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技術 微生物を培養する方法、該方法を行うためのバイオリアクター及びかかるバイオリアクターを製造する方法

出願人 サントルナショナルドゥラルシェルシュシアンティフィク
発明者 ルビエールカリーヌプルヴォストジェレミールグランジャック
出願日 2009年10月14日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2011-535148
公開日 2012年4月5日 (8年7ヶ月経過) 公開番号 2012-508003
状態 拒絶査定
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 直線セクション 円筒状セクション 楕円点 各接続アーム 三次元特性 出口セクション 字状形態 入口セクション
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図面 (16)

課題・解決手段

本発明は、収率(濃度、生産性)が改善され、機械的応力感度の高い微生物を培養することが可能であり、かつ省エネルギーである、バイオリアクターを提案することを目的とする。本発明の主題は、培地中に懸濁している微生物を培養する方法であって、該微生物の懸濁液が内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段を有するチャネル内に微生物の懸濁液を流す、方法である。

概要

背景

微生物の培養は最適化された栄養素供給を必要とする。光合成微生物の培養は可能な限り最も均一な光供給をさらに必要とする。

光合成微生物の培養用のバイオリアクター光バイオリアクターと呼ばれる。これらは概して、通常のバイオリアクターと同じ原理、すなわち、リザーバ中の所定量の培地内での微生物の最適な成長に必要な条件の連続的な制御に基づいている。現在の研究の主な目的は、その性能(細胞濃度及び生産性)を改善することである。

光バイオリアクターの特定の特徴は、培養のための一般的な条件の他に光エネルギーを供給する必要性にある。この特別な制約が、これらのリアクターの開発を困難にし、その幾何学的形状の外挿を困難にする。実際、光の良好な使用には、これらの微生物が、強い色素沈着性を有しているため、入射光を吸収及び拡散する、すなわち、そのために培地において利用可能な光が、特にバイオマス濃度が増大するにつれて非常に急速に減衰するという点で複雑な問題が依然としてある。したがって、光バイオリアクターの生産性は入射光の生物学的利用によって直接制御される。

概要

本発明は、収率(濃度、生産性)が改善され、機械的応力感度の高い微生物を培養することが可能であり、かつ省エネルギーである、バイオリアクターを提案することを目的とする。本発明の主題は、培地中に懸濁している微生物を培養する方法であって、該微生物の懸濁液が内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段を有するチャネル内に微生物の懸濁液を流す、方法である。

目的

本発明の第1の目的は、特に培地が限定されていて吸収性が高い(照射比表面積が大きい)場合のバイオマスへの光エネルギーの変換収率、したがって、光バイオリアクターの性能(バイオマス濃度、生産性)を改善することである

効果

実績

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請求項1

培養培地中に懸濁している微生物を培養する方法であって、該微生物の懸濁液がチャネル内を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段(25−26)を有するチャネル(20)内に前記微生物の懸濁液を流すことを特徴とする、方法。

請求項2

前記チャネル(20)は、接続アーム(26、37)によって互いに接続される複数の基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)は、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記チャネル(20)は、培養すべき光合成微生物成長に必要な光放射に対して透過性である壁を有する、光合成微生物の培養のための請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記チャネル内に直列に配置されている少なくとも1つのリザーバ(27−28)中の細胞懸濁液を循環させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記培養培地中のガス量を制御する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記培養培地の温度を制御する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

培養培地中に懸濁している微生物の培養用のバイオリアクターであって、該微生物の懸濁液用の入口(21)及び出口(22)が備わっているチャネル(20)と、該チャネル(20)内に前記微生物の懸濁液を流す手段とを備え、前記チャネルは、前記微生物の懸濁液がチャネル内を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段(25−26)を有することを特徴とする、バイオリアクター。

請求項9

前記ラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段は、接続アーム(26、37)によって互いに接続される複数の基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)を含む、請求項8に記載のバイオリアクター。

