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技術 被圧延材張力制御装置、被圧延材張力制御方法および熱間タンデム圧延機

出願人 株式会社日立製作所
発明者 鈴木一史高橋稔明
出願日 2010年10月27日 (9年5ヶ月経過) 出願番号 2010-240240
公開日 2012年5月17日 (7年10ヶ月経過) 公開番号 2012-091200
状態 特許登録済
技術分野 圧延の制御
主要キーワード 電動駆動機 相関関係式 制御出力量 油圧サーボバルブ 比較項目 設定板厚 荷重検知 荷重検出値
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図面 (12)

課題

被圧延材張力制御を安定して行う。

解決手段

圧力指令補正量学習部3は、荷重検出部28から得られた荷重検出値に異常がない場合に、圧力検出部27により得られた圧力検出値と、第1圧力指令補正部24で演算された荷重検出値に基づく第1圧力指令値補正量と、の相関関係を表す関係式係数を学習する。被圧延材張力制御装置1は、荷重検出部28により正常な荷重検出値が取得できなくなった場合には、圧力指令演算部20が用いる圧力指令値補正量を、第1圧力指令補正部24で演算された第1圧力指令値補正量から、圧力指令補正量学習部3で学習された相関関係に基づいて第2圧力指令補正部25において演算された第2圧力指令値補正量に切り替える。これらの補正量は、互いに相関がとられたものであるため、その切り替えに際して、その補正量が大きく変化することはない。従って、被圧延材の張力制御が不安定になることはない。

概要

背景

鋼板などの被圧延材圧延する熱間タンデム圧延機において、圧延中の被圧延材にかかる張力を一定に保つことは、圧延機稼働の安定化を図り、また、被圧延材の製品品質を維持する上で極めて重要である。そこで、熱間タンデム圧延機では、被圧延材にかかる張力を一定に保つために、2つの圧延ロール設置位置の中間位置にルーパと呼ばれる機器が設置されている。ルーパは、2つの圧延ロール設置位置の中間位置で、被圧延材を支持するローラを有しており、そのローラを上下させることによって、被圧延材にかかる張力を調節する。

被圧延材にかかる張力を制御するためには、その張力を検出する必要があるが、その張力を直接検出する検出器は存在しない。そのため、被圧延材にかかる張力は、被圧延材からルーパが受ける荷重を検出する荷重検出器や、ルーパ油圧駆動装置の圧力を検出する圧力検出器などから得られる検出値演算することによって求められている。

一般に、ルーパに取り付けられている荷重検出器から得られる検出値は、被圧延材にかかる張力を演算するための検出値として、良好な精度を有している。ところが、その荷重検出器は、約1000℃という高温の被圧延材の近傍で、しかも、ロール冷却や被圧延材冷却などの水が多用される環境に設置されるため、故障したり、動作異常が生じたりすることが多かった。

一方、ルーパ油圧駆動装置の圧力検出器やルーパ電動駆動装置電流検出器は、荷重検出器よりも高温の被圧延材から離れた位置に設置されるため、故障や動作異常が生じることは少ない。しかしながら、これらの検出器の場合、被圧延材にかかる張力以外に、ルーパ油圧駆動装置やルーパ電動駆動装置が動作する際に生じる動作圧力を併せて検出する。そのため、被圧延材にかかる張力のみを精度よく検出することが難しい。

従って、従来、被圧延材にかかる張力を取得するには、故障や動作異常が生じやすい荷重検出器を用いるか、十分な精度が得られないルーパ油圧駆動装置の圧力検出器やルーパ電動駆動装置の電流検出器を用いるしかなかった。

特許文献1には、この問題に対する一つの解決策が開示されている。特許文献1によれば、その圧延材張力検出装置は、ルーパ電動駆動機電流値を用いて被圧延材にかかる張力を演算する第1張力演算器と、ルーパの荷重検出器の検出値を用いて被圧延材にかかる張力を演算する第2張力演算器と、その入力に第1張力演算器からの出力および第2張力演算器からの出力が接続された信号切替器と、を備え、その信号切替器は、第1張力演算器からの張力信号と第2張力演算器からの張力信号とを、適宜、切り替え張力制御装置へ送信する。

従って、特許文献1に記載の圧延材張力検出装置は、例えば、ルーパの荷重検出器が故障し、第2張力演算器の演算に用いられる荷重検出器の検出値が得られない場合であっても、第1張力演算器の演算結果を張力制御装置へ送信することができる。その結果、張力制御装置は、被圧延材にかかる張力の制御を継続して行うことができる。

概要

被圧延材の張力制御を安定して行う。圧力指令補正量学習部3は、荷重検出部28から得られた荷重検出値に異常がない場合に、圧力検出部27により得られた圧力検出値と、第1圧力指令補正部24で演算された荷重検出値に基づく第1圧力指令値補正量と、の相関関係を表す関係式係数を学習する。被圧延材張力制御装置1は、荷重検出部28により正常な荷重検出値が取得できなくなった場合には、圧力指令演算部20が用いる圧力指令値補正量を、第1圧力指令補正部24で演算された第1圧力指令値補正量から、圧力指令補正量学習部3で学習された相関関係に基づいて第2圧力指令補正部25において演算された第2圧力指令値補正量に切り替える。これらの補正量は、互いに相関がとられたものであるため、その切り替えに際して、その補正量が大きく変化することはない。従って、被圧延材の張力制御が不安定になることはない。

目的

本発明は、被圧延材の張力制御に用いられる制御入力信号が切り替えられても張力制御を安定して行うことが可能な被圧延材張力制御装置、被圧延材張力制御方法および熱間タンデム圧延機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

被圧延材圧延する複数の圧延ローラと、2つの圧延ローラの中間にあって被圧延材を油圧で支持し、その被圧延材にかかる張力を制御するルーパと、を備えた熱間タンデム圧延機において、前記ルーパを駆動する油圧制御装置圧力指令値演算して出力する被圧延材張力制御装置であって、前記ルーパの油圧シリンダ内の油圧を取得する圧力検知部と、前記ルーパが被圧延材から受ける荷重を取得する荷重検知部と、前記油圧制御装置へ出力する圧力指令値を演算する圧力指令演算部と、前記荷重検知部により得られた荷重検出値を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第1圧力指令補正部と、前記圧力検知部により得られた圧力検出値と前記第1圧力指令補正部により演算された補正量との相関関係を学習する圧力指令補正量学習部と、前記圧力検出値と前記圧力指令補正量学習部で学習した相関関係を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第2圧力指令補正部と、前記第1圧力指令補正部で演算した補正量と前記第2圧力指令補正部で演算した補正量とを切替えて、前記圧力指令演算部へ送信する補正量切替部と、を備えたことを特徴とする被圧延材張力制御装置。

請求項2

前記圧力指令補正量学習部は、前記圧力検出値と前記第1の圧力指令補正部によって演算された前記圧力指令値の補正量との相関関係を表す関係式係数を抽出する相関抽出部と、前記抽出した関係式の係数を蓄積する相関蓄積部と、前記蓄積した関係式の係数を学習し、前記圧力検出値から前記圧力指令値の補正量を導出する関係式を算出する相関算出部と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の被圧延材張力制御装置。

請求項3

前記補正量切替部は、前記第1圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量と前記第2圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量との差分に基づき、前記荷重検知部によって得られた荷重検出値が正常であるか否かを判定し、前記荷重検出値が正常であった場合には、前記第1圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量を前記圧力指令演算部へ送信し、前記荷重検出値が正常でなかった場合には、前記第2圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量を前記圧力指令演算部へ送信することを特徴とする請求項1に記載の被圧延材張力制御装置。

