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技術 キャビテーション活動のマッピング及び特性評価

出願人 オックスフォードユニヴァーシティイノヴェーションリミテッド
発明者 クシオス、コンスタンティン、シー.ギョンジー、ミクロスアロラ、マニッシュロイ、ロナルド、オーレル
出願日 2009年11月4日 (10年3ヶ月経過) 出願番号 2011-533834
公開日 2012年3月29日 (7年10ヶ月経過) 公開番号 2012-507320
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 受動位置 積分時間間隔 単一気泡 能動検出 位置特定アルゴリズム おたまじゃくし キャビテーション領域 発生器周波数
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図面 (14)

課題・解決手段

対象内の泡の位置を特定する装置であって、受動型検出器として動作するように構成され少なくとも1つの泡を有するソースで発生した複数の圧力波の受信に応じて複数の出力信号を発生する複数の圧力波検出器と、該圧力波検出器からの複数の信号を受信して該複数の信号に基づいてソースの位置を決定するように構成された処理手段とを備えた装置。

概要

背景

癌治療のために高密度焦点式超音波(HIFU)を用いることは、他と比べて、様々な大きな利点を有し、より確立された治療手法を有する:安価で、非侵襲性であって、副作用もごくわずかである。しかしながら、信頼性のあるリアルタイムモニタリングシステム欠如により、HIFUの幅広受け入れが妨げられている。

ある圧力限界を超えて、組織内を伝播する高振幅音響波は、内発的に核となり、小さな、ミクロンサイズの気泡群励起することができる。この現象は、音響キャビテーションとして知られている。キャビテーションによる気泡群は、HIFUの励起周波数とは異なるある範囲の周波数にわたる付随的な超音波の一部を再放出するが、これは、二つの理由から有益である。ひとつは、元のHIFU源よりも高い周波数成分を有する放出は、より容易に周囲の組織に吸収され、これは、キャビテーションが熱の蓄積を大いに向上させることができるということを意味する[Coussios CC(クッシオスシーシー)、Farny CH(ファーニーシーエイチ)、JaarGTジャージーティ)、Roy RA(ロイアールエイ)。「高密度焦点式超音波(HIFU)による癌治療の導入及びモニタリングにおける音響キャビテーションの役割」、International Journal of Hyperthermia(国際温熱療法誌)、23巻、105−120ページ、2007年]。第二に、この増強された加熱に伴う広帯域音響放出を治療の指標として役立てることが可能である。

HIFU照射中のキャビテーションは、二つの方法のいずれかにおいて、すでにモニターされている。1つのオプションは、高周波広帯域トランスデューサーを使用することである。高周波広帯域トランスデューサーは、受動キャビテーション検出器(PCDs)として機能するものであり、キャビテーションによる気泡群からの音響放出を記録する[C.H.Farny(シー.エイチ.ファーニー)、R.G.Holt(アール.ジー.ホルト)、R.A.Roy(アール.エイ.ロイ)、「HIFU誘導キャビテーション活動の展開のモニタリング」、AIP Conf.Proc.(エイアイピーコンファレンスプロシーディングス)、829巻、348−352ページ、2006年]。PCDsは、固定焦点を有しているが、これにより一定領域についてのみ情報を提供する。なお、現在、臨床診療において導入されているキャビテーションモニタリングシステムは、ひとつもない。あるいは、Bモード超音波画像における高エコー輝度領域は、飛行時間情報を利用して気泡活動の検出及び位置特定を可能にする[S.Vaezy、et al.(エスベイジー、他)「超音波イメージングを用いる高密度焦点式超音波治療リアルタイム視覚化」、Ultrasound Med.Biol.(ウルトラサウンドインディシンアンドバイオロジー)、27巻、33−42ページ、2001年]。しかしながら、Bモード画像は、治療用超音波信号からの干渉を避けるため、HIFUを使っていない間だけ撮影することができ、そのため、HIFU励起が停止した後に存続するキャビティの検出しかできない。それゆえに、Bモードモニタリングは、PCDモニタリングよりも、検出力が低い。また、Bモードモニタリングは、増強された熱の蓄積を示す慣性キャビテーションによる気泡群というよりむしろ、過剰治療を示す沸騰気泡群を検出することであると以前より知られている[B.A.Rabkin(ビー.エー.ラブキン)、V.Zderic(ブイ.ズデリク)、S.Vaezy(エス.ベイジー)、「HIFU治療の超音波画像におけるハイパーエコー:キャビテーションの関与」、Ultrasound Med.Biol.(ウルトラサウンド イン メディシン アンド バイオロジー)、31巻、947−956ページ、2005年]。

概要

対象内の泡の位置を特定する装置であって、受動型検出器として動作するように構成され少なくとも1つの泡を有するソースで発生した複数の圧力波の受信に応じて複数の出力信号を発生する複数の圧力波検出器と、該圧力波検出器からの複数の信号を受信して該複数の信号に基づいてソースの位置を決定するように構成された処理手段とを備えた装置。

目的

PCDsは、固定焦点を有しているが、これにより一定領域についてのみ情報を提供する

効果

実績

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請求項1

対象内の泡の位置を特定する装置であって、受動型検出器として動作するように構成され少なくとも1つの泡を有するソースで発生した複数の圧力波の受信に応じて複数の出力信号を発生する複数の圧力波検出器と、該圧力波検出器からの複数の信号を受信して該複数の信号に基づいてソースの位置を決定するように構成された処理手段とを備えたことを特徴とする装置。

請求項2

発生器周波数の複数の圧力波を発生するように構成された圧力波発生器を更に備え、該複数の圧力波検出器は、発生器周波数とは異なる少なくとも一つの検出周波数の複数の圧力波を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。

請求項3

該少なくとも一つの検出周波数は検出周波数の範囲にあり、発生器周波数は該範囲外であることを特徴とする請求項2に記載の装置。

請求項4

該複数の圧力波検出器は、該圧力波発生器が能動状態で複数の圧力波を検出するように構成され、該処理手段は、該圧力波発生器が能動状態における該ソースの位置を決定するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。

請求項5

該圧力波発生器は治療用音波発生装置であり、該発生器周波数とは異なる診断周波数の複数の圧力波を発生するように構成された診断用圧力波発生器を更に備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載の装置。

請求項6

該診断周波数での複数の圧力波を検出するように構成された能動型圧力波検出器を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の装置。

