図面 (/)

技術 鉛蓄電池再生装置、鉛蓄電池再生方法および鉛蓄電池

出願人 有限会社かのう
発明者 河野正明
出願日 2010年12月8日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2010-273085
公開日 2012年6月28日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2012-123993
状態 特許登録済
技術分野 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 温度下降勾配 温度変化勾配 端子温度 無通電期間 転換温度 外部温度センサ 外部環境温度 内部温度センサ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年6月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

鉛蓄電池電極熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電池を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池を提供する。

解決手段

鉛蓄電池5に電流を流して電極表面の硫酸鉛層を除去する鉛蓄電池再生装置1は、鉛蓄電池5を過充電状態に維持して、鉛蓄電池5に対して電流を供給する電源4と、鉛蓄電池5の温度を検知する温度検知部3とを備え、鉛蓄電池5の温度が、鉛蓄電池5の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源4から常に鉛蓄電池5に対して電流が供給されるように、温度検知部3から送信される温度情報に基づいて、電源4から鉛蓄電池5に対して供給される電流値を制御する制御部2を有するものである。

概要

背景

二次電池の一つである鉛蓄電池は、車輌用電気機器電力源等として広く利用されている。この鉛蓄電池は、充放電が所定の回数繰り返されることや、あるいは経年劣化により容量が大幅に低下することが知られている。容量が低下した鉛蓄電池は、寿命を迎えたものと判断されて廃棄されるのが通常である。

鉛蓄電池の容量低下の原因の一つとして、サルフェーションが挙げられる。サルフェーションは、放電の際に電極の表面に生成した硫酸鉛(PbSO4)が、時間の経過に伴って結晶化して電極に蓄積し固着して形成されるものである。サルフェーションは、大結晶化することで表面積が減少した硬い皮膜を有する物質であるため、電子伝導性イオン伝導性を殆ど有しておらず、蓄電池性能劣化をもたらす一因となっている。

サルフェーションの除去を目的として、性能が劣化した蓄電池にパルス電流通電することで、結晶化した硫酸鉛の除去を行う技術の一例が、特許文献1、特許文献2に記載されている。

概要

鉛蓄電池の電極が熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電池を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池を提供する。鉛蓄電池5に電流を流して電極表面の硫酸鉛層を除去する鉛蓄電池再生装置1は、鉛蓄電池5を過充電状態に維持して、鉛蓄電池5に対して電流を供給する電源4と、鉛蓄電池5の温度を検知する温度検知部3とを備え、鉛蓄電池5の温度が、鉛蓄電池5の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源4から常に鉛蓄電池5に対して電流が供給されるように、温度検知部3から送信される温度情報に基づいて、電源4から鉛蓄電池5に対して供給される電流値を制御する制御部2を有するものである。

目的

本発明は、この無通電時間に着目して、鉛蓄電池の電極が熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電池を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

鉛蓄電池電流を流して電極表面の硫酸鉛層還元して除去する鉛蓄電池再生装置であって、鉛蓄電池を過充電状態に維持して、鉛蓄電池に対して電流を供給する電源と、鉛蓄電池の温度と外気温度とを検知する温度検知部とを備え、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、前記電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給されるように、前記温度検知部から送信される温度情報に基づいて、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御する制御部を有することを特徴とする鉛蓄電池再生装置。

請求項2

前記制御部は、前記温度検知部から送信された鉛蓄電池の温度情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から送出される前記温度情報に基づいて鉛蓄電池の温度変化勾配と鉛蓄電池に供給する電流値を算出する演算部と、前記演算部によって算出された電流値に基づいて鉛蓄電池に供給する電流を調整する電流調整部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池再生装置。

請求項3

前記電源から鉛蓄電池に対して電流が供給されている状態において、前記鉛蓄電池の温度が一定であり、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値が一定となるように、前記制御部は、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することを特徴とする請求項1または2記載の鉛蓄電池再生装置。

請求項4

鉛蓄電池に電流を流して電極表面の硫酸鉛層を還元して除去する鉛蓄電池再生方法であって、鉛蓄電池を過充電状態に維持して、鉛蓄電池に対して電流を供給するとともに、鉛蓄電池の温度と外気温度とを検知し、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、鉛蓄電池に対して常に電流が供給されるように、鉛蓄電池の温度情報に基づいて、鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することを特徴とする鉛蓄電池再生方法。

請求項5

鉛蓄電池に対して電流が供給されている状態において、前記鉛蓄電池の温度が一定であり、鉛蓄電池に対して供給される電流値が一定となるように、鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することを特徴とする請求項4記載の鉛蓄電池再生方法。

