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技術 水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法、並びに、果実感改善方法

出願人 株式会社伊藤園
発明者 叶英樹藤井洋輔宮崎弘嗣濱和之
出願日 2011年3月9日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2011-051890
公開日 2012年10月4日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2012-187019
状態 拒絶査定
技術分野 非アルコール性飲料
主要キーワード 生ジュース 微細パルプ エクストラクター 果汁原料 紙パック容器 パルプ質 ゲル状体 固体状成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年10月4日)のものです。
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図面 (2)

課題

果実を生搾りして得られる果汁生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れる、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法等を提供する。

解決手段

水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料であって、 粘度A(cP)が10〜80であり、 水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10〜25であり、 前記粘度Aと前記遠心沈殿量Bが下記式(1)の関係を満たす、 0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

概要

背景

ミカングレーフルーツレモン等の柑橘類ブドウイチゴリンゴ等の果汁を用いた果汁飲料は、年齢性別を問わず、多くの人に飲されている嗜好性飲料の一つである。従来、果汁飲料は、果実を搾した後に濾過・裏漉しする等して果実パルプ等を除去して得られる果汁を用いて工業的に製造されており、とりわけ、得られた果汁を一旦濃縮することにより調製された濃縮果汁果糖ブドウ糖液等で希釈して製造される、所謂、濃縮還元果汁飲料が、市場の大半を占めている。

一方、容器詰めされた果汁飲料(以下、「容器詰果汁飲料」ともいう。)は、いつでも手軽に果汁飲料を楽しむことができるため、その利便性により消費者ニーズが拡大している。実際、数多くの容器詰果汁飲料が工業的に生産され、上市されている。そして近年においては、消費者の本格志向により、容器詰果汁飲料であっても、果実を生搾りして得られる果汁、例えば、ジューススタンド家庭調理される生ジュース近似する風味が求められるようになってきている。

従来、果実を生搾りして得られる果汁の美味しさに近づける手法として、果汁飲料に各種添加物香料フレーバー)を添加する方法が知られている。しかしながら、各種添加物や香料(フレーバー)を用いる場合には、不自然な風味が残ってしまう場合がある。

また、果汁飲料に果肉或いは果粒が配合された果肉入り飲料或いは果粒入り果汁飲料も知られている。しかしながら、果肉入り飲料或いは果粒入り果汁飲料においては、高コストになるという問題があり、さらには、原料となる果肉或いは果粒の調整の自由度が乏しく、その結果、食感の調整が容易ではない等の欠点を有する。

一方、果実パルプを配合することにより種々の食感を改善した、果実パルプ入り果汁飲料(水不溶性食物繊維含有果汁飲料)が種々検討されている。例えば、特許文献1には、250μm未満の微細パルプ画分と1000μm以上の微細パルプ画分とが含まれており、全ての微細パルプ成分のうち、250μm未満の微細パルプ画分の含有量が5体積%以上であり、かつ、1000μm以上の微細パルプ画分の含有量が60体積%以下である微細パルプ成分と液状成分とを含有する微細パルプ含有飲料等が記載されている。また、特許文献2には、果実パルプ質磨砕物と、果汁とを含有する果実飲料であって、長手方向の長さが500μm以上のパルプ質の断片が残っており、全体の粘度が15〜50cpsとされていることを特徴とする果実飲料等が記載されている。

概要

果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れる、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法等を提供する。水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料であって、 粘度A(cP)が10〜80であり、 水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10〜25であり、 前記粘度Aと前記遠心沈殿量Bが下記式(1)の関係を満たす、 0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

目的

本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れる、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料であって、粘度A(cP)が10〜80であり、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10〜25であり、前記粘度Aと前記遠心沈殿量Bが下記式(1)の関係を満たす、0.05A+10≦B≦0.25A+10・・・(1)水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

請求項2

前記飲料の総量に対する前記水不溶性固形物の含有割合が、以下の関係を満たす、1.7mm以上:0.0〜3.0%1.7mm未満1.0mm以上:0.2〜4.0%1.0mm未満0.5mm以上:0.5〜4.0%請求項1に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

請求項3

請求項1又は2に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料が、容器内に封入された、容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料

請求項4

請求項1又は2に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料が、ストローが貫通される孔を有し該孔が封止されている容器内に封入された、経ストロー飲食用の容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

請求項5

水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法であって、粘度A(cP)を10〜80に、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)を10〜25に、且つ、該粘度Aと該遠心沈殿量Bを下記式(1)の関係を満たすように、調整する工程、を少なくとも有する、0.05A+10≦B≦0.25A+10・・・(1)水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

請求項6

前記調整する工程において、前記飲料の総量に対する前記水不溶性固形物の含有割合が以下の関係を満たす水不溶性食物繊維含有果汁飲料を作製する、1.7mm以上:0.0〜3.0%1.7mm未満1.0mm以上:0.2〜4.0%1.0mm未満0.5mm以上:0.5〜4.0%請求項5に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

