図面 (/)

技術 機体構成部材の連結構造

出願人 三菱航空機株式会社
発明者 川原浩司山越英男神納祐一郎彌政敦洋橋上徹
出願日 2011年3月14日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2011-055999
公開日 2012年10月11日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2012-192752
状態 特許登録済
技術分野 飛行船・気球・飛行機 航空機の整備
主要キーワード 導電エリア 絶縁エリア 通過許容 耐雷性能 バーストディスク ファスナ部材 インターフェアラ 内部空間側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年10月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

十分な耐雷性能を確保できる機体構成部材連結構造を提供することを目的とする。

解決手段

翼面パネル21A、21Bの間において、各ファスナ部材24の周囲には、導電性材料からなる導電パターン部40が形成されている。この導電パターン部40は、例えば、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの合わせ面において、孔21c、21dの周囲に形成される。そして、ファスナ部材24による締結力により、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの双方に、導電パターン部40が押し付けられ、これによって翼面パネル21Aと翼面パネル21Bとの電気的導通が図られる。

概要

背景

航空機機体を構成するは一般に中空構造となっており、翼表面は、複数枚翼面パネルにより形成されている。そして、互いに隣接する翼面パネル同士は、ファスナ部材留め具)によって互いに連結されている。
このとき、ファスナ部材は、ピン状のファスナ本体を、互いに重ね合わせた二枚の翼面パネルの双方に形成された貫通孔に翼の外部側から挿入し、その先端部を翼の内部側から固定金具で固定することで、翼面パネル同士を連結する。

ところで、航空機においては、被対策を万全に期す必要がある。航空機に被雷が発生して主翼大電流が流れると、翼面パネル同士の連結部に、その一部、場合によっては全部が流れる。その電流値が各連結部における通過許容電流限界値を超えると、電気アーク(あるいはサーマルスパーク)と呼ばれる放電が発生する。これは、連結部を通過する電流により、連結部を構成する主として導電材料からなる翼面パネル同士の境界面が、急激に局部的に温度上昇して溶融し、近傍の大気中に放電が発生する現象である。この現象が発生すると、多くの場合、溶融部分からホットパーティクルと言われる溶融物飛散が発生する。

一般に翼の内部空間は燃料タンクを兼ねているため、この被雷時において、電気アークの発生を抑えるか、あるいは、そのアーク封止することによって、発生したアークの放電とそこから飛散するホット・パーティクルが可燃性燃料蒸気に接触しないようにする必要がある。
そこで、上記ファスナ部材と、それが連結する翼面パネルとの界面のうち、可燃性の燃料蒸気が充満する可能性のある部位に、耐雷(防爆)対策として、上記の電気アークの発生抑制や封止の対策を確実にとる必要がある。可燃性の燃料蒸気が充満する可能性のある部位とは、燃料タンク内部、一般に燃料タンクの翼端側に設置されるサージタンクベントスクープやバーストディスクなどが設置されるタンク)内部、燃料系統装備品内部等である。

そこで、従来、翼の内部側において、ファスナ部材の先端部をシーラントによって覆ったり、ファスナ部材の先端部にキャップを設け、このキャップとファスナ部材との間に絶縁材(空気を含む)を介在させることで、電気アークを封止することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。

また、ファスナ部材を貫通させるため各種部材に形成される貫通孔の内径と、ファスナ部材の外形とを、しまり嵌め、あるいはこれに準ずる公差の嵌め合い寸法に設定することで、ファスナ部材とこれが貫通する部材との間に隙間が生じないようにする、インターフェアラスフィットあるいはトランジションフィットと称される手法が一般的に採用されている。
これは、図5(a)に示すように、ファスナ部材1とこれが貫通する翼面パネル2、3に形成された貫通孔2a、3aとの間に隙間4が存在すると、被雷時に、翼面パネル3の表面に沿って流れる雷電流Lが、翼の内部空間5側でファスナ部材1から翼面パネル2に流れ込む。すると、翼の内部空間5側のファスナ部材1と翼面パネル2との境界面において電気アークAが生じる恐れがあるからである。なお、貫通孔2a、3a以外の部分において、翼面パネル2と翼面パネル3との間には、プライマ等の絶縁層7が介在する。
これに対し、インターフェアランスフィットあるいはトランジションフィットを採用し、図5(b)に示すように、ファスナ部材1と、これが貫通する翼面パネル2、3に形成された貫通孔2a、3aとを密着させることで、被雷時に、翼面パネル3の表面に沿って流れる雷電流Lを、翼の内部空間側に位置する翼面パネル2の内部(厚さ方向中間部)においてファスナ部材1から翼面パネル2に流れ込むようにすることができる。これにより、図5(a)に示したような電気アークAの発生を抑制している。

