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技術 流体噴射装置及び医療機器

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 関野博一高橋秀行小島英揮松崎尚洋内田和見
出願日 2011年1月7日 (9年11ヶ月経過) 出願番号 2011-001725
公開日 2012年8月2日 (8年4ヶ月経過) 公開番号 2012-143278
状態 特許登録済
技術分野 ノズル及び噴霧装置 手術用機器
主要キーワード 切除箇所 流体噴射管 吸引体 円錐面形状 開き角θ 駆動回路ユニット パルス流 圧空供給
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年8月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

患部視野を確保することができる流体噴射装置及び医療機器を提供する。

解決手段

流体噴射装置は、容積が変更可能な流体室30と、流体室30に連通する入口流路30A及び出口流路30Bと、駆動信号の供給に応じて流体室30の容積を変更する容積変更部42と、を備える脈動発生部14と、出口流路30Bの流体室30に連通する端部とは異なる端部に連通する流体噴射開口部28から流体噴射する流体噴射管16と、流体噴射管16の外周に配設され、流体噴射管16の外周面との間に気体噴射流路34を形成し、気体噴射流路34の端部に連通する気体噴射開口部36から気体を噴射する気体噴射管18と、を有し、流体噴射開口部28における流体噴射管16の内径は、流体噴射開口部28よりも流体室30に近い位置における流体噴射管16の内径よりも大きい。

概要

背景

近年では、手術の際に水や生理食塩水などの液体加圧して患部組織部位に噴きつけることにより、液体の圧力によって患部組織部位を切除する手術手法が開発されている。こうした手術に用いる流体噴射装置では、ノズルの先端に設けられた噴射口から液体が噴射されるようになっており、操作者はノズルの噴射口を患部組織部位に向けて液体を噴射させることで、患部組織部位を切除することが可能である。

また、加圧水を噴射することによって患部組織部位を切除するウォータージェット手術装置において、加圧水とともに噴射される加圧気体は、患部組織部位に当たった加圧水を除去し、加圧水が発砲状態で患部組織部位に溜まることを防止し、その結果、加圧水を有効に患部組織部位に作用させることが可能なウォータージェット手術装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

患部視野を確保することができる流体噴射装置及び医療機器を提供する。流体噴射装置は、容積が変更可能な流体室30と、流体室30に連通する入口流路30A及び出口流路30Bと、駆動信号の供給に応じて流体室30の容積を変更する容積変更部42と、を備える脈動発生部14と、出口流路30Bの流体室30に連通する端部とは異なる端部に連通する流体噴射開口部28から流体を噴射する流体噴射管16と、流体噴射管16の外周に配設され、流体噴射管16の外周面との間に気体噴射流路34を形成し、気体噴射流路34の端部に連通する気体噴射開口部36から気体を噴射する気体噴射管18と、を有し、流体噴射開口部28における流体噴射管16の内径は、流体噴射開口部28よりも流体室30に近い位置における流体噴射管16の内径よりも大きい。

目的

これにより、患部視野を確保するため安全性が高く、高い切除能力の医療機器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

流体噴射開口部から切除箇所に向けて流体噴射することで、該切除箇所の切除を行う流体噴射装置であって、容積が変更可能な流体室と、該流体室に連通する入口流路及び出口流路と、駆動信号の供給に応じて前記流体室の容積を変更する容積変更部と、を備える脈動発生部と、前記出口流路の前記流体室に連通する端部とは異なる端部に連通する前記流体噴射開口部から流体を噴射する流体噴射管と、前記流体噴射管の外周に配設され、前記流体噴射管の外周面との間に気体噴射流路を形成し、該気体噴射流路の端部に連通する気体噴射開口部から気体を噴射する気体噴射管と、を有し、前記流体噴射開口部における前記流体噴射管の内径は、前記流体噴射開口部よりも前記流体室に近い位置における前記流体噴射管の内径よりも大きいことを特徴とする流体噴射装置。

請求項2

請求項1に記載の流体噴射装置において、前記流体噴射開口部と前記切除箇所との距離に応じて、前記気体噴射開口部から噴射される前記気体の噴射方向を調整する気体噴射調整部をさらに有することを特徴とする流体噴射装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の流体噴射装置において、前記気体噴射管の外周に配設され、該気体噴射管の外周面との間に吸引流路を形成し、該吸引流路の端部に連通する吸引開口部を備える吸引管をさらに有することを特徴とする流体噴射装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置を備えることを特徴とする医療機器

