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技術 漏電検出装置及びその方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 渡邊恭平中野浩児
出願日 2011年2月18日 (10年6ヶ月経過) 出願番号 2011-033651
公開日 2012年9月10日 (8年11ヶ月経過) 公開番号 2012-173053
状態 拒絶査定
技術分野 短絡、断線、漏洩,誤接続の試験 インバータ装置
主要キーワード 車両用電装品 比較計算 車両乗務員 漏洩検出装置 高電圧系統 漏電箇所 高電圧電力 絶縁低下
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

少ない部品点数により効率的に漏電を検出することのできる漏電検出装置およびその方法を提供することを目的とする。

解決手段

高圧直流電源1のP極とN極との間に第1抵抗11a、第2抵抗11b、および第3抵抗11cを直列に接続し、高圧直流電源1を作動させて電圧印加させてインバータ2の入力電圧を検出するとともに、この状態における第3抵抗11cの両端電圧漏電検出電圧として検出し、検出した漏電検出電圧及びインバータ入力電圧に基づいて高圧直流電源1のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、インバータ2の下アームのいずれか一つをオン状態としたときの漏電検出電圧及びインバータ入力電圧に基づいて3相交流電力伝送路における絶縁劣化を検出する。

概要

背景

高電圧(例えば、150V系統、300V系統、600V系統など)で駆動される車両用電動コンプレッサ車両用インバータ装置は、車両のシャーシに対して絶縁されたバッテリおよび電源回路で構成されている。また、一般的に、車両用電装品は12V系統や24V系統のバッテリで駆動され、そのN極側はシャーシに接続されている。

従来、高電圧電源P極およびN極ならびに車両用インバータに接続されるモータのU,V,W相に生じた絶縁低下を検出する漏電検出装置が提案されている。例えば、特許文献1には、電気自動車電車などに搭載された高圧直流電源と、この高圧直流電源のプラス及びマイナス側の間に直列結線された2つの検出用抵抗と、これらの検出用抵抗の一端をボデーグランド接地するスイッチとを備え、スイッチの切換えにより、検出用抵抗を順次ボデーグランドに接地して、その時の各検出用抵抗に生じる検出電圧を測定して、これらの値を比較計算することにより、漏電の検出及び漏電箇所の推測を行う漏電検出装置が開示されている。

概要

少ない部品点数により効率的に漏電を検出することのできる漏電検出装置およびその方法を提供することを目的とする。高圧直流電源1のP極とN極との間に第1抵抗11a、第2抵抗11b、および第3抵抗11cを直列に接続し、高圧直流電源1を作動させて電圧印加させてインバータ2の入力電圧を検出するとともに、この状態における第3抵抗11cの両端電圧漏電検出電圧として検出し、検出した漏電検出電圧及びインバータ入力電圧に基づいて高圧直流電源1のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、インバータ2の下アームのいずれか一つをオン状態としたときの漏電検出電圧及びインバータ入力電圧に基づいて3相交流電力伝送路における絶縁劣化を検出する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、少ない部品点数により効率的に漏電を検出することのできる漏電検出装置およびその方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

直流電源と、直流電源から供給される直流電力3相交流電力に変換して出力するインバータと、インバータから出力される3相交流電力が供給されるモータとを備えるシステムにおいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化ならびに前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出装置であって、一端が前記直流電源のP極に接続された第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続されるとともにフレームグランドに接続されている第2抵抗と、一端が前記第2抵抗の他端に接続され、他端が前記直流電源のN極に接続された第3抵抗と、前記第3抵抗の両端電圧漏電検出電圧として検出する第1電圧検出手段と、前記インバータ入力電圧を検出する第2電圧検出手段と、処理手段とを備え、前記処理手段は、前記インバータの上アームおよび下アームをオフ状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧を用いて前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、前記インバータの下アームのいずれか一つをオン状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出装置。

請求項2

前記処理手段は、前記直流電源のP極とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係、前記直流電源のN極とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係、および前記3相交流電力の伝送路とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係をそれぞれ示した情報を保有しており、前記情報と前記第1電圧検出手段によって検出された漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧とに基づいて各前記絶縁抵抗の値を求め、求めた前記絶縁抵抗の値に基づいて漏電を検出する請求項1に記載の漏電検出装置。

請求項3

前記処理手段は、前記漏電検出電圧が前記インバータ入力電圧によって決まる第1閾値以上となった場合に、前記直流電源のP極の絶縁劣化を検出し、前記漏電検出電圧が前記インバータ入力電圧によって決まる第2閾値未満となった場合に、前記直流電源のN極または前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する請求項1に記載の漏電検出装置。

請求項4

前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗の少なくともいずれか一つは抵抗値可変とされており、前記処理手段は、前記第1抵抗、前記第2抵抗、および前記第3抵抗のうちの少なくともいずれか一つの抵抗を変更させ、前記第1電圧検出手段は、分圧比が異なる前記第1抵抗、前記第2抵抗、および前記第3抵抗の組合せにおいて、前記漏電検出電圧を少なくとも2回検出し、前記処理手段は、前記第1電圧検出手段によって検出された少なくとも2つの前記漏電検出電圧及び前記第2電圧検出手段によって検出された前記インバータ入力電圧に基づいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出する請求項1から請求項3のいずれかに記載の漏電検出装置。