請求項7

該診断用圧力波発生器は該能動型圧力波検出器としても動作するトランスデューサーであることを特徴とする請求項6に記載の装置。

請求項8

該処理手段は該能動型圧力波検出器からの複数の信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。

請求項9

該複数の受動型圧力波検出器のうちの少なくとも一つは、該能動型圧力波検出器としても動作することを特徴とする請求項7又は8に記載の装置。

請求項10

該複数の受動型圧力波検出器は、複数の検出器のアレイであり、それぞれの検出器は能動型圧力波検出器としても動作することを特徴とする請求項9に記載の装置。

請求項11

該ソースは単一の泡であり、該処理手段は、該泡の位置を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の装置。

請求項12

該処理手段は、該複数の検出器における複数の圧力波信号の到達時間に基づいて該泡の位置を決定するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。

請求項13

該ソースは複数の泡であり、該処理手段は該ソースのマップを生成するための複数の信号を処理するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の装置。

請求項14

該処理手段は下記の関係式を用いて複数の検出器信号に基づき複数の位置のそれぞれにおける強度を決定することによって該マップを生成するように構成されることを特徴とする請求項13に記載の装置であり、ここでτは、複数の信号Hi(t)を積分するために用いられるダミー積分変数を表し、それはそれぞれの圧力波検出器によって単一又は複数のソースから受信された複数の逆伝搬信号を表し、Tは任意の積分時間間隔を表している。

請求項15

該処理手段は、該圧力波発生器を起動させるように構成され、また該圧力波検出器が複数の圧力波を検出するときの時間を計測するように構成されてそれにより該ソースの位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の装置。

請求項16

該処理手段は、複数の信号のうちの少なくとも2つの互いに異なる周波数成分を解析して該ソースの特徴を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一に記載の装置。

請求項17

該周波数成分のうちの一つは広域帯成分であることを特徴とする請求項16に記載の装置。

請求項18

該周波数成分のうちの一つは少なくとも一つの発生器周波数の調波であることを特徴とする請求項16または17に記載の装置。

請求項19

該処理手段は、該圧力波発生器の周波数の複数の調波における検出器信号の複数の成分を除去してフィルタかけられた信号を生成するとともに、該フィルタがかけられた信号に基づき該ソースの位置を決定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。

請求項20

対象内の泡の位置を特定する方法であって、少なくとも1つの泡を有するソースで発生した複数の圧力波を複数の受動型圧力波検出器のそれぞれにおいて受信する工程と、それぞれの該圧力波検出器から圧力波の受信に応じて複数の出力信号を発生する工程と、該複数の出力信号を処理して該ソースの位置を決定する工程とを備えたことを特徴とする方法。

請求項21

発生器周波数の複数の圧力波を発生する工程を更に備え、該複数の圧力波は、該発生器周波数とは異なる少なくとも一つの検出周波数で検出されることを特徴とする請求項20に記載の方法。

請求項22

該少なくとも一つの検出周波数は検出周波数の範囲であり、発生器周波数は、該範囲外であることを特徴とする請求項21に記載の方法。

請求項23

該圧力波発生器が能動状態で複数の圧力波が検出され、該圧力波発生器が能動状態における該ソースの位置がソースの位置として決定されることを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。

請求項24

該圧力波発生器は治療用の圧力波発生装置であり、該発生器周波数とは異なる診断周波数で複数の振動波を発生する工程を更にそなえたことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一に記載の方法。

請求項25

該診断周波数での複数の圧力波を検出することを特徴とする請求項24に記載の方法。

請求項26

該診断周波数での複数の圧力波は単一のトランスデューサーによって発生し検出されることを特徴とする請求項24に記載の方法。

請求項27

該トランスデューサーは能動モード受動モードとの間で切り替えられることを特徴とする請求項26に記載の方法。

請求項28

該ソースは単一の泡であることを特徴とする請求項20乃至27のいずれか一に記載の方法。

請求項29

該複数の検出器で複数の圧力波信号を検出したときの時間に基づいて泡の位置を決定することを特徴とする請求項28に記載の方法。

請求項30

該ソースは複数の泡であり、該ソースのマップを生成するために複数の信号を処理する工程を備えたことを特徴とする請求項20乃至27のいずれか一に記載の方法。

請求項31

下記の関係式を用いて複数の検出器信号に基づき複数の位置のそれぞれにおける強度を決定することによって該マップを生成することを特徴とする請求項30に記載の方法であり、ここでτは、複数の信号Hi(t)を積分するために用いられるダミー積分変数を表し、それはそれぞれの音波検出器によって単一又は複数のソースから受信された複数の逆伝搬信号を表し、Tは任意の積分時間間隔を表している。

請求項32

該圧力波発生器を起動させ、また該圧力波検出器が複数の圧力波を検出するときの時間を計測し、該時間に基づいて該ソースの位置を決定することを特徴とする請求項21に記載の方法。

請求項33

複数の信号のうちの少なくとも2つの互いに異なる周波数成分を解析して該ソースの特徴を決定することを特徴とする請求項20乃至32のいずれか一に記載の方法。

請求項34

該周波数成分のうちの一つは広域帯成分であることを特徴とする請求項33に記載の方法。

請求項35

該周波数成分のうちの一つは少なくとも一つの発生器周波数の調波であることを特徴とする請求項33または34に記載の方法。

請求項36

該圧力波発生器の周波数の複数の調波における検出器信号の複数の成分を除去してフィルタされた信号を生成し、該フィルタされた信号に基づき該ソースの位置を決定することを特徴とする請求項20乃至35のいずれか一に記載の方法。

請求項37

少なくとも1つの泡を有する圧力波ソースの位置を特定する装置であって、超音波トランスデューサーと、受動型圧力波検出器と、制御手段とを有し、該制御手段は該超音波トランスデューサーを起動させるとともに、該受動型圧力波検出器が音を検出した時間を測定して該ソースの位置を決定するように構成されていることを特徴とする装置。

請求項38

少なくとも1つの泡を有する圧力波ソースの位置を特定する方法であって、超音波トランスデューサーを起動させる工程と、該トランスデューサーの周波数とは異なる周波数にて検出器によって複数の圧力波を検出する工程と、該複数の圧力波が検出された時間を計測して該ソースの位置を決定する工程とを備えたことを特徴とする方法。

