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技術 アポトーシス誘導デスレセプターアゴニストに対する抵抗性を低減することに関する薬剤及び方法

出願人 ザユーエービーリサーチファンデーション
発明者 チョウ,トンキンバリー,ロバートピー.
出願日 2011年12月26日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2011-284044
公開日 2012年5月17日 (8年3ヶ月経過) 公開番号 2012-090636
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 逆抵抗 ドリーマ 試験レベル 実験室装置 化学的構成成分 切断抵抗性 非抵抗性 内セグメント
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

デスレセプターアゴニストに対する標的細胞抵抗性を防止し又は逆転させる方法、デスレセプターアゴニスト抵抗性のバイオマーカーについてスクリーニングする方法及びデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモニタリングする方法、標的細胞において選択的にアポトーシス誘導する方法、がん自己免疫性又は炎症性疾患を患う個体を治療する方法であって、ここで提供される組成物投与する工程を含む方法を提供する。さらに、CARD含有タンパク質を調節する薬剤を含む組成物を提供する。

解決手段

デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーについて細胞をスクリーニングする方法であって、デスレセプター及びCARD含有タンパク質の会合をモニタリングする工程を含み、会合が前記アゴニストに対する抵抗性を意味することを特徴とする、方法。

概要

背景

(発明の背景
TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)は、TNFスーパーファミリー
一員であり、がん細胞に対して強力なアポトーシス誘導活性を有する(Wiley, S.R., et
al., 1995., Immunity, 3:673-682)。TNF−α及びFasリガンドのようなTNFス
ーパーファミリーの他の死誘導リガンドとは異なり、TRAILは、がん治療剤の開発に
おいて特に興味深いものであるが、これは、TRAILが正常細胞にはほとんど又は全く
影響を及ぼさずに腫瘍細胞アポトーシス優先的に誘導するためである(Walczak, H.,
et al. 1999. Nat Med 5:157-163)。TRAILに関して少なくとも5種のレセプター
が同定されており、そのうち2種、DR4(TRAIL−R1)及びDR5(TRAIL
−R2)は、アポトーシスシグナルを伝達することができるが(Walczak, H., et al. 19
97. Embo J 16:5386-5397; Pan, G., et al. 1997. Science 276:111-113; Chaudhary, P
.M., et al. 1997. Immunity 7:821-830)、一方、それら以外の3種(TRAIL−R3
、−R4及びOPG)は、TRAIL媒介性アポトーシスをブロックするためのデコイ
セプターとして役立つ(Pan, G., et al. 1997. Science 277:815-818; Marsters, S.A.,
et al. 1997. Curr Biol 7:1003-1006; Emery, J.G., et al. 1998. J Biol Chem 273:1
4363-14367)。Fas及びTNFR1と同様、DR4及びDR5の細胞内セグメントは、
デスドメインを含んでおり、FADD及びカスパーゼ依存性経路を通じてアポトーシス
シグナルを伝達する(Walczak, H., et al. 1997. Embo J 16:5386-5397; Chaudhary, P.
M., et al. 1997. Immunity 7:821-830; Kuang, A.A., et al. 2000. J Biol Chem 275:2
5065-25068)。マウス及び霊長類を含む実験動物におけるTRAILの組換え可溶性形態
投与は、全身毒性なしに有意な腫瘍退行を誘導する(Walczak, H., et al. 1999. Nat
Med 5:157-163)。しかし、TRAILはヒトにおいて肝臓毒性のような副作用誘起
ることが示されているため、TRAILレセプターの他のアゴニストが開発されてきた。

独特のアゴニスト性モノクローナル抗DR5抗体であるTRA−8及びそのヒト化バー
ジョンもしくはヒトバージョンを用いたDR5の選択的ターゲティングは、腫瘍細胞の効
率的かつ選択的なアポトーシスを誘導することができる。すべてのTRAIL感受性がん
細胞は、TRA−8媒介性アポトーシスに対して感受性であることが見出されている。化
療法剤は、インビボ及びインビトロの両方で腫瘍細胞のTRAIL媒介性アポトーシス
相乗的に増強することができる。たとえば、TRA−8とアドリアマイシン(Adriamyc
in)との組合せ療法は、いずれか一方単独の場合よりも有意に高い完全腫瘍退行率をもた
らした(Buchsbaum, D.J., et al. 2003. Clin Cancer Res 9:3731-3741)。これらの結
果は、化学療法剤がDR5のシグナル伝達又はアポトーシスを誘導するために必要なシグ
ナル閾値を調節する可能性があることを示唆する。TRA−8は、その有効性及び安全
性に基づいて、がん治療法としての開発の候補として選択されてきた。前臨床研究により
、TRA−8が、ヒトがんの異種移植片モデルにおいて、特に化学療法との組合せで、非
常に強い抗がん有効性を有していることが示されている(Buchsbaum, D.J., et al. 2003
. Clin Cancer Res 9:3731-3741)。さらに、サルがTRA−8の全身投与をよく許容
ることも示されている。サルDR5に対するTRA−8の結合は、ヒトDR5に対する結
合と同様であり、サルは、48mg/kgもの高い用量を許容した。

しかし、標的細胞によるデスレセプター発現は、このレセプターに関するリガンドに
よるアポトーシスの誘導に対して細胞を感受性にするのに必ずしも十分ではない。一例と
して、ほとんどのがん細胞は高レベルのDR5を発現するが、これらはTRA−8によっ
て誘導されるアポトーシスに対して必ずしも感受性ではなく、TRA−8は、DR5に対
して特異的であり、デコイレセプターとは反応しない。そのうえ、がん細胞のような標的
細胞は、TRA−8又はデスレセプターを通じてアポトーシスを誘導する他の薬剤類(た
とえばDR4又はDR5)に対する抵抗性を示すことができる。この技術分野において必
要とされているのは、抵抗性を予測するためのバイオマーカーであり、TRA−8のよう
なデスレセプターのアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を低減する手段である。

概要

デスレセプターアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を防止し又は逆転させる方法、デスレセプターアゴニスト抵抗性のバイオマーカーについてスクリーニングする方法及びデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモニタリングする方法、標的細胞において選択的にアポトーシスを誘導する方法、がん、自己免疫性又は炎症性疾患を患う個体を治療する方法であって、ここで提供される組成物を投与する工程を含む方法を提供する。さらに、CARD含有タンパク質を調節する薬剤を含む組成物を提供する。デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーについて細胞をスクリーニングする方法であって、デスレセプター及びCARD含有タンパク質の会合をモニタリングする工程を含み、会合が前記アゴニストに対する抵抗性を意味することを特徴とする、方法。なし

目的

たとえば、デスレセプター抵抗性の場合には、デスレセプターアゴニストに対す
る標的細胞の抵抗性を予防することは、その細胞を、そのアゴニストに対して抵抗性にな
能力をより少なくすることである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

デスレセプターアゴニストに対する抵抗性バイオマーカーについて細胞スクリーニングする方法であって、デスレセプター及びCARD含有タンパク質会合モニタリングする工程を含み、会合が前記アゴニストに対する抵抗性を意味することを特徴とする、方法。

請求項2

前記細胞を前記デスレセプターアゴニストと予め接触させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。

請求項3

デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーについて細胞をスクリーニングする方法であって、カスパーゼ又はカスパーゼ調節因子(IAP)とCARD含有タンパク質との会合をモニタリングする工程を含み、IAPとCARD含有タンパク質との会合が前記アゴニストに対する抵抗性を示すことを特徴とする、方法。

請求項4

前記細胞を前記デスレセプターアゴニストと予め接触させる工程をさらに含む、請求項3記載の方法。

請求項5

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1からなる群から選択される、請求項1又は3記載の方法。

請求項6

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1に対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項1又は3記載の方法。

請求項7

前記カスパーゼが、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−4又はカスパーゼ−5である、請求項3記載の方法。

請求項8

前記カスパーゼ調節因子が、cIAP1、cIAP2、XIAP及びサバイビンからなる群から選択されるIAPである、請求項3記載の方法。

請求項9

被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモニタリングする方法であって、(a)この被検対象から生物学的試料を得る工程、及び(b)前記試料中のカスパーゼ又はカスパーゼ調節因子とDDX3との会合を検出する工程であって、会合は抵抗性を示す、工程を含むことを特徴とする方法。

請求項10

前記カスパーゼが、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−4又はカスパーゼ−5である、請求項9記載の方法。

請求項11

前記カスパーゼ調節因子が、cIAP1、cIAP2、XIAP及びサバイビンからなる群から選択されるIAPである、請求項9記載の方法。

請求項12

被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモニタリングする方法であって、(a)この被検対象から生物学的試料を得る工程、及び(b)前記試料中のCARD含有タンパク質とデスレセプターとの会合を検出する工程であって、抵抗性細胞の会合のレベルと同様の会合のレベルは抵抗性を示す、工程を含むことを特徴とする方法。

請求項13

IAPと前記CARD含有タンパク質との会合を検出する工程であって、抵抗性細胞の会合のレベルと同様のIAP及びCARD含有タンパク質間の会合のレベルは抵抗性を示す工程、をさらに含む、請求項12記載の方法。

請求項14

(a)デスレセプターアゴニスト、及び(b)CARD含有タンパク質の1以上の活性を調節する因子であって、前記デスレセプターアゴニストに対する抵抗性を低減させる調節因子、を含むことを特徴とする組成物

請求項15

前記アゴニストが、DR5抗体、DR4抗体及びTRAILからなる群から選択される、請求項14記載の組成物。

請求項16

前記デスレセプターが、Fas、TNFR1又はTRAILレセプターである、請求項14記載の組成物。

請求項17

前記TRAILレセプターが、DR4及びDR5からなる群から選択される、請求項16記載の組成物。

請求項18

前記調節因子が、キナーゼ阻害剤、DDX3切断のプロモーター、CARD依存性結合の阻害剤、IAPの阻害剤、又はDDX3発現の阻害剤である、請求項14記載の組成物。

請求項19

前記DDX3発現の阻害剤が、RNAi、siRNA又はshRNAである、請求項14記載の組成物。

請求項20

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1からなる群から選択される、請求項14記載の組成物。

請求項21

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1に対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項14記載の組成物。

請求項22

前記調節因子が、デスレセプターへのCARD含有タンパク質の結合を阻害する、請求項14記載の組成物。

請求項23

前記調節因子が、カスパーゼ又はカスパーゼ調節因子(IAP)に対するCARD含有タンパク質の結合を増大又は低減させる、請求項14記載の組成物。

請求項24

前記カスパーゼが、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−4又はカスパーゼ−5である、請求項23記載の組成物。

請求項25

前記カスパーゼ調節因子が、cIAP1、cIAP2、XIAP及びサバイビンからなる群から選択されるIAPである、請求項23記載の組成物。

請求項26

請求項27

製剤学的許容され得るキャリアをさらに含む、請求項14記載の組成物。

請求項28

短鎖ヘアピンRNA(shRNA)を含み、このshRNAがCARD含有タンパク質の発現を阻害することを特徴とする、単離された核酸

請求項29

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1からなる群から選択される、請求項28記載の単離された核酸。

請求項30

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1に対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項28記載の単離された核酸。

請求項31

前記RNAiが、配列番号1、2、3又は4の核酸配列を含む短鎖ヘアピンRNA(shRNA)である、請求項28記載の単離された核酸。

請求項32

発現制御配列作動可能に連結された、請求項28記載の単離された核酸を含むベクター

請求項33

請求項32記載のベクターを含む細胞。

請求項34

25アミノ酸残基未満を含む、デスレセプターの生存領域をコードする単離されたポリペプチド。

請求項35

前記デスレセプターが、Fas、TNFR1又はTRAILレセプターである、請求項34記載の単離されたポリペプチド。

請求項36

前記TRAILレセプターが、DR4及びDR5からなる群から選択される、請求項35記載の単離されたポリペプチド。

請求項37

前記生存ドメインが、CARD含有タンパク質結合ドメインである、請求項34記載の単離されたポリペプチド。

請求項38

前記デスレセプターが、DR5のDDX3結合ドメイン又はDR4のDDX3結合ドメインからなる群から選択される、請求項37記載の単離されたポリペプチド。

請求項39

細胞においてデスレセプターへのCARD含有タンパク質結合ブロックする方法であって、細胞を、請求項34記載のポリペプチド又は結合をブロックするそのフラグメントと接触させる工程を含む、方法。

