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技術 円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法、および、表面層の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を製造する方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 川井康裕植松弘規大垣晴信高橋孝治西田孟
出願日 2011年11月9日 (10年3ヶ月経過) 出願番号 2011-245723
公開日 2012年9月27日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2012-185473
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における除電・感光体形状 電子写真における感光体
主要キーワード 連結支持部材 総平均値 圧縮成形加工 球形ジョイント 繋部材 平均断面 荷重機構 焼結鋼
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

円筒状電子写真感光体表面に凸凹形状を形成するに際し、多数本を連続加工しても、個体毎の凸凹形状のばらつきを少なくする。

解決手段

円筒状基体表面層を有する円筒状電子写真感光体の内部に挿入体を挿入し、型部材表面凹凸形状を該感光体表面層表面転写形成する。挿入体は、該基体内周面に当接しうる外周面を有する当接部と、当接部の径方向の内側に位置する繋部と、繋部の径方向の内側に位置する軸部とを有し、その軸方向両端部に軸部の外周面と隙間を介して対向する内周面を有し、繋部は、当接部および軸部の軸方向の略中央に位置し、軸部は、その軸方向両端部に当接部の内周面と隙間を介して対向する外周面を有する。軸部の軸方向両端部および型部材の少なくとも一方に、軸部外周面と当接部内周面とが接触せずに当接部外周面と円筒状基体内周面とが押し付けられる範囲の力を加え、該感光体表面と該型部材表面とを互いに押し付ける。

概要

背景

電子写真感光体としては、感光層円筒状基体上に設けてなる円筒状電子写真感光体(以下、単に「電子写真感光体」ともいう。)が一般的である。また、電子写真感光体の中でも、光導電性物質電荷発生物質電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を設けてなる有機電子写真感光体が広く普及している。また、有機電子写真感光体としては、高感度および材料設計多様性の利点から、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層を有する電子写真感光体が主流である。

電子写真感光体は、画像形成プロセスにおいて、帯電露光現像転写およびクリーニング(ならびに除電)の各工程の繰り返しサイクルにおいて用いられる。特に、転写工程後の電子写真感光体の表面に存在する残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得るうえで重要な工程である。このクリーニングの方法としては、ゴム製のクリーニングブレードを電子写真感光体に圧接し、残存トナーを掻き取る方法が一般的である。

しかしながら、優れたクリーニング性を示すクリーニングブレードは、電子写真感光体の表面との摩擦力が大きいため、駆動トルクの増大や、クリーニングブレードの微小振動によるトナーすり抜けや、クリーニングブレードの反転の問題が発生しやすい。また、近年の画像の高画質化の流れを受けたトナーの小粒径化および高機能化によるクリーニング性能への影響も、問題点として取り上げられている。

上述した問題点を解決する方法として、電子写真感光体の表面を適度に粗面化する方法がある。この方法は、電子写真感光体の表面とクリーニングブレードとの接触面積を減少させ、摩擦力を低減することに有効である。

そして、このような電子写真感光体の表面の粗面化に関しては種々の方法が知られているが、特に効果的に摩擦力を低減するためには、電子写真感光体の表面形状を微細に制御することが必要である。その方法として、特許文献1には、表面に凹凸形状を有するタッチロール型部材金型)を電子写真感光体の表面に接触させて圧縮成形加工する技術が開示されている。特許文献1には、電子写真感光体に対して、プリズムおよび波形形状を有するSUS304製タッチロールを2×10−4Nの力を加えて接触させ、例えば、平均ピッチ5μm、平均深さ5μmの波形形状を電子写真感光体の表面に形成する実施例が記載されている。また、特許文献1には、1辺の平均長さ100nmおよび平均深さ100nmの井戸型形状がピッチ間距離100nmで形成された型部材を用いて、0.8Nの力で電子写真感光体の表面を2分間圧縮した実施例が記載されている。その結果、1辺の平均長さ70nm、深さ30nmの井戸形状がピッチ間距離120nmで電子写真感光体の表面に形成されたことが開示されている。また、これら加工時の電子写真感光体および型部材を加熱することで成型精度を向上させられることや、電子写真感光体の真円度を維持するために、加工圧力を1N以下とすることが開示されている。

特許文献1に開示されている圧縮成形加工技術は、従来から知られているような樹脂などの表面の凹凸加工方法であるエンボス加工技術、あるいは、近年、微細加工技術として積極的に研究が進められているナノインプリント技術を電子写真感光体に応用したものである。

一般に、樹脂フィルム樹脂成形品の表面に凹凸加工を施す従来技術は、特許文献2に記載されているように、以下のような工程によって行われる。

(1) 加工される樹脂を、樹脂のガラス転移温度以上に加熱する(該樹脂が熱変形しやすいように軟化させる工程)、
(2)型部材(金型)を、前記樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、加圧接触させる(該樹脂が型部材の微細形状内に侵入する工程)、
(3) 一定時間経過後、樹脂および型部材をガラス転移温度以下に冷却する(微細形状を固定化する工程)、
(4) 型部材を樹脂から離間する。

上記工程によれば、型部材の表面(円筒状電子写真感光体の表面に形成する凸凹形状に対応する表面形状(凹凸形状)の面)の面積に対応して微細形状の一括転写が可能であり、種々の被加工物を上記工程に従い、個別に加工する(バッチ方式)ことが可能である。また、シート状の被加工物においては、被加工物を移動させながら、型部材の表面(凹凸形状の面)の面積分の形状転写を繰り返し行うこと(ステップアンドリピート方式)が可能である。上記工程において、加熱および冷却工程は重要である。加熱温度が低い場合には、十分な形状転写ができなかったり、冷却が不十分な場合には、転写された形状が崩れたりする問題が発生しやすい。したがって、加熱および冷却工程における制御条件は、樹脂の諸特性に応じて詳細な最適化がなされることが好ましい。

こうした加工中の各部材の温度制御について、特許文献3には、型部材および被加工物である樹脂膜などのそれぞれに着目した制御方法が開示されている。

そして、型部材の表面(凹凸形状の面)の全面を被加工物に対して加圧するに際し、型部材の表面(凹凸形状の面)の面積内の当接圧力の均一化は重要な要素の1つである。上述した従来技術における被加工物は平板状や屈曲可能な材質が想定されているが、本発明における被加工物である円筒状電子写真感光体は、被加工面が曲率を有している。そして、弾性変形量が比較的小さく、かつ硬度のある円筒状基体上に形成された数μmから数十μmの樹脂層表面層)を加工対象としている。したがって、そのような表面と型部材の接触を精度よく行うことは難しい。

これについて、従来から、種々の工夫や改良がなされてきている。その方法の1つは、図3に示すような、平板状の支持部材13上に板状の型部材5を貼り付け、被加工物である円筒状の電子写真感光体1の内部に円柱形状である挿入体12を挿入する(挿通させる)方法である。この方法では、特許文献3に記載されているように、該挿入体の軸方向両端部に対して何らかの手段で型部材に向かう力(圧力)を加えることによって、円筒状電子写真感光体1の円筒状基体2上の表面層3の軸方向全体を型部材5に押し付けて加圧する。

この方法では、円筒状電子写真感光体に挿入する挿入体の外径寸法は、被加工物である円筒状電子写真感光体の円筒状基体の内径寸法より小さくなくてはならない。そして、挿入体の円筒状基体に当接する部分の長さは、およそ円筒状電子写真感光体の円筒状基体の軸方向の長さに相当する長さが必要である。そのような条件を満たす挿入体の形状は細長くなる場合が多い。例えば、外径寸法が30mm程度の一般的な円筒状電子写真感光体の円筒状基体の内径寸法は28.5mm程度であり、かつA3用であれば全長が360mm程度になる。

こうした細長い挿入体の軸方向両端部に力を加えて、円筒状電子写真感光体の表面(外周面)を型部材に押し付けるような圧力を発生させると、その圧力は両端部付近に偏る傾向がある。その結果、円筒状電子写真感光体の表面に形成された凸凹形状の深さが、例えば、軸方向の中央部付近と端部付近とで差が生じることとなる。こうした圧力の端部への偏りを抑え、円筒状電子写真感光体の軸方向において均一な圧力を発生させるためには、挿入体は非常に強固な部材を用いることが好ましい。そして、挿入体を強固に構成するためには、鉄系の合金ステンレス鋼タングステンといった弾性係数や硬度の高い金属材料を用いることができる。さらに、挿入体の形状としては、より強度を確保するために、中空でない中実の円柱形状とするのが一般的である。

概要

円筒状電子写真感光体表面に凸凹形状を形成するに際し、多数本を連続加工しても、個体毎の凸凹形状のばらつきを少なくする。円筒状基体、表面層を有する円筒状電子写真感光体の内部に挿入体を挿入し、型部材の表面凹凸形状を該感光体表面層表面転写形成する。挿入体は、該基体内周面に当接しうる外周面を有する当接部と、当接部の径方向の内側に位置する繋部と、繋部の径方向の内側に位置する軸部とを有し、その軸方向両端部に軸部の外周面と隙間を介して対向する内周面を有し、繋部は、当接部および軸部の軸方向の略中央に位置し、軸部は、その軸方向両端部に当接部の内周面と隙間を介して対向する外周面を有する。軸部の軸方向両端部および型部材の少なくとも一方に、軸部外周面と当接部内周面とが接触せずに当接部外周面と円筒状基体内周面とが押し付けられる範囲の力を加え、該感光体表面と該型部材表面とを互いに押し付ける。

目的

本発明の目的は、被加工物である円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成するに際し、多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工しても、個体ごとの凸凹形状のばらつきを少なくすることができる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

