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技術 液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 中村晃仁中田茂樹
出願日 2011年1月14日 (9年11ヶ月経過) 出願番号 2011-006490
公開日 2012年8月9日 (8年4ヶ月経過) 公開番号 2012-148409
状態 未査定
技術分野 インクジェット(粒子形成、飛翔制御)
主要キーワード 大貫通孔 アクチュエーターユニット 反り方向 横振動 レベラー加工 不活性領域 カバーヘッド 変位低下
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年8月9日)のものです。
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図面 (16)

課題

平坦補強板を安価に製造することができ、液体噴射特性のばらつきを抑制して印刷品質を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。

解決手段

金属板160をプレス加工することにより、補強板60を形成する工程と、補強板60を形成した後、当該補強板60をプレス加工することにより、補強板60の両面にノズル開口の並設方向とは交差する方向に亘って連続する溝部80を設ける工程と、を具備する。

概要

背景

液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、圧電アクチュエーター変位による圧力を利用してノズル開口からインク滴吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。インクジェット式記録ヘッドはノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電アクチュエーターにより変形させて圧力発生室に供給されたインクに圧力を付与することで、ノズル開口からインク滴を吐出させている。

また、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、圧電アクチュエーターの一端部を振動板に固定すると共に他端部を固定板に固定し、固定板をケースに固定することで圧電アクチュエーターを保持し、圧電アクチュエーターを軸方向に伸長収縮させることで振動板を変形させて、圧力発生室に圧力変化を生じさせてインク滴を吐出させるものが提案されている。

このようなインクジェット式記録ヘッドでは、ケースは樹脂材料成形することで形成されているため、剛性が低く、圧電アクチュエーターを駆動した際の反発力を抑えることができないという問題がある。特に、圧電アクチュエーターがケースを貫通する収容部に固定されている場合、ケースはノズル開口の並設方向の両端部では、収容部の壁面によって剛性が高く、並設方向の中央部では、剛性が低くなるため、圧電アクチュエーターの駆動による反発力を均一に抑えることができず、均一なインク吐出特性で駆動することができない。

このため、樹脂材料からなるケースに圧電アクチュエーターの並設方向に亘って金属製の補強板埋設することで、補強板によってケースを補強したインクジェット式記録ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

概要

平坦な補強板を安価に製造することができ、液体噴射特性のばらつきを抑制して印刷品質を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。金属板160をプレス加工することにより、補強板60を形成する工程と、補強板60を形成した後、当該補強板60をプレス加工することにより、補強板60の両面にノズル開口の並設方向とは交差する方向に亘って連続する溝部80を設ける工程と、を具備する。

目的

本発明は、このような事情に鑑み、平坦な補強板を安価に製造することができ、液体噴射特性のばらつきを抑制して印刷品質を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液体噴射するノズル開口が一方面側に複数並設されていると共に、該ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路ユニットと、該流路ユニットの前記ノズル開口が開口する面とは反対面側に固定されたケースと、前記流路ユニットの前記ケースが固定された面側に設けられて、前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、を具備し、前記ケースが、樹脂成形材料で形成されていると共に、当該ケースには、板状部材からなる補強板が前記ノズル開口の並設方向埋設された液体噴射ヘッドの製造方法であって、金属板プレス加工することにより、前記補強板を形成する工程と、前記補強板を形成した後、当該補強板をプレス加工することにより、前記補強板の両面に前記ノズル開口の並設方向とは交差する方向に向かって連続する溝部を設ける工程と、を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。

請求項2

前記溝部を設ける工程の後、前記補強板をレベラー加工する工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッドの製造方法。

請求項3

前記レベラー加工する工程では、当該補強板の初期状態の反りを反対に反らせるレベラー加工を行う第1工程と、反対に反った前記補強板を平坦にするレベラー加工を行う第2工程と、を有することを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。

請求項4

前記補強板を形成する工程では、プレス加工によって前記補強板に厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を設ける工程と、プレス加工によって前記補強板の外形を切断する工程と、を具備することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。

請求項5

前記貫通孔を形成する工程では、前記補強板の前記流路ユニット側の側面に、前記ノズル開口の並設方向に沿って複数設けられて、厚さ方向に貫通すると共に前記側面に開口する切り欠き部を同時に設けることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。

請求項6

液体を噴射するノズル開口が一方面側に複数並設されていると共に、該ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路ユニットと、該流路ユニットの前記ノズル開口が開口する面とは反対面側に固定されたケースと、前記流路ユニットの前記ケースが固定された面側に設けられて、前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、を具備し、前記ケースが、樹脂成形材料で形成されていると共に、当該ケースには、板状部材からなる補強板が前記ノズル開口の並設方向に埋設され、前記補強板の両面には、当該補強板の流路ユニット側から前記流路ユニットとは反対側に向かう方向に向けて設けられた溝部が、前記ノズル開口の並設方向に複数配設されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。

請求項7

請求項6記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置

技術分野

0001

本発明は、ノズル開口から液体噴射する液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインク吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法、インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。

背景技術

0002

液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、圧電アクチュエーター変位による圧力を利用してノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。インクジェット式記録ヘッドはノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電アクチュエーターにより変形させて圧力発生室に供給されたインクに圧力を付与することで、ノズル開口からインク滴を吐出させている。

0003

また、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、圧電アクチュエーターの一端部を振動板に固定すると共に他端部を固定板に固定し、固定板をケースに固定することで圧電アクチュエーターを保持し、圧電アクチュエーターを軸方向に伸長収縮させることで振動板を変形させて、圧力発生室に圧力変化を生じさせてインク滴を吐出させるものが提案されている。

0004

このようなインクジェット式記録ヘッドでは、ケースは樹脂材料成形することで形成されているため、剛性が低く、圧電アクチュエーターを駆動した際の反発力を抑えることができないという問題がある。特に、圧電アクチュエーターがケースを貫通する収容部に固定されている場合、ケースはノズル開口の並設方向の両端部では、収容部の壁面によって剛性が高く、並設方向の中央部では、剛性が低くなるため、圧電アクチュエーターの駆動による反発力を均一に抑えることができず、均一なインク吐出特性で駆動することができない。

