図面 (/)

技術 重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法、重金属の汚染物質からの溶出を低減するための組成物及びキット

出願人 株式会社エンバイロ・ソリューション株式会社住化分析センター
発明者 大悟法弘充西川浩一羽渕博臣竹田菊男
出願日 2010年12月27日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-290172
公開日 2012年7月19日 (8年7ヶ月経過) 公開番号 2012-135727
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 他類に属さない組成物 土壌改良剤および土壌安定剤
主要キーワード X線回折法 アルカリ材料 蒸発減量 複合含水酸化物 位置処理 模擬汚染土壌 酸性硫酸 層状結晶化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年7月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

複雑な装置及び煩雑な操作を必要とせず、処理費用が低廉であり、現位置処理が可能で、悪臭二次汚染及び重金属再溶解の虞がない、重金属の汚染土壌からの溶出を低減できる方法を提供する。

解決手段

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法は、重金属で汚染された汚染土壌に、下記式(1) Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O ・・・(1) (式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)で示される化合物を混合する混合工程を含む。

概要

背景

特許文献1には、3CaO・Al2O3・CaX2・nH2O(式中、XはOH−、NO3−及びNO2−から選択される少なくとも1種のアニオンであり、nはn≦20を表す。)で示される構造からなり、レーザー光散乱法による平均粒子径が1μm以上7μm未満であり、100μm以上の粒子含有量が3重量%未満であるハイドロカルマイト、および前記ハイドロカルマイトを有効成分とする塩素イオン捕集剤および重金属含有イオン捕集材が記載されている。

特許文献2には、高炉スラグ微分末(S)、石こう(G)およびカルシウムを含有するアルカリ材料(L)からなる重金属汚染土壌重金属溶出抑制剤が記載されている。

特許文献3には、カルシウム化合物あるいはシリカ化合物を添加し、ついでこれらの混合物水熱処理することにより、トバモライトのような珪酸カルシウムを生成して不溶化物封止することを特徴とする重金属等汚染土壌不溶化処理法が記載している。

特許文献4には、少なくともキレート剤が溶解した水溶液からなる処理薬剤を接触させ、次に、土壌または廃棄物から前記処理薬剤を回収する方法が記載している。

特許文献5には、土壌中に不溶化剤として鉄質風化火山灰を混合することが記載されている。

特許文献6には、鉄・アルミニウム複水酸化物を少なくとも含み、pH3〜11の範囲の砒素汚染水又は砒素汚染土壌に対して、単位重量当たりのAs(V)とAs(III)の吸着量が高く、且つ単位重量当たりのAs(V)吸着量の変動率が10%以内であることを特徴とし、粉末状又はスラリー状として用いることが記載されている。

特許文献7には、六価クロム還元可能な薬剤を含む水溶液を、超多点注入工法により直接注入することが記載されている。

特許文献8には、塩化物硫酸第一鉄を主成分とする液体珪酸ナトリウムを混合して生成した六価クロム固定用混合剤を、六価クロムを含む土壌、汚泥等の処理土セメント固化材と併用、混合して六価クロムを溶出しないように固定することが記載されている。

特許文献9には、セレンを含む土壌に、リン酸を添加する第1工程、2価の鉄イオン水溶性塩を添加する第2工程、生石灰を含有する吸湿剤を添加する第3工程をこの順で有するセレン等重金属汚染土壌の処理方法が記載されている。

概要

複雑な装置及び煩雑な操作を必要とせず、処理費用が低廉であり、現位置処理が可能で、悪臭二次汚染及び重金属の再溶解の虞がない、重金属の汚染土壌からの溶出を低減できる方法を提供する。本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法は、重金属で汚染された汚染土壌に、下記式(1) Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O ・・・(1) (式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)で示される化合物を混合する混合工程を含む。なし

目的

本発明は、複雑な装置及び煩雑な操作を必要とせず、処理費用が低廉であり、現位置処理が可能で、悪臭、二次汚染及び重金属の再溶解の虞がない、重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

重金属汚染された汚染土壌に、下記式(1)で示される化合物を混合する混合工程を含む、重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O・・・(1)(式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)