技術分野

0001

本発明は、いかなる周波数あるいはいかなる周波数セットにおいても圧力摂動及び密度摂動を発する音響源としての気泡群位置特定マッピング及び特性評価に関する。本発明は、治療用超音波療法のモニタリングにおいて特に適用されるが、例えば、診断用超音波ステムや光音響撮像にも用いることができる。

背景技術

0002

癌治療のために高密度焦点式超音波(HIFU)を用いることは、他と比べて、様々な大きな利点を有し、より確立された治療手法を有する:安価で、非侵襲性であって、副作用もごくわずかである。しかしながら、信頼性のあるリアルタイムモニタリングシステム欠如により、HIFUの幅広受け入れが妨げられている。

0003

ある圧力限界を超えて、組織内を伝播する高振幅音響波は、内発的に核となり、小さな、ミクロンサイズの気泡群を励起することができる。この現象は、音響キャビテーションとして知られている。キャビテーションによる気泡群は、HIFUの励起周波数とは異なるある範囲の周波数にわたる付随的な超音波の一部を再放出するが、これは、二つの理由から有益である。ひとつは、元のHIFU源よりも高い周波数成分を有する放出は、より容易に周囲の組織に吸収され、これは、キャビテーションが熱の蓄積を大いに向上させることができるということを意味する[Coussios CC(クッシオスシーシー)、Farny CH(ファーニーシーエイチ)、JaarGTジャージーティ)、Roy RA(ロイアールエイ)。「高密度焦点式超音波(HIFU)による癌治療の導入及びモニタリングにおける音響キャビテーションの役割」、International Journal of Hyperthermia(国際温熱療法誌)、23巻、105−120ページ、2007年]。第二に、この増強された加熱に伴う広帯域音響放出を治療の指標として役立てることが可能である。

0004

HIFU照射中のキャビテーションは、二つの方法のいずれかにおいて、すでにモニターされている。1つのオプションは、高周波広帯域トランスデューサーを使用することである。高周波広帯域トランスデューサーは、受動キャビテーション検出器(PCDs)として機能するものであり、キャビテーションによる気泡群からの音響放出を記録する[C.H.Farny(シー.エイチ.ファーニー)、R.G.Holt(アール.ジー.ホルト)、R.A.Roy(アール.エイ.ロイ)、「HIFU誘導キャビテーション活動の展開のモニタリング」、AIP Conf.Proc.(エイアイピーコンファレンスプロシーディングス)、829巻、348−352ページ、2006年]。PCDsは、固定焦点を有しているが、これにより一定領域についてのみ情報を提供する。なお、現在、臨床診療において導入されているキャビテーションモニタリングシステムは、ひとつもない。あるいは、Bモード超音波画像における高エコー輝度領域は、飛行時間情報を利用して気泡活動の検出及び位置特定を可能にする[S.Vaezy、et al.(エスベイジー、他)「超音波イメージングを用いる高密度焦点式超音波治療リアルタイム視覚化」、Ultrasound Med.Biol.(ウルトラサウンドインディシンアンドバイオロジー)、27巻、33−42ページ、2001年]。しかしながら、Bモード画像は、治療用超音波信号からの干渉を避けるため、HIFUを使っていない間だけ撮影することができ、そのため、HIFU励起が停止した後に存続するキャビティの検出しかできない。それゆえに、Bモードモニタリングは、PCDモニタリングよりも、検出力が低い。また、Bモードモニタリングは、増強された熱の蓄積を示す慣性キャビテーションによる気泡群というよりむしろ、過剰治療を示す沸騰気泡群を検出することであると以前より知られている[B.A.Rabkin(ビー.エー.ラブキン)、V.Zderic(ブイ.ズデリク)、S.Vaezy(エス.ベイジー)、「HIFU治療の超音波画像におけるハイパーエコー:キャビテーションの関与」、Ultrasound Med.Biol.(ウルトラサウンド イン メディシン アンド バイオロジー)、31巻、947−956ページ、2005年]。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、対象内の泡の位置を特定する装置を提供する。この装置は、受動型検出器として動作するように構成された音波検知器のような複数の圧力波検知器を有する。これら検知器はソースで発生した音波のような複数の圧力波の受信に応じて複数の出力信号を発生するように構成される。ソースは少なくとも1つの泡を有する。装置は更に、該検出器からの複数の信号を受信して該複数の信号に基づいてソースの位置を決定するように構成された処理手段を備える。

0006

本発明は治療、診断薬物送達システム等の超音波を適用する広範囲な用途がある。これらのなかには高密度焦点式超音波(HIFU)がある。その他の適用としては、例えば薬物送達との関連で言えば、診断用の超音波における圧力波振幅とHIFUで用いられる圧力波振幅との間の値の圧力波が用いられる。実際には本発明は可聴音インフラ音などの超音波の範囲外の可聴周波数における圧力波を用いることができる。例えば超音波治療の際に生じる沸騰気泡は可聴音を発生し、可聴音を検出してキャビテーションの位置を特定しマッピングすることができる。

0007

本発明は更に、発生器周波数で超音波を発生するように構成された超音波発生器を有する。複数の圧力波検出器は、発生器周波数とは異なる少なくとも一つの検出周波数で超音波を検出するように構成される。この少なくとも一つの検出周波数は複数の検出周波数の範囲であり、発生器周波数はこの範囲外である。複数の検出器が検出できる複数の周波数の範囲は、例えば1個又はそれ以上の検出器信号を除外するように構成されているフィルタによって決定される。フィルタに代えてまたはそれに追加して、周波数の範囲は複数の検出器自体の性能によって決定される。

0008

複数の圧力波検出器は圧力波発生器能動状態で超音波を検出するように構成される。処理手段は、圧力波発生器が能動状態におけるソースの位置を決定するように構成されている。

0009

圧力波発生器は治療用超音波発生装置である。この装置は発生器周波数とは異なる診断周波数の超音波を発生するように構成された診断用超音波発生器を有する。またこの装置は、診断周波数での超音波を検出するように構成された能動型超音波検出器を有する。診断用圧力波発生器は能動型超音波検出器としても動作するか、別個の発生器として動作するトランスデューサーであってもよい。処理手段は能動型超音波検出器からの複数の信号を受信するように構成されてもよい。

