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課題・解決手段

本発明は、血清アミロイドA(SAA)遺伝子を標的とする二本鎖リボ核酸dsRNA)、およびSAAの発現阻害するための該dsRNAを使用する方法に関する。

概要

背景

血清アミロイドA(SAA)は、外傷、炎症、および腫瘍を含む様々な損傷に反応して最高1000倍まで血中濃度が上昇する、104アミノ酸HDL随伴アポリポタンパク質である。SAAタンパク質は、コレステロール代謝および輸送リンパ球および内皮細胞増殖阻害マトリックスメタロプロテアーゼ誘導抗炎症性活性炎症性活性の双方による炎症反応の調節に関与する。IL−1β、IL−6、およびTNFα等の炎症性サイトカインは、炎症を誘発し、SAA1およびSAA2を含む、急性期タンパク質の産生を刺激する。

肝臓は、SAAの発現の主要部位であり、肝外のSAAの発現はまた、ヒトアテローム性動脈硬化症において、アルツハイマー病患者の脳において、および関節リウマチ患者滑膜組織においても記載されている。SAAレベルはまた、広範の悪性腫瘍を有する患者血清中で上昇し、未知原発部位の転移性癌罹患した患者において最も高いことが見出されている。SAAのmRNAおよびタンパク質はまた、ヒト結腸癌組織および上皮性腫瘍で局所的に発現されることが見出されている。

全て染色体11pにマップされた、4つのSAA遺伝子座が記載されている。遺伝子座のうちの2つ(SAA1およびSAA2)は、急性期SAA(A−SAA)をコードし、炎症性刺激に反応して、血清濃度の劇的な過度の増加を示し、第3の遺伝子座(SAA3)は、偽遺伝子を定義し、第4の遺伝子座(SAA4)は、構成的に発現するSAA(C−SAA)をコードし、それは炎症性刺激に適度にのみ反応する。SAA3は、マウスおよび他の哺乳動物種に発現するが、ヒトでは発現しない。SAA1およびSAA2は、それらのコードおよび非コード領域の両方で95%相同的であり、炎症に反応して協調的に誘発される。A−SAAは、続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス、または反応性アミイドーシスとも称される)において、主要臓器蓄積される不溶性切断産物循環する前駆体であり、関節リウマチおよびハンセン病等の慢性または一過性炎症疾患偶発的結果である進行性かつ致命的な疾病である。

二本鎖RNA分子dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として知られる、高度に保存された調節機序遺伝子発現遮断することが示されている。国際公開WO第99/32619号(Fireら)は、線虫の遺伝子の発現を阻害するための、少なくとも25ヌクレオチド長のdsRNAの使用を開示している。また、dsRNAは、植物(例えば、国際公開WO第99/53050号、Waterhouseら、および国際公開WO第99/61631号、Heifetzらを参照)、ショウジョウバエ(例えば、Yang,D.,et al.,Curr.Biol.(2000)10:1191−1200を参照)、ならびに哺乳動物(国際公開WO第00/44895号、Limmer、および独国特許DE第101 00 586.5号、Kreutzerらを参照)を含む、他の生物の標的RNAを分解することが示されている。

概要

本発明は、血清アミロイドA(SAA)遺伝子を標的とする二本鎖リボ核酸(dsRNA)、およびSAAの発現を阻害するための該dsRNAを使用する方法に関する。

目的

本発明は、細胞または哺乳動物等において、SAA1およびSAA2のうちの1つまたは両方のSAA遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)を含有する組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

二本鎖リボ核酸dsRNA)であって、前記dsRNAは、センス鎖、および血清アミロイドA(SAA)をコードするmRNAの少なくとも一部に相補的である相補性の領域を含むアンチセンス鎖を含み、前記相補性の領域が、30ヌクレオチド長未満である、二本鎖リボ核酸。

請求項2

前記dsRNAは、表2から選択されるセンス鎖配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むセンス鎖を含む、請求項1に記載のdsRNA。

請求項3

前記dsRNAは、表2から選択されるアンチセンス配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含む、請求項1〜2に記載のdsRNA。

請求項4

前記センス鎖は、配列番号311、配列番号155、配列番号37、配列番号127、配列番号95、配列番号105、配列番号59、配列番号23、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、または配列番号179のヌクレオチド配列の15個以上の連続するヌクレオチドを含む、請求項1〜3に記載のdsRNA。

請求項5

前記アンチセンス鎖は、配列番号312、配列番号156、配列番号38、配列番号128、配列番号96、配列番号106、配列番号60、配列番号24、配列番号194、配列番号284、配列番号252、配列番号262、配列番号216、または配列番号180のヌクレオチド配列の15個以上の連続するヌクレオチドを含む、請求項1〜4に記載のdsRNA。

請求項6

前記センス鎖は、配列番号311、配列番号155、配列番号37、配列番号127、配列番号95、配列番号105、配列番号59、配列番号23、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、または配列番号179のヌクレオチド配列からなり、前記アンチセンス鎖は、配列番号312、配列番号156、配列番号38、配列番号128、配列番号96、配列番号106、配列番号60、配列番号24、配列番号194、配列番号284、配列番号252、配列番号262、配列番号216、または配列番号180からなる、請求項1〜5に記載のdsRNA。

請求項7

前記dsRNAは、18445、18397、18379、18420、18415、18431、または18326である、請求項1〜6に記載のdsRNA。

請求項8

前記dsRNAは、配列番号311、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、または配列番号179を標的とする、請求項1〜7に記載のdsRNA。

請求項9

前記dsRNAは、18445からなる、請求項1〜8に記載のdsRNA。

請求項10

前記mRNAは、SAA1をコードする、請求項1〜9に記載のdsRNA。

請求項11

前記mRNAは、SAA2をコードする、請求項1〜10に記載のdsRNA。

請求項12

前記第2の配列の前記相補性の領域はまた、SAA2をコードするmRNAの少なくとも一部に相補的である、請求項1〜11に記載のdsRNA。

請求項13

前記第2の配列の前記相補性の領域はまた、SAA1をコードするmRNAの少なくとも一部に相補的である、請求項1〜12に記載のdsRNA。

請求項14

前記dsRNAは、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜13に記載のdsRNA。

請求項15

前記修飾ヌクレオチドのうちの少なくとも1個は、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に結合した末端ヌクレオチドの群から選択される、請求項1〜14に記載のdsRNA。

請求項16

前記修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックされたヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、およびヌクレオチドを含む非天然塩基の群から選択される、請求項1〜15に記載のdsRNA。

請求項17

前記相補性の領域は、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項1〜16に記載のdsRNA。

請求項18

前記相補性の領域は、19〜21ヌクレオチド長である、請求項1〜17に記載のdsRNA。

請求項19

前記dsRNAは、表2から選択されるセンス鎖配列からなるセンス鎖と表2から選択されるアンチセンス配列からなるアンチセンス鎖とを含む、請求項1〜18に記載のdsRNA。

請求項20

前記dsRNAは、リガンド複合体化している、請求項1〜19に記載のdsRNA。

請求項21

前記dsRNAは、脂質製剤に製剤化されている、請求項1〜20に記載のdsRNA。

請求項22

前記dsRNAは、LNP製剤、LNP01製剤、LIPIDA−SNALP製剤、またはSNALP製剤に製剤化されている、請求項1〜21に記載のdsRNA。

請求項23

細胞への前記dsRNAの投与が、リアルタイムPCRアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約97%、95%、92%、89%、または74%の阻害をもたらす、請求項1〜22に記載のdsRNA。

請求項24

細胞への前記dsRNAの投与が、分岐DNAアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約89%、87%、83%、68%、または54%の阻害をもたらす、請求項1〜23に記載のdsRNA。

請求項25

細胞への前記dsRNAの投与が、ELISAアッセイによって測定される、SAAタンパク質発現の約100%、99%、または93%の阻害をもたらす、請求項1〜24に記載のdsRNA。

請求項26

前記dsRNAは、10pM未満のIC50を有する、請求項1〜25に記載のdsRNA。

請求項27

前記dsRNAの投与が、siRNA対照と比較して、マウスにおいて、SAAタンパク質の発現を約80%低下させる、請求項1〜26に記載のdsRNA。

請求項28

前記dsRNAは、オーバーハングを含む、請求項1〜27に記載のdsRNA。

請求項29

前記dsRNAは、dTdTオーバーハングを含む、請求項1〜28に記載のdsRNA。

請求項30

前記dsRNAは、前記センス鎖および前記アンチセンス鎖の3’末端に2つのdTdTオーバーハングを含む、請求項1〜29に記載のdsRNA。

請求項31

前記センス鎖は、21ヌクレオチド長である、請求項1〜30に記載のdsRNA。

請求項32

前記アンチセンス鎖は、21ヌクレオチド長である、請求項1〜31に記載のdsRNA。

請求項33

前記dsRNAは、1つもしくは複数の2’−O−メチルシチジン−5’−リン酸塩および/または1つもしくは複数の2’−O−メチルウリジン−5’−リン酸塩を含む、請求項1〜32に記載のdsRNA。

請求項34

請求項1〜33に記載のdsRNAを含む、細胞。

請求項35

請求項1〜33に記載のdsRNAを含む、SAA遺伝子の発現を阻害するための、医薬組成物

請求項36

細胞内のSAAの発現を阻害する方法であって、(a)請求項1〜33に記載のdsRNAを前記細胞に導入する工程と、(b)SAA遺伝子のmRNA転写物の分解を得るために十分な時間、工程(a)において産生された前記細胞を維持し、それによって、前記細胞内の前記SAA遺伝子の発現を阻害する工程と、を含む、方法。

請求項37

SAAの発現に関連する障害治療する方法であって、請求項1〜33に記載の治療上有効な量のdsRNAをかかる治療を必要とするヒトに投与することを含む、方法。

請求項38

前記ヒトは、AAアミロイドーシスを有する、請求項37に記載の方法。

請求項39

前記ヒトは、関節リウマチを有する、請求項37〜38に記載の方法。

請求項40

前記ヒトは、腫瘍を有する、請求項37〜39に記載の方法。

請求項41

請求項42

dsRNAの少なくとも1本の鎖をコードするヌクレオチド配列を含むベクターであって、前記dsRNAの前記鎖のうちの1本は、SAAをコードするmRNAの少なくとも一部に相補的であり、前記dsRNAは、30塩基対長未満である、ベクター。

請求項43

前記相補性の領域は、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項42に記載のベクター。

請求項44

前記相補性の領域は、19〜21ヌクレオチド長である、請求項42〜43に記載のベクター。

請求項45

請求項42〜44に記載のベクターを含む、細胞。

技術分野

0001

本発明は、血清アミロイドA(SAA)遺伝子を標的とする脂質製剤二本鎖リボ核酸dsRNA)、およびSAAの発現阻害するためにdsRNAを使用する方法に関する。

背景技術

0002

血清アミロイドA(SAA)は、外傷、炎症、および腫瘍を含む様々な損傷に反応して最高1000倍まで血中濃度が上昇する、104アミノ酸HDL随伴アポリポタンパク質である。SAAタンパク質は、コレステロール代謝および輸送リンパ球および内皮細胞増殖の阻害、マトリックスメタロプロテアーゼ誘導抗炎症性活性炎症性活性の双方による炎症反応の調節に関与する。IL−1β、IL−6、およびTNFα等の炎症性サイトカインは、炎症を誘発し、SAA1およびSAA2を含む、急性期タンパク質の産生を刺激する。

0003

肝臓は、SAAの発現の主要部位であり、肝外のSAAの発現はまた、ヒトアテローム性動脈硬化症において、アルツハイマー病患者の脳において、および関節リウマチ患者滑膜組織においても記載されている。SAAレベルはまた、広範の悪性腫瘍を有する患者血清中で上昇し、未知原発部位の転移性癌罹患した患者において最も高いことが見出されている。SAAのmRNAおよびタンパク質はまた、ヒト結腸癌組織および上皮性腫瘍で局所的に発現されることが見出されている。

0004

全て染色体11pにマップされた、4つのSAA遺伝子座が記載されている。遺伝子座のうちの2つ(SAA1およびSAA2)は、急性期SAA(A−SAA)をコードし、炎症性刺激に反応して、血清濃度の劇的な過度の増加を示し、第3の遺伝子座(SAA3)は、偽遺伝子を定義し、第4の遺伝子座(SAA4)は、構成的に発現するSAA(C−SAA)をコードし、それは炎症性刺激に適度にのみ反応する。SAA3は、マウスおよび他の哺乳動物種に発現するが、ヒトでは発現しない。SAA1およびSAA2は、それらのコードおよび非コード領域の両方で95%相同的であり、炎症に反応して協調的に誘発される。A−SAAは、続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス、または反応性アミイドーシスとも称される)において、主要臓器蓄積される不溶性切断産物循環する前駆体であり、関節リウマチおよびハンセン病等の慢性または一過性炎症疾患偶発的結果である進行性かつ致命的な疾病である。

0005

二本鎖RNA分子(dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として知られる、高度に保存された調節機序遺伝子発現遮断することが示されている。国際公開WO第99/32619号(Fireら)は、線虫の遺伝子の発現を阻害するための、少なくとも25ヌクレオチド長のdsRNAの使用を開示している。また、dsRNAは、植物(例えば、国際公開WO第99/53050号、Waterhouseら、および国際公開WO第99/61631号、Heifetzらを参照)、ショウジョウバエ(例えば、Yang,D.,et al.,Curr.Biol.(2000)10:1191−1200を参照)、ならびに哺乳動物(国際公開WO第00/44895号、Limmer、および独国特許DE第101 00 586.5号、Kreutzerらを参照)を含む、他の生物の標的RNAを分解することが示されている。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、細胞または哺乳動物等において、SAA1およびSAA2のうちの1つまたは両方のSAA遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)を含有する組成物および方法を提供する。本発明はまた、SAA遺伝子の発現によって引き起こされる、アミロイドーシス等の病態および疾患を治療するための、組成物および方法も提供する。