請求項2

上記混合工程では、鉄化合物をさらに混合する、請求項1に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。

請求項3

上記混合工程では、上記式(1)で示される化合物のスラリーを、地盤の汚染された領域に注入する、請求項1又は2に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。

請求項4

上記混合工程では、上記式(1)で示される化合物と上記鉄化合物との混合物のスラリーを、地盤の汚染された領域に注入する、請求項2に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。

請求項5

上記鉄化合物が塩化第二鉄硫酸第二鉄及び水酸化第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つの鉄化合物である、請求項2又は4に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。

請求項6

上記重金属が、ヒ素セレン及び六価クロムからなる群より選ばれる少なくとも一つの重金属である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法。

請求項7

下記式(1)で示される化合物を含む、重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物。Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O・・・(1)(式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)

請求項8

鉄化合物をさらに含む、請求項7に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物。

請求項9

下記式(1)で示される化合物を備える、重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキット。Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O・・・(1)(式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)

請求項10

鉄化合物をさらに備える、請求項9に記載の重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキット。

技術分野

0001

本発明は重金属汚染土壌からの溶出を低減するための方法、組成物及びキットに関する。

背景技術

0002

特許文献1には、3CaO・Al2O3・CaX2・nH2O(式中、XはOH−、NO3−及びNO2−から選択される少なくとも1種のアニオンであり、nはn≦20を表す。)で示される構造からなり、レーザー光散乱法による平均粒子径が1μm以上7μm未満であり、100μm以上の粒子含有量が3重量%未満であるハイドロカルマイト、および前記ハイドロカルマイトを有効成分とする塩素イオン捕集剤および重金属含有イオン捕集材が記載されている。

0003

特許文献2には、高炉スラグ微分末(S)、石こう(G)およびカルシウムを含有するアルカリ材料(L)からなる重金属汚染土壌重金属溶出抑制剤が記載されている。

0004

特許文献3には、カルシウム化合物あるいはシリカ化合物を添加し、ついでこれらの混合物水熱処理することにより、トバモライトのような珪酸カルシウムを生成して不溶化物封止することを特徴とする重金属等汚染土壌の不溶化処理法が記載している。

0005

特許文献4には、少なくともキレート剤が溶解した水溶液からなる処理薬剤を接触させ、次に、土壌または廃棄物から前記処理薬剤を回収する方法が記載している。

0006

特許文献5には、土壌中に不溶化剤として鉄質風化火山灰を混合することが記載されている。

0007

特許文献6には、鉄・アルミニウム複水酸化物を少なくとも含み、pH3〜11の範囲の砒素汚染水又は砒素汚染土壌に対して、単位重量当たりのAs(V)とAs(III)の吸着量が高く、且つ単位重量当たりのAs(V)吸着量の変動率が10%以内であることを特徴とし、粉末状又はスラリー状として用いることが記載されている。

0008

特許文献7には、六価クロム還元可能な薬剤を含む水溶液を、超多点注入工法により直接注入することが記載されている。

0009

特許文献8には、塩化物硫酸第一鉄を主成分とする液体珪酸ナトリウムを混合して生成した六価クロム固定用混合剤を、六価クロムを含む土壌、汚泥等の処理土セメント固化材と併用、混合して六価クロムを溶出しないように固定することが記載されている。

0010

特許文献9には、セレンを含む土壌に、リン酸を添加する第1工程、2価の鉄イオン水溶性塩を添加する第2工程、生石灰を含有する吸湿剤を添加する第3工程をこの順で有するセレン等重金属汚染土壌の処理方法が記載されている。

先行技術

0011

特開2007−191385号公報(2007年8月2日公開
特開2002−320954号公報(2002年11月5日公開)
特開2007−83183号公報(2007年4月5日公開)
特開2004−181303号公報(2004年7月2日公開)
特開2005−144341号公報(2005年6月9日公開)
再表2008/126691号公報(2008年10月23日公開)
特開2005−7240号公報(2005年1月13日公開)
特開2003−236520号公報(2003年8月26日公開)
特開2004−290930号公報(2004年10月21日公開)