0010

複数の受動型超音波検出器のうちの少なくとも一つは、能動型超音波検出器として動作してもよい。これら複数の受動型超音波検出器は複数の検出器の列であり、それぞれの検出器は能動型超音波検出器としても動作してもよい。そのことによって装置を互いに異なるモード、例えば能動モード受動モードとの間で切り替えることができ、それぞれのモードで得られたデータを用いてキャビテーションの位置を特定でき又その性質を知ることができる。それは、検出器が能動型検出器なのか受動型検出器なのかを決定するのは、センサーからの複数の信号に基づいて実行される様々な処理のなかの少なくとも一部の処理だからであり、その内容は後述する。従って、処理手段は検出された複数の信号に基づいて2種又はそれ以上の互いに異なる処理アルゴリズム又は方法を実行するように構成され、よって処理手段や複数の検出器は要求どおりに能動モードか受動モードのいずれかで動作される。

0011

ソースは単一の泡である。処理手段は、泡の位置を決定するように構成されてもよい。また処理手段は、複数の検出器における複数の超音波波信号の到達時間に基づいて泡の位置を決定するように構成されてもよい。

0012

ソースは複数の泡であってもよい。その場合処理手段はソースのマップを生成するための複数の信号を処理するように構成される。例えば、下記の関係式を用いて複数の検出器信号に基づき複数の位置のそれぞれにおける強度を決定することによってマップが生成される。



ここでτは、複数の信号Hi(t)を積分するために用いられるダミー積分変数を表し、それはそれぞれの超音波検出器によって単一又は複数のソースから受信された複数の逆伝搬信号を表し、Tは任意の積分時間間隔を表している。

0013

処理手段は超音波発生器を起動させるように構成され、また複数の検出器が複数の超音波を検出するときの時間を計測するように構成されてもよい。それによりソースの位置を決定することができる。

0014

本発明は更に少なくとも一つの泡を有する超音波ソースの位置を特定する装置であって、超音波トランスデューサーと、受動型超音波検出器と、制御手段とを有し、制御手段は超音波トランスデューサーを起動させるとともに、受動型超音波検出器が超音波を検出した時間を測定してソースの位置を決定している。ここで振動子は治療用のトランスデューサーであり、患者の治療しているあいだ例えば90%又は95%のデューティサイクルで起動と動作オフを繰り返す。

0015

処理手段は、複数の信号のうちの少なくとも2個の互いに異なる周波数成分を解析してソースの特徴を決定するように構成してもよい。周波数成分のうちの一つは広域帯成分であってもよく、周波数成分のうちの一つは少なくとも一つの発生器周波数の調波または分散調波であってもよい。

0016

処理手段は、圧力波発生器の周波数の複数の調波における検出器信号の複数の成分を除去してフィルタがかけられた信号を生成するとともに、フィルタがかけられた信号に基づきソースの位置を決定するようにしてもよい。

0017

本発明は更に対象内の泡の位置を特定する方法を提供し、少なくとも1つの泡を有するソースで発生した複数の超音波信号を複数の受動型超音波検出器のそれぞれにおいて受信する工程と、それぞれの検出器から超音波の受信に応じて複数の出力信号を発生する工程と、複数の出力信号を処理してソースの位置を決定する工程とを備えた方法である。

0018

圧力波について超音波が言及されている場合は、超音波以外の周波数の音であってもよい。

0019

上述した本発明の利点を十分に引き出すためには、本発明によるいくつかの実施の形態では、空間分解能を備えるための電子的に焦点を合わせたPCTの列として有効に作用するシステムを提供している。いくつかの実施の形態においては、このシステムは単一の泡の挙動の位置を特定することができ、またいくつかの実施の形態では、このシステムは拡張された空洞領域又は互いにばらばらになった空洞領域のマッピングを提供できる。

0020

本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、一例として以下に説明する。

図面の簡単な説明

0021

本発明の一実施形態に係る超音波システムの概略図である。
本発明の他の実施形態に係る超音波システムの概略図である。
単一気泡源から受信した、図2に示される超音波システムの一部を形成する一の超音波検出器からの標準的な信号を示すグラフである。
図2に示される超音波システムの検出器アレイにおける位置関数としての超音波信号の到着予測時間差を示すグラフである。
図4に示されるデータにあわせた曲線である。
図2に示される超音波システムの検出器アレイからの距離関数としての単一の気泡からの超音波の強度のマッピングである。
図2に示される超音波システムにより生成されたキャビテーションの2次元マッピングである。
図2に示される超音波システムにより生成された互いに共通しない二つのキャビテーション領域の2次元マッピングである。
図9(a)及び図9(b)は、図2に示される超音波システムにおけるHIFU照射中に得られた時間トレース広帯域素子を示すグラフである。
HIFU照射中の図2に示される超音波システムにおける複数の検出器のうちの一の検出器からの信号の分散の広帯域素子及び調和素子を示すグラフである。
図11(a)〜図11(d)は、複数の素子のうちの一の素子により受信される信号を用いる図2に示される超音波システムにおける受動及び能動キャビテーション検出を示すグラフである。
ある照射時間における慣性キャビテーション、組織沸騰、及び組織損傷の画像を示す。
ある照射時間における慣性キャビテーション、組織沸騰、及び組織損傷の画像を示す。

実施例

0022

図1に示されるように、本発明の第一の実施形態に係る診断用超音波システム100には、複数の振動検出器が配列されている。本願においては、その振動検出器は、音声を検出するように配置された圧力波検出器であって、具体的には、複数の超音波検出器102である。各超音波検出器102は、検出する圧力波の振幅及び周波数によって決まる出力信号を、本願においては、超音波周波数の範囲内で、生成するように設けられている。検出器は、非焦点であって、広範囲にわたる角度から複数の超音波信号を検出するようにそれぞれ配置されている。それぞれの検出器出力信号は、処理システム104によって受信される。処理システム104は、受信信号を処理し、超音波の音源の位置を受信信号から決定するように設けられている。本実施形態において検出可能な超音波周波数の範囲は5−10MHzであるが、この範囲はシステムにより様々であることは理解できるであろう。本実施形態におけるシステムは、500kHzの周波数範囲において動作する治療用超音波システムと併用して用いられるように設けられている。これは、超音波システム100は、治療用超音波が生成される間に、治療用超音波によって生じたキャビテーションをモニターするために用いられることができるということを意味する。このシステムにより受信された信号の解析は、図2に示される実施形態と同じであって、図2を参照してより詳細に説明する。

