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技術 電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 田辺幹小川英紀池末龍哉斉藤善久満居隆浩大城真弓
出願日 2010年10月26日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-240126
公開日 2012年5月17日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2012-093521
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体 塗布装置1(接触、浸漬)
主要キーワード 引き上げ動作 B型粘度計 ステンレス製メッシュ プラスチック製支持体 開き目 液用ポンプ 溶剤蒸気濃度 マイラーシート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

電子写真感光体感光層を浸漬塗布で形成する際に発生する塗布膜タレ塗布ムラの問題を効果的に抑制し、均一な塗布膜の形成を可能にする電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法を提供する。

解決手段

円筒状被塗布体9を昇降可能に把持する手段10と塗布液2を収容する塗布槽1とを有し、塗布槽1に収容された塗布液2に円筒状被塗布体9を浸漬した後に引き上げて円筒状被塗布体9の表面に塗布膜を形成する電子写真感光体製造装置において、電子写真感光体製造装置は塗布槽1の上方に円筒状被塗布体9を通過させるための開口4を有する蓋3を有し、蓋3の上には開口4より断面積が大きいフード5が開口4の周囲を囲むようにして蓋3と密接して設けられており、フード5の上部はメッシュ状であり、フード5の下部は非メッシュ状になっている。

概要

背景

有機電子写真感光体は、導電性支持体の表面に有機材料で構成される感光層を塗布して製造される。感光層を塗布する手段は種々のものが知られているが、浸漬塗布法は一般に用いられている。円筒状の被塗布体を浸漬塗布する時には、感光層用塗布液を収容した塗布層に、円筒状被塗布体をその長手方向が液面に垂直になるようにして所定の位置まで浸漬し、次いで被塗布体を引き上げることによって被塗布体の表面に塗布膜を塗布する。塗布膜は、塗布液から引き上げられた直後から自然乾燥し始めるが、塗布膜の流動性が無くなり、指で触れても塗料が指に付着しない程度に固化するまで自然乾燥させることを指触乾燥と称することもある。通常は、指触乾燥に続いて熱風乾燥などの乾燥工程を行うことにより、塗布膜を完全に乾燥、固化させる。積層型感光体ではこの塗布工程、乾燥工程を各層ごとに繰り返し行うことによって感光体を製造する。

感光体の電気的特性は感光体の膜厚に左右される。感光体の一部分に著しく電気的特性の異なる部分がある場合、そこに画像ムラなどの画像欠陥が発生するため、感光層を構成する各層の塗布膜の膜厚は、長手方向、周方向を問わず全体が一様になっていることが望ましい。
被塗布体を塗布液から引き上げた直後は塗布膜に流動性があるため、微小な塗布膜の凹凸はこの流動性により均されてレベリングされる。すなわち、塗布膜の流動性が、塗布膜の平滑化に対して有益に働く。

しかし一方、被塗布体の表面に塗布された塗布液の流動性が指触乾燥により失われるまでの間、塗布された塗布液は重力により鉛直下方に流れていく。そのため塗布膜の流動性が長時間維持されてしまうと、塗布膜の膜厚を均一に保てなくなる。例えば前述の円筒状被塗布体の場合では、塗布時の上方側で膜厚は薄く、逆に下方側は厚くなり、被塗布体の長手方向での膜厚差が生じる。この問題をタレという。
タレを抑制するには、塗料中速乾性溶剤を含有させて指触乾燥を短時間で終了させることが有効である。そのため、塗料中の固形分の良溶媒となり、かつ揮発性の高い溶剤を塗料に含有させて用いることが広く行われている。

しかし速乾性の溶剤を含有させた場合、塗布液の固化が短時間で終了するかわりに、塗布膜が固化するまでに十分なレベリングができていなければ微小な塗布ムラが残ってしまうことになる。また、被塗布体の周囲の気流の影響で、塗布膜が固化するまでにかかる時間が場所によってばらついてしまう時にもムラは生じる。さらにまた、前記の通り溶剤は塗料中の固形分の良溶媒であるため、固化したばかりの塗布膜が濃い溶剤蒸気と接触することにより流動性を再度得てタレてしまい、そこに局所的な膜厚異常を生じる場合もある。すなわち塗布液から引き上げられた直後の被塗布体の周囲の雰囲気をいかにうまく制御するかが、塗布ムラとタレを両立させるための課題となる。

塗布液から引き上げた直後の被塗布体の周囲の雰囲気を制御するため、被塗布体の周囲を覆うフード排気装置に関する技術がこれまでに提案されている。
塗工液槽と被塗布体の周囲を覆いで覆う技術が特許文献1で提案されている。これは塗布装置の周囲の風の影響を防ぐための覆いを塗工液槽と被塗布体の周囲に設けるというものであるが、覆いの内部の雰囲気に含まれる溶剤蒸気の濃度は任意の状態を取り得る。そのため低沸点溶剤を含有する低粘度の塗料を用いる場合などにタレが起こる場合があった。

特許文献2では、塗布槽の上方に、外風遮蔽するための、全壁面が10μm〜1mmの開孔径を有するメッシュ状の筒状遮風器を設けた電子写真感光体製造装置が提案されている。しかし遮風器の全壁面がメッシュ状になっているため、遮風器の下部の溶剤蒸気が希薄になり、速乾性塗料を用いた場合に塗布膜のレベリングが不十分になる場合があった。

特許文献3では、塗布液受け皿の上部に塗布槽の外周よりも大きな開口を有する蓋を設け、前記塗布槽の上端を前記蓋の開口より突出させた浸漬塗布装置が提案されている。そして、その浸漬塗布装置に、蓋の開口径と同径以上の内周を有し、かつ、外周に外部と連通する連通孔が設けられた円筒状フードを、蓋の開口の上部に該開口と同心円になるように配した浸漬塗布装置も提案されている。この装置では、塗布槽の上部の溶剤蒸気濃度の低減に主眼が置かれているため、フードの連通孔の部分でフード内外の雰囲気を速やかに交換させる必用があり、その際発生する気流によりムラが発生する場合があった。また、塗布槽の上端が蓋より上に突出した構造になっているため、塗料の液面から蒸発した溶剤蒸気は直ちにフードの連通孔を通してフードの外部に拡散する。そのため、電子写真感光体大量生産する場合、塗布装置の周囲に拡散した溶剤蒸気の処理が問題になる場合があった。

特許文献4では、塗布槽の上方全面を覆う溶剤蒸気溜室と該溶剤蒸気溜室の上方に設けられた乾燥フードを有し、該溶媒蒸気溜室と該乾燥フードの間に溶媒蒸気を排出するための排出口を設けた塗布装置が提案されている。この装置の場合、排出口の部分で溶剤蒸気の濃度が希薄化するためタレの抑制には効果的である。しかしその反面、排出口の存在する部分に塗布膜が到達した時、塗布膜が急速に固化するため、排出口付近の気流の流れによって塗布ムラが生じる場合があった。

