図面 (/)

技術 冷却水系の基礎処理方法

出願人 栗田工業株式会社
発明者 藤田和久
出願日 2011年3月30日 (9年3ヶ月経過) 出願番号 2011-074616
公開日 2012年10月25日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2012-207280
状態 特許登録済
技術分野 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード 基礎処理 低分子量水溶性ポリマー 防食成分 硝酸カルシウム溶液 スルホン基含有モノマー 伝熱チューブ 金属部材表面 ブロー水量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年10月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

リン亜鉛処理を行う冷却水系において、運転中の系内の金属部材腐食を防止するための運転開始時の基礎処理方法を提供する。

解決手段

非リン、亜鉛処理を行う冷却水系の運転開始に当たって、該冷却水系内の水のpHを8.4〜8.6、カルシウム硬度を400〜500mg−CaCO3/Lとすると共に、水溶性ポリマー5〜50mg−固形分/Lと亜鉛塩1〜5mg−Zn/Lとを添加して、熱負荷をかけない状態で1日以上該水系内に水を循環させることを特徴とする冷却水系の基礎処理方法。

概要

背景

冷却水系における金属腐食は、製品生産効率の低下やプラントの緊急停止など経済的に大きな問題を引き起こす。そのため、従来、冷却水系における金属の防食方法については多くの方法が提案されており、金属の腐食を止める方法として、一般的にはリン亜鉛高濃度添加が実施されている。
しかし、近年の環境規制強化により、冷却水系においてリンを使用できない場合が増えてきているため、その対応策として様々な非リン、非亜鉛処理、及び非リン、亜鉛処理が実施されているが、防食効果はリン、亜鉛処理に比べて不十分である場合が多い。

特許文献1には、リン、亜鉛処理を行う冷却水系における腐食防止のための運転開始時の基礎処理方法についての提案がなされているが、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系における基礎処理方法については有効な方法が提案されていないのが現状である。

概要

非リン、亜鉛処理を行う冷却水系において、運転中の系内の金属部材の腐食を防止するための運転開始時の基礎処理方法を提供する。非リン、亜鉛処理を行う冷却水系の運転開始に当たって、該冷却水系内の水のpHを8.4〜8.6、カルシウム硬度を400〜500mg−CaCO3/Lとすると共に、水溶性ポリマー5〜50mg−固形分/Lと亜鉛塩1〜5mg−Zn/Lとを添加して、熱負荷をかけない状態で1日以上該水系内に水を循環させることを特徴とする冷却水系の基礎処理方法。

目的

本発明は、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系において、運転中の系内の金属部材の腐食を防止するための運転開始時の基礎処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

リン亜鉛処理を行う冷却水系運転開始に当たって、該冷却水系内の水のpHを8.4〜8.6、カルシウム硬度を400〜500mg−CaCO3/Lとすると共に、水溶性ポリマー5〜50mg−固形分/Lと亜鉛塩1〜5mg−Zn/Lとを添加して、熱負荷をかけない状態で1日以上該水系内に水を循環させることを特徴とする冷却水系の基礎処理方法

請求項2

請求項1において、前記水溶性ポリマーがアクリル酸スルホン基含有モノマーとのコポリマーであることを特徴とする冷却水系の基礎処理方法。

請求項3

請求項1又は2において、前記水系に硝酸カルシウムを添加してカルシウム硬度を調整することを特徴とする冷却水系の基礎処理方法。

技術分野

0001

本発明は、冷却水系において水処理を実施する場合に、環境規制などの理由でリンが使用できず、亜鉛防食成分として使用している冷却水系の運転開始時の基礎処理方法に関する。本発明の冷却水系の基礎処理方法を採用することにより、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系における運転中の系内の金属部材腐食を抑制して、運転効率の向上、装置寿命延長を図ることができる。

背景技術

0002

冷却水系における金属腐食は、製品生産効率の低下やプラントの緊急停止など経済的に大きな問題を引き起こす。そのため、従来、冷却水系における金属の防食方法については多くの方法が提案されており、金属の腐食を止める方法として、一般的にはリン・亜鉛の高濃度添加が実施されている。
しかし、近年の環境規制の強化により、冷却水系においてリンを使用できない場合が増えてきているため、その対応策として様々な非リン、非亜鉛処理、及び非リン、亜鉛処理が実施されているが、防食効果はリン、亜鉛処理に比べて不十分である場合が多い。

0003

特許文献1には、リン、亜鉛処理を行う冷却水系における腐食防止のための運転開始時の基礎処理方法についての提案がなされているが、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系における基礎処理方法については有効な方法が提案されていないのが現状である。

