図面 (/)

技術 酸素透過体の製造方法

出願人 三菱日立パワーシステムズ株式会社
発明者 森一剛難波克実武信弘一水流靖彦
出願日 2011年10月27日 (9年1ヶ月経過) 出願番号 2011-236149
公開日 2012年6月7日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2012-106238
状態 拒絶査定
技術分野 半透膜を用いた分離 酸化物セラミックスの組成1 セラミック製品3
主要キーワード 三角刃 支持層用 マイクロブラスト 従動回転軸 酸化セラミック ビーズ入り スラリー体 セルロース系バインダ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年6月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

支持層の厚さを薄くする。

解決手段

焼結後にセラミックスを成す粉体に、溶剤と、バインダーと、焼結過程焼失する材料で形成されたビーズとを混入して支持層用スラリーを生成し(S1)、ドクターブレード法により、該支持層用のスラリーで目的の厚さの平板状のスラリー層成形して(S2)、未焼結支持層を形成する(S3)未焼結支持層形成工程(A)と、焼結後に酸素透過物を成す粉体に、溶剤を混入して透過層用のスラリーを生成し(S4)、溶剤が混入している透過層用のスラリーで目的の厚さのスラリー層を未焼結支持層上に形成して(S5)、未燒結支持層及び未燒結透過層とから成る未焼結透過体を形成する(S6)未焼結透過体形成工程(B)と、未焼結透過体を焼結する焼結工程(S8)と、焼結で得られた酸素透過層の表面を研磨する研磨工程(S9)とを実行する。

概要

背景

酸素を透過する酸素透過層と、この酸素透過層を支持する支持層と、を有する酸素透過体の製造方法に関しては、例えば、以下の特許文献1に開示されている。

この特許文献1に記載の製造方法では、まず、焼結後にセラミックスとなる粉体に、カーボンビーズセルロース系バインダを添加して、スラリーを形成する。次に、このスラーを押出し成形機投入して、円筒形状のスラリー体成形する。このスラリー体の内径外径との差である厚さは、6〜8mm程度である。そして、この円筒形状のスラリー体を焼結して、円筒形状の多孔質支持体を得ている。なお、カーボンビーズは、焼結過程焼失し、カーボンビーズが存在していた部分は空孔となる。また、この円筒形状の多孔質支持体の厚さは、焼結の結果、スラリー体よりも薄くなり3mm程度である。

次に、焼結後に混合伝導性酸化物酸素透過物)となる物質の層を、先の円筒形状の多孔質支持体の外周面上に、塗布法CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法ゾルゲル法電気泳動法等で形成する。そして、これを焼結して、円筒形状の酸素透過体を得ている。

概要

支持層の厚さを薄くする。焼結後にセラミックスを成す粉体に、溶剤と、バインダーと、焼結過程で焼失する材料で形成されたビーズとを混入して支持層用のスラリーを生成し(S1)、ドクターブレード法により、該支持層用のスラリーで目的の厚さの平板状のスラリー層に成形して(S2)、未焼結支持層を形成する(S3)未焼結支持層形成工程(A)と、焼結後に酸素透過物を成す粉体に、溶剤を混入して透過層用のスラリーを生成し(S4)、溶剤が混入している透過層用のスラリーで目的の厚さのスラリー層を未焼結支持層上に形成して(S5)、未燒結支持層及び未燒結透過層とから成る未焼結透過体を形成する(S6)未焼結透過体形成工程(B)と、未焼結透過体を焼結する焼結工程(S8)と、焼結で得られた酸素透過層の表面を研磨する研磨工程(S9)とを実行する。

目的

本発明は、支持層の厚さを薄くすることができる酸素透過体の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

酸素イオンを透過する酸素透過物で形成されている酸素透過層と、セラミックスで形成され、該酸素透過層を支持する支持層と、を有する酸素透過体の製造方法において、焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、溶剤と、バインダーと、焼結過程焼失する材料で形成されたビーズとを混入して支持層用スラリーを生成し、ドクターブレード法により、該支持層用のスラリーで目的の厚さの平板状のスラリー層成形して、未焼結支持層を形成する未焼結支持層形成工程と、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体に、溶剤を混入して透過層用のスラリーを生成し、該溶剤が混入している該透過層用のスラリーで目的の厚さのスラリー層を前記未焼結支持層上に形成して、該未燒結支持層及び未燒結透過層とから成る未焼結透過体を形成する未焼結透過体形成工程と、前記未焼結透過体を焼結する焼結工程と、を実行することを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の酸素透過体の製造方法において、前記未焼結支持層形成工程では、焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、前記バインダーとして、ホリビニルブチラール系のバインダーを混入して、前記支持層用のスラリーを形成する、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の酸素透過体の製造方法において、前記未焼結支持層形成工程では、焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、フタル酸エステル系の可塑剤を混入して、前記支持層用のスラリーを形成する、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項4

請求項1から3のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、前記支持層用のスラリーの粘度は、12000cp〜17000cpである、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項5

請求項1から4のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体は、Ba、Sr、Co、Feを含む粉体である、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、前記焼結後に前記セラミックスを成す粉体と、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体とは、同一粉体である、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項7

