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技術 塩化ビニル重合体の製造方法

出願人 東ソー株式会社
発明者 坂口孝太羽村敏山田悟
出願日 2011年1月28日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2011-016615
公開日 2012年8月16日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2012-153858
状態 未査定
技術分野 重合方法(一般) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 正規構造 パドル型撹拌翼 留出除去 長鎖分岐数 ビニル系単量体成分 重合開始点 ザンテート ポリエチレンオキシド基
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重要な関連分野

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課題

着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を製造する方法を提供する。

解決手段

ラジカル開始剤及び下記一般式(1)で表される化合物の存在下、塩化ビニル単量体重合する塩化ビニル重合体の製造方法。

化1】

概要

背景

塩化ビニル重合体は安価であり、機械的物性化学的物性に優れ、また可塑剤量の調整により硬質から軟質までの成形体が得られるため、フィルムパイプなどの種々の用途に利用されている。

しかし、通常のラジカル重合で合成した塩化ビニル重合体は、モノマーへの連鎖移動反応、Head to Head付加、Backbiting反応などの副反応により、アリ塩素や3級塩素などの異常構造を多く含むことが知られている。これら異常構造は、正規構造(−CH2−CHCl−)に比べ、熱的に分解しやすく、異常構造が塩化ビニル重合体の熱安定性低下の原因となっている。そして、従来より加工時に鉛やスズなどを含む安定剤を添加することで、熱安定性低下を補い使用されてきた。しかし、鉛やスズはヒトへの安全性や環境的な問題から代替が望まれており、代替品も性能に劣るのが現状である。また、安定剤を多量に添加すると安定剤の滲み出しなどの問題もある。そこで、塩化ビニル重合体自体の熱安定性向上が望まれている。

塩化ビニル重合体の熱安定性を向上させる方法としては、例えば、ハーフメタロセン化合物MAOを用いて塩化ビニル単量体アニオン重合を行う方法(例えば非特許文献1参照。)、シアノメチル基及びチオカルボニルチオ構造を有する化合物を用い、塩化ビニル単量体の重合を行う方法(例えば特許文献1参照。)、などが提案されている。

概要

着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を製造する方法を提供する。ラジカル開始剤及び下記一般式(1)で表される化合物の存在下、塩化ビニル単量体を重合する塩化ビニル重合体の製造方法。 なし

目的

そこで、本発明は、着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を製造する方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ラジカル開始剤及び下記一般式(1)で表される化合物の存在下、塩化ビニル単量体重合することを特徴とする塩化ビニル重合体の製造方法。(式中、Zはヒドロキシル基カルボキシ基炭素数2〜300のポリアルキレンオキシド基並びに炭素数1〜20のアルコキシ基アルコキシカルボニル基アシルオキシ基アシル基カルバモイル基アルキルサルファニル基アリールサルファニル基アミノ基,アルキル基アリール基及びアリル基から選ばれる有機基からなる群より選ばれる置換基であり、R1は下記一般式(2)で表される官能基である。)(式中、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜20の炭化水素基である。)

請求項2

上記一般式(1)で表される化合物が、置換基としてのZがアルコキシ基、アルキルサルファニル基、アリールサルファニル基からなる群より選択される炭素数1〜20の有機基であり、一般式(2)における官能基のR2、R3が水素原子、R4が炭素数1〜20のアルキル基である化合物であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル重合体の製造方法。

請求項3

上記一般式(1)で表される化合物が、メトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、3−エチルペントキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、フェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、4−メトキシフェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸エチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸メチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸エチルメチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル及びドデカンサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチルからなる群より選択される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル重合体の製造方法。

請求項4

水性媒体中懸濁重合を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル重合体の製造方法。

請求項5

懸濁重合を行う際に、メチルセルロースエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシメチルセルロースポリビニルアルコール部分ケン化ポリビニルアルコールゼラチンポリビニルピロリドン及びデンプンからなる群より選択される分散剤を用いることを特徴とする請求項4に記載の塩化ビニル重合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、塩化ビニル重合体の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、連鎖移動剤として特定のチオカルボニルチオ構造を有する化合物を用い、塩化ビニル単量体重合を行うことにより、着色することなく、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

