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技術 抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造方法

出願人 株式会社渡辺オイスター研究所国立大学法人北海道大学
発明者 千葉仁志布田博敏神繁樹渡辺貢
出願日 2011年1月28日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2011-016354
公開日 2012年8月16日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2012-153852
状態 特許登録済
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く) 抗酸化剤,安定剤組成物
主要キーワード 抗酸化性能 攪拌作業 物性パラメータ マガキ 水溶性抗酸化物質 二枚貝 抽出用溶液 概略構成説明図
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年8月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

タウリングリコーゲン蛋白質、あるいは亜鉛を含有し、いわゆる血小板凝集を抑制する作用を有する物質活性度の高いビタミンDなどの脂溶性ビタミン、その他有益な物質の含有率、抽出度が高いのみならず、近年にわかに注目されてきた、いわゆる抗酸化性能を有する抗酸化剤抗酸化剤組成物及びその製造法を提供するすることを目的とする。

解決手段

本発明は、例えば、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含む、ことを特徴とする。

概要

背景

従来より、カキ肉から各種の有効成分を含む抽出物を抽出し、該カキ肉の有効成分抽出物を含む健康食品を製造するする方法が各種創案されている。
カキ肉有効成分抽出物を含む健康食材は、いわゆる健康補助食品として認知されており、有益物質を多く含んだ極めて優れた製品であると一般的にも注目されている。
そして、現在では多種多様製法による多種多様なカキ肉有効成分抽出物に関する健康補助食品の商品販売されるに至っている。

ここで、カキ肉の抽出物に関する食料品については、カキ肉有効成分抽出物を含有する液体抽出物をたとえば所定のドラム状の乾燥体噴霧し、前記ドラム状の乾燥体自体を熱して乾燥させたり、あるいはカキ肉の抽出物を含有する液体抽出物を凍結させて乾燥したりして製造したものが従来から一般的に知られている。
このカキ肉有効成分抽出物の抽出、製造に際しては、前述したように、グリコーゲンタウリンあるいは蛋白質等の有益な栄養源及び亜鉛等を含むいわゆる血小板凝集抑制作用物質を多量に含有できて、かつ効率よくカキ肉抽出物回収できる様抽出、製造することが望ましいとされている。

概要

タウリン、グリコーゲン、蛋白質、あるいは亜鉛を含有し、いわゆる血小板凝集を抑制する作用を有する物質、活性度の高いビタミンDなどの脂溶性ビタミン、その他有益な物質の含有率、抽出度が高いのみならず、近年にわかに注目されてきた、いわゆる抗酸化性能を有する抗酸化剤抗酸化剤組成物及びその製造法を提供するすることを目的とする。本発明は、例えば、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含む、ことを特徴とする。

目的

本発明は、上記従来からの創案に連なる発明として位置づけられるものであり、タウリン、グリコーゲン、蛋白質、あるいは亜鉛を含有し、いわゆる血小板の凝集を抑制する作用を有する物質、活性度の高いビタミンDなどの脂溶性ビタミン、その他有益な物質の含有率、抽出度が高いのみならず、近年にわかに注目されてきた、いわゆる抗酸化性能を有する抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造法、例えばカキ肉から生成される抗酸化剤、抗酸化剤組成物および当該抗酸化剤組成物を含有するカキ肉抽出物を効率よく抽出でき、多量に含有させて製造できるカキ肉抽出物からの抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含む、ことを特徴とする抗酸化剤

請求項2

3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含む、ことを特徴とする抗酸化剤組成物

請求項3

カキ肉から生成された生成物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含んで構成された、ことを特徴とする抗酸化剤。

請求項4

カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を含んで構成された、ことを特徴とする抗酸化剤入りカキ肉抽出物

請求項5

酢酸エチルを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)分画回収する、ことを特徴とする抗酸化剤組成物の製造方法。

請求項6

酢酸エチルとエタノールを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)分画を回収する、ことを特徴とする抗酸化剤組成物の製造方法。

請求項7

抽出用溶液貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)分画を回収する、ことを特徴とする抗酸化剤組成物の製造方法。

