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技術 乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具

出願人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構日美商事株式会社
発明者 後藤裕平田晃松野更和小島智美橋詰洋一田坂能彦
出願日 2011年3月29日 (9年9ヶ月経過) 出願番号 2011-073704
公開日 2012年10月25日 (8年2ヶ月経過) 公開番号 2012-208006
状態 未査定
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析
主要キーワード 測定用器具 検査負担 搬送具 保温カバー センサプレート 過酸化水素分解酵素 測定フロー 銀塩化銀電極
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年10月25日)のものです。
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図面 (10)

課題

乳汁中溶存酸素濃度に影響を受けない乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具を提供することで乳房炎発症の予防を目的とする。

解決手段

本発明の乳房炎検出方法は、乳汁に所定の量の過酸化水素を供給し、乳汁の過酸化水素消去能電気化学的方法によって検出する乳房炎検出方法であって、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定することを特徴とする。

概要

背景

乳房炎防除のため、乳房内への細菌感染を早期に発見し、治療するなどの早期対策が求められている。
従来の乳房炎検出法としてのCMT変法PLテスター法)は、酪農家が簡便に検査できるが、乳房炎発症後でないと検知できない方法である。また、CL法(化学発光法)は、乳房炎発症前の感染を捉えられるが、酪農家が簡便に検査できる方法ではない。
乳房炎に感染すると、活性酸素一種である過酸化水素(H2O2)の分解酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼカタラーゼの量が増加する。
本発明者らは、酪農家が現場において、乳汁中過酸化水素分解酵素活性を測定することで、乳房炎感染を簡易に判定する方法を既に提案している。
この方法は、サイクリックボルタンメトリー法を代表例とし、乳汁過酸化水素消去能を、過酸化水素分解により発生する酸素濃度から検出するものであり、日々の搾乳作業の中で、搾乳インラインから乳汁サンプル採取し、短時間で自動的に測定、診断することにより、通常の乳房炎検出に加え、感染初期の乳房炎および外見上異常の認められない潜在性乳房炎を検出することができる。

概要

乳汁中の溶存酸素濃度に影響を受けない乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具を提供することで乳房炎発症の予防を目的とする。本発明の乳房炎検出方法は、乳汁に所定の量の過酸化水素を供給し、乳汁の過酸化水素消去能を電気化学的方法によって検出する乳房炎検出方法であって、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定することを特徴とする。

目的

本発明は、乳汁中の溶存酸素濃度に影響を受けない乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

乳汁に所定の量の過酸化水素を供給し、前記乳汁の過酸化水素消去能電気化学的方法によって検出する乳房炎検出方法であって、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定することを特徴とする乳房炎検出方法。

請求項2

前記電気化学的方法が、クロノアンペロメトリー法であることを特徴とする請求項1に記載の乳房炎検出方法。

請求項3

前記乳汁に前記過酸化水素を供給する前の前記過酸化水素濃度を測定する第1の測定ステップと、前記第1の測定ステップの後に前記乳汁に前記過酸化水素を供給して混合する供給ステップと、前記供給ステップの所定時間経過後に前記過酸化水素濃度を測定する第2の測定ステップと、を有し、前記第1の測定ステップで測定した前記過酸化水素濃度から前記第2の測定ステップで測定した前記過酸化水素濃度を減じて前記過酸化水素消去能を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乳房炎検出方法。

請求項4

体細胞数をあらかじめ測定し、前記体細胞数が所定値以下の場合に、前記過酸化水素消去能を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の乳房炎検出方法。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかに記載の乳房炎検出方法に用いる測定用器具であって、前記乳汁に供給する前の前記過酸化水素を収容する第1の空間と、前記過酸化水素を供給する前の前記乳汁を収容する第2の空間と、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通させる連通手段と、前記第1の空間内の前記過酸化水素濃度を測定するとともに、前記連通手段で連通させた後の前記第1の空間内又は前記第2の空間内の前記過酸化水素濃度を測定する測定手段と、を備えたことを特徴とする乳房炎検出方法に用いる測定用器具。

請求項6

複数の前記第1の空間と、複数の前記第1の空間にそれぞれ対応する複数の前記第2の空間とを備え、前記測定手段では、それぞれの前記第1の空間内の前記過酸化水素濃度を同時に個別に測定するとともに、前記連通手段で連通させた後のそれぞれの前記第1の空間内又はそれぞれの前記第2の空間内の前記過酸化水素濃度を同時に個別に測定することを特徴とする請求項5に記載の乳房炎検出方法に用いる測定用器具。