塩化ビニル重合体は安価であり、機械的物性化学的物性に優れ、また可塑剤量の調整により硬質から軟質までの成形体が得られるため、フィルムパイプなどの種々の用途に利用されている。

0003

しかし、通常のラジカル重合で合成した塩化ビニル重合体は、モノマーへの連鎖移動反応、Head to Head付加、Backbiting反応などの副反応により、アリ塩素や3級塩素などの異常構造を多く含むことが知られている。これら異常構造は、正規構造(−CH2−CHCl−)に比べ、熱的に分解しやすく、異常構造が塩化ビニル重合体の熱安定性低下の原因となっている。そして、従来より加工時に鉛やスズなどを含む安定剤を添加することで、熱安定性低下を補い使用されてきた。しかし、鉛やスズはヒトへの安全性や環境的な問題から代替が望まれており、代替品も性能に劣るのが現状である。また、安定剤を多量に添加すると安定剤の滲み出しなどの問題もある。そこで、塩化ビニル重合体自体の熱安定性向上が望まれている。

0004

塩化ビニル重合体の熱安定性を向上させる方法としては、例えば、ハーフメタロセン化合物MAOを用いて塩化ビニル単量体のアニオン重合を行う方法(例えば非特許文献1参照。)、シアノメチル基及びチオカルボニルチオ構造を有する化合物を用い、塩化ビニル単量体の重合を行う方法(例えば特許文献1参照。)、などが提案されている。

0005

Polymer(2008)49、pp1180〜1184

先行技術

0006

特開2002−363217号公報(特許請求の範囲参照。)

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、非特許文献1に提案の方法においては、ハーフメタロセン化合物/MAOからなる触媒系は、水に弱く水系媒体中での重合ができないため、懸濁重合乳化重合といった実際の塩化ビニル重合体製造プロセスへの適用が困難という課題を有するものであった。また、特許文献1に提案の方法においては、シアノメチル基及びチオカルボニルチオ構造を有する化合物及びラジカル開始剤の存在下で塩化ビニル単量体の重合を行うものであり、重合後は塩化ビニル重合体の末端はシアノメチル基を有するものとなるため、該シアノメチル基は熱安定性や色相、物性へ大きく影響するものとなり、シアノ基の影響により、乾燥後の塩化ビニル重合体のパウダーが赤色に着色するなどの課題を有するものであった。

0008

そこで、本発明は、着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を製造する方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ラジカル開始剤及び特定の化合物の存在下で塩化ビニル単量体の重合を行うことにより、着色することなく、熱安定性に優れる塩化ビニル重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

即ち、本発明は、ラジカル開始剤及び下記一般式(1)で表される化合物の存在下、塩化ビニル単量体を重合することを特徴とする塩化ビニル重合体の製造方法に関するものである。

0011

(式中、Zはヒドロキシル基カルボキシ基炭素数2〜300のポリアルキレンオキシド基並びに炭素数1〜20のアルコキシ基アルコキシカルボニル基アシルオキシ基アシル基カルバモイル基アルキルサルファニル基アリールサルファニル基アミノ基,アルキル基アリール基及びアリル基から選ばれる有機基からなる群より選ばれる置換基であり、R1は下記一般式(2)で表される官能基である。)

0012

(式中、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜20の炭化水素基である。)
以下に、本発明の塩化ビニル重合体の製造方法を詳細に説明する。

0013

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法は、ラジカル開始剤及び上記一般式(1)で表される化合物の存在下、塩化ビニル単量体を重合する製造方法である。

0014

ここで、ラジカル開始剤とは、塩化ビニル単量体の重合を行うことが可能なラジカルを発生させるものであり、塩化ビニル単量体の重合を開始できるラジカル重合が可能なラジカル開始剤であれば如何なるものも使用でき、例えばクミルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーエステル型開始剤;ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のジカーボネート型開始剤イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシル型開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ型開始剤;過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤等を挙げることができ、これらのラジカル開始剤は1種以上で使用することができる。