請求項8

抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルとエタノールを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)分画を回収する、ことを特徴とする抗酸化剤組成物の製造方法。

請求項9

抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液にエタノールを加えて、上澄み液沈殿物とに分離し、前記分離された上澄み液を取り出すとともに、該上澄み液に酢酸エチルを加えて、酢酸エチル層水層とに分離し、分離した酢酸エチル層の溶液を濃縮して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)分画を回収する、ことを特徴とする抗酸化剤組成物の製造方法

技術分野

0001

本発明は抗酸化剤抗酸化剤組成物及びその製造方法にかかり、特にカキ肉から生成する抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来より、カキ肉から各種の有効成分を含む抽出物を抽出し、該カキ肉の有効成分抽出物を含む健康食品を製造するする方法が各種創案されている。
カキ肉有効成分抽出物を含む健康食材は、いわゆる健康補助食品として認知されており、有益物質を多く含んだ極めて優れた製品であると一般的にも注目されている。
そして、現在では多種多様製法による多種多様なカキ肉有効成分抽出物に関する健康補助食品の商品販売されるに至っている。

0003

ここで、カキ肉の抽出物に関する食料品については、カキ肉有効成分抽出物を含有する液体抽出物をたとえば所定のドラム状の乾燥体噴霧し、前記ドラム状の乾燥体自体を熱して乾燥させたり、あるいはカキ肉の抽出物を含有する液体抽出物を凍結させて乾燥したりして製造したものが従来から一般的に知られている。
このカキ肉有効成分抽出物の抽出、製造に際しては、前述したように、グリコーゲンタウリンあるいは蛋白質等の有益な栄養源及び亜鉛等を含むいわゆる血小板凝集抑制作用物質を多量に含有できて、かつ効率よくカキ肉抽出物回収できる様抽出、製造することが望ましいとされている。

先行技術

0004

特開2010−193756号公報

発明が解決しようとする課題

0005

かくして、本発明は、上記従来からの創案に連なる発明として位置づけられるものであり、タウリン、グリコーゲン、蛋白質、あるいは亜鉛を含有し、いわゆる血小板凝集を抑制する作用を有する物質、活性度の高いビタミンDなどの脂溶性ビタミン、その他有益な物質の含有率、抽出度が高いのみならず、近年にわかに注目されてきた、いわゆる抗酸化性能を有する抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造法、例えばカキ肉から生成される抗酸化剤、抗酸化剤組成物および当該抗酸化剤組成物を含有するカキ肉抽出物を効率よく抽出でき、多量に含有させて製造できるカキ肉抽出物からの抗酸化剤、抗酸化剤組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである

0006

ところで、活性酸素の生成は好気性の生活に起因し、脂質、タンパク質核酸酸化を生じ、細胞障害を与えることが一般に知られている。
通常、生体の酸化レベル活性酸素産生系と抗酸化物質による消去系バランスでほぼ一定に保たれているが、薬物、放射線虚血などの様々な要因によりこのバランスが崩れ、活性酸素産生系へ傾くのが酸化ストレスといわれている。
この酸化ストレスの蓄積が、がん動脈硬化性疾患、虚血/再灌流障害慢性関節リウマチ糖尿病アルツハイマー病パーキンソン病神経障害などの様々な疾患や老化の一因であると考えられているのである。

0007

いわゆる抗酸化物質は構造から大きく二群に分類される。酵素性抗酸化物質としては、スーパーオキシドジスムターゼ(superoxidedismutase、SOD)、カタラーゼ(catalase、CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathioneperoxidase、GPx)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(glutathioneS-transferase、GST)、グルタチオンリダクターゼ(glutathionereductase)、ペルオキシレドキシン(peroxiredoxin、Prx)などが挙げられる。一方、非酵素性抗酸化物としては、アスコルビン酸(ascorbicacid)、α-トコフェロール(α-tocopherol)、グルタチオン(glutathione、GSH)、カロテノイド(carotenoids)、フラボノイド(flavonoids)、メタロチオネイン(metallothionein)などを含む。

