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図面 (11)

課題・解決手段

メタマテリアルは、メタマテリアルを適用可能な流体及び表面の間に反発力を生じさせるのに十分な周波数において陶磁率応答を有する。メタマテリアルは、メタマテリアルの陶磁率の絶対値がメタマテリアルの誘電率の絶対値よりも実質的に大きくなるようにナノ加工することができる。メタマテリアルは、表面と、表面に対して移動する流体との間に反発力を生じさせることができ、これにより表面上の流体の粘性抵抗が低減される。表面を通過して移動する流体の粘性抵抗を低減する方法は、表面と流体との間に相対運動を起こし、表面と流体との間に反発力を発生させるステップを含む。

概要

背景

流体の中を移動する物体効率性下げる主な原因は、物体の境界層で発生する摩擦抵抗又は粘性抵抗である。摩擦抵抗又は粘性抵抗は、流体の中を通過する物体の動き又は物体の上の流体の動きに抵抗する傾向がある。例えば、流体の中で回転するタービン等の回転機械では、物体の境界層において粘性抵抗が生じる。別の例では、空気中を移動する航空機等のビークルにおいて、航空機の前進運動を妨げる傾向のあるビークル/空気界面の境界層に摩擦抵抗又は粘性抵抗が生じる。

従来技術には、空気中を移動する又は水中を移動する水中翼に作用する摩擦抵抗等の、表面に作用する粘性抵抗を低減する多数の試みが含まれる。粘性抵抗を低減するある方法は、流体がその上を移動する表面に複数の穿孔又は細孔を形成し、細孔に吸引力又は噴出力を加えることを含む。細孔への吸引力の印加は、表面の境界層から低エネルギー流体を取り除いて抵抗を減らす原理に基づいている。細孔への噴出力の印加は、境界層に高エネルギー流体を加えて表面からの境界層の分離を遅らせる原理を採用する。航空翼又は水中翼の揚力面に印加されると、境界層の分離を遅らせることによって揚力上がり、移動している流体の流れに対して高い航空翼の迎え角において起こる失速が起こりにくくなり、したがって揚力面の効率性が向上する。

残念ながら、細孔への吸引力の印加にはアクティブ真空システムが必要である。上記アクティブシステムには通常、別個真空ポンプの追加、又は既存の真空ポンプを表面の細孔につなげる複雑な一連導管の追加が必要である。当然ながら、アクティブ真空システムの追加により、しばしば、システム保守作業及び費用が結果的に上がる可能性のある重量の大きいものとなってしまう。

流体の流れの中を移動する表面の効率性を上げる別の方法は、流体力学的揚力面に溝又はリブレットを使用することを含む。溝又はリブレットは、揚力面の近くを流れる境界層の気流活性化することによって流れの分離が遅延するように作用することができる。溝又はリブレットは抵抗を低減するようには構成されておらず、溝又はリブレットによって揚力面の表面面積が増加するために粘性抵抗がわずかに上がる可能性がある。溝又はリブレットは、溝又はリブレットの後縁の周囲に形成される境界層の渦によって境界層を活性化させるために設けられる。高エネルギーの境界層の流体の流れの分離により、上述した噴出力の技術に伴う効率性の向上と同様に、航空翼及び水中翼表面の効率性が向上する。なめらかな表面に関しては、上記の渦は境界層の気流周囲を移動して、揚力面に当たって跳ね返る又は揚力面から逸れる可能性がある。

表面上の溝又はリブレットの構成は、境界層の気流及び周囲の流体環境に合わせて、そして揚力面が周囲の流体環境に相対的に移動しやすいように調整することができる。例えば、溝又はリブレットは流体に対する揚力面の移動方向におおむね平行である方向に沿って方向づけされなければならない。

このことから、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減し、好ましくは動的機器を必要としない受動システムである、システム及び方法がこの技術において必要である。さらに、流体に対する揚力面の方向性が変わる時に良好に稼働する、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減するシステム及び方法がこの技術において必要である。さらに、構成が単純で、費用が安く、軽量の、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減するシステム及び方法がこの技術において必要である。

概要

メタマテリアルは、メタマテリアルを適用可能な流体及び表面の間に反発力を生じさせるのに十分な周波数において陶磁率応答を有する。メタマテリアルは、メタマテリアルの陶磁率の絶対値がメタマテリアルの誘電率の絶対値よりも実質的に大きくなるようにナノ加工することができる。メタマテリアルは、表面と、表面に対して移動する流体との間に反発力を生じさせることができ、これにより表面上の流体の粘性抵抗が低減される。表面を通過して移動する流体の粘性抵抗を低減する方法は、表面と流体との間に相対運動を起こし、表面と流体との間に反発力を発生させるステップを含む。

目的

反発ポテンシャルを計算する一ステップは、流体中の原子分子分極率を評価することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

表面上の流体粘性抵抗を低減するシステムであって:一定の範囲の周波数において陶磁率応答を有するメタマテリアル(20)を含み、メタマテリアル(20)が表面上に配置され;陶磁率が、表面と流体との間に反発力を生じさせて、表面上の流体の粘性抵抗を低減するのに十分であるシステム。

請求項2

周波数が約1014〜1016Hzの範囲内である請求項1に記載のシステム。

請求項3

陶磁率が最大約25の絶対値を有する請求項1又は2に記載のシステム。

請求項4

陶磁率の絶対値が約5〜15の範囲内である請求項1又は2に記載のシステム。

請求項5

陶磁率の絶対値が、誘電率の絶対値よりも少なくとも最大10倍である請求項1又は2に記載のシステム。

請求項6

反発力がで表され、1よりも大きく、且つ式:にしたがって計算され、上記式において、Uはファンデルワールスポテンシャルを表し、kはボルツマン定数を表し、Tはケルビン単位の温度を表す請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシステム。

