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技術 発泡性熱可塑性樹脂粒子

出願人 株式会社カネカ
発明者 田村充宏柳生武彦
出願日 2011年7月11日 (9年5ヶ月経過) 出願番号 2011-152950
公開日 2012年9月27日 (8年3ヶ月経過) 公開番号 2012-184393
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード 箱状成形体 蒸気圧範囲 目標倍率 トップピーク 第三燐酸カルシウム 養生乾燥 缶内温度 エアー量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年9月27日)のものです。
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図面 (2)

課題

低温での予備発泡および型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供する。

解決手段

単量体組成が、スチレン95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル1重量%以上5重量%未満である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィーから得られる該カーブトップピークの値が10万〜13万、斜線部分の面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万〜32万、Mwと数平均分子量(Mn)の比が2.7〜3.4であり、かつ、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して易揮発性発泡剤を4〜10重量部、可塑剤を0.2〜2.0重量部、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分を0.3重量%未満とすることにより、上記特性を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。

概要

背景

発泡性熱可塑性樹脂粒子は、比較的安価で、特殊な方法を用いずに蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝断熱の効果が得られるため、社会的に有用な材料である。しかし、近年の環境問題への関心の高まりから、より省エネルギーへの要望が高まっており、予備発泡及び型内成形時の温度を低温にすることで、少ない蒸気使用量発泡可能な樹脂が求められている。

上記発泡成形品は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を蒸気等により加熱、所望の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た後、成形金型充填され再度加熱発泡成形する方法により製造される。しかしながら、発泡時の温度を低温にすると所望の嵩密度まで予備発泡できないばかりか、得られる発泡成形品の見栄えが著しく悪化するという問題があった。特に、食品包装材料分野あるいは医療分野で使用される場合は、樹脂中に残留する単量体成分が0.3%未満であることが望まれるが、可塑性を有する単量体成分を低くすると、低温での発泡・成形性が悪化するという問題があった。

かかる問題に対して、本発明とは別の目的で、特許文献1では、ブタン類を発泡剤とする発泡性スチレン系樹脂を製造するに当たって、スチレンをその17%以下量のそれに共重合する単量体とを重合して得られた樹脂であって、二次転移温度スチレン樹脂より2〜14℃低く且単量体の残留量が0.3%以下であることを特徴とする発泡能に優れた発泡性スチレン系樹脂粒子が提案されている。

また、特許文献2では、水性懸濁体中でスチレン系モノマーアクリル酸エステルモノマーを共重合させるか若しくは、スチレン系モノマーとアクリル酸エステルモノマーをスチレン系ポリマー種粒子の存在下に共重合させてスチレン系ポリマー粒子の発泡性を改良する方法が提案されている。

ところが、特許文献1および2の方法では、二次転移温度を低くすることで発泡力は高くなるが、分子量に関する検討がなされておらず、低温での成形性では満足する効果が得られない。

また、特許文献3では、スチレン系単量体に、アクリル酸ブチル重合体メタクリル酸セチル重合体およびアクリル酸ブチル−メタクリル酸セチル共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種アクリル系樹脂を、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の樹脂成分に対して0.1〜6.0重量%溶解させておくことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提案されている。しかしながら、特許文献3では、初期にアクリル系樹脂をスチレン系単量体に溶解させるために、スチレン−アクリル酸エステルブロック共重合体となるが、スチレン−アクリル酸エステルブロック共重合体は熱的安定性に劣り、特に高発泡化させた際に成形体表面の溶融が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えの点で改善の余地があった。

特許文献4では、スチレン系単量体、ジアリルフタレート並びにアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルを重合させて得られる熱可塑性樹脂の粒子に発泡剤を含浸させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子が提案されている。しかしながら、ジアリルフタレートのような架橋剤を添加し分子量を高くすると、成形性が悪化し成形体表面の見栄えが損なわれるという点で改善の余地があった。