概要

十分な耐雷性能を確保できる機体構成部材連結構造を提供することを目的とする。翼面パネル21A、21Bの間において、各ファスナ部材24の周囲には、導電性材料からなる導電パターン部40が形成されている。この導電パターン部40は、例えば、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの合わせ面において、孔21c、21dの周囲に形成される。そして、ファスナ部材24による締結力により、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの双方に、導電パターン部40が押し付けられ、これによって翼面パネル21Aと翼面パネル21Bとの電気的導通がられる。

目的

本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、十分な耐雷性能を確保できる機体構成部材の連結構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

航空機機体を構成する複数の部材を重ね合わせた部分に形成された貫通孔に挿入されて複数の前記部材を締結するファスナ部材と、複数の前記部材同士が対向する部分の一部に形成された導電性材料からなる導電エリア部と、複数の前記部材同士が対向する部分の残部に形成された絶縁性材料からなる絶縁エリア部と、を有し、複数の前記部材同士が対向する部分において、前記導電エリア部に対し、複数の前記部材のうち前記機体の内側に位置する前記部材の端部側に前記絶縁エリア部が設けられていることを特徴とする機体構成部材連結構造

請求項2

前記貫通孔の内周面と前記ファスナ部材の外周面とを密着させることで、前記ファスナ部材と前記貫通孔が形成された前記部材との間が電気的に導通されていることを特徴とする請求項1に記載の機体構成部材の連結構造。

請求項3

前記導電エリア部は、複数の前記部材のうち前記機体の内側に位置する前記部材の端部に沿って帯状に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の機体構成部材の連結構造。

請求項4

複数の前記部材のうち前記機体の内側に位置する前記部材の端部に沿って、前記ファスナ部材が複数列に配列され、前記導電エリア部は、複数列に配列された前記ファスナ部材のうち、前記機体の内側に位置する前記部材の端部から遠い側の列の前記ファスナ部材の外周部に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機体構成部材の連結構造。

請求項5

前記導電エリア部は、前記ファスナ部材のそれぞれの外周部に環状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の機体構成部材の連結構造。

技術分野

0001

本発明は、航空機機体を構成する、例えば翼面パネル等の機体構成部材連結構造に関する。

背景技術

0002

航空機の機体を構成するは一般に中空構造となっており、翼表面は、複数枚の翼面パネルにより形成されている。そして、互いに隣接する翼面パネル同士は、ファスナ部材留め具)によって互いに連結されている。
このとき、ファスナ部材は、ピン状のファスナ本体を、互いに重ね合わせた二枚の翼面パネルの双方に形成された貫通孔に翼の外部側から挿入し、その先端部を翼の内部側から固定金具で固定することで、翼面パネル同士を連結する。

0003

ところで、航空機においては、被対策を万全に期す必要がある。航空機に被雷が発生して主翼大電流が流れると、翼面パネル同士の連結部に、その一部、場合によっては全部が流れる。その電流値が各連結部における通過許容電流限界値を超えると、電気アーク(あるいはサーマルスパーク)と呼ばれる放電が発生する。これは、連結部を通過する電流により、連結部を構成する主として導電材料からなる翼面パネル同士の境界面が、急激に局部的に温度上昇して溶融し、近傍の大気中に放電が発生する現象である。この現象が発生すると、多くの場合、溶融部分からホットパーティクルと言われる溶融物飛散が発生する。