0005

このため、樹脂材料からなるケースに圧電アクチュエーターの並設方向に亘って金属製の補強板埋設することで、補強板によってケースを補強したインクジェット式記録ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

先行技術

0006

特開2001−293862号公報
特開2001−71486号公報

発明が解決しようとする課題

0007

このような補強板は、例えば、金属板プレス加工することにより製造することで、安価に大量生産することができるものの、プレス加工等による製造では、補強板に反りが発生してしまう。

0008

そして、補強板に反り、特に圧電アクチュエーターの並設方向の反りが発生すると、圧電アクチュエーターの並設方向において、各圧電アクチュエーターと補強板との位置にばらつきが生じ、圧電アクチュエーターの駆動による反発力を均一に抑えることができず、均一なインク吐出特性で駆動することができないという問題がある。

0009

また、補強板に反りが発生すると、ケースを成形する際に補強板の位置決めが困難になり、製品毎にケースの強度にばらつきが生じてしまう虞があると共に、補強板をケースに埋設することができない不良品が発生し、歩留まりが低下してしまうという問題がある。

0010

なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドの製造方法だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法においても同様に存在する。

0011

本発明は、このような事情に鑑み、平坦な補強板を安価に製造することができ、液体噴射特性のばらつきを抑制して印刷品質を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口が一方面側に複数並設されていると共に、該ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路ユニットと、該流路ユニットの前記ノズル開口が開口する面とは反対面側に固定されたケースと、前記流路ユニットの前記ケースが固定された面側に設けられて、前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、を具備し、前記ケースが、樹脂成形材料で形成されていると共に、当該ケースには、板状部材からなる補強板が前記ノズル開口の並設方向に埋設された液体噴射ヘッドの製造方法であって、金属板をプレス加工することにより、前記補強板を形成する工程と、前記補強板を形成した後、当該補強板をプレス加工することにより、前記補強板の両面に前記ノズル開口の並設方向とは交差する方向に向けて連続する溝部を設ける工程と、を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、プレス加工によって補強板を形成した際に発生した内部応力が、溝部によって第1方向で分断されるため、補強板の内部応力による反りを低減することができる。これにより、補強板のケース内位置決め精度を向上することができると共にケースの剛性を圧電アクチュエーターの並設方向(ノズル開口の並設方向)に亘ってばらつきをなくして、液体噴射特性を均一化することができる。

0013

ここで、前記溝部を設ける工程の後、前記補強板をレベラー加工する工程をさらに有することが好ましい。これによれば、さらに補強板を平坦化することができる。

0014

また、前記レベラー加工する工程では、当該補強板の初期状態の反りを反対に反らせるレベラー加工を行う第1工程と、反対に反った前記補強板を平坦にするレベラー加工を行う第2工程と、を有することが好ましい。これによれば、さらに補強板を平坦化することができる。

0015

また、前記補強板を形成する工程では、プレス加工によって前記補強板に厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を設ける工程と、プレス加工によって前記補強板の外形を切断する工程と、を具備することが好ましい。これによれば、補強板を安価に大量生産することができる。

0016

また、前記貫通孔を形成する工程では、前記補強板の前記流路ユニット側の側面に、前記ノズル開口の並設方向に沿って複数設けられて、厚さ方向に貫通すると共に前記側面に開口する切り欠き部を同時に設けることが好ましい。これによれば、補強板に切り欠き部を設けることによって、ケースを樹脂材料で成形した際に、補強板の周囲、特に流路ユニット側の側面に樹脂材料の充填不良による空間が画成されるのを抑制して、圧電アクチュエーターによる振動板の変位低下吐出特性にばらつきが発生するのを抑制することができる。

0017

さらに、本発明の他の態様は、液体を噴射するノズル開口が一方面側に複数並設されていると共に、該ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路ユニットと、該流路ユニットの前記ノズル開口が開口する面とは反対面側に固定されたケースと、前記流路ユニットの前記ケースが固定された面側に設けられて、前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、を具備し、前記ケースが、樹脂成形材料で形成されていると共に、当該ケースには、板状部材からなる補強板が前記ノズル開口の並設方向に埋設され、前記補強板の両面には、当該補強板の流路ユニット側から前記流路ユニットとは反対側に向かう方向に向けて設けられた溝部が、前記ノズル開口の並設方向に複数配設されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、反りの低減された補強板を有するケースを設けることができ、圧電アクチュエーターの並設方向での剛性のばらつきを低減して、液体噴射特性を均一化することができる。

0018

さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、印刷品質を向上した液体噴射装置を実現できる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの上面図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の断面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の製造方法を示す平面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態1に係る補強板の製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態1に係るケースの製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドを示す断面図である。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの比較例を示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る記録装置概略構成を示す図である。

実施例

0020

以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2はインクジェット式記録ヘッドの上面図、図3図2のA−A′線断面図であり、図4図2のB−B′線断面図であり、図5図2のC−C′線断面図であり、図6は、補強板の断面図である。

0021

図1に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1(以下、記録ヘッド1とも言う)は、一対のアクチュエーターユニット2と、アクチュエーターユニット2を内部に収容可能な収容部3が設けられた樹脂材料からなるケース4と、ケース4の先端面に接合された流路ユニット5と、流路ユニット5側を覆うカバーヘッド6と、を具備する。

0022

図3及び図4に示すように、本実施形態のアクチュエーターユニット2は、複数の圧電アクチュエーター11がその幅方向に並設された圧電アクチュエーター形成部材13と、圧電アクチュエーター形成部材13の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(他端部)側が固定端として接合される固定板14とを有する。

0023

圧電アクチュエーター形成部材13は、圧電材料層15と、圧電アクチュエーター11の2つの極を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電アクチュエーター11と電気的に独立する個別電極を構成する個別内部電極16と、隣接する圧電アクチュエーター11と電気的に共通する共通電極を構成する共通内部電極17とを交互に挟んで積層することにより形成されている。

