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技術 ディジタル通信装置、ディジタル通信システム及びディジタル通信方式

出願人 三菱電機株式会社
発明者 鈴木宏
出願日 2011年3月11日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2011-053973
公開日 2012年10月4日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2012-191480
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 小規模ネットワーク(3)ループ,バス以外
主要キーワード 特性可変フィルタ 信号送信回数 帯域幅制御信号 過渡応答期間 ステップ応答波形 自動化設備 電圧変位 バス伝送路
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図面 (20)

課題

耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立可能なディジタル通信装置を提供する。

解決手段

ディジタル通信装置Akは、データ伝送信号帯域を制限する特性可変フィルタ11と、特性可変フィルタ11の出力に対して信号処理を実行して受信データを生成する信号処理部12,13と、特性可変フィルタ11に入力されるデータ伝送信号の一連シンボル期間に同期して特性可変フィルタ11の周波数特性切り替え制御を実行する同期制御部14とを備える。同期制御部14は、一連のシンボル期間のうちの一のシンボル期間内に、特性可変フィルタ11の周波数特性を、第1の通過帯域幅を持つ第1の周波数特性から、第1の通過帯域幅よりも狭い第2の通過帯域幅を持つ第2の周波数特性へ切り替える。

概要

背景

一般に、ディジタル変調を用いた通信においては、耐ノイズ性を向上させると伝送効率が低下し、伝送効率を向上させると耐ノイズ性が低下する傾向がある。耐ノイズ性を向上させる一手段として誤り訂正符号が広く使用されているが、誤り訂正符号を使用すると、ディジタル変調信号冗長な情報を付加して信号伝送を行う必要があるため、誤り訂正符号を使わない場合と比較すると伝送効率は低下する。また、伝送速度を向上するためには、8PSK(8−ary Phase Shift Keying)や16QAM(16−Quadrature Amplitude Modulation)などの多値変調が広く使用されているが、これらの信号点の数が多い多値変調は、信号点の数が少ないBPSK(Binary Phase Shift Keying)やQPSK(Quadrature Phase Shift keying)と比較すると、受信誤りが発生し易く、耐ノイズ性が低い。

このように耐ノイズ性と伝送効率とは互いにトレードオフの関係にあるのが一般的である。耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立させる通信方式の1つが特開2009−88987号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示されている通信方式では、送信端末は、伝送メディア上のノイズ環境推定し、推定されたノイズ環境が所定の基準より悪い場合は、耐ノイズ性の高いデータ伝送方式切り替えて通信を行い、推定されたノイズ環境が所定の基準より良い場合は、冗長度を抑えた伝送効率の高いデータ伝送方式に切り替えて通信を行う。また、ノイズ環境を推定するための指標の1つとして、信号送信回数に対するACK信号の正常な受信回数の割合(ACK返信確率)を用いることが特許文献1に開示されている。

概要

耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立可能なディジタル通信装置を提供する。ディジタル通信装置Akは、データ伝送信号帯域を制限する特性可変フィルタ11と、特性可変フィルタ11の出力に対して信号処理を実行して受信データを生成する信号処理部12,13と、特性可変フィルタ11に入力されるデータ伝送信号の一連シンボル期間に同期して特性可変フィルタ11の周波数特性切り替え制御を実行する同期制御部14とを備える。同期制御部14は、一連のシンボル期間のうちの一のシンボル期間内に、特性可変フィルタ11の周波数特性を、第1の通過帯域幅を持つ第1の周波数特性から、第1の通過帯域幅よりも狭い第2の通過帯域幅を持つ第2の周波数特性へ切り替える。

目的

本発明の目的は、複雑な通信手順に頼ることなく、耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立させることができるディジタル通信装置、ディジタル通信システム及びディジタル通信方式を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一連シンボルを有するデータ伝送信号を受信する受信部と、変更可能な周波数特性を有し、前記周波数特性に応じて前記データ伝送信号の帯域を制限する特性可変フィルタと、前記特性可変フィルタの出力に対して信号処理を実行して受信データを生成する信号処理部と、前記特性可変フィルタに入力される当該データ伝送信号の一連のシンボル期間に同期して前記特性可変フィルタの周波数特性の切り替え制御を実行する同期制御部とを備え、前記同期制御部は、前記一連のシンボル期間のうちの一のシンボル期間内に、前記特性可変フィルタの周波数特性を、所定の第1の通過帯域幅を持つ第1の周波数特性から、前記第1の通過帯域幅よりも狭い第2の通過帯域幅を持つ第2の周波数特性へ切り替える、ことを特徴とするディジタル通信装置

請求項2

請求項1に記載のディジタル通信装置であって、前記シンボル期間の各々は、前記シンボル期間の境界の直後に設けられた遷移期間と、前記遷移期間に後続する有効シンボル期間とを含み、前記特性可変フィルタの周波数特性は、前記一のシンボル期間内の当該遷移期間から当該有効シンボル期間への移行の際に、前記第1の周波数特性から前記第2の周波数特性へ切り替えられる、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項3

請求項2に記載のディジタル通信装置であって、前記同期制御部は、前記一のシンボル期間内の当該有効シンボル期間から次のシンボル期間内の当該遷移期間への移行の際に、前記特性可変フィルタの周波数特性を前記第2の周波数特性から前記第1の周波数特性へ切り替えることを特徴とするディジタル通信装置。

請求項4

請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記第1の周波数特性の過渡応答時間は、前記第2の周波数特性の過渡応答時間よりも短いことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項5

請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記信号処理部は、前記特性可変フィルタの周波数特性が前記第2の周波数特性のときに前記信号処理を実行することを特徴とするディジタル通信装置。

請求項6

請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記データ伝送信号は、搬送波伝送方式に従って搬送波ディジタル変調を施すことで生成された変調信号を含み、前記第1の周波数特性及び前記第2の周波数特性の各々は、前記変調信号の搬送波周波数に対応する中心周波数を持つバンドパスフィルタ特性を有し、前記信号処理部は、前記特性可変フィルタの出力に対して復調処理を前記信号処理として実行する、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項7

請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記データ伝送信号は、マルチキャリア伝送方式に従って第1乃至第Mのサブキャリア(Mは2以上の整数)にそれぞれディジタル変調を施した後に前記サブキャリアを多重化することで生成された変調信号を含み、前記受信部は、前記変調信号から、前記第1乃至第Mのサブキャリアにそれぞれ対応する第1乃至第Mのサブキャリア変調信号を抽出し、前記特性可変フィルタは、前記第1乃至第Mのサブキャリア変調信号の帯域をそれぞれ制限する第1乃至第Mの特性可変フィルタを含み、前記第1乃至第Mの特性可変フィルタのうちq番目(qは1〜Mのうちの任意整数)の特性可変フィルタは、前記第1乃至第Mのサブキャリアのうちq番目のサブキャリアの搬送波周波数に対応する中心周波数を持つバンドパスフィルタ特性を有し、前記同期制御部は、前記一連のシンボル期間に同期して前記第1乃至第Mの特性可変フィルタの周波数特性の切り替え制御を個別に実行し、前記信号処理部は、前記特性可変フィルタの出力に対して復調処理を前記信号処理として実行する、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項8

請求項6または7に記載のディジタル通信装置であって、前記ディジタル変調は、位相変調振幅変調周波数変調及び位相振幅変調のうちのいずれかであることを特徴とするディジタル通信装置。

請求項9

請求項6から8のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記データ伝送信号は、前記変調信号に先行して所定のプリアンブル期間内に送信された無変調搬送波をさらに含み、前記同期制御部は、前記無変調搬送波が前記特性可変フィルタに入力される期間内に前記特性可変フィルタの周波数特性を前記第2の周波数特性に設定する、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項10