請求項5

直流電源と、直流電源から供給される直流電力を3相交流電力に変換して出力するインバータと、インバータから出力される3相交流電力が供給されるモータとを備えるシステムにおいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化ならびに前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出方法であって、一端が前記直流電源のP極に接続された第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続されるとともにフレームグランドに接続されている第2抵抗と、一端が前記第2抵抗の他端に接続され、他端が前記直流電源のN極に接続された第3抵抗とを前記直流電源のP極とN極との間に接続し、前記直流電源を作動させて電圧印加させて前記インバータ入力電圧を検出するとともに、この状態における前記第3抵抗の両端電圧を漏電検出電圧として検出し、検出した前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、前記インバータの下アームのいずれか一つをオン状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出方法。

請求項6

前記直流電源は車両に搭載される高圧電源であり、前記モータは、車載空気調和機が備える電動コンプレッサに用いられるモータであり、請求項1から請求項4のいずれかに記載の漏電検出装置によって前記直流電源のP極またはN極の絶縁劣化が検出された場合に、コンポーネント上位の起動停止車両全体高電圧系統遮断、および車両乗務員に対する報知の少なくとも1つを実施する漏電対策方法

請求項7

前記直流電源は車両に搭載される高圧電源であり、前記モータは、車載の空気調和機が備える電動コンプレッサに用いられるモータであり、請求項1から請求項4のいずれかに記載の漏電検出装置によって前記直流電源のP極またはN極の絶縁劣化あるいは前記3相交流電力のいずれかの伝送路における絶縁劣化が検出された場合に、前記電動コンプレッサに対する動作指令の停止、前記電動コンプレッサへの高電圧電力の遮断、車両全体の高電圧系統の遮断、および車両乗務員に対する漏電の報知の少なくとも1つを実施する漏電対策方法。

技術分野

0001

本発明は、漏電検出装置及びその方法に関するものである。

背景技術

0002

高電圧(例えば、150V系統、300V系統、600V系統など)で駆動される車両用電動コンプレッサ車両用インバータ装置は、車両のシャーシに対して絶縁されたバッテリおよび電源回路で構成されている。また、一般的に、車両用電装品は12V系統や24V系統のバッテリで駆動され、そのN極側はシャーシに接続されている。

0003

従来、高電圧電源P極およびN極ならびに車両用インバータに接続されるモータのU,V,W相に生じた絶縁低下を検出する漏電検出装置が提案されている。例えば、特許文献1には、電気自動車電車などに搭載された高圧直流電源と、この高圧直流電源のプラス及びマイナス側の間に直列結線された2つの検出用抵抗と、これらの検出用抵抗の一端をボデーグランド接地するスイッチとを備え、スイッチの切換えにより、検出用抵抗を順次ボデーグランドに接地して、その時の各検出用抵抗に生じる検出電圧を測定して、これらの値を比較計算することにより、漏電の検出及び漏電箇所の推測を行う漏電検出装置が開示されている。

先行技術

0004

特開平6−153301号公報(図1

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述したような抵抗分圧による漏電検出方法では、漏電を検出する箇所に取り付けられた検出用抵抗の両端電圧を測定する必要がある。したがって、高圧電源のP極およびN極だけでなく、車両用インバータに接続されるモータのU、V、W相に生じた絶縁低下までも検出しようとすると、部品点数の増加、コストアップ、装置の大型化、処理の煩雑化などを招くこととなる。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、少ない部品点数により効率的に漏電を検出することのできる漏電検出装置およびその方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、直流電源と、直流電源から供給される直流電力3相交流電力に変換して出力するインバータと、インバータから出力される3相交流電力が供給されるモータとを備えるシステムにおいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化ならびに前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出装置であって、一端が前記直流電源のP極に接続された第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続されるとともにフレームグランドに接続されている第2抵抗と、一端が前記第2抵抗の他端に接続され、他端が前記直流電源のN極に接続された第3抵抗と、前記第3抵抗の両端電圧を漏電検出電圧として検出する第1電圧検出手段と、インバータ入力電圧を検出する第2電圧検出手段と、処理手段とを備え、前記処理手段は、前記インバータの上アームおよび下アームをオフ状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧を用いて前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、前記インバータの下アームのいずれか一つをオン状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出装置を提供する。

