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技術 内燃機関の冷却水温制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山下晃中谷好一郎
出願日 2011年3月30日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2011-076263
公開日 2012年11月1日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2012-211511
状態 特許登録済
技術分野 機械または機関の冷却一般 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部5
主要キーワード 電子サーモスタット 切替弁制御 所定温度域 水冷式EGRクーラ 上昇度合い 相変化温度 水冷式オイルクーラ オーバーヒート
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

比熱可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせる技術を提供する。

解決手段

固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体の比熱を変更する粒子を含み比熱が可変する冷却水を内燃機関循環させる冷却水通路と、前記冷却水通路を流通する前記冷却水と熱交換する熱交換手段と、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記冷却水の温度が前記相変化温度帯に留まるように、前記熱交換手段を制御する制御手段と、を備えた。

概要

背景

冷却水によってオイルを冷却するオイルクーラバイパスさせるオイルクーラバイパス通路を設け、オイルをオイルクーラと共にオイルクーラバイパス通路にも流通させる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。これによると、オイルクーラを流通するオイルの流量を調整してオイルの温度を変更することができる。

一方、内燃機関を冷却する冷却水として、固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体比熱を変更する粒子を含むことで比熱が可変する冷却水を用いる技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。

概要

比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせる技術を提供する。固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体の比熱を変更する粒子を含み比熱が可変する冷却水を内燃機関に循環させる冷却水通路と、前記冷却水通路を流通する前記冷却水と熱交換する熱交換手段と、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記冷却水の温度が前記相変化温度帯に留まるように、前記熱交換手段を制御する制御手段と、を備えた。

目的

本発明の目的は、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体比熱を変更する粒子を含み比熱が可変する冷却水内燃機関循環させる冷却水通路と、前記冷却水通路を流通する前記冷却水と熱交換する熱交換手段と、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記冷却水の温度が前記相変化温度帯に留まるように、前記熱交換手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却水温制御装置

請求項2

前記熱交換手段は、内燃機関に供給されるオイルを流通させるオイル通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記オイルと前記冷却水とを熱交換させることにより前記オイルを冷却するオイルクーラと、前記オイルが前記冷却水と熱交換しないように、前記オイルに前記オイルクーラをバイパスさせるオイルクーラバイパス通路と、前記オイルを前記オイルクーラに流通させるか、前記オイルを前記オイルクーラバイパス通路に流通させるかを切り替え切替手段と、を有し、前記制御手段は、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記オイルを前記オイルクーラバイパス通路に流通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却水温制御装置。

請求項3

前記熱交換手段は、内燃機関に還流されるEGRガスを流通させるEGR通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記EGRガスと前記冷却水とを熱交換させることにより前記EGRガスを冷却するEGRクーラと、前記EGRガスが前記冷却水と熱交換しないように、前記EGRガスに前記EGRクーラをバイパスさせるEGRクーラバイパス通路と、前記EGRガスを前記EGRクーラに流通させるか、前記EGRガスを前記EGRクーラバイパス通路に流通させるかを切り替える切替手段と、を有し、前記制御手段は、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記EGRガスを前記EGRクーラバイパス通路に流通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却水温制御装置。

請求項4

前記熱交換手段は、内燃機関に供給される吸気を流通させる吸気通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記吸気と前記冷却水とを熱交換させることにより前記吸気を冷却するインタークーラと、前記吸気が前記冷却水と熱交換しないように、前記吸気に前記インタークーラをバイパスさせるインタークーラバイパス通路と、前記吸気を前記インタークーラに流通させるか、前記吸気を前記インタークーラバイパス通路に流通させるかを切り替える切替手段と、を有し、前記制御手段は、前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記吸気を前記インタークーラバイパス通路に流通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却水温制御装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関冷却水温制御装置に関する。

背景技術

0002

冷却水によってオイルを冷却するオイルクーラバイパスさせるオイルクーラバイパス通路を設け、オイルをオイルクーラと共にオイルクーラバイパス通路にも流通させる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。これによると、オイルクーラを流通するオイルの流量を調整してオイルの温度を変更することができる。

0003

一方、内燃機関を冷却する冷却水として、固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体比熱を変更する粒子を含むことで比熱が可変する冷却水を用いる技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。