0024

この圧電アクチュエーター形成部材13には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリット18が形成され、その先端部側櫛歯状に切り分けられて圧電アクチュエーター11の列が形成されている。なお、圧電アクチュエーター11の列の両外側には、各圧電アクチュエーター11よりも広い幅を有する位置決め部19が設けられている。この位置決め部19は、圧電アクチュエーター11と同様に、圧電アクチュエーター形成部材13で形成されているが、実質的に駆動されない非駆動振動子であり、アクチュエーターユニット2を記録ヘッド1に組み込む際に、位置決め部19をケース4に設けられた収容部3の側面に当接させて、アクチュエーターユニット2を高精度に位置決めするためのものである。

0025

ここで、圧電アクチュエーター11の固定板14に接合される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電アクチュエーター11を構成する個別内部電極16及び共通内部電極17間に電圧印加すると、固定板14に接合されていない先端部側の領域のみが振動する。そして、圧電アクチュエーター11の先端面が、後述する振動板46の島部49に接着剤等を介して固定される。

0026

また、アクチュエーターユニット2の各圧電アクチュエーター11には、当該圧電アクチュエーター11を駆動するための駆動IC等の駆動回路29が搭載されたCOF等の回路基板30が接続されている。

0027

流路ユニット5は、流路形成基板40、振動板46及びノズルプレート48を具備する。

0028

流路形成基板40は、シリコン単結晶基板からなり、その一方面側の表層部分には、複数の隔壁41によって画成された圧力発生室42がその幅方向(短手方向)に並設されている。

0029

また、図3に示すように、各圧力発生室42の長手方向一端部側には、各圧力発生室42に液体の一例であるインクを供給するためのマニホールド44が液体供給路の一例であるインク供給路45を介して連通されている。また、流路形成基板40の圧力発生室42の開口面側は振動板46で封止され、他方面側にはノズル開口47が穿設されたノズル形成部材の一例であるノズルプレート48が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。ノズルプレート48のノズル開口47と圧力発生室42とは、流路形成基板40を貫通して設けられたノズル開口連通孔43(図4参照)を介して連通している。

0030

振動板46は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる第1の部材である弾性膜46aと、この弾性膜46aを支持する、例えば、金属材料等からなる第2の部材である支持板46bとの複合板で形成されており、弾性膜46a側が流路形成基板40に接合されている。例えば、本実施形態では、第1の部材である弾性膜46aは、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイドフィルムからなり、第2の部材である支持板46bは、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。

0031

また、振動板46の各圧力発生室42に対向する領域内には、圧電アクチュエーター11の先端部が当接する島部49が設けられている。すなわち、振動板46の各圧力発生室42の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部50が形成され、この薄肉部50の内側にそれぞれ島部49が設けられている。このような島部49には、上述したアクチュエーターユニット2の圧電アクチュエーター11の先端部が例えば、接着剤等を介して固定される。

0032

また、振動板46のマニホールド44に対向する領域には、薄肉部50と同様に、支持板46bがエッチングにより除去されて実質的に弾性膜46aのみで構成されるコンプライアンス部54が設けられている。なお、このコンプライアンス部54は、マニホールド44内に圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部54の弾性膜46aが変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド44内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。

0033

なお、本実施形態では、振動板46を弾性膜46aと支持板46bとで構成し、島部49の周辺部及びコンプライアンス部54を弾性膜46aのみで構成したが、特にこれに限定されず、例えば、振動板として、1枚の板状部材を用いて、板状部材の厚さ方向の一部を除去した凹形状の薄肉部50等を設けることで、島部49及びコンプライアンス部54を形成するようにしてもよい。

0034

ケース4は、流路形成基板40の振動板46上に固定されたものであり、図示しないインクカートリッジ等の液体貯留部が接続されて、マニホールド44にインクを供給するインク供給路45が設けられている。

0035

また、ケース4には、厚さ方向に貫通する2つの収容部3が設けられており、各収容部3にアクチュエーターユニット2が位置決めされて固定されている。

0036

このようなケース4の収容部3は、図1に示すように、固定板14が固定される側に固定板14の幅よりも幅広に設けられた固定板保持部3aと、圧電アクチュエーター形成部材13側に固定板保持部3aよりも幅狭で且つ圧電アクチュエーター形成部材13よりも若干幅広に設けられた圧電アクチュエーター保持部3bとを有する。なお、ここで言う幅は、圧電アクチュエーター11(圧力発生室42)の並設方向のことである。また、図3に示すように、収容部3の固定板保持部3aには、貫通方向において振動板46側が幅狭となるように段差部3cが設けられており、固定板14は、圧電アクチュエーター11が突出する端面が段差部3cに当接して固定される。

0037

また、ケース4には、コンプライアンス部54に対向する領域に開口する凹形状を有するコンプライアンス空間55が設けられている。このコンプライアンス空間55によってコンプライアンス部54は変形可能に保持される。

0038

このようなケース4は、樹脂材料によって形成されている。また、ケース4は、樹脂材料によって成形することで、比較的低いコストで製造することができると共に、容易に量産することができる。

0039

さらに、ケース4には、補強板60が埋設されている。本実施形態では、補強板60は、ケース4の2つの収容部3の間に設けられて収容部3を区画する区画壁61内に埋設されている。

0040

図5に示すように、補強板60は、矩形状を有する板状部材の一対の角部を切り欠いた形状を有する。具体的には、補強板60は、ケース4に埋設された際に流路ユニット5側の角部を切り欠いた第1凹部62が設けられており、この第1凹部62によって補強板60の両側面には、流路ユニット5とは反対側に側面方向に突出した凸部63が設けられている。