0008

上記漏電検出装置によれば、直流電源のP極とN極との間に、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗を直列に接続し、第1抵抗と第2抵抗との間をフレームグランドと接続する。漏電検出においては、第2電圧検出手段によりインバータ入力電圧が検出されるとともに、インバータの全てのアームをオフ状態として直流電源から電圧印加し、この状態で第1電圧検出手段により第3抵抗の両端電圧が漏電検出電圧として検出される。この漏電検出電圧及び第2電圧検出手段によって検出されたインバータ入力電圧は処理手段に入力され、処理手段において漏電検出電圧を用いた直流電源のP極およびN極の絶縁劣化の検出が行われる。続いて、インバータのいずれか一つの下アームがオン状態とされて、このときの漏電検出電圧が第1電圧検出手段により検出され、処理手段において、この漏電検出電圧及びインバータ入力電圧を用いて3相交流電力の伝送路における絶縁劣化が検出される。
このように、本発明の漏電検出装置によれば、第3抵抗の両端電圧を検出することにより、直流電源のP極およびN極ならびに3相交流電力の伝送路の計5箇所の絶縁劣化を検出することができ、少ない部品点数により効率的に漏電を検出することができる。

0009

上記漏電検出装置において、前記処理手段は、前記直流電源のP極とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係、前記直流電源のN極とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係、および前記3相交流電力の伝送路とフレームグランドとを接続する絶縁抵抗と前記漏電検出電圧と前記インバータ入力電圧との関係をそれぞれ示した情報を保有しており、前記情報と前記第1電圧検出手段によって検出された漏電検出電圧と前記第2電圧検出手段により検出された前記インバータ入力電圧とに基づいて各前記絶縁抵抗の値を求め、求めた前記絶縁抵抗の値に基づいて漏電を検出することとしてもよい。

0010

このような構成によれば、各絶縁抵抗と漏電検出電圧とインバータ入力電圧との関係が示された情報を予め保有しておくので、この情報を用いることで、漏電検出電圧から絶縁抵抗の抵抗値を容易に求めることができる。

0011

上記漏電検出装置において、前記処理手段は、前記漏電検出電圧が前記インバータ入力電圧によって決まる第1閾値以上となった場合に、前記直流電源のP極の絶縁劣化を検出し、前記漏電検出電圧が前記インバータ入力電圧によって決まる第2閾値未満となった場合に、前記直流電源のN極または前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出することとしてもよい。

0012

このような構成によれば、漏電検出電圧の増減により漏電を検出するので、漏電検出電圧から各絶縁抵抗の抵抗値を求める手間が省け、簡便な処理により漏電を検出することができる。

0013

上記漏電検出装置において、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗の少なくともいずれか一つは抵抗値が可変とされており、前記処理手段は、前記第1抵抗、前記第2抵抗、および前記第3抵抗のうちの少なくともいずれか一つの抵抗を変更させ、前記第1電圧検出手段は、分圧比が異なる前記第1抵抗、前記第2抵抗、および前記第3抵抗の組合せにおいて、前記漏電検出電圧を少なくとも2回検出し、前記処理手段は、前記第1電圧検出手段によって検出された少なくとも2つの前記漏電検出電圧及び前記第2電圧検出手段によって検出された前記インバータ入力電圧に基づいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出することとしてもよい。

0014

このような構成によれば、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗のうちの少なくとも一つの抵抗値を変更させて、少なくとも2回漏電検出電圧が検出され、2つ以上の漏電検出電圧及び前記第2電圧検出手段によって検出されたインバータ入力電圧に基づいて直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出するので、直流電源のP極およびN極の両方に絶縁劣化が生じた場合でもこれらの絶縁劣化を検出することが可能となる。

0015

本発明は、直流電源と、直流電源から供給される直流電力を3相交流電力に変換して出力するインバータと、インバータから出力される3相交流電力が供給されるモータとを備えるシステムにおいて、前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化ならびに前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出方法であって、一端が前記直流電源のP極に接続された第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続されるとともにフレームグランドに接続されている第2抵抗と、一端が前記第2抵抗の他端に接続され、他端が前記直流電源のN極に接続された第3抵抗とを前記直流電源のP極とN極との間に接続し、前記直流電源を作動させて電圧を印加させて前記インバータ入力電圧を検出するとともに、この状態における前記第3抵抗の両端電圧を漏電検出電圧として検出し、検出した前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記直流電源のP極およびN極の絶縁劣化を検出し、前記インバータの下アームのいずれか一つをオン状態としたときの前記漏電検出電圧及び前記インバータ入力電圧に基づいて前記3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出する漏電検出方法を提供する。

0016

本発明は、上記の直流電源が車両に搭載される高圧電源であり、前記モータが車載空気調和機が備える電動コンプレッサに用いられるモータである場合において、上記の漏電検出装置によって前記直流電源のP極またはN極の絶縁劣化が検出された場合に、コンポーネント上位の起動停止車両全体高電圧系統遮断、および車両乗務員に対する報知の少なくとも1つを実施する漏電対策方法を提供する。

0017

このような対策をすることで、絶縁劣化の進行を防止することができ、漏電による被害を最小限に抑えることができる。

0018

本発明は、上記の直流電源が車両に搭載される高圧電源であり、前記モータが車載の空気調和機が備える電動コンプレッサに用いられるモータである場合において、上記の漏電検出装置によって前記直流電源のP極またはN極の絶縁劣化あるいは前記3相交流電力のいずれかの伝送路における絶縁劣化が検出された場合に、前記電動コンプレッサに対する動作指令の停止、前記電動コンプレッサへの高電圧電力の遮断、車両全体の高電圧系統の遮断、および車両乗務員に対する漏電の報知の少なくとも1つを実施する漏電対策方法を提供する。