請求項6に記載の酸素透過体の製造方法において、前記酸素透過層及び前記支持層は、いずれも、BaxSr(1−x)CoyFe(1−y)O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスであり、xは、0.3<x<0.7であり、yは、0.7<y<0.95である、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、前記未焼結透過体形成工程では、ドクターブレード法により、前記透過層用のスラリーで目的の厚さの前記スラリー層を前記未焼結支持層上に成形する、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項9

請求項1から7のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、前記未焼結透過体形成工程では、前記透過層用のスラリーの生成時に、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体に、噴霧可能なスラリーを得られる程度の溶剤を混入し、該スラリーを前記未焼結支持層上に噴霧して、前記目的の厚さの前記スラリー層を形成する、ことを特徴とする酸素透過体の製造方法。

請求項10

請求項1から9のいずれか一項に記載の酸素透過体の製造方法において、前記焼結工程で前記未焼結透過体を焼結し、前記酸素透過層及び前記支持層が形成されると、該酸素透過層の表面であって、該支持層の側とは反対側の表面を研磨する研磨工程を実行する、こと特徴とする酸素透過体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸素を透過する酸素透過層と、セラミックスで形成され、酸素透過層を支持する支持層と、を有する酸素透過体の製造方法に関する。

背景技術

0002

酸素を透過する酸素透過層と、この酸素透過層を支持する支持層と、を有する酸素透過体の製造方法に関しては、例えば、以下の特許文献1に開示されている。

0003

この特許文献1に記載の製造方法では、まず、焼結後にセラミックスとなる粉体に、カーボンビーズセルロース系バインダを添加して、スラリーを形成する。次に、このスラーを押出し成形機投入して、円筒形状のスラリー体成形する。このスラリー体の内径外径との差である厚さは、6〜8mm程度である。そして、この円筒形状のスラリー体を焼結して、円筒形状の多孔質支持体を得ている。なお、カーボンビーズは、焼結過程焼失し、カーボンビーズが存在していた部分は空孔となる。また、この円筒形状の多孔質支持体の厚さは、焼結の結果、スラリー体よりも薄くなり3mm程度である。

0004

次に、焼結後に混合伝導性酸化物酸素透過物)となる物質の層を、先の円筒形状の多孔質支持体の外周面上に、塗布法CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法ゾルゲル法電気泳動法等で形成する。そして、これを焼結して、円筒形状の酸素透過体を得ている。

先行技術

0005

特開2003−210952号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、支持層用のスラリーを押出し成形することで、円筒形状のスラリー体を得ているため、この方法で形成される焼結後の支持層の厚さは、前述したように、最低でも3mm以上になり、支持層が厚くなり、結果として、酸素透過体が大型化してしまうという問題点がある。

0007

そこで、本発明は、支持層の厚さを薄くすることができる酸素透過体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記問題点を解決するための発明に係る酸素透過体の製造方法は、
酸素イオンを透過する酸素透過物で形成されている酸素透過層と、セラミックスで形成され、該酸素透過層を支持する支持層と、を有する酸素透過体の製造方法において、
焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、溶剤と、バインダーと、焼結過程で焼失する材料で形成されたビーズとを混入して支持層用のスラリーを生成し、ドクターブレード法により、該支持層用のスラリーで目的の厚さの平板状のスラリー層に成形して、未焼結支持層を形成する未焼結支持層形成工程と、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体に、溶剤を混入して透過層用のスラリーを生成し、該溶剤が混入している該透過層用のスラリーで目的の厚さのスラリー層を前記未焼結支持層上に形成して、該未燒結支持層及び未燒結透過層とから成る未焼結透過体を形成する未焼結透過体形成工程と、前記未焼結透過体を焼結する焼結工程と、を実行することを特徴とする。

0009

当該製造方法では、支持層用のスラリー層をドクターブレード法で成形しているため、その厚さを薄くすることができ、結果として、酸素透過体の小型化を図ることができる。さらに、当該製造方法では、未燒結支持層と未燒結透過層とを一度に焼結しているため、それぞれを独立した焼結工程で焼結する場合よりも、製造工程を簡略化することができる。

0010

ここで、前記酸素透過体の製造方法において、
前記未焼結支持層形成工程では、焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、前記バインダーとして、ホリビニルブリラール系のバインダーを混入して、前記支持層用のスラリーを形成してもよい。

0011

当該製造方法では、ポリビニルブチラール系のバインダーを混入することで、支持層となるスラリー層及びこのスラリー層を乾燥させて得られる未燒結支持層の可塑性を高めることができ、未生結支持層の形成後の処理に伴うハンドリングを容易に行うことができる。

0012

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記未焼結支持層形成工程では、焼結後に前記セラミックスを成す粉体に、フタル酸エステル系の可塑剤を混入して、前記支持層用のスラリーを形成してもよい。

0013

当該製造方法では、可塑剤を混入することで、支持層となるスラリー層及びこのスラリー層を乾燥させて得られる未燒結支持層の可塑性を高めることができ、未生結支持層の形成後の処理に伴うハンドリングを容易に行うことができる。

0014

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記支持層用のスラリーの粘度は、12000cp〜17000cpであってもよい。