課題を解決するための手段

0007

本明細書で取り上げられる組成物に含まれるdsRNAは、30ヌクレオチド長未満、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、SAA遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部に相補的である領域を有するRNA鎖アンチセンス鎖)を有するdsRNAを含む。

0008

一実施形態において、SAA遺伝子の発現を阻害するためのdsRNAは、互いに相補的である少なくとも2本の鎖を含む。このdsRNAは、センス鎖およびアンチセンス鎖を含む。アンチセンス鎖は、SAAをコードするmRNAの少なくとも一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、相補性の領域は、30ヌクレオチド長未満で、少なくとも15ヌクレオチド長である。一般に、dsRNAは、19〜24、例えば、19〜21ヌクレオチド長である。dsRNAは、SAAを発現する細胞と接触すると、本明細書に記載される方法によってアッセイされる場合等、SAA遺伝子の発現を少なくとも40%阻害する。

0009

例えば、本明細書で取り上げられるdsRNA分子は、表2のセンス配列からなる群から選択されるセンス鎖と、表2のアンチセンス配列からなる群から選択されるアンチセンス鎖とを含むことができる。本明細書で取り上げられるdsRNA分子は、天然に存在するヌクレオチドを含むことができるか、または2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を有するヌクレオチド、およびコレステリル誘導体に結合した末端ヌクレオチド等の少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。代替として、該修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックされたヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、およびヌクレオチドを含む非天然塩基からなる群から選択され得る。一般に、このような修飾配列は、表2のセンス配列からなる群から選択される該dsRNAの第1の配列および表2のアンチセンス配列からなる群から選択される第2の配列に基づく。

0010

1つの実施形態において、dsRNAは、表2から選択されるセンス鎖配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むセンス鎖を含むことができる。1つの実施形態において、dsRNAは、表2から選択されるアンチセンス配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含むことができる。

0011

一実施形態において、該センス鎖は、配列番号37、配列番号127、配列番号95、配列番号105、配列番号59、配列番号23、配列番号155、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、配列番号179、または配列番号311のヌクレオチド配列の15個以上の連続するヌクレオチドを含むことができる。1つの実施形態において、該アンチセンス鎖は、配列番号38、配列番号128、配列番号96、配列番号106、配列番号60、配列番号24、配列番号156、配列番号194、配列番号284、配列番号252、配列番号262、配列番号216、配列番号180、または配列番号312のヌクレオチド配列の15個以上の連続するヌクレオチドを含むことができる。別の実施形態において、該センス鎖は、配列番号37、配列番号127、配列番号95、配列番号105、配列番号59、配列番号23、配列番号155、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、配列番号179、または配列番号311からなり得、該アンチセンス鎖は、配列番号38、配列番号128、配列番号96、配列番号106、配列番号60、配列番号24、配列番号156、配列番号194、配列番号284、配列番号252、配列番号262、配列番号216、配列番号180、または配列番号312からなり得る。1つの実施形態において、該dsRNAは、18397、18379、18445、18420、18415、18431、または18326である。1つの実施形態において、該dsRNAは、配列番号193、配列番号283、配列番号251、配列番号261、配列番号215、配列番号179、または配列番号311を標的とする。

0012

1つの実施形態において、該dsRNAは、リガンドに結合する。1つの実施形態において、該dsRNAは、脂質製剤に製剤化される。1つの実施形態において、該dsRNAは、LNP製剤、LNP01製剤、LIPID A−SNALP製剤、またはSNALP製剤に製剤化される。

0013

1つの実施形態において、細胞への該dsRNAの投与は、リアルタイムPCRアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約97%、95%、92%、89%、または74%の阻害をもたらす。1つの実施形態において、細胞への該dsRNAの投与は、分岐DNAアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約89%、87%、83%、68%、または54%の阻害をもたらす。1つの実施形態において、細胞への該dsRNAの投与は、ELISAアッセイによって測定される、SAAタンパク質の発現の約100%、99%、または93%の阻害をもたらす。1つの実施形態において、該dsRNAは、10pM未満のIC50を有する。1つの実施形態において、該dsRNAの投与は、siRNA対照と比較して、マウスにおいて、SAAタンパク質の発現を約80%低減する。

0014

1つの実施形態において、該dsRNAは、オーバーハングを含む。1つの実施形態において、該dsRNAは、dTdTオーバーハングを含む。1つの実施形態において、該dsRNAは、該センス鎖および該アンチセンス鎖の3’末端に2つのdTdTオーバーハングを含む。

0015

1つの実施形態において、該センス鎖は、21ヌクレオチド長である。1つの実施形態において、該アンチセンス鎖は、21ヌクレオチド長である。1つの実施形態において、該dsRNAは、1つもしくは複数の2’−O−メチルシチジン−5’−リン酸塩および/または1つもしくは複数の2’−O−メチルウリジン−5’−リン酸塩を含む。

0016

別の実施形態において、本発明は、本発明で取り上げられる少なくとも1個のdsRNAを含有する細胞を提供する。該細胞は、一般に、ヒト細胞等の哺乳動物細胞である。

0017

別の実施形態において、本発明は、生物、一般に、ヒト対象における、SAA遺伝子の発現を阻害するための医薬組成物を提供する。該組成物は、典型的には、本明細書に記載のdsRNAおよび医薬上許容される担体つまり送達媒体のうちの1つもしくは複数を含む。一実施形態において、該組成物は、アミロイドーシス、例えば、AA(続発性または反応性)アミロイドーシスを治療するために使用される。

0018

別の実施形態において、該医薬組成物は、例えば、4週間に1回以下、3週間に1回以下、2週間に1回以下、1週間に1回以下、本明細書に記載される投薬レジメンの投与のために製剤化される。別の実施形態において、該医薬組成物は、1ヶ月間もしくはそれ以上長く、例えば、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、または6ヶ月間、または1年間もしくはそれ以上長く、維持され得る。

0019

別の実施形態において、本発明で取り上げられるdsRNA、すなわち、SAAを標的とするdsRNAを含有する組成物は、アミロイドーシス、またはアミロイドーシスの症状を治療するために知られている薬剤等の非dsRNA治療薬と共に投与される。例えば、本発明で取り上げられるdsRNAは、慢性炎症性関節炎等の炎症性疾患の治療のための薬剤および腎機能障害の治療のための薬剤と共に投与される。慢性炎症性関節炎の治療のための例示的な薬剤には、アナキンラトシリズマブ(tocilizumab)、エタネルセプトインフリキシマブアドリムマブ、セルトリズマブ、リツキサンリツキシマブクロラムブシル、およびエプロディセート(Neurochem、Canada)等の抗サイトカイン生物製剤が挙げられる。腎機能障害の治療のための例示的な薬剤には、例えば、利尿薬、ACE(アンジオテンシン変換酵素阻害剤、ARB(アンジオテンシン受容体遮断薬)、末期腎不全ESRD)の透析、および腎移植が挙げられる。

0020

別の実施形態において、SAAのdsRNAが患者に投与され、次いで、非dsRNA剤が該患者に投与される(またはその逆)。別の実施形態において、SAAのdsRNAおよび非dsRNA治療薬は、同時に投与される。

0021

別の実施形態において、本発明は、以下のステップを行うことによって、細胞内のSAA遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する:
(a)二本鎖リボ核酸(dsRNA)を該細胞に導入するステップであって、該dsRNAは、互いに相補的である少なくとも2つの配列を含む。該dsRNAは、第1の配列を有するセンス鎖と、第2の配列を有するアンチセンス鎖とを有し、該アンチセンス鎖は、SAAをコードするmRNAの少なくとも一部に相補的である相補性の領域を有し、該相補性の領域は、30ヌクレオチド長未満、一般に、19〜24ヌクレオチド長であり、該dsRNAは、SAAを発現する細胞と接触すると、SAA遺伝子の発現を少なくとも40%阻害する、ステップと、
(b)SAA遺伝子のmRNA転写物の分解を得るために十分な時間、ステップ(a)において産生された該細胞を維持し、それによって、該細胞内の該SAA遺伝子の発現を阻害する、ステップ。

0022

別の実施形態において、該方法は、腫瘍細胞内の遺伝子発現を阻害するためのものである。

0023

別の実施形態において、本発明は、アミロイドーシス、例えば、AAアミロイドーシス等のSAAの発現によって媒介された病理過程を治療、阻止、または管理するための方法を提供する。一実施形態において、該方法は、本発明で取り上げられる、治療上または予防上有効な量の1つもしくは複数のdsRNAを、かかる治療、阻止、または管理を必要とする患者に投与することを含む。一実施形態において、該患者は、アミロイドーシスを有する。別の実施形態において、SAAを標的とする該dsRNAの投与は、患者における、SAA媒介性障害の少なくとも1つの症状の重症度緩和または軽減する。一実施形態において、該患者は、乾癬性関節炎、慢性若年性関節炎強直性脊椎炎ベーチェット症候群ライター症候群成人スティル病炎症性腸疾患遺伝性周期性発熱結核骨髄炎気管支拡張症、ハンセン病、腎盂腎炎褥瘡性潰瘍ウィップル病集簇性座瘡、一般変異型免疫不全症、低/無ガンマグロブリン血症嚢胞性線維症肝臓癌腎臓癌キャッスルマン病ホジキン病、成人有毛細胞白血病、ワルデンストレーム病、腫瘍、慢性感染症慢性炎症性疾患慢性関節炎、慢性敗血症、周期性発熱症候群家族性地中海熱、またはクローン病を有する。

0024

別の実施形態において、本発明は、細胞内のSAA遺伝子の発現を阻害するためのベクターを提供する。一実施形態において、該ベクターは、本発明で取り上げられるdsRNAの少なくとも1本の鎖をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結する少なくとも1つの調節配列を含む。

0025

別の実施形態において、本発明は、細胞内のSAA遺伝子の発現を阻害するためのベクターを含有する細胞を提供する。該ベクターは、本発明で取り上げられるdsRNAのうちの1つの少なくとも1本の鎖をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結する調節配列を含む。

0026

さらなる実施形態において、本発明は、SAAのdsRNAを含有し、病理的疾患に関与する第2の遺伝子を標的とする第2のdsRNAと組み合わせて、疾患、例えば、アミロイドーシスを治療するために有用である、組成物を提供する。

0027

本発明の1つもしくは複数の実施形態の詳細は、以下の添付図面および説明に記載される。本発明の他の特性、目的、利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0028

図1Aおよび1Bは、HepB3細胞培養内のSAAのmRNAおよびタンパク質レベルに対するIL−1βおよびIL−6サイトカインの効果を示すグラフである。
図2は、候補SAAのsiRNAの投与後のHep3B細胞内のSAAのmRNAレベルを示す棒グラフである。
図3は、候補SAAのsiRNAの投与後のHep3B細胞内のSAAのタンパク質レベルを示す棒グラフである。
図4A〜4Gは、選択したSAAのsiRNAの用量反応曲線を示すグラフである。
図5は、LPS注射前のSAAレベルと比較して、LPS注射から24時間後に試験した全てのマウスにおいてSAAレベルが増加したことを示すグラフである。
図6は、LNP01に製剤化した18445およびSNALPに製剤化した18445は、対照と比較して、SAAレベルが有意に下方調節されたことを示すグラフである。
図7は、hSAA1の発現が、hSAA1アデノウイルスの単回注射から約2週間、持続することができることを示すグラフである。
図8は、肝細胞内のhSAA1の発現のコンストラクトを示す図である。
図9は、流体力学的注射後のマウスにおけるhSAA1の発現を示すグラフである。
図10は、hSAA1導入遺伝子発現のために設計されたコンストラクトを示す図である。

0029

本発明は、dsRNA、およびdsRNAがSAA遺伝子を標的とする細胞または哺乳動物における、SAA遺伝子の発現を阻害するためのdsRNAを使用する方法を提供する。幾つかの実施形態において、本発明で取り上げられるdsRNAは、SAA1遺伝子およびSAA2遺伝子の両方を標的とする。本発明はまた、SAA遺伝子の発現によって引き起こされる、哺乳動物における、アミロイドーシス等の病態および疾患を治療するための、組成物および方法も提供する。dsRNAは、RNA干渉(RNAi)として知られる過程を通じてmRNAの配列に特異的な分解を導く。

0030

本明細書で取り上げられる組成物のdsRNAは、30ヌクレオチド長未満、一般に、19〜24ヌクレオチド長である、領域を有するRNA鎖(アンチセンス鎖)を含み、SAA遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部に実質的に相補的である。これらのdsRNAの使用は、哺乳動物における、炎症反応(例えば、急性期炎症反応)に関連する病理学に関係している遺伝子のmRNAの標的化分解を可能にする。特に、SAAのdsRNAの非常に低い投薬量は、特異的かつ効率的にRNAiを媒介することができ、SAA遺伝子の発現の著しい阻害をもたらす。細胞に基づくアッセイを用いて、本発明者は、SAAを標的とするdsRNAが、RNAiを特異的かつ効率的に媒介することができ、SAA遺伝子の発現の著しい阻害をもたらすことを実証した。したがって、これらのdsRNAを含む方法および組成物は、アミロイドーシスの治療等において、SAAを下方調節することによって媒介され得る病理過程を治療するのに有用である。

0031

該組成物のdsRNAは、表2から選択されるセンス鎖配列の少なくとも15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、またはそれ以上のヌクレオチドを含むセンス鎖を含むことができる。該組成物のdsRNAは、表2から選択されるセンス鎖配列の少なくとも15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、またはそれ以上のヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含むことができる。1つの実施形態において、該センス鎖は、配列番号37、配列番号127、配列番号95、配列番号105、配列番号59、配列番号23、または配列番号155の15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含むことができる。1つの実施形態において、該アンチセンス鎖は、配列番号38、配列番号128、配列番号96、配列番号106、配列番号60、配列番号24、または配列番号156の15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含むことができる。

0032

該組成物のdsRNAは、SAAのmRNA、配列番号286、配列番号220、配列番号230、配列番号324、配列番号223、配列番号386、および/または配列番号373の15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを標的とすることができる。