0019

このような対策をすることで、絶縁劣化の進行を防止することができ、漏電による被害を最小限に抑えることができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、少ない部品点数により効率的に漏電を検出することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0021

本発明の第1実施形態に係る漏電検出装置の概略構成を示した図である。
図1において絶縁抵抗、漏電検出抵抗、および高圧直流電源を要素とした場合の等価回路を示した図である。
図2に示した等価回路において、高圧直流電源のP極およびN極に絶縁劣化が生じていない場合の電流の流れを示した図である。
図2に示した等価回路において、高圧直流電源のP極にのみ絶縁劣化が生じた場合の電流の流れを示した図である。
図2に示した等価回路において、高圧直流電源のN極にのみ絶縁劣化が生じた場合の電流の流れを示した図である。
漏電検出電圧および高圧直流電源のP極並びにN極の絶縁抵抗の抵抗値との関係を示した特性図の一例を示す。
図1において、3相交流電力の伝送路の絶縁劣化を検出する場合について説明した図である。
3相交流電力の伝送路の絶縁劣化を検出する場合の等価回路を示した図である。
本発明の第1実施形態に係る漏電検出の手順を示したフローチャートである。
本発明の第2実施形態に係る漏電検出装置の概略構成を示した図である。
第1抵抗を開放させたときの漏電検出電圧および高圧直流電源のP極並びにN極の絶縁抵抗の抵抗値との関係を示した特性図の一例を示す。
第1抵抗の抵抗値を可変とする具体的手段について示した図である。
本発明の第2実施形態に係る漏電検出の手順を示したフローチャートである。
漏電検出電圧と絶縁抵抗の抵抗値との関係をそれぞれ示した図である。

実施例

0022

〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る漏電検出装置およびその方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る漏電検出装置の概略構成を示した図である。図1に示すように、本実施形態に係る漏電検出装置10は、高圧直流電源1、高圧直流電源1から供給される直流電力をU,V,W相からなる3相交流電力に変換するインバータ2、インバータ2から出力されるU,V,W相の3相交流電力が供給されるモータ3を備える車載のシステムに適用され、高圧直流電源1のP極およびN極に生じた漏電およびU,V,W相の各相における漏電の計5箇所の漏電を検出する装置である。モータ3は、例えば、車載の空気調和機が備える電動コンプレッサのモータである。

0023

漏電検出装置10は、高圧直流電源1のP極とN極との間に接続された分圧抵抗11を備えている。分圧抵抗11は、直列接続された第1抵抗11a、第2抵抗11b、第3抵抗11cを有している。第1抵抗11aの一端は高圧直流電源1のP極に他端は第2抵抗の一端に接続されている。第3抵抗11cの一端は高圧直流電源1のN極に接続され、他端は第2抵抗11bの他端に接続されている。第1抵抗11aと第2抵抗11bとの間はフレームグランドFG(例えば、シャーシ)に接続されている。また、第3抵抗11cの両端電圧を漏電検出電圧VN1として検出する第1電圧検出回路(第1電圧検出手段)12、インバータ入力電圧VPNを検出する第2電圧検出回路(第2電圧検出手段)13が設けられている。第1電圧検出回路12により検出された漏電検出電圧VN1および第2電圧検出回路13により検出されたインバータ入力電圧VPNは、マイコン(処理手段)14に入力される。マイコン14は、入力されたこれら電圧に基づいて上記5箇所の漏電を検出する。
また、図1に示したシステムにおいて、高圧直流電源1のP極とフレームグランド間は絶縁抵抗16により接続され、N極とフレームグランド間とは絶縁抵抗17で接続されているものとする。

0024

次に、本実施形態に係る漏電検出装置10における漏電検出の原理について図2を参照して説明する。
まず、高圧直流電源のP極とN極における絶縁劣化の原理について説明する。なお、以下の説明に置いて、第1抵抗11aの抵抗値をRP1、第2抵抗11bの抵抗値をRN2、第3抵抗11cの抵抗値をRN1、絶縁抵抗16の抵抗値をRPX、絶縁抵抗17の抵抗値をRNXとする。また、本実施形態において、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗のそれぞれの抵抗値は、RP1=RN1+RN2の関係を満たすように設定されている。

0025

例えば、図1に示した回路において、絶縁抵抗、漏電検出抵抗、および高圧直流電源を要素とした場合の等価回路は図2に示すような回路となる。図2の等価回路において、絶縁抵抗16,17が絶縁劣化していない正常な状態(RPX=RNX=∞[Ω])では、電流は図3に示すように流れることとなり、よって、漏電検出電圧VN1と、インバータ入力電圧VPNならびに第1抵抗11a、第2抵抗11b、第3抵抗11cの抵抗値RP1、RN2、RN1との関係は以下の(1)式で表わされる。

