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技術 米飯改良剤およびそれを用いた米飯食品、ならびにそれらの製造方法

出願人 株式会社J-オイルミルズ不二製油株式会社
発明者 横石和也堀田真理子窪田淳平小林功後藤勝足立典史
出願日 2010年11月12日 (9年7ヶ月経過) 出願番号 2010-253457
公開日 2012年5月31日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2012-100613
状態 特許登録済
技術分野 穀類誘導製品
主要キーワード 空重量 中間分解 米でん粉 B型粘度計 JIS規格 色つや 古米臭 老化耐性
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課題

米飯が有する本来のつや粘りを維持、向上させ、食味食感改善効果を充分に有し、さらに、ご飯のふっくら感、老化防止風味に優れた米飯改良剤を提供する。

解決手段

でん粉の含有量が40重量%以上である原料を、加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、原料中の水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤。

概要

背景

日本人嗜好に適した米飯は、適度なつや粘りを含むジャポニカ種に代表される米である。このつや、粘りは、主に米中のアミロペクチン含量に起因しており、比較的アミロペクチン含量の多いコシヒカリや、ササニシキなどは、日本人の嗜好に適している。このような米飯は、炊飯直後は確かに適度なつやと粘りで好ましい食味であるが、炊飯後の時間経過により、食味が劣化してきてしまう。これは、米に含まれるでん粉の老化に起因するもので、室温、チルドでの流通に伴う米飯の経時的な食味の劣化は、避けがたい現象である。しかしながら、近年における外食、中食産業発展に伴い、炊飯後、室温またはチルド域において長時間米飯の食味を維持する必要性が高まり、米飯の食味を長期間維持する技術が求められている。

また、コンビニエンスストアスーパーなどのおにぎりやお弁当は、大規模炊飯工場において、機械炊飯により大量炊飯、大量成形される。その際の機械による攪拌押出しなどにより、ご飯が押しつぶされることによって、ご飯本来のふっくら感が失われる。このような大量炊飯、成形においても、家庭炊飯器で炊飯したようなご飯のふっくら感を求めるニーズが高まっている。

一方、ワキシーコーンスターチに代表されるもち種でん粉とは、アミロペクチンが100%の特殊なでん粉である。通常のでん粉にくらべ、耐老化性に優れ、粘りが強く、透明感のあるを作るのが特徴である。また、アセチル化エーテル化などに代表される加工でん粉は、でん粉特有老化現象を抑えたでん粉で、常温はもとより、チルド保存における食品の劣化を抑えるために、麺やパンなど広く利用されている。

このような、もち種でん粉や加工でん粉、でん粉分解物を米飯の品質改良を目的として使用する方法は、数多く報告されている。
具体的には、特開2004−201617号公報(特許文献1)には、でん粉分解物とオリゴ糖を併用した米飯改良剤が報告されている。

また、特開平7−289180号公報(特許文献2)には、アミロペクチン100%のでんぷん中間分解物、具体的にはDE(Dextrose Equivalent)2〜5程度に分解したでんぷんの中間分解物を用いる、ごはんをおいしく炊く方法が開示されている。

また、特開平7−264998号公報(特許文献3)には、米でん粉糯米でん粉、米粉糯米粉および白玉粉よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の穀粉類エーテル/エステル化させることによって得られる混合米飯添加剤が記載されている。

また、特開2002−65184号公報(特許文献4)には、エーテル化反応および/または、酸化処理された加工でん粉を炊飯時に添加し、米飯の離れ、ほぐれなどの機械特性を改善する方法が記載されている。

さらに、特開2004−121082号公報(特許文献5)には、架橋でん粉を添加し、炊飯することによりおにぎりの成形性を改善する方法などが開示されている。

また、特開昭51−44660号公報(特許文献6)には、粉末水あめとでん粉、胚芽加水分解酵素などを混合し、加圧成型してなる米飯の品質改良剤が記載されている。この米飯の品質改良剤においては、改良剤の有効成分として水あめが用いられている。水あめは、澱粉を酸や酵素で分解して得られるものであり、この水あめを加圧成型するバインダーとして少量のでん粉が併用されている。

さらに、特開2008−92945号公報(特許文献7)には、所定のでん粉を粒状にすることで食味、食感風味を改善する発明が開示されている。

一方、特開平6−121647号公報(特許文献8)、特開平11−285350号公報(特許文献9)には、水溶性ヘミセルロースを有効成分とする穀類のほぐれ改善剤や米飯歩留まり向上剤の発明が開示されている。

概要

米飯が有する本来のつや、粘りを維持、向上させ、食味、食感の改善効果を充分に有し、さらに、ご飯のふっくら感、老化防止、風味に優れた米飯改良剤を提供する。でん粉の含有量が40重量%以上である原料を、加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、原料中の水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤。なし

目的

本発明は、米飯が有する本来のつや、粘りを維持、向上させ、食味、食感の改善効果を充分に有し、さらに、ご飯のふっくら感、老化防止、風味に優れた米飯改良剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

でん粉の含有量が40重量%以上である原料を、加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、前記原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、前記原料中の前記水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、前記原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤。

