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課題
解決手段
概要
背景
金属製ハウジング構造体等の導電性ハウジング構造体が機器の電磁両立性(EMC)を大きく改善することが知られている。ハウジング外部の外部源による妨害放射(interference radiation)又はハウジング内の妨害放射(機器が生成する妨害放射)のいずれの場合にも、上記構造体によって望ましくない妨害放射が遮蔽される。
機器が高度なデータ処理機能を提供したり(例えば、機器がコンピュータ装置の場合)、及び/又は自動車電子工学の分野のようにその他の多くの電子機器が配置された設置環境で機器が動作する場合には、EMCの問題は特に深刻である。
電気エネルギーの機器への供給及び/又は外部装置とのデータ交換等の電気信号の使用を可能とするために、通常はプラグコネクタ(例えば接続ソケット)等の電気的接続装置をハウジング壁の各開口部において開口部と係合又は開口部を貫通するように配置する。製造公差に関しては、ハウジング壁の各開口部を実際に必要な寸法よりも幾分大きくする必要がある。従って、公知のハウジング構造体では、開口部のエッジと開口部の領域に配置された接続装置との間に多少大きなエッジ間空隙が常に残ることになる。実際の使用時に生じる妨害放射の種類によっては、そのようなエッジ間空隙によって遮蔽品質が大きく損なわれる場合がある。特に、高い周波数の電磁放射によってEMCが悪化してしまう。
概要
少なくとも1つの接続装置を備えた導電性ハウジングの遮蔽効果を向上させる。 本発明は、電気プラグコネクタ等の電気的接続装置(12a)が導電性ハウジング壁(16a)の領域に配置された電気機器のハウジング構造に関する。本発明によれば、ハウジング壁の開口部(14a)に、開口部と係合又は開口部を貫通するように設けられた電気的接続装置の遮蔽部材(10a)であって、ハウジング壁の片面に開口部を取り囲むように設けられ、エッジ部(22a)が開口部のエッジと電気的接続装置との間のエッジ間空隙に突出する遮蔽材料(18a)を有する遮蔽部材が提供される。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
請求項1
ハウジング壁の開口部(14)に、前記開口部と係合又は前記開口部を貫通するように設けられた電気的接続装置(12)の遮蔽部材(10)であって、可撓性を有する遮蔽材料(18)を有し、前記ハウジング壁(16)の片面に前記開口部(14)を取り囲むように設けられ、当該遮蔽部材(10)のエッジ部(22)が前記開口部のエッジと前記電気的接続装置(12)との間のエッジ間空隙に突出する、遮蔽部材。
請求項2
請求項1において、前記電気的接続装置(12)は、プラグコネクタである、遮蔽部材。
請求項3
請求項4
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記遮蔽材料(18)は、開口及び/又は切断成形されている、遮蔽部材。
請求項5
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記遮蔽材料(18)は、接着剤を使用して前記ハウジング壁(16)に取り付けられている、遮蔽部材。
請求項6
請求項7
請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記エッジ間空隙が、前記エッジ間空隙に延びる前記遮蔽材料(18)の前記エッジ部(22)が前記エッジ間空隙において圧縮される寸法を有する、遮蔽部材。
請求項8
請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記エッジ間空隙に延びる前記遮蔽材料(18)の前記エッジ部(22)が前記エッジ間空隙を完全に貫通している遮蔽部材。
請求項9
請求項1ないし8のいずれかにおいて、当該遮蔽部材は、回路基板(30)を収容するハウジングのハウジング壁(16)に使用され、前記電気的接続装置(12)は、前記回路基板(30)に取り付けられ、取付時に前記回路基板(30)が前記ハウジング壁(16)に向かって移動することにより前記開口部(14)に押し込まれている、遮蔽部材。
請求項10
技術分野
0001
本発明は、電気プラグコネクタ等の少なくとも1つの電気的接続装置がハウジング壁の領域に配置された電気機器のハウジング構造体に関する。
特に、本発明はこの種の電気的接続装置の遮蔽部材及び電気的接続装置をハウジング壁に取り付けるための方法に関する。
背景技術
0002
