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技術 風力発電設備の駆動装置及び減速装置、及び、風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 峯岸清次矢野雄二鶴身洋阿部瞬
出願日 2011年4月4日 (8年11ヶ月経過) 出願番号 2011-083122
公開日 2012年11月12日 (7年4ヶ月経過) 公開番号 2012-219637
状態 特許登録済
技術分野 風車 減速機1 歯車・カム
主要キーワード 円筒支柱 風力負荷 ケーシング固定 旋回歯車 ノックピン孔 ケーシング体 継ケーシング 据え付け後
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図面 (7)

課題

小型、且つ低コストで、過大な風力負荷が掛かるような状況においても、減速装置モータの破損や故障を効果的に防止することのできる減速装置を得る。

解決手段

風力発電設備の本体側に設けられた単一の旋回歯車と同時に噛合う出力ピニオン24をそれぞれ出力軸84に備えた複数の減速装置G1〜G4を有する風力発電設備のヨー駆動装置14であって、出力ピニオン24は、それぞれ軸方向に分割された第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とを有し、該第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とが、それぞれ周方向位相がずれて固定されている。

概要

背景

特許文献1に、風力発電設備ナセルを水平面内で旋回させるためのヨー駆動装置が開示されている。

この特許文献1に係るヨー駆動装置では、風力発電設備の本体(円筒支柱)側に旋回歯車が1個設けられ、ナセル側にはブレーキ機構及び減速装置を備えた電動機が複数(開示例では2個)据え付けられている。各減速装置の出力ピニオンは、前記旋回歯車に同時に噛合しており、出力ピニオンが旋回歯車と噛合したときに旋回歯車側から受ける反作用によって、(電動機が据え付けられた)ナセルが旋回するようになっている。

ナセル全体を円筒支柱に対して旋回させることにより、ナセルの先端の向きを所望の方向(例えば風上の方向)に向けることができ、効率的に風圧を受けることができる。また、複数の減速装置の各ピニオンを旋回歯車に同時に噛合させる構成とすることにより、1個1個の減速装置の大きさを小さく抑えることができ、地上から高い位置にある狭いナセル内で据え付ける際の取り扱い性等を向上させることができる。

概要

小型、且つ低コストで、過大な風力負荷が掛かるような状況においても、減速装置やモータの破損や故障を効果的に防止することのできる減速装置を得る。風力発電設備の本体側に設けられた単一の旋回歯車と同時に噛合う出力ピニオン24をそれぞれ出力軸84に備えた複数の減速装置G1〜G4を有する風力発電設備のヨー駆動装置14であって、出力ピニオン24は、それぞれ軸方向に分割された第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とを有し、該第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とが、それぞれ周方向位相がずれて固定されている。

目的

本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、新たに見出した中間課題(後述)に着目し、この中間課題を克服することによって、結果として(従来と同等の大きさであっても)より破損しにくい風力発電設備の駆動装置、或いは減速装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

風力発電設備の本体側に設けられた単一の歯車と同時に噛合うピニオンをそれぞれ出力軸に備えた複数の減速装置を有する風力発電設備の駆動装置であって、前記ピニオンは、それぞれ軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体とが、それぞれ周方向位相がずれて固定されていることを特徴とする風力発電設備の駆動装置。

請求項2

請求項1において、前記複数の減速装置は、それぞれの前記ピニオンが、前記単一の歯車と周方向で等間隔ではない位置にて噛合していることを特徴とする風力発電設備の駆動装置。

請求項3

請求項1又は2において、前記第1ピニオン体及び第2ピニオン体のうち、第1ピニオン体が、前記出力軸と周方向に係合する係合部を有し、第2ピニオン体は該出力軸に対して周方向に移動可能であることを特徴とする風力発電設備の駆動装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれかにおいて、前記第1ピニオン体と第2ピニオン体とを周方向に固定する構成が、該第1ピニオン体と第2ピニオン体を貫通するピン孔と、該ピン孔に挿入されたノックピンと、前記出力軸に固定され前記ノックピンを負荷側から抜け止め支持する支持部材と、を備えた構成とされていることを特徴とする風力発電設備の駆動装置。

請求項5

風力発電設備の本体側に設けられた歯車と噛合うピニオンを出力軸に備えた風力発電設備の減速装置であって、前記ピニオンは、軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体の少なくとも一方が出力軸に対して周方向に移動可能な構成とされていることを特徴とする風力発電設備の減速装置。

請求項6

請求項5において、前記第1ピニオン体及び第2ピニオン体には、共通のノックピンを挿入するための下孔のセットがそれぞれ形成されていることを特徴とする風力発電設備の減速装置。