特許文献5では、本発明とは別の発泡方法ではあるが、重量平均分子量が15万〜50万であるスチレン系樹脂粒子を用いて、側鎖を有する炭素数が5以下の脂肪酸炭化水素を主成分とする発泡剤3〜10重量%を含有し、発泡開始温度が50〜70℃、最高発泡温度が80〜110℃である発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法が提案されている。ところが、低温での発泡性を改善するためにアクリル酸ブチルと共重合しているが、スチレン系単量体に対するアクリル酸ブチルの使用量が多いために、成形体表面の溶融が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが著しく悪化する問題がある。

概要

低温での予備発泡および型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供する。単量体組成が、スチレン95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル1重量%以上5重量%未満である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィーから得られる該カーブトップピークの値が10万〜13万、斜線部分の面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万〜32万、Mwと数平均分子量(Mn)の比が2.7〜3.4であり、かつ、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して易揮発性発泡剤を4〜10重量部、可塑剤を0.2〜2.0重量部、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分を0.3重量%未満とすることにより、上記特性を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。

目的

本発明の目的は、低温での予備発泡及び型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

単量体組成が、スチレン系単量体95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上5重量%未満(両者の合計量が100重量%である)である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得られる、GPC曲線上のトップピークでの分子量が10万以上13万未満、前記トップピークよりも高分子量側でトップピークの1/2の高さのGPCカーブ上の点からトップピークに引いた線とGPCカーブに囲まれる領域の面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万以上32万未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.7以上3.4未満であり、かつ、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して、易揮発性発泡剤を4重量部以上10重量部未満、可塑剤を0.2重量部以上2.0重量部未満含有し、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分が0.3重量%未満であることを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項2

アクリル酸エステルアクリル酸ブチルであることを特徴とする、請求項1記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項3

水性媒体中にて懸濁重合法により製造されることを特徴とする、請求項1または2記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子

請求項5

請求項4に記載の熱可塑性予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体

技術分野

0001

本発明は、低温での予備発泡及び型内成形適した発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。

背景技術

0002

発泡性熱可塑性樹脂粒子は、比較的安価で、特殊な方法を用いずに蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝断熱の効果が得られるため、社会的に有用な材料である。しかし、近年の環境問題への関心の高まりから、より省エネルギーへの要望が高まっており、予備発泡及び型内成形時の温度を低温にすることで、少ない蒸気使用量発泡可能な樹脂が求められている。

0003

上記発泡成形品は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を蒸気等により加熱、所望の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た後、成形金型充填され再度加熱発泡成形する方法により製造される。しかしながら、発泡時の温度を低温にすると所望の嵩密度まで予備発泡できないばかりか、得られる発泡成形品の見栄えが著しく悪化するという問題があった。特に、食品包装材料分野あるいは医療分野で使用される場合は、樹脂中に残留する単量体成分が0.3%未満であることが望まれるが、可塑性を有する単量体成分を低くすると、低温での発泡・成形性が悪化するという問題があった。

0004

かかる問題に対して、本発明とは別の目的で、特許文献1では、ブタン類を発泡剤とする発泡性スチレン系樹脂を製造するに当たって、スチレンをその17%以下量のそれに共重合する単量体とを重合して得られた樹脂であって、二次転移温度スチレン樹脂より2〜14℃低く且単量体の残留量が0.3%以下であることを特徴とする発泡能に優れた発泡性スチレン系樹脂粒子が提案されている。

0005

また、特許文献2では、水性懸濁体中でスチレン系モノマーアクリル酸エステルモノマーを共重合させるか若しくは、スチレン系モノマーとアクリル酸エステルモノマーをスチレン系ポリマー種粒子の存在下に共重合させてスチレン系ポリマー粒子の発泡性を改良する方法が提案されている。

0006

ところが、特許文献1および2の方法では、二次転移温度を低くすることで発泡力は高くなるが、分子量に関する検討がなされておらず、低温での成形性では満足する効果が得られない。