発明が解決しようとする課題

0012

しかしながら、従来技術の重金属不溶化技術では、次の問題がある。

0013

すなわち、従来の不溶化剤の価格は高価であるため、処理費用が高い。塩化第一鉄などの還元剤は、汚染土壌にヒ素が含有されている場合にヒ素が還元状態で溶出しやすくなる性質を有するため、地下水等を汚染させてしまう二次汚染の問題が懸念される。また、不溶化剤としてハイドロカルマイトを用いることも考えられるが、ハイドロカルマイトはアルツハイマー病原因物質といわれているアルミニウムを構成元素としているため地下水へのアルミニウム汚染の原因となり不溶化剤として好ましいものではなく、二次汚染の問題がある。

0014

なお、不溶化剤として硫黄硫化カルシウム等の含硫化化合物を用いることも考えられるが、含硫化合物では特有悪臭が発生する場合がある。

0015

また、不溶化剤としてキレート剤を用いることも考えられるが、キレート剤の場合は有機物質であるために長期間にキレート化合物が分解して重金属が再溶解する危険性がある。

0016

このような事情から、新たな重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法が求められている。

0017

そこで、本発明は、複雑な装置及び煩雑な操作を必要とせず、処理費用が低廉であり、現位置処理が可能で、悪臭、二次汚染及び重金属の再溶解の虞がない、重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重金属で汚染された汚染土壌に、下記式(1)
Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O ・・・(1)
(式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)
で示される化合物を混合することで、重金属の汚染物質からの溶出を低減できることを見出し、効率的に重金属を不溶化する方法を開発するに至った。

0019

即ち、本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法は、重金属で汚染された汚染土壌に、下記式(1)
Ca(7−1.5x)Fex(OH)14・yH2O ・・・(1)
(式(1)において1.7≦x≦2.3、1≦y≦6)
で示される化合物を混合する混合工程を含む、ことを特徴としている。

0020

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法では、上記混合工程では、鉄化合物をさらに混合することがより好ましい。

0021

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法では、上記混合工程では、上記式(1)で示される化合物のスラリーを、地盤の汚染された領域に注入することがより好ましい。

0022

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法では、上記混合工程では、上記式(1)で示される化合物と上記鉄化合物との混合物のスラリーを、地盤の汚染された領域に注入することがより好ましい。

0023

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法では、上記鉄化合物が塩化第二鉄硫酸第二鉄及び水酸化第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つの鉄化合物であることがより好ましい。

0024

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法では、上記重金属が、ヒ素、セレン及び六価クロムからなる群より選ばれる少なくとも一つの重金属であるときにより好適に適用できる。

0025

また、本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物は、上記式(1)で示される化合物を含むことを特徴とする。

0026

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物では、鉄化合物をさらに含むことがより好ましい。

0027

また、本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキットは、上記式(1)で示される化合物を備えることを特徴とする。

0028

本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキットでは、鉄化合物をさらに備えることがより好ましい。

発明の効果

0029

本発明によれば、複雑な装置及び煩雑な操作を必要とせず、処理費用が低廉であり、現位置処理が可能で、悪臭、二次汚染及び重金属の再溶解の虞がない、重金属の汚染土壌からの溶出を低減できるという効果を奏する。

0030

<本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法>
本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減する方法(以下、単に「本発明に係る方法」という。)は、重金属で汚染された汚染土壌に上記式(1)で示される化合物を混合する混合工程を含めばよい。これにより、汚染土壌に含まれる重金属を難溶化させて、当該重金属の溶出を好適に低減することができる。また、汚染土壌と上記式(1)で示される化合物とを混合すればよいので、複雑な装置及び煩雑な操作を必要しない。また、上記式(1)で示される化合物は低コストで合成できるので処理費用が低廉である。また、汚染土壌のある現位置で上記式(1)で示される化合物を当該汚染土壌に混合すればよいので、現位置処理が可能である。また、硫黄を含まないので悪臭の問題が無く、上述したハイドロカルマイトのような二次汚染の虞も無く、重金属捕捉能に優れているので重金属が再溶解することも抑制できる。