金属製ハウジング構造体等の導電性ハウジング構造体が機器の電磁両立性(EMC)を大きく改善することが知られている。ハウジング外部の外部源による妨害放射(interference radiation)又はハウジング内の妨害放射(機器が生成する妨害放射)のいずれの場合にも、上記構造体によって望ましくない妨害放射が遮蔽される。
0003
機器が高度なデータ処理機能を提供したり(例えば、機器がコンピュータ装置の場合)、及び/又は自動車電子工学の分野のようにその他の多くの電子機器が配置された設置環境で機器が動作する場合には、EMCの問題は特に深刻である。
0004
電気エネルギーの機器への供給及び/又は外部装置とのデータ交換等の電気信号の使用を可能とするために、通常はプラグコネクタ(例えば接続ソケット)等の電気的接続装置をハウジング壁の各開口部において開口部と係合又は開口部を貫通するように配置する。製造公差に関しては、ハウジング壁の各開口部を実際に必要な寸法よりも幾分大きくする必要がある。従って、公知のハウジング構造体では、開口部のエッジと開口部の領域に配置された接続装置との間に多少大きなエッジ間空隙が常に残ることになる。実際の使用時に生じる妨害放射の種類によっては、そのようなエッジ間空隙によって遮蔽品質が大きく損なわれる場合がある。特に、高い周波数の電磁放射によってEMCが悪化してしまう。
先行技術
0005
特開平11−074035号公報
発明が解決しようとする課題
0006
本発明の目的は、少なくとも1つの接続装置を備えた導電性ハウジングの遮蔽効果を向上させることにある。
課題を解決するための手段
0008
本発明によれば、簡単な方法で上述したエッジ間空隙を減少させるか、完全になくすことができ、ハウジングの遮蔽効果を大きく向上させることができる。このような向上効果は、ハウジング壁の一又は複数の接続装置にもたらすことができる。
0009
接続装置は、電力供給又はデータ交換のために機器を外部装置に接続することができる公知のプラグコネクタであってもよい。接続ソケット等を含むこの種のプラグコネクタは
当業者に周知であり、更なる詳細な説明は省略する。
0010
特に、動作時に電気的接続装置を介して供給される信号が妨害放射源であったり、当該信号が妨害放射によって影響を受ける可能性がある場合には、遮蔽材料が当接する導電性ケース又はエンクロージャ(例えば、金属製プラグコネクタハウジング)を電気的接続装置が有することが有利である。この場合、遮蔽材料は好ましくはケース又はエンクロージャの周囲の大部分、特に周囲全体にわたって配置することが好ましい。
0011
遮蔽材料としては、公知のプラスチック製導電材料を使用することができる。この目的のための遮蔽材料の例としては、Ni/Cu織物を周囲に有する軟質弾性発泡PE又は発泡PUからなるNi/Cuコア材料で電気処理したポリエステルメッシュを有する連続気泡型発泡ウレタン、金属糸(例えば、モネル(Ni/Cu合金))が埋め込まれたシリコン材料(特にフッ化シリコン)、金属ポリエステル不織布等が挙げられる。
0012
使用する遮蔽材料は上述した例のように好ましくは導電性であり、特に三次元において導電性を有する。また、材料が高い圧縮性を有し、圧縮された状態でも導電性を失わないことが有利である。これらの特性は、取り付けられた時に、ハウジング壁と材料(及び必要な場合には接続装置の導電性ハウジング)とを(例えば、1cm2あたり100個を超える接触点によって)良好に導電接続するために、例えば、波型形状を有するために高い弾性を示し、材料の表面上で多くの接触点を設けることができる可塑性材料に埋め込まれた波型金属ワイヤによって達成することができる。
0014
遮蔽部材の形成については、適切に調整した遮蔽材料をハウジング壁(又は接続装置)に固定することで十分な場合があるが、機器の取り付け時に1又は複数の接続装置とハウジング壁との間で遮蔽材料をしっかりと固定するために、他の実施形態では、遮蔽材料をハウジング壁に直接取り付けることが考えられる。遮蔽材料は、接着剤を使用するといった簡単な方法でハウジング壁に取り付けることができる。この場合には、接着性遮蔽材料が有利である。ただし、適当な接着剤、特に導電性接着剤を使用することもできる。
0015