0008

カキ、たとえばマガキ(Crassostreagigas)はウグイスガイ目イタボガキ科に属する二枚貝で、その生息地は日本を初めとして東アジア全域に及んでいる。近年では、フランスやオーストラリアでもマガキが養殖されており、世界で最も食用に供さるカキとして名高い。
カキは、栄養価が高いことから古代より食用にされてきたが、前述したとおりグリコーゲンやタンパク質のほか、カルシウム、亜鉛、セレニウム、銅、マンガンなどのミネラルを多量に含むといわれている。
また、カキ由来の抗酸化物として報告されているのは、酵素性抗酸化物質としてSOD、CAT、GPx、及びPrx6があり、非酵素性抗酸化物質としてはメタロチオネイン、uncouplingprotein5(UCP5)、アスコルビン酸、α-トコフェロール、β-カロテンがあった。

0009

しかして今回、本件発明の発明者らは、カキからの優れたいわゆる新規抗酸化物質を見出すことに成功し、さらにその化学構造を決定し、なおかつ前記抗酸化物質の化学合成を行うことにも成功した。そして、カキに由来しない、あるいはカキに由来する場合の双方での優れたいわゆる新規抗酸化剤及び抗酸化剤組成物の提供が行えることにも成功したものである。
さらに、ヒト低比重リポ蛋白(low-densitylipoproteins、LDL)の酸化実験と、肝臓株化細胞の酸化実験における当該物質の抗酸化能をも確認できたのである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む、抗酸化剤である、
ことを特徴とし、
または、
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む、抗酸化剤組成物である、
ことを特徴とし、
または、
カキ肉から生成された生成物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含んで構成された、
ことを特徴とし、
または、
カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含んで構成された、
ことを特徴とし、
または、
酢酸エチルを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収する、
ことを特徴とし、
または、
酢酸エチルとエタノールを用いてカキ肉から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収する、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収する、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液に酢酸エチルとエタノールを加えて、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収する、
ことを特徴とし、
または、
抽出用溶液が貯留された抽出容器にカキ肉を収納してカキ肉抽出物入り溶液を採取し、採取されたカキ肉抽出物入り溶液にエタノールを加えて、上澄み液沈殿物とに分離し、前記分離された上澄み液を取り出すとともに、該上澄み液に酢酸エチルを加えて、酢酸エチル層水層とに分離し、
分離した酢酸エチル層の溶液を濃縮して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)分画を回収する、
ことを特徴とするものである。

発明の効果

0011

本発明によれば、カキに由来しない、あるいはカキに由来する
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む抗酸化剤及び抗酸化剤組成物を提供できると共に、タウリン、グリコーゲン、蛋白質、あるいは亜鉛を含有したいわゆる血小板の凝集を抑制する作用を有する物質、活性度の高いビタミンDなどの脂溶性ビタミン、その他有益な物質の含有率、抽出度が高いのみならず、いわゆる抗酸化性能を有する抗酸化剤組成物を比較的多量に含有するカキ肉抽出物入り製品を提供できるとの優れた効果を奏する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の概略構成を示す概略構成説明図(1)である。
本発明の概略構成を示す概略構成説明図(2)である。
本発明のフローチャートを説明する説明図である。
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)抽出のための有機溶媒極性を段階的に高めていく状態を説明する説明図である。
各抽出物抗酸化活性試験の結果を示す説明図である。
シリカオープンカラムによる抽出を説明する説明図である。
酢酸エチル分画抽出を説明する説明図である。
本発明により抽出された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の構造を説明する説明図である。
ORAC法の測定原理を説明する説明図である。
本発明による3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の抗酸化能を説明する説明図である。
LDLの酸化度をTBARS法により定量した状態を説明する説明図である。
diphenyl-1-pyrenlphosphine(DPPP)の蛍光発色原理を説明する説明図である。
本発明における3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を添加した細胞の酸化抑制状態を説明する説明図である。
本発明による3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の構造解析を説明する説明図(1)である。
本発明による3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の構造解析を説明する説明図(2)である。
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の化学合成を説明する説明図である。

