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技術 ヒトβディフェンシン2産生促進剤

出願人 株式会社リコム
発明者 浜屋忠生藤本康雄栗原昭一
出願日 2010年12月28日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2010-292235
公開日 2012年7月26日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2012-140336
状態 特許登録済
技術分野 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード リンゴ酸水溶液 セルロース系水溶性高分子 試料サンプル 歯肉細胞 歯周病関連細菌 HBD 細胞含有溶液 ウエルシュ菌
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年7月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン産生促進剤及びヒトβディフェンシン2の産生を促進する方法を提供すること。

解決手段

食用担子菌類有機酸含有親水性溶媒抽出物からなるヒトβディフェンシン2産生促進剤、及び前記ヒトβディフェンシン2産生促進剤と大腸菌とをヒト由来細胞に添加することによりヒトβディフェンシン2の産生を促進する方法。

概要

背景

食用担子菌類から有機酸含有親水性溶媒を用いて、口臭などの消臭に有効な成分が抽出されている(特許文献1参照)。しかしながら、その活性本体および消臭のメカニズムについては、まだ確定したものはわかっていない。

一方、大腸菌など病原性微生物の感染から宿主を守るための先天的生体防御機構の一つとして、様々な抗菌ペプチド生体内で産生されることが知られている。
ディフェンシン類は抗菌ペプチドとしてよく知られているペプチドであり、アミノ酸配列により、α、β、θの3つのタイプに分類されている。これらのうち、βディフェンシンは、主に上皮、皮膚、口腔気管などで合成・分泌されることが知られているペプチドであり、分子内に3つのジスルフィド結合を有する構造を有する点に特徴を有している。ディフェンシン類は、微生物細胞膜構造を破壊することにより殺菌的に作用すると考えられている。
ヒトでは、ヒトβディフェンシン1〜4(HBD1〜HBD4)が報告されており、これらの抗菌活性についても既に報告されている(非特許文献1参照)。
先天的な生体防御機構の一つであるヒトβディフェンシン等の抗菌ペプチドの産生を促進する薬剤あるいは産生促進方法の開発は、ヒトの感染症治療において極めて有益である。
従来、ヒトβディフェンシン2産生を促進する物質としてグリシン等のアミノ酸クエン酸等の有機酸が報告されている(特許文献2、3参照)。

概要

抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン2産生促進剤及びヒトβディフェンシン2の産生を促進する方法を提供すること。食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物からなるヒトβディフェンシン2産生促進剤、及び前記ヒトβディフェンシン2産生促進剤と大腸菌とをヒト由来細胞に添加することによりヒトβディフェンシン2の産生を促進する方法。なし

目的

本発明の目的は、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン2産生促進剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

食用担子菌類が、マッシュルームエノキタケマイタケシイタケエリンギシメジ、及びナメコからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤。

請求項3

請求項1または2に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤を含む、グラム陰性菌に起因する感染症治療剤

請求項4

感染症治療剤が、皮膚外用剤の形態である、請求項3に記載の感染症治療剤。

請求項5

請求項1または2に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤と大腸菌インビトロにおいてヒト結腸由来細胞に添加し、前記細胞からヒトβディフェンシン2の分泌物採取することを特徴とする、ヒトβディフェンシン2の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、抗菌ペプチド産生促進剤、特にヒトβディフェンシン2産生促進剤、及びそれを含む感染症治療剤に関する。本発明はまた、ヒトβディフェンシン2の製造あるいは産生促進方法に関する。

背景技術

0002

食用担子菌類から有機酸含有親水性溶媒を用いて、口臭などの消臭に有効な成分が抽出されている(特許文献1参照)。しかしながら、その活性本体および消臭のメカニズムについては、まだ確定したものはわかっていない。