請求項2

酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の40℃、30%におけるB型粘度が、25cps以上15500cps以下である、請求項1に記載の米飯改良剤。

請求項3

前記でん粉が、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉を45重量%以上90重量%以下含むとともに、前記酸処理および前記酸化処理を施されていないアミロース含量20%以下のでん粉を10重量%以上55重量%以下含む、請求項1または2に記載の米飯改良剤。

請求項4

前記水溶性ヘミセルロースが大豆由来である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の米飯改良剤。

請求項5

請求項1乃至4いずれかに一項に記載の米飯改良剤を米に対して0.4重量%以上4.5重量%以下添加して炊飯する、米飯食品の製造方法。

請求項6

請求項5に記載の製造方法により炊飯された米飯食品。

請求項7

でん粉を40重量%以上含有する原料を加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程を含み、前記原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、前記原料中の前記水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、前記原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、米飯改良剤、それを用いた米飯食品およびそれらの製造方法に関する。

背景技術

0002

日本人嗜好に適した米飯は、適度なつや粘りを含むジャポニカ種に代表される米である。このつや、粘りは、主に米中のアミロペクチン含量に起因しており、比較的アミロペクチン含量の多いコシヒカリや、ササニシキなどは、日本人の嗜好に適している。このような米飯は、炊飯直後は確かに適度なつやと粘りで好ましい食味であるが、炊飯後の時間経過により、食味が劣化してきてしまう。これは、米に含まれるでん粉の老化に起因するもので、室温、チルドでの流通に伴う米飯の経時的な食味の劣化は、避けがたい現象である。しかしながら、近年における外食、中食産業発展に伴い、炊飯後、室温またはチルド域において長時間米飯の食味を維持する必要性が高まり、米飯の食味を長期間維持する技術が求められている。

0003

また、コンビニエンスストアスーパーなどのおにぎりやお弁当は、大規模炊飯工場において、機械炊飯により大量炊飯、大量成形される。その際の機械による攪拌押出しなどにより、ご飯が押しつぶされることによって、ご飯本来のふっくら感が失われる。このような大量炊飯、成形においても、家庭炊飯器で炊飯したようなご飯のふっくら感を求めるニーズが高まっている。

0004

一方、ワキシーコーンスターチに代表されるもち種でん粉とは、アミロペクチンが100%の特殊なでん粉である。通常のでん粉にくらべ、耐老化性に優れ、粘りが強く、透明感のあるを作るのが特徴である。また、アセチル化エーテル化などに代表される加工でん粉は、でん粉特有老化現象を抑えたでん粉で、常温はもとより、チルド保存における食品の劣化を抑えるために、麺やパンなど広く利用されている。

0005

このような、もち種でん粉や加工でん粉、でん粉分解物を米飯の品質改良を目的として使用する方法は、数多く報告されている。
具体的には、特開2004−201617号公報(特許文献1)には、でん粉分解物とオリゴ糖を併用した米飯改良剤が報告されている。

0006

また、特開平7−289180号公報(特許文献2)には、アミロペクチン100%のでんぷん中間分解物、具体的にはDE(Dextrose Equivalent)2〜5程度に分解したでんぷんの中間分解物を用いる、ごはんをおいしく炊く方法が開示されている。

0007

また、特開平7−264998号公報(特許文献3)には、米でん粉糯米でん粉、米粉糯米粉および白玉粉よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の穀粉類エーテル/エステル化させることによって得られる混合米飯添加剤が記載されている。

0008

また、特開2002−65184号公報(特許文献4)には、エーテル化反応および/または、酸化処理された加工でん粉を炊飯時に添加し、米飯の離れ、ほぐれなどの機械特性を改善する方法が記載されている。

0009

さらに、特開2004−121082号公報(特許文献5)には、架橋でん粉を添加し、炊飯することによりおにぎりの成形性を改善する方法などが開示されている。

0010

また、特開昭51−44660号公報(特許文献6)には、粉末水あめとでん粉、胚芽加水分解酵素などを混合し、加圧成型してなる米飯の品質改良剤が記載されている。この米飯の品質改良剤においては、改良剤の有効成分として水あめが用いられている。水あめは、澱粉を酸や酵素で分解して得られるものであり、この水あめを加圧成型するバインダーとして少量のでん粉が併用されている。

0011

さらに、特開2008−92945号公報(特許文献7)には、所定のでん粉を粒状にすることで食味、食感風味を改善する発明が開示されている。

0012

一方、特開平6−121647号公報(特許文献8)、特開平11−285350号公報(特許文献9)には、水溶性ヘミセルロースを有効成分とする穀類のほぐれ改善剤や米飯歩留まり向上剤の発明が開示されている。

先行技術

0013

特開2004−201617号公報
特開平7−289180号公報
特開平7−264998号公報
特開2002−65184号公報
特開2004−121082号公報
特開昭51−44660号公報
特開2008−92945号公報
特開平6−121647号公報
特開平11−285350号公報