0015

該ラジカル開始剤の使用量は特に制限はなく、通常、塩化ビニル単量体100モルあたり、0.001〜1モルの割合で使用することが好ましい。

0016

また、上記一般式(1)で表される化合物は、R1及びチオカルボニルチオ構造を有することを特徴とする化合物であり、塩化ビニル単量体の重合反応において可逆的な連鎖移動剤として作用するものであり、該一般式(1)で表される化合物が可逆的な連鎖移動剤として作用することにより、本発明の塩化ビニル重合体の製造方法においては、重合反応がリビングラジカル重合(的)に反応が進行するものである。

0017

ここで、該一般式(1)におけるZは、ヒドロキシル基、カルボキシ基、炭素数2〜300のポリアルキレンオキシド基並びに炭素数1〜20のアルコキシ基,アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基,アシル基,カルバモイル基,アルキルサルファニル基,アリールサルファニル基,アミノ基,アルキル基,アリール基及びアリル基から選ばれる有機基からなる群より選ばれる置換基であり、これら以外のものである場合、色相、熱安定性に優れる塩化ビニル重合体を効率的に得ることは困難となる。

0018

そして、炭素数2〜300のポリアルキレンオキシド基としては、例えば炭素数2〜300のポリエチレンオキシド基、炭素数3〜300のポリプロピレンオキシド基、等を挙げることができる。

0019

炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基エトキシ基、3−エチルペントキシ基、2,2,2−トリフルオフロエトキシ基、ジエチレングリコキシモノメチルエーテル基、フェノキシ基メトキシフェノキシ基、等が挙げられる。

0020

炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基としては、例えばカルボン酸メチルエステル基、カルボン酸エチルエステル基、カルボン酸3−エチルペンチルエステル基、カルボン酸フェニルエステル基、等が挙げられる。

0021

炭素数1〜20のアシルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ基、エタノイルオキシ基、3−エチルペンタノイルオキシ基、フェニノイルオキシ基、等が挙げられる。

0022

炭素数1〜20のアシル基としては、例えばアセチル基、エタノイル基、3−エチルペンタノイル基、フェニノイル基、等が挙げられる。

0023

炭素数1〜20のカルバモイル基としては、例えばメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジ(3−エチルペンチル)カルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、等が挙げられる。

0024

また、アルキルサルファニル基又はアリールサルファニル基としては、メチルサルファル基、エチルサルファニル基、n−プロピルサルファニル基、イソプロピルサルファニル基、n−ブチルサルファニル基、2−ブチルサルファニル基、ドデカンサルファニル基、3−エチルペンチルサファニル基、シクロヘキシルサルファニル基、フェニルサルファニル基、ナフチルサルファニル基、等が挙げられる。

0025

炭素数1〜20のアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基ジフェニルアミノ基、ピロール基、2−ピロリジノン基、等が挙げられる。

0026

炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基エチル基、ドデカン基、等が挙げられ、炭素数1〜20のアリール基としては、例えばフェニル基メチルフェニル基メトキシフェニル基、等が挙げられる
そして、特に色相への悪影響が少なく、かつ、効率的に熱安定性に優れる塩化ビニル重合体を製造することが可能となることから、置換基としてのZが、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルサルファニル基及び炭素数1〜20のアリールサルファニル基からなる群より選択される有機基、特にZとして、炭素数1〜20のアルコキシ基、を有する一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。

0027

また、該一般式(1)で表される化合物の官能基であるR1は塩化ビニル重合体の末端基となる官能基であるため、塩化ビニル重合体の熱安定性や着色に大きく影響するものである。そして、該R1は、上記一般式(2)で示される官能基であり、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4は炭素数1〜20の炭化水素基である。ここで、R2,R3としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基、などが挙げられ、特に、重合開始点として働きやすく、効率的に熱安定性を高めた塩化ビニル重合体の製造が可能となることから、R2,R3のいずれか一方または両方が水素原子であることが好ましく、特にR2,R3の両方が水素原子であることがより好ましい。また、R4としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基などのアリール基;エチレングリコールモノメチルエーテル基などの置換アルキル基;メトキシフェニル基などの置換アリール基、などが挙げられ、特に色相への悪影響が少なく、重合開始点として働きやすく、効率的に熱安定性を高めた塩化ビニル重合体の製造が可能となることから、R4はアルキル基であることが好ましい。