請求項9に記載のディジタル通信装置であって、前記同期制御部は、前記無変調搬送波に先行する無搬送波信号が前記特性可変フィルタに入力される期間内に前記特性可変フィルタの周波数特性を前記第2の周波数特性に設定することを特徴とするディジタル通信装置。

請求項11

請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記データ伝送信号は、ベースバンド伝送方式に従って生成された信号であり、前記第1の周波数特性は、前記第1の通過帯域幅に対応するカットオフ周波数を有し、前記第2の周波数特性は、前記第2の通過帯域幅に対応するカットオフ周波数を有する、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項12

請求項11に記載のディジタル通信装置であって、前記特性可変フィルタの周波数特性は、段階的または連続的に変更可能であり、前記同期制御部は、前記一のシンボル期間内に前記特性可変フィルタの周波数特性が前記第1の周波数特性から前記第2の周波数特性へ切り替えられるときに、前記周波数特性を前記第1の周波数特性から前記第2の周波数特性まで段階的または連続的に変化させる、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項13

請求項1から12のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記特性可変フィルタは、アナログフィルタであることを特徴とするディジタル通信装置。

請求項14

請求項1から12のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置であって、前記データ伝送信号をディジタル信号に変換し、前記ディジタル信号を前記特性可変フィルタに出力するA/D変換器をさらに備え、前記特性可変フィルタは、前記ディジタル信号の帯域を制限するディジタルフィルタである、ことを特徴とするディジタル通信装置。

請求項15

送信装置受信装置とを含むディジタル通信システムであって、前記送信装置は、送信データに基づいてデータ伝送信号を生成する信号処理部と、前記データ伝送信号を伝送路送出する送信部とを含み、前記受信装置は、前記伝送路から前記データ伝送信号を受信する請求項1から14のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置を有する、ことを特徴とするディジタル通信システム。

請求項16

送信装置と受信装置とを含むディジタル通信システムによるディジタル通信方式であって、前記送信装置は、送信データに基づいてデータ伝送信号を生成する信号処理部と、前記データ伝送信号を伝送路に送出する送信部とを含み、前記受信装置は、前記伝送路から前記データ伝送信号を受信する請求項1から14のうちのいずれか1項に記載のディジタル通信装置を有する、ことを特徴とするディジタル通信方式。

技術分野

0001

本発明は、ディジタル通信技術に関する。

背景技術

0002

一般に、ディジタル変調を用いた通信においては、耐ノイズ性を向上させると伝送効率が低下し、伝送効率を向上させると耐ノイズ性が低下する傾向がある。耐ノイズ性を向上させる一手段として誤り訂正符号が広く使用されているが、誤り訂正符号を使用すると、ディジタル変調信号冗長な情報を付加して信号伝送を行う必要があるため、誤り訂正符号を使わない場合と比較すると伝送効率は低下する。また、伝送速度を向上するためには、8PSK(8−ary Phase Shift Keying)や16QAM(16−Quadrature Amplitude Modulation)などの多値変調が広く使用されているが、これらの信号点の数が多い多値変調は、信号点の数が少ないBPSK(Binary Phase Shift Keying)やQPSK(Quadrature Phase Shift keying)と比較すると、受信誤りが発生し易く、耐ノイズ性が低い。

0003

このように耐ノイズ性と伝送効率とは互いにトレードオフの関係にあるのが一般的である。耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立させる通信方式の1つが特開2009−88987号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示されている通信方式では、送信端末は、伝送メディア上のノイズ環境推定し、推定されたノイズ環境が所定の基準より悪い場合は、耐ノイズ性の高いデータ伝送方式切り替えて通信を行い、推定されたノイズ環境が所定の基準より良い場合は、冗長度を抑えた伝送効率の高いデータ伝送方式に切り替えて通信を行う。また、ノイズ環境を推定するための指標の1つとして、信号送信回数に対するACK信号の正常な受信回数の割合(ACK返信確率)を用いることが特許文献1に開示されている。

先行技術

0004

特開2009−88987号公報(図1、段落0011〜0012及び段落044〜0045など)

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の通信方式では、受信端末は、送信端末が現在使用しているデータ伝送方式を識別したうえで、送信端末からの受信信号復調する必要がある。また、ノイズ環境を推定するための指標としてACK返信確率が使用されるため、送信端末は、ACK返信確率を得るために何らかの信号を送信しなければならず、データ伝送方式を決定するまでに一定の時間を必要とする。したがって、複雑な通信手順を要し、ノイズ環境に適応した通信を開始するまでに時間がかかるという問題がある。

0006

上記に鑑みて本発明の目的は、複雑な通信手順に頼ることなく、耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを両立させることができるディジタル通信装置ディジタル通信システム及びディジタル通信方式を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第1の態様によるディジタル通信装置は、一連シンボルを有するデータ伝送信号を受信する受信部と、変更可能な周波数特性を有し、前記周波数特性に応じて前記データ伝送信号の帯域を制限する特性可変フィルタと、前記特性可変フィルタの出力に対して信号処理を実行して受信データを生成する信号処理部と、前記特性可変フィルタに入力される当該データ伝送信号の一連のシンボル期間に同期して前記特性可変フィルタの周波数特性の切り替え制御を実行する同期制御部とを備え、前記同期制御部は、前記一連のシンボル期間のうちの一のシンボル期間内に、前記特性可変フィルタの周波数特性を、所定の第1の通過帯域幅を持つ第1の周波数特性から、前記第1の通過帯域幅よりも狭い第2の通過帯域幅を持つ第2の周波数特性へ切り替えることを特徴とする。

0008

本発明の第2の態様によるディジタル通信システムは、送信装置受信装置とを含むディジタル通信システムであって、前記送信装置は、送信データに基づいてデータ伝送信号を生成する信号処理部と、前記データ伝送信号を伝送路送出する送信部とを含み、前記受信装置は、前記伝送路から前記データ伝送信号を受信する上記ディジタル通信装置を有することを特徴とする。

0009

本発明の第3の態様によるディジタル通信方式は、前記ディジタル通信システムによるディジタル通信方式であることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、シンボル期間内に特性可変フィルタの周波数特性の通過帯域幅が広帯域から狭帯域へ切り替えられるので、複雑な通信手順を必要とせずに、耐ノイズ性の向上と伝送効率の向上とを実現することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明に係る実施の形態1のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。
実施の形態1の特性可変フィルタの一例を概略的に示す図である。
(A),(B)は、図2アクティブフィルタの2種類の周波数特性(広帯域通過特性及び狭帯域通過特性)を示す図である。
QPSK方式で生成された変調信号波形の一例を概略的に示す図である。
QPSK方式で生成された変調信号波形の他の例を概略的に示す図である。
実施の形態1のディジタル通信装置で受信された受信信号波形を概略的に示す図である。
特性可変フィルタの周波数特性が広帯域通過特性に固定されていたと仮定した場合の比較例のフィルタ信号波形を概略的に示す図である。
特性可変フィルタの周波数特性が狭帯域通過特性に固定されていたと仮定した場合の比較例のフィルタ信号波形を概略的に示す図である。
(A)は、実施の形態1に係る帯域制限されたフィルタ信号波形の例を概略的に示す図であり、(B)は、帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。
(A)は、実施の形態1に係る帯域制限されたフィルタ信号波形の他の例を概略的に示す図であり、(B)は、帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。
(A)は、シンボル間干渉を受けたフィルタ信号波形を概略的に示す図であり、(B)は、帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。
本発明に係る実施の形態2のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。
本発明に係る実施の形態3のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。
(A)は、送信フレームを構成する送信信号波形を概略的に示す図であり、(B)は、その送信フレームの受信タイミングに合わせて生成される、実施の形態4に係る帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。
本発明に係る実施の形態5のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。
実施の形態5の特性可変フィルタの構成例を示す図である。
(A),(B)は、図16のアクティブフィルタの2種類の周波数特性(広帯域通過特性及び狭帯域通過特性)を示す図である。
(A)は、受信信号波形とこれに対応するフィルタ信号波形とを概略的に示す図であり、(B)は、帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。
実施の形態5の変形例の特性可変フィルタの構成例を概略的に示す図である。
(A)は、実施の形態5の変形例に係る帯域制限されたフィルタ信号波形の例を概略的に示す図であり、(B)は、帯域幅制御信号の波形を概略的に示す図である。