請求項40

細胞におけるデスレセプターアゴニストに対する細胞の抵抗性を逆転させる方法であって、細胞を、請求項34記載のポリペプチドと接触させる工程を含む、方法。

請求項41

CARD含有タンパク質のデスレセプター結合ドメインを含む単離されたポリペプチド。

請求項42

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1からなる群から選択される、請求項41記載の単離されたポリペプチド。

請求項43

前記CARD含有タンパク質が、DDX3、mda−5及びRIG−1に対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項41記載の単離されたポリペプチド。

請求項44

前記ポリペプチドがカスパーゼ又はIAPと結合せず、ポリペプチドがIAPとデスレセプターとの会合をブロックし、かつ、ポリペプチドがデスレセプターへのFADDの結合を防止しない、請求項41記載の単離されたポリペプチド。

請求項45

IAPとデスレセプターとの会合をブロックする方法であって、細胞を請求項41記載のポリペプチドと接触させる工程を含む、方法。

請求項46

デスレセプターアゴニストに対する細胞の抵抗性を逆転させる方法であって、細胞を請求項41記載のポリペプチドと接触させる工程を含む、方法。

請求項47

CARD含有タンパク質の調節因子についてのスクリーニング方法であって、この調節因子がデスレセプターアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を防止し又は逆転させるものであり、以下の工程:a.候補薬剤をCARD含有タンパク質と接触させる工程、及びb.候補薬剤の不在下と比較して候補薬剤の存在下でのCARD含有タンパク質の1以上の活性の低減を検出する工程であって、この1又は複数の活性が、デスレセプターアゴニストに対する標的細胞の抵抗性と相関する工程を含み、前記CARD含有タンパク質の1又は複数の活性の低減が、この候補薬剤がCARD含有タンパク質を調節することを示す、方法。

請求項48

前記CARD含有タンパク質が細胞内にあり、細胞を、さらにデスレセプターアゴニストと1回以上接触させ、かつ、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のレベルを検出する、請求項47記載の方法。

請求項49

前記デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のレベルを、アポトーシスを測定することによって検出する、請求項48記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の参照)
本願は、2005年2月2日に出願された米国仮出願第60/649437号の利益を
請求するものであり、この出願は参照によりその全体がここに援用される。

0002

連邦により補助された研究に関する説明)
本発明は、米国国立衛生研究所(the National Institutes of Health)によって与え
られた助成金第P50CA83591号、第P50CA89019号及び第U19AI
56542号の政府の支持によりなされたものである。政府は、本発明について所定の権
利を有する。

0003

(発明の技術分野)
開示される本発明は、一般に、デスレセプターアポトーシス誘導アゴニストに対する
抵抗性阻害する薬剤、及びがん及び自己免疫性又は炎症性疾患治療におけるこのよう
な薬剤及びアゴニスト及びバイオマーカーの用途に関する。

背景技術

0004

(発明の背景
TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)は、TNFスーパーファミリー
一員であり、がん細胞に対して強力なアポトーシス誘導活性を有する(Wiley, S.R., et
al., 1995., Immunity, 3:673-682)。TNF−α及びFasリガンドのようなTNFス
ーパーファミリーの他の死誘導リガンドとは異なり、TRAILは、がん治療剤の開発に
おいて特に興味深いものであるが、これは、TRAILが正常細胞にはほとんど又は全く
影響を及ぼさずに腫瘍細胞アポトーシス優先的に誘導するためである(Walczak, H.,
et al. 1999. Nat Med 5:157-163)。TRAILに関して少なくとも5種のレセプター
が同定されており、そのうち2種、DR4(TRAIL−R1)及びDR5(TRAIL
−R2)は、アポトーシスシグナルを伝達することができるが(Walczak, H., et al. 19
97. Embo J 16:5386-5397; Pan, G., et al. 1997. Science 276:111-113; Chaudhary, P
.M., et al. 1997. Immunity 7:821-830)、一方、それら以外の3種(TRAIL−R3
、−R4及びOPG)は、TRAIL媒介性アポトーシスをブロックするためのデコイ
セプターとして役立つ(Pan, G., et al. 1997. Science 277:815-818; Marsters, S.A.,
et al. 1997. Curr Biol 7:1003-1006; Emery, J.G., et al. 1998. J Biol Chem 273:1
4363-14367)。Fas及びTNFR1と同様、DR4及びDR5の細胞内セグメントは、
デスドメインを含んでおり、FADD及びカスパーゼ依存性経路を通じてアポトーシス
シグナルを伝達する(Walczak, H., et al. 1997. Embo J 16:5386-5397; Chaudhary, P.
M., et al. 1997. Immunity 7:821-830; Kuang, A.A., et al. 2000. J Biol Chem 275:2
5065-25068)。マウス及び霊長類を含む実験動物におけるTRAILの組換え可溶性形態
投与は、全身毒性なしに有意な腫瘍退行を誘導する(Walczak, H., et al. 1999. Nat
Med 5:157-163)。しかし、TRAILはヒトにおいて肝臓毒性のような副作用誘起
ることが示されているため、TRAILレセプターの他のアゴニストが開発されてきた。

0005

独特のアゴニスト性モノクローナル抗DR5抗体であるTRA−8及びそのヒト化バー
ジョンもしくはヒトバージョンを用いたDR5の選択的ターゲティングは、腫瘍細胞の効
率的かつ選択的なアポトーシスを誘導することができる。すべてのTRAIL感受性がん
細胞は、TRA−8媒介性アポトーシスに対して感受性であることが見出されている。化
療法剤は、インビボ及びインビトロの両方で腫瘍細胞のTRAIL媒介性アポトーシス
相乗的に増強することができる。たとえば、TRA−8とアドリアマイシン(Adriamyc
in)との組合せ療法は、いずれか一方単独の場合よりも有意に高い完全腫瘍退行率をもた
らした(Buchsbaum, D.J., et al. 2003. Clin Cancer Res 9:3731-3741)。これらの結
果は、化学療法剤がDR5のシグナル伝達又はアポトーシスを誘導するために必要なシグ
ナル閾値を調節する可能性があることを示唆する。TRA−8は、その有効性及び安全
性に基づいて、がん治療法としての開発の候補として選択されてきた。前臨床研究により
、TRA−8が、ヒトがんの異種移植片モデルにおいて、特に化学療法との組合せで、非
常に強い抗がん有効性を有していることが示されている(Buchsbaum, D.J., et al. 2003
. Clin Cancer Res 9:3731-3741)。さらに、サルがTRA−8の全身投与をよく許容
ることも示されている。サルDR5に対するTRA−8の結合は、ヒトDR5に対する結
合と同様であり、サルは、48mg/kgもの高い用量を許容した。

0006

しかし、標的細胞によるデスレセプターの発現は、このレセプターに関するリガンドに
よるアポトーシスの誘導に対して細胞を感受性にするのに必ずしも十分ではない。一例と
して、ほとんどのがん細胞は高レベルのDR5を発現するが、これらはTRA−8によっ
て誘導されるアポトーシスに対して必ずしも感受性ではなく、TRA−8は、DR5に対
して特異的であり、デコイレセプターとは反応しない。そのうえ、がん細胞のような標的
細胞は、TRA−8又はデスレセプターを通じてアポトーシスを誘導する他の薬剤類(た
とえばDR4又はDR5)に対する抵抗性を示すことができる。この技術分野において必
要とされているのは、抵抗性を予測するためのバイオマーカーであり、TRA−8のよう
なデスレセプターのアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を低減する手段である。

課題を解決するための手段

0007

(本発明の簡単な概要
ここで具体化され、広く記載されているとおりの本発明の目的にしたがえば、本発明は
ひとつの側面において、デスレセプターアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を逆転
せる又は防止する方法であって、標的細胞を、CARD含有タンパク質の1以上の活性
調節因子(Modulator)と接触させることを含み、その調節がアゴニストに対する抵抗性
を逆転させる又は防止するものである、方法に関する。

0008

ここで提供されるのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーに
ついて細胞をスクリーニングする方法であって、細胞を、総DDX3又はそのホモログ
ついてアッセイすることを含み、高レベルがアゴニストに対する抵抗性を意味する、方法
である。

0009

ここで提供されるのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーに
ついて細胞をスクリーニングする方法であって、デスレセプター及びCARD含有タンパ
ク質の会合をアッセイすることを含み、会合の高レベルがアゴニストに対する抵抗性を意
味する、方法である。

0010

ここで提供されるのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーに
ついて細胞をスクリーニングする方法であって、a)細胞をデスレセプターアゴニストと
接触させる工程、b)デスレセプター及びCARD含有タンパク質のフラクションの会合
モニタリングする工程、を含み、会合がアゴニストに対する抵抗性を意味する、方法で
ある。

0011

さらに提供されるのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーに
ついて細胞をスクリーニングする方法であって、カスパーゼ又はカスパーゼの調節因子(
たとえば、cIAP1、cIAP2、XIAP、サバイビン)とCARD含有タンパク質
との会合をモニタリングする工程、及び既知の抵抗性及び非抵抗性対照細胞由来試料
会合のレベルを比較する工程を含み、抵抗性細胞の場合と同様のレベルでのIAPとCA
RD含有タンパク質との関連がアゴニストに対する抵抗性を意味する、方法である。場合
によっては、スクリーニングされるべき細胞は、デスレセプターアゴニスト(たとえばア
ニスト性抗体)と予備的に接触させる。

0012

ここで提供されるのは、被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性を
モニタリングする方法であって、(a)被検対象から生物学的試料を得る工程、及び(b
)この試料中のデスレセプターとCARD含有タンパク質との会合を検出する工程を含み
、この会合が抵抗性を示す、方法である。

0013

さらに提供されるのは、被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性を
モニタリングする方法であって、(a)被検対象から生物学的試料を得る工程、及び(b
)この試料中のCARD含有タンパク質とカスパーゼ又はカスパーゼの調節因子との会合
を検出する工程を含み、この会合が抵抗性を示す、方法である。

0014

同様に提供されるのは、デスレセプターを発現する標的細胞において選択的にアポト
シスを誘導する方法であって、(a)デスレセプターと特異的に結合する治療的量のデス
レセプターアゴニストと標的細胞とを接触させる工程、及び(b)標的細胞に、治療的量
のCARD含有タンパク質の1以上の活性の調節因子を投与する工程を含む、方法である

0015

提供されるのは、がんを患う被検対象を治療する方法であって、この被検対象に、治療
的量の(a)デスレセプターアゴニスト及び(b)CARD含有タンパク質の1以上の活
性の調節因子を投与する工程を含み、調節因子がデスレセプターアゴニストに対する抵抗
性を低減させる、方法である。

0016

同様に提供されるのは、炎症性疾患又は自己免疫性疾患を患う被検対象を治療する方法
であって、この被検対象に、治療的量の(a)デスレセプターアゴニスト及び(b)CA
RD含有タンパク質の1以上の活性を調節する薬剤を投与する工程を含み、調節因子がデ
スレセプターアゴニストに対する抵抗性を低減させる、方法である。

0017

ここで提供されるのは、(a)デスレセプターアゴニスト及び(b)CARD含有タン
パク質の1以上の活性を調節する薬剤を含む組成物であって、調節因子がデスレセプター
アゴニストに対する抵抗性を低減させる、組成物である。

0018

さらに提供されるのは、shRNAを含む単離された核酸であって、このshRNAが
CARD含有タンパク質の発現を阻害する、核酸である。

0019

同様に提供されるのは、デスレセプターのCARD含有タンパク質結合領域をコードす
る単離されたポリペプチドであって、このポリペプチドは25個未満のアミノ酸残基を含
む、ポリペプチドである。