技術分野

0001

本発明は、流体噴射装置及び医療機器に関するものである。

背景技術

0002

近年では、手術の際に水や生理食塩水などの液体加圧して患部組織部位に噴きつけることにより、液体の圧力によって患部組織部位を切除する手術手法が開発されている。こうした手術に用いる流体噴射装置では、ノズルの先端に設けられた噴射口から液体が噴射されるようになっており、操作者はノズルの噴射口を患部組織部位に向けて液体を噴射させることで、患部組織部位を切除することが可能である。

0003

また、加圧水を噴射することによって患部組織部位を切除するウォータージェット手術装置において、加圧水とともに噴射される加圧気体は、患部組織部位に当たった加圧水を除去し、加圧水が発砲状態で患部組織部位に溜まることを防止し、その結果、加圧水を有効に患部組織部位に作用させることが可能なウォータージェット手術装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開平6−192号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の技術では、加圧気体は加圧水の周囲を取り巻く状態で噴射されるので、加圧水の水圧が低い場合には、加圧水の噴射方向が、加圧気体に影響され易くなり、切除箇所ズレが生じる虞があった。また、加圧水がパルス状に噴射される場合には、とりわけ大きな影響を受け易く、切除箇所にズレが生じる虞があった。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。

0007

[適用例1]流体噴射開口部から切除箇所に向けて流体を噴射することで、該切除箇所の切除を行う流体噴射装置であって、容積が変更可能な流体室と、該流体室に連通する入口流路及び出口流路と、駆動信号の供給に応じて前記流体室の容積を変更する容積変更部と、を備える脈動発生部と、前記出口流路の前記流体室に連通する端部とは異なる端部に連通する前記流体噴射開口部から流体を噴射する流体噴射管と、前記流体噴射管の外周に配設され、前記流体噴射管の外周面との間に気体噴射流路を形成し、該気体噴射流路の端部に連通する気体噴射開口部から気体を噴射する気体噴射管と、を有し、前記流体噴射開口部における前記流体噴射管の内径は、前記流体噴射開口部よりも前記流体室に近い位置における前記流体噴射管の内径よりも大きいことを特徴とする流体噴射装置。

0008

これにより、流体噴射開口部からの流体の噴射に対して影響を与えることなく、気体噴射開口部から気体を高圧で吹き出して、切除箇所の底部に溜まった排液や切除された生体組織(以降、切除組織片と表す)を引き飛ばして除去し、患部視野を確保することができる。

0009

また、気体噴射開口部から噴射される気体が、切除箇所を取り囲む患部組織部位表面を加圧し、あるいは切除箇所を外側へ押し開く作用を及ぼし、切除箇所を開くことによって切除箇所のせん断応力を増大させ、かつ底部まで確実に流体噴射開口部から噴射する流体を到達させることによって、切除能力相乗的に向上させ確実に切除することができる。

0010

[適用例2]上記流体噴射装置であって、前記流体噴射開口部と前記切除箇所との距離に応じて、前記気体噴射開口部から噴射される前記気体の噴射方向を調整する気体噴射調整部をさらに有することを特徴とする流体噴射装置。

0011

これによれば、圧縮された気体の広がりを変更できるので、圧縮された気体が切除箇所に当たる位置の領域に合わせることができる。さらに、気体噴射開口部と切除箇所との間の距離が長くなり、圧縮された気体の風圧が大きく減衰する場合は、圧縮された気体の噴射量を増やすことで、切除箇所に到達する風圧の低下を抑えることができる。

0012

[適用例3]上記流体噴射装置であって、前記気体噴射管の外周に配設され、該気体噴射管の外周面との間に吸引流路を形成し、該吸引流路の端部に連通する吸引開口部を備える吸引管をさらに有することを特徴とする流体噴射装置。

0013

これにより、排液や切除組織片が患部に溜まったり、飛び散ったりすることを抑え、かつ、気体噴射開口部から噴射される気体の単位時間当たりの気体噴射体積を、吸引開口部で吸引される気体の単位時間当たりの吸引体積よりも大きくすることで、吸引開口部の患部組織部位への吸い付きを防止することができる。