0013

以下、本発明を図に示す一実施例に基づいて説明する。

0014

図1図2において、符号1は、抽出容器であり、該抽出容器1内には、カキ肉から抽出物を抽出するための抽出用溶液2が貯留される。そして、該抽出用溶液2が貯留されている抽出容器1内に生ガキ肉3を収納し、カキ肉の各種有効成分を含有する抽出物を抽出する工程が行われる。

0015

ところで、従来では、カキ肉抽出物抽出時に、抽出容器1内のカキ肉3が収納された抽出用溶液2を攪拌し、抽出をより効率化することが従来行われていたことがあったが、カキ肉3自体を痛めることにもなり、この抽出工程時点での攪拌作業は行わない方が好ましい。
前述のようにしてカキ肉抽出物が抽出された抽出用溶液2を次は濃縮工程によって濃縮されるものとなる。

0016

次に、この濃縮液6に、エタノール溶液4を加え、70%程度のエタノール濃度の溶液とする。その後、攪拌すると共に、沈殿物7と上澄み液8とに分離する。
そして、図1から理解されるように、沈殿物7は乾燥させ、打錠し、最終的に健康食品などに供される。

0017

ところで、従来では前記上澄み液8は、何らカキ肉抽出物の有効成分が入っていない、あるいは入っていてもきわめて微量であるとして廃棄していたことがある。しかし、その後、実験や研究の結果、この上澄み液8内にもカキ肉抽出物に関する多くの有効成分が存在していることが判明し、現在ではこの上澄み液8も廃棄することなく利用している。
近年では、この上澄み液8を再度濃縮するとともに、その濃縮液を最終的に乾燥させる。そして、その乾燥物は、完全な固形物状にはならないが、ペースト状には形成することができ、もってペースト状の健康食品とするなどして製造している。そして、このペースト状の健康食品は、需要者側において白湯などで溶いて飲料用健康食品に供されるのである。

0018

まず、本実施例では、前記の上澄み液8を使用して後述する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)入りのカキ肉抽出物を回収するものである。
すなわち、前記のごとく沈殿物7と上澄み液8に分離した後、該上澄み液8につき、まず、エバポレータなどで前記上澄み液8のエタノール分を除去し、約半分の量になるまで濃縮する。
たとえば40mL分の上澄み液8を濃縮して20mLの上澄み液8の濃縮液9を確保するがごときである。

0019

次いで、その20mLの濃縮液を約5倍になるよう希釈して希釈液10を生成する。たとえば100mLの希釈液10の量にするがごときである。このような工程を経るのはなるべく不純物を除去するためである。
その後、たとえばこの100mLの希釈液10の溶液に、たとえば酢酸エチル5を200mL程度投入する。そして、その後攪拌するなどして、あるいは分離器を使用して水層10と酢酸エチル層11とに分離させる。すると、時間の経過と共に、この混合溶液は、水層10、そして酢酸エチル層11とに分離して形成されるものとなる。

0020

すると、この酢酸エチル層11内に後述する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が存在していることが確認できた。
ここで、その確認できた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の量であるが、具体的には、約2L分収集した酢酸エチル層11から約3mgの3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)があることが確認できた。

0021

次に、前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)がどの様な工程でカキ肉抽出物から分離精製でき、もってカキ肉抽出物内での存在が確認できたのか、また3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)はどのような構造から構成されているのか、さらには3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)の抗酸化作用がどの様に確認できたのかなどを以下に説明する。

0022

まず、図3に示すフローチャートに従って説明する。
たとえば、エタノール溶液4を含んだ抽出用溶液2内にカキ肉3を投入してカキ肉有効成分抽出物の抽出を行なう(ステップ100、ステップ102)。
抽出後はその抽出液を濃縮する(ステップ104)。そして、該濃縮液6にたとえば、エタノール溶液4を加え、70%程度のエタノール濃度の溶液とする(ステップ106)。その後、攪拌し、沈殿物7と上澄み液8とに分離する(ステップ108)。