0015

当該製造方法では、スラリー層の形状維持及びスラリー層の厚さの均一化を図ることができる。

0016

また、前記酸素透過体の製造方法において、
焼結後に前記酸素透過物を成す粉体は、Ba、Sr、Co、Feを含む粉体であってもよい。

0017

当該製造方法では、酸素透過性の高い酸素透過体を得ることができる。

0018

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記焼結後に前記セラミックスを成す粉体と、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体とは、同一粉体であってもよい。

0019

当該製造方法では、酸素透過層の熱膨張率と支持層の熱膨張率とが同一になり、温度変化に強い酸素透過体を得ることができる。また、当該製造方法では、未燒結支持層形成工程及び未燒結透過体形成工程におけるスラリーの生成過程で、同一のスラリーを生成することで、スラリー生成工程の一部共通化を図ることができる。

0020

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記酸素透過層及び前記支持層は、いずれも、BaxSr(1−x)CoyFe(1−y)O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスであり、xは、0.3<x<0.7であり、yは、0.7<y<0.95であってもよい。

0021

当該製造方法では、酸素透過性の高い酸素透過体を得ることができる。さらに、当該製造方法では、酸素透過層の熱膨張率と支持層の熱膨張率とが同一になり、温度変化に強い酸素透過体を得ることができる。

0022

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記未焼結透過体形成工程では、ドクターブレード法により、前記透過層用のスラリーで目的の厚さの前記スラリー層を前記未焼結支持層上に成形してもよい。また、前記未焼結透過体形成工程では、前記透過層用のスラリーの生成時に、焼結後に前記酸素透過物を成す粉体に、噴霧可能なスラリーを得られる程度の溶剤を混入し、該スラリーを前記未焼結支持層上に噴霧して、前記目的の厚さの前記スラリー層を形成してもよい。

0023

また、前記酸素透過体の製造方法において、
前記焼結工程で前記未焼結透過体を焼結し、前記酸素透過層及び前記支持層が形成されると、該酸素透過層の表面であって、該支持層の側とは反対側の表面を研磨する研磨工程を実行してもよい。

0024

当該製造方法では、酸素透過層の表面研磨により、酸素透過層の酸素透過性能を高めることができる。

発明の効果

0025

本発明によれば、支持層用のスラリー層をドクターブレード法で成形しているため、その厚さを薄くすることができ、結果として、酸素透過体の小型化を図ることができる。さらに、本発明によれば、未燒結支持層と未燒結透過層とを一度に焼結しているため、それぞれを独立した焼結工程で焼結する場合よりも、製造工程を簡略化することができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明に係る一実施形態の酸素透過体の断面図である。
本発明に係る第一実施形態の製造方法を示すフローチャートである。
本発明に係る第一実施形態における、ドクターブレード法による支持層用のスラリー層の成形過程を示す説明図である。
各温度での酸素透過層の厚さと酸素透過係数との関係を示すグラフである。
各温度での酸素透過層の表面研磨の有無と酸素透過係数との関係を示すグラフである。
本発明に係る第二実施形態の製造方法を示すフローチャートである。
本発明に係る第二実施形態における、透過層用のスラリー層の形成過程を示す説明図である。
本発明に係る第三実施形態の製造方法を示すフローチャートである。
本発明に係る第三実施形態における、未燒結透過体の形成過程を示す説明図である。

実施例

0027

「酸素透過体」
まず、本発明に係る実施形態としての酸素透過体の構造について、図1を用いて説明する。

0028

本実施形態の酸素透過体1は、酸素を透過する酸素透過物の一種である混合伝導性酸化物のペロブスカイト型BSCFで形成されている平板状の酸素透過層2と、同じくBSCFで形成され、酸素透過層を支持する平板状の支持層3と、を有している。

0029

BSCFは、BaxSr(1−x)CoyFe(1−y)O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスである。x、yは、高い酸素透過性能を得るため、それぞれ、0.3<x<0.7、0.7<y<0.95の範囲である。

0030

平板状の酸素透過層2は、0.005〜0.1mmの厚さで、酸素イオンを選択的に透過する。このように、本実施形態では、酸素透過層2の厚さtoを極めて薄くし、酸素イオンの透過抵抗を小さくして、酸素透過速度の向上を図っている。しなしながら、酸素透過層2は、その厚さtoが極めて薄いため、極めて脆い。

0031

そこで、本実施形態では、酸素透過層2を支持する支持層3を設けている。平板状の支持層3は、多孔質体で、0.5〜3mmの厚さtsである。この支持層3は、剛性を確保するために、酸素透過層の厚さよりも厚いものの、透過抵抗を小さくするために、多数の空孔4が形成されている。

