図面 (/)

技術 チアゾリウム塩化合物及びタンパク質老化疾患を治療する用途

出願人 ベイジン・モレキュール・サイエンス・アンド・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
発明者 リー、ソーンジョーン、ウーワーン、リーリージュヨン、ジービーンツゥイ、ハオシヤオ、ジュインハイチュヨン、ガーンシエ、ユインドーアジャーン、ビーン
出願日 2009年9月15日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2011-527183
公開日 2012年2月2日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2012-502929
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 左室後壁 残留化合物 心室カテーテル チアゾリウムクロリド 収縮運動 破壊効果 有意性検定 破壊率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年2月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題・解決手段

式Iのチアゾリウム塩化合物及びその水和物、並びに医薬組成物、並びにタンパク質老化に関連する疾患を治療又は緩和する製品の製造における、歯の変色を抑制するか、若しくは回復させる経口製剤の製造における、又は作物中植物タンパク質若しくは動物タンパク質老化防止剤の製造におけるその使用:

化1】

概要

背景

特許文献1は、下記式IIIによって表される3−ベンジルオキシカルボニルメチル−4−メチル−チアゾール−3−ブロミド等のチアゾリウム類を開示している:

(式III)

ラットにおける経口投与による、及びビーグルにおける経口投与による3−ベンジルオキシカルボニルメチル−4−メチル−チアゾール−3−ブロミドの包括薬物動態研究、並びにマウスにおける該化合物のin vivoでの組織分布から、該化合物がAGEsに対して優れた破壊効果を有することが示される。しかしながら、AGEに対して優れた破壊効果を有する、構造のより単純な化合物を開発及び探求することが依然として望まれている。

概要

式Iのチアゾリウム塩化合物及びその水和物、並びに医薬組成物、並びにタンパク質老化に関連する疾患を治療又は緩和する製品の製造における、歯の変色を抑制するか、若しくは回復させる経口製剤の製造における、又は作物中植物タンパク質若しくは動物タンパク質老化防止剤の製造におけるその使用:

目的

本発明の目的は、既に形成されたAGEsを破壊してタンパク質の架橋を予防する、架橋タンパク質を破壊してタンパク質代謝を促進する、さらにはin vivoでのAGEsレベルの上昇によって生じる様々な病理変化を改善する(例えば、皮膚弾力性を増大させるか、若しくは皮膚のしわを減らす、糖尿病を治療する、又は糖尿病の後遺症腎損傷血管損傷高血圧症網膜症水晶体タンパク質損傷、白内障末梢神経疾患若しくは変形性関節症を治療若しくは緩和する、又は心血管系硬化を改善する、又は慢性心不全を治療する、又は高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度を増大させる)、AGEsの小分子破壊剤を探求及び開発することである

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式I:(式中、MはNa又はKであり、XはBr、Cl又はIである)の化合物、又はその溶媒和物

請求項2

3−カルボキシメチル−4−メチルチアゾリウムブロミドナトリウム塩、又は3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムクロリドナトリウム塩である、請求項1に記載の化合物。

請求項3

請求項1又は2に記載の化合物及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む組成物

請求項4

(i)皮膚弾力性を改善するか、又は皮膚のしわを減らす製品、(ii)糖尿病治療する製品、(iii)糖尿病の後遺症を治療又は緩和する製品、(iv)腎損傷を治療又は緩和する製品、(v)血管損傷を治療又は緩和する製品、(vi)高血圧症を治療又は緩和する製品、(vii)網膜症を治療又は緩和する製品、(viii)水晶体タンパク質損傷を治療又は緩和する製品、(ix)白内障を治療又は緩和する製品、(x)末梢神経疾患を治療又は緩和する製品、(xi)変形性関節症を治療又は緩和する製品を含むが、これらに限定されない、タンパク質老化に関連する疾患を治療又は緩和する製品の製造への請求項1又は2に記載の化合物の使用。

請求項5

動物においてinvivoでの歯の着色を回復させる経口製剤、又は歯の着色を予防するか、若しくは回復させる他の経口製剤の製造への請求項1又は2に記載の化合物の使用。

請求項6

作物植物タンパク質又は動物タンパク質に対する老化防止剤の製造への請求項1又は2に記載の化合物の使用。

技術分野

0001

本発明は、チアゾリウム化合物、該化合物を調製するプロセス、活性成分として該化合物を含み、薬学的に及び/又は化粧品的許容可能な担体賦形剤又は希釈剤を含む組成物、並びにAGEs(終末糖化産物、AGEs)に関連する疾患若しくは症状を予防若しくは治療するため、(i)皮膚弾力性を改善するか、若しくは皮膚のしわを減らすため、(ii)糖尿病を治療するため、(iii)糖尿病の後遺症を治療若しくは緩和するため、(iv)腎損傷を治療若しくは緩和するため、(v)血管損傷を治療若しくは緩和するため、(vi)高血圧症を治療若しくは緩和するため、(vii)網膜症を治療若しくは緩和するため、(viii)水晶体タンパク質損傷を治療若しくは緩和するため、(ix)白内障を治療若しくは緩和するため、(x)末梢神経疾患を治療若しくは緩和するため、(xi)変形性関節症を治療若しくは緩和するため、心血管系硬化を改善するため、高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度を増大させるため、慢性心不全を治療するため、歯の着色を予防するか、若しくは回復させる経口製剤を製造するため、又は様々な作物植物タンパク質及び動物タンパク質に対する老化防止剤を製造するための該化合物の使用に関する。

背景技術

0002

特許文献1は、下記式IIIによって表される3−ベンジルオキシカルボニルメチル−4−メチル−チアゾール−3−ブロミド等のチアゾリウム類を開示している:

0003

(式III)