0014

[適用例4]上記流体噴射装置を備える医療機器。

0015

これにより、患部視野を確保するため安全性が高く、高い切除能力の医療機器を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

第1の実施形態に係る流体噴射装置を示す概略図。
第1の実施形態に係る流体噴射装置の噴射部位と患部組織部位とを示す断面図。
第1の実施形態に係る流体噴射装置による患部組織部位の切除過程解説した断面図。
第1の実施形態に係る流体噴射装置による風速応力との関係を示す表及びグラフ
第1の実施形態に係る流体噴射装置による風速と応力との関係を示す表。
第1の実施形態に係る流体噴射装置による圧縮気体が切除箇所に当たる領域を解説した断面図。
第2の実施形態に係る流体噴射装置を示す概略図。
第2の実施形態に係る流体噴射装置を示す断面図。

実施例

0017

以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横縮尺は実際のものとは異なる模式図である。

0018

(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る流体噴射装置を示す概略図である。本実施形態に係る流体噴射装置2は、図1に示すように、生理食塩水や薬液などの流体が収容される流体容器10と、流体容器10から流体を吸い上げる流体供給手段12と、流体供給手段12から供給される流体を脈動流(以降、パルス流と表すことがある)に変換させる脈動発生部14と、脈動発生部14に連通する流体噴射管16と、脈動発生部14に突設される気体噴射管18と、圧空供給ポンプ20と、流体噴射装置2の動作を制御する駆動回路ユニット22と、から構成されている。

0019

脈動発生部14と流体供給手段12と流体容器10とは第1接続チューブ24A、第2接続チューブ24Bによって接続されている。また、気体噴射管18と圧空供給ポンプ20とは気体搬送チューブ26によって接続されている。

0020

なお、脈動発生部14としては、圧電素子を用いたピエゾ方式や、バブルジェット登録商標)方式等、流体を脈動流に変換してパルス状に噴射させることが可能な方式であれば適合可能であるが、以下に説明する脈動発生部14はピエゾ方式を例示して説明する。

0021

脈動発生部14は、容積が変更可能な流体室30と、流体室30に連通する入口流路30A及び出口流路30Bと、駆動信号の供給に応じて流体室30の容積を変更する容積変更部としての圧電素子42とダイアフラム44と、を備えている。

0022

流体噴射管16は、脈動発生部14の内部に形成される流体室30に連通する流体噴射流路32を有し、先端部には流路が縮小された(図示せず)流体噴射開口部28が開口されている。流体噴射管16は、出口流路の流体室30に連通する端部とは異なる端部に連通する流体噴射開口部28を備える。流体噴射管16は、気体噴射管18に内挿されている。そして、流体噴射管16と気体噴射管18とは同心となるように配設されている。

0023

気体噴射管18は、流体噴射管16の外周に配設されて二重管構造となるように配設されている。気体噴射管18の内周面と流体噴射管16の外周面との間に形成される隙間が気体噴射流路34であり、気体噴射流路34の流体噴射開口部28側の端部に気体噴射開口部36が配設されている。

0024

気体噴射開口部36から噴射される気体は、流体噴射開口部28の外壁に沿って噴射されている。気体噴射開口部36から噴射される気体は、気体噴射開口部36を頂点とする円錐面となるように形成されている。気体噴射開口部36は、流体噴射開口部28から噴射される流体と、気体噴射開口部36から噴射される円錐面形状の気体とは、ぶつかり合わないように形成されている。これにより、流体噴射開口部28から噴射される流体が気体噴射開口部36から噴射される気体の影響を受け難いため、流体噴射開口部28から噴射される流体が切除箇所P(図2参照)からズレる虞が少なく、切除能力を維持できる。なお、流体噴射管16は、流体噴射時において変形又は振動しない程度の剛性を有し、気体噴射管18は気体噴射時に変形又は振動しない程度の剛性を有することが望ましい。