0004

一般に翼の内部空間は燃料タンクを兼ねているため、この被雷時において、電気アークの発生を抑えるか、あるいは、そのアーク封止することによって、発生したアークの放電とそこから飛散するホット・パーティクルが可燃性燃料蒸気に接触しないようにする必要がある。
そこで、上記ファスナ部材と、それが連結する翼面パネルとの界面のうち、可燃性の燃料蒸気が充満する可能性のある部位に、耐雷(防爆)対策として、上記の電気アークの発生抑制や封止の対策を確実にとる必要がある。可燃性の燃料蒸気が充満する可能性のある部位とは、燃料タンク内部、一般に燃料タンクの翼端側に設置されるサージタンクベントスクープやバーストディスクなどが設置されるタンク)内部、燃料系統装備品内部等である。

0005

そこで、従来、翼の内部側において、ファスナ部材の先端部をシーラントによって覆ったり、ファスナ部材の先端部にキャップを設け、このキャップとファスナ部材との間に絶縁材(空気を含む)を介在させることで、電気アークを封止することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。

0006

また、ファスナ部材を貫通させるため各種部材に形成される貫通孔の内径と、ファスナ部材の外形とを、しまり嵌め、あるいはこれに準ずる公差の嵌め合い寸法に設定することで、ファスナ部材とこれが貫通する部材との間に隙間が生じないようにする、インターフェアラスフィットあるいはトランジションフィットと称される手法が一般的に採用されている。
これは、図5(a)に示すように、ファスナ部材1とこれが貫通する翼面パネル2、3に形成された貫通孔2a、3aとの間に隙間4が存在すると、被雷時に、翼面パネル3の表面に沿って流れる雷電流Lが、翼の内部空間5側でファスナ部材1から翼面パネル2に流れ込む。すると、翼の内部空間5側のファスナ部材1と翼面パネル2との境界面において電気アークAが生じる恐れがあるからである。なお、貫通孔2a、3a以外の部分において、翼面パネル2と翼面パネル3との間には、プライマ等の絶縁層7が介在する。
これに対し、インターフェアランスフィットあるいはトランジションフィットを採用し、図5(b)に示すように、ファスナ部材1と、これが貫通する翼面パネル2、3に形成された貫通孔2a、3aとを密着させることで、被雷時に、翼面パネル3の表面に沿って流れる雷電流Lを、翼の内部空間側に位置する翼面パネル2の内部(厚さ方向中間部)においてファスナ部材1から翼面パネル2に流れ込むようにすることができる。これにより、図5(a)に示したような電気アークAの発生を抑制している。

先行技術

0007

特開平2−7398号公報
特開2010−254287号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、インターフェアランスフィットあるいはトランジションフィットにより電気アークAの発生を抑制するには、ファスナ部材1の取付に際し、隙間4が生じないように、翼面パネル2、3の貫通孔2a、3aの内径精度が非常に重要となっている。
したがって、翼面パネル2、3に貫通孔2a、3aを形成するに際し、加工誤差が生じたり、寸法を間違えて大きな内径としてしまった場合には、隙間4が形成されてしまう。大電流が流れる部位においては、発生する電気アークAのエネルギも大きくなるため、ファスナ部材1による電気導通機能が損なわれた場合、ファスナ部材先端部に設けたシーラントやキャップでは、電気アークAの発生を確実に抑制できなくなる恐れがある。

0009

また、実際においては、信頼性を高めるために、複数の電気アークの発生抑止手段や封止手段を組み合わせるのが好ましい。このため、翼面パネル2、3どうしが突き合わされる面においても、これら双方を面接触させることで導通を図ることがある(いわゆるフェイボディング)が、何らかの処理の不具合によって導通が部分的に損なわれたりすると、その部分が高抵抗となり、シーラントやキャップで電気アークAの発生を確実に抑制できなくなる場合があり得る。また翼面パネル2の端部2bと翼面パネル3との境界部分においても、これを覆うようにシーラント8が塗布されて、いわゆるフィレットシールが施される。このフィレットシールが不十分である場合に、流れる電流の大きさによっては翼面パネル2の端部2bと翼面パネル3との境界部分から電気アークAが発生するのを抑制できない恐れがある。
したがって、複数の電気アークの発生抑止手段や封止手段を組み合わせた場合において、他の電気アークの発生抑止手段や封止手段が何らかの原因によって十分な機能を発揮できない場合にも、それを補って電気アークの発生を抑止しするのが好ましい。