概要

電子写真感光体の感光層を浸漬塗布で形成する際に発生する塗布膜のタレや塗布ムラの問題を効果的に抑制し、均一な塗布膜の形成を可能にする電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法を提供する。円筒状被塗布体9を昇降可能に把持する手段10と塗布液2を収容する塗布槽1とを有し、塗布槽1に収容された塗布液2に円筒状被塗布体9を浸漬した後に引き上げて円筒状被塗布体9の表面に塗布膜を形成する電子写真感光体製造装置において、電子写真感光体製造装置は塗布槽1の上方に円筒状被塗布体9を通過させるための開口4を有する蓋3を有し、蓋3の上には開口4より断面積が大きいフード5が開口4の周囲を囲むようにして蓋3と密接して設けられており、フード5の上部はメッシュ状であり、フード5の下部は非メッシュ状になっている。

目的

従って生産性の観点からは、多様な感光層用塗布液のそれぞれに対応した最適な状態に、簡便な方法で塗布条件設定変更して塗布できる製造装置が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

円筒状被塗布体昇降可能に把持する手段と塗布液を収容する塗布槽とを有し、前記塗布槽に収容された塗布液に前記円筒状被塗布体を浸漬した後に引き上げて前記円筒状被塗布体の表面に塗布膜を形成する電子写真感光体製造装置において、前記電子写真感光体製造装置は前記塗布槽の上方に前記円筒状被塗布体を通過させるための開口を有する蓋を有し、前記蓋の上には前記開口より断面積が大きいフードが前記開口の周囲を囲むようにして前記蓋と密接して設けられており、前記フードの上部はメッシュ状であり、前記フードの下部は非メッシュ状になっていることを特徴とする電子写真感光体製造装置。

請求項2

請求項1に記載の電子写真感光体製造装置を用いる電子写真感光体製造方法において、前記フードの上部のメッシュ状の領域と前記フードの下部の非メッシュ状の領域との境界面を境界面Sとした場合、前記円筒状被塗布体を前記塗布液に浸漬した後に行なわれる前記円筒状被塗布体を引き上げる動作が、前記境界面S以上の高さに前記円筒状被塗布体の下端部が到達するまで停止することなく行なわれることを特徴とする電子写真感光体製造方法。

技術分野

0001

本発明は電子写真感光体製造装置および製造方法に関するものである。

背景技術

0002

有機電子写真感光体は、導電性支持体の表面に有機材料で構成される感光層を塗布して製造される。感光層を塗布する手段は種々のものが知られているが、浸漬塗布法は一般に用いられている。円筒状の被塗布体を浸漬塗布する時には、感光層用塗布液を収容した塗布層に、円筒状被塗布体をその長手方向が液面に垂直になるようにして所定の位置まで浸漬し、次いで被塗布体を引き上げることによって被塗布体の表面に塗布膜を塗布する。塗布膜は、塗布液から引き上げられた直後から自然乾燥し始めるが、塗布膜の流動性が無くなり、指で触れても塗料が指に付着しない程度に固化するまで自然乾燥させることを指触乾燥と称することもある。通常は、指触乾燥に続いて熱風乾燥などの乾燥工程を行うことにより、塗布膜を完全に乾燥、固化させる。積層型感光体ではこの塗布工程、乾燥工程を各層ごとに繰り返し行うことによって感光体を製造する。

0003

感光体の電気的特性は感光体の膜厚に左右される。感光体の一部分に著しく電気的特性の異なる部分がある場合、そこに画像ムラなどの画像欠陥が発生するため、感光層を構成する各層の塗布膜の膜厚は、長手方向、周方向を問わず全体が一様になっていることが望ましい。
被塗布体を塗布液から引き上げた直後は塗布膜に流動性があるため、微小な塗布膜の凹凸はこの流動性により均されてレベリングされる。すなわち、塗布膜の流動性が、塗布膜の平滑化に対して有益に働く。

0004

しかし一方、被塗布体の表面に塗布された塗布液の流動性が指触乾燥により失われるまでの間、塗布された塗布液は重力により鉛直下方に流れていく。そのため塗布膜の流動性が長時間維持されてしまうと、塗布膜の膜厚を均一に保てなくなる。例えば前述の円筒状被塗布体の場合では、塗布時の上方側で膜厚は薄く、逆に下方側は厚くなり、被塗布体の長手方向での膜厚差が生じる。この問題をタレという。
タレを抑制するには、塗料中速乾性溶剤を含有させて指触乾燥を短時間で終了させることが有効である。そのため、塗料中の固形分の良溶媒となり、かつ揮発性の高い溶剤を塗料に含有させて用いることが広く行われている。

0005

しかし速乾性の溶剤を含有させた場合、塗布液の固化が短時間で終了するかわりに、塗布膜が固化するまでに十分なレベリングができていなければ微小な塗布ムラが残ってしまうことになる。また、被塗布体の周囲の気流の影響で、塗布膜が固化するまでにかかる時間が場所によってばらついてしまう時にもムラは生じる。さらにまた、前記の通り溶剤は塗料中の固形分の良溶媒であるため、固化したばかりの塗布膜が濃い溶剤蒸気と接触することにより流動性を再度得てタレてしまい、そこに局所的な膜厚異常を生じる場合もある。すなわち塗布液から引き上げられた直後の被塗布体の周囲の雰囲気をいかにうまく制御するかが、塗布ムラとタレを両立させるための課題となる。

0006

塗布液から引き上げた直後の被塗布体の周囲の雰囲気を制御するため、被塗布体の周囲を覆うフード排気装置に関する技術がこれまでに提案されている。
塗工液槽と被塗布体の周囲を覆いで覆う技術が特許文献1で提案されている。これは塗布装置の周囲の風の影響を防ぐための覆いを塗工液槽と被塗布体の周囲に設けるというものであるが、覆いの内部の雰囲気に含まれる溶剤蒸気の濃度は任意の状態を取り得る。そのため低沸点溶剤を含有する低粘度の塗料を用いる場合などにタレが起こる場合があった。

0007

特許文献2では、塗布槽の上方に、外風遮蔽するための、全壁面が10μm〜1mmの開孔径を有するメッシュ状の筒状遮風器を設けた電子写真感光体製造装置が提案されている。しかし遮風器の全壁面がメッシュ状になっているため、遮風器の下部の溶剤蒸気が希薄になり、速乾性塗料を用いた場合に塗布膜のレベリングが不十分になる場合があった。