0033

該dsRNAは、リガンドに結合され得る。該dsRNAは、脂質製剤に製剤化され得る。1つの実施形態において、該dsRNAは、LNP製剤、LNPOl製剤、脂質A−SNALP製剤またはSNALP製剤に製剤化される。

0034

該組成物のdsRNAは、細胞に投与される場合、リアルタイムPCRアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約50〜100%、97%、95%、92%、89%、または74%の阻害をもたらし得る。該組成物のdsRNAは、細胞に投与される場合、分岐DNAアッセイによって測定される、SAAのmRNA発現の約50〜100%、89%、87%、83%、68%、または54%の阻害をもたらし得る。該組成物のdsRNAは、細胞に投与される場合、ELISAアッセイによって測定される、SAAタンパク質の発現の約50〜100%、100%、99%、または93%の阻害をもたらし得る。該組成物のdsRNAは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15pM未満のIC50を有する。該組成物のdsRNAは、siRNA対照と比較して、マウスにおけるSAAタンパク質の発現を約40、50、60、70、80、または90%軽減することができる。

0035

SAAのdsRNAを含有する方法および組成物は、アミロイドーシス等の炎症関連疾患等のSAAの発現によって媒介される病理過程を治療するために有用である。他の病理過程は、乾癬性関節炎、慢性若年性関節炎、強直性脊椎炎、ベーチェット症候群、ライター症候群、成人スティル病、炎症性腸疾患、遺伝性周期性発熱、結核、骨髄炎、気管支拡張症、ハンセン病、腎盂腎炎、褥瘡性潰瘍、ウィップル病、集簇性座瘡、一般変異型免疫不全症低/無ガンマグロブリン血症、嚢胞性線維症、肝臓癌、腎臓癌、キャッスルマン病、ホジキン病、成人有毛細胞白血病、ワルデンストレーム病、腫瘍、慢性感染症、慢性炎症性疾患、慢性関節炎、慢性敗血症、周期性発熱症候群、家族性地中海熱、またはクローン病を含むことができる。

0036

以下の詳細な説明は、SAA遺伝子の発現を阻害するための、dsRNAを含有する組成物の作製方法および使用方法、ならびにこれらの遺伝子の発現によって引き起こされる疾患および障害を治療するための、組成物および方法を開示する。本発明で取り上げられる医薬組成物は、医薬上許容される担体と共に、30ヌクレオチド長未満、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、SAA遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部に実質的に相補的である、相補性の領域を含むアンチセンス鎖を有するdsRNAを含む。また、本発明で取り上げられる医薬組成物は、30ヌクレオチド長未満、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、SAA遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部に実質的に相補的である、相補性の領域を有するアンチセンス鎖を有するdsRNAも含む。

0037

したがって、幾つかの態様において、SAAのdsRNAおよび医薬上許容される担体を含有する医薬組成物、SAA遺伝子の発現を阻害するために組成物を使用する方法、SAA遺伝子の発現によって引き起こされる疾患を治療するための医薬組成物を使用する方法が、本発明で取り上げられる。

0038

I.定義
便宜上、本明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用される、特定の用語および語句の意味を以下に提供する。本明細書の他の部分の用語の用法と、本項で提供されるその定義との間に明らかな相違がある場合、本項の定義が優先される。

0039

「G」、「C」、「A」、および「U」のそれぞれは、一般に、塩基としてそれぞれグアニンシトシンアデニン、およびウラシルを含有するヌクレオチドを表す。「T」および「dT」は、本明細書で交換可能に使用され、核酸塩基チミン、例えば、デオキシリボチミン(deoxyribothymine)である、デオキシリボヌクレオチドを指す。しかしながら、「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」または「デオキシリボヌクレオチド」という用語は、以下でさらに詳述する修飾ヌクレオチド、または代替の置換部分も指すことができることが理解されよう。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン、およびウラシルが、かかる置換部分を担持するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド塩基対形成性を実質的に変化させることなく、他の部分によって置換可能であることを十分認識している。例えば、限定されないが、その塩基としてイノシンを含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン、またはウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対を形成することができる。したがって、ウラシル、グアニン、またはアデニンを含有するヌクレオチドは、本発明のヌクレオチド配列において、例えば、イノシンを含有するヌクレオチドと置換され得る。かかる置換部分を含む配列が、本発明の実施形態である。

0040

本明細書で使用される、「血清アミロイドA」(「SAA」)とは、細胞内のSAA1またはSAA2遺伝子(例えば、内因性SAA1またはSAA2遺伝子)を指す。SAA1は、血清アミロイドA1、MGC111216、PIG4、SAA、および腫瘍タンパク質p53誘導タンパク質4(TP53I4)としても知られている。2つの代替的なヒトSAA1のmRNA転写物の配列は、NM_000331.3およびNM_199161.2で見出され得る。マウスSAA1のmRNAの配列は、NM_009117.3で見出され得る。カニクイザルからの完全長に近い、単一のSAA様トレースcDNA配列は、Mfa#S27795076(カニクイザル(Macaca fascicularis))である。

0041

SAA2は、血清アミロイドA2およびSAAとしても知られている。2つの代替的なヒトSAA2のmRNA転写物の配列は、NM_001127380.1およびNM_030754.3で見出され得る。マウスSAA2のmRNAの配列は、NM_011314.1である。

0042

本明細書で使用される、「標的配列」は、一次転写産物のRNAプロセシングの産物であるmRNAを含む、SAA遺伝子の転写の間に形成される、mRNA分子のヌクレオチド配列の連続する部分を指す。該標的配列は、dsRNAアンチセンス配列に相補的であり、故に、センス鎖内に存在する任意のオーバーハングを差し引いた、dsRNAセンス配列と同一の配列を有する。

0043

本明細書で使用される、「配列を含む鎖」という用語は、標準的なヌクレオチド命名法の使用に言及される配列によって説明される、ヌクレオチド鎖を含む、オリゴヌクレオチドを指す。

0044

本明細書で使用される場合、別途記載のない限り、第2のヌクレオチド配列に関連して第1のヌクレオチド配列を説明するために使用される時の「相補的」という用語は、当業者には理解されるように、特定の条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドハイブリダイズして二重鎖構造を形成する、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドの能力を指す。かかる条件は、例えば、ストリンジェントな条件であり得、ストリンジェントな条件には、400mM NaCl、40mMPIPESpH6.4、1mMEDTA、12〜16時間50℃もしくは70℃、その後の洗浄が含まれ得る。生物内で遭遇され得る、生理的に適切な条件等の他の条件を適用することができる。当業者は、ハイブリダイズされたヌクレオチドの最終的な用途に応じて、2つの配列の相補性の試験に最も適切な、一連の条件を決定することができよう。

0045

これには、第1および第2のヌクレオチド配列の全長にわたる、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドに対する、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドの塩基対形成が含まれる。かかる配列は、本明細書において、互いの配列に対して「完全に相補的」と呼ぶことができる。しかし、本明細書において、第1の配列が第2の配列に対して「実質的に相補的」であると呼ばれる場合、2つの配列は完全に相補的であり得るか、あるいはそれらの最終的な用途に最も適した条件下でハイブリダイズする能力を保持しながら、ハイブリダイズ時に、1個もしくは複数個であるが、一般に4、3、または2個を超えないミスマッチ塩基対を形成してもよい。しかし、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイズ時に1つもしくは複数の単鎖のオーバーハングを形成するように設計される場合、かかるオーバーハングは、相補性の決定に関してミスマッチとはみなされないものとする。例えば、21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドと、23ヌクレオチド長の別のオリゴヌクレオチドとを含むdsRNA(より長いオリゴヌクレオチドが、より短いオリゴヌクレオチドに完全に相補的である21ヌクレオチドの配列を含む)は、本明細書に記載の目的上、やはり「完全に相補的」であると称され得る。

0046

また、本明細書で使用される、「相補的」な配列は、それらのハイブリダイズ能に関する上記の要件が満たされる限り、非ワトソンクリック塩基対、および/または非天然および修飾ヌクレオチドから形成される塩基対を含み得るか、または完全にそれらから形成され得る。かかる非ワトソンクリック塩基対には、G−Uゆらぎまたはフーグスティーン型塩基対が含まれるが、これらに限定されない。

0047

本明細書における「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」という用語は、これらが使用される文脈から理解されるように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間、またはdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間の塩基一致に対して使用され得る。

0048

本明細書で使用される、メッセンジャーRNA(mRNA)「の少なくとも一部に実質的に相補的」であるポリヌクレオチドは、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、または3’UTRを含む、対象となるmRNA(例えば、SAA1またはSAA2等のSAAをコードするmRNA)の連続する部分に実質的に相補的である、ポリヌクレオチドを指す。例えば、ポリヌクレオチドは、その配列が、SAAをコードするmRNAの中断されていない部分に実質的に相補的である場合、SAAのmRNAの少なくとも一部に相補的である。

0049

本明細書で使用される、「二本鎖RNA」または「dsRNA」という用語は、逆平行で、上で定義されるように実質的に相補的である、2本の核酸鎖を含む二重鎖構造を有する、リボ核酸分子複合体を指す。一般に、各鎖のヌクレオチドの大半はリボヌクレオチドであるが、本明細書で詳細に説明されるように、それぞれもしくは両方の鎖は、少なくとも1個の非リボヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチドおよび/または修飾ヌクレオチドも含み得る。加えて、本明細書で使用される「dsRNA」は、複数のヌクレオチドでの実質的な修飾を含み、本明細書で開示されるか、または当該技術分野において既知であるあらゆる種類の修飾を含む、リボヌクレオチドへの化学修飾を含み得る。siRNA型分子内で使用される、このようなどの修飾も、本明細書および特許請求の範囲の目的上、「dsRNA」に包含される。

0050

二重鎖構造を形成する2本の鎖は、より長い1つのRNA分子の異なる部分であってもよく、あるいはそれらは別個のRNA分子であってもよい。2本の鎖がより長い1つの分子の一部であり、したがって二重鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端とそれぞれのもう一方の鎖の5’末端との間の中断されていないヌクレオチド鎖によって接続される場合、接続するRNA鎖は、「ヘアピンループ」と称される。2本の鎖が、二重鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端とそれぞれのもう一方の鎖の5’末端との間の、中断されていないヌクレオチド鎖以外の手段によって共有結合的に接続される場合、該接続構造は、「リンカー」と称される。該RNA鎖は、同一または異なる数のヌクレオチドを有し得る。塩基対の最大数は、二重鎖内に存在するすべてのオーバーハングを差し引いた、dsRNAの最も短い鎖内のヌクレオチド数である。二重鎖構造に加えて、dsRNAは、1つもしくは複数のヌクレオチドのオーバーハングを含み得る。また、「siRNA」という用語は、上に記載の通り、dsRNAを言及するために本明細書に使用される。

0051

本明細書で使用される、「ヌクレオチドのオーバーハング」とは、不対ヌクレオチド、つまりdsRNAの1本の鎖の3’末端がもう一方の鎖の5’末端を越えて延びるか、またはその逆である時に、dsRNAの二重鎖構造から突出するヌクレオチドを指す。「平滑」または「平滑末端」は、dsRNAのその末端に不対ヌクレオチドがない、すなわち、ヌクレオチドのオーバーハングがないことを意味する。「平滑末端の」dsRNAは、その長さ全体にわたって二本鎖であるdsRNAであり、すなわち、該分子のどちらの末端にもヌクレオチドのオーバーハングがない。1つの実施形態において、表2の欄「化学反応のない配列(5’−3’)」に示される配列(SAAのsiRNA、以下)は、1つもしくは複数のヌクレオチドからなる1つもしくは複数のオーバーハングを含むことができる。一態様において、該オーバーハングは、配列NNを含む2つのヌクレオチド3’オーバーハングであり、NNは、任意のヌクレオチド、例えば、C、A、G、Tであり得る。1つの実施形態において、該オーバーハングは、オーバーハング上に1つもしくは複数のホスホロチオエートを含み得、例えば、該オーバーハングの末端3’dTは、ホスホロチオエートを有し得る。1つの実施形態において該オーバーハングは、dTsdTである。

0052

「アンチセンス鎖」という用語は、標的配列に実質的に相補的である領域を含む、dsRNAの鎖を指す。本明細書で使用される、「相補性の領域」という用語は、配列、例えば本明細書において定義される標的配列に実質的に相補的である、アンチセンス鎖の領域を指す。相補性の領域が標的配列に完全に相補的ではない場合、該ミスマッチは、該末端領域内に最も許容され、存在する場合、一般に、末端領域内、例えば、5’および/または3’末端の6、5、4、3、もしくは2ヌクレオチド以内にある。

0053

本明細書で使用される、「センス鎖」という用語は、アンチセンス鎖の領域に実質的に相補的である領域を含む、dsRNAの鎖を指す。

0054

dsRNAについて言及する際、「細胞への導入」とは、当業者には理解されるように、細胞への取り込みまたは吸収を促進することを意味する。dsRNAの吸収または取り込みは、支援を伴わない(unaided)拡散過程もしくは細胞の能動的過程を通じて、または補助的な薬剤もしくは装置によって発生し得る。この用語の意味は、インビトロでの細胞に限定されず、dsRNAは、生命体の一部である「細胞に導入」することもできる。そのような場合、細胞への導入は、該生物への送達を含む。例えば、インビボ送達については、dsRNAを組織部位に注射するか、または全身投与することができる。細胞へのインビトロでの導入には、電気穿孔法およびリポフェクション法等の当該技術分野において既知の方法が含まれる。

0055

「発現停止させる(silence)」、「〜の発現を阻害する」、「〜の発現を下方制御する」、および「〜の発現を抑制する」等の用語は、それらがSAA遺伝子について言及する限り、本明細書において、第1の細胞もしくは細胞群と実質的に同一であるが、そのように処理されていない第2の細胞もしくは細胞群(対照細胞)と比較して、SAA遺伝子が転写され、SAA遺伝子の発現が阻害されるように処理された第1の細胞もしくは細胞群から単離され得る、および/または検出され得る、mRNAの量の低下によって明らかになる、SAA遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制を指す。阻害の程度は、通常、以下で表される。