技術分野

0001

本発明は、例えば乳汁における過酸化水素分解反応による乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具に関する。

背景技術

0002

乳房炎防除のため、乳房内への細菌感染を早期に発見し、治療するなどの早期対策が求められている。
従来の乳房炎検出法としてのCMT変法PLテスター法)は、酪農家が簡便に検査できるが、乳房炎発症後でないと検知できない方法である。また、CL法(化学発光法)は、乳房炎発症前の感染を捉えられるが、酪農家が簡便に検査できる方法ではない。
乳房炎に感染すると、活性酸素一種である過酸化水素(H2O2)の分解酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼカタラーゼの量が増加する。
本発明者らは、酪農家が現場において、乳汁中過酸化水素分解酵素活性を測定することで、乳房炎感染を簡易に判定する方法を既に提案している。
この方法は、サイクリックボルタンメトリー法を代表例とし、乳汁の過酸化水素消去能を、過酸化水素分解により発生する酸素濃度から検出するものであり、日々の搾乳作業の中で、搾乳インラインから乳汁サンプル採取し、短時間で自動的に測定、診断することにより、通常の乳房炎検出に加え、感染初期の乳房炎および外見上異常の認められない潜在性乳房炎を検出することができる。

先行技術

0003

特開2009−244041号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、乳汁の過酸化水素消去能を、過酸化水素分解により発生する酸素濃度から検出する方法では、乳汁中の溶存酸素濃度に影響を受ける場合があることが分かってきた。
また、サイクリックボルタンメトリー法を用いる場合には、炭素電極銀塩化銀電極を用いるが、銀塩化銀電極は、ガラス製であるため破損しやすく、また、測定後に食塩水に浸漬して保管する必要があるため、酪農家にとっては扱いにくいという問題を有している。

0005

そこで本発明は、乳汁中の溶存酸素濃度に影響を受けない乳房炎検出方法、及びこの乳房炎検出方法に用いる測定用器具を提供することで乳房炎発症の予防を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

請求項1記載の本発明の乳房炎検出方法は、乳汁に所定の量の過酸化水素を供給し、前記乳汁の過酸化水素消去能を電気化学的方法によって検出する乳房炎検出方法であって、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の乳房炎検出方法において、前記電気化学的方法が、クロノアンペロメトリー法であることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の乳房炎検出方法において、前記乳汁に前記過酸化水素を供給する前の前記過酸化水素濃度を測定する第1の測定ステップと、前記第1の測定ステップの後に前記乳汁に前記過酸化水素を供給して混合する供給ステップと、前記供給ステップの所定時間経過後に前記過酸化水素濃度を測定する第2の測定ステップと、を有し、前記第1の測定ステップで測定した前記過酸化水素濃度から前記第2の測定ステップで測定した前記過酸化水素濃度を減じて前記過酸化水素消去能を算出することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の乳房炎検出方法において、体細胞数をあらかじめ測定し、前記体細胞数が所定値以下の場合に、前記過酸化水素消去能を検出することを特徴とする。
請求項5記載の本発明の乳房炎検出方法に用いる測定用器具は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の乳房炎検出方法に用いる測定用器具であって、前記乳汁に供給する前の前記過酸化水素を収容する第1の空間と、前記過酸化水素を供給する前の前記乳汁を収容する第2の空間と、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通させる連通手段と、前記第1の空間内の前記過酸化水素濃度を測定するとともに、前記連通手段で連通させた後の前記第1の空間内又は前記第2の空間内の前記過酸化水素濃度を測定する測定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の乳房炎検出方法に用いる測定用器具において、複数の前記第1の空間と、複数の前記第1の空間にそれぞれ対応する複数の前記第2の空間とを備え、前記測定手段では、それぞれの前記第1の空間内の前記過酸化水素濃度を同時に個別に測定するとともに、前記連通手段で連通させた後のそれぞれの前記第1の空間内又はそれぞれの前記第2の空間内の前記過酸化水素濃度を同時に個別に測定することを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、過酸化水素が分解されて減少する過酸化水素の濃度自体を測定することで、乳汁中に溶存する酸素量の影響を受けることなく、乳汁の過酸化水素消去能を正確に検出することができる。