0010

本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、十分な耐雷性能を確保できる機体構成部材の連結構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

かかる目的のもと、本発明の機体構成部材の連結構造は、航空機の機体を構成する複数の部材を重ね合わせた部分に形成された貫通孔に挿入されて複数の部材を締結するファスナ部材と、複数の部材同士が対向する部分の一部に形成された導電性材料からなる導電エリア部と、複数の部材同士が対向する部分の残部に形成された絶縁性材料からなる絶縁エリア部と、を有し、複数の部材同士が対向する部分において、導電エリア部に対し、複数の部材のうち機体の内側に位置する部材の端部側に絶縁エリア部が設けられていることを特徴とする。
このように、複数の部材同士が対向する部分に形成された導電エリア部により、複数の部材間における電気的導通が図られる。これにより、被雷時に流れた電流は、導電エリア部を通って一方の部材から他方の部材に流れる。したがって、それ以外の部分に流れる電流量を抑えることができる。
また、複数の部材同士が対向する部分において、導電エリア部に対し、複数の部材のうち機体の内側に位置する部材の端部側に絶縁エリア部を設けることで、機体の内側に位置する部材の端部に近い側に雷電流が流れるのを抑えることができる。

0012

ここで、互いに対向する複数の部材は、前記の導電エリア部のみで電気的に導通するとは限らず、これに加えて、貫通孔の内周面とファスナ部材の外周面とを密着させることで、ファスナ部材と貫通孔が形成された部材との間が電気的に導通されている構成とすることができる。この場合、上記導電エリア部における電気的導通により、貫通孔とファスナ部材を介した電気的導通部分に流れる電流量を抑えることが可能となる。

0013

このとき、導電エリア部は、いかなる形態で設けても良いが、複数の部材のうち機体の内側に位置する部材の端部に沿って帯状に設けることもできる。この場合、導電エリア部の面積を大きく確保できるので、これによって電気的導通を確実に図ることができる。

0014

また、複数の部材のうち機体の内側に位置する部材の端部に沿って、ファスナ部材が複数列に配列されている場合、導電エリア部は、複数列に配列されたファスナ部材のうち、機体の内側に位置する部材の端部から遠い側の列のファスナ部材の外周部に形成することもできる。これにより、被雷時における雷電流を、機体の内側に位置する部材の端部から遠い導電エリア部で一方の部材から他方の部材に流すことができ、機体の内側に位置する部材の端部に近い側に雷電流が流れるのを抑えることができる。
ここで、導電エリア部は、ファスナ部材のそれぞれの外周部に環状に形成することもできる。これにより、ファスナ部材で複数の部材を締結した状態で、その締結力により導電エリア部がこれを挟む双方の部材に密着し、確実に電気的導通が図られる。
複数の部材を重ね合わせて連結した機体構成部材、例えば翼の内側が、燃料や燃料蒸気が存在する燃料タンク等の空間であることがある。このような構成において、機体の内側に位置する部材の端部に近い側に雷電流が流れるのを有効に抑えることができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、複数の部材同士が対向する部分に形成された導電エリア部により、複数の部材間における電気的導通を図ることができる。その結果、被雷時に、外方を向く部材の表面に沿って流れる雷電流を、導電パターン部を通してファスナ部材を通さずに他方の部材に流れ込むようにすることができ、複数の部材の重ね合わせ部分において電流量の許容値を向上させることができる。
また、複数の部材同士が対向する部分において、導電エリア部に対し、複数の部材のうち機体の内側に位置する部材の端部側に絶縁エリア部を設けることで、機体の内側に位置する部材の端部に近い側に雷電流が流れるのを抑えることができる。
これらにより、翼の内部空間側で電気アークが生じるのを抑制することができ、十分な耐雷性能を確保できる。
そして、このような構成を、他の被雷時における電気アーク発生抑止手段、封止手段と組み合わせることで、いずれかが所要の機能を発揮できない場合にも、これを補い、高い信頼性を確保することができる。