請求項7

風力発電設備の本体側に設けられた単一の歯車と同時に噛合うピニオンをそれぞれ出力軸に備えた複数の減速装置を有する風力発電設備の駆動装置における前記減速装置の据え付け方法において、据え付け前の減速装置として、前記ピニオンが軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体の少なくとも一方が出力軸に対して周方向に移動可能な構成とされている据え付け前減速装置を用意する準備工程と、該据え付け前減速装置の出力軸を収容しているケーシングを、前記減速装置を固定すべき部材に固定するケーシング固定工程と、前記第1ピニオン体を回転させ、該第1ピニオン体の歯面を前記歯車の特定の歯の歯面に当接させる第1当接工程と、前記第2ピニオン体を、前記第1ピニオン体を回転させた方向と逆方向に回転させ、該第2ピニオン体を前記歯車の前記第1ピニオン体を当接させた前記特定の歯の隣の歯の歯面に当接させる第2当接工程と、前記第1ピニオン体と第2ピニオン体とを周方向に固定するピニオン固定工程と、を含むことを特徴とする風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法。

請求項8

請求項7において、前記準備工程にて準備される据え付け前減速装置の、前記第1ピニオン体及び第2ピニオン体に、共通のノックピンを挿入するための下孔をそれぞれ予め形成しておき、前記ピニオン固定工程が、前記第1、第2当接工程によって周方向に軸心がずれた第1ピニオン体側の下孔と第2ピニオン体側の下孔に対して共通の軸心を有するノックピン孔を形成するサブ工程を含むことを特徴とする風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法。

請求項9

請求項7または8において、さらに、前記請求項7または8に係る据え付け方法によって減速装置を据え付けた後、前記第1当接工程における前記第1ピニオン体の回転方向及び第2当接工程における前記第2ピニオン体の回転方向をそれぞれ逆転させることによって、据え付け直す再据え付け工程を含むことを特徴とする風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法。

技術分野

0001

本発明は、特に風力発電設備駆動装置及び減速装置、及び、風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1に、風力発電設備のナセルを水平面内で旋回させるためのヨー駆動装置が開示されている。

0003

この特許文献1に係るヨー駆動装置では、風力発電設備の本体(円筒支柱)側に旋回歯車が1個設けられ、ナセル側にはブレーキ機構及び減速装置を備えた電動機が複数(開示例では2個)据え付けられている。各減速装置の出力ピニオンは、前記旋回歯車に同時に噛合しており、出力ピニオンが旋回歯車と噛合したときに旋回歯車側から受ける反作用によって、(電動機が据え付けられた)ナセルが旋回するようになっている。

0004

ナセル全体を円筒支柱に対して旋回させることにより、ナセルの先端の向きを所望の方向(例えば風上の方向)に向けることができ、効率的に風圧を受けることができる。また、複数の減速装置の各ピニオンを旋回歯車に同時に噛合させる構成とすることにより、1個1個の減速装置の大きさを小さく抑えることができ、地上から高い位置にある狭いナセル内で据え付ける際の取り扱い性等を向上させることができる。

先行技術

0005

特開2005−320891号公報(段落[0020]、[0021]、図1図2

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、風力発電設備は、自然環境下に設置される設備であるため、ときに乱れた風や突風を受けたりすることがある。このような強い風が吹くと、風車ブレードを介してナセルが回転しようとし、旋回歯車側から該風力負荷トルクが減速装置内に入力されてくる「動力逆流現象」が発生する。

0007

通常、このような強い風が吹くときには、ヨー駆動装置の各回転要素は回転が止められた状態とされ、ナセルが無制御状態で異常に旋回するのを拘束している。このため、当該旋回歯車側から入力されてきた風力負荷トルクは、停止状態にある減速装置内の各要素に掛かることになり、減速装置は、非常に過酷な状態に置かれる。この結果、甚だしいときには破損に至ることもあるという問題が生じていた。

0008

この問題に対処するために減速装置全体の大きさを大きくするのは、狭いナセル内に設置する機器として大きなデメリットとなる。また、せっかく複数の減速装置に分けて小型化したメリット減殺されてしまう。何よりも、自然相手の設備であるため、どの程度の大きさまで大きくすれば破壊されない、という明確な指標自体がないため、闇に減速装置の大きさを拡大することにも限界がある。

0009

本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、新たに見出した中間課題(後述)に着目し、この中間課題を克服することによって、結果として(従来と同等の大きさであっても)より破損しにくい風力発電設備の駆動装置、或いは減速装置を提供することをその本来の課題としている。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、風力発電設備の本体側に設けられた単一の歯車と同時に噛合うピニオンをそれぞれ出力軸に備えた複数の減速装置を有する風力発電設備の駆動装置であって、前記ピニオンは、それぞれ軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体とが、それぞれ周方向位相がずれて固定されている構成とすることにより、上記課題を解決したものである。

0011

なお、本発明において、風力発電設備の本体側の「本体」とは、「減速装置が組み込まれている部材に対して相対的に動く部材または装置」を指している。例えば、風力発電設備のヨー駆動装置の場合であれば、減速装置が組み込まれているナセルの構造部材に対して相対的に動く円筒支柱が「本体」に相当し、ピッチ駆動装置の場合は、減速装置が組み込まれているナセルの構造部材に対して相対的に動く風車ブレードが、「本体」に相当する。

0012

本発明想到に当たって着目した中間課題は、公知の課題ではないため、以下、簡単に説明する。

0013

ヨー駆動装置を複数の減速装置にて構成する場合、該複数の減速装置の出力ピニオンが同一のバックラッシで均等に旋回歯車と噛合し、全減速装置が同一の伝達トルクを受け持つように配備される必要がある。