0025

流体噴射装置2が流体を噴射する動作、あるいは気体を噴射する動作は、駆動回路ユニット22によって制御されている。本実施形態の駆動回路ユニット22には、流体を噴射する動作を制御する流体噴射制御部38と、気体を噴射する動作を制御する圧空供給制御部40と、が設けられており、流体噴射制御部38は、流体供給手段12と脈動発生部14とに接続され、圧空供給制御部40は、圧空供給ポンプ20に接続されている。流体噴射制御部38は、流体供給手段12を制御して脈動発生部14に供給する流体の供給量を変化させ、かつ、脈動発生部14を制御して脈動発生部14が流体を噴射する条件を変化させている。流体噴射制御部38は、流体室30の容積を縮小するように圧電素子42を駆動する駆動信号を圧電素子42に送信し、供給後に流体室30の容積を拡大するように圧電素子42を駆動する駆動信号を圧電素子42に送信する。流体噴射制御部38は、流体供給手段12の駆動の開始及び停止を制御する。また、流体噴射制御部38は、流体供給手段12が脈動発生部14に供給する流体の圧力を制御する。流体噴射制御部38は、脈動発生部14による流体の噴射を制御する。具体的には、流体噴射制御部38は、脈動発生部14の圧電素子42に印加する電圧を制御する。

0026

圧空供給制御部40は、圧空供給ポンプ20を制御して、圧縮気体Cの供給量を低減あるいは供給を停止する。

0027

次に、このように構成された流体噴射装置2における流体の流動を簡単に説明する。流体容器10に収容された流体は、流体供給手段12によって吸引され、一定の圧力で第2接続チューブ24Bを介して脈動発生部14に供給される。脈動発生部14は、圧電素子42を駆動して流体室30内において脈動流を発生させ、流体噴射流路32を通って流体噴射開口部28から流体をパルス状に高速噴射する。

0028

なお、脈動発生部14が駆動を停止している場合、つまり、流体室30の容積を変更させないときには、流体供給手段12から一定の圧力で供給された流体は流体室30を通って、流体噴射開口部28から連続流として噴射される。

0029

ここで脈動流とは、流体の流れる方向が一定で、流体の流量又は流速周期的又は不定期な変動を伴った流体の流動を意味する。脈動流には、流体の流動と停止とを繰り返す間欠流も含むが、流体の流量又は流速が周期的又は不定期な変動をしていればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。

0030

同様に、流体をパルス状に噴射するとは、噴射する流体の流量又は流速が周期的又は不定期に変動した流体の噴射を意味する。パルス状の噴射の一例として、流体の噴射と非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射する流体の流量又は流速が周期的又は不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。

0031

図2は、本実施形態に係る流体噴射装置2の噴射部位と患部組織部位とを示す断面図である。流体噴射装置2の噴射部位を二重管で構成し、その外管を気体噴射管18、内管を流体噴射管16としている。流体噴射管16の先端には流体噴射開口部28が備えられている。流体噴射装置2は、流体噴射開口部28から切除箇所Pに向けて流体を噴射することで、切除箇所Pの切除を行う。流体噴射開口部28は、例えば、流体噴射管16の先端に向かって広がる形状を有している。これにより、気体噴射開口部36から噴射される圧縮気体Cはこの流体噴射開口部28の外壁に沿って流れるので、流体噴射開口部28から噴射されるパルス流体の噴射に対して影響を与えることなく、切除箇所Pに溜まった排液や切除組織片を除去することができる。

0032

図3は、本実施形態に係る流体噴射装置2による患部組織部位の切除過程を解説した断面図である。図4は、本実施形態に係る流体噴射装置2による風速と応力との関係を示す表及びグラフである。図5は、本実施形態に係る流体噴射装置2による風速と応力との関係を示す表である。既に説明したように、流体噴射開口部28の外壁に沿って流れる気体噴射開口部36から噴射された圧縮気体Cは、流体噴射開口部28から噴射されるパルス流の噴射に対して影響を与えることがないため、パルス流は飛行曲がりなどすることなく、患部組織部位の切除箇所Pに確実に到達する。また、切除箇所Pの周囲に飛び散った、あるいは溜まった排液や切除組織片を除去することもできる。