0023

そして、前記上澄み液8を用い、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)抽出のための酢酸エチルを用いた抽出作業を行う。
図3から理解されるように、前記エタノール分をなくし(ステップ110)、かつ約5倍に希釈した上澄み液8におのおのヘキサンからクロロホルム、酢酸エチル、そしてブタノールを投入し、おのおのの分画を生成する。

0024

例えば、ロータリーエバポレーターなどで100mLまで濃縮し、該濃縮液20mLに例えば蒸留水80mLを加えて分液ロートに移し、ヘキサン抽出を行う。
ヘキサン層(200mL)を除去後に、水層からクロロホルム200mL、酢酸エチル200mL、ブタノール200mLの順で段階的に抽出する。
すなわち、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)抽出のための有機溶媒の極性を段階的に高めていってそれらをそれぞれ投入した分画を生成し、おのおのの分画に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)が抽出されているかを確認する(図4参照)。

0025

次いで、前記それぞれの有機溶媒を投入した分画をたとえばエバポレータで濃縮した後、Thin-Layer-Chromatography(以下、TLCと称する。TLC:薄層クロマトグラフィー)により観察すると共に、いわゆるORAC法(OxygenRadicalAbsorbanceCapacity法)による抗酸化力検索を行うのである。
すると、その結果、TLC像では、ヘキサンからクロロホルム、酢酸エチル、そしてブタノールにかけて極性の低いものから高いものへと溶出されていくことが確認できた。

0026

また、ORAC法により酢酸エチル分画においてプラトーの部分が観察されて、当該酢酸エチル分画に高い抗酸化能が認められ、よって、この酢酸エチル分画に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)が存在していると判断されるのである(図5参照、ステップ112)。

0027

次いで、この酢酸エチル分画をエバポレータによりやはり濃縮した後、いわゆるシリカオープンカラムによる抽出を行い(図6、ステップ114)、酢酸エチル:クロロホルムが3:2の割合での抽出分画を選択し(図7参照)、最終的にその分画をHPLC逆相カラム)によって、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)を分離精製することができたのである(ステップ116)。
このように、カキ肉抽出物を抽出した上澄み液8から3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を分離精製することができた。

0028

なお、以下の操作によっても3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を分離精製することができる。
まず、0.075mol/Lリン酸緩衝液2.3、5mL、6.3x10-7mol/LFluorescein(蛍光プローブ)0.3mL、7%(w/v)methylatedβ-cyclodextrin(Wako)の混合溶液に溶解したトロロックス(Wako)または被験試料0.05mLを37℃で10分間加温する。

0029

予め37℃に加温した1.28x10-1mol/L2、2’-azobis(2-amidinopropane)dihydrochloride(AAPH、Wako)0.3mLを加え、例えばスターラ—で撹拌しながら、分光蛍光光度計(FP-6500、JASCO、東京)で10秒おきに5、000秒まで蛍光強度(励起波長493nm、蛍光波長515nm)を測定する。

0030

抗酸化活性は測定開始時点蛍光測定値(例えば図5中の縦軸)が維持される時間(同横軸)の長さで示され、その時間が長いほど抗酸化活性が強いことを意味するものである。
すると、やはり前記4種類の抽出画分の中では酢酸エチル抽出画分に抗酸化活性が確認された。

0031

次いで、抗酸化活性が示された酢酸エチル抽出物について順相シリカゲル薄層分取クロマトグラフィーを行う。シリカゲル薄層プレート(200×200mm、厚さ0.5mm、Merck、Darmstadt)を用い、移動相として酢酸エチル-クロロホルム(2:1、v/v)を用いた。展開後のプレート紫外線ランプ(254nm)を照射し、紫外線吸収性の11画分を得た。各画分の試料ゲル担体とともに分離し、例えばメタノールで溶出後に抗酸化活性を測定すると、低極性側から6番目の画分に抗酸化活性が観察された。

0032

さらに、前記薄層クロマトグラフィーで抗酸化活性を示した画分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製する。HPLCシステムポンプ:L-2130、UV検出器:L-2420、HITACHI、東京)、逆相カラム(APCELLPACC18、250×4.6mmI.D.、SHISEIDO、東京)、及び移動相5%アセトニトリル水溶液流速1.0mL/min)を使用して室温で分離した。
しかして、この操作によっても原料の160mLエタノール抽出液から最終的に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)3.0mgが得られるものとなった。