図面の簡単な説明

0008

クロノアンペロメトリー測定(以下CA測定)による時間経過にともなう電流特性を示す図
過酸化水素濃度とCA測定による電流値との関係を示す特性図
カタラーゼ混合量とCA測定による電流値の関係を示す特性図
乳汁中の活性酸素消去能と体細胞数測定結果を示す図
本発明の実施例による乳房炎検出方法を機能実現手段で示すブロック図
同測定用器具の構成と使用方法を示す図
図6(e)の状態を模式的に示した構成図
同測定用器具を用いた測定フロー
乳房炎感染の簡易判定方法を示す図

0009

本発明の第1の実施の形態による乳房炎検出方法は、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定するものである。本実施の形態によれば、過酸化水素が分解されて減少する過酸化水素の濃度自体を測定することで、過酸化水素の分解により発生する酸素濃度を測定する場合のように、乳汁中に溶存する酸素量の影響を受けることなく、乳汁の過酸化水素消去能を正確に検出することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による乳房炎検出方法において、電気化学的方法が、クロノアンペロメトリー法であるものである。本実施の形態によれば、過酸化水素の分解により減少する過酸化水素濃度を電流値として検出するため、データ処理を容易に行うことができ、また、サイクリックボルタンメトリー法と比較すると、カタラーゼとグルタチオンペルオキシダーゼとの双方の酵素活性を測定でき、また、電極の取り扱いが容易となる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による乳房炎検出方法において、乳汁に過酸化水素を供給する前の過酸化水素濃度を測定する第1の測定ステップと、第1の測定ステップの後に乳汁に過酸化水素を供給して混合する供給ステップと、供給ステップの所定時間経過後に過酸化水素濃度を測定する第2の測定ステップとを有し、第1の測定ステップで測定した過酸化水素濃度から第2の測定ステップで測定した過酸化水素濃度を減じて過酸化水素消去能を算出するものである。本実施の形態によれば、毎回の測定時に電極などの測定器による誤差補正できるため、測定器によるばらつきの影響を受けることなく、より正確な検出を行うことができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による乳房炎検出方法において、体細胞数をあらかじめ測定し、体細胞数が所定値以下の場合に、過酸化水素消去能を検出するものである。本実施の形態によれば、既に乳房炎が発生している検査対象をあらかじめ除外することで、乳房炎の早期発見が行いやすくなる。
本発明の第5の実施の形態による乳房炎検出方法に用いる測定用器具は、第1から第4の実施の形態による乳房炎検出方法に用いる測定用器具であって、乳汁に供給する前の過酸化水素を収容する第1の空間と、過酸化水素を供給する前の乳汁を収容する第2の空間と、第1の空間と第2の空間とを連通させる連通手段と、第1の空間内の過酸化水素濃度を測定するとともに、連通手段で連通させた後の第1の空間内又は第2の空間内の過酸化水素濃度を測定する測定手段とを備えたものである。本実施の形態によれば、乳汁及び過酸化水素の定量分注を容易に行え、また、第1の測定ステップでの過酸化水素濃度の測定と、第2の測定ステップでの過酸化水素濃度の測定を迅速に行うことができる。
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による乳房炎検出方法に用いる測定用器具において、複数の第1の空間と、複数の第1の空間にそれぞれ対応する複数の第2の空間とを備え、測定手段では、それぞれの第1の空間内の過酸化水素濃度を同時に個別に測定するとともに、連通手段で連通させた後のそれぞれの第1の空間内又はそれぞれの第2の空間内の過酸化水素濃度を同時に個別に測定するものである。本実施の形態によれば、例えば検査対象が牛の場合には、4つの乳房を同時に個別に測定することができ、いずれかの乳房が感染している場合であっても、確実に乳房炎を検出することができるため、乳房炎の早期発見が行いやすくなる。

0010

以下本発明の一実施例による乳房炎検出方法について説明する。
乳房炎原因菌(以下、細菌)に感染すると、白血球が活性酸素を放出して殺菌するが、同時に自身を傷めないよう活性酸素分解酵素が増加する。
本実施例による乳房炎検出方法は、活性酸素の一種である過酸化水素を乳汁に定量添加し、過酸化水素分解酵素の活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を活性酸素消去能として電気化学センサで測定することで、乳房炎発症前の細菌感染を検出する方法である。

