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技術 原子燃料集合体

出願人 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
発明者 渡邊大武藤巻真吾
出願日 2010年10月27日 (9年8ヶ月経過) 出願番号 2010-241017
公開日 2012年5月17日 (8年1ヶ月経過) 公開番号 2012-093241
状態 特許登録済
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造
主要キーワード 上下構造 液滴付着 チャネルボックス 限界出力 最外周領域 距離指標 原子燃料棒 機械設計
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

スペーサー等の機械設計や製造性が容易であり、かつ、中性子経済性上も好適な沸騰水型原子炉原子燃料集合体を提供する。

解決手段

11行11列以上の正方格子状に配置された複数の燃料棒1を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックス2で囲ってなる原子燃料集合体であって、式(1)で与えられる燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内とし、かつ、式(2)で与えられる燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを1乃至0.7の範囲内とする。 ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間の距離、g:最外周燃料棒とチャンネルボックスの内壁との距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

概要

背景

原子力発電経済性向上のためには、単位発電所あたりの発電量を増加させる必要がある。そのためには、原子炉出力密度の向上を図ることが有効であり、出力密度を高めた新型炉の開発や、既存の原子炉の出力密度を高める取り組みが進められている。

原子炉の出力密度の向上に伴い、単位原子燃料集合体あたりの発生出力が増加する。このため、燃料棒表面沸騰遷移膜沸騰に至る出力である限界出力に対する熱的余裕が減少する。また、燃料棒単位長さ当たりの発生出力である線出力密度制限値に対する熱的余裕も減少する。

さらに、原子燃料経済性の向上のために、原子燃料集合体取出平均燃焼度を増加させる高燃焼度化の取り組みも進行中であるが、この高燃焼度化によっても熱的余裕は減少する。

原子力発電における原子炉の出力密度の増加や原子燃料集合体の高燃焼度化は、今後も引き続き追求されていく傾向にある。したがって、原子燃料集合体について従来以上に熱的余裕を増加させることが強く望まれている。

熱的余裕のうち、限界出力に対する余裕を増加させるための一つの手段として、原子燃料集合体に用いられるスペーサーの改良が挙げられる。この改良されたスペーサーは、原子燃料集合体内で冷却水沸騰することで生じる蒸気と液滴が混合した相を撹拌し、燃料棒表面の液膜への液滴付着を促進することで、沸騰遷移を抑制し、限界出力を向上させるというものである。

また、限界出力を向上させるための別の手段として、沸騰遷移を許容する手法が検討されている。即ち、沸騰遷移後の燃料棒の挙動を評価し、沸騰遷移に至っても燃料棒が破損しないことを確認する手法を採用することで、沸騰遷移を許容し、限界出力を向上させることが検討されている。

一方、線出力密度の制限値に対する熱的余裕については、これを増加させるために、単位原子燃料集合体あたりの燃料棒有効長(燃料棒内の燃料ペレット充填された部分の長さ)の総和を増加させることで除熱性能を向上させることが考えられる。

燃料棒有効長を増大させる方法には、2つの方法、即ち、各燃料棒の有効長を従来のものより延長する方法と、燃料棒配列数を増やす方法がある。前者は、原子燃料集合体の上下構造とのスペース取り合いによって困難になってきているため、後者の方法によって燃料棒有効長を増大させることが望ましい。

従来の8行8列の燃料棒配列を9行9列あるいは10行10列に改良した原子燃料集合体が開発されてきているが、線出力密度の制限値への余裕を今後高めていくためには、11行11列以上の燃料棒配列を採用することが望ましい。

概要

スペーサー等の機械設計や製造性が容易であり、かつ、中性子経済性上も好適な沸騰水型原子炉の原子燃料集合体を提供する。11行11列以上の正方格子状に配置された複数の燃料棒1を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックス2で囲ってなる原子燃料集合体であって、式(1)で与えられる燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内とし、かつ、式(2)で与えられる燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを1乃至0.7の範囲内とする。 ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間の距離、g:最外周燃料棒とチャンネルボックスの内壁との距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