請求項7

表面が、空気力学的表面と、流体力学的表面のうちの少なくとも一つからなる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシステム。

請求項8

空気力学的表面が、航空機尾翼面操縦面胴体プロペラ翼タービン翼のうちの少なくとも一つを含む請求項7に記載のシステム。

請求項9

メタマテリアル(20)が、メタマテリアル(20)の陶磁率及び誘電率がマイナスの値になるように構成されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシステム。

請求項10

メタマテリアル(20)が、表面上に形成されたナノ粒子(26)のアレイからなる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のシステム。

請求項11

表面に対して移動している流体の粘性抵抗を低減する方法であって:表面と流体との間に相対運動を起こし;メタマテリアル(20)を表面に組み込むことによって、表面と流体との間に反発力を生じさせることを含む方法。

請求項12

反発力を生じさせるステップが、約1014〜1016Hzの範囲の周波数において、陶磁率応答を有するメタマテリアル(20)から反発力を生じさせることを含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

反発力が、少なくとも最大約25の陶磁率の絶対値を有するメタマテリアル(20)を選択することによって確立される請求項11又は12に記載の方法。

請求項14

メタマテリアル(20)が誘電率を有し;誘電率の絶対値よりも少なくとも最大10倍の絶対値の陶磁率を有するメタマテリアル(20)を選択することによって、メタマテリアル(20)の反発力が確立される請求項11ないし13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

1よりも大きい反発ポテンシャルを有するメタマテリアル(20)を選択することによってメタマテリアル(20)の反発力が確立され、反発力が式:にしたがって計算され、上記式において、Uはファンデルワールスポテンシャルを表し、kはボルツマン定数を表し、Tはケルビン単位の温度を表す請求項11ないし14のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は概して粘性抵抗に関し、さらに具体的には流体と表面の間の粘性抵抗を低減するように構成されたメタマテリアルに関するものである。

背景技術

0002

流体の中を移動する物体効率性下げる主な原因は、物体の境界層で発生する摩擦抵抗又は粘性抵抗である。摩擦抵抗又は粘性抵抗は、流体の中を通過する物体の動き又は物体の上の流体の動きに抵抗する傾向がある。例えば、流体の中で回転するタービン等の回転機械では、物体の境界層において粘性抵抗が生じる。別の例では、空気中を移動する航空機等のビークルにおいて、航空機の前進運動を妨げる傾向のあるビークル/空気界面の境界層に摩擦抵抗又は粘性抵抗が生じる。

0003

従来技術には、空気中を移動する又は水中を移動する水中翼に作用する摩擦抵抗等の、表面に作用する粘性抵抗を低減する多数の試みが含まれる。粘性抵抗を低減するある方法は、流体がその上を移動する表面に複数の穿孔又は細孔を形成し、細孔に吸引力又は噴出力を加えることを含む。細孔への吸引力の印加は、表面の境界層から低エネルギー流体を取り除いて抵抗を減らす原理に基づいている。細孔への噴出力の印加は、境界層に高エネルギー流体を加えて表面からの境界層の分離を遅らせる原理を採用する。航空翼又は水中翼の揚力面に印加されると、境界層の分離を遅らせることによって揚力上がり、移動している流体の流れに対して高い航空翼の迎え角において起こる失速が起こりにくくなり、したがって揚力面の効率性が向上する。

0004

残念ながら、細孔への吸引力の印加にはアクティブ真空システムが必要である。上記アクティブシステムには通常、別個真空ポンプの追加、又は既存の真空ポンプを表面の細孔につなげる複雑な一連導管の追加が必要である。当然ながら、アクティブ真空システムの追加により、しばしば、システム保守作業及び費用が結果的に上がる可能性のある重量の大きいものとなってしまう。

0005

流体の流れの中を移動する表面の効率性を上げる別の方法は、流体力学的揚力面に溝又はリブレットを使用することを含む。溝又はリブレットは、揚力面の近くを流れる境界層の気流活性化することによって流れの分離が遅延するように作用することができる。溝又はリブレットは抵抗を低減するようには構成されておらず、溝又はリブレットによって揚力面の表面面積が増加するために粘性抵抗がわずかに上がる可能性がある。溝又はリブレットは、溝又はリブレットの後縁の周囲に形成される境界層の渦によって境界層を活性化させるために設けられる。高エネルギーの境界層の流体の流れの分離により、上述した噴出力の技術に伴う効率性の向上と同様に、航空翼及び水中翼表面の効率性が向上する。なめらかな表面に関しては、上記の渦は境界層の気流周囲を移動して、揚力面に当たって跳ね返る又は揚力面から逸れる可能性がある。

0006

表面上の溝又はリブレットの構成は、境界層の気流及び周囲の流体環境に合わせて、そして揚力面が周囲の流体環境に相対的に移動しやすいように調整することができる。例えば、溝又はリブレットは流体に対する揚力面の移動方向におおむね平行である方向に沿って方向づけされなければならない。

0007

このことから、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減し、好ましくは動的機器を必要としない受動システムである、システム及び方法がこの技術において必要である。さらに、流体に対する揚力面の方向性が変わる時に良好に稼働する、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減するシステム及び方法がこの技術において必要である。さらに、構成が単純で、費用が安く、軽量の、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減するシステム及び方法がこの技術において必要である。