0041

このような補強板60は、ケース4の圧電アクチュエーター11の並設方向の両側面と、ケース4の流路ユニット5とは反対側の面とに一部が露出した状態でケース4の区画壁61内に埋設されている。具体的には、ケース4の流路ユニット5との接合面とは反対側の面の区画壁61には、2つの凹形状を有する第1露出部64が設けられており、第1露出部64によって補強板60の流路ユニット5とは反対側の辺の一部が露出されている。

0042

また、ケース4の圧電アクチュエーター11の並設方向両側面には、側面と流路ユニット5側の面とに開口する凹形状を有する第2露出部65がそれぞれ設けられている。第2露出部65は、ケース4の側面に補強板60の凸部63までの深さよりも深く、且つ第1凹部62よりも浅い深さで設けられている。この第2露出部65によって補強板60の凸部63の第1凹部62側の角部66が露出されている。すなわち、補強板60は、第1露出部64によって流路ユニット5とは反対側の面が露出され、第2露出部65によって流路ユニット5側の面と、両側面(圧電アクチュエーター11の並設方向両側)とが露出されている。

0043

このような補強板60は、ケース4よりも高い強度を有する材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料や、ケース4よりも高い強度を有する樹脂材料、ガラスセラミックス等を用いることができる。

0044

また、補強板60は、ケース4を樹脂材料で成形する金型内に予め設置し、金型内に樹脂材料を射出成形することによって充填する、所謂インサート成形によって一体化されている。そして、上述した第1露出部64及び第2露出部65は、ケース4を成形する際の金型内に位置決めする保持治具の支持により形成される。

0045

また、補強板60には、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔67が設けられている。貫通孔67は、ノズル開口47の並設方向であり補強板60の長手方向である第1方向Xと、この第1方向Xとは交差する方向、本実施形態では、補強板60の短手方向である第2方向Yとに亘って複数並設されている。このような貫通孔67は、表面に開口する開口形状が、円形状、楕円形状、三角四角等の多角形状であってもよい。なお、貫通孔67は、金型内でケース4を成形する溶融した樹脂流動性を向上するためのものであるため、なるべく角の少ない形状であるのが好ましい。本実施形態では、貫通孔67として、補強板60の表面に円形状に開口するものを設けることで、樹脂の流動性をさらに向上している。なお、ここで言う厚さ方向とは、板状部材からなる補強板60の厚さを示すものであり、本実施形態では、補強板60は、その表面が流路ユニット5の振動板46に垂直となるように配置されているため、補強板60の厚さ方向とは、振動板46の面方向で且つノズル開口47の並設方向と直交する方向のことである。

0046

また、補強板60の流路ユニット5側の側面には、この側面に開口する切り欠き部68が第1方向Xに沿って所定間隔で複数設けられている。また、本実施形態では、切り欠き部68を、補強板60の流路ユニット5とは反対側の側面にも開口するように設けた。これらの切り欠き部68は、上述した貫通孔67を補強板60の側面に開口するように設けたものであり、補強板60の表面(厚さ方向の両側の面)には、半円状に開口している。

0047

ここで詳細には、貫通孔67は、第2方向Yに並設された列67A、67B等が、第1方向Xに並設されており、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列は、第2方向Yに貫通孔67の並びの半ピッチだけずれた位置に配置されている。これにより、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の一方の列67Aは、補強板60の短手方向(第2方向Y)の幅内に収まり、他方の列67Bの両側の貫通孔67は補強板60の短手方向(第2方向Y)の両側に開口する。本実施形態では、この補強板60の側面に開口した貫通孔67が切り欠き部68となる。

0048

すなわち、本実施形態では、貫通孔67は、一方の列67Aでは、補強板60の短手方向(第2方向Y)に3個収まるように均等な間隔で配置されている。そして、他方の列67Bでも一方の列67Aの貫通孔67と同じ間隔で貫通孔67を配置すると共に、一方の列67Aの貫通孔67に対して短手方向(第2方向Y)に半ピッチずらすことで、他方の列67Bの第2方向Yの両側の貫通孔67は補強板60の側面に開口する。つまり、本実施形態では、第2方向Yに並設された貫通孔67の列67A、67Bを第1方向Xに並設し、第1方向Xに並設された貫通孔67を第2方向Yで同じ位置とならないように半ピッチずらした配置とすることで、貫通孔67を補強板60の面内に均一に配置することができると共に、補強板60の第2方向Y両側の側面に開口する切り欠き部68を貫通孔67によって設けることができる。そして、第2方向Yの両側に設けられた切り欠き部68(貫通孔67)は、第1方向Xに均等な間隔(貫通孔67の列が2列毎)に配置することができる。

0049

このように補強板60に複数の貫通孔67を所定の間隔で複数設けることによって、補強板60の強度を著しく低下させることなく、補強板60を内包するケースを樹脂材料で成形する際に、貫通孔67によって金型内に充填する樹脂材料の流動性が向上し、金型内に樹脂材料を確実に充填して、補強板の表面に樹脂材料の充填されていない空間が画成されるのを抑制することができる。

0050

また、補強板60の流路ユニット5側の側面に切り欠き部68を設けることで、補強板60を内包するケース4を樹脂材料で成形する際に、補強板60の流路ユニット5側の側面の樹脂材料の流動性を向上し、補強板60の流路ユニット5側の側面に樹脂材料が充填されていない空間が画成されるのを抑制することができる。

0051

ちなみに、ケース4内において、補強板60の周囲に空間が画成されると、ケース4の剛性にばらつきが生じてしまう。ここで、圧電アクチュエーター11は、駆動することによって振動板46を押圧するが、その反発力は固定板14を介してケース4に印加される。また、ケース4は、流路ユニット5の振動板46側に固定されているため、ケース4に印加された応力は、収容部3の周囲の流路ユニット5に伝わる。このような樹脂材料からなるケース4は剛性が低いため、ケース4に補強板60を埋設することで、ケース4の剛性を向上して圧電アクチュエーター11の反発を押さえることができる。このとき、補強板60の周囲に空間が形成されていると、この空間によってケース4の樹脂部分が変形し、空間が生じた部分で圧電アクチュエーター11の反発力を押さえることができなくなってしまう。特に、補強板60の流路ユニット5側の側面に空間が形成されていると、圧電アクチュエーター11の駆動による反発力でケース4の樹脂部分が空間をつぶすように流路ユニット5側に変形してしまう。そして、ケース4の樹脂部分が流路ユニット5側に変形するということは、圧電アクチュエーター11の駆動による伸張がケース4によって吸収されることになり、圧電アクチュエーター11が振動板46を十分に変形させることができなくなり、インク吐出特性の低下が発生してしまう。また、このような空間は、補強板60の流路ユニット5側の側面に均一に形成される訳ではなく、部分的に形成されるため、ノズル開口47の並設方向において、各ノズル開口47から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう。

