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技術 泡膜形成装置、定着装置、画像形成装置、泡膜形成方法、定着方法、及び、画像形成方法

出願人 株式会社リコー
発明者 井関敏之
出願日 2010年11月25日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-262826
公開日 2012年6月14日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2012-113165
状態 未査定
技術分野 電子写真における定着
主要キーワード 空気搬送管 大容量ポンプ 各環境温度 泡生成装置 気体供給量 供給スリット 空気体積 泡状液
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

表面移動体の表面上に所望の膜厚泡膜を形成する泡膜形成装置で、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができる泡膜形成装置、並びに、これを備えた定着装置及び画像形成装置を提供する。

解決手段

定着液泡状化装置500と、泡供給ヘッド550と、泡膜規制ブレード63と、アクチュエータ630とを備え、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fからなる泡膜を形成する泡膜形成装置600において、アクチュエータ630は、液温センサ560が検知した温度が高温であるほどギャップ幅G1が小さくなるように、検知した温度が低温であるほどギャップ幅G1が大きくなるように、泡膜規制ブレード63の塗布ローラ61に対する位置を制御する。

概要

背景

プリンタファクシミリ複写機、あるいはこれらの機能を有する複合機などの画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字記号グラフィック写真等の種々の画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。

一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、またはトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。

このような非加熱定着方式としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献5に記載の定着装置で用いる定着方式)。湿式定着方式では、未定着のトナー像に対して定着液を塗布、噴霧または滴下してトナー像を形成するトナーを軟化させた後、軟化したトナーを記録媒体上で乾燥させることにより、トナー像を記録媒体に定着させる。このように、湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がないため、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。

特許文献1及び特許文献2に記載の定着装置は、接触型の定着液付与手段である塗布ローラを用いて定着液を液状のまま記録媒体または中間転写体といった定着液付与対象に塗布することで、定着液を定着液付与対象上の未定着トナー像に付与する構成である。このような液状の定着液をトナー像に塗布して定着を行う構成では、定着液付与対象上のトナー像への定着液の微量塗布と塗布ローラへのトナーオフセット防止を両立させることが極めて難しいという問題があった。以下、この問題について説明する。

塗布ローラを用いて定着液付与対象(以下、定着液塗布対象ともいう。)上の未定着トナー像へ定着液を塗布する構成において、定着液を定着液塗布対象に微量塗布するために、塗布ローラ上の定着液の層の厚みを未定着トナー像の層よりも薄くした場合、次のような問題が生じることがあった。塗布ローラの表面が定着液塗布対象と接触した後、塗布ローラの表面が定着液塗布対象から分離する位置で、定着液塗布対象に塗布されず塗布ローラ表面に残った定着液の液膜によって生じる表面張力で定着液塗布対象上のトナー層トナー粒子が引っ張られてしまう。これにより、塗布ローラの表面にオフセットしたトナー粒子が付着し、塗布ローラと分離した後の定着液塗布対象上のトナー像が大幅に乱れてしまう。

逆に、塗布ローラ上の定着液の層の厚みを未定着トナー層よりも十分厚くすると、塗布ローラが定着液塗布対象から分離する位置では、液量が多いため塗布ローラの表面の液膜による表面張力が定着液塗布対象上のトナー層のトナー粒子に作用しにくくなる。これにより、塗布ローラ側にトナーが付着しにくくなるが、定着液塗布対象の表面に多量の定着液が塗布される。このため、定着液塗布対象上で過剰な定着液により定着液の拡散にともないトナー粒子が流れ画質劣化を生じたり、定着液の乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたりしてしまう。また、記録媒体に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有するものであると、紙等のセルロースを含有する記録媒体への定着液の塗布量が多い場合、紙等の記録媒体が著しくカールし、画像形成装置などの装置内における記録媒体搬送時に紙詰まりが発生する恐れがある。
このように、塗布ローラを用いて定着液を塗布する構成では、定着液の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題が生じる。一方、これらの問題を防止するために定着液を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。
よって、塗布ローラで定着液を塗布する構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために定着液塗布対象上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラへのトナーオフセットを防止することとを両立することが極めて難しい。

定着液の微量塗布とトナーオフセットの防止とを両立することができる定着方式として、特許文献3〜特許文献5には、定着液を液中気泡が分散した泡状定着液とし、この泡状定着液を定着液塗布対象である記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。このように、定着液を泡状とすることにより定着液の密度(定着液の重量をその体積で割った値、以下、嵩密度とよぶ)を下げることが出来る。このため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜厚を厚くすることが出来、液体の表面張力の定着液塗布対象上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することが出来る。さらに、泡状の定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、定着液によって定着液塗布対象上のトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。よって、特許文献3〜特許文献5に記載の定着装置のように泡状定着液を用いて定着を行うことにより、従来よりも少量の定着液塗布量トナー画像を乱すことなく定着することができる。

また、これらの特許文献3〜5に記載の定着装置では、塗布ローラ等の表面が無端移動する塗布部材上に泡状定着液を塗布し、泡膜調整ブレードによって塗布部材上の泡膜の膜厚を調整している。泡膜調整ブレードはその先端と塗布部材の表面との間の微小間隙を形成して配置されており、この間隙の幅によって泡膜調整ブレードの先端と塗布部材の表面との対向部を通過する泡状定着液の膜厚を規制する。この規制によって、塗布部材上の泡膜は所望の膜厚に調節される。

概要

表面移動体の表面上に所望の膜厚の泡膜を形成する泡膜形成装置で、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができる泡膜形成装置、並びに、これを備えた定着装置及び画像形成装置を提供する。定着液泡状化装置500と、泡供給ヘッド550と、泡膜規制ブレード63と、アクチュエータ630とを備え、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fからなる泡膜を形成する泡膜形成装置600において、アクチュエータ630は、液温センサ560が検知した温度が高温であるほどギャップ幅G1が小さくなるように、検知した温度が低温であるほどギャップ幅G1が大きくなるように、泡膜規制ブレード63の塗布ローラ61に対する位置を制御する。

目的

一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

液体気体とを混合させて泡状液を生成する泡生成部と、該泡生成部で生成した該泡状液を表面移動体に供給する泡供給手段と、該表面移動体の表面との間に通過する該泡状液の膜厚規制する間隙である泡膜規制ギャップを形成する泡膜規制部材と、該表面移動体に対する該泡膜規制部材の位置を制御することで該泡膜規制ギャップの大きさを制御する泡膜規制ギャップ制御手段とを有し、該表面移動体の表面上に該泡状液からなる泡膜を形成する泡膜形成装置において、装置の使用環境の温度を検知する温度検知手段を備え、上記泡膜規制ギャップ制御手段は、該温度検知手段が検知した温度が高温であるほど上記泡膜規制ギャップが狭くなるように、検知した温度が低温であるほど該泡膜規制ギャップが広くなるように、上記泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御することを特徴とする泡膜形成装置。