0008

特許文献3では、塗布液受け皿の上部に塗布槽の外周よりも大きな開口を有する蓋を設け、前記塗布槽の上端を前記蓋の開口より突出させた浸漬塗布装置が提案されている。そして、その浸漬塗布装置に、蓋の開口径と同径以上の内周を有し、かつ、外周に外部と連通する連通孔が設けられた円筒状フードを、蓋の開口の上部に該開口と同心円になるように配した浸漬塗布装置も提案されている。この装置では、塗布槽の上部の溶剤蒸気濃度の低減に主眼が置かれているため、フードの連通孔の部分でフード内外の雰囲気を速やかに交換させる必用があり、その際発生する気流によりムラが発生する場合があった。また、塗布槽の上端が蓋より上に突出した構造になっているため、塗料の液面から蒸発した溶剤蒸気は直ちにフードの連通孔を通してフードの外部に拡散する。そのため、電子写真感光体を大量生産する場合、塗布装置の周囲に拡散した溶剤蒸気の処理が問題になる場合があった。

0009

特許文献4では、塗布槽の上方全面を覆う溶剤蒸気溜室と該溶剤蒸気溜室の上方に設けられた乾燥フードを有し、該溶媒蒸気溜室と該乾燥フードの間に溶媒蒸気を排出するための排出口を設けた塗布装置が提案されている。この装置の場合、排出口の部分で溶剤蒸気の濃度が希薄化するためタレの抑制には効果的である。しかしその反面、排出口の存在する部分に塗布膜が到達した時、塗布膜が急速に固化するため、排出口付近の気流の流れによって塗布ムラが生じる場合があった。

先行技術

0010

特開昭59−127678号公報
特開平09−197689号公報
特開平10−337514号公報
特開2003−57858号公報

発明が解決しようとする課題

0011

近年は電子写真装置高画質化高精細化が進んでいる。そのため電子写真感光体の電気的特性の乱れについても従来より厳しく管理する必用が生じている。これは、従来の電子写真装置ならば画像欠陥として現れなかったレベルの比較的軽微な電気的特性の乱れが、高精細な電子写真装置で出力した画像では容易に視認できる画像欠陥になり得るためである。感光体の電気的特性の乱れを抑制して均一化をはかるためには、感光層の膜厚が一様に保たれていなければならない。よって従来の塗布技術よりも、膜厚の均一性平滑性に優れた塗布膜を形成できる感光層塗布技術が現在必用とされている。塗布膜のタレや膜厚ムラに対しては、塗布液から引き上げられた直後の塗布膜の流動性の制御が大きく影響する。そのため、その制御を容易化できれば塗布技術の向上に繋がる。その観点で、従来の塗布装置には更なる改善の余地が残されていた。また、電子写真装置も市場ニーズに合わせて多種多様なものが作られるようになり、それぞれの電子写真装置に最適化して設計される感光体の種類や構成も多岐に渡っている。従って生産性の観点からは、多様な感光層用塗布液のそれぞれに対応した最適な状態に、簡便な方法で塗布条件設定変更して塗布できる製造装置が望まれていた。

0012

本発明の目的は、感光層用塗布液の塗布を行う際に生じる塗布膜のタレとムラを簡便な方法で効果的に抑制し、感光層膜厚を均一に形成することのできる電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するため、本発明の電子写真感光体製造装置は、以下のように構成されることを特徴とする。
すなわち、円筒状被塗布体を昇降可能に把持する手段と塗布液を収容する塗布槽とを有し、該塗布槽に収容された塗布液に該円筒状被塗布体を浸漬した後引き上げて該円筒状被塗布体の表面に塗布膜を形成する電子写真感光体製造装置において、該電子写真感光体製造装置は該塗布槽の上方に該円筒状被塗布体を通過させるための開口を有する蓋を有し、該蓋の上には該開口より断面積が大きいフードが該開口の周囲を囲むようにして該蓋と密着して設けられており、該フード上部はメッシュ状であり、該フード下部は非メッシュ状になっていることを特徴とする電子写真感光体製造装置である。

0014

また、本発明の電子写真感光体製造方法は、前記電子写真感光体製造装置において、該フード上部のメッシュ状の領域と該フード下部の非メッシュ状の領域との境界面を境界面Sとした時、該円筒状被塗布体を該塗布液に浸漬した後に行なわれる該円筒状被塗布体を引き上げる動作が、該境界面S以上の高さに該円筒状被塗布体の下端部が到達するまで停止することなく行なわれることを特徴とする電子写真感光体製造方法である。

発明の効果

0015

本発明の電子写真感光体製造装置によれば、感光層用塗料の浸漬塗布を行う際、塗布液から引き上げられた直後の被塗布体の周辺の溶剤蒸気の濃度を段階的に希薄化させていくことができる。そのため、タレの悪化を抑制しつつ塗布膜のレベリング性を適度に維持することが可能になり、塗布ムラの発生を抑制することができる。また、固化する前の塗布膜に周囲の気流が直接吹き付けることを防いで気流により生じるムラを防ぐこともできる。
また、本発明の電子写真感光体製造方法によれば、被塗布体の下端部に生じる塗料のタレを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の電子写真感光体製造装置の概略図である。
本発明の電子写真感光体製造装置に適用可能なフードの一例である。
本発明の電子写真感光体製造装置に適用可能なフードの一例である。
本発明の電子写真感光体製造装置に適用可能なフードの一例である。
本発明の電子写真感光体製造装置に適用可能なフードの一例である。
本発明の電子写真感光体製造装置の概略断面図である。

0017

本発明の電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法について以下に説明する。
本発明の電子写真感光体製造装置の概略図を図1に示す。被塗布体9はその上端側が被塗布体把持手段10によって把持されており、把持手段10は被塗布体9を把持したまま昇降可能である。把持手段10は被塗布体9をフード5の内部と塗布槽の蓋3に開いている開口4とを通過させて、塗布槽1に収容された塗布液2に所定の深さまで浸漬させることができる。フード5の断面積は開口4の断面積よりも大きい。フード5は開口の周囲を囲むようにして、蓋3の上に密接して設けられている。また、フード5の上部はメッシュ状の部分6になっており、一方フード5の下部は非メッシュ状の部分7になっている。

0018

塗布膜の塗布は、塗布液2に浸漬させた被塗布体9を所定の速度で塗布液2から引き上げることにより行われる。塗布膜の膜厚は、被塗布体9の引き上げ速度や塗布液2の粘度/固形分を変更することで調節できる。
塗布液2から引き上げられた被塗布体9は、再び蓋3の開口4とフード5の内部を通過していく。ここで、被塗布体9を引き上げる動作は、フード5のメッシュ状の部分6と非メッシュ状の部分7とが成す境界面(境界面S)8を、被塗布体9の下端部が通過するまでは停止することなく行われる。