0004

ラットにおける経口投与による、及びビーグルにおける経口投与による3−ベンジルオキシカルボニルメチル−4−メチル−チアゾール−3−ブロミドの包括薬物動態研究、並びにマウスにおける該化合物のin vivoでの組織分布から、該化合物がAGEsに対して優れた破壊効果を有することが示される。しかしながら、AGEに対して優れた破壊効果を有する、構造のより単純な化合物を開発及び探求することが依然として望まれている。

先行技術

0005

中国特許第200610002391.6号

課題を解決するための手段

0006

本発明の目的は、既に形成されたAGEsを破壊してタンパク質の架橋を予防する、架橋タンパク質を破壊してタンパク質代謝を促進する、さらにはin vivoでのAGEsレベルの上昇によって生じる様々な病理変化を改善する(例えば、皮膚弾力性を増大させるか、若しくは皮膚のしわを減らす、糖尿病を治療する、又は糖尿病の後遺症、腎損傷、血管損傷、高血圧症、網膜症、水晶体タンパク質損傷、白内障、末梢神経疾患若しくは変形性関節症を治療若しくは緩和する、又は心血管系の硬化を改善する、又は慢性心不全を治療する、又は高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度を増大させる)、AGEsの小分子破壊剤を探求及び開発することである。また、タンパク質中の架橋構造の破壊剤が作用するグリコシル化タンパク質ヒトタンパク質に限定されず、作物の植物タンパク質又は動物タンパク質も含むため、該破壊剤は作物の植物タンパク質及び動物タンパク質の鮮度保持にさらに有用であり得る。

0007

式Iの化合物が、タンパク質のグリコシル化によって引き起こされる多くの疾患の治療及び/又は予防、心血管系の硬化の改善、高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度の増大、又は慢性心不全の治療に有用であり得ることが本発明者らによって見出されている。

0008

式Iの化合物又はその溶媒和物の組成物が、特許文献1に開示されている好ましい化合物である3−ベンジルオキシカルボニルメチル−4−メチル−チアゾール−3−ブロミド(式IIIを参照されたい)と比較して、同程度のAGEに対する破壊活性及びより安定な薬物動態特性を有することも見出されている。

0009

したがって、本発明の第1の態様は、式I:

0010

0011

(式中、
MはNa又はKであり、
XはBr、Cl又はIである)の化合物又はその溶媒和物に関する。

0012

本発明の別の態様は、式Iの化合物を調製するプロセスであって、
a)4−メチルチアゾールと、クロロ酢酸又はブロモ酢酸とを反応させること:

0013

0014

(式中、XはBr又はCl又はIである)、及び
b)式IIの化合物と塩基とを反応させて、式Iの化合物を得ること:

0015

0016

(式中、
MはNa又はKであり、
XはBr又はCl又はIである)を含む、プロセスに関する。

図面の簡単な説明

0017

3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムブロミドナトリウム塩X線回折による構造図である。

0018

上記の方法に使用される塩基としては、水酸化ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸ナトリウム水酸化カリウム炭酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。

0019

本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの式Iの化合物、又はその溶媒和物、組成物に一般に使用される担体又は賦形剤を含む組成物に関する。該担体又は賦形剤としては、薬剤、化粧品又は食品に一般に使用される担体又は賦形剤が挙げられるが、これらに限定されない。

0020

本発明の一態様は、タンパク質グリコシル化によって引き起こされる様々な疾患の予防及び/又は治療のための薬剤の製造への少なくとも1つの式Iの化合物、又はその溶媒和物の使用に関する。

0021

本発明は、タンパク質グリコシル化によって引き起こされる様々な疾患を予防及び/又は治療する方法であって、予防及び/又は治療を必要とする患者に、少なくとも1つの式Iの化合物、又はその溶媒和物を予防的及び/又は治療的に有効な量投与することを含む、方法にさらに関する。

0022

本発明の破壊剤が作用するグリコシル化タンパク質はヒトタンパク質に限定されず、作物の植物タンパク質又は動物タンパク質も含むため、本発明の破壊剤又はその組成物は、さらに鮮度保持に使用され得る。

0023

本発明によると、本発明の式Iの化合物又はその溶媒和物は、好ましくは以下の化合物である:

0024

0025

本発明の組成物は、例えば医薬組成物若しくは化粧品組成物又は他の形態であり得る。

0026

本発明の医薬組成物は、有効量の本発明の式Iの化合物又はその溶媒和物、及び1つ又は複数の好適な薬学的に許容可能な担体を含む。該薬学的に許容可能な担体としては、イオン交換体アルミナステアリン酸アルミニウムレシチンヒト血清アルブミン等の血清タンパク質リン酸塩等の緩衝剤グリセリンソルビン酸ソルビン酸カリウム、グリセリンによって部分的にエステル化された飽和植物性脂肪酸の混合物、水、硫酸プロタミンリン酸水素二ナトリウムリン酸水素カリウム塩化ナトリウム亜鉛塩コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム等の塩又は電解質、ポリビニルピロリドンセルロース系材料ポリエチレングリコールカルボキシメチルセルロースナトリウムポリアクリレート蜜ろう及びラノリンが挙げられるが、これらに限定されない。

0027

本発明の化合物は、架橋タンパク質の強力な破壊剤の類であり、グリコシル化タンパク質を破壊する良好な能力を有し、したがって(i)皮膚弾力性を増大させるか、又は皮膚のしわを減らす際、(ii)糖尿病を治療するため、(iii)糖尿病の後遺症を治療又は緩和するため、(iv)腎損傷を治療又は緩和するため、(v)血管損傷を治療又は緩和するため、(vi)高血圧症を治療又は緩和するため、(vii)網膜症を治療又は緩和するため、(viii)水晶体タンパク質損傷を治療又は緩和するため、(ix)白内障を治療又は緩和するため、(x)末梢神経疾患を治療又は緩和するため、(xi)変形性関節症を治療又は緩和するために使用することができるが、これに限定されない。