0020

さらに提供されるのは、CARD含有タンパク質のデスレセプター結合ドメインを含む
単離されたポリペプチドである。

0021

開示された方法及び組成物の付加的な利点は、一部は後述の説明において記載されてお
り、また、一部はその説明から理解されるか、又は開示された方法及び組成物の実施によ
って学ぶことができる。開示された方法及び組成物の利点は、添付の特許請求の範囲にお
いて具体的に指摘された要素及び組合せによって実現され、得られることになる。前述の
一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方が、例示的及び説明的であるに留まるものであ
り、特許請求がされている本発明の制限的なものではないことは理解されるべきである。

実施例

0022

(発明の詳細な説明)
開示された方法及び組成物は、以下の具体的な態様の詳細な説明及びそこに含まれる実
施例、ならびに図面及びその以前及び以下の記載を参照することにより、さらに容易に理
解されるであろう。

0023

腫瘍細胞のデスレセプター媒介性アポトーシスの誘導は、がん療法に関して極めて有望
アプローチである。すべてでないとしてもほとんどの療法において、ある程度の標的細
胞は抵抗性である。一例として、TRA−8、これは独特のアゴニスト性モノクローナル
抗DR5抗体であるが、これは、肝細胞毒性を伴わずにヒトがん細胞のアポトーシスを誘
導し(Ichikawa, K., et al. 2001 Nat Med 7:954-960)、動物モデルにおいて強い抗が
ん効率を示し(Buchsbaum, D.J., et al. 2003 Clin. Cancer Res 9:3731-3741)、そし
て、非ヒト霊長類における毒性研究において安全性が証明されている。したがって、TR
A−8は、ここにおいて例として使用されるが、デスレセプター(たとえばDR4又はD
R5)活性化を通じてアポトーシスを誘導するその他の薬剤も、ここで教示される方法に
おいて使用することができる。TRA−8、及びそのヒト化された及びヒトのバージョン
は、抗がん療法として臨床開発中であるが、いくつかの腫瘍細胞株は、妥当なレベルのD
R5発現にもかかわらずTRA−8媒介性アポトーシスに対して抵抗性である。これらの
観察は、この抵抗性がレセプターの発現に関連するものではなく、むしろDR5によって
開始されるシグナリング機構に関するものであることを示唆する。たしかに、DR5媒介
性アポトーシスは、一般的な化学療法剤によって有意に増強することができる(Ohtsuka,
T.及びT. Zhou. 2002. J Biol Chem, 277:29294-29303; Ohtsuka, T., D. et al., 2003
. Oncogene, 22:2034-2044)。開示されるのは、デスレセプターと結合しカスパーゼ活性
化を阻害するCARD含有タンパク質のファミリーをターゲティングすることによりデス
レセプターアゴニストに対する抵抗性を阻害するための組成物及び方法である。

0024

開示された方法及び組成物は、別途特定されていない限り、特異的な合成の方法、特異
的な分析技術又は特定の試薬に限定されず、変わりうることは理解されるべきである。ま
た、ここで使用される用語法は、特定の態様を説明する目的のみのためであり、限定的で
あることを意図しないことも理解されるべきである。

0025

開示されているのは、開示された方法及び組成物のために使用されることができ、それ
らと関連して使用されることができ、それらを調製するために使用されることができ、又
は開示された方法及び組成物の生成物である、材料、組成物及び成分である。これらの及
び他の材料は、ここで開示されており、これらの材料の組合せ、サブセット相互作用
グループ等が開示される場合、これらの化合物の各々の種々の個別のもの及び集合的な組
合せ及び並べ替えの具体的な参照は必ずしも明示的に開示されていないが、それぞれがこ
こで具体的に企図され説明されていることは理解されるべきである。たとえば、ひとつの
ベクターが開示され考察され、かつプロモーターを含む多数のベクター成分が考察されて
いる場合、プロモーター及び他のベクター成分の各々の及びすべての組合せ及び並べ替え
及び可能な改変は、そうでないことが具体的に示されていない限り、具体的に企図されて
いる。したがって、ひとつのクラスの分子A、B及びCならびにひとつのクラスの分子D
、E及びFが開示され、組合せ分子の例A−Dが開示されている場合、各々が個別に言及
されていなくても、各々が個別にかつ集合的に企図されている。したがって、この例にお
いては、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E及びC−Fの組合せ
の各々が、具体的に企図されており、A、B及びC;D、E及びF;及び例示の組合せA
−Dの開示から開示されたものと考えられるべきである。同様に、これらの任意のサブセ
ット又は組合せもまた、具体的に企図され、開示されている。したがって、たとえば、A
−E、B−F及びC−Eのサブグループは、具体的に企図され、A、B及びC;D、E及
びF;及び例示の組合せA−Dの開示から開示されたものと考えられるべきである。この
考え方は、開示された組成物の製造及び使用の方法の工程を含め、しかしこれらに限らず
、本出願のすべての側面に適用される。したがって、行うことができる多様な付加的な工
程がある場合、これらの付加的な工程の各々は、開示された方法の任意の具体的な態様又
はその組合せとともに行うことができること、また、各々のこのような組合せが具体的に
企図されており、開示されていると考えられるべきであることは理解されるべきである。

0026

種々の配列がここで提供されており、これら及びその他のものは、Genbankにお
いて、「www.pubmed.gov」で見出すことができる。当業者は、配列の不一致及び相違を解
析する方法、及び特定の配列に関する組成物及び方法を他の関連配列適合させる方法を
理解する。プライマー及び/又はプローブは、ここで開示された情報及び当該技術分野に
おいて公知の情報が与えられれば、任意の配列について設計することができる。

0027

提供されているのは、標的細胞を、CARD含有タンパク質の1以上の活性の調節因子
と接触させることを含む、デスレセプターアゴニストに対する標的細胞の抵抗性を逆転さ
せる方法又は予防する方法であって、この調節が、アゴニストに対する抵抗性を逆転させ
又は予防する、方法である。この方法は、アポトーシスのシグナリングの研究、がん、及
び自己免疫性及び炎症性障害のような疾患の治療に有用である。したがって、この方法の
接触工程は、インビボ又はインビトロで行うことができる。

0028

終始用いられる「逆転」又は「逆転させる」は、反対の位置、方向又は経路に変えるこ
と、たとえばある疾患の経過を悪化することから改善することへ変えることを意味する。
たとえば、デスレセプター抵抗性の場合には、デスレセプターアゴニストに対する標的細
胞の抵抗性を逆転させることは、細胞を、そのアゴニストに対してより少なく抵抗性にす
ることである。したがって、たとえば、100%抵抗性の標的細胞の抵抗性を逆転させる
ことは、この標的細胞を、このデスレセプターアゴニストに対して90%〜0%抵抗性(
90%、85%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、
35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%及び0%抵抗性を含む)にする
ことができる。

0029

終始用いられている「予防(する)」は、特に前もっての計画又は作用によって、何か
が起こることを排除し、回避し、未然に防ぎ、妨害し、停止させ又は邪魔をすることを意
味する。たとえば、デスレセプター抵抗性の場合には、デスレセプターアゴニストに対す
る標的細胞の抵抗性を予防することは、その細胞を、そのアゴニストに対して抵抗性にな
能力をより少なくすることである。したがって、たとえば、標的細胞において100%
抵抗性を予防することは、その標的細胞が、そのデスレセプターアゴニストに対して0%
〜90%のみ抵抗性(0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、
40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%及
び90%抵抗性を含む)であることをもたらすことができる。

0030

「逆転」又は「予防」は、程度における変化又は程度における任意の変化の遅れを指す
。したがって、デスレセプター抵抗性の場合には「逆転」又は「予防」は、抵抗性の増大
の経過を低減させること又は抵抗性の増大を遅らせることを含む。

0031

本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「ひとつの」(
「a」、「an」)及び「その(この)」(「the」)は、文脈が明らかにそうでないことを
示す場合でない限り、複数を含む。したがって、たとえば、「ひとつのポリペプチド」は
、そのようなポリペプチドの複数を含み、「そのポリペプチド」についての言及は1又は
それ以上のポリペプチド及び当業者に公知のその等価物等についての言及である。

0032

「付加的な」又は「場合によっては」は、その後に記載される事象、状況又は材料が、
起こっても起こらなくてもよく、又は存在してもしなくてもよく、そして、その記載が、
その事象、状況又は材料が、起こる又は存在する場合と、起こらない又は存在しない場合
とを含むことを意味する。

0033

範囲は、ここで、「約」ある特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして
表現され得る。このような範囲が表現されている場合、文脈が具体的にそうでないことを
示さない限り、同じく具体的に企図され、開示されていると考えられるのは、そのひとつ
の特定の値から及び/又は別の特定の値までの範囲である。同様に、先行する「約」の語
を用いることによって値が近似値で表されている場合、この特定の値が、別の、文脈が具
体的にそうでないことを示さない限り具体的に企図され開示されていると考えられるべき
態様を形成することは理解されるであろう。さらに、それらの範囲の各々の終点は、文脈
が具体的にそうでないことを示さない限り、他方の終点との関連において及び他方の終点
とは独立であることにおいての両方で有意であることも理解されるであろう。最後に、明
示的に開示された範囲内に含まれるすべての個別の値及び値の下位範囲もまた、文脈が具
体的にそうでないことを示さない限り、具体的に企図され、開示されていると考えられる
べきであることは理解されるべきである。上記は、いくつかの特定の場合においてこれら
の態様のいくつか又は全てが明示的に開示されているかどうかにかかわらず、適用される

0034

終始用いられている「標的細胞」は、ターゲティングされるデスレセプターを担持する
細胞を意味し、たとえば、DR5又はDR4を発現する細胞を含み、例示的には、乳頭腫
及びいぼ乳がん結腸がん、肝がん白血病肺がんメラノーマミエローマ骨肉
腫、卵巣がん膵臓がん前立腺がん頭頚部がん、甲状腺がん子宮がん星状細胞腫
のような脳腫瘍活性化免疫細胞(たとえば、活性化されたリンパ球リンパ様細胞及び
骨髄細胞)、炎症性細胞慢性関節リウマチ滑液細胞、及びウイルス感染細胞のような、
異常に生育する細胞及び腫瘍細胞を含む。インビボにおいて、標的細胞は、病理学的状態
の個体の細胞であって、がん及び慢性関節リウマチのような、細胞増殖が異常又は制御不
良であるものを含む。標的細胞としては、ヒト、非ヒト霊長類、ネコイヌラット、マ
ウスモルモットウサギヤギヒツジウシウマニワトリブタマーモセット
及びケナガイタチ細胞、又は種々の細胞系統の細胞(たとえばJurkat細胞)が挙げられる

0035

「デスレセプター」は、いったんリガンドによって結合されたら細胞のアポトーシスを
誘導するレセプターを意味する。デスレセプターとしては、たとえば、デスドメインを有
する腫瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリーのメンバー(たとえばTNF
R1、Fas、DR3、4、5、6)、及びデスドメインを有さないTNFレセプター
ーパーファミリーのメンバー、LTbetaR、CD40、CD27、HVEMが挙げら
れる。

0036

たとえばDR5を介したシグナル伝達は、DR5媒介性アポトーシスの制御における鍵
となる機構である。TNFRスーパーファミリーのデスレセプターの共通の特徴は、それ
らがすべてその細胞質テールに保存された「デスドメイン」を有することである(Zhou,
T., et al. 2002 Immunol Res 26:323-336)。DR5媒介性アポトーシスがデスドメイン
で開始されることは充分に確立されている。TRAIL又はアゴニスト性抗DR5抗体に
よる細胞表面でのDR5の架橋は、DR5のオリゴマー化をもたらし、それに直ちに引き
続いてDR5のデスドメインへのFADDの動員が起こる(Bodmer, J.L., et al. 2000.
Nat Cell Biol 2:241-243; Chaudhary, P.M., et al. 1997. Immunity 7:821-830; Kuan
g, A.A., et al. 2000. J Biol Chem 275:25065-25068; Schneider, P., et al. 1997. I
mmunity 7:831-836; Sprick, M.R., et al. 2000. Immunity 12:599-609)。デスドメ
ンと結合したFADDは、さらに開始因子であるプロカスパーゼ8及び/又はプロカス
ーゼ10を動員し、特異親和性(homophilic)DD相互作用を通じてDISCを形成する
(Krammer, P.H. 2000. Nature 407:789-795)。活性化されたカスパーゼ8及び10は、
カスパーゼ3を直接活性化することができ、あるいは、BH3含有タンパク質Bidを切
断して、サイトクロームCの放出及びカスパーゼ9活性化を通じてミトコンドリア依存性
アポトーシス経路を活性化する(Desagher, S.及びJ.C. Martinou. 2000. TrendsCell B
iol 10:369-377; Scaffidi, C., et al. 1998. Embo J 17:1675-1687)。デスドメイン複
合体の形成に続いて、カスパーゼ、NF−κB及びJNK/p38のようないくつかのシ
グナル伝達経路が活性化される。これらのシグナル経路の活性化は、タンパク質のBcl
−2及びIAPファミリーを通じたデスレセプター媒介性アポトーシスの調節をもたらす