発明が解決しようとする課題

0014

ところが、上述した文献に記載の技術について、それぞれ、以下の点で改善の余地があった。
特許文献1に記載の技術では、粘りについてはある程度改善されているものの、米飯のつやの維持についてはさらに改良が必要であった。

0015

また、特許文献2〜5記載の技術は、いずれもでん粉を粉のまま炊飯直前に添加することを想定したものである。ところが、このような添加方法では、業務用の炊飯ラインにおいては、米を浸漬している間にでん粉が沈降し、炊飯時に沈降したでん粉が先に糊化し、炊飯水が増粘する結果、米飯内での均一な熱伝達が妨げられることとなる。このため、炊飯釜内の上部に位置する米は芯のある米飯となる一方、炊飯釜内の下部に位置する米は、米粒が潰れかけたべたつきのある米飯となる。また、炊飯釜底部にいわゆる「オブラート層」が多く発生し、炊飯歩留まりの低下、清掃の手間などが発生する。このため、でん粉を粉のまま炊飯直後に添加する上記技術は、未だ実用にいたってないのが現状である。

0016

特許文献6に記載の改良剤は、粉末水あめを主成分とするため、米飯の改良効果が充分でなく、色つや、粘り、食味の点で改善の余地を有していた。
また、特許文献7に記載の技術を用いても、ご飯のふっくら感向上や老化防止の点で充分ではなかった。

0017

また、特許文献8および9に記載の技術は、ほぐれ性や歩留まりの向上に効果があるものの、ご飯のふっくら感向上や老化防止の点で改善の余地があった。

0018

以上のように、でん粉やでん粉分解物を用いて米飯の品質を改良する従来技術は、ご飯のふっくら感向上や老化防止の点で、未だ実用にいたっていなかった。
また、水溶性ヘミセルロースを用いる技術においては、上述した点に加え、風味の点においてもまだ改善の余地がある。

0019

記事情に鑑み、本発明は、米飯が有する本来のつや、粘りを維持、向上させ、食味、食感の改善効果を充分に有し、さらに、ご飯のふっくら感、老化防止、風味に優れた米飯改良剤を提供するものである。

課題を解決するための手段

0020

本発明によれば、
でん粉の含有量が40重量%以上である原料を、加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、
前記原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、
前記原料中の前記水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、
前記原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤が提供される。

0021

また、本発明によれば、上記米飯改良剤を米に対して0.4重量%以上4.5重量%以下添加して炊飯することを特徴とする米飯食品の製造方法およびその製造方法により炊飯された米飯食品が提供される。

0022

また、本発明によれば、
でん粉を40重量%以上含有する原料を加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程を含み、
前記原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を含み、
前記原料中の前記水溶性ヘミセルロースの含量が2重量%以上18重量%以下であり、
前記原料中のでん粉全体に対する、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の含量が、45重量%以上100重量%以下である、米飯改良剤の製造方法が提供される。

0023

本発明に係る米飯改良剤は、目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分の含有率、加熱溶解度、でん粉含有量および組成、ならびに水溶性ヘミセルロース含有量が、それぞれ特定の範囲内にある。このため、炊飯米中に均一に分布して炊飯時に徐々に溶解するとともに、水溶性ヘミセルロースを用いる場合にも風味をさらに改善することができる。このため、炊飯米に対し、均一につや、粘りが付与され、食味、食感が改善されるだけでなく、ご飯のふっくら感、老化および風味のバランスが顕著に改善される。

0024

なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明には、前記本発明における米飯改良剤を米に対して0.4重量%以上4.5重量%以下添加する、米飯改良方法包含される。

発明の効果

0025

本発明による米飯改良剤を用いると、米飯が有する本来のつや、粘りを維持、向上させ、食味、食感の改善効果を充分に有し、さらに、ご飯のふっくら感、老化防止、風味に優れた米飯食品を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0026

本発明における米飯改良剤は、目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分の含有率、加熱溶解度およびでん粉含有量のそれぞれを特定の範囲内とする構成を採用した上で、所定のでん粉と水溶性ヘミセルロースを所定の配合にすることで、顕著な米飯改良効果を実現するものである。以下、上記構成の技術的意義について説明する。

0027

本発明に係る米飯改良剤は、でん粉を含む原料を粒状に加工してなるものである。具体的には、でん粉の含有量が40重量%以上である原料を、加熱溶解度が20%以上でかつ大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる。
この米飯改良剤のJIS規格における目開き0.5mm(32メッシュ)篩上の粒状物の含有量は、5重量%以上100重量%以下であり、好ましくは10重量%以上100重量%以下、より好ましくは30重量%以上100重量%以下である。目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分を上記範囲内とすることで、炊飯米への分散性が良好となる。目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分が少なすぎると、改良剤であるでん粉が沈降し、炊飯時に沈降したでん粉が先に糊化して炊飯水が増粘するため、均一な炊飯が妨げられる。