0032

「酸素透過体の製造方法1」
次に、本発明に係る酸素透過体の製造方法における第一実施形態について、図2に示すフローチャートに従って説明する。

0033

まず、支持層用のスラリーを生成する(S1)。このスラリー生成では、BaCO3粉、SrCO3粉、CoO粉、Fe2O3粉を準備する。この粉の平均粒径は、例えば、1.0μmである。そして、これらの粉を以下のモル比で混ぜ合わせる。BaCO3:SrCO3:CoO:Fe2O3=0.5:0.5:0.9:0.05 そして、この混合粉に対して、溶剤としてのエタノール(適量)、バインダーとしてのポリビニルブチラール(例えば、20wt%)、可塑剤としてのジブチルフタレート(例えば、10wt%)、分散剤としてのポリエチレンイミン(例えば、1wt%)、平均粒径20μmの有機ビーズ(例えば、5〜20wt%)を混入し、支持層用のビーズ入りスラリーを生成する。この際、例えば、湿式ボールミル等で上記材料を混ぜ合わせる。なお、混合粉に対する有機ビーズの混入体積率(vol%)は、混合粉と有機ビーズとの比重比が6:1であることから、30〜120vol%である。

0034

このスラリー生成では、スラリー粘度が15000cpになるように、溶剤としてのエタノールの添加量を調整する。なお、スラリー粘度は、12000cp〜17000cpであることが好ましい。ここで、12000cpは、後述のスラリー層の成形後の形状維持に必要な下限の粘度で、17000cpは、スラリー層の成形時におけるスラリー層厚さの均一化を図るための上限の粘度である。

0035

次に、図3に示すように、ドクターブレード法により、支持層用のビーズ入りスラリー5でスラリー層6を成形し(S2)、このスラリー層6を乾燥させて未焼結支持層7を形成する(S3)。

0036

ドクターブレード法を実施するためのドクター成形装置10は、従動回転軸11aと、この従動回転軸11aに取り付けられ、ポリエステル等の樹脂シート19が巻き付けられる従動ローラ11と、駆動回転軸12aと、この駆動回転軸12aに取り付けられ、樹脂シート19を巻き取る駆動ローラ12と、従動ローラ11と駆動ローラ12との間に配置され、巻き解かれた樹脂シート19を支持する平板状の成形台13と、成形台13上の樹脂シート19の上にスラリー5を供給するスラリー供給器14と、スラリー供給器14から樹脂シート19上に供給されたスラリー5を目的の厚さのスラリー層6にするためのドクターブレード15と、樹脂シート19上のスラリー層6を乾燥させる乾燥装置16と、を備えている。

0037

ドクターブレード15は、先端に三角刃等の刃が形成されており、この刃を成形台13側に向け、この刃先と成形台13の上面との間隔を調整することで、目的の厚さのスラリー層6を得ることができる。このドクター成形装置の従動ローラ11と駆動ローラ12との間隔は、例えば、10〜15mである。また、成形台13上の樹脂シート19の移動速度は、スラリーの粘度によって若干変化するものの、例えば、10〜20cm/minである。また、樹脂シート19の表面は、シリコンコーティングされており、この樹脂シート19上の未焼結支持層7が剥がれ易くなっている。

0038

このドクターブレード法によるスラリー層6の成形では、まず、従動ローラ11に巻き付けられている樹脂シート19の端部を駆動ローラ12に巻き付ける。そして、駆動回転軸12aを駆動させて、スラリー供給器14から樹脂シート19上へのスラリー供給を開始する。樹脂シート19上に供給されたスラリー5は、成形台13上の樹脂シート19の移動に伴って移動し、ドクターブレード15を通過する過程で、目的の厚さ、例えば、厚さ2mmのスラリー層6に成形される。このスラリー層6は、乾燥装置16の下を通過する過程で乾燥して、未焼結支持層7となる。この未焼結支持層7は、その後、樹脂シート19と共に駆動ローラ12に巻き付く。

0039

なお、ここでは、スラリー層6の成形とスラリー層6の乾燥とを連続処理しているが、スラリー層6の移動過程で、このスラリー層6を乾燥させるだけのスラリー層6の移動距離を確保できない場合、つまり、従動ローラ11と駆動ローラ12との間隔が短い場合には、成形と乾燥とをバッチ処理してもよい。この場合、例えば、スラリー層6の端部が、成形台13の駆動ローラ12側の端に至った時点で、スラリー5の供給及び駆動ローラ12の駆動を停止する。そして、成形台13上に乾燥装置16を配置して、成形台13上のスラリー層6を乾燥させる。

0040

スラリー層6中の溶剤は、乾燥装置16による乾燥工程で蒸発する。一方、バインダー、可塑剤、有機ビーズは、未焼結支持層中に残る。本実施形態において、バインダーは、乾燥したスラリー層、つまり未焼結支持層中の粒子相互間を結合する役目の他に、未焼結支持層の可塑性を高める、つまり変形容易性を高める役目を担っている。よって、この点で、このドクターブレード法は、型から押出したものの形状を維持する役目を担っているセルロース系のバイダーを用いる押出し成形とは異なっている。また、このドクターブレード法では、未終結支持層の可塑性を高める役目を担っている可塑剤を用いる点でも、押出し成形とは異なっている。

0041

このように、本実施形態のドクターブレード法において、未焼結支持層の可塑性を高めるバインダーや可塑剤を用いるのは、未焼結支持層を形成した後、この未焼結支持層に対して、未焼結支持層の変形を伴う処理、及び/又は未焼結支持層の変形の恐れがある処理を行うからである。ここで、未焼結支持層の変形を伴う処理とは、例えば、未焼結支持層の駆動ローラ12への巻き付け等であり、未焼結支持層の変形の恐れがある処理とは、例えば、バッチ処理で形成した未焼結支持層上に、透過用のスラリー層を形成する際のハンドリング等である。

