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技術 レール保持装置

出願人 坂本博夫
発明者 坂本博夫
出願日 2011年6月7日 (9年8ヶ月経過) 出願番号 2011-126836
公開日 2012年12月20日 (8年1ヶ月経過) 公開番号 2012-251397
状態 特許登録済
技術分野 鉄道軌道
主要キーワード 凹形溝 勾配表示 きしり 凹部溝 スラブ方式 球面座金 傾斜表示 都市鉄道
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図面 (17)

課題

曲線走行時において、車輪すべりを抑制して車輪を安定的に走行させることができるレール保持装置を提供する。

解決手段

内側レール5の傾斜を調整する傾斜機構9とレール締結具12とを備え、傾斜機構9は、内側レール5の長手方向に沿って円弧形状の凹面に形成されたベースプレート14と、ベースプレート14の凹面と嵌合する円弧形状の凸面とされたタイプレート13と、タイプレート13を所定傾斜位置で固定する固定具とを有する。

概要

背景

従来より、鉄道においては、急曲線における諸問題が指摘されている。
例えば、急曲線通過時の問題が、非特許文献1の鉄道車両と技術No.173「急曲線における諸問とその解決技術」に記載されている。この文献では、大きく分類して二つの問題が指摘されている。

一つ目は、必要な内外輪径差が獲れないことから発生する縦クリープ力(後車軸ではより顕著になる)が反操舵方向モーメント生むため、前車軸外軌側押しつけられる。そして、前車軸はアタック角による横クリープ力が発生し、外軌側車輪が外軌側レール押さえつけられる。この結果として、車輪がレールに乗り上がる方向に角度、つまりアタック角が付くことにより、乗り上がり脱線事故等の安全性に重要な影響を与える問題である。

二つ目は、レールの波状摩耗や車輪の直立摩耗などの異常摩耗と、きしり音などの騒音問題である。

これらの問題を解決するには、内外軌車輪回転半径差を獲得できるよう、内軌側レール傾斜機構車輪踏面形状を工夫して接触位置をコントロールできるようにすることと、車輪・レール間のアタック角を0にする操舵台車とが必要となる。

なお、車輪・レール間のアタック角を0にする操舵台車については本発明から除外することとする。

必要な内外軌車輪回転半径差を獲得できる機構の一例が、特許文献1の特開平10−195801号の「急曲線の軌道構造」に提案されている。

すなわち、鉄道の急曲線軌道において、曲線の内側のレールには曲線の内側の枕木を、曲線の外側のレールには曲線の外側の枕木をそれぞれ持ち、曲線の内側の枕木と共に曲線の内側のレールを車輪の踏面勾配より大きい角度に傾斜させた設置とすることとし、また、要求される急曲線の曲線半径に応じて曲線の内側のレールは通常レールより頭部の幅の広のものとし、さらに必要に応じて、曲線の内側枕木と曲線の外側枕木の間を結ぶ連結棒を設ける発明が開示されている。

特許文献1において提案されている発明を実施した場合、曲線の内側の枕木と曲線の外側の枕木とが分断されているため、それぞれのレール傾斜角度設定値に対して精度を確保した据付けが困難である。また、レール傾斜角度の設置状態を示す表示機能が無いため、保線時のレール調整作業にレール傾斜角度の測定が必要となるなど作業も困難なると共に作業時間がかかる。それに伴いレール削正においても困難が伴う。

そし上、横圧によるレール小返り方向の支持剛性を確保することも容易ではない。それに加えて、曲線の内軌側レールを通常レールより頭部の幅の広い特殊レールを使用して内軌側車輪転動直径を小さくする必要がある関係上、特殊レールの調達性、ロングレール化のための異型断面間のレール結合溶接等の問題が有る。

より具体的には、図16に示すように、曲線の内軌側レール105には曲線の内軌側枕木107を、曲線の外軌側レール104には曲線の外軌側枕木106を持ち、曲線を走行するときに生ずる遠心力と車両の重力合力釣り合うように曲線の外軌側レール104を持ち上げ、角度Aを持つようにしている。一方、車輪については、車輪の外周でレールに接する踏面には角度Bの勾配を持っている。車輪のフランジとレールとの間には僅かな隙間を持っているが、曲線路においても車輪は転がることで直進しようとするので、曲線の外軌側レール104と外軌側車輪101のフランジの隙間はなくなり外軌側車輪101の内面側からL11の位置で車輪とレールが接し、そこで転動する。したがって、その車輪の直径D11が外軌車輪転動直径である。曲線の内軌側枕木107と共に曲線の内軌側レール105を内軌側車輪102の踏面勾配より大きい角度Dに傾斜させた設置としている。また、曲線の内軌側レール105は通常レールより頭部の幅の広のものとし、曲線の内軌側車輪102のレール105との接点位置L13を得て、その車輪の直径D13が内軌車輪転動直径になることにより急曲線への適用ができる鉄道急曲線軌道となっている。図中、符号108はレール締結具を示す。