0031

本発明に係る方法が対象とする汚染土壌としては、重金属に汚染されている土壌であればよい。本発明に係る方法が対象とする重金属は、例えば、ヒ素、セレン及び六価クロムからなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられ、ここに例示した重金属である場合に、本発明に係る方法は特に優れた効果を発揮する。なお、本発明に係る方法が対象とする重金属はここに例示した重金属以外の重金属であってもよい。

0032

上記式(1)で示される化合物はは層状結晶化合物である。公知のハイドロカルマイトと類似の結晶構造を有するが、金属成分がアルミニウムとカルシウムから成るハイドロカルマイトとは組成が異なる異質物質である。また、上記式(1)で示される化合物は、カルシウム含水酸化物と鉄含水酸化物の単なる混合物とは異なる物質である。

0033

上記式(1)で示される化合物は、化学合成によって低コストで簡単に合成することができる。化学合成方法は、例えば次のように行なうことができる。

0034

まず、反応器炭酸塩の水溶液を仕込み攪拌下、pHを9〜14に制御しながら、目的とするxの値に応じた水酸化カルシウムまたはカルシウム塩の水溶液又はスラリーと、第二鉄塩の水溶液と、アルカリ溶液を徐々に添加し、生じたスラリーの沈殿物熟成する。

0035

次いで沈殿洗浄を行い、乾燥・粉砕したのち、300から600℃の温度で焼成して、次いで水中で分散させる等水と反応させることによって上記式(1)で示される化合物を合成することができる。ここに例示した化学合成方法等により得られる化合物は「カルシウム鉄複合含水酸化物」ということもできる。なお、得られた粉体X線回折法化学分析による組成分析によって、上記式(1)で示される化合物であることを確認することができる。

0036

上記式(1)で示される化合物の合成に使用する炭酸塩としては炭酸ナトリウム炭酸カルシウム等が例示でき、カルシウム塩としては、塩化カルシウム酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が、第二鉄塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等が、アルカリとしては、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等が使用できる。

0037

本発明において上記式(1)で示される化合物は乾燥・粉砕したものを使用するが、水に分散したスラリーとして用いることもできる。

0038

本発明に係る方法において使用する上記式(1)で示される化合物では、xが1.7以上2.3以下である。この範囲を外れると目的物収率が低くなって好ましくない。また、上記式(1)においてyは1以上6以下である。

0039

本発明に係る方法では、上記式(1)で示される化合物を、乾燥・焼成・粉砕して使用してもよく、水に分散させたスラリーにして使用してもよい。

0040

鉄化合物としては、鉄を含む化合物であればよく、例えば、水酸化第一鉄、水酸化第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第一鉄硝酸第二鉄等が挙げられる。これらのうち一種又は二種以上の鉄化合物を併用してもよい。中でも塩化第二鉄、硫酸第二鉄、水酸化第二鉄が優れているため好ましい。鉄化合物を用いることで、重金属捕捉作用が相乗的に発現し、汚染物質中の重金属の溶出をより好適に低減させることができる。

0041

混合工程では、重金属で汚染された汚染土壌に、上記式(1)で示される化合物を混合すればよく、その具体的な方法としては様々な方法を採用することができる。例えば、上記式(1)で示される化合物と汚染土壌とを、不溶化の目的の程度に応じた比率混練してもよい。

0042

また、例えば、上記式(1)で示される化合物を汚染土壌に散布したのち、重機を用いて攪拌する方法を採用してもよいし、汚染土壌と上記式(1)で示される化合物とを攪拌装置に入れ、攪拌混合する方法等を採用してもよい。

0043

また、汚染土壌と上記式(1)で示される化合物とを混練等によって接触させる場合には、水を添加して行なってもよいし、予め水で上記式(1)で示される化合物をスラリー化させたものを汚染土壌と接触させてもよい。

0044

例えば、汚染地盤から掘削した、重金属による汚染土壌に、上記式(1)で示される化合物を直接混合するか、そのスラリーを混合することによって重金属溶出を低減する方法を採用できる。上記式(1)で示される化合物の粉体を汚染土壌に混合する場合には、重金属の溶出を低減させる効果を促進させるために水を添加することが好ましい。また、汚染土壌に上記式(1)で示される化合物とともに鉄化合物を汚染土壌に混合することがより好ましい。