先行技術

0004

特開2000−120420号公報
特開2009−044896号公報
特開2005−282407号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献2に開示された比熱が可変する冷却水を使用する場合に、特許文献1に開示された技術を用いていると、オイルが必ずオイルクーラを流通してしまう。このため、オイルクーラでオイルの温度を低下させるために多くの熱がオイルから冷却水に受け渡されてしまう。そうすると、冷却水の温度が、冷却水中の粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に留まる時間が短くなってしまうので、比熱が可変する冷却水を使用している効果が低減してしまう。

0006

本発明の目的は、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせる技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体の比熱を変更する粒子を含み比熱が可変する冷却水を内燃機関に循環させる冷却水通路と、
前記冷却水通路を流通する前記冷却水と熱交換する熱交換手段と、
前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記冷却水の温度が前記相変化温度帯に留まるように、前記熱交換手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の冷却水温制御装置である。

0008

ここで、相変化温度帯とは、冷却水中の粒子が固相状態と液相状態との一方から他方に相変化して冷却水の比熱が変化している状態の温度帯であり、この相変化温度帯では、冷却水に付与される熱量に変化が生じても、粒子の相変化が生じて比熱が変化し冷却水の温度が変化し難くなるものである。

0009

本発明によると、比熱が可変する冷却水の温度が、粒子が相変化して冷却水の比熱が変
化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水の温度が相変化温度帯に留まるように、熱交換手段を制御する。具体的には、冷却水の温度が相変化温度帯に留まるように、熱交換手段と冷却水とが熱交換しないよう熱交換手段を制御する。したがって、熱交換手段の冷却水による冷却はできないが、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。

0010

前記熱交換手段は、
内燃機関に供給されるオイルを流通させるオイル通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記オイルと前記冷却水とを熱交換させることにより前記オイルを冷却するオイルクーラと、
前記オイルが前記冷却水と熱交換しないように、前記オイルに前記オイルクーラをバイパスさせるオイルクーラバイパス通路と、
前記オイルを前記オイルクーラに流通させるか、前記オイルを前記オイルクーラバイパス通路に流通させるかを切り替え切替手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記オイルを前記オイルクーラバイパス通路に流通させるとよい。

0011

本発明によると、比熱が可変する冷却水の温度が、粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水の温度が相変化温度帯に留まるように、オイルをオイルクーラバイパス通路に流通させることができる。これにより、オイルはオイルクーラで冷却されないが、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。

0012

前記熱交換手段は、
内燃機関に還流されるEGRガスを流通させるEGR通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記EGRガスと前記冷却水とを熱交換させることにより前記EGRガスを冷却するEGRクーラと、
前記EGRガスが前記冷却水と熱交換しないように、前記EGRガスに前記EGRクーラをバイパスさせるEGRクーラバイパス通路と、
前記EGRガスを前記EGRクーラに流通させるか、前記EGRガスを前記EGRクーラバイパス通路に流通させるかを切り替える切替手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記EGRガスを前記EGRクーラバイパス通路に流通させるとよい。

0013

本発明によると、比熱が可変する冷却水の温度が、粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水の温度が相変化温度帯に留まるように、EGRガスをEGRクーラバイパス通路に流通させることができる。これにより、EGRガスはEGRクーラで冷却されないが、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。

0014

前記熱交換手段は、
内燃機関に供給される吸気を流通させる吸気通路と前記冷却水通路とを隣接させ、前記吸気と前記冷却水とを熱交換させることにより前記吸気を冷却するインタークーラと、
前記吸気が前記冷却水と熱交換しないように、前記吸気に前記インタークーラをバイパス
させるインタークーラバイパス通路と、
前記吸気を前記インタークーラに流通させるか、前記吸気を前記インタークーラバイパス通路に流通させるかを切り替える切替手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記冷却水の温度が、前記粒子が相変化して前記冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、前記切替手段を用いて前記吸気を前記インタークーラバイパス通路に流通させるとよい。

0015

本発明によると、比熱が可変する冷却水の温度が、粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水の温度が相変化温度帯に留まるように、吸気をインタークーラバイパス通路に流通させることができる。これにより、吸気はインタークーラで冷却されないが、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。