0003

一方、大腸菌など病原性微生物の感染から宿主を守るための先天的生体防御機構の一つとして、様々な抗菌ペプチドが生体内で産生されることが知られている。
ディフェンシン類は抗菌ペプチドとしてよく知られているペプチドであり、アミノ酸配列により、α、β、θの3つのタイプに分類されている。これらのうち、βディフェンシンは、主に上皮、皮膚、口腔気管などで合成・分泌されることが知られているペプチドであり、分子内に3つのジスルフィド結合を有する構造を有する点に特徴を有している。ディフェンシン類は、微生物細胞膜構造を破壊することにより殺菌的に作用すると考えられている。
ヒトでは、ヒトβディフェンシン1〜4(HBD1〜HBD4)が報告されており、これらの抗菌活性についても既に報告されている(非特許文献1参照)。
先天的な生体防御機構の一つであるヒトβディフェンシン等の抗菌ペプチドの産生を促進する薬剤あるいは産生促進方法の開発は、ヒトの感染症治療において極めて有益である。
従来、ヒトβディフェンシン2産生を促進する物質としてグリシン等のアミノ酸クエン酸等の有機酸が報告されている(特許文献2、3参照)。

0004

特開平2−277456号
特表2005−077349号
特開平11−286496号

先行技術

0005

岩室祥一、比較内分泌学、35(133)(2009)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン2産生促進剤を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒトβディフェンシン2産生促進剤を含むグラム陰性菌に起因する感染症治療剤を提供することである。
本発明の他の目的は、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン2の効率的な製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、食用担子菌類から有機酸含有親水性溶媒を用いて抽出される成分について研究をしていたところ、驚くべきことに、前記成分の投与により生体において抗菌活性が増強されていることを見出した。抗菌活性の本体をつきとめるべく、更に研究したところ、抗菌活性が抗菌ペプチドにより奏されていること、更に抗菌ペプチドが、ヒトβディフェンシン2であることを見出し、本発明を完成するに到った。

0008

従って、本発明は、以下に示すヒトβディフェンシン2産生促進剤およびそれを含む感染症治療剤、並びにヒトβディフェンシン2の製造方法を提供するものである。
1.食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物を有効成分として含有するヒトβディフェンシン2産生促進剤。
2.食用担子菌類が、マッシュルームエノキタケマイタケシイタケエリンギシメジ、及びナメコからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤。
3.上記1または2に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤を含む、グラム陰性菌に起因する感染症治療剤。
4.感染症治療剤が、皮膚外用剤の形態である、上記3に記載の感染症治療剤。
5.上記1または2に記載のヒトβディフェンシン2産生促進剤と大腸菌をインビトロにおいてヒト結腸由来細胞に添加し、前記細胞からヒトβディフェンシン2の分泌物採取することを特徴とする、ヒトβディフェンシン2の製造方法。

発明の効果

0009

本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤をヒト由来細胞に添加することにより、ヒトβディフェンシン2の産生が促進され、これらの細胞から、ヒトβディフェンシン2を得ることができる。
本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤を、大腸菌等の微生物に感染したヒト由来細胞に投与することにより、ヒトβディフェンシン2の産生が促進され、感染症治療を行うことができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤により産生が促進されたヒトβディフェンシン2の産生増加率(%)と、産生されたヒトβディフェンシン2の濃度を示す図である。

0011

(1)ヒトβディフェンシン2産生促進剤
本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤は、食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物を有効成分として含有する。食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物の原料となる食用担子菌類としては、マッシュルーム、シイタケ、マイタケ、シメジ、エリンギ、ヒラタケブナシメジエノキヤマブシタケ、ヒメマッタケ、等が挙げられる。更に好ましくは、マッシュルーム、エノキタケ、マイタケ、シイタケ、エリンギ、シメジ、及びナメコからなる群から選ばれる少なくとも1種である。最も好ましくはマッシュルームである。
これらの食用担子菌類は、その子実体菌糸体胞子等を、そのまま、あるいは冷凍解凍したものを抽出原料として使用できる。

0012

食用担子菌類からの抽出には有機酸含有親水性溶媒を使用する。有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸酢酸及びアスコルビン酸等が挙げられる。なかでもリンゴ酸とクエン酸が価格、熱安定性の点で特に好ましい。
親水性溶媒としては水、メタノールエタノール等の低級脂肪族アルコールアセトンDMS、等が挙げられるが、水、エタノール、及び含水エタノール最終製品の安全性の観点から特に好ましい。