実施例

0012

以下、本発明に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。

0013

実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、このディジタル通信システムは、伝送路1を介して相互に接続される複数のディジタル通信装置A1,A2,…,Ak,…,AN(Nは4以上の整数)からなり、これらディジタル通信装置A1,A2,…,ANはすべて同一構成を有している。これらディジタル通信装置A1,A2,…,ANの一台が送信装置として動作し、他の一台が受信装置として動作することで、実施の形態1によるディジタル通信方式が実現される。

0014

k番目のディジタル通信装置Akは、図1に示されるように、伝送路1と物理的に結合された結合器送受信部)15と、この結合器15で受信された変調信号(データ伝送信号)RSを帯域制限する特性可変フィルタ11と、特性可変フィルタ11の出力FSaに復調を施して復調信号を出力する復調部12と、この復調信号をデコード復号)して受信データを生成し出力する復号化部13とを備えている。これら復調部12と復号化部13とで本発明の信号処理部を構成することができる。

0015

同期制御部14は、特性可変フィルタ11の出力であるフィルタ信号FSaに基づいてシンボルタイミング受信シンボル先頭あるいは連続する2つの受信シンボルの境界)を検出し、その検出結果に基づいてシンボルクロックCLKを生成し、このシンボルクロックCLKを復調部12に供給する。復調部12は、シンボルクロックCLKに同期して復調処理を実行する。

0016

シンボルクロックCLKの生成方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。たとえば、送信データがフレーム単位に分割されて送信される場合、先頭部分にプリアンブル部を含み、このプリアンブル部の後にデータ部(搬送波が送信データでディジタル変調された変調波部分)が続くように各フレームを構成することができる。同期制御部14は、受信フレームのプリアンブル部の最後に付加されたユニークワードを検知し、この検知結果に基づいて後続するデータ部の開始タイミングを検出することができる。データ部の開始タイミング以後は、一定時間間隔でシンボルタイミングが到来するので、同期制御部14は、データ部の開始タイミングを起点とするシンボルクロックCLKを生成することが可能である。

0017

本実施の形態では、同期制御部14は、シンボルクロックCLKに同期して帯域幅制御信号BWCを生成し、この帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ11に与える機能をも有する。特性可変フィルタ11は、変更可能な周波数特性(周波数応答)を有し、この周波数特性に応じて変調信号RSの帯域を制限するバンドパスフィルタである。特性可変フィルタ11は、不要な周波数成分が抑制されたフィルタ信号FSaを復調部12と同期制御部14とに供給することができる。

0018

同期制御部14は、帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ11に供給して、特性可変フィルタ11の周波数特性を2種類の周波数特性のうちの一方から他方へ切り替えることができる。2種類の周波数特性のうちの一方は、狭帯域の通過帯域幅Wnと比較的長い過渡応答時間tnとを有する特性(以下、「狭帯域通過特性」と呼ぶ。)であり、他方は、広帯域の通過帯域幅Wb(Wb>Wn)と比較的短い過渡応答時間tb(tb<tn)とを有する特性(以下、「広帯域通過特性」と呼ぶ。)である。

0019

なお、本明細書において、バンドパスフィルタの通過帯域幅は、たとえば、3dB通過帯域幅として測定することができる。3dB通過帯域幅は、バンドパスフィルタの通過帯域ピーク電力から広域側に−3dBだけ減衰した点に対応する周波数と、当該通過帯域のピーク電力から低域側に−3dBだけ減衰した点に対応する周波数との間の幅をいう。また、バンドパスフィルタやローパスフィルタなどのフィルタの過渡応答時間は、フィルタ特性を表すパラメータの1つであり、たとえば、当該フィルタのインパルス応答波形ステップ応答波形定常状態収束するまでの時間として測定することができる。フィルタに入力させる搬送波波形が一時的に変化したとき、過渡応答時間が短いほど、その応答波形が定常状態(元の搬送波波形)に収束するまでの時間が短くなり、過渡応答時間が長いほど、その応答波形が定常状態に収束するまでの時間は長くなる。

0020

図2は、特性可変フィルタ11の一例であるアナログ・アクティブフィルタの構成を概略的に示す図である。このアナログ・アクティブフィルタは、差動増幅器オペアンプ)112、抵抗素子R1〜R7、容量素子C1,C2、インバータ素子111及びスイッチ素子SW1,SW2を備えて構成される。図2に示されるように、差動増幅器112の反転入力端子(−端子)と入力端子110との間に抵抗素子R1,R2と容量素子C2とが直列に接続されており、容量素子C2の一端は、差動増幅器112の反転入力端子と接続され、容量素子C2の他端はノードN1を介して抵抗素子R2の一端と接続されている。他の容量素子C1の一端はノードN1と接続され、この容量素子C1の他端には接地電圧印加されている。また、差動増幅器112の非反転入力端子(+端子)は抵抗素子R5の一端に接続され、この抵抗素子R5の他端には接地電圧が印加されている。一方、差動増幅器112の出力端は、アクティブフィルタの出力端子113と接続されている。また、差動増幅器112の出力端に抵抗素子R7の一端が接続されており、この抵抗素子R7の他端が差動増幅器112の反転入力端子に接続されるとともに、抵抗素子R6の一端にも接続されている。抵抗素子R6の他端には接地電圧が印加されている。さらに差動増幅器112の出力端は、直列接続された抵抗素子R4,R3を介してノードN1と接続されている。

0021

インバータ素子111は、帯域幅制御信号BWCの信号レベル反転させる機能、すなわち、低レベル高レベルに変換あるいは高レベルを低レベルに変換する機能を有する。スイッチ素子SW1は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベル(Low)のときはオフ状態となり、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベル(High)のときにはオン状態となって抵抗素子R1の両端を短絡させる。一方、スイッチ素子SW2は、インバータ素子111の出力の信号レベルが低レベルのときにオフ状態となり、インバータ素子111の出力の信号レベルが高レベルのときにはオン状態となって抵抗素子R3の両端を短絡させる。

0022

図2のアクティブフィルタ11は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベルの場合には広帯域通過特性を有し、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベルの場合には狭帯域通過特性を有する。図3(A),(B)は、図2のアクティブフィルタ11の2種類の周波数特性(広帯域通過特性及び狭帯域通過特性)を示す図である。図3(A)は、アナログ・アクティブフィルタ11の周波数−振幅特性の例を示し、図3(B)は、アナログ・アクティブフィルタ11の周波数−位相特性の例を示している。ここで、図3(A),(B)のグラフ横軸は、対数軸であり、搬送波周波数を1として正規化された正規化周波数を表している。帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベルの場合、アクティブフィルタ11は、特性曲線Cm1,Cp1で示される広帯域通過特性を有し、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベルの場合、アクティブフィルタ11は、特性曲線Cm2,Cp2で示される狭帯域通過特性を有する。このような広帯域通過特性と狭帯域通過特性のいずれの場合でも、中心周波数は、搬送波周波数と一致するように設計されている。このため、受信信号RSに含まれる搬送波周波数の成分は、広帯域通過特性と狭帯域通過特性のいずれの場合でも、振幅位相がほとんど変化することなくアクティブフィルタ11を通過する。