0019

このようにして塗布膜を塗布された被塗布体は、フードの上方から塗布装置の系外に取り出され、続いて乾燥工程(不図示)に送られて乾燥され、塗布膜の形成は完了する。
塗布槽に収容された塗布液の液面から蓋の上面までの領域は、最も溶剤蒸気が濃い領域になる。簡単のため、この領域のことをここでは領域Aと呼ぶことにする。塗布膜が領域Aにある間、塗布膜の流動性は高い状態に保たれ続けるため、塗布膜のタレが生じやすい。したがって塗布膜の同一部分が領域Aに留まる時間は短い方がよい。目安としては、10秒以内、更に望ましくは5秒以内に領域Aを通過することが好ましい。時間の短縮は、被塗布体を引き上げる速度を速めるか、塗布液の液面から蓋の上面までの距離を短くすることにより達成することができる。ただし、被塗布体の引き上げ速度は塗布膜の膜厚を決める重要なパラメータの一つであり、また、引き上げ速度が速すぎると塗布液面波打ちなどの影響による塗布膜の乱れが悪化する懸念もある。したがって、多様な感光体の製造に適した装置の構成を考える上では、塗布液面から蓋の上面までの距離を短くする方が現実的である。具体的にはこの距離を20mm以下程度にしておけばよい。

0020

前記の通り、領域Aの上には、蓋に密接するようにしてフードが設けられている。そのため、両者の接する部分からフード外の雰囲気が流れ込むことはない。フードは下部が非メッシュ状で、上部はメッシュ状になっている。簡単のため、ここではフードの非メッシュ状の部分に囲まれたフード内の領域を領域Bとし、フードのメッシュ上の部分に囲まれたフード内の領域を領域Cと呼ぶことにする。

0021

フードを設ける大きな理由の一つは、フードの内部、すなわち領域Bおよび領域Cを通過中の被塗布体の塗布膜に対し、フードの外部を流れる気流が直接あたってムラを作らないようにするためである。領域Cを囲うメッシュ状の部分は開孔を有するため、フード内外の雰囲気はその開孔を通じて緩やかに交換されるが、開孔径を2mm以下、より好ましくは1mm以下にしておくことにより、フード外の気流が被塗布体に直接吹き付ける影響を十分に抑制できる。

0022

領域A、領域Bおよび領域Cは、被塗布体が通過するための開口を通じてこの順に連通している。よって、塗布液表面から立ち昇る溶剤蒸気は領域Aから領域B、領域Cへと順に移動していく。一方、フードの上端部は被塗布体が通過できるよう開放されているため、そこからフード内外の雰囲気の交換が行われる。さらに、領域Cではフードのメッシュ状の開孔を通してもフード内外の雰囲気が緩やかに交換される。よって、領域Cでは領域Aに比べて溶剤蒸気は希薄化する。また、領域Aと領域Cに挟まれる領域Bでは、領域Aおよび領域Cとだけ雰囲気の交換が行われるため、最も溶剤蒸気の濃度が高い領域Aと、最も濃度が低い領域Cの中間の溶剤蒸気濃度になる。

0023

引き上げられた被塗布体の表面の塗布膜は、適度に溶剤蒸気の濃度が低下した領域Bを通過する間に、表面のレベリングと固化の両方が緩やかに進行し、平滑でなおかつタレの少ない良好な膜に形作られていく。続いて溶剤蒸気濃度がより低い領域Cを通過する時、塗布膜の固化は更に進み、同時に塗布膜の表面の流動性は大きく低下する。そのため領域Cを通過中の塗布膜はレベリングされにくくなるが、その一方でタレの発生を抑制することができる。そして塗布膜がフード上端からフード外に出るまでの間に塗布膜の表面を十分固化させることにより、フード外の気流に塗布膜が晒されて発生するムラを抑制できる。

0024

仮にフード全体が非メッシュ状になっていたとすると、領域Aから上昇してくる溶剤蒸気がフード内を満たしてしまい、塗布膜の表面の流動性が長時間保たれてしまうために塗布膜のタレが悪化する。その対策として、フードの長さを短くし、フード上端の開口部で生じる雰囲気の交換のみを利用して、フード内の溶剤蒸気を希薄化する方法を考えることもできる。しかしその場合、表面の流動性が高いままの塗布膜がフード上端から排出されてフード外の気流に直接晒されるため、塗布膜のムラは悪化してしまう。このような問題は低粘度の塗布液を用いて比較的厚い塗布膜を塗布する場合に顕著に表れる。例えば、低粘度の電荷輸送層用塗布液を用いて、乾燥後の塗布膜の厚さが10μm以上になるよう塗布する場合などに起きやすい。

0025

また、フード全体がメッシュ状になっていたとすると、フード内外の雰囲気がフード上端の開口部とメッシュの開孔を通じて交換されるため、フード内の溶剤蒸気は全体的に希薄化する。そのためフード内を通過する塗布膜は速やかに固化が進行し、タレは起こり難くなる。しかしその反面、塗布膜の表面の流動性が保たれる時間は短くなるので、塗布液から被塗布体を引き上げる動作により生じる微小な塗布ムラが完全にレベリングされる前に固化してムラになる問題が発生しやすくなる。この問題に対し、領域Aを通過する時間を長くしてレベリングさせる方法を考えることもできるが、領域Aは溶剤蒸気濃度が高いため、塗布膜のタレは悪化してしまう。このような問題は、低沸点溶剤を多く含む塗料を用いて、比較的厚い塗布膜を塗布する場合に起こりやすい。例えば沸点が40℃〜80℃程度の溶剤を30wt%以上含有する電荷輸送層用塗布液を用いて、乾燥後の塗布膜の厚さが10μm以上になるよう塗布する場合などがそれに該当する。

0026

上記の通り、本発明の電子写真感光体製造装置では、塗布液を塗布した塗布膜を、フード外の気流が直接吹き付けないよう保護しながら溶剤蒸気の濃度が高い領域、中程度の領域、低い領域の順に通過させてフード外に排出することが特徴になっている。その中でも、溶剤蒸気の濃度が中程度になる領域Bが、塗布膜の平滑さとタレの防止を両立させるために重要な役割を果たしている。領域Bの溶剤蒸気濃度が中程度になるためには、相対的に溶剤蒸気が希薄化している領域C内の雰囲気が必要となる。そのためフードのメッシュ状の部分は、フード内外の雰囲気が緩やかに交換するために適した大きさの開孔が、適度な密度で存在していなければならない。開孔径が小さすぎると、フード内外の雰囲気の交換が困難になる。また、単位面積あたりに開孔部が占める面積の割合が小さすぎてもフード内外の雰囲気の交換が不十分となる。目安として、開口部の開孔径が100μm以上のメッシュであれば、開孔を通じた雰囲気の交換を生じさせることができる。前述の通り、開孔径が2mmを超えるとフード外を流れる気流の影響が問題になってくるため、開孔径は2mm以下、より好ましくは1mm以下に留める方がよい。また、メッシュ状の部分の単位面積あたりに開孔部が占める面積の割合が30%〜80%の範囲にあれば、フード内外の雰囲気の交換は適度に行われるので好ましい。