発明の効果

0016

本発明によると、比熱が可変する冷却水の温度を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。
実施例1に係るオイルクーラ周辺の構成を示す図である。
実施例1に係る冷却水のモデルを示す図である。
実施例1に係る冷却水の温度と比熱との関係を示す図である。
実施例1に係る冷却水温制御1を示す図である。
実施例1に係る冷却水温制御ルーチン1を示すフローチャートである。
実施例1に係る冷却水温制御ルーチン1aを示すフローチャートである。
実施例1に係る冷却水温制御ルーチン2を示すフローチャートである。
実施例1に係る冷却水温制御ルーチン3を示すフローチャートである。

実施例

0018

以下に本発明の具体的な実施例を説明する。

0019

<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の冷却水温制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1では、シリンダブロック及びシリンダヘッドを冷却するために冷却水が冷却水通路2を循環する。冷却水通路2としては、冷却水がラジエータ3を流通する通路2a、冷却水がヒータコア4を流通する通路2b、冷却水がオイルクーラ5を流通する通路2c、冷却水がEGRクーラ6を流通する通路2d、冷却水がインタークーラ7を流通する通路2eが設けられている。

0020

ラジエータ3は、冷却水と外気とで熱交換して冷却水を冷却する。ヒータコア4は、冷却水を温める。温められた冷却水により室内へ供給される空気を温める。オイルクーラ5は、水冷式オイルクーラであり、内燃機関1に供給されるオイルと冷却水とで熱交換してオイルを冷却する。EGRクーラ6は、水冷式EGRクーラであり、内燃機関1に還流されるEGRガスと冷却水とで熱交換してEGRガスを冷却する。インタークーラ7は、水冷式インタークーラであり、内燃機関1に供給される吸気と冷却水とで熱交換して吸気を冷却する。

0021

図2は、本実施例に係るオイルクーラ5周辺の構成を示す図である。図2に示すように
、オイルクーラ5は、オイルを流通させるオイル通路5aと、冷却水がオイルクーラを流通する通路2cと、を隣接させ、オイルと冷却水とを熱交換させることによりオイルを冷却する。また、オイルクーラ5に隣接してオイルクーラバイパス通路5bが設けられている。オイルクーラバイパス通路5bは、オイルが冷却水と熱交換しないように、オイルにオイルクーラ5をバイパスさせる。オイル通路5aにおけるオイルクーラバイパス通路5bとの分岐位置には、切替弁5cが設けられている。切替弁5cが本発明の切替手段に対応する。切替弁5cは、オイルをオイルクーラ5に流通させるか、オイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させるかを切り替える。オイルクーラ5、オイルクーラバイパス通路5b、及び切替弁5cが、本発明の熱交換手段に対応する。

0022

なお、不図示であるが、EGRクーラ6周辺の構成及びインタークーラ7周辺の構成も、図2に示すオイルクーラ5周辺の構成と同様である。すなわち、EGRクーラ6は、EGRガスを流通させるEGR通路と、冷却水がEGRクーラ6を流通する通路と、を隣接させ、EGRガスと冷却水とを熱交換させることによりEGRガスを冷却する。また、EGRクーラ6に隣接してEGRクーラバイパス通路が設けられている。EGRクーラバイパス通路は、EGRガスが冷却水と熱交換しないように、EGRガスにEGRクーラ6をバイパスさせる。EGR通路におけるEGRクーラバイパス通路との分岐位置には、切替弁が設けられている。切替弁が本発明の切替手段に対応する。切替弁は、EGRガスをEGRクーラ6に流通させるか、EGRガスをEGRクーラバイパス通路に流通させるかを切り替える。EGRクーラ6、EGRクーラバイパス通路、及び切替弁が、本発明の熱交換手段に対応する。

0023

また、インタークーラ7は、吸気を流通させる吸気通路と、冷却水がインタークーラ7を流通する通路と、を隣接させ、吸気と冷却水とを熱交換させることにより吸気を冷却する。また、インタークーラ7に隣接してインタークーラバイパス通路が設けられている。インタークーラバイパス通路は、吸気が冷却水と熱交換しないように、吸気にインタークーラ7をバイパスさせる。吸気通路におけるインタークーラバイパス通路との分岐位置には、切替弁が設けられている。切替弁が本発明の切替手段に対応する。切替弁は、吸気をインタークーラ7に流通させるか、吸気をインタークーラバイパス通路に流通させるかを切り替える。インタークーラ7、インタークーラバイパス通路、及び切替弁が、本発明の熱交換手段に対応する。