円筒状基体および表面層を有する円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法において、該方法が、(i)該円筒状基体に挿入体を挿入する工程、および、(ii)該凸凹形状に対応する表面形状を表面に有する型部材を該表面層の表面に接触させ、該型部材の表面の該表面形状を該表面層の表面に転写する工程を有し、該挿入体が、軸部、該軸部の径方向の外側に位置する当接部、および、該軸部および該当接部を繋ぐ繋部を有し、該当接部が、該挿入体を該円筒状基体に挿入したときに該円筒状基体の内周面に接触する外周面、および、該当接部の軸方向両端部において該軸部の外周面と隙間を介して対向する内周面を有し、該工程(ii)が、さらに、(a)該軸部の外周面および該当接部の内周面が互いに接触することなく前記隙間を維持しつつ、該当接部の外周面が該円筒状基体の内周面に対して押し付けられるように、該軸部の軸方向両端部に力を加え、該表面層の表面を該型部材の表面に圧接させる工程、または、(b)該軸部の軸方向両端部を支持し、かつ、該軸部の外周面および該当接部の内周面が互いに接触することなく前記隙間を維持しつつ、該円筒状基体の内周面が該当接部の外周面に対して押し付けられるように、該型部材に力を加え、該型部材の表面を該表面層の表面に圧接させる工程を有することを特徴とする、円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法。

請求項2

前記挿入体が、前記軸部および前記繋部の働きをする軸部材、および、前記当接部の働きをする当接部材を有する、請求項1に記載の円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法。

請求項3

前記挿入体が、前記軸部の働きをする軸部材、および、前記当接部および前記繋部の働きをする当接部材を有する、請求項1に記載の円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法。

請求項4

前記挿入体が、前記軸部の働きをする軸部材、前記当接部の働きをする当接部材、および、前記繋部の働きをする繋部材を有する、請求項1に記載の円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法。

請求項5

前記当接部材の軸方向における前記電子写真感光体の表面層塗布領域に相当する長さをL[mm]とし、前記軸部材の前記軸方向中央部の端から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの長さをLs[mm]としたとき、LおよびLsが下記(数式1)の関係にある、請求項2に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。0.20L≦Ls≦0.49L・・・・(数式1)

請求項6

前記当接部材の外周面と前記円筒状基体の内周面とが押し付けられる範囲の力をM[N]とし、前記当接部材の材料の縦弾性係数をE[N/mm2]とし、前記軸部材の軸方向中央部の端に相当する位置から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの当接部材の断面二次モーメントをIs[mm4]としたとき、下記(数式3)で定義されるFs[mm]が下記(数式2)を満たす、請求項5に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。3.9×10−4≦Fs≦3.1×10−1・・・・(数式2)Fs=M・Ls3/3・E・Is・・・・(数式3)

請求項7

前記当接部材の軸方向における前記電子写真感光体の表面層塗布領域に相当する長さをL[mm]とし、前記当接部材の軸方向中央部の端から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの長さをLs[mm]としたとき、LおよびLsが下記(数式1)の関係にある、請求項3に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。0.20L≦Ls≦0.49L・・・・(数式1)

請求項8

前記当接部材の外周面と前記円筒状基体の内周面とが押し付けられる範囲の力をM[N]とし、前記当接部材の材料の縦弾性係数をE[N/mm2]とし、前記当接部材の軸方向中央部の端から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの当接部材の断面二次モーメントをIs[mm4]としたとき、下記(数式3)で定義されるFs[mm]が下記(数式2)を満たす、請求項7に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。3.9×10−4≦Fs≦3.1×10−1・・・・(数式2)Fs=M・Ls3/3・E・Is・・・・(数式3)

請求項9

前記当接部材の軸方向における前記電子写真感光体の表面層塗布領域に相当する長さをL[mm]とし、前記繋部材の端から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの長さをLs[mm]としたとき、LおよびLsが下記(数式1)の関係にある、請求項4に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。0.20L≦Ls≦0.49L・・・・(数式1)

請求項10

前記当接部材の外周面と前記円筒状基体の内周面とが押し付けられる範囲の力をM[N]とし、前記当接部材の材料の縦弾性係数をE[N/mm2]とし、前記繋部材の端に相当する位置から前記電子写真感光体の表面層塗布領域の端に相当する位置までの当接部材の断面二次モーメントをIs[mm4]としたとき、下記(数式3)で定義されるFs[mm]が下記(数式2)を満たす、請求項9に記載の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法。3.9×10−4≦Fs≦3.1×10−1・・・・(数式2)Fs=M・Ls3/3・E・Is・・・・(数式3)

請求項11

請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成することによって、表面層の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、円筒状電子写真感光体表面層の表面に凸凹形状を形成する方法、および、表面層の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を製造する方法に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体としては、感光層円筒状基体上に設けてなる円筒状電子写真感光体(以下、単に「電子写真感光体」ともいう。)が一般的である。また、電子写真感光体の中でも、光導電性物質電荷発生物質電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を設けてなる有機電子写真感光体が広く普及している。また、有機電子写真感光体としては、高感度および材料設計多様性の利点から、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層を有する電子写真感光体が主流である。

0003

電子写真感光体は、画像形成プロセスにおいて、帯電露光現像転写およびクリーニング(ならびに除電)の各工程の繰り返しサイクルにおいて用いられる。特に、転写工程後の電子写真感光体の表面に存在する残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得るうえで重要な工程である。このクリーニングの方法としては、ゴム製のクリーニングブレードを電子写真感光体に圧接し、残存トナーを掻き取る方法が一般的である。

0004

しかしながら、優れたクリーニング性を示すクリーニングブレードは、電子写真感光体の表面との摩擦力が大きいため、駆動トルクの増大や、クリーニングブレードの微小振動によるトナーすり抜けや、クリーニングブレードの反転の問題が発生しやすい。また、近年の画像の高画質化の流れを受けたトナーの小粒径化および高機能化によるクリーニング性能への影響も、問題点として取り上げられている。

0005

上述した問題点を解決する方法として、電子写真感光体の表面を適度に粗面化する方法がある。この方法は、電子写真感光体の表面とクリーニングブレードとの接触面積を減少させ、摩擦力を低減することに有効である。

0006

そして、このような電子写真感光体の表面の粗面化に関しては種々の方法が知られているが、特に効果的に摩擦力を低減するためには、電子写真感光体の表面形状を微細に制御することが必要である。その方法として、特許文献1には、表面に凹凸形状を有するタッチロール型部材金型)を電子写真感光体の表面に接触させて圧縮成形加工する技術が開示されている。特許文献1には、電子写真感光体に対して、プリズムおよび波形形状を有するSUS304製タッチロールを2×10−4Nの力を加えて接触させ、例えば、平均ピッチ5μm、平均深さ5μmの波形形状を電子写真感光体の表面に形成する実施例が記載されている。また、特許文献1には、1辺の平均長さ100nmおよび平均深さ100nmの井戸型形状がピッチ間距離100nmで形成された型部材を用いて、0.8Nの力で電子写真感光体の表面を2分間圧縮した実施例が記載されている。その結果、1辺の平均長さ70nm、深さ30nmの井戸形状がピッチ間距離120nmで電子写真感光体の表面に形成されたことが開示されている。また、これら加工時の電子写真感光体および型部材を加熱することで成型精度を向上させられることや、電子写真感光体の真円度を維持するために、加工圧力を1N以下とすることが開示されている。

0007

特許文献1に開示されている圧縮成形加工技術は、従来から知られているような樹脂などの表面の凹凸加工方法であるエンボス加工技術、あるいは、近年、微細加工技術として積極的に研究が進められているナノインプリント技術を電子写真感光体に応用したものである。

0008

一般に、樹脂フィルム樹脂成形品の表面に凹凸加工を施す従来技術は、特許文献2に記載されているように、以下のような工程によって行われる。

0009

(1) 加工される樹脂を、樹脂のガラス転移温度以上に加熱する(該樹脂が熱変形しやすいように軟化させる工程)、
(2)型部材(金型)を、前記樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、加圧接触させる(該樹脂が型部材の微細形状内に侵入する工程)、
(3) 一定時間経過後、樹脂および型部材をガラス転移温度以下に冷却する(微細形状を固定化する工程)、
(4) 型部材を樹脂から離間する。

0010

上記工程によれば、型部材の表面(円筒状電子写真感光体の表面に形成する凸凹形状に対応する表面形状(凹凸形状)の面)の面積に対応して微細形状の一括転写が可能であり、種々の被加工物を上記工程に従い、個別に加工する(バッチ方式)ことが可能である。また、シート状の被加工物においては、被加工物を移動させながら、型部材の表面(凹凸形状の面)の面積分の形状転写を繰り返し行うこと(ステップアンドリピート方式)が可能である。上記工程において、加熱および冷却工程は重要である。加熱温度が低い場合には、十分な形状転写ができなかったり、冷却が不十分な場合には、転写された形状が崩れたりする問題が発生しやすい。したがって、加熱および冷却工程における制御条件は、樹脂の諸特性に応じて詳細な最適化がなされることが好ましい。

0011

こうした加工中の各部材の温度制御について、特許文献3には、型部材および被加工物である樹脂膜などのそれぞれに着目した制御方法が開示されている。

0012

そして、型部材の表面(凹凸形状の面)の全面を被加工物に対して加圧するに際し、型部材の表面(凹凸形状の面)の面積内の当接圧力の均一化は重要な要素の1つである。上述した従来技術における被加工物は平板状や屈曲可能な材質が想定されているが、本発明における被加工物である円筒状電子写真感光体は、被加工面が曲率を有している。そして、弾性変形量が比較的小さく、かつ硬度のある円筒状基体上に形成された数μmから数十μmの樹脂層(表面層)を加工対象としている。したがって、そのような表面と型部材の接触を精度よく行うことは難しい。

0013

これについて、従来から、種々の工夫や改良がなされてきている。その方法の1つは、図3に示すような、平板状の支持部材13上に板状の型部材5を貼り付け、被加工物である円筒状の電子写真感光体1の内部に円柱形状である挿入体12を挿入する(挿通させる)方法である。この方法では、特許文献3に記載されているように、該挿入体の軸方向両端部に対して何らかの手段で型部材に向かう力(圧力)を加えることによって、円筒状電子写真感光体1の円筒状基体2上の表面層3の軸方向全体を型部材5に押し付けて加圧する。