0056

代替として、阻害の程度は、SAA遺伝子転写物に機能的に関連するパラメータ、例えば細胞によって分泌されるSAA遺伝子によってコードされるタンパク質の量、または特定の表現型、例えばアポトーシス提示する細胞の数の低下に関して示されてもよい。原則的に、SAA遺伝子の発現停止は、構成的に、またはゲノム工学によって、ならびに任意の適切なアッセイによって、該標的を発現する任意の細胞において決定することができる。しかし、あるdsRNAが特定の程度、SAA遺伝子の発現を阻害し、したがって本発明に包含されるかどうかを決定するために参照が必要とされる場合、以下の実施例で提供されるアッセイが、かかる参照の役割を果たす。

0057

例えば、特定の場合において、SAA遺伝子の発現は、本発明で取り上げられる二本鎖オリゴヌクレオチドの投与によって、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%抑制される。幾つかの実施形態においてSAA遺伝子は、本発明で取り上げられる二本鎖オリゴヌクレオチドの投与によって、少なくとも約60%、70%、または80%抑制される。幾つかの実施形態において、SAA遺伝子は、本発明で取り上げられる二本鎖オリゴヌクレオチドの投与によって、少なくとも約85%、90%、または95%抑制される。表3、4、および5、ならびに図2および3は、種々のSAAのdsRNA分子を種々の濃度で使用して、インビトロおよびエクスビボアッセイにおいて得られた発現の阻害範囲を示す。

0058

SAAの発現の文脈において本明細書で使用される、「治療する」、「治療」等の用語は、SAAの発現によって媒介される病理過程の軽減または緩和を指す。本発明の文脈において、本明細書で以下に列挙される他の病態のうちのどの病態にも関連する限り(SAAの発現によって媒介される病理過程以外)、「治療する」、「治療」等の用語は、かかる病態に関連する少なくとも1つの症状の軽減もしくは緩和、またはアミロイドーシスの進行の遅延等の、かかる病態の進行の遅延もしくは逆行を意味する。

0059

本明細書で使用される、「治療上有効な量」および「予防上有効な量」というは、SAAの発現によって媒介される病理過程の治療、阻止、もしくは管理、またはSAAの発現によって媒介される病理過程の明らかな症状において、治療的有用性を提供する量を指す。治療上有効である具体的な量は、普通の開業医が容易に決定することができ、例えば、SAAの発現によって媒介される病理過程の種類、患者の病歴および年齢、SAAの発現によって媒介される病理過程の段階、ならびに他のSAAの発現によって媒介される病理過程に抗する薬剤の投与等の、当該技術分野において既知の因子に依存して異なり得る。

0060

本明細書で使用される、「医薬組成物」は、薬理学上有効な量のdsRNAと、医薬上許容される担体とを含む。本明細書で使用される、「薬理学上有効な量」、「治療上有効な量」、または単に「有効量」は、目的とする薬理学的、治療的、または阻止的結果を生み出すのに効果的なRNAの量を指す。例えば、ある臨床的治療が、疾患または障害に関連する測定可能なパラメータにおいて、少なくとも25%の低下がある時に有効であると見なされる場合、該疾患または障害を治療するための薬物の治療上有効な量は、該パラメータにおいて少なくとも25%の低下をもたらすために必要な量である。例えば、SAAを標的とするdsRNAの治療上有効な量は、SAAの血清レベルを少なくとも25%低下させることができる。別の例において、SAAを標的とするdsRNAの治療上有効な量は、腎機能を少なくとも25%向上させることができる。

0061

「医薬上許容される担体」という用語は、治療薬を投与するための担体を指す。かかる担体には、食塩水緩衝食塩水、ブドウ糖、水、グリセロールエタノール、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。該用語は、特に細胞培養液を除く。経口投与される薬物について、医薬上許容される担体には、不活性希釈剤崩壊剤結合剤潤滑剤、甘味剤香味剤着色剤、および防腐剤等の医薬上許容される賦形剤が含まれるが、これらに限定されない。好適な不活性希釈剤には、炭酸ナトリウムおよびカルシウムリン酸ナトリウムおよびカルシウム、ならびにラクトースが含まれ、コーンスターチおよびアルギン酸が好適な崩壊剤である。結合剤にはデンプンおよびゼラチンを含むことができ、一方潤滑剤が存在する場合は、概してステアリン酸マグネシウムステアリン酸、またはタルクであろう。所望の場合、錠剤モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の材料でコーティングして、消化管内での吸収を遅らせることができる。

0062

本明細書で使用される、「形質転換細胞」は、ベクターが導入されて、そこからdsRNA分子を発現することができる細胞である。

0063

II.二本鎖リボ核酸(dsRNA)
本明細書でより詳細に記載されるように、本発明は、細胞または哺乳動物内、例えば、アミロイドーシスに罹患しているヒトのSAA遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を提供し、該dsRNAは、SAA遺伝子の発現において形成されるmRNAの少なくとも一部に相補的である相補性の領域を有する、アンチセンス鎖を含み、該相補性の領域は、30ヌクレオチド長未満、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、該dsRNAは、該SAA遺伝子を発現する細胞と接触すると、例えば、PCRまたは分枝DNA(bDNA)ベースの方法によって、またはウェスタンブロット等によるタンパク質ベースの方法によってアッセイされるように、該SAA遺伝子の発現を少なくとも30%阻害する。SAA遺伝子の発現は、以下の実施例で説明されるアッセイによって測定される場合、少なくとも30%軽減され得る。例えば、HepB3細胞等の細胞培養内のSAA遺伝子の発現は、bDNAまたはTaqManアッセイ等によるSAAのmRNAレベルを測定することによって、またはELISAアッセイ等によるタンパク質レベルを測定することによってアッセイされるように、アッセイされ得る。本発明のdsRNAは、1本以上の単鎖のヌクレオチドのオーバーハングをさらに含み得る。

0064

該dsRNAは、以下でさらに説明されるように、当該技術分野において既知の標準的な方法、例えば、Biosearch,Applied Biosystems,Inc.から市販されるもの等の自動DNA合成装置の使用によって、合成することができる。該dsRNAは、ハイブリダイズして二重鎖構造を形成するのに十分相補的である、2本のRNA鎖を含む。該dsRNAの1本の鎖(アンチセンス鎖)は、SAA遺伝子の発現の間に形成されたmRNAの配列から派生した標的配列に実質的に相補的であり、概して完全に相補的である、相補性の領域を含み、もう一方の鎖(センス鎖)は、アンチセンス鎖に相補的である領域を含み、その結果、2本の鎖は、好適な条件下で組み合わされると、ハイブリダイズして二重鎖構造を形成する。任意に、SAAのmRNAの配列に実質的に相補的であるアンチセンス鎖の領域は、SAA1およびSAA2のmRNAの両方に実質的に相補的である。一般に、二重鎖構造は、15〜30塩基対長であり、より一般には18〜25、さらに一般には19〜24、そして最も一般には19〜21塩基対長である。同様に、該標的細胞への相補性の領域は、15〜30、または25〜30、または18〜25、または19〜24、または19〜21、または19、20もしくは21塩基対長である。一実施形態において、該二重鎖は19塩基対長である。別の実施形態において、該二重鎖は21塩基対長である。2本の異なるsiRNAを組み合わせて使用する場合、該二重鎖の長さは同一であってもよく、または異なってもよい。

0065

本発明のdsRNAのそれぞれの鎖は、一般に15〜30、または18〜25、または18、19、20、21、22、23、24、もしくは25ヌクレオチド長である。他の実施形態において、それぞれの鎖は25〜30ヌクレオチド長である。二重鎖のそれぞれの鎖は、同一長さであってもよく、または異なる長さであってもよい。2本の異なるsiRNAを組み合わせて使用する場合、各siRNAのそれぞれの鎖の長さは、同一であってもよく、または異なってもよい。

0066

本発明のdsRNAは、1個もしくは複数個のヌクレオチドの1つもしくは複数の単鎖のオーバーハングを含むことができる。一実施形態において、該dsRNAの少なくとも一端は、1〜4個、一般には1個または2個のヌクレオチドの、単鎖のヌクレオチドのオーバーハングを有する。別の実施形態において、該dsRNAのアンチセンス鎖は、センス鎖の3’末端および5’末端のそれぞれに、1〜10個のヌクレオチドのオーバーハングを有する。さらなる実施形態において、該dsRNAのセンス鎖は、アンチセンス鎖の3’末端および5’末端のそれぞれに、1〜10個のヌクレオチドのオーバーハングを有する。

0067

一般に、該dsRNAは、2つの3’オーバーハングを含む。1つの実施形態において、該dsRNAのアンチセンス鎖は、3’末端にヌクレオチドのオーバーハングを有し、5’末端は平滑である。別の実施形態において、該dsRNAのセンス鎖は、3’末端にヌクレオチドのオーバーハングを有し、5’末端は平滑である。別の実施形態において、該dsRNAの両端は平滑であり得る。別の実施形態において、オーバーハング内のヌクレオチドのうちの1つもしくは複数のヌクレオチドが、ヌクレオシドチオリン酸と置換される。

0068

一実施形態において、SAA遺伝子はヒトSAA遺伝子である。具体的な実施形態において、該dsRNAのセンス鎖は、表2からのセンス配列のうちの1つであり、アンチセンス鎖は、表2からのアンチセンス配列のうちの1つである。表2に提供される標的配列のほかの箇所を標的とする代替のアンチセンス剤を、標的配列および隣接するSAA配列を使用して、容易に決定することができる。

0069

当業者は、20〜23個、しかし具体的には21個の塩基対の二重鎖構造を有するdsRNAが、RNA干渉の誘発に特に効果的であるとして称賛を得ていることをよく認識している(Elbashir et al.,EMBO 2001,20:6877−6888)。しかし、他の者は、より短いもしくはより長いdsRNAが、同様に効果的であり得ることを見出している。上記の実施形態において、表2に提供されるオリゴヌクレオチド配列性質のために、本発明で取り上げられるdsRNAは、そこに記載の長さの少なくとも1本の鎖を含むことができる。一端または両端のわずかな数のヌクレオチドを差し引いた、表2の配列のうちの1つを有するより短いdsRNAが、上記のdsRNAと比較して、同様に効果的であり得ることは、妥当予想され得る。したがって、表2の配列のうちの1つからの、少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドの部分的配列を有し、本明細書で以下に記載されるアッセイにおいて、完全な配列を含むdsRNAと比べてSAA遺伝子の発現を5、10、15、20、25、もしくは30%以下阻害するそれらの能力が異なるdsRNAが、本発明によって企図される。さらに、所望のSAA標的配列内で切断するdsRNAを、対応するSAAアンチセンス配列および相補的なセンス配列を用いて容易に作製することができる。

0070

加えて、表2に提供されるdsRNAは、RNAiに基づく切断の影響を受けやすい、SAAのmRNA(例えば、SAA1および/またはSAA2のmRNA)内の部位を特定する。したがって、本発明は、本発明の薬剤のうちの1つによって標的とされる配列内を標的とする、dsRNAをさらに特徴付ける。本明細書で使用される、第2のdsRNAは、第2のdsRNAが、第1のdsRNAのアンチセンス鎖に相補的であるmRNA内のどの箇所でもメッセージを切断する場合、第1のdsRNAの配列内を標的とすると言われる。かかる第2のdsRNAは、一般に、SAA1またはSAA2遺伝子内の選択した配列に隣接する領域から取られたさらなるヌクレオチド配列に連結される、表2に提供される配列のうちの1つからの少なくとも15個の連続するヌクレオチドからなる。例えば、配列番号1の最後の15ヌクレオチドは、標的SAA遺伝子から次の6ヌクレオチドと組み合わせて、表2に提供される配列のうちの1つに基づく21ヌクレオチドの単鎖薬剤を産生する。

0071

本発明で取り上げられるdsRNAは、標的配列との1つもしくは複数のミスマッチを含有してもよい。一実施形態において、本発明で取り上げられるdsRNAは、3つ以下のミスマッチを含有する。dsRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチの範囲が、相補性の領域の中心に位置しないことが好ましい。該dsRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチは、どちらかの末端から5ヌクレオチド、例えば、相補性の領域の5’もしくは3’末端のいずれかの末端から5、4、3、2、もしくは1ヌクレオチドに制限されることが好ましい。例えば、SAA遺伝子の領域に相補的である23ヌクレオチドのdsRNA鎖について、該dsRNAは、一般には、中央の13個のヌクレオチド内にはいずれのミスマッチも含有しない。本発明内で記載される方法を使用して、標的配列とのミスマッチを含有するdsRNAが、SAA遺伝子の発現の阻害に効果的であるかどうかを判定することができる。SAA遺伝子の発現の阻害における、ミスマッチを有するdsRNAの有効性を考慮することは、特にSAA遺伝子内の特定の相補性の領域が、集団内に多型の配列多様性を有することが既知である場合、重要である。

0072

修飾
また別の実施形態において、該dsRNAは、安定性亢進させるために化学修飾される。本発明で取り上げられる核酸は、「Current protocols in nucleic acid chemistry」、Beaucage,S.L.et al.(Edrs.),John Wiley&Sons,Inc.,New York,NY,USAに記載されるもの等の、当該技術分野において十分確立された方法によって、合成および/または修飾することができ、該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明において有用であるdsRNA化合物の具体例には、修飾された骨格、または非天然のヌクレオシド間結合を含有するdsRNAが含まれる。本明細書で定義されるように、修飾された骨格を有するdsRNAには、該骨格にリン原子を保持するもの、および該骨格にリン原子を有しないものが含まれる。本明細書の目的上、また当該技術分野において時折言及されるように、それらのヌクレオシド間骨格にリン原子を有しない修飾されたdsRNAも、オリゴヌクレオシドであると見なすことができる。

0073

修飾されたdsRNA骨格には、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホジチオエート、ホスホトリエステルアミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含むメチルおよび他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’−アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびに正常な3’−5’結合を有するボラノホスフェート、2’−5’結合したこれらの類似体、そしてヌクレオシド単位の隣接する対が3’−5’から5’−3’へ、または2’−5’から5’−2’へ結合する、逆向きの極性を有するものが含まれる。また、種々の塩、混合塩、および遊離酸形態も含まれる。