0024

冷却水がラジエータ3を流通する通路2aには、シリンダヘッドからの冷却水の流出直後の位置に水温センサ8が配置されており、冷却水の温度(冷却水温)を検出することができる。冷却水がラジエータ3を流通する通路2aは、冷却水がリザーブタンク9を流通する通路2fに分岐している。冷却水がラジエータ3を流通する通路2aには、ラジエータ3の下流側に電子サーモスタット10が配置されており、冷却水温が所定温度以上であると電子サーモスタット10が開弁するようになっている。冷却水がオイルクーラ5を流通する通路2cの下流は、冷却水がラジエータ3を流通する通路2aのラジエータ3よりも上流側に合流している。冷却水がラジエータ3を流通する通路2a、冷却水がリザーブタンク9を流通する通路2f、冷却水がヒータコア4を流通する通路2b、冷却水がEGRクーラ6を流通する通路2d、及び、冷却水がインタークーラ7を流通する通路2eは、下流で合流して冷却水をウォータポンプ11に送り込む。ウォータポンプ11は、冷却水を汲み上げて内燃機関1のシリンダブロックへ供給する。

0025

ここで、冷却水通路2を流通する冷却水は、比熱が可変する冷却水である。すなわち、冷却水は、固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより媒体の比熱を変更する粒子を含み比熱が可変する冷却水である。冷却水は、温度が一定以上になると内部の物質固体から液体に相変化するような物質をカプセルで包んだ粒子を、冷却水の溶媒の中に混入させたものである。図3は、本実施例に係る冷却水のモデルを示す図である。
図4は、本実施例に係る冷却水の温度と比熱との関係を示す図である。図3に示すように冷却水中の複数の粒子が固相状態と液相状態との一方から他方に相変化することにより、図4に示す複数の粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している可変比熱領域が生じる。この可変比熱領域は、冷却水に熱が付与されても、粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯となる(図5参照)。すなわち、相変化温度帯とは、冷却水中の粒子が固相状態と液相状態との一方から他方に相変化して冷却水の比熱が変化している状態の温度帯であり、この相変化温度帯では、冷却水に付与される熱量に変化が生じても、粒子の相変化が生じて比熱が変化し冷却水の温度が変化し難くなるものである。このような冷却水を用いることにより、内燃機関1の暖機過程では従来よりも冷却水の比熱を下げておくことで内燃機関1の暖機性を向上して燃費向上でき、暖機後はある一定の温度域(相変化温度帯)で比熱が高くなることから、オーバーヒート等を回避することができる。

0026

この内燃機関1には、ECU(電子制御ユニット)12が併設されている。ECU12には、水温センサ8等の各種センサ電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。一方、ECU12には、ヒータコア4及び切替弁5c等が電気配線を介して接続されており、ECU12によりこれらの機器が制御される。

0027

(冷却水温制御1)
従来から、図2に示すようなオイルにオイルクーラ5をバイパスさせるオイルクーラバイパス通路5bが設けられていた。そして、低油温時にオイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させて油温が低下して油圧が低下することを回避していた。また、オイルをオイルクーラ5と共にオイルクーラバイパス通路5bにも流通させ、オイルクーラ5を流通するオイルの流量を調整してオイルの温度を変更していた。

0028

ところで、内燃機関1の暖機後において冷却水温が油温よりも低くなった時に、オイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させると、オイルから冷却水に熱が受け渡されず冷却水温の上昇を抑制することができる。しかしながら、オイルをオイルクーラ5と共にオイルクーラバイパス通路5bにも流通させる場合には、オイルが必ずオイルクーラ5を流通してしまう。このため、オイルクーラ5で油温を低下させるために多くの熱がオイルから冷却水に受け渡されてしまう。そうすると、冷却水温が、冷却水中の粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯に留まる時間が短くなってしまうので、比熱が可変する冷却水を使用している効果が低減してしまう。

0029

そこで、本実施例では、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁5cを用いてオイルを、オイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させるようにした。

