる手段と、
・核酸を受け入れるための少なくとも1つの容器と、
・液体の吸引/排出のための少なくとも1つの手段と、
・前記微生物の溶解装置、精製された核酸を受け入れるための容器、および液体の吸引/排出手段に連通する多方向バルブ
を有しているシステムに関する。

0036

好ましくは、先行の請求項に記載のこの溶解システムが、磁化手段をさらに備えている。さらに加熱手段を備えてもよい。

0037

本発明の特定の実施の形態によれば、多方向バルブが、吸引−吐出手段を備えている。

0038

さらに本発明は、空気中の微生物の収集方法であって、
a)カートリッジを空気収集モジュールの内側に、本発明による微生物収集装置を得るように配置して、前記カートリッジの内部の保持ゾーンを空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、
b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、
c)空気中の微生物をカートリッジの保持ゾーンに集める段階と
を含んでいる方法に関する。

0039

さらに本発明は、空気中の微生物の溶解方法であって、
a)カートリッジを空気収集モジュールの内側に、本発明による微生物収集装置を得るように配置して、前記カートリッジの内部の保持ゾーンを空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、
b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、
c)空気中の微生物をカートリッジの保持ゾーンに集める段階と、
d)空気収集モジュールからカートリッジを取り出す段階と、
e)請求項のいずれか一項に記載の微生物の溶解装置を得るために、カートリッジにロータを配置する段階と、
f)前記微生物の溶解装置を、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムに配置する段階と、
g)カートリッジへと溶出液を導入し、カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、
h)前記ロータの回転手段によってカートリッジ内で前記ロータを回転させ、前記ロータが微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と
を有している方法に関する。

0040

「溶出液」は、溶解を可能にし、あるいは良好な条件にて核酸の抽出および回収さえ可能にする任意の液体を意味する。この液体は、通常はバッファである。本発明による方法の適用の目的が、分析を目的とする核酸の抽出および回収である場合、このバッファは、それら核酸の保存を可能にするためのものである。この種の液体は、当業者にとって周知である。

0041

さらに本発明は、空気中の微生物から核酸を抽出する方法であって、
a)カートリッジを空気収集モジュールの内側に、本発明による微生物収集装置を得るように配置して、前記カートリッジの内部の保持ゾーンを空気収集モジュールの空気進入ダクトに連絡させる段階と、
b)任意の適切な手段によって空気を前記空気収集モジュールへと進入させる段階と、
c)空気中の微生物をカートリッジの保持ゾーンに集める段階と、
d)空気収集モジュールからカートリッジを取り出す段階と、
e)カートリッジにロータを配置する段階と、
f)吸引−排出手段によってカートリッジに溶出液を導入し、カートリッジに含まれる溶解手段を懸濁させる段階と、
g)前記ロータの回転手段によってカートリッジ内でロータを回転させ、前記ロータが溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と、
h)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、
i)前記溶出液を核酸を受け入れて精製するための容器に送出する段階と
を有している方法に関する。

0042

好ましくは、上述の微生物の溶解および核酸の抽出の方法が、カートリッジの保持ゾーンに集められた微生物を増殖させることからなる段階d’)をさらに含む。

0043

有利には、増殖が、2〜24時間の範囲内の時間にわたるストーブでのカートリッジの培養によって達成される。

0044

好ましくは、上述の微生物の溶解および核酸の抽出の方法の段階f)〜i)が、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムにおいて適用される。

0045

さらに本発明は、微生物の溶解方法であって、
a)微生物が保持ゾーンに集められてなるカートリッジを入手する段階と、
b)カートリッジにロータを配置する段階と、
c)カートリッジに対象の液体を導入し、カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、
d)カートリッジ内でロータを回転させ、前記ロータが微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と
を有している方法に関する。

0046

さらに本発明は、微生物から核酸を抽出する方法であって、
a)微生物が保持ゾーンに集められてなるカートリッジを入手する段階と、
b)カートリッジにロータを配置する段階と、
c)カートリッジに溶出液を導入し、カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させる段階と、
d)カートリッジ内でロータを回転させ、前記ロータが微生物の溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と、
e)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、
f)前記溶出液を核酸を受け入れて精製するための容器に送出する段階と
を有している方法に関する。

0047

さらに本発明は、液体サンプルに含まれる微生物の溶解方法であって、
a)前記微生物を含んでいる液体サンプルをカートリッジへと、カートリッジの前記微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させるように、前記保持ゾーンの近傍に導入する段階と、
b)カートリッジにロータを配置する段階と、
c)カートリッジ内で前記ロータを回転させ、これによりカートリッジの前記微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させるとともに、微生物を保持してなる溶解手段を回転させることによって、微生物の機械的溶解を行う段階と
を有している方法に関する。

0048

「液体サンプル」は、微生物を含むことができる任意の液体サンプルを意味する。人間または動物由来とする液体サンプルであってよい。このサンプルは、例えば尿、全血血漿、または任意の他の体液であってよい。液体サンプルは、飲料など、食物由来の液体サンプルであってもよい。水など、環境由来液体サンプルであってもよい。さらには、液体サンプルが、いわゆる移送液綿棒式の表面サンプリング装置COPAN社によってflockedSWABSという名前で市販されているものなど)に存在する微生物が、この移送液中で前記綿棒を揺り動かすことによって再懸濁させられる)であってもよい。

0049

さらに本発明は、液体サンプルに含まれる微生物から核酸を抽出する方法であって、
a)前記微生物を含んでいる液体サンプルをカートリッジへと、カートリッジの微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させるように、前記保持ゾーンの近傍に導入する段階と、
b)カートリッジにロータを配置する段階と、
c)カートリッジ内でロータを回転させることによって、前記カートリッジの前記微生物保持ゾーンに位置する溶解手段を懸濁させるとともに、微生物が保持された溶解手段を回転させ、微生物の機械的溶解を行う段階と、
d)溶解の際に放出される前記微生物の核酸を含んでいる液体サンプルを吸引する段階と、
e)核酸を受け入れるための容器に前記液体サンプルを送出する段階と
を有している方法に関する。

0050

さらに本発明は、細胞組織のサンプルから核酸を抽出する方法であって、
a)細胞組織のサンプルを溶出液の存在下においてカートリッジへと導入する段階と、
b)カートリッジにロータを配置する段階と、
c)カートリッジ内でロータを回転させ、前記ロータがカートリッジ内に含まれる溶解手段を回転させることによって、細胞組織の細胞の機械的溶解を行う段階と、
d)溶解の際に放出される前記細胞に由来する核酸を含んでいる溶出液を吸引する段階と、
e)核酸を受け入れるための容器に前記溶出液を送出する段階と
を有している方法に関する。

0051

組織サンプル」は、人間または動物から由来し、核酸の抽出が可能である任意の組織サンプルを意味する。そのようなサンプルを、例えば臓器筋肉、または皮膚の生検によって得ることができる。これらの組織は、健康であっても、病的(とりわけ、腫瘍)であってもよい。