請求項7

前記調整する工程においては、果実パルプを配合する、請求項5又は6に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

請求項8

水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する水不溶性食物繊維含有果汁飲料が容器内に封入された容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法であって、請求項1又は2に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料を準備する工程と、前記水不溶性食物繊維含有果汁飲料を容器内に封入する工程と、を少なくとも有する、容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

請求項9

粘度Aを10〜80cPに、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)を10〜25に、且つ、該粘度Aと該遠心沈殿量Bを下記式(1)の関係を満たすように調整する、0.05A+10≦B≦0.25A+10・・・(1)水不溶性食物繊維含有果汁飲料の果実感改善方法

請求項10

前記調整する工程においては、果実パルプを配合する、請求項9に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の果実感改善方法。

技術分野

0001

本発明は、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法、並びに、果実感改善方法に関し、さらには、容器詰めされた或いは経ストロー飲食用に容器詰めされた水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

ミカングレーフルーツレモン等の柑橘類ブドウイチゴリンゴ等の果汁を用いた果汁飲料は、年齢性別を問わず、多くの人に飲されている嗜好性飲料の一つである。従来、果汁飲料は、果実を搾した後に濾過・裏漉しする等して果実パルプ等を除去して得られる果汁を用いて工業的に製造されており、とりわけ、得られた果汁を一旦濃縮することにより調製された濃縮果汁果糖ブドウ糖液等で希釈して製造される、所謂、濃縮還元果汁飲料が、市場の大半を占めている。

0003

一方、容器詰めされた果汁飲料(以下、「容器詰果汁飲料」ともいう。)は、いつでも手軽に果汁飲料を楽しむことができるため、その利便性により消費者ニーズが拡大している。実際、数多くの容器詰果汁飲料が工業的に生産され、上市されている。そして近年においては、消費者の本格志向により、容器詰果汁飲料であっても、果実を生搾りして得られる果汁、例えば、ジューススタンド家庭調理される生ジュース近似する風味が求められるようになってきている。

0004

従来、果実を生搾りして得られる果汁の美味しさに近づける手法として、果汁飲料に各種添加物香料フレーバー)を添加する方法が知られている。しかしながら、各種添加物や香料(フレーバー)を用いる場合には、不自然な風味が残ってしまう場合がある。

0005

また、果汁飲料に果肉或いは果粒が配合された果肉入り飲料或いは果粒入り果汁飲料も知られている。しかしながら、果肉入り飲料或いは果粒入り果汁飲料においては、高コストになるという問題があり、さらには、原料となる果肉或いは果粒の調整の自由度が乏しく、その結果、食感の調整が容易ではない等の欠点を有する。

0006

一方、果実パルプを配合することにより種々の食感を改善した、果実パルプ入り果汁飲料(水不溶性食物繊維含有果汁飲料)が種々検討されている。例えば、特許文献1には、250μm未満の微細パルプ画分と1000μm以上の微細パルプ画分とが含まれており、全ての微細パルプ成分のうち、250μm未満の微細パルプ画分の含有量が5体積%以上であり、かつ、1000μm以上の微細パルプ画分の含有量が60体積%以下である微細パルプ成分と液状成分とを含有する微細パルプ含有飲料等が記載されている。また、特許文献2には、果実パルプ質磨砕物と、果汁とを含有する果実飲料であって、長手方向の長さが500μm以上のパルプ質の断片が残っており、全体の粘度が15〜50cpsとされていることを特徴とする果実飲料等が記載されている。

先行技術

0007

国際特許第2005/067740公報
特開平10−210956号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、果実を生搾りして得られる果汁は、その美味しさを長時間保存することができない。また、工業的に製造される果汁飲料及び濃縮還元果汁飲料は、原料の製造工程で裏漉しや濾過といった様々な工程を経ているため、果実を生搾りして得られる果汁の風味から、かけ離れている。そのため、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似する風味を有する容器詰果汁飲料は、未だ存在しない。

0009

例えば、上記特許文献1に記載の技術では、「とろみ」と「ざらつき」という食感の制御が可能となり、微細パルプ成分と液状成分とが渾然一体となった飲料が得られると記載される。また、上記特許文献2に記載の技術では、比較的大きな断片の果実の繊維質を含有し、しかも比較的さらりとしてのどごしがよく、異物感が少ない果実飲料が得られると記載されている。しかしながら、これらの飲料は、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)の果実感を再現したものとは言えない。また、上記特許文献1及び特許文献2においては、他の風味(飲み応え感(濃度感)、フレッシュ感爽快感)、パルプ感口当たり広がりまとまり後味香立ち等)については一切考慮されておらず、風味全体のバランス疑問がある。