請求項2

請求項1の泡膜形成装置において、上記泡生成部に対する上記液体の供給量を制御する液体供給量制御手段と、該泡生成部に対する上記気体の供給量を制御する気体供給量制御手段とを有し、上記温度検知手段の検知結果に基づいて該泡生成部に対する該液体及び該気体の供給量を制御することを特徴とする泡膜形成装置。

請求項3

樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子軟化させる軟化剤を含有する液状定着液液中気泡が分散した泡状定着液無端移動する表面に担持し、該樹脂微粒子を担持する定着液塗布対象の表面に該泡状定着液を塗布する定着液塗布部材と、該塗布部材の表面上に該泡状定着液からなる泡膜を形成する泡膜形成手段と有し、該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体定着する定着装置において、上記泡膜形成手段として、請求項1または2の泡膜形成装置を用いることを特徴とする定着装置。

請求項4

樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面を上記定着液塗布対象の表面として定着液を塗布し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項3の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

請求項5

液体と気体とを混合させて生成した泡状液を表面移動体に供給し、該表面移動体の表面との間に通過する該泡状液の膜厚を規制する間隙である泡膜規制ギャップを形成する泡膜規制部材の該表面移動体に対する位置を制御することで該泡膜規制ギャップの制御して、該表面移動体の表面上に該泡状液からなる泡膜を形成する泡膜形成方法において、装置の使用環境の温度を検知し、検知した温度が高温であるほど上記泡膜規制ギャップが狭くなるように、検知した温度が低温であるほど該泡膜規制ギャップが広くなるように、上記泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御することを特徴とする泡膜形成方法。

請求項6

請求項5の泡膜形成方法において、上記泡状液を生成する工程における上記液体と上記気体との供給量を、検知した温度に応じて制御することを特徴とする泡膜形成方法。

請求項7

樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液を定着液泡化工程で液中に気体を含有させて気泡が分散した泡状定着液とし、該泡状定着液からなる泡膜を無端移動する定着液塗布部材の表面に形成し、該定着液塗布部材によって定着液塗布対象の表面に該泡状定着液を塗布し、該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着方法において、請求項5または6の泡膜形成方法によって、上記泡状定着液からなる泡膜を上記定着液塗布部材の表面に形成することを特徴とする定着方法。

請求項8

樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着工程とによって記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、上記定着工程では請求項7の定着方法によって定着を行うことを特徴とする画像形成方法。

技術分野

0001

本発明は、ファクシミリプリンタ複写機、あるいはこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置に用いられる定着装置に適用可能な泡膜形成装置に関するものである。詳しくは、トナー等の樹脂微粒子を溶解または膨潤させて記録媒体上に定着させる定着液泡状定着液にして樹脂微粒子に塗布する定着装置の塗布部材上に泡状定着液の泡膜を形成する泡膜形成手段として適用可能な泡膜形成装置、並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
また、表面移動体の表面上に泡状液からなる泡膜を形成する泡膜形成方法、この泡膜形成方法によって定着液の泡膜を塗布部材上に形成して定着を行う定着方法、及び、この定着方法によって画像の記録媒体への定着を行う画像形成方法に関するものである。

背景技術

0002

プリンタ、ファクシミリ、複写機、あるいはこれらの機能を有する複合機などの画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字記号グラフィック写真等の種々の画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。

0003

一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、またはトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。

0004

このような非加熱定着方式としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献5に記載の定着装置で用いる定着方式)。湿式定着方式では、未定着のトナー像に対して定着液を塗布、噴霧または滴下してトナー像を形成するトナーを軟化させた後、軟化したトナーを記録媒体上で乾燥させることにより、トナー像を記録媒体に定着させる。このように、湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がないため、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。

0005

特許文献1及び特許文献2に記載の定着装置は、接触型の定着液付与手段である塗布ローラを用いて定着液を液状のまま記録媒体または中間転写体といった定着液付与対象に塗布することで、定着液を定着液付与対象上の未定着トナー像に付与する構成である。このような液状の定着液をトナー像に塗布して定着を行う構成では、定着液付与対象上のトナー像への定着液の微量塗布と塗布ローラへのトナーオフセット防止を両立させることが極めて難しいという問題があった。以下、この問題について説明する。

0006

塗布ローラを用いて定着液付与対象(以下、定着液塗布対象ともいう。)上の未定着トナー像へ定着液を塗布する構成において、定着液を定着液塗布対象に微量塗布するために、塗布ローラ上の定着液の層の厚みを未定着トナー像の層よりも薄くした場合、次のような問題が生じることがあった。塗布ローラの表面が定着液塗布対象と接触した後、塗布ローラの表面が定着液塗布対象から分離する位置で、定着液塗布対象に塗布されず塗布ローラ表面に残った定着液の液膜によって生じる表面張力で定着液塗布対象上のトナー層トナー粒子が引っ張られてしまう。これにより、塗布ローラの表面にオフセットしたトナー粒子が付着し、塗布ローラと分離した後の定着液塗布対象上のトナー像が大幅に乱れてしまう。

0007

逆に、塗布ローラ上の定着液の層の厚みを未定着トナー層よりも十分厚くすると、塗布ローラが定着液塗布対象から分離する位置では、液量が多いため塗布ローラの表面の液膜による表面張力が定着液塗布対象上のトナー層のトナー粒子に作用しにくくなる。これにより、塗布ローラ側にトナーが付着しにくくなるが、定着液塗布対象の表面に多量の定着液が塗布される。このため、定着液塗布対象上で過剰な定着液により定着液の拡散にともないトナー粒子が流れ画質劣化を生じたり、定着液の乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたりしてしまう。また、記録媒体に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有するものであると、紙等のセルロースを含有する記録媒体への定着液の塗布量が多い場合、紙等の記録媒体が著しくカールし、画像形成装置などの装置内における記録媒体搬送時に紙詰まりが発生する恐れがある。
このように、塗布ローラを用いて定着液を塗布する構成では、定着液の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題が生じる。一方、これらの問題を防止するために定着液を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。
よって、塗布ローラで定着液を塗布する構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために定着液塗布対象上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラへのトナーオフセットを防止することとを両立することが極めて難しい。

0008

定着液の微量塗布とトナーオフセットの防止とを両立することができる定着方式として、特許文献3〜特許文献5には、定着液を液中気泡が分散した泡状定着液とし、この泡状定着液を定着液塗布対象である記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。このように、定着液を泡状とすることにより定着液の密度(定着液の重量をその体積で割った値、以下、嵩密度とよぶ)を下げることが出来る。このため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜厚を厚くすることが出来、液体の表面張力の定着液塗布対象上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することが出来る。さらに、泡状の定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、定着液によって定着液塗布対象上のトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。よって、特許文献3〜特許文献5に記載の定着装置のように泡状定着液を用いて定着を行うことにより、従来よりも少量の定着液塗布量トナー画像を乱すことなく定着することができる。