0052

さらに、流路ユニット5のケース4が接合される面には、振動板46が設けられているため、補強板60と振動板46との間に空間が形成されると、空間が近くに形成された振動板46(島部49の周囲の薄肉部50)の振動特性に影響を与えるため、空間が近くに形成された振動板46(島部49の周囲の薄肉部50)と、空間から遠い振動板46(島部49の周囲の薄肉部50)とにおいて振動特性にばらつきが生じ、複数のノズル開口47から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが発生してしまう。

0053

本実施形態では、補強板60の流路ユニット5側の側面に、樹脂材料の流動性を向上する切り欠き部68を設けることで、補強板60と流路ユニット5との間に樹脂材料の充填不良による空間が形成されるのを抑制して、インク吐出特性の低下及び複数のノズル開口47から吐出されるインク滴のインク吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。

0054

また、本実施形態では、切り欠き部68を補強板60の流路ユニット5とは反対側の側面にも開口するように設けた。ここで、補強板60の流路ユニット5とは反対側の側面には、ケース4の樹脂部分が薄く形成されるため、補強板60の流路ユニット5とは反対側の側面に空間が画成されると、補強板60が外部に露出されることや、剛性が低下するなどの不具合が生じる。このため、補強板60の流路ユニット5とは反対側の側面に第1方向Xに向かって所定の間隔で切り欠き部68を設けることで、補強板60の流路ユニット5とは反対の側面に空間が画成されるのを抑制している。

0055

また、本実施形態では、補強板60の第1方向Xの両側、すなわち、凸部63には、他の貫通孔67よりも開口面積の大きな大貫通孔69が設けられている。この大貫通孔69を設けることで、ケース4を成形する際の第1方向Xの両側での樹脂材料の流動性をさらに向上することができる。ちなみに、大貫通孔69を設けることで、補強板60の第1方向Xの両側の剛性は低下するが、補強板60の第1方向Xの両側は、ケース4の収容部3を画成する壁が存在し、ケース4の樹脂材料の剛性が高いため特に問題はないが、このような大貫通孔69を補強板60の第1方向Xの中央部に設けるとケース4の剛性が低下して、インク吐出特性の均一化を阻害する要因となるため好ましくない。

0056

なお、本実施形態では、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列67A、67Bを第2方向Yにずらすことにより、貫通孔67によって切り欠き部68を設けるようにした。このため、補強板60の貫通孔67及び切り欠き部68等による開口面積を大きくすることなく、切り欠き部68を設けることができるため、補強板60の剛性が低下するのを抑制することができる。ちなみに、補強板に第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列67A、67Bを第2方向Yで同じ位置となるようにマトリックス状に配置した場合、貫通孔67とは別途切り欠き部68を設ける必要がある。このように切り欠き部68を別途設けた補強板は、切り欠き部68を設けずに貫通孔67のみが形成された補強板に比べて開口面積が広く、補強板の剛性が低下してしまう。本実施形態では、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列を第2方向Yにずらすことにより、切り欠き部68を設けずに貫通孔のみを設けた補強板と同じ開口面積とすることができ、補強板60の剛性の低下を抑制することができる。

0057

さらに、図5及び図6に示すように、補強板60の各面には、ノズル開口47の並設方向である長手方向(第1方向X)と交差する方向である短手方向である第2方向Yに向かって設けられた溝部80が、ノズル開口47の並設方向(補強板60の長手方向)である補強板60の第1方向Xに所定の間隔で複数設けられている。本実施形態では、4つの溝部80を第2方向Yに亘って連続して設けるようにした。

0058

このような溝部80は、補強板60の両面に厚さ方向で重なる位置に設けられている。この溝部80は、詳しくは後述するが、補強板60をプレス加工によって形成した際に発生した反りを抑制するためのものである。すなわち、溝部80は、補強板60をプレス加工した際に発生する長手方向である第1方向Xの反りを低減するものである。ちなみに、補強板60の長手方向に反りが発生すると、各圧電アクチュエーター11に対する補強板60の位置にばらつきが生じ、各圧電アクチュエーター11の反発力を押さえる力がばらついてしまい、ノズル開口47の並設方向において、各ノズル開口47から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう。また、補強板60は、ケース4の区画壁61内に埋設されているが、区画壁61は厚さが薄く、補強板60に反りが発生すると、補強板60が露出されてしまうなどの不具合が発生する。本実施形態では、補強板60に溝部80を形成することによって、補強板60の長手方向の反りを低減して、インク滴の吐出特性にばらつきが発生するのを抑制することができると共に、区画壁61内に補強板60を確実に埋設することができる。

0059

ここで、このような補強板60の製造方法について図7図11を参照して説明する。なお、図7は、補強板の製造方法を示す平面図であり、図8図11は、補強板の製造方法を示す断面図である。

0060

まず、図7(a)に示すように、補強板60となる金属板160をプレス加工することにより複数の貫通孔67を形成する。具体的には、図8(a)に示す第1の金型100を用いて行う。第1の金型100は、複数の貫通孔67を同時に形成可能な第1のパンチ101が設けられた上型102と、第1のパンチ101に相対向して第1のパンチ101が挿入される第1の挿入孔103が設けられた下型104と、を具備し、上型102が下型104側に向かって移動可能に設けられている。