0027

領域Bは、塗布膜のレベリングと固化が並行して行われる領域になるため、塗布膜はある程度以上の時間をかけて領域Bを通過させる必要がある。ただし、領域Bに塗布膜が留まる時間が長すぎるとタレの悪化を招く恐れがある。使用する塗料の粘度や温度、塗料に含まれる溶剤、塗工速度などにもよるが、目安としては、塗布膜が領域Bを通過するために要する時間を3秒以上、20秒以下とすることが好ましい。引き上げ動作によって塗布液の液面に乱れが発生しない現実的な塗工速度を前提とした場合、塗布槽の蓋の上面から、フードの非メッシュ状の領域とメッシュ状の領域の境界面Sまでの距離の目安は、20mm以上、50mm以下が好ましい。

0028

領域Cは、塗布膜が十分に固化するまでの間、フード外の気流から塗布膜を保護する機能を果たす。そのため、塗布膜の表面が固化するために要する時間よりも長い時間をかけて、塗布膜が領域Cを通過するようにする必要がある。使用する塗料の粘度や温度、塗料に含まれる溶剤、塗工速度などにもよるが、目安としては、塗布膜が領域C通過するために要する時間を20秒以上にすることが好ましい。引き上げ動作によって塗布液の液面に乱れが発生しない現実的な塗工速度を前提とした場合、フードの非メッシュ状の領域とメッシュ状の領域の境界面Sからフード上端までの好ましい距離の目安は20mm以上である。これらの時間および距離には、塗布膜に及ぼす悪影響を排除するために設けられる上限はない。よって、これらの上限は、実際の装置の寸法や生産効率を考慮して設定すればよい。

0029

フードのメッシュ状の部分を通じて行われるフード内外の雰囲気の交換は、フードの周方向に関して均等に行われることが最も好ましい。よって、ある程度の幅の太さを有し、なおかつ開孔を有さない骨組みに対してメッシュを貼り付けた構成よりも、骨組みを用いずにフードの形状を維持可能な強度を有する金属製のメッシュなどを用いて、フードのメッシュ状の部分を構成する方が好ましい。

0030

また、領域Bおよび領域Cを塗布膜が通過している間、被塗布体の周方向に関しては、塗布膜に触れる溶剤蒸気の濃度が均一であることが望ましい。よって、塗布槽の蓋の開口およびフードの水平方向の断面は円形になっていることが好ましい。また、円筒状被塗布体の塗布中に、円筒状被塗布体の水平方向断面が成す円と、塗布槽の蓋の開口が成す円、およびフードの水平方向断面が成す円の全てが同心円を成すよう配置されていることが、さらに好ましい。

0031

フードの周面の開孔は、その開孔を通じてフード内外の雰囲気の交換が行われなければ、それは実質的には非メッシュ状の部分と同じ機能を果たすといえる。そのため、フードのメッシュ状の部分にある開孔を何らかの方法によって塞いだ状態になっている場合、その開孔が塞がれた領域は非メッシュ状の領域に相当する。例えば図2に示すように、全体がメッシュ状になっている円筒状フード11の下部全周を、全体が非メッシュ状になっている円筒状フード12により隙間無く覆った形状のフードを使用した場合、これは本発明の実施形態のひとつとなる。なお、図2では円筒状フード11の外側に円筒状フード12を組み付けた構成が示されているが、逆に円筒状フード11の内側に円筒状フード12を組み付けた構成になっていたとしてもやはり本発明の実施形態のひとつとなる。

0032

本発明の電子写真感光体製造装置に好適に用いることのできるフードの形状の例を図3から図5に示す。図3は被塗布体が1本の時に用いる角柱型のフードである。図4図5は、縦横4列ずつに並べた16本の被塗布体を同時に塗布できる製造装置に用いるためのフードの例である。図4は、図3の角柱型のフードを縦横4列ずつに並べて連結した構成になっている。図5は円筒状のフードを縦横4列ずつ並べて配置した構成になっている。なお、本発明の電子写真感光体製造装置に用いられるフードの形態は、これらに限定されるものではない。

0033

本発明の電子写真感光体製造方法は、本発明の電子写真感光体製造装置を用い、以下のようにして被塗布体への塗布液の塗布を行うことを特徴とする。すなわち、塗布液に浸漬された円筒状被塗布体を引き上げる動作が、フード上部のメッシュ状の領域とフード下部の非メッシュ状の領域との境界面S以上の高さに円筒状被塗布体の下端部が到達するまで停止することなく行なわれることを特徴とする。

0034

境界面Sよりも下の領域とは、すなわち前記の領域Aおよび/または領域Bである。被塗布体の下端側の一部が領域Aおよび/または領域Bに留まった状態で被塗布体を引き上げる動作を停止させると、これらの領域の雰囲気に含まれる比較的高い濃度の溶剤蒸気の影響で、塗布膜のタレが発生する場合がある。このタレは、引き上げる動作が停止した時に境界面Sよりも下側に位置していた塗布膜に現れる。タレが生じた部分では塗布膜に膜厚ムラが発生し、それが感光体の電気的特性の局所的な異常の原因になるため好ましくない。被塗布体を引き上げる動作が前記境界面S以上の高さに該円筒状被塗布体の下端部が到達するまで停止せずに行われるならば、塗布液を塗布された被塗布体の全体が領域C以上の高さに位置することになる。その場合、前記の通り、平滑に形成された塗布膜の固化の進行のみが行われるので、被塗布体の塗布下端側の一部に塗布ムラが生じる問題の発生を抑制することができる。

0035

次に、本発明の電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法で製造される電子写真感光体の構成を具体的に説明する。
本発明の電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法は、円筒状の支持体の上に電荷発生層電荷輸送層を積層してなる積層型の電子写真感光体の製造に用いることができる。また、電荷発生物質電荷輸送物質を含有する単一の層からなる単層型の電子写真感光体の製造にも用いることができる。

0036

以下に、電子写真感光体の感光層を支持する支持体と、支持体の上に形成される積層型感光体の導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層の構成に関して具体的に述べる。本発明の電子写真感光体製造装置および電子写真感光体製造方法は、これらの各層の塗布に適用することができる。

0037

円筒状支持体は、導電性を有する導電性支持体であればよい。導電性支持体の材質としては、たとえば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム亜鉛チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモンインジウムクロムアルミニウム合金ステンレスなどの金属あるいは合金などが挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム酸化スズ合金などを真空蒸着することによって形成した層を有するプラスチック製支持体などを用いることもできる。また、カーボンブラック酸化スズ粒子酸化チタン粒子銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を用いて形成したプラスチック製の支持体などを用いることもできる。これらの支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理粗面化処理アルマイト処理などが施してあってもよい。