0009

また、これらの特許文献3〜5に記載の定着装置では、塗布ローラ等の表面が無端移動する塗布部材上に泡状定着液を塗布し、泡膜調整ブレードによって塗布部材上の泡膜の膜厚を調整している。泡膜調整ブレードはその先端と塗布部材の表面との間の微小間隙を形成して配置されており、この間隙の幅によって泡膜調整ブレードの先端と塗布部材の表面との対向部を通過する泡状定着液の膜厚を規制する。この規制によって、塗布部材上の泡膜は所望の膜厚に調節される。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、常温(例えば25[℃])で良好な定着が行える定着条件であっても、泡膜調整ブレードの先端と塗布部材の表面との間の間隙(以下、「泡膜規制ギャップ」と呼ぶ)の大きさが一定であると、使用環境温度低温(例えば10[℃])となると泡状定着液の膜厚が小さくなり、オフセットが生じて定着不良が生じてしまうことがあった。
一方、このような定着不良を防止するために、低温で良好な定着を行える膜厚の泡膜を形成することができる条件に合わせて泡膜規制ギャップを一定とすると、常温のときに所望の膜厚よりも泡膜の膜厚が大きくなり必要量以上の定着液を消費することになる。

0011

上記特許文献5には、塗布部材に対する泡膜調整ブレードの先端の位置を制御することで泡膜規制ギャップの大きさを制御する泡膜規制ギャップ制御手段を備え、記録媒体上のトナー層の厚み、記録媒体の種類及び環境温度等、定着条件によって泡膜規制ギャップの大きさを制御することが記載されている。しかし、上記特許文献5には、環境温度が高温である場合または低温である場合に対して、泡膜規制ギャップの大きさをどのように制御するのか、具体的な記載はなされていない。

0012

このように温度によって泡膜の膜厚が不安定になる問題は、液状の定着液を泡状定着液とし、さらに、塗布部材上に泡状定着液の泡膜を形成する構成に限らず、表面移動体の表面上に所望の膜厚の泡膜を形成する泡膜形成装置であれば同様の問題は生じ得る。

0013

本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、第一の目的は、表面移動体の表面上に所望の膜厚の泡膜を形成する泡膜形成装置で、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができる泡膜形成装置、並びに、これを備えた定着装置及び画像形成装置を提供することである。
また、第二の目的は、表面移動体の表面上に所望の膜厚の泡膜を形成する泡膜形成方法で、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができる泡膜形成方法、並びに、これを用いる定着方法及び画像形成方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液体と気体とを混合させて泡状液を生成する泡生成部と、該泡生成部で生成した該泡状液を表面移動体に供給する泡供給手段と、該表面移動体の表面との間に通過する該泡状液の膜厚を規制する間隙である泡膜規制ギャップを形成する泡膜規制部材と、該表面移動体に対する該泡膜規制部材の位置を制御することで該泡膜規制ギャップの大きさを制御する泡膜規制ギャップ制御手段とを有し、該表面移動体の表面上に該泡状液からなる泡膜を形成する泡膜形成装置において、装置の使用環境の温度を検知する温度検知手段を備え、上記泡膜規制ギャップ制御手段は、該温度検知手段が検知した温度が高温であるほど上記泡膜規制ギャップが狭くなるように、検知した温度が低温であるほど該泡膜規制ギャップが広くなるように、上記泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の泡膜形成装置において、上記泡生成部に対する上記液体の供給量を制御する液体供給量制御手段と、該泡生成部に対する上記気体の供給量を制御する気体供給量制御手段とを有し、上記温度検知手段の検知結果に基づいて該泡生成部に対する該液体及び該気体の供給量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液の液中に気泡が分散した泡状定着液を無端移動する表面に担持し、該樹脂微粒子を担持する定着液塗布対象の表面に該泡状定着液を塗布する定着液塗布部材と、該塗布部材の表面上に該泡状定着液からなる泡膜を形成する泡膜形成手段と有し、該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、上記泡膜形成手段として、請求項1または2の泡膜形成装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面を上記定着液塗布対象の表面として定着液を塗布し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項3の定着装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、液体と気体とを混合させて生成した泡状液を表面移動体に供給し、該表面移動体の表面との間に通過する該泡状液の膜厚を規制する間隙である泡膜規制ギャップを形成する泡膜規制部材の該表面移動体に対する位置を制御することで該泡膜規制ギャップの制御して、該表面移動体の表面上に該泡状液からなる泡膜を形成する泡膜形成方法において、装置の使用環境の温度を検知し、検知した温度が高温であるほど上記泡膜規制ギャップが狭くなるように、検知した温度が低温であるほど該泡膜規制ギャップが広くなるように、上記泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の泡膜形成方法において、上記泡状液を生成する工程における上記液体と上記気体との供給量を、検知した温度に応じて制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液を定着液泡化工程で液中に気体を含有させて気泡が分散した泡状定着液とし、該泡状定着液からなる泡膜を無端移動する定着液塗布部材の表面に形成し、該定着液塗布部材によって定着液塗布対象の表面に該泡状定着液を塗布し、該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着方法において、請求項5または6の泡膜形成方法によって、上記泡状定着液からなる泡膜を上記定着液塗布部材の表面に形成することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着工程とによって記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、上記定着工程では請求項7の定着方法によって定着を行うことを特徴とするものである。

0015

本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、泡膜規制ギャップを通過した泡状液の膜厚は環境温度が高い場合は泡膜規制ギャップよりも厚くなるが、環境温度が低くなると、泡膜規制ギャップの大きさと同等または、泡膜規制ギャップよりも薄くなることが分かった。これは、温度変化によって泡状液を形成する液体の粘度や起泡性が変化するためと考えられる。
よって、泡膜規制ギャップを通過した泡状液の膜厚が泡膜規制ギャップよりも厚くなる程度に環境温度が高温の場合には、泡膜規制ギャップが所望の膜厚よりも狭くなるように制御することによって泡膜が厚くなりすぎることを抑制できる。また、環境温度が低くなり、泡膜規制ギャップを通過した泡状液の膜厚が泡膜規制ギャップと同等となる場合には、泡膜規制ギャップを所望の膜厚と同等の大きさとなるように制御することによって、泡膜を所望の値とすることができる。また、環境温度がさらに低くなり、泡膜規制ギャップを通過した泡状液の膜厚が泡膜規制ギャップよりも薄くなる程度に環境温度が低温の場合には、泡膜規制ギャップが所望の膜厚よりも広くなるように制御することによって泡膜が薄くなりすぎることを抑制できる。