0023

図2に示されるように、本発明の第2実施形態において、超音波システム200は、治療用超音波トランスデューサー201と、複数の超音波検出器202を有するアレイとを備えている。複数の超音波検出器202を有するアレイは、治療用超音波トランスデューサー201の中央部に形成された開口部203内に位置している。各検出器202は、超音波信号を生成し超音波信号を検出するように動作するトランスデューサーを備えている。従って、超音波検出器202は、超音波信号を生成し検出する能動(アクティブ)モードと、超音波信号の検出のみを行う受動(パッシブ)モードとにおいて、使用されることができる。超音波検出器202のアレイは、直線状に配列されており、図2においてX方向として示されている方向に延びている。X方向に直交する方向であって、トランスデューサーの軸に沿う方向を、Z方向という。アレイの撮像平面は、ゆえに、X−Z平面である。X方向及びZ方向のいずれにも直交する方向を、Y方向という。

0024

制御部204は、それぞれのトランスデューサー素子202による超音波信号の生成を制御し、前置増幅器フィルターブロック206を介してそれぞれのトランスデューサー素子202からの検出器信号を受信するように設けられている。また、制御部204は、超音波の周波数を制御するための発振器208からの信号を利用して、治療用超音波トランスデューサー201を制御して、治療用超音波トランスデューサー201によって生成される超音波の強さと周波数を制御するように設けられている。機能的に説明すると、制御部204は、1つのプロセッサにより構成されてもよいし、システム内で異なる機能、例えば、制御機能解析機能とを実行する二以上の別体のプロセッサにより構成されてもよい。制御部204は、ディスプレイ画面210に接続されている。ディスプレイ画面210上には、検出器信号から生成されたデータが適切な形式で表示される。この場合、治療用超音波トランスデューサー201は、焦点領域214に焦点を合わせる。治療用超音波トランスデューサー201は、焦点領域214において、最高強度の超音波を発生させる。

0025

図2の構成は、超音波、可聴下音、可聴音などの音の振動周波数の範囲にわたって動作する様々な部品及びシステムを用いて、実現されることが可能である。本実施形態においては、2008リサーチパッケージとともに、ジー.ワン システム(ゾナーメディカルシステムズ、カリフォルニア)が使用された。このシステムは、64の検出器素子202から同時に5MHz周波数帯IQデータを取得させることができ、これは、RFに再変調されることができるからである。アレイが受動(パッシブ)モードにおいて使用されたとき、アレイが受信のみをするように、パルス送信はオフにされていた。いくつかのモードにおいては、能動及び受動検出が同時に使用されることができるように、トランスデューサー素子202のあるグループは能動モードにおいて使用され、トランスデューサー素子202の他のグループは受動モードにおいて使用される。このシステムを臨床的に適用できるようにするために、改良されたHIFUトランスデューサー201(ソニックコンセプツ、ウッドインビルワシトン)が使用された。改良されたHIFUトランスデューサー201は、直線状の検出器アレイ202のために、中央開口部203が形成されている(ゾナーエル10−5、5−10MHz、38ミリ開口)。4.6−9.6MHzのIQ周波数帯が、これらの実験に選択され、アレイの周波数帯の最も近い候補であった。この設定は、HIFU操作部に容易に転送可能である。アレイのための追加のスペースを作る必要がなく、HIFUトランスデューサーとアレイとの間の向きが固定されるためである。

0026

キャビテーションの位置を特定しマッピングをするためのシステムの能力を評価するために、様々なHIFU操作形態や組織模倣ゲルが使用された。ここで、これらのうち二つを説明する。まずひとつは、均一3%含水寒天ゲルが準備された。水分は脱イオン化され、混合物は−50kPaで30分間脱気される。準備が完了すると、ゲルは、焦点において、キャビテーション閾値である最大陰圧1.1MPaで、1.06MHzのHIFU(ソニックコンセプツ H−102B SN−22)を照射された。その結果、単一のキャビテーション源が作り出された。次に、キャビテーションの二つの既知領域を得るために、同様のゲルであって、互いに20mmの距離をあけて平行に延びる二つの1.6mmの流路を有するものが作られた。流路は、二つの直径1.6mmの円をなし、HIFUの焦点の前方10mmと後方10mmのところに、直線状のアレイの撮像平面を横切るように配置された。これらの円は、HIFUトランスデューサー201(500kHz、ソニック コンセプツ H−107B SN−10)の軸に沿っている。0.5%のタルク溶液が両方の流路に流すために作られた。これは寒天よりもより容易に空洞化する。圧力が10mmの距離を越えても著しく下がらないので、500kHzのトランスデューサーが選択された。これにより、トランスデューサーが最大焦点陰圧0.6MPaで駆動するとき、寒天のキャビテーション閾値を上回らず(500kHzで1.1MPa)、一方で、タルク溶液の閾値を上回る(500kHzで0.2MPa)。

0027

本発明の二つの実施形態の作用の背景にある理論を次に説明する。パルス−エコー撮像を含む能動検出には、超音波発生器と、「能動」検出器と、処理システムとが必要とされる。超音波発生器は、一般的にはパルスで、超音波を発生するように設けられている。能動検出器は、キャビテーション領域から反射されたまたは再放出された超音波を検出する。処理システムは、検出されたキャビテーションの位置の特定をするときに、超音波の発生と超音波の検出との時間間隔を利用する。対照的に、受動位置特定及びマッピングにおいて、音源から受信器までの伝播時間に関する直接的な情報はない。代わりに、一対の受信器からの信号の相互相関が、到達時間差(DTOA)の予測を提供する。到達時間差とは、つまり、1つの音源からの1つの信号がそれぞれの受信器に到達する時間の差である。これは、一対の受信器と音源との間の距離の予測を可能にする。1セットの相互相関対を用いることにより、単一源の位置特定と拡張源のマッピングが可能である。このことより、単一の検出器が、センサー信号について実施される処理に応じて、能動検出と受動検出との両方において操作されることができるということが理解されるであろう。受動位置特定及び撮像について、以下、さらに説明する。