0023

図1を参照すると、ディジタル通信装置Akは、入力された送信データを符号化する符号化部16と、この符号化部16のディジタル出力を用いたディジタル変調を実行して変調信号MSを生成する変調部17と、送信フロントエンド部18とを備えている。送信フロントエンド部18は、変調信号MSに増幅インピーダンス変換を施して送信信号TSを生成する。そして、結合器15は、送信信号TSを送信波に変換して伝送路1に送出することができる。

0024

変調部17は、符号化部16の出力により搬送波にシンボル単位でディジタル変調を施して一連のシンボルからなる変調信号MSを生成する。ここで、ディジタル変調としては、たとえば、位相変調(PSK:Phase Shift Keying)、振幅変調ASK:Amplitude Phase Shift Keying)、周波数変調FSK:Frequency Shift Keying)あるいは直交位相振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)が挙げられる。また、1シンボル中の信号点の数は2(=21)値に限らず、2値よりも多いM値(=2m値;mは2以上の整数)でもよいので、たとえば、M値PSKやM値QAMのディジタル多値変調を行うこともできる。

0025

たとえば、QPSK(Quadrature PSK)方式では、正弦波などの搬送波の位相状態が4相(+45°、−45°、+135°及び−135°)存在し、これら4相に対してそれぞれ「00」、「01」、「10」及び「11」の4値が割り当てられるので、各シンボルで2ビットの情報を伝送することができる。図4は、QPSK方式で生成された変調信号波形30の一例を概略的に示す図である。なお、この変調信号波形30は、帯域制限されていない波形である。図4に示されるQPSK変調信号は、一連のシンボルからなり、各シンボルが一定の長さのシンボル期間T0を有している。また、シンボル境界Bs,Bs,Bs,Bsにおいては、位相状態が瞬時的に変化し、波形の不連続が発生している。

0026

PSK、ASK、FSKあるいはQAMなどのディジタル変調方式では、シンボル境界で変調信号波形の不連続や急峻な変化が生じうる。このようなシンボル境界を持つ変調信号を伝送路から受信し受信フィルタに入力させると、この受信フィルタの出力波形においては、ノイズ成分の低減とともに当該シンボル境界付近なまりが生じる。このなまりは、受信フィルタの過渡応答特性(過渡応答時間)により発生し、受信フィルタ適用前の当該シンボル境界における信号波形の不連続や急峻な変化並びに当該シンボル境界以前の信号波形の影響を受けて生じるものである。シンボル境界からの時間の経過とともに、受信フィルタの出力波形のなまりは解消されて本来の波形(定常状態の波形)に近づき、ノイズ成分が無ければ最終的にはその本来の波形に一致する。このような波形のなまりが存在するフィルタ出力(変調信号)に対して復調処理を行うことは、受信誤りを発生させる要因となるので、過渡応答が収束して波形のなまりが十分に解消された後のフィルタ出力に対して復調処理を行う必要がある。

0027

しかしながら、その過渡応答の収束を待つ時間は情報の伝達に寄与しないため、結果として伝送速度を低下させる要因となりうる。逆に、受信フィルタの通過帯域幅を広くすると、過渡応答時間を短くすることができて伝送速度の低下を抑制することができるが、伝送路で重畳されたノイズ成分の低減効果は弱まる。このように、受信フィルタの通過帯域幅に関しては、耐ノイズ性と伝送効率とは互いにトレードオフの関係にある。

0028

ここで、受信フィルタの出力の過渡応答の収束を待つ時間を遷移期間と呼び、この遷移期間に後続し次のシンボル境界までの期間を有効シンボル期間と呼ぶこととする。本実施の形態では、受信誤りの発生を抑制するため、復調部12は、遷移期間における特性可変フィルタ11の出力に対しては復調を行わず、有効シンボル期間における特性可変フィルタ11の出力に対して復調を行うので、遷移期間は、伝送速度向上の観点から短い方が好ましい。一方、遷移期間においては特性可変フィルタ11の出力は、復調に使用されないので、たとえノイズ成分を多く含むものであっても受信誤りを発生させることはない。したがって、遷移期間においては、特性可変フィルタ11の周波数特性は、過渡応答時間が短く、通過帯域幅がなるべく広いものが望ましい。一方、有効シンボル期間においては、ノイズ成分の低減の観点からは、特性可変フィルタ11の周波数特性は、搬送波周波数を中心とする通過帯域幅がなるべく狭いものが好ましい。このように、遷移期間と有効シンボル期間とでは、特性可変フィルタ11の周波数特性に対する要求が異なる。

0029

本実施の形態は、上記のような遷移期間と有効シンボル期間との間での特性可変フィルタ11の周波数特性に対する要求の違いに着目し、一のシンボル期間内で、特性可変フィルタ11の周波数特性を広帯域通過特性から狭帯域通過特性へ切り換えることを特徴としている。具体的には、同期制御部14は、シンボル境界直後の遷移期間では、特性可変フィルタ11の周波数特性を広帯域通過特性に設定して過渡応答時間を短縮し、これにより、特性可変フィルタ11の出力波形を本来の信号波形にすばやく追従させることができる。その後、遷移期間経過後の有効シンボル期間では、同期制御部14は、特性可変フィルタ11の周波数特性を狭帯域通過特性に設定し、これにより、受信信号波形に含まれる不要なノイズ成分の低減効果を高めて受信誤りの発生を抑制させる。

0030

以下、実施の形態1のディジタル通信装置Akの動作の一例を説明する。図5は、ディジタル通信装置A1〜ANのうちの一のディジタル通信装置Ap(p≠k)から送信されたQPSK変調された送信信号波形39を概略的に示す図である。送信側のディジタル通信装置Apは帯域制限を行っていないため、図5に示されるように、シンボル境界Bsで波形の不連続が生じている。一方、図6は、ディジタル通信装置Apから伝送路1を経てディジタル通信装置Akで受信された受信信号波形40を概略的に示す図である。この受信信号波形40は、伝送路1を介してディジタル通信装置Akに到達するまでの送信信号波形39にノイズが重畳した波形である。図6には、図5のシンボル境界Bsに対応するシンボル境界Brが示されている。

0031

図7は、仮に、特性可変フィルタ11の周波数特性が広帯域通過特性に固定されていた場合の比較例のフィルタ信号波形41を概略的に示す図である。図7に示されるように、比較的広帯域の通過帯域幅が適用された状態では、特性可変フィルタ11の過渡応答時間が比較的短いため、図7のフィルタ信号波形41は、送信側のシンボル境界Bsの瞬時的な位相変化に対して、シンボル境界Brから比較的短時間で本来の波形39に追従している。しかしながら、ノイズを除去する効果が低く、ノイズによる波形の乱れが残っているため、このようなフィルタ信号波形41に対して復調部12が復調処理を実行すれば、受信誤りが発生する可能性が高い。

0032

一方、図8は、仮に、特性可変フィルタ11の周波数特性が狭帯域通過特性に固定されていた場合の比較例のフィルタ信号波形42を概略的に示す図である。図8に示されるように、比較的狭帯域の通過帯域幅が適用された状態では、ノイズを除去する効果が高く、ノイズの重畳に起因すると思われる波形の乱れは見られない。しかしながら、過渡応答時間が長いため、図8のフィルタ信号波形42は、送信側のシンボル境界Bsの瞬時的な位相変化に対して、シンボル境界Brからの本来の波形への追従が遅く、いわゆるシンボル間干渉と呼ばれる波形歪みが顕著に現れている。このため、シンボル境界Brの直後の波形部分に対して復調部12が復調処理を実行すれば、受信誤りを発生させる可能性が高い。