請求項4

前記補正量切替部は、前記圧力検出値に基づいて演算された張力値と前記荷重検出値に基づいて演算された張力値との差分に基づき、前記荷重検知部によって得られた荷重検出値が正常であるか否かを判定し、前記荷重検出値が正常であった場合には、前記第1圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量を前記圧力指令演算部へ送信し、前記荷重検出値が正常でなかった場合には、前記第2圧力指令補正部によって演算された圧力指令値の補正量を前記圧力指令演算部へ送信することを特徴とする請求項1に記載の被圧延材張力制御装置。

請求項5

被圧延材を圧延する複数の圧延ローラと、2つの圧延ローラの中間にあって被圧延材を油圧で支持して、その被圧延材にかかる張力を制御するルーパと、前記ルーパを駆動する油圧制御装置の圧力指令値を演算して出力する被圧延材張力制御装置と、を備えた熱間タンデム圧延機における被圧延材張力制御方法であって、前記被圧延材張力制御装置は、前記ルーパの油圧シリンダ内の油圧を取得する圧力検知処理と、前記ルーパが被圧延材から受ける荷重を取得する荷重検知処理と、前記油圧制御装置へ出力する圧力指令値を演算する圧力指令演算処理と、前記荷重検知処理で得られた荷重検出値を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第1圧力指令補正処理と、前記圧力検知部により得られた圧力検出値と前記第1圧力指令補正部により演算された補正量との相関関係を学習する圧力指令補正量学習処理と、前記圧力検出値と前記圧力指令補正量学習部で学習した相関関係を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第2圧力指令補正処理と、前記第1圧力指令補正部で演算した補正量と前記第2圧力指令補正部で演算した補正量とを切替えて、前記圧力指令演算部へ送信する補正量切替処理と、を実行することを特徴とする被圧延材張力制御方法。

請求項6

被圧延材を圧延する複数の圧延ローラと、2つの圧延ローラの中間にあって被圧延材を油圧で支持して、その被圧延材にかかる張力を制御するルーパと、前記ルーパを駆動する油圧制御装置の圧力指令値を演算して出力する被圧延材張力制御装置と、を備えた熱間タンデム圧延機であって、前記被圧延材張力制御装置は、前記ルーパの油圧シリンダ内の油圧を取得する圧力検知部と、前記ルーパが被圧延材から受ける荷重を取得する荷重検知部と、前記油圧制御装置へ出力する圧力指令値を演算する圧力指令演算部と、前記荷重検知部により得られた荷重検出値を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第1圧力指令補正部と、前記圧力検知部により得られた圧力検出値と前記第1圧力指令補正部により演算された補正量との相関関係を学習する圧力指令補正量学習部と、前記圧力検出値と前記圧力指令補正量学習部で学習した相関関係を用いて、前記圧力指令値の補正量を演算する第2圧力指令補正部と、前記第1圧力指令補正部で演算した補正量と前記第2圧力指令補正部で演算した補正量とを切替えて、前記圧力指令演算部へ送信する補正量切替部と、を備えたことを特徴とする熱間タンデム圧延機。

技術分野

0001

本発明は、被圧延材張力を制御する被圧延材張力制御装置、被圧延材張力制御方法および被圧延材張力制御装置を備えた熱間タンデム圧延機に関する。

背景技術

0002

鋼板などの被圧延材を圧延する熱間タンデム圧延機において、圧延中の被圧延材にかかる張力を一定に保つことは、圧延機稼働の安定化を図り、また、被圧延材の製品品質を維持する上で極めて重要である。そこで、熱間タンデム圧延機では、被圧延材にかかる張力を一定に保つために、2つの圧延ロール設置位置の中間位置にルーパと呼ばれる機器が設置されている。ルーパは、2つの圧延ロール設置位置の中間位置で、被圧延材を支持するローラを有しており、そのローラを上下させることによって、被圧延材にかかる張力を調節する。

0003

被圧延材にかかる張力を制御するためには、その張力を検出する必要があるが、その張力を直接検出する検出器は存在しない。そのため、被圧延材にかかる張力は、被圧延材からルーパが受ける荷重を検出する荷重検出器や、ルーパ油圧駆動装置の圧力を検出する圧力検出器などから得られる検出値演算することによって求められている。

0004

一般に、ルーパに取り付けられている荷重検出器から得られる検出値は、被圧延材にかかる張力を演算するための検出値として、良好な精度を有している。ところが、その荷重検出器は、約1000℃という高温の被圧延材の近傍で、しかも、ロール冷却や被圧延材冷却などの水が多用される環境に設置されるため、故障したり、動作異常が生じたりすることが多かった。

0005

一方、ルーパ油圧駆動装置の圧力検出器やルーパ電動駆動装置電流検出器は、荷重検出器よりも高温の被圧延材から離れた位置に設置されるため、故障や動作異常が生じることは少ない。しかしながら、これらの検出器の場合、被圧延材にかかる張力以外に、ルーパ油圧駆動装置やルーパ電動駆動装置が動作する際に生じる動作圧力を併せて検出する。そのため、被圧延材にかかる張力のみを精度よく検出することが難しい。

0006

従って、従来、被圧延材にかかる張力を取得するには、故障や動作異常が生じやすい荷重検出器を用いるか、十分な精度が得られないルーパ油圧駆動装置の圧力検出器やルーパ電動駆動装置の電流検出器を用いるしかなかった。

0007

特許文献1には、この問題に対する一つの解決策が開示されている。特許文献1によれば、その圧延材張力検出装置は、ルーパ電動駆動機電流値を用いて被圧延材にかかる張力を演算する第1張力演算器と、ルーパの荷重検出器の検出値を用いて被圧延材にかかる張力を演算する第2張力演算器と、その入力に第1張力演算器からの出力および第2張力演算器からの出力が接続された信号切替器と、を備え、その信号切替器は、第1張力演算器からの張力信号と第2張力演算器からの張力信号とを、適宜、切り替え張力制御装置へ送信する。

0008

従って、特許文献1に記載の圧延材張力検出装置は、例えば、ルーパの荷重検出器が故障し、第2張力演算器の演算に用いられる荷重検出器の検出値が得られない場合であっても、第1張力演算器の演算結果を張力制御装置へ送信することができる。その結果、張力制御装置は、被圧延材にかかる張力の制御を継続して行うことができる。

先行技術

0009

特開平1−237017号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特許文献1に記載の圧延材張力検出装置では、2つの張力演算器でそれぞれ用いられている検出器の精度や性能が異なるため、2つの張力演算器で演算した張力同じになるとは限らない。そのため、2つの張力演算器で演算した張力に差異があった場合に、例えば、荷重検出器などで故障や異常が生じ、信号切替器が張力制御装置へ送信する信号を、第2張力演算器の演算結果から第1張力演算器の演算結果へと切り替えると、張力制御装置における制御入力信号が急に変化することになり、張力制御が不安定になる可能性がある。

0011

そこで、本発明は、被圧延材の張力制御に用いられる制御入力信号が切り替えられても張力制御を安定して行うことが可能な被圧延材張力制御装置、被圧延材張力制御方法および熱間タンデム圧延機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る被圧延材張力制御装置は、被圧延材を圧延する複数の圧延ローラと、2つの圧延ローラの中間にあって被圧延材を油圧で支持し、その被圧延材にかかる張力を制御するルーパと、を備えた熱間タンデム圧延機で用いられ、そのルーパを駆動する油圧制御装置圧力指令値を演算して出力するものであるが、その被圧延材張力制御装置が、ルーパの油圧シリンダ内の油圧を取得する圧力検知部と、ルーパが被圧延材から受ける荷重を取得する荷重検知部と、前記油圧制御装置へ出力する圧力指令値を演算する圧力指令演算部と、前記荷重検知部により得られた荷重検出値を用いて、圧力指令値の補正量を演算する第1圧力指令補正部と、前記圧力検知部により得られた圧力検出値と前記第1圧力指令補正部により演算された補正量との相関関係を学習する圧力指令補正量学習部と、圧力検出値と前記圧力指令補正量学習部で学習した相関関係を用いて、圧力指令値の補正量を演算する第2圧力指令補正部と、前記第1圧力指令補正部で演算した補正量と前記第2圧力指令補正部で演算した補正量とを切替えて、前記圧力指令演算部へ送信する補正量切替部と、を備えたことを特徴とする。