0013

有機酸含有親水性溶媒中の有機酸の濃度は通常0.5〜30質量%、好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは2〜4質量%である。
抽出には、例えば、特開平02-277456号公報に記載された方法を使用することができる。さらに具体的には、有機酸含有親水性溶媒100質量部に対して、食用担子菌類原料を乾燥質量で5〜50質量部加え、温度40〜100℃で1〜5時間程度抽出を行えば良い。
抽出物を濾紙等により濾過し、抽出液を得る。抽出液は本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤としてそのまま使用しても良いが、予めデキストリンオリゴ糖、等を抽出液中固形分100質量部に対して例えば、3〜30質量部、好ましくは5〜20質量部配合して、スプレードライまたはフリーズドライした粉末の形態として使用しても良い。

0014

本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤の形態としては、上記形態の他、錠剤丸剤散剤顆粒剤カプセル剤等の固形製剤、あるいは水溶液、懸濁液、乳液クリーム等の製剤であってもよい。
また、錠剤、水溶液等の経口投与用製剤であってもよく、化粧水、乳液、クリーム、ゲル剤パック等の外用剤の形態であってもよい。
これらの製剤を製造する際には、これらの製剤において通常使用される賦形剤結合剤保湿剤崩壊剤界面活性剤滑沢剤などを用いて調製することができる。

0015

錠剤の形態に形成するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖白糖塩化ナトリウムブドウ糖でんぷん炭酸カルシウムカオリン結晶セルロースなどの賦形剤、蒸留水生理食塩水エタノール水単シロップブドウ糖液、でんぷん液、ゼラチン溶液カルボキシメチルセルロースリン酸カリウムポリビニルピロリドンなどの結合剤、乾燥デンプンアルギン酸ナトリウムカンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムステアリン酸モノグリセリドデンプン、乳糖などの崩壊剤、白糖、ステアリンカカオバター水素添加油などの崩壊抑制剤第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイトコロイド状硅酸などの吸着剤、精製タルクステアリン酸塩ポリエチレングリコールなどの滑沢剤などがあげられる。さらに錠剤は、必要に応じて糖衣錠ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。

0016

丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノールなどの崩壊剤などがあげられる。座剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばカカオ脂、高級アルコールエステル類、ゼラチンなどがある。

0017

その他の添加剤としては、グラニュー糖果糖糖アルコール、オリゴ糖、等の糖類、重曹、クエン酸、アスコルビン酸、リン酸、等のpH調整剤、結合剤、崩壊剤、香料着色料、矯味料、酸味料等を加えることができる。

0019

有効成分として使用する食用担子菌類の有機酸親水性溶媒抽出物の含有量は特に限定されず広範囲に選択されるが、通常製剤中に1〜90重量%、好ましくは10〜70%重量で含有させるのがよい。
また、細胞あるいは細胞培養培地に添加して使用する場合には、食用担子菌類の有機酸親水性溶媒抽出物を、細胞含有溶液あるいは細胞培養培地に対して、固形分濃度として、1〜30mg/ml、好ましくは6〜30mg/ml、より好ましくは10〜30mg/mlの濃度で添加することが好ましい。1mg/mlより低い濃度では、ヒトβディフェンシン2産生促進作用が十分ではなく、また、高い濃度では濃度依存性が見られなくなるため、30mg/ml程度の濃度で使用することが好ましい。

0020

(2)ヒトβディフェンシン2産生促進方法
ヒトβディフェンシン2は、細菌や細菌抽出物により刺激を与えると、口腔、消化器官等の粘膜上皮細胞発現することが報告されている(Harder J, Bartels J, Christophers E, Schroder JM. A peptide antibiotic from human skin, Nature, Vol. 387(26), 861. 1997, O'Neil DA, PorterEM, Elewaut D, AndersonGM, Eckmann L, Ganz T, KagnoffMF. Expression and regulation of the human beta-defensins hBD-1 and hBD-2 in intestinal epithelium, J Immunol. vol. 163(12), 6718-24, 1999)。
また、ヒトβディフェンシン2はや気管、腸などの多くの上皮組織でその遺伝子発現が認められている(Bals R, Wang X, Wu Z, Freeman T, Bafna V, Zasloff M, Wilson JM. Human β-defensin 2 is a salt-sensitive peptide antibiotic expressed in human lung, J Clin Invest. 102(5): 874-88, 1998)。
βディフェンシン2の産生に関しては、皮膚における発現を検討した試験(Nishimura E, Kato M, Hashizume S, Human beta-Defensin-2 induction in human foreskin Keratinocyte by Synergetic Stimulation with Foodsand Escherichia Coli. Cytotechnology, vol 43(1-3), 135-44, 2003)および、ヒト結腸癌由来細胞であるHT-29を用いた試験(柴田剛ら、ヒト腸管上皮細胞におけるβディフェンシン2産生におよぼすビフィズス菌の影響,腸内細菌雑誌720(2), 132, 2006)等が報告されている。
本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤を適切な濃度で、前記細胞に接触させるか、あるいは前記細胞に送達されるように投与することにより、ヒトβディフェンシン2の産生誘導を促進することができる。