0033

図8の比較例では、シンボル境界Brの後において、少なくとも搬送波7周期の間に次のシンボル境界は見られず、フィルタ信号波形42が徐々に送信信号波形39に近づいて行く様子が見られる。しかしながら、たとえば、1シンボルの長さ(シンボル期間長)が搬送波4周期に相当する短いものの場合を考えると、過渡応答が十分に収束する前に次のシンボル境界が到来して、受信波形全体がシンボル間干渉を受け続けることとなるおそれがある。このような場合、復調部12は、復調により正常な受信データを生成することができず、通信が成立しなくなることが予想される。したがって、狭帯域通過特性だけを使って確実な通信を行うためには、過渡応答時間に対してシンボル長を十分に長く設定する必要があり、ひいては伝送速度の向上を妨げる結果となる。

0034

次に、図9(A)は、本実施の形態に係る帯域制限されたフィルタ信号FSaの波形43を概略的に示す図であり、図9(B)は、帯域幅制御信号BWCの波形を概略的に示す図である。シンボル境界Br以前の有効シンボル期間T2では、同期制御部14は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルに設定して、特性可変フィルタ11の周波数特性を狭帯域通過特性に設定している。また、同期制御部14は、シンボル境界Brで帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルから高レベルに切り替えることで特性可変フィルタ11の周波数特性を狭帯域通過特性から広帯域通過特性に切り替えている。さらに、同期制御部14は、シンボル境界Brの後の遷移期間T1では、特性可変フィルタ11の周波数特性を広帯域通過特性に維持し、遷移期間T1から有効シンボル期間T2への移行時に、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを高レベルから低レベルに切り替えることで特性可変フィルタ11の周波数特性を広帯域通過特性から狭帯域通過特性に切り替えている。遷移期間T1の長さと有効シンボル期間T2の長さとは、予め設定されたものである。図9(A),(B)の例では、広帯域通過特性の適用期間Tbw1は遷移期間T1と一致し、狭帯域通過特性の適用期間Tbw2は有効シンボル期間T2と一致する。

0035

図9(A)に示されるように、フィルタ信号波形43は、遷移期間T1内に短時間で本来の波形39に十分に追従している。遷移期間T1中は、ノイズによる波形の乱れが顕著に見られるが、遷移期間T1中の波形は復調に使われないので、遷移期間T1中に波形の歪みやノイズの残留が存在したとしてもこれらに起因して受信誤りが発生することはない。

0036

一方、遷移期間T1の後に続く有効シンボル期間T2では、狭帯域通過特性が適用された結果、フィルタ信号波形43は、ノイズが十分に減衰した、ほとんど歪みのない波形となっている。また、シンボル境界Brにおける位相の瞬時遷移に対する本来の波形39への追従は、遷移期間T1中にほぼ完了しているため、有効シンボル期間T2では、当該有効シンボル期間T2の開始時点から、フィルタ信号波形43の位相は本来の波形39の位相とよく一致していることがわかる。QPSKなどの位相変調においては、搬送波の位相に情報が載せられているため、送信側から受信側へ位相が正しく伝送されることが重要である。図9の例では、有効シンボル期間T2のフィルタ信号波形43を使用した復調が実行されるので、受信誤りの発生を低減することができ、正確な受信データを得ることができる。

0037

さらに、図9のフィルタ信号波形43を見れば、シンボル境界Brにおける位相の瞬時遷移に対する波形の追従は、搬送波の1周期以内に完了しており、また、有効シンボル期間T2では、当該有効シンボル期間T2の開始時点からフィルタ信号波形43の位相が送信信号波形39の位相とほぼ一致していることがわかる。それ故、たとえば、図10(A),(B)に示すように、シンボル期間T0の長さを搬送波2周期分とし、シンボル期間T0のうち搬送波1周期分を遷移期間T1とし、残りの搬送波1周期分を有効シンボル期間T2としてもよい。この場合にも、有効シンボル期間T2のフィルタ信号波形44を使用した復調を実行することにより、受信誤りの発生を低減することができ、正確な受信データを得ることができる。

0038

遷移期間T1の長さを決めるに当たって、基本的には、特性可変フィルタ11の広帯域通過特性の過渡応答時間を考慮すればよい。ところで、伝送路1が多重反射を発生させる特性を有している場合は、シンボル境界直後に多重反射によるシンボル間干渉(波形歪み)が生じることがある。図11(A)は、シンボル間干渉を受けたフィルタ信号FSaの波形45を概略的に示す図であり、図11(B)は、帯域幅制御信号BWCの波形を概略的に示す図である。図11(A)に示されるように、フィルタ信号波形45は、シンボル境界Brの直後に多重反射によるシンボル間干渉部分50を有している。このような伝送路1を使用する場合には、特性可変フィルタ11の広帯域通過特性の過渡応答時間に加えて、多重反射によるシンボル間干渉の最大継続時間を考慮して遷移期間T1の長さを決めることが好ましい。具体的には、図11(A),(B)に示されるように、シンボル間干渉許容時間tAと過渡応答継続時間tBとからなる遷移時間T1を決めることにより、伝送路1における多重反射によるシンボル間干渉の影響を回避することができる。

0039

以上に説明したように、実施の形態1のディジタル通信装置Akは、受信信号のシンボルタイミングに同期して特性可変フィルタ11の周波数特性を切り替えるという簡単な切り替え制御により、耐ノイズ性の向上と過渡応答期間の短縮とを両立させることができる。したがって、所望の耐ノイズ性を確保しながら、有効シンボル期間T2を短くして伝送速度を向上させることができるという効果が得られる。しかも、この効果は、シンボルタイミング同期確立している間は定常的に得られ、複雑な通信手順を踏むための時間的なオーバーヘッドは不要である。このように、伝送速度を高め、なおかつ時間的なオーバーヘッドが不要であるため、伝送効率の向上を実現することができる。

0040

したがって、本実施の形態によれば、耐ノイズ性を確保しながら、シンボル期間長を短縮して伝送速度の向上を実現することができる。

0041

また、特性可変フィルタ11の周波数特性に対する簡単な切り替え制御で上記効果を得ることができるため、ディジタル通信装置Akの小回路規模化、処理時間の低減、低コスト化及び低消費電力化をも併せて実現することができる。

0042

さらに、図2に示した特性可変フィルタ(アナログ・アクティブフィルタ)11は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルに応じて切り替え可能な2種類の周波数特性(広帯域通過特性及び狭帯域通過特性)を有している。いずれの周波数特性で動作しているときでも、図2の特性可変フィルタ11は、受信信号RSの搬送波周波数の成分に対して振幅および位相の変化をほとんど与えないため、位相変調信号または振幅変調信号に与える位相誤差振幅誤差が小さいという利点がある。なおかつ、図2回路そのものは1つの回路で構成されているので、受信信号RSは、常に同じ回路でフィルタ処理される。したがって、特性可変フィルタ11の周波数特性の切り替えに伴う信号経路の切り替えが無いので、周波数特性の切り替えによりフィルタ信号FSaの波形に不連続な変化を生じさせないという利点もある。