発明の効果

0016

本願請求項1の構成を備えた発明であれば、泡膜規制ギャップを環境温度が高温であるほど狭くなるように、低温であるほど広くなるように、泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御するため、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができ、上記一つ目の目的を達成することができるという優れた効果がある。
さらに、本願請求項5の構成を備えた発明であれば、泡膜規制ギャップを環境温度が高温であるほど狭くなるように、低温であるほど広くなるように、泡膜規制部材の上記表面移動体に対する位置を制御するため、使用環境温度が変化しても安定した膜厚の泡膜を形成することができ、上記二つ目の目的を達成することができるという優れた効果がある。

図面の簡単な説明

0017

本実施形態の泡膜形成装置の説明図。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。
同複写機における四つの作像ユニットのうちの一つを示す部分拡大図
実施形態に係る定着装置を模式的に示す説明図。
定着液泡状化装置の一例の説明図、(a)は、定着液泡状化装置の斜視説明図、(b)は、定着液泡状化装置を下方から見たとき説明図。
標準条件において、環境温度を振った場合の環境温度とトナーオフセットとの関係を示す図。
表1の対応表に従って、空気流量、定着液流量及びギャップ幅を制御した場合の環境温度とトナーオフセットとの関係を示す図。

実施例

0018

以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では本発明の泡生成装置を備える定着装置を有する画像形成装置が複写機である構成に付いて説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置であるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置であるADF51とを有している。

0019

給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙Pを送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙Pを分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部1の紙搬送路37に転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット42内の転写紙Pをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙する。

0020

プリンタ部1の上に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源反射ミラー、CCD等の画像読センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。

0021

一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。

0022

図3は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2、K,Y,M,Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。光書込装置2は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の上方に配置されており、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードLED等の光源を駆動して、ドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、潜像担持体である感光体4(K,Y,M,C)の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラックイエローマゼンタシアン用の仕様であることを示している。各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料の少なくとも一部は、後述する定着装置60の定着液により溶解または膨潤し、トナーが軟化する。

0023

作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ、潜像担持体である感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体によって支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用一次転写ニップを通過した後の感光体4Kの表面に付着している転写残トナークリーニングするドラムクリーニング装置15Kなども有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。

0024

図4は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)のうちの一つ作像ユニット3の拡大図である。なお、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図4においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。図4に示すように、作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置帯電ローラ5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電装置除電ランプ22等を有している。
また、中間転写ベルト91を挟んで感光体4と対向する位置には一次転写装置一次転写ローラ95が配置されている。

0025

感光体4としては、複写機100では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。

0026

現像装置6は、図示しない磁性キャリア非磁性トナーとを含有する二成分現像剤現像剤担持体である現像ローラ12に担持する。そして、現像ローラ12と感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像可視像化させる。また、現像装置6は、現像ローラ12が配置された現像部と、現像ローラ12の表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部とを備える。現像剤収容部は収容する二成分現像剤を攪拌する不図示の攪拌部材が設けられている。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これらの磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。

0027

図3に示すように四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラ(92、93、94)によって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備え、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラ92に対向する位置には、ベルトクリーニング装置32が配置されている。ベルトクリーニング装置32は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。

0028

転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図3中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写装置の一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91が感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧されている。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップでは、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体である中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
本実施形態の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。

0029

図4において、一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3のドラムクリーニング装置15により、感光体4の表面から除去される。

0030

ドラムクリーニング装置15としては、感光体4に当接しているポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16により、転写残トナーを一次転写ニップ通過後の感光体4表面から掻き取って除去するものが用いられている。クリーニングブレード16は、作像ユニット3のケーシングに固定された金属製の支持部材接着ホットメルト)されており、感光体4に対してカウンタ方向に当接するようになっている。カウンタ方向とは、支持部材によって片持ち支持されるクリーニングブレード16の先端側を、後端側(自由端側)よりも感光体4の回転方向の上流側に位置させるようなブレードの向きである。
ここで、ドラムクリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。

0031

本実施形態の作像ユニット3が備える除電装置は除電ランプ22を備えた構成であり、光を照射して感光体4の表面電位初期化する。除電ランプ22によって除電された感光体4の表面は、帯電バイアスの印加によって感光体4との間に放電を発生させる帯電ローラ5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。

0032

作像ユニット3が備える帯電装置は帯電ローラ5を採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置は帯電ローラ5を感光体4の表面に接触させて、帯電ローラ5に電圧を印加することにより感光体4の表面を一様に帯電する。なお、感光体4を一様に帯電させる帯電装置としては、帯電ローラ方式のものに代えてスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。

0033

プリンタ部1では図3に示すように、転写ユニット90の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、二次転写ベルトである無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28が設けられている。複写機100では紙搬送ユニット28の二次転写ローラ31と、転写ユニット90の下部張架ローラ94との間に、中間転写ベルト91及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト91の表面と、紙搬送ベルト29の表面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット90の下部張架ローラ94は接地され、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。なお、中間転写ベルト91と接触して二次転写ニップを形成する部材としては、紙搬送ベルト29のようなベルト状の部材に限らず、ローラ状の転写ローラを用いてもよい。

0034

二次転写ニップの図中右側には、レジストローラ対33が配設されている。給紙カセット42からプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙された転写紙Pは、レジストローラ対33のローラ間に挟み込まれて停止する。
レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト91上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された転写紙Pは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ベルト29の表面に保持され、その無端移動に伴って定着装置60へと搬送される。

0035

二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト91に当接するように配置されたベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。

0036

定着装置60に搬送された転写紙Pは、詳細は後述するが定着装置60内で定着液が塗布されることによってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置60から送り出され、排紙トレイ10上に排紙される。

0037

図2に示すように複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。両面に画像形成を行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの進路を、切換爪を制御することによってスイッチバック装置36側に切り換え、そこで転写紙Pを反転させて再び二次転写転写ニップに向けて搬送する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理定着処理とが施された転写紙Pは、排紙トレイ10上に排紙される。

0038

次に、本発明の特徴部を備えた定着装置60について説明する。
図5は本実施形態の定着装置60を模式的に示す説明図である。なお、本発明における樹脂微粒子はトナー粒子である。
定着装置60は、樹脂材料からなるトナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子であるトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液210を収容する定着液ボトル220を備える。また、定着装置60は、液状定着液210を液中に気泡が分散した泡状定着液Fとする定着液泡状化手段である定着液泡状化装置500を内部に有する泡供給ヘッド550を備える。さらに、定着装置60は、定着液供給ポンプ200とエアポンプ300とを備える。定着液供給ポンプ200は定着液泡状化装置500に液状定着液を供給する液体供給手段であり、エアポンプ300は定着液泡状化装置500に気体として空気を供給する気体供給手段である。また、定着装置60は、未定着トナーTとしてトナー粒子を担持する定着液塗布対象である転写紙Pの表面に泡状定着液Fを塗布する定着液塗布手段としての塗布ローラ61を備える。さらに、定着装置60は、転写紙Pを挟んで塗布ローラ61と対向する位置に加圧ローラ62を備える。