0013

本発明に係る被圧延材張力制御装置は、圧力指令補正量学習部を有し、その圧力指令補正量学習部が、圧力検知部により取得された圧力検出値と第1圧力指令補正部で演算された荷重検出値に基づく圧力指令値の補正量との相関関係を表す関係式係数を学習している。従って、被圧延材張力制御装置は、荷重検出部により正常な荷重検出値が取得できなくなった場合でも、第1圧力指令補正部で演算された補正量の代わりに、その学習された相関関係に基づく圧力指令値の補正量を用いて、圧力指令値の補正を継続して行うことができる。そして、その切り替え後の補正量は、もとの第1圧力指令補正部で演算された補正量との相関がとられているため、切り替え時の補正量の変化量は小さい。よって、補正量の切り替え時に、ルーパに対する制御出力量が大きく変化することはないので、被圧延材の張力制御を安定して行うことができる。

発明の効果

0014

本発明によれば、被圧延材の張力制御に用いられる制御入力信号が切り替えられても安定した張力制御を連続して行うことが可能な被圧延材張力制御装置、被圧延材張力制御方法および熱間タンデム圧延機が提供される。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置およびその被圧延材張力制御装置を備えた熱間タンデム圧延機の構成の例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の第1圧力指令補正部における演算処理処理フローの例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の第2圧力指令補正部における第1圧力指令値補正量演算処理の処理フローの例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の張力設定値学習部における張力設定値学習処理の処理フローの例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の圧力指令補正量学習部における圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数を学習する処理の処理フローの例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の補正量切替部における圧力指令値補正量の切替処理の処理フローの例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の圧力指令演算部における油圧サーボ駆動装置への圧力指令値を演算する圧力指令値演算処理の例を示した図。
本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置の張力設定値学習部および圧力指令補正量学習部における相関関係式の係数を学習する学習処理の処理フローの例を示した図。
図8の関係式の係数を学習する学習処理における学習演算処理の処理フローの例を示した図。
図6における荷重検出値が正常であるか否かを判定する処理の詳細な処理フローの例を示した図。
図4における圧延実績値が正常であるか否かを判定する処理の詳細な処理フローの例を示した図。

実施例

0016

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

0017

図1は、本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置およびその被圧延材張力制御装置を備えた熱間タンデム圧延機の構成の例を示した図である。
熱間タンデム圧延機100は、図示しない複数のスタンドにそれぞれ設けられた圧延ローラ42によって高温の被圧延材43を連続して圧延する装置であり、その熱間タンデム圧延機2つの圧延ローラ42の中間部には、被圧延材43にかかる張力を制御するためのルーパ40および油圧サーボ駆動装置30が設けられている。さらに、その熱間タンデム圧延機100は、ルーパ40および油圧サーボ駆動装置30を制御するためにの被圧延材張力制御装置1を有している。

0018

図1において、圧延ローラ42は、所定の速度で回転しつつ、その荷重により被圧延材43を圧延する。被圧延材43は、圧延ローラ42の回転に伴って、例えば、左から右方向へ移動する。本明細書では、その被圧延材43の移動速度を、以下、圧延速度という。

0019

圧延ローラ駆動装置31は、電気モータなどで構成され、被圧延材張力制御装置1からの速度指令に基づき、圧延ローラ42を指令された速度で回転させる。ここで、入側の圧延ローラ42aによる被圧延材43の移動速度と、出側の圧延ローラ42bによる被圧延材43の移動速度との間に差異が生じると、被圧延材43は、たるんだり、引っ張られたりするため、被圧延材43にかかる張力が変動する。

0020

そこで、被圧延材張力制御装置1は、ルーパ40を介して、被圧延材43にかかる張力(実際には、張力に相当し得る物理量)を検出して、その張力の変動を打ち消すように、つまり、被圧延材43にかかる張力が一定になるように、ルーパ40および圧延ローラ駆動装置31を制御する。

0021

ルーパ40は、被圧延材43の移動に伴って回転しつつ、その被圧延材43を支持する支持ローラ40aと、その支持ローラ40aが被圧延材43から受ける荷重を検出する荷重検出器40bと、ピストン40eおよびピストン棒40fを備えて油圧によりピストン40eを往復移動させる油圧シリンダ40dと、一方の端部が油圧シリンダ40dのピストン棒40fの先端部につながれ、他方の端部が支持ローラ40aの回転軸につながれ、ピストン棒40fの往復移動を支持ローラ40aの上下方向の移動に変換するリンク機構40cと、油圧シリンダ40d内でのピストン40eの位置を検出するピストン位置検出器40gと、を含んで構成される。

0022

油圧シリンダ40dは、ピストン40eにより2つの空間に仕切られ、その2つの空間の圧力は、油圧サーボバルブ41および油圧サーボ駆動装置30によって与えられる。ピストン40eの位置は、油圧シリンダ40d内の2つの空間の圧力差、および、ピストン40eがピストン棒40fおよびリンク機構40cを介して伝達される支持ローラ40aが受ける荷重によって定まる。これは、油圧サーボ駆動装置30が油圧シリンダ40d内のピストン40eで仕切られた2つの空間にそれぞれ通じる油圧サーボバルブ41のバルブ開度を制御することによって、ピストン40eの位置、つまり、支持ローラ40aの上下方向の位置(以下、この上下方向の位置を、単に、ルーパ位置という)を制御することができることを意味する。

0023

ところで、被圧延材43にかかる張力は、ルーパ位置を上方に移動させると大きくなり、下方に移動させると小さくなる。従って、被圧延材張力制御装置1は、被圧延材43にかかる張力の減少または増加を検出したときには、その張力を増加または減少させるために、油圧サーボ駆動装置30に対し、ルーパ位置を上方または下方に移動させることを指示すればよい。すなわち、被圧延材張力制御装置1が行う制御の入力は、被圧延材43にかかる張力であり、出力は、ルーパ位置である。従って、その制御を行うには、その張力およびルーパ位置を検出する必要がある。

0024

本実施形態では、被圧延材張力制御装置1は、被圧延材43にかかる張力を2通りの方法で取得する。実際には、張力そのものを検出することは困難であるから、その張力に対応する2種の物理量を取得する。その1つは、ルーパ40の荷重検出器40bによる検出値であり、他の1つは、油圧シリンダ40d内に設けられた図示しない圧力検出器による検出値である。なお、ここでいう圧力検出器は、油圧シリンダ40d内のピストン40eで仕切られた2つの空間の圧力差を検出するものであるとする。

0025

荷重検出器40bによる検出値は、支持ローラ40aが被圧延材43から受ける荷重を検出したものであるから、被圧延材43にかかる張力に忠実に対応する物理量といえる。また、油圧シリンダ40d内の2つの空間の圧力差で生じる油圧は、支持ローラ40aが被圧延材43から受ける荷重がリンク機構40cを介して伝達された力と均衡するものであるので、圧力検出器による検出値も、被圧延材43にかかる張力に対応する物理量といえる。