請求項10

前記基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)は、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形状セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のバイオリアクター。

請求項11

前記チャネル(20)は、培養すべき光合成微生物の成長に必要な光放射に対して透過性である壁を有する、光合成微生物の培養のための請求項8〜10のいずれか一項に記載のバイオリアクター。

請求項12

前記チャネル(20)は、該チャネル内に直列に配置されている少なくとも1つのリザーバ(27−28)を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載のバイオリアクター。

請求項13

前記培養培地中のガス量を制御する手段を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載のバイオリアクター。

請求項14

前記培養培地の温度を制御する熱交換器(350)をさらに含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載のバイオリアクター。

請求項15

請求項10に記載のバイオリアクターを製造する方法であって、基体(10)の第1のプレート(100)内に、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形状セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択される複数の基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)をエッチングする工程と、基体(10)の第1のプレート(100)内に、チャネル(20)への入口(21)及び前記チャネル(20)からの出口(22)をエッチングする工程と、前記基体(10)の第2のプレート(200)内に、複数の接続アーム(26、37)をエッチングする工程と、シーリング目地(50)を配置すると共に、前記エッチングされた前記基体の2つのプレート(100—200)を、前記接続アーム(26、37)が前記基本形態(25、25a−25b−25c、30、31、32a−32b−32c、33a−33b−33c、35、36a−36b)間に前記チャネルの前記入口(21)及び前記出口(22)との水密流体連通を可能にするように配置されるようにして並置する工程と、を含むことを特徴とする、方法。

請求項16

前記第1のプレート(100)内に、前記チャネル内に直列に配置されることを意図された少なくとも1つのリザーバ(27−28)をエッチングする工程をさらに含む、請求項15に記載の製造する方法。

請求項17

前記第2のプレート(200)内に、前記チャネル内に直列に配置されることを意図された少なくとも1つのリザーバ(27−28)をエッチングする工程をさらに含む、請求項15または16に記載の製造する方法。

請求項18

第3のプレート(300)内に、伝熱流体を循環させるチャネル(350)をエッチングする工程と、前記エッチングされた基体の前記第1のプレート(100)及び前記第3のプレート(300)を、前記伝熱流体を循環させるチャネル(350)が前記培養培地を循環させる前記チャネル(20)と熱交換関係にあるように並置する工程とをさらに含む、請求項15〜17のいずれかに記載の製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、微生物を培養する方法、該方法を行うためのバイオリアクター及びかかるバイオリアクターを製造する方法に関する。

0002

本発明は、微生物を培養する分野に関し、より詳細には、バイオリアクター内での光合成微生物の培養に関する。

背景技術

0003

微生物の培養は最適化された栄養素供給を必要とする。光合成微生物の培養は可能な限り最も均一な光供給をさらに必要とする。

0004

光合成微生物の培養用のバイオリアクターは光バイオリアクターと呼ばれる。これらは概して、通常のバイオリアクターと同じ原理、すなわち、リザーバ中の所定量の培地内での微生物の最適な成長に必要な条件の連続的な制御に基づいている。現在の研究の主な目的は、その性能(細胞濃度及び生産性)を改善することである。

0005

光バイオリアクターの特定の特徴は、培養のための一般的な条件の他に光エネルギーを供給する必要性にある。この特別な制約が、これらのリアクターの開発を困難にし、その幾何学的形状の外挿を困難にする。実際、光の良好な使用には、これらの微生物が、強い色素沈着性を有しているため、入射光を吸収及び拡散する、すなわち、そのために培地において利用可能な光が、特にバイオマス濃度が増大するにつれて非常に急速に減衰するという点で複雑な問題が依然としてある。したがって、光バイオリアクターの生産性は入射光の生物学的利用によって直接制御される。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の第1の目的は、特に培地が限定されていて吸収性が高い(照射比表面積が大きい)場合のバイオマスへの光エネルギーの変換収率、したがって、光バイオリアクターの性能(バイオマス濃度、生産性)を改善することである。

