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技術 核酸分析用反応デバイス、及び核酸分析装置

出願人 株式会社日立ハイテクノロジーズ
発明者 奈良原正俊中澤太朗伊名波良仁
出願日 2011年1月21日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2011-010352
公開日 2012年8月9日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2012-150063
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 光学的測定セル
主要キーワード 液注入速度 解析コスト 温調素子 キャリーオーバ 展開パターン 基板凹凸 固定率 エキシマ処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年8月9日)のものです。
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図面 (6)

課題

流路内容量が少なく、サンプ固定率が高く、且つ液漏れが生じない核酸分析用反応デバイスを提供する。

解決手段

サンプル固定層を有する第一の基板と第二の基板がスペーサを介して貼り合されることによって形成される反応流路を有する核酸分析用反応デバイスであって、前記第一の基板とサンプル固定層がスペーサと接する。

概要

背景

DNAやRNAの塩基配列を決定する新しい技術が開発されてきている。

現在、通常用いられている電気泳動を利用した方法においては、予め配列決定用のDNA断片又はRNA試料から逆転写反応を行い合成したcDNA断片試料を調製し、周知のサンガー法によるジデオキシ反応を実行した後、電気泳動を行い、分子量分離展開パターン計測して解析する。

これに対し、近年、基板に試料となるDNA断片を数多く固定して、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が提案されている。

非特許文献1では、DNA断片を担持する担体として微粒子を用い、微粒子上でPCRを行う。その後、微粒子のサイズに穴径を合わせた数多くの穴を設けたプレートに、PCR増幅されたDNA断片を担持した微粒子を入れてパイロシーケンス方式で読み出している。

また、非特許文献2では、DNA断片を担持する担体として微粒子を用い、微粒子上でPCRを行う。その後、微粒子をガラス基板上にばら撒いて固定し、ガラス基板上で酵素反応ライゲーション)を行い、蛍光色素付き基質を取り込ませて蛍光検出を行うことにより各断片の配列情報を得ている。

さらに、非特許文献3では、基板上に、同一配列を有する多数のDNAプローブを固定しておく。また、DNA試料を切断後、DNAプローブ配列と相補鎖アダプター配列を各DNA試料断片の端に付加させる。これらを基板上でハイブリダイゼーションさせることにより、基板上にランダム一分子ずつ試料DNA断片を固定化させている。この場合、基板上でDNA伸長反応を行い、蛍光色素付き基質を取り込ませた後、未反応基質洗浄,蛍光検出を行い、試料DNAの配列情報を得ている。

以上のように、基板上に、核酸断片試料を数多く固定することにより、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が開発され、実用化されつつある。

特許文献1の図24Aに核酸分析用反応デバイスが開示されている。シランポリリジンなどのサンプル固定層が塗布された基板と、中央部が繰り抜かれたスペーサチャンバに設置し、チャンバ上部,スペーサ,基板を加圧により圧着するものである。チャンバ上部平板とスペーサより形成された中空基板平板部より流路が形成される。チャンバ上部の二つの管より液の出し入れが行われる。使用時は常にチャンバ上部平板と基板平板部を加圧することで、チャンバ上部平板とスペーサの界面、及びスペーサと基板平板部の界面からの液漏れを防止するものである。一般に、チャンバ上部平板部や基板平板部は微小ながらも凹凸があり、凹凸部からの液漏れを防止するために、加圧時の変形量が大きいプラスチックゴムなどをスペーサ材料として用い、これらスペーサを加圧変形させることで基板凹凸とスペーサを密着させて液漏れを防止する。

概要

流路内容量が少なく、サンプ固定率が高く、且つ液漏れが生じない核酸分析用反応デバイスを提供する。サンプル固定層を有する第一の基板と第二の基板がスペーサを介して貼り合されることによって形成される反応流路を有する核酸分析用反応デバイスであって、前記第一の基板とサンプル固定層がスペーサと接する。

目的

流路内容量が少なく、サンプル固定面積が大きく、且つ液漏れが生じない核酸分析用反応デバイスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

サンプル固定層を有する第一の基板と、第二の基板がスペーサを介して貼り合されることによって形成される反応流路を有する核酸分析用反応デバイスであって、前記第一の基板とサンプル固定層がスペーサと接していることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項2

請求項1に記載の核酸分析用反応デバイスであって、第一の基板によって形成される反応流路面の全面がサンプル固定層に覆われていることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項3