請求項6

請求項4または5のいずれかの鉛蓄電池再生方法によって再生された鉛蓄電池。

技術分野

0001

本発明は、性能が低下した鉛蓄電池再生して利用可能とする鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池に関する。

背景技術

0002

二次電池の一つである鉛蓄電池は、車輌用電気機器電力源等として広く利用されている。この鉛蓄電池は、充放電が所定の回数繰り返されることや、あるいは経年劣化により容量が大幅に低下することが知られている。容量が低下した鉛蓄電池は、寿命を迎えたものと判断されて廃棄されるのが通常である。

0003

鉛蓄電池の容量低下の原因の一つとして、サルフェーションが挙げられる。サルフェーションは、放電の際に電極の表面に生成した硫酸鉛(PbSO4)が、時間の経過に伴って結晶化して電極に蓄積し固着して形成されるものである。サルフェーションは、大結晶化することで表面積が減少した硬い皮膜を有する物質であるため、電子伝導性イオン伝導性を殆ど有しておらず、蓄電池性能劣化をもたらす一因となっている。

0004

サルフェーションの除去を目的として、性能が劣化した蓄電池にパルス電流通電することで、結晶化した硫酸鉛の除去を行う技術の一例が、特許文献1、特許文献2に記載されている。

先行技術

0005

特許第4427089号公報
特願2006−164540号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1に記載された技術は、再生処理中の蓄電池の電圧と温度を検出し、蓄電池の電圧と温度がそれぞれ一定値収束するように、蓄電池に通電するパルス電流の電流値を、検出された蓄電池の電圧と温度に基づいて制御するものである。

0007

また、特許文献2に記載された技術は、鉛蓄電池に直流パルス電流を流して電極表面の硫酸鉛層を除去するパルス電流発生手段を有する鉛蓄電池再生装置において、計測された鉛蓄電池の温度と設定温度との差に応じて、直流パルス電流の波形を変化させ、鉛蓄電池の温度を設定温度に収束させるものである。

0008

特許文献1、特許文献2に記載されたものはいずれも、鉛蓄電池に対して直流パルス電流を流す点において共通であり、特許文献1においては、パルス電流の電流値を変化させているのに対して、特許文献2においては、パルス電流の波形、すなわち電流ピーク値パルス幅繰返し周波数または間歇周期を変化させるものである点で相違している。しかし、パルス電流を流す限りにおいて、鉛蓄電池に対して電流が流れない時間(以下、「無通電時間」という)が必ず存在する。

0009

本発明は、この無通電時間に着目して、鉛蓄電池の電極が熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電池を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

以上の課題を解決するために、本発明の鉛蓄電池再生装置は、鉛蓄電池に電流を流して電極表面の硫酸鉛層を還元して除去する鉛蓄電池再生装置であって、鉛蓄電池を過充電状態に維持して、鉛蓄電池に対して電流を供給する電源と、鉛蓄電池の温度と外気温度とを検知する温度検知部とを備え、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、前記電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給されるように、前記温度検知部から送信される温度情報に基づいて、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御する制御部を有することを特徴とする。

0011

本発明は、サルフェーションは非伝導性抵抗体であり、鉛蓄電池を過充電状態にして鉛蓄電池に自己発熱させて、電気分解の反応速度を高めることにより、サルフェーションを溶解させることを前提としており、この状態を維持するために、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給されるように制御している。パルス電流のように、鉛蓄電池に対して電流が供給されない無通電時間が存在すると、この無通電時間の時間帯は、サルフェーションの除去が促進されない時間帯となって、サルフェーションの除去の効率が低下し、再生に要する時間が長期化する。これに対し、本発明の鉛蓄電池再生装置では、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給されるように制御しているため、全ての時間帯においてサルフェーションの除去が促進され、再生に要する時間を短縮することができる。
また、鉛蓄電池に対して供給される電流の大きさは、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように制御されるため、鉛蓄電池が熱破壊を起こすことがない。

0012

本発明の鉛蓄電池再生装置においては、前記制御部は、前記温度検知部から送信された鉛蓄電池の温度情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から送出される前記温度情報に基づいて鉛蓄電池の温度変化勾配と鉛蓄電池に供給する電流値を算出する演算部と、前記演算部によって算出された電流値に基づいて鉛蓄電池に供給する電流を調整する電流調整部とを備えた構成とすることができる。

0013

制御部をこのような構成とすることにより、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給されるための適正な電流値を決定することができる。

0014

本発明の鉛蓄電池再生装置においては、前記電源から鉛蓄電池に対して電流が供給されている状態において、前記鉛蓄電池の温度が一定であり、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値が一定となるように、前記制御部は、前記電源から鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することが好ましい。