0042

以上、支持層用のスラリーの生成(S1)から、未焼結支持層の形成(S3)までの処理で、未焼結支持層形成工程Aが終了する。

0043

次に、透過層用のスラリーを生成する(S4)。このスラリーの生成でも、支持層用のスラリーの生成と同様に、BaCO3粉、SrCO3粉、CoO粉、Fe2O3粉の混合粉に対して、溶剤としてのエタノール(適量)、バインダーとしてのポリビニルブチラール(例えば、20wt%)、可塑剤としてのジブチルフタレート(例えば、10wt%)、分散剤としてのポリエチレンイミン(例えば、1wt%)を混入する。すなわち、透過層用のスラリーは、有機ビーズが入っていないことを除いて、支持層用のスラリーと同成分で、且つ同成分比である。

0044

なお、以上のように、本実施形態では、支持層用のスラリーと透過層用のスラリーとは、有機ビーズの有無を除いて、その成分及び成分比が同じであるため、有機ビーズの入っていないスラリーを生成し、このスラリーの一部に有機ビーズを入れて、これを支持層用のスラリーとし、残りのスラリーをそのまま透過層用のスラリーとしてもよい。よって、透過層用のスラリーの生成(S4)は、支持層用のスラリーの生成(S1)の前に行ってもよい。

0045

次に、前述のドクターブレード法により、未焼結支持層上に透過層用のスラリーでスラリー層を成形し(S5)、このスラリー層を乾燥させて、これを未焼結透過層とし、未焼結支持層及び未焼結透過層を有する未焼結支持体を形成する(S6)。

0046

この際、まず、前述のステップ3で得られた、未焼結支持層7及び樹脂シート19(図3に示す)が巻き付いている駆動ローラ12を駆動回転軸12aから外すと共に、従動ローラ11を従動回転軸11aから外す。そして、未焼結支持層7及び樹脂シート19が巻き付いている駆動ローラ12を従動ローラとして、従動回転軸11aに取り付けると共に、新たな駆動ローラを駆動回転軸12aに取り付ける。次に、従動ローラに巻き付けられている樹脂シートの端部を新たな駆動ローラに巻き付ける。そして、駆動回転軸12aを駆動させて、スラリー供給器14から樹脂シート上の未焼結支持層上へのスラリー供給を開始する。未焼結支持層上に供給されたスラリーは、樹脂シート及び未焼結支持層の移動に伴って移動し、ドクターブレード15を通過する過程で、目的の厚さ、例えば、厚さ0.2mmのスラリー層に成形される。このスラリー層は、乾燥装置16の下を通過する過程で乾燥して、未焼結透過層となる。この未焼結支持層及び未焼結透過層を有する未焼結透過体は、その後、樹脂シートと共に新たな駆動ローラに巻き付く。

0047

以上、透過層用のスラリーの生成(S4)から、未焼結透過体の形成(S6)までの処理で、未焼結透過体形成工程Bが終了する。

0048

次に、ステップ6で得られた未焼結透過体を焼結して、酸素透過層2、及びこの酸素透過層2を支持する支持層3を得る(S8)。

0049

この焼結処理では、まず、駆動ローラに巻き付いている未焼結透過体を樹脂シートごと巻き解きつつ、樹脂シートから引き剥がす。次に、この未焼結透過体を焼結炉内に入れる。
焼結炉内に未焼結透過体を入れると、例えば、0.5℃/minの遅い昇温速度で600℃まで炉内を昇温し、その後、例えば、2℃/minで1150℃まで炉内を昇温する。そして、この1150℃を3時間保持する。この焼結における昇温過程で、未焼結支持層内の有機ビーズは、焼失し、有機ビーズが存在していた部分が空孔となる。また、未焼結支持層内のバインダー及び可塑剤は、炭化した後、焼失する。

0050

以上の焼結処理により、未焼結支持層は、厚さが約1mmの多孔質の支持層3となり、未焼結透過層は、厚さが0.1mmの酸素透過層2となって、厚さが約1mmの酸素透過体1が形成される。なお、透過層2及び支持層3は、いずれも、前述したように、モル比がBaCO3:SrCO3:CoO:Fe2O3=0.5:0.5:0.9:0.05の比率の混合粉を材料として形成されているため、Ba0.5Sr0.5 Co0.9Fe0.1O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスである。

0051

この酸素透過体1は、支持層3を有することで十分な強度を確保しつつ、酸素透過層2が極めて薄いため、同条件で作成した厚さ1mmの酸素透過層のみのものに比べて、酸素透過速度がほぼ5倍になる。

0052

最後に、酸素透過層の表面であって、支持層の側とは反対側の表面を研磨し、目的の酸素透過体1を得る(S9)。

0053

酸素透過層の研磨では、数μm〜数十μm程度の微細砥粒(例えば、アルミナ炭化珪素等)を圧縮気体を使用して高速被加工物噴射して、被加工物の表面層脆性破壊して吹き飛ばすマイクロブラスト法を採用する。但し、酸素透過層の研磨は、このマイクロブラスト法以外の他の機械研磨法を採用してもよい。