0038

導電性支持体と、後述する中間層や電荷発生層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、導電性支持体の傷の被覆を目的とした導電層を形成してもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料抵抗調節顔料を結着樹脂とともに溶剤に分散および/または溶解させて得られる導電層用塗布液を、支持体の上に塗布、乾燥して形成することができる。導電層用塗布液には、加熱や放射線照射によって重合し、硬化物となる化合物重合性の化合物)を含有させてもよい。
導電層の層厚は、0.2〜40μmであることが好ましく、1〜35μmであることがより好ましく、5〜35μmであることがより一層好ましい。

0040

導電層に用いられる導電性顔料および抵抗調節顔料としては、たとえば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属や合金の粒子や、これらを樹脂の粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子でもよい。これらの粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体融着の形にしてもよい。

0041

導電性支持体または導電性支持体の上に形成された導電層と電荷発生層との間には、バリア機能接着機能を有する中間層を形成してもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などを目的として形成される。

0042

中間層の材料としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾールポリエチレンオキシドエチルセルロースエチレンアクリル酸共重合体カゼインポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン共重合ナイロンにかわゼラチンなどが挙げられる。
中間層は、上記の材料を溶剤に溶解させて得られる中間層用塗布液を塗布、乾燥して形成することができる。
中間層の層厚は0.05〜7μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。

0043

導電性支持体、導電層または中間層の上には、電荷発生物質を含有する電荷発生層が形成される。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、たとえば、セレンテルルピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属および各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料アンアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0044

電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質を0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー超音波分散ボールミル振動ボールミルサンドミルアトライター、ロールミルまたは高圧分散機などを用いる方法で分散して得ることができる。結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。

0045

電荷発生層は、上記の電荷発生層用塗布液を塗布、乾燥して形成することができる。
電荷発生層の層厚は5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷発生層の上には、電荷輸送層が形成される。
電荷輸送層には、そこに含有される結着樹脂自体が電荷輸送能を持つ場合を除き、電荷輸送物質が含有される。電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールポリスチリルアトラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリンイミダゾールオキサゾールトリアゾールカルバゾールなどの複素環化合物トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体ヒドラゾン誘導体といった低分子化合物などが挙げられる。

0046

電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を電荷発生層の上に塗布、乾燥させて形成することができる。結着樹脂としては、前記の電荷発生層用の結着樹脂と同様のものを使用する事ができる。また、架橋性モノマーオリゴマーを塗布液に含有させ、それを被塗布体に塗布してから重合させることにより、強靭な電荷輸送層を形成することもできる。また、結着樹脂自体に電化輸送性分子構造を持たせた電荷輸送能を有する結着樹脂を用いることもできるが、その場合は電荷輸送能を有する結着樹脂のみを用いて電荷輸送層を形成することもできる。

0047

電荷輸送層中に含まれる電荷輸送物質の量は20〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。ただし、結着樹脂自体が電荷輸送能を有する場合、それ以外の電荷輸送物質の添加量は0〜50質量%でよい。
また、電荷輸送層の耐久性を向上させるため、各種のフィラー潤滑剤を含有させてもよい。フィラーの例としては、アルミナシリカなどを挙げることができる。また、潤滑剤の例としては、フッ素原子含有樹脂粒子などを挙げることができる。
電荷輸送層の層厚は、5μm以上、50μm以下であることが好ましく、さらには8μm以上、35μm以下であることがより好ましい。

0048

以上に述べた電荷発生層と電荷輸送層の形成までを行うことにより完成する電子写真感光体もあるが、必要に応じて最表面に保護層を設ける場合もある。一般的に、保護層は電子写真感光体の耐久性向上のために用いられる。そのため、耐磨耗性に優れる結着樹脂やフィラーなどを保護層に含有させることが多い。また、電子写真感光体の電気的特性を悪化させないよう電荷輸送物質を含有させる場合もあるが、このような保護層は、第二の電荷輸送層とみなすこともできる。

0049

保護層に用いることのできる結着樹脂、電荷輸送物質、フィラーおよび潤滑剤の例は、前記電荷輸送層の説明で列挙したものと同様である。これらを溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液を最表面に塗布、乾燥させることにより、保護層を有する電子写真感光体を得ることができる。
保護層の膜厚は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。

0050

以上に述べた各層には、必用に応じて酸化防止剤紫外線吸収剤などの各種の添加剤を添加することができる。
なお、電子写真感光体の表面を正に帯電させて用いる正帯電型の電子写真感光体などでは、先に電荷輸送層を形成し、その次に電荷発生層を塗布して電子写真感光体を製造する場合もある。

0051

以上に述べた各層の塗布液に用いる溶剤は、個々の塗布液に合わせて適切なものを選択して用いることができる。例えば電荷輸送層の場合、通常は結着樹脂や電荷輸送物質を溶剤に溶解させて塗布液にするため、これらの材料を溶解させることのできる溶剤の中から選択すればよい。また、電荷発生層の電荷発生物質のように、溶剤に溶解させた結着樹脂中に分散させて用いる材料を含有する塗布液の場合は、それらの材料の分散性が良好な溶剤を選択するとよい。

0052

塗布液に用いることのできる溶剤の例としては、メタノールエタノールn−プロパノールのようなアルコールシクロヘキサンベンゼントルエンキシレンのような炭化水素ジクロロメタンモノクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素テトラヒドロフランのようなエーテルメチラールのようなアセタールアセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノンのようなケトン酢酸エチル酢酸n−ブチルのようなエステルなど、各種の有機溶剤を挙げることができる。また、水を用いることもできる。
これらの溶剤は1種類のみ用いてもよいが、保存性や塗工性といった塗布液の使いやすさを向上させるため、沸点の異なる複数の溶剤を組み合わせて用いることもできる。
塗布液の粘度の測定をする場合は、塗布液に含有される溶剤や塗布液の粘度に合わせて適切な手段および機器を選択すればよく、例えばB型粘度計を用いることにより測定することができる。本発明においては、浦システム株式会社製 単一円筒型回転粘度計ビスメトロ形式VS−A1を使用し、測定温度23℃、回転数60rpmにて塗布液の粘度を測定した。

0053

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
<電子写真感光体の作成>
長さ370mmの円筒状アルミニウムシリンダーを支持体とした。この支持体の直径(外径)φ1は30mmであった。

0054

次に、以下の成分:
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製) 60部
酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製) 15部
レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%) 43部
2−メトキシ1−プロパノール50部
メタノール50部
からなる溶液を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散処理を施し、分散液を調製した。

0055

この分散液に、以下の成分:
シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製) 3.6部
シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製) 0.015部
を添加して攪拌した。