0045

また、混合工程では、上記式(1)で示される化合物のスラリーを、汚染土壌の地盤の汚染された領域に注入してもよい。このスラリーは、例えば上記式(1)で示される化合物を水などに分散させたスラリーでよい。汚染された地盤の汚染領域に上記式(1)で示される化合物をスラリー化して注入する方法は特に限定されるものではない。例えば、汚染地盤の浄化対象位置において、例えば、深層混合処理工法に用いられる土壌に貫入しつつ当該貫入部分の攪拌が可能な処理機で、当該貫入部分から上記式(1)で示される化合物のスラリーを注入する方法を採用してもよい。

0046

スラリーには、鉄化合物をさらに含ませることがより好ましい。つまり、混合工程では、上記式(1)で示される化合物と鉄化合物との混合物のスラリーを、地盤の汚染された領域に注入することがより好ましい。

0047

上記式(1)で示される化合物は、汚染土壌に単独で混合してもよく、上述の通り鉄化合物をさらに併用化してもよい。また、他の不溶剤、添加剤等のその他の処理剤を併用してもよい。その他の処理剤としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム硫酸マグネシウム硫酸アルミニウム塩化アルミニウムポリ塩化アルミニウム酸性硫酸ナトリウムゼオライトベントナイトモンモリロナイトハロイサイトカオリンセメント等が挙げられる。

0048

混合工程における上記式(1)で示される化合物の使用量は、汚染土壌の重金属汚染の程度によって任意に調節可能であるが、例えば、汚染土壌100重量部に対して、上記式(1)で示される化合物を0.5〜30重量部混合することにより優れた効果を発揮する。つまり、0.5重量部以上であれば効果が十分に発揮され、30重量部以下とすることにより、十分な効果を発揮しつつコストを低く抑えることができる。なお、上記式(1)で示される化合物のスラリーを使用する場合は、固形物濃度換算として添加量を決定する。

0049

また、鉄化合物をさらに用いる場合、その使用量は、例えば、汚染土壌100重量部に対して、鉄化合物を0.5重量部〜30重量部混合することにより優れた効果を発揮する。つまり、0.5重量部以上であれば効果が十分に発揮され、30重量部以下とすることにより、十分な効果を発揮しつつコストを低く抑えることができる。

0050

<本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物>
本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するための組成物(以下、単に「本発明に係る組成物」という。)も本発明の範疇である。

0051

本発明に係る組成物は、上記式(1)で示される化合物を含めばよい。例えば、予め上記式(1)で示される化合物を水に分散させたスラリーであってもよい。

0052

また、本発明に係る組成物は鉄化合物をさらに含んでもよい。例えば、上記式(1)で示される化合物の粉体と鉄化合物の粉体との混合物であってもよい。粉体同士の混合物である場合、上記式(1)で示される化合物の量と鉄化合物の量との割合は、目的とする不溶化の効率等に応じて適宜設定でき、例えば、80:20〜20:80が好ましい。

0053

<本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキット>
本発明に係る重金属の汚染土壌からの溶出を低減するためのキット(以下、単に「本発明に係るキット」という。)は、少なくとも上記式(1)で示される化合物を備えていればよい。さらに、鉄化合物を備えていてもよい。

0054

また、本発明に係るキットの構成としては上述したものに限定されるものではなく、他の薬剤、器具等を含んでもよい。例えば、本発明に係るキットは、上述した他の不溶化剤、他の添加剤を備えてもよいし、汚染土壌に効率よく混合するための機材等を備えていてもよい。

0055

また、本発明に係るキットには、本発明に係る方法を行なうための手順等を記載した説明書を含んでもよい。

0056

上記の何れの構成であっても、本発明に係る方法を行なうために好ましい不溶化剤等が備えられている。そのため、本発明に係るキットを用いることで、本発明に係る方法を実施することができ、重金属の汚染物質からの溶出を低減させることができる。