0014

従来のヨー駆動装置でも、モータによって駆動された複数の減速装置の出力を1個の旋回歯車に作用させる「通常の駆動時」の場合は、各減速装置の出力が均等になるように制御するのは比較的容易である。それは、(たとえ各減速装置の機械的なバックラッシ量が不均一であったとしても)各減速装置に実際に流れる電流フィードバック制御することで、それぞれの減速装置の発生トルクを均一にすることが、ある程度可能だからである。

0015

しかし、風力負荷トルクによって旋回歯車側から逆駆動されるときは、この「電流のフィードバック制御による等配制御」を活用することができない。そのため、従来のヨー駆動装置では、強風で旋回歯車が動くことによってバックラッシが最初に詰められた減速装置が大きな負担を強いられることを余儀なくされていた。

0016

さらに、通常このような強風環境では、ナセルの無制御状態での異常旋回を防止するため、減速装置の各回転要素が制動機構によって停止された状態に維持されることが多い。このため、最初にバックラッシが詰められた減速装置によって旋回歯車の回転が固定され、他の減速装置は、旋回歯車とのバックラッシが詰められない状態のままとなって、旋回歯車側からの風力負荷を受けることができなるという状況も推察される。

0017

このような状況に陥ると、最初にバックラッシが詰められた「特定の1個の減速装置」のみに風力負荷トルクが完全に集中してしまうことになる。そして、この最初にバックラッシが詰められた特定の1個の減速装置が破損すると、今度は残った減速装置のうち、バックラッシが最初に詰められた第2の減速装置が同様な状態となり、次々に連鎖的に破損してしまうのではないかと考えられる。

0018

本発明は、この特定の1個の減速装置のみに風力負荷が掛かってしまう現象を中間課題として捉え、この中間課題を合理的に解消することによって、常に搭載されている全ての減速装置によって旋回歯車側からの風力負荷トルクを受けることができるように構成している。これにより、例えばn個の減速装置が搭載されている構造の場合には、実質的に(従来と比べて)風力負荷トルクをほぼ1/nに減じたと同様な作用効果を得ることができ、従来と同様な大きさを維持しながら減速装置の破損を大幅に低減することができる。

発明の効果

0019

本発明によれば、(従来と同等の大きさであっても)より破損しにくい風力発電設備の駆動装置、或いは減速装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施形態の一例に係る風力発電設備のヨー駆動装置に使用する減速装置の全体断面図
複数の減速装置の出力ピニオンが単一の旋回歯車と同時に噛合している様子を示す一部に拡大図を含む平面図
当該減速装置をナセルに据え付けるときの据え付け工程を示す工程図
上記減速装置が適用される風力発電設備の正面図
上記風力発電設備のナセルに上記減速装置が組み込まれている様子を模式的に示す斜視図
本発明の他の実施形態に係る風力発電設備の減速装置の全体断面図

実施例

0021

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例に係る風力発電設備のヨー駆動装置、特にその中の減速装置の構成について詳細に説明する。

0022

図4及び図5を参照して、この風力発電設備10は、円筒支柱(風力発電設備の本体)11の最上部にナセル(発電室)12を備える。ナセル12には、ヨー(Yaw)駆動装置14と、ピッチ(Pitch)駆動装置16が組み込まれている。ヨー駆動装置14は、円筒支柱11に対するナセル12全体の旋回角を制御するためのものであり、ピッチ駆動装置16は、ノーズコーン18に取り付けられる3枚の風車ブレード20のピッチ角を制御するためのものである。

0023

この実施形態では、ヨー駆動装置14に本発明が適用されているため、ここではヨー駆動装置14について説明する。

0024

このヨー駆動装置14は、モータ22及び出力ピニオン24付きの4個の減速装置G1〜G4及びそれぞれの出力ピニオン24と噛合する1個の旋回歯車28を備える(旋回歯車28は、この例では内歯歯車であるが外歯歯車であってもよい)。各減速装置G1〜G4は、それぞれナセル12の構造体側の所定の位置に固定されている。図2に示されるように、この実施形態では、複数の減速装置G1〜G4は、それぞれの前記出力ピニオン24が、旋回歯車28と周方向で等間隔ではない位置にて噛合している。これは、狭いナセル12内に減速装置G1〜G4を配置しようとした場合に現実には減速装置G1〜G4を円周方向において均等に配置するのが困難であり、このように等間隔でない配置の方がメリットが大きいという事情に基づいている。なお、この図2の配置例は一例であり、現実には実際のナセル内の状況に応じて適宜の配置に変更されてよく、勿論、円周方向に等間隔であっても良い。

0025

この構成により、各減速装置G1〜G4のモータ22によって各出力ピニオン24を同時に回転させると、該出力ピニオン24が旋回歯車28と噛合しながら該旋回歯車28の中心36(図5参照)に対して公転させることができる。この結果、ナセル12を円筒支柱11(に固定された旋回歯車28)に対して相対的に移動させることができ、ナセル12全体を円筒支柱11に固定されている旋回歯車28の中心36の周りで旋回させることができる。これにより、ノーズコーン18を所望の方向(例えば風上の方向)に向けることができ、効率的に風圧を受けることができる。