0014

この方法では、円筒状電子写真感光体に挿入する挿入体の外径寸法は、被加工物である円筒状電子写真感光体の円筒状基体の内径寸法より小さくなくてはならない。そして、挿入体の円筒状基体に当接する部分の長さは、およそ円筒状電子写真感光体の円筒状基体の軸方向の長さに相当する長さが必要である。そのような条件を満たす挿入体の形状は細長くなる場合が多い。例えば、外径寸法が30mm程度の一般的な円筒状電子写真感光体の円筒状基体の内径寸法は28.5mm程度であり、かつA3用であれば全長が360mm程度になる。

0015

こうした細長い挿入体の軸方向両端部に力を加えて、円筒状電子写真感光体の表面(外周面)を型部材に押し付けるような圧力を発生させると、その圧力は両端部付近に偏る傾向がある。その結果、円筒状電子写真感光体の表面に形成された凸凹形状の深さが、例えば、軸方向の中央部付近と端部付近とで差が生じることとなる。こうした圧力の端部への偏りを抑え、円筒状電子写真感光体の軸方向において均一な圧力を発生させるためには、挿入体は非常に強固な部材を用いることが好ましい。そして、挿入体を強固に構成するためには、鉄系の合金ステンレス鋼タングステンといった弾性係数や硬度の高い金属材料を用いることができる。さらに、挿入体の形状としては、より強度を確保するために、中空でない中実の円柱形状とするのが一般的である。

先行技術

0016

特開2001−66814号公報
特開2004−288784号公報
特開2007−233356号公報

発明が解決しようとする課題

0017

被加工物である円筒状の電子写真感光体の内部に挿入体を挿通させ、該挿入体の両端部に力を加え、上記のように支持された型部材の表面(凹凸形状の面)に電子写真感光体の表面を押し付ける方法について述べる。この方法では、円筒状電子写真感光体の内部に挿通させる挿入体に、上記のような強固な金属材料を用い、かつ形状を円柱形状とすれば、円筒状電子写真感光体に対して安定した圧力を加えることができる。

0018

ここで、大量生産として多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工する際の、上記圧力の設定方法について述べる。この圧力は、最終的には円筒状電子写真感光体の表面と型部材の表面(凹凸形状の面)を押し付けるための強さであるから、実際の加工に際しては、円筒状電子写真感光体の内部に挿入する挿入体と型部材を距離的に互いに近づけることになる。したがって、連続加工に先立って距離的な条件設定が行われる。すなわち、円筒状電子写真感光体の内部に挿入体を挿入し、円筒状電子写真感光体の表面を型部材の表面(凹凸形状の面)に当接させた状態で、円筒状電子写真感光体の表面に転写される型部材の深さが所望の数値になるように型部材と挿入体の距離を調整する。こうしてあらかじめ挿入体と型部材の加圧時における適正な距離を求め、加工装置に設定しておき、連続加工を行うこととなる。

0019

一方、大量生産として多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工する際には、個々の円筒状基体の肉厚のばらつきなどによって、個々の円筒状電子写真感光体に加えられる圧力のばらつきを生じることがある。例えば、肉厚が他の円筒状基体よりも厚い円筒状基体を有する円筒状電子写真感光体を加工する際には圧力が高くなり、その結果として円筒状電子写真感光体の表面に形成される凸凹形状の深さがより深くなることがある。こうした個々の円筒状基体の肉厚のばらつきなどに影響されて、個々の円筒状電子写真感光体の表面への型部材の表面形状(凹凸形状)の転写度合いにばらつきを生じる可能性がある。より詳しく述べれば、多数本の加工を連続的に行った場合に、円筒状電子写真感光体の表面に形成された凸凹形状の深さに、個体ごとのばらつきを生じる可能性があるという課題が存在する。

0020

これに対して、従来技術である挿入体を用いる方法を適用して加工を行った場合について述べる。このような連続加工において生じる、再現性の期待できない個々の円筒状基体の肉厚のばらつきに対応するためには、挿入体に一定の柔軟性を備えさせることが有効である。そして、円柱形状である挿入体をどの程度柔軟に(あるいは強固に)構成するかは、主にその材料の選択によって設定される。ここで考慮すべきは、弾性係数や硬度といった特性である。これらの特性をより低く設定する方向で材料を選択して用いることは、挿入体が個々の円筒状基体の肉厚のばらつきを吸収しやすい性質を得ることにつながる。

0021

しかしながら、上述したように挿入体の圧力を端部に集中させることなく、円筒状電子写真感光体の軸方向に均一に発生させるためには、挿入体はより強固な部材であることも必要である。これについて、挿入体を、個々の円筒状基体の肉厚のばらつきを吸収可能な程度の柔軟性を有する材料を用いて構成した場合は、圧力が挿入体の端部に集中することを抑えられず、円筒状電子写真感光体の軸方向に圧力を均一に発生させることが難しい。一方、挿入体を、圧力が挿入体の端部に集中することなく円筒状電子写真感光体の軸方向に均一に発生させるに十分な強固な材料を用いて構成した場合は、個々の円筒状基体の肉厚のばらつきを吸収することができない。すなわち、従来知られている技術においては、上記の柔軟性と強度を同時に備えることができない。

0022

本発明は、上記の課題を解決すべく検討してなされたものである。本発明の目的は、被加工物である円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成するに際し、多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工しても、個体ごとの凸凹形状のばらつきを少なくすることができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0023

本発明は、円筒状基体および表面層を有する円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法において、
該方法が、
(i)該円筒状基体に挿入体を挿入する工程、および、
(ii)該凸凹形状に対応する表面形状を表面に有する型部材を該表面層の表面に接触させ、該型部材の表面の該表面形状を該表面層の表面に転写する工程
を有し、
該挿入体が、
軸部、
該軸部の径方向の外側に位置する当接部、および、
該軸部および該当接部を繋ぐ繋部
を有し、
該当接部が、
該挿入体を該円筒状基体に挿入したときに該円筒状基体の内周面に接触する外周面、および、
該当接部の軸方向両端部において該軸部の外周面と隙間を介して対向する内周面
を有し、
該工程(ii)が、さらに、
(a)該軸部の外周面および該当接部の内周面が互いに接触することなく前記隙間を維持しつつ、該当接部の外周面が該円筒状基体の内周面に対して押し付けられるように、該軸部の軸方向両端部に力を加え、該表面層の表面を該型部材の表面に圧接させる工程、または、
(b)該軸部の軸方向両端部を支持し、かつ、
該軸部の外周面および該当接部の内周面が互いに接触することなく前記隙間を維持しつつ、該円筒状基体の内周面が該当接部の外周面に対して押し付けられるように、該型部材に力を加え、該型部材の表面を該表面層の表面に圧接させる工程
を有することを特徴とする、円筒状電子写真感光体の表面に凸凹形状を形成する方法である。

0024

また、本発明は、上記方法により円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成することによって、表面層の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を製造する方法である。

発明の効果

0025

本発明によれば、被加工物である円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成するに際し、多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工しても、個体ごとの凸凹形状のばらつきを少なくすることができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法の一例を説明するための図である。
本発明の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法の他の一例を説明するための図である。
本発明の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法の他の一例を説明するための図である。
円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する従来の方法を説明するための図である。
実施例で用いた円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法を説明するための図である。
実施例で用いた型部材の表面(凹凸形状の面)の図である。

0027

以下、本発明の円筒状電子写真感光体の表面層の表面(すなわち、円筒状電子写真感光体の表面)に凸凹形状を形成する方法(以下単に「本発明の凸凹形状形成方法」ともいう。)について、図を用いて説明する。

0028

図1(a)および(b)中、挿入体4は円筒状電子写真感光体1の円筒状基体の内部に挿入して用いる部材(器具)である。挿入体4は、軸部7と、軸部7の径方向外側に位置し、挿入体4を円筒状基体に挿入したときに円筒状基体2の内周面に接触する外周面を有する当接部6と、軸部7と当接部6を繋ぐ繋部8とを有する。そして、当接部6は、その軸方向両端部に軸部7の外周面と隙間10を介して対向する内周面を有している。また、繋部8は、当接部6および軸部7の軸方向の略中央に位置している。また、軸部7は、その軸方向両端部に当接部6の内周面と隙間10を介して対向する外周面を有している。

0029

円筒状電子写真感光体1は、円筒状基体2上に少なくとも表面層3が形成されてなるものである。円筒状基体2と表面層3との間には、他の層が1層以上形成されていてもよい。また、上記凸凹形状に対応する表面形状(凹凸形状)を表面に有する型部材5は、その表面(凹凸形状の面)が円筒状電子写真感光体1の表面(被加工面)に向かうように配置される。型部材5は、十分な厚みを有する変形しにくい強固な部材であることが好ましい。あるいは、型部材5がシート状であって比較的変形しやすい部材であれば、型部材5の裏面(凹凸形状の面でない側の面)を平板状の支持部材(不図示)で支持してもよい。この平板状の支持部材は、金属などの変形しにくい強固な部材であることが好ましい。また、ヒーターで型部材5を加熱するようにしてもよい。

0030

なお、本発明においては、軸部7と型部材5とが近づくように、軸部7の軸方向両端部および型部材5の少なくとも一方に、当接部6の外周面と円筒状基体2の内周面とが押し付けられる範囲の力(圧力)が加えられる。この力は、円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)と型部材5の表面(凹凸形状の面)とを互いに押し付けて(圧接させて)、型部材5の表面形状(凹凸形状)を円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)に転写することを目的とする力である。したがって、例えば、型部材5が平板状の支持部材上に支持され、固定されている状態で、この力を軸部7の軸方向両端部に加えてもよいし、逆に、軸部7を固定しておき、型部材5が支持部材上に支持されている状態で、この力を(支持部材を介して)型部材に加えてもよい。また、軸部7と型部材5の双方に力を加えてもよい。この力を軸部7の軸方向両端部や型部材5などのいずれの箇所に加えるかは、本発明の効果に影響を生じさせるものではないため、説明の便宜上、以後の説明においては、主に、型部材5が固定されている状態で、力を軸部7の軸方向両端部に加える場合を例に挙げて行う。なお、図1(a)は、軸部7の軸方向両端部に力が加えられる前の図であり、図1(b)は、軸部7の軸方向両端部に力が加えられたときの図である。図1(b)では、軸部7が撓んでいる。