0033

さらに、流体噴射開口部28の外壁に沿って円錐側面(ハの字状)に広がって流れる圧縮気体Cは、患部組織部位表面を加圧し、切除箇所Pを外側へ押し開く作用を及ぼす。患部組織部位表面を加圧することで、柔軟性を有する患部組織部位を実質的に硬くすることができるので、パルス流が有するエネルギーが患部組織部位の弾性によって吸収減衰することを軽減できる。また、切除箇所Pの中心から外側に向かって押し開く応力PW2が作用することで、図3(A)及び(B)に示すように、患部組織部位を切除、破砕するせん断応力を増大させることができる。以上の両作用によって、切除能力を相乗的に向上させることができる。

0034

ここで、気体噴射管18から噴射される圧縮気体Cの風速をV(m/s)、流体の比重をγ(kgf/m3)、重力加速度をg(m/s2)で表すと、物体が流体から受ける抗力(=応力)D(kgf/m2)は次式で表される。

0035

D=Cd×γ×V^2/2g=Cd×1.2×V^2/19.6≒Cd×(V/4.04 )^2 …(1)
また、各係数は以下の値としている。流体の比重量: γ=1.2kgf/m3(気体:at20℃、60%RH、1atm)、重力の加速度:g=9.8m/s2、抗力係数Cd=1.0(仮値)、式(1)を用いて、風速と応力との関係を導出すると、図4(A)及び(B)のようになる。

0036

ここで、弾性係数が約5kPaの特性を有する患部組織部位(厚み5mm)に、図4(A)で示した応力が完全に作用した場合の、患部組織部位の応力による変形量は図5のようになり、0.1mm以上の変形量(=押し開き力)を作用させるためには、風速15m/sの気体を噴射させればよいことになる。

0037

気体噴射管18の内径を2mm、その内側に配置された流体噴射管16の外径を1.5mmとした場合、気体噴射開口面積は1.37E−06m2であり、圧空供給ポンプ20から1秒当たり20mlで気体を搬送すれば、風速約15m/sの気体を噴射させることができる。

0038

ここで、圧縮気体Cが切除箇所Pに当たる領域を説明する。
図6は、本実施形態に係る流体噴射装置2による圧縮気体Cが切除箇所Pに当たる領域を解説した断面図である。流体噴射装置2は、流体噴射開口部28に気体噴射調整部46を備えていてもよい。気体噴射調整部46は、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの距離に応じて、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の広がり角度により気体噴射開口部36から噴射される圧縮気体Cの噴射方向を調整する。圧縮気体Cが切除箇所Pに当たる位置の間隔を所定の値(L)になるように、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離(D)に応じて、流体噴射開口部28の開き角(θ)が調整される。

0039

ここで、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離(D)の計測には、超音波センサー赤外線センサーを用いてもよい。流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離が比較的近い距離D1の場合、図6(A)に示すように、圧縮気体Cの切除箇所Pに当たる位置の間隔L1とするために、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角θ1に設定される。

0040

一方、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離(D)が上記距離D1より遠い距離D2となった場合、図6(B)に示すように、圧縮気体Cの切除箇所Pに当たる位置の間隔L2を上記間隔L1と等しくするために、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角θ2が、θ2<θ1の関係となるように変更される。

0041

なお、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角(θ)を変更する機構としては、予めバネ材を用いて、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面が所定の開き角(θ)を有する状態とし、圧縮気体Cの供給量を調整して、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角(θ)を調整する。すなわち、圧縮気体Cの供給量が多いほど流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角(θ)が小さくなる方向に動作する。よって、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離(D)が長くなる(距離D2)にしたがって、圧縮気体Cの供給量を増やすことで、流体噴射開口部28の外壁の円錐側面の開き角(θ)が小さく(角θ2)なる。

0042

その結果、圧縮気体Cの広がりが小さくなるので、圧縮気体Cが切除箇所Pに当たる位置の間隔L2を間隔L1に合わせることができる。さらに、流体噴射開口部28と切除箇所Pとの間の距離(D)が長くなった分、圧縮気体Cの風圧の減衰が大きくなっても、圧縮気体Cの供給量を増やしているので、切除箇所Pに到達する風圧の低下を抑えることができる。

0043

本実施形態によれば、流体噴射開口部28からの流体の噴射に対して影響を与えることなく、気体噴射開口部36から気体を高圧で吹き出して、切除箇所Pの底部に溜まった排液や切除組織片を引き飛ばして除去し、患部視野を確保することができる。