0028

本発明の化合物は、心血管系の硬化を十分に改善することができる。

0029

本発明の化合物は、高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度を十分に改善することができる。

0030

本発明の化合物は、慢性心不全を治療するために使用することができる。

0031

本発明の化合物は、口腔内での非酵素的グリコシル化によって引き起こされる歯の着色を予防するか、又は回復させるためにさらに使用することができる。本発明の化合物の投与計画は、使用目的に応じて変更することができる。

0032

口腔内で起こる非酵素的反応は、歯の着色をもたらし得る。現在使用されている抗歯垢形成剤は、このグリコシル化反応、さらには歯の着色を加速し得る。最近では、抗歯垢形成特性を有するカチオン性殺菌剤類が従来の口腔清掃において使用されている。これらのカチオン性殺菌剤としては、アレキシジン塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。これらの薬剤はグリコシル化反応、すなわちメイラード反応の重要な段階を加速し、それにより歯の着色を加速し得る(Nordbo, J. Dent. Res., 58:1429 (1979))。さらに、クロルヘキシジン及び塩化ベンザルコニウムがグリコシル化反応(褐変反応)を触媒し得ることがin vitroで観察されると報告されている。糖及びアミノ酸を含有する混合物に添加したクロルヘキシジンは、メイラード反応に起因する着色を加速する。

0033

上記の理由から、本発明の化合物及びそれを含む医薬組成物は、口腔内で使用することができる。特に好適な剤型は、上記薬剤を加えた含嗽液及び練り歯磨きである。

0034

本発明の化合物の上述の使用に関して、適切な形態の非毒性かつ薬学的に許容可能な担体を、かかる含嗽液及び練り歯磨きを調合するために使用することができる。

0035

本発明の化合物を含む医薬組成物は、経口投与、噴霧吸入直腸投与経鼻薬物送達口腔投与、局所投与、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内胸骨内及び頭蓋内注射若しくは注入等の非経口投与、又は外植リザーバー投与といった方法のいずれかで投与することができるが、経口投与、腹腔内投与又は静脈内投与が好ましい。

0036

経口投与については、本発明の化合物は錠剤カプセル水溶液又は水懸濁液を含むが、これらに限定されない、経口投与に好適な任意の投薬形態成型することができる。錠剤剤型に有用な担体としては概して、ラクトース及びコーンスターチが挙げられ、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤も使用することができる。カプセル剤型に有用な希釈剤としては概して、ラクトース及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液剤型は概して、活性成分を適当な乳化剤及び懸濁剤と混合することによって成型される。必要に応じて、甘味剤香味剤又は着色剤を上記経口製剤に添加してもよい。

0037

特に患部面又は外用の薬剤が容易に到達することができる器官(眼、皮膚又は腸管下部等)の治療のための局所投与については、本発明の化合物は、患部面又は器官に応じて、局所投与に好適な様々な剤型に成型することができる。詳細な説明は以下の通りである:

0038

眼に局所投与する場合、本発明の化合物は微粒子懸濁液又は溶液の形態へと調合することができ、ここで使用される担体は、塩化ベンジルアルカノール等の保存料を含む/含まない、決まった(certain)pHの無菌等張食塩水である。眼に投与する場合、化合物をワセリン軟膏等の軟膏へと調合することもできる。

0039

皮膚に局所投与する場合、本発明の化合物は、軟膏、ローション又はクリーム等の好適な形態へと調合することができ、ここでは活性成分は1つ又は複数の担体中に懸濁又は溶解させる。軟膏剤型に使用される担体としては、鉱物油流動ワセリン、白色ワセリン(petrolatum album)、プロピレングリコールポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシド乳化ろう及び水が挙げられるが、これらに限定されない。ローション剤型又はクリーム剤型に使用される担体としては、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween 60、セチルエステルワックスオレイル芳香族アルコール、2−オクチルドデカノールベンジルアルコール及び水が挙げられるが、これらに限定されない。

0040

本発明の化合物は、無菌注射用水又は油懸濁液、及び無菌注射液を含む無菌注射用製剤の形態で投与することもできる。使用することができる担体及び溶剤としては、水、リンガー溶液及び生理食塩液が挙げられる。モノグリセリド又はジグリセリド等の無菌不揮発性油も溶剤又は懸濁媒体として使用することができる。

0041

さらに、本発明の化合物の投与量及び投与方法は、被験体年齢、体重、性別、身体的健康状態栄養状態、使用される化合物の活性、適用期間代謝率、疾患の重篤度、及び医師主観的判断を含む多くの因子によって決まることに注目されたい。好ましい投与量は0.01mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日の範囲内であり、最も好ましい投与量は20mg/kg体重/日〜30mg/kg体重/日の範囲内である。

0042

以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を説明するために与えられるが、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。

0043

化合物の融点はSRY−1モデル融点測定器によって測定したものであり、この温度は補正しなかった。1H−NMRスペクトルは、BrukerのARX400又はUS VarianのUnity Inova 600モデルNMR分光器によって測定し、FA質量スペクトルはZabspectの高分解能質量分析計によって測定した。

0044

実施例1:3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムブロミドの調製
15.6gの4−メチルチアゾールを、50mlの無水アセトン中に溶解させた。混合物に21gのブロモ酢酸を添加し、3日間攪拌し、濾過して固体を得た。次いで、エタノールからの再結晶によって白色の固体を得て、乾燥させて、26gの生成物を72%の収率で得た。融点=240.6℃〜241.6℃。

0045

MS[M]+=158.2m/e;1H−NMR(400MHz、DMSO)2.48(d,3H);5.55(s,2H);8.09(d,1H);10.25(d,1H);14.05(brs,1H)。

0046

実施例2:3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムクロリドの調製
15.6gの4−メチルチアゾールを、50mlの無水アセトン中に溶解させた。混合物に15gのクロロ酢酸を添加し、5日間攪拌し、濾過して固体を得た。次いで、エタノールからの再結晶によって白色の固体を得て、乾燥させて、20.4gの生成物を66.9%の収率で得た。融点=262.3℃〜263.6℃。