0011

図1は、クロノアンペロメトリー測定(以下CA測定)による時間経過にともなう電流特性を示す図である。図1では、横軸測定開始からの時間を、縦軸にはCA測定による電流値(μA)を示している。
作用極対極ともに白金電極を用い、電位を0.7Vとし、4サンプル(CH1、CH2、CH3、CH4)について測定を行った。測定温度は28〜30℃とした。
図1に示すように、4つのサンプルはいずれも同じ特性を示し、測定開始後60秒までは電流値が大きく変動するが、その後は一定値収束し、120秒経過後の変化量は少ない。270秒ではほぼ一定値に収束しており、その後の変化量は極めて少ないことから、以降の測定には、270秒経過後の電流値を用いた。

0012

図2は、過酸化水素濃度とCA測定による電流値との関係を示す特性図である。図2では、横軸に添加した過酸化水素の濃度を、縦軸には270秒後電流値(μA)を示している。
電位を0.7Vとし、270秒後の電流値を測定した。測定には、過酸化水素を混合した生理食塩水を供し、測定温度は28〜30℃とした。
図2に示すように、過酸化水素濃度とCA測定における270秒後電流値は正の比例関係にあることがわかる。

0013

図3は、カタラーゼ混合量とCA測定による電流値の関係を示す特性図である。図3では、横軸に0.1%カタラーゼ混合量(μl)を、縦軸には270秒後電流値(μA)を示している。ここで、縦軸の270秒後電流値(μA)は過酸化水素濃度を表している。
分解酵素であるカタラーゼ(以下CAT試薬と生理食塩水を混合した後、過酸化水素を添加し測定した。生理食塩水は12ml、過酸化水素は2ml、100mM(mmol/l)、測定温度は28〜30℃とした。
図3に示すように、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼの混合量と270秒後電流値は負の比例関係にあった。従って、過酸化水素分解酵素の活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度、即ち過酸化水素消去能は、CA測定による電流値で推定できることが分かる。

0014

図4は、乳汁中の活性酸素消去能と体細胞数の測定結果を示す図である。図4では、横軸に体細胞数(万個/ml)を、縦軸には活性酸素消去能(μA)を示している。ここで、縦軸では数値が大きい場合には活性酸素消去能が高く、数値が小さい場合には活性酸素消去能が低いことを表している。
乳汁中の活性酸素消去能と体細胞数(SCC)や細菌数等の関係を調査するため、過酸化水素と乳汁(細胞膜破壊し反応速度を上げるため界面活性剤を添加)を混合してCA測定を行った。乳汁は12ml、過酸化水素は2ml、100mM、測定温度は28〜30℃とし、併せて乳汁中の体細胞数と細菌数を測定した。なお、活性酸素消去能は、測定器差補正と温度補正を行っている。測定器差補正については後述する。
図4に示すように、体細胞数が高くなると乳汁中の活性酸素消去能が高くなることが分かる。また、体細胞数が低くても消去能が高い場合があり、この場合は、細菌に感染し、殺菌のために活性酸素が放出されたことにより、消去能が高くなったと推察される。
従って、図4において、領域Aは乳房炎に感染し、自然免疫では防御できず体細胞(白血球)が増加した群であり、領域Bは乳房炎に感染し、自然免疫により活性酸素を放出して殺菌している群であると推察される。

0015

次に、本実施例による乳房炎検出方法に用いる測定用器具について説明する。
図5は本実施例による乳房炎検出方法を機能実現手段で示すブロック図、図6は同測定用器具の構成と使用方法を示す図、図7は、図6(e)の状態を模式的に示した構成図、図8は同測定用器具を用いた測定フロー図である。

0016

図5に示すように、本実施例による乳房炎検出方法は、測定用器具10と、測定用コントローラ20とを用いて行う。
測定用器具10は、乳汁に供給する前の過酸化水素を収容する第1の空間(過酸化水素容器)11と、過酸化水素を供給する前の乳汁を収容する第2の空間(乳汁容器)12と、過酸化水素容器11と乳汁容器12とを連通させる連通手段(押棒)13と、過酸化水素容器11内又は乳汁容器12内の過酸化水素濃度を測定する測定手段であるセンサプレート14と測定ユニット14’、乳汁容器12内に乳汁を定量する乳汁定量手段15とを備えている。
ここで、過酸化水素容器11は、独立した複数の空間を備え、また乳汁容器12も、複数の過酸化水素容器11にそれぞれ対応する複数の乳汁容器12を備えていることが好ましい。
また、センサプレート14は、温度センサ14aとCA測定用電極14bを備えている。CA測定用電極14bは、作用極と対極ともに白金電極を用いることが好ましい。ただし、白金電極以外に、イリジウムや、イリジウムとジルコニウムを含有する電極、又はカーボンを電極とするものであってもよい。