0031

当接部6には、軸方向の繋部8の端部に対応する位置から当接部6の端部までの部分として、上記のように軸部7の軸方向両端部に力が加えられた状態でも軸部7と接することがない、非当接部分が存在する。この部分は当接部6の一部であり、繋部8の位置と長さによって位置が特定される部分である。以下、この当接部6の軸方向の繋部8の端部に対応する位置から当接部6の端部までの部分を、説明の便宜上、部分9ともいう。

0032

まず、挿入体4において、上記力が軸方向両端部に加えられた軸部7が、その力を繋部8に伝達する。次に、繋部8に伝達された力は、当接部6の部分9に分散されて伝達される。これにより、軸部7の軸方向両端部に加えられた力は、当接部6の全体に均一に伝達されることになる。また、軸部7の軸方向両端部に力が加えられた際、部分9は軸部7と接触しないので、軸部7の軸方向両端部に力が加えられている間、部分9と軸部7との間には隙間10が維持される。ここで、軸部7の外径寸法は、軸部7の軸方向両端部に力を加えられる際に、軸部7の外周面と当接部6の部分9の内周面とが接触しないように設定される。

0033

多数本の円筒状電子写真感光体を連続的に加工する際、個々の円筒状電子写真感光体の円筒状基体の肉厚のばらつきが加工結果に影響しないようにするための要件は、次の2点である。
点目の要件は、挿入体が個々の円筒状基体の肉厚のばらつきを吸収しながら加える圧力を円筒状電子写真感光体に伝達することであり、挿入体にはある程度の柔軟性が求められるという点である。
2点目の要件は、加える圧力を円筒状電子写真感光体の軸方向において均一に保つことである。

0034

まず、1点目の要件について述べる。
本発明の凸凹形状形成方法では、挿入体4に隙間10が設けられているので、軸部7が弾性的に屈曲することが可能である。軸部7が弾性的に屈曲することによって、挿入体4は、個々の円筒状電子写真感光体1の円筒状基体2の肉厚のばらつきを許容した状態で、円筒状電子写真感光体1に対して圧力を加えることができる。例えば、多数本の円筒状電子写真感光体を加工する中で、円筒状基体の肉厚が、所定のものよりも厚い円筒状電子写真感光体を加工するときには、軸部7がそれに応じた屈曲をすることにより、圧力がより高くなることを抑える。

0035

次に、2点目の要件について述べる。
本発明の凸凹形状形成方法で用いられる挿入体4は、当接部6と軸部7の間に隙間10を有しているため、軸部7の軸方向両端部に加えられた力が当接部6に伝達されるのは、当接部6の端部ではなく、繋部8の位置となる。より詳しくは、繋部8のうち、軸方向の最も当接部6の端部に近い位置である。そして、この力が伝達される位置から、少なくとも円筒状電子写真感光体1の軸方向における表面層3の塗布領域の端部に対応する位置までには、部分9が存在している。部分9は、隙間10によって軸部7からの力の伝達を直接は受けないから、上記位置に伝達された軸部7からの力を、効果的に分散させることができる。これによって、本発明の凸凹形状形成方法で用いられる当接部6は、円筒状電子写真感光体1に加える圧力の特定の部位への集中を緩和させることができる。

0036

また、隙間10は、軸部7の弾性的な屈曲を可能にすることを目的としているので、必ずしも空間である必要はない。例えば、樹脂やゴムやスポンジといった、軸部7および当接部6の材料よりも弾性係数や硬度が十分に小さい部材を隙間10に配置しても、軸部7の弾性的な屈曲が可能であれば、本発明の効果を得ることができる。軸部7および当接部6の材料よりも弾性係数や硬度が十分に小さい部材を隙間10に配置することは、不要なゴミなどの侵入を抑えるなどの効果が期待できる。さらに、軸部7の弾性的な屈曲を可能にする目的から、隙間10の当接部6における軸方向の距離や径方向の寸法は、上記力の強弱などから効果を維持できる範囲において適宜設定されるものである。したがって、隙間10は、当接部6の軸方向の長さに対して極めて小さい形状(例えば、1%に満たないような形状などは、隙間10には該当しない。

0037

また、本発明においては、当接部の軸方向における円筒状電子写真感光体の表面層塗布領域に相当する長さをLとしたとき、当接部の軸方向繋部の端部に対応する位置から円筒状電子写真感光体の表面層塗布領域の端部に対応する位置までの長さLsが、下記(数式1)の関係にあることが好ましい。
0.20L ≦ Ls ≦ 0.49L ・・・・ (数式1)

0038

図1(a)を例に挙げれば、Lsは、当接部6の繋部8の端部に対応する位置から表面層3の塗布領域の端部に対応する位置までの長さであり、Ls区間11である。なお、以後の説明および数式内で用いるLおよびLsの単位は[mm]である。Lsを上記(数式1)のような範囲に設定することで、軸部7を弾性的に屈曲させて個々の円筒状基体2の肉厚のばらつきによる加圧力変動を緩和させる効果を、より高く得ることができる。

0039

ここで、Lsの設定範囲について述べる。
上記のように、軸部7を弾性的に屈曲させて個々の円筒状基体2の肉厚のばらつきを吸収するという点においては、繋部8の軸方向の長さは、より短いほうが柔軟に軸部材7を屈曲させやすい。それは、当接部6において、Lsがより長ければ、軸部7がより弾性的に屈曲することができるという理由による。したがって、Lsは長ければ長いほど高い効果が得られる。これについて本発明者らは、実験によって、Lsが0.20L〜0.49Lの範囲で、その効果を確認した。

0040

また、本発明においては、当接部の外周面と円筒状基体の内周面とが押し付けられる範囲の力をM[N]とし、当接部の材料の縦弾性係数をE[N/mm2]とし、当接部材の軸方向繋部の端部に対応する位置から円筒状電子写真感光体の表面層塗布領域の端部に対応する位置までの当接部の断面二次モーメントIs[mm4]としたとき、下記(数式3)で定義されるFs[mm]が下記(数式2)を満たすことが好ましい。
3.9×10−4 ≦ Fs ≦ 3.1×10−1 ・・・・ (数式2)
Fs = M・Ls3 / 3・E・Is ・・・・ (数式3)

0041

上記力M[N]は、軸部7と型部材5とが近づくように、軸部7の軸方向両端部および型部材5の少なくとも一方に、当接部6の外周面と円筒状基体2の内周面とが押し付けられる範囲の力として加えられる。また、上記縦弾性係数は、材料に加えられる力とその作用方向に生じる縦歪みとの比例定数であり、この比例定数は、材料ごとに一定の値を示すものである。上記(数式3)において、材料は当接部6の材料であり、力は軸部7より伝達される上記力M[N]であり、作用方向は当接部6の円筒軸に直交する方向である。また、上記断面二次モーメントは、上記作用方向における断面形状によって変化して上記の縦歪みに抗する度合いを示し、部材の材料によっては変化しないものである。

0042

下記(数式4)は、上記(数式3)における平均断面二次モーメントIs[mm4]の算出式であり、例えば、図1(a)の場合は、Ls区間11を算出対象位置とする。Ls区間11とは、上述したように、当接部6について繋部8の端部に対応する位置から円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部に対応する位置までを意味し、距離Ls[mm]を有する。
Is=π(d14−ds24)/64 ・・・・ (数式4)
上記(数式4)におけるd1[mm]は、算出対象位置の外径寸法であり、ds2[mm]は、Ls区間11の最小内径寸法である。

0043

上記(数式3)のLs区間11における上記力によって算出されるFs[mm]の算出式は、空間中で自由に変形可能な真直梁の撓み量を求めるための公知の一般式であり、算出される数値は、本来は距離[mm]となる。しかしながら、本発明は、円筒状電子写真感光体1の表面層3に型部材5を押し付けることを対象とした方法であるから、実際の加工中において、当接部6にこの算出結果に相当する距離が生じることはない。そして、Fs[mm]が意味するのは、次の2つの位置における、当接部6が円筒状基体2の内周面を型部材5に向けて押すように発生する圧力の差である。

0044

1つ目の位置は、当接部6の軸方向の繋部8の端部に相当する位置のうち、最も当接部6の端部に近い位置である。この位置は、上記のように、軸部7の軸方向両端部に加えられた力が当接部6に伝達される部分である。2つ目の位置は、当接部6の、円筒状電子写真感光体1の軸方向における表面層3の塗布領域の端部に対応する位置である。そして、軸部7の軸方向両端部に加えられた力は、当接部6において上記1つ目の位置に伝達された後に、上記2つ目の位置に向けて、撓みを生じながら分散されて伝達されることとなる。したがって、部分9において当接部6が円筒状基体2の内周面を型部材5に向けて押すように発生する圧力の分布は、上記1つ目の位置が最も強く、上記2つ目の位置が最も弱いという分布を持った範囲となる。そして、この圧力の分布の幅が、Ls区間11における上記力によって算出されるFs[mm]の数値に相当し、部分9における上記圧力の最も強い部分と最も弱い部分の差を示すこととなる。

0045

ここで、数式2のFs[mm]の設定範囲について述べる。
上記のように、Fs[mm]は、部分9における上記圧力の最も強い部分と最も弱い部分の差を示すから、この範囲は、狭いことが、円筒状電子写真感光体の表面層の表面に形成される凸凹形状の深さの均一性を高くするという点で好ましい。凸凹形状の深さの高い均一性が確保されれば、軸部7をより弾性的に屈曲させることができるようになる。本発明者らは、この点に着目して実験を行い、当接部6の部分9の設定において、上記(数式3)で定義されるFs[mm]が、上記(数式2)を満たすようにすることで、当接部6が円筒状電子写真感光体1に加える圧力がより一定に保たれ、凸凹形状の深さの均一性が高くなることを確認した。