0037

「アゴニスト」は、細胞上のレセプター(たとえばデスレセプター)と一緒になること
ができ、内在性リガンドの結合によって典型的に生成される反応又は活性(たとえばアポ
トーシス)と同じものを開始することができる物質(分子、薬剤、タンパク質等)を意味
する。本発明の方法のアゴニストは、デスレセプターリガンドであることができる。した
がって、アゴニストは、TNF、Fasリガンド又はTRAILであることができる。ア
ゴニストは、さらに、これらのリガンドのフラグメントであることができ、そのフラグメ
ントは、デスレセプターと結合し、活性化することができるように、デスレセプター結合
ドメインを含む。アゴニストは、さらに、融合タンパク質であることができ、この融合タ
ンパク質は、デスレセプターと結合し、活性化することができるように、デスレセプター
結合ドメインを含む。アゴニストは、さらに、融合タンパク質であることができ、この融
合タンパク質は、デスレセプターと結合し、活性化することができるように、デスレセプ
ター結合ドメインを含む。アゴニストは、さらに、TNF、Fas又はTRAILと少な
くとも85%相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであることができ、この
ホモログは、デスレセプターの結合及び活性化を行なうことができる。

0038

アゴニストは、さらに、デスレセプターに結合するアポトーシス誘導性抗体であること
ができる。「抗体」は、モノクローナル、ポリクローナルキメラ単鎖、ヒト化された
もの、完全なヒト抗体あるいはそれらの任意のFab又はF(ab')2フラグメントで
あることができる。「アポトーシス誘導性抗体」は、ここで提供される方法を用いた活性
化の前又は後に、プログラムされた細胞死を引き起こす抗体を意味する。したがって、本
発明の方法のアゴニストは、Fas、TNFR1又はTRAILデスレセプターに対して
特異的な抗体であることができ、その抗体はデスレセプターを活性化することができる。
アゴニストは、DR4又はDR5に対して特異的な抗体であることができる。アゴニスト
は、ATCC受託番号PTA−1428(たとえば、TRA−8抗体)、ATCC受託番
号PTA−1741(たとえば、TRA−1抗体)、ATCC受託番号PTA−1742
(たとえば、TRA−10抗体)を有するマウス−マウスハイブリドーマと同じエピトー
特異性を有する又はそれらによって分泌される、DR5抗体であることができる。アゴ
ニストは、ATCC受託番号PTA−3798(たとえば、2E12抗体)を有するハイ
ブリドーマと同じエピトープ特異性を有する又はそれらによって分泌される、抗体である
ことができる。

0039

本発明の方法の抗体によってターゲティングされるTRAILレセプターは、DR4又
はDR5であることができる。このようなレセプターは、公開された特許出願WO99/
03992、WO98/35986、WO98/41629、WO98/32856、W
O00/66156、WO98/46642、WO98/5173、WO99/0265
3、WO99/09165、WO99/11791、WO99/12963及び公開され
た米国特許第6,313,269号に記載されており、これらのすべては参照によりそこ
に教示されたレセプターに関してその全体がここに援用される。これらのレセプターに対
して特異的なモノクローナル抗体は、当業界で公知の方法を用いて生成することができる
。たとえば、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495-497 (1975)及びEur. J. Immunol.
6:511-519 (1976)を参照されたい。それらの両方は、これらの方法に関してその全体
がここに援用される。また、公開された特許出願WO01/83560に教示された方法
も参照されたい。それは、参照によりその全体がここに援用される。

0040

本発明の方法の抗体は、当業界で公知の抗体であることができ、たとえば、ATCC受
託番号PTA−1428(たとえば、TRA−8抗体)、ATCC受託番号PTA−17
41(たとえば、TRA−1抗体)、ATCC受託番号PTA−1742(たとえば、T
RA−10抗体)を有するマウス−マウスハイブリドーマと同じエピトープ特異性を有す
る又はそれらによって分泌される、DR5抗体が挙げられる。他の例としては、ATCC
受託番号PTA−3798(たとえば、2E12抗体)を有するハイブリドーマと同じエ
ピトープ特異性を有する又はそれらによって分泌される、抗体が挙げられる。

0041

「CARD含有タンパク質」は、カスパーゼ関連動員ドメイン(CARD)を含み、デ
スレセプターと結合する能力を特徴とし、結合が場合によってはデスドメインの外であり
、前記デスレセプターのデスドメインによってアポトーシスの活性化を調節する、タンパ
ク質のファミリーを意味する。DDX3は、このファミリーの代表的なメンバーである。
CARD含有タンパク質としては、DEAD(配列番号21)ボックスタンパク質ファ
リーのRNAヘリカーゼが挙げられる。開示されたCARD含有タンパク質は、たとえば
、DDX3(配列番号25、受託番号gi:13514816)、mda−5(受託番号
gi:11344593)又はRIG−1(受託番号gi:6048564)であること
ができる。CARD含有タンパク質は、さらに、DDX3、mda−5又はRIG−1に
対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであること
ができる。

0042

DEADボックスタンパク質ファミリーのRNAヘリカーゼは、細菌から哺乳類まで高
度に保存されており、RNAの関与する種々の代謝経路に関与し、細胞の生存に関して重
要である(Heinlein, U.A. 1998. J Pathol. 184:345-347)。タンパク質のこのファミリ
ーのすべてのメンバーは、このファミリーの名前の由来である特徴的なアミノ酸配列D−
E−A−D(Asp−Glu−Ala−Asp、配列番号21)から構成されるATP
ーゼモチーフを有する。DEAD(配列番号21)ボックスタンパク質は、翻訳開始、R
NAスプライシングリボソームアセンブリー、RNA分解、mRNA定性、及びR
NAエディティングに必要な、リボ核酸結合タンパク質のようなRNAヘリカーゼである
と一般に信じられている。これらのRNAヘリカーゼのいくつかが特別の転写因子翻訳
において重要な役割を果たす一方、いくつかのものの過剰発現は、発がんに関連している
。DDX1は、神経芽腫においてN−mycと共増幅される(George, R.E., et al. 199
6. Oncogene 12:1583-1587; Godbout, R., et al. 1998. J Biol Chem 273:21161-21168
)。RNAヘリカーゼであるp68は、相当する正常組織と比較して腫瘍において一貫
て過剰発現される。蓄積したp68は、ポリユビキチン化されているようであり、これら
の腫瘍におけるプロテオソーム媒介性分解の欠陥の可能性が示唆され(Causevic, M., et
al. 2001. Oncogene 20:7734-7743)、p68発現の制御不良が腫瘍発症初期段階にお
いて起こることが示唆される。DEAD(配列番号21)ボックスタンパク質/RNAヘ
リカーゼファミリーのrck/p54は、c−mycタンパク質の合成を増大させること
によって翻訳レベルヒト結腸直腸腫瘍の発症における細胞増殖及び発がんに寄与するこ
とができる(Hashimoto, K., et al. 2001. Carcinogenesis 22:1965-1970)。DDX3
は、このファミリーのメンバーであるが、DDX3のRNAヘリカーゼ機能は未知である
(Fu, J.J., et al. 2002. Sheng Wu Hua Xue Yu Sheng Wu Wu Li Xue Bao (Shanghai)
34:655-661)。DDX3はHCVコアタンパク質と相互作用することができ、HCV
イルスタンパク質の翻訳を調節することができると報告されている(Owsianka, A.M. and
A.H. Patel. 1999. Virology 257:330-3400)。

0043

RNAヘリカーゼのいくつかは、保存されたCARD(カスパーゼ動員ドメイン; Yone
yama, M., et al. 2004. Nat Immunol 5:730-737; Kang, D.C., et、al. 2004. Oncogene
23:1789-1800; Kang, D.C., et al. 2002. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:637-642)
を含む。サブトラクションハイブリダイゼーションにより、メラノーマ分化関連遺伝子5
(mda−5)が、分化、がんの逆転及びプログラムされた細胞死(アポトーシス)の間
に誘導された遺伝子として同定された。この遺伝子は、カスパーゼ動員ドメイン及び推定
DExHグループのRNAヘリカーゼドメインの両方を含む。mda−5は、IFN誘導
成長阻害及び/又はアポトーシスの媒介因子として機能する(Kang, D. C, et al. 200
2. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:637-642)。より最近の研究により、mda−5 m
RNAのレベルは正常組織においては低いが、一方、発現は、IFN−βにより正常及び
がん細胞のスペクトルにおいて誘導されることが示されている。複製不能のアデノウイル
スであるAd.mda−5によるmda−5の発現は、形態学的、生化学的及び分子アッ
セイにより確認されたとおりHO−1細胞においてアポトーシスを誘導する(Kang, D.C.
, et al. 2004. Oncogene 23:1789-1800)。レチノイン酸誘導可能遺伝子I(RIG−I
)は、カスパーゼ動員ドメインを含むDExD/HボックスRNAヘリカーゼをコードし
ており、機能的スクリーニング及びアッセイにより評価したところdsRNA誘導性シグ
ナリングの必須レギュレーターである。インタクトATPアーゼ活性を有するヘリカー
ゼドメインは、dsRNA媒介性シグナリングに関与していた。カスパーゼ動員ドメイン
は、シグナルを「下流へ」伝達し、転写因子NF−κB及びIRF−3の活性化をもたら
した。これらの因子による続いての遺伝子活性化は、タイプIインターフェロン産生を含
抗ウイルス機能を誘導した(Yoneyama, M., et al. 2004. Nat Immunol 5:730-737)。

0044

カスパーゼ関連動員ドメイン(CARD)を含むタンパク質は、細胞死の鍵となるレギ
レーターとして確立されている。CARDは、ある種のカスパーゼのプロ−ドメインの
N末端に見出される保存されたαへリックスバンドルから構成される。CARDはまた、
種々の他のタンパク質にも見出される。デスドメインタンパク質のように、CARDは、
CARD/CARD相互作用を介してタンパク質のコミュニケーションを可能にする同型
タンパク質相互作用モチーフとして機能する。CARDを有するタンパク質は、プロア
トーシス性又はアンチ(抗)アポトーシス性のいずれかであり得る。プロアポトーシス
CARDタンパク質としては、カスパーゼ2、4及び9のようなある種のカスパーゼ及び
Apaflが挙げられ、これらはアポトーシスの開始において重要な役割を果たす。代表
的な抗アポトーシス性CARDタンパク質としては、cIAP1及びcIAP2が挙げら
れ、これらはカスパーゼのCARDと相互作用し、それらのBIRドメインを介してカス
パーゼ活性化を阻害する。タンパク質のこのファミリーの機能の多くの側面は、がん治療
における新規薬剤標的としての潜在的有用性を示す。いくつかのCARD含有タンパク質
は、保存された細胞死マシーナリーの重要な成分であり、これは、制御不良となった場合
、発がんを促進し、化学療法に対する腫瘍抵抗性に顕著に寄与する。プロアポトーシス性
タンパク質であるApaflは、いくつかのがんにおいては不活性化されており、ミト
ドリア誘導性アポトーシスに関しては欠くことのできないCARDタンパク質である。
IAPファミリーのタンパク質のような他の抗アポトーシス性CARDタンパク質は、細
胞死刺激から腫瘍を保護すること、及びある種の形態のがんにおいて過剰発現されること
が示されてきた。したがって、CARDタンパク質を活性化又は阻害する治療剤は、従来
の化学療法とともに用いられる場合、化学感作剤又はアポトーシスの調節因子として利用
することができる。