0015

鉛蓄電池の温度が一定であるとは、電源から鉛蓄電池に対して供給される電流による発熱と、鉛蓄電池から空気中への放熱とが熱平衡状態を維持していることを意味し、この状態が維持されるように、電源から鉛蓄電池に対して一定の電流が供給されることによって、最も安定的にサルフェーションの除去を行うことが可能となる。

0016

本発明の鉛蓄電池再生方法は、鉛蓄電池に電流を流して電極表面の硫酸鉛層を還元して除去する鉛蓄電池再生方法であって、鉛蓄電池を過充電状態に維持して、鉛蓄電池に対して電流を供給するとともに、鉛蓄電池の温度と外気温度とを検知し、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、鉛蓄電池に対して常に電流が供給されるように、鉛蓄電池の温度情報に基づいて、鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することを特徴とする。

0017

この鉛蓄電池再生方法は、鉛蓄電池に対して常に電流が供給されるようにしているため、全ての時間帯においてサルフェーションの除去が促進され、再生に要する時間を短縮することができるとともに、鉛蓄電池に対して供給される電流の大きさは、鉛蓄電池の温度が、鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように制御されるため、鉛蓄電池が熱破壊を起こすことなく、鉛蓄電池を再生することができる。

0018

本発明の鉛蓄電池再生方法においては、鉛蓄電池に対して電流が供給されている状態において、前記鉛蓄電池の温度が一定であり、鉛蓄電池に対して供給される電流値が一定となるように、鉛蓄電池に対して供給される電流値を制御することが好ましい。
電源から鉛蓄電池に対して一定の電流が供給されることによって、最も安定的にサルフェーションの除去を行うことができる。

0019

本発明の鉛蓄電池は、上述した鉛蓄電池再生方法によって再生されたものであり、この鉛蓄電池再生方法によって再生されることにより、安全に長期間に亘って使用することが可能となる。
そのため、同じ機能を有する鉛蓄電池を新たに生産する場合と比較して、エネルギー消費量と二酸化炭素発生量を大きく抑制することができるとともに、廃棄される鉛蓄電池の量が減少するため、廃棄物処理の観点からも大きな効果がある。

発明の効果

0020

本発明によると、鉛蓄電池の電極が熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電池を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法およびこの方法によって再生された鉛蓄電池を提供することができる。これにより、エネルギー消費量の削減、二酸化炭素発生量の抑制、廃棄物処理の観点から大きな効果がある。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の構成図である。
本発明の実施形態に係る鉛蓄電池再生装置に用いられる制御部の一例を示す図である。
本発明の鉛蓄電池再生装置および鉛蓄電池再生方法における、鉛蓄電池に供給される電流と鉛蓄電池の温度の制御について説明するための図である。
本発明の鉛蓄電池再生装置および鉛蓄電池再生方法における、鉛蓄電池に供給される電流と鉛蓄電池の温度の制御について説明するための図である。
本発明の鉛蓄電池再生装置および鉛蓄電池再生方法における、鉛蓄電池に供給される電流と鉛蓄電池の温度の制御について説明するための図である。
本発明の鉛蓄電池再生装置および鉛蓄電池再生方法における、鉛蓄電池に供給される電流と鉛蓄電池の温度の制御について説明するための図である。

実施例

0022

以下に、本発明をその実施形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の構成図を示す。
鉛蓄電池再生装置1は、制御部2と、温度検知部3と、電源4とを備えている。鉛蓄電池5の外部に接して外部温度センサ6が取り付けられ、鉛蓄電池5の内部には内部温度センサ7が取り付けられている。また、鉛蓄電池5の電極に接して端子温度センサ8が取り付けられ、鉛蓄電池5の環境温度を計測するための環境温度センサ9が配置されている。
外部温度センサ6、内部温度センサ7、端子温度センサ8、環境温度センサ9は、温度検知部3に電気的に接続されており、鉛蓄電池5の内部温度外部温度端子温度、環境温度が、温度検知部3に送信される。なお、鉛蓄電池5の内部温度の検知は、熱伝導率の高い電極端子金属部の温度を検出する端子温度センサ8の検知温度と、内部温度センサ7の検知温度の高い方の温度を、鉛蓄電池5の内部温度として採用することによって行われる。
鉛蓄電池5の電極と電源4とは電気的に接続され、電源4から鉛蓄電池5に対して電流が供給される。