0043

実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。図12は、実施の形態2のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。このディジタル通信システムは、伝送路1を介して相互に接続される複数のディジタル通信装置B1,B2,…,Bk,…,BN(Nは4以上の整数)からなり、これらディジタル通信装置B1,B2,…,BNはすべて同一構成を有している。図12の伝送路1は、図1の伝送路1と同じである。これらディジタル通信装置B1〜BNの一台が送信装置として動作し、他の一台が受信装置として動作することで、実施の形態2によるディジタル通信方式が実現される。

0044

k番目のディジタル通信装置Bkは、図12に示されるように、伝送路1と物理的に結合された結合器(送受信部)27と、この結合器27で受信された変調信号(データ伝送信号)RSを帯域制限するアナログ・ローパスフィルタ(LPF)21と、LPF21のアナログ出力をA/D変換するA/D変換器ADC)22と、ADC22の出力を帯域制限する特性可変フィルタ(ディジタルフィルタ)23と、特性可変フィルタ23の出力FSdに復調を施して復調信号を出力する復調部24と、この復調信号をデコード(復号)して受信データを生成し出力する復号化部25とを備えている。本実施の形態では、復調部24と復号化部25とで本発明の信号処理部を構成することができる。

0045

同期制御部26は、特性可変フィルタ23のディジタル出力であるフィルタ信号FSdに基づいてシンボルタイミング(受信シンボルの先頭あるいは連続する2つの受信シンボルの境界)を検出し、その検出結果に基づいてシンボルクロックCLKを生成し、このシンボルクロックCLKを復調部24に供給する。復調部24は、シンボルクロックCLKに同期した復調処理を実行する。

0046

また、同期制御部26は、シンボルクロックCLKに同期して帯域幅制御信号BWCdを生成し、この帯域幅制御信号BWCdを特性可変フィルタ23に与える機能をも有する。

0047

特性可変フィルタ23は、変更可能な周波数特性(周波数応答)に応じて変調信号RSの帯域を制限するバンドパスフィルタである。特性可変フィルタ23は、ディジタル回路である点を除いて、上記実施の形態1の特性可変フィルタ11の周波数特性とほぼ同じ周波数特性を有するので、その詳細な説明を省略する。特性可変フィルタ23は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタあるいはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタを有し、たとえば、複数の遅延素子(図示せず)と、これら遅延素子から引き出された信号にフィルタ係数乗算する乗算器(図示せず)とで構成することができる。

0048

同期制御部26は、帯域幅制御信号BWCdを特性可変フィルタ23に供給して、特性可変フィルタ23の周波数特性を2種類の周波数特性のうちの一方から他方へ切り替えることができる。これら2種類の周波数特性のうちの一方は、実施の形態1の狭帯域通過特性とほぼ同じであり、他方は、実施の形態1の広帯域通過特性とほぼ同じである。

0049

また、ディジタル通信装置Bkは、入力された送信データを符号化する符号化部29と、この符号化部16のディジタル出力を用いたディジタル変調を実行してディジタル変調信号MSdを生成する変調部30と、ディジタル変調信号MSdをアナログ信号MSaに変換するD/A変換器(DAC)31と、送信フロントエンド部32とを備えている。送信フロントエンド部32は、アナログ信号MSaに増幅やインピーダンス変換を施して送信信号TSを生成する。そして、結合器27は、送信信号TSを送信波に変換して伝送路1に送出することができる。

0050

本実施の形態では、特性可変フィルタ23は、ディジタル回路で構成されている点を除いて、アナログ回路である実施の形態1の特性可変フィルタ11と同じ機能を有する。同期制御部26は、帯域幅制御信号BWCdを供給して特性可変フィルタ23に設定されるフィルタ係数を変えることで、特性可変フィルタ11の周波数特性の切り替え制御を行うことができる。したがって、上記実施の形態1のディジタル通信システム及びその通信方式と同様の効果を奏することができる。

0051

実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。図13は、実施の形態3のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。このディジタル通信システムは、図13に示されるように、伝送路1を介して相互に接続される複数のディジタル通信装置C1,C2,…,Ck,…,CN(Nは4以上の整数)からなり、これらディジタル通信装置C1,C2,…,CNはすべて同一構成を有している。図13の伝送路1は、図1の伝送路1と同じである。これらディジタル通信装置C1〜CNの一台が送信装置として動作し、他の一台が受信装置として動作することで、実施の形態3によるディジタル通信方式が実現される。

0052

本実施の形態では、ディジタル通信装置C1〜CNのいずれかが送受信するデータ伝送信号は、マルチキャリア伝送方式に従って複数のサブキャリア副搬送波)にそれぞれディジタル変調を施した後にこれらサブキャリアを多重化することで生成された変調信号である。本実施の形態のディジタル通信システムは、マルチキャリア伝送方式に合わせて構成されている。

0053

k番目のディジタル通信装置Ckは、図13に示されるように、伝送路1と物理的に結合された結合器(送受信部)65と、この結合器65で受信されたサブキャリア変調信号RS1,RS2,…,RSM(Mは3以上の整数)をそれぞれ帯域制限するM個の特性可変フィルタ611,612,…,61Mと、これら特性可変フィルタ611,612,…,61Mの出力FS1,FS2,…,FSMにそれぞれ復調を施して復調信号を出力する復調部621,622,…,62Mと、これら復調信号をデコード(復号)して受信データを生成し出力する復号化部63とを備えている。本実施の形態では、復調部621,622,…,62Mと復号化部63とで本発明の信号処理部を構成することができる。

0054

同期制御部64は、特性可変フィルタ611〜61Mの出力であるフィルタ信号FS1〜FSMに基づいてシンボルタイミング(受信シンボルの先頭あるいは連続する2つの受信シンボルの境界)を検出し、その検出結果に基づいてシンボルクロックCLKを生成し、このシンボルクロックCLKを復調部621〜62Mに供給する。復調部621〜62Mは、シンボルクロックCLKに同期した復調処理を実行する。

0055

同期制御部64は、シンボルクロックCLKに同期して帯域幅制御信号BWCを生成し、この帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ611〜61Mに与える機能をも有する。

0056

特性可変フィルタ611〜61Mの各々は、実施の形態1の特性可変フィルタ11と同様の構成を有し、少なくとも2種類の変更可能な周波数特性(周波数応答)を有するバンドパスフィルタ(アナログフィルタ)である。これら2種類の周波数特性のうちの一方は、狭帯域の通過帯域幅と比較的長い過渡応答時間とを有する狭帯域通過特性であり、他方は、広帯域の通過帯域幅と比較的短い過渡応答時間とを有する広帯域通過特性である。ただし、特性可変フィルタ611,…,61Mの周波数特性は、それぞれに対応するサブキャリア変調信号RS1,…,RSMの搬送波周波数f1,…,fMとそれぞれほぼ一致する中心周波数f01,…,f0Mを有するように設計されている。よって、i番目の特性可変フィルタ61iの2種類の周波数特性(狭帯域通過特性及び広帯域通過特性)は、ともにサブキャリア変調信号RSiの搬送波周波数fiとほぼ一致する中心周波数fiを有するように設計されている。

0057

また、ディジタル通信装置Ckは、入力された送信データを符号化する符号化部66と、この符号化部66のディジタル出力を用いてマルチキャリア伝送方式による変調信号(多重化された複数のサブキャリア変調信号)MSを生成する変調部67と、送信フロントエンド部68とを備えている。送信フロントエンド部68は、変調信号MSに増幅やインピーダンス変換を施して送信信号MTSを生成する。そして、結合器65は、送信信号MTSを送信波に変換して伝送路1に送出することができる。

0058

同期制御部64は、帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ611〜61Mに供給して、これら特性可変フィルタ611〜61Mの各々の周波数特性を2種類の周波数特性のうちの一方から他方へ切り替えることができる。