0046

このように、円筒状電子写真感光体の表面層の表面に形成される凸凹形状の深さの一定性は、Fs[mm]の数値によって決定される。したがって、当接部6の部分9の断面形状や材質、力M[N]が違うような複数の加工を行っても、それらのFs[mm]が同等であれば、円筒状電子写真感光体の表面層の表面に形成される凸凹形状の深さの一定性は同等に得ることができる。このことから、内径寸法が違う複数の円筒状電子写真感光体を加工するために、これらに適合した複数の外径寸法を有する挿入体や力M[N]を設定して加工しても、Fs[mm]がすべて同じになるように設定して行えば、同一の一定性を得ることができる。

0047

加えて、円筒状電子写真感光体に用いる円筒状基体の肉厚の違い(ばらつき)による影響について、外径寸法が30mmのアルミニウム製円筒状基体を例として述べる。一般的に用いられる外径寸法が30mmのアルミニウム製円筒状基体は、肉厚が0.75mmのものと1.0mmのものとの2種類があり、その肉厚の差分は0.25mmであるので、Fs[mm]に与える影響は非常に小さい。さらに、当接部6の外径寸法は、生産性を考慮して円筒状電子写真感光体の内部(すなわち円筒状基体の内部)への挿入を円滑にするために、円筒状基体の内径寸法よりもわずかに小さく設定する必要がある。これにより、当接部6と円筒状基体がともに力M[N]を受けた際には、ずれを伴って撓むことになる。したがって、強度面では、円筒状基体が当接部6に対して一体的に力を受け止めるように機能することはない。これらのことから、円筒状基体の肉厚の違いによるFs[mm]への影響は非常に小さいと言える。

0048

次に、上記(数式4)におけるds2[mm]について述べる。当接部6が円筒状電子写真感光体1に加える圧力を均一に保つにあたり、当接部6の上記Ls区間11における断面形状がすべての位置で同一であることは必要でない。そして、Ls区間11における当接部6の内径寸法は、繋部8の軸方向端部における当接部6の内径寸法以上であって、かつ、表面層3の塗布領域の端部に対応する位置の内径寸法以下であることが好ましい。

0049

例えば、図2−1(a)に示すように、当接部6のLs区間11の内周形状は、内径寸法が繋部8の端部に対応する位置から表面層3の塗布領域の端部に対応する位置にかけて連続的に拡大するような形状であってもよい。あるいは、図2−1(b)に示すように、複数の段差を設けて段階的に内径寸法が拡大するような形状であってもよい。図2−1の(a)または(b)に示したような当接部6の形状は、隙間10を維持しつつ、上記Fs[mm]をより小さく抑えることが可能であり、加える圧力を一定に保つうえでより好ましい。さらに、上記したようにFs[mm]は、当接部6が円筒状電子写真感光体1に加える圧力を一定に保つにあたり、より小さいほうが好ましい。したがって、当接部6の部分9において軸部7との隙間を維持している場合においては、Ls区間11における当接部6の内径寸法がより小さいことは、それがFs[mm]を低減させる方向に機能するため好ましい。これらのことから、Ls区間11において断面形状が位置ごとに変化するような当接部6を用いる場合には、ds2[mm]はLs区間11における最小値を用いることが好ましい。

0050

なお、繋部8においても、Ls区間11と同様に撓みが生じ、繋部8の中で、位置ごとに上記圧力の分布(強弱の分布)が生じる。しかしながら、この分布の範囲は、Ls区間11が上記(数式1)〜(数式3)をすべて満足して構成されている場合、Ls区間11に生じる圧力の分布の範囲よりも小さくなる。それは、当接部6においてLs区間11が位置する部分9では、その端部が開放されているのに対して、繋部8の端部に対応する位置は、部分9に連続しているために強度を補われていることにより、繋部8の撓み量がLs区間11の撓み量よりも小さくなるからである。したがって、本発明の当接部6において、圧力の分布という点で主に考慮すべきは、Ls区間11である。

0051

本発明の別の態様としての円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法について図1(c)を用いて説明する。挿入体104は、円柱状または円筒状の軸部材107と当接部材106を有する部材であって、円筒状電子写真感光体1に挿入して用いる。軸部材107の外周部には、軸方向の中央部分に外径寸法が当接部材106の内径寸法と略同一である中央部分108と、中央部分108よりも外径寸法が小さい小径部分が設けられている。

0052

そして、図1(c)に示す態様では、軸部材107と型部材5とが近づくように、軸部材107の軸方向両端部および型部材5の少なくとも一方に、当接部材106の外周面と円筒状基体2の内周面とが押し付けられる範囲の力を加える。そして、この力は、円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面と型部材5の表面とを互いに押し付けて、型部材5の表面形状(凹凸形状)を円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面に転写することを目的としている。したがって、例えば型部材5が、固定された前記平板状の支持部材上に支持されている状態で、この力を軸部材107の軸方向両端部に加えてもよいし、逆に、軸部材107を固定しておき、支持部材上に型部材5を支持した状態で、この力を(支持部材を介して)型部材5に加えてもよい。また、軸部材107の軸方向両端部と型部材5の双方に力を加えてもよい。そして、この力を軸部材107の軸方向両端部や型部材5などのいずれの箇所に加えるかは、本発明の効果に影響を生じるものではない。したがって、説明の便宜上、以後に述べる図1(c)に示す態様についての説明は、型部材5が固定支持されている状態で、この力を軸部材107の軸方向両端部に加える場合を例として述べることとする。

0053

当接部材106には、軸方向の中央部分108の端部に対応する位置から当接部材106の端部までの部分として、上記のように軸部材107の軸方向両端部に力が加えられた状態でも軸部材107と接することがない、非当接部分が存在する。この部分は当接部材106の一部であり、中央部分108の位置と長さによって位置が特定される部分である。以下、この当接部材106の軸方向の中央部分108の端部に対応する位置から当接部材106の端部までの部分を、説明の便宜上、部分109ともいう。

0054

挿入体104においては、前記力が軸方向両端部に加えられた軸部材107がその力を軸部材107の中央部分108から当接部材106に分散されて伝達される。これにより、軸部材107の軸方向両端部に加えられた力が当接部材106の全体に伝達されることになる。また、この小径部分は軸部材107の軸方向において中央部分108よりも端部に近い位置に設けられていれば、当接部材106と接しないので、小径部分には当接部材106との間に隙間110を維持している事になる。また、軸部材107の中央部分108の外径寸法が当接部材106の内径寸法に対して略同一であることは、軸部材107を当接部材106に挿通させるために当接部材106の内径寸法に対して軸部材107の中央部分108の外径寸法をわずかに小さくしていることを意味しており、軸部材107の中央部分108の外周面と当接部材106の内周面との間に隙間110は存在しない。ここで、軸部材107の小径部分の外径寸法は、軸部材107の軸方向両端部に力を加えられる際に、軸部材107の小径部分の外周面と当接部材106の内周面とが接触しないように設定される。したがって軸部材107の中央部分108の外径寸法が当接部材106の内径寸法に対して小さい場合であっても、本発明の効果を得ることができる。

0055

なお、図1(c)は、軸部材107の軸方向両端部に力が加えられる前の図であり、図1(d)は、軸部材107の軸方向両端部に力が加えられたときの図である。図1(d)では、軸部材107が撓んでいる。

0056

また、当接部材106と軸部材107が一体で構成されていても、本発明の効果を同様に得る事ができる。すなわち、図1(c)に示す態様では、図1(a)に示す当接部6と同様の機能および効果を当接部材106が有する。また、図1(c)に示す態様では、図1(a)に示す軸部7と同様の機能および効果を軸部材107の小径部分が有する。また、図1(c)に示す態様では、図1(a)に示す繋部8と同様の機能および効果を軸部材107の中央部分108が有する。また、図1(c)に示す態様では、図1(a)に示すLs区間11と同様の機能および効果をLs区間111が有する。

0057

したがって、図1(c)に示す態様の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法は、上述した図1(a)に示す態様と同様に、本発明の効果を有する。

0058

そして、当接部材106が円筒状電子写真感光体1に加える圧力を均一に保つにあたり、当接部材106の上記Ls区間111における断面形状がすべての位置で同一であることは必要でない。そして、Ls区間111における当接部材106の内径寸法は、軸部材107の中央部分108の軸方向端部における当接部材106の内径寸法以上であって、かつ、表面層3の塗布領域の端部に対応する位置の内径寸法以下であることが好ましい。例えば、図2−1(c)に示すように、当接部材106のLs区間111の内周形状は、内径寸法が軸部材107の中央部分108の端部に対応する位置から表面層3塗布領域の端部に対応する位置にかけて連続的に拡大するような形状であってもよい。あるいは、図2−1(d)に示すように、複数の段差を設けて段階的に内径寸法が拡大するような形状であってもよい。

0059

また、中央部分108の外径寸法は、すべて一定である必要はなく、例えば、図2−2(i)に示すように、中央部分108の軸方向の中央寄りの一部に外径寸法が小さな部分を設けても、本発明の効果を得ることができる。このような部分、すなわち、中央部分108の軸方向の両端側の外径寸法が大きい部分に挟まれた部分は、軸部材107の軸方向において、中央部分108よりも当接部材106の軸方向の端部に近い位置にあるわけではないから、図1(c)に示す態様における小径部分には含まれない。
本発明のさらに別の態様としての円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法について図1(e)を用いて説明する。図1(e)中、挿入体204は、円柱状または円筒状の軸部材207と当接部材206を有する部材であって、円筒状電子写真感光体1の内部に挿入して用いる。当接部材206には、当接部材206の軸方向の中央部分に内径寸法が軸部材207の外径寸法と略同一である軸方向中央部分(以下単に「中央部分」ともいう。)208と、中央部分208よりも端部に近い位置に内径寸法が大きい拡大部分209が設けられている。