0039

定着液供給ポンプ200は、定着液ボトル220内の液状定着液210を吸引し、定着液搬送管230に対して圧送することで液状定着液210を泡供給ヘッド550内の定着液泡状化装置500に供給する。また、エアポンプ300は、エアフィルタ310を介して外気の空気を吸引し、空気搬送管330に対して圧送することで液状定着液210を発泡させるための空気を泡供給ヘッド550内の定着液泡状化装置500に供給する。そして、液状定着液210及び空気が供給された定着液泡状化装置500は、詳細は後述する構成によって泡状定着液Fを生成し、泡供給ヘッド550内のマニホールド551に向けて泡状定着液Fを排出する。泡供給ヘッド550では、定着液泡状化装置500からマニホールド551に供給された泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上における表面移動方向に直交する幅方向図5中の紙面に直交する方向)に広げられる。泡供給ヘッド550がマニホールド551で幅方向に広げられた泡状定着液Fを泡供給スリット522から排出することで、塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fを供給する。

0040

塗布ローラ61の表面上に供給された泡状定着液Fは、図5中の矢印B方向に回転する塗布ローラ61の表面移動によって泡膜規制ブレード63と対向する位置である泡膜規制ギャップGを通過し、所望の膜厚に調整される。泡膜規制ギャップGを通過した泡状定着液Fは、塗布ローラ61と加圧ローラ62とが対向する塗布位置Cに到達する。そして、塗布位置Cで塗布ローラ61表面上の泡状定着液Fが転写紙P上の未定着トナーTに塗布される。塗布位置Cで泡状定着液Fを未定着トナーTに塗布することで、軟化したトナー粒子を転写紙Pに定着する。
このように、定着装置60では、未定着トナーTを担持する転写紙Pは、塗布ローラ61と加圧ローラ62とによってニップが形成される塗布位置Cで塗布ローラ61表面上の泡状定着液Fと接触する。そして、加圧ローラ62で加えられた圧力によって泡状定着液Fが未定着トナーTのトナー層に浸透していく。浸透した定着液は、トナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させて転写紙Pに対してトナーを定着させる。

0041

ここで、本実施形態の定着装置60のように通常の液状ではなく、泡状の定着液を未定着トナーTに塗布して転写紙Pに定着する定着方法の利点について説明する。

0042

上記特許文献1及び上記特許文献2に記載の定着装置のように、従来の湿式定着方式では定着液を通常の液体状のまま記録媒体状のトナー像に付与していたため、記録媒体上のトナー像への定着液の微量塗布と塗布ローラへのトナーオフセット防止を両立することが極めて難しいという問題があった。

0043

定着液の微量塗布とトナーオフセットの防止とを両立することができる定着方式として、上記特許文献3乃至5には、定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とし、この泡状定着液を塗布ローラによって記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。定着液を塗布された後の記録媒体上の樹脂微粒子層上の定着液量は少ない方が定着応答性や残液感に優れており、これは定着液の重量が少ないことが望ましいことを意味する。塗布する際は定着液の体積が多くかつ塗布後の記録媒体上の定着液重量は少ない条件を満たすためには,定着液の密度が低ければよく、塗布時に体積は多くても、実質的な塗布重量は小さくすることができる。そして、定着液を泡状とすることにより定着液の密度(定着液の重量をその体積で割った値、以下、「嵩密度」とよぶ)を下げることが出来るため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜厚を厚くすることが出来る。さらに、液体の表面張力の記録媒体上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することが出来、泡状の定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、定着液によってトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。よって、上記特許文献3乃至5のように泡状定着液を用いて定着を行うことにより、従来よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる。
このように、泡状の定着液を用いる構成であれば、定着液の微量塗布とトナーオフセットの防止とを両立することができる。
そして、本実施形態の定着装置60も上記特許文献3乃至5と同様に定着液を泡状にして液状定着液に比べて嵩密度の低い泡状定着液Fを記録媒体である転写紙P上の未定着トナーTに塗布する構成である。

0044

泡径の小さな泡状定着液を生成する方法として、特許文献4には、液体に気体を巻き込んで攪拌して所望の泡径より大きい泡径の泡状定着液を生成する第一の泡生成工程と、第一の泡生成工程により生成された所望の泡径より大きい泡径の泡状定着液にせん断力を加えて所望の泡径の泡状の液体を生成する第二の泡生成工程をもつ泡生成方法が記載されている。

0045

また、本出願人は、特願2009−114659号(以下、先願という)において、一般的に二種類の液体の混合や反応に使用されるマイクロミキサマイクロリアクタともいう)と同様の構成を備えた装置を、液状の定着液を泡状とする泡生成装置として用いる定着装置を提案している。
マイクロミキサは、液体の混合や反応というプロセスを数百[μm]以下の微細流路や空間で行うことにより、その効率を向上させるものである。マイクロミキサは、一般に、二種類の液体をそれぞれ供給する流路を備え、それぞれの流路に二種類の液体を供給して混合や反応を行い、結果物を排出口から得る構成である。上記先願の発明者らは、このマイクロミキサの流路の一方を空気流路として空気を送るエアポンプを接続し、他方の流路に液状定着液を供給する定着液供給ポンプを接続して空気と液状定着液とを送り込んで混合すると泡状定着液が得られることを見出した。この構成では、極めて微少容積で泡を生成することが可能であり、気液混合後にスリット開口部を介して直接塗布ローラに泡状定着液を塗布するため、泡の搬送経路が短く、ゆえに大容量ポンプを必要とせず、かつ無駄に系外排出しなければならない定着液の量も抑えることが可能となっている。

0046

定着液塗布部材へのオフセットを生じない塗布を行うためには、塗布部材上の泡状定着液の泡膜の膜厚がトナー層の層厚よりも十分厚い必要がある。上記特許文献5には、トナー層の厚さに応じて塗布ローラ上の泡状定着液層の厚みをコントロールする構成が記載されている。具体的には、記録媒体上に形成されたトナー層の厚みに応じて、泡膜規制ブレードと塗布ローラとの間隙を制御することにより、塗布ローラ上に所望の膜厚の泡膜を生成するものである。
未定着のトナー層の厚みは、モノクロ画像カラー画像か等によって異なり、一般的には20[μm]乃至50[μm]程度である。このため、トナー層の表層から最深部までを泡状定着液で浸すためには、泡膜の膜厚は少なくとも50[μm]以上の厚みが必要となる。

0047

ところで泡状定着液Fの特性(泡径・泡密度・起泡性・破泡性・泡をマクロ流体とみなした場合の粘性など)は、使用環境の温度条件によって変化する。その結果、泡膜の膜厚に影響を及ぼし、オフセットが生じてしまうという問題がある。
このため、温度条件が変動した場合に、泡膜の膜厚を適切に調節してトナーオフセットを防止することが求められる。