0008

表面に作用する粘性抵抗の低減に関連する上述した必要は、例えば空気中又は液体(例:水)中等の流体環境の中を移動する表面の一部として組み込むことができる、及び/又は表面に適用することができるメタマテリアルによって具体的に対処され軽減される。好ましくは、上記メタマテリアルは約1014〜1016Hzの範囲の周波数において陶磁率応答を有し、この周波数は電磁スペクトル赤外可視、及び紫外バンドの範囲であり得る。メタマテリアルは、表面と、例えば気流又は液体流等の周囲の流体の流れの間に反発力を生じさせ、これにより表面上の流体の粘性抵抗を低減する。

0009

「メタマテリアル」という用語は、当業者によって自然界には見られない特性を呈する物質を説明するために用いられる。自然界の原子及び分子は通常、例えば非限定的に、航空翼及び水中翼を含む航空力学的及び流体力学的表面に使用される物質等の他の物質に近づくと引力を発揮する。当業者は通常、この力を古典理論的には「ファンデルワールス」力と呼び、量子論的には「Casimir−Polder−Lifshitz」力と呼ぶ。

0010

本明細書に開示されるメタマテリアル、そして本明細書に開示される実施形態の原理によるこのメタマテリアルを使用するシステム及び方法により、上記引力を低減し、除去し、そして逆転させ、表面を通過する流体の流れの中の表面と、原子及び/又は分子間の反発力を発生させることが可能になり得る。本明細書に開示されるメタマテリアルは、電磁スペクトルの1014〜1016Hzの周波数の範囲内のこの引力を逆転させて反発力を生じさせるように応答しやすい陶磁率を有する。

0011

メタマテリアルは、表面に組み込まれた又は表面と一体化したメタマテリアルと、表面周囲又は表面上を流れる流体の間の反発力を生じさせるのに十分な、高い陶磁率及び比較的低い誘電率を有することが好ましい場合がある。ある実施形態では、メタマテリアルの陶磁率は、メタマテリアルの誘電率よりも少なくとも最大10倍大きくてよい。本明細書に記載されたメタマテリアルの陶磁率は無次元パラメータであり、自由空間の絶対陶磁率に対する物質の陶磁率(すなわち、μ0=1平方メートル当たり4π×10−7ニュートン)を意味する。

0012

ある実施形態では、メタマテリアルは最大約25の絶対値を有する陶磁率μ(ω)を有することが好ましい。さらに好ましくは、メタマテリアルは、約5〜15の範囲内の陶磁率絶対値を有し、同時にメタマテリアルの誘電率絶対値は陶磁率絶対値の最小10分の1またはそれ以下である。メタマテリアルは表面の一体部分として構成することができ、またメタマテリアルは製造、技術、又は機構の任意の好適な手段を使用していかなる表面にも適用することができるが、例えば水中翼、艇体の外部表面、自動車の表面又は例えば航空機の翼、流体力学的表面、航空機の翼、尾翼面操縦面胴体プロペラ翼タービン翼を含む空気力学的表面等の他のビークルの外部表面等の表面に接着できるアップリケとして構成することもできる。

0013

本発明はさらに、表面の一体部分として表面に適用された及び/又は組み込まれたメタマテリアルを使用することにより、表面と、流体の原子及び/又は分子の間に反発力を生じさせて、表面を通って移動する流体の粘性抵抗を低減するシステムを考慮する。さらに、メタマテリアルによってメタマテリアルの表面と流体との間に反発力を生じさせて、表面上の流体の粘性抵抗が低減するように表面に適用されるメタマテリアルを形成する方法が開示される。さらに具体的には、考慮されるメタマテリアルは、流体と表面の間のファンデルワールス又は量子引力を逆転させて流体と表面の間の粘性抵抗を低減するように構成することが可能である。

0014

開示の実施形態の技術的利点は、能動パーツを必要とせずに粘性抵抗を低減する受動的な方法を含む。さらに、開示の実施形態は、流体と表面の間の移動方向にかかわらず効果的で使用可能である。

0015

メタマテリアルの受動的性質と、一方向に独立した運用能力及び機能により、本発明の実施形態を航空翼、水中翼、及び他の流体力学的構造物に有利に適用して、航空翼、水中翼、及び他の流体力学的構造物の粘性抵抗を減らし効率性を上げることができる。例えば、様々な実施形態を航空機の胴体、翼又は操縦面等の航空翼等の空気力学的表面、又は任意の表面に適用して、流体摩擦を減らす及び/又は空気力学を向上させることができ、これにより揚力の増加、抵抗の減少等の恩恵をもたらし、結果的に航空機の燃料消費が削減される。

0016

加えて、メタマテリアルの様々な実施形態を、タービンエンジン翼、コンプレッサスチームエンジン又は他の流体タービンターボファン翼、回転翼、プロペラ翼、及び流体中を移動する構造部品を有する他の機構に適用可能である。さらに、様々な実施形態を船穀及びボート等の水上船、及びその他のビークルのその他の表面等の水力学的表面に適用可能である。しかしながら、様々なメタマテリアルの実施形態の適用は、流体の流れに関する粘性抵抗の低減が望ましく、空中、水中、宇宙、及び地上ビークルの全ての表面及び外板を含むことができる任意の表面の一部として組み込む又は適用することが可能である。

0017

説明してきた特徴、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態において個別に達成することができる、または下記の説明及び図面を参照することによってさらに詳細を理解することができる更に別の実施形態と組み合わせることができる。