0026

前記減速装置G1〜G4は、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは減速装置G1について説明する。

0027

図1を参照して、減速装置G1はモータ22、直交歯車減速機構40、第1、第2平行軸減速機構41、42及び偏心揺動型遊星歯車減速機構44が動力伝達経路上でこの順に配置されている。

0028

以下、動力伝達経路上の順番に説明していく。モータ22のモータ軸46は、直交歯車減速機構40の入力軸を兼ねており、モータ22のモータ軸46の負荷側の端部にはハイポイドピニオン47が直切りで形成されている。なお、該モータ軸46の反負荷側の端部にはブレーキ装置(図示略)が備えられている。

0029

直交歯車減速機構40は、モータ22の先端に直切形成された前記ハイポイドピニオン47と、該ハイポイドピニオン47と噛合するハイポイドギヤ50とを備え、モータ軸46の回転方向を直角方向に変更している。ハイポイドギヤ50は、第1中間軸52に固定されている。

0030

第1中間軸52には、第1平行軸減速機構41のスパーピニオン54が直接形成されている。第1平行軸減速機構41は、このスパーピニオン54と、該スパーピニオン54と噛合するスパーギヤ56とを備えている。スパーギヤ56は、第2中間軸58に固定されている。第2中間軸58には第2平行軸減速機構42のスパーピニオン60が直接形成されている。第2平行軸減速機構42は、このスパーピニオン60と、該スパーピニオン60と噛合するスパーギヤと64を備えている。スパーギヤ64はホロー軸(第2平行軸減速機構42の出力軸)66に固定されている。ホロー軸66はキー67及びボルト68を介して継軸70と連結されている。継軸70の負荷側には継カップリング70Aが圧入されている。継カップリング70Aの負荷側はホロー部とされ、このホロー部の内側でスプライン71が形成された遊星歯車減速機構44の入力軸72が連結されている。これにより、ホロー軸66は、継軸70、継カップリング70Aを介して入力軸72と連結されることになる。なお、出力軸84の側から減速装置G1を介してモータ22に大きなトルクが入力されるとモータ22の故障の原因となるため、継軸70と継カップリング70Aは、このような過大入力があった場合、該継軸70と継カップリング70Aの圧入部分が滑ることでモータ22への入力を遮断するトルクリミッタを構成するようになっている。なお、符号73は、ボルト75を介して後述する遊星歯車減速機構44の反負荷側カバー48Cとボルト75を介して装着された継ケーシングである。

0031

遊星歯車減速機構44は、当該入力軸72、該入力軸72にキー結合された2つの偏心部を有する偏心体74、該偏心体74を介して偏心揺動する2枚の外歯歯車76、該外歯歯車76が内接噛合する内歯歯車78を備えている。2枚の外歯歯車76は、その偏心位相が丁度180度ずれており、互いに離反する方向に偏心した状態を維持しながら揺動回転する。なお、遊星歯車減速機構44のケーシング48は、第1、第2ケーシング体48A、48B、及び、反負荷側及び負荷側カバー体48C、48Dとで主に構成され、ボルト79を介して前記ナセル12の構造体12Aに固定されている。

0032

前記内歯歯車78は、このうちの第1ケーシング体48Aと一体化されている内歯歯車本体78Bと、該内歯歯車本体78Bに回転自在に保持されて内歯として機能する円筒状の外ピン78Aによって構成されている。内歯歯車78の内歯の数(外ピン78Aの数)は、外歯歯車76の外歯の数より僅かだけ(この例では1だけ)多い。外歯歯車76には内ピン遊星ピン)80が複数(この例では12本)貫通している。内ピン80は、出力フランジキャリヤ)82と一体化され、該出力フランジ82は減速装置G1の出力軸84と一体化されている。

0033

出力軸84は、第2ケーシング体48Bの内周に組み込まれた自動調心ころ軸受85と、第1ケーシング体48Aの内周に配置されたころ83によって支持されている。ころ83は、前記内歯歯車78の内歯を構成する外ピン78Aと同軸に配置され、出力軸84と一体化された出力フランジ82を支持することによって、出力軸84の一端を回転自在に支持している。

0034

この実施形態では、内歯歯車78が第1ケーシング体48Aに固定されているため、遊星歯車減速機構44の入力軸72が回転すると偏心体74を介して外歯歯車76が揺動し、該外歯歯車76の内歯歯車78に対する相対回転自転成分)が、内ピン80及び出力フランジ82を介して出力軸84から取り出される構成とされている。出力軸84には、外スプライン87を介して前出の出力ピニオン24(のこれから説明する第1ピニオン体86)が連結され、該出力ピニオン24が既に説明した旋回歯車28(図4図5)と噛合する構成とされている。