0052

本発明による核酸の抽出方法のすべてが、好都合な実施の形態によれば、増幅などの後の処理に鑑みて、これらの核酸の追加の精製段階を有することができることに、注意すべきである。この精製段階は、核酸と溶解段階において塩析された他の細胞構成要素との間の分離を可能にする。この段階は、一般に、核酸の濃縮を可能にし、DNAおよびRNAの精製に適合させることができる。この段階は、磁性粒子によって実行することが可能である。例として、随意により吸着または共有結合によってオリゴヌクレオチドでコートされた磁性粒子(米国特許第4,672,040号および第5,750,338号を参照)を使用し、洗浄段階においてこれらの磁性粒子に付着した核酸を精製することが可能である。この核酸の精製の段階は、これらの核酸の後の増幅が必要とされる場合に、特に有用である。これらの磁性粒子の特に興味深い実施の形態が、特許出願WO−A−97/45202およびWO−A−99/35500に記載されている。核酸の精製方法の他の興味深い例は、カラムの形態または不活性粒子の形態のいずれかのシリカを使用(Boom R.ら、J.Clin.Microbiol.、1990、No.28(3)、p.495−503)し、あるいは磁性粒子(Merck社:MagPrep(登録商標)Silica、Promega社:MagneSil(商標)Paramagnetic particles)を使用することである。他の幅広く使用されている方法は、カラムまたは常磁性粒子形式イオン交換樹脂に基づく(Whatman社:DEAE−Magarose)(Levison PRら、J.Chromatography、1998、p.337−344)。本発明にきわめて関係するが、本発明専用ではない別の方法は、金属酸化物支持体(Xtrana社のXtra−Bind(商標)matrix)への吸着である。

0053

さらに、上述のさまざまな方法において、微生物の溶解装置の再構成に続くすべての段階、すなわちいったんカートリッジにロータが配置されると、すべての段階を、有利には、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムにおいて使用することができる。

0054

さらに本発明は、本発明による微生物の溶解装置を、細胞組織のサンプルの細胞の溶解に使用することに関する。

0055

さらに本発明は、本発明による微生物の溶解および前記微生物に由来する核酸の精製のためのシステムを、分析の目的のための細胞組織のサンプルからの細胞の溶解および前記細胞の核酸の精製に使用することに関する。

0056

微生物は、細菌、ウイルス、イーストかび、および寄生虫を含むグループから取られる。

0057

微生物の単離が行われるサンプルは、環境由来のサンプルである。したがって、空気または液体(水など)のサンプルや、表面サンプルであってよい。サンプルは、微生物(随意により、病原性の微生物)の検出および特定のための分析の対象となることができる臨床由来のサンプル、すなわち人間または動物由来の任意のサンプルであってよい。

0058

目標の核酸の存在を、ハイブリダイゼーション反応視覚化によって実証することができる。ハイブリダイゼーション反応は、捕捉された核酸と、単離もしくは転写逆転写、あるいはNASBA(核酸配列に基づく増幅)式の増幅またはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の段階によって生成された対象の核酸との間のあらゆる反応を意味する。

0059

核酸は、オリゴヌクレオチド、デオキシリボ核酸、およびリボ核酸、ならびにその誘導体を意味する。オリゴヌクレオチドは、適切なハイブリダイゼーション条件のもとで少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドへとハイブリダイズすることができる天然または修飾された少なくとも2つのヌクレオチド(デオキシリボ核酸、またはリボ核酸、あるいは両方)の配列を指す。修飾されたヌクレオチドは、例えば、修飾塩基を有しており、さらには/あるいはヌクレオチド間の結合および/または骨格に修飾を有しているヌクレオチドを意味する。修飾塩基の例として、イノシンメチル−5−デオキシシチジンジメチルアミノ−5−デオキシウリジンジアミノ−2,6−プリン、およびブロモ−5−デオキシウリジンを挙げることができる。

0060

修飾されたヌクレオチド間結合の例示として、ホスホロチオエート、N−アルキルホスホルアミダート、アルキルホスホネート、およびアルキルホスホジエステル結合を挙げることができる。

0061

FR−A−2607507に記載されているようなアルファ−オリゴヌクレオチド、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、Volume 8、Issue 16、18 August 1998、pages 2219−2222に記載のホスホロチオエート−LNAおよび2’−チオ−LNAなどのLNA、ならびにM.Egholmらの論文(J.Am.Chem.Soc.(1992)、114、1895−1897)で考察されているPNAが、修飾された骨格を有するヌクレオチドで構成されたオリゴヌクレオチドの例である。

0062

ハイブリダイゼーション反応を、直接的または間接的な手段など、任意の検出手段によって視覚化することができる。

0063

直接的、すなわちラベリングを使用しない検出の場合には、ハイブリダイゼーション反応が、プラズモン共鳴または導電ポリマーを保持する電極におけるサイクリックボルタンメトリによって観察される。

0064

間接的な検出、すなわちラベリングによる検出の場合には、ラベリングを、目標の核酸へと直接的に実行することができ、あるいはこの核酸の特有結合相手事前ラベル付けされている)を介して実行することができる。

0065

対象の核酸の特有の結合相手は、対象の核酸へと結合することができる任意の相手を意味し、例として、核酸、オリゴヌクレオチド、あるいはポリヌクレオチドおよび酵素基質を挙げることができる。

0066

「ラベリング」は、検出可能な信号を直接的または間接的に生成することができるマーカーを取り付けることを意味する。これらに限られるわけではないが、そのようなマーカーとして、例えば電気化学比色分析蛍光、および発光によって検出できる信号を生成する酵素セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(ALP)、α−ガラクトシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼなどの酵素、酵素阻害剤、酵素補助因子金粒子磁性ラテックス、およびリポゾームなどの粒子、発光化合物などの発色団染料、32P、35S、または125Iなどの放射性分子、ならびにフルオレセインローダミン、Alexa(登録商標)、ウンベリフェロンルミノール、またはフィコシアニンなどの蛍光分子が挙げられる。蛍光の場合には、酵素基質反応の蛍光生成物蛍光プローブ消光剤の組み合わせ、蛍光の消滅、または蛍光の特性に基づく他の任意の系であってよい。

0067

例えば他のリガンドアンチリガンドペアによる間接的なシステムも使用することができる。リガンド/アンチリガンドのペアは、当業者にとって周知であり、例えば以下のペア、すなわちビオチンストレプトアビジン、糖/レクチン、ポリヌクレオチド/相補的なポリヌクレオチドを挙げることができる。この場合、リガンドが結合剤を保持する。アンチリガンドを、先の段落に記載したマーカーによって直接的に検出することができ、あるいはそれ自身をリガンド/アンチリガンドによって検出することができる。