図面の簡単な説明

0016

第一の実施の形態における翼面パネル同士の連結部分を示す断面図および平面図である。
第二の実施の形態における翼面パネル同士の連結部分を示す断面図および平面図である。
第三の実施の形態における翼面パネル同士の連結部分を示す断面図および平面図である。
翼面パネル同士の連結部分のさらに他の例を示す断面図および平面図である。
従来の翼面パネル同士の連結部分を示す断面図である。

実施例

0017

以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、以下に示す第一の実施形態における機体構成部材の連結構造を適用した航空機の機体を構成する翼の一部の断面図である。
この図1(a)に示すように、翼20は、その外殻が、例えばアルミ合金等の金属材料や、炭素繊維樹脂との複合材料であるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維と樹脂との複合材料であるGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)からなる翼面パネル(部材)21A、21B、…を複数枚連結することによって形成されている。そして、互いに隣接する翼面パネル21A、21Bは、端部同士を互いに重ね合わせ、その重ね合わせた部分を複数本のファスナ部材24によって互いに連結されている。

0018

ファスナ部材24は、ピン状のファスナ本体25と、翼20の内部側でファスナ本体25に装着されるカラー締結部材)26とから構成される。
ファスナ本体25およびカラー26は、強度の面から一般に金属材料(たとえば、チタンステンレススチールアルミニウムなど)により形成される。ファスナ本体25の表面処理は、使用される部位や施工方法により、無垢のもの、アルミナなどの絶縁被膜処理のもの、イオン蒸着による導電処理などを用いることが出来る。

0019

ピン状をなしたファスナ本体25は、先端部25aにネジ溝が形成され、後端部は先端部側より拡径した頭部25bとされている。このファスナ本体25は、翼面パネル21Aおよび翼面パネル21Bの端部をそれぞれ貫通して形成された孔21c、21dに翼20の外側から挿入され、後端部の頭部25bを孔21cの周囲面に突き当てた状態で、先端部を翼20の内方に突出させる。
ここで、ファスナ本体25の外径と孔21c、21dの内径とを、しまり嵌め、あるいはこれに準ずる公差の嵌め合い寸法に設定することで、ファスナ本体25と孔21c、21dとが密着してこれらの間に隙間が生じないようにする、インターフェアランスフィットあるいはトランジションフィットと称される手法により、ファスナ本体25と孔21c、21dとを電気的な導通を図り、いわゆるファスナボンディングを実現している。

0020

カラー26は、筒状で、その内周面にはネジ溝が形成されている。このカラー26は、翼20の内方に突出したファスナ本体25の先端部25aのネジ溝にねじ込まれる。これによって、翼面パネル21A、21Bは、ファスナ本体25の頭部25bとカラー26とによって挟み込まれ、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bとが連結されている。

0021

さて、翼20の内部空間側において、ファスナ部材24には、ファスナ本体25の先端部25aおよびカラー26を覆うキャップ30が装着され、キャップ30の内部に、絶縁性を有したシーラント剤31が充填されている。
キャップ30は、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、ポリイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、ナイロン樹脂等の絶縁性を有した樹脂により形成するのが好ましい。
キャップ30の内周面には、ネジ穴32が形成されている。キャップ30は、翼面パネル21Bに押し当てた状態で、ネジ穴32にファスナ本体25の先端部25aがねじ込まれることで、キャップ30がファスナ部材24に対し、容易かつ確実に位置決め固定できるようになっている。
なお、このようなキャップ30に代えて、ファスナ本体25の先端部25aおよびカラー26を覆うようにシーラントを塗布しても良い。