目的

本発明が解決しようとする課題は、11行11列以上の燃料棒配列を採用した原子燃料集合体において、スペーサー等の機械設計や製造性が容易であり、かつ、中性子経済性の観点からも好適な沸騰水型原子炉の原子燃料集合体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、前記複数の燃料棒の全部を一つの燃料棒群とし、式(1)で与えられる燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内とし、かつ、式(2)で与えられる燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを1乃至0.7の範囲内とすることを特徴とする原子燃料集合体。ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、g:最外周燃料棒の中心とチャンネルボックスの内壁との距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

請求項2

正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、前記正方格子状に配置された複数の燃料棒のうち、最外周の燃料棒を第1の燃料棒群とし、最外周以外の燃料棒を第2の燃料棒群とし、前記第2の燃料棒群における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体。ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

請求項3

正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、前記正方格子状に配置された複数の燃料棒のうち、最外周の燃料棒を第1の燃料棒群とし、最外周から2列目の燃料棒を第2の燃料棒群とし、最外周及び最外周から2列目の燃料棒以外の燃料棒を第3の燃料棒群とし、前記第3の燃料棒群における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体。ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

請求項4

正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、前記複数の燃料棒を集中配置された複数の燃料棒群に分け、各燃料棒群の内部の燃料棒における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体。ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

請求項5

前記各燃料棒群の最外周の燃料棒の外径は、前記各燃料棒群の内部の燃料棒の外径より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の原子燃料集合体。

請求項6

前記正方格子状に配置された複数の燃料棒の中央付近水ロッドをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の原子燃料集合体。

請求項7

前記正方格子状に配置された複数の燃料棒の一部は、部分長燃料棒であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の原子燃料集合体。

技術分野

0001

本発明は、原子燃料集合体、さらに詳しくは、沸騰水型原子炉装荷される原子燃料集合体に関する。

背景技術

0002

原子力発電経済性向上のためには、単位発電所あたりの発電量を増加させる必要がある。そのためには、原子炉出力密度の向上を図ることが有効であり、出力密度を高めた新型炉の開発や、既存の原子炉の出力密度を高める取り組みが進められている。

0003

原子炉の出力密度の向上に伴い、単位原子燃料集合体あたりの発生出力が増加する。このため、燃料棒表面沸騰遷移膜沸騰に至る出力である限界出力に対する熱的余裕が減少する。また、燃料棒単位長さ当たりの発生出力である線出力密度制限値に対する熱的余裕も減少する。

0004

さらに、原子燃料経済性の向上のために、原子燃料集合体の取出平均燃焼度を増加させる高燃焼度化の取り組みも進行中であるが、この高燃焼度化によっても熱的余裕は減少する。

0005

原子力発電における原子炉の出力密度の増加や原子燃料集合体の高燃焼度化は、今後も引き続き追求されていく傾向にある。したがって、原子燃料集合体について従来以上に熱的余裕を増加させることが強く望まれている。

0006

熱的余裕のうち、限界出力に対する余裕を増加させるための一つの手段として、原子燃料集合体に用いられるスペーサーの改良が挙げられる。この改良されたスペーサーは、原子燃料集合体内で冷却水沸騰することで生じる蒸気と液滴が混合した相を撹拌し、燃料棒表面の液膜への液滴付着を促進することで、沸騰遷移を抑制し、限界出力を向上させるというものである。

0007

また、限界出力を向上させるための別の手段として、沸騰遷移を許容する手法が検討されている。即ち、沸騰遷移後の燃料棒の挙動を評価し、沸騰遷移に至っても燃料棒が破損しないことを確認する手法を採用することで、沸騰遷移を許容し、限界出力を向上させることが検討されている。

0008

一方、線出力密度の制限値に対する熱的余裕については、これを増加させるために、単位原子燃料集合体あたりの燃料棒有効長(燃料棒内の燃料ペレット充填された部分の長さ)の総和を増加させることで除熱性能を向上させることが考えられる。

0009

燃料棒有効長を増大させる方法には、2つの方法、即ち、各燃料棒の有効長を従来のものより延長する方法と、燃料棒配列数を増やす方法がある。前者は、原子燃料集合体の上下構造とのスペース取り合いによって困難になってきているため、後者の方法によって燃料棒有効長を増大させることが望ましい。