0030

図5は、本実施例に係る冷却水温制御1を示す図である。図5横軸は熱量(時間)を示し、縦軸は油温及び冷却水温並びに切替弁制御を示す。図5に示すように、熱量(時間)が小さいときには、従来と同様に切替弁5cを用いてオイルを、オイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させる。これにより、油温が低下して油圧が低下することを回避する。その後、熱量(時間)が増大すると、切替弁5cを用いてオイルを、オイルクーラバイパス通路5bに流通させずにオイルクーラ5に流通させる。そして、冷却水温が相変化温度帯に至る。相変化温度帯では、熱量(時間)が変化しても、冷却水温が所定温度域に留まる。冷却水温が相変化温度帯に留まる間においても、油温は上昇して行くが、油温が冷却水温を超えたところで油温の上昇度合いが低減する。これは、油温の上昇を相変化温度帯に留まる冷却水に熱が受け渡され易くなるためである。

0031

そして、相変化温度帯における冷却水温が所定温度域に留まっている熱量(時間)が大きい方の部分で、切替弁5cを用いてオイルを、オイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させる。これにより、冷却水温を相変化温度帯により長時間留まらせる。この切替弁5cの切替タイミングは、積算された内燃機関1の機関回転速度燃料噴射量のどちらかが夫々の所定値を超えた場合に実施される。なお、所定値は、予め実験や検証によって導出された、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させるタイミングとなる値である。これにより、オイルがオイルクーラ5で冷却されなくなるので、油温の上昇度合いが高くなる。

0032

その後、相変化温度帯においても冷却水温が所定温度域から緩やかに上昇する。これは、相変化する粒子数が減少し、熱量を粒子の相変化で吸収できなくなるからである。そして、相変化温度帯の終了温度において、オーバーヒート等を回避するために、電子サーモスタット10が開弁し、冷却水がリザーブタンク9を流通する通路2fだけでなく冷却水がラジエータ3を流通する通路2aからラジエータ3にも流通し、冷却水温の上昇度合いを低減する。このとき、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させずにオイルクーラ5に流通させる。油温も過昇温しないように、冷却水とオイルとの協調制御を行う。

0033

本実施例によると、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水温が相変化温度帯に留まるように、オイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させることができる。これにより、オイルはオイルクーラ5で冷却されないが、冷却水温を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。したがって、オーバーヒート等を回避することができ、比熱が可変する冷却水を使用している効果を最大限引き出すことができる。

0034

(冷却水温制御ルーチン1)
ECU12における冷却水温制御ルーチン1について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。図6は、本実施例に係る冷却水温制御ルーチン1を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU12によって実行される。本ルーチンを実行するECU12が、本発明の制御手段に対応する。

0035

図6に示すルーチンが開始されると、S101では、内燃機関1の運転状態を検出する。内燃機関1の運転状態とは、不図示のクランクポジションセンサで検出する機関回転数NeやECU12で制御する燃料噴射量Q等である。

0036

S102では、油温が第1所定温度STO1以上か否かを判別する。油温は、不図示の油温センサで検出する。また、油温ではなく、冷却水温が第2所定温度STW1以上か否かを判別するものでもよい。冷却水温は、水温センサ8で検出する。第1、第2所定温度STO1,STW1は、オイルや冷却水が機関始動時の低温か否かの閾値である。S102において肯定判定されると、S103へ移行する。S102において否定判定されると、S105へ移行する。

0037

S103では、冷却水温が相変化温度帯内に含まれるか否かを判別する。冷却水温は、水温センサ8で検出する。S103において肯定判定された場合には、S104へ移行する。S103において否定判定された場合には、S106へ移行する。

0038

S104では、積算する内燃機関1の機関回転速度Neが所定速度SNe1より大きい、又は、積算する内燃機関1の燃料噴射量Qが所定量SQ1より大きいか否かを判別する。機関回転速度Neや燃料噴射量QはECUで積算した値を用いる。所定速度SNe1及び所定量SQ1は、予め実験や検証によって導出された、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させるタイミングとな
る値である。S104において肯定判定されると、S105へ移行する。S104において否定判定されると、S106へ移行する。

0039

S105では、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0040

S106では、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラバイパス通路5bに流通させずにオイルクーラ5に流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0041