0074

上記のリン含有結合の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第3,687,808号、第4,469,863号、第4,476,301号、第5,023,243号、第5,177,195号、第5,188,897号、第5,264,423号、第5,276,019号、第5,278,302号、第5,286,717号、第5,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、第5,466,677号、第5,476,925号、第5,519,126号、第5,536,821号、第5,541,316号、第5,550,111号、第5,563,253号、第5,571,799号、第5,587,361号、および第5,625,050号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。

0075

dsRNA骨格の中にリン原子を含まない、修飾されたdsRNA骨格は、単鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合されたヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1個もしくは複数個の単鎖ヘテロ原子もしくは複素環式ヌクレオシド間結合によって形成される骨格を有する。これらには、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成された)、シロキサン骨格硫化物スルホキシド、およびスルホン骨格、ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファミン酸骨格、メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格、スルホネートおよびスルホンアミド骨格、アミド骨格、ならびにN、O、S、およびCH2を混合した構成成分を有する他のもの、を有するものが含まれる。

0076

上記オリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,034,506号、第5,166,315号、第5,185,444号、第5,214,134号、第5,216,141号、第5,235,033号、第5,64,562号、第5,264,564号、第5,405,938号、第5,434,257号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,541,307号、第5,561,225号、第5,596,086号、第5,602,240号、第5,608,046号、第5,610,289号、第5,618,704号、第5,623,070号、第5,663,312号、第5,633,360号、第5,677,437号、および第5,677,439号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。

0077

他の好適なdsRNA模倣体において、ヌクレオチド単位の糖およびヌクレオシド間結合の両方、すなわち、骨格が、新規の基で置換される。塩基単位は、適切な核酸標的化合物とハイブリダイズするために維持される。優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているそのようなオリゴマー化合物の1つであるdsRNA模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と称される。PNA化合物では、dsRNAの糖骨格が、アミド含有骨格、特にアミノエチルグリシン骨格で置換される。核酸塩基は保持され、該骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に結合される。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、および第5,719,262号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497−1500に見出すことができる。

0078

本発明の他の実施形態は、ホスホロチオエート骨格を有するdsRNA、およびヘテロ原子骨格を有するオリゴヌクレオシドであり、特に上述の米国特許第5,489,677号の−−CH2−−NH−−CH2−−、−−CH2−−N(CH3)−−O−−CH2−−[メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として知られる]、−−CH2−−O−−N(CH3)−−CH2−−、−−CH2−−N(CH3)−−N(CH3)−−CH2−−、および−−N(CH3)−−CH2−−CH2−−[式中、天然のホスホジエステル骨格は、−−O−−P−−O−−CH2−−として表される]、および上述の米国特許第5,602,240号のアミド骨格である。また、上述の米国特許第5,034,506号のモルホリノ骨格構造を有するdsRNAも好ましい。

0079

また、修飾されたdsRNAは、1つもしくは複数の置換糖部分も含有することができる。好ましいdsRNAは、2’位に、OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルのうちの1つを含み、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換のC1〜C10アルキルまたはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルであり得る。O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2が特に好ましく、式中、nおよびmは1〜約10である。他の好ましいdsRNAは、2’位に、C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリルアラルキル、O−アルカリル、もしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキルヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基介入物(intercalator)、dsRNAの薬物動態特性を改善するための基、またはdsRNAの薬力学的特性を改善するための基、ならびに類似した特性を有する他の置換基のうちの1つを含む。好ましい修飾には、2’−メトキシエトキシ(2’−O−−CH2CH2OCH3であって、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても知られる)(Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504)すなわち、アルコキシアルコキシ基が含まれる。好ましいさらなる修飾には、本明細書において以下の実施例に記載される、2’−DMAOEとしても知られる、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、O(CH2)2ON(CH3)2基、ならびに、同様に、本明細書において以下の実施例に記載される、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野で2’−O−ジメチルアミノエトキシエチルもしくは2’−DMAEOEとしても知られる)、すなわち、2’−O−−CH2−−O−−CH2−−N(CH2)2が含まれる。

0080

他の好ましい修飾には、2’−メトキシ(2’−OCH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCH2CH2CH2NH2)、および2’−フルオロ(2’−F)が含まれる。同様の修飾を、dsRNAの他の位置、特に3’末端ヌクレオチドもしくは2’−5’結合dsRNA内の糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位で作製することもできる。また、dsRNAは、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分等の糖模倣体を有してもよい。かかる修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,658,873号、第5,670,633号、および第5,700,920号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許のうちのあるものは本出願によって共同所有され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0081

また、dsRNAは、核酸塩基(当該技術分野ではしばしば単に「塩基」と称される)修飾または置換を含み得る。本明細書で使用される、「非修飾」もしくは「天然」の核酸塩基には、プリン塩基、アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基、チミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が含まれる。修飾された核酸塩基には、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシンキサンチンヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾのウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニン等の、他の合成および天然の核酸塩基が含まれる。さらなる核酸塩基には、米国特許第3,687,808号で開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.L,ed.John Wiley&Sons,1990で開示されるもの、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613で開示されるもの、およびSanghvi,Y S.,Chapter 15,DsRNAResearch and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Ed.,CRCPress,1993で開示されるものが含まれる。これらの核酸塩基のうちの特定のものは、本発明で取り上げられるオリゴマー化合物の結合親和性を高めるために、特に有用である。これらには、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリンが含まれる。5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖の安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示されていて(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,DsRNA Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278)、例示的な塩基置換であり、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わされると、さらに特に好ましい。

0082

上記の修飾された核酸塩基の特定のもの、ならびに他の修飾された核酸塩基の調製を教示する代表的な米国特許には、上記の米国特許第3,687,808号、ならびに米国特許第4,845,205号、第5,130,30号、第5,134,066号、第5,175,273号、第5,367,066号、第5,432,272号、第5,457,187号、第5,459,255号、第5,484,908号、第5,502,177号、第5,525,711号、第5,552,540号、第5,587,469号、第5,594,121号、第5,596,091号、第5,614,617号、および第5,681,941号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれ、米国特許第5,750,692号も、参照により本明細書に組み込まれる。

0083

共役体(conjugate)
本発明で取り上げられるdsRNAの別の修飾は、該dsRNAの活性、細胞分布、または細胞取り込みを亢進させる、1つもしくは複数の部分または共役体の該dsRNAへの化学的結合を伴う。かかる部分には、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acid.Sci.USA,1989,86:6553−6556)、コール酸(Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1994,4:1053−1060)、チオエーテル、例えば、ベリル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306−309、Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765−2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20:533−538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J,1991,10:1111−1118、Kabanov et al.,FEBSLett.,1990,259:327−330、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49−54)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−Hホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651−3654、Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777−3783)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14:969−973)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651−3654)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229−237)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ−カルボニルオキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923−937)等の脂質部分が含まれるが、これらに限定されない。

0084

かかるdsRNA共役体の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,828,979号、第4,948,882号、第5,218,105号、第5,525,465号、第5,541,313号、第5,545,730号、第5,552,538号、第5,578,717号、第5,580,731号、第5,591,584号、第5,109,124号、第5,118,802号、第5,138,045号、第5,414,077号、第5,486,603号、第5,512,439号、第5,578,718号、第5,608,046号、第4,587,044号、第4,605,735号、第4,667,025号、第4,762,779号、第4,789,737号、第4,824,941号、第4,835,263号、第4,876,335号、第4,904,582号、第4,958,013号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,245,022号、第5,254,469号、第5,258,506号、第5,262,536号、第5,272,250号、第5,292,873号、第5,317,098号、第5,371,241号、第5,391,723号、第5,416,203号、第5,451,463号、第5,510,475号、第5,512,667号、第5,514,785号、第5,565,552号、第5,567,810号、第5,574,142号、第5,585,481号、第5,587,371号、第5,595,726号、第5,597,696号、第5,599,923号、第5,599,928号、および第5,688,941号が含まれるが、これらに限定されず、当該特許はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。

0085

ある化合物の全ての位置が均一に修飾されている必要はなく、実際、前述の修飾のうちの2つ以上を単一化合物に、あるいはさらにはdsRNA内の単一ヌクレオシドに導入することができる。また、本発明は、キメラ化合物であるdsRNA化合物も含む。本発明の文脈において、「キメラ(chimeric)」dsRNA化合物または「キメラ(chimera)」は、dsRNA化合物であり、特に2つ以上の化学的にはっきりと異なる領域を含有し、それぞれ、少なくとも1つのモノマー単位、すなわち、dsRNA化合物の場合のヌクレオチドから作製される、dsRNAである。これらのdsRNAは、典型的には少なくとも1つの領域を含有し、該dsRNAは、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞取り込みの増加、および/または標的核酸に対する結合親和性の増加を該dsRNAに付与するように、修飾される。該dsRNAのさらなる領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを切断することができる酵素に対する基質としての役割を果たすことができる。一例として、RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。RNアーゼHの活性化は、したがって、RNA標的の切断をもたらし、それにより遺伝子発現のdsRNA阻害の効率を大きく亢進させる。それ故、キメラdsRNAが使用される場合、同一標的領域にハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシdsRNAと比較して、しばしばより短いdsRNAによって匹敵する結果を得ることができる。RNA標的の切断は、ゲル電気泳動、および必要であれば、当該技術分野において既知の関連する核酸ハイブリダイゼーション技法によって、日常的に検出することができる。

0086

特定の場合において、該dsRNAは、非リガンド基によって修飾されてもよい。多くの非リガンド分子が、dsRNAの活性、細胞分布、または細胞取り込みを亢進させるためにdsRNAに結合されており、かかる結合を行うための手順は、科学文献で入手可能である。かかる非リガンド部分には、コレステロール(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86:6553)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4:1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306、Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl. Acids Res.,1992,20:533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10:111、Kabanov et al.,FEBSLett.,1990,259:327、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651、Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14:969)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923)等の脂質部分が含まれている。かかるdsRNA結合体(conjugate)の調製を教示する代表的な米国特許は、上記に列記されている。典型的な結合プロトコルは、配列の1つもしくは複数の位置にアミノリンカーを有するdsRNAの合成を伴う。次いで、該アミノ基を、適切なカップリングもしくは活性化試薬を使用して、結合される分子と反応させる。この結合反応は、依然として固体支持体に結合されたdsRNAを用いて、または溶液相中でのdsRNAの切断後に実行することができる。典型的には、HPLCによってdsRNA結合体を精製して、純粋な結合体が得られる。

0087

ベクターによりコードされたdsRNA
本発明の別の態様では、SAAのdsRNA分子が、DNAもしくはRNAベクターに挿入された転写単位から発現される(例えば、Couture,A,et al.,TIG(1996),12:5−10、Skillern,Aらの国際PCT公開WO第00/22113号、Conradの国際PCT公開WO第00/22114号、およびConradの米国特許第6,054,299号を参照されたい)。これらの導入遺伝子は、線状構築物環状プラスミド、またはウイルスベクターとして導入することができ、宿主ゲノムに統合される導入遺伝子として導入されて、受け継がれ得る。また、導入遺伝子は、染色体外プラスミドとして受け継がれるのを可能にするように、構築することもできる(Gassmann,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995)92:1292)。

0088

dsRNAの個々の鎖を、2つの個別の発現ベクター上のプロモーターを用いて転写し、標的細胞に同時形質移入することができる。あるいは、dsRNAのそれぞれ個々の鎖を、いずれも同一発現プラスミド上に位置するプロモーターを用いて転写してもよい。一実施形態において、dsRNAは、dsRNAがステムアンドループ構造を有するように、リンカーポリヌクレオチド配列によって接合される逆方向反復として発現される。

0089

組換えdsRNA発現ベクターは、一般に、DNAプラスミドまたはウイルスベクターである。dsRNAを発現するウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(概評として、Muzyczka,et al.,Curr.Topics Micro.Immunol.(1992)158:97−129を参照)、アデノウイルス(例えば、Berkner,et al.,BioTechniques(1998)6:616)、Rosenfeld et al.(1991,Science 252:431−434)、およびRosenfeld et al.(1992)、Cell 68:143−155を参照))、またはアルファウイルス、ならびに当該技術分野において既知の他のものに基づいて構築することができるが、これらに限定されない。種々の遺伝子を、上皮細胞を含む多くの異なる細胞型にインビトロおよび/またはインビボで導入するために、レトロウイルスが使用されている(例えば、Eglitis,et al.,Science(1985)230:1395−1398、Danos and Mulligan,Proc.NatI.Acad.Sci.USA(1998)85:6460−6464、Wilson et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3014−3018、Armentano et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:61416145、Huber et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8039−8043、Ferry et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8377−8381、Chowdhury et al.,1991,Science 254:1802−1805、van Beusechem. et al.,1992,Proc.Nad.Acad.Sci.USA 89:7640−19、Kay et al.,1992,Human Gene Therapy 3:641−647、Dai et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892−10895、Hwu et al.,1993,J.Immunol.150:4104−4115、米国特許第4,868,116号、米国特許第4,980,286号、PCT出願WO第89/07136号、PCT出願WO第89/02468号、PCT出願WO第89/05345号、およびPCT出願WO第92/07573号を参照)。細胞のゲノムに挿入された遺伝子を形質導入して発現することができる組換えレトロウイルスベクターは、組換えレトロウイルスゲノムを、PA317およびPsi−CRIP等の好適なパッケージング細胞系形質移入することによって、産生することができる(Comette et al.,1991,Human Gene Therapy 2:5−10、Cone et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6349)。感受性宿主(例えば、ラットハムスターイヌ、およびチンパンジー)内の多岐にわたる細胞および組織を感染させるために、組換えアデノウイルスベクターを使用することができ(Hsu et al.,1992,J.Infectious Disease,166:769)、これは、感染に有糸分裂的に活性な細胞を必要としない利点も有する。