0061

このような上型102と下型104との間に金属板160を配置し、図8(b)に示すように、上型102を下型104に向かって移動させることで、金属板160に複数の貫通孔67を設けることができる。なお、複数の貫通孔67の形成は、複数回に分けて形成してもよい。

0062

次に、図7(b)に示すように、金属板160をプレス加工することにより、補強板60の切り抜きを行う。具体的には、図9(a)に示す第2の金型110を用いて行う。第2の金型110は、補強板60の外形を切り抜き可能な第2のパンチ111が設けられた上型112と、第2のパンチ111に相対向して第2のパンチ111が挿入される第2の挿入孔113が設けられた下型114と、を具備する。

0063

このような上型112と下型114との間に金属板160を配置し、図9(b)に示すように、上型112を下型114に向かって移動させることで、金属板160から補強板60を切り抜くことができる。なお、金属板160からの補強板60の切り抜きは、1枚ずつ切り抜いてもよく、同時に複数枚の補強板60を切り抜いてもよい。また、金属板160から補強板60を切り抜く際に、貫通孔67の途中を補強板60の外形とすることで、貫通孔67を切断して切り欠き部68を形成することができる。

0064

このように貫通孔67の形成や、補強板60の切り抜きを行うと、補強板60には反りが発生する。これは、第1の金型100及び第2の金型110において、第1のパンチ101及び第2のパンチ111が設けられた上型102及び112によって貫通孔67及び切り抜きを行うため、上型102及び112側が凹となるように反りが発生する。また、この反りは、補強板60の長手方向(ケース4に埋設された際の第1方向X)に大きく発生する。

0065

次に、図7(c)に示すように、補強板60の両面にプレス加工によって溝部80を形成する。具体的には、図10(a)に示す第3の金型120を用いて行う。第3の金型120は、第3のパンチ121が設けられた上型122と、第3のパンチ121に相対向して第4のパンチ123が設けられた下型124と、を具備する。

0066

上型122の第3のパンチ121は、補強板60の短手方向よりも長い長さを有する凸形状を有し、且つ補強板60の長手方向に所定の間隔で複数、本実施形態では、4個設けられている。また、下型124の第4のパンチ123は、上型122の第3のパンチ121に相対向して、第3のパンチ121と同じ数、すなわち4個設けられている。

0067

このような上型122と下型124との間に補強板60を配置し、図10(b)に示すように、上型122を下型124に向かって移動させることで、補強板60を第3のパンチ121と第4のパンチ123とで挟み込み(プレス加工)、溝部80を形成することができる。このとき、補強板60の反りは、溝部80によって低減される。これは、補強板60が長手方向に反る方向に働く内部応力が、溝部80によって長手方向で複数に分割されるため、補強板60の長手方向の反りが低減されると考えられる。

0068

このように溝部80が形成された補強板60を本実施形態ではさらにレベラー加工している。具体的には、図11(a)に示すように、複数のローラー131が補強板60の両面に摺接するように配置されたレベラー加工装置130を用いて行う。本実施形態では、図11(a)〜図11(b)に示すように、補強板60をレベラー加工装置130の複数のローラー131の間を通すことで、補強板60にローラー131を圧接させて、図9(b)に示す第2の金型110の下型114側が凹状に反るように矯正する(第1工程)。すなわち、レベラー加工では、補強板60に貫通孔67等を形成すると共に外形を切り抜いたプレス加工によって反った方向とは反対側に反るように矯正する。

0069

次に、図11(c)〜図11(d)に示すように、レベラー加工装置130のローラー131の間に補強板60を通すことによって、補強板60を平坦化する(第2工程)。このような図11に示す工程は、同じレベラー加工装置130を用いて行うことができる。実際には、レベラー加工装置130の補強板60の各面に摺接するローラー131(図中上下のローラー131)の回転数を調整することで、補強板60を何れか一方面側が凸や凹となるように反らせることも、平坦化することも可能である。もちろん、図11(a)、(b)に示す工程と、図11(c)、(d)に示す工程とを、別のレベラー加工装置を用いて行うようにしてもよい。

0070

このように、本実施形態のレベラー加工では、プレス加工によって反った補強板60の反り方向とは反対方向に一度反らせた後、補強板60を平坦化することで、補強板60内の反り方向に働く内部応力をさらに減少させて、補強板60の平坦化を容易に且つ確実に行うことができる。また、このようなレベラー加工によって平坦化した補強板60は、平坦化した後に時間が経過しても反りが発生するのを抑制することができる。

0071

ここで、ケース4の製造方法について図12を参照してより詳細に説明する。なお、図12はケースの製造方法を示す断面図である。

0072

図12(a)に示すように、成形金型140内に補強板60を位置決めして保持する。補強板60の成形金型140内の保持は、補強板60の外周の4カ所を保持治具150、151によって押さえることで行われる。保持治具150は、補強板60の流路ユニット5とは反対側の面に当接する。また、保持治具151は、補強板60の凸部63の第1凹部62側の角部66に当接する。なお、保持治具151が角部66に当接するとは、保持治具151が補強板60の流路ユニット5側の面と、補強板60の圧電アクチュエーター11の並設方向の両側面とに当接していることを言う。このように、保持治具141は、圧電アクチュエーター11の並設方向の両側面に設けられた凸部63の角部66のうち、圧電アクチュエーター11の並設方向両側の側面を互いに押圧することで、成形金型140内に補強板60をX方向の移動を規制した状態で位置決めする。2つの保持治具151によって、補強板60の圧電アクチュエーター11の並設方向両側面を挟持することで、補強板60の成形金型140内でのX方向の位置決めが行われる。また、保持治具151が凸部63の角部66の流路ユニット5側の面と、保持治具150が補強板60の流路ユニット5とは反対側の面とを互いに押圧することで、成形金型140内に補強板60をY方向の移動を規制した状態で位置決めする。これにより、補強板60は、金型に対してX方向及びY方向の移動が規制された状態で位置決めされて保持される。