0059

すなわち、同期制御部64は、上記実施の形態1の同期制御部14と同様に、有効シンボル期間では、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルに設定して、特性可変フィルタ611〜61Mの周波数特性を狭帯域通過特性に設定する。また、同期制御部64は、シンボル境界で帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルから高レベルに切り替えることで特性可変フィルタ611〜61Mの周波数特性を狭帯域通過特性から広帯域通過特性に切り替える。さらに、シンボル境界の後の遷移期間では、同期制御部64は、特性可変フィルタ611〜61Mの周波数特性を広帯域通過特性に維持し、遷移期間から有効シンボル期間への移行時に、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを高レベルから低レベルに切り替えることで特性可変フィルタ611〜61Mの周波数特性を広帯域通過特性から狭帯域通過特性に切り替える。

0060

以上に説明したように、マルチキャリア伝送方式による実施の形態3のディジタル通信装置Ckは、実施の形態1の場合と同様に、受信信号のシンボルタイミングに同期して特性可変フィルタ611〜61Mの周波数特性を切り替えることにより、耐ノイズ性の向上と過渡応答期間の短縮とを両立させることができる。したがって、マルチキャリア伝送方式による変調信号に対して、耐ノイズ性を確保しながら、シンボル期間長を短縮して伝送速度の向上を実現することができる。

0061

なお、実施の形態3のディジタル通信装置Ckの特性可変フィルタ611〜61Mを、実施の形態2の特性可変フィルタ23と同様にディジタル回路に変更することも可能である。

0062

実施の形態4.
次に、本発明に係る実施の形態4について説明する。本実施の形態のディジタル通信システムは、実施の形態1のディジタル通信システム(図1)と同じ構成を有するので、図1の構成要素を参照しつつ以下に説明する。

0063

本実施の形態のディジタル通信方式では、送信データがフレーム単位に分割されて送信される。各送信フレームは、先頭部分にプリアンブル部を含み、このプリアンブル部に後続するデータ部(搬送波が送信データでディジタル変調された変調波部分)を含むものである。

0064

図14(A)は、送信フレームを構成する送信信号波形39を概略的に示す図である。図14(A)に示されるように、送信フレームは、無変調搬送波を含むプリアンブル部39Pと、このプリアンブル部39Pに後続するデータ部(変調波部分)39Mとを含む。このような送信フレームに先行して無信号期間(搬送波が送信されない期間)が存在する。一方、図14(B)は、図14(A)の送信フレームの受信タイミングに合わせて生成される帯域幅制御信号BWCの波形を概略的に示す図である。

0065

受信側のディジタル通信装置Akでは、上記のとおり、同期制御部14は、たとえば、受信フレームのプリアンブル部の最後に付加されたユニークワード(図示せず)を検知し、この検知結果に基づいて後続するデータ部39Mの開始タイミングを検出することができる。

0066

シンボルタイミング同期が未確立の状態では、同期制御部14は、低レベルの帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ11に供給して特性可変フィルタ11の周波数特性を、過渡応答時間の長い狭帯域通過特性に設定することで、伝送路1でプリアンブル部39Pに重畳されるノイズを効果的に除去する。プリンアンブル部39Pの時間長は、受信側の特性可変フィルタ11の狭帯域通過特性の過渡応答継続時間Trよりも十分に長い時間に設定される。受信側のディジタル通信装置Akは、受信フレーム先頭(すなわち、プリアンブル部の先頭)の受信時から所定の過渡応答継続時間Trが経過した後にプリンアンブル部39Pの残余部分を、受信信号の到来の検知、自動利得制御初期捕捉及び初期同期捕捉などの処理時間に割り当てることができる。

0067

シンボルタイミング同期が確立した状態では、上記したように、同期制御部14は、特性可変フィルタ11の周波数特性を広帯域通過特性と狭帯域通過特性との間で交互に切り替える帯域幅制御信号BWCを生成する。

0068

このように実施の形態3のディジタル通信システムでは、プリアンブル部39Pが無変調搬送波を含み、同期制御部14は、無変調搬送波の受信信号に対して特性可変フィルタ11の周波数特性を狭帯域通過特性に設定するので、プリアンブル部39Pに混入したノイズや波形歪みを効果的に排除することができる。それ故、信号到来の検知、自動利得制御の初期捕捉及び初期同期捕捉などの処理を正確に実行することができる。

0069

実施の形態5.
次に、本発明に係る実施の形態5について説明する。図15は、実施の形態5のディジタル通信システムの基本的な構成を概略的に示す図である。図15に示されるように、このディジタル通信システムは、伝送路1を介して相互に接続される複数のディジタル通信装置D1,D2,…,Dk,…,DN(Nは4以上の整数)からなり、これらディジタル通信装置D1,D2,…,DNはすべて同一構成を有している。図15の伝送路1は、図1の伝送路1と同じである。これらディジタル通信装置D1,D2,…,DNの一台が送信装置として動作し、他の一台が受信装置として動作することで、実施の形態5によるディジタル通信方式が実現される。

0070

本実施の形態では、ディジタル通信装置D1〜DNのいずれかが送受信するデータ伝送信号は、ベースバンド伝送方式に従って生成されたパルス信号であり、上記実施の形態1〜4のディジタル通信システムの場合のように変調された信号ではない。本実施の形態のディジタル通信システムは、ベースバンド伝送方式に合わせて構成されている。

0071

k番目のディジタル通信装置Dkは、図15に示されるように、伝送路1と物理的に結合された結合器(送受信部)75と、この結合器75で受信されたベースバンド信号BRSを帯域制限する特性可変フィルタ71と、特性可変フィルタ71の出力FSbをデコード(復号)して受信データを生成し出力する復号化部72とを備えている。本実施の形態では、復号化部27で本発明の信号処理部を構成することができる。

0072

また、ディジタル通信装置Dkは、入力された送信データを符号化する符号化部76と、この符号化部76の出力ESを用いてベースバンド信号BTSを生成する送信フロントエンド部77とを備える。結合器75は、ベースバンド信号BTSを送信波に変換して伝送路1に送出することができる。

0073

同期制御部73は、特性可変フィルタ71の出力であるフィルタ信号FSbに基づいてシンボルタイミング(受信シンボルの先頭あるいは連続する2つの受信シンボルの境界)を検出し、その検出結果に基づいてシンボルクロックCLKを生成し、このシンボルクロックCLKを復号化部72に供給する。復号化部72は、シンボルクロックCLKに同期してデコード処理を実行する。

0074

また、同期制御部73は、シンボルクロックCLKに同期して帯域幅制御信号BWCを生成し、この帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ71に与える。特性可変フィルタ71は、変更可能な周波数特性(周波数応答)を有し、この周波数特性に応じて変調信号BRSの帯域を制限するローパスフィルタである。特性可変フィルタ71は、カットオフ周波数遮断周波数)よりも高い周波数帯域の成分が減衰されたフィルタ信号FSbを復号化部72と同期制御部73とに供給することができる。

0075

さらに、同期制御部73は、帯域幅制御信号BWCを特性可変フィルタ71に供給して、特性可変フィルタ71の周波数特性を2種類の周波数特性のうちの一方から他方へ切り替えることができる。2種類の周波数特性のうちの一方は、狭帯域の通過帯域幅と比較的長い過渡応答時間とを有する狭帯域通過特性であり、他方は、広帯域の通過帯域幅と比較的短い過渡応答時間とを有する広帯域通過特性である。