ここで、特許文献1の発明の不具合その1として、曲線の内軌側枕木107と曲線の外軌側枕木106とが分断されているため、それぞれのレール傾斜角度C,Dの設定値に対して精度を確保した据付けが困難である。

不具合その2として、曲線の内軌側枕木107と曲線の外軌側枕木106とが分断されているため、それぞれのレール104,105に作用する横圧によりレール小返り方向の支持剛性を確保することが困難となる。よって、内外軌レール104,105に作用する横圧により内外軌レール104,105が傾斜し易くなるため、外軌車輪転動直径D11と内軌車輪転動直径D13が変動することにより走行が不安定になる。

不具合その3として、レール傾斜角度C,Dの設置状態を示す表示機能を設けることができないため、保線レール調整作業時にレール傾斜角度C,Dの測定が必要となるなどレール調整作業も困難なると共に作業時間、費用もかかる。それに伴いレール削正も困難である。

不具合その4として、曲線の内軌側レール105を通常レールより頭部の幅の広い特殊レールを使用して内軌側車輪転動直径を小さくする必要がある関係上、特殊レールの調達性、ロングレール化のための異型断面間のレール結合溶接等の問題が有る。
以上の通り特許文献1の提案に係る発明を実施する場合、それぞれの不具合を解決する必要がある。

概要

曲線走行時において、車輪のすべりを抑制して車輪を安定的に走行させることができるレール保持装置を提供する。内側レール5の傾斜を調整する傾斜機構9とレール締結具12とを備え、傾斜機構9は、内側レール5の長手方向に沿って円弧形状の凹面に形成されたベースプレート14と、ベースプレート14の凹面と嵌合する円弧形状の凸面とされたタイプレート13と、タイプレート13を所定傾斜位置で固定する固定具とを有する。

目的

本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、急曲線走行時において、車輪のすべりを抑制して車輪を安定的に走行させることができるレール保持装置を提供することを主たる目的とし、さらにレールの傾斜角度表示、保守調整、レール削正が容易にできる鉄道急曲線軌道用のレール保持装置を提供することをも目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

内側レールの傾斜を調整する傾斜機構レール締結具とを備えてなるレール保持装置であって、前記傾斜機構は、前記内側レールの長手方向に沿って円弧形状の凹面に形成されたベースプレートと、前記ベースプレートの凹面と嵌合する円弧形状の凸面とされたタイプレートと、前記タイプレートを所定傾斜位置で固定する固定具とを有することを特徴とするレール保持装置。

請求項2

ベースプレートの円弧形状の中心位置が、レール踏面より0mm−300mmの範囲とされ、スラックも設定可能なように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項3

ベースプレートがタイプレートの傾斜位置を位置決めする突起円弧面の長手方向に有し、タイプレートが前記突起と嵌合する複数の溝を円弧面の長手方向に有してなることを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項4

タイプレートが自己の傾斜位置を位置決めする突起を円弧面の長手方向に有し、ベースプレートが前記突起と嵌合する複数の溝を円弧面の長手方向に有してなることを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項5

タイプレートの傾斜を調整する傾斜調整ボルトを有し、前記傾斜調整ボルトの捩じ込み量を調整することにより、前記タイプレートの傾斜が調整されるようにされてなることを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項6

タイプレートの傾斜を表示する傾斜表示手段を有することを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項7

ベースプレートとタイプレートとがボルトナットにて締結されてなることを特徴とする請求項1記載のレール保持装置。

請求項8

請求項1ないし7のいずれか一項に記載のレール保持装置を備えてなることを特徴とする鉄道軌道

技術分野

0001

本発明は、鉄道における急曲線軌道用のレール保持装置に関する。

背景技術

0002

従来より、鉄道においては、急曲線における諸問題が指摘されている。
例えば、急曲線通過時の問題が、非特許文献1の鉄道車両と技術No.173「急曲線における諸問とその解決技術」に記載されている。この文献では、大きく分類して二つの問題が指摘されている。