0047

MS[M]+=158.2m/e;1H−NMR(400MHz、DMSO)2.42(d,3H);4.84(s,2H);7.93(d,1H);10.01(d,1H);13.98(brs,1H)。

0048

実施例3:3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムブロミドナトリウム(A)の調製
白色の固体である3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムブロミド20gを、90ml〜100mlの無水メタノール中に懸濁させた。次いで、懸濁液に等モル量の炭酸水素ナトリウムを添加し、室温で8時間攪拌し、濾過した。母液に150mlの無水エタノールを添加し、静置して結晶沈殿させて、15gの生成物を白色の結晶として75%の収率で得た。

0049

MS[M]+=158.2m/e;1H−NMR(400MHz、DMSO)2.50(d,3H);4.82(s,2H);7.93(d,1H);10.00(d,1H)。

0050

元素分析:C6H7NO2SBr(260.08)、理論値:C、27.71%;H、2.71%;N、5.39%;Br、30.72%。

0051

実測値:C、27.50%;H、2.836%;N、5.304%;Br、30.891%。

0052

X線単結晶回折による結晶構造の測定
白色の結晶である3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムブロミドナトリウム5mgを、1mlの無水エタノール中に加熱しながら溶解させて、無色の溶液を得た。溶液を濾過して、濾液をcalorstatのオーブン内で30℃で5日間静置し、白色の柱状結晶をゆっくりと沈殿させた。結晶粒がゆっくりと成長して単結晶が形成された後、その結晶構造をX線単結晶回折法を用いて測定した。この構造を図1に示す。

0053

結晶学的データ:C12H14Br2N2Na2O4S2、Mr=520.20、三斜晶系空間群P−1、結晶学的パラメータ:a=8.9000(18)Å、α=92.82(3)°、b=9.4095(19)Å、β=109.00(3)°、c=12.028(2)Å、δ=104.11(3)°。

0054

実施例4:3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムクロリドナトリウムの調製
白色の結晶である3−カルボキシメチル−4−メチル−チアゾリウムクロリド20gを、90ml〜120mlの無水メタノール中に懸濁させた。次いで、懸濁液に等モル量の炭酸水素ナトリウムを添加し、室温で8時間攪拌し、濾過した。次いで、濾液に150mlの無水エタノールを添加し、静置して結晶を沈殿させて、19gの生成物を白色の結晶として79%の収率で得た。

0055

実施例5:AGE−BSA−コラーゲン架橋構造の破壊に関するELISAスクリーニング試験
AGE架橋構造を、AGE−BSAを96ウェルELISAプレート上にコーティングしたラット尾コラーゲンに対して架橋することによって、in vitroで作製した。ELISA法を用いて、AGE架橋に対する化合物の破壊効果を評価した。

0056

尾コラーゲンコーティング96ウェルELISAプレートの作製:
正常Wisterラット(体重200±20g)をすばやく屠殺し、尾を切り取って、尾コラーゲンを4℃の温度で以下の通りに調製した。尾コラーゲン原線維採取し、生理食塩水洗浄して、非コラーゲン原線維組織剥離した。再蒸留水で3回すすぎ粉砕して、0.1%氷酢酸中に、頻繁に振とうしながら4℃で1週間浸漬した。最後に、浸液を8000gで30分間の遠心分離にかけ、上清コラーゲン溶液回収した。希釈後、タンパク質含量を測定した。96ウェルELISAプレート(Costar)を、コラーゲン溶液を用いて、1ウェル当たり70μgのコラーゲン量で、4℃で24時間十分にウェルをコーティングした後、コーティング溶液を捨てた。プレート無菌条件下空気乾燥させて、劣化防止フィルムでコーティングし、最後に使用のために4℃で保管した。

0057

AGE−BSAの調製:
0.2MPBS(pH7.4)中50mg/mlのウシ血清アルブミンBSA(V)(Roch)及び0.5Mのグルコースを含有する溶液を、無菌条件下、37℃で暗所において3ヶ月〜4ヶ月間インキュベートし、それによりグリコシル化BSA、すなわちBSA−AGEを形成した。同時に、非グリコシル化BSAをグルコース無添加BSAを用いて調製した。次いで、BSA−AGE溶液を0.01M PBS(pH7.4)に対して透析して、未反応グルコースを除去した。蛍光スキャニング(Exi/Em(395nm/460nm))及びSDS−PAGEを用いてBSA−AGEの形成を検査し、ローリー法によってタンパク質濃度を求めた。

0058

アッセイプロトコル
尾コラーゲンコーティング96ウェルELISAプレートを、PBS(pH7.4)で1時間十分ウェルを処理して、酸性コラーゲン中和した。次いで、プレートをSuperblock(PIERCE)を用いて37℃で1時間ブロッキングして、各回の洗浄につき1分間振とうしながらPBST(PBS−Tween)で3回洗浄した。AGE−BSAを、最大の架橋を得るのに必要な濃度までPBSで希釈した。100μlのAGE−BSA溶液を96ウェルプレートのA、B、C及びDとラベル表示された列のウェルに添加し、同じ濃度のBSA溶液をE、F、G及びHとラベル表示された列のウェルに添加した。各列の最初の3つのウェルは、試薬ブランクウェルを作る目的で、PBSで満たした。プレートを37℃で4時間インキュベートしてコラーゲンを架橋させ、各回の洗浄につき1分間振とうしながらPBSTで4回洗浄した。試験化合物をpH7.4のPBSで希釈した。試験化合物を、4連のAGE−BSA架橋ウェル及び4連のBSAウェルに100μl/ウェルの量で添加した。非破壊対照として、PBSを100μl/ウェルの量で同じように添加した。プレートを37℃で16時間インキュベートし、各回の洗浄につき1分間振とうしながらPBSTで4回洗浄した。80μl/ウェルのウサギ抗BSA抗体(1:500)をウェルに添加して、プレートを37℃で50分間インキュベートした。プレートを各回の洗浄につき1分間振とうしながらPBSTで4回洗浄した後、80μl/ウェルのセイヨウワサビペルオキシターゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(1:1000)をウェルに添加した。プレートを37℃で50分間インキュベートした後、各回の洗浄につき1分間振とうしながらPBSTで3回洗浄した。100μl/ウェルのTMB基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)をウェルに添加した。プレートを暗所、室温で20分間インキュベートした。2M H2SO4を用いて反応を終わらせた。反応後10分以内に、光学密度OD)をBOBRADのModel 550プレートリーダーで、プレートのブランクウェルを0に設定して450nmで読み取った。