0076

図16は、特性可変フィルタ71の一例であるアナログ・アクティブフィルタの構成を概略的に示す図である。このアナログ・アクティブフィルタは、差動増幅器(オペアンプ)711、抵抗素子R11〜R14、容量素子C11,C12及びスイッチ素子SW11,SW12を備えて構成される。図16に示されるように、差動増幅器711の非反転入力端子(+端子)と入力端子710との間に抵抗素子R11,R12,R13,R14が直列に接続されており、抵抗素子R14と非反転入力端子との間のノードN11に容量素子C11の一端が接続されている。この容量素子C11の他端には接地電圧が印加される。また、差動増幅器711の反転入力端子(−端子)は、差動増幅器711の出力端と接続されている。差動増幅器711の出力端は、さらに容量素子C12を介して、抵抗素子R13と抵抗素子R12との間のノードN10に接続されている。そして、差動増幅器711の出力端は、アクティブフィルタの出力端子712と接続されている。

0077

スイッチ素子SW11は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベル(Low)のときはオフ状態となり、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベル(High)のときにはオン状態となって抵抗素子R11の両端を短絡させる。一方、スイッチ素子SW12は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベルのときはオフ状態となり、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベルのときにはオン状態となって抵抗素子R12の両端を短絡させる。

0078

図16のアクティブフィルタ71は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベルの場合には広帯域通過特性(高いカットオフ周波数)を有し、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベルの場合には狭帯域通過特性(低いカットオフ周波数)を有する。図17(A),(B)は、このアクティブフィルタ71の2種類の周波数特性(広帯域通過特性及び狭帯域通過特性)を示す図である。図17(A)は、アナログ・アクティブフィルタ11の周波数−振幅特性の例を示し、図17(B)は、アナログ・アクティブフィルタ11の周波数−位相特性の例を示している。ここで、図17(A),(B)のグラフの横軸は対数軸であり、正規化周波数を表している。帯域幅制御信号BWCの信号レベルが高レベルの場合、アクティブフィルタ71は、特性曲線Cm11,Cp11で示される広帯域通過特性を有し、帯域幅制御信号BWCの信号レベルが低レベルの場合、アクティブフィルタ11は、特性曲線Cm12,Cp12で示される狭帯域通過特性を有する。

0079

図18(A)は、受信信号波形81とこれに対応するフィルタ信号FSbの波形82とを概略的に示す図であり、図18(B)は、フィルタ信号波形82に対応する帯域幅制御信号BWCの波形を概略的に示す図である。図18(B)に示されるように、シンボル境界Br以前の有効シンボル期間T2では、同期制御部73は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルに設定して、特性可変フィルタ71の周波数特性を狭帯域通過特性に設定している。また、同期制御部71は、シンボル境界Brで帯域幅制御信号BWCの信号レベルを低レベルから高レベルに切り替えることで特性可変フィルタ71の周波数特性を狭帯域通過特性から広帯域通過特性に切り替えている。さらに、同期制御部71は、シンボル境界Brの後の遷移期間T1では、特性可変フィルタ71の周波数特性を広帯域通過特性に維持し、遷移期間T1から有効シンボル期間T2への移行の際に、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを高レベルから低レベルに切り替えることで特性可変フィルタ71の周波数特性を広帯域通過特性から狭帯域通過特性に切り替えている。

0080

図18(A)に示されるように、シンボル境界Br直後の遷移期間T1において、広帯域通過特性が適用されるので、フィルタ信号波形82は、シンボル境界Brにおける本来の信号波形の急峻な立ち上がりまたは立ち下がりに速やかに追従し、遷移期間T1の後の有効シンボル期間T2では、狭帯域通過特性が適用されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。復号化部72は、有効シンボル期間T2におけるフィルタ信号波形82に対してデコード処理を実行するので、受信誤りの発生を抑制することができる。

0081

ところで、シンボル境界Brでの特性可変フィルタ71の周波数特性の切り替えの際には、この周波数特性を広帯域通過特性から狭帯域通過特性へ瞬時に変化させる代わりに、特性可変フィルタ71の周波数特性を一定時間に亘って段階的または連続的に変更することが望ましい。その理由は、広帯域通過特性の適用期間中にノイズの瞬時的な電圧変位が存在する瞬間に狭帯域通過特性への切り替えを行うと、その電圧変位が保持されるので、その後の狭帯域通過特性の過渡応答時間をもって本来の信号の電位に収束して行き、定常状態に収束するまでに長時間を要するからである。これに対して、広帯域通過特性から狭帯域通過特性への切り替えを段階的または連続的に行う場合は、ノイズの瞬時的な電圧の変位も徐々に小さくなり、有効シンボル期間T2の開始時点でフィルタ信号波形を十分に収束させることができる。

0082

図19は、このような段階的または連続的な周波数特性の切り替えを実現するための特性可変フィルタ71Mの構成を概略的に示す図である。この特性可変フィルタ71Mの構成は、電圧制御型可変抵抗素子VR11,VR13を除いて、図16のアクティブフィルタの構成と同じである。可変抵抗素子VR11,VR13は、帯域幅制御信号BWCの電圧レベルに応じた抵抗値を有することができる。このため、図20(A),(B)に示されるように、遷移期間T1を、広帯域通過特性の適用期間T1aと移行期間T1bとに分割することができる。広帯域通過特性の適用期間T1aでは、同期制御部73は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを、特性可変フィルタ71Mの周波数特性を広帯域通過特性に設定させる高レベル(High)に維持する。移行期間T1bでは、同期制御部73は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを高レベルから低レベルに段階的にまたは連続的に変化させて、特性可変フィルタ71Mの周波数特性を狭帯域通過特性から広帯域通過特性に段階的にまたは連続的に変化させる。そして、有効シンボル期間T2では、同期制御部73は、帯域幅制御信号BWCの信号レベルを、特性可変フィルタ71Mの周波数特性を狭帯域通過特性に設定させる低レベル(Low)にする。

0083

このようにノイズによる瞬時的な電圧変位の影響を低減させてから狭帯域通過特性に切り替えることで、有効シンボル期間T2での信号電位を安定化させて受信誤りの発生を抑制することができる。

0084

実施の形態1乃至5の変形例.
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、上記実施の形態1乃至5において、伝送路1は、マイクロ波電波や光などの電磁波を伝搬する無線伝送路でもよいし、あるいは、同軸ケーブル光ケーブルなどの有線伝送路でもよい。このため、上記実施の形態1乃至5のディジタル通信システム及びディジタル通信方式は、有線通信に限定されず、無線通信に適用することもできる。

0085

また、工場自動化設備を構成する複数の制御機器バス伝送路を介して相互に接続されたフィールドバス制御システムや、空調機コントローラなどの複数の機器がバス伝送路を介して相互に接続された遠隔制御システムに上記実施の形態1乃至5のディジタル通信システム及びその通信方式を適用することが可能である。

0086

A1〜AN,B1〜BN,C1〜CN,D1〜DNディジタル通信装置、 1伝送路、 11特性可変フィルタ、 12復調部、 13復号化部、 14,64同期制御部、 15,27,65結合器、 16,29 符号化部、 17,30変調部、 18 送信フロントエンド部、 21アナログ・ローパスフィルタ(LPF)、 22 A/D変換器(ADC)、 23 特性可変フィルタ、 24 復調部、 25 復号化部、 26 同期制御部、 31 D/A変換器(DAC)、 32 送信フロントエンド部、 611〜61M 特性可変フィルタ、 621〜62M 復調部、 63 復号化部、 66 符号化部、 67 変調部、 68 送信フロントエンド部、 71 特性可変フィルタ、 72 復号化部、 73 同期制御部、 75 結合器、 76 符号化部、 77 送信フロントエンド部。

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