0026

0027

次に、絶縁抵抗16のみが絶縁劣化した場合には、図4に示すように、RPXを流れる経路が新たに形成されることにより、分圧抵抗11による分圧比が変わり、漏電検出電圧VN1が増加する。このときの関係式を(2)式に示す。また、絶縁抵抗16のみが短絡したときの関係式を(3)式に示す。

0028

0029

上より、絶縁抵抗16が絶縁劣化を起こすと、漏電検出電圧VN1は上記(1)式の状態から増加し、(2)式を経て、最終的に短絡すると(3)式の値になる特性を示す。

0030

また、絶縁抵抗17のみが絶縁劣化した場合には、図5に示すように、RNXを流れる経路が新たに形成されることにより、分圧抵抗11による分圧比が変わり、漏電検出電圧VN1が減少する。このときの関係式を(4)式に示す。また、絶縁抵抗17のみが短絡したときの関係式を(5)式に示す。

0031

0032

以上より、絶縁抵抗17が絶縁劣化を起こすと、漏電検出電圧VN1は上記(1)式の状態から減少し、(4)式を経て、最終的に短絡すると(5)式の値になる特性を示す。

0033

そして、予め試験を行い、漏電検出電圧VN1、絶縁抵抗16の抵抗値RPXおよび絶縁抵抗17の抵抗値RNXの関係を示すテーブルを用意しておくことで、両端電圧VN1から絶縁抵抗16,17の抵抗値RPXおよびRNXをそれぞれ検出することができ、複雑な処理などを行わずに、高圧直流電源1のP極およびN極の漏電を検知することができる。

0034

図6に、あるインバータ入力電圧VPNにおける、漏電検出電圧VN1および絶縁抵抗16,17の抵抗値RPX,RNXの関係を示した特性図の一例を示す。図6において、領域Iは、上述した漏電検出電圧VN1の検出により抵抗値RNXおよびRNXの換算が可能な領域を示している。抵抗値RPXおよびRNXが正常な値を示しているときは、図中X1、Y1の位置に相当する。この位置から絶縁抵抗16に絶縁劣化が生じて抵抗値RPXが徐々に減少し、例えば、漏電検出電圧VN1としてX2の電圧が検出された場合には、図6の特性から抵抗値RPX=10[MΩ]であることが検出される。また、同様に、絶縁抵抗17に絶縁劣化が生じて抵抗値RNXが徐々に減少し、例えば、漏電検出電圧VN1としてY2の電圧が検出された場合には、図6の特性から抵抗値RNX=10[MΩ]であることがわかる。

0035

ただし、漏電検出電圧VN1と抵抗値RPXおよびRNXの関係は、上記(1)式から(4)式の通り、第2電圧検出回路13によって検出されるインバータ入力電圧VPNによって変化する。したがって、例えば、図6に示したような特性図をインバータ入力電圧VPN毎またはインバータ入力電圧VPNを複数レベル区分した区分毎に用意しておき、その時々のインバータ入力電圧VPNに応じた特性図を用いて抵抗値RPXおよびRNXを検出する。この場合には、検出した抵抗値RPX,RNXが予め設定されている漏電閾値を超えたか否かにより、絶縁劣化が判定される。

0036

また、図6に示したような特性図を一つ用いることとし、絶縁劣化か否かを判定するのに用いられる漏電閾値をインバータ入力電圧VPNによって変化させることとしてもよい。この場合には、インバータ入力電圧VPNから漏電閾値を算出するための演算式をマイコン14が保有しており、この演算式に第2電圧検出回路13によって検出されたインバータ入力電圧VPNを代入することで、漏電閾値が算出され、この漏電閾値と図6に示した特性図を用いて検出された抵抗値RPX,RNXとを比較することにより、絶縁劣化が判定される。なお、後述する図9を用いたフローについては、この場合を例示している。

0037

また、図6に示した特性図に代えて、インバータ入力電圧VPNに対する漏電検出電圧VN1の比(VN1/VNP)と抵抗値RPXおよびRNXの関係を示す特性図を用いることとしてもよい。この場合の特性図は、図6において、大小関係分布についてはそのままで、グラフ右側のVN1[V]の標記をVN1/VNP(単位なし)に置き換えた特性となる。
また、この場合においても、上述のように、マイコン14において、入力された漏電検出電圧VN1とインバータ入力電圧VPNから、インバータ入力電圧VPNに対する漏電検出電圧VN1の比を演算し、演算結果と特性図を用いて抵抗値RPXおよびRNXを検出することにより、絶縁劣化を判定することとしてもよい。あるいは、インバータ入力電圧VPNに対する漏電検出電圧VN1の比に予め閾値を設定しておき、演算結果が閾値を超えたか否かにより、絶縁劣化を判定することとしてもよい。