0010

本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れる、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、果汁飲料の果実感改善方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、特にストローを使用して飲食した際の果実感が果実を生搾りして得られる果汁に極めて近似し、風味全体のバランスにも優れる、容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、水不溶性食物繊維を含有する果汁飲料において、その粘度と水不溶性固形物含有割合コントロールすることにより、意外にも、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0012

すなわち、本発明は、以下(1)〜(10)を提供する。
(1)水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料であって、
粘度A(cP)が10〜80であり、
水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10〜25であり、
前記粘度Aと前記遠心沈殿量Bが下記式(1)の関係を満たす、
0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)
水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

0013

(2)前記飲料の総量に対する前記水不溶性固形物の含有割合が、以下の関係を満たす、
1.7mm以上 :0.0〜3.0%
1.7mm未満 1.0mm以上 :0.2〜4.0%
1.0mm未満 0.5mm以上 :0.5〜4.0%
上記(1)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

0014

(3)上記(1)又は(2)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料が、容器内に封入された、
容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

0015

(4)上記(1)又は(2)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料が、ストローが貫通される孔を有し該孔が封止されている容器内に封入された、
経ストロー飲食用の容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料。

0016

(5)水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法であって、
粘度A(cP)を10〜80に、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)を10〜25に、且つ、該粘度Aと該遠心沈殿量Bを下記式(1)の関係を満たすように、調整する工程、を少なくとも有する、
0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)
水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

0017

(6)前記調整する工程において、前記飲料の総量に対する前記水不溶性固形物の含有割合が以下の関係を満たす水不溶性食物繊維含有果汁飲料を作製する、
1.7mm以上 :0.0〜3.0%
1.7mm未満 1.0mm以上 :0.2〜4.0%
1.0mm未満 0.5mm以上 :0.5〜4.0%
上記(5)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

0018

(7)前記調整する工程においては、果実パルプを配合する、
上記(5)又は(6)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

0019

(8)水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有する水不溶性食物繊維含有果汁飲料が容器内に封入された容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法であって、
上記(1)又は(2)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料を準備する工程と、
前記水不溶性食物繊維含有果汁飲料を容器内に封入する工程と、を少なくとも有する、
容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料の製造方法。

0020

(9)粘度Aを10〜80cPに、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)を10〜25に、且つ、該粘度Aと該遠心沈殿量Bを下記式(1)の関係を満たすように調整する、
0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)
水不溶性食物繊維含有果汁飲料の果実感改善方法。

0021

(10)前記調整する工程においては、果実パルプを配合する、
上記(9)に記載の水不溶性食物繊維含有果汁飲料の果実感改善方法。

0022

なお、本明細書において、水不溶性固形物の「遠心沈殿量」とは、水不溶性食物繊維含有果汁10mlを10mlの遠沈管に採取し、これを遠心機にて3000rpm、10分間処理した際に観察される沈殿量(ml)の割合(ml/10ml)の百分率表示(%)を意味し、その処理条件は、後述する実施例に記載のものにしたがうものとする。

0023

また、本明細書において、水不溶性固形物の「含有割合」は、水不溶性食物繊維含有果汁飲料1000g中に含まれる重量割合(%)を意味する。水不溶性固形物のい分けは、JIS標準の10メッシュ(1.7mm)、16メッシュ(1.0mm)、32メッシュ(0.5mm)のメッシュを用いて行うことができる。

0024

本発明者らが、上記構成の水不溶性食物繊維含有果汁飲料を作製し、その風味試験を行ったところ、その水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、市販のものに比して、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した十分な果実感を有し、その上さらに風味全体のバランスにも優れることが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
すなわち、本発明者らの知見によれば、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の粘度Aが高いほど、果実感や飲み応えといった食感が高められる傾向にあり、その粘度Aが低いほど、口当たり、広がり、香立ちといった食感が高められる傾向にある一方、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の遠心沈殿量Bが多いほど、果実感や飲み応え、パルプ感といった食感が高められる傾向にあり、その遠心沈殿量Bが少ないほど、口当たり、広がり、香立ちといった食感が高められる傾向にあることが見出された。そして、これら粘度A及び遠心沈殿量Bのバランスが上記式(1)の関係を満たすと、果実感に優れるのみならず、飲み応え、パルプ感、口当たり、広がり、まとまり、後味、香立ちといった風味全体のバランスにも優れる水不溶性食物繊維含有果汁飲料が再現性よく実現されることが見出された。その上さらに、かかる水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、意図せぬことに人間工学合致したものとなり、特にストローで吸引して口腔内に搬送された際の風味が格別に優れることが見出された。一般的には、水不溶性固形物の含有量が多いと粘度が高くなる傾向にあり、水不溶性固形物の含有量が少ないと粘度が低くなる傾向にあることから、これらの関係を調整するのは困難である。しかしながら、本発明は、原料調整が比較的に容易な果実パルプを採用し、これを原料段階で/飲料製造工程前に/飲料製造工程中で/或いはこれらを複数組み合わせて、果実パルプのサイズ(繊維長)を調整することにより、謂わば粘度上昇の寄与が少ない水不溶性固形物が高配合され、その結果、驚くべきことにそのようなトレードオフの関係が脱却されて、上述した果汁飲料が新たに実現されたものと推察される。但し、作用はこれらに限定されない。