0028

単一気泡位置特定

0029

x1、x2、・・・x3に位置する複数の受信器とともに、y=0平面において焦点を合わせ、x軸上に設置された検出器素子の直線アレイを使用する。キャビテーションの位置特定のための関心領域は、アレイの前側にある:y=0、x1<x<xN、Z>0。位置(xS、zS)に、単一キャビテーション源があると仮定する。単一キャビテーション源とx0に位置する基準素子との間の距離に対する、単一キャビテーション源からxに位置する素子までの伝播距離は、

0030

速度cで音波が直線状に伝播すると仮定すれば、フレネル近似を使って、x0に位置する基準素子への到達時間に対するxに位置する素子への単一キャビテーション源からの到達時間を導き出す。



ここで、

0031

上述の数式は、単一源を位置特定するための簡潔かつ効率的なアルゴリズムを導き、以下のようなステップを含む。
1.相互相関を用いて、種々の位置xの複数の素子とx0に位置する基準素子との到達時間差を計算する。
2.(最小二乗誤差線形近似を用いて)放物線を到達時間差に近似し、放物線係数α、α、gを抽出する。
3.方程式(3)を使って、α、αからの単一キャビテーション源の位置(xS、zS)を計算する。

0032

拡張キャビテーション領域マッピング

0033

キャビテーションの拡張領域があるときには、キャビテーションの空間マップが必要である。本発明の本実施形態において取られる手法は、受動ビーム形成のひとつであって、受動震動撮像において使用される時間照射音響特性(Time Exposure Acoustics/TEA)である[S.J.Norton(エス.ジェイ.ノートン)、B.J.Carr(ビー.ジェイ.カー)、A.J.Witten(エイ.ジェイ.ウィテン)、「地下音響源の受動撮像」、J.Acoust.Soc.Am.(米国音響協会誌)、119巻、2840−2847ページ、2006年]。アルゴリズムの概要は、以下のとおりである。時間的平均ゼロでプレッシャーフィールドp(x、z、t)を線形波動方程式に従って伝播させるソースフィールドs(x、z、t)があると仮定すると:

0034

位置(xS,zS)におけるソース強度I(Sの平方の時間的平均)を予測するために、アレイのそれぞれの素子iについてRF圧力信号pi(t)が逆伝播され、以下の時間モーメント及び集合モーメントの組み合わせがとられる。



ここで、Hi(τ)は、逆伝播信号であり、



ここで、τは、ダミーの積分変数であり、Tは、位置(xS、zS)からアレイ素子iまでの伝播距離であるdiを含めて、任意の積分時間間隔であり:

0035

恒等式を使って、



求和と積分の順序を変更しながら、強度マップIが再構成され、



が与えられる。

0036

方程式(9)は、強度マップが逆伝播信号Hi(τ)の相互相関の全ての対の合計に対応することを示す。しかしながら、方程式(5)からの強度の計算は、計算効率がよりよい。なお、球状展開及び伝播時間の補正に加えて、Hi(τ)は、フィルタをかけて、受信器の応答を逆畳み込みしたり、よりはっきりとした相互相関を与えるために信号を白色化したり、あるいは、周波数に左右される不鮮明さを補うために断層フィルタを適用したりしてもよい。しかしながら、上述した例では、上述したように、信号は帯域制限されているので、信号をフィルタにかけることによってマップに著しい変化をもたらすようなことはなかった。

0037

図3は、均一寒天ファントムがそのキャビテーション閾値において高周波の音波を当てられたとき、複数の検出器素子202のうちの一つからのIQデータ(4.6−9.6MHz)から再構築されたRFトレースの断片を示している。1.06MHzサイクルの2周期おきに対応する周期的なキャビテーション信号が64の検出器素子のそれぞれにはっきりと見てとられ、そこから単一源の存在が推定される。基準素子からの信号と64の検出器素子のそれぞれからの信号との相互相関をとることは、それぞれの検出器素子に達する単一源からの信号の遅れの指標となり、図4に示されるように、検出器素子アレイに対する曲線状の遅延プロファイルを明らかにする。図4は、図5で示されるように、放物線に近似できる。上述した方程式(3)を使って、このプロファイルは、単一源の位置を決定するために用いられることができる。この例では、単一源は、アレイから73.7mm、アレイに沿って−2.1mmのところに位置している。これは、Bモード超音波を使う直線状アレイに対応して1.06MHzのHIFU焦点が測定された場所に一致している。

0038

受動アレイにより達成される空間分解能を調べるために、拡張キャビテーション領域マッピングのためのアルゴリズムが単一気泡源の事例に適用される。なお、方位分解能は、距離分解能よりも、はるかに優れている。図6は、マップのシミュレーションとともに、時間照射音響特性(TEA)、つまり、上述の方程式(9)、を使用する単一気泡データの強度マップの軸方向断面を示している。

0039

シミュレーションでは、単一気泡源として、単一気泡RF記録方式をとり、放物線位置特定アルゴリズムにより予測された位置(−2.1、73.7mm)に単一気泡源を配置し、複数のアレイ素子に信号を伝播した。それから、単一源強度マップがこのデータに基づきTEAを使って作成された。実線は実際の単一気泡記録方式から作成されたマップを示し、一方で、破線はシミュレーションマップを示す。なお、距離分解能は平方軸方向距離反比例しているので(ここでは証明されていない)、寒天ファントムにより近くアレイを配置することによってより高解像度のマップを作成することができるであろう。しかしながら、そのような設定は、臨床的には、もはや応用されることがないであろう。

0040

拡張キャビテーション領域マッピングのためのアルゴリズムは、HIFU照射の間、拡張キャビテーション領域にも適用された。その結果として作成された強度マップは、図7に示されている。図7においては、マッピングされたキャビテーション領域は、HIFUトランスデューサーにより生成された圧力振幅がキャビテーション閾値(黒の実線)を超える領域に極めてよく対応している。

0041

最終的に、均一な二つの流路のファントムにおいて、撮像平面において二つの別々のキャビテーション領域を形成しながら、キャビテーションがタルク溶液内において引き起こされることに成功した。方程式(9)を利用して生成されたこのキャビテーションの受動マップは、図8に示されている。図8において、二つの流路が撮像平面と交差する場所は破線で描かれた円によって示されており、キャビテーションは流路の領域内においてやや明るい部分として示されている。