0028

そして、該一般式(1)で表される化合物として、例えばメトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、3−エチルペントキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、フェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、4−メトキシフェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸エチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸メチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸エチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)イソ酪酸メチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)イソ酪酸エチルなどの置換基としてのZがアルコキシ基の化合物;ヒドロキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、チオカルボキシサルファニル酢酸エチルなどの置換基としてのZがヒドロキシル基の化合物;メトキシカルボニルメチルサルファニルチオキソ酢酸メチル、メトキシカルボニルメチルサルファニルチオキソ酢酸エチルなどの置換基としてのZがアルコキシカルボニル基の化合物;メトキシカルボニルメチルサルファニルチオキソ酢酸などの置換基としてのZがカルボキシ基の化合物;プロピオニルオキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアシルオキシ基の化合物;2−オキソチオブチリルサルファニル酢酸メチル、2−オキソチオプロピリルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアシル基の化合物;ジメチルアミノチオキソアセチルサルファニル酢酸メチル、ジエチルアミノチオキソアセチルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがカルバモイル基の化合物;メチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、ドデカンサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、フェニルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアルキルサルファニル基又はアリールサルファニル基の化合物;ジメチルチオカルバモイルサルファニル酢酸メチル、ジエチルチオカルバモイルサルファニル酢酸メチル、ピロール−1−カルボチオイルサルファニル酢酸メチル、2−オキソピロリジン−1−カルボチオイルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアミノ基の化合物;チオアセチルサルファニル酢酸メチル、チオプロピオニルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアルキル基の化合物;チオベンゾイルサルファニル酢酸メチル、4−メトキシチオベンゾイルサルファニル酢酸メチルなどの置換基としてのZがアリール基の化合物 ;下記一般式(3)で示される置換基としてのZがポリアルキレンオキシド基の化合物などが挙げられる。

0029

(式中、nは1〜100の整数である)
そして、特に、色相への悪影響が少なく、かつ、効率的に熱安定性を高めた塩化ビニル重合体の製造が可能となることから、メトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、3−エチルペントキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、フェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、4−メトキシフェノキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸エチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸メチル、2−(エトキシチオカルボニルサルファニル)プロピオン酸エチル、メチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、エチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル、ドデカンサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチルが好ましい。

0030

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法における該一般式(1)で表される化合物の使用量に制限はなく、その中でも適度な分子量を有する塩化ビニル重合体の製造が可能となることから、塩化ビニル単量体100モルあたり、0.001モル〜5モルであることが好ましく、さらに0.001モル〜0.5モルであることがより好ましい。なお、重合体の分子量は塩化ビニル単量体と一般式(1)で表される化合物との割合により調整することができ、所望の分子量を有する重合体を得ることができる。

0031

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法における塩化ビニル単量体とは、一般的に塩化ビニル単量体と称される範疇のものを用いることが可能であり、塩化ビニル重合体と称させるものの製造が可能であれば、塩化ビニル単量体のみならず、少量の他のビニル系単量体成分をも含有するものであってもよい。

0032

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法における重合方法としては、例えばバルク重合溶液重合、乳化重合、懸濁重合など塩化ビニル単量体を重合できる方法であれば何れの方法であっても良く、特に品質に優れ、生産性に優れる塩化ビニル重合体の製造方法となることから、懸濁重合であることが好ましい。