0056

更に、2−メトキシ−1−プロパノールとメタノールを等量ずつ混合した溶剤を添加し、塗布液の液温23℃で測定した時の粘度が48mPa・sとなるよう調整して導電層用塗布液を得た。
ここで、導電層用塗布液の粘度は次のようにして測定した。
測定装置:単一円筒型回転粘度計ビスメトロン形式VS−A1(芝浦システム株式会社製)。
ローターはNo.1を使用した。塗布液が約500ml入っている500mlビーカーにローターを入れ、次いでローターを60rpmで回転させた。ローターの回転開始から60秒後に測定された値を導電層用塗布液の粘度とした。
この導電層用塗布液を、室温23℃の環境下で、被塗布体の引き上げ速度7mm/sで支持体の上に浸漬塗布した。続いて140℃のオーブンで1時間加熱硬化させることにより、被塗布体の長手方向中央部で測定した膜厚が15μmの導電層を形成した。

0057

導電層の浸漬塗布に用いた塗布装置の概略図を図6に示す。塗布槽1の蓋3には被塗布体9を通過させるための円形の開口4があり、その直径(内径)φ2は50mmであった。この開口4の周囲を囲うようにして、蓋3の上には蓋3と密接して設けられた円筒形のフード5がある。フード5の直径(内径)φ3は62mmであった。フード5の下部は非メッシュ状の部分7になっているが、ここでは開孔を有さないマイラーシートを用いた。また、フードの上部はメッシュ状の部分6になっているが、ここではステンレス製メッシュを用いた。ステンレス製メッシュの開孔径(開き目)Mは0.5mm、単位面積あたりに開孔部の面積が占める割合So(開口率)は61%であった。

0058

塗布液2の液面から塗布槽の蓋の上面までの距離L(a)は20mmであった。また、塗布槽の蓋の上面から、フードのマイラーシート部とステンレス製メッシュ部との境界面S(図6中の8)までの距離L(b)は20mmであった。また、境界面Sからフードの上端までの距離L(c)は50mmであった。
被塗布体9は被塗布体把持手段10により把持され、塗布液2に浸漬させられる。この時、被塗布体9の上端から2mmの位置に塗布液2の液面が来るように浸漬を行った。続いて被塗布体9を塗布液2から引き上げ、塗布膜の塗布を行ったが、この引き上げる動作は被塗布体9の下端部が前記境界面Sの上方20mmに到達するまで停止することなく行うように設定した。被塗布体9は、引き上げ動作が停止してから5秒間その位置で静止し、続いて更に上方に引き上げられて塗布装置の外に排出され、乾燥工程に送られた。

0059

塗布の際、塗布液は次の経路循環させた。まず、塗布液は、送液用ポンプを備えた送液装置13により送液用配管14を通じて塗布槽1の下方から塗布槽の内部に導かれる。塗布液は塗布槽の上端からオーバーフローし、液受け部16に溜まる。液受け部16に溜まった塗料17は、回収液用の配管15を通じて再び送液装置13に戻される。

0060

次に、以下の成分:
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製) 10部
メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製) 30部
をメタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させた。

0061

さらに、メタノール/n−ブタノールを2/1の質量比で混合した溶剤を加え、塗布液の液温23℃で測定した粘度が4mPa・sとなるように調整して中間層用塗布液を得た。
ここで、中間層用塗布液の粘度は次のようにして測定した。
測定装置:単一円筒型回転粘度計ビスメトロン形式VS−A1(芝浦システム株式会社製)。
測定には低粘度アダプターを使用した。低粘度アダプターのカップシリンダーに塗布液を20ml入れ、次いでローターを60rpmで回転させた。ローターの回転開始から60秒後に測定された値を中間層用塗布液の粘度とした。
この中間層用塗布液を、室温23℃の環境下で、導電層を塗布したのと同一構成の塗布装置を使用し、被塗布体の引き上げ速度6mm/sで導電層の上に浸漬塗布した。続いて30分間100℃のオーブンで乾燥(加熱乾燥)させることにより、被塗布体の長手方向中央部で測定した膜厚が0.4μmの中間層を形成した。

0062

次に、以下の成分:
ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CuKα特性X線回折において、7.4°および28.2°(ブラッグ角2θ±0.2°))に強いピークを有するもの) 20部
下記構造式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部

0063

0064

ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製) 10部
シクロヘキサノン600部
に、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散処理を施し、その後酢酸エチル700部を加えた。

0065

さらに、シクロヘキサノン/酢酸エチルを1/2の質量比で混合した溶剤を加え、固形分が2wt%となるように調整して電荷発生層用分散液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、室温23℃の環境下で、導電層を塗布したのと同一構成の塗布装置を使用し、被塗布体の引き上げ速度6.5mm/sで中間層の上に浸漬塗布した。続いて10分間85℃のオーブンで乾燥(加熱乾燥)させることにより、被塗布体の長手方向中央部で測定した膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。

0066

次に、以下の成分:
下記構造式(CTM−1)で示される電荷輸送物質50部

0067

下記構造式(CTM−2)で示される電荷輸送物質50部

0068

0069

ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製) 100部
をモノクロロベンゼン520部/メチラール280部の混合溶剤に溶解させた。

0070

さらに、モノクロロベンゼン/メチラールを65/35の質量比で混合した混合溶剤を加え、塗布液の液温23℃で測定した粘度が250mPa・sとなるように調整して電荷輸送層用塗布液を得た。
ここで、電荷輸送層用塗布液の粘度は次のようにして測定した。
測定装置:単一円筒型回転粘度計ビスメトロン形式VS−A1(芝浦システム株式会社製)。
ローターはNo.2を使用した。塗布液が約100ml入っている100mlビーカーにローターを入れ、次いでローターを60rpmで回転させた。ローターの回転開始から60秒後に測定された値を電荷輸送層用塗布液の粘度とした。
この電荷輸送層用塗布液を、室温23℃の環境下で、導電層を塗布したのと同一構成の塗布装置を使用し、被塗布体の引き上げ速度2.5mm/sで電荷発生層の上に浸漬塗布した。

0071

続いて60分間100℃のオーブンで乾燥(加熱乾燥)させて電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。被塗布体の長手方向中央部で測定した電荷輸送層の膜厚は18μmであった。
また、これと全く同様にして、長さ370mm、直径(外径)30mmの円筒状アルミニウムシリンダーに対して電荷輸送層用塗布液の塗布と乾燥を行い、塗布膜上端部のタレの評価に用いるサンプルを作成した。

0072

画像評価
このようにして得た電子写真感光体を、キヤノン(株)製の電子写真複写機iR3245に装着し、全面ハーフトーンの画像を出力した。出力画像に発生した画像ムラを目視により以下のランク基準に従い評価した結果は表1に示すようにランクAであった。
A=画像ムラが無く良好な状態
B=軽微な画像ムラがあるが実使用上問題無い状態
C=画像ムラがあり、実使用上問題となる状態