0042

このように、この実施形態は、単一キャビテーション源をうまく位置特定することができるシステムを提供している。より重要なことには、この設定は、HIFU信号オンになっている間、空間的に分布するキャビテーションのマッピングを可能にする。これは、現在利用されているBモード高エコー輝度撮像よりも様々な利点を有するHIFU療法モニタリングの新規な方法を提供する。

0043

図1に示されているシステムは、図2に示されているシステムと同様に、受動モードにより操作することができ、例えば、別の治療用トランスデューサーにより生じたキャビテーションや別の方法によって生じたキャビテーションを検出することができるということは、理解できるであろう。

0044

HIFUによる非浸潤癌治療という状況において、慣性キャビテーションの発生は、適度なHIFU照射条件下では、潜在的に大変有益である。なぜなら、大いに増強された熱の蓄積率をもたらすからである。一方で、安定型キャビテーションの発生と、特に大きく熱的に誘導される気泡群とは、有害である。なぜなら、均整のとれていない(あるいは、おたまじゃくし型の)損傷形成や、過剰治療、好ましくない局所的損傷をもたらすからである。従って、HIFU照射中の気泡活動を特徴づけ、上述したように位置を特定することが有益である。

0045

すべての種類の気泡活動は、HIFU照射中に受動的に得られた雑音放射スペクトル分析を用いてキャビテーションを検出し特定することを可能にしながら、主たるHIFUの励起周波数からはるかに離れた周波数において付随的なHIFUフィールドの一部を再放射する。安定的に振動するより大きいキャビティが主たるHIFUの励起周波数の高調波分数調波、及び超高調波(以下、まとめて、“高調波”とする)における雑音放射の増大をもたらす一方で、特に、慣性キャビテーションの発現は、広帯域雑音突発的増加を伴う。さらに、ある種の気泡活動は、対象媒体の局所特性障害の変化を誘発し、文書にて十分に裏付けのある、Bモード画像における“ハイパーエコー”として知られるようになった、能動的に生成された付随的診断用パルスの散乱および反射の増加をもたらす[Rabkin,B.A.(ラブキン、ビー.エイ.)、他、「超音波画像におけるHIFU誘発ハイパーエコーの生物学的および物理学メカニズム」、Ultrasound in Medicine & Biology(ウルトラサウンドインメディシンアンドバイオロジー)、2006年、32(11)、1721−1729ページ]。

0046

図2のシステムは、従って、1つの操作モードに設定されており、受動キャビテーション検出スキームと能動キャビテーション検出スキームとを組み合わせて、キャビテーション活動のリアルタイム検出分類、及び位置特定を行う。

0047

このモードにおいて、HIFUトランスデューサー201は、関数発生器アジレン
33220A)及び55dBに固定された増幅率出力増幅器エレクトロニクスアンドイノベーションA300)を使って、95%のデューティサイクルにて駆動されている。このモードをテストするために、溶解ウシ血清アルブミンを含むポリアクリルアミドベースにした組織模倣物質が、対象物として使用された[Lafon,C,(ラフォン、シー.)、他、「高密度焦点式超音波線量測定法で用いるゲルファントム」、Ultrasound in Medicine & Biology(ウルトラサウンドインメディシンアンドバイオロジー)、2005年、31(10)、1383−1389ページ]。HIFU照射中に同軸キャビテーション検出を可能にするために、高周波単一素子診断用トランスデューサー(パナメトリクスV319)が、HIFUトランスデューサーの中央開口部内に配置され、その焦点が治療用トランスデューサーの焦点と重なり合うように位置決めされる。診断用トランスデューサーは、HIFU励起の5%オフタイムの間に伝送されたパルスがHIFU焦点領域上に入射することを確実にするパルス発振・受信器(ジェイエスアールウルトラソニックスDPR300)を使って、パルス・エコーモードで駆動される。受動キャビティ検出と疑似キャビティ検出とを行う5%のオフタイムと共に、95%のデューティサイクルはその時間のほとんどの間治療用HIFUトランスデューサーを動作させることができることは理解されるであろう。疑似キャビティ検出では、治療用トランスデューサー201が稼働される既知の時間を使って、受動検出器に対してフライト情報を決定できる。その稼働時間とそれぞれの検出器におけるキャビテーションの最初の受動検出との間の遅延が決定され、その遅延はキャビテーション事象の位置を決定するために使用される。図2のシステムの一つまたは複数のトランスデューサー素子202は、受動モードにおいて使用されることができ、同様に動作する。

0048

軸方向のキャビテーション検出器によって受信された信号の400マイクロ秒時間トレースは、HIFU照射の間中50ms毎に記録された。最初の200マイクロ秒はHIFUのオフタイムに一致し、残りの200マイクロ秒はHIFUのオンタイムに一致する。これにより、単一のトレースを利用することができるようになり、能動検出スキームと受動検出スキームの両方の恩恵を受けられる。能動検出スキームは、伝送されるパルスの広範な反射の位置を追跡することにより、気泡クラウド群の位置を特定することができる。受動検出スキームもHIFUトランスデューサーの正面に最も近い気泡クラウドの位置について情報を提供し、これは、HIFUトランスデューサーが稼働している既知の時間からの時間を計って、受動的に受信した信号の前縁フライト時間を追跡することによって確認されることができる。より重要なことには、しかしながら、受動検出スキームは、以下に説明するスペクトル解析技法を用いて検出されるキャビテーション活動の種類の分類をも可能にする。

0049

慣性キャビテーションの存在と安定型キャビテーションの存在とを区別するために、高速フーリエ変換FFT)、または、同様のスペクトル解析アルゴリズムが、各々の受動的に受信された信号に適用される。これは、デジタルフィルタリングにより高調波広帯域雑音成分の分離を可能にする。これは、HIFU励起周波数の全ての倍数約数の周囲の帯域幅0.18MHzの帯域通過フィルタを適用することによって達成される。この信号の逆FFTをとることは、安定型キャビテーションのために活動を捉えるのみの“高調波”時間トレースと、ファントムを介するより少ない程度の非線形伝播とを提供する(後者は、気泡群がない場合には、組織模倣物質にとって重要だと考えられていない)。0.18MHzノッチフィルタをもとの信号に適用し励起周波数の高調波を除去した後に残る信号は、純粋に広帯域雑音の代表的なものである。同様に、逆FFTは、それゆえに、慣性キャビテーション活動だけを捉える“広帯域”時間トレースを提供する。