0028

また、本発明の米飯改良剤は、炊飯時に改良成分であるでん粉質が加熱、溶解し、米飯中に均一に分散することにより、米飯のつや、粘りを向上させる。そのためには炊飯中に迅速に加熱溶解する性質が重要である。この特性を表す指標として、本発明においては、「加熱溶解度」を用いる。加熱溶解度の測定方法は以下のとおりである。
1.直径18mm、長さ180mmのガラス試験管に、試料乾燥重量で500mgはかりとる。このときに、はかりとった試料の正確な重量(加熱前重量)を記録する。
2.上記1に10mLの蒸留水を加えて攪拌し、よく分散させる。
3.アルミキャップをかぶせ、沸騰浴で20分加熱する。このとき、試料がだまにならないよう、ときどき、よく分散させる。
4.加熱が終わったら、流水中で冷却する。
5.試験管内容物を50mLのふたつき遠沈管に移し替える。このとき、空の遠沈管の重量(ふたなし)を測定しておく。試験管壁に付着した内容物は、蒸留水を加え、よく洗浄し、その洗液も、遠沈管にいれて、全体量を30mLにする。
6.遠心(3000rpm、10min)し、上澄み液注意深く除去する。
7.100℃の恒温層に一昼夜乾燥させ、乾燥後の重量(空の遠沈管重量+遠沈管に残った米飯改良剤重量)を測定する。
8.加熱溶解度は、以下の数式によって算出する。
加熱溶解度(%)=100−{(乾燥後の重量−空の遠沈管重量)/(加熱前重量)}×100
9.1試料につき3点加熱溶解度を測定し、その平均値を加熱溶解度とする。

0029

本発明における米飯改良剤の加熱溶解度は、20%以上、好ましくは50%以上である。このようにすれば、炊飯中に改良剤が充分に分散し、顕著な米飯改良効果が得られる。加熱溶解度の上限については、特に制限がないが、たとえば加熱溶解度が90%もあれば、充分な改良効果が得られる。

0030

つづいて、本発明に係る米飯改良剤を構成する成分について、詳細に説明する。
本発明に係る米飯改良剤は、でん粉の含有量が40重量%以上である原料を造粒して得られる。そして、上記原料が、水溶性ヘミセルロースと、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と、を必須成分とし、これらの成分が原料中にそれぞれ特定の割合で配合される。

0031

本発明における米飯改良剤の原料中のでん粉含有量は、40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上とする。このようなでん粉含有量とすることで、良好な色つや、粘り、食味を実現することができるだけでなく、ご飯のふっくら感の改善効果が顕著である。

0032

また、本発明者の検討によれば、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉により、ご飯のふっくら感の改善の効果を得ることができる。ここで、「酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉」とは、アミロース含量が20%以下のでん粉を、酸処理または酸化処理して得られるでん粉であって、酸処理または酸化処理のいずれか一方が施されたものであってもよいし、酸処理および酸化処理の両方が施されたものであってもよい。

0033

アミロース含量20%以下のでん粉として、ワキシーコーンスターチ、モチ米でん粉などのモチ種でん粉や、馬鈴薯でん粉タピオカでん粉などが例示される。こうしたでん粉を原料として耐老化性を付与するような加工を施したでん粉、すなわちエステル化処理(たとえば、酢酸でん粉、オクテニルコハク酸エステル化でん粉など。)、エーテル化処理(たとえば、ヒドロキシプロピルでん粉など。)を用いることもできる。またこれらの耐老化性でん粉に、架橋処理(たとえば、リン酸架橋でん粉など。)を組み合わせて用いてもよい。これらのでん粉は単独でまたは二以上を組み合わせて使用することができる。

0034

上記のアミロース含量20%以下のでん粉を酸処理もしくは酸化処理することにより、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉が得られる。
酸処理でん粉の製造方法は、一般に知られる方法とすることができ、特に問わないが、具体的には、0.5〜10%の塩酸硫酸などの希薄酸溶液にでん粉を懸濁し、20〜60℃の温度で、1〜100時間攪拌を続け、でん粉を低粘度化する。酸により、でん粉粒子非結晶部が分解され、糊化しやすいが糊液の粘度は低くなるのが特長である。

0035

一方、酸化処理でん粉は、でん粉と次亜塩素酸ナトリウムアルカリ性溶液中で反応させた加工でん粉であり、でん粉分子内にカルボキシル基またはカルボニル基の導入が起こり、さらにでん粉鎖の切断も起こるため、糊液の粘度低下が起こる。
酸化処理条件としては、一般に知られる条件とすることができ、特に問わないが、具体的には、有効塩素濃度約10%程度の次亜塩素酸ナトリウムをpH8〜11、温度を40〜60℃に調製したでん粉懸濁液に滴下して、30分〜4時間反応をおこなう。

0036

なお、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉は、酸処理または酸化処理ともに、反応の進行とともにでん粉糊液粘度が低下する。ご飯のふっくら感向上や老化防止の効果のバランスの観点からは、でん粉の30%懸濁液を95℃水浴中で30分間攪拌しながら保持し、完全に糊化させた後40℃で1時間保持したときの粘度をB型粘度計(たとえば、東京計器社製)で測定したときの酸処理または酸化処理でん粉の粘度(40℃、30重量%水溶液B型粘度)が、たとえば好ましくは、25cps以上15500cps以下であり、さらに好ましくは50cps以上7000cps以下である。
なお、本明細書において、B型粘度計により測定される粘度を「B型粘度」とも呼ぶ。