0003

一つ目は、必要な内外輪径差が獲れないことから発生する縦クリープ力(後車軸ではより顕著になる)が反操舵方向モーメント生むため、前車軸外軌側押しつけられる。そして、前車軸はアタック角による横クリープ力が発生し、外軌側車輪が外軌側レール押さえつけられる。この結果として、車輪がレールに乗り上がる方向に角度、つまりアタック角が付くことにより、乗り上がり脱線事故等の安全性に重要な影響を与える問題である。

0004

二つ目は、レールの波状摩耗や車輪の直立摩耗などの異常摩耗と、きしり音などの騒音問題である。

0005

これらの問題を解決するには、内外軌車輪回転半径差を獲得できるよう、内軌側レール傾斜機構車輪踏面形状を工夫して接触位置をコントロールできるようにすることと、車輪・レール間のアタック角を0にする操舵台車とが必要となる。

0006

なお、車輪・レール間のアタック角を0にする操舵台車については本発明から除外することとする。

0007

必要な内外軌車輪回転半径差を獲得できる機構の一例が、特許文献1の特開平10−195801号の「急曲線の軌道構造」に提案されている。

0008

すなわち、鉄道の急曲線軌道において、曲線の内側のレールには曲線の内側の枕木を、曲線の外側のレールには曲線の外側の枕木をそれぞれ持ち、曲線の内側の枕木と共に曲線の内側のレールを車輪の踏面勾配より大きい角度に傾斜させた設置とすることとし、また、要求される急曲線の曲線半径に応じて曲線の内側のレールは通常レールより頭部の幅の広のものとし、さらに必要に応じて、曲線の内側枕木と曲線の外側枕木の間を結ぶ連結棒を設ける発明が開示されている。

0009

特許文献1において提案されている発明を実施した場合、曲線の内側の枕木と曲線の外側の枕木とが分断されているため、それぞれのレール傾斜角度設定値に対して精度を確保した据付けが困難である。また、レール傾斜角度の設置状態を示す表示機能が無いため、保線時のレール調整作業にレール傾斜角度の測定が必要となるなど作業も困難なると共に作業時間がかかる。それに伴いレール削正においても困難が伴う。

0010

そし上、横圧によるレール小返り方向の支持剛性を確保することも容易ではない。それに加えて、曲線の内軌側レールを通常レールより頭部の幅の広い特殊レールを使用して内軌側車輪転動直径を小さくする必要がある関係上、特殊レールの調達性、ロングレール化のための異型断面間のレール結合溶接等の問題が有る。

0011

より具体的には、図16に示すように、曲線の内軌側レール105には曲線の内軌側枕木107を、曲線の外軌側レール104には曲線の外軌側枕木106を持ち、曲線を走行するときに生ずる遠心力と車両の重力合力釣り合うように曲線の外軌側レール104を持ち上げ、角度Aを持つようにしている。一方、車輪については、車輪の外周でレールに接する踏面には角度Bの勾配を持っている。車輪のフランジとレールとの間には僅かな隙間を持っているが、曲線路においても車輪は転がることで直進しようとするので、曲線の外軌側レール104と外軌側車輪101のフランジの隙間はなくなり外軌側車輪101の内面側からL11の位置で車輪とレールが接し、そこで転動する。したがって、その車輪の直径D11が外軌車輪転動直径である。曲線の内軌側枕木107と共に曲線の内軌側レール105を内軌側車輪102の踏面勾配より大きい角度Dに傾斜させた設置としている。また、曲線の内軌側レール105は通常レールより頭部の幅の広のものとし、曲線の内軌側車輪102のレール105との接点位置L13を得て、その車輪の直径D13が内軌車輪転動直径になることにより急曲線への適用ができる鉄道急曲線軌道となっている。図中、符号108はレール締結具を示す。

0012

ここで、特許文献1の発明の不具合その1として、曲線の内軌側枕木107と曲線の外軌側枕木106とが分断されているため、それぞれのレール傾斜角度C,Dの設定値に対して精度を確保した据付けが困難である。

0013

不具合その2として、曲線の内軌側枕木107と曲線の外軌側枕木106とが分断されているため、それぞれのレール104,105に作用する横圧によりレール小返り方向の支持剛性を確保することが困難となる。よって、内外軌レール104,105に作用する横圧により内外軌レール104,105が傾斜し易くなるため、外軌車輪転動直径D11と内軌車輪転動直径D13が変動することにより走行が不安定になる。