0026

また、被圧延材張力制御装置1は、ルーパ位置に対応する物理量として、ピストン位置検出器40gの検出値を取得する。ピストン位置検出器40gは、油圧シリンダ40dの一方の底からピストン40eまでの距離を計測し、ピストン位置として検出する。ピストン位置は、リンク機構40cなどを介して、支持ローラ40aの位置、つまり、ルーパ位置に連動している。従って、ピストン位置が検出されれば、ルーパ位置は、その検出値と、油圧シリンダ40d、ピストン棒40f、リンク機構40cなどの機械的な形状や配置を表す物理量(これらは、あらかじめ与えられる値であるので、以下、ルーパ40の機械構成に基づく設定値という)との演算により求めることができる。

0027

さらに、図1を参照しつつ、被圧延材張力制御装置1の詳細な機能ブロックの構成について説明する。

0028

被圧延材張力制御装置1は、張力設定値学習部2、圧力指令補正量学習部3、ルーパ位置設定部11、圧延速度設定部12、圧力指令演算部20、圧力制御部21、ルーパ位置制御部22、圧延速度制御部23、第1圧力指令補正部24、第2圧力指令補正部25、補正量切替部26、圧力検出部27、荷重検出部28、ルーパ位置検出部29などの機能ブロックを含んで構成される。このうち、張力設定値学習部2は、その内部に張力値設定部10、圧延実績値収集部13、圧延実績値抽出部14、圧延実績値蓄積部15などを含んで構成され、また、圧力指令補正量学習部3は、相関抽出部16、相関蓄積部17、相関算出部18などを含んで構成される。

0029

圧力検出部27は、ルーパ40内の油圧シリンダ40d内に設けられた図示しない圧力検出器による圧力検出値を取得し、荷重検出部28は、ルーパ40内の荷重検出器40bによる荷重検出値を取得し、また、ルーパ位置検出部29は、ピストン位置検出器40gによる検出値を演算してルーパ位置を取得する。なお、被圧延材43にかかる張力は、圧力検出部27または荷重検出部28が取得した圧力検出値または荷重検出値と、ルーパ位置検出部29が取得したルーパ位置と、被圧延材43の寸法およびルーパ40の機械構成に基づく設定値と、を演算することによって求めることができる。

0030

第1圧力指令補正部24は、ルーパ位置検出部29で取得されたルーパ位置の検出値、張力値設定部10で設定された張力設定値、被圧延材43の寸法およびルーパ40の機械構成に基づいた設定値などを用いて、荷重検出部28で取得される荷重の検出値に相当する荷重の理論値を演算し、その演算した荷重の理論値と荷重検出部28で取得された荷重の検出値との差分を演算する。さらに、第1圧力指令補正部24は、その荷重の理論値と荷重検出値との差分、ルーパ位置検出値、ルーパ40の機械構成に基づく設定値を用いて、第1圧力指令値補正量を演算し、その演算された第1圧力指令値補正量を補正量切替部26および相関抽出部16に送信する。

0031

圧力指令補正量学習部3は、前記したように、相関抽出部16、相関蓄積部17、相関算出部18などを含んで構成され、被圧延材43が圧延されているとき、圧力検出部27で取得された圧力検出値と第1圧力指令補正部24から出力された第1圧力指令値補正量との相関関係を抽出し、抽出した相関関係を表す関係式の係数を取得し、その関係式の係数を用いて、その関係式の係数を学習する。

0032

すなわち、圧力指令補正量学習部3において、相関抽出部16は、被圧延材43が圧延されているとき、圧力検出部27からの圧力検出値および第1圧力指令補正部24からの第1圧力指令値補正量を随時受信し、その受信した圧力検出値および第1圧力指令値補正量を蓄積する。なお、圧延中に補正量切替部26で補正量の切り替えが行われた場合には、補正量切替部26から相関抽出部16へ、その切り替えを通知する切替信号が送信される。そこで、相関抽出部16は、圧延が終了したとき、その切替信号の有無によって、圧延の際に切り替えが行われたか否かを判定する。

0033

そして、その判定で、圧延の際に切り替えが行われていないと判定された場合には、相関抽出部16は、蓄積した圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関関係(すなわち、相関係数)を抽出する。そして、その相関関係の抽出で得られた相関係数があらかじめ定められた閾値より大きかった場合、その相関関係を表す関係式を算出する。ここでは、その関係式を一次式で表し、圧力検出値をX、第1圧力指令値補正量をYとすれば、関係式は式(1)のように表される。
Y=A・X+B ・・・式(1)

0034

相関抽出部16は、こうして抽出した圧力検出値と第1圧力指令値補正量との関係式(式(1))の係数を相関蓄積部17に送信する。相関蓄積部17は、その送信された関係式の係数を受信して、蓄積する。従って、相関蓄積部17には、被圧延材43の圧延が行われるたびに、圧力検出値と第1圧力指令値補正量との間の関係式の係数が蓄積される。

0035

相関算出部18は、相関蓄積部17に蓄積された圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数を学習し、その学習後の関係式の係数を第2圧力指令補正部25へ送信する。ただし、圧延の際に切替えが行われた場合や、得られた相関係数が所定の閾値より小さかった場合には、相関抽出部16は、相関関係の抽出、相関関係による関係式の算出、相関蓄積部17への相関係数の送信を行わない。従って、それに後続する相関蓄積部17における関係式の係数の蓄積や、相関算出部18における関係式の係数の学習も行われない。

0036

また、相関算出部18は、圧延実績値蓄積部15に蓄積されている圧延実績値を参照することができるものとし、圧力検出値から圧力検出値の補正量を導出する関係式の係数を学習する際には、その圧延実績値をも参照して学習を行う。

0037

なお、ここでいう関係式の係数の学習とは、被圧延材43の圧延が正常に行われた場合に得られる圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数を、過去の圧延によって取得され、蓄積されている圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数に組み入れていく処理であり、その詳細については、別途図8を参照して説明する。

0038

第2圧力指令補正部25は、相関算出部18で学習した、圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関関係を表す関係式の係数と、圧力検出部27で取得された圧力検出値とを用いて、第2圧力指令値補正量を演算し、演算結果を補正量切替部26に送信する。

0039

補正量切替部26は、荷重検出部28で取得される荷重検出値が正常であるか否かを判定し、その荷重検出値が正常であった場合には、第1圧力指令補正部24から送信された第1圧力指令値補正量を圧力指令演算部20へ送信する。また、正常でなかった場合には、補正量切替部26は、第2圧力指令補正部25から送信された第2圧力指令値補正量を圧力指令演算部20へ送信する。なお、その切替処理の詳細については、別途、図6を参照して、また、荷重検出値が正常であるか否かを判定する処理については、別途、図10を参照して詳しく説明する。

0040

圧力指令演算部20は、張力値設定部10から送信された張力設定値、被圧延材43の寸法とルーパ40の機械構成に基づく設定値、ルーパ位置検出部29で取得されたルーパ位置、補正量切替部26から送信された圧力指令値補正量、などを用いて、油圧サーボ駆動装置30への圧力指令値を演算し、その演算した圧力指令値を圧力制御部21へ送信する。

0041

圧力制御部21は、圧力指令演算部20から送信された圧力指令値と、圧力検出部27で取得された圧力検出値との差分を演算し、さらに、その差分がになるように、油圧サーボバルブ41の開度を演算し、その演算結果を油圧サーボ駆動装置30へ送信する。油圧サーボ駆動装置30は、圧力制御部21により演算されたバルブ開度になるように油圧サーボバルブ41に電圧を与えて、油圧サーボバルブ41を駆動することにより、被圧延材43にかかる張力を制御する。

0042

ルーパ位置制御部22は、ルーパ位置検出部29によって取得されたルーパ位置、および、ルーパ位置設定部11で設定されたルーパ40の初期位置や目標位置などの設定値を入力し、ルーパ位置が目標位置になるように、圧延速度の補正量を演算し、その演算結果を圧延速度制御部23へ送信する。