発明の効果

0025

本発明によれば、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れる、水不溶性食物繊維含有果汁飲料及びその製造方法が実現される。したがって、家庭、職場、学校、公共移動手段など、いつでも手軽にそのような生ジュース感覚の果汁飲料を楽しむことができ、消費者の利便性が高められる。

図面の簡単な説明

0026

実施例及び比較例の水不溶性食物繊維含有果汁飲料における粘度−遠心沈殿量の関係を示すグラフである。

0027

以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。

0028

本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、水不溶性固形物として水不溶性食物繊維を含有するものであって、その粘度A(cP)及び水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が所定の範囲に調整されてなるものである。

0029

果汁飲料とは、果汁を含有する飲料であり、例えば、「食品表示マニュアル(食品表示研究会編集、中央法規出版、平成元年2月改訂)」に記載された「果実ジュース(第1461〜1472頁)」、「果実ミックスジュース(第1473〜1485頁)」、「果粒入り果実ジュース(第1486〜1490頁)」、「果実・野菜ミックスジュース(第1501〜1505頁)」、「果汁入り飲料(第1506〜1521頁)」、「果汁の使用割合が10%未満の飲料(第1522〜1525頁)」等が例示される。これらの中でも、果汁の使用割合を表示する場合に、公正競争規約により「果汁100%」と表示できる果汁飲料、すなわち、「果実ジュース」又は「果実ミックスジュース」が好ましい。

0030

果汁飲料の主原料となる果実は、当業界で通常用いられているものを用いることができ、特に限定されない。その具体例としては、例えば、柑橘類(オレンジ、みかん温州ミカンネーブルポンカンミカン、レモン、グレープフルーツ、ライムハッサク、イヨカン、、ユズカムカム、シイクワシャー、かぼす、マンリンタンジェリンテンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)、いちご、ラズベリーブルーベリーブラックベリーカシス、リンゴ、ブドウ、モモパイナップルグアババナナパッションフルーツマンゴーアセロラプルーンパパイヤ、パッションフルーツ、ウメナシアンズライチメロンスイカ西洋ナシ、スモモ類等が挙げられる。本実施形態における果汁飲料は、上記果実のいずれか1種を単独で用いたもの、或いは、2種以上を併用したもののいずれであっても構わない。2種以上を併用する場合、各果実(果汁)の割合は、必要に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。

0031

果汁原料は、上述した果実を当業界で公知の手法により搾汁することにより得ることができる。公知の手法としては、例えば、油圧プレス機ローラー圧搾機やインライン汁機を用いて圧搾し搾汁する方法、パルパーフィニッシャー等を用いて破砕し搾汁する方法、並びにクラッシャー等を用いて破砕した後、エクストラクター等を用いて搾汁する方法等が挙げられる。さらに、これらの方法に従って圧搾(搾汁)されたものを、所望により、ペクチナーゼセルラーゼといった酵素処理ジューサーにかけたり、殺菌を行ってもよい。

0032

なお、上述した果汁の調製は、当業界で公知の手法にしたがっておこなうことができるが、市販品を入手することによって省略することができる。ストレートジュース、ストレート果汁、濃縮還元果汁、ピューレ、濃縮ピューレ等が、市販品として入手可能である。ここで、ストレートジュースとは、JAS規格にて指定されているもの、すなわち果実を搾汁して得られるそのもの、又は、JAS規格により許容されている成分のみが添加されたものである。また、ストレート果汁及び濃縮還元果汁とは、果汁を所定割合で果実を搾汁して得られるものに必要に応じてJAS規格により許容されている成分が添加されたもの及びこれを所定割合で濃縮したものである。JAS規格により許容されている成分としては、例えば、ビタミンCL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムを含む。)等の抗酸化剤砂糖はちみつ天然香料等が挙げられる。その他、JAS規格外の添加物ではあるが、クエン酸やクエン酸Naなどの酸味料pH調整剤酵素ペクチン等の安定剤、砂糖以外の糖類、合成香料等を使用した果汁等が挙げられる。また、濃縮果汁を希釈したものであって後述する糖用屈折計示度(Brix)の基準値以上のものを還元果汁という(個別品質表示基準)。