0073

<塗布膜上端部のタレの評価>
塗布膜上端部のタレの評価をするために作成したサンプルを用いて、以下の測定を行った。
まず、被塗布体の長手方向中央部の塗布膜の平均膜厚d(1)を測定した。平均膜厚は、測定1回ごとに被塗布体を周方向に45°ずつ回転させ、被塗布体の周方向8箇所で測定した膜厚を平均して求めた。

0074

続いて、浸漬塗布した時に被塗布体の鉛直上方側になっていた方のシリンダー端部から10mmの位置で、同様にして塗布膜の平均膜厚d(2)を測定した。
次に、タレの指標としてD=d(2)/d(1)を求めた。Dは0以上1以下の値をとり、1に近いほどタレが少なく良好な状態になっていることを意味する。
実施例1のタレ評価用サンプルを測定した結果は0.88であった。

0075

〔実施例2〕
実施例1と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整をモノクロロベンゼン/メチラールを70/30の比となるように行ったこと以外は実施例1と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
続いて、電荷輸送層用塗布液の塗布装置のφ2、φ3、L(a)、L(b)、L(c)、M、Soを表1のように変更し、被塗布体を引き上げる動作が被塗布体の下端部が境界面Sに一致した時に停止するように変更した。これら変更以外は実施例1と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体、およびタレ評価用のサンプルを作成した。
続いて、実施例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価とタレの評価を行った。評価結果を表1に示す。

0076

0077

〔実施例3〜6〕
実施例1と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
電荷輸送層用塗布液の塗布装置のφ2、φ3、L(a)、L(b)、L(c)、M、Soを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体、およびタレ評価用のサンプルを作成した。
続いて、実施例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価とタレの評価を行った。評価結果を表1に示す。

0078

〔実施例7〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際、被塗布体を引き上げる動作が、被塗布体の下端部が境界面Sの下方25mmの位置で停止するように変更した以外は実施例3と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体、およびタレ評価用のサンプルを作成した。
続いて、実施例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価とタレの評価を行った。評価結果を表1に示す。
画像評価で発生した画像ムラは、電荷輸送層の塗布の際、被塗布体を引き上げる動作が停止した時に境界面Sより下方に位置していた領域で発生した。

0079

〔比較例1〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
電荷輸送層用塗布液の塗布装置のフードを、直径(内径)60mm、長さ180mmで全体がマイラーシートで構成されたフードに変更した以外は実施例3と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体、およびタレ評価用のサンプルを作成した。
続いて、実施例3と同様にして、電子写真感光体の画像評価とタレの評価を行った。評価結果を表1に示す。

0080

〔比較例2〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
電荷輸送層用塗布液の塗布装置のフードを、直径(内径)60mm、長さ180mmで全体がM=0.5mm、So=61%のステンレス製メッシュで構成されたフードに変更した。かかる変更以外は実施例3と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体、およびタレ評価用のサンプルを作成した。
続いて、実施例3と同様にして、電子写真感光体の画像評価とタレの評価を行った。評価結果を表1に示す。

0081

表1から、フード内の溶剤蒸気濃度を段階的に変化させることにより、ムラとタレの発生を同時に抑制できることが分かる。また、塗布液に浸漬させた被塗布体を引き上げる動作が,被塗布体の下端部が境界面S以上に到達するまで停止することなく行われることにより、より良好な塗布膜が得られることが分かる。

0082

〔実施例8〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整において、構造式(CTM−1)で示される電荷輸送物質を100部とし、構造式(CTM−2)で示される電荷輸送物質を用いず、モノクロロベンゼンの代わりにo−キシレンを用いて行ったこと以外は実施例3と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
次に、実施例3と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体を作成した。
続いて、実施例3と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0083

0084

〔比較例3〕
電荷輸送層用塗布液として実施例8で用いたものを用いる以外は、比較例1と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0085

〔比較例4〕
電荷輸送層用塗布液として実施例8で用いたものを用いる以外は、比較例2と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0086

〔実施例9〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整において、o−キシレンの代わりにモノクロロベンゼンを用い、モノクロロベンゼンとメチラールの比が40/60となるように調整したこと以外は実施例8と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
次に、実施例8と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体を作成した。
続いて、実施例8と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0087

〔比較例5〕
電荷輸送層用塗布液として実施例9で用いたものを用いる以外は、比較例1と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0088

〔実施例10〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整において、o−キシレンの代わりにモノクロロベンゼンを用い、メチラールの代わりにテトラヒドロフランを用いた以外は実施例8と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
次に、実施例8と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体を作成した。
続いて、実施例8と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0089

〔比較例6〕
電荷輸送層用塗布液として実施例10で用いたものを用いる以外は、比較例1と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0090

〔比較例7〕
電荷輸送層用塗布液として実施例10で用いたものを用いる以外は、比較例2と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0091

〔実施例11〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整において、テトラヒドロフランの代わりにメチルエチルケトンを用いた以外は実施例10と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
次に、実施例10と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体を作成した。
続いて、実施例10と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0092

〔比較例8〕
電荷輸送層用塗布液として実施例11で用いたものを用いる以外は、比較例1と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0093

〔比較例9〕
電荷輸送層用塗布液として実施例11で用いたものを用いる以外は、比較例2と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0094

〔実施例12〕
実施例3と同様にして、電荷発生層の塗布までを行った。
また、電荷輸送層用塗布液の調整において、テトラヒドロフランの代わりにジクロロメタンを用いた以外は実施例10と同様にして電荷輸送層用塗布液を調整した。
次に、実施例10と同様にして電荷輸送層用塗布液を塗布し、電子写真感光体を作成した。
続いて、実施例10と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

0095

〔比較例10〕
電荷輸送層用塗布液として実施例12で用いたものを用いる以外は、比較例1と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。

実施例

0096

〔比較例11〕
電荷輸送層用塗布液として実施例12で用いたものを用いる以外は、比較例2と同様にして電荷輸送層の塗布を行い、電子写真感光体を作成した。
続いて、比較例1と同様にして、電子写真感光体の画像評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2から、実施例の塗布装置および塗布方法を用いることにより、様々な種類の溶剤を用いた塗布液で、塗布膜に発生するムラを抑制でき、その結果として、画像ムラの発生を抑制できることが分かる。

0097

1‥‥塗布槽
2‥‥塗布液
3‥‥塗布槽の蓋
4‥‥開口
5‥‥フード
6‥‥フードのメッシュ状の部分
7‥‥フードの非メッシュ状の部分
8‥‥境界面S
9‥‥被塗布体
10‥‥被塗布体把持手段
11‥‥全体がメッシュ状の円筒状フード
12‥‥全体が非メッシュ状の円筒状フード
13‥‥送液装置
14‥‥送液用の配管
15‥‥回収液用の配管
16‥‥液受け部に溜まった塗料
17‥‥液受け部

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