0033

そして、重合方法として懸濁重合を用いる場合には、例えばラジカル開始剤、一般式(1)で表される化合物を用い、分散剤の存在下、水性媒体中で塩化ビニル単量体の重合を行う方法を挙げることができ、その際の分散剤としては、懸濁重合において塩化ビニル単量体の分散が可能である分散剤であれば如何なるものも使用でき、例えばメチルセルロースエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシメチルセルロースポリビニルアルコール部分ケン化ポリビニルアルコールゼラチンポリビニルピロリドンデンプン等の有機物炭酸マグネシウム炭酸カルシウム燐酸カルシウム等の無機物等を挙げることができ、これら分散剤は1種以上で使用することができる。前記分散剤の使用量は、懸濁重合が可能であれば如何なる量であっても良く、優れた粒子形態を有する塩化ビニル重合体を得ることが可能となることから、塩化ビニル単量体100重量部に対し、0.01〜1重量部であることが好ましい。

0034

重合方法として懸濁重合を用いる場合の水性媒体としては、水はもとより、イオン交換水蒸留水脱イオン水工業用水飲料水等を挙げることができ、例えばアルコール等の有機溶剤を懸濁重合に支障のない範囲で含んでいるものであってもよい。そして、水性媒体の使用量としては、懸濁重合が可能であれば如何なる量であっても良く、特に効率的に塩化ビニル重合体の製造が可能となることから塩化ビニル単量体100重量部に対し、100〜500重量部であることが好ましい。

0035

本発明における重合温度としては、塩化ビニル単量体の重合が可能であれば如何なる温度であってもよく、特に塩化ビニル重合体を効率的に得ることが可能となることから0℃〜100℃であることが好ましく、特に35℃〜70℃であることが好ましい。

0036

本発明の製造方法を用いれば、熱安定性悪化の原因である異常構造のうち3級塩素を低減することができ、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を得ることができる。これは、一般式(1)で表される化合物が可逆的な連鎖移動剤として作用し、さらにその化合物が活性種近傍に存在することで立体障害によりBackBiting反応などの副反応をある程度抑制するためと考えられる。また、一般式(1)で表される化合物のR1で表される官能基が重合の開始点として働きやすい構造であるため、一般式(1)で表される化合物はより効率的に塩化ビニル重合体の熱安定性を高めることができると考えられる。さらに、一般式(1)で表される化合物のR1で表される官能基は塩化ビニル重合体の末端となるため、熱安定性や着色への影響が大きく、該R1で表される官能基は着色の原因となる官能基を含まないため、着色することなく、塩化ビニル重合体を得ることが可能となる。

0037

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法によれば、着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を得ることができ、色相や熱安定性、透明性に優れる塩化ビニル重合体として各種成形体への展開が見込める。また、熱安定性に優れるため、安全性や環境的に問題のある鉛やスズ系の安定剤からの代替がより容易であり、安全性や環境性に優れる塩化ビニル重合体としても各種成形体への展開が見込める。

0038

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法は、前記の工程を経てなるものであれば如何なる製造方法とする事も可能であり、例えば前記の工程の後に重合を停止させる工程、他のビニルモノマーを添加しブロック共重合を行う工程、塩化ビニル重合体末端に付加した一般式(1)の化合物を他の置換基に変換する工程、得られた塩化ビニル重合体の洗浄・精製を行う工程、等の付加的工程の追加を行う事も可能である。

発明の効果

0039

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法によれば、着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を得ることができる。

0040

以下、本発明を実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例における分子量、Mw/Mn、5%重量減少温度の測定、3級塩素量の同定は下記の方法により測定を行った。

0041

〜分子量の測定〜
数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw及びMw/Mnは、GPCにより求めた。充填カラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKgel MultiporeHXL−M)を用い、テトラヒドロフラン移動相として、ピーク検出には示差屈折計(東ソー(株)製、(商品名)RI−8020)を用いた。また、Mn及びMwは、標準ポリスチレン換算で求めた。

0042

〜5%重量減少温度の測定〜
5%重量減少温度はTG−DTA(セイコー電子工業株式会社製、(商品名)EXSTAR6000)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で測定した。初期重量から5%重量が減少した時の温度を5%重量減少温度とし、熱安定性の指標とした。

