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技術 アミノチアゾール誘導体の製造法及び製造中間体

出願人 ゼリア新薬工業株式会社
発明者 長澤正明浅見一保中尾竜田中伸幸間良幸
出願日 2012年9月12日 (8年3ヶ月経過) 出願番号 2012-200199
公開日 2012年12月6日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2012-236863
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード ヒドロキシ安息香酸類 アルカリ金属臭化物 ヒドロキシ芳香族カルボン酸 水分測定 メトシキ基 アルキルスルホン酸基 消化管運動障害 アルカリ金属ヨウ化物
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課題

医薬として有用なアミノチアゾール誘導体の合成に重要な中間体の提供。

解決手段

式(3)で表される化合物。(環Aは、ベンゼン環又は6員の芳香族複素環を示し;R1は水素原子、低級アルキル基ハロゲン原子ニトロ基アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R2、R3及びR4のうち少なくとも1個はメトキシ基であり、残余は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R5は水素原子又は電子吸引性基を示す)

概要

背景

2−アミノチアゾール類に2−ヒドロキシ安息香酸類アミド結合した化合物は、優れた消化管運動改善作用を有し、上腹部不定愁訴悪心嘔吐胸やけ食欲不振腹部膨満感、逆流性食道炎等の予防治療薬として有用であることが知られている(特許文献1〜3)。このうち、特に下記式(7a)

で表される化合物は、優れた消化運動改善作用を有するとともに安全性も高く、上記各種消化管運動障害の予防治療薬として有用である。

これらの2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体製造法としては、特許文献1においては、2−メトキシ安息香酸アミド誘導体にピリジン塩酸塩等の脱メチル化試薬を反応させて2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体とする方法が採用されている。しかしながら、この脱メチル化反応では、多くの副反応が生じ、選択的に2位のメトキシ基のみを選択的に脱メチル化することは困難であり、工業的に採用するには問題があった。

一方、特許文献2及び3には、2−メトキシ安息香酸アミド誘導体に2級アミンや3級アミン等のアミン類を反応させれば選択的に2位のメトキシ基が選択的に脱メチル化することが記載されている。しかしながら、この化合物における2位のメトキシ基の脱メチル化反応の収率は64.6〜86%程度であり、未だ工業的方法としては満足できるレベルではなかった。
WO96/36619
WO98/58918
特開2000−239224号公報

概要

医薬として有用なアミノチアゾール誘導体の合成に重要な中間体の提供。式(3)で表される化合物。(環Aは、ベンゼン環又は6員の芳香族複素環を示し;R1は水素原子、低級アルキル基ハロゲン原子ニトロ基アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R2、R3及びR4のうち少なくとも1個はメトキシ基であり、残余は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R5は水素原子又は電子吸引性基を示す)なし

目的

本発明の目的は、芳香族カルボン酸の2−メトキシ基の選択的脱メチル化方法を見出し、この方法を経由して医薬として有用なアミノチアゾール誘導体の工業的な製造法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(3)(式中、環Aは、ベンゼン環又は6員の芳香族複素環を示し;R1は水素原子、C1-6アルキル基ハロゲン原子ニトロ基アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基又はジC1-6アルキルアミノ基を示し;R2、R3及びR4のうち少なくとも1個はメトキシ基であり、残余は水素原子、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基又はジC1-6アルキルアミノ基を示し;R5は水素原子又はハロゲン原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基トリクロロメチル基シアノ基アセチル基スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基から選ばれる電子吸引性基を示す)で表される化合物

請求項2

R1が水素原子であり、R2及びR3がメトキシ基であり、R4が水素原子である請求項1記載の化合物。

技術分野

0001

本発明は、芳香族カルボン酸オルト位(2位)に存在するメトキシ基の選択的脱メチル化方法、及びこの方法を経由するアミノチアゾール誘導体製造法に関する。

背景技術

0002

2−アミノチアゾール類に2−ヒドロキシ安息香酸類アミド結合した化合物は、優れた消化管運動改善作用を有し、上腹部不定愁訴悪心嘔吐胸やけ食欲不振腹部膨満感、逆流性食道炎等の予防治療薬として有用であることが知られている(特許文献1〜3)。このうち、特に下記式(7a)