0060

なお、図1(e)に示す態様においては、軸部材207と型部材5とが近づくように、軸部材207の軸方向両端部および型部材5の少なくとも一方に、当接部材206の外周面と円筒状基体2の内周面とが押し付けられる範囲の力が加えられる。この力は、円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)と型部材5の表面(凹凸形状の面)とを互いに押し付けて、型部材5の表面形状(凹凸形状)を円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)に転写することを目的とする力である。したがって、例えば、型部材5が平板状の支持部材上に支持され、固定されている状態で、この力を軸部材207の軸方向両端部に加えてもよいし、逆に、軸部材207を固定しておき、型部材5が支持部材上に支持されている状態で、この力を(支持部材を介して)型部材5に加えてもよい。また、軸部材207の軸方向両端部と型部材5の双方に力を加えてもよい。この力を軸部材207の軸方向両端部や型部材5などのいずれの箇所に加えるかは、本発明の効果に影響を生じさせるものではないため、説明の便宜上、以後の説明においては、型部材5が固定されている状態で、力を軸部材207の軸方向両端部に加える場合を例に挙げて行う。

0061

まず、挿入体204において、上記力が軸方向両端部に加えられた軸部材207が、その力を当接部材206の中央部分208に伝達する。次に、中央部分208に伝達された力は、拡大部分209に分散されて伝達される。これにより、軸部材207の軸方向両端部に加えられた力は、当接部材206の全体に均一に伝達されることになる。また、軸部材207の軸方向両端部に力が加えられた際、拡大部分209は軸部材207と接触しないので、軸部材207の軸方向両端部に力が加えられている間、拡大部分209と軸部材207との間には隙間210が維持される。中央部分208の内径寸法が軸部材207の外径寸法に対して略同一であるということは、軸部材207を当接部材206に挿通させるために当接部材206の中央部分208の内径寸法に対して軸部材207の外径寸法をわずかに小さくしていることを意味しており、軸部材207の外周面と中央部分208の内周面との間に隙間210は存在しない。ここで、軸部材207の外径寸法は、軸部材207の軸方向両端部に力を加えられる際に、軸部材207の外周面と当接部材206の拡大部分209の内周面とが接触しないように設定される。軸部材207の外径寸法が中央部分208の内径寸法に対して小さい場合であっても、本発明の効果を得ることができる。

0062

なお、図1(e)は、軸部材207の軸方向両端部に力が加えられる前の図であり、図1(f)は、軸部材207の軸方向両端部に力が加えられたときの図である。図1(f)では、軸部材207が撓んでいる。

0063

また、当接部材206と軸部材207が一体で構成されていても、本発明の効果を得ることができる。すなわち、図1(e)に示す態様では、図1(a)に示す当接部6と同様の機能および効果を当接部材206が有する。また、図1(e)に示す態様では、図1(a)に示す軸部7と同様の機能および効果を軸部材207の小径部分209が有する。また、図1(e)に示す態様では、図1(a)に示す繋部8と同様の機能および効果を軸部材207の中央部分208が有する。また、図1(e)に示す態様では、図1(a)に示すLs区間11と同様の機能および効果をLs区間211が有する。

0064

したがって、図1(e)に示す態様の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法は、上述した図1(a)に示す態様と同様に、本発明の効果を有する。

0065

そして、当接部材206が円筒状電子写真感光体1に加える圧力を均一に保つにあたり、当接部材206の上記Ls区間211における断面形状がすべての位置で同一であることは必要でない。そして、Ls区間211における当接部材206の内径寸法は、中央部分208の端部の内径寸法以上であって、かつ、表面層3の塗布領域の端部に相当する位置の内径寸法以下であることが好ましい。例えば、図2−1(e)に示すように、当接部材206のLs区間211の内周形状は、内径寸法が中央部分208の端部から表面層3塗布領域の端部に相当する位置にかけて連続的に拡大するような形状であってもよい。あるいは、図2−1(f)に示すように、複数の段差を設けて段階的に内径寸法が拡大するような形状であってもよい。

0066

また、中央部分208の内径寸法は、すべて一定である必要はなく、例えば、図2−2(j)に示すように、中央部分208の軸方向の中央寄りの一部に内径寸法が大きな部分を設けても、本発明の効果を得ることができる。このような部分、すなわち、中央部分208の軸方向の両端側の内径寸法が小さい部分に挟まれた部分は、中央部分208よりも端部(当接部材206の軸方向の端部)に近い位置にあるわけではないから、図1(e)に示す態様における拡大部分209には含まれない。

0067

本発明のさらに別の態様としての円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法について図1(g)を用いて説明する。図1(g)中、挿入体304は、円柱状または円筒状の軸部材307と当接部材306と繋部材308を有する部材であって、円筒状電子写真感光体1の内部に挿入して用いる。

0068

なお、図1(g)に示す態様においては、軸部材307と型部材5とが近づくように、軸部材307の軸方向両端部および型部材5の少なくとも一方に、当接部材306の外周面と円筒状基体2の内周面とが押し付けられる範囲の力が加えられる。この力は、円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)と型部材5の表面(凹凸形状の面)とを互いに押し付けて、型部材5の表面形状(凹凸形状)を円筒状電子写真感光体1の表面層3の表面(被加工面)に転写することを目的とする力である。したがって、例えば、型部材5が平板状の支持部材上に支持され、固定されている状態で、この力を軸部材307の軸方向両端部に加えてもよいし、逆に、軸部材307を固定しておき、型部材5が支持部材上に支持されている状態で、この力を(支持部材を介して)型部材5に加えてもよい。また、軸部材307の軸方向両端部と型部材5の双方に力を加えてもよい。この力を軸部材307の軸方向両端部や型部材5などのいずれの箇所に加えるかは、本発明の効果に影響を生じさせるものではないため、説明の便宜上、以後の説明においては、型部材5が固定されている状態で、力を軸部材307の軸方向両端部に加える場合を例に挙げて行う。

0069

当接部材306の軸方向略中央に、繋部材308が、軸部材307を挿通した状態で備えられる。繋部材308の内周面は、軸部材307の外周面と当接し、繋部材308の外周面は、当接部材306の内周面と当接する。また、当接部材306には、軸方向の繋部材308の端部に対応する位置から当接部材306の端部までの部分として、上記のように軸部材307の軸方向両端部に力が加えられた状態でも軸部材307と接することがない、非当接部分が存在する。この部分は当接部材306の一部であり、繋部材308の位置と長さによって位置が特定される部分である。以下、この当接部材306の軸方向の繋部材308の端部に対応する位置から当接部材306の端部までの部分を、説明の便宜上、部分309という。

0070

まず、挿入体304において、上記力が軸方向両端部に加えられた軸部材307が、その力を繋部材308に伝達する。次に、繋部材308に伝達された力は、当接部材306の部分309に分散されて伝達される。これにより、軸部材307の軸方向両端部に加えられた力は、当接部材306の全体に均一に伝達されることになる。また、軸部材307の軸方向両端部に力が加えられた際、部分309は軸部材307と接触しないので、軸部材307の軸方向両端部に力が加えられている間、部分309と軸部材307との間には隙間310が維持される。繋部材308の内径寸法が軸部材307の外径寸法に対して略同一であるということは、軸部材307を繋部材308に挿通させるために繋部材308の内径寸法に対して軸部材307の外径寸法をわずかに小さくしていることを意味しており、軸部材307の外周面と繋部材308の内周面との間に隙間310は存在しない。ここで、軸部材307の外径寸法は、軸部材307の軸方向両端部に力を加えられる際に、軸部材307の外周面と当接部材306の部分309の内周面とが接触しないように設定される。軸部材307の外径寸法が繋部材308の内径寸法に対してわずかに小さい場合であっても、本発明の効果を得ることができる。

0071

なお、図1の(g)は、軸部材307の軸方向両端部に力が加えられる前の図であり、図1の(h)は、軸部材307の軸方向両端部に力が加えられたときの図である。図1の(h)では、軸部材307が撓んでいる。

0072

また、当接部材306と軸部材307と繋部材308が一体で構成されていても、本発明の効果を得ることができる。すなわち、図1(g)に示す態様では、図1(a)に示す当接部6と同様の機能および効果を当接部材306が有する。また、図1(g)に示す態様では、図1(a)に示す軸部7と同様の機能および効果を軸部材307が有する。また、図1(g)に示す態様では、図1(a)に示す繋部8と同様の機能および効果を繋部材308が有する。また、図1(g)に示す態様では、図1(a)に示すLs区間11と同様の機能および効果をLs区間311が有する。

0073

したがって、図1(g)に示す態様の円筒状電子写真感光体の表面層の表面に凸凹形状を形成する方法は、上述した図1(a)に示す態様と同様に、本発明の効果を有する。

0074

そして、当接部材306が円筒状電子写真感光体1に加える圧力を均一に保つにあたり、当接部材306の上記Ls区間311における断面形状がすべての位置で同一であることは必要でない。そして、Ls区間311における当接部材306の内径寸法は、繋部材308の外径寸法以上であって、かつ、表面層3の塗布領域の端部に対応する位置の内径寸法以下であることが好ましい。例えば、図2−1(g)に示すように、当接部材306のLs区間311の内周形状は、内径寸法が繋部材308の端部に対応する位置から表面層3塗布領域の端部に対応する位置にかけて連続的に拡大するような形状であってもよい。あるいは、図2−1(h)に示すように、複数の段差を設けて段階的に内径寸法が拡大するような形状であってもよい。

0075

また、繋部材308は1つでなくてもよく、例えば、図2−2(k)に示すように、繋部材308を複数用いて、軸方向の中央寄りの一部に空間部分を保つようにしても、本発明の効果を得ることができる。また、図2−2(l)に示すように、繋部材308の軸方向中央寄りの一部に外径寸法が小さな部分を設けても、本発明の効果を得ることができる。このような部分、すなわち、複数の繋部材308に挟まれた部分や、繋部材308の軸方向の両端側の外径寸法が大きい部分に挟まれた部分は、繋部材308よりも端部(当接部材306の軸方向の端部)に近い位置にあるわけではないから、図1(g)に示す態様における部分309には含まれない。