0033

ここで、本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料においては、柑橘類の果汁を含むものであることが好ましい。また、上述した果実から得られる果汁の他に、トマトニンジン等の野菜汁等が含まれていてもよい。

0034

本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料に含まれる水不溶性固形物は、果汁などの液状成分に溶解せずに、該液状成分中で浮遊、分散或いは沈殿している固体状成分である。なお、固体状とは、固体半固体およびゲル状体を含む概念であり、水不溶性食物繊維含有果汁飲料を濾過することにより液状成分から分離可能なものが包含される。

0035

上記の水不溶性固形物の主成分は、果実由来の水不溶性食物繊維であり、これには、ストレート果汁および濃縮果汁に若干含まれる水不溶性食物繊維の他、果実パルプ由来の水不溶性食物繊維が含まれる。

0036

果実パルプは、一般的には、上述した原料となる果実から、果汁等の液状成分及び果皮や種等を分離して得られるパルプ質のものであり、果実に含まれる水不溶性食物繊維を含有する。果実パルプは、通常、原料となる果実を粉砕機摩砕機を用いて粉砕或いは摩砕し、さらに篩別、裏濾し、濾過及び/又は遠心分離などの工程を経ることで得ることができる。例えば、果実が柑橘類の場合には、果汁を搾汁して得られるじょうのう膜などの薄皮部分を粉砕して得られるものが挙げられる。なお、本実施形態において用いる果実パルプは、果汁を含んでいてもよく、また、例えば、柑橘類のさのう(砂じょう)、パイナップルの細片物、果皮や種等を含んでいてもよい。本実施形態においては、果実パルプ(水不溶性食物繊維)は、オレンジ等の柑橘類の果実由来のパルプ(水不溶性食物繊維)であることが好ましい。本実施形態における果汁パルプは、上記果実由来のパルプのいずれか1種を単独で用いたもの、或いは、2種以上を併用したもののいずれであっても構わない。2種以上を併用する場合、各果実パルプの割合は、必要に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。

0037

本実施形態で用いる果実パルプは、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の粘度および遠心沈殿量を所定の範囲に調整する観点から、原料パルプを破砕或いは摩砕する又は篩い分けする等してサイズ(繊維長)が原料段階で調整されたもの、飲料製造工程前あるいは工程中で調整されたものが好ましい。原料パルプの破砕或いは摩砕又は篩い分けは、当業界で公知の手法にしたがって行えばよく、特に限定されない。例えば、原料パルプをチョッパー細断した後にパルパー等で搾汁して得られる、細片化された果実パルプ質と果汁との混合物(粗搾汁液)をそのまま用いることもでき、また、この果実パルプ質と果汁との混合物からフィニッシャー等で篩別することにより分離された果実パルプ質又はこれをさらに破砕又は摩砕して得られる果実パルプ質を用いることもできる。なお、上述した果実パルプの調製は、当業界で公知の手法にしたがっておこなうことができるが、市販品を入手することによって省略することができる。

0038

本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、第1に、粘度A(cP)が10〜80に、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10〜25に調整されていることが必要とされ、第2に、これら粘度Aと遠心沈殿量Bが下記式(1)の関係を満たすことが必要とされる。
0.05A+10≦B≦0.25A+10 ・・・(1)

0039

水不溶性食物繊維含有果汁飲料の粘度A(cP)が10未満であると、果実感や飲み応えが弱くなる傾向にあり、濃度感が弱く、十分な食感が得られなくなるので不適である。また、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の粘度A(cP)が80を超えると、口当たりや広がり、香り立ちが悪くなる傾向にあり、飲み難く、味香りともに広がらず、香り感じ難くなるので不適である。かかる粘度A(cP)は、生ジュースの食感再現の観点から、12〜70であることが好ましく、16〜65であることがより好ましい。

0040

一方、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が10未満であると、果実感や飲み応え、パルプ感が弱くなる傾向にあり、果実の食感が得られなくなるので不適である。また、水不溶性食物繊維含有果汁飲料の水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)が25を超えると、飲み難く、香り立ち、後味が悪くなる傾向にあり、フレッシュ感が損なわれるので不適である。かかる遠心沈殿量B(%)は、生ジュースの食感再現の観点から、11〜24であることが好ましく、12〜23であることがより好ましい。

0041

そしてさらに、粘度Aと遠心沈殿量Bが上記式(1)の関係を満たすものは、果実感に優れるのみならず、飲み応え、口当たり、広がり、まとまり、後味、香立ちといった風味全体のバランスにも優れる傾向にあり、そのような上質な水不溶性食物繊維含有果汁飲料が再現性よく実現されることが、本発明者らの知見により見出されている。換言すれば、粘度Aと遠心沈殿量Bが上述した範囲に調整されたものであっても、粘度Aと遠心沈殿量Bが上記式(1)の関係を満たさないものは、従来のトレードオフの関係、すなわち水不溶性固形物の含有量が多いと粘度が高くなる傾向にあり、水不溶性固形物の含有量が少ないと粘度が低くなる傾向にあるという関係を脱却したものとはならず、従来品と同程度の風味しか得られない傾向にある。