0003

0004

で表される化合物は、優れた消化運動改善作用を有するとともに安全性も高く、上記各種消化管運動障害の予防治療薬として有用である。

0005

これらの2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法としては、特許文献1においては、2−メトキシ安息香酸アミド誘導体にピリジン塩酸塩等の脱メチル化試薬を反応させて2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体とする方法が採用されている。しかしながら、この脱メチル化反応では、多くの副反応が生じ、選択的に2位のメトキシ基のみを選択的に脱メチル化することは困難であり、工業的に採用するには問題があった。

0006

一方、特許文献2及び3には、2−メトキシ安息香酸アミド誘導体に2級アミンや3級アミン等のアミン類を反応させれば選択的に2位のメトキシ基が選択的に脱メチル化することが記載されている。しかしながら、この化合物における2位のメトキシ基の脱メチル化反応の収率は64.6〜86%程度であり、未だ工業的方法としては満足できるレベルではなかった。
WO96/36619
WO98/58918
特開2000−239224号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、芳香族カルボン酸の2−メトキシ基の選択的脱メチル化方法を見出し、この方法を経由して医薬として有用なアミノチアゾール誘導体の工業的な製造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

そこで本発明者は、2位にメトキシ基を有する芳香族カルボン酸の2−メトキシ基選択的脱メチル化法について種々検討した結果、特定のルイス酸と特定の溶媒とを組み合せた場合に3,4,5位等にメトキシ基が存在した場合であっても2−メトキシ基のみが選択的に脱メチル化できることを見出した。さらに、2−ヒドロキシ芳香族カルボン酸類と2−アミノチアゾール類とのアミド化反応を行うにあたり、2−ヒドロキシ芳香族カルボン酸フェニルエステル類に2−アミノチアゾール類を反応させる手段を採用すれば、極めて高収率で進行することを見出した。

0009

本発明方法は、次の反応式で表すことができる。

0010

0011

(式中、環Aはベンゼン環又は6員の芳香族複素環を示し;R1は水素原子、低級アルキル基ハロゲン原子ニトロ基アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R2、R3及びR4のうち少なくとも1個は低級アルコキシ基、低級アルコキシルメトキシ基、アラアルコキシ基又はアラアルコキシルメトキシ基、好ましくはメトキシ基であり、残余は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基を示し;R5は水素原子又は電子吸引性基を示し;R6はアルキル基を示す)

0012

すなわち、本発明は式(1)の化合物に、エステル系ケトン系又はアミド系溶媒中、BF3、TiCl4及びAlCl3から選ばれるルイス酸を反応させる(ただし、BF3の場合は、アルカリ金属臭化物又はアルカリ金属ヨウ化物共存させる)ことを特徴とする式(2)の化合物の製造法を提供する。
また、本発明は、式(2)の化合物にフェノール誘導体又はトリフェニルホスファイト誘導体を反応させることを特徴とする式(3)の化合物の製造法を提供する。
また、本発明は式(3)の化合物と式(4)の化合物を、150℃以上に加熱するか、又はホウ酸エステルの存在下に反応させることを特徴とする式(5)の化合物の製造法を提供する。
また、本発明は式(5)で表される化合物とN,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとをトルエン中で反応させることを特徴とする式(7)で表される化合物の製造法を提供する。

0013

また本発明方法を示す上記反応式中、式(3)で表される化合物は新規化合物であり、本発明方法における中間体として極めて重要である。

0014

さらに、式(5)で表される化合物のうち、R6がメチル基である化合物(5a)

0015

0016

(式中、環A、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ)
は新規化合物であり、この化合物もまた本発明方法の中間体として有用である。

0017

さらにまた、下記式(7a)

0018

0019

で表される化合物を塩酸塩とした後にイソプロパノール水溶液から再結晶させれば式(7c)