0018

本発明のこれらの及び他の特徴は、図面を参照して下記の実施形態の説明を読むときにさらに明らかとなる。これらの図面全体において同じ番号は同じパーツを指している。

図面の簡単な説明

0019

図1Aは本発明に原理による一実施形態におけるメタマテリアルの、陶磁率(Mu又は「μ」)の実質部分及び仮想部分対、実質波長周波数(オメガ又は「ω」)を表示した図である。
図1B図1Aのメタマテリアルの、陶磁率「μ」の実質部分及び仮想部分対、仮想波長周波数(i*ω)を表示した図である。
図2は水の分極率対、仮想波長周波数(i*ω)のグラフであり、このグラフではソフトウェアシミュレーションを用いて分極率の近似値が計算されている。
図3正規化ファンデルワールスポテンシャル図1A〜B、及び図2のメタマテリアル等のメタマテリアルの表面からの間隔のグラフであり、電気的応答によって変化する反発ポテンシャルの変化(例えば誘電率エプシロン又は「ε」の変動)を示す。
図4Aは本発明の原理にしたがって配置されたナノシリンダを含むナノ加工されたメタマテリアルの斜視図である。
図4Bは陶磁率「μ」の実質部分対、波長周波数「ω」のグラフであり、図4Aのメタマテリアルの陶磁率応答を示す。
図4Cは本発明の原理にしたがって配置されたナノ粒子を含むナノ加工されたメタマテリアルの斜視図である。
図5Aは本発明の原理にしたがってナノ加工されたメタマテリアルの結合した銀ナノストリップアレイユニットセルを示す断面図である。
図5B図5Aのユニットセルの波長周波数「ω」の関数として誘電率「ε」の実質部分(点線で示す)と陶磁率「μ」(実線で示す)を示すグラフである。
図5C図5Aのユニットセルの断面図であり、加工後の構造を示し、さらにユニットセルの断面内のB力線全体を示す。

実施例

0020

ここで、本発明の好適で様々な実施形態を示すためだけのものであり、本発明を限定するものではない図面を参照する。図1〜5Cは、他の能力のなかでもとりわけ、流体の原子及び分子と表面の間に存在する引力を減少させる、除去する、及び/又は逆転させることができるメタマテリアルの特性を有効活用することによって、流体の中を移動する表面の粘性抵抗を低減する本発明の実施形態の様々な態様を示す。

0021

本明細書に開示され、本発明の原理によって考慮される実施形態は、メタマテリアルと、表面の上を流れる流体の間に反発力を生じさせるのに十分な、高い陶磁率と低い誘電率特性を好ましくは有する一つのメタマテリアル又はメタマテリアルの組み合わせを好ましくは組み込むことができる。本発明において使用する「ファンデルワールス力」という用語は、原子及び分子が表面に近接している流体の原子及び分子(または同じ分子の部分間)の間の引力又は反発力全部を指し、通常これにより特徴づけられる。古典理論では、当業者は上記力をファンデルワールス力、量子論的には「Casimir−Polder−Lifshitz」力と呼ぶ。

0022

上記メタマテリアルを使用するシステム及び方法において、本明細書に開示されているメタマテリアルは、上記引力を低減、除去、及び逆転させることができ、表面と、表面を通過して流れる流体の原子及び/又は分子の間の反発力を有効にすることができる。メタマテリアルを使用するシステム及び方法において、本明細書に開示されているメタマテリアルの実施形態は、電磁スペクトルの特定の周波数において上記引力を逆転させて反発力を生じさせるように応答しやすい陶磁率を有する。メタマテリアルは好ましくは、約1014〜1016Hzの範囲の周波数において応答する陶磁率を有するが、この範囲外の周波数で応答する陶磁率も考えられる。メタマテリアルにより、表面と、周囲の気流又は液体流等の流体の流れの間に反発力が生じ、表面上の流体の粘性抵抗が減少する。

0023

一実施形態では、メタマテリアルは最大約25(すなわち、−25≦μ(ω)≦25)の陶磁率μ(ω)の絶対値を有することが好ましいが、メタマテリアルの陶磁率絶対値は25より大きくてもよい。本明細書に記載される陶磁率は無次元パラメータであり、自由空間の絶対陶磁率(すなわち、μ0=4π×10−7ニュートン/m2)に対する物質の陶磁率を指す。さらに好ましい実施形態では、メタマテリアルは約5〜15(絶対値)の範囲内の陶磁率を有することができる。メタマテリアルは、約1014〜1016Hzの範囲の周波数において、メタマテリアルの誘電率の絶対値よりも最大約10倍又はそれ以上大きい陶磁率を有していることが好ましいが、好適な陶磁率及び誘電率特性は、好適な周波数の範囲よりも上又は下の周波数において得ることが可能である。

0024

加えて、メタマテリアルは誘電率の絶対値よりも10倍超を含む任意の倍数大きい陶磁率絶対値を有することができる。メタマテリアルが約−15の陶磁率と約1.5の誘電率(すなわち10の倍数の差)を有することにより、(表面に適用された又は表面に組み込まれた)メタマテリアルと、表面に近接した流体の原子/分子の間に反発ポテンシャルが生じる可能性がある。上述した陶磁率と誘電率特性を有するメタマテリアルは、後にさらに詳しく説明する所定の一連の物質パラメータに対して、メタマテリアルと、表面上を流れる流体の間に反発力を生じさせるのに効果的である。

0025

本明細書に開示されたメタマテリアルはさらに、マイナスの陶磁率を有するように構成する(ナノ加工する)ことが可能であり、特定の波長においてマイナスの磁気共鳴作用(すなわち、陶磁率の大きさの増加)をもたらすことができる。陶磁率は反発ポテンシャルを生じさせるために、メタマテリアルの誘電率よりも10倍以上大きいことが好ましい。厚さδを有するナノ構造のメタマテリアルは、n=n‘+in“で表される実効屈折率と、η=η’+iη”で表される実効インピーダンスを有することによって特徴付けられる。ここで、n‘及びin“はそれぞれ、実効屈折率nの実質及び仮想屈折率である。同様に、η’及びiη”はそれぞれ、実効インピーダンスηの実質及び仮想インピーダンスである。