0059

データ分析
平均光学密度(OD)値は4連の値から算出した。
補正OD=AGE−BSAウェルの平均OD − BSAウェルの平均OD

0060

破壊率はODの減少率パーセント)によって表した:
[(PBSウェルの平均OD −試験化合物ウェルの平均OD)/PBSウェルの平均OD]×100%

0061

上記プロトコルに従って求めた0.1mmol/L、0.3mmol/L又は1mmol/Lの濃度、又はより低濃度での試験化合物の破壊率を表1に示す(結果は4つ以上のスクリーニング結果平均値である)。

0062

0063

実施例6:赤血球表面上へのIgG架橋のin vitro破壊に関するアッセイ
血球処理方法
麻酔後の16週齢糖尿病ラット頚動脈から血液を採取し、抗凝固のためにヘパリンを添加し、4℃及び1000gで3分間遠心分離して、下層の赤血球(RBC)を得た。0.1mol/LのPBS(pH7.4)で3回洗浄した(1回毎に(per time)4℃及び1000gで3分間遠心分離した)。下層のRBCを実験に使用した。

0064

in vitro投与:
0.1mol/Lの等浸透圧PBS(pH7.4)を、陰性対照として用い、また、試験する化合物の薬液を種々の濃度で形成するために溶剤として用いた。薬液又は溶剤対照900μl当たり100μlのRBCを添加して、37℃で16時間〜18時間軽く(slightly)振とうした。1000g及び4℃で3分間遠心分離して、上清を捨てた。0.1mol/LのPBS(pH7.4)を用いてプレートを4回洗浄し、残留化合物を除去した。1000g及び4℃で3分間遠心分離して、下層のRBCを得た。これを1:100に希釈してELISAアッセイに使用した。

0065

RBC表面上に架橋したIgG含量に関する免疫吸着アッセイのプロトコル:
Multiscreen−HA0.45μm 96ウェルマイクロタイタープレート(Millipore)を、Superblock(300μl/ウェル)を用いて37℃で1時間ブロッキングした。次いで、5mmHgの減圧下で乾燥させて、プレートをPBSTで3回、0.1M PBS(pH7.4)で3回洗浄した(プレートを1回毎に1分間振とうした)。試験するRBCを添加し(50μl/ウェル)、PBSバックグラウンド対照ウェルを設定した(OD0)。減圧下で吸引乾燥して、0.1mol/LのPBS(pH7.4)150μlで4回洗浄した(プレートを1回毎に1分間振とうした)。減圧下で吸引乾燥した後、1:500希釈のヤギ抗マウスIgG−HRP(50μl/ウェル)を添加し、室温で2時間静置して、吸引乾燥した。0.1mol/LのPBS(pH7.4)150μl/ウェルで3回洗浄した(プレートを1回毎に1分間振とうした)。吸引乾燥して、o−フェニレンジアミン(OPD)基質着色溶液(100μl/ウェル)を添加して、遮光下、室温で30分間静置し、2mol/LのH2SO4(100μl/ウェル)を用いて反応を終わらせた。反応液を即座に取り出し(150μl/ウェル)、標準(normal)96ウェル酵素標識プレートに移し、OD値を490nmで測定した。

0066

試験化合物の破壊率の算出:
補正OD=試験するRBC試料の平均OD − RBCを含まないPBSバックグラウンドウェルの平均ODであり、化合物の破壊率は、OD490nmの減少率(パーセント):(PBSウェルのOD490nm − 試験する化合物のOD490nm)/PBSウェルのOD490nm×100%として表される。

0067

0068

実施例7:ラットにおける血管コンプライアンスの改善に関するアッセイ
ラットをペントバルビタールナトリウム注射(0.8%、50mg/kg)によって麻酔して、気管カニューレの挿入、ヘパリン抗凝固、血圧を記録するために圧力トランスデューサを介してBiopacの生理記録計連絡した右総頸動脈カニューレの挿入を行った。胸骨の中央で開胸を行い、上行大動脈を分離し、これをパルスドップラープローブで覆い、パルスドップラー血流計を、Biopacのソフトウェア(Acknowledge、バージョン3)による血行動態パラメータ収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、心拍(HR)、心拍出量(CO)、心係数CI)、全末梢抵抗TPR)、全末梢抵抗係数(TPR係数)、一回拍出量SV)及び全身動脈コンプライアンス(SAC)等のリアルタイム記録及び算出のためにBiopacの生理記録計に接続した。10分間の術後安定化の後、これらのパラメータを継続的に記録し、30秒間の平均値をこれらのパラメータの測定値として用いた。

0069

幾つかの血行動態パラメータの算出のための式:
TPR=平均動脈圧MAP)/CO
SAC=SV/(SBP − DBP)

0070

正常対照と比較すると、糖尿病モデルラットは、体重及び心拍において有意な減少を示すが(P<0.01)、収縮期圧及び拡張期圧は有意な変化を示さず(表1−1)、各々の器官は器官係数の有意な増大を示す(P<0.01)(表1−2)。モデルラットと比較すると、薬剤投与群のラットは体重、心拍、収縮期圧、拡張期圧及び器官係数において有意な変化を示さない。