0022

図1(b)に示すように、翼面パネル21A、21Bは、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bとが重なり合った部分において機体内側に位置する翼面パネル21Aの端部21Sが連続する方向に沿って間隔を隔てて配置された、複数本のファスナ部材24によって締結されている。
ここで、ファスナ部材24は、翼面パネル21Aの端部21Sが連続する方向に沿って、例えば2列で配置されている。

0023

翼面パネル21A、21Bが重なり合う部分において、導電パターン部40は、複数列に配置された複数のファスナ部材24が配置された領域に対し、翼面パネル21Bの外形形状に沿って帯状に連続して形成されている。
導電パターン部40は、導電性と、すぐには酸化しない特性とを有する材料で形成するのが好ましく、例えば、クロム酸塩化成皮膜が好ましい。クロム酸塩系化成皮膜は、アロダイン登録商標)による処理を翼面パネル21Aおよび翼面パネル21Bの少なくとも一方に施すことで形成できる。
また、導電パターン部40としては、上記以外にも、たとえば、アルミニウム、銅、金等の導電性材料を粉末状とし、その導電性材料粉を塗料等に混在させたものを翼面パネル21Aおよび翼面パネル21Bの少なくとも一方に塗布することでも形成できる。
この場合、ファスナ部材24による締結力により、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの双方に、導電性材料粉が押し付けられ、これによって翼面パネル21Aと翼面パネル21Bとの電気的導通が図られる。

0024

そして、翼面パネル21A、21Bが重なり合う部分において、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分に近い側には、翼面パネル21Aの端部21Sに沿って帯状に連続する絶縁性のプライマ層(絶縁エリア部)50が、翼面パネル21Aおよび翼面パネル21Bの少なくとも一方に塗布されて形成されている。

0025

このようにして、翼面パネル21A、21Bを重ね合わせる部分においては、導電パターン部40とプライマ層50とにより、いわゆるフェイボンディング部を構成している。

0026

このようにして、翼面パネル21A、21Bをファスナ部材24により締結すると、導電パターン部40により翼面パネル21A、21Bが電気的に導通し、翼面パネル21Aの端部21Sに沿った部分においては、翼面パネル21A、21Bは絶縁エリア部であるプライマ層50により絶縁される。

0027

また、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分には、シーラント材28が塗布され、いわゆるフィレットシールが施されている。

0028

その結果、被雷時に、翼面パネル21Bの表面に沿って流れる雷電流Lを、導電パターン部40を通して、翼面パネル21Aに流れ込むようにすることができる。これにより、翼20の内部空間側で電気アークが生じるのを抑制することができる。
そして、雷電流Lは、絶縁エリア部であるプライマ層50により、翼面パネル21Aの端部21Sに近い領域では絶縁されるので、翼20の内部空間側で電気アークが生じるのを封止できる。これにより、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分である、シーラント28によりフィレットシールが施された部分で電気アークが生じるのをより確実に抑制することができる。したがって、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分におけるシーラント材28によるフィレットシールが万が一脱落した場合等においても、翼20の内部空間側で電気アークが生じるのを確実に封止できる。
このような構成を、他の被雷時における電気アーク発生抑止手段、封止手段である、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分におけるシーラント材28によるフィレットシール、ファスナ本体25と孔21c、21dとのファスナボンディングと組み合わせることで、いずれかが所要の機能を発揮できない場合にも、これを補い、高い信頼性を確保することができる。
このようにして、翼面パネル21A、21Bの内部空間が燃料タンク等、燃料や燃料蒸気が存在する空間である場合に、この空間に電気アークが飛ぶのを確実に防ぐことができ、信頼性を高めることができる。

0029

次に、本発明に係る実施形態の複数の変形例を示す。
以下に説明する各実施形態においては、導電パターン部40が形成される領域が異なるのみであり、他の構成については上記第一の実施形態と共通する。そこで、以下の説明においては、上記第一の実施形態と共通する構成については同一符号を付与してその説明を省略し、上記第一の実施形態と異なる構成を中心に説明を行う。