0090

発現されるdsRNA分子のコード配列受け入れることができる任意のウイルスベクターを使用することができ、例としては、アデノウイルス(AV)、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス(例えば、レンチウイルス(LV)、ラブドウイルスマウス白血病ウイルス)、ヘルペスウイルス等に由来するベクターである。ウイルスベクターの指向性は、エンベロープタンパク質もしくは他のウイルスからの他の表面抗原を用いて該ベクターをシュードタイピング(pseudotyping)することにより、または異なるウイルスのキャプシドタンパク質適宜置換することによって、修正することができる。

0091

例えば、本発明で取り上げられるレンチウイルスベクターは、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、狂犬病エボラ、モコラ等からの表面タンパク質でシュードタイピングすることができる。本発明で取り上げられるAAVベクターは、ベクターが異なるキャプシドタンパク質の血清型を発現するように操作することにより、異なる細胞を標的とするようにすることができる。例えば、血清型2のゲノム上に血清型2のキャプシドを発現するAAVベクターは、AAV2/2と称される。AAV2/2ベクター内のこの血清型2のキャプシド遺伝子を、血清型5のキャプシド遺伝子と置換して、AAV2/5ベクターを産生することができる。異なるキャプシドタンパク質血清型を発現するAAVベクターを構築するための技法は、当該技術分野の技能内であり、例えば、Rabinowitz J E et al.(2002),J Virol 76:791−801を参照されたく、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。

0092

本発明における使用に好適な組換えウイルスベクターの選択、dsRNAの発現のために核酸配列を該ベクターに挿入するための方法、および該ウイルスベクターを対象となる細胞に送達する方法は、当該技術分野の技能内である。例えば、Dornburg R(1995),Gene Therap.2:301−310、Eglitis M A(1988),Biotechniques 6:608−614、Miller A D(1990),Hum Gene Therap.1:5−14、Anderson W F(1998),Nature 392:25−30、およびRubinson D A et al.,Nat.Genet.33:401−406を参照されたく、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。

0093

ウイルスベクターは、AVおよびAAVに由来し得る。一実施形態において、本発明で取り上げられるdsRNAは、例えば、U6もしくはH1 RNAプロモーター、またはサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターのいずれかを有する組換えAAVベクターから、2つの別個の相補的な単鎖RNA分子として発現される。

0094

本発明で取り上げられるdsRNAを発現するために好適なAVベクター、組換えAVベクターを構築するための方法、該ベクターを標的細胞に送達するための方法は、Xia H et al.(2002),Nat.Biotech.20:1006−1010に記載されている。

0095

本発明で取り上げられるdsRNAを発現するために好適なAAVベクター、組換えAVベクターを構築するための方法、該ベクターを標的細胞に送達するための方法は、Samulski R et al.(1987),J.Virol.61:3096−3101、Fisher K J et al.(1996),J.Virol,70:520−532、Samulski R et al.(1989),J.Virol.63:3822−3826、米国特許第5,252,479号、米国特許第5,139,941号、国際特許出願WO第94/13788号、および国際特許出願WO第93/24641号に記載され、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。

0096

本発明で取り上げられるDNAプラスミドもしくはウイルスベクターのいずれか内でdsRNAの発現を駆動するプロモーターは、真核生物RNAポリメラーゼI(例えばリボソームRNAプロモーター)、RNAポリメラーゼII(例えばCMV初期プロモーター、もしくはアクチンプロモーター、もしくはU1 snRNAプロモーター)、または一般にRNAポリメラーゼIIIプロモーター(例えばU6 snRNAもしくは7SKRNAプロモーター)、あるいは原核生物プロモーター、例えば、発現プラスミドもT7プロモーターからの転写に必要なT7 RNAポリメラーゼをコードするという条件で、T7プロモーターであり得る。該プロモーターは、膵臓への導入遺伝子の発現を導くこともできる(例えば、the insulin regulatory sequence for pancreas(Bucchini et al.,1986,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2511−2515)を参照)。

0097

さらに、導入遺伝子の発現は、例えば、特定の生理的調節因子、例えば、循環ブドウ糖レベル、またはホルモンに感受性である調節配列等の、誘発可能な調節配列および発現系を使用することによって、正確に調節することができる(Docherty et al.,1994,FASEB J.8:20−24)。細胞または哺乳動物内の導入遺伝子の発現を制御するために好適である、かかる誘発可能な発現系には、エクジソンエストロゲンプロゲステロンテトラサイクリン二量化化学誘発物質、およびイソプロピルベータ−D1−チオガラクトピラノシド(EPTG)による調節が含まれる。当業者は、dsRNA導入遺伝子の目的とする用途に基づいて、適切な調節/プロモーター配列を選択することができよう。

0098

一般に、dsRNA分子を発現することができる組換えベクターは、以下に記載するように送達され、標的細胞内に持続する。代替として、dsRNA分子の一過性発現を提供するウイルスベクターを使用することができる。かかるベクターは、必要に応じて繰り返し投与することができる。発現すると、dsRNAは標的RNAに結合し、その機能または発現を調節する。dsRNAを発現するベクターの送達は、静脈内もしくは筋肉内投与等によって、患者から外植された標的細胞に投与後、該患者へ再導入することによって、または所望の標的細胞への導入を可能にする任意の他の手段等の送達によって、全身的であり得る。

0099

dsRNA発現DNAプラスミドは、典型的には、カチオン性脂質担体(例えばオリゴフェクタミン(Oligofectamine))、または非カチオン性脂質に基づく担体(例えばTransit−TKO(商標))との複合体として、標的細胞に形質移入される。1週間以上の期間にわたって、単一のSAA遺伝子の異なる領域または複数のSAA遺伝子を標的とする、dsRNAによって媒介されるノックダウンのための複数回の脂質の形質移入もまた、本発明によって企図される。ベクターの宿主細胞への導入の成功は、種々の既知の方法を使用して監視することができる。例えば、一過性形質移入は、緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光マーカー等のレポーターを用いて示すことができる。エクスビボ細胞の安定な形質移入は、形質移入細胞に、ハイグロマイシンB耐性等の、特定の環境因子(例えば、抗生物質および薬物)に対する耐性を提供するマーカーを使用して、保証することができる。

0100

また、SAAに特異的なdsRNA分子は、ベクターに挿入して、ヒト患者用の遺伝子療法ベクターとして使用することもできる。遺伝子療法ベクターは、例えば、静脈内注射局所投与(米国特許第5,328,470号を参照)、または定位固定注射(例えば、Chen et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054−3057を参照)によって、対象に送達することができる。遺伝子療法ベクターの医薬調製物は、許容される希釈剤中の遺伝子療法ベクターを含んでもよく、または遺伝子送達媒体が中に埋め込まれる徐放性マトリックスを含んでもよい。代替として、組換え細胞から、完全な遺伝子送達ベクター(例えば、レトロウイルスベクター)を無傷で産生することができる場合、医薬調製物は、遺伝子送達系を産生する1つもしくは複数の細胞を含んでもよい。

0101

III.dsRNAを含有する医薬組成物
一実施形態において、本発明は、本明細書に記載されるdsRNAを含有する医薬組成物と、医薬上許容される担体とを提供する。該dsRNAを含有する医薬組成物は、SAAの発現によって媒介される病理過程等の、SAA遺伝子の発現もしくは活性に関連する疾患もしくは障害の治療に有用である。かかる医薬組成物は、送達様式に基づいて製剤化される。一例は、非経口投与を介して、例えば、静脈(IV)送達による全身投与用に製剤化される組成物である。別の例は、例えば、持続ポンプ注入等による脳への注入によって、脳実質への直接送達用に製剤化される組成物である。

0102

一般に、dsRNAの好適な用量は、1日当たり受容者の体重1キログラムにつき0.01〜200.0ミリグラムの範囲、一般には、1日当たり体重1キログラムにつき0.1〜50または0.1〜5.0mgの範囲であろう。例えば、該dsRNAは、単回用量当たり0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、5.0mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgで投与することができる。該医薬組成物は、1日1回投与することができ、あるいは、該dsRNAは、1日にわたって適切な間隔で、2、3、またはそれ以上の分割用量(sub−dose)として、さらに、持続注入または放出制御製剤による送達を用いて投与されてもよい。その場合、各分割用量に含有されたdsRNAは、1日当たりの総投薬量を達成するように、対応してより小さくなければならない。また、投薬量単位は、例えば、数日間にわたって該dsRNAの持続放出を提供する、従来の持続放出製剤を使用して、数日間にわたる送達用に配合することもできる。持続放出製剤は当該技術分野において周知であり、本発明の薬剤を用いて使用され得る部位等の特定の部位での薬剤の送達に特に有用である。本実施形態では、投薬量単位は、対応する複数の1日量を含む。

0103

SAAレベル(またはSAA1およびSAA2レベルの両方)に対する単回用量の効果は長く続き、その結果、その後の用量は、3、4、もしくは5日以下の間隔で、または1、2、3、もしくは4週間以下の間隔で投与される。

0104

本発明には、脳に直接注射することによって送達することができる医薬組成物が含まれる。該注射は、脳の特定領域(例えば、黒質皮質海馬線条体、もしくは淡蒼球)への定位固定注射によるものであり得、該dsRNAは、中枢神経系への多重領域(例えば、脳の多重領域へ、および/または脊髄へ)に送達され得る。該dsRNAは、脳の拡散領域に送達(例えば、脳の皮質への拡散送達)され得る。

0105

一実施形態において、SAAを標的とするdsRNAは、カニューレ、または例えば、脳等の組織(例えば、脳の黒質、皮質、海馬、線条体、もしくは淡蒼球)内に埋め込まれた一端を有する他の送達デバイスを経由して送達され得る。該カニューレは、該dsRNA組成物の貯蔵所に接続することができる。流入または送達は、ポンプ、例えば、Alzetポンプ等の浸透圧ポンプもしくはミニポンプによって媒介され得る(Durect,Cupertino,CA)。一実施形態において、ポンプまたは貯蔵所は、組織から離れたエリア、例えば腹部内に埋め込まれ、送達は、ポンプまたは貯蔵所から放出部位に誘導する導管によって達成される。該dsRNA組成物の脳への注入は、数時間にわたって、または数日間、例えば、1、2、3、5、もしくは7日間、もしくはそれ以上であり得る。脳への送達用のデバイスは、例えば、米国特許第 6,093,180号、および第5,814,014号に記載されている。

0106

当業者には、以下の因子に限定されないが、疾患もしくは障害の重症度、以前の治療、総体的な健康、および/または対象の年齢、ならびに存在する他の疾患を含む特定の因子が、対象を効果的に治療するために必要とされる投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることが理解されよう。さらに、治療上有効な量の組成物を用いた対象の治療には、単回治療または一連の治療が含まれ得る。本発明により包含される個々のdsRNAに対する効果的な投薬量およびインビボ半減期推定は、従来の方法を使用して、または本明細書の他の箇所で記載される適切な動物モデルを使用したインビボ試験に基づいて、行うことができる。

0107

マウス遺伝学における進歩によって、SAAの発現によって媒介される病理過程等の種々のヒト疾患の研究用に、いくつかのマウスモデルが生成されている。かかるモデルは、dsRNAのインビボ試験、ならびに治療上有効な用量を決定するために使用される。好適なマウスモデルは、例えば、アデノウイルスベクターからヒトSAA1またはSAA2を発現するプラスミドを含有するマウスである。別の好適なマウスモデルは、ヒトSAA1またはSAA2を発現する導入遺伝子を保有する遺伝子導入マウスである。

0108

細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のためにさまざまな投薬量を調整するのに使用することができる。本発明で取り上げられる組成物の投薬量は、一般に、ほとんどまたは全く毒性のないED50を含む循環濃度の範囲内にある。該投薬量は、用いられる剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で異なってもよい。本発明で取り上げられる方法において使用されるいずれの化合物についても、治療上有効な用量は、まず細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、動物モデルにおいて、細胞培養において決定された、IC50(すなわち、症状の半値阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む、化合物、または適切な場合は、標的配列のポリペプチド産物の循環血漿濃度範囲(例えば、該ポリペプチドの濃度の低下を達成する)を達成するように、処方することができる。かかる情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。

0109

本発明で取り上げられるdsRNAは、標的遺伝子の発現によって媒介される病理過程の治療に効果的な他の既知の薬剤と併用して投与することができる。いずれの場合においても、投与する医師は、当該技術分野において既知であるか、または本明細書に記載される、標準的な有効性の測定値を使用して得られた結果に基づいて、dsRNA投与の量およびタイミングを調整することができる。

0110

投与
本発明はまた、本発明で取り上げられるdsRNA化合物を含む医薬組成物および製剤も含む。本発明の医薬組成物は、局所的または全身的な治療が所望されるか、および治療される範囲に依存して、さまざまな方法で投与することができる。投与は、局所的、噴霧器によってを含む、例えば、粉末もしくは噴霧剤吸入もしくは吹送による経気管内、鼻腔内、表皮および経皮、経口もしくは非経口であり得る。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腔内、もしくは筋肉内注射もしくは注入、または頭蓋内、例えば、実質内くも膜下腔内、もしくは脳室内投与が含まれる。

0111

局所投与用の医薬組成物および製剤には、経皮パッチ軟膏ローショングリーム、ゲルドロップ剤座薬スプレー液体、および粉末が含まれ得る。従来の医薬用担体、水性、粉末、もしくは油性基剤増粘剤等が必要であるか、または望ましくあり得る。被覆したコンドーム手袋等も有用であり得る。好適な局所製剤には、本発明で取り上げられるdsRNAが、脂質、リポソーム脂肪酸脂肪酸エステルステロイドキレート剤、および界面活性剤等の局所送達剤と混合されるものが含まれる。好適な脂質およびリポソームには、中性(例えば、ジオレオイルホスファチジルDOPE)エタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG))、ならびにカチオン性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピル(DOTAP)、およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOTMA))が含まれる。本発明で取り上げられるdsRNAは、リポソーム内カプセル化されてもよく、あるいはそれ、特にカチオン性リポソームと複合体を形成してもよい。代替として、dsRNAは、脂質、特にカチオン性脂質と複合されてもよい。好適な脂肪酸およびエステルには、アラキドン酸オレイン酸エイコサン酸ラウリン酸カプリル酸カプリン酸ミリスチン酸パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、モノオレイン、ジラウリングリセリル1−モノカプリン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンアシルカルニチンアシルコリン、またはC1−10アルキルエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピルIPM))、モノグリセリドジグリセリド、あるいはその医薬上許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。局所製剤は、米国特許第6,747,014号に詳細に記載され、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0112