0038

次に、3相交流電流を供給する3相のモータ巻線における漏電検知の原理について説明する。ここで、モータ巻線の漏電検知は、上述した高圧直流電源のP極およびN極の双方において絶縁劣化が発生していないことが確認された後に行われる。
図7は、図1に示した回路において、インバータ2およびモータ3の内部構成を更に詳細に示した図である。モータ3とフレームグランド間とは絶縁抵抗18により接続されている。
モータ巻線の絶縁劣化を検出する場合には、インバータ2を構成するブリッジ回路のうち、下アームのいずれか1つをオン状態とする。この状態における等価回路を図8に示す。図8において、絶縁抵抗18の抵抗値をRMXで示している。

0039

図8に示すように、3相交流電力の伝送路における漏電検出の等価回路は、図2に示した等価回路においてRPX=∞[Ω]、RNX=RMXとした回路と同じである。従って、絶縁抵抗18に絶縁劣化が生じた場合は、図2に示した等価回路において、絶縁抵抗18が絶縁劣化を起こした場合、すなわち、抵抗値RNXが減少した場合と同等に考えることができ、漏電検出圧VN1が減少する。
具体的には、絶縁抵抗18の抵抗値RMXが減少すると、漏電検出電圧VN1は上記(1)式の状態から減少し、(4)式を経て、最終的に短絡すると(5)式の値になる特性を示す。ここで、(1)式、(4)式、(5)式において、RNXはRMXに置き換える。

0040

そして、図6に示した特性図についても絶縁抵抗RNXをRMXに置き換えることにより、同様に絶縁抵抗RMXの絶縁劣化を検知することができる。図6において、領域IIは、漏電検出電圧VN1の検出により抵抗値RMXの換算が可能な領域を示している。
このように、3相交流電力の伝送路の絶縁劣化を検知する場合には、インバータ2のブリッジ回路のいずれか1つの下アームをオンとした状態で、漏電検出電圧VN1を検出し、この両端電圧VN1が減少したか否かを判定することにより、複雑な処理などを行わずに、3相交流電力の伝送路の漏電を容易に検知することができる。さらに、図6における特性図をインバータ入力電圧VPN毎またはインバータ入力電圧VPNを複数レベルに区分した区分毎に用意しておくことで、両端電圧VN1及びインバータ入力電圧VPNから絶縁抵抗RMXの抵抗値を知ることができる。

0041

なお、3相交流電力の伝送路の絶縁劣化を検知する場合においても、上述した高圧直流電源のP極およびN極の絶縁劣化の検知と同様に、図6に示したような特性図を一つ用いることとし、絶縁劣化か否かを判定するのに用いられる漏電閾値をインバータ入力電圧VPNによって変化させることとしてもよい。また、図6に示したような特性図に代えて、インバータ入力電圧VPNに対する漏電検出電圧VN1の比(VN1/VNP)と抵抗値RMXとの関係を示した特性図を用いることとしてもよい。あるいは、インバータ入力電圧VPNに対する漏電検出電圧VN1の比に予め閾値を設定しておき、演算結果が閾値を超えたか否かにより、絶縁劣化を判定することとしてもよい。

0042

次に、本実施形態に係る漏電検出装置10による漏電検知の手順について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る漏電検出の処理手順を示したフローチャートである。
まず、高圧直流電源1を作動させ、図1に示した回路に対して高圧直流電圧を印加させる(図9のステップSA1)。なお、このときインバータ2を構成するブリッジ回路の全てのスイッチング素子はオフ状態とされている。続いて、第1電圧検出回路12および第2電圧検出回路13により、漏電検出電圧VN1およびインバータ入力電圧VPNを検出する(図9のステップSA2)。検出された漏電検出電圧VN1およびインバータ入力電圧VPNはマイコン14に入力される。続いて、マイコン14において、漏電検出電圧VN1、インバータ入力電圧VPNと図6に示した特性図とを用いて、漏電検出電圧VN1に対応する絶縁抵抗RPXおよびRNXの値が検出される(図9のステップSA3)。

0043

次に、検出された絶縁抵抗16,17の抵抗値RPXおよびRNXに基づいて、漏電検知を行う(図9のステップSA4)。漏電検知は、例えば、検出された抵抗値RPXおよびRNXがインバータ入力電圧VPNによって決まる漏電閾値以下であるか否かを判定することにより行う。この結果、漏電が発生していなかった場合には(図9のステップSA4において「YES」)、続いて、3相交流電力の伝送路の漏電検知に入る。具体的には、インバータ2の下アームのいずれか一つをオンさせ(図9のステップSA5)、この状態で漏電検出電圧VN1を第1電圧検出回路12により検出する(図9のステップSA6)。続いて、ステップSA2で検出されたインバータ入力電圧VPN、ステップSA5において検出された漏電検出電圧VN1および図6に示した特性図を用いて、漏電検出電圧VN1に対応する絶縁抵抗18の抵抗値RMXが検出される(図9のステップSA7)。

0044

次に、検出された抵抗値RMXに基づいて、漏電検知を行う(図9のステップSA8)。漏電検知は、例えば、検出された絶縁抵抗RMXがインバータ入力電圧VPNによって決まる漏電閾値以下であるか否かを判定することにより行う。この結果、漏電が発生していなかった場合には(図9のステップSA8において「YES」)、当該漏電検出を終了する。これにより、例えば、インバータ2が駆動開始され、モータ3への電力供給が開始される。