0054

以上のように、本実施形態では、支持層用のスラリー層をドクターブレード法で成形しているため、その厚さを薄くすることができ、結果として、酸素透過体の小型化を図ることができる。

0055

また、本実施形態では、未焼結支持層と未焼結透過層とを一度に焼結しているため、それぞれを独立した焼結工程で焼結する特許文献1に記載の技術よりも、製造工程を簡略化することができる。これは、完成した酸素透過体が平板状で、未焼結支持層及び未焼結透過層も平板状であり、しかも、未焼結支持層及び未焼結透過層に可塑性を持たせて、これららのハンドリング等の過程や、未焼結支持層上に未焼結透過層を形成する過程で、これらが変形しても、焼結前であれば、これらを簡単に目的の形状である平板状に戻すことができるからである。

0056

また、本実施形態では、透過層2及び支持層3は、いずれも、同一組成のペロブスカイト型酸化セラミックスで形成され、熱膨張率が同一で、温度変化に伴う熱膨張量に差が生じないため、温度変化に強い酸素透過体1を得ることができる。

0057

さらに、本実施形態では、焼結で得られた酸素透過層の表面を研磨しているので、この酸素透過層の酸素透過性を高めることができる。

0058

ここで、酸素透過層の表面研磨による効果の確認試験を行ったので、以下で説明する。この試験では、インナーチューブ内に酸素透過層を配し、酸素透過層によりインナーチューブ内を二室に分け、一方の室内を窒素雰囲気にし、他方の室内側に酸素を供給して、一方の室内側の酸素濃度を検知することで、酸素透過層の酸素透過性について調べた。

0059

まず、厚さが互いに異なる複数の酸素透過層の酸素透過性(酸素透過係数)に関する試験を行ったので、この試験について説明する。

0060

この試験では、2つのサンプルに対して、異なる温度条件下での酸素透過性の試験を行った。サンプル1の酸素透過層の厚さは1.02mm、サンプル2の酸素透過層の厚さは1.56mmである。また、各サンプル1,2の表面は、いずれも、前述のマイクロブラスト法等の機械研磨により研磨が施されている。

0061

図4に示すように、厚さが1.02mmのサンプル1の酸素透過係数(Nm3/m2h)に対して、厚さがほぼ1.5mmのサンプル2の酸素透過係数は、800℃〜1000℃のいずれの温度でも、サンプル1よりも小さくなっている。より具体的に、厚さがサンプル1の3/2倍のサンプル2は、酸素透過係数がサンプル1の2/3倍になっている。

0062

この試験の結果から、酸素透過係数は、酸素透過層の厚さにほぼ反比例すると考えられる。

0063

次に、表面研磨の有無による酸素透過層の酸素透過性(酸素透過係数)に関する試験について、図5を用いて説明する。

0064

この試験でも、2つのサンプルに対して、異なる温度条件下での酸素透過性の試験を行った。サンプル1は、前述の試験のものと同一である。つまり、サンプル1は、酸素透過層の厚さが1.02mmで表面研磨を実施したものである。サンプル3は、酸素透過層の厚さが0.90mmで表面研磨が未実施のものである。

0065

図5に示すように、厚さがほぼ1.0mmのサンプル1の酸素透過係数に対して、厚さが0.90mmのサンプル3の酸素透過係数は、800℃〜1000℃のいずれの温度でも、サンプル1よりも小さくなっている。

0066

前述したように、酸素透過係数は酸素透過層の厚さにほぼ反比例すると考えられるため、厚さがほぼ1.0mmのサンプル1の酸素透過係数に対して、厚さが0.90mmと若干薄いサンプル3の酸素透過係数は、ほぼ同じか僅かに大きくなるはずである、つまり、酸素透過性は僅かに高まるはずである。しかしながら、表面研磨が未実施のサンプル3の酸素透過係数は、前述したように、800℃〜1000℃のいずれの温度でも、サンプル1よりも小さくなっている、つまり酸素透過性能が低くなっている。言い換えると、サンプル1の酸素透過係数は、サンプル3よりも大きくなっている。

0067

よって、酸素透過層の表面を研磨することで、酸素透過係数が大きくなる、つまり、酸素透過性能は高まると言える。

0068

以上のように、本実施形態では、繰り返すことになるが、前述したように、酸素透過層2が極めて薄い上に、この酸素透過層2の表面を研磨しているので、酸素透過性能を非常に高くすることができる。

0069

「酸素透過体の製造方法2」
次に、本発明に係る酸素透過体の製造方法における第二実施形態について、図6に示すフローチャートに従って説明する。

0070

本実施形態においても、第一実施形態と同様に、未焼結支持層形成工程Aを実行する。すなわち、支持層用のビーズ入りスラリーの生成(S1)、ドクターブレード法によるスラリー層の成形(S2)、スラリー層を乾燥して未焼結支持層の形成(S3)を実行する。但し、本実施形態では、スラリーの生成(S1)で生成するスラリーの構成成分を第一実施形態のスラリーの構成成分と若干変えている。具体的に、モル比がBaCO3:SrCO3:CoO:Fe2O3=0.6:0.4:0.8:0.1の混合粉に対して、溶剤としてのエタノール(適量)、バインダーとしてのポリビニルブチラール(例えば、20wt%)、可塑剤としてのジブチルフタレート(例えば、10wt%)、分散剤としてのポリエチレンイミン(例えば、1wt%)、平均粒径5μmの有機ビーズ(例えば、20wt%)を混入している。なお、溶剤としてのエタノールの量は、第一実施形態と同様に、スラリー粘度が15000cpになる量である。