0007

また、特許文献3では、スチレン系単量体に、アクリル酸ブチル重合体メタクリル酸セチル重合体およびアクリル酸ブチル−メタクリル酸セチル共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種アクリル系樹脂を、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の樹脂成分に対して0.1〜6.0重量%溶解させておくことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提案されている。しかしながら、特許文献3では、初期にアクリル系樹脂をスチレン系単量体に溶解させるために、スチレン−アクリル酸エステルブロック共重合体となるが、スチレン−アクリル酸エステルブロック共重合体は熱的安定性に劣り、特に高発泡化させた際に成形体表面の溶融が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えの点で改善の余地があった。

0008

特許文献4では、スチレン系単量体、ジアリルフタレート並びにアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルを重合させて得られる熱可塑性樹脂の粒子に発泡剤を含浸させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子が提案されている。しかしながら、ジアリルフタレートのような架橋剤を添加し分子量を高くすると、成形性が悪化し成形体表面の見栄えが損なわれるという点で改善の余地があった。

0009

特許文献5では、本発明とは別の発泡方法ではあるが、重量平均分子量が15万〜50万であるスチレン系樹脂粒子を用いて、側鎖を有する炭素数が5以下の脂肪酸炭化水素を主成分とする発泡剤3〜10重量%を含有し、発泡開始温度が50〜70℃、最高発泡温度が80〜110℃である発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法が提案されている。ところが、低温での発泡性を改善するためにアクリル酸ブチルと共重合しているが、スチレン系単量体に対するアクリル酸ブチルの使用量が多いために、成形体表面の溶融が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが著しく悪化する問題がある。

先行技術

0010

特公昭46−42236号公報
特開平6−322038号公報
特許第1217232号公報
特許第1340620号公報
特開平11−228727号公報

発明が解決しようとする課題

0011

以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、低温での予備発泡及び型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記の問題を解決すべく鋭意検討したところ、発明者らは、単量体組成が、スチレン95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル1重量%以上5重量%未満である(両者の合計量が100重量%である)熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以降、「GPC」と略す。)測定チャートから得られるGPCカーブトップピークの値が10万以上13万未満、前記トップピークよりも高分子量側でトップピークの1/2の高さのGPCカーブ上の点からトップピークに引いた線とGPCカーブに囲まれる面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万以上32万未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.7以上3.4未満であり、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して易揮発性発泡剤を4重量部以上10重量部未満、可塑剤を0.2重量部以上2.0重量部未満含有し、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分を0.3重量%未満とすることにより、上記特性を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子を得られること見出し、本発明に至った。

0013

すなわち、
本発明の第1は、単量体組成が、スチレン系単量体95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上5重量%未満(両者の合計量が100重量%である)である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC測定チャートから得られるGPCカーブのトップピークの値が10万以上13万未満、前記トップピークよりも高分子量側でトップピークの1/2の高さのGPCカーブ上の点からトップピークに引いた線とGPCカーブに囲まれる面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万以上32万未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.7以上3.4未満であり、かつ、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して、易揮発性発泡剤を4重量部以上10重量部未満、可塑剤を0.2重量部以上2.0重量部未満含有し、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分が0.3重量%未満であることを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第2は、アクリル酸エステルがアクリル酸ブチルであることを特徴とする、第1の発明記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第3は、水性媒体中にて懸濁重合法により製造されることを特徴とする、第1または第2の発明記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第4は、第1〜第3のいずれかの発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第5は、第4の発明の熱可塑性予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体に関する。

発明の効果

0014

本発明は、単量体組成が、スチレン系単量体95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上5重量%未満(両者の合計量が100重量%である)熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC測定チャートから得られるGPCカーブのトップピーク値が10万以上13万未満、前記トップピークよりも高分子量側でトップピークの1/2の高さのGPCカーブ上の点からトップピークに引いた線とGPCカーブに囲まれる面積比率が、全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万以上32万未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.7以上3.4未満、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して、易揮発性発泡剤を4重量部以上10重量部未満、可塑剤0.2重量部以上2.0重量部未満含有し、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分が0.3重量%未満であることにより、低温での予備発泡および型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC測定チャートを示す。