0068

これらの間接的な検出システムは、特定の条件において、信号の増幅につながることができる。信号増幅のこの技法は、当業者にとって周知であり、本出願の出願人による以前の特許出願FR−A−2 781 802またはWO−A−95/08000、あるいは論文(J.Histochem.Cytochem.45:481−491、1997)を参照することができる。

0069

対象の核酸を、ポリメラーゼにより、キナーゼにより、無作為または特定的に、端部にマーカーを直接的または間接的に取り入れることによって、あるいは分子の「内部」へと取り入れることによって、前もってラベル付けすることができる。

0070

分析対象の特有の結合相手のラベリングは、当業者に広く知られており、例えばGreg T.HermansonによってBioconjugate Techniques、1996、Academic Press Inc、525B Street、San Diego、CA 92101 USAに記載されている。

0071

使用される共役のラベリングの種類(例えば、酵素を使用する)に応じて、当業者であれば、ラベリングの視覚化を可能にする試薬を添加できるであろう。この段階は、検出に相当する。これに先立ち背景雑音を抑えるために、検体または元素のうちの反応に関与しなかった部分、結合の弱い部分、または非特定的な結合の部分を取り除くために、洗浄バッファが使用される。

0072

本発明による装置の目的および利点が、図面を参照して以下に提示される例(ただし、決して本発明を限定するものではない)から、よりよく理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0073

微生物の収集および溶解に使用されるカートリッジの縦断面図を示している。
空気中の微生物を収集するための特定の実施の形態による装置の縦断面図を示している。
図1に示した微生物収集装置の部分拡大の縦断面図を示している。
微生物収集装置の上部部材の内部の斜視図を示している。
図3に示した微生物収集装置の上部部材の内部の一部分の斜視図を示している。
微生物の溶解装置の縦断面図を示している。
微生物の溶解装置と多方向バルブとで構成された集合体の縦断面図を示している。
第1の設定にある多方向バルブのレベルにおける微生物の溶解のためのシステムの一部分の縦断面図を示している。
第2の設定にある多方向バルブのレベルにおける微生物の溶解のためのシステムの一部分の縦断面図を示している。

0074

図1に縦断面にて示されているカートリッジ10は、おおむね円形の断面の円筒形の全体形状を有している。円筒上端が開いている一方で、下端は、中心に穴を有する壁で構成されており、その延長に、カートリッジ10の内部へと延びるダクト12が存在している。ダクトの内部の断面が、上端に近付くにつれて減少する傾向にあることを、見て取ることができる。

0075

図1に示すように、カートリッジ10の底壁14の内面は傾けられており、傾斜の最下点が、ダクト12に連絡する場所に位置し、最高点が、カートリッジ10の垂直壁16との接点にある。この壁14が、溶解手段18のための支持体として機能し、微生物保持ゾーンを構成する。これらの溶解手段は、この場合には、同一のサイズのビーズで構成されている。好ましい実施の形態によれば、これらのビーズは、ガラスである。しかしながら、鉄など、他の任意の同等の材料で構成されてもよい。これらのビーズは、有利には、200〜800マイクロメートル(μm)の間の直径を有している。

0076

好都合な実施の形態によれば、ビーズが、異なるサイズであってよい。すなわち、200〜300μmの間の直径を有するビーズの直径が400〜600μmの間であるビーズとの混合物を使用することが、特に適切であるかもしれない。そのようなビーズは、例えばSIGMA社によってthe reference Acid−washed glass beads、425〜600μm、型番G8772で市販されている。

0077

ビーズは、好ましくはビーズ上に配置されるゼリー状物質19の層によって重ね合わせられた1つ以上の層の形態で、所定の位置に保持される。ゼリー状物質は、幾つかの要件を満たさなければならない。第1には、カートリッジ内で使用される手順に影響を及ぼすことがないように、不活性でなければならない。第2に、微生物の溶解の応用のために、液体に溶け能力を有さなければならない。上記物質は、例えばアガロースゲルであってよい(SigmaAldrich社のAgarose−Type I−B Low EEO、型番A0576−25G)。さらに、ゼリー状物質が、グリセロールを含んでもよい。

0078

あるいは、ゼリー状物質が、有利には、微生物のための培地であってよい。実際、寒天培地が、体外診断の分野において、従来から長きにわたって使用されてきている。上記培地の使用は、幾つかの利点をもたらす。主たる利点は、溶解の実行に先立つ微生物の増殖の段階を可能にできる点にある。たとえ本発明による装置が、病原微生物の迅速な検出に関するニーズを満たすことを目的としていても、数分から数時間の増殖段階が、微生物の増加を可能にすると考えられ、より大量の核酸を利用することができるという直接的な効果を有すると考えられる(これは、適切な分析の開始まで、管理を必要とする部屋において集められる空気サンプルの回収および移動における固有遅延活用できるようにする)。培地の使用の第2の利点は、培地が、所与の1つ以上の種について選択的であってよい点にある。結果として、そのような培地を使用することで、選択的な増殖が可能になり、したがって対象外の他の微生物(おそらくは、分析を妨げかねない)を犠牲にし、特定の病原微生物を検出することが可能になる。このように、それぞれが微生物の特定の種の検出に合わせて構成された幾つかの異なるカートリッジを用意することが考えられる。

0079

カートリッジ10の寸法は、例えば、内径に関して8〜16mm、好ましくは12mmであってよい。ビーズの層の全体としての厚さは、典型的には、1〜2mmの間であり、これは0.1〜1g、好ましくは0.3gのガラスビーズの量に相当する。

0080

カートリッジ10は、有利には、射出成型の技法によって製作される。使用される材料は、例えばポリプロピレンポリスチレンポリカーボネート、環状シクロオレフィン(CCO)、またはPMMAであるが、ポリカーボネートが好ましい。

0081

微生物収集装置20が、図2に示されている。この装置は、カートリッジ10が配置される空気収集モジュールで構成されている。この空気収集モジュールは、上部部材22および下部部材24で構成される。

0082

上部部材22は、おおむね円筒形である。さらに、上部部材22の斜視図が、図4および5に示されている。この円筒の下端が、開いている一方で、上端は、水平壁26によって部分的に封じられている。この壁26は、ダクト28によって上部部材22の中へと延びている穴を、中心に有している。この部分は、実際に、空気収集モジュール20への空気の進入を可能にするダクトを構成している。特定の実施の形態によれば、この空気進入ダクトを、任意の適切な手段によって空気循環回路チャネルへと接続することができる。累積度数分布曲線のような形状の円錐30が、このダクトの底部の中央に配置されている。この円錐30は、ブレード32によってダクト28の壁へと接続されている。これらのブレード32を、図4および5にはっきりと見て取ることができる。これらの図に示した実施の形態においては、ブレード32の数が3である。しかしながら、ブレード32の数は、さまざまであってよい。図2に示されるように、円錐30−ブレード32の集合体の役割は、ダクト28の底部に、微生物収集装置に進入する空気の流れの乱れを生じさせることにあり、この乱された流れが、微生物保持ゾーンのゼリー状物質に接触し、微生物保持ゾーンの空洞化をもたらす。この空洞化は、空気中の微生物の捕捉を大きく改善する。