0014

不具合その3として、レール傾斜角度C,Dの設置状態を示す表示機能を設けることができないため、保線レール調整作業時にレール傾斜角度C,Dの測定が必要となるなどレール調整作業も困難なると共に作業時間、費用もかかる。それに伴いレール削正も困難である。

0015

不具合その4として、曲線の内軌側レール105を通常レールより頭部の幅の広い特殊レールを使用して内軌側車輪転動直径を小さくする必要がある関係上、特殊レールの調達性、ロングレール化のための異型断面間のレール結合溶接等の問題が有る。
以上の通り特許文献1の提案に係る発明を実施する場合、それぞれの不具合を解決する必要がある。

0016

特開平10−195801号公報

先行技術

0017

鉄道車両と技術No.173「急曲線における諸問題とその解決技術」

発明が解決しようとする課題

0018

本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、急曲線走行時において、車輪のすべりを抑制して車輪を安定的に走行させることができるレール保持装置を提供することを主たる目的とし、さらにレールの傾斜角度表示、保守調整、レール削正が容易にできる鉄道急曲線軌道用のレール保持装置を提供することをも目的としている。

課題を解決するための手段

0019

本発明のレール保持装置は、内側レールの傾斜を調整する傾斜機構とレール締結具とを備えてなるレール保持装置であって、前記傾斜機構は、前記内側レールの長手方向に沿って円弧形状の凹面に形成されたベースプレートと、前記ベースプレートの凹面と嵌合する円弧形状の凸面とされたタイプレートと、前記タイプレートを所定傾斜位置で固定する固定具とを有することを特徴とする。

0020

本発明のレール保持装置においては、ベースプレートの円弧状の中心位置が、レール踏面より0mm−300mmの範囲とされ、スラックも設定可能なように構成されてなるのが好ましい。

0021

また、本発明のレール保持装置おいては、ベースプレートがタイプレートの傾斜位置を位置決めする突起を円弧面の長手方向に有し、タイプレートが前記突起と嵌合する複数の溝を円弧面の長手方向に有していたり、タイプレートが自己の傾斜位置を位置決めする突起を円弧面の長手方向に有し、ベースプレートが前記突起と嵌合する複数の溝を円弧面の長手方向に有していたり、タイプレートの傾斜を調整する傾斜調整ボルトを有し、前記傾斜調整ボルトの捩じ込み量を調整することにより、前記タイプレートの傾斜が調整されるようにされていたりするのが好ましい。

0022

さらに、本発明のレール保持装置おいては、タイプレートの傾斜を表示する傾斜表示手段を有するのが好ましい。

0023

さらに、本発明のレール保持装置おいては、ベースプレートとタイプレートとがボルトナットにて締結されるのが好ましい。

0024

しかして、本発明のレール保持装置は、鉄道軌道に備えられる。

発明の効果

0025

本発明はかかる構成とされているところから、急曲線の内軌側のレールを所望位置に傾斜させることができるという優れた効果を奏する。

0026

また、本発明の好ましい形態は、スラックも設定できたり、傾斜位置の表示もなし得たりするという優れた効果を奏する。

0027

その結果、急曲線軌道を容易に敷設・管理・保守ができるという優れた効果も得られる。

図面の簡単な説明

0028

本発明の実施形態1において、急曲線軌道構造の縦断面図であって軌道上における輪軸を示す。
本発明の実施形態1において、内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
本発明の実施形態1において、内軌側レール締結部でレールの傾きを戻した状態を示す断面図である。
本発明の実施形態1において、図1の平面図である。
本発明の実施形態1において、急曲線軌道走行時の内軌側レールと車輪との接触状態を示す図である。
本発明の実施形態1において、急曲線軌道走行時の外軌側レールと車輪との接触状態を示す図である。
本発明の実施形態2において、内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
本発明の実施形態2において、図7の平面図である。
本発明の実施形態3において、内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
本発明の実施形態3において、内軌側レール締結部でレールの傾きを戻した状態を示す断面図である。
本発明の実施形態3において、図9の平面図である。
本発明の実施形態3において、目盛板の平面図である。
本発明の実施形態3の変形例であって、内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
本発明の実施形態3の他の変形例であって、内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
本発明の実施形態4であって、スラブ軌道に適用した場合の内軌側レール締結部でレールを傾斜させた状態を示す断面図である。
特許文献1の提案に係るものであって、曲線軌道構造の縦断面図で軌道上に輪軸を示す。