0033

ところで、前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)の存在は、紫外線吸収スペトル(V-530、JASCO)、核磁気共鳴スペクトル(NMR:AMX-500、Bruker、Karlsruhe)、マススペクトル(JMS-T100CS、JEOL、東京)を測定して、構造解析を行い(図14図15)。その結果、前記の分離精製物の構造が、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)と推定されるのである(図15)。

0034

条件
UV(EtOH)、λmax270nm;1H-NMR(500MHz、Acetone-d6)δ H:7.82(2H、br.s、aromatic-OH)、6.40(2H、s、H-2、6)、4.42(2H、s、H-1’)、3.94(1H、br.s、-OH)、3.79(3H、s、-OMe);13C-NMR(125MHz、Acetone-d6)δC:151.1(C-3、5)、139.4(C-1)、13、5.1(C-4)、106.5(C-2、6)、64.5(C-1’)、60.6(-OMe);ESI-TOFMS、m/z153.05451[M-OH]+(calc.forC8H8O3、153.05517)、171.06911[M+H]+(calc.forC8H11O4、171.06573)。

0035

ここで、分離精製された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)の性状を説明すると、その性状は黄淡色の粉末で、脂溶性及び水溶性を示している。
また、当該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、図8に示すようなフェノール性化合物であることが確認された。

0036

なお、ここで、食品の抗酸化物質の測定法については、これまでに様々報告されてきているが、どれも一長一短があり、統一または公定法化(分析値妥当性確認)された方法はなかった。しかしながら、米国では、すでにORAC値表記したサプルメントや飲料が上市されており、世界標準となりつつある。
よって、本実施例では、ORAC法により抗酸化力を測定することとしている。

0037

ところで、日本ではすでにORAC法の公定法化の研究を行う研究会(AntioxidantUnit研究会)が出来ている。ORAC法の利点としては水溶性、脂溶性のどちらのサンプルも測定でき、前述したどの有機溶媒分画も測定できることがあげられる。
また一回の測定で抗酸化作用の持続時間とその力価を合わせて評価でき、実験操作が容易であるなどから本実施例での測定に有利であったと考える。

0038

ここで、ORAC法の測定原理について若干説明する。まず、一定の活性酸素種を発生させ、それによって分解される蛍光強度を測定し、経時的に減少する蛍光強度の曲線を描いた場合、この反応系に抗酸化物質が共存すると蛍光物質の蛍光強度の減少速度遅延する。よって、この原理により抗酸化物質の存在が確認できるものとなるのである(図9参照)。

0039

しかして、本発明における3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を前記ORAC法によりその抗酸化能を観察したところ、いわゆる標準物質(Trolox)と同じように延滞期が存在し、強い抗酸化活性が観察できたのである(図10参照)。
本実施例では、前述した上澄み液8から探査すべく、ORAC法を用い、酢酸エチル分画において高い抗酸化力を有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)を発見できたのである。

0040

次に、培養肝細胞の酸化実験と低密度リポタンパク質(LDL)の酸化実験の両者において、当該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)の抗酸化活性を明らかにすることとする。

0041

(当該物質の正常ヒトLDLの金属酸化に対する抗酸化活性について)
硫酸銅により正常ヒトLDLを酸化する際に、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)を添加し、LDLの酸化度をTBARS法により定量した(図11参照)。すると、当該物質の180μM添加時にはControl(0μM)と同様に、lag-timeは観察されなかった。Lag-timeとは曲線の立ち上がりが見られない時間を指し、この時間が長くなるほど抗酸化活性があると判断される。しかし、270μM添加時には2時間、360μMでは4時間、450μM及び540μMでは5時間と、用量依存性にlag-timeは延長し、当該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)によるLDLの金属酸化の抑制が確認されたのである。