一実施形態では、遮蔽材料の突出したエッジ部は、遮蔽材料の内側エッジから開口部のエッジ部に向かって延びる1又は複数の切り込みを有する。例えば、上述したように材料に開口部を設けるか、切断成形する際に有利に形成された切り込みは、材料がエッジ間空隙に良好に固定されるという利点を有する。ここで、(通常は平坦な)ハウジング壁に平坦(2次元的に)に設けられた遮蔽材料は、エッジ間空隙の領域において角度を持って空隙の内部に設けられていなければならない。特に、閉じた環状エッジ間空隙又はエッジ間空隙の鋭く湾曲した部分及び/又は角度を有する部分では、切り込みによって取り付けが簡素化されると共に遮蔽効果を向上させることができる。
0016
ハウジング壁の開口部は、開口部に収容される電気的接続装置と同じ形状を有することが好ましく、実質的に同じ大きさの空隙を有するエッジ間空隙が得られる。
0017
電気的接続装置の従来の設計の多くでは、実質的に環状又は実質的に矩形の開口部が特に好適である。
0018
矩形(又は多角形)の開口部の場合には、遮蔽材料の上述した切り込みを矩形形状の角部に形成することができる。
0020
遮蔽材料をハウジング壁の開口部に良好かつ永久的に接続するためには、遮蔽材料がエッジ間空隙に配置されたエッジ部からハウジング壁に沿って平面視において最小距離で延在することが有益である。最小距離は、当該点におけるハウジング壁の厚みと少なくとも同等であり、好ましくはハウジング壁の厚みよりも大きい。開口部を環状に取り囲むように遮蔽材料をハウジング壁に取り付ける場合には、遮蔽材料の周囲の各点が、開口部のエッジの領域におけるハウジング壁の厚みの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍の開口部のエッジ部からの距離を有することができる。
0021
好適な実施形態では、エッジ間空隙は、エッジ間空隙に延びる遮蔽材料のエッジ部がエッジ間空隙で圧縮されるような寸法を有する。例えば、エッジ間空隙の寸法は遮蔽材料の厚みの80%以下であってもよい。
0022
また、遮蔽材料のエッジ間空隙に延びるエッジ部が、エッジ間空隙を完全に貫通しているか、(ハウジング壁の反対側に)更に突出していることが好ましい。
0023
ハウジング壁に複数の電気的接続装置を設ける場合には、遮蔽材料の連続部分(例えば、切断成形された部分)を複数の接続装置で共用することができる。この方法は、接続装置及び/又はハウジング壁の開口部が直接隣接する場合に特に有利である。
0024
電気的接続装置を導電性ハウジング壁の開口部に取り付けるための特に有利な方法は、平坦で可撓性を有する遮蔽材料を、材料が開口部を取り囲み、エッジ部が開口部の領域に突出するようにハウジング壁の片面に取り付ける工程と、電気的接続装置が開口部と係合又は開口部を貫通し、遮蔽材料の突出するエッジ部が開口部のエッジと電気的接続装置との間のエッジ間空隙内に屈曲するように、電気的接続装置を開口部に挿入する工程と、を含む。
0025
これにより、上述した遮蔽部材を簡単に実現することができると共に、上述した特定の実施形態もこのようにして実現することができる。
0026
遮蔽部材と上述した取付方法は、最初に電気的接続装置を回路基板のエッジ及び形成された電気的コンタクトに取り付け、接続装置に対応して設けられた開口部を有するハウジングに回路基板を組み込む、電子工学分野における非常に広範囲な製造方法と互換性を有する。上記取付時の電気的接続装置の開口部への挿入は、既に配置された接続装置を有する回路基板を取り付けることによって行うことができる。
0027
好適な実施形態では、装置は回路基板を収容するハウジングのハウジング壁に適用され、電気的接続装置が回路基板に取り付けられ、取付時に回路基板をハウジング壁に向かって移動させることにより開口部に押し込まれる。
0028
ここで、ハウジング内に回路基板を取り付けるための手段であって、取付直前に回路基板の再配置性(relocatability)をもたらす手段が特に有利である。例えば、この目的のために「ピン突出穴部材(pin−elongated hole arrangement)」を設けることができる。
0029
以下、図面を参照して本発明を実施形態によって詳細に説明する。
図面の簡単な説明
0030
ハウジングの内面から見た第1の実施形態に係るハウジング壁の斜視図である。
ハウジングの外面から見た図1のハウジング壁の斜視図である。
図2のIII−III線に沿った断面図である。
ハウジングの内側から見た第2の実施形態に係る電子機器の構成要素の斜視図である。
ハウジングの外面から見た図4の構造の斜視図である。
図5のVI−VI線に沿った断面図である。
実施例
0032
図示する例では、ハウジング壁16の開口部14はほぼ矩形である。
0033