0050

実験に先立って組織ファントムにおける慣性キャビテーションの閾値が決められ、1.5MPa最大焦点陰圧の領域にあることが認められていた。その後の照射において使用された全ての圧力は、この値をはるかに上回るように選択された。

0051

結果

0052

受動配置スキーム

0053

受動検出スキームを用いる慣性キャビテーション活動の位置特定の原理は、図9(a)及び図9(b)に図示されている。図9(a)及び図9(b)には、キャビテーション閾値よりも大きくなるように選択された二つの異なる最大負圧振幅において、組織ファントムの1.1MHzのHIFU照射中に、受動的に受信された信号の広帯域成分に対応する時間トレースが示されている。

0054

一連の丸みを帯びた頂点に重ね合わされた実線は、水中で水中聴音装置を使って測定されたHIFUトランスデューサーの軸方向の圧力プロファイルを表わしている。一方、点線で描かれた最も左側の縦線は、HIFUトランスデューサーに最も近いファントムの縁部の位置を示している。X軸は、ファントムを通過する音の速さを用いることにより、相対軸方向距離に変換される。四角形状のマークは、最も早く発生した慣性キャビテーション活動を示している。キャビテーション閾値に近い最小焦点負圧振幅(1.92MPa)において、慣性キャビテーション活動は最大HIFU圧力の位置で発現が見られる。しかしながら、より高い圧力振幅(2.86MPa)において、慣性キャビテーションは、HIFU焦点の前方約10mmのところで発現が見られる。

0055

受動検出−キャビテーション活動の分類に基づく

0056

HIFU照射中に受動的に受信した雑音放射の分散の継続的なモニタリングは、気泡活動の進化のよい指標を提供する。この分散をコンピュータ計算するのに先立って上述したデジタルフィルタリング技法を適用することは、HIFU照射中の異なる種類のキャビテーション活動を限定することを可能にする。これは、図10に図示されている。図10には、時間の経過とともに、フィルタがかけられていないオリジナルの受動的に受信された信号の広帯域成分及び高調波成分が示されている。最大負圧振幅(8.3MPa)において、慣性キャビテーション活動に伴う広帯域雑音放射はすぐに発生し、しかし、急激に減衰する。これは、おそらく、気泡の崩壊を抑制する蒸気圧の増加をもたらす、ファントムにおける熱の蓄積のためである。対照的に、安定型キャビテーション活動は、照射中ずっと存在しているが、4秒を過ぎて飛躍的に増加する。これは、おそらく、受動的に受信された信号の高調波成分の急激な増加をもたらす、ファントムの過度の加熱による沸騰気泡群の形成のためである。

0057

受動・能動併用キャビテーション検出

0058

最後に、能動・受動位置特定技法の利点が、図11(a)から図11(d)に図示されている。図11(a)及び図11(b)はいずれも、3.5MPa最大焦点陰圧における30秒のHIFU照射の間(t=2sから開始)の、受動的に受信された信号の分散を示している。図11(c)及び図11(d)は、それぞれ図11(a)及び図11(b)における受動的なトレースにおいて矢印で示された、HIFU照射中の二つの異なる時間における対応する能動的なトレースを示している。t=2.80sのとき、受動的に検出可能な放射ははっきりと示されているが、能動的なトレース上には検出可能な信号はない。t=5.05sのとき、受動的に検出可能な放射はt=2.80sのときよりもかなり高いが、HIFU焦点と一致する領域から能動的なトレース上に反射が大きく現れている。能動スキームは、それゆえに、HIFU照射の終盤に発生する傾向にある安定型キャビテーション活動を検出し位置特定するのにより効果的と思われる。他方、受動スキームは、慣性キャビテーション活動のより信頼できる指標を提供する。従って、能動・受動併用システムは、検出されたキャビテーションを特徴付け位置付けをすることができる。

0059

本発明の実施形態を用いて受動撮像の有効性を証明するために、図12を参照すると、上段の画像は慣性キャビテーション活動を示す累積的受動的広帯域マップであり、中段の画像は組織沸騰を示す累積的受動的高調波マップであり、下段の画像は組織中の組織学的損傷の画像であって、いずれも、左端からの1.1MHzの治療用超音波周波数及び4kWcm−2の強度でウシ肝臓組織の2秒間のアブレーション照射の後の画像である。X軸上の「0」は、治療用超音波ビームの予測焦点位置を示す。広帯域放射の受動マッピングは、結果としてもたらされる熱損傷の大きさと位置とを確実に予測するということがわかる。空白の高調波マップは、この照射の間に沸騰気泡群が見られないことを裏付けている。

0060

図13を参照すると、10秒間の照射について、同様の画像が示されている。受動マッピング技法は、HIFUトランスデューサーに向かう熱損傷の動きをうまく描いていることがわかる。熱損傷の内側に見える「ピッティング」も沸騰気泡群の存在と一致しており、これは高調波マッピングによって確実に予測されている。図2のシステムは、様々な異なるモードで、キャビテーション領域の単一気泡の位置特定またはマッピングを行う受動モードのみで、または、キャビテーションを位置特定またはマッピングするのと同時にキャビテーションを特徴付けるための受動・能動併用モードで、動作することができることは理解できるであろう。重要なことは、図2のシステムは、治療用超音波療法の間キャビテーションが発生するので、キャビテーションを位置特定またはマッピングでき、したがって、キャビテーションの画像を提供またはキャビテーションの解析をすることができる。

0061

さらなる実施形態において、能動または受動素子として用いられる複数の検出器素子の単一アレイよりむしろ、他の実施形態においては、複数の能動素子による1つのアレイと複数の受動素子による1つのアレイとがあってもよい。これは、同範囲の動作モードを提供する。

0062

さらなる実施形態において、薬物搬送または薬物活性を制御するために、図2のシステムと同様のシステムを使ってもよい。音響振動は、様々な薬物の摂取及び効果を大きく高めることができ、そのような適用において、気泡群の位置特定、マッピング、及び、特徴付けは、図2に示されているようなシステムの重要な応用であることが示されている。

0063

100・・・超音波システム、102・・・超音波検出器、104・・・処理システム、200・・・超音波システム、201・・・トランスデューサー、202・・・超音波検出器、203・・・開口部、204・・・制御部、206・・・前置増幅器フィルターブロック、208・・・発振器、210・・・ディスプレイ画面、214・・・焦点領域

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