0010

従来の8行8列の燃料棒配列を9行9列あるいは10行10列に改良した原子燃料集合体が開発されてきているが、線出力密度の制限値への余裕を今後高めていくためには、11行11列以上の燃料棒配列を採用することが望ましい。

発明が解決しようとする課題

0011

11行11列以上の燃料棒配列を採用した場合、燃料棒間間隙および最外周の燃料棒とチャンネルボックス間の間隙は、従来の9行9列や10行10列などの燃料棒配列に比べて狭まる。特に最外周の燃料棒とチャンネルボックス間の間隙が狭まることによって、スペーサーの機械設計や製造がより困難になると予想され、また、従来から比較的厳しい最外周領域における熱的余裕がさらに小さくなることが懸念される。

0012

燃料棒配列数が増えるにつれて狭まってしまう上記間隙を広くするために、燃料棒の外径を小さくすることが考えられる。

0013

しかし、燃料棒の外径を小さくすることは燃料棒内の燃料ペレットの外径の減少を伴い、単位原子燃料集合体あたりに装荷される重金属ウラン等)の量が減少する。このため、原子燃料集合体の寿命が短くなり、取替燃料体数の増加、すなわち原子燃料経済性の低下をもたらす。従って、原子燃料経済性の観点からは、燃料棒の外径は大きくすることが重要であり、上記間隙を広げるために燃料棒の外径を小さくすることは好ましくない。

0014

さらに、燃料棒配置は中性子経済性にも影響を及ぼすため、機械設計といえども核設計の観点から好適な設計とする配慮が必要とされる。

0015

以上のことから、スペーサー等の機械設計や製造性が容易であり、かつ原子燃料経済性も良い11行11列以上の燃料棒配列の原子燃料集合体の開発が待たれていた。

0016

そこで、本発明が解決しようとする課題は、11行11列以上の燃料棒配列を採用した原子燃料集合体において、スペーサー等の機械設計や製造性が容易であり、かつ、中性子経済性の観点からも好適な沸騰水型原子炉の原子燃料集合体を提供することである。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、11行11列以上の燃料棒配列を有する原子燃料集合体において、燃料棒の全部または一部を集中配置、すなわち距離を詰めて配置し、一方で集中配置された燃料棒群の外周部の燃料棒のためには十分な水ギャップを確保するようにしたものである。本発明の第1の態様によれば、
正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、
前記複数の燃料棒の全部を一つの燃料棒群とし、式(1)で与えられる燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内とし、かつ、式(2)で与えられる燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを1乃至0.7の範囲内とすることを特徴とする原子燃料集合体が提供される。



ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、g:最外周燃料棒の中心とチャンネルボックスの内壁との距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

0018

本発明の第2の態様によれば、
正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、
前記正方格子状に配置された複数の燃料棒のうち、最外周の燃料棒を第1の燃料棒群とし、最外周以外の燃料棒を第2の燃料棒群とし、前記第2の燃料棒群における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体が提供される。

0019

本発明の第3の態様によれば、
正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、
前記正方格子状に配置された複数の燃料棒のうち、最外周の燃料棒を第1の燃料棒群とし、最外周から2列目の燃料棒を第2の燃料棒群とし、最外周及び最外周から2列目の燃料棒以外の燃料棒を第3の燃料棒群とし、前記第3の燃料棒群における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体が提供される。

0020

本発明の第4の態様によれば、
正方格子状に11行11列以上に配置された複数の燃料棒を有し、前記複数の燃料棒の外周をチャンネルボックスで囲ってなる原子燃料集合体であって、
前記複数の燃料棒を集中配置された複数の燃料棒群に分け、各燃料棒群の内部の燃料棒における燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内としたことを特徴とする原子燃料集合体が提供される。