0026

Yuanは、上記パラメータ(すなわち、実効屈折率n及び実効インピーダンスη)を得るには、実験及び/又はシミュレーションを通して伝播及び反射界の複素数値を得ることができることを示している。実効屈折率n及び実効インピーダンスηに加えて、ナノ構造のメタマテリアルの薄膜はε=n/η及びμ=nηとして定義することができる、有効誘電率ε=ε‘+iε“及び陶磁率μ=μ’+iμ”によって特徴づけすることができる。ここでε‘及びiε“はそれぞれ、有効誘電率εの実質及び仮想陶磁率である。同様に、μ=μ’+iμ”はそれぞれ、有効陶磁率μの実質及び仮想陶磁率である。

0027

マイナス指数のメタマテリアル(NIM)は、マイナスの誘電率とマイナスの陶磁率を有し、Yuanに開示されているように、当事者により左手電磁気力を有するものと言われる場合もある。NIMはまた、左手系物質と呼ばれることもあり、1014〜1016Hz領域の範囲の波長において磁気共鳴作用をもたらし得る。Yuanは、上記NIMの磁気共鳴には、μ‘<0及びε’<0の厳しい条件、又はε‘μ“+μ’ε”<0のより標準的な条件のいずれかにおいてマイナスである実効屈折率の実質部分が含まれることを指摘している。

0028

本明細書に開示された実施形態では、メタマテリアルはファンデルワールス引力を逆転させる(又はCasimir−Polder−Lifshitz引力を逆転させる)のに十分な陶磁率を有するように加工することができる。メタマテリアルは本明細書に開示された実施形態の原理に従って加工することができ、上記引力を低減する、除去する、及び/又は逆転させることができ、反発力を生じさせることができる。メタマテリアル、及びメタマテリアルを使用するシステムは、流体と表面の間のファンデルワールス又は量子引力を逆転させて流体と表面の間の粘性抵抗を低減するように構成することができる。このように、メタマテリアルは、表面と、表面を通過して流れる流体の原子及び/又は分子の間に反発力を生じさせることができる。上述したように、上記メタマテリアルは左手系メタマテリアルとして特徴づけすることもできる。反発ポテンシャルは、適切な磁気及び電気的応答を有する表面物質の表面に近接して生じ得る。

0029

無限半空間によってモデル化される磁気−誘電板の前方に配置された原子については、下記式:


を使用して、ファンデルワールスポテンシャルU(zA)を求めることができる。上記式では、誘電率及び(常磁性)陶磁率を下記式:








によってそれぞれモデル化することができる。
上記式においては:
U(zA)はファンデルワールスポテンシャルを表し、zは(下付き文字Aで示す)原子/分子の表面からの距離;
h=プランクの定数(6.62×10−34ジュール/秒);
μ0=自由空間の絶対陶磁率(4π×10−7ニュートン/m2);
π=定数(3.14);
u=積分の実行変数
a(0)(iu)=(下記の)原子/分子の基底状態の分極率;
q=積分の実行変数;
e=定数(2.718);
μ(iu)=仮想周波数の関数としての陶磁率;
ε(iu)=仮想周波数の関数としての誘電率;
μ(ω)=メタマテリアルの実効陶磁率;
ε(ω)=メタマテリアルの実効誘電率
ωPm及びωTm=メタマテリアルの固定磁気周波数;
γm=メタマテリアルの磁気吸収利得(/損失);
iωγm=メタマテリアルの仮想磁気損失
ωPe及びωTe=メタマテリアルの固定電気周波数
γe=メタマテリアルの電気吸収利得(/損失);
iωγe=メタマテリアルの仮想電気損失;及び
ω=誘電率εと陶磁率μに関連する周波数
である。
下記条件:


が満たされた時に、原子/分子と表面の間に十分な反発力


が生じ得る。ここで下記が成り立つ:
U=ファンデルワールスポテンシャル(例:U(zA));
k=ボルツマン定数(1.38×10−23ジュール/ケルビン
T=温度(ケルビン)

0030

図1A及び1Bに示す実施例においては、光学領域において弱い電気応答に対して強い磁気応答を有するメタマテリアルは、パラメータωPm、ωTm、γm及びパラメータωPe、ωTe、γeによって特徴づけることができ、ここでは、ωPm及びωTmは磁気周波数であり;γmはメタマテリアルの磁気吸収利得(/損失)であり;ωPe及びωTeは電気周波数であり;γeはメタマテリアルの電気吸収利得(/損失)である。図1A及び1Bに示す実施例では、メタマテリアルは、下記:ωPm=1.0e15、ωTm=2.5e15、γm=1.0e14、ωPe=1.0e14、ωTe=2.5e15、及びγe=1.0e14のように、上述したパラメータの近似値を有することができる。メタマテリアルは、様々な上記パラメータを有するように加工することができ、反発ポテンシャルを生じさせるのに十分な、光学領域における弱い電気応答に対する強い磁気応答を呈することができる。上述したように、陶磁率応答は(絶対値)5〜15の範囲またはそれよりも大きいことが好ましく、誘電率応答の絶対値よりも最大10倍又はそれ以上大きいことが好ましい。上記パラメータにより、メタマテリアルの表面と、表面に近接して位置する流体の原子/分子の間に反発力が生じ得る。