0083

図2および4に示されるとおり、上部部材22は、3つの心出しピン34および3つのロックピン38をさらに有している。心出しピン34は、カートリッジ10の上部部材22に対する適切な心出し保証する。ロックピン38は、上部部材22において心出しされた位置へのカートリッジの固定をもたらす。これが、図2に明確に示されている。

0084

上部部材22は、その下部に、垂直壁の全周に形成され、上部部材22と下部部材24との結合を容易にする目的を有している段差および溝を有している。

0085

下部部材24も、おおむね円筒形である。この円筒の上端が、開いている一方で、下端は、空気を排出するためのおおむね円柱形の開口42を中心部に有している水平壁40によって部分的に封じられている。さらに下部部材24は、カートリッジ10の支持および配置のためのピン44を備えている。したがって、下部部材24は、上部部材22へと配置される。カートリッジ10も、ピン44によって下部部材24に当接して配置される。実際、カートリッジ10が下部部材24に配置されるとき、部材44がカートリッジのダクト12に進入し、カートリッジを正しい位置に配置および固定する。

0086

下部部材24の垂直な円筒壁の上端が、その内面に、この壁の全周に形成されるリップを有することができる。このリップは、上部部材22と下部部材24との間の固定をもたらすために、上部部材22に設けられた段差および溝と相互作用するように意図されている。上部部材22および下部部材24の一体化が、それぞれの下端および上端の対をなす形状によって可能にされる。この結合は、可逆である必要がある。

0087

部材22および24の他の結合手段は、一方の部材を他方の部材へとねじ込むことによる結合であってよい。この目的のために、一方の部材22または24の壁の端部が、雄ねじを有することができ、第2の部材の壁の端部が、対応する雌ねじを有することができる。

0088

いかなる寄生の空気の進入もないように、収集手段が気密に封じられることが重要である。

0089

空気収集手段の使用の特定のやり方によれば、空気排出ダクト22の下端を、空気吸引ポンプ(図示されていない)または任意の同等のポンプ手段へと接続することができる。このポンプは、例えば病室や、調合薬または食料品の製造のための部屋など、特定の環境内の周囲空気の分析の実行が所望される場合に、周囲空気を空気収集手段へと吸引するために使用される。この目的のために、自律的かつ連続的に動作するポンプ手段を有することが好ましいかもしれない。

0090

空気収集モジュール22および24は、例えば、10〜40mmの間の外径を有することができ、好ましくは20mmの外径を有することができる。空気進入ダクトの内径は、例えば6mmである。

0091

この空気収集モジュール10を、有利には、特にはオートクレーブ処理による殺菌が可能な材料で製作することができる。すなわち、アルミニウムまたは鋼などの金属であってよい。ポリカーボネート、環状シクロオレフィン(CCO)、またはPMMAなどのポリマーであってもよい。

0092

微生物収集装置における空気の循環がオンにされるとき、空気の辿る経路が、図2に矢印によって示されている。すなわち、空気が、空気進入ダクト28によって微生物収集装置に進入することを、見て取ることができる。カートリッジ10のダクト12が、空気進入ダクト28(より詳しくは、円錐30)へと部分的に挿入されている。ダクト28の底部における空気の流れが、円錐30の頂点において、周囲の流れへと変換される。さらには、円錐30の存在が、ダクト12への空気の進入を防止する。上述のように、乱された空気の流れが、ゼリー状物質19(ビーズ18は図示されていない)へと達し、この地点において、空気の流れによって運ばれる微生物の衝突による保持がもたらされる。したがって、このプロセスは、微生物学的エアサンプラにおいて生じる内容に比較的似ている。

0093

空気に関しては、ポンプ手段によって吸われ、経路を進み続ける。すなわち、カートリッジ10の垂直な壁16の内面に沿って上昇し、この同じ壁の外面に沿って再び下降し、排出開口42によって空気収集モジュール20から出る。

0094

空気収集モジュール10において収集される空気の流れは、例えば20〜100リットル/分(l/min)の間であってよい。有利には、50l/minである。

0095

ひとたびカートリッジにおける微生物の保持/濃縮の段階が完了すると、カートリッジが、上部部材22および下部部材24を分解またはねじを緩めることによって前記手段から取り外すことで、空気収集モジュールから取り外される。

0096

この段階において、カートリッジ内に濃縮された微生物の培養を実行したい場合には、カートリッジをストーブにおいて37℃で培養する機会が存在する。すでに上述したように、この培養は、通常は、分析時間が過度に長くなることがないように、数十分から数時間にわたって続く。しかしながら、分析結果の取得が急がれない場合には、細菌の増殖のための要件により調和するより長い時間(すなわち、約24時間)にわたるカートリッジの培養も、考えることができる。

0097

同様に、分析の延期が望まれる場合には、低温室など、保管に適した環境にカートリッジを保管することも考えられる。

0098

本発明の一実施の形態によれば、カートリッジ10を、空気収集モジュールに直接配置して、供給することが可能である。この形式の提供は、ユーザがカートリッジを空気収集モジュールに配置する必要がなく、この段階における汚染の恐れが少なくなるという利点を有している。この場合において、空気収集モジュールがカートリッジと同じ材料、すなわちポリプロピレン、ポリカーボネート、またはPMMAで製作されると、きわめて好都合である。その場合、射出成型による製造が、特に適している。

0099

微生物の収集が完了し、場合によっては培養が完了すると、カートリッジ10は、図6に示されているように、微生物の溶解装置を構成すべく、ロータ50へと接続される。この目的のため、ロータ50が、垂直方向平行移動によってカートリッジの自由端からカートリッジ10に挿入される。

0100

図6に縦断面で示されているロータ50は、円形の断面を有するおおむね円筒形の本体を有している。本体が、その外壁の上部に、フランジ52を有しており、このフランジ52が、ロータがカートリッジ10へと完全に挿入されたときにカートリッジ10の垂直な壁の上端に当接して、カートリッジ10−ロータ50の集合体が液体を漏らすことがないように保証する機能を有している。

0101

機密性補強するために、キャップ54を、ロータ50をカートリッジと一体に保つように、任意の適切な手段によってカートリッジ10に取り付けることができる。例えば、キャップ54を、嵌め合わせまたはねじ込みによって取り付けることができる。キャップは、おおむね環状であり、ロータに設けられた行き止まりのダクト56を構成しているロータの上部へとねじ込まれる。この行き止まりのダクトの上端において、対角線上で向かい合う2つの溝57が、壁に形成されている。これらの溝は、図8Aおよび8Bに示されるように、このロータを回転させる手段92の伝達シャフト90の端部を受け入れる機能を有している。したがって、このシャフトの端部は、これらの溝に挿入されるリブの形態で、これらの溝に対して対をなす形状を有している。駆動シャフトは、電動モータの駆動シャフトであってよい。あるいは、手動回転のための装置の一部であってよい。