0045

デスレセプターアゴニストに対する抵抗性は、開示されたCARD含有タンパク質の活
性に帰属させることができる。したがって、本発明の方法は、この抵抗性を防止するため
の、CARD含有タンパク質の1以上の活性を調節する組成物を提供する。「調節する(
modulates)」は、形態又は機能における、上方調節アップレギュレーション)、下方
調節(ダウンレギュレーション)、活性化、アンタゴニズム又はその他の変更を意味する
。タンパク質の「活性」としては、たとえば、転写、翻訳、細胞内転位、分泌、キナーゼ
によるリン酸化プロテアーゼによる切断、他のタンパク質に対する特異親和性(homoph
ilic)及び異好性(heterophilic)の結合、ユビキチン化が挙げられる。CARD含有タ
ンパク質の活性は、部分的には、デスレセプター結合アミノ酸での又はその近傍でのリン
酸化によるので、提供された調節因子は、CARD含有タンパク質リン酸化の阻害剤であ
ることができる。したがって、調節因子はキナーゼ又はホスファターゼの阻害剤であるこ
とができる。一例として、調節因子は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK−3
)活性の阻害剤であることができる。

0046

GSK−3は、哺乳類を含め、種々の生物において見出されるタンパク質キナーゼであ
る。2種のほとんど同一の形態のGSK−3、GSK−3α及びGSK−3βが存在する
。阻害剤は、任意の既知又は新たに発見されたGSK−3阻害剤であることができる。最
適には、提供される方法のGSK−3阻害剤は、少なくともGSK−3βを阻害する。ヒ
トGSK-3βについてのアミノ酸配列は、Genbank受託番号P49841で、及
び対応するヌクレオチド配列は受託番号NM_002093で、入手することができる。
実験及びスクリーニングの目的のためには、動物モデルを用いることが望ましい可能性が
ある。たとえば、ラットGSK−3β配列は、Genbank受託番号P18266で、
及びマウスはGenbank受託番号AAD39258で、入手することができる。

0047

GSK−3阻害剤は、ここで用いる場合、競合的又は非競合的酵素阻害によって; たと
えばターゲティングされた遺伝子破壊により、GSK−3遺伝子の転写を低減することに
より、タンパク質不安定性を増大すること等により、タンパク質レベルを低減することに
よって、直接又は間接に、細胞におけるGSK−3のレベルを低減する、化合物である。
阻害剤は、小さい有機又は無機分子アンチセンス核酸、抗体又はそれらに由来するフラ
グメント等であることができる。GSK−3のその他の阻害剤は、コンビナトリアル又は
他の化学的ライブラリーをGSK−3活性の阻害についてスクリーニングすることを通じ
て見出すことができる。

0048

GSK−3タンパク質の直接的な阻害剤の例としては、リチウム(Li+)(Klein et
al. 1996)が挙げられ、これは強力にGSK−3β活性を阻害するが(Ki=2mM)、
他のタンパク質キナーゼの一般的な阻害剤ではない。ベリリウムイオン類(Be2+)は
、GSK−3のより強力な阻害剤であって、マイクロモルの範囲で阻害する。しかし、こ
阻害効果は、リチウムほど選択的ではなく、低用量でCDKlをも阻害する。

0049

GSK−3阻害剤は、また、アロイシン(aloisine)、アロイシンA(aloisine A)、
ケンパウロン(kenpaullone)を含む。アロイシン(7−n−ブチル−6−(4−メト
フェニル)[5H]ピロロ[2,3−b]ピラジン)は、Cdkl/B(IC50=7
00nM)、Cdk5/p35(IC50=1.5μM)及びGSK−3(IC50=92
0nM)の、強力で選択的な、細胞透過性かつATP競合性の阻害剤である(Mettey Y, et
al. (2003) J Med Chem 46(2):222-36;この分子に関する教示についてその全体が
参照によりここに援用される)。アロイシンA(7−n−ブチル−6−(4−ヒドロキシ
フェニル)[5H]ピロロ[2,3−b]ピラジン)は、細胞透過性の化合物であり、サ
クリン依存性キナーゼ、c−JunN末端キナーゼ(JNK)及びグリコーゲンシン
ターゼキナーゼ3(GSK−3)(GSK−3α、IC50=500nM)(GSK−3β
、IC50=1.5μM)の、強力で選択的な、可逆的かつATP競合性の阻害剤として
作用する(Mettey Y, et al. (2003) J Med Chem 46(2):222-36);この分子に関す
る教示についてその全体が参照によりここに援用される)。ケンパウロン(9−ブロモ
7,12−ジヒドロインドロ[3,2−d][l]ベンザゼピン−6(5H)−オン)は
、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3b(GSK3b、IC50=230nM)、Lck及
サイクリン依存性キナーゼ(Cdks)の強力な細胞透過性阻害剤である(Schultz C,
et al. (1999) J Med Chem 42(15):2909-19; ZaharevitzDW, et al. (1999) Can
cer Res 59(ll):2566-9; Kunick C, et al. (2004) J Med Chem 47(1):22-36);
この分子に関する教示についてそれらすべての全体が参照によりここに援用される)。

0050

多数の他の化合物がGSK−3を阻害することが見出されている。その大部分は、AT
結合部位との相互作用を通じてキナーゼ活性を阻害する。それらとしては、ビスインド
ール−(Bisindole-)及びアニリノマレイミド類(Anilino maleimides)、アルジシ
(Aldisine)アルカロイド類、パウロン類(Paullones)、インジルビン類(Indirubins
)及びピラノキノザリン類(Pyraloquinoxalines)が挙げられる。たとえば、パウロン類
及びGSK−3阻害におけるそれらの用途は、たとえばKunick C, et al. J Med Chem 20
04 Jan l;47(l):22-36に記載されており、これはパウロン類に関する教示についてその
全体が参照によりここに援用される。このような化合物はインビトロではナノモル濃度
、インビボでは低マイクロモル濃度で、有効である。ここでもまた、多くのものが強力で
あることが示されている一方で、それらはGSK−3に対して非常に特異的であるのでは
なく、関連するCDK類をも同様のレベルで共通して阻害する。しかし、2種の構造的
異なるマレイミド類(SB216763及びSB415286)は、強力であり、かつG
SK−3に対して高い特異性を有することが示されている。これらは、細胞の研究におい
てGSK−3阻害剤として有効にリチウムと置き換わることができる。グラヌラチミド類
(granulatimides)又はジデムニミド類(didemnimides)と名づけられたクラスの化合物
のメンバーもまた、GSK−3阻害剤として作用することが見出された(国際特許出願W
O99/47522、これはこれらの化合物に関する教示についてその全体が参照により
ここに援用される)。

0051

いくつかの間接的なGSK−3阻害剤としては、ワートマニン(wortmannin)が挙げら
れ、これは、タンパク質キナーゼBを活性化し、GSK−3のリン酸化及び阻害をもたら
す。イソプロテレノール(Isoproterenol)は、β3−アドレノレセプターを通じて一次
的に作用し、インシュリンと同様の程度(約50%)までGSK−3活性を低減させる(
Moule et al. 1997)。p70 S6キナーゼ及びp90rsk−1もまた、GSK−3
βをリン酸化し、その阻害をもたらす。

0052

GSK−3は、GSK−3特異的ペプチドを用いて選択的にターゲティングとすること
もできる。たとえば、高頻度転位進行型細胞リンパ腫1(FRAT1;Frequently Rea
rranged Advanced T-Cell lymphomas 1)は、GSK3結合タンパク質(GBP)の哺乳
類におけるホモログである。FRATチド(FRAT1の残基188〜226に相当する
ペプチド)は、GSK3に結合し、GSK3により触媒されるアキシン(Axin)及びβ-
カテニンのリン酸化をブロックする(ThomasGM, et al. FEBSLett 1999 Sep 17;458(2
):247-51)。

0053

提供される本方法のGSK−3阻害剤は、機能的核酸であることもできる。機能的核酸
は、標的分子の結合又は特定の反応の触媒のような特異的機能を有する核酸分子である。
機能的核酸分子は、制限的であることを意味しない以下のカテゴリーに分けることができ
る。たとえば、機能的核酸としては、アンチセンス分子アプタマーリボザイム三重
鎖(triplex)形成分子、RNAi及び外部ガイド配列が挙げられる。機能的核酸分子は
、標的分子が有する特異的活性アフェクター、阻害剤、調節因子及び刺激剤として作用
することができ、又は機能的核酸分子は、あらゆる他の分子とは独立の新規な活性を有す
ることができる。

0054

CARD含有タンパク質は、デスレセプター誘導性アポトーシスの間に切断され得るの
で、本発明の方法の調節因子は、CARD含有タンパク質の切断を促進することにより作
用することができる。一例として、DDX3は、FADDの動員と平行して(図9E)、
DR5から解離してTRA−8誘導性アポトーシスの間に切断される(図9A及びC)。
DDX3の切断部位の一つは、アミノ酸残基132〜135の間の比較的保存されている
DEDD(配列番号7)モチーフであり、これはカスパーゼ−2、3、7又は10によっ
て切断され得る。したがって、調節因子は、カスパーゼ、又はCARD含有タンパク質(
たとえばDDX3)を切断するカスパーゼの誘導体であることができる。

0055

CARD含有タンパク質の活性はデスレセプターへの結合に依存するので、本発明の方
法の調節因子は、CARD含有タンパク質及びデスレセプター間の相互作用の阻害剤であ
ることができる。ある場合には、調節因子は、デスレセプター結合部位でCARD含有タ
ンパク質に結合する物質(薬剤、分子、ポリペプチド等)であることができる。したがっ
て、調節因子は、CARD含有タンパク質の結合部位に相当するデスレセプターのアミノ
酸を含むポリペプチドであることができる。たとえば、調節因子は、DR5のアミノ酸
50〜340を含むポリペプチドであることができる(配列番号22、受託番号gi:3
721878)。したがって、調節因子は、配列番号23のアミノ酸配列を含むことがで
きる。調節因子は、さらに、そのフラグメントがDDX3を結合することができるように
、配列番号23のアミノ酸配列のフラグメントを含むポリペプチドであることができる。
一例として、調節因子は、DR5のアミノ酸280〜310を含むポリペプチドであるこ
とができる(配列番号22、受託番号gi:3721878)。したがって、調節因子は
、配列番号24のアミノ酸配列を含むことができる。別の例として、調節因子は、DR5
のアミノ酸300〜330を含むポリペプチドであることができる(配列番号22、受託
番号gi:3721878)。したがって、調節因子は、配列番号36のアミノ酸配列を
含むことができる。
あるいは、調節因子は、アポトーシスを阻害することなしにデスレセプターのCARD
含有タンパク質結合部位に結合する物質(薬剤、分子、ポリペプチド等)であることがで
きる。調節因子は、CARD含有タンパク質のデスレセプター結合部位に相当するアミノ
酸を含むポリペプチドであることができる。