0043

圧延速度制御部23は、ルーパ位置制御部22から送信された圧延速度の補正値、および、圧延速度設定部12で設定された圧延速度の目標値などの設定値を入力し、圧延ローラ駆動装置31に対し、補正された圧延速度が得られるように、圧延ローラ42を駆動するための電流を出力する。

0044

張力設定値学習部2は、前記したように、張力値設定部10、圧延実績値収集部13、圧延実績値抽出部14、圧延実績値蓄積部15などを含んで構成され、被圧延材43が圧延されているときに、圧延実績値を収集し、その収集した圧延実績値と張力設定値との相関を表す関係式の係数を学習する。ここで、圧延実績値は、入側計測装置44、中間計測装置45および出側計測装置46で計測された被圧延材43の板厚実績値、板幅実績値温度実績値に加え、圧力検出部27で取得された圧力検出値から演算された張力実績値、荷重検出部で取得された荷重検出値から演算された張力実績値、ルーパ位置検出部29で取得されたルーパ位置実績値を含むものとする。

0045

張力設定値学習部2において、圧延実績値収集部13は、圧延中の被圧延材43の圧延実績値を随時受信し、その受信した実績値を蓄積する。そして、被圧延材43圧延が終了した後、その蓄積した圧延実績値を圧延実績値抽出部14へ送信する。

0046

圧延実績値抽出部14は、そのとき収集した圧延実績値を過去の圧延実績値に基づいて解析し、その収集した圧延実績値が正常であるか否か判定する。そして、その判定の結果、正常であると判定された場合には、圧延実績値抽出部14は、収集した圧延実績値を圧延実績値蓄積部15に送信する。圧延実績値蓄積部15は、送信されてきた圧延実績値を受信し、蓄積する。

0047

張力値設定部10は、圧延実績値蓄積部15に蓄積された圧延実績値を用いて、圧延実績値と張力設定値との相関を表す関係式の係数を学習し、その学習された係数に基づく関係式を用いて、最適な張力設定値を求め、求めた張力設定値を、圧力指令演算部20へ送信する。なお、圧延実績値抽出部14において、圧延実績値が正常でないと判定された場合には、圧延実績値の圧延実績値蓄積部15への送信、圧延実績値蓄積部15での圧延実績値の蓄積、張力値設定部10における相関を表す関係式の係数の学習は行われない。

0048

続いて、図1を参照しつつ、図2図11を参照して、被圧延材張力制御装置1における主要な機能ブロックの詳細な動作について説明する。

0049

図2は、被圧延材張力制御装置1の第1圧力指令補正部24における第1圧力指令値補正量演算処理の処理フローの例を示した図である。
第1圧力指令補正部24は、ルーパ位置検出部29によって取得されたルーパ位置の検出値、張力値設定部10によって設定された張力設定値、被圧延材43の寸法、および、ルーパ40の機械構成に基づく設定値を用いて、荷重検出部28が取得する荷重検出値に相当する荷重の理論値を演算する(ステップS21)。次に、第1圧力指令補正部24は、その演算された荷重の理論値と荷重検出部28で取得された荷重検出値の差分を演算する(ステップS22)。さらに、第1圧力指令補正部24は、その演算された荷重の理論値と荷重検出値との差分、ルーパ位置検出値、ルーパ40の機械構成に基づいた機械の設定値を用いて、圧力指令値補正量を演算する(ステップS23)。

0050

図3は、第2圧力指令補正部25における第2圧力指令値補正量演算処理の処理フローの例を示した図である。
第2圧力指令補正部25は、被圧延材43の圧延開始前までに、相関算出部18で学習した圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関関係を表す関係式の係数、すなわち、圧力検出値から第1圧力指令値補正量を導出する関係式の係数を受信する(ステップS31)。次に、第2圧力指令補正部25は、被圧延材43の圧延中に、圧力検出部27から圧力検出値を随時受信し(ステップS32)、相関算出部18で学習した、圧力検出値から第2圧力指令値補正量を導出する関係式の係数と、その圧力検出値と、を用いて、第2圧力指令値補正量を演算する(ステップS33)。

0051

図4は、張力設定値学習部2における張力設定値学習処理の処理フローの例を示した図である。
圧延実績値収集部13は、被圧延材43の圧延時に、入側計測装置44、中間計測装置45および出側計測装置46などで計測される圧延実績値を随時受信し、蓄積する(ステップS41)。なお、圧延実績値は、圧力検出値から演算された張力実績値、荷重検出値から演算された張力実績値およびルーパ位置実績値などを含む。被圧延材43の圧延が終了すると、圧延実績値収集部13は、その受信、蓄積した圧延実績値を、圧延実績値抽出部14へ送信する(ステップS42)。

0052

圧延実績値抽出部14は、そのとき収集した圧延実績値を過去の圧延実績値に基づいて解析し、その収集した圧延実績値が正常であるか否かを判定し(ステップS43)、圧延実績値が正常であった場合には(ステップS44でYes)、圧延実績値抽出部14は、収集した圧延実績値を圧延実績値蓄積部15に送信する(ステップS45)。圧延実績値蓄積部15は、その送信された圧延実績値を受信し、蓄積する(ステップS46)。

0053

次に、張力値設定部10は、圧延実績値蓄積部15に蓄積された圧延実績値と張力実績値とを用いて、その相関関係を表す関係式の係数を学習するとともに、その関係式を用いて、最適な張力設定値を設定する(ステップS47)。一方、収集した圧延実績値が正常でなかった場合には(ステップS44でNo)、圧延実績値蓄積部15は、圧延実績値の蓄積を行わず、従って、張力値設定部10は、前記関係式の係数の学習を行わない。なお、ステップS43における収集した圧延実績値が正常であるか否かを判定する処理の詳細については、別途、図11を参照して説明する。また、ステップS47における張力設定値の学習の詳細については、別途、図8を参照して説明する。

0054

図5は、圧力指令補正量学習部3における圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数を学習する処理の処理フローの例を示した図である。
圧力指令補正量学習部3において、相関抽出部16は、被圧延材43が圧延されているとき、圧力検出部27からの圧力検出値、第1圧力指令補正部24からの第1圧力指令値補正量、および、補正量切替部26からの切替信号を随時受信し、蓄積する(ステップS51)。

0055

相関抽出部16は、圧延終了後に、切替信号受信の有無を判定し(ステップS52)、圧延中に切替信号を受信していなかった場合には(ステップS53でNo)、蓄積した圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関関係(つまり、相関係数)を抽出する(ステップS54)。そして、その相関関係の抽出で得られた相関係数があらかじめ定められた閾値より大きかった場合には(ステップS55でYes)、相関抽出部16は、その相関関係を表す関係式(すなわち、式(1))を算出し、相関蓄積部17へ送信する(ステップS56)。

0056

相関蓄積部17は、その送信された相関関係を表す関係式を受信し、その関係式の係数を蓄積する(ステップS57)。続いて、相関算出部18は、相関蓄積部17に蓄積された圧力検出値と第1圧力指令値補正量との相関を表す関係式の係数を学習する(ステップS58)。なお、ステップS58における相関を表す関係式の係数の学習の詳細については、別途、図8を参照して説明する。

0057

一方、相関抽出部16が圧延中に切替信号を受信していた場合(ステップS53でYes)や、ステップS54で抽出した相関係数が所定の閾値以下であった場合には(ステップS55でNo)、ステップ56〜ステップS58の処理は実行されない。すなわち、ステップS58における相関関係式の係数の学習は行われない。