請求項2に記載の核酸分析用反応デバイスであって、サンプル固定層の面積が第一の基板によって形成される反応流路面の面積より大きいことを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項4

請求項3に記載の核酸分析用反応デバイスであって、スペーサの膜厚が500μm以下であることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項5

請求項4に記載の核酸分析用反応デバイスであって、貼り合せ用の穴を有する核酸分析用反応デバイス。

請求項6

請求項5に記載の核酸分析用反応デバイスであって、前記第一の基板、または第二の基板のいずれか一つ、または両方が光透過性の基板であることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項7

請求項5に記載の核酸分析用反応デバイスであって、前記光透過性の基板が、ガラス石英サファイア、または透明樹脂の少なくとも一つ以上の材料からなることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項8

請求項6に記載の核酸分析用反応デバイスであって、前記スペーサがポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。

請求項9

核酸分析する核酸分析装置であって、サンプル固定層を有する第一の基板と第二の基板がスペーサを介して貼り合わされることによって形成される反応流路を有する核酸分析用反応デバイス、前記核酸分析用反応デバイスに試薬を含む溶液注入する手段、前記核酸分析用反応デバイスに保持された試料を観察する検出手段、を有する核酸分析装置であって、前記第一の基板とサンプル固定層がスペーサと接していることを特徴とする核酸分析装置。

請求項10

請求項9に記載の核酸分析装置であって、前記サンプル固定層の一部がスペーサと接触し、且つ第一の基板によって形成される反応流路面の全面がサンプル固定層に覆われていることを特徴とする核酸分析装置。

技術分野

0001

本発明は、核酸分析用反応デバイス、及び核酸分析装置に関する。

背景技術

0002

DNAやRNAの塩基配列を決定する新しい技術が開発されてきている。

0003

現在、通常用いられている電気泳動を利用した方法においては、予め配列決定用のDNA断片又はRNA試料から逆転写反応を行い合成したcDNA断片試料を調製し、周知のサンガー法によるジデオキシ反応を実行した後、電気泳動を行い、分子量分離展開パターン計測して解析する。

0004

これに対し、近年、基板に試料となるDNA断片を数多く固定して、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が提案されている。

0005

非特許文献1では、DNA断片を担持する担体として微粒子を用い、微粒子上でPCRを行う。その後、微粒子のサイズに穴径を合わせた数多くの穴を設けたプレートに、PCR増幅されたDNA断片を担持した微粒子を入れてパイロシーケンス方式で読み出している。

0006

また、非特許文献2では、DNA断片を担持する担体として微粒子を用い、微粒子上でPCRを行う。その後、微粒子をガラス基板上にばら撒いて固定し、ガラス基板上で酵素反応ライゲーション)を行い、蛍光色素付き基質を取り込ませて蛍光検出を行うことにより各断片の配列情報を得ている。

0007

さらに、非特許文献3では、基板上に、同一配列を有する多数のDNAプローブを固定しておく。また、DNA試料を切断後、DNAプローブ配列と相補鎖アダプター配列を各DNA試料断片の端に付加させる。これらを基板上でハイブリダイゼーションさせることにより、基板上にランダム一分子ずつ試料DNA断片を固定化させている。この場合、基板上でDNA伸長反応を行い、蛍光色素付き基質を取り込ませた後、未反応基質洗浄,蛍光検出を行い、試料DNAの配列情報を得ている。

0008

以上のように、基板上に、核酸断片試料を数多く固定することにより、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が開発され、実用化されつつある。

0009

特許文献1の図24Aに核酸分析用反応デバイスが開示されている。シランポリリジンなどのサンプル固定層が塗布された基板と、中央部が繰り抜かれたスペーサチャンバに設置し、チャンバ上部,スペーサ,基板を加圧により圧着するものである。チャンバ上部平板とスペーサより形成された中空基板平板部より流路が形成される。チャンバ上部の二つの管より液の出し入れが行われる。使用時は常にチャンバ上部平板と基板平板部を加圧することで、チャンバ上部平板とスペーサの界面、及びスペーサと基板平板部の界面からの液漏れを防止するものである。一般に、チャンバ上部平板部や基板平板部は微小ながらも凹凸があり、凹凸部からの液漏れを防止するために、加圧時の変形量が大きいプラスチックゴムなどをスペーサ材料として用い、これらスペーサを加圧変形させることで基板凹凸とスペーサを密着させて液漏れを防止する。