0073

このような状態で、図12(b)に示すように、成形金型140と補強板60との間に溶融した樹脂材料を充填することで、内部に補強板60が埋設されたケース4を形成することができる。このとき、補強板60を位置決め保持する保持治具150、151によって、ケース4には、補強板60を露出する2つの第1露出部64と2つの第2露出部65とが形成されている。

0074

また、成形金型140内に溶融した樹脂材料を充填した際に、貫通孔67、切り欠き部68及び大貫通孔69によって、樹脂材料の流動性が向上されて、樹脂材料は補強板60の周囲と貫通孔67、切り欠き部68及び大貫通孔69の内部に隙間無く充填され、樹脂材料の充填不良による空間が画成されることがない。このため、上述したように、空間によるケース4の剛性不足や、ノズル開口47の並設方向、すなわち、圧電アクチュエーター11の並設方向における剛性のばらつきを抑制して、インク吐出特性を均一化することができる。

0075

さらに、本実施形態では、上述した製造工程によって平坦化した補強板60をケース4内に埋設するようにしたため、ケース4から補強板60が露出するなどの不具合の発生を抑制することができる。また、補強板60が平坦化されているため、金型140内での位置決めが容易に行えて、高精度なケース4を形成することができる。

0076

ちなみに、ケース4内に長手方向に反った補強板60が埋設されると、各圧電アクチュエーター11に対して、圧力発生室42の長手方向であって、第1方向Xと直交する方向における補強板60の位置にばらつきが生じてしまう。このように圧電アクチュエーター11と補強板60との位置(間隔)にばらつきが生じるということは、ケース4の剛性にばらつきが生じていることになり、圧電アクチュエーター11の駆動にばらつきが生じて、インク吐出特性にばらつきが生じ、印刷品質が低下してしまう。本実施形態では、プレス加工という安価で製造できる補強板60を用いて、且つ平坦化した補強板60を用いることで、インク吐出特性にばらつきが生じるのを抑制して、印刷品質を向上することができる。

0077

さらに、図1図3図5に示すように、記録ヘッド1には、ノズル開口47が開口する面側に、ノズル開口47を露出した状態で、吐出面側を覆うカバーヘッド6が設けられている。

0078

カバーヘッド6は、ノズル開口47を露出する開口部70と、開口部70を画成する枠部71とを具備する。

0079

枠部71は、本実施形態では、吐出面の周囲に亘って設けられたものであり、枠部71には、吐出面の外周縁部に亘って屈曲するように延設された側壁部72が設けられている。

0080

また、側壁部72には、ノズル開口47の並設方向両側に延設された固定部73が設けられている。この固定部73は、側壁部72から屈曲されて設けられており、ケース4の側面から突出したフランジ部74に固定ネジ75を介して固定されている。これにより、カバーヘッド6は、記録ヘッド1に一体化されている。

0081

このような側壁から屈曲された固定部73は、ケース4との間隔が流路ユニット5とは反対側に向かって徐々に漸大するように設けられている。具体的には、側壁部72は流路ユニット5に対して垂直に設けられており、側壁部72に対して固定部73の始点は、ケース4の第2露出部65によって露出された補強板60の角部66よりも流路ユニット5側に位置する。そして、固定部73とケース4との隙間が、この始点からケース4のフランジ部74に向かって徐々に漸大するように設けられている。

0082

このように、固定部73とケース4との隙間を流路ユニット5(吐出面)とは反対側に向かって徐々に漸大させることで、カバーヘッド6と流路ユニット5やケース4との間にインクが侵入しても、侵入したインクが毛細管現象によってケース4の流路ユニット5とは反対側に這い上がるのを抑制することができる。

0083

なお、カバーヘッド6としては、例えば、ステンレス鋼等の金属材料を用いることができる。また、カバーヘッド6は、金属板をプレス加工により形成してもよく、また、成形により形成するようにしてもよい。

0084

このような記録ヘッド1では、インク滴を吐出する際に、圧電アクチュエーター11及び振動板46の変形によって各圧力発生室42の容積を変化させて所定のノズル開口47からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからケース4に設けられたインク導入孔56を介してマニホールド44にインクが供給されると、インク供給路45を介して各圧力発生室42にインクが分配される。実際には、圧電アクチュエーター11に電圧を印加することにより圧電アクチュエーター11を収縮させる。これにより、振動板46が圧電アクチュエーター11と共に変形されて圧力発生室42の容積が広げられ、圧力発生室42内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口47に至るまで内部にインクを満たした後、回路基板30を介して供給される記録信号に従い、圧電アクチュエーター11の電極16、17に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電アクチュエーター11が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板46も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室42の容積が収縮して圧力発生室42内の圧力が高まりノズル開口47からインク滴が吐出される。

0085

そして、本実施形態では、ケース4に補強板60を設けることで、ケース4の樹脂部分が温度変化湿度変化によってケース4が膨張したとしても、ケース4全体が変形するのを抑制して、ケース4に固定されたアクチュエーターユニット2が振動板46とは反対側に引き上げられるのを低減することができる。また、並設された圧電アクチュエーター11の駆動時に、並設方向の両端部側の圧電アクチュエーター11と中央部側の圧電アクチュエーター11とでケース4の剛性の違いによる浮き上がりを抑制することができるため、インク吐出特性の向上及び均一化を図ることができる。特に、補強板60に切り欠き部を設けることで、補強板の流路ユニット側の側面に空間が画成されるのを抑制して、並設方向の両端部側の圧電アクチュエーター11と中央部側の圧電アクチュエーター11とでケース4の剛性の違いによる浮き上がりを抑制することができる。