0058

図6は、補正量切替部26における圧力指令値補正量の切替処理の処理フローの例を示した図である。
補正量切替部26は、荷重検出部28から送信される荷重検出部28が正常であることを示す信号(以下、単に、正常信号という)および荷重検出値、圧力検出部27から送信される圧力検出値、ルーパ位置検出部29から送信されるルーパ位置検出値、張力値設定部10から送信される被圧延材43の寸法とルーパ40の機械構成に基づく設定値、第1圧力指令補正部24から送信される第1圧力指令値補正量、第2圧力指令補正部25から送信される第2圧力指令値補正量を受信する(ステップS61)。

0059

そして、補正量切替部26は、受信した荷重検出値、圧力検出値、ルーパ位置検出値、被圧延材43の寸法とルーパ40の機械構成に基づいた設定値を用いて、荷重検出値に基づく張力、および、圧力検出値に基づく張力をそれぞれ演算する(ステップS62)。

0060

次に、補正量切替部26は、荷重検出部28からの正常信号、第1圧力指令値補正量、第2圧力指令値補正量、演算された荷重検出値基づく張力、演算された圧力検出値に基づく張力を用いて、荷重検出値が正常であるか否かを判定する(ステップS63)。なお、ステップS63の荷重検出値が正常であるか否かを判定する処理の詳細については、別途、図10を参照して説明する。

0061

ステップS63における判定で、荷重検出値が正常であった場合には(ステップS64でYes)、補正量切替部26は、第1圧力指令値補正量を圧力指令演算部20に送信し(ステップS65)、また、荷重検出値が正常でなかった場合には(ステップS64でNo)、第2圧力指令値補正量を圧力指令演算部20に送信する(ステップS66)。

0062

図7は、圧力指令演算部20における油圧サーボ駆動装置30への圧力指令値を演算する圧力指令値演算処理の例を示した図である。
圧力指令演算部20は、ルーパ位置検出部29から送信されたルーパ位置検出値、張力値設定部10から送信された張力設定値および被圧延材43の寸法とルーパ40の機械構成に基づく設定値、補正量切替部26から送信された圧力指令値補正量を受信する(ステップS71)。次に、圧力指令演算部20は、受信したルーパ位置検出値、張力設定値、被圧延材43の寸法とルーパ40の機械構成に基づく設定値を用いて圧力設定値を演算し(ステップS72)、その演算で得られた圧力設定値と受信した圧力指令値補正量とを用いて圧力指令値を演算する(ステップS73)。

0063

図8は、張力設定値学習部2および圧力指令補正量学習部3における相関関係式の係数を学習する学習処理の処理フローの例を示した図である。
ここで、張力設定値学習部2における学習処理は、張力値設定部10において行われ、圧延実績値に対して最適な張力を設定するための、圧延実績値と張力実績値との相関を表した相関関係式の係数を学習する処理である(図4、ステップS47参照)。また、圧力指令補正量学習部3における学習処理は、相関算出部18において行われ、張力設定値と圧力検出値とから第2圧力指令値補正量を導出する相関関係式の係数を学習する学習処理である(図5、ステップS58参照)。なお、両者の処理は、類似した処理であるので、ここでは、両者の処理を図8にまとめた形で説明する。また、本明細書の以下の説明では、両者それぞれで用いられる相関関係式を総称して、単に、「関係式」と略称し、張力値設定部10および相関算出部18を総称して、単に、「学習部」と称する。

0064

図8図1も参照)に示すように、学習部は、圧延実績値Rが正常であった場合には、圧延実績値蓄積部15から送信される圧延実績値R、張力設定値Tおよび関係式の係数Pを受信する(ステップS81)。

0065

学習部は、圧延実績値R、張力設定値Tおよび関係式の係数Pを、今回材の鋼種G、板厚目標値X、板幅目標値Yに応じて、複数の層に分類する(ステップS82)。ここで、層iに分類された圧延実績値RをR(i)、張力設定値TをT(i)および関係式の係数PをP(i)とし、さらに、圧力実績値Rを層iに分類する関数をfri、張力設定値Tを層iに分類する関数をfti、関係式の係数Pを層iに分類する関数をfpiとすれば、R(i)、T(i)、P(i)は、それぞれ次に示す式(2)〜式(4)によって表わされる。
R(i)=fri(R,G,X,Y) ・・・式(2)
T(i)=fti(T,G,X,Y) ・・・式(3)
P(i)=fpi(P,G,X,Y) ・・・式(4)

0066

学習部には、層iに分類された圧延実績値R(i)、張力設定値T(i)および関係式の係数P(i)を保存するため、長期間の学習用のテーブルおよび短期間の学習用のテーブルが設けられており、学習部は、圧延実績値R(i)、張力設定値T(i)および関係式の係数P(i)を、それぞれ、長期間の学習用のテーブルおよび短期間の学習用のテーブルに保存する(ステップS83)。なお、このとき、そのそれぞれのテーブルには、すでに、層iごとに前回までに圧延された被圧延材43(以下、前回材という)の圧延実績値、張力設定値および関係式の係数が保存されている。

0067

ここで、説明を分かり易くするために、層iにおける、長期間の学習用のテーブルに保存する今回材の圧延実績値をRl(i)、短期間の学習用のテーブルに保存する今回材の圧延実績値をRs(i)、長期間の学習用のテーブルに保存する今回材の張力設定値をTl(i)、短期間の学習用のテーブルに保存する今回材の張力設定値をTs(i)、長期間の学習用のテーブルに保存する今回材の関係式の係数をPl(i)、短期間の学習用のテーブルに保存する今回材の関係式の係数をPs(i)と表し、さらに、前回材までの長期間の学習した圧延実績値をRlo(i)、前回材までの短期間の学習した圧延実績値をRso(i)、前回材までの長期間の学習した張力設定値をTlo(i)、前回材までの短期間の学習した張力設定値をTso(i)、前回材までの長期間の学習した関係式の係数をPlo(i)、前回材までの短期間の学習した関係式の係数をPso(i)と表す。

0068

すなわち、長期間の学習用のテーブルおよび短期間の学習用のテーブルのそれぞれに保存されるRl(i)、Rs(i)、Tl(i)、Ts(i)、Pl(i)、Ps(i)は、式(5)〜式(10)によって表される。
Rl(i)=R(i) ・・・式(5)
Rs(i)=R(i) ・・・式(6)
Tl(i)=T(i) ・・・式(7)
Ts(i)=T(i) ・・・式(8)
Pl(i)=P(i) ・・・式(9)
Ps(i)=P(i) ・・・式(10)

0069

学習部が短期間の学習を行う場合、次回材(次に圧延しようとしている被圧延材43)の張力設定値および関係式の係数は、今回材の圧延実績値Rs(i)、張力設定値Ts(i)および関係式の係数Ps(i)、ならびに、前回材までの短期間の学習した圧延実績値Rso(i)、張力設定値Tso(i)および関係式の係数Pso(i)を用いて演算される。そこで、学習部は、層iにおける、次回材の張力設定値Tsn(i)を演算する関数をfts、次回材の関係式の係数Psn(i)を演算する関数をfpsとして、短期間の学習を行った場合の層iにおける次回材の張力設定値Tsn(i)および次回材の関係式の係数Psn(i)を、それぞれ、式(11)および式(12)により演算する(ステップS84)。
Tsn(i)=fts(Ts(i),Tso(i)) ・・・式(11)
Psn(i)=fps(Ps(i),Pso(i)) ・・・式(12)