0020

0021

で表される化合物が安定して効率良く得られることもまた見出した。

発明の効果

0022

本発明方法によれば、式(3)で表されるフェニルエステル類を中間体として用いることにより、消化管運動改善薬として有用な式(7)で表される化合物が高収率かつ高純度で得られる。

0023

前記反応式中、環Aはベンゼン環又は6員の芳香族複素環を示す。6員の芳香族複素環としては、窒素原子酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1又は2個を含むものが好ましく、具体的にはピリジン環ピリミジン環ピラジン環オキサゾリン環チアゾリン環等が挙げられるが、ピリジン環が好ましい。これらの芳香族複素環は、例えば式(1)ではカルボキシル基のオルト位にメトキシ基を有するため、カルボキシル基又はカルボニル基のオルト位は炭素原子で構成される。従って、カルボキシル基又はカルボニル基の位置を1位とすると、3−ピリジル基、4−ピリジル基、5−ピリジル基、6−ピリジル基、3,5−ピリミジニル基、4,6−ピリミジニル基等が挙げられる。これらのうち、3−ピリジル基、4−ピリジル基、5−ピリジル基、6−ピリジル基が好ましい。特に好ましい環Aはベンゼン環である。

0024

R2、R3及びR4中少なくとも1個は低級アルコキシ基、低級アルコキシルメトキシ基、アラアルコキシ基又はアラアルコキシルメトキシ基(好ましくはメトキシ基)である。本発明においては、R2、R3及びR4のうちの1〜3個が低級アルコキシ基、低級アルコキシルメトキシ基、アラアルコキシ基又はアラアルコキシルメトキシ基(好ましくはメトキシ基)であっても、カルボキシル基の2位のメトキシ基のみが選択的に脱メチル化される。

0025

R2、R3及びR4で示される低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基メチレンジオキシ基等が挙げられ、低級アルコキシルメトキシ基としてはメトキシルメトキシ基、エトキシルメトキシ基等が挙げられる。またアラアルコキシ基としてはベンジルオキシ基メトキシベンジルオキシ基、トリチルオキシ基が挙げられ、アラアルコキシルメトキシ基としてはベンジルオキシルメトキシ基、メトキシベンジルオキシルメトキシ基等が挙げられる。

0026

R1〜R4で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基イソプロピル基n−ブチル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子フッ素原子臭素原子ヨウ素原子が挙げられ、このうち塩素原子、フッ素原子、臭素原子が好ましい。モノ低級アルキルアミノ基としては、モノ−C1-6アルキルアミノ基、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基イソプロピルアミノ基等が挙げられる。ジ低級アルキルアミノ基としては、ジ−C1-6アルキルアミノ基、例えばジメチルアミノ基ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。

0027

R1〜R4としては、R1が水素原子で、R2〜R4の少なくとも1個が低級アルコキシ基であり、R2〜R4のうちの残余が低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基である場合が好ましい。また、R1及びR4が水素原子でR2及びR3が低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキルアミノ基である場合がより好ましい。さらには、R1〜R4としては、R1及びR4が水素原子でR2及びR3が低級アルコキシ基である場合、特にR1及びR4が水素原子でR2及びR3がメトキシ基である場合が好ましい。

0028

R5で示される電子吸引性基としては、ハロゲン(例えばフッ素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基トリクロロメチル基シアノ基アセチル基スルホン酸基アルキルスルホン酸基等が挙げられる。このうちニトロ基が特に好ましい。

0029

R6で示されるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。

0030

以下、反応工程毎に説明する。
式(1)の化合物に、エステル系、ケトン系又はアミド系溶媒中で、BF3、TiCl4及びAlCl3から選ばれるルイス酸を反応させる(ただし、BF3の場合は、アルカリ金属臭化物又はアルカリ金属ヨウ化物を共存させる)ことにより、2位のメトシキ基のみが選択的に脱メチル化され、式(2)の化合物が高収率で得られる。