0031

ある実施例では、流体は例えば、ポンプのプロペラ翼等のプロペラ翼を通過して又はプロペラ翼周囲を流れる水等の、表面に近接して位置する水を含むことができる。原子/分子は、プロペラ翼の表面に近接して位置する、又はプロペラ翼の表面を通過して流れる水の一部を形成していてよい。プロペラ翼は、翼表面に適用できる、又は表面と一体化することができるか、そうでなければ表面に組み込むことが可能なメタマテリアルを含むことができる。メタマテリアルは、原子/分子と表面の間に反発力を生じさせるようなωPm、ωTm、γmの値、パラメータωPe、ωTe、γeを有することができる。反発力が表面と周辺の流体の間に作用した結果、表面上の流体の粘性抵抗を低減することができる。

0032

これと同じように、メタマテリアルは気体及び液体媒体及びこれらの組み合わせを含む任意の流体媒体において使用される全ての表面に適用することができる。例えば、メタマテリアルは大気中を移動する全てのビークル又は物体の全ての表面に適用する又は一体化させて、ビークル又は物体の表面と、大気中の空気及び/又は液体媒体の間の粘性流体抵抗を低減することができる。同様に、メタマテリアルは、静止している物体又はビークル、又は動いている物体又はビークルを含む物体に対して流体がその上で移動する物体に適用する又は一体化させることができる。

0033

反発ポテンシャルを計算する一ステップは、流体中の原子/分子の分極率を評価することである。本発明の実施形態による、分極率の近似値を計算するのにソフトウェアプログラムを使用できる、分極率対水の仮想周波数の一例を示す図2を参照する。上述したように、水(すなわち流体)は表面に近接して位置することができる、又はメタマテリアルを適用する又はメタマテリアルが一体化される表面に対して移動することができる。表面へのメタマテリアルの適用により結果的に、表面と、表面に近接する水の原子/分子の間の反発ポテンシャルが確立され得る。反発ポテンシャルにより、表面と、流体(例:水)を形成している原子/分子の間に反発力が生じ、表面と流体との間の粘性摩擦が低減される。水に関する実施形態を示したが、空気(例えば酸素及び窒素)を含む他の流体(すなわち、気体及び液体)も同様の方法で使用することができる。

0034

反発ポテンシャルを計算するプロセスには、Buhmannの3ページ目の式(3):


として開示された下記の展開公式表記される摂動論最低消滅オーダーにおける原子(分子)の基底状態の分極率の評価が要求され、上記式においては:
a(0)(ω)=原子/分子の基底状態の分極率;
h=プランクの定数(6.62×10−34ジュール/秒);
ωk0=原子遷移周波数;
ω=分極率に関連する周波数;
iω=仮想損失;及び
d0k=原子の電気双極子遷移マトリックス素子
が成り立つ。

0035

一実施例では、「汎用原子及び分子電子構造システム」(GAMESS)と題し、M.W.Schmidt氏等によってJ.Compu.Chem.14(11)1347(1993)に記載されている上述したソフトウェアプログラムを、有効内穀ポテンシャルの使用により全ての電子を明確に扱う、又はコア軌道を省略するアブニシオ計算を推進するアブイニシオプログラムとして使用して、分極率を求めることができる。水の分極率対仮想波長周波数(i*ω)を示す図2の表示は、GAMESSソフトウェアプログラムを使用して計算し、「GAMESS Hessian」と表示される曲線で示されるように表示することができる。図2のグラフにさらに示されるのは、Buhmannの3ページ目のアルファについての方程式伸縮嵌めパラメータを使用して求めた「伸縮嵌め」として示される表示である。図2の例示では、下記の伸縮嵌めパラメータ:ωk0=4.0e16ラジアン/秒;dk0=2.0e−24クーロンメータ;及びε=0.1ωk0ラジアン/秒を使用しているが、様々な異なる伸縮嵌めパラメータを使用して分極率を求めることができる。分極率の値(すなわち、α(0)(ω))を一旦求めたら、方程式に挿入して、上述し、またBuhmannの方程式(27)と呼ばれるメタマテリアルのファンデルワールスポテンシャルU(zA)を求めることができる。

0036

図3に正規化ファンデルワールスポテンシャル対、一実施形態のメタマテリアルが表面に適用された又は一体化された壁又は表面からの水の原子/分子の距離(zA)を示す。さらに具体的には、図3のグラフは、一実施形態による電気的応答εの変動関数であるメタマテリアルの表面及び水の間の応答ポテンシャルの変動を示している。例えば、図3は、パラメータωPm=1.0e15、ωTm=2.5e15、γm=1.0e14、及び陶磁率μ=(3.0、4.0)を有することによって特徴づけられるメタマテリアルの正規化ポテンシャルを示し、ここで3.0及び4.0は陶磁率μのそれぞれ実質及び仮想部分である。

0037

応答ポテンシャルの変動は、曲線10、12及び14を参照することにより良く分かる。曲線10は誘電率ε=(1.1、0.16)に対するメタマテリアルの表面(例えば壁)からの距離zAの関数として正規化ポテンシャルを表したものであり、ここで1.1及び0.16はそれぞれ誘電率εの実質及び仮想部分である。曲線12は、誘電率ε=(1.01、0.04)に対する正規化ポテンシャルの表示であり、曲線14は、誘電率ε=(1.001、0.00)に対するポテンシャルの表示である。図3で良く分かるように、誘電率εの減少に伴って、曲線10及び12の正規化ポテンシャルは増加するが、曲線14の正規化ポテンシャルは、曲線10及び12に関する誘電率に比べて比較的誘電率ε=(1.01、0.04)の減少が少なく、0となる。これに関しては、図3に、正規化ポテンシャルが、任意の陶磁率μの値に対する電気的応答(すなわち、誘電率εの値)に影響されやすいことが示されている。このように、流体(例:水)に対する任意のメタマテリアルの電気的応答(すなわち、誘電率ε)を、磁気応答(すなわち、陶磁率μ)に関して最適化して、応答ポテンシャルを最大化する必要があることが分かる。