0076

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。

0077

(円筒状電子写真感光体の製造)
外径30.5mm、長さ370.0mm、肉厚1mmのアルミニウム合金(A6063)製のシリンダーを円筒状基体とした。
次に、酸化スズ被覆層を有する硫酸バリウム粒子商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ1−プロパノール50部、および、メタノール50部をボールミルに入れて20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用分散液を円筒状基体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間140℃で熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。

0078

次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部、および、メトキシメチル化6ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部およびn−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層(中間層)用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.45μmの下引き層(中間層)を形成した。

0079

次に、CuKα特性X線回折ブラック角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有する結晶形ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、



ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れて4時間分散処理した後、これに酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。

0080

次に、下記構造式(2)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))70部、



および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)100部を、モノクロロベンゼン600部およびメチラール200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。なお、この浸漬塗布に際して、円筒状基体に対する塗布上端未塗布幅を1.5mmとした。また、浸漬塗布後、塗膜乾燥前に塗布下端フッ素ゴムブレードで円筒状基体端から1.5mmの幅で剥離した。

0081

次に、潤滑剤用分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.5部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)30部および1−プロパノール30部の混合溶剤に溶解させた後、これに潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)10部を加え、これらを高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)に入れ、600kgf/cm2の圧力で4回の分散処理を施した。これをポリフロンフィルター(商品名PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過することによって、潤滑剤分散液を得た。その後、得られた潤滑剤分散液に下記構造式(3)で示される化合物(正孔輸送性化合物)90部、



1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン60部および1−プロパノール60部を加え、これをポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)で濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。

0082

この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布した。なお、この浸漬塗布に際して、円筒状基体に対する塗布上端未塗布幅を1.5mmとした。また、浸漬塗布後、塗膜乾燥前に塗布下端をフッ素ゴムブレードで円筒状基体端から1.5mmの幅で剥離した。

0083

その後、得られた塗膜を、大気中において、10分間50℃で乾燥させた。その後、窒素中において、加速電圧150kV、ビーム電流3.0mAの条件で円筒状基体を200rpmで回転させながら1.6秒間塗膜に電子線を照射し、引き続いて窒素中において塗膜の温度を25℃から125℃まで30秒かけて昇温させながら塗膜の硬化反応を行った。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。また、電子線照射および加熱硬化反応雰囲気酸素濃度は15ppm以下であった。その後、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した。その後、大気中において、塗膜を30分間100℃で加熱処理することによって、膜厚が5μmの保護層を形成した。

0084

このようにして、表面層が保護層である円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。

0085

以上の方法で、合計1000本の円筒状電子写真感光体を製造した。

0086

(実施例1)
このようにして得られた円筒状電子写真感光体に、図1(a)に示すような、挿入体を挿入した。挿入に際しては、円筒状電子写真感光体1の軸方向中心位置と当接部6の軸方向中心位置が合致するように挿入した。挿入体の材料は、縦弾性係数Eが100×103N/mm2の鋳鉄を用いた。また、当接部6の軸方向の長さは372.0mm、外径寸法はφ28.3mmとした。軸部7の外径寸法は10.0mm、全長は440mmとした。当接部6の部分9の内周面の内径寸法はφ26.3mmとした。軸部7の繋部8の軸方向の端部から、円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部までの距離であるLsは、36.7mmとした。なお、当接部6のLs区間111の断面二次モーメントIsは算出上8.0×103mm4であった。

0087

図4に示す支持部材13は、枠体材質をSUS304製とし、内部に加熱用のヒーターを設置し、上面が略水平になるように設置した。型部材5は図5の(A)、(B)および(C)に示したような円柱形状を有する厚さ50μmのニッケル材質のモールドを使用し、円柱の直径Yは5μm、高さZは2μm、ピッチXは7.5μmとした。この型部材5を支持部材13の上面に固定した。この状態でヒーターを昇温させ、型部材5の表面が120℃になるようにした。

0088

当接部6を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、軸部7の両端部分に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部7は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。連結支持部材と軸部7の端部は球形ジョイントで連結した。なお、球形ジョイントと連結支持部材はロードセルを介して連結させるようにし、軸部7を型部材5に押し付ける荷重量モニターできるようにした。

0089

加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで軸部7を型部材5の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。
同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部7の外周面が当接部6の内周面に接することはなかった。

0090

(実施例2)
実施例1で用いたのと同一な挿入体を用い、その当接部6を型部材5に近づけるに際し、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために図4に示すような装置構造を用いた以外について、すべて実施例1と同様にして円筒状電子写真感光体1の表面の全域に型部材5の凸凹形状を転写形成した。
実施例10では、当接部6を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、支持部材13に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールとボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部7は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。フレームと軸部7の端部は球形ジョイントで連結した。なお、支持部材13とフレームはロードセルを介して連結させるようにし、型部材5を軸部7に押し付ける荷重量をモニターできるようにした。
加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで型部材5を軸部7の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4の右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。
同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部7の外周面が当接部6の内周面に接することはなかった。

0091

(実施例101)
実施例1と同様にして得られた円筒状電子写真感光体に、図1(c)に示すような、中央部分108と、小径部分を有する円柱形状の軸部材107、およびその軸部材107に挿通される円筒形状の当接部材106からなる挿入体104を挿入した。挿入に際しては、円筒状電子写真感光体1の軸方向中心位置と当接部材106の軸方向中心位置が合致するように挿入した。当接部材106の材料は、縦弾性係数Eが100×103N/mm2の鋳鉄を用い、軸部材107の材料は、縦弾性係数が540×103N/mm2の焼結鋼材を用いてそれぞれ作製した。また、当接部材106の軸方向の長さは372.0mm、外径寸法はφ28.3mmとした。軸部材107の、中央部分108の外径寸法はφ26.2mm、小径部分の外径寸法は10.0mm、全長は440mmとした。当接部材106の内径寸法はφ26.3mmとした。軸部材107の中央部分108の軸方向の端部から、円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部までの距離であるLsは、36.7mmとした。なお、当接部材106のLs区間111の断面二次モーメントIsは算出上8.0×103mm4であった。

0092

図4に示す支持部材13は、枠体材質をSUS304製とし、内部に加熱用のヒーターを設置し、上面が略水平になるように設置した。型部材5は図5の(A)、(B)および(C)に示したような円柱形状を有する厚さ50μmのニッケル材質のモールドを使用し、円柱の直径Yは5μm、高さZは2μm、ピッチXは7.5μmとした。この型部材5を支持部材13の上面に固定した。この状態でヒーターを昇温させ、型部材5の表面が120℃になるようにした。

0093

当接部材106を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、軸部材107の両端部分に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールとボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部材107は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。連結支持部材と軸部材107の端部は球形ジョイントで連結した。なお、球形ジョイントと連結支持部材はロードセルを介して連結させるようにし、軸部材107を型部材5に押し付ける荷重量をモニターできるようにした。

0094

加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで軸部材107を型部材5の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4の右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。

0095

同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材107の小径部分が当接部材106の内周面に接することはなかった。

0096

なお、表1に記載のLsは、軸部材107の中央部分108の軸方向の端部から、円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部までの距離を示す。また、軸径は、軸部材小径部分の外径寸法を示す。また、内径は、当接部材106の内径寸法を示す。また、Isは、当接部材106のLs区間111における断面二次モーメントを、Mは加工時の前記ロードセルのモニター値を、Eは当接部材106の材料の縦弾性係数を、FsはLs区間111における前記圧力の差を、それぞれ意味する。なお、表1に示す縦弾性係数Eが100×103N/mm2と記載されているものは、当接部材106の材料として鋳鉄を用いたことを意味する。同じく縦弾性係数Eが204×103N/mm2と記載されているものは、当接部材106の材料としてSUS440を用いたことを意味する。同じく縦弾性係数Eが540×103N/mm2と記載されているものは、当接部材106の材料として焼結鋼材を用いたことを意味する。

0097

(実施例102〜142)
実施例101と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。
次に、表1に示す条件を採用した以外は、実施例101と同様の条件で、各例1000本の円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。なお軸部材107の小径部分の外径寸法については、加工時に軸部材107を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表1のMの値になる時点で、当接部材106の端部と軸部材107の間に隙間を維持できるように調製して軸部材107を用いた。また、軸部材107の材料については、すべて実施例101と同一の物を用いた。

0098

(実施例143〜151)
円筒状基体として、外径24.0mm、長さ263.0mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金(A6063)製のシリンダーを使用した以外は、実施例101と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。

0099

次に、表1に示す条件を採用し、かつ、外径寸法が直径22.3mm、長さが265.0mmである当接部材106を用いた。

0100

なお軸部材107の小径部分の外径寸法については、加工時に軸部材107を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表1のMの値になる時点で、当接部材106の端部と軸部材107の間に隙間を維持できるように調製して軸部材107を用いた。また、軸部材107の材料については、すべて実施例101と同一の物を用いた。それ以外は、実施例101と同様の条件で、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。

0101

なお、実施例101〜151で使用した挿入体は、実施例1で使用した挿入体に比べ、複数の部材からなる構成としているため、製作するにあたり、実施例1で使用した挿入体よりも低い製作負荷で製作することができた。

0102

(評価)
実施例101〜151で得られた、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体)に対して、軸方向中央部の位置の1箇所と、両端部から中央に向けて各20mm位置の2箇所の合計3箇所について凸凹形状を確認した。評価としては、まず、3箇所それぞれについて100μm四方エリアにおけるすべての凹部の深さを測定し、その3箇所ごとに平均値を求めた。こうして求めた合計3000(1000本×3箇所/本)の平均値についてさらに平均値を求め、これを総平均値とした。次に、加工した1000本の円筒状電子写真感光体の3箇所の各平均値について、1箇所でも総平均値から10%以上浅いかあるいは総平均値から10%以上深い箇所を含む円筒状電子写真感光体をNGと評価し、各例におけるNGとなった円筒状電子写真感光体の本数(NG数)を求めた。