0031

BF3、TiCl4及びAlCl3は、溶媒和物水和物の形態であってもよく、より好ましくはBF3・Et2O、TiCl4、AlCl3、AlCl3・6H2Oが用いられる。これらのルイス酸は、式(1)の化合物に対し、1.1〜4倍モル、特に1.1〜3倍モル用いるのが、反応の選択性及び反応効率両立の点で好ましい。BF3を用いる場合には、NaBr、NaI、KBr、KI等を共存させることにより、2位のメトキシ基の選択的脱メチル化反応が進行する。これらのルイス酸以外のルイス酸、例えばSn系、Mg系、Zn系やTi(OiPr)4等では、脱メチル化反応を起こさない。前記アルカリ金属塩はルイス酸と同モル使用するのが好ましい。

0032

反応溶媒は、エステル系、ケトン系又はアミド系溶媒である。トルエン等の炭化水素系溶媒を用いた場合には、2位のメトキシ基以外のメトキシ基も脱メチル化されてしまい、式(2)の化合物が選択的に得られない。エステル系溶媒としては、酢酸エチル酢酸メチル酢酸ブチル酢酸イソブチル等が挙げられるが、酢酸エチルが好ましい。ケトン系溶媒としては、アセトン2−ブタノンシクロヘキサノンシクロペンタノン等が挙げられる。アミド系溶媒としては、ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド等が挙げられ、このうちジメチルホルムアミドが好ましい。なお、これらの溶媒に加えて、トルエン系の他の溶媒を用いてもよい。

0033

反応は、50〜150℃、0.5〜5時間、特に60〜80℃、1〜3時間行うのが好ましい。

0034

本発明によれば、2位のメトキシ基のみが選択的に脱メチル化され、式(2)の化合物が90%以上の高収率で得られる。

0035

式(2)の化合物にフェノール誘導体又はトリフェニルホスファイト誘導体を反応させることにより式(3)の化合物が得られる。フェニル化剤としてフェノール誘導体を用いる場合には、塩化チオニルオキシ塩化リン等の存在下に行うのが好ましい。一方、トリフェニルホスファイト誘導体をフェニル化剤とする場合には、硫酸メタンスルホン酸トルエンスルホン酸トリフルオロメタンスルホン酸等の存在下に行うのが好ましい。フェノール誘導体としては、フェノールパラニトロフェノール等が挙げられる。トリフェニルホスファイト誘導体としては、トリフェニルホスファイト、トリパラニトロフェニルホスファイト等が挙げられ、トリフェニルホスファイトが好ましい。

0036

フェニル化反応は、トルエン、キシレンテトラリン等の炭化水素系溶媒中、室温〜150℃、1〜24時間、特に90〜120℃、2〜5時間行うのが好ましい。

0037

式(3)の化合物と式(4)の化合物を、150℃以上に加熱するか、又はホウ酸エステルの存在下に反応させることにより、式(5)の化合物が極めて高収率で得られる。

0038

式(3)の化合物と式(4)の化合物を150℃以上に加熱して反応させる場合の溶媒としてはテトラリン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。反応温度が150℃未満では、反応時間が長くなる。150℃以上、特に150〜180℃が好ましい。反応時間は、2〜5時間で終了する。この方法は、反応温度が高いにもかかわらず、副反応が生じないため、高純度の式(4)の化合物が高収率で得られる。

0039

ホウ酸エステルとしては、ホウ酸トリフェニルが好ましい。ホウ酸トリフェニルを用いた場合には、副反応がほとんど生じないため、高純度の式(4)の化合物が高収率で得られる。反応溶媒は、トルエン、キシレンが好ましい。反応は80〜120℃が好ましく、この条件で1〜5時間で終了する。

0040

式(5)の化合物とN,N−ジイソプロピルエチレンジアミン(6)をトルエン中で反応させることにより、式(7)の化合物が得られる。

0041

この反応は、トルエン中で行うことにより、反応液の着色がほとんどおこらない。その結果、得られる式(7)の化合物が着色せず、後処理が簡便となる。溶媒として、キシレンやテトラリンを用いると反応液が黄褐色になる傾向にある。この反応は50〜150℃、1〜24時間、特に90〜120℃、5〜10時間行うのが好ましい。