0010

特表2008−528040号公報
特開2006−87974号公報
特許第3605039号公報

先行技術

0011

Nature 2005, Vol. 437, pp. 376-380
Science 2005, Vol. 309, pp.1728-1732
Science 2008, Vol. 320, pp. 106-109
Microfluidics and Nanofluidics 2009, Vol 6, pp. 1-16
Anal.Biochem. 2003, Vol. 320, pp. 55-65

発明が解決しようとする課題

0012

一般に、スペーサ変形量はスペーサの膜厚に依存する。膜厚が大きい場合は、スペーサ変形量も大きく、スペーサが基板の凹凸に追従しやすくなるため、液漏れは生じにくい。

0013

しかしながら、スペーサを薄くすると加圧による変形量が少なくなるため、液漏れのリスクが高くなり、スペーサを薄くできない課題がある。結果として、流路内容量が大きい課題がある。一般に、核酸分析に用いられる試薬は高価であるため、特許文献1の核酸分析システムは流路内容量が大きく解析のランニングコストが高い問題がある。また、スペーサを変形させるための加圧機構が必要となるため、装置が高価、且つ大きくなる問題もある。

課題を解決するための手段

0014

本発明の発明者は、鋭意研究の結果、流路内容量が少なく、サンプ固定率が高く、且つ液漏れが生じない核酸分析用反応デバイスを完成させた。

0015

本発明は、サンプル固定層を有する第一の基板と第二の基板がスペーサを介して貼り合されることによって形成される反応流路を有する核酸分析用反応デバイスであって、前記第一の基板とサンプル固定層がスペーサと接していることを特徴とする。第一の基板とスペーサとの接着強度が高く、液漏れを防止することができる。

0016

また、本発明は、前記サンプル固定層の一部がスペーサと接触し、且つ第一の基板によって形成される反応流路面の全てがサンプル固定層に覆われていることを特徴とする。第一の基板によって形成される反応流路面全面にサンプルを固定することができるためにサンプル固定面積が大きく、一度の解析で読み取れるサンプル数が多く、スループットを高めることができる。

0017

また、本発明は、サンプル固定層の面積が第一の基板によって形成される反応流路面の面積より大きいことを特徴とする。一般に、第一の基板とスペーサ貼り合せ時に位置ズレが生じる。サンプル固定層面積、及び形状とスペーサくり貫き部の面積、及び形状が同一の場合には、流路底面を構成するサンプル固定層面積は、貼り合せ時の位置ズレにより、第一の基板で形成される流路面積より小さくなり、スループットが低くなる課題がある。サンプル固定層の面積を第一の基板によって形成される反応流路面より大きくすることで、流路面底面の全面にサンプル固定層を導入することができるため、高スループット液漏れ防止両立することができる。

0018

また、本発明は、前記スペーサの膜厚が500μmであることを特徴とする。膜厚を薄くすることで流路内容量を小さくすることができるため、解析に必要な試薬量を低減することができ、1解析あたりに必要な解析コストを低減することができる。また、本発明は前記核酸分析用反応デバイスであって、貼り合せ用の穴を有することを特徴とする。第一の基板,スペーサ、及び第二の基板を貼り合せするときの位置ずれを最小化することができる。一般に、サンプル固定層とスペーサとの接触面積が大きいと、サンプル固定層とスペーサ界面への液浸透が生じるために、流路内液交時に交換前の液の一部残るキャリーオーバが生じる。本発明は、キャリーオーバ防止とサンプル固定面積を大きくすることによる高スループットを両立することができる。また、本発明は、前記第一の基板、または第二の基板のいずれか一つ、または両方が光透過性の基板であることを特徴とする。核酸分析を検出する手段として、高感度,高スループットを実現できる蛍光検出を用いることができる。

0019

また、本発明は、前記光透過性の基板が、ガラス石英サファイア、または透明樹脂の少なくとも一つ以上の材料からなることを特徴とする。ガラス,石英,サファイア、または透明樹脂は光透過性が高く、高感度で検出することができる。

0020

また、本発明は、スペーサがポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする。ポリジメチルシロキサンは、ガラス,石英,サファイア、または透明樹脂との接着強度が高く、液注入速度が速い場合にも、液漏れを完全に防止することができる。高速注入は、キャリーオーバの低減と核酸分析の高スループットを実現することができる。