0103

0104

(実施例152)
実施例101で用いたのと同一な挿入体104を用い、その当接部材106を型部材5に近づけるに際し、図4に示すような円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために用いた装置構造以外について、すべて実施例101と同様にして円筒状電子写真感光体1の表面の全域に型部材5の凸凹形状を転写形成した。
実施例152では、当接部材106を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、支持部材13に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールとボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部材107は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。フレームと軸部材107の端部は球形ジョイントで連結した。なお、支持部材13とフレームはロードセルを介して連結させるようにし、型部材5を軸部材107に押し付ける荷重量をモニターできるようにした。
加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで型部材5を軸部材107の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4図示右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。
同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材107の外周面が当接部材106の内周面に接することはなかった。

0105

(実施例201)
実施例101と同様にして1000本の円筒状電子写真感光体を製造した。その円筒状電子写真感光体の内部に、図1(e)に示すような、中央部分208と拡大部分209とを有する円筒状の当接部材206、および、その当接部材206を挿通する円柱状の軸部材207からなる挿入体204を挿入した。挿入に際しては、円筒状電子写真感光体1の軸方向中心位置と当接部材206の軸方向中心位置が合致するように挿入した。当接部材206の材料には、縦弾性係数Eが100×103N/mm2の鋳鉄を用いた。軸部材207の材料には、縦弾性係数が540×103N/mm2の焼結鋼材を用いた。また、当接部材206の軸方向の長さは372.0mm、外径寸法は直径28.3mmとした。また、当接部材206の中央部分208の内径寸法は直径10.0mm、拡大部分209の内径寸法は直径26.3mmとした。また、中央部分208の軸方向の端部から、円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部までの距離であるLs区間211は、36.7mmとした。なお、当接部材206のLs区間211の断面二次モーメントIsは、計算上8.0×103mm4であった。軸部材207の外径寸法は直径9.98mm、長さは440mmとした。

0106

それ以外はすべて実施例101と同様にして、製造した1000本の円筒状電子写真感光体のすべてを1本ずつ順次加工していき、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を合計1000本製造した。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。なお、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材が当設部材の拡大部分および端部に接することはなかった。

0107

(実施例202〜242)
実施例201と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。
次に、表2に示す条件を採用した以外は、実施例201と同様の条件で、各例1000本の円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。なお、軸部材207の外径寸法については、加工時に軸部材207を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表2のMの値になる時点で、当接部材206の端部と軸部材207の間に隙間を維持できるように調整して用いた。また、軸部材207の材料については、すべて実施例201と同じものを用いた。

0108

(実施例243〜251)
円筒状基体として、外径24.0mm、長さ263.0mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金(A6063)製のシリンダーを使用した以外は、実施例1と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。

0109

次に、表2に示す条件を採用し、かつ、外径寸法が直径22.3mm、長さが265.0mmである当接部材206を用いた。なお軸部材207の外径寸法については、加工時に軸部材207を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表2のMの値になる時点で、当接部材206の端部と軸部材207の間に隙間を維持できるように調製して用いた。また、軸部材207の材料については、すべて実施例201と同一の物を用いた。それ以外は、実施例201と同様の条件で、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。

0110

(評価)
実施例201〜251で得られた、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体)に対して、実施例101と同様に評価した。その結果を表2に示す。

0111

なお、実施例201〜251で使用した挿入体は、実施例1で使用した挿入体に比べ、複数の部材からなる構成としているため、製作するにあたり、実施例1で使用した挿入体よりも低い製作負荷で製作することができた。

0112

0113

(実施例252)
実施例201で用いたのと同一な挿入体204を用い、その当接部材206を型部材5に近づけるに際し、図4に示すような円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために用いた装置構造以外について、すべて実施例201と同様にして円筒状電子写真感光体1の表面の全域に型部材5の凸凹形状を転写形成した。
実施例252では、当接部材206を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、支持部材13に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールとボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部材207は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。フレームと軸部材207の端部は球形ジョイントで連結した。なお、支持部材13とフレームはロードセルを介して連結させるようにし、型部材5を軸部材207に押し付ける荷重量をモニターできるようにした。
加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで型部材5を軸部材207の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4の図示右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。
同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材207の外周面が当接部材206の内周面に接することはなかった。

0114

(実施例301)
実施例101と同様にして1000本の円筒状電子写真感光体を製造した。その円筒状電子写真感光体の内部に、図1(g)に示すような、円筒状の当接部材306、繋部材308、および、その繋部材308を挿通する円柱状の軸部材307からなる挿入体304を挿入した。挿入に際しては、円筒状電子写真感光体1の軸方向中心位置と当接部材306の軸方向中心位置が合致するように挿入した。当接部材306の材料には、縦弾性係数Eが100×103N/mm2の鋳鉄を用いた。繋部材308の材料には、ポリエーテルエーテルケトンを用いた。軸部材307の材料には、縦弾性係数が540×103N/mm2の焼結鋼材を用いた。また、当接部材306の軸方向の長さは372.0mm、外径寸法は直径28.3mm、内径寸法は直径26.3mmとした。また、繋部材308の外径寸法は直径26.2mm、内径寸法は直径10.0mmとした。また、当接部材306の繋部材308の軸方向の端部に対応する位置から、円筒状電子写真感光体1の表面層3の塗布領域端部までの距離であるLs区間311は、36.7mmとした。なお、当接部材306のLs区間311の断面二次モーメントIsは、計算上8.0×103mm4であった。軸部材307の外径寸法は直径9.98mm、長さは440mmとした。

0115

それ以外はすべて実施例201と同様にし、製造した1000本の円筒状電子写真感光体のすべてを1本ずつ順次加工していき、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を合計1000本製造した。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。なお、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材が当設部材のLs区間および端部に接することはなかった。

0116

(実施例302〜342)
実施例301と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。

0117

次に、表3に示す条件を採用した以外は、実施例301と同様の条件で、各例1000本の円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。なお、軸部材307の外径寸法については、加工時に軸部材307を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表3のMの値になる時点で、当接部材306の端部と軸部材307の間に隙間を維持できるように調整して用いた。また、軸部材307の材料については、すべて実施例301と同じものを用いた。

0118

(実施例343〜351)
円筒状基体として、外径24.0mm、長さ263.0mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金(A6063)製のシリンダーを使用した以外は、実施例1と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。
次に、表3に示す条件を採用し、かつ、外径寸法が直径22.3mm、長さが265.0mmである当接部材306を用いた以外は、実施例301と同様の条件で、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体の表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。なお、繋部材307の外径寸法および内径寸法については、加工時に軸部材307を型部材5の方向に押し付ける際に、上記ロードセルのモニター値が表3のMの値になる時点で、当接部材306の端部と軸部材307の間に隙間を維持できるように調整して用いた。また、軸部材307の材料については、すべて実施例301と同じものを用いた。

0119

(評価)
実施例301〜351で得られた、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体)に対して、実施例101と同様に評価した。その結果を表3に示す。
なお、実施例301〜351で使用した挿入体は、実施例1で使用した挿入体に比べ、複数の部材からなる構成としているため、製作するにあたり、実施例1で使用した挿入体よりも低い製作負荷で製作することができた。

0120

0121

(実施例352)
実施例301で用いたのと同一な挿入体304を用い、その当接部材306を型部材5に近づけるに際し、図4に示すような円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために用いた装置構造以外について、すべて実施例301と同様にして円筒状電子写真感光体1の表面の全域に型部材5の凸凹形状を転写形成した。
実施例352では、当接部材306を型部材5に近づけて、円筒状電子写真感光体1の表面を型部材5に押し付けるために、支持部材13に、図示しない荷重機構を設置した。荷重機構は、鉛直方向にガイドレールとボールネジを設け、さらにボールネジとガイドレールに連結して上下する連結支持部材を設けた。ボールネジにはステッピングモーターを連結させて回転させ、連結支持部材をガイドレールにならって上下させるようにした。連結支持部材を上下するガイドレールとボールネジ、および軸部材307は、すべて同一のフレームを基準として支持するようにした。フレームと軸部材307の端部は球形ジョイントで連結した。なお、支持部材13とフレームはロードセルを介して連結させるようにし、型部材5を軸部材307に押し付ける荷重量をモニターできるようにした。
加工に際しては、先ずステッピングモーターを回転させてロードセルのモニター値が2000Nになるところまで型部材5を軸部材307の方向に押し付け、このときのステッピングモーターの回転量を記録した。次に、支持部材13を図4の図示右方向から左方向に移動させることによって円筒状電子写真感光体1を図示時計回りに回転させるようにして円筒状電子写真感光体1の外周面に型部材5の加工面を連続的に当接させるようにした。
同様にして、製造した円筒状電子写真感光体をすべて加工し、合計1000本の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を得た。なお、2本目以降の円筒状電子写真感光体の加工におけるステッピングモーターの回転量は、1本目の加工時に記録した回転量と同じとした。そして、すべての円筒状電子写真感光体に対する加工中において、軸部材307の外周面が当接部材306の内周面に接することはなかった。

0122

(比較例1〜6)
実施例101と同様にして、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成される前の円筒状電子写真感光体)を製造した。

0123

次に、表4に示す条件を採用し、かつ、挿入体として図3に示すような挿入体12を用いた以外は、実施例101と同様の条件で、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体に表面加工を行い、表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体を各例1000本ずつ製造した。なお、比較例1〜6で使用した挿入体12の円筒状電子写真感光体1の内部に挿入する部分の外径寸法は、実施例101で用いた当接部材106と同じく直径28.3mmとした。なお、比較例1〜6で使用した挿入体12には、例えば図1(c)における隙間110のような隙間が存在せず、したがって、Ls区間111も存在しないから、表4においてはIsおよびFsの値は示してない。

0124

(評価)
比較例1〜6で得られた、各例1000本ずつの円筒状電子写真感光体(表面層(保護層)の表面に凸凹形状が形成された円筒状電子写真感光体)に対して、実施例101と同様に評価した。その結果を表4に示す。

実施例

0125

0126

1円筒状電子写真感光体
2円筒状基体
3表面層
4挿入体
5型部材
6 当接部
7 軸部
8 繋部
9 当接部6の軸方向の、繋部8の端部に対向する位置から当接部6の端部までの部分
10 隙間
11 Ls区間

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