0070

また、学習部が長期間の学習を行う場合、次回材の張力設定値および関係式の係数は、今回材の圧延実績値Rl(i)、張力設定値Tl(i)および関係式の係数Pl(i)、ならびに、前回材までの長期間の学習した圧延実績値Rlo(i)、張力設定値Tlo(i)および関係式の係数Plo(i)を用いて演算される。そこで、学習部は、層iにおける、次回材の張力設定値Tln(i)を演算する関数をftl、次回材の関係式の係数Pln(i)を演算する関数をfplとして、長期間の学習を行った場合の層iにおける、次回材の張力設定値Tln(i)および次回材の関係式の係数Pln(i)を、それぞれ、式(13)および式(14)により演算する(ステップS85)。
Tln(i)=ftl(Tl(i),Tlo(i)) ・・・式(13)
Pln(i)=fpl(Pl(i),Plo(i)) ・・・式(14)

0071

学習部は、以上のような短期間の学習および長期間の学習によって、それぞれ次回材の張力設定値Tsn(i)、Tln(i)および関係式の係数Psn(i)、Pln(i)を演算した後には、次回材の層が今回材の層と一致しているか否かを判定する(ステップS86)。ここで、次回材の層をinと表すと、ステップS86の判定は、式(15)の判定により表わすことができる。
i=in ・・・(15)

0072

この判定で、次回材の層inが今回材の層iと一致していた場合、すなわち、i=inであった場合には(ステップS86でYes)、学習部は、短期間の学習で得られた次回材の張力設定値Tsn(i)および次回材の関係式の係数Psn(i)を、それぞれ、次回材の張力設定値Tn(i)および次回材の関係式の係数Pn(i)として出力する(ステップS87)。従って、次回材の張力設定値Tn(i)および次回材の関係式の係数Pn(i)は、それぞれ、式(16)および式(17)で表すことができる。
Tn(i)=Tsn(i) ・・・式(16)
Pn(i)=Psn(i) ・・・式(17)

0073

また、ステップS86の判定で、次回材の層inが今回材の層iと一致しなかった場合、すなわち、i≠inであった場合には(ステップS86でNo)、学習部は、長期間の学習で得られた次回材の張力設定値Tln(in)および次回材の関係式の係数Pln(in)を、それぞれ、短期間の学習における次回材の層inの張力設定値Tsn(in)および次回材の層inの関係式の係数Psn(in)に代入する(ステップS88)。従って、Tsn(in)およびPsn(in)は、それぞれ、式(18)および式(19)で表わすことができる。
Tsn(in)=Tln(in) ・・・式(18)
Psn(in)=Pln(in) ・・・式(19)

0074

学習部は、代入により得られた、すなわち、式(18)および式(19)の演算により得られたTsn(in)およびPsn(in)を、次回材の張力設定値Tn(in)および関係式の係数Pn(in)として出力する(ステップS89)。従って、i≠inである場合には、Tn(in)、Pn(in)は、それぞれ、式(20)および式(21)で表わすことができる。
Tn(in)=Tsn(in) ・・・式(20)
Pn(in)=Psn(in) ・・・式(21)

0075

図9は、図8の関係式の係数を学習する学習処理における学習演算処理(ステップS84およびステップS85)の処理フローの例を示した図である。
ここで、説明を簡単にするため、これ以降の説明においては、圧延の際に、検出された被圧延材43の板厚実績板厚、設定された被圧延材43の板厚を設定板厚、検出された被圧延材43の板幅を実績板幅、設定された被圧延材43の板幅を設定板幅、検出された被圧延材43の長さを板長さ、検出された被圧延材43の全板長さを板全長、検出された荷重検出値を用いた被圧延材43にかかる張力を実績張力、設定された被圧延材43にかかる張力を設定張力、検出されたルーパ40の位置を実績ルーパ位置、検出された被圧延材43の平坦度を板の平坦度という。

0076

学習部は、短期間の学習、長期間の学習においては、今回材の圧延実績値Rs(i)、Rl(i)に基づいて、今回材の張力設定値Ts(i)、Tl(i)および関係式の係数Ps(i)、Pl(i)の学習にそれぞれ用いられる学習程度αts、αtl、αps、αplを演算する(ステップS91)。なお、学習程度αts、αtl、αps、αplは、0以上で1以下のパラメータであり、とくに区別する必要がない場合には、学習程度αと総称する。

0077

これら学習程度αの演算には、圧延実績値Rs(i)、Rl(i)として、実績板厚と設定板厚との偏差が閾値以内である板長さが板全長に占める割合、実績板幅と設定板幅との偏差が閾値以内である板長さが板全長に占める割合、実績張力の平均と設定張力の偏差、実績張力の標準偏差、実績ルーパ位置の標準偏差、荷重検出値を用いた張力と圧力検出値を用いた張力との偏差の絶対値の平均、板の平坦度などが用いられる。

0078

次に、張力設定値Ts(i)、Tl(i)および関係式の係数Ps(i)、Pl(i)を学習する学習程度αを、それぞれαts、αtl、αps、αplと表す。学習部は、演算された学習程度αts、αtl、αps、αplおよび次の式(22)〜式(25)を用いて、次回材の張力設定値Tsn(i)、Tln(i)および次回材の関係式の係数Psn(i)、Pln(i)を演算する(ステップS92)。
Tsn(i)=αts・Ts(i)+(1−αts)・Tso(i)
・・・式(22)
Tln(i)=αtl・Tl(i)+(1−αtl)・Tlo(i)
・・・式(23)
Psn(i)=αps・Ps(i)+(1−αps)・Pso(i)
・・・式(24)
Pln(i)=αpl・Pl(i)+(1−αpl)・Plo(i)
・・・式(25)

0079

なお、これらの式(22)〜式(25)は、前記の式(11)〜式(14)と等価であるので、式(11)〜式(14)は、それぞれ、式(26)〜式(29)のように表わされる。
fts(Ts(i),Tso(i))
=αts・Ts(i)+(1−αts)・Tso(i) ・・・式(26)
ftl(Tl(i),Tlo(i))
=αtl・Tl(i)+(1−αtl)・Tlo(i) ・・・式(27)
fps(Ps(i),Pso(i))
=αps・Ps(i)+(1−αps)・Pso(i) ・・・式(28)
fpl(Pl(i),Plo(i))
=αpl・Pl(i)+(1−αpl)・Plo(i) ・・・式(29)

0080

図10は、図6における荷重検出値が正常であるか否かを判定する処理(ステップS63,S64)の詳細な処理フローの例を示した図である。
補正量切替部26は、荷重検出部28が正常であることを示す正常信号の受信の有無を判定し(ステップS101)、正常信号を受信していなかった場合には(ステップS102でNo)、荷重検出値が異常であると判定する(ステップS109)。また、正常信号を受信していた場合には(ステップS102でYes)、補正量切替部26は、さらに、次に示す2通りの処理により、荷重検出値が正常であるか否かを判定する。

0081

まず、第1の判定処理について説明する。補正量切替部26は、荷重検出値、圧力検出値、ルーパ位置検出値、被圧延材43の寸法およびルーパ40の機械構成に基づく設定値を用いて、荷重検出値に基づく張力TLC、圧力検出値に基づく張力TPRをそれぞれ演算する(ステップS103)。

0082

次に、補正量切替部26は、演算された張力TLCおよびTPRの差分を演算し、その差分が所定の閾値ΔTLβ1・γより小さいか否か、すなわち、次に示す式(30)が成立するか否かを判定する(ステップS104)。
|TLC−TPR|<ΔTLPβ1・γ ・・・式(30)
ここで、γは、0以上で1以下のパラメータであり、学習を行った回数や、使用者による任意の設定によって随時更新される(本明細書の以下の説明において、γの意味は、同じ)。

0083

そして、補正量切替部26は、ステップS104における判定の結果、式(30)が成立しなかった場合には(ステップS105でNo)、荷重検出値が異常であると判定し(ステップS109)、式(30)が成立した場合には(ステップS105でYes)、荷重検出値が正常であると判定する(ステップS108)。なお、ここでは、式(30)が成立しないとは、式(30)がある所定の時間以上連続して成立しないことを意味し、式(30)が成立するとは、その否定を意味するものとする。