0102

図6に示されるように、ロータ50は、その下部において、カートリッジ10の内部の形状に対して完璧に対をなす外形を有している。結果として、ダクト12がロータ50の底部に設けられた空洞58に挿入されることによって案内の役割を果たしつつ、ロータ50が完全にカートリッジ10の内側に配置される。この空洞58は、円形の断面を有するおおむね円筒形であり、上端がおおむね円錐形である。ロータ50が、底壁59がビーズ18とゼリー状物質19とで構成される集合体に当接するまで配置される。

0103

ロータ50およびキャップ54は、有利には、カートリッジと同じポリマー材料、すなわちポリプロピレン、ポリカーボネート、またはPMMAで製作される。好ましくは、これらの部品は、透明なポリカーボネート(Bayer社のMakrolon(登録商標)2858)の射出成型によって製作される。

0104

したがって、カートリッジ10−ロータ50−キャップ54の集合体が、本発明による微生物60の溶解のための装置を構成し、以下では「溶解装置」と称される。

0105

溶解装置は、ひとたび組み立てられると、図7に示されるとおり、4方向バルブに配置される。このバルブ70は、溶解装置60を受け入れる目的の第1の方向701を有している。この装置は、カートリッジ10のダクト12の底部によってバルブへと接続される。第2の方向は、本発明による微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムの一部である第1の吸引−押し出し手段へと接続されるように意図された接続穴702を有している。有利には、この吸引−押し出し手段は、溶出バッファ溶液を収容する容器へとさらに接続されたポンプである。このポンプが、図8Aおよび8Bに概略的に示されている。その動作は、後で説明される。第3の方向は、使い捨てのコーン72が取り付けられる接続穴703を有している。最後に、第4の方向は、第2の吸引−押し出し手段704で構成されている。この第2の手段は、バルブと一体のシリンジである。このシリンジ704は、本発明による微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムの一部を形成し、このシリンジのピストンを動かすように意図されている並進運動駆動手段と相互作用するように意図されている。最後に、バルブ70は、2つの流体チャネルを有する中央シャフト74を有している。図7に示されるとおり、これら2つのチャネルは、一方では溶解装置60と接続穴702との間の接続、他方ではシリンジ704と使い捨てコーン72が取り付けられた接続穴703との間の接続を、それぞれもたらす。シャフト74を、流体の接続が変更されるように、4分の1回転させることができる。そして、接続穴702が接続穴703へと接続され、溶解装置60がシリンジ704へと接続される。

0106

溶解装置60およびバルブ70で構成される集合体は、消耗品部分を構成する。その後に、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムに配置される。微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムは、溶解機能、液体移動機能、および精製機能という3つの別々の主たる機能を有する自動システムである。これらの機能は、後述される。

0107

溶解装置60−バルブ70の集合体が、以下のやり方で、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムに配置される。第1に、この集合体を取り付けるための専用の場所が存在する。この場所は、バルブ70を取り付ける手段を有することを特徴とする。この手段を、例えば、力を加えて間にバルブが押し込まれるアームまたはで構成することができる。

0108

ひとたび溶解装置60−バルブ70の集合体が所定の位置に位置すると、バルブへの種々の接続が行われる。これが、図8Aおよび8Bに概略的に示されている。すなわち、第1の接続が、バルブ70の接続穴702によって行われる。それは、接続穴702に接続されて自動システムに恒久的に位置する吸引−押し出し手段80への最後の接続である。上述のように、この吸引−押し出し手段80は、好ましくは、図8Aおよび8Bには一部分しか示されていない自動システムの一体の一部分である固定のポンプの形態である。より正確には、ポンプ80が、実際のところ、やはり自動システムに恒久的に配置されるバルブ82へと接続される。さらに、この固定のバルブ82は、一方では接続穴702を介してバルブ70に連通し、他方ではいわゆる溶出バッファを収容するリザーバ84に連通している。このようにして、固定のバルブ82は、その位置に応じて、固定のポンプ80をバルブ70またはリザーバ84のいずれかへと接続することを可能にする。

0109

溶解装置−バルブの集合体は、溶解装置のロータを回転させる手段92の伝達シャフト90にも接続される。ひとたびこの接続が行われると、伝達シャフト90が、図8Aの矢印Aに従い、垂直成分に沿ってロータへと圧力を加え、この圧力が、ロータからビーズ18およびゼリー状物質19で構成される集合体へと伝えられる。

0110

溶解装置−バルブの集合体と自動システムとの間の第3の接続は、バルブ70のシリンジ704とこのシリンジの駆動手段94との間の接続からなる。この駆動手段は、ステッピングモータウォームねじとで構成される集合体など、並進運動の駆動手段であり、シリンジ704のピストンを引き、あるいは押すことを可能にし、したがってシリンジへの液体の吸引またはシリンジ内に含まれる液体の吐出を可能にする。

0111

最後に、溶解装置−バルブの集合体と自動システムとの間の第4の接続は、バルブ70のシャフト74の回転駆動手段に関する。この手段は、図8Aおよび8Bには示されていないが、バルブ70のシャフト74へと接続された伝達シャフトを回転させることができるモータである。

0112

カートリッジ10に集められた微生物の溶解のための手順の適用時に、バルブ70は、溶解装置60がポンプ80と固定のバルブ82とで構成される集合体に連通するようなやり方に設定される。したがって、シリンジ704は、使い捨てのコーンが取り付けられた接続穴703に連通する。固定のバルブ82が、最初は、ポンプ80が溶出バッファリザーバ84に連通するようなやり方に設定される。次いで、ポンプ80が、所定の量の溶出バッファを吸引する。次いで、固定のバルブ82の設定が、ポンプ80がバルブ70を介して溶解装置60に連通するように変更される。次に、ポンプ80が、吸引した溶出バッファを吐き出し、溶出バッファが溶解装置60へと移動し、より詳しくはカートリッジ10の内壁とロータ50の外壁との間のすき間空間(図6を参照)へと移動する。そして、溶出バッファが、ゼリー状物質19およびビーズ18を濡らす。次に、ゼリー状物質18が、溶出バッファおよびロータ50の低速回転の組み合わせの作用によって溶かされる。結果として、ビーズがロータに懸濁する。この懸濁の操作が、ロータおよびロータの回転によってもたらされる圧力の効果と組み合わさり、ビーズ18の一部を、内側のカートリッジ10の垂直壁と外側のロータ50の垂直壁との間のすき間空間へと移動させる。このすき間空間が、好ましくは600〜800μmの間の幅を有することに注意すべきである。この幅は、使用されるビーズ18の直径に直接関係している。実際、ビーズは、この空間を容易に循環できなければならないと同時に、ロータ50の回転によって回転可能でなければならない。この目的のため、ロータの垂直な外壁は、ビーズの回転を促進する粗い表面を有することができる。