0007

現行技術水準は幾つかのタイプの光バイオリアクターを含み、その幾何学的形状は2つの部類タンクチューブ又は気泡塔のタイプの筒状の幾何学的形状と、「平板反応器」(FPR)として知られる平坦の幾何学的形状とに基づいて分類される。

0008

現行の技術水準の光バイオリアクター全てに共通の特徴点は、培養培地均質化する手段:タンク内の機械的攪拌機、又は、気泡塔タイプ若しくはFPR(エアリフト型)タイプのリアクター用の気泡循環の使用である。

0009

しかしながら、培養培地を攪拌するこれらの手段は、脆弱であることが知られている特定の光合成微生物に対して損傷を与えるか又は破壊的でさえある強力な流体力学応力を誘発する。

0010

さらに、現行の技術水準の光バイオリアクターは低い生産性を示す。すなわち、非常に多くの場合、得られる濃度は数グラムリットル未満、生産性も一日あたり数グラム/リットル未満にとどまる。このことは現在、光バイオリアクターの有益な産業開発にとっての主な障壁である。

0011

現時点で、目的が光合成微生物の培養の強化である唯一知られている光バイオリアクターは、FPR光バイオリアクターである。

0012

1996年にHu他によって最初に導入されて以来、FPRは現在、オランダのワーゲニンゲン大学のR. Wijffels教授チームにおける長期的な研究目的となっている(「Microalgal photobio-reactors: Scale-up and optimization」 PhD thesis by Barbosa, 2003)。この光バイオリアクターは幅が1センチメートル〜3センチメートル、長さが20センチメートル、及び高さが60センチメートルのリザーバを有する。光バイオリアクターは、リザーバの底部にわたって配される気泡発生インジェクターを備える。気泡の放出により、藻類懸濁液の体積を混合することが可能である。

0013

このFPR光バイオリアクターは、培養量に対して曝露面積が大きいことにより、条件のよい性能レベルを達成する。さらに、気泡の除去作用により壁のファウリング低レベルであることが認められ、これは入射光の減衰を防止する。

0014

しかしながら、気泡塔タイプの系の場合、反応培地の有効な攪拌を得るのに高レベルガスが必要とされ、これは(特に微生物懸濁液が粘性となる場合に)放射性ガス液体材料伝達効果を低減する可能性がある。さらに、このタイプの構成では、光合成微生物懸濁液の流体力学は制御されず、このため、光合成微生物が感度の高い明ゾーン/暗ゾーンサイクルの制御を困難にさせる。

0015

本発明の第2の目的は、性能(濃度/生産性)が改善されていると同時にバイオリアクターの壁のファウリングを制限しつつ、機械的応力に対して感度が高いことが知られている微生物の培養に好適なバイオリアクターを提案することである。

0016

既知の解決策の不都合点を改善するために、本発明は、ラグランジアンカオスによる混合を発生させる幾何学的形状構造内に培養培地を流す方法及びバイオリアクターを提案する。