0035

ここで、出力ピニオン24の周辺の構成について詳細に説明する。

0036

出力ピニオン24は、軸方向に分割された第1ピニオン体86と第2ピニオン体88を有している。第1ピニオン体86と第2ピニオン体88は、インロウを構成する段差部90を有しており、第2ピニオン体88は、この段差部90によって第1ピニオン体86に対して半径方向に位置決めされている。出力軸84には第1ピニオン体86が位置する部分にのみ前記外スプライン87が形成されている。そして、第1ピニオン体86のみが該出力軸84の外スプライン87と係合する内スプライン(係合部)91を有し、出力軸84と周方向に係合している。しかし、出力軸84の第2ピニオン体88が位置する部分には外スプラインは形成されておらず、また第2ピニオン体88の内周にも内スプラインは形成されていない。したがって、第2ピニオン体88自体は、出力軸84に対しては周方向に移動可能である。

0037

一方、第1、第2ピニオン体86、88には、該第1、第2ピニオン体86、88を貫通するノックピン孔92が形成されている。このノックピン孔92には、隙間のない状態でノックピン94が挿入されている。該ノックピン94を介して第1ピニオン体86及び第2ピニオン体88が周方向に固定されている。ノックピン94は、支持部材96によって負荷側から支持され、ノックピン孔92から抜けるのが防止されている。なお、支持部材96は、ボルト97を介して出力軸84の負荷側端面84Eに固定されている。

0038

図2で一部を拡大図示するように、第1ピニオン体86と第2ピニオン体88は、上記構成を利用して、それぞれが旋回歯車28の隣り合う二つの内歯(例えば、図2におけるA歯28A及びB歯28B)にバックラッシ無しで(常に当接する状態で)噛合するように、位相をピッチ円上で円周方向にδだけずらした状態で固定されている。

0039

図3を参照しながら、出力ピニオン24の第1ピニオン体86と第2ピニオン体88を、円周方向に位相δだけずらした状態で固定する方法について説明する。

0040

先ず、減速装置G1を構成するために(G2〜G4も同じ)、図3(A)に示されるような減速装置G1aを用意する(準備工程)。減速装置G1aは、出力ピニオン24が軸方向に分割された第1、第2ピニオン体86、88を備え、このうち第1ピニオン体86が出力軸84と周方向に係合する内スプライン91を有し、第2ピニオン体88は出力軸84に対して周方向に移動可能な構成とされているもので、据え付け前の減速装置G1に相当しているものである。

0041

この実施形態においては、この準備工程にて準備される減速装置G1aの第1ピニオン体86及び第2ピニオン体88には、共通のノックピン94を挿入するための複数の第1、第2下孔86A、88Aが予め同数だけ同一の軸心(第1、第2ピニオン86、88の中心からの距離が同一で且つ円周方向の間隔も同一)で形成されている。第1、第2下孔86A、88Aの径は、この実施形態では同一である(または第2下孔88Aの方が僅かに大きい)。第2下孔88Aの径は、減速装置G1のノックピン94のノックピン孔92の径より小さい。

0042

次いで、減速装置G1aの出力軸84を収容しているケーシング(この実施形態では遊星歯車減速機構44を収容している第1ケーシング体48A)を、該減速装置G1aを固定すべき部材であるナセル12の構造体12Aに固定する(ケーシング固定工程)。なお、図3(A)に示されるように、このとき、減速装置G1aの遊星歯車減速機構44以外の部分(モータ22、直行歯車減速機構40、第1、第2平行軸減速機構41、42の部分)は、取り外しておく。図3(A)の実施形態では第2ピニオン体88も取り外しておいてあるが、第2ピニオン体88については、付けたままであってもよい。

0043

次に、図3(A)〜(B)に示されるように、遊星歯車減速機構44の入力軸72のスプライン71に係合する第1治具98を使用して遊星歯車減速機構44の入力軸72を回転させる(矢印A1)。これにより、(遊星歯車減速機構44を介して)第1ピニオン体86を回転させ、該第1ピニオン体86の歯面を旋回歯車28の特定の歯(例えば図2のA歯28A)の歯面に当接させることができる(第1当接工程)。そして、この状態で第1治具98のハンドル98Aを固定することによって第1ピニオン体86を仮固定する(第1仮固定工程)。

0044

その後、図3(B)の下側に示されるように、第2ピニオン体88を下側から段差部90をインロウ嵌合して組み込み、該第2ピニオン体88の一部の歯と噛合するピン100Aを備えた第2治具100を使用して、該第2ピニオン体88を、第1ピニオン体86を回転させた方向と逆方向に回転させる(矢印A2)。この結果、第2ピニオン体88は、旋回歯車28の(第1ピニオン体86を当接させた)前記図2のA歯28Aの隣のB歯28Bの歯面に当接させることができる(第2当接工程)。そして、この状態で第2治具100を固定することによって第2ピニオン体88を仮固定する(第2仮固定工程)。

0045

その後、この仮固定状態の第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とを周方向に固定する(ピニオン固定工程)。このピニオン固定工程は、具体的には次のようにして行う。先ず、第1ピニオン体86を旋回歯車28のA歯28Aに、第2ピニオン体88を旋回歯車28の(A歯の隣の)B歯28Bにそれぞれ当接させると、予め形成されていた第1ピニオン体86の第1下孔86Aの軸心と第2ピニオン体88の第2下孔88Aの軸心が円周方向にバックラッシに相当する位相δだけずれるようになる。