0016

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、単量体組成が、スチレン系単量体95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上5重量%未満(両者の合計量が100重量%である)である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒子において、該発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC測定チャートから得られるGPCカーブのトップピークの値が10万以上13万未満、前記トップピークよりも高分子量側でトップピークの1/2の高さのGPCカーブ上の点からトップピークに引いた線とGPCカーブに囲まれる面積比率が全体の面積の5.1%未満、重量平均分子量(Mw)が20万以上32万未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.7以上3.4未満であり、かつ、該発泡性熱可塑性樹脂100重量部に対して、易揮発性発泡剤を4重量部以上10重量部未満、可塑剤を0.2重量部以上2.0重量部未満含有し、該発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分が0.3重量%未満とするにより、低温での予備発泡および型内成形に適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。

0017

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成するスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンパラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0018

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成するアクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、などのアクリル酸アルキルエステルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸セチルなどのメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうちでも、スチレン系単量体と共重合し易く、成形性が良い点から、アクリル酸ブチルが好ましい。

0019

本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成する単量体組成は、仕込み単量体の全重量100重量%に対して単量体組成が、スチレン系単量体95重量%超99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上5重量%未満であり、より好ましくは、スチレン系単量体97重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル1重量%以上3重量%以下である。
単量体組成において、アクリル酸エステル系単量体が5重量%以上となると、特に高発泡化させた際に、成形体の収縮が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが悪化する傾向がある。また、アクリル酸エステル系単量体が1重量%未満となると、低温での発泡が困難となる(目的とする発泡倍率予備発泡粒子を得るために必要な加熱温度融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。

0020

本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子は、ゲルパーミェーションクロマトグラフ測定(以下、「GPC測定」と略す)により得られる、トップピークでの分子量、面積比率、重量平均分子量Mwおよび、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが特定の範囲にあることが必要である。

0021

ここで、GPC測定は、発泡性熱可塑性樹脂粒子0.02gを20mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した測定用溶液10μlをGPCに注入し、流速0.35ml/分の条件にて測定を行い、GPC測定チャート、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を得た。

0022

なお、トップピークTとは、図1に示すように、得られたGPC測定チャート(分子量vs検出強度)のGPC曲線において、検出強度が最も高くなる点である。

0023

また、面積比率とは、得られたGPCチャートから、以下のようにして、算出した値である。
図1に示すように、GPC曲線上の、トップピークTよりも高分子量側で、トップピーク強度の1/2の検出強度である点Hと、トップピークTを結ぶ直線THを引く。直線THおよびGPC曲線で囲まれる領域の面積をAとする。他方、GPC曲線とベースラインに囲まれる領域の面積をBとする。
面積比率(%)=A/B×100の式により、面積比率を算出する。

0024

本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の、GPC曲線でのトップピークの分子量としては、10万以上13万未満が好ましい。
発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC曲線でのトップピークの分子量が10万未満では、発泡成形体とした際の底割強度が低くなる傾向があり、13万を越えると、発泡性が低くなり、成形性が悪化する(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得るために必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。

0025

GPC曲線のトップピークの分子量は、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量および重合温度の組み合わせにより制御することができる。例えば、開始剤の使用量を少なくする、および/または、重合温度を低くすることにより、分子量を大きくできる。

0026

本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子のGPC曲線上での面積比率は、全体の面積の5.1%未満が好ましく、4.5%以下がより好ましい。
該面積比率が5.1%を超えると、発泡性が低くなり、成形性が悪化する傾向がある。

0027

GPC曲線での面積比率は、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量および重合温度の組み合わせにより制御することができる。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることで面積比率を下げることができる。

0028

本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)としては、20万以上32万未満が好ましく、22万以上28万未満がより好ましい。
発泡性スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwが20万未満では、発泡成形体とした際の底割強度が低くなる傾向があり、また、32万を越えると、発泡性が低くなり、成形性が悪化する(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得るために必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。