発明の効果

0021

流路内容量が少なく、サンプル固定面積が大きく、且つ液漏れが生じない核酸分析用反応デバイスを提供する。

図面の簡単な説明

0022

本発明の核酸分析用反応デバイス構成の一例を説明するための図である。
本発明の核酸分析用反応デバイス構成の一例を説明するための図である。
本発明の核酸分析用反応デバイス構成の一例を説明するための図である。
本発明の核酸分析用反応デバイス製造プロセスの一例を説明するための図である。
本発明の核酸分析装置の一例を説明するための図である。

0023

以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図を参照して説明する。

0024

ここでは、本発明を完全に理解してもらうため、特定の実施形態について詳細な説明を行うが、本発明はここに記した内容に限定されるものではない。また、各実施例は適宜組み合せることが可能であり、当該組み合せ形態についても本明細書は開示している。

0025

図1に本発明の核酸分析用反応デバイスの例を示す。

0026

核酸分析用反応デバイスは、サンプル固定層5を有する第一の基板1,第二の基板2、及び中央部の一部がくり貫かれたスペーサ3を貼り合せた構造であり、第一の基板1とサンプル固定層5がスペーサと接していることを特徴とする。貼り合せ用の穴6は、第一の基板1,第二の基板2、及びスペーサ3を位置精度良く貼り合せるために用いる。液注入口7及び液排出口8は、第一の基板1、または第二の基板2に設けられた穴を用いる。一般に、スペーサ3とサンプル固定層5の密着性が低く、スペーサ3とサンプル固定層の接着界面からの液漏れが大きな課題であるが、本発明の反応デバイスは、第一の基板1とスペーサ3が直接接合しているため、反応溶液の液漏れを防止することができる。

0027

第一の基板1として用いられる材料は、特に制限はないが、蛍光検出のために、光透過性が高い材料が良い。この様な材料としては、ガラス,石英,サファイアなどの無機材料ポリメタクリル酸メチル樹脂ポリカーボネート樹脂シクロオレフィン樹脂などの樹脂材料が挙げられる。第一の基板1の厚さとしても特に制限はないが、蛍光検出時感度を高めるために、厚さ10mm以下が望ましい。

0028

第二の基板2として用いられる材料は、特に制限はないが、第二の基板が温調素子と接触するような核酸分析装置に用いられる場合は、この様な材料としては、シリコン,ガラス,サファイア,石英などの無機材料や、SUS,銅,アルミニウムなどの金属材料、またはカーボンファイバ無機フィーラを配合した高熱伝導性の樹脂材料が挙げられる。第二の基板2の厚さとしても特に制限はないが、熱伝導性を高めるために、厚さ10mm以下が望ましい。

0029

スペーサ3に用いられる材料としては、非特許文献4に示される様な、熱硬化性光硬化性などのエポキシ接着剤アクリル接着剤などを用いることができる。また、アクリル樹脂ベースとした両面テープなどを用いても良い。より好ましい材料として、ガラス,石英,サファイア、または透明樹脂との接着強度が高いポリジメチルシロキサンを挙げることができる。サンプル固定層5としては、特に制限はなく、特許文献1に示される様なシランやポリリジン、非特許文献5に示される様なアクリルゲルを用いることができる。

0030

また、特許文献3に示される様な各種Linling試薬を用いても良い。具体的には、第一の基板1上に金を導入し、金とアルカンチオール類との特異的な相互作用を用いて基板上に官能基を導入した後、Linking試薬を用いて、アルカンチオール類の官能基と測定サンプルの官能基を反応させることで測定サンプルを第一の基板1上に固定することができる。また、金を用いない方法として、第一の基板1の材料としてガラス,石英,サファイアなどの金属酸化物を用い、金属酸化物上シランカップリング剤を用いて官能基を導入した後、Linking試薬を用いて測定サンプルを固定する。また、サファイア,チタニアジルコニアなど金属酸化物などもサンプル固定層として用いることができる。これらの金属酸化物は、リン酸カルボン酸スルホン酸などの官能基と特異的に結合することが知られており、これらの官能基を有する化合物をサンプル固定層に導入した後、上記のLinking試薬を用いて測定サンプルを固定することができる。図2に本発明のさらなる形態を示す。図1との違いは、サンプル固定層5が流路底面の前面を覆っている点であり、サンプル固定面積が大きいために数多くのサンプルを固定することができ、一解析当たりのスループットを高めることができる。