発明の効果

0021

本発明は、11行11列以上の燃料棒配列を有する原子燃料集合体において、燃料棒の全部または一部を集中配置し、集中配置された燃料棒群の外周部の燃料棒のためには十分な水ギャップを確保することにより、集中配置された燃料棒群の外周部の燃料棒では燃料寿命中の初期から中期にかけて反応度上がり、燃料集合体の中央部での反応度の低下を補い、中性子経済性が良くなる。

0022

また、燃料棒を集中配置することにより、外周部の燃料棒とチャンネルボックスの内壁の間の距離が大きくなるため、スペーサー等の機械設計や製造性が容易になる効果を奏することが出来る。

0023

本発明では、上記集中配置された燃料棒群の内部の燃料棒間の距離や、集中配置された燃料棒群の周辺部の水ギャップの指標として燃料棒−燃料棒距離指標Caと燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを導入している。

0024

本発明の一態様によれば、燃料棒が正方格子状に11行11列以上に配置された沸騰水型原子炉の原子燃料集合体において、燃料棒の全部を一つの燃料棒群とし、隣り合う燃料棒間の中心間距離を示す燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9から0.96の範囲内とし、かつ、最外周燃料棒とチャンネルボックス内壁の距離を示す燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを1から0.7とする。

0025

上記距離指標のように燃料棒を配置することにより、中性子経済性に優れた燃料集合体を得ることができる。

0026

さらに、最外周の燃料棒とチャンネルボックス間の間隙が大きくなるため、スペーサー等の機械設計や製造性を容易にすることができる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の一実施形態による原子燃料集合体と制御棒横断面図である。
運転サイクル末期における余剰反応度と燃料棒−燃料棒距離指標の関係を示す図である。
(a)及び(b)ともに、本発明の変形例1による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。
本発明の変形例1による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。
本発明の変形例2による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。
本発明の変形例3による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。
本発明の変形例4による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。
本発明の変形例5による原子燃料集合体と制御棒の横断面図である。

実施例

0028

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。

0029

図1は、本発明の一実施形態による沸騰水型原子炉の原子燃料集合体と制御棒の横断面を示している。

0030

図1に示すように、本実施形態に係る原子燃料集合体11は、正方格子状に配置された複数の燃料棒1と、これら複数の燃料棒1を囲うチャンネルボックス2と、中央に設けられた円柱型水ロッド3と、を備える。

0031

間隙5(水ギャップ)は、最外周の燃料棒1とチャンネルボックス2間の間隙を示している。

0032

なお、図1では、制御棒4との相対的な位置関係を示すため原子燃料集合体11を一つのみ図示しているが、通常、1つの制御棒4の周囲には、4体の原子燃料集合体11が配置されている。また、水ロッド3と燃料棒1間の間隙については、他の構造材とスペースの取り合いをしない水ロッド3により吸収可能であるため、11行11列以上の燃料棒配列でも水ロッド3を配置しても問題にならない。

0033

本実施形態では、隣り合う燃料棒1の中心間距離を示す燃料棒−燃料棒距離指標Ca、および最外周燃料棒とチャンネルボックスの内壁との距離を示す燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgをそれぞれ所定の範囲とする。

0034

燃料棒−燃料棒距離指標Caは、下式(1)で定義される。



ここで、a:隣り合う燃料棒の中心間距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。なお、11行11列の原子燃料集合体の場合、N=11である。

0035

式(1)から明らかなように、チャンネルボックス2の内幅L及び燃料棒配列数Nが一定の場合、燃料棒−燃料棒距離指標Caを小さくすることは、隣り合う燃料棒の中心間距離を小さくすることを意味する。

0036

また、燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgは、下式(2)で定義される。



ここで、g:最外周燃料棒の中心とチャンネルボックスの内壁との距離、L:チャンネルボックスの内幅、N:燃料棒配列数である。

0037

式(2)から明らかように、チャンネルボックス2の内幅L及び燃料棒配列数Nが一定の場合、燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを大きくすることは、最外周燃料棒とチャンネルボックス内壁間の距離、即ち間隙5の幅を大きくすることを意味する。