0042

肝細胞培養系を用いた抗酸化能の観察について)
diphenyl-1-pyrenlphosphine(DPPP)はそれ自体、蛍光を発生しないが、酸化されると蛍光を発生する。ここで、diphenyl-1-pyrenlphosphine(DPPP)の蛍光発色の原理を図12に示す。この蛍光色素を用い、肝臓の株化細胞(C3A)の酸化度を観察したものである。

0043

そして、本発明における3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を添加した細胞を5日間培養し、その後、DPPPで標識した細胞を2、2’-azobis(2-methylpropionamidine)dihydrochloideにより酸化し、各細胞のDPPPの蛍光強度を測定した。その結果、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)を細胞に添加しなかったものと比較し、添加した細胞は濃度依存的に蛍光強度が低く、当該抗酸化物質3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)による酸化抑制が観察されたのである(図13参照)。

0044

以上により、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、抗酸化性能を有することが明らかとされた。
そして、当該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、本発明によって効率よくカキ肉抽出物より抽出できるものであり、もって該カキ肉抽出物により抗酸化剤組成物や抗酸化剤が効率よく多量に回収、製造できることとなる。

0045

なお、本発明の発明者らは、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)の構造を確認するために、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)の化学合成を行い、これに成功した。

0046

該合成の全工程を図16に示す。
合成された物質につき核磁気共鳴スペクトル(NMR:AMX-500、Bruker、Karlsruhe)、マススペクトル(LXQ、ThermoScientific、Waltham)を測定して、その構造確認を行うものである。
まず、没食子酸メチル(5.00g、27.2mmol)のジメチルホルムアミドDMF)溶液(45mL)に炭酸カリウム(4.50g、32.6mmol)を加え85℃で1時間撹拌した。その後、氷浴中でヨウ化メチル(4.00g、28.2mmol)を徐々に滴下し30分間撹拌し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液をろ過して精製水を加え、酢酸エチルで抽出を行い、分離した酢酸エチル層を飽和食塩水洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。

0047

抽出液は、濃縮後にシリカゲル・カラムクロマトグラフィー溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))で精製し、4位メトキシ体を2.79g(収率51.9%)得た。

0048

条件
1H-NMR(500MHz、CD3OD)δH:7.01(2H、s、H-2、6)、3.85(3H、s、-OMe)、3.82(3H、s、-OMe);13C-NMR(125MHz、CD3OD)δC:168.5(-C=O)、151.7(C-3、5)、141.2(C-1)、126.5(C-4)、110.1(C-2、6)、60.7(-OMe)、52.5(-OMe);ESI-ITMS、m/z199[M+H]+、197[M-H]-.

0049

次いで、氷浴中(0℃)で、水素化リチウムアルミニウム(469mg、12.4mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(6mL)に、没食子酸メチルの4位メトキシ体(560mg、2.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4mL)を注意深く滴下した。 その後、混合液を60〜65℃で6時間撹拌し、酢酸エチルと10%硫酸水溶液を加えて反応を停止した。反応液に精製水を加え、酢酸エチルで抽出を行い、分離した酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後に硫酸ナトリウムで乾燥させた。抽出液は、濃縮後に、シリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v))で精製し、還元体、すなわち合成3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)を175.9mg(収率36.6%)得たのである。

0050

条件
1H-NMR(500MHz、Acetone-d6)δ H:7.82(2H、br.s、aromatic-OH)、6.40(2H、s、H-2、6)、4.42(2H、s、H-1’)、3.94(1H、br.s、-OH)、3.79(3H、s、-OMe);13C-NMR(125MHz、Acetone-d6)δC:151.1(C-3、5)、139.4(C-1)、13、5.1(C-4)、106.5(C-2、6)、64.5(C-1’)、60.6(-OMe);ESI-ITMS、m/z171[M+H]+、153[M-OH]+.