0017

測定用コントローラ20は、センサプレート14と測定ユニット14’で測定するデータを読み取るデータ取込手段21と、センサプレート14と測定ユニット14’での測定開始からの時間を計測する計時手段22と、データ取込手段21で取り込んだデータを基に活性酸素消去能を演算する演算手段23と、この演算手段23での演算結果によって細菌感染を判定する判定手段24と、この判定手段24での判定に用いる閾値を記憶する閾値記憶手段25と、判定結果を出力する出力手段26と、データ取込手段21で取り込んだデータ及び判定手段24での判定結果を記憶するデータ記憶手段27とを備えている。

0018

次に、図6及び図7を用いて、同測定用器具の構成と使用方法を説明する。
図6(a)は、搬送具内空間に、4つの乳汁容器12と1つの捨て乳容器12’を備えていることを示している。4つの乳汁容器12には、乳汁定量手段15によって、乳牛1頭の4分房の乳汁がそれぞれ定量収容されている。
図6(b)は、図6(a)の状態において、それぞれの乳汁容器12内に、あらかじめ過酸化水素を定量分注している過酸化水素容器11を投入した状態を示している。

0019

図6(c)は、図6(b)の状態にある搬送具とともに、センサプレート14と、測定ユニット14’とを示している。センサプレート14には、温度センサ14aとCA測定用電極14bを備えている。また、測定ユニット14’には、温度センサ用コンタクトピン14’aとCA測定用コンタクトピン14’bが設けられている。
それぞれの乳汁容器12内に、過酸化水素容器11を浮かべた状態で、センサプレート14を乳汁容器12にかぶせ、乳汁容器12を、センサプレート14が当接するように測定ユニット14’に設置する。後述するように、乳汁容器12底面に押棒13が設けられているために、センサプレート14を乳汁容器12にかぶせた段階で過酸化水素容器11内には、温度センサ14a及びCA測定用電極14bが位置する。

0020

図6(d)は、測定ユニット14’に乳汁容器12を設置した状態を示している。
図6(d)に示すように、乳汁容器12底面には、押棒13が設けられている。
図6(e)は、図6(d)の状態にある乳汁容器12に、保温カバー16をかぶせた状態を示している。

0021

図7(a)は、図6(e)の状態を、模式的に示した構成図である。
また、図7(b)は、図7(a)の状態から、押棒13を押し下げて過酸化水素容器11の底面を割り、過酸化水素容器11内の過酸化水素と乳汁容器12内の乳汁を混合する状態を、模式的に示した構成図である。

0022

次に図8を用いて同測定用器具を用いた測定フローについて説明する。
まず、乳汁を乳汁容器12に採取する(ステップ1)。ステップ1における乳汁は、乳牛1頭の4分房の乳汁を混合することなく採取する。ステップ2では、ステップ1で採取した4分房の乳汁の内、余計な乳汁が測定用器具を斜めに傾けることで乳汁容器12の外側にある捨て乳容器12’に排出され、各乳汁容器12内の乳汁は一定量にされる。
そして、所定濃度の過酸化水素を過酸化水素容器11に定量分注する(ステップ3)。
ステップ3において所定濃度の過酸化水素が定量分注された過酸化水素容器11は、所定位置に設置される(ステップ4)。図6に示す実施例では、過酸化水素容器11を乳汁容器12内に浮かべる。
そして、センサプレート14を過酸化水素容器11を浮かべた乳汁容器12の開口に設置し、センサプレート14を設置した乳汁容器12を測定ユニット14’に設置する(ステップ5)。