図1に示すように、導電性を有する可塑性マット18(「HFガスケット」)のほぼ矩形のフレーム状に切断成形された部分(cut−to−shape part)を、接着剤によってハウジング壁16の内面に平面的に取り付ける。フレーム状に切断成形された部分の取り付けは、可塑性マット18の外側部分20がハウジング壁16上で開口部14を平面視において取り囲み、可塑性マット18の内側エッジ部22が開口部14の領域に突出するように、行われる。
0034
可塑性マット18の突出部22は、図2に明確に示されており、図示する例においてハウジング材料に直接当接する部分20の幅よりも小さい幅を有する。また、突出部22の幅はハウジング壁の厚みよりも大きい。
0035
ハウジング壁16をこのように準備した後、図3に示すように、プラグコネクタ12をハウジングの内面から開口部14に押し込む(矢印24を参照)。挿入位置(図示せず)では、プラグコネクタ12は開口部14を貫通し、ハウジングの外面(図3の上方)からわずかに突出している。
0036
プラグコネクタ12のプラグコネクタハウジングは、開口部14と対応するほぼ矩形の形状を有し、開口部14よりもわずかに小さな寸法を有する。プラグコネクタハウジングがこのような形状を有することにより、プラグコネクタ12の挿入時に、開口部の形状の4つの辺に突出する可塑性マット18のエッジ部22が90°屈曲し、プラグコネクタ12とハウジング壁16との間で固定される。
0037
問題を生じることなく開口部14にプラグコネクタ12を挿入し、可塑性マット18のエッジ部22を容易にエッジ間空隙に屈曲させることができるように、特に可塑性マット18の切断成形された部分の内側の角部に、図1及び図2においては破線で示す切り込み26を設けることができる。
0038
完成した状態では、導電性を有する可塑性マット18の上述した配置によって、機器の設置環境において生じる妨害放射及び/又は機器が生成する妨害放射に対する有利な遮蔽効果が得られる。特に、上述した遮蔽部材10によって機器のEMCが大きく向上する。
0039
プラグコネクタ12は、公知のプラグコネクタであってもよく、例えば、接続ケーブル又はケーブルルームの対応するプラグコネクタを接続するための接続ソケットであってもよい。機器がコンピュータ装置である場合には、コンピュータ装置から外部装置(及び/
又は外部装置からコンピュータ装置)にデータ信号を転送する接続装置に対し、上述した遮蔽方法を特に有利に使用することができる。
0040
プラグコネクタ12の各プラグコンタクトは、図3において参照番号28で示されており、ハウジング壁16の外面から接続された相手側のプラグコネクタのコンタクトと接触することができる。プラグコネクタ12は、USB、FireWire、電源規格、CAN−Bus、オーディオ/動画規格(VGA、RGB、SCART、DVI、HDMI、SVHS等)、スピーカ接続、Cinchコネクタ、SPDIF等の規格の一又は複数に準拠したものであってもよい。スペース上の理由からハウジングで所望の接続部を実現することができない場合には、これらの接続部は、例えば電気回路装置(ケーブル等)を介してハウジングに配置されたプラグコネクタと接続することができる(他の)プラグコネクタに形成することができる。
0041
特に、プラグコネクタ12を介してデータ信号を高速で転送し、データ信号が可能性のある妨害放射に比較的脆弱である場合には、プラグコネクタ12は少なくとも表面において導電性を有する導電性エンクロージャ又はプラグコネクタハウジングを有することができる。本実施の形態においては、ハウジングからプラグコネクタ12の導電性エンクロージャ又はプラグコネクタハウジングに遮蔽材料18を介して電気的接続を形成することができるという更なる利点が得られる。
0042
次に、他の実施形態について説明する。以下の他の実施形態の説明では、同様に作用する構成要素には同一の参照番号を使用し、実施形態を差別化するために小文字の「a」を追加している。ここでは、実質的に上述した実施形態との違いのみを説明し、それ以外は上述した実施形態の説明を参照するものとする。
0043
図4は、共通のハウジング壁16aの対応する隣接した開口部14a,14a’と係合する隣接して配置された2つのプラグコネクタ12a,12a’の遮蔽部材10aの例を示す。
0044
ハウジング壁16aは、ねじ込み接続又はプラグ接続によって接続された別のハウジング壁と共に、自動車内に取り付けられ、例えば車両の車載コンピュータ機能、マルチメディア機能、通信機能を提供するモバイルコンピュータ装置(「車載PC」)のほぼ矩形のハウジングを形成している。
0045