先行技術

0004

特許第3945202号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系において、運転中の系内の金属部材の腐食を防止するための運転開始時の基礎処理方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系の運転開始に当たり、pH及びカルシウム硬度を特定の値に調整すると共に、水溶性ポリマー亜鉛塩を特定の濃度で添加した水を用いて基礎処理を行うことにより、系内の金属部材表面炭酸カルシウム防食皮膜を形成させて、運転中の金属部材の腐食を効果的に抑制することができることを知見した。

0007

本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、本発明(請求項1)の冷却水系の基礎処理方法は、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系の運転開始に当たって、該冷却水系内の水のpHを8.4〜8.6.カルシウム硬度を400〜500mg−CaCO3/Lとすると共に、水溶性ポリマー5〜50mg−固形分/Lと亜鉛塩1〜5mg−Zn/Lとを添加して、熱負荷をかけない状態で1日以上該水系内に水を循環させることを特徴とする。

0008

請求項2の冷却水系の基礎処理方法は、請求項1において、前記水溶性ポリマーがアクリル酸スルホン基含有モノマーとのコポリマーであることを特徴とする。

0009

請求項3の冷却水系の基礎処理方法は、請求項1又は2において、前記水系に硝酸カルシウムを添加してカルシウム硬度を調整することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、非リン、亜鉛処理を行う冷却水系の運転開始に際して、系内の水のpHとカルシウム硬度を所定の値に調整すると共に、水溶性ポリマーと亜鉛塩を所定の濃度で添加した水を用いて基礎処理を行うことにより、系内の金属部材の表面に炭酸カルシウムの防食皮膜を形成させて、運転中の金属部材の腐食を効果的に抑制することができる。

0011

本発明によれば、後掲の実施例の結果からも明らかなように、非リン、亜鉛処理において、リン、亜鉛処理の場合と同等の防食効果を得ることができることから、リン不使用の処理により、リン使用の冷却水系におけるようなブロー水の排水時の処理(ブロー水量の調整、他系統へブロー水を貯留するなどの処理)の手間と時間を削減することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例で用いた試験装置を示す系統図である。

0013

以下に本発明の冷却水系の基礎処理方法の実施の形態を詳細に説明する。

0014

本発明においては、リンを使用せず、亜鉛を防食成分として用いる冷却水系の運転開始に当たって、該冷却水系内の水のpHを8.4〜8.6、カルシウム硬度を400〜500mg−CaCO3/Lとすると共に、水溶性ポリマー5〜50mg−固形分/Lと亜鉛塩1〜5mg−Zn/Lとを添加して、熱負荷をかけない状態で1日以上該水系内の水を循環させる。

0015

この運転開始時のpH調整のための酸消費量成分としては特に制限はなく、水酸化ナトリウム重炭酸ナトリウムなどを用いることができる。
また、カルシウム硬度調整のためのカルシウム硬度成分としても特に制限はないが、腐食性塩類を含まないことから硝酸カルシウムを用いることが好ましい。

0016

亜鉛塩としては特に制限はないが、通常、塩化亜鉛硫酸亜鉛等の1種又は2種以上が用いられる。

0017

水溶性ポリマーとしては特に制限はなく、冷却水系のスケール防止剤として用いられているものをいずれも好適に用いることができる。例えば、アクリル酸、メタアクリル酸HAPS(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸)、マレイン酸AMPS(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタアクリレート)、アクリル酸メチルスチレンスルホン酸イソブチレンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマー重合又は共重合した、ホモポリマー又はコポリマー、好ましくはアクリル酸、メタアクリル酸、HAPS、マレイン酸、AMPS、イソブチレンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーが重合又は共重合した、ホモポリマー又はコポリマーであって、平均分子量が5000〜50000の低分子量水溶性ポリマーが挙げられる。

0018

低分子水溶性ポリマーとしては、特にマレイン酸又はアクリル酸のホモポリマー或いは、アクリル酸とHAPSとのモル比20〜80:80〜20のコポリマー、アクリルアミドとAMPSとのモル比20〜80:80〜20のコポリマー、マレイン酸とイソブチレンとのモル比50〜80:50〜20のコポリマー等が好適である。
これらの水溶性ポリマーは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。

0019

本発明においては、非リン、亜鉛処理の冷却水系における運転開始時に
pH:8.4〜8.6
カルシウム硬度:400〜500mg−CaCO3/L
水溶性ポリマー濃度:5〜50mg−固形分/L
亜鉛塩濃度:1〜5mg−Zn/L
に調整した水を熱負荷をかけない状態で1日以上系内を循環させる。pH、カルシウム硬度、水溶性ポリマー濃度、亜鉛塩濃度のいずれか1つでも上記範囲を外れると本発明による効果、即ち、系内の金属部材の表面に炭酸カルシウムの防食皮膜を形成させて、運転中の金属部材の腐食を効果的に抑制する効果を得ることができない。
この循環時間は1日以上であればよく、その上限については特に制限はないが、運転効率の面で通常5日以下である。