0071

0072

0073

ドップラー血流計を使用して、ラットにおけるSBP、DBP、HRを測定し、ラットのCO、CI及びSACを算出した。正常ラットと比較して、糖尿病ラットがCO、CI及びSACにおいて有意な減少を示し(P<0.01)、TPR及びTPRIにおいて有意な増大を示す(P<0.01)ことが表1−3から分かる。これにより、糖尿病ラットが全末梢抵抗の有意な増大、並びに心拍出量及び全身動脈コンプライアンスの有意な減少を有し、心血管系の硬化、並びに長期糖尿病ラットにおける他の構造障害及び機能障害を示すことが示唆される。糖尿病ラットのモデル群と比較すると、薬剤投与の4週間後、薬剤投与群の全てのラットがCO、CI及びSACにおいて有意な増大を示し、TPR及びTPRIにおいて有意な減少を示す。これにより、化合物Aが長期糖尿病ラットにおいて血管硬化を改善する効果を有することが示唆される。

0074

0075

0076

実施例8:ラットにおける左室機能の改善に関するアッセイ
ラットをペントバルビタールナトリウム注射(0.8%、50mg/kg)によって麻酔して、気管カニューレの挿入、ヘパリン抗凝固、左室圧の経過を記録するために圧力トランスデューサを介してBiopacの生理記録計と連絡した、左室への右総頸動脈カニューレの挿入を行った。Biopacのソフトウェア(Acknowledge、バージョン3)を、心拍、左室収縮期圧ピーク(LVSP)、左室内圧の最大の変化率(±dp/dt max)、左室拡張末期圧(LVEDP)のリアルタイム記録に使用した。10分間の術後安定化の後、上記のパラメータを継続的に記録し、30秒間の平均値をこれらのパラメータの測定値として用いた。結果を表1−4に示す。

0077

正常対照群と比較すると、糖尿病群のラットは心拍、LVSP、+dp/dt及び−dp/dtにおいて有意な減少を示す(P<0.01)一方で、LVEDPにおいて有意な増大を示し(P<0.01)、糖尿病ラットの左室機能障害が示唆される。糖尿病モデル群と比較すると、薬剤投与の4週間後、薬剤投与群の全てのラットは+dp/dtの有意な増大を示し、LVEDPの有意な減少を示し(P<0.05又はP<0.01)、A 9mg/kg群を除いてLVSPの有意な増大を示し(P<0.05又はP<0.01)、A 9mg/kg群について−dp/dtの有意な増大を示す(P<0.05)(A 18mg/kg群及びA 36mg/kg群についてはP値はそれぞれ0.055及び0.057であり、同様に増大傾向を示している)。これらのことから、Aは糖尿病によって引き起こされる心臓収縮期機能障害を改善することが可能であり、左室機能の改善において有意な効果を有することが示唆される(表1−4)。

0078

実施例9:ラット尾コラーゲンの溶解性に関する実験
尾腱コラーゲン原線維を氷浴下で採取し、生理食塩水で洗浄して、非コラーゲン原線維組織を剥離した。これを凍結乾燥し、使用に備えて−70℃で保管した。

0079

凍結乾燥した尾コラーゲンを粉砕し、2mgの尾コラーゲンを正確に量して、10μg/mlのペプシン溶媒:0.5mol/Lの酢酸)を尾コラーゲン1mg当たり5μgのペプシンという最終濃度に到達するまで添加し、4℃で2時間振とうした(shanken)。40000gで60分間遠心分離して、上清の体積を正確に測定した後、500μlの上清及び全沈殿物を別々に5ml容アンプルに移した。6mol/LのHClを添加し、密閉して、calorstatのオーブン内に入れ、110℃で24時間加水分解した。

0080

加水分解溶液中のヒドロキシプロリン濃度の測定:
(1)100μlの加水分解溶液を各々のアンプルから取り出し、10mol/LのNaOH約50μlをpH6.0となるまで添加し、クエン酸緩衝液(50gのクエン酸・H2O、72.36gの無水酢酸ナトリウム、34gのNaOH、11.52mlの氷酢酸を混合し、水を1200mlとなるまで添加し、300mlのn−プロパノールを添加した)850μlを添加した。(2)クロラミンT(1.41gのクロラミンTを10mlの蒸留水に溶解させた後、10mlのn−プロパノール及び80mlのクエン酸緩衝液を別々に添加した)500μlを添加して、均一に混合し、室温で10分間反応を行った。(3)3.15mol/Lの過塩素酸500μlを添加して、即座に室温で5分間混合した。(4)10%P−DMAB(3.15mol/Lの過塩素酸2.6mlを添加して溶解させた後、n−プロパノールで10mlとなるまで希釈した、1gのp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、即時使用可500μlを添加して、即座に75℃の水浴で10分間混合した。(5)反応溶液を即座に氷水中で冷却して、ELIASAによって吸光度値を570nmで測定した。(6)加水分解溶液中のヒドロキシプロリン濃度を、それに応じて共時的に測定したヒドロキシプロリンの検量線(0μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml及び6μg/ml)を用いて算出した。尾コラーゲンの溶解性は、以下の式を用いて得られる:
尾コラーゲンの溶解性(%)=上清の全ヒドロキシプロリン含量/(上清のヒドロキシプロリン含量 +沈殿物の全ヒドロキシプロリン含量)×100%

0081

正常対照群と比較すると、糖尿病モデル群のラットは、尾コラーゲン溶解性の有意な減少を示す(19.7±7.2%対79.8±12.0%、P<0.01)。A 18mg/kg群及びA 36mg/kg群は、糖尿病モデル群と比較すると、糖尿病ラットにおいて尾コラーゲン溶解性の有意な増大を示す(33.7±17.8%、37.5±11.1%対19.7±7.2%、P<0.01)。