経口投与用の組成物および製剤には、粉末もしくは顆粒微粒子ナノ粒子、水もしくは疎水性媒体中の懸濁液もしくは溶液カプセルゲルカプセルサシェット、錠剤、またはミニタブレットが含まれる。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤分散助剤、または結合剤が望ましくあり得る。幾つかの実施形態において、経口製剤とは、本発明で取り上げられるdsRNAが、1つもしくは複数の浸透促進剤、界面活性剤、およびキレート化剤と併用して投与されるものである。好適な界面活性剤には、脂肪酸および/またはそのエステルもしくは塩、胆汁酸および/またはその塩が含まれる。好適な胆汁酸/塩には、ケノデオキシコール酸(CDCA)およびウルソデオキシケノデオキシコール酸(UDCA)、コール酸、デヒドロコール酸デオキシコール酸グルコール酸(glucholic acid)、グリコール酸(glycholic acid)、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸タウロデオキシコール酸、タウロ−24,25−ジヒドロフシジン酸ナトリウム、ならびにグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムが含まれる。好適な脂肪酸には、アラキドン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプリン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、またはモノグリセリド、ジグリセリド、もしくはその医薬上許容される塩(例えば、ナトリウム)が含まれる。幾つかの実施形態において、浸透促進剤の組み合わせが使用され、例えば、胆汁酸/塩と組み合わせた脂肪酸/塩が挙げられる。例示的な1つの組み合わせは、ラウリン酸、カプリン酸、およびUDCAのナトリウム塩である。さらなる浸透促進剤には、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルが含まれる。本発明で取り上げられるdsRNAは、噴霧乾燥粒子を含む顆粒形態で経口的に送達されるか、または微小もしくはナノ粒子を形成するように複合されてもよい。dsRNA複合剤には、ポリアミノ酸類ポリイミン類ポリアクリレート類;ポリアルキルアクリレート類、ポリオキセタン類、ポリアルキルシアノアクリレート類;カチオン化ゼラチン類、アルブミン類、デンプン類アクリレート類ポリエチレングリコール類(PEG)、およびデンプン類;ポリアルキルシアノアクリレート類;DEAE誘導体化ポリイミン類、ポルラン(pollulan)類、セルロース類、およびデンプン類が含まれる。好適な複合剤には、キトサン、N−トリメチルキトサン、ポリ−L−リジンポリヒスチジンポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミンポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチルエチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えば、p−アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−ヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミンおよびDEAE−デキストランポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−co−グリコール酸(PLGA)、アルギン酸塩、ならびにポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。dsRNA用の経口製剤およびそれらの調製は、米国特許第6,887,906号、米国特許公開第20030027780号、および米国特許第6,747,014号に詳細に記載され、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0113

非経口、実質内(脳内への)、くも膜下腔内、脳室内、または肝内投与用の組成物および製剤には、滅菌水溶液が含まれてもよく、これも、浸透促進剤、担体化合物、および他の医薬上許容される担体もしくは賦形剤等の緩衝液、希釈剤(ただし、これらに限定されない)等の他の好適な添加剤を含有し得る。

0114

本発明の医薬組成物には、溶液、エマルジョン、およびリポソームを含有する製剤が含まれるが、これらに限定されない。これらの組成物は、予め形成された液体、自己乳化型固体および、自己乳化型半固体を含む種々の構成成分から生成することができるが、これらに限定されない。肝臓癌等の肝障害を治療する際に肝臓を標的とする製剤が特に好ましい。

0115

本発明の医薬製剤は、簡便に単位剤形で提示することができ、医薬産業において周知である従来の技法によって、調製することができる。かかる技法には、活性成分を1つもしくは複数の医薬用担体または1つもしくは複数の賦形剤といっしょにさせるステップが含まれる。一般に、該製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉化した固体担体、あるいはその両方と均一かつ密接にいっしょにさせ、次いで必要であれば該産物を成形することによって調製される。

0116

リポソーム製剤
薬物の製剤化用に研究されて、使用されているマイクロエマルジョンの他に、組織立った多くの界面活性剤の構造がある。これらには、単層ミセル二重層、および小胞が含まれる。リポソーム等の小胞(vesicle)は、薬物送達の観点から、それらが提示する特異性および作用の持続時間から、大きな関心を集めている。本発明において使用される、「リポソーム」という用語は、球状の1つまたは複数の二重層に配置された両親媒性脂質の小胞を意味する。

0117

リポソームは、親油性材料および水性の内部から形成される膜を有する、単層状または多層状の小胞である。その水性部分が、送達される組成物を含有する。カチオン性リポソームは、細胞壁に融合することができる利点を有する。非カチオン性のリポソームは、細胞壁とさほど効率的に融合することはできないが、マクロファージによってインビボで取り込まれる。

0118

哺乳動物の皮膚を無傷で通過するために、脂質小胞は、好適な経皮勾配の影響下、それぞれ50nm未満の直径を有する、一連の微細孔を通過しなければならない。したがって、高度に変形可能で、そのような微細孔を通過することができるリポソームを使用することが望ましい。

0119

リポソームのさらなる利点には、天然のリン脂質から得られたリポソームは、生体適合性および生分解性であること、リポソームは、広範な水溶性および脂溶性の薬物を組み込むことができること、リポソームは、それらの内部区画でカプセル化された薬物を、代謝および分解から保護することができること、が含まれる(Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245)。リポソーム製剤の調製において考慮すべき重要な事項は、脂質の表面電荷、小胞の大きさ、およびリポソームの水性容積である。

0120

リポソームは、作用部位への活性成分の移送および送達に有用である。リポソーム膜は、構造的生体膜と同様であるため、リポソームが組織に塗布されると、リポソームは細胞膜との融合を開始し、リポソームと細胞との融合が進行するに従って、リポソームの内容物が細胞内へ出て、そこで活性薬剤が作用し得る。

0121

リポソーム製剤は、多くの薬物のための送達様式として、広範な研究の焦点となっている。局所投与について、リポソームが他の製剤に勝る幾つかの利点を提示するという証拠が増えつつある。かかる利点には、投与された薬物の高度な体内吸収に関連する副作用の減少、投与された薬物の所望の標的での蓄積の増加、ならびに親水性および疎水性の両方の多岐にわたる薬物を皮膚へ投与する能力が含まれる。

0122

幾つかの報告は、高分子量のDNAを含む薬剤を皮膚へ送達するリポソームの能力について詳述している。鎮痛剤、抗体、ホルモン、および高分子量のDNAを含む化合物が、皮膚に投与されている。大半の適用が、表皮上層の標的化をもたらした。

0123

リポソームは、広義の2つのクラスに分類される。カチオン性リポソームは、負に荷電したDNA分子と相互に作用し、安定な複合体を形成する、正に荷電したリポソームである。この正に荷電したDNA/リポソーム複合体は、負に荷電した細胞表面と結合し、エンドソーム内に取り入れられる。エンドソーム内の酸性pHにより、リポソームが破裂し、その内容物を細胞の細胞質内に放出する(Wang et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,1987,147,980−985)。

0124

pH感受性であるか、または負に荷電したリポソームは、DNAと複合するのではなく、それを捕捉する。DNAおよび脂質はともに同様に荷電されているため、複合体形成ではなく反発が生じる。それでもなお、DNAの一部は、これらのリポソームの水性内部内に捕捉される。チミジンキナーゼ遺伝子をコードするDNAを培養下の細胞単層へ送達するために、pH感受性リポソームが使用されている。外因性遺伝子の発現が、標的細胞中で検出された(Zhou et al.,Journal of Controlled Release,1992,19,269−274)。

0125

リポソーム組成物の1つの主要な種類には、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質が含まれる。例えば、中性のリポソーム組成物は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、またはジパルミトイルホスファチジルコリンDPPC)から形成することができる。アニオン性のリポソーム組成物は、一般にジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成され、一方アニオン性の膜融合性リポソームは、主にジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。リポソーム組成物の別の種類は、例えば、大豆ホスファチジルコリン、およびホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン(PC)から形成される。別の種類は、リン脂質、および/またはホスファチジルコリン、および/またはコレステロールの混合物から形成される。

0126

幾つかの研究が、リポソーム製剤の皮膚への局所送達を評価している。インターフェロンを含有するリポソームのモルモット皮膚への塗布は、皮膚ヘルペス炎の軽減をもたらし、一方他の手段(例えば、溶液またはエマルジョンとして)を介したインターフェロンの送達は効果がなかった(Weiner et al.,Journal of Drug Targeting,1992,2,405−410)。さらに、さらなる研究は、リポソーム製剤の一部として投与されたインターフェロンの、水性系を使用するインターフェロンの投与に対する有効性を試験し、リポソーム製剤は水溶性投与より優れていると結論付けた(du Plessis et al.,Antiviral Research,1992,18,259−265)。

0127

また、非イオン性リポソーム系は、特に非イオン性界面活性剤およびコレステロールを含む系における、薬物の皮膚への送達の実用性を決定するために調べられている。Novasome(商標)I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)およびNovasome(商標)II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む非イオン性のリポソーム製剤が、シクロスポリンAマウス皮膚真皮に送達するために使用された。結果は、かかる非イオン性のリポソーム系が、皮膚の異なる層へのシクロスポリンAの沈着の促進に効果的であることを示した(Hu et al.S.T.P.Pharma.Sci.,1994,4,6,466)。

0128

また、リポソームには、「立体的に安定化された」リポソームが含まれ、該用語は、本明細書で使用される場合、1つもしくは複数の特定化された脂質を含むリポソームを指し、リポソームに組み込まれると、かかる特定化された脂質を欠くリポソームと比較して、循環寿命の向上をもたらす。立体的に安定化されたリポソームの例は、リポソームの小胞を形成する脂質部分の一部が、(A)モノシアロガングリオシドGM1等の1つもしくは複数の糖脂質を含むか、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分等の1つもしくは複数の親水性ポリマーで誘導体化されるものである。いずれの特定の理論にも束縛されるものではないが、少なくともガングリオシド、スフィンゴミエリン、またはPEG誘導体化脂質を含有する立体的に安定化されたリポソームについて、これらの立体的に安定化されたリポソームの循環半減期の増加は、細網内皮系(RES)の細胞内への取り込みの減少に由来すると、当該技術分野では考えられている(Allen et al.,FEBSLetters,1987,223,42、Wu et al.,Cancer Research,1993,53,3765)。

0129

1つもしくは複数の糖脂質を含む種々のリポソームが当該技術分野において既知である。Papahadjopoulosら(Ann.N.Y.Acad.Sci.,1987,507,64)は、モノシアロガングリオシドGM1、ガラクトセレブロシド硫酸、およびホスファチジルイノシトールの、リポソームの血中半減期を改善する能力について報告した。これらの所見は、Gabizonら(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1988,85,6949)によって詳しく説明されている。ともにAllenらに認可された、米国特許第4,837,028号および国際公開WO第88/04924号は、(1)スフィンゴミエリン、および(2)ガングリオシドGM1もしくはガラクトセレブロシド硫酸エステルを含むリポソームを開示している。米国特許第5,543,152号(Webbら)は、スフィンゴミエリンを含むリポソームを開示している。1,2−sn−ジミリストイルホスファチジルコリンを含むリポソームは、国際公開WO第97/13499号(Limら)に開示されている。

0130

1つもしくは複数の親水性ポリマーによって誘導体化された脂質を含む多くのリポソーム、およびその調製方法は、当該技術分野において既知である。Sunamotoら (Bull.Chem.Soc.Jpn.,1980,53,2778)は、PEG部分を含有する非イオン性界面活性剤、2C1215Gを含むリポソームについて記載している。Illumら(FEBSLett.,1984,167,79)は、ポリスチレン粒子ポリマーグリコールによる親水性コーティングが、血中半減期の著しい増加をもたらすことを指摘している。ポリアルキレングリコール(例えば、PEG)のカルボン酸基の結合によって修飾された合成リン脂質が、Sears(米国特許第4,426,330号、および第4,534,899号)によって記載されている。Klibanovら(FEBS Lett.,1990,268,235)は、PEGまたはステアリン酸PEGによって誘導体化されたホスファチジルエタノールアミン(PE)を含むリポソームが、血中循環半減期の著しい増加を有することを示す実験について記載している。Blumeら(Biochimica et Biophysica Acta,1990,1029,91)は、このような観察を、他のPEG誘導体化リン脂質、例えば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)とPEGとの混合から形成されるDSPE−PEGに広げた。外部表面に共有結合されたPEG部分を有するリポソームが、欧州特許EP第0 445 131 B1号および国際公開WO第90/04384号(Fisher)に記載されている。PEGによって誘導体化された1〜20モルパーセントのPEを含有するリポソーム組成物、およびその使用方法が、Woodleら(米国特許第5,013,556号、および第5,356,633号)、ならびにMartinら(米国特許第5,213,804号および欧州特許EP第0 496 813 B1号)によって記載されている。他のいくつかの脂質−ポリマー結合体を含むリポソームが、国際公開WO第91/05545号および米国特許第5,225,212号(ともにMartinらに認可された)、ならびに国際公開WO第94/20073号(Zalipskyら)に開示されている。PEG修飾セラミド脂質を含むリポソームが、国際公開WO第96/10391号(Choiら)に記載されている。米国特許第5,540,935号(Miyazakiら)および米国特許第5,556,948号(Tagawaら)は、表面に官能基部分をさらに誘導体化することができるPEG含有リポソームについて記載している。