0042

また、本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、飲料の総量に対する水不溶性固形物の含有割合が、以下の関係を満たすものであることが好ましい。
1.7mm以上 :0.0〜3.0%
1.7mm未満 1.0mm以上 :0.2〜4.0%
1.0mm未満 0.5mm以上 :0.5〜4.0%

0043

水不溶性固形物の含有割合がこのような関係を満たすものは、より一層、口当たりや香り立ちが良くなり、果実感やパルプ感、まとまりが高められる傾向にある。なお、上記において、1.7mm以上の水不溶性固形物、1.7mm未満〜1.0mm以上の水不溶性固形物、1.0mm未満〜0.5mm以上の水不溶性固形物とは、JIS標準の10メッシュ(1.7mm)、16メッシュ(1.0mm)、32メッシュ(0.5mm)のメッシュを順次用いて篩い分けされたものを意味する。

0044

さらに、本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、Brix(糖度)が高いもの、すなわち高Brix果汁飲料であることが好ましい。具体的には、Brixは9を超え且つ15以下が好ましく、9を超え且つ13以下がより好ましい。ここで、Brixとは、溶液100g中に含まれる可溶性固形分(糖類など)のグラム量を計測する単位であり、一般的には糖度とほぼ同義に用いられている。本明細書において、Brixは、市販の屈折率計又は糖度計を用いて測定することができる。なお、果実毎にJAS規格にて規定されている果実飲料のBrix(Bx)および酸度は、以下の通りである(『食品表示マニュアル』)。例えば、オレンジジュースはBx10以上20未満、うんしゅうみかんジュースはBx9以上未満18、グレープフルーツジュースはBx9以上18未満、りんごジュースはBx10以上20未満、ぶどうジュースはBx11以上30未満、パイアップルジュースはBx10以上27未満、ももジュースはBx8以上16未満、レモンジュースは6以上、酸度4.5〜9.0(クエン酸換算)である。例えば、濃縮果汁を希釈する際の基準Bxおよび酸度は、オレンジジュースBx11、うんしゅうみかんジュースBx9、グレープフルーツジュースBx9、りんごジュースBx10、ぶどうジュースBx11、パインアップルジュースBx11、ももジュースBx8、レモンジュース酸度4.5となっている。

0045

なお、本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、上記の果汁原料、水不溶性固形物としての水不溶性食物繊維(果実パルプ)及び水以外に、当業界で公知の他成分を含んでいてもよい。かかる他成分としては、例えば、果糖ブドウ糖等の糖類、酸類等の酸味料、ソルビトールアスパルテーム等の甘味料アミノ酸類電解質溶液天然色素合成色素等の着色料ビタミン類亜鉛カルシウム、鉄、銅、マグメシウムなどのミネラル類などの強化剤あるいはその塩、pH調整剤、酸化防止剤、天然香料や合成香料等の香料、二酸化炭素などが挙げられる。なお、糖類の具体例としては、例えば、砂糖、異性化糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖乳糖トレハロース天然糖類、糖アルコール類等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、酸味料の具体例としては、例えば、クエン酸類アスコルビン酸類リンゴ酸類、酒石酸類、乳酸類等が挙げられるが、これらに特に限定されない。このように添加可能な他成分については、例えば、『食品表示マニュアル』(食品表示研究会編集、中央法規出版、平成元年2月改訂)にも記載されている。

0046

本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、上記の果汁及び果実パルプ、並び、必要に応じて水及び上述した他成分を、混合することにより作製することができる。このとき、使用する果汁及び果実パルプの種類や性状及び配合割合等を考慮して、粘度A(cP)を10〜80に、水不溶性固形物の遠心沈殿量B(%)を10〜25に、且つ、該粘度Aと該遠心沈殿量Bを上記式(1)の関係を満たすように調整する。

0047

果実パルプの配合量は、使用する果汁及び果実パルプの種類や性状及び配合割合等に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、飲料の総量に対する果実パルプの重量割合で、1〜30%が好ましく、1.5〜15%がより好ましく、2〜14%がさらに好ましい。