0086

また、本実施形態では、補強板60の吐出面側に第1凹部62を設け、第1凹部62によって形成された凸部63の流路ユニット5側の角部66を第2露出部65によって露出するようにした。このため、図13に示すように、補強板60の第2露出部65によって露出された領域(角部66)が吐出面とは離れるため、カバーヘッド6と流路ユニット5及びケース4との間に侵入したインクLが、第2露出部65によって露出された補強板60に達することがなく、第2露出部65から補強板60と樹脂材料との界面をインクが這い上がるのを抑制することができる。ちなみに、図14に示すように、凹部を設けていない補強板260の場合、吐出面側の角部166を第2露出部65によって露出すると、吐出面と第2露出部65によって露出された補強板260の角部166とが近接することになる。そして、吐出面と第2露出部65によって露出された補強板260とが近接していると、カバーヘッド6と流路ユニット5及びケース4との間に侵入したインクLが、第2露出部65に露出された補強板260まで達し、補強板260と樹脂材料との界面をインクが毛細管現象によって這い上がり、吐出面とは反対側の第1露出部64側から収容部3内にインクが侵入して、圧電アクチュエーター11を破壊してしまう。

0087

さらに、本実施形態では、図13に示すように、カバーヘッド6の固定部73を、ケース4との間隔が吐出面とは反対側に向かって徐々に漸大するようにしたため、カバーヘッド6とケース4との隙間にインクが侵入し難く、侵入したインクLが吐出面とは反対側に這い上がるのを抑制することができるため、第2露出部65で露出された補強板60にインクが達するのを抑制することができる。これによっても、収容部3へのインクの侵入を抑制して、圧電アクチュエーター11のインクによる破壊を抑制することができる。これに対して、図14に示すように、カバーヘッド106の固定部173が垂直に設けられていると、ケース4とカバーヘッド106との間に侵入したインクLが毛細管現象によって這い上がるため、これによっても、インクが第2露出部65で露出された補強板260に達してしまう。

0088

(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、補強板60のレベラー加工を行う工程として、第1工程と第2工程とを行うようにしたが、特にこれに限定されず、第2工程のみを行うようにしてもよい。もちろん、補強板60にレベラー加工を行わなくても、プレス加工によって補強板60に溝部80を形成する工程を行うだけでも、補強板60を十分に平坦化することができる。

0089

また、上述した実施形態1では、補強板60に、第2方向Yに亘って連続する溝部80を第1方向Xに所定の間隔で複数設けるようにしたが、溝部80の数及び位置は上述したものに限定されない。例えば、溝部80を1つだけ設けるようにしても、補強板60の反りを低減することができる。また、溝部80を第2方向Yに対して所定角度傾斜して設けるようにしてもよい。さらに、溝部80は第2方向Yに向かって設けられていれば、第2方向Yでその一部が断続されていてもよい。

0090

また、例えば、上述した実施形態1では、補強板60に第2方向Yに並設された貫通孔67の列67A、67Bを、第1方向Xに並設し、第1方向Xで隣り合う貫通孔67の列67A、67Bを第2方向Yで異なる位置となるように配置したが、特にこれに限定されず、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列を第2方向Yで同じ位置となるようにマトリックス状に配置してもよい。ただし、上述したように、このようなマトリックス状に貫通孔67を配置した場合、切り欠き部68を別途設ける必要があるため、補強板60の貫通孔67や切り欠き部68による合計の開口面積が、上述した実施形態1よりも大きくなり、実施形態1よりも補強板60の剛性が低下してしまう。すなわち、上述した実施形態1では、第1方向Xで互いに隣り合う貫通孔67の列67A、67Bを第2方向Yにずらすことにより、切り欠き部68を設けずに貫通孔のみを設けた場合の補強板と同じ開口面積とすることができ、剛性の低下を抑制することができるという効果を奏する。

0091

また、例えば、上述した実施形態1では、ケース4の区画壁61に補強板60を埋設するようにしたが、補強板60の埋設位置は特に限定されるものではなく、例えば、補強板60を、ケース4の固定板14が固定される側の壁内に埋設するようにしてもよい。

0092

さらに、上述した実施形態1では、流路(圧力発生室42)に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料層15と個別内部電極16及び共通内部電極17と交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーター11を例示したが、圧力発生手段は、特にこれに限定されるものではなく、圧電材料層15と個別内部電極16及び共通内部電極17とを交互に積層させて積層方向の一端部を島部に当接させる横振動型の圧電アクチュエーターを用いるようにしてもよい。

0093

また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図15は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。

0094

図15に示すインクジェット式記録装置200において、複数のインクジェット式記録ヘッド1を有するインクジェット式記録ヘッドユニット202(以下、単にヘッドユニット202とも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ202A及び202Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット202を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット202は、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。

0095

そして、駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されることで、ヘッドユニット202を搭載したキャリッジ203はキャリッジ軸205に沿って移動される。一方、装置本体204にはキャリッジ軸205に沿ってプラテン208が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン208に巻き掛けられて搬送されるようになっている。

0096

また、上述したインクジェット式記録装置200では、複数の記録ヘッド1を有するヘッドユニット202がキャリッジ203に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。

0097

また、上述した例では、複数の記録ヘッド1を有するヘッドユニット202をインクジェット式記録装置200に搭載するようにしたが、ヘッドユニット202には、それぞれ1つの記録ヘッド1が搭載されていてもよく、また、単数又は複数の記録ヘッド1が直接インクジェット式記録装置200に搭載されていてもよい。

0098

なお、上述した実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。

0099

1インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 2アクチュエーターユニット、 3 収容部、 4ケース、 5流路ユニット、 11圧電アクチュエーター、 13 圧電アクチュエーター形成部材、 14固定板、 16 個別内部電極、 17共通内部電極、 18スリット、 19位置決め部、 30回路基板、 40流路形成基板、 42圧力発生室、 46振動板、 47ノズル開口、 48ノズルプレート、 49島部、 60補強板、 62 凹部、 63 凸部、 64 第1露出部、 65 第2露出部、 66 角部、 67貫通孔、 68切り欠き部、 69大貫通孔、 80 溝部、 100 第1の金型、 110 第2の金型、 120 第3の金型、 130レベラー加工装置、 140成形金型、 150、151保持治具、 160金属板、 200インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 202インクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニット

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