0020

このように、運転開始に当たって、所定の水質の水を系内に循環させた後は、系内のブロー水量に応じて補給水を入れて定常運転条件に近づけてゆく。

0021

なお、運転開始後の定常運転時の水系の条件としては、
pH:8.2〜9.0
カルシウム硬度:300〜1,000mg−CaCO3/L
水溶性ポリマー濃度:5〜20mg−固形分/L
亜鉛塩濃度:1〜3mg−Zn/L
とすることが好ましい。

0022

以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。

0023

[実施例1]
図1に示す試験装置を用いて、以下の手順で基礎処理試験を行った。
図1において、11は冷却塔、12は冷却水槽、14は熱交換器、15は電気ヒーター、16は伝熱チューブ軟鋼チューブ)、P1,P2,P3は薬注ポンプ、P4はブローポンプ、P5は循環ポンプであり、冷却水槽12内の冷却水は、循環ポンプP5により熱交換器14が設けられた循環水系に循環され、熱交換器14からの循環冷却水は冷却塔11で冷却された後、冷却水槽12に戻される。

0024

(1)野木水(pH7.8、カルシウム硬度40mg−CaCO3/L)を200Lのタンクに入れた。
(2)5重量%重炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH8.6に調整した。
(3)アクリル酸/HAPSコポリマー(分子量10000,アクリル酸:HAPS=8:2(モル比))を15mg−固形分/L添加した。
(4)10重量%硝酸カルシウム溶液を添加して、カルシウム硬度500mg−CaCO3/Lに調整した。
(5)10重量%硫酸亜鉛水溶液を2mg−Zn/L添加した。
(6)5重量%重炭酸ナトリウム水溶液でpH8.6に微調整した。
(7)上記(1)〜(6)の調整を行った試験水を冷却水槽12に入れ、循環ポンプP5で軟鋼チューブ16に24時間通水した。
(8)24時間後、系内の水の全ブローを実施し、保持処理水(pH:8.6、カルシウム硬度:500mg−CaCO3/L、アクリル酸/HAPSコポリマー:15mg−固形分/L、Zn:2mg/L)に入れ替え、熱負荷を開始した(流速0.5m/s、ΔT10℃)。(なお、流速は循環冷却水の流速であり、ΔTは、伝熱チューブ16内を流れる循環冷却水の熱交換器出口温度入口温度との差である。)
(9)14日後、軟鋼チューブ16を引き上げ、錆の付着量を測定し、単位面積当たりの1ヶ月間の錆付着量(錆付着速度)に換算した。

0025

結果を表1に示す。

0026

[比較例1]
実施例1において、基礎処理時に野木町水に更に100mg−PO4/Lとなるようにヘキサメタリン酸ソーダを添加し、また亜鉛塩濃度が20mg−Zn/Lとなるようにしてリン、亜鉛処理を行ったこと以外は同様の条件で試験を行い、結果を表1に示した。

0027

[実施例2、比較例2〜5]
実施例1において、基礎処理時の試験水のカルシウム硬度を表1に示す値としたこと以外は同様の条件で試験を行い、結果を表1に示した。

0028

実施例

0029

表1より、本発明の基礎処理方法に従ってpHとカルシウム硬度を調整すると共に水溶性ポリマーと亜鉛塩を添加して基礎処理を行うことにより、リン、亜鉛基礎処理と同等の防食効果が得られることが分かる。

0030

11冷却塔
12冷却水槽
14熱交換器
15電気ヒーター
16伝熱チューブ(軟鋼チューブ)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東日本高速道路株式会社の「 コンクリート構造物の防食工法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】コンクリート構造物の内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができるコンクリート構造物の防食工法を提供する。【解決手段】コンクリート構造物(コンク... 詳細

  • 地方独立行政法人大阪産業技術研究所の「 鉄系部材の製造方法」が 公開されました。( 2020/04/16)

    【課題】本発明は、表面に不動態皮膜が良好に形成されており、防錆性能に優れた鉄系部材を簡便に製造できる方法を提供することを目的とする。また、本発明は、鉄系材料表面の不動態皮膜の形成状態を評価するための自... 詳細

  • 株式会社安藤・間の「 脱塩方法」が 公開されました。( 2020/04/16)

    【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち鋼材に付着した塩分を効果的に除去することができる技術を提供することである。【解決手段】本願発明の脱塩方法は、鋼材の塩分を除去... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