0048

次に、本実施形態の定着装置60の特徴部について説明する。
図5に示すように、定着装置60は、定着液泡状化装置500、定着液泡状化装置500で生成した泡状定着液Fを塗布ローラ61の表面に供給する泡供給手段である泡供給ヘッド550、泡膜規制ブレード63、及び、アクチュエータ630等から構成される泡膜形成装置600を備える。泡膜規制ブレード63は、塗布ローラ61の表面との間に通過する泡状定着液Fの膜厚を規制する間隙である泡膜規制ギャップGを形成する泡膜規制部材である。また、アクチュエータ630は、塗布ローラ61に対する泡膜規制ブレード63の位置を制御することで泡膜規制ギャップGの大きさ(ギャップ幅G1)を制御する泡膜規制ギャップ制御手段である。

0049

図1は、本実施形態の定着装置60が備える泡膜形成装置600の説明図である。図1(a)は、ギャップ幅G1を大きくした状態の説明図であり、図1(b)は、ギャップ幅G1を小さくした状態の説明図である。
図1及び図5に示すように、泡膜形成装置600は、定着液搬送管230内の液状定着液210の温度を検知する液温センサ560を備える。また、泡膜形成装置600は、泡膜規制ブレード63を塗布ローラ61の表面から離れる方向に付勢する板バネ631を備える。泡膜規制ブレード63は板バネ631を介して泡供給ヘッド550に弾性支持されている。板バネ631によって塗布ローラ61の表面から離れる方向に付勢される泡膜規制ブレード63がアクチュエータ630の押圧部材である棒ピストン632の先端に突き当たることで、塗布ローラ61に対する泡膜規制ブレード63の位置が決まる。このため、棒ピストン632をアクチュエータ630で動作させることにより、泡膜規制ブレード63と塗布ローラ61との間の間隙である泡膜規制ギャップGのギャップ幅G1を調整することができる。

0050

本実施形態の泡膜形成装置600では、環境温度として定着液搬送管230内の液状定着液210の温度を液温センサ560で検知する構成である。周囲の温度変化によって液状定着液210の温度が変化した場合、その変化を液温センサ560で検出する。
そして、液温センサ560は検出した温度が、高温であるほど泡膜規制ギャップGが狭くなるように、検知した温度が低温であるほど泡膜規制ギャップGが広くなるように、不図示の制御部によってアクチュエータ630を制御する。

0051

さらに、不図示の制御部は、液温センサ560が検出した温度に応じて、定着液供給ポンプ200とエアポンプ300との駆動も制御する。これにより、環境温度に応じて、液状定着液210の供給量や空気の供給量を制御することができる。具体的には、温度が高温であるほど液状定着液210や空気の時間当りの供給量を少なくなるように、さらに、高温であるほど液状定着液210の供給量に対する空気の供給量の比率が小さくなるように、定着液供給ポンプ200とエアポンプ300との駆動を制御する。

0052

高温時には、泡を構成する液体(定着液)の粘度が下がり、泡状定着液(または破泡して液状化した定着液)がトナー粒子間侵入しやすくなるため、低温時に比べて供給量が少量でも所望の定着を行うことができる。よって、温度が高温であるほど液状定着液210や空気の時間当りの供給量が少なくなるように制御する。
一方、低温時には、泡を構成する液体(定着液)の粘度が上がり、泡状定着液(または破泡して液状化した定着液)がトナー粒子間に侵入しにくくなるため、塗布位置Cにおける塗布ニップを通過させてもトナー粒子全体に定着液が行渡りにくくなる。よって、温度が低温であるほど液状定着液210や空気の時間当りの供給量が多くなるように制御し、泡状定着液が過剰供給気味となるようにすることで、塗布ニップ通過後にトナー粒子全体に定着液が行渡るようになる。
このように制御することにより、高温時に定着液の消費を抑制しつつ、低温時に安定した定着性を実現することができる。

0053

また、高温であるほど液状定着液210の供給量に対する空気の供給量の比率が小さくなるように、高温時と低温時との泡密度(液重量÷空気体積)は異なるように制御する。これは、泡膜規制ギャップGを通過した後の泡密度を適切な数値(たとえば0.025[g/cm3])にするためである。低温時は高温時よりも破泡し易いため、泡膜規制ギャップGを通過する前後で泡密度が大きくなり易い。このため、泡生成時の泡密度を0.015[g/cm3]というように、低めに設定することで、泡膜規制ギャップG通過時に破泡して、通過後の泡状定着液Fの泡密度が0.025[g/cm3]となるようにしている。一方、高温時は泡膜規制ギャップGを通過させても泡密度の上昇が少ないため、泡生成時の泡密度を0.021[g/cm3]に設定することで、泡膜規制ギャップG通過後の泡状定着液Fの泡密度が0.025[g/cm3]となるようにしている。

0054

ここで、定着液泡状化装置500の一例について説明する。本実施形態では、定着液泡状化装置500として、上記先願と同様にマイクロミキサを用いる構成である。
図6は、マイクロミキサを用いた定着液泡状化装置500の一例の説明図であり、図6(a)は、定着液泡状化装置500の斜視説明図、図6(b)は、図6(a)に示す定着液泡状化装置500を下方から見たときのスリット開口部501と流路仕切り部材503との位置関係を示す説明図である。
図6に示すように、定着液泡状化装置500は、泡状定着液Fが通過する空間であるスリット状搬送路511の通過方向(図中矢印E方向)に直交する断面が、スリット奥行き(図6中のY方向の長さ)に対してスリット幅図6中のX方向の長さ)の方向に長尺なスリット状となるスリット搬送管510を備える。このスリット搬送管510の内部で液状定着液210と空気とが混合して泡状定着液Fを生成する構成である。

0055

また、定着液泡状化装置500は、定着液搬送管230に接続され、定着液供給ポンプ200から供給される液状定着液210をスリット状搬送路511に供給する液状定着液流路520を有する。さらに、定着液泡状化装置500は、空気搬送管330に接続され、エアポンプ300から供給される空気をスリット状搬送路511に供給する空気流路530とを有する。

0056

スリット搬送管510に形成されたスリット状搬送路511の流体の通過方向の一端はスリット状の開口部であるスリット開口部501である。一方、スリット状搬送路511の通過方向の他端は、スリット状搬送路511に液状定着液210を供給する定着液供給口521とスリット状搬送路511に空気を供給する空気供給口531とをスリット幅の方向(図6中のX方向)に交互に備える気液混合部502である。定着液供給口521は、液状定着液流路520とスリット状搬送路511とを接続し、空気供給口531は、空気流路530とスリット状搬送路511とを接続する。