0042

次に、式(7a)の化合物から式(7c)の化合物の製法について説明する。式(7a)の化合物は、種々の酸付加塩の形態で存在し得るが塩酸塩が好ましい。さらに、当該塩酸塩は、無水物、1水和物、3水和物が存在するが、その内、3水和物は、保存安定性が特に優れている。式(7a)の化合物をイソプロパノール水溶液から再結晶すると、3水和物(7c)が安定して、効率良く得られる。用いるイソプロパノール水溶液としては10〜90%が好ましい。イソプロパノール水溶液を用いて得られた式(7c)の化合物は、湿度の変化、室温での取り扱い並びに製剤化に対して安定であり、医薬品原料として有用である。

0043

次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0044

実施例1
2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸(2a)の合成
(1)アルゴン気流下、酢酸エチル10gに2,4,5−トリメトキシ安息香酸(1a)2.0g、NaBr 1.45gを懸濁させ、25℃でBF3・Et2O 4.0gを滴下後、40℃で3時間加熱攪拌した。反応液を氷冷し、10℃で水10mLを滴下、次いで25%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液7.5gを滴下した。さらに、水10mLを加え、攪拌後、不溶無機物をろ去した。分取した水層に、35%塩酸3.94gを滴下し、10分間攪拌した。析出結晶をろ取、水洗した。60℃で減圧乾燥を行い、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸(2a)1.7gを収率91%で得た。
1H−NMRDMSO−d6,δ):3.71(s,3H),3.81(s,3H),6.56(s,1H),7.17(s,1H),11.15−11.30(bs,1H),13.45−13.70(bs,1H)

0045

(2)アルゴン気流下、化合物(1a)10gを酢酸エチル30mLに懸濁させ、氷冷下10−15℃でTiCl4 6.2mLを滴下した。反応液を加熱還流させ、5時間攪拌した。反応液を冷却し、24℃で35%塩酸4.9gを滴下後、水30mLを加え、55℃で1時間加熱攪拌した。析出結晶をろ取、水洗し、12.45gの化合物(2a)の湿結晶を得た。得られた湿結晶の半量(6.23g)を水15mLに懸濁させ、18℃で25%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液3.52gを滴下した後、60℃で1時間加熱攪拌した。反応液に酢酸エチル20mLを加え、分液操作を行い、分取した水層に35%塩酸2.19gを滴下した。析出結晶をろ取、水洗した。60℃で減圧乾燥を行い、化合物(2a)4.13gを収率88%で得た。

0046

(3)アルゴン気流下、ジメチルホルムアミド(DMF)11mLに化合物(1a)2.12g、AlCl3・6H2O 4.82g、NaBr 2.06gを懸濁させ、100℃で5時間加熱攪拌した。反応液を放冷し、35%塩酸10.4gを滴下し、次いで水11mLを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。析出結晶をろ取、水洗した。60℃で減圧乾燥を行い、化合物(2a)1.45gを収率73%で得た。

0047

(4)アルゴン気流下、トルエン20gにAlCl3 6.28gを懸濁させ、26℃でDMF20gを滴下した後、化合物(1a)10.0gを加え、85℃で1.5時間加熱攪拌した。反応液を冷却後、35%塩酸5.89gを滴下し、次いで水17.0gを加え、75℃で1時間加熱攪拌した。析出結晶をろ取、水洗した。60℃で減圧乾燥を行い、化合物(2a)9.0gを収率96%で得た。

0048

比較例1
(1)アルゴン気流下、酢酸エチル1mLに化合物(1a)200mg、BF3・Et2O 387μLを添加後、25℃で5時間攪拌した。しかし、この条件では反応は進行しなかった。また、溶媒としてアセトニトリル、50℃、5時間の条件にしてもまったく反応は進行しなかった。従って、BF3・Et2Oを用いた場合には、NaBrなどの試薬が必要であることが判明した。

0049

(2)アルゴン気流下、化合物(1a)500mgをトルエン5.0gに懸濁させ、22℃でTiCl4 1.27gを滴下した。反応液を70〜75℃で1時間加熱攪拌した。
この反応では、2−位のメトキシ基以外のメトキシ基も脱メチル化されてしまい、選択的に目的を得ることはできなかった。