0131

核酸を含むいくつかのリポソームが当該技術分野において既知である。Thierryらの国際公開WO第96/40062号は、高分子量の核酸をリポソーム中にカプセル化するための方法を開示している。Tagawaらの米国特許第5,264,221号は、タンパク質結合リポソームを開示し、かかるリポソームの内容物にはdsRNAが含まれ得ると主張している。Rahmanらの米国特許第5,665,710号は、オリゴデオキシヌクレオチドをリポソーム中にカプセル化する特定の方法について記載している。Loveらの国際公開WO第97/04787号は、raf遺伝子を標的とするdsRNAを含むリポソームを開示している。

0132

トランスファーソームはさらに別の種類のリポソームであり、薬物送達媒体興味を引く候補物質である、高度に変形可能な脂質凝集物である。トランスファーソームは脂質小滴として記載されてもよく、これは、高度に変形可能であるため、この小滴より小さな孔に容易に浸透することができる。トランスファーソームは、それらが使用される環境に適合可能であり、例えば、自己最適化性(皮膚の孔の形状に適合する)、自己修復性であり、しばしば断片化されることなく標的に到達し、しばしば自己負荷性(self−loading)である。トランスファーソームを作製するために、標準的なリポソーム組成物に、表面エッジアクチベータ(surface edge−activator)、通常界面活性剤を添加することができる。トランスファーソームは、血清アルブミンを皮膚へ送達するために使用されている。血清アルブミンのトランスファーソームによって媒介される送達は、血清アルブミンを含有する溶液の皮下注射と同様に効果的であることが示されている。

0133

界面活性剤は、エマルジョン(マイクロエマルジョンを含む)およびリポソーム等の製剤中に幅広い用途を見出す。天然および合成の両方の、多くの異なる種類の界面活性剤の性質を分類および順位付ける最も一般的な方法は、親水性/親油性バランスHLB)の使用によるものである。親水性基(「頭部基」としても知られる)の性質が、製剤に使用される異なる界面活性剤を分類するための最も有用な手段を提供する(Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。

0134

界面活性剤分子イオン化されていない場合、これは、非イオン性界面活性剤として分類される。非イオン性界面活性剤は、医薬品および化粧品に幅広い用途を見出し、広範なpH値にわたって使用可能である。一般に、それらのHLB値は、その構造に依存して、2〜約18の範囲である。非イオン性界面活性剤には、エチレングリコールエステルプロピレングリコールエステルグリセリルエステルポリグリセリルエステル、ソルビタンエステルスクロースエステル、およびエトキシ化エステル等の非イオン性エステルが含まれる。脂肪アルコールエトキシ化物(ethoxylate)、プロポキシ化(propoxylated)アルコール、およびエトキシ化/プロポキシ化ブロックポリマー等の非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルも、このクラスに含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤が、非イオン性界面活性剤のクラスのうちで最も一般的な構成物質である。

0135

界面活性剤分子が水中に溶解または分散された時に負の電荷を保有する場合、その界面活性剤は、アニオン性として分類される。アニオン性界面活性剤には、石鹸等のカルボン酸塩アシルラクチレート、アミノ酸のアシルアミドアルキル硫酸塩およびエトキシ化アルキル硫酸塩等の硫酸のエステル、アルキルベンゼンスルホネートアシルイセチオネート(isethionate)、アシルタウレート(taurate)、およびスルホコハク酸塩等のスルホネート、ならびにリン酸塩が含まれる。アニオン性界面活性剤のクラスのうちで最も重要な構成物質は、アルキル硫酸塩および石鹸である。

0136

界面活性剤分子が正の荷電を保有する場合、それが水中に溶解または分散されると、その界面活性剤はカチオン性として分類される。カチオン性界面活性剤には、第四アンモニウム塩およびエトキシ化アミンが含まれる。第四アンモニウム塩がこのクラスで最も使用される構成物質である。

0137

界面活性剤分子が正または負の電荷のいずれをも保有する能力を有する場合、その界面活性剤は、両性として分類される。両性界面活性剤には、アクリル酸誘導体置換アルキルアミド、N−アルキルベタイン、およびフォスファチドが含まれる。

0138

薬品、製剤、およびエマルジョン中の界面活性剤の使用が概評されている(Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。

0139

SNALP
一実施形態において、本発明で取り上げられるdsRNAは、脂質製剤中に完全にカプセル化されて、SPLP、pSPLP、SNALP、または他の核酸脂質粒子を形成する。本明細書で使用される、「SNALP」という用語は、SPLPを含む安定な核酸脂質粒子を指す。本明細書で使用される、「SPLP」という用語は、脂質小胞内にカプセル化されたプラスミドDNAを含む核酸脂質粒子を指す。SNALPおよびSPLPは、典型的には、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、および粒子凝集を阻止する脂質(例えば、PEG脂質結合体)を含有する。SNALPおよびSPLPは、静脈内(i.v.)注射後に長時間の循環寿命を呈し、遠位の部位(例えば、投与部位から物理的に離れた部位)に蓄積するため、全身適用に非常に有用である。SPLPには、「pSPLP」が含まれ、これには、PCT公開WO第00/03683号に記載されるカプセル化された縮合剤と核酸との複合体が含まれる。本発明の粒子は、典型的には約50nm〜約150nm、より典型的には約60nm〜約130nm、より典型的には約70nm〜約110nm、最も典型的には約70〜約90nmの平均直径を有し、実質的に無毒である。さらに、該核酸は、本発明の核酸脂質粒子中に存在する場合、水溶液中でヌクレアーゼによる分解に抵抗性である。核酸脂質粒子およびその調製方法は、例えば、米国特許第5,976,567号、第5,981,501号、第6,534,484号、第6,586,410号、第6,815,432号、およびPCT公開WO第96/40964号に開示されている。

0140

一実施形態において、脂質の薬物に対する比率(質量/質量比率)(例えば、脂質のdsRNAに対する比率)は、約1:1〜約50:1、約1:1〜約25:1、約3:1〜約15:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、または約6:1〜約9:1、または5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、もしくは11:1の範囲内であろう。

0141

カチオン性脂質は、例えば、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルクロライドDODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミドDDAB)、N−(I−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルクロライド(DOTAP)、N−(I−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルクロライド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジリノレイルオキシ(DiLinoleyloxy)−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジリノレニルオキシ(Dilinolenyloxy)−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、1,2−ジリノレイルカルバモイルオキシ(Dilinoleylcarbamoyloxy)−3−ジメチルアミノプロパン(Dlin−C−DAP)、1,2−ジリノレイオキシ(Dilinoleyoxy)−3−(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(Dlin−DAC)、1,2−ジリノレイオキシ−3−モルホリノプロパン(Dlin−MA)、1,2−ジリノレオイル−3−ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2−ジリノレイルチオ(Dilinoleylthio)−3−ジメチルアミノプロパン(Dlin−S−DMA)、1−リノレオイル−2−リノレイルオキシ(linoleyloxy)−3−ジメチルアミノプロパン(Dlin−2−DMAP)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロライド塩(Dlin−TMA.Cl)、1,2−ジリノレオイル−3−トリメチルアミノプロパンクロライド塩(Dlin−TAP.Cl)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−(N−メチルピペラジノ)プロパン(Dlin−MPZ)、または3−(N,N−ジリノレイルアミノ(Dioleylamino)−1,2−プロパンジオール(DlinAP)、3−(N,N−ジオレイルアミノ)−1,2−プロパンジオ(propanedio)(DOAP)、1,2−ジリノレイルオキソ(Dilinoleyloxo)−3−(2−N,N−ジメチルアミノ)エトキシプロパン(Dlin−EG−DMA)、1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2−ジリノレイル(Dilinoleyl)−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソラン(Dlin−K−DMA)、またはそれらの類似体、あるいはそれらの混合物であり得る。カチオン性脂質は、粒子中に存在する総脂質の約20モル%〜約60モル%、または約40モル%、50モル%、51モル%、52モル%、53モル%、54モル%、55モル%、56モル%、57モル%、58モル%、59モル%、または60モル%からなり得る。

0142

別の実施形態において、脂質−siRNAナノ粒子を調製するために、カチオン性脂質である、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(脂質A)を使用することができる。2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(脂質A)の合成については、2008年10月23日出願の米国仮特許出願第61/107,998号に記載され、当該特許は、参照により本明細書に組み込まれる。

0143

一実施形態において、脂質−siRNA粒子には、40%の2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(脂質A)、10% DSPC、40%のコレステロール、10%のPEG−C−DOMG(モルパーセント)が含まれ、粒径63.0±20nmおよび0.027のsiRNA/脂質比である。

0144

非カチオン性脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル−ホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、16−O−モノメチルPE、16−O−ジメチルPE、18−1−トランスPE、1−ステアロイル−2−オレオイル−ホスファジエタノールアミン(SOPE)、コレステロール、またはそれらの混合物を含むが、これらに限定されない、アニオン性脂質または中性脂質であり得る。非カチオン性脂質は、コレステロールが含まれる場合、粒子中に存在する総脂質の約5モル%〜約90モル%、約10モル%、または約58モル%であり得る。幾つかの実施形態において、非カチオン性脂質は、約7モル%〜約8モル%、または7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0モル%である。

0145

粒子の凝集を阻害する複合脂質(conjugated lipid)は、例えば、制限されないが、PEG−ジアシルグリセロール(DAG)、PEG−ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG−リン脂質、PEG−セラミド(Cer)、またはそれらの混合物を含む、ポリエチレングリコール(PEG)−脂質であり得る。PEG−DAA複合体は、例えば、PEG−ジラウリルオキシプロピル(Ci2)、PEG−ジミリスチルオキシプロピル(Ci4)、PEG−ジパルミチルオキシプロピル(Ci6)、またはPEG−ジステアリルオキシプロピル(Ci8)であり得る。粒子の凝集を阻止する複合脂質は、粒子中に存在する総脂質の0モル%〜約20モル%、または約2モル%であり得る。

0146

幾つかの実施形態において、該核酸脂質粒子には、例えば、粒子中に存在する総脂質の約10モル%〜約60モル%、または約48モル%のコレステロールがさらに含まれる。

0147

LNP01
一実施形態において、脂質様(lipidoid)ND98−4HCl(MW1487)(式1)、コレステロール(Sigma−Aldrich)、およびPEG−Ceramide C16(Avanti Polar Lipids)を使用して、脂質−siRNAナノ粒子(すなわち、LNP01粒子)を調製することができる。それぞれエタノール中の原液を、ND98、133mg/ml;コレステロール、25mg/ml;PEG−Ceramide C16、100mg/mlのように調製することができる。次いで、ND98、コレステロール、およびPEG−Ceramide C16の原液を、例えば、42:48:10のモル比に混合することができる。この混合された脂質溶液は、最終エタノール濃度が約35〜45%、および最終酢酸ナトリウム濃度が約100〜300mMになるように、(例えば、酢酸ナトリウム(pH5)中の)siRNA水溶液と混合することができる。脂質−siRNAナノ粒子は、典型的には、混合時に自然発生的に形成される。所望の粒径分布に依存して、得られたナノ粒子混合物は、例えば、Lipex Extruder(Northern Lipids,Inc)等のサーモバレル押出機(thermobarrel extruder)を使用して、ポリカーボネート膜(例えば、100nmカットオフ)を通して押し出すことができる。場合によっては、押出ステップは割愛されてもよい。エタノール除去および同時の緩衝液交換は、例えば、透析または接線流濾過によって達成することができる。緩衝液は、例えば、約pH7、例えば、約pH6.9、約pH7.0、約pH7.1、約pH7.2、約pH7.3、または約pH7.4のリン酸緩衝食塩水PBS)と交換することができる。

0148

0149

LNP01製剤については、例えば、国際出願公開WO第2008/042973号に記載されており、当該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。

0150

さらなる例示的な脂質−siRNA製剤は、以下の通りである。

0151

0152

本発明の組成物は、錠剤、カプセル、ゲルカプセル、液体シロップ軟質ゲル、坐薬、および浣腸(ただし、これらに限定されない)等の考えられる多くの剤形のうちのいずれかに製剤化することができる。また、本発明の組成物は、水性、疎水性、または混合媒体中の懸濁液として製剤化することもできる。水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁液の粘度を増加させる物質をさらに含有することができる。また、当該懸濁液は、安定剤も含有することができる。

0153

エマルジョン
本発明の組成物は、エマルジョンとして調製および製剤化することができる。エマルジョンは、典型的には、1つの液体が、通常直径0.1μmを超える液滴の形態の別の液体中に分散された多相系である(Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199、Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Volume 1,p.245、Block in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 2,p.335、Higuchi et al.,in Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1985,p.301)。エマルジョンは、しばしば、互いに密接に混合および分散される、2つの非混合性の液相を含む二相系である。一般に、エマルジョンは、油中水(w/o)型または水中油(o/w)型のいずれかの種類であり得る。水相が、大部分を占める油相中微細に分割されて、微小液滴として分散される場合、得られる組成物は、油中水(w/o)型エマルジョンと称される。あるいは、油相が、大部分を占める水相中に微細に分割されて、微小液滴として分散される場合、得られる組成物は、水中油(o/w)型エマルジョンと称される。エマルジョンは、分散相に加えてさらなる構成成分と、水相または油相のいずれか中の溶液として、またはそれ自体別個の相として存在し得る、活性薬物とを含有することができる。また、乳化剤、安定剤、染料、および抗酸化剤等の医薬用賦形剤が、必要に応じてエマルジョン中に存在してもよい。また、医薬用エマルジョンは、例えば、油中水中油(o/w/o)型および水中油中水(w/o/w)型エマルジョンの場合等の、3つ以上の相を含む、多重エマルジョンであってもよい。このような複合製剤は、しばしば、単純な二元エマルジョンが提供しない、特定の利点を提供する。o/w型エマルジョンの個々の油滴が小さな水滴を囲む多重エマルジョンは、w/o/w型エマルジョンを構成する。同様に、油の連続相中で安定化された水の小球内に囲まれた油滴の系は、o/w/o型エマルジョンを形成する。

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