0084

続いて、第2の判定処理について説明する。補正量切替部26は、図1を用いて説明したように、第1圧力指令値補正量と第2圧力指令値補正量とを受信している。そこで、補正量切替部26は、第1圧力指令値補正量Pと第2圧力指令値補正量Psとの差分|P−Ps|を演算し、その差分|P−Ps|が所定の設定された閾値ΔPβ1・γより小さいか否かを、式(31)に基づき判定する(ステップS106)。
|P−Ps|<ΔPβ1・γ ・・・式(31)

0085

そして、補正量切替部26は、ステップS106における判定の結果、式(31)が成立しなかった場合には(ステップS107でNo)、荷重検出値が異常であると判定し(ステップS109)、式(31)が成立した場合には(ステップS107でYes)、荷重検出値が正常であると判定する(ステップS108)。なお、ここでは、式(31)が成立しないとは、式(31)がある所定の時間以上連続して成立しないことを意味し、式(30)が成立するとは、その否定を意味するものとする。

0086

図11は、図4における圧延実績値が正常であるか否かを判定する処理(ステップS43,S44)の詳細な処理フローの例を示した図である。
圧延実績値抽出部14は、被圧延材43の実績板厚hactと設定板厚hrefとの差分が所定の閾値Δhactβより小さい部分の板長Lhactβを演算し、演算した板長Lhactβの全板長Lallに対する割合を所定の閾値ΔLhβ・γと比較し(ステップS111)、その比較の式(32)が成立するか否かを判定する(ステップS112)。
Lhactβ/Lall<ΔLhβ・γ ・・・式(32)

0087

圧延実績値抽出部14は、式(32)が成立しなかった場合には(ステップS112でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(32)が成立した場合には(ステップS112でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0088

そこで、圧延実績値抽出部14は、実績板幅wactと設定板幅wrefとの差分が所定の閾値Δwactβより小さい部分の板長Lwactβを演算し、演算した板長Lwactβの全板長Lallに対する割合を所定の閾値Δwactβ・γと比較し(ステップS113)、その比較の式(33)が成立するか否かを判定する(ステップS114)。
Lwactβ/Lall<ΔLwβ・γ ・・・式(33)

0089

圧延実績値抽出部14は、式(33)が成立しなかった場合には(ステップS114でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(33)が成立した場合には(ステップS114でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0090

次に、圧延実績値抽出部14は、実績張力の平均TactAVを演算し、その実績張力の平均TactAVと設定張力Trefとの差分を所定の閾値ΔTβ・γと比較し(ステップS115)、その比較の式(34)が成立するか否かを判定する(ステップS116)。
|TactAV−Tref|<ΔTβ・γ ・・・式(34)

0091

圧延実績値抽出部14は、式(34)が成立しなかった場合には(ステップS116でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(33)が成立した場合には(ステップS116でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0092

次に、圧延実績値抽出部14は、実績張力の標準偏差STactを所定の閾値ΔSTβ・γと比較し(ステップS117)、その比較の式(35)が成立するか否かを判定する(ステップS116)。
STact<ΔSTβ・γ ・・・式(35)

0093

圧延実績値抽出部14は、式(35)が成立しなかった場合には(ステップS118でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(35)が成立した場合には(ステップS118でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0094

次に、圧延実績値抽出部14は、実績ルーパ位置の標準偏差SLAactを所定の閾値
ΔSLAβ・γと比較し(ステップS119)、その比較の式(36)が成立するか否かを判定する(ステップS120)。
SLAact<ΔSLAβ・γ ・・・式(36)

0095

圧延実績値抽出部14は、式(36)が成立しなかった場合には(ステップS120でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(36)が成立した場合には(ステップS120でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0096

次に、圧延実績値抽出部14は、第1圧力指令値補正量Pと第2圧力指令値補正量PSとの差分を所定の閾値ΔPβ2・γと比較し(ステップS121)、その比較の式(37)が成立するか否かを判定する(ステップS122)。
|P−PS|<ΔPβ2・γ ・・・式(37)

0097

圧延実績値抽出部14は、式(37)が成立しなかった場合には(ステップS122でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(36)が成立した場合には(ステップS122でYes)、さらに、他の圧延実績値が正常であるか否かを判定する。

0098

次に、圧延実績値抽出部14は、荷重検出値に基づく張力TLCと圧力検出値に基づく張力TPRとの差分を所定の閾値ΔTLPβ2・γと比較し(ステップS123)、その比較の式(38)が成立するか否かを判定する(ステップS124)。
|TLC−TPR|<ΔPLPβ2・γ ・・・式(38)

0099

圧延実績値抽出部14は、式(38)が成立しなかった場合には(ステップS124でNo)、圧延実績値が異常であると判定し(ステップS126)、式(36)が成立した場合には(ステップS124でYes)、圧延実績値が正常であると判定する(ステップS125)。

0100

なお、図11に示した処理フローの例では、複数の圧延実績値を所定の閾値と比較することにより、圧延実績値が正常であるか否かを判定しているが、その比較項目は、この例に限定されるものではない。例に示した比較項目のいずれかが省略されてもよく、また、他の比較項目が追加されてもよい。また、比較判定する順序も、図11の例に限定されるものではない。

0101

以上、本発明の実施形態に係る被圧延材張力制御装置1は、圧力指令補正量学習部3を有し、その圧力指令補正量学習部3は、荷重検出部28によって得られた荷重検出値に異常がない場合に、圧力検出部27により取得された圧力検出値と第1圧力指令補正部24で演算された荷重検出値に基づく圧力指令値補正量(第1圧力指令値補正量)との相関関係を表す関係式の係数を学習する。従って、被圧延材張力制御装置1は、荷重検出部28により正常な荷重検出値が取得できなくなった場合には、圧力指令値補正量を、第1圧力指令補正部24で演算された補正量から、圧力指令補正量学習部3により学習された相関関係に基づいて第2圧力指令補正部25において演算された第2の補正量(第2圧力指令値補正量)に切り替えることができる。

0102

このとき、第2の補正量(第2圧力指令値補正量)は、もとの圧力指令値補正量(第1圧力指令値補正量)の相関がとられたものであるため、その差は小さい。従って、補正量の切り替えが行われても、ルーパに対する制御出力量(圧力指令値)が大きく変化することはないので、被圧延材の張力制御が不安定になることはない。よって、熱間タンデム圧延機100における被圧延材の張力制御が安定化され、その結果、被圧延材の製品品質が向上するとともに、熱間タンデム圧延機の熱間タンデム圧延機の稼働率向上を図ることができる。

0103

1被圧延材張力制御装置
2張力設定値学習部
3圧力指令補正量学習部
10張力値設定部
11ルーパ位置設定部
12圧延速度設定部
13圧延実績値収集部
14 圧延実績値抽出部
15 圧延実績値蓄積部
16相関抽出部
17 相関蓄積部
18相関算出部
20 圧力指令演算部
21圧力制御部
22 ルーパ位置制御部
23 圧延速度制御部
24 第1圧力指令補正部
25 第2圧力指令補正部
26 補正量切替部
27圧力検出部
28荷重検出部
29 ルーパ位置検出部
30油圧サーボ駆動装置
31圧延ローラ駆動装置
40 ルーパ
40a支持ローラ
40b荷重検出器
40cリンク機構
40d油圧シリンダ
40eピストン
40fピストン棒
40gピストン位置検出器
41油圧サーボバルブ
42 圧延ローラ
43被圧延材
44 入側計測装置
45 中間計測装置
46 出側計測装置
100 熱間タンデム圧延機

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