0048

果実パルプの配合タイミングは、使用する果汁及び果実パルプ並びにそれらの配合割合等に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。果実パルプは原料段階でサイズ(繊維長)を調整したもの、飲料製造工程前あるいは工程中でサイズ(繊維長)を調整したものを使用することができる。原料段階で調整された果実パルプを使用する場合は一般的な果実飲料と同様に、一部又はすべての果汁と必要に応じて水及び上述した他成分とを混合し、得られた混合物を必要に応じてホモゲナイザー等を用いて3〜20MPa程度の均質化処理を施した後に、果実パルプを配合することが好ましい。飲料製造工程前に調整する場合はその他果実原料とは別に果実パルプを3〜20MPa程度の均質化処理を施し、一部又はすべての果汁と必要に応じて水及び上述した他成分とを混合し、得られた混合物を必要に応じてホモゲナイザー等を用いて3〜20MPa程度の均質化処理を施した後に、果実パルプを配合することが好ましい。飲料製造工程中に調整する場合は、果実原料と一部又はすべての果汁と必要に応じて水及び上述した他成分と果実パルプを混合し、3〜20MPa程度の均質化処理を施すことが好ましい。なお、果実パルプは、水分或いは果汁等の液状成分を含む混合物の状態で、或いは、混合物を乾燥させた後の粉末の状態で配合すればよい。

0049

上述した製法等によって得られる本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料を、常法にしたがって容器に封入することにより、容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料を得ることができる。

0050

容器は、当業界で公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されない。その具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明ビンPETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器スチール缶アルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。容器の形状や色彩も特に限定されず、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定することができる。携帯性等を考慮すると、比較的に小型の容器が望ましい。具体的には、50ml〜500mlの容器が好ましく、100ml〜300mlの容器がより好ましい。また、ストローを用いた飲用の観点からは、50ml〜500mlの紙容器、100ml〜300mlの紙容器がより好ましい。

0051

ストローの形状は使用する果汁及び果実パルプの種類や性状及び配合割合等に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、本実施形態の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、人間工学の観点から、口径3〜7mm程度のストローを用いて飲食する態様、すなわちストローを用いて口腔内に飲料を吸引することにより飲食する態様において、殊に、風味の改善効果が発揮される。したがって、上記の容器は、ストローが貫通される孔を有し該孔が封止されているものが好ましい。人間工学的な風味の改善効果の観点から好ましいストローとしては、口径3〜7mm、長さ5〜20cmのプラスチック製ストローが挙げられる。

0052

水不溶性食物繊維含有果汁飲料の容器への封入は、当業界で公知の手法により行うことができる。例えば、プレート式ヒータチューブ式ヒーター等の加熱殺菌装置を用い、85〜95℃の温度下に、10〜60秒間保持して加熱殺菌を行い、常法にしたがって容器に充填することにより、容器詰水不溶性食物繊維含有果汁飲料を得ることができる。

0053

以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0054

(実施例1〜2)
市販のオレンジ濃縮果汁と表1に記載の配合量(飲料の総量に対する配合量)で市販のオレンジパルプ、香料(オレンジ風味)及びビタミンCを混合し、得られた混合物を可変加圧式ホモジナイザーを用いて表1に記載の条件で均質化処理し、JAS規格に準拠してイオン交換水によりストレートに還元して得た濃縮還元果汁とすることにより、実施例1〜2の100%オレンジ飲料(水不溶性食物繊維含有果汁飲料)を作製した。
得られた実施例1〜2の100%オレンジ飲料を、常法にしたがい、高温殺菌して、冷却後に200mlの紙容器(口径5mmのストローが貫通可能な孔が形成され、この孔が封止されたもの)に封入することにより、実施例1〜2の経ストロー飲食用の容器詰100%オレンジ飲料(経ストロー飲食用の容器詰不溶性食物繊維含有果汁飲料)を作製した。

0055

(実施例3〜7)
市販のオレンジパルプを可変加圧式ホモジナイザーを用いて表1に記載の条件で均質化処理し、表1に記載の配合量(飲料の総量に対する配合量)で、市販の10種の濃縮およびストレート果汁(ぶどう、りんご、オレンジ、サボテンの実、レモン、パインアップル、カムカム、うんしゅうみかん、シイクワシャー、かぼす)を混合し、、さらに香料(オレンジ風味)、安定剤としてペクチン及びビタミンCを配合し、JAS規格に準拠してイオン交換水によりストレートに還元することにより、実施例3〜7の100%果実ミックス飲料(水不溶性食物繊維含有果汁飲料)を作製した。
得られた実施例3〜7の100%果実ミックス飲料を、常法にしたがい、高温殺菌して、冷却後に200mlの紙容器(口径5mmのストローが貫通可能な孔が形成され、この孔が封止されたもの)に封入することにより、実施例3〜7の経ストロー飲食用の容器詰100%果実ミックス飲料(経ストロー飲食用の容器詰不溶性食物繊維含有果汁飲料)を作製した。

0056

(比較例1〜8)
均質化処理時の圧力およびオレンジパルプの配合量を表1に記載のとおりに変更すること以外は、実施例3と同様に処理して、比較例1〜8の100%果実ミックス飲料および経ストロー飲食用の容器詰100%果実ミックス飲料を作製した。