0113

ひとたびビーズがカートリッジの保持ゾーンにおいてロータの垂直壁に沿って分布すると、ロータをカートリッジへと完全に挿入することができる。

0114

当然ながら、ゼリー状物質およびビーズの両方に保持された微生物は、溶出バッファの流れによってビーズ18と同じやり方ですき間空間へと移される。

0115

ひとたびビーズ18がロータ50の垂直な外壁に沿って分布すると、厳密な意味での溶解段階が開始される。ロータ50が、回転手段/モータ92および伝達シャフト90の手段によって回転させられる。しかしながら、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムを使用しない簡略化された手順においては、ロータを手動で回転させることが考えられる。

0116

例として、回転速度の値は、毎分200〜3000回転の間であってよい。好ましくは、ロータが、すき間空間におけるビーズおよび溶出バッファの分散および均一化の目的のために、最初は毎分200回転の低速で回転させられる。この低速回転が、約15秒続く。

0117

その後に、回転速度が高められ、1〜5分の間の時間にわたって毎分1000〜3000回転の間の値に達する。この期間において、空気から集められた微生物の溶解が実行される。

0118

ロータの回転の速度および時間の選択が、溶解すべき微生物の種類に依存することは、かなり明確である。

0119

この段階において、ビーズ18は、ロータの垂直な外表面およびカートリッジの垂直な内表面に対する摩擦によって、自身の対称の軸を中心にして回転する。この二重の回転が、ビーズ18とロータまたはカートリッジのそれぞれの表面との間に捕捉された微生物の機械的な溶解をもたらす。これが、結果として、溶出バッファへの核酸の放出につながる。

0120

ひとたび溶解の段階が完了し、核酸が放出されると、核酸を含んでいる溶出バッファを吸引しなければならない。したがって、バルブ70の設定が、図8Bに示されるように溶解装置60とシリンジ704とが再び連通するように、バルブのシャフト74を回転させることによって変更される。次いで、シリンジ704のピストンが、核酸を含む溶出バッファをこのシリンジ704へと吸引するために、駆動手段94によって平行移動させられる。この吸引段階は、ロータ50を依然として、しかしながら低速(およそ毎分200回転)で、回転させつつ行われる。

0121

次いで、バルブ70が、シリンジ704が接続穴703に連通するように、図8Aに示したとおり最初の設定へと戻される。これにより、核酸を含む溶出バッファを、この核酸の精製の目的のために、コーン72を介して管へと送り出すことができる。実際、溶出バッファに含まれる溶解物は、核酸を効果的に含んでいるが、細胞の残り屑全てをも含んでいる。

0122

これを行うために、分析管96が、コーン72に近付けられる。有利には、自動システムが、この管を受け入れるためのホルダを有している。この場合に、このホルダを、管をホルダへと挿入することができる下方位置または休止位置と、管をコーン72の近く(図8Aおよび8Bに示されるとおり)に位置させる上方位置または作業位置との間を移動させることができるアームに接続することができる。当然ながら、コーン72が管96へと進入することが好ましい。管96は、核酸の精製に必要とされるいわゆる溶解バッファおよび磁気シリカ粒子を有している。これらの粒子は、1〜3μmの間の直径を有している。さらに、あらかじめ穿刺された隔膜(図示されていない)が、管96の汚染を回避するために、管96の開口に配置される。管96が上昇するにつれて、コーン72が、あらかじめ穿刺された穴によって隔膜を通過する。次いで、溶解物を含む溶出バッファが、分析管へと送り出される。この段階において、溶解物を溶解バッファおよび磁性粒子と均質化するために、数回の吸引/押し出しを実行するようにシリンジ704を使用することが好ましい。溶解バッファの機能は、核酸を安定させること(ヌクレアーゼに対する保護)、およびpHを捕捉段階にとって最適な値に調節することである。

0123

混合物が正しく均質化される場合、管を、磁性粒子による核酸の受動的な捕捉を可能にするために、静止させておくことができる。静止の時間は、例えば2分間であってよい。均質化が正しくなく、あるいは均質化が存在しない場合、核酸の捕捉を、能動的に行うことができる。実際、管および管に含まれる磁性粒子に、さまざまな向きの磁界を加えることができる。これを行うために、管が下方位置に配置され、管を保持するアームによって磁石に接触させられる。これらの磁石を、管を保持するアームと一体の2枚の平行なプレートに配置することができる。これら2枚のプレートは、アドホック変位手段によって水平方向の平行移動にて運動でき、すなわち管がこれらのプレートの間にあるように変位させられる。各々のプレート上の磁石の数は、さまざまであってよい。磁石が、プレートにおいて異なる高さにあると好都合である。さらに、一方のプレートの磁石が、他方のプレートの磁石に対向しておらず、所定の並びに従って管の変位の方向に関してずれていることが重要である。結果として、プレートの変位の際に、管が徐々に第1のプレートの磁石の磁界または第2のプレートの磁石の磁界に曝される。これらの磁界を、プレートの軌跡に対して異なる高さに配置することができる。結果として、これらの磁石に引き付けられた磁性粒子がクラスタを形成し、このクラスタが、磁石によってもたらされる引き付けの関数(特には、管に対する磁石の位置の関数)として、管内で動かされる。この分析管に対する磁石の相対位置を、垂直軸に沿った管の変位によって得ることも可能であり、その場合には、磁石がすべて所定の並びに従って同じ高さに配置されることに、注意すべきである。核酸の能動的捕捉の場合には、この捕捉に捧げられる時間は、より長くなるであろう(4〜6分の間)。

0124

ひとたび核酸の捕捉が達成されると、洗浄という1つ以上の連続する段階が加えられる。この目的のために、核酸を保持する磁性粒子を管の上部において垂直壁に対して集めるために、管が高い位置の磁石に対向して配置される。次いで、管が、コーン72が管に含まれる液体に触れるように、高い位置へと動かされる。次いで、管に含まれる液体が、シリンジ704のピストンを動かすことによってシリンジ704へと吸引される。したがって、シリンジ704が、管において吸引された液体廃棄物貯蔵容器として機能する。核酸の洗浄を開始するために、バルブ74が、接続穴702(したがって、ポンプ80)が接続穴703に連通する設定とされる。バルブ82が、ポンプ80による溶出バッファの吸引を可能にする位置におかれる。吸引される溶出バッファの量は、例えば300μlである。次いで、バルブ82の位置が、ポンプ80による管96への溶出バッファの送出を可能にするように変更される。最適な洗浄を保証するために、管が下方位置に戻され、磁石を保持するプレートが、粒子と溶出バッファとの間の交換を最適にすべく再び動かされる。プレートは、要件に応じて変更できる速度で、数回の往復運動を達成することができる。次いで、管に含まれる溶出バッファが、上述のようにシリンジ704によって吸引される。新たな洗浄段階を、随意により同一のやり方で実行することができる。シリンジ704のピストンが、シリンジ704が分析管において吸引される液体(溶解バッファであっても、あるいは洗浄に使用される溶出バッファであっても)で徐々に満たされるよう、段階的に動かされることに、注意すべきである。ひとたび核酸が分析管に移されたならば、シリンジ704には液体廃棄物の貯蔵という役割だけが割り当てられ、このことがかなりの利点を呈する。さらには、ポンプ80が、溶出バッファの送出だけを行い、決して「汚染された」物質に触れることがない。この態様も、ポンプ80およびバルブ82が、バルブ74の一体の一部分であって1回だけしか使用されないように意図されているシリンジ704と対照的に、自動システムに恒久的に位置し続けるため、きわめて重要である。