0017

ラグランジアンカオス(Lagrangian chaos)による混合は、培養培地が激しく攪拌されるからといって、時に「カオス」と誤って称されるランダムな又は乱流の混合と混同されるべきではない。したがって、流体機械では、混合は、以下の判定基準の少なくとも1つを満たす場合にラグランジアンカオスと称される:
初期条件に対する感度(発散軌道(divergent trajectories)の法則とも呼ばれる)
カオス系では、非常によく似た初期条件が非常に様々に展開する可能性がある:その場合、初期条件の記憶の損失があると言える。ラグランジアンカオスによる混合の場合、2つの最初のとてもよく似た流体軌跡間の発散が指数関数的に成長する。それにもかかわらず、この系は決定論的であるため、同じ初期条件が常に同じ最終状態を与える。このことが、ラグランジアンカオスによる混合と(例えば乱流の)ランダムな混合との間に存在する主要な相違点である。実際、ランダムな混合は異なる最終状態を同じ初期条件に結びつける。
ホモクリニック又はヘテロクリニックの横断的な交差(transverse intersections:横断的な交わり)の存在
換言すれば、系内の少なくとも1つの不安定要素の存在が確かにその動力学を複雑にするが、特に、混合の点ではより有効にする。数学的観点から、不安定点は典型的に(混合に対して障害となる楕円点とは違って)双曲点である。2つの局部的な挙動が双曲点に関わる、すなわち、最大の圧縮及び延伸物理的な方向にそれぞれ対応して、一方は安定し他方は不安定である。これらの2つの挙動の交差は、(同じ双曲点から出ている場合は)ホモクリニックと呼ばれる点から、又は(2つの双曲点から出ている場合は)へテロクリニックと呼ばれる点を起点とする。これらのホモクリニック交差及びヘテロクリニック交差はラグランジアンカオスの指標である。
基準体積馬蹄形状の変化
ラグランジアンカオスによる混合では、単位体積流体が一方向に延伸し、これにより垂直方向収縮され、次いで、その元の初期位置に戻る。したがって、初期の立方状の体積について、ラグランジアンカオスによる混合は、馬蹄形状の流体軌跡の延伸及び戻りを特徴とする。

0018

最終的に、動的系の理論に従って、速度場が二次元であると共に時間依存であるか、又は、時間依存であるかどうかにかかわらず三次元である場合にしか、粒子カオス的運動が起こり得ないことに留意されたい。

課題を解決するための手段

0019

本発明は、微生物の培養用のバイオリアクターとしての、流体がチャネル内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させることが可能なチャネルの使用に関する。したがって、流れは、本明細書のこれ以降では「カオス的な」と称される。好適な用途では、本発明は、光合成微生物の培養のための放射に対して透過性であるチャネルを使用する。

0020

本発明の主題は、培養培地中に懸濁している微生物を培養する方法であって、該微生物の懸濁液がチャネル内を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段を有するチャネル内に微生物の懸濁液を流す、方法である。

0021

この方法によって、チャネル内での流体の循環により細胞の栄養素供給が最適化される。さらに、チャネルの全長に沿ったその層流特性により、固定培地の混合ではなく、培養培地自体のカオス的な流れが、機械的応力に対して感度が高いことが知られている微生物(例えば、プロトセラツムレチクルム(Protoceratum reticulum)のような特定の渦鞭毛藻類又はスケルトネマ・コスタツム(Skeltonema costatum)のような珪藻類)の培養を可能にすると同時にエネルギーを節約する。

0022

この方法は、カオス的な流れの三次元特性流体ラインの連続的な戻り/延伸)により、乱流系において、ただし層流以外の任意の流れに存在する高い機械的応力なしに得られる混合に等しい混合を得ることを可能にする、微生物の培養の独特の解決策を与える。

0023

ラグランジアンカオスによる混合のこれらの特性による利点は、特に培養培地が限定されていて吸収性が高い(照射の比表面積が高い)場合の光放射に対する光合成微生物の曝露の改善(より良好な空間的均質性及び光透過)であり、したがって、培養の生物学的性能(細胞濃度、生産性)の向上を可能にする。

0024

しかしながら、本発明において行われるラグランジアンカオスによる混合は、さらなる利点を与える。実際、FPRにおける気泡とは違って、培養培地におけるいかなる強い機械的応力も誘発しないが、チャネルのファウリングが著しく制限される、すなわち、チャネル内での数十日間の循環後でさえ、チャネルの壁に微生物はほとんど全く付着していないことに留意されたい。したがって、ラグランジアンカオスによる混合により、従来の2つの相容れない利点、すなわち、微生物の細胞完全性を重んじる有効な混合とバイオリアクターの制限されたファウリングとを両立させることを可能にする。