0045

一方、ステップSA4またはSA8において漏電が検出された場合には、システムを停止させる(図9のステップSA9)。具体的には、漏電が検知された場合には、インバータ2などの起動を回避することで、電動コンプレッサなどの起動を防止するとともに、コンポーネント上位に対しても漏電検出の旨を報知する。このとき、報知する情報の内容は2種類あり、コンポーネント自身(電動コンプレッサ自身)の絶縁劣化と、コンポーネント上位の絶縁劣化がある。

0046

コンポーネント自身の絶縁劣化は、上記5箇所のいずれかにおいて絶縁劣化が検出された場合に報知され、コンポーネント上位の絶縁劣化は、高圧直流電源1のP極またはN極において絶縁劣化が検出された場合に報知される。
コンポーネント自身の絶縁劣化が報知された場合においては、電動コンプレッサに対する動作指令の停止、電動コンプレッサへの高電圧電力の遮断、車両全体の高電圧系統の遮断、車両乗務員に対する報知などが行われる。
また、コンポーネント上位の絶縁劣化が報知された場合には、コンポーネント上位の起動停止、車両全体の高電圧系統の遮断、車両乗務員に対する報知などが行われる。
このような対策をすることで、絶縁劣化の進行を防止することができ、漏電による被害を最小限に抑えることができる。

0047

以上説明したように、本実施形態に係る漏電検出装置およびその方法によれば、高圧直流電源1のP極とN極との間に、第1抵抗11a、第2抵抗11b、第3抵抗11cを直列に接続し、第3抵抗11cの両端電圧を漏電検出電圧VN1として検出するとともにインバータ入力電圧VPNを検出し、漏電検出電圧VN1及びインバータ入力電圧VPNに基づいて高圧直流電源1のP極およびN極の絶縁劣化および3相交流電力の伝送路(U,V,Wの3相)における絶縁劣化を検出する。これにより、計5箇所の絶縁劣化を少ない部品点数により効率的に検出することができるという効果を奏する。

0048

〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る漏電検出装置およびその方法について説明する。
上述した第1実施形態に係る漏電検出装置10では、漏電検出電圧VN1から絶縁抵抗16,17の絶縁劣化を検出していたが、上記方法では、絶縁抵抗16,17の抵抗値RPXおよびRNXの両方に絶縁劣化が生じていた場合に、絶縁劣化を検出できないという不都合が生ずる。すなわち、図2に示すような等価回路において、以下の(6)式に示す平衡条件を満たす場合には、等価回路に流れる電流がバランスしてしまい、図4図5に示したような電流の流れが顕著に表れないこととなる。

0049

0050

この場合、漏電検出電圧VN1は正常状態のときと同じような値を示してしまい、絶縁抵抗16,17の両方の絶縁劣化を検出することができなくなってしまう(図6の領域IIIに相当する)。本実施形態に係る漏電検出装置およびその方法では、このような問題点を解消することを目的としている。

0051

図10に本実施形態に係る漏電検出装置の構成を示す。図10に示すように、本実施形態に係る漏電検出装置は、図1に示した第1実施形態に係る漏電検出装置の第1抵抗11aを可変抵抗で構成し、第1抵抗11aの抵抗値を変化させて漏電検出電圧VN1を2回検出し、この結果とインバータ入力電圧VPNとに基づいて絶縁抵抗16および17の絶縁劣化を判定する。

0052

例えば、2回目の漏電検出電圧VN1の検出時において、第1抵抗11aを開放させる。
第1抵抗11aを開放した場合、漏電検出電圧VN1は、以下の(7)式のように表わされる。

0053

0054

図11は、第1抵抗11aを開放した場合の特性図である。例えば、図6に示した特性図においては、絶縁抵抗RPXとRNXとの関係が領域IIIに位置した場合に、A点、B点、C点の区別がつかなかったが、図11に示した特性図においては、A点における漏電検出電圧VN1(領域IVに位置)とB点、C点における漏電検出電圧VN1(領域IIIに位置)とが異なっており、A点とB点、C点との区別が可能であることがわかる。
このように、第1抵抗11aの抵抗値を変更することにより、分圧抵抗11の分圧比を変更することにより、絶縁抵抗16,17の絶縁劣化を確実に検知することが可能となる。

0055

なお、図11に示した特性図においても、B点とC点とは同じ漏電検出電圧VN1を示すこととなるからこれらを区別することは難しい。しかしながら、B点、C点はいずれも絶縁劣化が進んでいる領域であり、上述したようにA点との区別が可能であれば、漏電検知の機能上問題はない。

0056

次に、第1抵抗11aを可変とする具体的手法について図12を参照して説明する。例えば、図12の(a)から(f)に示すように、第1抵抗11aと並列または直列に抵抗20を接続し、スイッチング素子21のオンオフにより、抵抗20を第1抵抗11aに接続、非接続させることにより、抵抗値RP1を変化させる。
また、図12の(g)から(i)に示すように、第1抵抗11aの前後のいずれかにスイッチング素子21を接続し、スイッチング素子21のオンオフにより第1抵抗11aと回路との接続を開放することにより、抵抗値RP1を無限大にする。
なお、ここに示した手段は一例であり、第1抵抗11aを可変とする方法についてはこの例に限定されない。