0031

また、図3に本発明のさらなる形態を示す。図2との違いは、サンプル固定層面積が流路底面積より大きく、且つ流路底面の全面がサンプル固定層で覆われている点である。本発明の反応デバイスは、第一の基板1が持つ液注入口7と液排出口8を形成するための穴とスペーサ3のくり貫き部が重なるように貼り合せる必要があるが、サンプル固定層面積を流路面積より大きくすることで、穴とくり貫き部の重ね合せに必要な貼り合せ時の位置精度を低減することができる。貼り合せ時の位置精度低減により、本発明の反応デバイスは液注入口と排出口の穴の直径、及び流路の幅を小さくできるため、流路内容量を低減できる。結果として、一解析で用いる試薬量を低減することができ、解析コストを低減できる。

0032

図4に本発明の核酸分析用反応デバイスの製造例を示す。両面に離型フィルム10を有するスペーサ3を型抜プレス加工レーザ加工などを用いて内部をくり貫き、流路部となるくり貫き部11を形成する。片面の離型フィルム10を剥離した後、サンプル固定層5がパターニングされた第一の基板1とスペーサ3を貼り合せる。パターニングの方法としては、サンプル固定層が金属酸化物や有機物の場合、蒸着スパッタリングなどの薄膜形成方法を用いることができる。この時、貼り合せ時の第一の基板1とスペーサ3の位置ズレを最小化するために、貼り合せ用の穴6を用いてアライメントする。第一の基板1とスペーサ3の密着力を高めるために、貼り合せ直前に第一の基板1の表面、及びスペーサ3の表面を、エキシマ処理酸素プラズマ処理、または大気プラズマ処理しても良い。また、貼り合せ後に加熱処理を行い第一の基板1とスペーサ3の密着性を高めても良い。次に、残っている離型フィルム10を除去した後に、同様の処理を行い第二の基板を貼り合せる。

0033

図5に本発明の核酸分析装置を示す。核酸分析装置12は、本発明の核酸分析用反応デバイス13、核酸分析用反応デバイス13を固定し、なおかつ核酸分析用反応デバイス13を温度調整するホルダユニット14、核酸分析用反応デバイス13・ホルダユニット14を移動させるステージユニット15、複数の試薬や洗浄水が収容された試薬容器16、試薬容器16に収容された試薬を吸引し核酸分析用反応デバイス13に注入する駆動源である送液ユニット17、試薬の吸引・吐出の際、実際に試薬容器16や核酸分析用反応デバイス13にアクセスするノズル18、ノズル18を搬送させるノズル搬送ユニット19、核酸分析用反応デバイス13に固定された試料を観察するための検出ユニット20、廃液を収容する廃液容器21を有する。

0034

本発明の核酸分析装置は以下の通りに動作する。まず、測定対象のDNAを保持した核酸分析用反応デバイス13をホルダユニット14に設置する。次に、ノズル18が試薬容器16にアクセスし、試薬を送液ユニット17により吸引する。ノズル18は、ノズル搬送ユニット19により核酸分析用反応デバイス13上面に搬送され、核酸分析用反応デバイス13に試薬を注入する。そして、ホルダユニット14にて、核酸分析用反応デバイス13内に含まれたDNA断片と試薬を温度調整することで反応が起こる。反応したDNA断片を観察するために、核酸分析用反応デバイス13をステージユニット15にて移動させ、励起光を当てて検出領域内にある複数のDNA断片の蛍光を検出する。検出後、核酸分析用反応デバイス13を微小に動かし同様の方法で検出、という動作を複数回繰り返す。全ての検出領域で観察が終了したら、試薬容器16に収容された洗浄水を送液ユニット17により吸引し、核酸分析用反応デバイス13へ注入することで、核酸分析用反応デバイス13の流路内を洗浄する。また、別の試薬を注入し検出、という動作を複数回繰り返すことで、DNA配列を読み取ることができる。

0035

本発明の核酸分析装置を用いた核酸分析方法を説明する。分析方法は非特許文献2に開示されている方法に準じた。

0036

(1)ライブラリー作製
測定対象のDNAをDneasy Tissue kit(QIAGEN社)を用いて精製した後、DNAを断片化した。断片化DNAに対して、End-it DNA End Repair kit(EpiCentre社)を用いてテンプレートDNAの両端にタグ配列を付加した。タグ配列が付加したテンプレートを精製した後、スペーサ配列が付加されたテンプレートをエキソヌクレアーゼで処理して、RCA(RollingCircle Amplification)用のテンプレートを作製した。得られたテンプレートに対して、ランダムヘキサマーを用いたRCAを行いテンプレートを増幅した。増幅産物をMicrocon−30(Millipore社)で精製した後、制限酵素で断片化した。断片化された産物に対してゲル精製を行い、70塩基長タグライブラリーを抽出した。抽出されたタグライブラリーに対してプライマをライゲーションした後PCR増幅を行いライブラリーを作製した。