0025

他の実施の形態によると、
・ 前記チャネルは、接続アームによって互いに接続される複数の基本形態basicforms)を含むことができ、
・ 前記基本形態は、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択することができ、
・ 該方法は、光合成微生物の培養に適合することができ、前記チャネルは、培養すべき光合成微生物の成長に必要な光放射に対して透過性である壁を有することができ、
・ 該方法は、前記チャネル内に直列に配置されている少なくとも1つのリザーバ中の細胞懸濁液を循環させる工程を含むことができ、
・ 該方法は、前記培養培地中のガス量を制御する工程を含むことができ、かつ/又は
・ 該方法は、前記培養培地の温度を制御する工程を含むことができる。

0026

本発明はまた、培養培地中に懸濁している微生物の培養用のバイオリアクターであって、該微生物の懸濁液用の入口及び出口が備わっているチャネルと、該チャネル内に前記微生物の懸濁液を流す手段とを備え、前記チャネルは、前記微生物の懸濁液が内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段を有する、バイオリアクターに関する。

0027

他の実施の形態によると、
・ 前記ラグランジアンカオスによる混合を発生させる手段は、接続アームによって互いに接続される複数の基本形態を含むことができ、
・ 前記基本形態は、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形状セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択することができ、
・ 前記バイオリアクターは、光合成微生物の培養に適合することができ、前記チャネルは、培養すべき光合成微生物の成長に必要な光放射に対して透過性である壁を有することができ、
・ 前記チャネルは、該チャネル内に直列に配置されている少なくとも1つのリザーバを含むことができ、
・ 前記チャネルは、前記培養培地中のガス量を制御する手段を含むことができ、かつ/又は
・ 前記バイオリアクターは、前記培養培地の温度を制御する熱交換器をさらに含むことができる。

0028

本発明はまた、かかるバイオリアクターを製造する方法であって、
-基体の第1のプレート内に、「C」字状形態、「V」字状形態、「B」字状形態、「U」字状形態、「3Dジグザグ」形態、交互の円形状セグメントを有するチャネル、「L」字状形態及びそれらの組合せからなる群から選択される複数の基本形態をエッチングする工程と、
- 基体の第1のプレート内に、チャネルの入口及び出口をエッチングする工程と、
- 前記基体の第2のプレート内に、複数の接続アームをエッチングする工程と、
-シーリング目地を配置すると共に、前記エッチングされた前記基体の2つのプレートを、前記接続アームが前記基本形態間に前記チャネルの前記入口及び前記出口との水密流体連通を可能にするように配置されるようにして並置する工程と、
を含む、方法に関する。

0029

他の実施の形態によると、
・ 該製造する方法は、前記第1のプレート内に、前記チャネル内に直列に配置されることを意図された少なくとも1つのリザーバをエッチングする工程をさらに含むことができ、
・ 該製造する方法は、前記第2のプレート内に、前記チャネル内に直列に配置されることを意図された少なくとも1つのリザーバをエッチングする工程をさらに含むことができ、かつ/又は
・ 該製造する方法は、基体の前記第3のプレート内に、伝熱流体を循環させるチャネルをエッチングする工程と、前記エッチングされた基体の第1のプレート及び第3のプレートを、前記伝熱流体を循環させるチャネルが前記培養培地を循環させるチャネルと熱交換関係にあるように並置する工程とをさらに含むことができる。

0030

本発明の他の特徴は、それぞれ示す添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明において概説する。

図面の簡単な説明

0031

本発明によるバイオリアクターの実施例を上から見た概略図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
本発明によるチャネルの基本形態及び接続アームの種々の可能な幾何学的形状のうちの1つの概略斜視図である。
図2eの幾何学的形状における微生物懸濁液のカオス的な流れにおける微生物の軌跡を示す概略斜視図である。
「C」字状基本形態を上から見た概略図である。
基本形態の接続アームを上から見た概略図である。
接続アームによって連結された「C」字状基本形態を含む、本発明によるチャネルの一部を上から見た概略図である。
切取り線VII−VIIに沿った、図6のチャネルの一部の概略断面図である。
図1のバイオリアクターの実施例を右側から見た概略図である。
図1のバイオリアクターの実施例を左側から見た概略図である。