0051

(3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)とその合成品物性パラメータの比較)
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)とその合成品との間では、上記の1H-NMR、13C-NMR、ESI-MSの各種スペクトルデータが一致し、HPLCの保持時間及び薄層クロマトグラフィーの移動度が一致したことにより、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)であることが確認できる。

0052

前述のごとく、カキより得られた抗酸化物質、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)、は、高度に水酸化された芳香族化合物といいうる。
これまでにも、水酸化された芳香族、即ちフェノール化合物においては、コーヒー酸に代表されるようなクロロゲン酸、ニグニン類やフラボノイドなど、多くの物質が抗酸化活性を有することが報告されている。

0053

これらの物質は、ペルオキシド、特にペルオキシラジカル(ROO・)の捕捉剤として働くことにより抗酸化活性を発揮することが知られている。しかして、本発明で同定された抗酸化物質は、ラジカル消去能を観察するORACやAAPHを用いる細胞実験で高い抗酸化活性を示している。
このことは、当該物質がラジカル捕捉剤として抗酸化能を発揮する可能性を強く示唆したものともいいうる。

0054

本発明によって精製された当該物質は、両親媒性であるが、数少ない水溶性抗酸化剤の一つとして広く用いられるL(+)-アスコルビン酸と比較してORAC値が3倍大きかったことは、当該物質の抗酸化剤としての効果を強く期待させるものである。当該物質が用量依存的にLDLの酸化を抑制したことは、同物質がLDLの酸化防止を通じて抗動脈硬化作用を発揮する効果を示唆している。

0055

一方、生細胞の酸化をリアルタイムに観察する目的で、cis-parinaricacid(PnA)、fluoresceinatedphosphoethanolamine、undecylamine-fluoresceinなどのプローブが開発されてきた。中でもPnAが生細胞の酸化を観察するプローブとしてよく使われているが、PnAはしばしば細胞毒性があり、細胞の生理学的活性に影響を及ぼすことが報告されている。

0056

本発明で使用したDPPPは、細胞増殖や細胞毒性などに少なくとも3日間は影響を与えず、DPPP及び酸化されたDPPPは生細胞の細胞膜局在し、少なくても2日間は安定であることが報告されている。このDPPP自体は蛍光を発しないが、酸化されたDPPPは蛍光を発する。このDPPPを用い、従来、生細胞の過酸化脂質を観察する方法が確立し、ヒト単球系の浮遊細胞(U937)を用いて、ビタミンEの抗酸化力を確認している。

0057

本発明において、当該抗酸化物質が肝臓由来の株化細胞であるC3A細胞の酸化を有意に抑制したことは、本発明による当該物質が少なくとも肝細胞内においても抗酸化活性を発揮できることを示唆するのである。この結果は、上述のLDL酸化抑制と併せて、本発明物質の抗酸化剤としての効果を大きく期待させる。

0058

酸化ストレスが関連する疾患として、従来は動脈硬化性疾患に大きな関心が向けられてきたが、近年では非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの異所性脂肪蓄積症にも注目が集まりつつある。NASHでは、活性酸素が肝細胞壊死炎症性サイトカイン生産肝線維化に関係することが知られている。またNASHでは血中の酸化LDL濃度が高いことが報告されている。さらに、NASHの炎症性サイトカイン産生亢進コラーゲン産生亢進に関与する肝星細胞は、酸化LDLにより活性化されることが報告されている。
本発明で見出されたカキの新規抗酸化物質がNASHの予防に貢献できるものと大きく期待できる。

0059

このように、本発明では、カキより新規抗酸化物質を見出し、その化学構造を3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)と決定した。さらには、その化学合成法をも確定した。
さらに、本発明による当該物質のORAC値は、その精製物が1.24±0.3、5μmolTE/μmol、その合成物が1.47±0.40μmolTE/μmolであり、水溶性抗酸化物質のクロロゲン酸とL(+)-アスコルビン酸の中間の抗酸化能の強さであった。

実施例

0060

また、ヒトLDLの金属酸化に対して、本発明による当該物質3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcohol)は用量依存的に抗酸化能を示し、C3A細胞を用いた抗酸化能実験においても、当該物質は用量依存的に抗酸化能を示したことを付言する。

0061

1抽出容器
2抽出用溶液
生カキ肉
4エタノール溶液
5酢酸エチル
6濃縮液
7沈殿物
8上澄み液
9 上澄み液の濃縮液
10 希釈液

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