0057

図6に示すように、定着液泡状化装置500の液状定着液流路520と空気流路530とは、流路形成部材505と流路蓋部材506とによって形成される。流路形成部材505は流路蓋部材506にスリット搬送管510が設けられている位置と対向する位置に、定着液泡状化装置500の液状定着液流路520と空気流路530との空間を仕切る流路仕切り部材503を備えている。流路仕切り部材503は、仕切りピッチP1の波状の部材である。気液混合部502は流路蓋部材506に形成されたスリット状の開口部であり、流路仕切り部材503の波状の中央部近傍の図中の破線(502a)と流路蓋部材506の気液混合部502とが一致する構成となっている。

0058

このような定着液泡状化装置500では、図6中の矢印E1で示すように液状定着液流路520内に供給された液状定着液210は波状の流路仕切り部材503に突き当たり、気液混合部502の定着液供給口521からスリット搬送管510の内部空間であるスリット状搬送路511に流入する。一方、図中矢印E2で示すように空気流路530内に供給された空気は波状の流路仕切り部材503に突き当たり、気液混合部502の空気供給口531からスリット搬送管510の内部空間であるスリット状搬送路511に流入する。
このとき液状定着液210が流入する流入口である定着液供給口521と、空気が流入する流入口である空気供給口531とは、仕切りピッチP1の幅に合わせて交互に形成される。このため、図6(b)で示すように、スリット搬送管510の気液混合部502で定着液供給口521と空気供給口531とをスリット幅の方向(図6中のX方向)に交互に備える形状となる。
そして、交互に並んだ定着液供給口521と空気供給口531とから、液状定着液210と空気とが吐出することにより、気液混合部502において定着液と空気とが合流し、混合することで泡状定着液Fが生成される。
気液混合部502で生成された泡状定着液Fは、スリット搬送管510の内部空間であるスリット状搬送路511を通過して図中矢印Eで示すようにスリット開口部501から排出される。このような構成の定着液泡状化装置500をスリット開口部501がマニホールド551に向く位置に配置することにより、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fを供給する泡供給ヘッド550が実現可能となる。

0059

交互に並んだ定着液供給口521と空気供給口531とを形成するマイクロ流路の幅であるマイクロ流路幅P2は、20[μm]〜100[μm]程度が一般的である。また、スリット開口部501の開口幅Dは、50[μm]〜100[μm]程度が一般的である。

0060

実験
上述した実施形態の定着装置60の構成を備えた装置を作成し、定着性を評価する実験を行った。
実験で用いた定着装置60の諸条件を以下に示す。
・仕切りピッチP1 :50[μm]
・マイクロ流路幅P2 : 30[μm]
・スリット開口部の開口幅D : 70[μm]
・空気供給口531を形成するマイクロ流路1本あたりの空気流量 : 21[μL/sec]
・定着液供給口521を形成するマイクロ流路1本あたりの定着液流量 : 0.45[μL/sec]
・環境温度: 23[℃](液状定着液210の温度:23[℃])
・ギャップ幅G1 : 70[μm]
・塗布ローラ61の回転速度 :線速300[mm/sec]
上記条件の定着装置60で、泡膜規制ギャップGを通過した後の塗布ローラ61の表面上の泡状定着液Fは、泡径が30〜100[μm](平均50[μm])、泡密度が0.022[g/cm3]、泡膜の膜厚が75[μm]であった。また、泡状定着液Fの最表面は凹凸のない平滑な状態であった。このような定着装置60で定着評価を行ったところ、オフセットは生じず、良好な定着を行うことができた。

0061

次に、上記諸条件のうち、環境温度を32[℃](液状定着液210の温度を32[℃])とし、他の条件は上述した環境温度が23[℃]の場合とまったく同じに設定した。
この条件の定着装置60は、泡膜規制ギャップGを通過した後の塗布ローラ61の表面上の泡状定着液Fは、泡径、泡密度及び泡膜の膜厚ともに、上述した環境温度が23[℃]の場合とほぼ同等であり、定着評価ではトナーオフセットを生じなかった。

0062

次に、上記諸条件のうち、環境温度を10[℃](液状定着液210の温度を10[℃])とし、他の条件は上述した環境温度が23[℃]の場合とまったく同じに設定した。
上記条件の定着装置60で、泡膜規制ギャップGを通過した後の塗布ローラ61の表面上の泡状定着液Fは、泡径が40〜150[μm](平均70[μm])、泡密度が0.032[g/cm3]、泡膜の膜厚が50[μm]であった。また、泡状定着液Fの最表面は凹凸がある泡膜となった。このような定着装置60で定着評価を行ったところ、オフセットは生じ、定着不良となった。

0063

環境温度以外の上記条件を標準条件とし、環境温度を振った場合の環境温度とトナーオフセットとの関係を調べた結果を図7に示す。
図7に示すオフセットランクとは、ランク5に近いほどオフセットが少なく、画像として良好であることを示す官能指標である。画像濃度を256階調表現するとして、オフセットしていない基準黒ベタ画像の濃度を「D1」、評価画像濃度を「D2」とし、画像濃度変化率ΔDを以下の(1)式で定義する。
ΔD=(D2−D1)/256
このときの各オフセットランクの数値を以下のように定める。
・ランク1:0.6未満
・ランク2:0.6〜0.74
・ランク3:0.75〜0.84
・ランク4:0.85〜0.94
・ランク5:0.95以上
図7に示すように、環境温度によって定着品質が変化することが明らかとなった。これは、環境温度の変化によって泡状定着液の特性が変化したことによるものと考えられる。

0064

このような環境温度の変化による泡状定着液の特性が変化することに起因して定着品質の変化することの対策として、空気流量、定着液流量及びギャップ幅の三つのパラメータを、環境温度に応じて適正に制御することで課題解決を図った。
環境温度に対する上述した3つのパラメータの適正値を表す対応表の一例を表1に示す。

0065

0066

表1に示す対応表は、各環境温度におけるトナーオフセットを生じず、かつ、定着液量が下限値となるように3つのパラメータの組み合わせを、上記標準条件における空気流量及び定着液流量と、ギャップ幅とを変化させて実験的に定めたものである。

0067

表1に示す対応表に従って、上記標準条件における空気流量及び定着液流量と、ギャップ幅との3つのパラメータを制御したときの各環境温度におけるオフセットランクを図8に示す。
図8に示すように、環境温度が変化してその変化に応じて、空気流量、定着液流量及びギャップ幅の値を制御することによって、環境温度の変化の画像品質への影響を極めて低く抑えられることが確認できた。