実施例

0032

本発明の用途の好適な例は、微生物の培養用のバイオリアクターとしての、培養培地がチャネル内部を流れる際にラグランジアンカオスによる混合を発生させることが可能な構造を有するチャネルの使用を提案する。

0033

本発明によるバイオリアクターは、一方で、有効であるがわずかな機械的応力しか発生させず、他方で、壁付近の流れ及び速度(平均の循環速度(流量と横断面との比率によって計算される)よりも数倍大きい)の三次元性により、チャネルの壁の最小限のファウリングを可能にし、このファウリングは全てミリメートルの培養物厚の存在下であっても可能である。

0034

性能(濃度、生産性)を強化するために、用いるチャネルは低減した培養物厚(1センチメートル未満)、したがって、現行の技術水準の光バイオリアクターと比して増大した照射の比表面積(130m−1超)を有し、したがって培地を特に限られたものにすると共に吸収性の強いものにする。

0035

好適な幾何学的形状の形態(「C」字状形態)では、レイノルズ数はおよそ200である、すなわち、その形態は発生したカオス的な流れ(混合)の効率、及び、光合成微生物を懸濁状態に維持するのに十分な(およそ数センチメートル/秒の)流れの速度に関して最適化されるものとする。なお、1g/L藻類懸濁液の動粘性率は水の動粘性率に近いが、細胞濃度により増加する。

0036

したがって、用いるチャネルは光への微生物の曝露を促すように低減された寸法を有し、一方で、比較的高濃度で微生物を含有している流体の効果的な循環、他方で、バイオリアクターの良好な収益率を確実にする。

0037

概して、本発明によるバイオリアクター内の流れのレイノルズ数は150〜250、好ましくは200である。

0038

図1に示すバイオリアクター1はチャネル20の支持体(support)10を含む。このチャネル20は流体入口21及び流体出口22を含む。

0039

流体入口21は、培養培地中に懸濁している光合成微生物が該光合成微生物に損傷を与える可能性のある機械的な制約又は応力を受けないように構成される単一孔から形成される。

0040

チャネル内で流体を循環させる手段(図示せず)が入口21及び出口22を介してチャネルと流体連通する。例として、この手段は、懸濁している微生物を該微生物に損傷を与えることなくチャネル20内で循環及び再循環させることが可能な蠕動ポンプである。

0041

チャネル20は、流体が内部を循環する際にカオス的な流れを発生させることを可能にする。

0042

図1に示す実施形態によれば、チャネル20は、接続アーム26によって互いに接続される複数の基本形態25を含む。

0043

これらの基本形態は概して、循環している流体の方向を変えさせる筒状コイルから構成される。

0044

図1の実施形態では、基本形態25は、図5に示す真っ直ぐな接続アーム26によって接続された「C」字状形態である。各「C」字状形態は、直角に配置されている連続的な3つの直線状セクション25a、25b、25c(図2aを参照)を含む筒状コイルである。これらのセクションの配置は同一平面にある。

0045

培養される微生物が光合成微生物である場合、チャネル20は培養すべき微生物の成長に必要な光放射に対して透過性である壁を有する。

0046

図示の実施形態では、チャネルは基本ユニット(basicunits)25と流体連通する2つのリザーバ27−28を含む。

0047

これらのリザーバにより、pH及び温度等のパラメーター監視する標準器具410(図9を参照)、並びにこれらのパラメーターを調整する器具、又は採取及び/若しくは注入する器具420(図8を参照)を使用することが可能となる。例として、経済的な標準pHプローブは約12mmの直径を有しており、チャネル20に直接一体化することはできない。

0048

代替的に、測定器具をチャネル内に直接一体化することができる場合、これらのリザーバを省くことが可能である。しかしながら、このタイプの器具はその小型化によりかなりのコストを生じる。