0044

また、切除箇所Pを取り囲む患部組織部位表面を加圧し、あるいは切除箇所Pを外側へ押し開く作用を及ぼし、切除箇所Pを開くことによって切除箇所Pのせん断応力を増大させ、かつ底部まで確実に流体噴射開口部28から噴射する流体を到達させることによって、切除能力を相乗的に向上させ確実に切除することができる。

0045

(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態の説明においては第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る流体噴射装置を示す概略図である。本実施形態に係る流体噴射装置4は、図7に示すように、脈動発生部14に突設される吸引管48と、吸引手段としての吸引ポンプ50と、吸引された排液や切除組織片を収容する回収容器52と、をさらに有するように構成されている。吸引管48と吸引ポンプ50と回収容器52とは第3接続チューブ54によって接続されている。

0046

吸引管48は、気体噴射管18の外周に配設され、流体噴射管16も含めて三重管構造となるように配設されている。吸引管48の内周面と気体噴射管18の外周面との間に形成される隙間が吸引流路56であり、吸引流路56の流体噴射開口部28側の端部に吸引開口部58が配設されている。気体噴射管18は、吸引管48に内挿されている。そして、気体噴射管18と吸引管48とは同心となるように配設されている。

0047

流体噴射装置4が流体を吸引する動作は、駆動回路ユニット22によって制御されている。本実施形態の駆動回路ユニット22には、図7に示すように、流体を吸引する動作を制御する吸引制御部60が設けられており、吸引制御部60は吸引ポンプ50に接続されている。吸引制御部60は、吸引ポンプ50の駆動の開始及び停止を制御する。

0048

次に、吸引について説明する。流体噴射開口部28から噴射された流体は、切除箇所Pにおいて排液として滞留する。また、患部には切除組織片が存在する。これら排液や切除組織片は、吸引ポンプ50によって吸引開口部58から吸引され、吸引流路56及び第3接続チューブ54を通って回収容器52に収容される。吸引ポンプ50の駆動は、脈動発生部14の駆動に連動させてもよく、定期的に間欠駆動させても、必要性が生じたときに駆動してもよい。

0049

図8は、本実施形態に係る流体噴射装置4を示す断面図である。流体噴射装置4は、噴射部位を三重管で構成し、その外管を吸引管48、中管を気体噴射管18、及び内管を流体噴射管16とすることにより、流体によって飛ばされる排液や切除組織片を、吸引管48によって回収することができるので、外側へ飛び散ることを抑えることが可能となる。

0050

また、気体噴射管18からの単位時間当たりの噴射体積を、吸引管48からの単位時間当たりの吸引体積よりも大きく設定してもよい。このようにすることにより、吸引開口部58に切除箇所Pが強く吸い付けられて、切除箇所Pを傷つけることを回避することができる。

0051

さらに、吸引している期間中、気体噴射管18から気体を送らない状態であっても、吸引開口部58を大気と連通させることによって、吸引による切除箇所Pの吸い付けを防止することができる。

0052

流体噴射管16を、その外周に配した気体噴射管18よりも前方に突き出すことにより、圧縮気体Cを流体噴射管16に沿って患部へ導き、切除能力を向上させることを可能とする。

0053

本実施形態によれば、排液や切除組織片が外側へ飛び散ることを抑え、かつ、気体噴射開口部36から噴射される気体の単位時間当たりの気体噴射体積を、吸引開口部58で吸引される気体の単位時間当たりの吸引体積よりも大きくすることで、吸引開口部58の患部組織部位への吸い付きを防止することができる。

0054

2,4…流体噴射装置10…流体容器12…流体供給手段 14…脈動発生部 16…流体噴射管18…気体噴射管20…圧空供給ポンプ22…駆動回路ユニット24A…第1接続チューブ24B…第2接続チューブ 26…気体搬送チューブ28…流体噴射開口部 30…流体室30A…入口流路30B…出口流路32…流体噴射流路34…気体噴射流路36…気体噴射開口部 38…流体噴射制御部 40…圧空供給制御部 42…圧電素子(容積変更部) 44…ダイアフラム46…気体噴射調整部 48…吸引管50…吸引ポンプ52…回収容器54…第3接続チューブ 56…吸引流路58…吸引開口部 60…吸引制御部。

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