0056

本発明の方法の調節因子は、カスパーゼ依存性アポトーシスの活性化を防止するための
CARD含有タンパク質の能力に影響することができる。CARD含有タンパク質のCA
RDドメインは、アポトーシスの阻害剤の動員に関与することができ(IAP)、これは
ウイルス感染の間に宿主細胞におけるアポトーシスを抑制する(Crook, N.E., et al 199
3 J Virol 67:2168-2174)。IAPファミリーは、成熟カスパーゼと相互作用しその酵素
活性を阻害することにより、細胞死に対抗する。8種の異なる哺乳類IAPが同定されて
おり、これらとしてはXIAP、c−IAPl、c−IAP2及びML−IAP/Liv
inが挙げられる(たとえば、Ashhab, Y., et al. 2001 FEBSLett 495:56-60; Kasof,
G.M.及びB.C. Gomes. 2001 J Biol Chem 276:3238-3246; Vucic, D., et al. 2000. Curr
Biol 10:1359-1366;これらは、これらのIAP分子に関して、参照によりその全体がす
べてここに援用される)。すべてのIAPは、1〜3個のバキュロウイルスIAP反復(
BIR)ドメインを含み、相同配列(CX2CX16HX6C)を有する。BIRドメイ
ンを通じて、IAP分子はカスパーゼに結合し、これを直接阻害する(Deveraux, Q.L.
及びJ.C. Reed. 1999. Genes Dev 13:239-252; Deveraux, Q.L. et al. 1997. Nature 38
8:300-304; Deveraux, Q.L.及びJ.C. Reed. 1999. Genes Dev 13:239-252、IAP及びカ
スパーゼの相互作用に関して、これらはすべて参照によりその全体がここに援用される)
。ミトコンドリアのタンパク質、Smac/DIABLOは、IAPに結合してこれに対
抗することができ(Suzuki, Y., et al. 2001. J Biol Chem 276:27058-27063)、IAP
機能を抑制した(Wieland, I, et al. 2000. Oncol Res 12:491-500)(IAPの阻害に
関して、引用した文献はすべて参照によりその全体がここに援用される)。したがって、
本発明の方法の調節因子は、CARD依存性結合の阻害剤であることができる。調節因子
は、カスパーゼ又はIAPのようなカスパーゼの調節因子を動員するためのCARD含有
タンパク質の能力に影響することができる。調節因子は、CARD含有タンパク質が低減
されたIAPの結合及び動員を有するようにCARD含有タンパク質に結合する物質(薬
剤、分子、ポリペプチド、融合タンパク質、抗体、抗体フラグメント等)であることがで
きる。調節因子は、たとえばカスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−4又はカス
パーゼ−5、cIAP1、cIAP2、XIAP又はサバイビンの、CARD含有タンパ
ク質結合フラグメントであることができる。

0057

調節因子は、さらに、標的細胞におけるIAP又はCARD含有タンパク質遺伝子発現
の阻害剤であることができる。細胞においてタンパク質の発現を阻害する種々の公知の方
法が存在し、三重鎖形成分子、リボザイム、外部ガイド配列、アンチセンス分子及びRN
Ai分子が挙げられる。

0058

アンチセンス分子は、カノニカル又は非カノニカル塩基対形成を通じて標的核酸分子
相互作用するように設計される。アンチセンス分子及び標的分子の相互作用は、たとえば
RNAseH媒介性RNA-DNAハイブリッド分解を通じて、標的分子の破壊を促進す
るように設計される。あるいは、アンチセンス分子は、転写又は複製のような、標的分子
上で通常起こるであろうプロセッシング機能を妨害するように設計される。アンチセンス
分子は、標的分子の配列に基づいて設計することができる。標的分子の最も接近しやすい
領域を見つけることによりアンチセンス効率を最適化するための多数の方法が存在する。
例示的な方法は、DMS及びDEPCを用いたDNA改変研究及びインビトロ選択実験
あろう。アンチセンス分子は、標的分子に、10−6、10−8、10−10又は10−
12以下の解離定数(Kd)で結合することが好ましい。アンチセンス分子の設計及び使
用を補助する方法及び技術の代表的な見本は、米国特許第5,135,917号、第5,
294,533号、第5,627,158号、第5,641,754号、第5,691,
317号、第5,780,607号、第5,786,138号、第5,849,903号
、第5,856,103号、第5,919,772号、第5,955,590号、第5,
990,088号、第5,994,320号、第5,998,602号、第6,005,
095号、第6,007,995号、第6,013,522号、第6,017,898号
、第6,018,042号、第6,025,198号、第6,033,910号、第6,
040,296号、第6,046,004号、第6,046,319号及び第6,057
,437号に見出すことができ、これらは、アンチセンス分子に関する方法及び技術につ
いて、参照によりその全体がここに援用される。

0059

アプタマーは、好ましくは特異的な方法で、標的分子と相互作用する分子である。典型
的には、アプタマーは、長さ15〜50塩基の範囲の小さい核酸であり、ステムループ
又はG−クアトレット(G-quartets)のような定義された二次及び三次構造に折りたたま
れる。アプタマーは、ATP(米国特許第5,631,146号)及びテオフィリン(th
eophiline)(米国特許第5,580,737号)のような小さい分子、ならびに逆転写
酵素(米国特許第5,786,462号)及びトロンビン(米国特許第5,543,29
3号)のような大きい分子と結合することができる。アプタマーは、10-12M未満の標
的分子のKdで非常にしっかりと結合することができる。アプタマーは、10-6、10-
8、10-10又は10-12未満のKdで標的分子と結合することが好ましい。アプタマ
ーは、非常に高度の特異性で標的分子と結合することができる。たとえば、標的分子及び
分子上の単一の位置のみで異なる別の分子の間での結合親和性に10,000倍を超える
差を有するアプタマーが単離されている(米国特許第5,543,293号)。アプタマ
ーは、背景結合分子とのKdよりも、少なくとも10、100、1000、10,000
又は100,000倍低い標的分子とのKdを有することが好ましい。たとえば、この比
較をポリペプチドについて行なう場合、背景分子は異なるポリペプチドであることが好ま
しい。種々の異なる標的分子に結合するアプタマーの作製及び使用方法の代表的な例は、
米国特許第5,476,766号、第5,503,978号、第5,631,146号、
第5,731,424号、第5,780,228号、第5,792,613号、第5,7
95,721号、第5,846,713号、第5,858,660号、第5,861,2
54号、第5,864,026号、第5,869,641号、第5,958,691号、
第6,001,988号、第6,011,020号、第6,013,443号、第6,0
20,130号、第6,028,186号、第6,030,776号及び第6,051,
698号に見出すことができ、これらは、アプタマーに関する方法及び技術について、参
照によりその全体がここに援用される。

0060

リボザイムは、分子内又は分子間で化学反応を触媒することができる核酸分子である。
したがって、リボザイムは、触媒性核酸である。リボザイムは、分子間反応を触媒するこ
とが好ましい。ハンマーヘッドリボザイム(米国特許第5,334,711号、第5,4
36,330号、第5,616,466号、第5,633,133号、第5,646,0
20号、第5,652,094号、第5,712,384号、第5,770,715号、
第5,856,463号、第5,861,288号、第5,891,683号、第5,8
91,684号、第5,985,621号、第5,989,908号、第5,998,1
93号、第5,998,203号;Ludwig及びSproatによる国際特許出願WO98580
58、Ludwig及びSproatによるWO9858057、及びLudwig及びSproatによるWO9
718312)、ヘアピンリボザイム(たとえば、米国特許第5,631,115号、第
5,646,031号、第5,683,902号、第5,712,384号、第5,85
6,188号、第5,866,701号、第5,869,339号及び第6,022,9
62号)、及びテトラヒメナリボザイム(たとえば、米国特許第5,595,873号及
び第5,652,107号)のような自然の系において見出されたリボザイムに基づいた
ヌクレアーゼ又は核酸ポリメラーゼ型の反応を触媒する多数の異なるタイプのリボザイ
ムが存在する。また、自然の系には見出されないが新規の特異的反応を触媒するように工
学的処理された多数のリボザイムも存在する(たとえば、米国特許第5,580,967
号、第5,688,670号、第5,807,718号及び第5,910,408号)。
好ましいリボザイムは、RNA又はDNA基質を切断し、より好ましくはRNA基質を切
断する。リボザイムは、典型的には、標的基質の認識及び結合、そしてその後の切断を通
じて、核酸基質を切断する。この認識は、しばしばカノニカル又は非カノニカル塩基対
互作用に基づいている。この特性により、リボザイムは、核酸の標的特異的切断のための
特に良好な候補となるが、これは、標的基質の認識は標的基質配列に基づいているためで
ある。種々の異なる反応を触媒するためのリボザイムの作製及び使用方法の代表的な例は
、米国特許第5,646,042号、第5,693,535号、第5,731,295号
、第5,811,300号、第5,837,855号、第5,869,253号、第5,
877,021号、第5,877,022号、第5,972,699号、第5,972,
704号、第5,989,906号及び第6,017,756号に見出すことができる。

0061

三重鎖形成性機能的核酸分子は、二本鎖又は一本鎖核酸と相互作用することができる分
子である。三重鎖分子が標的領域と相互作用した場合、三重鎖(triplex)と呼ばれる構
造が形成され、その中には、ワトソンクリック(Watson-Crick)及びフーグスティーン
(Hoogsteen)の塩基対形成の両方に依存する複合体を形成するDNAの3本の鎖が存在
する。三重鎖分子は、高い親和性及び特異性で標的領域と結合することができるため、好
ましい。三重鎖形成性分子は、10−6、10−8、10−10又は10−12未満のK
dで標的分子に結合することが好ましい。種々の異なる標的分子に結合する三重鎖形成性
分子の作製及び使用方法の代表的な例は、米国特許第5,176,996号、第5,64
5,985号、第5,650,316号、第5,683,874号、第5,693,77
3号、第5,834,185号、第5,869,246号、第5,874,566号及び
第5,962,426号に見出される。

0062

外部ガイド配列(EGSs)は、標的核酸分子と結合し、複合体を形成する分子であっ
て、この複合体は、標的分子を切断するRNasePによって認識される。EGSは、
選択したRNA分子を特異的にターゲティングするように設計することができる。RNA
se Pは、細胞内での転移RNAtRNA)のプロセッシングを補助する。細菌のR
NAse Pは、標的RNA:EGS複合体が天然のtRNA基質を擬似することを起こ
すEGSを用いることにより、本質的にあらゆるRNA配列を切断するために動員され得
る(YaleによるWO92/03566、及びForster及びAltman, Science 238:407-409
(1990))。

0063

同様に、真核生物のEGS/RNAse Pに指示されたRNAの切断は、真核生物細
胞内で所望の標的を切断するために利用され得る(Yuan et al., Proc. Natl. Acad. Sci
. USA 89:8006-8010 (1992);YaleによるWO93/22434; YaleによるWO95
/24489;Yuan及びAltman,EMBO J 14:159-168 (1995);及びCarrara et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. (USA) 92:2627-2631 (1995))。種々の異なる標的分子の切断
を容易にするためのEGS分子の作製及び使用の代表的な方法は、米国特許第5,168
,053号、第5,624,824号、第5,683,873号、第5,728,521
号、第5,869,248号及び第5,877,162号に見出すことができる。

0064

遺伝子発現もまた、RNA干渉(RNAi)を通じて、高度に特異的な方式で効率的に
サイレントにすることができる。このサイレンシングは、もともとは二本鎖RNA(d
sRNA)の添加に伴って観察された(Fire,A., et al. (1998) Nature 391:806-11;
Napoli, C., et al. (1990) Plant Cell 2:279-89; Hannon, G.J. (2002) Nature,
418:244-51)。いったんdsRNAが細胞内に入ると、それは、RNアーゼIII様酵素
あるダイサー(Dicer)によって、3’末端に2ヌクレオチドオーバーハングを有する
長さ21〜23ヌクレオチドの二本鎖の小干渉性RNA(siRNA)に切断される(El
bashir, S.M., et al. (2001) Genes Dev. 15:188-200; Bernstein, E., et al. (20
01) Nature 409:363-6; Hammond, S.M., et al. (2000) Nature 404:293-6)。AT
P依存性の工程において、このsiRNAは、siRNAを標的RNA配列に案内する多
サブユニットタンパク質複合体であって、RNAi誘導サイレンシング複合体RISC
)として一般に知られるものに統合される(Nykanen, A., et al. (2001)Cell, 107:30
9-21)。なんらかの時点で、このsiRNA二重体(duplex)は巻き戻される。そして、
アンチセンス鎖はRISCに結合したまま残り、エンド及びエキソヌクレアーゼの組合せ
によって相補的mRNA配列の分解を指示するようにみえる(Martinez, J., et al.
(2002) Cell, 110:563-74)。しかし、iRNA又はsiRNAの効果又はそれらの用
途は、どのタイプのメカニズムにも制限されない。