0046

ここで、第2下孔88Aを基準としてノックピン孔92相当の径を有するリーマ(図示略)を使用して第2下孔88Aの径を拡大しつつ、第2下孔88Aの軸心を維持したまま第1ピニオン体86の第1下孔86Aの径を拡大させてゆく。すると、前記第1、第2当接工程によって周方向に軸心がずれた第1ピニオン体86の第1下孔86Aと第2ピニオン体88の第2下孔88Aを、共通の軸心を有する1本のノックピン孔92に形成し直すことができる。

0047

このノックピン孔92は、ノックピン94の径より若干小さいため、ノックピン94を打ち込んでいくことにより、第1ピニオン体86と第2ピニオン体88とを「がた」のない状態で円周方向に固定することができる。この実施形態では、ノックピン94を2本のみ打ち込んでいるが、より多くのノックピン94を打ち込むようにしてもよい。

0048

最後に、図3(C)に示されるように、支持部材96を、ボルト97を介して出力軸84の負荷側端面84Eに固定し、該支持部材96によってノックピン94を負荷側から支持し、ノックピン94がノックピン孔92から抜けるのを防止する。

0049

なお、その後に、図3(C)に合わせて示されるように、反負荷側カバー体48Cに継ケーシング体48Eをボルト75を介して装着し、更に、入力軸72の上部に継軸70等を装着し、減速装置G1の据え付けを完了する。

0050

次に、この減速装置G1の作用を説明する。

0051

再び図1を参照して、モータ22のモータ軸46の回転は、直交歯車減速機構40のハイポイドピニオン47及びハイポイドギヤ50の噛合によって初段減速され、同時に回転軸の方向が90度変更されて第1平行軸減速機構41の第1中間軸52に伝達される。

0052

第1中間軸52の回転は、第1平行軸減速機構41のスパーピニオン54及びスパーギヤ56の噛合によって第2中間軸58に伝達されると共に、さらに第2平行軸減速機構42のスパーピニオン60及びスパーギヤ64を介してホロー軸(第2平行軸減速機構42の出力軸)66に伝達される。ホロー軸66の回転は、キー67(及びボルト68)を介して継軸70に伝達され、スプライン71を介して遊星歯車減速機構44の入力軸72に伝達される。

0053

遊星歯車減速機構44の入力軸72が回転すると、偏心体74を介して外歯歯車76が(内歯歯車78に内接しながら)揺動回転するため、外歯歯車76と内歯歯車78との噛合位置が順次ずれてゆく現象が生じる。この結果、遊星歯車減速機構44の入力軸72が1回回転する毎に、外歯歯車76が1回揺動し、(ナセル12と固定状態にある)内歯歯車78に対して1歯分ずつ位相がずれて行くようになる(自転成分が発生する)。この自転成分を内ピン(遊星ピン)80、出力フランジ(キャリヤ)82を介して出力軸84側に取り出すことにより、遊星歯車減速機構44での減速が実現される。

0054

出力軸84の回転は、外スプライン87、内スプライン91を介して出力ピニオン24の第1ピニオン体86に伝達される。第1ピニオン体86はノックピン94を介して第2ピニオン体88と周方向に固定されているため、結局、出力ピニオン24全体が出力軸84と共に回転する。出力ピニオン24は旋回歯車28と噛合しており、且つ、該内歯歯車28は、円筒支柱11に固定されているため、反作用によって、結局、出力ピニオン24は、自転しながら内歯歯車28の中心36に対して公転する(図5参照)。減速装置G1〜G4は、ナセル12に固定されているため、結局、該円筒支柱11側の内歯歯車28の軸心36に対してナセル12が水平方向に回転(旋回)する。

0055

ここで、例えば、突風等が風車ブレード20に作用することによってナセル12を強制的に旋回させようとする巨大な「風力負荷トルク」が減速装置G1〜G4の出力ピニオン24側から入力された場合、この巨大な風力負荷トルクは、ヨー駆動装置14を逆から駆動し、旋回歯車28を介して減速装置G1の出力軸84を回転させようとする。一般に強い風が吹いているときには、モータ22の反負荷側に設けられたブレーキ機構によって減速装置の各回転要素は回転不能の状態とされ、ナセル12が無制御状態で旋回してしまうのを防止している。そのため、従来のヨー駆動装置では、旋回歯車28が動くことによってバックラッシが最初に詰められた減速装置(便宜上、第1の減速装置G1とする)が1台のみで該旋回歯車28のそれ以上の回転を阻止するため、他の減速装置G2〜G4の出力ピニオン24は、旋回歯車28とのバックラッシが詰められない状態のままとなってしまい、旋回歯車28側からの風力負荷トルクを受けることができない。そのため、結局、最初にバックラッシが詰められた「第1の減速装置G1」にのみ風力負荷トルクが集中し、この第1の減速装置G1が破損してしまう状況が発生し易くなっていたと考えられる。