実施例

0029

以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。

0030

実施形態1
本発明の実施形態1のレール保持装置S1を図1から図4に示す。図1に示すように、急曲線の内軌側レール(内側レール)5と外軌側レール(外側レール)4は一本の枕木8上に設置され、急曲線を走行するときに生ずる遠心力と車両の重力の合力に釣り合うように急曲線の外軌側レール4を持ち上げ、角度Aを持つようにしている。一方車輪については、車輪の外周でレールに接する踏面には基準線K(図5参照)付近の角度Bの勾配を持っている。車輪のフランジとレールとの間には僅かな隙間を持っているが、曲線軌道においても車輪は転がることで直進しようとするので、急曲線の外軌側レール4と外軌側車輪1のフランジの隙間はなくなり、外軌側車輪1の内面側からL1の位置で車輪とレールが接してそこで転動する。

0031

したがって、その車輪1の直径D1が外軌車輪転動直径である(図6参照)。急曲線の内軌側レール5は、内軌側レールの傾斜機構9により内軌側車輪2の基準線K付近の踏面勾配より大きい角度Dに傾斜させた設置としている。

0032

図2に示すように、内軌側レール5の傾斜機構9のベースプレート14およびタイプレート13の円弧状取り付け部の円弧形状の中心位置をレール踏面より0mm−300mmの位置に設置することにより、内軌側レール5を傾斜させることで傾斜量に応じてスラックも同時に設けることができる。よって、通常レールを使用してもスラック量Eにより急曲線の内軌側車輪2のレール5との接点位置L3を得て、その車輪の直径D3が内軌車輪転動直径になることにより急曲線への適用ができる鉄道急曲線軌道となっている(図5参照)。

0033

ところで、社会的な要求として、都市鉄道における郊外線の高速運転のため高速走行定性を確保させると共に、市街への地下鉄等への乗り入れのため急曲線通過が必要不可欠になっており、そのために曲線通過性能を高めることが強く求められている。また、フル規格新幹線在来線直通運転が出来るミニ新幹線においても高速走行安定性と曲線通過性能を高めることが強く求められている。

0034

そこで、図5に示すように、本発明に最適な下記の車輪踏面形状を組み合わせることでより効果が発揮される。最適な車輪踏面形状として、直線路での高速走行安定性を確保するため、直線路走行においてレールと接触する部分である基準線K付近の角度Bの勾配を1/30〜1/15の小さな傾きとする。そして、曲線路、急曲線路での曲線通過性能を確保させるため、基準線Kより内側で車輪フランジ部までの車輪踏面形状(車輪内面から約65mm)を踏面より外側方向に中心位置がある数本の円弧(半径R1,R2,R3)を接続させた踏面形状とし、基準線Kより車輪外面までの車輪踏面形状(車輪外面から約60mm)を踏面より内側方向に中心位置がある数本の円弧(半径R4,R5)を接続させた踏面形状とすることで内外軌車輪回転半径差を獲得できる。このような車輪踏面形状と内軌側レール5の傾斜機構9によるレール傾斜、スラック設定を組み合わせることで相反する高速走行安定性、曲線通過性能を満足させることができる。

0035

これらに、図2に示すように、内軌側レール5を従来から鉄道用に使用されている軌道パッド12a、締結ボルト12b、ナット12c、座金12d、主ばね12eからなるレール締結具12によりタイプレート13の上面へ設置でき、タイプレート13下面には円弧形状の凸形の取り付け面として、枕木8のベースプレート14を該円弧形状と嵌合する凹形溝取付面とした。よって、枕木8に対してタイプレート13を傾斜させることができ、タイプレート13は埋込栓15にセットした取付ボルト16、ナット17、座金18で枕木8にボルト結合で据付けできる構造となっている。これら、内軌側レール5の傾斜機構9には枕木8のベースプレート14の円弧形状の凹形溝に角型の凸部突起14aをレール長手方向に設け、それに嵌合するラック状の溝をタイプレート13取付面に凹部溝13cを数本設けると共に、取付部13aに長孔部13bを設けたことにより、内軌側レール5の傾斜を設定できると共に、タイプレート13の凹部溝13cの側面にレールの傾斜角度表示を勾配表示(例えば1/40の勾配であれば1と表示)した刻印部13d(刻印又はラベル)で内軌側レール5の傾斜状態を表示することが特徴の鉄道急曲線軌道用のレール締結機構9である。