0057

〔上記式(1)で示される化合物の合成例1〕
反応器に炭酸ナトリウム(Na2CO3)30gを入れて2リットルの水を加えて溶解した。該溶解液溶液A)を攪拌しながら、塩化カルシウム・二水和物(CaCl2・2H2O)110gを水5リットルに溶解した液(溶液B)、及び塩化第二鉄・六水和物(FeCl3・6H2O)120gを水5リットルに溶解した液(溶液C)を反応器に連続的に添加するとともに水酸化ナトリウム(NaOH)120gを水10リットルに溶解した液(溶液D)で反応器内の液のpHが10〜12になるように調整しながら徐々に添加した。溶液B及び溶液Cの全量を添加した後、更に24時間攪拌を継続して熟成させた。得られたスラリーをろ過し、ろ液を分離・除去、水添加、攪拌の操作を繰り返して、ろ液の水酸基濃度が10−3モル/リットル以下になるまで洗浄した。洗浄後スラリーをろ過・乾燥・粉砕し、350℃で加熱後、水中に分散したのち乾燥して粉末を得た(粉末E)。粉末Eの一部をX線回折法及び化学分析で測定した結果、粉末Eが上記式(1)で示される化合物であることを確認できた。

0058

〔実施例1〜6、比較例1、2〕
千葉県千葉市から産出した土壌(蒸発減量12%)にヒ素、セレン及び六価クロムの各々含有量が5mg/kgとなるように各金属を含む試薬ヒ酸カリウム(KH2AsO4)、亜セレン酸カリウム(K2SeO3)、クロム酸カリウム(K2CrO4))の溶液を添加し均一になるまで混合し、模擬汚染土壌を調製した(汚染土壌F)。

0059

汚染土壌Fの100重量部に対して、粉末Eを0.5〜30重量部、水20重量部を添加して、攪拌することにより混合して、7日間放置した。このようにして得られた処理土壌に対して、環境告示第46号に示された溶出試験を行なった。その結果を表1に示す。

0060

0061

〔実施例7〜12、比較例1〕
実施例1〜6で調製した汚染土壌Fの100重量部に対して、粉末Eを2〜30重量部、水20重量部を添加して混合した後、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、水酸化第二鉄のいずれか1種又は2種以上を0.5〜30重量部加えて混合して、7日間放置した。このようにして得られた処理土壌に対して、環境庁告示第46号に示された溶出試験を行なった。その結果を表2に示す。

0062

0063

〔上記式(1)で示される化合物の合成例2〕
反応器に炭酸ナトリウム(Na2CO3)30gを入れて2リットルの水を加えて溶解した。該溶解液(溶液G)を攪拌しながら、塩化カルシウム・二水和物(CaCl2・2H2O)100gを水5リットルに溶解した液(溶液H)及び塩化第二鉄・六水和物(FeCl3・6H2O)90gを水5リットルに溶解した液(溶液I)を反応器に連続的に添加するとともに、水酸化ナトリウム(NaOH)120gを水10リットルに溶解した液(溶液J)で反応器内の液のpHが10〜12に制御しながら徐々に添加した。溶液H及び溶液Iの全量を添加した後、更に24時間攪拌を継続して熟成した。得られたスラリーをろ過し、ろ液を分離・除去、水添加、攪拌の操作を繰り返して、ろ液の水酸基濃度が10−3モル/リットル以下になるまで洗浄した。洗浄後スラリーをろ過・乾燥・粉砕し、450℃で加熱して粉末を得た(粉末K)。粉末KをX線回折法及び化学分析で測定した結果、粉末Iが上記式(1)で示される化合物であることが確認できた。粉末Kを水に分散してスラリーL(固形分含量25%)を得た。

0064

〔実施例13〜16、比較例1〕
実施例1〜6で調製した汚染土壌Fの100重量部に対して、5〜30重量部のスラリーLを添加して攪拌することにより混合し、7日間放置した。このようにして得られた処理土壌に対して、環境庁告示第46号に示された溶出試験を行なった。その結果を表3に示す。

実施例

0065

0066

本発明は、重金属で汚染された汚染土壌の処理に利用することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