0057

次に、本実施形態に係る漏電検知装置による漏電検知の手順について図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る漏電検出装置による漏電検知の手順を示したフローチャートである。まず、高圧直流電源1を作動させ、回路に対して高圧直流電圧を印加させる(図13のステップSA1)。このとき、第1抵抗11aの抵抗値RP1は、第1実施形態と同じ、つまり、RP1=RN1+RN2の条件を満たすように設定されている。続いて、第1電圧検出回路12および第2電圧検出回路13により、漏電検出電圧VN1およびインバータ入力電圧VPNを検出する(図13のステップSA2)。検出されたこれら電圧値はマイコン14に入力される。

0058

次に、マイコン14からの指令に従って、第1抵抗11aの抵抗値RP1が変更される(図13のステップSB1)。ここでは、第1抵抗11aを開放させることで無限大とする。この状態で、第1電圧検出回路12により、漏電検出電圧VN1を検出する(図13のステップSB2)。検出された漏電検出電圧VN1はマイコン14に入力される。
マイコン14は、ステップSA2において検出された漏電検出電圧VN1と図6に示した特性図およびステップSB2で検出された漏電検出電圧VN1と図11に示した特性図とを用いて、絶縁抵抗RPXおよびRNXの値を検出する(図13のステップSB3)。そして、検出した絶縁抵抗16,17の抵抗値RPXおよびRNXに基づいて漏電検知を行う(図13のステップSA4)。なお、ステップSA4からステップSA9については、上述した第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。

0059

以上説明したように、本実施形態に係る漏電検出装置およびその方法によれば、第1抵抗11aを可変抵抗とし、第1抵抗11aの抵抗値を変更させて漏電検出電圧VN1を2回検出し、2つの漏電検出電圧VN1とインバータ入力電圧VPNとに基づいて高圧直流電源1のP極およびN極の絶縁劣化を検出するので、高圧直流電源1のP極およびN極の両方に、等価回路の平衡状態を保つような絶縁劣化が生じた場合でもこれらの絶縁劣化を確実に検出することが可能となる。

0060

なお、本実施形態では、第1抵抗11aを可変とする場合について説明したが、第1抵抗11aに代えて、または加えて、第2抵抗11b、第3抵抗11cを可変とすることとしてもよい。
また、本実施形態では、第1抵抗の値を変えて2回漏電検出電圧の検出を行ったが、第1抵抗または第2抵抗、第3抵抗の抵抗値を複数回変更して、漏電検出電圧を3回以上検出し、3つ以上の漏電検出電圧とインバータ入力電圧VPNとに基づいて絶縁抵抗の抵抗値を検出することとしてもよい。

0061

また、上記第1または第2実施形態では、図6図11に示した特性図を用いて絶縁抵抗RPX,RNX,RMXの抵抗値を求めることとしたが、このような特性図に代えて、例えば、図14(a)、(b)に示すように、漏電検出電圧VN1と各絶縁抵抗の抵抗値とを対応付けたテーブルを用いて絶縁抵抗の抵抗値を得ることとしても良い。また、テーブルに代えて、漏電検出電圧VN1と各絶縁抵抗の抵抗値との関係を示した演算式を用いることとしてもよい。このようなデータは、マイコン14の所定の記憶領域に格納されているものとする。

0062

また、上記第1または第2実施形態では、漏電検出電圧VN1及びインバータ入力電圧VPNから各絶縁抵抗の抵抗値を求め、これに基づいて漏電検出を行っていたが、漏電と判定する各絶縁抵抗の抵抗値に対応する漏電検出電圧VN1の範囲を記録しておき、漏電検出電圧VN1がその電圧範囲に入っていたときに、漏電と判定することとしてもよい。例えば、漏電検出電圧VN1がインバータ入力電圧VPNによって決定される第1閾値以上となった場合に、高圧直流電源1のP極の絶縁劣化を検出し、漏電検出電圧VN1がインバータ入力電圧VPNによって決定される第2閾値未満となった場合に、高圧直流電源1のN極または3相交流電力の伝送路における絶縁劣化を検出することとしてもよい。
なお、この場合には、インバータ入力電圧VPNから第1閾値および第2閾値を算出するための演算式がマイコン14に予め設定されており、この演算式を用いて第1閾値および第2閾値が算出される。

0063

このようにすることで、電圧から抵抗値に変換する手間が省け、より一層簡便に漏電を検出することが可能となる。

0064

1高圧直流電源
2インバータ
3モータ
10漏洩検出装置
11分圧抵抗
11a 第1抵抗
11b 第2抵抗
11c 第3抵抗
12 第1電圧検出回路
13 第2電圧検出回路
14マイコン
16,17,18絶縁抵抗
20 抵抗
21 スイッチング素子

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