0021

(A)インビトロにおけるヒトβディフェンシン2産生促進方法
本発明のインビトロにおけるヒトβディフェンシン2産生促進方法は、ヒトの皮膚細胞や粘膜上皮細胞を培地中で培養し、これを、細菌あるいは細菌抽出物により刺激して、ヒトβディフェンシン2の産生を誘導し、培地中に本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤を添加することにより、ヒトβディフェンシン2の産生を促進する方法である。

0022

ヒトの皮膚細胞や粘膜上皮細胞としては、ヒトから適宜採取したものを使用することができる。また、例えば、特表2005-077349号に記載の正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞クラボウ)等の製品を用いることもできる。
本明細書の実施例では、培養の容易性からヒト結腸癌由来細胞(HT-29)を用いているが、ヒトβディフェンシン2の産生誘導については、特表2005-077349号を初めとする様々な特許文献や非特許文献において報告されており、実施例に記載の細胞系に限定されるものでないことは当業者が理解しうるところである。

0023

細菌あるいは細菌抽出物による刺激としては、例えば、滅菌処理を行った細菌を、1〜100mg/mL程度の濃度となるように培地に添加することにより行う。
また、上皮細胞(T84 cellおよびHeLa cell)を使用する方法も知られている。具体的には、洗浄後、50%DME-50%Ham's F12培地に細胞を懸濁させ、細菌/細胞比が5:1〜100:1になるように細菌を細胞に添加し、2日間培養することによりして(L Eckmann, M F Kagnoff and J Fierer.Epithelial cells secrete the chemokine interleukin-8 in response to bacterial entry. Infect Immun. vol. 61(11): 4569-4574, 1993)。
単球/ Mφ系細胞(MM6 cellおよびU937 cell)A649肺上皮細胞を使用する方法も報告されている。具体的には、例えば、単球/ Mφ系細胞であるMM6 cellおよびU937 cell(2×105 cells/mL) に対し,市販されている大腸菌LPSを1μg/mLになるように添加した後、37℃で16時間培養した。また、A649肺上皮細胞(1×106cells/35mm plate)に対し、市販されている大腸菌LPSを10μg/mLになるように添加した後、37℃で16時間培養する(Y. Tsutsumi-Ishii, I. Nagaoka, Modulation of human β-defensin-2 transcription in pulmonary epithelial cells by LPS-stimulated mononuclear phagocytes via pro-inflammatory cytokine production, Journal of Immunology, 2003)。
ヒトβディフェンシン2は、大腸菌などグラム陰性菌による感染などに応答して分泌することが知られている。従って、細菌あるいは細菌抽出物による刺激は、これらの細菌による感染を模したものであればよい。

0024

ヒトβディフェンシン2産生促進剤の添加は、細菌あるいは細菌抽出物による刺激より前であっても、また後であってもよい。
添加方法は、固形物をそのまま、あるいは水等の溶媒に懸濁して、細胞或いは培地に直接添加してもよい。
産生されたヒトβディフェンシン2は、培養上清から、遠心分離など公知の方法により回収することができる。

0025

(B)インビボにおけるヒトβディフェンシン2産生促進方法
生体に適用する場合には、懸濁液あるいはクリーム等の形態で、皮膚等への外用剤として適用してもよく、また、経口投与剤などの内用剤として用いてもよい。
食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物を有効成分として含有する本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤を、グラム陰性菌に感染したヒトに投与することにより、前記促進剤が粘膜上皮細胞等に到達して、各細胞において、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン2の産生を促進することができる。