0023

ステップ5が終了した後に、CA測定による電流値の測定を開始する(ステップ6)。
ステップ6における測定開始からの経過時間を計時手段22にて計時し、ステップ7において、あらかじめ設定した時間(270秒)が経過した場合には、設定時間経過時点での過酸化水素容器11内の過酸化水素濃度を測定する(ステップ8)。すなわち、ステップ8(第1の測定ステップ)では、乳汁に過酸化水素を供給する前の過酸化水素濃度をセンサプレート14と測定ユニット14’で測定し、測定したデータをデータ取込手段21で取り込む。センサプレート14と測定ユニット14’では、それぞれの過酸化水素容器11内の過酸化水素濃度を同時に個別に測定する。
ステップ8(第1の測定ステップ)における測定終了後に、押棒13を操作することで、過酸化水素容器11を破損し、過酸化水素容器11内の過酸化水素と乳汁容器12内の乳汁とを混合する(ステップ9)。

0024

ステップ9における押棒13の操作、すなわち過酸化水素容器11内の過酸化水素と乳汁容器12内の乳汁との混合からの経過時間を計時手段22にて計時し、ステップ10において、あらかじめ設定した時間(270秒)が経過した場合には、設定時間経過時点での過酸化水素濃度を測定する(ステップ11)。すなわち、ステップ11では、過酸化水素を供給した乳汁の過酸化水素濃度をセンサプレート14と測定ユニット14’で測定し、測定したデータをデータ取込手段21で取り込む。センサプレート14と測定ユニット14’では、押棒13で連通させた後のそれぞれの過酸化水素容器11内又はそれぞれの乳汁容器12内の過酸化水素濃度を同時に個別に測定する。
ステップ12では、活性酸素消去能を演算手段23において演算する。活性酸素消去能の演算は、ステップ8(第1の測定ステップ)で測定した過酸化水素濃度からステップ11(第2の測定ステップ)で測定した過酸化水素濃度を減じて算出する。演算手段23での活性酸素消去能の演算は、それぞれの乳汁容器12別に行う。なお、この演算において、温度センサ14aで検出した温度を基に補正を行う。
ここで、演算手段23での活性酸素消去能の演算を、それぞれの乳汁容器12別に行うことで、検査対象が牛の場合には、4つの乳房を同時に個別に測定することができ、いずれかの乳房が感染している場合であっても、確実に乳房炎を検出することができるため、乳房炎の早期発見が行いやすくなる。

0025

ステップ12で演算した結果に基づき、閾値記憶手段25にあらかじめ記憶している閾値と比較し感染判定を行う(ステップ13)。
ステップ13での判定結果は出力される(ステップ14)。また、ステップ8において測定された過酸化水素濃度、ステップ11において測定された過酸化水素濃度、及びステップ13における判定結果はデータ記憶手段27に記憶される。

0026

図9は、乳房炎感染の簡易判定方法を示す図である。
図4で示した測定結果から、体細胞数が高くなると乳汁中の活性酸素消去能が高くなること、及び体細胞数が低くても活性酸素消去能が高い場合があることが分かった。
この結果から、図9に示すように、体細胞数が所定値以上の場合には、乳房炎であり、体細胞数が所定値以下の場合で活性酸素消去能が所定値より高い場合に初期段階の乳房炎原因菌感染と判断できる。
従って、体細胞数をあらかじめ測定し、体細胞数が所定値以下の場合に、過酸化水素消去能を検出することが好ましい。
このように、体細胞数が所定値以下の検体に限ることで、乳房炎発症の検査負担を減らし、予防検査を確実に行うことができる。

実施例

0027

以上のように本発明によれば、乳汁に所定の量の過酸化水素を供給し、乳汁の過酸化水素消去能を電気化学的方法によって検出する乳房炎検出方法において、CA測定により、過酸化水素分解酵素活性に応じて一定時間に減少する過酸化水素濃度を測定することで、乳汁中の溶存酸素濃度の影響を排除し、かつ過酸化水素分解酵素であるカタラーゼとグルタチオンペルオキシダーゼ両方の消去能が測定できる。
また、本発明では、最初に、既知濃度の過酸化水素をCA測定により行った後、続いて、過酸化水素と乳汁とを混合してCA測定を行うため、測定器差の補正が測定毎に行える。

0028

本発明は、牛や山羊、その他動物の乳房炎検出方法に適用できる。

0029

10測定用器具
11 第1の空間(過酸化水素容器)
12 第2の空間(乳汁容器)
13 連通手段(押棒)
14測定手段(センサプレート)
14’ 測定手段(測定ユニット)
20測定用コントローラ
21 データ取込手段

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