0065

短鎖干渉性RNA(siRNA)は、配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングを誘導
することができ、それによって遺伝子発現を低減させるか、又は阻害さえすることができ
る、二本鎖RNAである。一例において、siRNAは、siRNA及び標的RNAの両
方の間の配列同一性の領域内で、mRNAのような相同RNA分子の特異的分解を誘発す
る。たとえば、WO02/44321は、3’オーバーハング末端と塩基対形成した場合
、標的mRNAの配列特異的分解を行なうことができるsiRNAを開示しており、これ
は、これらのsiRNAの作製方法について、参照によりここに援用される。配列特異的
遺伝子サイレンシングは、酵素ダイサーによって産生されるsiRNAを擬似する短い合
成二本鎖RNAを用いて、哺乳類細胞において達成することができる(Elbashir, S.M.,
et al. (2001) Nature, 411 :494 498)、(Ui-Tei, K., et al. (2000) FEBSLett
479:79-82)。siRNAは、化学的に又はインビトロで合成することができ、又は細胞
内でsiRNAにプロセッシングされる短い二本鎖ヘアピン様RNA(shRNAs)の
結果であることができる。合成siRNAは、一般的にアルゴリズム及び従来のDNA/
RNA合成機を用いて設計される。供給業者としては、Ambion(Austin, Texas)、ChemG
enes(Ashland, Massachusetts)、Dharmacon(Lafayette, Colorado)、Glen Research
(Sterling, Virginia)、MWB Biotech(Esbersberg, Germany)、Proligo(Boulder, Co
lorado)及びQiagen(Vento, The Netherlands)が挙げられる。siRNAは、Ambionの
「SILENCER登録商標) siRNA Construction Kit」のようなキットを用いてインビトロ
で合成することもできる。ここで開示されているのは、c−Kit又はSCFについての
配列に基づいて上記のように設計された任意のsiRNAである。たとえば、c−Kit
の遺伝子発現をサイレンシングするためのsiRNAは、商業的に入手可能である(「SU
RESILENCING(登録商標) Human c-Kit siRNA」; Zymed Laboratories, San Francisco
, CA)。

0066

ベクターからのsiRNAの産生は、短鎖ヘアピンRNA(shRNAs)の転写を通
じて、より一般的に行なわれる。shRNAを含むベクターの作製のためのキットは、た
とえば、Imgenexの「GENESUPPRESSOR(登録商標) Construction Kits」及びInvitrogen
の「BLOCK-IT(登録商標) inducible RNAi」プラスミド及びレンチウイルスベクター
入手可能である。ここで開示されているのは、ここで開示された炎症媒介因子についての
配列に基づいて上記のように設計された任意のshRNAである。

0067

したがって、本発明の方法の調節因子は、siRNA又はshRNAを含むことができ
る。調節因子は、cIAP1(受託番号gi:41349435)、cIAP2(受託番
号gi:33946283)、XIAP(受託番号gi:1184319)、サバイビン
(受託番号gi:2315862)、DDX3(配列番号25、受託番号gi:1351
4816)、mda−5(受託番号gi:11344593)又はRIG−1(受託番号
gi:6048564)遺伝子発現の阻害剤であることができる。したがって、調節因子
は、DDX3の核酸配列由来のshRNA(配列番号25、受託番号gi:135148
16)を含むことができる。一例として、調節因子は、配列番号10、12、14又は1
6の核酸配列によってコードされるshRNAを含むことができる。

0068

細胞へのsiRNAの送達に用いることができるいくつかのトランスフェクション試薬
があり、たとえば、Invitrogenの「Lipofectamine 2000」、Mirusの「TransIT-TKO」及び
Novagenの「RiboJuice siRNA Transfection Reagent」がある。しかし、トランスフェク
ション試薬は、一般にインビボでは作動しない。のsiRNAは、被検対象の脈管構造
中に直接送達することができ、これは、他のタンパク質が送達又は発現されないという利
点を有し、核酸は免疫原性ではないのでそのことは重要である。上皮を壊すために何らか
の形態のエネルギー、たとえばソノフォレシス(sonophoresis)を用いて、皮膚のような
上皮バリアを横断して核酸を送達する方法もある(米国特許第5,421,816号、米
国特許第5,618,275号、米国特許第6,712,805号及び米国特許第6,4
87,447号、皮膚を通した化合物の超音波媒介送達について、これらはすべて参照に
よりここに援用される)。

0069

提供されているのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカーにつ
いての細胞のスクリーニング方法であって、総DDX3又はそのホモログについて細胞を
アッセイする工程を含む方法である。また、提供されているのは、デスレセプターアゴニ
ストに対する抵抗性のバイオマーカーについての細胞のスクリーニング方法であって、デ
スレセプター及びCARD含有タンパク質の会合をアッセイする工程を含み、高レベルの
会合がアゴニストに対する抵抗性を意味する、方法である。デスレセプター及びCARD
含有タンパク質の会合は、アゴニストに対する抵抗性を示す。場合によっては、スクリ
ニングされるべき細胞は、デスレセプターアゴニスト(たとえばアゴニスト性抗体)と予
め接触させておく。したがって、提供されるのは、デスレセプターアゴニストに対する抵
抗性のバイオマーカーについての細胞のスクリーニング方法であって、細胞をデスレセプ
ターアゴニストと接触させる工程、及びデスレセプター及びCARD含有タンパク質の断
片的な(fractional)会合をモニタリングする工程を含み、会合がアゴニストに対する抵
抗性を意味する、方法である。場合によっては、会合の検出を含む種々の方法において、
解離を測定し、解離した量を総量から引き算して会合量を算出することができる。

0070

本発明の方法の接触工程は、インビボ又はインビトロのいずれでも行うことができる。
デスレセプター及びCARD含有タンパク質の間の会合のモニタリングは、特異的抗体
用いての細胞からのタンパク質フラグメント(たとえば、デスレセプター)の単離(たと
えば免疫沈降による)を含むことができる。この方法は、さらに、会合タンパク質(たと
えばDDX3)についてのタンパク質フラグメントの、ウェスタン・ブロット放射性
疫アッセイ(RIA)又はELISAのような標準免疫検出法による解析を含むことが
できる。これらの抗体ベースの方法は、当該技術分野で周知であり、目的のデスレセプタ
ー、CARD含有タンパク質、カスパーゼ及びカスパーゼの調節因子の各々について容易
に適合させることができる。説明例として、本発明の方法は、被検対象からの細胞をTR
A−8抗体で処理する工程、細胞ライセートからタンパク質を単離する工程、DR5タン
パク質を免疫沈降させる工程、(還元又は非還元条件での)SDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)によりDR5を分離する工程、分離したタンパク質を
ニトロセルロース膜に転写する工程、及び標準的なウェスタン・ブロット技術を用いてD
R5と会合したDDX3を検出する工程を含むことができ、会合はその細胞におけるTR
A−8抵抗性の証拠である。

0071

また、提供されているのは、デスレセプターアゴニストに対する抵抗性のバイオマーカ
ーについての細胞のスクリーニング方法であり、カスパーゼ又はカスパーゼの調節因子(
たとえば、cIAP1、cIAP2、XlAP、サバイビン)とCARD含有タンパク質
との会合をモニタリングする工程及び既知の抵抗性及び非抵抗性対照細胞由来の試料との
会合のレベルを比較する工程を含む。抵抗性細胞のレベルと同様のレベルでのCARD含
有タンパク質とのIAPの会合は、そのアゴニストに対する抵抗性を意味する。場合によ
っては、スクリーニングされるべき細胞は、デスレセプターアゴニスト(たとえば、アゴ
ニスト性抗体)と予め接触させておく。

0072

説明例として、本発明の方法は、被検対象からの細胞をTRA−8抗体で処理する工程
、細胞ライセートからタンパク質を単離する工程、DDX3タンパク質を免疫沈降させる
工程、(還元又は非還元条件での)SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)によりDDX3を分離する工程、分離したタンパク質をニトロセルロース膜に
転写する工程、及び標準的なウェスタン・ブロット技術を用いてDDX3と会合したカス
パーゼ(たとえばカスパーゼ-1、カスパーゼ-2、カスパーゼ-4、カスパーゼ-5)及び
IAP(たとえばcIAP1、cIAP2、XIAP、サバイビン)を検出する工程を含
むことができ、DDX3とIAPとの検出はその細胞におけるTRA−8抵抗性の証拠で
ある。会合のレベルは、対照のレベルと比較することができる。対照レベルは、非抵抗性
細胞に基づくことができる。試験レベルが非抵抗性対照細胞レベルより高い場合、抵抗性
が示されている。対照レベルは、抵抗性細胞に基づくことができ、試験レベルと対照レベ
ルとの類似性は抵抗性を示している。
また、提供されているのは、CARD含有タンパク質の調節因子についてのスクリーニ
ング方法である。特に、ここで提供されているのは、調節因子がデスレセプターアゴニス
トに対する標的細胞の抵抗性を逆転又は防止するようなスクリーニング方法である。スク
リーニング方法の工程は、候補薬剤とCARD含有タンパク質とを接触させる工程、及び
候補薬剤の不存在下と比較して候補薬剤の存在下でのARD含有タンパク質の1以上の活
性の変化(たとえば低減)を検出する工程を含み、この1又は複数の活性はデスレセプタ
ーアゴニストに対する標的細胞の抵抗性と相関する。CARD含有タンパク質の1又は複
数の活性の低減は、その候補薬剤がCARD含有タンパク質を調節することを示す。この
方法は、改変されたCARD含有タンパク質を利用するように改変することができ、たと
えば、天然の改変又は非天然の改変が含まれる。このような改変としては、短縮化(trun
cations)、突然変異キメラタンパク質等が挙げられる。たとえば、DDX3の核酸配
列は、配列番号25に定義されている。DDX3の突然変異の例としては、配列番号25
の位置1842及び2493での、アデノシンからグアノシンへの置換が挙げられる。

0073

CARD含有タンパク質の任意の数の活性を、ここで記載するスクリーニング方法にお
いて評価することができる。たとえば、CARD含有タンパク質の活性は、リン酸化(た
とえば、デスレセプター結合アミノ酸での又はその近傍でのリン酸化)であることができ
る。したがって、本発明の方法は、CARD含有タンパク質のリン酸化の検出を含むこと
ができる。タンパク質のリン酸化を検出するための細胞ベース及び無細胞のアッセイは、
当該技術分野において周知であり、抗体、たとえば抗ホスホセリン(Phosphoserine)(C
hemicon(登録商標) AB1603)(Chemicon, Temecula, CA)、抗ホスホトレオ
ン(Phosphothreonine)(Chemicon(登録商標) AB1607)及び抗ホスホチロシン
(Phosphotyrosine)(Chemicon(登録商標) AB1599)を含む抗体の利用が挙げ
られる。部位特異的抗体もまた、DDX3のリン酸化形態に対して特異的に生成させるこ
とができる。これらの抗体の生成及び使用の方法は、当該技術分野において周知である。

0074

ここで記載されるスクリーニング方法において評価することができる別のCARD含有
タンパク質の活性は、結合活性である。たとえば、CARD含有タンパク質の活性は、デ
スレセプターに対する結合であることができる。したがって、本発明の方法は、CARD
含有タンパク質及びデスレセプターの間の相互作用を検出する工程を含むことができる。
CARD含有タンパク質の活性は、CARD依存性結合であることができる。したがって
、本発明の方法は、たとえばcIAP1、cIAP2、XIAP又はサバイビンに対する
、CARD依存性結合を検出する工程を含むことができる。タンパク質結合の検出の方法
は、当該技術分野で周知であり、たとえば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISAs)
又はウェスタン・ブロットと組合せた共免疫沈降が挙げられる。別の例においては、サン
ドイッチアッセイを用いることができ、ここで、第一の抗体はデスレセプターを捕獲し、
第二の抗体はCARD含有タンパク質を検出する。別の例においては、サンドイッチアッ
セイを用いることができ、ここで、第一の抗体はCARD含有タンパク質を捕獲し、第二
の抗体はデスレセプターを検出する。

0075

さらに、ここで提供されているのは、CARD含有タンパク質の評価される活性が、切
断、たとえばデスレセプター誘導アポトーシスの間に起こる切断を含む、スクリーニング
アッセイである。したがって、このスクリーニング方法は、CARD含有タンパク質の切
断を検出する工程を含むことができる。タンパク質切断を検出するための方法は当該技術
分野において周知であり、たとえば、ウェスタン・ブロット法が挙げられる。