0038

式(1)、(2)より、指標Cgは指標Caを用いて下式(3)のように表される。



ここで、N:燃料棒配列数、Ca:燃料棒−燃料棒距離指標である。

0039

燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲内とすると、式(3)により燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgは1乃至0.7となる。すなわち、本実施形態は、燃料集合体の燃料棒の全部を一つの燃料棒群とし、燃料棒−燃料棒距離指標Caは0.9乃至0.96の範囲内であり、かつ、燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgは1乃至0.7の範囲内である。

0040

燃料棒−燃料棒距離指標Caを小さく、燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを大きくすることは、正方格子状に配置された燃料棒1をチャネルボックス2の中心に寄せ(燃料棒間の距離を詰めて集中的に配置し)、間隙5の幅を大きくすることを意味する。

0041

間隙5の幅が大きくなることで、間隙5における減速材(冷却水)が増え、中性子減速しやすくなる。このため、最外周の燃料棒の核分裂に対して有利に働く。その一方、最外周以外の燃料棒間の間隔は狭まり、これらの燃料棒間の減速材が減少する。

0042

しかし11行11列以上の配列の燃料集合体では、最外周の燃料棒の反応度の上昇が、内部の燃料棒の反応度の下降分よりも大きいので、燃料集合体の全体で見れば高い中性子経済性を得ることができる。

0043

さらに、燃料棒−燃料棒距離指標Caを小さし、かつ燃料棒−チャンネルボックス距離指標Cgを大きくするすることにより、外周部の燃料棒とチャンネルボックスの内壁の間の距離が大きくなるため、スペーサー等の機械設計や製造性が容易になる効果を奏することが出来る。

0044

このことについて、図2を用いて詳細に説明する。図2は、原子燃料集合体の運転サイクル末期における余剰反応度[%ΔK](以下、単に「サイクル末期余剰反応度」ともいう。)と、燃料棒−燃料棒距離指標Caの関係を、9行9列、10行10列、11行11列及び12行12列の4種類の燃料棒配列についてそれぞれプロットしたものである。なお、「運転サイクル」は、炉心に装荷された燃料棒を交換する期間を意味している。

0045

図2に示す4つの曲線は、それぞれの燃料棒配列数の場合について、燃料棒−燃料棒距離指標Ca=1のときにおけるサイクル末期余剰反応度を0として規格化した値を示すものであり、図2はこれらの曲線間の大小を示すものではない。

0046

図2に示すように、9行9列および10行10列の燃料棒配列のいずれの場合についても、燃料棒−燃料棒距離指標が従来の0.96より小さくなればなるほど、サイクル末期余剰反応度は低下する。

0047

一方、図2からわかるように、11行11列および12行12列の燃料棒配列の場合、燃料棒−燃料棒距離指標を0.96より小さくしても、サイクル末期余剰反応度が改善する領域が存在する。より具体的には、燃料棒−燃料棒距離指標が0.9乃至0.96の範囲にあるとき、サイクル末期余剰反応度は燃料棒−燃料棒距離指標が0.96のときよりも大きくなる。

0048

これは、11行11列以上の原子燃料集合体では、燃料棒が原子燃料集合体に占める領域が10行10列以下の原子燃料集合体と比べて大きいために、最外周の燃料棒より内側の領域において、もともと燃料棒間の水の量が少なく、このため、燃料棒の間隔を狭めたことにより減少する燃料棒間の水の量が相対的に少ないことに起因する。

0049

よって、間隙5の幅が大きくなったことによる最外周の燃料棒の核分裂に対して有利に働く効果が、それ以外の燃料棒の核分裂に対して不利に働く効果よりも大きくなり、原子燃料棒集合体全体としてみた場合の中性子経済性が向上する。そのため、運転サイクル末期における余剰反応度が向上する。その結果、燃焼度を高め、原子燃料経済性を向上させることができる。

0050

さらに、間隙5の幅が大きくなることで、11行11列以上の燃料棒配列を採用する際に問題となるスペーサ等の機械設計や製造性を容易にすることができる。

0051

以下、本実施形態のいくつかの変形例(変形例1〜5)について説明する。これらの変形例の場合についても上述の効果を得ることができる。

0052

変形例1及び2は、チャンネルボックスを水平面内で複数の領域に区画し、区画された領域ごとに燃料棒−燃料棒距離指標Caを0.9乃至0.96の範囲で小さくすることで、複数の燃料棒群を形成したものである。これにより、燃料棒群の間を流れる冷却水の流路を広くし、中性子経済性をさらに向上させることができる。また、スペーサの機械設計や製造性に対する制約をより小さくすることができる。