0056

そして、第1の減速装置が破損してしまうと、今度は残った減速装置のうち、バックラッシが最初に詰められた第2の減速装置が同様な状態となるため、こうして全減速装置が次々に連鎖的に破損してしまう状況に陥ってししまったと考えられる。

0057

しかしながら、本実施形態によれば、全ての減速装置G1〜G4の出力ピニオン24が旋回歯車28に対してバックラッシがない状態で組み付けられているため、風力負荷トルクによって旋回歯車28が回転しようとすると、(右旋回の場合であっても、また左旋回の場合であっても)必ず全減速装置G1〜G4の出力ピニオン24が全て同時に該旋回歯車28の回転を共同して受け止めるように機能する。

0058

一般に、旋回歯車28の円周方向に減速装置G1〜G4が均等に配置されない場合には、各減速装置G1〜G4に均等に風力負荷トルクを受け止めさせるのは特に難しいため、搭載されている全ての減速装置G1〜G4が共同して旋回歯車28側からの風力負荷トルクを受けることができるようになるメリットは大きい。

0059

これは、要するならば、例えば、本実施形態のように4個の減速装置によって駆動装置が構成されている場合には、実質的に(従来と比べて)風力負荷トルクをほぼ1/4に減じたと同様な作用効果を得ることができることを意味しており、従来と同程度の大きさの減速装置G1〜G4を使用しながら、各減速装置G1〜G4の破損(特に連鎖的な破損)を極めて効果的に防止することができる。

0060

なお、上述した据え付け方法によって減速装置G1〜G4を据え付けた状態で、例えば所定期間運転した後、前記第1当接工程における前記第1ピニオン体86の回転方向及び第2当接工程における前記第2ピニオン体88の回転方向をそれぞれ逆転させることによって、据え付け直すのは、良い方法である。この据え付け方法を、より具体的に説明するならば、(1)当初は、例えば、図2描写されているように、第1ピニオン体86を旋回歯車28の歯面28Aに当接させると共に、第2ピニオン体88を隣の歯面28Bに当接させるように第1、第2ピニオン体86、88の位相をずらして(例えば所定期間)運転する;(2)その後、今度は第2ピニオン体88の方を歯面28Aに接触させると共に、第1ピニオン体86を歯面28Bに当接させるように、前述した工程と同様な手順によってノックピン(94)を打ち直して位相のずれの方向を逆転させる;というものである。この方法を用いることにより、例えば、ある程度運転して転動疲労蓄積した出力ピニオン24の歯面をほぼ新品同様で使い直すことができるため、出力ピニオン24の寿命を大きく伸ばすことができる。

0061

なお、上記実施形態においては、モータ22、直交歯車減速機構40、第1、第2平行軸減速機構41、42及び遊星歯車減速機構44が動力伝達経路上でこの順に配置された減速装置が示されていたが、本発明においては、減速装置の減速機構の具体的な構成は、特に上記構成に限定されない。

0062

例えば、図6に示されるように、単純遊星歯車減速機構を備えた減速装置G11〜G14(図ではG11のみ図示)においても、同様に適用することができる。この図6の実施形態では、モータ106にカップリング108を介して連結された第1〜第4単純遊星歯車減速機構111〜114が備えられている。カップリング108を介して第1単純遊星歯車減速機構111の太陽歯車116から入力されたモータ106の回転は、4段の単純遊星歯車機構111〜114を介して第4単純遊星歯車機構114のキャリヤ118から出力され、スプライン120を介して出力軸122に伝達される。

0063

この実施形態においても、出力軸122の出力ピニオン124に先の実施形態と全く同様の構成が採用されている。すなわち、出力ピニオン124は、軸方向に分割された第1ピニオン体126と第2ピニオン体128とを有し、該第1ピニオン体126と第2ピニオン体128とが、それぞれ周方向に位相がずれて固定され、該出力ピニオン124が旋回歯車(28:先の実勢形態と同じ)とバックラッシ無しで噛合している。これにより、右旋回を行うときも左旋回を行うときも常に全ての減速装置G11〜G14が旋回歯車(28)からの風力負荷トルクを受けることができるようになっている。本発明は、例えば、このような単純遊星歯車型の遊星歯車減速機構G11〜G14においても適用することができ、同様な作用効果が得られる。

0064

なお、上記実施形態においては、本発明を風力発電設備において4個の減速装置を備えたヨー駆動装置に本発明を適用していたが、減速装置の数は4個に限定されるものではなく、4個より多くても少なくても良い。また、前述したように、本発明は、例えば風力発電設備のピッチ駆動装置の減速装置であっても、風力発電設備の本体側に設けられた単一の歯車と噛合うピニオンを出力軸に備えた減速装置を有する風力発電設備の駆動装置である限り、同様に適用でき、同様な作用効果が得られる。この意味で、本発明は、例えば風力発電設備のピッチ駆動装置に適用する場合には、減速装置は1個のみでもよい。