0029

重量平均分子量Mwは、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより制御する。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることにより、Mwを低くできる。

0030

本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子では、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは、2.7以上3.4未満とすることが好ましく、2.8以上3.2未満とすることがより好ましい。
Mw/Mnが2.7未満であると、表面に溶融した粒子がなく、見栄えの良い成形体を得ることができる成形温度が低くなる傾向があり、3.4よりも大きくなると発泡性が低くなり、成形性が悪化する(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得るために必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。

0031

Mw/Mn比は、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより制御する。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることにより、Mw/Mnを下げることができる。

0032

本発明において用いられる発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンヘキサン等の脂肪族炭化水素シクロブタンシクロペンタンシクロヘキサン等の脂環族炭化水素メチルクロライドジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうちでも、ブタンが、発泡力が良好である点から、好ましい。

0033

本発明における発泡剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、4重量部以上10重量部%未満が好ましく、5重量部以上9重量部未満がより好ましい。
発泡剤の使用量が4重量部未満では、予備発泡時間が長くなると共に、成形時の融着率が低下する傾向があり、製造コストが高くなり、経済的に不利である。発泡剤の使用量が10重量部以上では、成形体が収縮し易くなり、見栄えを損なう傾向がある。

0034

本発明において用いられる可塑剤としては、例えば、ジイソブチルアジペートジオクチルアジペートジブチルセバケートグリセリントリステアレート、グリセリントリカプリレートヤシ油パーム油菜種油などが挙げられる。
これらのうちでも、医療分野あるいは直接食品に接触する包装材料分野向けに使用される場合には、食用油であるのが好ましく、さらには、やし油、パーム油、菜種油がより好ましい。
本発明においては、可塑剤は、熱可塑性樹脂粒子の重合工程、発泡剤を含浸させる工程、等にて添加してもよい。

0035

本発明における可塑剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.2重量部以上2.0重量部未満が好ましく、0.4重量部以上1.6重量部未満がより好ましい。可塑剤の使用量が0.2重量部未満では、二次転移温度が低くならず、低温での予備発泡および成形に不利となる傾向があり、2.0重量部以上では、成形体が収縮し易くなり、見栄えを損なう傾向がある。

0036

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される単量体成分は、0.3重量%未満である。
含有される単量体成分は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡成形体から揮発する傾向があり、特に含有される単量体成分が0.3重量%以上では、医療分野あるいは直接食品に接触する包装材料分野、もしくは自動車建築の部材向けには、好ましくない。

0037

ここで、残存単量体成分量は、発泡性熱可塑性樹脂粒子1.0gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフィーGC)を用いて、以下の条件にて測定した値である。
GC:島津製作所社製 GC−14B
カラム:PEG−20M 25%
Chromosorb W 60/80(3.0m×3.0mmI.D.)
カラム温度:110℃
検出器(FID)温度:170℃

0038

残存単量体成分量は、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより制御する。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることにより、残量単量体成分を下げることができる。

0039

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、水性媒体中にて懸濁重合法により製造されることが好ましい。例えば、塊状重合により製造されたペレットに発泡剤を含浸することによっても得ることができるが、得られる発泡性ス熱可塑性樹脂粒子は、真球とすることが困難であり、予備発泡粒子とした際に金型内への充填性に影響を及ぼす傾向がある。
従って、真球状の樹脂粒子を得ることができ、さらに、重合工程と発泡剤含浸工程を一貫して行い発泡性熱可塑性樹脂粒子が得られるため、工業生産性も良い懸濁重合法により製造することが好ましい。

0040

すなわち、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法としては、スチレン系単量体およびアクリル酸エステル系単量体を懸濁液、重合開始剤およびその他の添加剤の存在下で重合反応を開始し、懸濁重合中に発泡剤を添加するか、または重合後に発泡剤を含浸させる方法が好ましい。