0037

本発明において、米飯改良剤全体中の酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上とする。このようにすれば、ご飯のふっくら感が得られる。なお、含有量の上限は、水溶性ヘミセルロースの量を充分に確保する点で、98重量%以下であり、耐老化性の点から好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。

0038

また、原料中のでん粉全体に対する酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含有量は、ふっくら感を向上させる観点から、45重量%以上、好ましくは65重量%以上とする。なお、原料中のでん粉全体に対する酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含有量の上限は100重量%以下であり、耐老化性の点から好ましくは90重量%以下である。

0039

さらに、本発明に係る米飯改良剤は、上記特定のでん粉とともに水溶性ヘミセルロースを含有する。これにより、ご飯のふっくら感を向上させるとともに、耐老化性を向上させることができる。

0040

ただし、発明が解決しようとする課題の項で前述したように、本発明者が検討したところ、水溶性ヘミセルロースを炊飯の際に個別に添加した場合には、上記効果が充分に得られない場合があった。この点については、実施例の項でも後述する。

0041

そこで、本発明に係る米飯改良剤においては、水溶性ヘミセルロースを酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と併用するとともに、これらをそれぞれ特定の割合で含み、さらに、米飯改良剤を粒状にすることで、水溶性ヘミセルロースを配合する場合にも風味を改善し、ご飯本来の風味を得ることができるようになる。さらに、水溶性ヘミセルロースを酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉とともに配合することで、老化防止効果を得ることができる。

0042

すなわち、本発明における米飯改良剤において、原料中の水溶性ヘミセルロースの含量は、ご飯のふっくら感および耐老化性を向上させる観点からは、2重量%以上、好ましくは5重量%以上である。また、ご飯の風味の変化を抑制する観点からは、原料中の水溶性ヘミセルロースの含量は18重量%以下であり、好ましくは15重量%以下である。
さらに具体的には、でん粉と水溶性ヘミセルロースの重量比が82:18〜98:2であり、好ましくは85:15〜95:5である。

0043

本発明における水溶性ヘミセルロースの原料としては、大豆パームヤシコーン等の油糧種子
米、小麦大麦等の穀類;および
小豆エンドウ豆等の豆類が例示される。これらの原料から、油脂、たんぱく質、澱粉などを除去し、酸、アルカリなどで加熱抽出、もしくは水抽出酵素抽出によって水溶性ヘミセルロースが得られる。本発明において、水溶性ヘミセルロースの由来は特に問わないが、市場で容易に入手できる点で、大豆由来の水溶性ヘミセルロース、一般に大豆食物繊維と呼ばれる素材、例示すれば、不二製油株式会社製「ソヤファイブ−S−DN」などが好ましい。

0044

また、水溶性ヘミセルロースおよび酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉に加えて、未処理のアミロース含量20%以下のでん粉、すなわち酸処理および酸化処理を施されていないアミロース含量20%以下のでん粉を所定の比率で併用することで、老化防止の面でより一層高い効果が得られる。

0045

具体的には、米飯改良剤の原料中のでん粉が、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉を45重量%以上90重量%以下含むとともに、酸処理および酸化処理を施されていないアミロース含量20%以下のでん粉を10重量%以上55重量%以下含む構成とすることができる。
また、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と未処理のアミロース含量20%以下のでん粉の重量比は、好ましくは90:10〜45:55、より好ましくは90:10〜65:35である。未処理のアミロース含量20%以下のでん粉の量が多すぎると、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の含量が低下することにより、ご飯のふっくら感を充分に得ることができなくなる場合がある。

0046

本発明に係る米飯改良剤は、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉、未処理のアミロース含量20%以下のでん粉以外のでん粉や種々の添加剤を効果の阻害しない範囲で含んでいてもよい。

0047

たとえば、本発明に係る米飯改良剤は糖類を含んでいてもよい。用いられる糖類としては食品に供するものであれば特に限定されず、グルコーススクロースフルクトースマルトースラクトーストレハロース、またキシリトールソルビトールマルチトールエリスリトール等の糖アルコール類、糖類の転化糖、さらには以上を構成成分とする還元糖を有する物質や混合物である水あめ、粉末水あめなども同様に使用できる。これら糖類は1種、または2種以上を組み合わせて使用できる。

0048

また、本発明に係る米飯改良剤は、油脂を含んでいてもよい。米飯改良剤内部に油脂を配合することにより炊飯米の釜離れを向上させ、作業性が改善する。本発明に用いられる油脂としては通常食品に供するものであれば特に限定されず、あまに油桐油サフラワー油かや油くるみ油、けし油ひまわり油綿実油なたね油大豆油からし油カポック油米糠油ごま油とうもろこし油落花生油オリーブ油つばき油茶油ひまし油やし油パーム油などの植物性油脂や、牛脂魚油鯨油豚脂油などの動物性油脂などがあげられる。また、これらの原料をエステル交換したものや、硬化油分別油の他、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的に処理して得られる油脂などを用いることも可能である。また炊飯中に分散しやすいように乳化剤などを配合した油脂であるいわゆる炊飯専用油を用いることも可能である。これら油脂の米飯改良剤への添加量は米飯改良剤100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。