0082

実施例10:ラットにおける心筋コラーゲン溶解性の増大に関する実験
血管コンプライアンス実験の終了後、各々のラットの心臓を取り出して、心耳及び右室を取り除き、左室のみを残すようにトリミングした。トリミングした組織ブロック乳鉢に入れ、少量の液体窒素を添加して、すばやくすり潰した。少量の液体窒素を再度添加して組織を軟らかくし、続けてすりつぶして細かい粉末状にし、使用に備えて−70℃で保管した。約100mgの心筋を秤量し、200μg/mlのペプシン(溶媒:0.5mol/L酢酸)1mlを添加して、37℃でそれぞれ2時間及び24時間振とうし、40000gで60分間遠心分離した。2時間及び24時間のペプシン消化溶液の上清を別々に取り、加水分解し、ヒドロキシプロリン含量を求めるために測定した(加水分解及び測定の方法は上述したものと同じである)。心筋コラーゲンの溶解性は、以下の式によって算出される:
心筋コラーゲンの溶解性(%)=2時間のペプシン消化溶液の上清のヒドロキシプロリン含量/24時間のペプシン消化溶液の上清のヒドロキシプロリン含量×100%

0083

正常群と比較すると、糖尿病モデル群のラットは、左室心筋コラーゲン溶解性の有意な減少を示す(42.8±4.3%対68.9±14.1%、P<0.01)。A 18mg/kg群は、糖尿病モデル群と比較すると、糖尿病ラットにおいて心筋コラーゲン溶解性の有意な増大を示す(54.7±11.0%、53.7±11.9%、57.7±7.3%対42.8±4.3%、P<0.01)。

0084

実施例5〜実施例10の結果から、化合物AがAGEsの架橋構造をin vitroで破壊し、長期糖尿病ラットにおける大動脈、左室心筋及び腎臓中のAGEs蛍光含量を有意に減少させ、一方で心筋コラーゲン及び尾コラーゲンの溶解性を改善し、ラットにおける大動脈コンプライアンスを改善し、全末梢抵抗を低減し、心拍出量を増大させ、左室機能を有意に改善する効果を有することが示唆される。したがって、化合物Aは既に形成されたAGE架橋を破壊し、血管構造再構築し、糖尿病によって誘発される心血管系の硬化及び機能障害を回復させることができ、新規のAGEs破壊剤である。

0085

実施例11:高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度の向上に関する実験
ニフェジピン血圧降下効果に対するAGE破壊剤の影響についての実験を、糖尿病−高血圧症ラットモデルに対して行った。試験動物及び糖尿病−高血圧症モデルは、対照群と比較することにより、モデルが確立されたことを確認して選択したラットであった。実験の間、動物は自由に食物を摂取し、いかなる血糖降下薬又は血圧降下薬介入も受けなかった。

0086

動物のグループ分け及び投与方法:
化合物Aを蒸留水中に溶解させ、使用可能な状態にする。ラットを無作為に糖尿病−高血圧症対照(DM−HTN)群と、A(18mg/kg)群とにグループ分けした。薬物は4週間続けて1日に1回胃内投与し、糖尿病−高血圧症対照群には同量の蒸留水を投与した。実験の終了後、血液試料を採取し、胸部大動脈肝臓、腎臓を使用に備えて−70℃で保管し、組織生化学的指標、及び遺伝子発現に関するアッセイに使用した。腎臓の別の部分を4%パラホルムアルデヒドで固定し、病理染色に使用した。

0087

ニフェジピン溶液の調製:
ニフェジピン粉末をDMSOに配合し、5mg/mlの溶液を形成した後、15%エタノール−10%DMSO−25%PEG400で希釈して、500μg/mlの溶液を調製し、再度希釈して、125μg/ml、62.5μg/ml、31.25μg/ml、15.62μg/ml、7.8μg/mlの溶液を調製した。

0088

ニフェジピンの血圧降下効果に対するAGEs破壊剤の影響を研究する方法
ラットをウレタンクロラロース混合物によって腹腔内麻酔して、ヘパリン抗凝固、圧力トランスデューサを介してBiopacの生理記録計と連絡した右総頸動脈カニューレの挿入を行った。右大腿静脈定置した針によって、ニフェジピン溶液を5回に分けて濃度の低いものから高いものへという順番でゆっくりと注射した。動脈収縮期圧、拡張期圧、脈圧及び心拍の変化を継続的に記録した。

0089

糖尿病−高血圧症ラットにおける血圧に対するAGEs破壊剤の影響
ラットにおいてin vivoで測定した血圧の結果から、化合物Aを4週間投与した糖尿病−高血圧症ラットが心拍及び血圧において有意な変化を与えないことが示される。このことから、AGEs破壊剤は糖尿病−高血圧症ラットの血圧に対して直接的な影響を有しないことが示唆される(表2−2)。

0090

0091

ニフェジピンの血圧降下効果に対するAGE破壊剤の影響
糖尿病−高血圧症ラットにおける血圧降下薬の血圧降下効果を、薬物を濃度の低いものから高いものへという勾配で投与することによって観察した。2回目の投与量のニフェジピン(15.62μg/ml)の投与から、化合物A群は糖尿病−高血圧症モデル群と比較して増大した血圧降下効果を示し始めた。3回目の投与量(31.25μg/ml)を用いた時点で、化合物A群のラットにおけるニフェジピンの血圧降下度は、モデル群より有意に高かった(19.49±13.29mmHg対9.35±6.46mmHg、P<0.05)。4回目の投与量(62.5μg/ml)を用いた時点で、化合物A群はモデル群と比較して向上した効果を示す(29.99±9.06mmHg対18.92±10.54mmHg、P<0.05)。このことから、AGEsを破壊する化合物Aでの処理によって、糖尿病−高血圧症ラットのニフェジピンに対する感受性を向上させることができることが示唆される。