0068

本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変形や置換可能であることはいうまでもない。また、発泡に用いる気体は、空気に限るものではないが、エアポンプで外部から空気を吸引して発泡に用いる構成であれば発泡に用いる気体を収容する収容容器が不要となる。
また、上述した実施形態では、定着液泡状化装置500として、一般的に二種類の液体の混合や反応に使用されるマイクロミキサ(マイクロリアクタともいう)と同様の構成を備えた装置を用いている。本発明を適用した定着装置60の定着液泡状化装置500としてはマイクロミキサのように、液状の起泡剤液からすぐに所望の泡径の泡状起泡剤液を生成することができる構成に限るものではない。例えば、上記特許文献4に記載の定着装置のように、所望の泡径より大きい泡径の泡状液を生成する第一の泡生成工程と、第一の泡生成工程により生成された所望の泡径より大きい泡径の泡状液にせん断力を加えて所望の泡径の泡状の液体を生成する第二の泡生成工程とを備える構成であっても良い。
また、本実施形態の泡膜形成装置600では、温度検知手段として液状定着液210の液温を検知する液温センサ560を用いる構成であるが、温度検知手段としては液温を検知する構成に限るものではない。例えば、泡膜形成装置600の気温を検知する温度計等、泡膜形成装置600を配置した環境における環境温度の変化を検出することができる構成であれば良い。

0069

以上、本実施形態の定着装置60が備える泡膜形成装置600は、定着液泡状化装置500と、泡供給ヘッド550と、泡膜規制ブレード63と、アクチュエータ630とを備える。定着液泡状化装置500は、液体である液状定着液210と気体である空気とを混合させて泡状液である泡状定着液Fを生成する泡生成部である。また、泡供給ヘッド550は、定着液泡状化装置500で生成した泡状定着液Fを表面移動体である塗布ローラ61に供給する泡供給手段である。また、泡膜規制ブレード63は、塗布ローラ61の表面との間に通過する泡状定着液Fの膜厚を規制する間隙である泡膜規制ギャップGを形成する泡膜規制部材である。また、アクチュエータ630は、塗布ローラ61に対する泡膜規制ブレード63の位置を制御することで泡膜規制ギャップGの大きさであるギャップ幅G1を制御する泡膜規制ギャップ制御手段である。このような構成により、泡膜形成装置600は、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fからなる泡膜を形成する。そして泡膜形成装置600は、装置の使用環境の温度を検知する温度検知手段である液温センサ560を備え、アクチュエータ630は、液温センサ560が検知した温度が高温であるほどギャップ幅G1が小さくなるように、検知した温度が低温であるほどギャップ幅G1が大きくなるように、泡膜規制ブレード63の塗布ローラ61に対する位置を制御する。
泡膜規制ギャップGを通過した泡状定着液Fの膜厚がギャップ幅G1よりも厚くなる程度に環境温度が高温(表1では21[℃]以上)の場合には、ギャップ幅G1が所望の膜厚よりも狭くなるように制御することによって泡膜が厚くなりすぎることを抑制できる。これにより、必要量以上の泡状定着液Fが塗布位置Cに到着することに起因する液状定着液210の不要な消費を抑制することができる。
また、環境温度が低くなり、泡膜規制ギャップGを通過した泡状定着液Fの膜厚がギャップ幅G1と同等となる温度(表1では16〜20[℃])の場合には、ギャップ幅G1を所望の膜厚と同等の大きさとなるように制御することによって、泡状定着液Fの泡膜の膜厚を所望の値とすることができる。
また、環境温度がさらに低くなり、泡膜規制ギャップGを通過した泡状定着液Fの膜厚がギャップ幅G1よりも薄くなる程度に環境温度が低温(表1では15[℃]以下)の場合には、ギャップ幅G1が所望の膜厚よりも広くなるように制御することによって泡膜が薄くなりすぎることを抑制できる。
泡膜の膜厚を所望の値としたり、薄くなりすぎることを抑制できたりすることにより、泡状定着液Fからなる泡膜の膜厚がトナー層よりも薄くなることを防止することができ、トナーオフセットの発生を防止することができる。

0070

また、泡膜形成装置600は、不図示の制御手段によって、定着液供給ポンプ200の駆動を制御することによって定着液泡状化装置500に対する液状定着液210の供給量を制御し、さらに、不図示の制御手段によって、エアポンプ300の駆動を制御することによって定着液泡状化装置500に対する空気の供給量を制御する。そして、不図示の制御手段は、液温センサ560の検知結果に基づいて定着液泡状化装置500に対する液状定着液210及び空気の供給量を制御する。具体的には、温度が高温であるほど液状定着液210や空気の時間当りの供給量を少なくなるように制御する。これにより、高温時に定着液の消費を抑制しつつ、低温時に安定した定着性を実現することができる。さらに、高温であるほど液状定着液210の供給量に対する空気の供給量の比率が小さくなるように、定着液供給ポンプ200とエアポンプ300との駆動を制御する。これにより、泡膜規制ギャップG通過後の泡状定着液Fの泡密度が所望の値(0.025[g/cm3])となるように調節することができる。

0071

本実施形態の定着装置60は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子である未定着トナーTを軟化させる軟化剤を含有する液状定着液210の液中に気泡が分散した泡状定着液Fを無端移動する表面に担持し、未定着トナーTを担持する定着液塗布対象である転写紙Pの表面に泡状定着液Fを塗布する定着液塗布部材である塗布ローラ61と、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fからなる泡膜を形成する泡膜形成手段と有する。そして、定着装置60は、泡状定着液Fを塗布することで軟化したトナー粒子を記録媒体である転写紙Pに定着する装置である。このような定着装置60において、泡膜形成手段として、本実施形態の泡膜形成装置600を用いるこことにより、液状定着液210の不要な消費を抑制することで定着工程のランニングコストを抑制することができ、トナーオフセットの発生を防止することができることにより、環境温度が変化しても安定した定着を行うことができる。

0072

また、本実施形態の複写機100は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体である転写紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段である作像ユニット3と、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、定着手段として、本発明の特徴部を備えた泡膜形成装置600を有する定着装置60を用いる。定着装置60は定着工程のランニングコストを抑制することができるため、画像形成全体のランニングコストを抑制することができる。さらに、定着装置60は環境温度が変化しても安定した定着を行うことができるため、安定した画像形成を行うことができる。

0073

1プリンタ部
2光書込装置
3作像ユニット
28紙搬送ユニット
40給紙装置
50原稿搬送読取ユニット
60定着装置
61塗布ローラ
62加圧ローラ
63泡膜規制ブレード
90転写ユニット
100複写機
200定着液供給ポンプ
210液状定着液
220定着液ボトル
230 定着液搬送管
300エアポンプ
310エアフィルタ
330空気搬送管
500定着液泡状化装置
550 泡供給ヘッド
551マニホールド
560液温センサ
600 泡膜形成装置
630アクチュエータ
631板バネ
632棒ピストン
F泡状定着液
G泡膜規制ギャップ
G1 ギャップ幅

先行技術

0074

特許4393951号
特開2004−109749号公報
特開2007−219105号公報
特開2008−197188号公報
特開2010−122393号公報

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