0050

さらに本発明の米飯改良剤の分散性を利用して、カルシウム、鉄分などのミネラル類ビタミン類食物繊維などの栄養機能成分一緒練りこんでおくことにより手軽に栄養補強機能のある炊飯米を調製することができる。

0051

本発明の米飯改良剤の形状は、米飯に添加しやすく、炊飯時に速やかに溶解する形状であれば特に問わない。造粒装置吐出口(ダイ)の形状を変えることにより、球状、円柱状、米粒状などさまざまな形状にすることが可能である。

0052

本発明の米飯改良剤の効果を高めるためには、米飯改良剤のかさ比重を0.5g/mL以上にすることが好ましい。こうすることにより、炊飯中での米飯改良剤の分散性が一層良好となる。たとえば、業務用の炊飯ラインで炊飯を行う場合、プロセス効率の観点から、炊飯前に米飯と米飯改良剤とを攪拌・混合することなく、良好な分散性が得られることが望まれる。かさ比重を好ましくは0.5g/mL以上、より好ましくは0.55g/mL以上とすれば、上記のような良好な分散性を安定的に実現することができる。

0053

ここで、かさ比重の測定方法は、以下のように行う。
1.試料(目開き0.5mm(32メッシュ)の篩で篩った篩上を使う)を100g前後試験スコップにはかりとる。
2.100mLの試験升の空重量を測定する。
3.バットの中に、試験升をおき、はかりとった試料を静かに充填する。
4.試験升の上面を静かにすりきり、試験升と試料の合計重量を測定し、以下の式によりかさ比重を算出する。
かさ比重(g/mL)=(試験升と試料の合計重量−試験升空重量)/100

0054

本発明の米飯改良剤の製造方法は、たとえば、上述した原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程を含む。本発明の米飯改良剤の製造に用いられる装置は特に限定されず、パン型造粒機などに代表される振動転動攪拌混合流動解砕型造粒機、圧縮成型湿式または乾式押出造粒機など一般的に用いられる造粒、整粒装置を使用することができる。その中でも製造効率や粒の結着性などから二軸エクストルーダーなどによる押出造粒機を用いる方法が好ましい。エクストルーダー処理する場合は通常、でん粉および水溶性ヘミセルロースもしくは油脂を含む原料に加水して、水分含量を10〜50重量%に調整した後、温度20〜200℃で、スクリュー回転100〜1000rpm、熱処理時間5〜60秒の条件で押出造粒することによって、米飯改良剤が得られる。

0055

本発明の米飯改良剤は、あらかじめ米や無洗米などに混合して用いることも、炊飯時に添加することも可能である。炊飯時に添加する場合は、米を浸漬する前に添加しても、浸漬した米に添加してもよいが、いずれの場合も、米飯改良剤の改良成分をより均一に分散させるためには、米飯改良剤を添加後、軽く米を攪拌するとよい。米飯改良剤の添加量は、米飯全体に対して、好ましくは0.4重量%以上4.5重量%以下、より好ましくは0.4重量%以上4重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以上3重量%以下である。添加量が少なすぎると充分な米飯改良効果が得られないことがある。また、添加量が多すぎると、米飯のふっくら感が充分に得られない場合がある。

0056

本発明に係る米飯食品は、米飯改良剤を米に対して0.4重量%以上4.5重量%以下添加して炊飯されたものである。これにより、炊飯後の常温保存、流通時に劣化するご飯のつやや粘りを維持、向上させることが可能である。そのため、コンビニエンスストアやスーパーストア陳列するようなお弁当用のご飯、おにぎり、炊き込みご飯、炒飯、パエリアリゾットなど幅広い米飯食品に利用することができる。また、寿司やおにぎりなどのチルドまたは冷凍で流通する米飯食品にも利用できる。一方、炊飯後のぱさつきがちになる五穀米などの雑穀を用いた米飯食品に用いると、粘りを長時間維持することができる。さらに、本発明の米飯改良剤を古米、低級米に用いると、古米臭ぬか臭を抑え、新米、上級米のような食味、食感、風味を有する米飯食品となる。

0057

以上、説明したように、本発明における米飯改良剤は、所定のでん粉と水溶性ヘミセルロースを所定の割合で含有することで、炊飯米中に均一に分布して炊飯時に徐々に溶解し、これにより、炊飯米に対し、均一につや、粘りを付与し、ご飯のふっくら感の付与や老化防止の効果を発揮するものである。

0058

以下に本発明の実施例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、以下のものを使用した。
アミロース含量20%以下のでん粉:ワキシーコーンでん粉(株式会社J-オイルミルズ社製「ワキシーコーンスターチY」)
水溶性ヘミセルロース:大豆食物繊維(不二製油株式会社製「ソヤファイブ−S−DN」)
デキストリン:ワキシーコーンスターチ分解物(株式会社J−オイルミルズ社製「FZ−100」)(DE:4)