0038

本発明の一実施形態による模擬ナノ加工メタマテリアル20を図示する図4Aを参照する。メタマテリアル20は、任意の距離を置いて配置され、陶磁率共振応答を得るようにサイズ調整され構成された銀のナノロッド22を含むことができる。例示のメタマテリアル20の実施形態では、ナノロッド22は約8〜12ナノメータ(nm)の範囲の直径「d」、約32〜40nmの範囲の中心間の間隔「s」、及び好適なサイズの深さ「h」を有していてよい。さらに具体的には、ナノロッド22は、約10nmの直径「d」と、約36nmの間隔「s」を有していてよい。ナノロッド22は、表面を含むことができる基板に装着する又は基板と一体的に形成することができる。任意的に、基板は表面に適用する又は組み込むことができるアップリケ等の個別の構成要素を含むことができる。図から分かるように、図4Aの模擬メタマテリアル20の実施形態は、図4Bに示し、後に詳しく説明するように、−20の陶磁率とともに、約0.375ミクロン(μm)の波長λにおいて、約5.03e15ラジアン/秒の共振磁気周波数ωを呈する。これに関して、図4Aに、応答ポテンシャルを生じさせるように構成されたメタマテリアル20は、任意の波長又は波長範囲において共振周波数ωを呈することができることを示す。

0039

図4Aに示すメタマテリアル20は、おおむね円筒形を有する間隔をおいて配置された銀のロッドであるが、様々な代替サイズ、形状及び構成が考えられる。例えば、メタマテリアル20は様々に配置させることができ、非限定的に球形、プリズム、及び他の直角形状を含む様々な形状に構成することができ、基板32上又は表面上で相互に間隔を置いた状態で位置づけすることができるナノ粒子26でできていてよい。球形、ロッド、プリズム、又は他の幾何学的形状を基板32又は表面に適用可能な直線パターン、又はマトリックスパターン、又は他の任意の好適な二次元及び/又は三次元パターンに配置することができる。加えて、メタマテリアル20は、金属物質及び非金属物質及び/又はこれらの組み合わせを含む、任意の数の異なる物質で加工したものであってよい。

0040

図4Cに、間隔「s」で配置された直径「d」を有するナノ粒子24のアレイを示す。ナノ粒子24のサイズ、間隔及び物質組成は、後に記載する図4Bに応答が示される図4Aのメタマテリアル20の磁気共振応答と同様に、ある周波数の範囲において磁気共振応答が起きるように構成することができる。しかしながら、メタマテリアル20は、応答ポテンシャルを確立するのに十分な陶磁率及び誘電率特性が得られる任意の好適な構成、任意のサイズ及び形状、そして任意の材料又はこれらの組み合わせで形成することができる。

0041

メタマテリアル20は約1014〜1016Hzの範囲の周波数において最大約25又はそれ以上の陶磁率絶対値を有するように特に構成されることが好ましいが、他の周波数もまた考えられる。さらに好ましい実施形態では、メタマテリアル20は約5〜15の範囲の陶磁率を有することができる。陶磁率絶対値は、誘電率の絶対値よりも最大約10倍であることが好ましい。メタマテリアル20のパラメータは、上述したように


が成り立つときに、
表面に近接する流体の原子/分子間の反発力


が生じるように設定されることが好ましい。

0042

周波数オメガω(ラジアン/秒)の関数である陶磁率Re(μ)の実質部分の表示であり、図4Aの例示のメタマテリアル20の磁気応答を示す図4Bを参照する。陶磁率μ対周波数(ω)の表示はω=5.03e15における共振周波数を示し、これはメタマテリアル20の表面に近接又は隣接して位置する流体の共振周波数と一致する。見て分かるように、陶磁率μは共振周波数ω=5.03e15において急激にマイナスとなっており、これは約0.375ミクロン(μm)の波長λにおけるメタマテリアル20の共振周波数ωを示す。

0043

誘電率及び陶磁率がいずれもマイナスの値であるマイナス指数のメタマテリアル(NIM)の一例を示す図5Aを参照する。図5Aのメタマテリアル20は、基板32上に形成されたユニットセルを含み、本明細書に開示される実施形態による結合した銀のナノストリップ28のアレイを有する。図5A〜5Cは、上述し、「赤ランプ下のマイナス陶磁率媒体」(1078ページ)と題されるYuan基準から取られたものである。両方の銀のナノストリップ28の厚さは「t」で表され、「d」は例示の実施形態において酸化アルミニウム(Al2O3)を含むことができるアルミナスぺーサ30の厚さを表す。図5Aセルは、約120〜160nmの範囲、さらに好ましくは140nmの幅「w」、約32〜38nmの範囲、さらに好ましくは35nmの厚さ「t」、約37〜43nmの範囲、さらに好ましくは40nmの深さ「d」、及びx方向に約280〜320nmの範囲、さらに好ましくは300nm、y方向に無限の長さを有する周期性「p」を有する。銀のナノストリップ28は、yに無限大であり、xに周期的であり、周期pは図5Aに示すx、y、z方向に一致すると考えることができる。