0125

ひとたび核酸の洗浄が実行されると、管72の溶出バッファの最後の吸引は、途中までになる。実際、所定の量の溶出バッファが管に残され、核酸を溶出させ、すなわち磁性粒子から引き離す溶出体積を構成する。溶出体積は、5〜150μlの間でさまざまであってよく、好ましくは25または40μlである。この最後の吸引のために、磁性粒子のクラスタが、管を下方位置の磁石に対向させることによって、管の底に形成される。対照的に、吸引は、粒子を吸引することがないよう、液体の表面から行われる。

0126

次いで、残りの体積において、核酸の溶出が行われる。これを行うために、管が、約5分間にわたって液体において65℃の温度に達するまで、管ホルダと一体の加熱モジュールによって75℃まで加熱される。加熱の段階と同時に、管は、溶出の促進のために下方位置に位置する磁石に曝される。

0127

ひとたび核酸が精製され、溶出体積に溶出させられると、分析の目的で増幅を行うことができる。このために、溶出体積の一部またはすべてを、増幅用のいわゆる調整バッファ(40mMのトリス塩酸、pH8.5、12mMのMgCl2、70mMのKCl、5mMのジチオスレイトール、15% v/vのDMSO、1mMのdNTP、2mMの各NTP、0.2μMのプライマ、0.1μMの分子ビーコン)に接触させなければならない。この接触を、自動システムにおいて利用できる機能に応じて、2つの異なる手順に従って達成することができる。

0128

第1の手順によれば、溶出および増幅のための調整が、2つの異なる管において実行される。この場合、精製された核酸を含んでいる溶出体積の所定の一部を、分析管から取り出す必要がある。次いで、この部分が、第2の管に送出され、第2の管(増幅のための調整のためのバッファを必要量すでに含んでいる)において、増幅のための調整が実行される。次いで、この管が、核酸の増幅が行われる器具へと移される。次いで、反応体積の一部が、固定のポンプ80によって採取される。この場合、バルブ70および82が、ポンプ80と接続穴703との間の連通を可能にするように設定されている。分析管が、コーンが溶出体積に沈められるよう、高い位置に配置される。次いで、一部がポンプ80によって吸引される。このポンプ80(より一般的には、採取される溶出体積の一部が使用する流体回路)が、溶解および精製の手順の全体を通して、溶出バッファだけにしか触れていないことを思い出されたい。したがって、核酸の増幅に使用される部分の汚染の可能性がない。ひとたびこの部分が採取されると、分析管を、増幅のための調整のための管で置き換えることができる。この目的のため、分析管が下方位置へと下げられ、分析管をホルダから引き出し、増幅のための調整のための管を所定の位置に置くことができる。次いで、この管が、コーンを管へと進入させるべく高い位置へと持ち上げられ、次いで溶出体積の一部が、ポンプ80によって送出される。

0129

あるいは、自動システムに、増幅のための調整のための管の管理および運搬のための特定のモジュールを備えてもよい。

0130

この第1の手順は、シリカ粒子と増幅のための調整のためのバッファとの間の接触が回避されるという利点を提供する。実際、そのような粒子が、核酸の増幅の反応を妨げる可能性があることが知られている。

0131

第2の手順によれば、増幅のための調整のためのバッファおよび溶出体積が、分析管において直接接触させられ、この場合には、増幅のための調整のためのバッファが、分析管へと添加される。この添加は、手動または自動で実行することができる。この場合、自動システムに、第2の送出システム、すなわち増幅のための調整のためのバッファを含んでいる容器と、このバッファの吸引および押し出しのためのシリンジと、バルブ82と同等のバルブと、分析管に取り付けられた隔膜を通過することができる針またはコーンとが、恒久的に備えられなければならない。

0132

使用される手順にかかわらず、最終的に増幅のために用いられる部分を採取する前に、シリカ粒子のクラスタを、単独の溶出体積、あるいは、分析管に収容された溶出体積と増幅のための調整のためのバッファとの混合物の外部へと取り除くことが、好都合かもしれない。これを、管を高い位置に位置する磁石による磁化に曝すことによって、行うことができる。

0133

さらに、上述した本発明によるシステムおよび装置のすべては、微生物の溶解および核酸の精製のための手順の全体を通しての完全なトレーサビリティを可能にするのに適している。実際、第1に、すべての消耗品(カートリッジ、ロータ、多方向バルブ、管)が、識別のためのアドホック手段(1Dまたは2DのバーコードRFIDタグ、など)によって特定される。さらには、微生物が空気吸引手段によって集められる場合、空気吸引手段は、微生物の溶解および核酸の精製のためのシステムとの通信を可能にする無線通信手段を有することができなければならない。この無線通信手段は、例えば、WiFi(規格802.11b)、Bluetooth(規格802.15)、またはZigBee(規格802.15.4)の各システムである。これらの無線接続システムを介して転送することができるデータは、例えば場所(収集の部屋/地点)、サンプリング条件(時間、流量、湿度、温度、気圧)、および作業者の特定に関係することができ、当然ながら消耗品を特定する要素に関係することができる。

0134

さらに、本発明による装置およびシステムは、全血または組織生検からのサンプルなど、臨床サンプルの分析にも完全に適している。この場合、カートリッジが、空気収集モジュールなしで使用される。全血などの液体サンプルの場合には、この液体サンプルがカートリッジに配置され、カートリッジが、微生物の溶解装置を構成するためのキャップの中でロータと組み合わされる。次いで、この装置が、微生物の溶解および核酸の回収のために、自動システムに配置される。組織生検の場合には、サンプルが最初に数ミリメートルのスライスへと切断された後で、カートリッジに配置され、次いでカートリッジが、微生物の溶解装置を構成するためのキャップの中でロータに組み合わされる。次いで、この装置が、細菌の溶解および核酸の回収のために、自動システムに配置される。