0071

次に、透過層用のスラリーを生成する(S4a)。このスラリーの生成では、まず、支持層用のスラリーの生成と同様に、BaCO3粉、SrCO3粉、CoO粉、Fe2O3粉の混合粉に対して、溶剤としてのエタノール(適量)、バインダーとしてのポリビニルブチラール(例えば、20wt%)、可塑剤としてのジブチルフタレート(例えば、10wt%)、分散剤としてのポリエチレンイミン(例えば、1wt%)を混入する。すなわち、このスラリーは、有機ビーズが入っていないことを除いて、支持層用のスラリーと同成分で、且つ同成分比である。さらに、ここでは、このスラリーに対して、体積比で例えば3倍量のエタノール(溶剤)を混入して、透過層用のスラリーを生成する。

0072

なお、以上のように、本実施形態では、支持層用のスラリーと透過層用のスラリーの元になるスラリーとは、有機ビーズの有無を除いて、その成分及び成分比が同じであるため、有機ビーズの入っていないスラリーを生成し、このスラリーの一部に有機ビーズを入れて、これを支持層用のスラリーとし、残りのスラリーにさらにエタノールを混入してスラリーとしてもよい。よって、透過層用のスラリーの生成(S4a)は、支持層用のスラリーの生成(S1)の前に行ってもよい。

0073

次に、図7に示すように、スプレー装置20内に透過層用のスラリー8を入れ、このスプレー装置20から、未焼結支持層7上にスラリーを噴霧して、未焼結支持層7上に透過層の極めて薄いスラリー層9を形成する(S5a)。そして、このスラリー層を乾燥させた後(S6a)、再び、ステップ5aの処理に戻る。これらスラリー層9の形成(S5a)及びスラリー層9の乾燥(S6a)を予め定められた回数n、例えば、5回実行する(S7)。この結果、未焼結支持層上に、目的の厚さの未焼結透過層が形成され、これら未焼結支持層及び未焼結透過層から成る未焼結透過体が得られる。

0074

以上、透過層用のスラリーの生成(S4a)から、実行回数判断処理(S7)までの処理で、未焼結透過体形成工程Baが終了する。

0075

次に、第一実施形態と同様に、未焼結透過体を焼結して、酸素透過層2、及びこの酸素透過層2を支持する支持層3を得る(S8)。この焼結処理により、未焼結支持層は、厚さが約1mmの多孔質の支持層3となり、未焼結透過層は、厚さが0.02mmの酸素透過層2となって、厚さが約1mmの酸素透過体1が形成される。なお、透過層2及び支持層3は、いずれも、前述したように、モル比がBaCO3:SrCO3:CoO:Fe2O3=0.6:0.4:0.8:0.1の比率の混合粉を材料として形成されているため、Ba0.6Sr0.4 Co0.8Fe0.2O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスである。

0076

この酸素透過体1は、支持層3を有することで十分な強度を確保しつつ、酸素透過層2が第一実施形態よりもさらに薄いため、同条件で作成した厚さ約1mmの酸素透過層のみのものに比べて、酸素透過速度がほぼ10倍になる。

0077

最後に、第一実施形態と同様、酸素透過層の表面であって、支持層の側とは反対側の表面を研磨し、目的の酸素透過体1を得る(S9)。

0078

以上のように、本実施形態でも、第一実施形態と同様、支持層用のスラリー層をドクターブレード法で成形しているため、その厚さを薄くすることができる上に、未焼結支持層と未焼結透過層とを一度に焼結しているため、製造工程を簡略化することができる。

0079

また、本実施形態では、未焼結支持層上に、透過体用のスラリーを噴霧して透過層用のスラリー層を形成しているため、第一実施形態よりも透過層をより薄く形成することができる。

0080

さらに、本実施形態でも、第一実施形態と同様、酸素透過層2の表面を研磨しているので、酸素透過性能を非常に高くすることができる。

0081

「酸素透過体の製造方法3」
次に、本発明に係る酸素透過体の製造方法における第三実施形態について、図8に示すフローチャートに従って説明する。

0082

本実施形態においても、第一実施形態と同様に、未焼結支持層形成工程Aを実行する。すなわち、支持層用のビーズ入りスラリーの生成(S1)、ドクターブレード法によるスラリー層の成形(S2)、スラリー層を乾燥して未焼結支持層の形成(S3)を実行する。なお、本実施形態では、スラリーの生成(S1)で生成するスラリーの構成成分は第一実施形態のスラリーの構成成分と同一である。