0059

(酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉の製造)
ワキシーコーンでん粉「ワキシーコーンスターチY」(J−オイルミルズ社製、水分14.2%)を表1に示す条件で撹拌しながら、反応した。反応後、でん粉を中和、洗浄した後、減圧ろ過により回収し、乾燥し酸処理ワキシーコーンでん粉を得た(試料1〜6)。

0060

得られた酸処理ワキシーコーンでん粉について、それぞれ、30%スラリーを調製し、95℃で30分間撹拌保持後、40℃で1時間保持した後のB型粘度を測定した。B型粘度の測定には、東京計器社製ビスコメーターBMを用いた。表1に、B型粘度の測定結果を示す。また、試料1〜6のうち最も分解度の高い試料6については、表1にDEをあわせて示す。なお、DEは以下の方法に従って測定した。

0061

(DEの測定方法)
DEとはでん粉を酸または酵素で分解した生成物の分解程度を示す指標のひとつで、デキストロース当量(Dextrose equivalent)の略称である。具体的には以下の測定法分析を行う。
1.試料を含水重量で100mgはかりとる。
2.適時、水を加え、80℃で加熱し、試料を十分糊化させる。
3.糊化させた試料をメスフラスコで10mLにし、10mg/mLの試料溶液を調製する。
4.試料溶液の還元糖量をソモジネルソン法で測定する。
5.以下の式よりDEを算出する。
DE=試料100mg中の還元糖量(mg)/試料100mg中の固形分含量(mg)

0062

0063

(酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の製造)
ワキシーコーンでん粉「ワキシーコーンスターチY」(J−オイルミルズ社製)150部に水314部を加えて懸濁液とした。これに有効塩素量12.1%次亜塩素酸ナトリウムを62部攪拌しながら加えて、pH8、40℃にて2時間攪拌しながら反応させた。反応後、でん粉を洗浄、減圧ろ過により回収した。その後、乾燥し酸化処理ワキシーコーンでん粉を得た(試料7)。得られた酸化処理ワキシーコーンでん粉のB型粘度を、酸処理ワキシーコーンでん粉と同じ方法で測定した。その結果、120cpsであった。

0064

造粒物の製造)
試料4および試料7を使用し、表2の配合のとおりに原材料を混合し、2軸エクストルーダー(幸和工業社製KEI−45)を用いてバレル温度100℃、出口温度60℃、加水23%、スクリュー回転150rpmの条件でエクストルーダー処理した。

0065

エクストルーダー処理した造粒物を水分10%まで乾燥した。その後、目開き28mm(6.5メッシュ)の篩を通過し、かつ、目開き0.5mm(32メッシュ)篩で篩上に残ったものを米飯改良剤として使用した。なお、実施例1、2および比較例1における米飯改良剤のかさ比重は、いずれも、0.55〜0.80g/mLの範囲に収まった。また、これらの米飯改良剤の加熱溶解度は、いずれも、20%以上であった。

0066

0067

(個別添加との対比)
表2記載の米飯改良剤(実施例1、2、比較例1)および大豆食物繊維(不二製油株式会社製「ソヤファイブ-S-DN」)を使用して、表3記載の炊飯配合にしたがい炊飯をおこなった。なお、後出する表3において、実施例1、2および比較例1で得られた粒状物を添加した例は、それぞれ、実施例3、4および比較例2に対応している。また、比較例3は、比較例1の粒状物と大豆食物繊維を個別に投入したものである。

0068

まず、生米(田県産あきたこまち)に加水して室温で1時間浸漬後、米飯改良剤を投入した。ただし、大豆食物繊維を粒状にせず粉状で投入する場合(比較例3)においては、事前に加水の一部を用いて、充分に分散させた後、大豆食物繊維を投入した。米飯改良剤を投入後は、しゃもじで軽く撹拌してから炊飯した。得られた米飯を攪拌することなく、炊飯器からバットに移し、改良成分の分散性を目視で評価し、均一に分散していることを確認した。さらに、得られた米飯を真空冷却機で20℃まで冷却し、20℃で24時間保存した後の風味、ご飯のふっくら感、老化感について5人のパネラーにより以下の評価基準に基づいて官能評価を行った。5人のパネラーの評価点数平均点小数第二位を四捨五入し、その点数に応じて評価結果とした。各項目の評価結果を表3に示す。

0069

評価基準
「風味」
2点 ご飯本来の風味である。
1点 ご飯本来の風味がやや感じにくい。
0点 ご飯本来の風味が感じにくい。
「ふっくら感」
3点 ふっくら感が非常に良好である。
2点 ふっくら感が良好である。
1点 ふっくら感が少ない。
0点 ふっくら感があまり感じられない。
「老化感」
3点炊飯直後と遜色なく美味しい。
2点 炊飯直後に近しく美味しい。
1点 炊飯直後と比較して、ご飯の老化感が感じられる。
0点 炊飯直後と比較して、ご飯の老化感が非常に感じられる。