0037

(2)エマルジョンPCR
Light mineral oil(Sigma社)からなるオイル溶液PCR溶液、MyOne paramagnetic streptavidin磁気ビーズ(Dynal社)、及びライブラリー溶液を加えてエマルジョンPCRを行った。増幅溶液に対して、界面活性剤を含む溶液を加えて高速遠心を行った後、マグネットを用いて溶媒置換を行い、表面に数多くの増幅産物を持つ測定用のDNA付きビーズ水溶液を作製した。

0038

(3)核酸分析用反応デバイスへのDNA付きビーズ固定
DNA付きビーズに5′がリン酸化されたプライマをライゲーションし、ビーズ上のDNA末端固定用の官能基であるリン酸基を付加した。サンプル固定層5としてチタニアを持つ本発明の反応デバイスに5′がリン酸化されたDNA付きビーズ水溶液を注入した。サンプル固定層5を有する面が外側になるように遠心を行った後、サンプル固定層5を有する面を下側にして40℃で12時間保持して、チタニア上にDNA付きビーズを固定した。

0039

(4)核酸分析
本発明の核酸分析装置12にDNA付きビーズが固定された核酸分析用反応デバイスを設置した。アンカープライマを含む水溶液をノズル18を介して核酸分析用反応デバイス13に注入した。ホルダユニット14を用いて反応デバイス13内の水溶液を60℃に加熱した後、42℃に保持した。配列決定用の色素ラベル化されたプライマ,ライゲーション酵素を含む水溶液を注入した後、35℃で30分保持した。バッファーで反応デバイス13内の流路9を洗浄し、未反応のラベル化プライマを除去した。核酸分析用反応デバイス13をステージユニット15にて移動させた後、検出ユニット20にて励起光を当てて検出領域内にある複数のDNA付きビーズに導入された蛍光を検出した。ライゲーション反応と洗浄、及び蛍光検出を複数サイクル繰り返した後、DNAウラシル化とエンドヌクレアーゼを用いてアンカープライマとラベル化プライマのライゲーション産物分解除去した。新たなアンカープライマによるライゲーション反応,洗浄,検出の繰り返し、及びさらなるライゲーション産物の分解除去から新たなアンカープライマを用いた一連の検出を繰り返し行いDNA配列を決定した。

0040

以下、本実施例が解決するその他の課題について記載する。特許文献1の核酸分析では、サンプル測定毎に新しいディスポーザルな基板を要する。測定毎にチャンバ,スペーサ、及び基板を位置ズレなく組み立てる必要が生じるため、解析作業が煩雑な課題がある。

実施例

0041

装置に加圧機構が存在せずに、測定毎にチャンバ,スペーサ、及び基板からなる流路を組み立てる必要がなく、且つ流路内容量が少ない反応デバイスとして、特許文献2では、チャンバ,スペーサ、及び基板が一体化した反応デバイスが開示されている。スペーサ材料として、エポキシ樹脂やアクリル樹脂、またはポリジメチルシロキサンを用いる。しかしながら、エポキシ樹脂やアクリル樹脂は、接着硬化時に有機物を主成分としたアウトガスが生じる。アウトガスはサンプル固定層を汚染するため、サンプル固定率が低い課題がある。一方、ポリジメチルシロキサンはアウトガスが少ないためにサンプル固定率は高いが、シランやポリリジンからなるサンプル固定層との接着力が低く、液注入時にサンプル固定層とポリジメチルシロキサンとの界面から液漏れが生じる課題がある。

0042

1 第一の基板
2 第二の基板
3スペーサ
4流路エッジ
5サンプル固定層
6 貼り合せ用の穴
7液注入口
8液排出口
9 流路
10離型フィルム
11 くり貫き部
12核酸分析装置
13核酸分析用反応デバイス
14ホルダユニット
15ステージユニット
16試薬容器
17 送液ユニット
18ノズル
19 ノズル搬送ユニット
20検出ユニット
21 廃液容器

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