0092

本実験では、糖尿病−高血圧症ラットにおける化合物Aでの4週間の前処理の後、血圧降下薬を評価する古典的な方法を使用した。血管平滑筋細胞に作用する血圧降下ニフェジピンを、濃度の低いものから高いものへという勾配で投与したが、濃度の増大とともに、化合物A群のラットに対するニフェジピンの血圧降下効果は高血圧症モデル群よりも良好となった。ニフェジピンの濃度を31.25μg/mlまで増大させた時点で、AGEを破壊する化合物Aの群における血圧降下度は、高血圧症モデル群との有意な統計学差異を有していた。このことから、AGEを破壊する化合物Aが確かにニフェジピンの血圧降下効果を向上させる効果を有し、高齢患者及び糖尿病患者における心血管系薬剤に対する感度を向上し得ることが示唆される。

0093

実施例12:慢性心不全の治療に関する薬力学的実験
動物のグループ分け及び投与方法:
第1のバッチ:20週間NaCl処理した心不全モデル化した糖尿病ラットを、4つの群に分けた:モデル対照群(モデル対照)、薬物を16週間続けて1日に1回投与した、バルサルタン群(VAL、胃内、10mg/kg)、化合物A群(胃内、18mg/kg)。薬力学的評価を非侵襲的心エコー図法を用いて行った。

0094

第2のバッチ:20週間NaCl処理した心不全をモデル化した糖尿病ラット、及び共時的かつ慣習的に飲料水を与えた正常対照ラットを、5つの群に分けた:共時的かつ慣習的に飲料水を与えた正常対照ラット群(正常対照)、モデル対照群(モデル対照)、薬物を10週間続けて1日に1回投与した、化合物A群(胃内、9mg/kg)、化合物A群(胃内、36mg/kg)。左室機能についての薬力学的評価を、心室カテーテル法を用いて行った。

0095

評価指標
(1)形態的指標左室後壁厚(LVPWd)、左室拡張末期径LVDd)、収縮末期径(LVDs);(2)機能的指標:駆出率(EF)、短縮率FS)、心室早期血流充満速度(E)、心房充満速度(A)及びE/A比;ドップラー組織画像心尖部四腔断層像では、僧帽弁前尖弁輪部を試料採取点として用い、最大拡張早期血流速度(Eaピーク)、最大拡張後期血流速度(Aaピーク)及びEa/Aa比は、左室全体の収縮運動及び拡張運動を反映していた。

0096

SPSS統計ソフトウェアを使用してデータを分析及び処理し、全てのデータを平均±標準偏差(平均±SD)で表した。実験の結果では、群間差の有意性検定一元配置分散分析(one-wayANOVAanalysis)方法を用いて統計学的に扱い、P<0.05の場合の有意差を求めた。

0097

第1のバッチのモデルの薬力学的評価の結果
心エコー図評価の結果:
形態的指標:モデル化の30週目(投与の10週目)に、心エコー図から、バルサルタン群(10mg/kg)及び化合物A群(18mg/kg)のラットが、飲料水によってNaCl処理した糖尿病モデルラットと比較して、10週間の胃内投与の後、PWdのわずかな増大、並びにLVDd及びLVDsのわずかな減少を示したことが示される。

0098

モデル化の36週目(投与の16週目)に、心エコー図から、全ての投与群のラットが、飲料水によってNaCl処理した糖尿病モデルラットと比較して、16週間の胃内投与の後、左室形態的指標の変化傾向において、モデル化の30週目(投与の10週目)に測定されたものと同様の結果を示したことが示される。

0099

左室拡張期機能的指標:
モデル化の30週目(投与の10週目)に、心エコー図から、バルサルタン群(10mg/kg)及び化合物A群(18mg/kg)のラットが、飲料水によってNaCl処理した糖尿病モデルラットと比較して、10週間の胃内投与の後、E/A比の有意な減少を示し(モデル対照2.5±0.31;バルサルタン群1.24±0.32;化合物A群1.32±0.31、P<0.05又はP<0.01)、一方で、Ea/Aa比が有意に増大した(P<0.05又はP<0.01)ことが示される。これにより、モデル化の30週目に、10週間のバルサルタン及び化合物Aの投与は、飲料水によってNaCl処理した糖尿病ラットにおいて左室拡張期機能を有意に改善し得ることが示唆される。

0100

モデル化の36週目(投与の16週目)に、心エコー図から、バルサルタン群(10mg/kg)及び化合物A群(18mg/kg)のラットが、飲料水によってNaCl処理した糖尿病モデルラットと比較して、16週間の胃内投与の後、E/A比の有意な減少(モデル対照2.5±0.52;バルサルタン群1.32±0.25;化合物A群1.45±0.18、P<0.05又はP<0.01)を示したこと、及びバルサルタン(10mg/kg)がラットにおいてEa/Aa比を有意に増大し得る(P<0.01)ことが示される。これにより、モデル化の36週目に、16週間のバルサルタン及び化合物Aの投与は、飲料水によってNaCl処理した糖尿病ラットにおいて左室拡張期機能を有意に改善し得ることが示唆される。

0101

第2のバッチのモデルの評価結果
化合物A群のラットにおける左室機能及び血漿BNPレベルに対する影響
表3−1に示されるように、正常対照群と比較して、飲料水中のNaClで処理した糖尿病ラットは、+dp/dt及び−dp/dtの有意な減少を示し、一方で、LVEDP及び血漿BNPレベルの有意な増大を示した。これにより、心室の収縮機能及び拡張機能の両方における有意な減少が示唆される。化合物A群(9mg/kg及び36mg/kg)のラットは全て、+dp/dt及び−dp/dtの有意な増大(P<0.05又はP<0.01)並びにLVEDPの有意な減少(P<0.01)を示した。このことから、化合物Aが飲料水中のNaClで処理した糖尿病ラットにおいて、心室の拡張期機能を改善し得ることが示唆される。

実施例

0102

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