0050

(3)アルゴン気流下、2,4,5−トリメトキシ安息香酸500mgをトルエン10mLに懸濁させ、室温攪拌下でAlCl3 1.26gを添加した。反応液を90〜98℃で2時間加熱攪拌した。
この反応では、2−位のメトキシ基以外のメトキシ基も脱メチル化されてしまい、選択的に目的を得ることはできなかった。
上記(2)及び(3)より、2−位のメトキシ基の選択的脱メチル化には、BF3・Et2O、TiCl3又はAlCl3とエステル系、ケトン系又はアミド系溶媒との組み合せが重要であることが判明した。

0051

実施例2
2−ヒドロキシ−4,5−ジメトシキ安息香酸フェニル(3a)の合成
(1)キシレン10gに化合物(2a)1.0g、フェノール522mgを懸濁させ、SOCl2 460μLを滴下し、3時間加熱還流した後、SOCl2 184μLを追加し、さらに1時間加熱還流をした。反応溶媒を留去し、残渣にメタノールを加え、攪拌した。析出結晶をろ取し、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)880mgを収率64%で得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.77(s,3H),3.86(s,3H),6.66(s,1H),7.29−7.35(m,3H),7.40(s,1H),7.46−7.50(m,2H),10.29(s,1H)

0052

(2)アルゴン気流下、トルエン1.5gにP(OPh)3 2.35g、化合物(2a)1.5g、及びH2SO4 40.3μLを混合し、反応液を加熱還流させ、2.5時間攪拌した。反応液を放冷し、メタノール5gを加え、30分間攪拌、次いで水2.5gを加え、30分間攪拌した。析出結晶をろ取、減圧乾燥させ、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)2.0gを収率96%で得た。

0053

実施例3
2−〔(2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミノ〕−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(5a)の合成
(1)アルゴン気流下、トルエン25gに2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)5.0g、2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(4a)3.75g(PhO)3B 5.49gを懸濁させ、100℃で3時間加熱攪拌した。70℃でメタノール25gを滴下した後に、1時間加熱還流した。放冷し30℃以下で1時間攪拌後、析出結晶をろ取した。60℃で減圧乾燥を行い、標記化合物(5a)を1メタノール和物として6.49gを収率96%で得た。標記化合物(5a)の1メタノール和物のHPLCによる純度は99.78%であり、極めて高純度であった。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.19(s,3H),3.79(s,3H),3.83(s,3H),3.84(s,3H),4.05〜4.15(bs,1H),6.61(s,1H),7.63(s,1H),8.13(s,1H),11.77(s,1H),12.40(s,1H)
更に100℃で減圧乾燥を行い、標記化合物(5a)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.79(s,3H),3.83(s,3H),3.84(s,3H),6.61(s,1H),7.63(s,1H),8.13(s,1H),11.77(s,1H),12.40(s,1H)

0054

(2)アルゴン気流下、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)500mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(4a)433mgをテトラリン500mgに懸濁させ、175℃で3時間攪拌した。冷却後、メタノールを加え1時間攪拌した。析出結晶をろ取し、60℃で減圧乾燥を行い、標記化合物(5a)の1メタノール和物620mgを収率92%で得た。

0055

実施例4
2−〔(2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミノ〕−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(5a)の合成
(1)アルゴン気流下、キシレン2.5gに2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)500mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(4a)288mg、(MeO)3B 204μLを懸濁させ、3時間加熱還流した(140℃)。反応液を放冷し、メタノール5gを滴下した後に、1時間加熱還流した。氷冷し、1時間攪拌後、析出結晶をろ取した。80℃で1時間減圧乾燥を行い、標記化合物(5a)の1メタノール和物505mgを収率80%で得た。

0056

(2)(MeO)3Bの代わりに(PhO)3Bを用い溶媒としてキシレン(140℃)又はテトラリン(175℃)を用いて、(1)と同様に反応を行った結果、それぞれ収率85%、67%で標記化合物(5a)の1メタノール和物が得られた。