0041

本発明における上記単量体の重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の代表的なものとしては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートラウロイルパーオーキサイド−t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化物があげられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0042

本発明における重合開始剤の使用量は,仕込み単量体の全重量100重量部に対して0.01重量部以上3重量部未満が好ましい。
重合開始剤の使用量が0.01重量部未満では重合速度が遅くなる傾向があり、逆に、3重量部を超えると、重合反応が早く制御が困難になる傾向がある。

0043

本発明において用いられる懸濁剤としては、例えば、ポリビニルアルコールメチルセルロースポリアクリルアミドポリビニルピロリドン等の水溶性高分子第三燐酸カルシウム、ビロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質、等が挙げられる。難溶性無機物質を用いる場合は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のア二オン界面活性剤を併用することにより、懸濁安定効果は増大させることができる。また、水溶性高分子と難溶性無機物質の併用も効果的である。

0044

本発明においては、上記した原料物質以外に、造核剤難燃剤等の発泡性熱可塑性重合体粒子の製造に一般的に使用されている物質を、本発明を阻害しない限りにおいては、併用してもよい。

0045

本発明において用いられる造核剤としては、例えば、メタクリル酸メチル系共重合体ポリエチレンワックスタルク脂肪酸ビスアマイドエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、等が挙げられる。脂肪酸ビスアマイドの具体的例としては、メチレンビスステアリルアマイドエチレンビスステアリルアマイド(以下EBSと略する)、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等である。

0046

本発明において用いられる難燃剤および難燃助剤としては、公知慣用のものが使用できる。
難燃剤の具体例としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカンテトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサン等のハロゲン化脂肪族炭化水素化合物テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノール等の臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、2,2−ビス[4'(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3',5'−ジブロモフェニル]−プロパン等の臭素化フェノール誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
難燃助剤の具体例としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイドジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン等の開始剤を使用してもよい。

0047

本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、これを予備発泡させ、その後、それを加熱発泡させ、発泡成形体とする。

0048

予備発泡方法としては、例えば、円筒形予備発泡装置を用いて、蒸気等で加熱して発泡させる等の、通常の方法を採用することができる。

0049

予備発泡時の加熱温度(缶内温度)は、吹き込み蒸気圧及びエアー量により適宜調整されるものであるが、通常101〜105℃程度であるが、本発明においては、97〜100℃程度の低温においても予備発泡が可能となる。

0050

予備発泡粒子を発泡成形させる方法としては、例えば、金型内に予備発泡粒子を充填し、蒸気等を吹き込んで加熱する方法により発泡成形体を得る等の、通常の方法を採用することができる。

0051

型内成形時の吹き込み蒸気圧としては、通常0.6〜1.0kgf/cm2程度であるが、本発明においては、0.3〜0.8kgf/cm2程度においても成形が可能となる。

0052

型内成形時の金型温度としては、吹き込み蒸気圧により適宜調整されるものであるが、通常113〜115℃程度であるが、本発明においては、109〜115℃程度とより低温においても成形が可能となる。

0053

以上のように、本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、予備発泡時および型内発泡成形時のどちらにおいても、従来よりも低温で実施することが可能であり、より省エネルギーに適した樹脂である。

0054

以下に、実施例および比較例を挙げるが、これによって本発明は制限されるものではない。なお、測定評価法は以下の通りに実施した。

0055

<含有される単量体成分量の定量>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子に含有される単量体成分量は、発泡性熱可塑性樹脂粒子1.0gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定した。
GC:島津製作所社製 GC−14B
カラム:PEG−20M 25%
Chromosorb W 60/80(3.0m×3.0mmI.D.)
カラム温度:110℃
検出器(FID)温度:170℃