0036

前記説明から、刻印部13dが傾斜表示手段を構成することが理解される。

0037

なお、凸部突起をタイプレート13に設け、凹部溝をベースプレート14に設けてもよい。

0038

しかして、レールは列車走行時に車輪の転がり接触を受ける。車輪の転がり接触を受ける回数が多くなると、レール頭頂面の表面が金属疲労する。また、車両の駆動・制動時に車輪が空転滑走すると、摩擦熱によってレール頭頂面の表層部が硬くて脆い金属組織(白色層)に熱変態する。この金属疲労や白色層を起点としてき裂が発生する。このき裂を除去するためにレール削正が必要となる。

0039

図3に示すように、その時に傾斜機構9をレール持上げボルト19を利用してホイストなどにより枕木8より浮かせ、直線軌道のレール傾斜(タイプレート角1/40)に戻すことによりレール削正作業が容易に実施できる。これに対し、特許文献1に係る発明では、緩和曲線軌道部のレール傾斜を戻すことが困難であるので、レール削正作業が容易ではない。

0040

実施形態2
本発明の実施形態2に係る急曲線軌道用のレール保持装置S2を、図7および図8に示す。実施形態1との相違点は、図2図3の埋込栓15でタイプレート13を枕木8に固定する方法ではなく、より強固な結合と緩み止め効果とをより発揮させるため、ピッチの細かい取付ボルト20、ナット17、座金18、座金21で据付けできる構成としている。

0041

実施形態3
本発明の実施形態3に係る急曲線軌道用のレール保持装置S3を、図9から図12に示す。実施形態1,2との相違点は、タイプレート23側面にブラケット部23cを設けてベースプレート24のボルト掛金部24aに、先端がフック状とされた傾斜調整ボルト22aの先端を引掛け球面座付ナット22bで内軌側レール5を傾斜・調整・位置決めできる構成となっている。図11中、符号23aは取付部を示し、符号23bは長孔部を示す。

0042

また、内軌側レール傾斜表示としてタイプレート23側面に矢印ポインター25aを、ベースプレート24に勾配表示(例えば1/40の勾配であれば1と表示)した目盛板25bを取り付けたことを特徴とした鉄道急曲線軌道用のレール保持装置S3である。
前記説明から、矢印ポインター25aと目盛板25bとにより傾斜表示手段が構成されることが理解される。

0043

また、実施形態3の変形例その1(S3−1)として、図13に示すように、レール締結具12を一般的に使用されている他事例を内軌側レールの傾斜機構11に組み合わせた構造である。

0044

実施形態3の変形例その2(S3−2)として、図14に示すように、ベースプレート28に起立形成されたボルト掛金部28aに球面座付傾斜調整ボルト22c、球面座金22dと球面座付ナット22bで内軌側レール5を傾斜・調整・位置決めできる構成となっている。

0045

実施形態4
本発明の実施形態4に係る急曲線軌道用のレール保持装置S4を、図15に示す。実施形態1−3との相違点は、枕木方式の軌道でなくスラブ方式の軌道に適用できるよう内軌側レール5の傾斜機構9の下側部分をスラブ盤26に箱抜きし、その部分にコンクリート等の充填材27で軌道を構成した鉄道急曲線軌道用のレール保持装置S4である。

0046

本発明は、鉄道に適用できる。

0047

1外軌側車輪
2 内軌側車輪
車軸
4 外軌側レール
5 内軌側レール
6 外軌側の枕木
7 内軌側の枕木
8 枕木
9,10,11傾斜機構
12レール締結具
12a軌道パッド
12b,12f締結ボルト
12cナット
12d座金
12e,12g主ばね
12hばね受
13タイプレート
13 a取付部
13 b長孔部
13 c凹部溝
13 d刻印部
14ベースプレート
14a 凸部突起
15埋込栓
16、20取付ボルト
17 ナット
18、21 座金
19 レール持ち上げボルト
22a傾斜調整ボルト
22 b球面座付ナット
22c 球面座付傾斜調整ボルト
22 d球面座金
23 タイプレート
23a 取付部
23b長穴
23cブラケット部
24,28 ベースプレート
24a,28a ボルト掛金部
25 内軌側レール傾斜表示
25a矢印ポインター
25b目盛板
26スラブ盤
27充填材
A軌道の傾斜
B 車輪の踏面の傾斜
C 外軌側レールの傾斜(タイプレート角)
D 内軌側レールの傾斜
E 内軌側レールのスラック量
K基準線
R1,R2,R3半径
S レール保持装置

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    【課題】 製造および保守コストの小さい跨座型モノレール用渡り線分岐器を提供する。【解決手段】 上下線用に一対で合計2組の装置が配設されている。その1組は、分岐桁2と、逃がし桁3と、駆動装置5と、連... 詳細

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