0023

図2に、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池再生装置に用いられる制御部の一例を示す。
制御部2は、記憶部11と、演算部12と、電流調整部13とを備えている。温度検知部3から送信される鉛蓄電池5の温度情報は、記憶部11に記憶され、記憶部11で記憶された鉛蓄電池5の温度情報は、演算部12に送出されて、後述する鉛蓄電池5の温度変化勾配や、適正な電流値が算出される。この電流値に基づいて、電流調整部13は、電源4から鉛蓄電池5に対して供給される電流を調整する。
この制御部2の機能については、後に詳述する。

0024

図3図4図5図6に基づいて、本発明の鉛蓄電池再生装置および鉛蓄電池再生方法における、鉛蓄電池に供給される電流と鉛蓄電池の温度の制御について説明する。
図3図4図5図6はいずれも、電源から鉛蓄電池に供給される電流と、鉛蓄電池の温度との関係を示しており、横軸を時間とし、左側縦軸を温度とし、右側縦軸を電流としている。鉛蓄電池の温度は、内部温度と外部温度の両方を表示している。

0025

図3は、比較的大きな電流値であるg(A)の電流を鉛蓄電池に供給したときの温度パターンを示している。鉛蓄電池の内部温度は、電流供給時間経過に伴って上昇し、鉛蓄電池の外部温度が設定温度の上限値であるa(℃)に達すると、スイッチが切れて電流の供給が停止される。その後、鉛蓄電池の温度は、ある程度温度上昇を続けた後下降に転じ、外部温度が設定温度の下限値であるb(℃)に達すると、スイッチが閉じられて電流の供給が開始される。その後、鉛蓄電池の温度は、ある程度温度下降を続けた後上昇に転じ、外部温度が設定温度の上限値であるa(℃)に達すると、電流の供給が再び停止される。
このような温度と電流のパターンであると、鉛蓄電池に対して電流が流れない時間である無通電時間が存在し、この間は電流供給によるサルフェーションの除去が促進されない時間帯となって、サルフェーションの除去の効率が低下し、再生に要する時間が長期化する。

0026

図4は、図3に示した電流値よりも小さい電流であるh(A)の電流を鉛蓄電池に供給したときの温度パターンを示している。
電流値が図3の場合よりも小さくなっているため、電流供給の時間経過に伴う鉛蓄電池の温度上昇勾配は緩やかになる。そのため、外部温度が設定温度の上限値であるa(℃)に達するまでに要する時間は長くなり、鉛蓄電池への通電時間は長くなる。その一方、電流の供給が停止された後の温度降下に要する時間は、外部環境温度が一定である限り同一である。その結果、再生過程に要する全時間に占める無通電時間の割合は短くなる。

0027

図5は、図4に示した電流値よりも小さい電流であるi(A)を電流の上限値とし、j(A)を電流の下限値として、電流を段階的に変化させて鉛蓄電池に供給したときの温度パターンを示している。
鉛蓄電池に対してi(A)の電流を供給することによって、鉛蓄電池の外部温度は緩やかに上昇し、外部温度が設定温度の上限値であるa(℃)よりも低いc(℃)に達したときに、鉛蓄電池に供給される電流値を、i(A)よりも小さいj(A)に低下させる。その結果、鉛蓄電池の温度は、ある程度温度上昇を続けた後、a(℃)に達することなく下降に転じ、外部温度が設定温度の下限値であるb(℃)よりも高いd(℃)に達したときに、鉛蓄電池に供給される電流値を、i(A)に上昇させる。その後、鉛蓄電池の温度は、ある程度温度下降を続けた後、b(℃)に達することなく上昇に転ずる。

0028

鉛蓄電池に供給される電流値をi(A)からj(A)に低下させる転換温度であるc(℃)と、鉛蓄電池に供給される電流値をj(A)からi(A)に上昇させる転換温度であるd(℃)は、i(A)の電流を供給しているときの温度上昇勾配と、j(A)の電流を供給しているときの温度下降勾配から算出して定めることができる。また、鉛蓄電池の内部温度も、設定温度の上限値であるa(℃)よりも低く、かつ設定温度の下限値であるb(℃)よりも高い範囲内となるように、鉛蓄電池の内部温度と外部温度との差を考慮して、転換温度であるc(℃)とd(℃)とが定められる。
このようにして鉛蓄電池に供給される電流値を制御すると、鉛蓄電池の温度が鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給される状態を実現することができ、無通電時間をなくすことができる。