0083

次に、透過層用のスラリーを生成する(S4b)。このスラリーの生成では、まず、支持層用のスラリーの生成と同様に、BaCO3粉、SrCO3粉、CoO粉、Fe2O3粉の混合粉に対して、溶剤としてのエタノール(適量)、バインダーとしてのポリビニルブチラール(例えば、20wt%)、可塑剤としてのジブチルフタレート(例えば、15wt%)、分散剤としてのポリエチレンイミン(1wt%)を混入する。すなわち、このスラリーは、有機ビーズが入っていないこと、可塑剤の混入量(例えば、15wt%)を支持層用のスラリー中の混入量(例えば、10wt%)より多くしていることを除いて、支持層用のスラリーと同成分で、且つ同成分比である。

0084

次に、支持層用のスラリー層の成形及びその乾燥(S2,S3)と同様に、ドクターブレード法により、透過層用のスラリーで透過層用のスラリー層を成形すると共に(S5b)、このスラリー層を乾燥させて、未焼結透過層を得る(S6b)。すなわち、第一実施形態のように、未焼結支持層上に透過層用のスラリー層を成形せず、図3を用いて説明したドクター成形装置10に取り付けられた樹脂シート19上に、透過層用のスラリー層を形成する。

0085

次に、図9に示すように、未焼結透過層9bを未焼結支持層7上に張り合わせて、未焼結透過体を得る(S6c)。この際、樹脂シート19が付いている状態の未焼結透過層9bを用い、この未焼結透過層9bで樹脂シート19が付いていない側の面を未焼結支持層の表面に接触させる。次に、未焼結支持層7及び未焼結透過層9bの上に平板Wを載せて、未焼結透過層9bを未焼結支持層7に押し付け、未焼結支持層7と未焼結透過層9bとの接合性を高めると共に、未焼結透過層9bを目的の厚さにする。そして、平板錘Wを取り除いた後、未焼結透過層9bに付いている樹脂シート19を剥がす。

0086

なお、本実施形態で、透過層用のスラリー中に混入する可塑剤の量を第一実施形態よりも多くして、可塑性を高めているのは、以上のように、未焼結透過層9bを未焼結支持層7に押し付けて、未焼結支持層7と未焼結透過層9bとの接合性を高めると共に、未焼結透過層9bを目的の厚さにする処理があるからである。

0087

次に、第一及び第二実施形態と同様に、未焼結透過体を焼結して、酸素透過層2、及びこの酸素透過層2を支持する支持層3を得る(S8)。

0088

以上のように、本実施形態でも、第一及び第二実施形態と同様、支持層用のスラリー層をドクターブレード法で成形しているため、その厚さを薄くすることができる上に、未焼結支持層と未焼結透過層とを一度に焼結しているため、製造工程を簡略化することができる。

0089

さらに、本実施形態でも、第一及び実施形態と同様、酸素透過層2の表面を研磨しているので、酸素透過性能を非常に高くすることができる。
「変形例」
以上の実施形態の透過層2及び支持層3は、いずれも、ペロブスカイト型BSCFであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、透過層2と支持層3とのうち、少なくとも一方が、例えば、ペロブスカイト型LSCF、つまり、LexSr(1−x)CoyFe(1−y)O3で表されるペロブスカイト型酸化セラミックスであってもよい。

0090

また、以上の実施形態では、透過層2と支持層3とは同一組成の酸化セラミックスであるが、透過層2と支持層3とは異なる組成のセラミックスであってもよい。但し、温度変化に伴う透過層2の膨張量と支持層3の膨張量との差を小さくするために、透過層2を形成するセラミックスの熱膨張率と支持層3を形成するセラミックスの熱膨張率との差は、できる限り小さいことが好ましい。

0091

また、以上の実施形態では、可塑剤としてジブチルフタレート(フタル酸ジブチル)を用いているが、フタル酸エステル系のものであれば、例えば、ジオクチルフタレートフタル酸ジオクチル)等、如何なるものでもよい。

0092

1:酸素透過体、2:透過層、3:支持層、4:空孔、5:支持層用のビーズ入りスラリー、6:支持層用のスラリー層、7:未焼結支持層、10:ドクター成形装置、11:従動ローラ、12:駆動ローラ、15:ドクターブレード、16:乾燥装置、20:スプレー装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 厦門磊莎茶具有限公司の「 遠心コップ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は遠心コップを開示した。【解決手段】本体と前記本体の中に設置される液体保存チャンバと伝動チャンバとを含み、前記液体保存チャンバの頂壁の中には浄水チャンバが設置され、前記浄水チャンバと前記... 詳細

  • ダウグローバルテクノロジーズエルエルシーの「 炭素分子篩中空繊維膜を作製するための改良された方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【解決手段】 中空繊維炭素中空分子篩を作製する方法は、ポリマー繊維を非酸化性である雰囲気で炭化温度に加熱して中空繊維炭素分子篩を形成することと、加熱の少なくとも一部の間、中空ポリマー繊維に張力を加え... 詳細

  • 日本特殊陶業株式会社の「 電極埋設部材の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】電極埋設部材を構成する材料の内部にクラックや残留応力が発生することを抑制し、或いは電極が変形することを抑制すること。【解決手段】本発明の電極埋設部材の製造方法は、セラミックス成形体を脱脂して作... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