0044

図5Bは、上述した図5Aのセルについて、誘電率ε‘の実質部分(実線で示すRe(μ))と、陶磁率μ’(破線で示すRe(ω))を示すグラフである。セルの誘電率ε‘(Re(μ))と陶磁率μ’の記入にあたっては、ナノストリップ28に対しバルク銀の光学定数を使用し、基板32の屈折率は1.52である。見て分かるように、セルは約825nmの波長において、マイナスの磁気応答(陶磁率μ‘)とマイナスの電気的応答(誘電率ε’)を示している。しかしながら、セルは、約825〜850nmの範囲の波長において、誘電率応答の絶対値に対し、応答ポテンシャルが生じるのに十分な大きさのプラスの磁気応答を示している。上述したように、上記応答は異なるメタマテリアルによって示される多様な応答のうちの一つを示すものであり、結果的に陶磁率と誘電率の間の差が、上記ファンデルワールスポテンシャルUzA等の応答ポテンシャルを生じさせるのに十分な大きさとなる。これに関して、様々な代替構造配置を有し、異なる物質特性を有する様々な代替物質組成で構成される多様なメタマテリアルにより、様々な代替波長においてマイナス(又はプラス)の誘電率及び陶磁率応答を得ることができ、これにより陶磁率と誘電率の絶対値の間の差が応答ポテンシャルを確立させるのに十分となる。

0045

図5Cの左半分に、図5A模擬ユニットセルが加工された後の実際の断面を示す。図5Cのセルは、底幅Wb及び上端幅wtを有する台形の断面形状を有し、基板32上に形成され、酸化アルミニウム(Al2O3)を含むアルミナスペーサ30で分離された、結合した銀のナノストリップ28のアレイを有する。図5Cの右半分に、ナノストリップ28の上部及び下部の間に延びるB力線全体が磁気共鳴において入射磁場とは反対であることを示す。B力線は磁束密度を表し、磁場は磁界磁場強度を表す。

0046

上述したように任意の実施形態に従って加工された、又は他の方法で加工されたメタマテリアルについては、高い陶磁率(絶対値)及び低い誘電率(絶対値)を有することが好ましい。さらに具体的には、メタマテリアルの陶磁率の絶対値μ(ω)は最大約25(すなわち−25≦μ(ω)≦25)であることが好ましいが、陶磁率の絶対値は25より大きくてもよい。メタマテリアルは、好ましくは約1014〜1016Hzの範囲の周波数において、メタマテリアルの誘電率の絶対値よりも最大約10倍又はそれ以上大きい陶磁率を有することが好ましいが、他の周波数も考えられる。

0047

上記パラメータを有すれば、メタマテリアルは表面上のメタマテリアルと、表面の上を流れる流体の間に反発力を生じさせるのに十分なものとなり得る。一実施形態では、メタマテリアルは、外部表面、又は航空機の翼の外表面等の表面に接着することができるアップリケとして構成されていてよい。しかしながら、メタマテリアルは、異なる取付機構を使用して、様々な異なる表面に、及び異なる用途に適用させることができ、航空ビークル又はタービン翼の上を通過する流体の粘性抵抗を低減するために、航空ビークル又はタービン翼へ接着させる用途にのみ限定されるものではない。

0048

本発明はまた、表面へのメタマテリアルの応用等の、表面を通過して移動する流体の粘性抵抗を低減する方法を含むことができる。本方法は、表面に適用された又は表面に他の方法で配置されたマイナス指数のメタマテリアル等のメタマテリアルを使用して、表面と流体との間に反発力を生じさせるステップを含むことができる。この反発力を生じさせるステップは、マイナス指数の物質と、流体の原子/分子の間のCasimir−Polder−Lifshitz力を逆転させることを含むことができる。このステップはまた、マイナス指数の物質と、流体の原子/分子の間のファンデルワールス力を逆転させることも含むことができる。

0049

これに関しては、反発力を生じさせるステップは、1014〜1016Hzの領域の周波数に対して比較的強い磁気共振応答(すなわち、−25≦μ(ω)≦25)を、上述したこれらの周波数において比較的弱い電気共振応答と組み合わせて有することが好ましいメタマテリアルを使用して反発力を生じさせることを含むことができる。反発力を生じさせるステップはさらに、少なくとも1.0の正規化反発ポテンシャルが得られるパラメータを有するメタマテリアルを使用して反発力を生じさせるステップを含むことができる。メタマテリアルは非限定的に、ωpm、ωTm、γm及びωPe、ωTe、γeを含む様々な異なるパラメータによって特徴づけることができ、上述したように、ωpm及びωTmはメタマテリアルの固定磁気周波数であり;γmはメタマテリアルの磁気吸収利得(/損失)であり;ωPe及びωTeはメタマテリアルの固定電気周波数であり;そしてγeはメタマテリアルの電気吸収利得(/損失)である。

0050

さらなる実施形態では、本発明は、左手系メタマテリアルを形成してこのメタマテリアルを、例えば表面にアップリケを接着する、又は任意の好適な手段を使用して表面にメタマテリアルを適用する又は一体化させる等によって、表面に適用して、表面と流体との間の粘性抵抗を低減する方法を含むことができる。本方法はさらに、流体に対して表面を移動させることを含むことができ、ここでメタマテリアルにより、メタマテリアルと流体の間に反発力が生じる。

0051

メタマテリアルを形成するステップは、上記の展開公式で表される摂動論の最低非消滅オーダーにおける原子/分子の基底状態の分極率の評価を含むことができる。メタマテリアルを形成するステップは、流体と表面の間の引力を逆転させるのに必要な陶磁率及び誘電率を求めることを含むことができ、ここで引力とはファンデルワールス力であってよい。

0052

本発明のさらなる変更及び改善は当業者に明らかとなり得る。したがって、本明細書に記載され図示された部分の特定の組み合わせは、本発明の特定の実施形態を表すためだけのものであり、本発明の精神及び範囲内の代替実施形態又は装置を限定するものではない。

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