その他の実質的に矩形のハウジング壁のうち、図4においては、ハウジング壁16aと直角に隣接する1つのハウジング壁17aのみを示している。
0046
矩形のハウジングは、例えば、車両の規格化された取付トレー内に設置することができる外部寸法を有することができる。そのような設置環境では優れたEMCが必須要件である場合が多く、以下に説明する遮蔽部材によって、この要件を満たすことができる。
0048
ただし、上述した例とは異なり、プラグコネクタ12a,12a’を各開口部14a,14a’を完全に貫通させず、各開口部14a,14a’と単に係合させることが考えられる。これは、例えばプラグコネクタ12aの例における図6の断面図に示されている。
0049
図4に示す実施形態の特徴は、プラグコネクタ12a,12a’を対応する開口部14
a,14a’に挿入する方法である。この方法を以下に詳細に説明する。
0050
プラグコネクタ12a,12a’は、回路基板30aのエッジにおける電気部品装着時に公知の方法で電気部品として取り付けられ、回路基板30aの平坦な面に例えばはんだ付けされる。この装着プロセスでは、図4ではいくつかを例として示し、参照番号32aで示すコンピュータ装置のその他の構成要素も取り付けられる。
0051
図4には、複数のピン突出穴部材34aの2つが示されており、以下に説明するようにハウジング内での回路基板30aの取付部として機能する。
0052
部材34aは、ハウジングに固定されている。具体的には、部材34aは、回路基板30aに形成された延長穴を貫通する円筒状のピンを含み、図示する例では、円筒状の取付ピンは金属で形成され、上方向に突出するように図示しないハウジングの底部に溶接されている。したがって部材34aは、図示する状態において、ハウジング壁16aの対応する開口部にプラグコネクタ12a,12a’を挿入するために、必要な方向に回路基板30aを移動させることができる。
0053
コンピュータ装置の取付時に、ハウジングの床に取り付けられたピンが回路基板30aに対応して配置された延長穴を貫通するように、完全に電気部品が装着された回路基板30aを有利に挿入することができる。
0054
次に、遮蔽部材10aを形成しながら、所望の方法でプラグコネクタ12a,12a’が対応する開口部14a,14a’に挿入されるように、回路基板30aをハウジング壁16aに向かう方向に移動させることができる。
0055
この状態で、ハウジング内における回路基板30aの実際の取付を行うことができる。図示する例では、弾性を有するプラスチックスリーブ(図示せず)を部材34aのピンに向かって押し下げ、ねじ込み接続によってピンの上端面に下向きに載せることによって有利に取付を行うことができ、ピン及びハウジングに対する回路基板30aの好適な取付を静止摩擦によって行うことができる。代替又は追加として、移動させた状態での回路基板30aの実際の取付は、例えば、移動させた状態でハウジング(例えば、ハウジングの床)の対応するねじ込み穴と整列する回路基板30aの穴等の別の点におけるねじ込み接続によって行うことができる。
0056
また、複数の回路基板を上記方法又は同様な方法で積層することもでき、回路基板を移動させることができる方向でハウジング内に配置することができる。ここで、機器の取付時に各回路基板のプラグコネクタを、異なるハウジングのハウジング壁に対して押し付けることにより、上述した遮蔽部材を設けるためには、各回路基板の移動方向を互いに異なるようにすることが考えられる。このために、例えば、部材34aのピンが回路を積層するための長さを有するようにし、弾性を有するプラスチックスリーブと交互に回路基板を積層して積層体を形成することが考えられる。次に、積層体の上端において、ねじ込み接続によって積層体全体に固定荷重を与えることができる。この種のねじ込み接続は、必要に応じてピンの上端において自動機械(ロボット)によって行うことができ、ピンの端面にねじ山(雌ねじ又は雄ねじ)を設けることができる。
0057
図5に示し、図6に更に明瞭に示すように、取付状態における開口部14a,14a’とプラグコネクタ12a又は12a’の外周との間のエッジ間空隙は、エッジ間空隙に延びる遮蔽材料18aのエッジ部22aがエッジ間空隙で圧縮されるような寸法となっている。これにより、取付後にプラグコネクタ12a,12a’とハウジング構造との間には空隙が残らないようになる。
0058
10遮蔽部材、12電気的接続装置(電気プラグコネクタ)、14 開口部、16ハウジング壁、18遮蔽材料(可塑性マット)、22エッジ部、26切り込み、30 回路基板