以上の本ルーチンであると、油温又は冷却水温が低温の機関始動時、並びに、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁5cを用いてオイルを、オイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させることができる。

0042

(冷却水温制御ルーチン1a)
ECU12における冷却水温制御ルーチン1aについて、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。冷却水温制御ルーチン1aは、冷却水温制御1を実施する変形例のルーチンである。図7は、本実施例に係る冷却水温制御ルーチン1aを示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU12によって実行される。本ルーチンを実行するECU12が、本発明の制御手段に対応する。本ルーチンは、図6に示すルーチンのS104がS204に置き換わっただけであるので、その点のみを説明する。

0043

S103において肯定判定された場合にS204へ移行する。S204では、油温から冷却水温を引いた値が所定値STM1よりも大きいか否かを判別する。所定値STM1は、予め実験や検証によって導出された、切替弁5cを用いてオイルをオイルクーラ5に流通させずにオイルクーラバイパス通路5bに流通させるタイミングとなる値である。S204において肯定判定されると、S105へ移行する。S204において否定判定されると、S106へ移行する。後のステップは上記した通りである。

0044

(冷却水温制御2)
上記で説明した冷却水温を相変化温度帯に留まらせるようにする冷却水温制御1は、オイルにオイルクーラ5をバイパスさせることで目的を達成していた。しかし、本発明は、これに限られない。本発明は、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水温が相変化温度帯に留まるように、熱交換手段と冷却水とが熱交換しないよう熱交換手段を制御するものであればよい。以下では冷却水温制御の他の例を説明する。

0045

本実施例では、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁を用いてEGRガスを、EGRクーラに流通させずにEGRクーラバイパス通路に流通させるようにした。この場合にも、図5と同様な切替弁制御を行う。

0046

本実施例によると、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水温が相変化温度帯に留まるように、EGRガスをEGRクーラバイパス通路に流通させることができる。これにより、EGRガスはEGRクーラで冷却されないが、冷却水温を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。したがって、オーバーヒート等を回避することができ、比熱が可変する冷却水を使用している効果を最大限引き出すことができる。

0047

(冷却水温制御ルーチン2)
ECU12における冷却水温制御ルーチン2について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。図8は、本実施例に係る冷却水温制御ルーチン2を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU12によって実行される。本ルーチンを実行するECU12が、本発明の制御手段に対応する。

0048

図8に示すルーチンが開始されると、S201では、内燃機関の運転状態を検出する。内燃機関の運転状態とは、クランクポジションセンサで検出する機関回転数NeやECUで制御する燃料噴射量Q等である。

0049

S202では、油温が第1所定温度STO1以上か否かを判別する。油温は、不図示の油温センサで検出する。また、油温ではなく、冷却水温が第2所定温度STW1以上か否かを判別するものでもよい。冷却水温は、水温センサ8で検出する。第1、第2所定温度STO1,STW1は、オイルや冷却水が機関始動時の低温か否かの閾値である。S202において肯定判定されると、S203へ移行する。S202において否定判定されると、S205へ移行する。

0050

S203では、冷却水温が相変化温度帯内に含まれるか否かを判別する。冷却水温は、水温センサ8で検出する。S203において肯定判定された場合には、S204へ移行する。S203において否定判定された場合には、S207へ移行する。

0051

S204では、積算する内燃機関1の機関回転速度Neが所定速度SNe2より大きい、又は、積算する内燃機関1の燃料噴射量Qが所定量SQ2より大きいか否かを判別する。機関回転速度Neや燃料噴射量QはECUで積算した値を用いる。所定速度SNe2及び所定量SQ2は、予め実験や検証によって導出された、切替弁を用いてEGRガスをEGRクーラに流通させずにEGRクーラバイパス通路に流通させるタイミングとなる値である。S204において肯定判定されると、S205へ移行する。S204において否定判定されると、S207へ移行する。

0052

S205では、EGR運転状態、かつ、EGRガス温が上限温度UTE1よりも低いか否かを判別する。EGR運転状態か否かはECU12で判断できる。EGRガス温は、不図示のEGRガス温センサ等で検出する。上限温度UTE1は、それ以上EGRガス温が上昇して弊害が生じてしまうか否かの閾値である。S205において肯定判定されると、S206へ移行する。S205において否定判定されると、S207へ移行する。