0135

基準となる手順
−消耗品の準備:
・カートリッジの準備:
カートリッジが、所定の量のガラスビーズおよびアガロースゲルで満たされる。
−0.3〜0.45gのガラスビーズ(直径420〜600μm)
ゲル組成:1%のアガロース−1%のグリセロール
微生物の溶解の実行に使用される溶出バッファの量は、300μlである。
・分析管の準備:
自動システムに配置され、溶解物を回収するように意図された分析管が、30μlの磁性シリカ粒子および200μlの溶解バッファ(チオシアン酸グアニジン)で満たされる。
溶解パラメータ
溶解時間:4分間
ロータの回転速度:毎分200回転(低速);毎分2000回転(高速
−溶解パラメータ:
カートリッジから多方向バルブのシリンジへの溶解物の吸引:
シリンジの吸引の体積=1000μl
シリンジの吸引の速度=70mms−1
吸引の際のロータの回転時間=9秒
吸引の際のロータの回転速度=毎分200回転
多方向バルブのシリンジから分析管への溶解物の送出:
多方向バルブのシリンジからの吸引の体積=1000μl
シリンジの吸引の速度=70mms−1
−核酸の精製のパラメータ:
精製は、3つの段階を含む:
−核酸の単離
−溶出バッファによる洗浄(3回)
−溶出バッファにおける溶出(pH 8.5)

0136

溶解物を分析管(0.5ml)へと移した後で、分析管は、30μlのシリカビーズ、200μlの溶解バッファ、および120〜150μlの溶解物を含む。

0137

シリカ粒子の2種類の振動が、磁石によって加えられる:
・高い位置の磁石の間で生成される高い振動。
・低い位置の磁石の間で生成される低い振動。
高い振動は、磁性粒子による核酸の捕捉を達成するために使用され、さらには洗浄段階(浮遊物の除去)においても使用される。低い振動は、溶出段階のために使用され、管の加熱と組み合わせられる。
−核酸の捕捉のためのパラメータ:
振動の速度=5mms−1
振動の回数=112
振動の振幅=27mms−1
−洗浄のためのパラメータ:
振動の速度=5mms−1
振動の回数=10
振動の振幅=27mms−1
−浮遊物の除去のためのパラメータ:
多方向バルブのシリンジによる吸引=600μl
ポンプ速度=100mms−1
−分析管に取り付けられたポンプによる溶出バッファの分配のパラメータ:
分配の体積=400μl
ポンプ速度=100mms−1
−溶出のためのパラメータ:
振動の速度=50mms−1
振動の振幅=9mms−1
目標温度=75℃
加熱時間=300s
溶出バッファの体積=45μl

0138

組織の機械的溶解
微生物の生きている細胞の壁を破壊してtRNAを放出させる目的のための本発明による溶解装置における機械的溶解の性能を評価するために、検討を行った。これらの試験を、固形腫瘍サンプルについて行った。
考案および試験された手順:
・試薬および設備:
−Qiagen社によって市販されているRNAlater(登録商標)という設備であらかじめの脱脂および安定化を行った乳ガンの腫瘍。
ペトリ皿
無菌の2mL管
プラスチック製のピンセットおよび使い捨ての外科用メス
−Actrilで浄化した本発明による溶解装置(カートリッジおよびロータ)
−400〜600μmのガラスビーズ
−Qiagen社によって市販されているRNeasy Plusキット+Qiacube自動抽出システム
・準備:
−抽出の開始前に、RNAse Zapでベンチおよびピペット清掃
−−80℃で凍結させた腫瘍を、解凍のために放置
−RNAlater(登録商標)の採取を避けつつ、腫瘍をペトリ皿に配置。
残余のRNAlaterを取り除くために、300μlのRLTバッファ(Qiagen社)で2回の洗浄。
・腫瘍の粉砕
−腫瘍を外科用メスで細かく切断(直径約4mm)。
−プラスチック製のピンセットを使用して腫瘍片を回収し、300μlのRLT(+3μlのβ−メルカプトエタノール)を含む2mLの管へと移す。
−腫瘍片を以下のいずれかで粉砕。
・Qiagen社のTissue Ruptor:2分間にわたって速度2、または
本発明による微生物の溶解装置:0.4〜0.5gのガラスビーズ(400〜600μm)、毎分2000回転、2×20秒
・サンプルを回収し、精製前に300μLの体積を有するようにRLTバッファで量を調節。
・Qiagen RNeasy Plus MiniキットでのtRNAの精製:
1.粉砕後に回収された300μLのRLTバッファを、腫瘍の残り屑を含まずに2mLの管に配置。
2.RNAの精製および固定のための2種類のカラムを作成:カラムgDNA EliminatorおよびRNA spin。
3.バッファ、Qiagen抽出シャトル、および溶出管を準備。
4.Qiacubeテスタロボットの指示に従って準備し、動作を開始させる。
5.80μlの溶出液を回収し、精製したtRNAを−80℃で凍結。
6.用量:Nanodropごとに1μLの薄めていない溶出液。
7.抽出されたtRNAの品質の測定:品質の分析が、Agilent bioanalyzerにおいて手順RNA 6000 Nanoに従って実行される。
従来からの電気泳動とちょうど同じように、18sおよび28srRNAの2つの主たるピークを有する複写の分布が観察される。

0139

結果:
まったく同一に準備および保存した2つの生検試料を、この検討に使用した。これらの生検試料は円形であり、約4mmの直径および1.5mmの厚さを有する。それらの質量は、約10mgであると評価される。これらの生検試料を、2種類の機械的溶解(基準溶解Tissue RuptorおよびPPM)を並行して実行するために、2つに大まかに分割した。しかしながら、使用された組織の量が、一方の試験と他方の試験とで同一ではなく、目的が、基準技法と本発明による手順との間の性能の比較よりもむしろ試験の適切な実行を保証することにあることに、注意すべきである。

0140

純度の分析は、異なる波長における吸収の値の間の比に基づく。核酸についての260nm、塩についての230nm、およびたんぱく質についての280nmである。2に近い比の値が、核酸の良好な純度を反映している。

0141

0142

生検試料1の場合において、抽出されたtRNAの量がきわめて少ないことを、見て取ることができる。これは、生検試料が材料の損失につながるが劣化を被ったという事実によって説明することができる。

0143

生検試料2の場合には、両方の技法によって大量のtRNAが抽出されたことを、見て取ることができる。さらに、純度が良好であることも、見て取ることができる。

実施例

0144

したがって、これらの実施例から、本発明による装置が、空気のサンプルに含まれる細菌の収集および溶解、ならびに分析を目的とするこれらの細菌からの核酸の回収について、良好な性能を提供することが明らかである。このために、使用される装置は、第1に、空気収集モジュールに挿入されるカートリッジで構成され、第2に、収集された細菌を収容しているカートリッジを核酸の回収手段に組み合わせることで構成される。

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