0043

〜3級塩素量の同定〜
3級塩素量は得られた塩化ビニル重合体を特開平08−012803号公報に記載の方法に従い還元し、還元したサンプルを13C−NMR(Varian社製、(商品名)NMRSystem400)測定することで同定した。なお、溶媒として重ベンゼン/1,2,4−トリクロロベンゼン=1/3の混合溶媒を用い、130℃で測定を行った。

0044

3級塩素量の算出は1000モノマー残基ユニットあたりのC2分岐、C4分岐長鎖分岐数を求め、その総和を1000モノマー残基ユニットあたりの3級塩素量とした。なお、3級塩素量の算出は28.7〜31.0ppmの積分値を1000とした時の各積分値より一般式(4)〜(7)により求めた。

0045

C2分岐数=(26.3ppmの積分値+34.1ppmの積分値)/2 (4)
C4分岐数=23.4ppmの積分値 (5)
長鎖分岐数=
((34.6ppmの積分値−(23.4ppmの積分値×2))×2)/3 (6)
3級塩素量=C2分岐数+C4分岐数+長鎖分岐数 (7)
なお、塩化ビニル重合体の還元は以下の手順で行った。冷却管を備えた4ツ口フラスコに塩化ビニル重合体0.5g、テトラヒドロフラン15ミリリットルキシレン10ミリリットルを導入し、50℃で完全に溶解させた。80℃に昇温し、塩化ビニル重合体に含まれる塩素あたり1.4当量水素化トリ−n−ブチル錫とキシレン5ミリリットルに溶解させた0.01当量の2,2−アゾビスイソブチロニトリルを加えた。1時間後、テトラヒドロフランを水分定量器を用いて留出除去した。さらに2時間後、残留塩素(この時の塩素含有量を10wt%とする)あたり6.4当量の水素化トリ−n−ブチル錫とキシレン溶液15ミリリットルに溶解させた1.4当量の2,2−アゾビスイソブチロニトリルを加え90℃に昇温し2時間反応させた。反応液メタノールに展開し、沈殿物をろ集した。さらに、沈殿物を130℃のキシレンに溶解させ、メタノールを注ぐことで再精製した。沈殿物をろ集し、真空乾燥することでサンプルを得た。

0046

ポリマーサンプルの着色〜
乾燥後のポリマーサンプルの着色の有無を目視にて確認した。

0047

製造例1(エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルの製造)
スターラー、冷却管を備えた3ツ口フラスコに水酸化カリウム5.61g(0.1モル)を加え窒素置換した。その後、エタノール31.6g(0.69モル)を加え、攪拌後、二硫化炭素25.3g(0.33モル)を加え室温で5時間反応した。その後、ブロモ酢酸メチル15.3g(0.1モル)を加え、室温で12時間反応した。反応後、ろ過で固体を除去し、ジエチルエーテルで洗浄した。溶媒を留去した後、アルミナカラムで処理後、再び溶媒を留去することでエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルを得た(収量:16.1g、収率:83%)。

0048

製造例2(2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルの製造)
スターラー、冷却管を備えた3ツ口フラスコに水酸化カリウム5.61g(0.1モル)を加え窒素置換した。その後、2,2,2−トリフルオロエタノール69.0g(0.69モル)を加え、攪拌後、二硫化炭素25.3g(0.33モル)を加え室温で5時間反応した。その後、ブロモ酢酸メチル15.3g(0.1モル)を加え、室温で12時間反応した。反応後、ろ過で固体を除去し、ジエチルエーテルで洗浄した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム(溶媒:ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)で精製後、再び溶媒を留去することで2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチルを得た(収量:14.5g、収率:58%)。