0049

培養培地のカオス的な流れに対してこれらのリザーバが引き起こす摂動を制限するために、かさばる器具は比較的大きな寸法(例えばチャネルの高さの4倍)を有する第1のリザーバ27にまとめることが好ましい。同様に、あまりかさばらない器具はより適度な寸法(例えばチャネルの高さの2倍)の第2のリザーバ28内に一緒にまとめる。例として、第2のリザーバ28は、細胞懸濁液を採取及び/又は注入する器具を配置する働きをすることができる。

0050

図1のバイオリアクターはまた、第2のリザーバ28の出口に配置されている直線セクション29を有する。この直線セクション29は、培養培地中に存在するガスの量を制御する手段を含むことができる。したがって、光合成微生物の成長条件(pH、光合成に利用可能な炭素量、生成されるO2の除去等)を最適化するために、空気及び/又はCO2を注入することが可能である。

0051

チャネル内に気泡が蓄積する危険性を制限するために、この直線セクションを省くこと及び/又はガス(空気/CO2)の代わりに液体形態炭酸H2CO3を注入することも可能である。

0052

流体が内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を可能にする限り、幾つかのタイプの基本形態25及び接続アーム26を用いることができる。一方又は他方の選択は以下の間での妥協に起因する:
- 技術的な単純性(バイオリアクターの製造及び分解)、
-カオス的な流れの効率(光合成微生物の混合と曝露の改善との間の最適化)
-エネルギー消費最小限化、並びに
-チャネルの壁のファウリングの最小限化及び機械的応力に対する感度の重視

0053

7つの非限定的な例を図2a図2gに示す。

0054

図2a図2eにおいて、形態は一部が示されている2つの接続アーム26と流体連通して示されている。形態2b〜2eは、燃料電池熱交換器の性能を最大にする目的で、フランスのナント大学のLT研究室(H. Peerhossaini教授、C. Castelain及びB. Auvityのチーム)で開発された「C」字状形態の変更形態である。本出願人はもっぱら、この研究室に地理的に近いという幸運からこの研究の知識を得ていた。この技術分野は全く異なるにもかかわらず、本出願人は、バイオリアクター、特に光バイオリアクターの特定用途においてこれらの形態を試験するという着想を得た。カオス的な移流バイオリアクターにおけるこれらの形態2b〜2eの利用は、細胞濃度及び生産性を著しく改善すると共に、チャネルのファウリングを制限し、したがって、光への曝露を促すことに気づいた。

0055

図2aに示す基本形態は図1について記載した形態のような「C」字状形態である。図2bに示す基本形態は「3Dジグザグ」状と呼ばれる。この基本形態はほぼ直角に湾曲している曲線状セクション30を含む。

0056

図2cに示す基本形態は「U」字状と呼ばれる形態である。この実施形態では、流体は、湾曲セクション31内で曲線運動(二次的流れ)を行うが、C字状形態では各直線状セクション内直線運動を行う。U字状形態はC字状形態よりも少ない圧力損失を生じる。

0057

図2dに示す実施形態は「V字状形態」と呼ばれる。この変形形態によって、直線状セクション32a、32b及び32c間の90度未満の角度により、C字状形態よりも圧力損失が小さい空間的にカオス的な流れをつくることが可能となる。

0058

図2eに示す実施形態は「B」字状と呼ばれる。この基本形態は、直線状セクション33aを含み、このセクションの両端に円筒状セクション33b及び33cが位置する。したがって、図3によって示すように、流体は、基本形態における円筒状セクションによって誘発される乱流の流れを局所的に引き起こし、一群の形態では、流体は空間的なカオス的な流れを受ける。