0057

(1)及び(2)より(PhO)3Bの存在下、80〜120℃で反応を行うのが好ましいことがわかる。

0058

比較例3
アルゴン気流下、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸フェニル(3a)250mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(4a)144mgをキシレン250mgに懸濁させ、7時間加熱還流(140℃)した。反応は完結しなかった。冷却後、メタノールを加え1時間攪拌した。析出結晶をろ取し、60℃で減圧乾燥を行い、実施例4と同様の化合物(5a)170mgを収率55%で得た。
比較例3及び実施例3(3)より、化合物(3a)と化合物(4a)の加熱による反応は150℃以上が好ましいことがわかる。

0059

実施例5
2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸4−ニトロフェニルエステル(3a)の合成
アルゴン気流下、トルエン5.0gにトリス(4−ニトロフェニル)フォスファイト2.2g、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸1.0gおよびH2SO411μlを混合し、反応液を加熱還流させ、2時間攪拌した。反応液を放冷し、40℃でメタノール5mLを加え、30分間攪拌後、析出結晶をろ取、減圧乾燥させ、標記化合物(3a)を収率60%で得た。
1H−NMR(CDCl3,δ):3.91(s,3H),3.96(s,3H),6.55(s,1H),7.37(s,1H),7.42(d,2H,J=9.0Hz),8.35(d,2H,J=9.0Hz),10.26(s,1H)

0060

実施例6
2−〔(2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミノ〕−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(5a)の合成
アルゴン気流下、キシレン1mLに2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ安息香酸−4−ニトロフェニルエステル200mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチルエステル119mgを懸濁させ、130℃で12時間加熱攪拌した。反応液を放冷後、メタノール1mLを加え、1時間加熱還流した。放冷し30℃以下で析出結晶をろ取、減圧乾燥を行い、標記化合物(5a)180mgを収率80%で得た。

0061

実施例7
N−〔2−(ジイソプロピルアミノ)エチル〕−2−〔(2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシベンゾイル)アミノ〕−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド(化合物7a)の合成
トルエン30mLに実施例4で得た化合物(5a)10.81gを懸濁させ、アルゴン気流下、70℃でジイソプロピルエチレンジアミン(6)を滴下した後、100℃で5時間加熱攪拌した。反応液を放冷し、75℃で10%(w/w)塩化ナトリウム水溶液20mLを加え、抽出操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。水層を除いた後、トルエンを減圧留去し、残渣を80%(v/v)2−プロパノール水38mLで希釈した。35%塩酸9.22gを滴下し、化合物(7a)塩酸塩を析出させた。析出結晶をろ取、2−プロパノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥を行い、化合物(7a)の塩酸塩14.45gを収率97%で得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):1.32(d,6H,J=6.4Hz),1.35(d,6H,J=6.4Hz),3.16−3.19(m,2H),3.59−3.67(m,4H),3.78(s,3H),3.82(s,3H),6.89(s,1H),7.50(s,1H),7.91(s,1H),8.74(t,1H,J=5.9Hz),9.70(s,1H),11.80(s,1H),12.05−12.15(bs,1H)

0062

比較例5
反応溶媒としてキシレン又はテトラリンを用いる以外は実施例7と同様にして反応を行った。その結果、トルエンを用いた場合は反応液が無色又は淡黄色であったが、キシレンやテトラリンでは黄褐色に着色する傾向があった。

実施例

0063

実施例8
化合物(7c)の合成
20%2−プロパノール水8mLに化合物(7a)2.0gを懸濁させ、加熱攪拌を行い、完全に溶解させた。攪拌を継続しながら放冷し、内温20℃で析出した結晶をろ取、20% 2−プロパノール水で洗浄した。50℃で減圧乾燥を行い、化合物(7c)1.8gを収率90%で得た。
得られた結晶(HCl・3H2O)は、カールフィッシャー法を用いた水分測定において、理論値9.98%に対し測定値9.99〜10.06%と3水和物を示唆するものである。湿度の変化、ならびに室温での取り扱いに対してその品質が変化せず安定であった。

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