0026

ヒトβディフェンシン2産生促進剤を例えばグラム陰性菌等による感染症を治療するための治療剤として用いる場合、投与量は特に限定されないが、用法、患者あるいはほ乳動物年齢性別、疾患の程度などの条件に応じて適宜選択すればよく、体重1kgに対して、食用担子菌類の有機酸含有親水性溶媒抽出物の固形分に換算して0.1〜100mg、好ましくは1〜20mgとなる量を一日1〜4回に分けて投与することが好ましい。投与経路は、小腸にヒトβディフェンシン2産生促進剤が到達する方法であれば特に制限されないが、経口投与が簡便であり、好ましい。

0027

(C)インビボ及びインビトロ試験におけるβディフェンシン2産生促進の効果
歯肉細胞を用いたインビトロ試験において、βディフェンシン2の発現を濃度依存的に亢進させる歯周病関連細菌(Fusobacterium spp (Fuso.))が報告されている(Krisanaprakornkit S, Kimball JR, Weinberg A, Darveau RP, Bainbridge BW, Dale BA.Krisanaprakornkit S. Inducible expression of human beta-defensin 2 by Fusobacterium nucleatum in oral epithelial cells: multiple signaling pathways and role of commensal bacteria in innate immunity and the epithelial barrier. Infect Immun. ;68(5):2907-15. 2000)。
一方、インビボの試験においても、同細菌によりβディフェンシン2の分泌量の増加が寄与していることを示唆する報告例がある(Nikawa H., et. al.: "Chewing Gum ContainingCitric Acid Reduces the Burden of Periodontal pathogens." Open Food Sci J 2. 29-37 (2008))。
上記の事例は、インビトロ試験におけるβディフェンシン2産生促進の効果が、インビボにおいても奏されることを示唆している。

0028

(3)ヒトβディフェンシン2産生促進剤を含む感染症治療剤
本発明は、上述したヒトβディフェンシン2産生促進剤を含む感染症治療剤を提供する。本発明の感染症治療剤は、様々な感染症に対して用いることができ、特に、ヒトβディフェンシン2を産生するような細菌感染症に対して高い効果を奏する。具体的には、ピロリ菌サルモネラ菌、大腸菌等のグラム陰性菌、ブドウ球菌ウエルシュ菌等のグラム陽性菌などの細菌、あるいはインフルエンザウイルスなどのウイルスによる感染症に対して使用することができる。
ヒトβディフェンシン2産生促進剤を含む感染症治療剤を使用する際の投与量や投与方法については前述のとおりである。

0029

製造例1
新鮮なマッシュルーム(ホワイト種、開かず)100gを根切し、かるく水洗いした後、冷凍し、約3mm幅スライスして300gの0.5質量%リンゴ酸水溶液に浸漬し、80℃で3時間抽出し、ろ紙でろ過して淡黄色の抽出液(1)250gを得た。

0030

製造例2
新鮮なマッシュルーム(ホワイト種、傘開かず)1kgを根切し、0.5質量%リンゴ酸水溶液で洗條した後、約3mmにスライスして、0.5質量%リンゴ酸を含む5質量%果糖水溶液3kgに投入して80℃で、3時間抽出し、抽出液をろ紙でろ過し、2700gの淡黄色の抽出液(2)を得た。エバポレーター濃縮してから70gのデキストリンを加え、凍結乾燥を行い、100gの粉末を得た。

0031

製造例3
製造例2においてマッシュルームの代わりに椎茸、マイタケ、エリンギ、ヒラタケ、ブナシメジ又はエノキを使用した他は同様にしてそれぞれ、200g、50g、50g、150g、200g、30gの粉末を得た。

0032

製剤例4
製造例1で製造した抽出液(1)を用いて、タブレット(1錠5g)を製造した。
タブレットは、100g中に、本発明抽出液30g、グラニュー糖10g、重曹48g、クエン酸12gを含んでいる。タブレット1錠は、本発明の抽出液1.5gを含む。
βディフェンシン2産生試験には、ヒト結腸癌由来細胞HT-29を用いた(柴田剛ら、ヒト腸管上皮細胞におけるβディフェンシン2産生におよぼすビフィズス菌の影響,腸内細菌学雑誌720(2), 132, 2006)。