0059

図2fの実施形態は「交互の円形状セグメントを有する」と呼ばれる。各基本形態35は、円弧のような形状のチャネル部分正方形横断面、チャネルの直径の5倍に等しい曲率半径、及び円の3/4にほぼ等しいスパンαによって画定された長さから構成される。したがって、チャネルは、2つの真っ直ぐな入口セクション及び出口セクション、並びに対向して位置する円弧のような形状の一連の基本形態35を有する。チャネルは、正確には、ラグランジアンカオスによる混合を発生させる方向のこれらの周期的変化である。

0060

図2gの実施形態は「L」字状と呼ばれる。「C」字状形態の別の変更形態であるこの形態は、長さが異なり互いに垂直な2つの真っ直ぐなセクション36a及び36bを含む。接続アーム37は「L」字状形態と同一である。

0061

図4に示す、好適な実施形態によれば、C字状の基本形態はチャネルの幅Lcの3倍に等しい総幅LTを有する。例として、チャネルLcの幅は10mmに等しい。したがって、総幅LTは30mmに等しい。同様に、図5に示す、好適な実施形態では、各接続アームはチャネルの幅Lcの3倍に等しい総幅LTを含む。そのように寸法決めされたこれらの基本形態と接続アームとの組合せは図6に示す。

0062

図7は、切取り線VII−VIIに沿った、図6の全体の横断面である。基本形態25及び接続アーム26は好ましくはチャネルの幅Lcの約半分に等しい高さhを有する。換言すれば、高さhは上記の例に関してほぼ5mmに等しい。

0063

好適な実施形態によれば、本発明によるバイオリアクターは透明材料からなる少なくとも2つの並置プレートで実装される。この構造は図8及び図9に示す。

0064

バイオリアクターは、基本形態25、接続アーム26、流体入口21、流体出口22、並びに、図示の実施形態では、深さが異なる2つのリザーバ27〜28及び真っ直ぐなセクション29がエッチングされている、第1のプレート及び第2のプレート100—200を含む。

0065

シーリング目地50が2つのプレート100—200間に位置決めされ、これらのプレートは、接続アーム26が基本形態25間にチャネル20の入口21及び出口22との水密の流体連通を可能にするように位置決めされるようにして並置される。

0066

図示の実施形態では、第1のリザーバ27はチャネルの高さhの4倍にほぼ等しい深さP1を有する。このリザーバを作製するには、2つのプレート100及び200をチャネルの高さの2倍にほぼ等しい深さまでエッチングする。

0067

同様にして、リザーバ28はチャネルの高さhの2倍にほぼ等しい深さP2を有する。このリザーバを作製するには、2つのプレート100及び200をチャネルの高さにほぼ等しい深さまでエッチングする。

0068

任意選択的に、バイオリアクターは、熱交換により培養培地の温度を調整するように伝熱流体を循環させる回路350がエッチングされている第3のプレート300を含む。

0069

好ましくは、プレート300は基本形態25を支持するプレート100に並置される。これにより、伝熱流体及び培養培地間の熱交換面積が改善される。シーリング目地51が、水密を確実にするように2つのプレート100及び300間に位置決めされる。

0070

この伝熱流体は、光合成微生物の成長に有用な放射に対して透過性でなければならない。好ましくはこの流体は水である。

0071

好ましくは、バイオリアクターは、リザーバ27〜28内の測定器具410用の水密支持体として働くことを意図された着脱可能な蓋400を有する。この蓋400は、微生物の採取又は注入用の針通路420用の孔も含むことができる。

0072

図示の実施形態では、本発明による光バイオリアクターは縦に用いられる。この位置により、反応培養培地に形成されかねないガス気泡をバイオリアクターの上部に向けて除去し易くすることが可能となる。

0073

多くの変形形態及び代替形態を本発明から逸脱しない限り行うことができ、特に:
・バイオリアクターは、縦に用いられる場合に気泡をリザーバの頂部に向けて除去することを促すように壁が構成される基本形態を含むことができる。
・ バイオリアクターは、流体が内部を循環する際にラグランジアンカオスによる混合を発生させる種々の幾何学的形状の基本形態の組合せを含むことができる。

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