0030

[第二の実施形態]
図2に示す本実施形態においては、導電パターン部40は、翼面パネル21A、21Bが重なり合う部分において、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分から離れた側に位置する列のファスナ部材24に対応した領域にのみ、翼面パネル21Bの外形形状に沿って帯状に連続するよう形成することもできる。
このようにすることで、被雷時に、翼面パネル21の表面に沿って流れる雷電流Lを、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分から離れた側に位置する列のファスナ部材24に対応した領域の導電パターン部40を通して、翼面パネル21Bに流れ込むようにすることができる。

0031

絶縁エリア部であるプライマ層50は、上記第一の実施形態に比較し、翼面パネル21Aの端部21Sから離れたエリアまで、より広い幅で帯状に形成されているため、雷電流Lを、翼面パネル21Aの端部21Sに近い領域で絶縁する効果がより大きくなる。
これにより、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分である、シーラント28によりフィレットシールが施された部分で電気アークが生じるのをより確実に抑制することができる。したがって、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分におけるシーラント材28によるフィレットシールが万が一脱落した場合等においても、翼20の内部空間側で電気アークが生じるのを、より確実に封止できる。
このようにして、翼面パネル21A、21Bの内部空間が燃料タンク等、燃料や燃料蒸気が存在する空間である場合に、この空間に電気アークが飛ぶのを確実に防ぐことができ、信頼性を高めることができる。

0032

[第三の実施形態]
図3に示す第三の実施形態では、導電パターン部40は、翼面パネル21A、21Bが重なり合う部分において、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分に沿って複数列に配置されたファスナ部材24のうち、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分から離れた側に位置する列のファスナ部材24にのみ設けられ、それ以外の列のファスナ部材24には、導電パターン部40が形成されず、その外周部にはプライマ層50が形成されている。導電パターン部40は、例えば、翼面パネル21Aと翼面パネル21Bの合わせ面において、孔21c、21dの周囲に環状に形成される。

0033

このようにすることで、被雷時に、翼面パネル21の表面に沿って流れる雷電流Lを、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分から離れた側の導電パターン部40を通して、翼面パネル21Bに流れ込むようにすることができる。
また、絶縁エリア部であるプライマ層50は、上記第一の実施形態に比較し、翼面パネル21Aの端部21Sから離れたエリアまで、より広い面積で形成されているため、雷電流Lを、翼面パネル21Aの端部21Sに近い領域で絶縁する効果がより大きくなる。
これにより、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分である、シーラント28によりフィレットシールが施された部分で電気アークが生じるのをより確実に抑制することができる。したがって、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分におけるシーラント材28によるフィレットシールが万が一脱落した場合等においても、翼20の内部空間側で電気アークが生じるのを、より確実に封止できる。
これにより、翼面パネル21A、21Bの内部空間が燃料タンク等、燃料や燃料蒸気が存在する空間である場合に、この空間に電気アークが飛ぶのを確実に防ぐことができ、信頼性を高めることができる。

0034

さらに他の実施形態としては、図4に示すように、翼面パネル21A、21Bが重なり合う部分において、ファスナ部材24の外周部ではなく、ファスナ部材24が設けられた位置から、翼面パネル21Bの外周側にオフセットした領域に、翼面パネル21Bの外形形状に沿って帯状に導電パターン部40を形成することもできる。
この場合、翼面パネル21A、21Bの内部空間が燃料タンク等、燃料や燃料蒸気が存在する空間である場合には、翼面パネル21Aの端部21Sと翼面パネル21Bとの境界部分から離れたなるべく離間した位置に、導電パターン部40を燃料タンクFの外周部に連続して設けるのが好ましい。

0035

なお、上記実施形態では、翼面パネル21A、21Bの連結部分に本発明を適用する例を挙げたが、これに限るものではない。航空機の機体を構成し、被雷時に雷電流の流れる恐れのある、例えば翼面パネル等の機体構成部材の連結部分であれば、いかなる部材どうしの連結部分にも本発明を適用することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。

0036

20…翼、21A、21B…翼面パネル(部材)、21c…孔、24…ファスナ部材、25…ファスナ本体、26…カラー、30…キャップ、31…シーラント剤、40…導電パターン部(導電エリア部)、50…プライマ層(絶縁エリア部)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