0056

<GPC測定>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子に対して、発泡性熱可塑性樹脂粒子0.02gをテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させた後、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(GPC)を用いて、以下の条件にてGPC測定を行い、GPC測定チャートおよび、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を得た。
測定装置:東ソー社製、高速GPC装置 HLC−8220
使用カラム:東ソー社製、SuperHZM−H×2本、SuperH−RC×2本
カラム温度:40℃、移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流量:0.35ml/分、注入量:10μl
検出器:RI
トップピークでの分子量:図1に示すように、得られたGPC測定チャート(分子量vs検出強度)において、GPC曲線上における検出強度が最も高くなる点をトップピークとして、対応する分子量を導き出した。
面積比率計算:図1に示すように、前記トップピークTよりも高分子量側で、トップピーク強度の1/2の高さのGPC曲線上の点Hと、トップピークTとを結ぶ直線THと、GPC曲線とで囲まれる領域の面積Aと、GPC曲線とベースラインに囲まれる面積B(全体の面積)を求めた後、以下の式で算出した。
面積比率(%)=A/B×100

0057

<予備発泡時の缶内温度測定>
円筒形の予備発泡機の側面から温度計を挿入し、予備発泡時の缶内温度を測定した。

0058

<成形性評価
成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、厚み30mmで長さ550mm×幅350mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cm2の範囲内で変化させた成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形品を得た。
得られた熱可塑性樹脂発泡体は、室温で24時間乾燥させた後、下記の発泡粒子間表面性および融着性がどちらも合格になる、最低の吹き込み水蒸気圧吹き込み水蒸気圧を求めて、成形可能な蒸気圧範囲とした。また、最低の吹き込み水蒸気圧および最高の吹き込み水蒸気圧での金型温度を求めた。
(1)融着性評価
得られた熱可塑性樹脂発泡体を破断し、破断面を観察して、粒子界面ではなく、粒子が破断している割合を求めて、以下の基準にて、融着性を判定した。
合格: 粒子破断の割合が80%以上
不合格:粒子破断の割合が80%未満
(2)表面性評価
得られた熱可塑性樹脂発泡体の表面状態目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
合格: 表面の溶融、粒間少なく、美麗
不合格:表面の溶融、粒間があり外観不良<成形体の底割強度測定
得られた箱状成形体の四辺を固定して、箱状成形体の底部中央を、100mmφの筒状の冶具を用いて押圧し、底部が破壊された際の最大荷重を測定した。

0059

(実施例1)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
撹拌機付属の6リットルオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.2重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.3重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.2重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で撹拌しながら、スチレンモノマー99重量部、アクリル酸ブチルモノマー1重量部およびヤシ油1重量%を仕込んだ後、98℃まで昇温させた。引き続き、98℃にて4時間保持して、熱可塑性樹脂粒子を得た。
次いで、発泡剤としてシクロヘキサン2重量部およびブタン6重量部をオートクレーブ中圧入し、再び120℃まで昇温させた。その後、120℃にて2時間保温した後、室温まで冷却して、オートクレーブから重合スラリーを取り出した。取り出した重合スラリーを脱水洗浄、乾燥することにより、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を篩分けして、粒子径0.6mm〜1.2mmとした。篩分けした発泡性スチレン系樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業製、BHP]を用いて、吹き込み蒸気圧0.8kgf/cm2の条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。この際、吹き込み蒸気にはエアー切り込ませて、吹き込み蒸気温度を調節したところ、加圧加熱時間は70秒、缶内温度は98℃であった。その後、常温下で1日放置して、養生乾燥を行った。
次いで、得られた熱可塑性樹脂予備発泡粒子を、成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、厚み30mmで長さ550mm×幅350mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cm2の成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形品を得た。
成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子および発泡成形体を用いて評価を行い、その結果を表1に示す。

0060

(実施例2)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
重合開始時の単量体組成を、スチレンモノマー98重量部およびアクリル酸ブチルモノマー2重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は63秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0061

(実施例3)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
重合開始時の単量体組成を、スチレンモノマー97重量部およびアクリル酸ブチルモノマー3重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は55秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0062

(実施例4)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、発泡剤としてシクロヘキサン2重量部およびブタン3重量部とした以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は120秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0063

(実施例5)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にヤシ油の使用量を1重量部から1.5重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は60秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0064