0029

図6は、鉛蓄電池に供給される電流値をさらに制御することによって、鉛蓄電池の内部温度、外部温度のいずれもが、設定温度の上限値a(℃)と下限値b(℃)との間において、一定値となるようにした状態を示している。ここでは、鉛蓄電池の内部温度がe(℃)、外部温度がf(℃)となるようにしている。これは、電源から鉛蓄電池に対して供給される電流による発熱と、鉛蓄電池から空気中への放熱とが熱平衡状態を維持していることを意味している。電源から鉛蓄電池に供給される電流を、図5に示すi(A)より小さくj(A)より大きいk(A)とすることにより、無通電期間が存在せず、電源から鉛蓄電池に対して常に一定の電流が流れ続けることになる。そのため、電流供給によるサルフェーションの除去が最適な状態で促進され続けるため、短時間で最も効率よく鉛蓄電池を再生することが可能になる。

0030

上述した、鉛蓄電池に供給される電流値の制御は、例えば、以下のようにして行うことができる。
図2に示す制御部2の記憶部11に対して温度検知部3から送信された、鉛蓄電池の電流供給開始からの時間経過と温度変化に関する温度情報が時系列的サンプリングして記憶され、この記憶された温度情報が演算部12に送られて、演算部12が鉛蓄電池の温度変化勾配を算出するとともに、鉛蓄電池の温度が鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給される状態を実現するために、図5に示した転換温度であるc(℃)、d(℃)、電流値i(A)、j(A)を算出する。この算出値を電流調整部13に送出して、電流調整部13は電源が供給する電流のスイッチングを行う。

0031

この動作によって得られた鉛蓄電池の温度パターンについての温度情報が温度検知部3から記憶部11に送信されて、鉛蓄電池の温度情報は時系列的にサンプリングして記憶され、この記憶された温度情報が演算部12に送られて、演算部12は、鉛蓄電池の温度変化勾配がゼロとなる、すなわち鉛蓄電池が熱平衡状態を維持できるための一定電流k(A)を算出する。この算出値を電流調整部13に送出して、電流調整部13は電源が一定電流k(A)を鉛蓄電池に対して供給するように制御する。

0032

すなわち、制御部2は、温度検知部3から送信された鉛蓄電池の温度情報を記憶する記憶部11と、記憶部11から送出される温度情報に基づいて鉛蓄電池の温度変化勾配と鉛蓄電池に供給する電流値を算出する演算部12と、演算部12によって算出された電流値に基づいて鉛蓄電池に供給する電流を調整する電流調整部13を備えた構成となっており、これらの機能によって、鉛蓄電池の温度が鉛蓄電池の電極の熱破壊温度以下の温度となるように維持しつつ、電源から常に鉛蓄電池に対して電流が供給される状態を実現して、電流供給によるサルフェーションの除去を最適な状態で促進することを可能としている。

0033

なお、図5に示す転換温度c(℃)、d(℃)と、電流i(A)、j(A)の算出は、設定温度の上限値a(℃)と下限値b(℃)を記憶部11に予め記憶しておき、図3に示す電流g(A)を試験的に鉛蓄電池に供給して、鉛蓄電池の温度パターンをデータとして採取し、鉛蓄電池に供給する電流値を徐々に低下させ、図4に示す温度パターンを経て行うことができ、図5図6に示す無通電時間の無い状態を実現することができる。
また、上記の説明においては、鉛蓄電池の外部温度に基づいて電流制御を行っているが、鉛蓄電池の内部温度に基づいても同様の電流制御を行うことができる。

0034

また、上記の説明においては、初めに高めの電流を流しておき、徐々に電流値を下げる方式を採用しているが、一旦下げた電流値を上げる工程を含めることにより、昼夜の温度差に伴う環境温度の変化に対応することができる。夜から日中にかけては外気温が上昇するため、鉛蓄電池からの放熱量が減少するが、これに伴って、鉛蓄電池に流れる電流値を低下させる。その逆に、日中から夜間にかけては外気温が低下するため、鉛蓄電池からの放熱量が増大するが、これに伴って、鉛蓄電池に流れる電流値を上昇させる。
環境温度を検知して上記の操作を行うことによって、環境温度の変化があっても、図6に示す、一定電流の供給による熱平衡状態を実現することができる。

0035

本発明は、鉛蓄電池の電極が熱破壊を起こすことなく、短時間で鉛蓄電を再生することが可能な鉛蓄電池再生装置と、鉛蓄電池再生方法として広く利用することができ、この方法によって再生された鉛蓄電池は、安全に長期間に亘って使用することが可能であるため、鉛蓄電池のリサイクル技術として有効に機能し、省エネルギーに大きく寄与するものである。

0036

1鉛蓄電池再生装置
2 制御部
3温度検知部
4電源
5鉛蓄電池
6外部温度センサ
7内部温度センサ
8端子温度センサ
9環境温度センサ
11 記憶部
12演算部
13電流調整部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