0053

(変形例1)
図3(a)及び(b)は、本発明の変形例1に係る原子燃料集合体11A及び11Bの横断面図をそれぞれ示している。

0054

図3(a)に示すように、原子燃料集合体11Aは、最外周の燃料棒からなる燃料棒群10Aと、最外周以外の燃料棒からなる燃料棒群10Bとを有する。燃料棒群10Bにおける燃料棒−燃料棒距離指標Caは、燃料棒群10Aのそれよりも小さい。換言すれば、燃料棒群10Bにおける隣り合う燃料棒の中心間距離a2は、燃料棒群10Aにおける隣り合う燃料棒の中心間距離a1よりも小さい。即ち、a1>a2、かつ0.9≦Ca2≦0.96(Ca2:燃料棒群10B内の燃料棒の燃料棒−燃料棒距離指標Ca)を満たすように、中心間距離a1,a2を選択する。

0055

このようにすることで、燃料棒群10Aと燃料棒群10Bの間に比較的幅の広い間隙6が形成される。これにより、中性子経済性をさらに向上させることができるとともに、スペーサの機械設計の制約をより小さくすることができる。

0056

図3(b)に示す原子燃料集合体11Bでは、内側の燃料棒群10Bに属する燃料棒のうち、最外周以外の燃料棒の中心間距離をさらに小さくすることで、燃料棒群10Bを2つの燃料棒群、即ち燃料棒群10B1と10B2に分けている。燃料棒群10B2における燃料棒−燃料棒距離指標は、燃料棒群10B1のそれよりも小さい。

0057

換言すれば、燃料棒群10B2に属する燃料棒の中心間距離a3を、燃料棒群10A及び燃料棒群10B1に属する燃料棒の中心間距離a1及びa2よりも小さくしている。即ち、a1>a2>a3、かつ0.9≦Ca3≦0.96(Ca3:燃料棒群10B2内の燃料棒の燃料棒−燃料棒距離指標Ca)を満たすように、中心間距離a1,a2,a3を選択する。これにより、間隙6に加えて、燃料棒群10B1と10B2の間に比較的幅の広い間隙7が形成される。これにより、中性子経済性をさらに向上させることができるとともに、スペーサの機械設計の制約をより小さくすることができる。

0058

なお、上記図3(a)の変形例の場合はa1>a2かつ0.9≦Ca2≦0.96としたが、0.9≦Ca2≦0.96を満たせば、最外周の燃料棒は適宜配置することができる。同様に、図3(b)の変形例の場合はa1>a2>a3かつ0.9≦Ca3≦0.96としたが、0.9≦Ca3≦0.96を満たせば、最外周および最外周から2列目の燃料棒は適宜配置することができる。

0059

また、核的効率の増加する燃料棒群10Aに属する燃料棒を太径化してもよい。このような原子燃料集合体11Cを図4に示す。図4に示すように、原子燃料集合体11Cでは、燃料棒群10Aに属する燃料棒1Aの外径を燃料棒群10Bに属する燃料棒1Bの外径よりも大きくしている。燃料棒1Aの外径は、燃料棒間の間隙や燃料棒とチャンネルボックス間の間隙を損なわない程度に大きくしている。このように構成することで、間隙5及び6の冷却水によって減速された中性子(熱中性子)をより効率的に利用し、中性子経済性をさらに向上させることができる。

0060

(変形例2)
図5は、本発明の変形例2に係る原子燃料集合体11Dの横断面図を示している。図5に示すように、本変形例では、11行11列の燃料棒配列を、4行4列の燃料棒からなる燃料棒群10C1と10C2と、それ以外の燃料棒群10D1と10D2に分けている。各燃料棒群において、燃料棒群の内部の燃料棒の燃料棒−燃料棒距離指標Caは0.9乃至0.96の範囲内としている。