0049

製造例3(エチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチルの製造)
スターラー、冷却管を備えた3ツ口フラスコに1,1−チオカルボニルジイミダゾール15.0g(0.1モル)と水酸化カリウム0.25g(4.5ミリモル)を加え、窒素置換した。チオグリコール酸メチル10.6g(0.1モル)を加え、60℃で6時間還流した。さらに室温で終夜攪拌し、6.21g(0.1モル)を加え60℃で6時間還流した。反応後、ろ過で固体を除去し、ジエチルエーテルで洗浄した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム(溶媒:ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)で精製後、再び溶媒を留去し、減圧蒸留で精製することでエチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチルを得た(収量:11.4g、収率:54%)。

0050

製造例4(O−エチル−S−メチルシアノ−ザンテートの製造)
ブロモ酢酸メチル15.3gの代わりに、ブロモアセトニトリル12.0g(0.1モル)を用いた以外は、製造例1と同様の方法により合成を行い、O−エチル−S−メチルシアノ−ザンテートを得た(収量:11.4g、収率:71%)。

0051

実施例1
パドル型撹拌翼装備した内容積リットルステンレス製重合器に窒素置換を3回行い、脱イオン水420g(300重量部)、ケン化度80モル%で平均重合度2600のポリビニルアルコール部分ケン化物0.128g(0.10重量部)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.051g(0.04重量部)を装入し、さらに窒素置換を3回行った。その後、製造例1により得られたエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)0.021g(0.025モル%)をエタノール30ミリリットルに溶解させ装入し、さらに、塩化ビニル単量体127.5g(100重量部)を装入し、撹拌を行いながら内温60℃で懸濁重合を行った。内温が60℃に到達後30時間で重合を停止(重合時間:30時間)し、未反応塩化ビニル単量体気化させ生成物をろ集した後、2リットルの脱イオン水で洗浄した。その後、35℃で3時間減圧乾燥を行い、さらに65℃で3時間減圧乾燥することにより塩化ビニル重合体を得た(収量:102g、モノマー転化率:80%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。結果及び物性測定結果を表1に示す。

0052

実施例2
エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)の代わりに、製造例2により得られた2,2,2−トリフルオロエトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.158g(0.125モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(103g、モノマー転化率:81%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0053

実施例3
エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)の代わりに、製造例3により得られたエチルサルファニルチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.134g(0.125モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(収量:96.9g、モノマー転化率:76%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0054

実施例4
2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)0.021g(0.025モル%)の代わりに、ジ(3、5、5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド0.029g(0.025モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(収量:105g、モノマー転化率:83%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0055

比較例1
エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(収量:103g、モノマー転化率:81%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0056

比較例2
エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)を用いなかった以外は、実施例4と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(収量:106g、モノマー転化率:83%)。乾燥後のパウダーは白色で、着色は観察されなかった。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0057

比較例3
エトキシチオカルボニルサルファニル酢酸メチル0.124g(0.125モル%)の代わりに、製造例4により得られたO−エチル−S−メチルシアノ−ザンテート0.149g(0.125モル%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った(103g、モノマー転化率:81%)。乾燥後のパウダーは薄い赤色を呈しており、赤色の着色が観察された。重合結果及び物性測定結果を表1に示す。

0058

実施例1〜4により得られた塩化ビニル重合体は、通常のラジカル重合により得られた塩化ビニル重合体(比較例1〜2)と比較して、熱安定性悪化の原因である3級塩素量が低減しており、異常構造量が少なくなっている。さらに、5%重量減少温度が向上しており、熱安定性が向上している。また、メチルシアノ基を用いた既存の塩化ビニル重合体(比較例3)で見られた乾燥後のパウダーが着色するという問題も起こらず、色相にも優れる塩化ビニル重合体であった。

0059

本発明の塩化ビニル重合体の製造方法によれば、着色することなく、熱安定性低下の原因である異常構造を低減し、熱安定性の高い塩化ビニル重合体を得ることができ、色相や熱安定性、透明性に優れる塩化ビニル重合体として各種成形体への展開が見込める。また、熱安定性に優れるため、安全性や環境的に問題のある鉛やスズ系の安定剤からの代替がより容易であり、安全性や環境性に優れる塩化ビニル重合体としても各種成形体への展開が見込める。

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