0033

試験例1ヒトβディフェンシン2産生促進確認試験−1
ヒトβディフェンシン2産生促進を評価するために、下記の試験を行った。特表2005-077349においてβディフェンシン2の産生促進物質として記載されている物質のうち、最も高い促進作用を有する物質の一つであるグリシンを陽性対照として用いた。

0034

(ヒト結腸癌由来細胞(HT-29)への試験サンプルの添加及び培養上清回収)
(1)24穴プレート(Corning社 Cat:3526)にHT-29細胞(European Collection of Cell Coltures社 Cat:91072201)を、37℃、5%CO2の雰囲気下でコンフルエントにまで培養した。ついで、培養上清を除去し、血清および抗生物質を含まないDMEM培地GIBCO)で洗浄した。
(2) 予め150mg/mLになるよう精製水に懸濁し、120℃、20分間熱処理を施したE.Coli(Sigma社 Cat:EC11303)懸濁液を、3.75mg/mLになるようにDMEM培地に調製し、1ウェルあたり180μL添加した。
(3) さらに、製造例2のマッシュルームの有機酸含有親水性溶媒抽出物の粉末(BXと呼ぶ)を蒸留水で1.0、6.25、12.5、25mg/mL(それぞれ0.1、0.625、1.25、2.5%w/w)にそれぞれ調製したもの、陽性対照として、グリシンを蒸留水にて25mg/mLに調製したものを120℃、20分間滅菌し、室温下に冷した後1ウェルあたり20μLずつ添加した。
(4) このプレートを、37℃、5% CO2の雰囲気下で24時間培養した。それぞれの培養はn=3で行った。その後、それぞれの培養時間後の培養上清を採取して、遠心分離により分離し(1500rpm 10分)、βディフェンシン2の測定試料とした。

0035

(ヒトβディフェンシン2の産生促進効果のELISA法による評価)
(1)抗ヒトβ-ディフェンシン抗体(PHOENIXPHARMACEUTICALS cat: EK-H-072-48)を予め底に付着させた96穴プレート(PHOENIX PHARMACEUTICALS cat: EK-plate-072-37)をアッセイバッファー(PHOENIX PHARMACEUTICALS cat: EK-BUF 20倍希釈)で1回洗浄した。
(2)測定試料または、アッセイバッファーで希釈したヒトβ-ディフェンシン標準溶液(PHOENIX PHARMACEUTICALS cat: EK-S-072-37 適宜希釈)を100μl/well添加して、20℃で2時間反応させた。
(3) これをアッセイバッファーで4回洗浄した後、抗ヒトβ-ディフェンシン抗体検出用の抗体(PHOENIX PHARMACEUTICALS cat: EK-D-072-48)を100μl/well添加して20℃で2時間反応させ、再びアッセイバッファーで4回洗浄した。
(4) アッセイバッファーで2000倍に希釈調製したストレプトアビジン標識西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを100μl/well添加して20℃で30分間反応させ、アッセイバッファーで4回洗浄した。
(5) これにTMBペルオキシターゼ基質溶液(PHOENIX PHARMACEUTICALS cat: EK-TMB)を100μl/well添加して20℃で30分間反応させ、2N HClを100μl/well添加して20℃で15分間反応させた。その後マイクロプレートリーダー(450nm)にてヒトβディフェンシン2濃度を測定し、各培地中に遊離しているヒトβディフェンシン2の量を求めた。大腸菌を添加した試験サンプルのヒトβディフェンシン2の量から、無添加試料サンプルのヒトβディフェンシン2量を引いた値を100として、各試料サンプルの産生促進効果を評価した。

実施例

0036

(結果)
図1から明らかなように、本発明のヒトβディフェンシン2産生促進剤(BX)を培地に添加することによって、細胞のβディフェンシン2の産生量が濃度依存的に増加することがわかった。この結果から、BXのヒトβディフェンシン2産生促進効果には濃度依存性があり、0.1%w/w濃度であってもヒトβディフェンシン2産生促進効果を有することが確認された。

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