(実施例6)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を0.2重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は80秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0065

(実施例7)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.2重量部を0.25重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は75秒、缶内温度は98℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0066

(比較例1)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時に単量体組成を、アクリル酸ブチルモノマーを使用せず、スチレンモノマー100重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は97秒、缶内温度は103℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.6〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は113〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0067

(比較例2)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
重合開始時の単量体組成を、スチレンモノマー95重量部およびアクリル酸ブチルモノマー5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は34秒、缶内温度は97℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.4kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜110℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0068

(比較例3)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、発泡剤としてシクロヘキサンを使用せず、ブタンを2重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更したが、目標倍率まで発泡せず、評価不可能であった。

0069

(比較例4)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、発泡剤としてシクロヘキサン3重量部及びブタン9重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は42秒、缶内温度は97℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.4kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜110℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0070

(比較例5)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にヤシ油の使用量を1重量部から使用しないことに変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は80秒、缶内温度は103℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.6〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は113〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0071

(比較例6)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時のヤシ油の使用量を1重量部から2.1重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は38秒、缶内温度は97℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.4kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜110℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0072

(比較例7)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.30重量部を0.35重量部に変更し、98℃での保温時間を4時間から3時間に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子のGPCチャート上でのトップピークの分子量は9万であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は33秒、缶内温度は97℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.6kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜113℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0073

(比較例8)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.30重量部を0.15重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.20重量部を0.25重量部に変更した。また、重合温度を98℃から102℃に変更し、更に102℃で3時間保温した後30分間かけて120℃まで昇温した。引き続き、120℃にて1時間保温して、スチレン系樹脂粒子を得た後、95℃まで冷却し発泡剤としてシクロヘキサン2重量%およびブタン6重量%をオートクレーブ中に圧入し、再び120℃まで昇温させた。その後、120℃にて1時間保温した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子のGPCチャート上でのトップピークでの分子量は13万であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は68秒、缶内温度は103℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.6〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は113〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0074

(比較例9)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.30重量部を0.20重量部に変更し、98℃で3時間30分保温した後30分間かけて120℃まで昇温させた。引き続き、120℃にて1時間保温して、スチレン系樹脂粒子を得た後、95℃まで冷却し発泡剤としてシクロヘキサン2重量部およびブタン6重量部をオートクレーブ中に圧入し、再び120℃まで昇温させた。その後、120℃にて1時間保温した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子のGPCチャートの面積比率は5.1%であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は63秒、缶内温度は103℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.6〜0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は113〜115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0075

(比較例10)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.30重量部を0.35重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子の重量平均分子量が19万であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の加圧加熱時間は31秒、缶内温度は97℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.4kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜110℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0076

(比較例11)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.30重量部を0.20重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子の重量平均分子量が32万であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は110秒、缶内温度は105℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0077

(比較例12)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を0.32重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子のMw/Mnが2.5であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る為に、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は36秒、缶内温度は100℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な蒸気圧範囲は0.3〜0.6kgf/cm2であり、その際の金型温度は109〜113℃であった。その評価結果を、表1に示す。

0078

(比較例13)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、重合開始時にベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を0.2重量部に変更し、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.20重量部を0.15重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子のMw/Mnが3.5であった。
<予備発泡および成形品の製造>
嵩倍率65倍の予備発泡粒子を得る際の、予備発泡時の吹き込み蒸気圧を0.8kgf/cm2から1.0kgf/cm2に変更した結果、加圧加熱時間は112秒、缶内温度は105℃であった。
次いで、実施例1と同様に型内成形を行った際の、成形可能な最低蒸気圧は0.8kgf/cm2であり、その際の金型温度は115℃であった。その評価結果を、表1に示す。

実施例

0079

0080

T GPC曲線上でのトップピーク
H GPC曲線上において、トップピークよりも高分子量側で、検出強度がトップピークの1/2である点
TPとHPを結んだ直線、およびGPC曲線に囲まれる領域

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