0057

(比較例9)
市販の100%オレンジ飲料(100%ジュースオレンジ、1000ml、チルド紙パック容器詰め)を、比較例9の果汁飲料として用いた。

0058

(比較例10)
市販の100%グレープフルーツ飲料(100%ジュースグレープフルーツ、1000ml、チルド紙パック容器詰め)を、比較例10の果汁飲料として用いた。

0059

表1に、実施例1〜7の水不溶性食物繊維含有果汁飲料、比較例1〜8の水不溶性食物繊維含有果汁飲料、並びに、比較例9および10の果汁飲料の処方および作製条件を示す。また、これらの飲料の、粘度A(cP)、遠心沈殿量B(%)、及び、水不溶性固形物の含有割合(%)を、表1に併せて示す。

0060

0061

なお、実施例及び比較例における各種の測定方法を、以下に示す。
<粘度A(cP)>
TVB−10型粘度計(東機産業株式会社)を用いて、粘度を測定した。

0062

<遠心沈殿量B(%)>
試料10mlを10mlの遠沈管に採取し、卓上多架遠心機(株式会社トミー精工)を用いて、3000rpm及び10分間の条件で処理し、その際の遠沈管の目盛を読み取ることにより、遠心沈殿量を測定した。

0063

<水不溶性固形物の含有割合(%)>
JIS標準の10メッシュ(1.7mm)、16メッシュ(1.0mm)、32メッシュ(0.5mm)のメッシュを用いて、順次、篩い分けし、それぞれの固形分量を量した。具体的には、試料をメッシュ上に注ぎ、3倍量のイオン交換水で洗浄後、それぞれのメッシュ上に残った水不溶性固形物を回収し、ろ紙(No.2)を使用した吸引濾過後に残った水不溶性固形物の固形分量を秤量した。そして、各々の水不溶性固形物の固形分量を、飲料1000g中に含まれる重量割合(%)に換算することにより、水不溶性固形物の含有割合(%)を算出した。

0064

表2及び表3に、実施例1〜7の水不溶性食物繊維含有果汁飲料、及び、比較例1〜8の水不溶性食物繊維含有果汁飲料、の風味の評価結果を示す。なお、果汁飲料の風味の評価試験は、5人のパネラー委託して行い、以下に示す基準で5段階評価したものである。風味の評価試験は、市販の東罐工業株式会社製プラスチックカップ(口径6cm、断面略円形)による摂取と、及び市販のポリプロピレン製ストロー(口径5mm、長さ14.5cm、断面略円形、2分割されたストロー片を入れ子式に組み合わせる「伸びるストロー」)による摂取、の2回実施した。ここで、表中の数値は、5人のパネラーの評価の平均値である。
5点:優れている
4点:やや優れている
3点:比較例1及び比較例2と同等
2点:やや劣る
1点:劣る

0065

0066

0067

表2及び表3から明らかなように、実施例1〜7の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、比較例1の水不溶性食物繊維含有果汁飲料に比して、果実感が十分に高められ、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した風味を有することが確認された。しかも、実施例1〜7の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、比較例1の水不溶性食物繊維含有果汁飲料に比して、果実感以外の風味が略同等以上であり、果実感以外の風味を過度劣化させておらず、風味のバランスに優れるものであることが確認された。

0068

以下、各飲料の短評を記す。
実施例1:果実パルプによる果実感と飲み応えのバランスがよい。
実施例2:果実パルプによる果実感と飲み応えのバランスがよくまとまりもある。
実施例3:果実パルプによる適度な果実感と濃度感がある。
実施例4:口当たりがよく、飲み応えがある。
実施例5:果実パルプによる適度な果実感と飲み応えがあり、まとまりもある。
実施例6:フレッシュ感があり美味しい。
実施例7:濃度感、フレッシュ感のバランスがよく、まとまりもある。
比較例1:果実パルプによる果実感がない。
比較例2:粘度が高くて飲み難く、果実パルプの口当たりも悪い。
比較例3:粘度が高くて飲み難く、果実パルプの口当たりも悪い。
比較例4:粘度が高くて飲み難く、果実パルプの口当たりも悪い。
比較例5:粘度の濃厚感と果実パルプ濃度のバランスが悪い。
比較例6:飲み応えはあるが、風味全体のバランスが悪く、フレッシュ感がない。
比較例7:飲み応えはあるが、風味全体のバランスが悪く、フレッシュ感がない。
比較例8:飲み応えはあるが、全体的に重く、後切れが悪い。

実施例

0069

なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。

0070

以上説明した通り、本発明の水不溶性食物繊維含有果汁飲料は、果実を生搾りして得られる果汁(生ジュース)に近似した果実感を有し、風味全体のバランスにも優れるので、生ジュース感覚の果汁飲料として、食品産業、特に飲料産業において広く且つ有効に利用可能である。

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