0053

S206では、切替弁を用いてEGRガスをEGRクーラ6に流通させずにEGRクーラバイパス通路に流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0054

S207では、切替弁を用いてEGRガスをEGRクーラバイパス通路に流通させずにEGRクーラ6に流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0055

以上の本ルーチンであると、油温又は冷却水温が低温の機関始動時、並びに、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁を用いてEGRガスを、EGRクーラに流通させずにEGRクーラバイパス通路に流通させることができる。

0056

(冷却水温制御3)
冷却水温制御の他の例を説明する。本実施例では、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁を用いて吸気を、インタークーラ7に流通させずにインタークーラバイパス通路に流通させるようにした。この場合にも、図5と同様な切替弁制御を行う。

0057

本実施例によると、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、冷却水温が相変化温度帯に留まるように、吸気をインタークーラバイパス通路に流通させることができる。これにより、吸気はインタークーラで冷却されないが、冷却水温を相変化温度帯により長時間留まらせることができる。したがって、オーバーヒート等を回避することができ、比熱が可変する冷却水を使用している効果を最大限引き出すことができる。

0058

(冷却水温制御ルーチン3)
ECU12における冷却水温制御ルーチン3について、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。図9は、本実施例に係る冷却水温制御ルーチン3を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU12によって実行される。本ルーチンを実行するECU12が、本発明の制御手段に対応する。

0059

図9に示すルーチンが開始されると、S301では、内燃機関1の運転状態を検出する。内燃機関1の運転状態とは、クランクポジションセンサで検出する機関回転数NeやECU12で制御する燃料噴射量Q等である。

0060

S302では、油温が第1所定温度STO1以上か否かを判別する。油温は、不図示の油温センサで検出する。また、油温ではなく、冷却水温が第2所定温度STW1以上か否かを判別するものでもよい。冷却水温は、水温センサ8で検出する。第1、第2所定温度STO1,STW1は、オイルや冷却水が機関始動時の低温か否かの閾値である。S302において肯定判定されると、S303へ移行する。S302において否定判定されると、S305へ移行する。

0061

S303では、冷却水温が相変化温度帯内に含まれるか否かを判別する。冷却水温は、水温センサ8で検出する。S303において肯定判定された場合には、S304へ移行する。S303において否定判定された場合には、S307へ移行する。

0062

S304では、積算する内燃機関1の機関回転速度Neが所定速度SNe3より大きい、又は、積算する内燃機関1の燃料噴射量Qが所定量SQ3より大きいか否かを判別する。機関回転速度Neや燃料噴射量QはECU12で積算した値を用いる。所定速度SNe3及び所定量SQ3は、予め実験や検証によって導出された、切替弁を用いて吸気をインタークーラに流通させずにインタークーラバイパス通路に流通させるタイミングとなる値である。S304において肯定判定されると、S305へ移行する。S304において否定判定されると、S307へ移行する。

0063

S305では、インタークーラ7の下流における吸気温が上限温度UTI1よりも低いか否かを判別する。インタークーラ7の下流における吸気温は、不図示の吸気温センサ等で検出する。上限温度UTI1は、それ以上吸気温が上昇して弊害が生じてしまうか否かの閾値である。S305において肯定判定されると、S306へ移行する。S305において否定判定されると、S307へ移行する。

0064

S306では、切替弁を用いて吸気をインタークーラ7に流通させずにインタークーラバイパス通路に流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0065

S307では、切替弁を用いて吸気をインタークーラバイパス通路に流通させずにインタークーラに流通させる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。

0066

以上の本ルーチンであると、油温又は冷却水温が低温の機関始動時、並びに、冷却水温が相変化温度帯に含まれる場合に、切替弁を用いて吸気を、インタークーラ7に流通させずにインタークーラバイパス通路に流通させることができる。

0067

<その他>
本発明に係るオイル消費低減制御装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。

0068

1内燃機関
2冷却水通路
2a〜2f通路
3ラジエータ
4ヒータコア
5オイルクーラ
5aオイル通路
5bオイルクーラバイパス通路
5c切替弁
クーラ
7インタークーラ
8水温センサ
9リザーブタンク
10電子サーモスタット
11 ウォータポンプ

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