0070

各項目の評価結果
「風味」
評価結果 5人のパネラーの平均点
×× 0.0〜0.4点
× 0.5〜0.9点
△ 1.0〜1.4点
○ 1.5〜2.0点
「ふっくら感」および「老化感」
評価結果 5人のパネラーの平均点
×× 0.0〜0.9点
× 1.0〜1.4点
△ 1.5〜1.9点
○ 2.0〜2.4点
◎ 2.5〜3.0点

0071

0072

実施例3および4で得られたご飯は、いずれも、充分なつや、粘りを有し、また、食味および食感も好ましいものだった。
そして、表3に示したように、実施例3および4の米飯改良剤を用いると、風味も良好で、なおかつご飯のふっくら感に優れ、老化耐性の効果も優れていた。一方、でん粉のみの粒状物(比較例2)では、ご飯のふっくら感と老化耐性の点で、実施例における米飯改良剤より劣っていた。また、比較例3では、造粒したでん粉成分と粉状の大豆食物繊維を個別に加えた場合、風味の点で充分ではなく、また、ふっくら感および耐老化性の点においても実施例の米飯改良剤より劣っていた。

0073

(水溶性ヘミセルロースの含量の検討)
表4の配合で実施例1に準じて米飯改良剤を調製した。得られた米飯改良剤を用いて実施例3に準じて炊飯釜で炊飯し、炊飯米の分散性を目視で評価し、いずれも問題ないことを確認した。また、実施例5〜7で得られたご飯は、いずれも、充分なつや、粘りを有し、また、食味および食感も好ましいものだった。
さらに、実施例3に準じてご飯の評価をおこなった。結果を表4に示す。

0074

0075

表4に示したように、水溶性ヘミセルロースを3〜17重量%添加することで、風味、ご飯のふっくら感、老化防止の効果を得ることができた(実施例3、5〜7)。一方、水溶性ヘミセルロースを20重量%添加した比較例4では、実施例に比べて風味が劣っていた。

0076

(酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉の配合量の検討)
表5に記載の配合で、実施例1に準じて米飯改良剤を調製した。得られた米飯改良剤を用いて実施例3に準じて炊飯釜で炊飯し、炊飯米の分散性を目視で評価し、いずれも問題ないことを確認した。また、実施例8〜10で得られたご飯は、いずれも、充分なつや、粘りを有し、また、食味および食感も好ましいものだった。さらに、実施例3と同様に評価をおこなった。結果を表5に示す。

0077

0078

酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉を44重量%以上添加することで、風味、ご飯のふっくら感、老化防止の効果を得ることができた(実施例3、8〜10)。さらに、酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉と未処理のアミロース含量20%以下のでん粉の配合比が70:30〜85:15であるときに特に好ましい結果であった(実施例3、9)。一方、酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉を26重量%添加した場合には、ご飯のふっくら感を充分に得ることができなかった(比較例5)。

0079

(アミロース含量20%以下のでん粉の酸処理条件の検討)
表6に記載の配合で実施例1に準じて米飯改良剤を調製した。得られた米飯改良剤を用いて実施例3に準じて炊飯釜で炊飯し、炊飯米の分散性を目視で評価し、いずれも問題ないことを確認した。また、実施例11〜15で得られたご飯は、いずれも、充分なつや、粘りを有し、また、食味および食感も好ましいものだった。さらに、実施例3と同様に評価をおこなった。結果を表6に示す。

0080

0081

酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉のB型粘度の範囲が30〜14800cpsにおいて、風味、ご飯のふっくら感、老化防止の効果を得ることができた(実施例3、11〜15)。さらに、酸処理したアミロース含量20%以下のでん粉とのB型粘度の範囲が83〜5900cpsにおいて、さらに良い効果があった(実施例3、12〜14)。

0082

一方、デキストリンでは、風味の点で充分ではなく、また、ふっくら感および老化耐性の点においても本発明の米飯改良剤より劣っていた(比較例6)。

0083

(生米に対する添加量の検討)
実施例1の米飯改良剤を生米に対して表7のように配合し、実施例3に準じて炊飯釜で炊飯し、炊飯米の分散性を目視で評価し、いずれも問題ないことを確認した。また、実施例16〜19で得られたご飯は、いずれも、充分なつや、粘りを有し、また、食味および食感も好ましいものだった。さらに、実施例3に準じて評価をおこなった。結果を表7に示す。

0084

0085

生米に対し、本発明の米飯改良剤を0.5重量%〜4重量%添加することで、充分な効果を得られることかがわかった(実施例16〜19)。特に、1重量%〜3重量%添加することでより高い効果が得られることがわかった(実施例3、17、18)。

0086

なお、以上の実施例においては、得られた米飯を20℃で保存した後の評価結果を示したが、本発明における米飯改良剤を用いることにより、たとえばチルド保存においても同様の効果を得ることができる。
具体的には、実施例3において、得られた米飯を4℃で24時間保存した後、同様に評価したところ、風味、ご飯のふっくら感および老化感がいずれも好ましいことが確認された。

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