0061

このように本変形例では、チャンネルボックス2を水平面内で4つの領域に区画し、区画された領域ごとに燃料棒−燃料棒距離指標Caを小さくして4つの燃料棒群10C1,10C2,10D1及び10D2を形成する。これにより、各燃料棒群間に比較的大きい間隙8を設けることができる。その結果、各燃料棒群の最外周の燃料棒は核分裂が容易になり、スペーサーの機械設計の制約を小さくすることができるとともに、間隙8の冷却材により生成された熱中性子を利用して、中性子経済性を向上させることができる。

0062

なお、燃料棒群の区画方法は図示のものに限られないが、原子燃料集合体内の均等な燃焼度を実現するため、間隙8は、チャンネルボックス2の対角線Mに関して対称に設けることが好ましい。これにより、燃料健全性および経済性を向上させることができる。

0063

次に説明する変形例3及び4はそれぞれ、原子燃料集合体の中央付近に円柱型の複数の水ロッド及び角柱型の水ロッドを備えている。

0064

(変形例3)
図6は、本発明の変形例3に係る原子燃料集合体11Eの横断面図を示している。図6に示すように、原子燃料集合体11Eは円柱型の水ロッド3を中央に2つ備える。このように構成することで、原子燃料集合体11Eの中央付近の中性子経済性を改善できる。

0065

なお、水ロッド3と燃料棒1間の間隙については、他の構造材とスペースの取り合いをしない水ロッド3により吸収可能であるため、11行11列以上の燃料棒配列でも複数の水ロッドを配置しても問題にならない。

0066

(変形例4)
図7(a)及び(b)は、本発明の変形例4に係る原子燃料集合体11F及び11Gの横断面図をそれぞれ示している。図7(a)及び(b)に示すように、原子燃料集合体11F及び11Gは、円柱型の水ロッド3の代わりに、角柱型の水ロッド3A及び3Bをそれぞれ備える。このように、本発明は、水ロッドの形状によらずに適用することができる。

0067

次に説明する変形例5は、他の燃料棒よりも燃料棒有効長が短い燃料棒である部分長燃料棒短尺燃料棒)を備えるものである。

0068

(変形例5)
図8は、本発明の変形例5に係る原子燃料集合体11Hの横断面図を示している。図8に示すように、原子燃料集合体11Hは、燃料棒1よりも燃料棒有効長が短い部分長燃料棒9を備える。これにより、原子燃料集合体内の圧力損失、つまり冷却材の流れやすさを改善するとともに、原子炉停止余裕の確保、及び中性子経済性の向上を図ることができる。

0069

以上説明したように、本発明では、原子炉の出力密度の増加や原子燃料集合体の高燃焼度化により適した11行11列以上の燃料棒配列を採用した原子燃料集合体において、燃料棒間隔が中性子経済性に及ぼす影響に着目したものであり、燃料棒−燃料棒距離指標を0.9から0.96の範囲内とし、かつ燃料棒−チャンネルボックス距離指標を1乃至0.7の範囲内とする。これにより、スペーサーの機械設計や製造性に容易にしつつ、中性子経済性上も好適な原子燃料集合体を得ることができる。

0070

上述したところからわかるように、本発明によれば、核的特性および機械成立性に配慮しつつ、線出力密度の制限値に対する熱的余裕を向上させることができる。その結果、原子炉の出力密度の増加や原子燃料集合体の高燃焼度化により適した原子燃料集合体を提供することが可能となる。

0071

なお、本発明は燃料棒外側の幾何形状にかかわるものであり、燃料棒内部の燃料ペレットの濃縮度ガドリニア濃度の影響を基本的に受けず、特に適用する濃縮度やガドリニア濃度に対する制限はない。

0072

上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。

0073

1,1A,1B燃料棒
2チャンネルボックス
3,3A,3B水ロッド
4制御棒
5,6,7,8間隙
9部分長燃料棒
10A,10B,10B1,10B2,10C,10D燃料棒群
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11H 原子燃料集合体

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