0065

さらに、上記実施形態においては、第1、第2ピニオン体86、88に形成した第1、第2下孔86A、88Aの軸心のずれをリーマによってそれぞれの径を拡大することで吸収して(第2下孔86Aと同軸の)1本のノックピン孔92を形成し、該ノックピン孔92に隙間のない状態で挿入されたノックピン94によって第1、第2ピニオン体86、88を周方向に固定するようにしていたが、本発明における第1、第2ピニオン体86、88の固定構造はこれに限定されない。

0066

要するに、第1、第2ピニオン体86、88が旋回歯車28の隣り合う2つの歯に同時に接触し、結果として(据え付け後において)いずれの回転方向に対しても、バックラッシなして噛合できるように円周方向に位相がずれた状態で固定できていればよい。例えば、第1ピニオン体のみが出力軸と周方向に係合しており、第2ピニオン体は、出力軸に対して周方向に移動可能としておくと共に、第1、第2ピニオン体の対向面にそれぞれ放射方向に複数のキー溝対(図示略)を僅かに円周方向の位置をずらして複数対予め形成しておき、そのうち第1、第2ピニオン体と旋回歯車が丁度バックラッシ無しで噛合するずれ量を有していたキー溝対にキーを装着して第1、第2ピニオン体を周方向に固定するような構造としてもよい。あるいは、第1ピニオン体のみが出力軸と周方向に係合しており、第2ピニオン体は、出力軸に対して周方向に移動可能としておくと共に、バックラッシ量(ずれ量)が確認された段階で、接着または溶接等により、第1ピニオン体と第2ピニオン体とを、周方向に位相がずれている状態で完全に一体化してしまう構成であってもよい。また、第1ピニオン体については、出力軸と最初から一体で(単一の素材で)形成しておき、第2ピニオン体のみが、第1ピニオン体に相対的に位相をずらせるような構成であってもよく、第1、第2ピニオン体の双方が出力軸の周方向に移動可能で、バックラッシの調整後に両者を出力軸に固定する構成であっても良い。更には、上記実施形態では、出力ピニオン24が、第1ピニオン体86と第2ピニオン体88の2つのピニオン体から構成されていたが、本発明では、これに限らず、結果として2以上のピニオン体を備えていればよい。例えば、同じ厚さ(軸方向長)の4個のピニオン体を備え、そのうちの2つずつを逆方向に回転させてバックラッシをなくしても良いし、厚さが薄いピニオン体2個と厚さが2倍のピニオン体1個を備え、薄いピニオン体の2つを同方向、厚い1個のピニオン体を逆方向に回転させてバックラッシをなくするようにしてもよい。このように、本発明では1つ1つのピニオン体の厚さも、また、出力ピニオン全体の厚さも特に限定されない。例えば、従来の出力ピニオンと同等の厚さを有するピニオン体を2個備え、トータルで従来のほぼ2倍の厚さ(軸方向長)を有する出力ピニオンを構成するようにしても良い。

0067

以上の点を考慮して、(減速装置G1aを含む)据え付け前の減速装置の観点で本発明を捉えるならば、本発明は、風力発電設備の本体側に設けられた歯車と噛合うピニオンを出力軸に備えた風力発電設備の減速装置であって、前記ピニオンは、軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体の少なくとも一方が出力軸に対して周方向に「移動可能な構成」とされている減速装置と捉えることもできる。

0068

また、本発明は、風力発電設備の本体側に設けられた単一の歯車と同時に噛合うピニオンをそれぞれ出力軸に備えた複数の減速装置を有する風力発電設備の駆動装置における前記減速装置の据え付け方法において、前記減速装置として、前記ピニオンが軸方向に分割された第1ピニオン体と第2ピニオン体とを有し、該第1ピニオン体と第2ピニオン体の少なくとも一方が出力軸に対して周方向に移動可能な構成とされている減速装置を用意する準備工程と、該減速装置の出力軸を収容しているケーシングを、該減速装置を固定すべき部材に固定するケーシング固定工程と、前記第1ピニオン体を回転させ、該第1ピニオン体の歯面を前記歯車の特定の歯の歯面に当接させる第1当接工程と、前記第2ピニオン体を、前記第1ピニオン体を回転させた方向と逆方向に回転させ、該第2ピニオン体を前記歯車の前記第1ピニオン体を当接させた前記特定の歯の隣の歯の歯面に当接させる第2当接工程と、前記第1ピニオン体と第2ピニオン体とを周方向に固定するピニオン固定工程と、を含むことを特徴とする風力発電設備の駆動装置における減速装置の据え付け方法と捉えることもできる。このことについては、既に詳細に説明した通りである。

0069

10…風力発電設備
11…円筒支柱
12…ナセル(発電室)
14…ヨー駆動装置
16…ピッチ駆動装置
18…ノーズコーン
20…風車ブレード
22…モータ
24…出力ピニオン
44…遊星歯車減速機構
76…外歯歯車(遊星歯車)
78…内歯歯車
80…内ピン(遊星ピン)
82…出力フランジ(キャリヤ)
84…出力軸
86…第1ピニオン体
88…第2ピニオン体
92…ノックピン孔
94…ノックピン

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