0076

スクリーニング方法の接触工程は、インビボ又はインビトロで行なうことができる。ス
クリーニング方法は、細胞ベース又は無細胞のいずれであることもできる。したがって、
一つの側面においては、CARD含有タンパク質は、標的細胞内にある。CARD含有タ
ンパク質は細胞内に天然に存在することができ、又は細胞は、CARD含有タンパク質を
産生するように遺伝子工学的処理されていることができる。無細胞の方法においては、C
ARD含有タンパク質は、基質(基材)に付着するように又はキメラタンパク質を形成す
るように、改変されていることができる。

0077

場合によっては、スクリーニング方法は、さらに、標的細胞又はデスレセプターを含む
非細胞系を、デスレセプターアゴニストと1回以上接触させる工程、及びデスレセプター
アゴニストに対する抵抗性のレベルを検出する工程を含むことができる。デスレセプター
アゴニストに対する抵抗性のレベルは、たとえば、アポトーシスを測定することによって
検出することができ、デスレセプターアゴニストに反復的に暴露した際のアポトーシスの
低下は、抵抗性の増大を示す。アポトーシスの検出方法は、当該技術分野において周知で
あり、たとえば、末端dUTニック・エンドラベリング(TUNEL)、活性カスパー
ゼ3、アネキシンV(Annexin V)による細胞表面リン脂質ホスファチジルセリン(PS
)を検出するための試薬が挙げられる。アポトーシスを検出するためのこれらの及び他の
方法のための試薬は、商業的に入手可能である。

0078

一般に、候補薬剤は、天然生成物又は合成(もしくは半合成抽出物の大規模ライブ
ラリー又は化学ライブラリーから、当該技術分野で公知の方法にしたがって、同定するこ
とができる。薬剤の発見及び開発の分野の当業者は、試験抽出物又は化合物の正確な起源
は本発明のスクリーニング手順については重要ではないことを理解するであろう。したが
って、事実上、任意の数のペプチド、化学抽出物又は化合物を、ここで記載された例示的
な方法を用いてスクリーニングすることができる。このようなペプチド、抽出物又は化合
物の例としては、植物、菌類原核生物又は動物ベースの抽出物、発酵物ブロス、及び合
成化合物、ならびに存在する化合物の改変物が挙げられるが、これらに限らない。多数の
方法が、任意の数の化学化合物(たとえばサッカリド、脂質、ペプチド、ポリペプチド及
核酸ベースの化合物を含むが、それらに限らない)のランダム又は指向性合成(たとえ
ば、半合成又は全合成)を生成するために利用可能である。合成化合物ライブラリーは、
たとえばBrandon Associates(Merrimack, NH)及びAldrich Chemical(Milwaukee, WI)
から、商業的に入手可能である。あるいは、細菌、菌類、植物及び動物抽出物の形態の天
然化合物のライブラリーは、多数の供給源から商業的に入手可能であり、Biotics(Susse
x, UK)、Xenova(Slough, UK)、Harbor Branch Oceangraphics Institute(Ft. Pierce
, Fla.)及びPharmaMar, U.S.A.(Cambridge, Mass.)が挙げられる。それに加えて、天
然及び合成により作製されたライブラリーは、所望の場合、当該技術分野において公知の
方法、たとえば標準的な抽出及び分画方法にしたがって作製することができる。さらに、
所望の場合、任意のライブラリー又は化合物は、標準的な化学、物理又は生化学の方法を
用いて、容易に改変することができる。それに加えて、薬剤の発見及び開発の分野の当業
者は、CARD含有タンパク質の活性に対するそれらの影響について既に知られている材
料の複製物もしくは反復物の排除又は脱複製(dereplication)(たとえば、分類学上の
脱複製、生物学的脱複製及び化学的脱複製、又はそれらの任意の組合せ)のための方法が
、可能な限りいつでも用いられるべきであることを容易に理解する。

0079

未精製(粗)抽出物が、所望の活性を有することが見出された場合、観察された効果の
原因である化学的構成成分を単離するために陽性リード抽出物のさらなる分画が必要であ
る。したがって、抽出、分画及び精製プロセスゴールは、CARD含有タンパク質の活
性を刺激又は阻害する活性を有する未精製抽出物中の化学的実体注意深く特徴づけし、
同定することである。化合物の混合物中の活性の検出についてここで記載されている同じ
アッセイは、活性成分を精製し、それらの誘導体を試験するために用いることができる。
このような異成分からなる抽出物の分画及び精製の方法は、当該技術分野において公知で
ある。所望の場合、治療のための有用な薬剤であることが示された化合物は、当該技術分
野において公知の方法にしたがって化学的に改変することができる。治療的価値を有する
として同定された化合物は、続いて、CARD含有タンパク質の活性を調節又は擬似する
ことが望ましい疾患又は状態の動物モデルを用いて解析されることができる。

0080

提供されているのは、被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモ
タリングする方法であって、被検対象から生物学的試料を得る工程、及び試料中のデス
レセプターとCARD含有タンパク質との会合を検出する工程を含む方法であり、会合は
抵抗性を表す。上記のとおり、会合のレベルは、対照のレベルと比較することができる。

0081

説明例として、本発明の方法は、被検対象から生物学的試料を単離する工程(被検対象
は、治療的抗DR5抗体(たとえばTRA−8)で処理されている)、生物学的試料から
タンパク質を単離する工程、DR5タンパク質を免疫沈降させる工程、DR5を(還元又
は非還元条件下の)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によ
り分離する工程、分離したタンパク質をニトロセルロース膜に転写する工程、及びDDX
3に対する抗体と標準的なウェスタン・ブロット技術とを用いてDR5と会合したDDX
3を検出する工程を含むことができ、ここで、会合はその細胞におけるTRA−8抵抗性
の証拠である、方法である。

0082

提供されているのは、被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモ
ニタリングする方法であって、被検対象から生物学的試料を得る工程、及び試料中のカス
パーゼ又はカスパーゼの調節因子のCARD含有タンパク質との会合を検出する工程を含
み、会合が抵抗性を表す、方法である。

0083

説明例として、本発明の方法は、治療的抗DR5抗体(たとえばTRA−8)で処理さ
れた生物学的試料を被検対象から単離する工程、この生物学的試料からタンパク質を単離
する工程、DDX3タンパク質を免疫沈降させる工程、DDX3を(還元又は非還元条件
下の)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分離する工
程、分離したタンパク質をニトロセルロース膜に転写する工程、及び標準的なウェスタン
・ブロット技術を用いてDDX3と会合したカスパーゼ(たとえばカスパーゼ−1、カス
パーゼ−2、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5)及びIAP(たとえば、cIAP1、c
IAP2、XIAP、サバイビン)を検出する工程を含むことができ、ここで、たとえば
cIAP1及びDDX3の検出はその細胞におけるTRA−8抵抗性の証拠である、方法
である。

0084

提供されているのは、被検対象におけるデスレセプターアゴニストに対する抵抗性をモ
ニタリングする方法であって、被検対象から生物学的試料を得る工程、及びDDX3のリ
ン酸化を検出する工程を含む方法である。タンパク質のリン酸化を検出するための方法は
、当該技術分野において周知であり、たとえば抗ホスホセリン(Chemicon(登録商標)、
AB1603)、抗ホスホトレオニン(Chemicon(登録商標)、AB1607)及び抗ホ
スホチロシン(Chemicon(登録商標)、AB1599)を含む抗体の使用が挙げられる。
部位特異的抗体もまた、DDX3のリン酸化形態に対して生成することができる。このよ
うな抗体の作製及び使用の方法は、当該技術分野において周知である。

0085

提供されているのは、デスレセプターを発現する標的細胞においてアポトーシスを選択
的に誘導する方法であって、標的細胞をデスレセプターに特異的に結合するデスレセプタ
ーアゴニストの治療的量と接触させる工程、及び標的細胞にCARD含有タンパク質の1
以上の活性の調節因子の治療的量を投与する工程を含む方法である。
アゴニスト及びCARD含有タンパク質調節因子がアポトーシスを誘導する能力は、ヒ
白血病細胞株であるJurkat(American Type Culture No. TIB-152)及び星状細胞腫細
胞株である1321N1のような細胞を、試験試料を添加した培地中で培養することによ
り、確認することができる。生存率は、たとえばATPLITEアッセイを用いて、測定
することができる。

0086

ここで提供されている方法及び組成物は、細胞の不適切な生存又は増殖に関連する疾患
の治療において用いることができ、がん、炎症性及び自己免疫性疾患におけるアポトーシ
スシステムの調節不全に起因する疾患が挙げられる。炎症性及び自己免疫性疾患としては
、代表的には、全身性エリテマトーデス橋本病、慢性関節リウマチ、移植片対宿主病
シェーグレン症候群悪性貧血アジソン病強皮症グッドパスチャー症候群クロー
ン病、自己免疫性溶血性貧血不妊症重症筋無力症多発性硬化症バセドウ病、血小
減少性紫斑病インシュリン依存性糖尿病アレルギー喘息アトピー性疾患動脈
硬化症心筋炎心筋症糸球体腎炎、低形成性貧血臓器移植後拒絶が挙げられる。
がんとしては、前立腺肝臓卵巣、直腸、子宮頚部リンパ及び胸部組織の多数の
悪性腫瘍が挙げられる。したがって、提供されている組成物及び方法は、さらに、これら
の標的とされた細胞が特異的デスレセプター(すなわちDR4又はDR5)を発現する又
は発現するように作られている限りにおいて、活性化されたリンパ球、リンパ性細胞、骨
細胞及びリウマチ性滑膜細胞(炎症性滑膜細胞(synoviocytes)、マクロファージ様滑
膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞を含む)及びウイルス感染細胞(たとえばHIV感染細胞
を含む)を含む活性化された免疫細胞を標的とし、それらに選択的にアポトーシスを誘導
するために用いることができる。

0087

提供されているのは、がん、自己免疫性疾患又は炎症性疾患を有する被検対象を治療す
る方法であって、その被検対象に、治療的量のデスレセプターアゴニスト及びCARD含
有タンパク質の1以上の活性の調節因子を投与する工程を含み、この調節因子がデスレセ
プターアゴニストに対する抵抗性を低減する方法である。
終始用いられている、デスレセプターアゴニスト及び/又はCARD含有タンパク質調
節因子の「治療的量」は、標的細胞においてアポトーシスを引き起こすのに充分な量であ
る。ここで用いられる場合、「治療的量」及び「薬学的有効量」という用語は、同義であ
る。当業者は、容易に適正な治療的量を決定することができる。

0088

疾患、たとえばがん、自己免疫性疾患及び炎症性疾患の治療においては、処理の組合せ
を用いることもできる。たとえば、提供されている方法及び組成物のCARD含有タンパ
ク質の調節因子及びアゴニストは、他の治療的薬剤とともに投与することができる。ここ
で用いられる場合、「治療的薬剤」は、病理学的状態を改善するのに有効な化合物又は組
成物である。放射線療法もまた、他の薬剤とともに、又は他の薬剤なしで、組合せること
ができる。当業者は、放射線療法の形態を疾患に適合させるであろう。

0089

治療的薬剤の例としては、化学療法剤、抗炎症剤、疾患改変抗リウマチ薬(Disease Mo
difying Anti Rheumatic Drug;DMARD)、抗体、TNFファミリーのメンバー、抗
ウイルス剤、抗日和見感染剤、抗生物質免疫抑制剤免疫グロブリン抗マラリア剤
抗慢性関節リウマチ剤、サイトカインケモカイン成長因子、及び抗がん化合物が挙げ
られる。抗がん化合物は、異常に生育する細胞の成長を阻害又は停止することにおいて有
効な化合物又は組成物である。抗がん化合物の説明例としては、以下のものが挙げられる
ブレオマイシン(bleomycin)、カルボプラチン(carboplatin)、クロラムブシル(ch
lorambucil)シスプラチン(cisplatin)、コルヒチンシクロホスファミド(cyclophos
phamide)、ドーノルビシン(daunorubicin)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ジ
エチルスチルベストロール(diethylstilbestrol)ドキソルビシン(doxorubicin)、エ
トポシド(etoposide)、5−フルオロウラシル(5-fluorouracil)、フロクスリジン(f
loxuridine)、メルファラン(melphalan)、メトトレキセート(methotrexate)、マイ
トマイシン(mitomycin)、6−メルカプトプリン(6-mercaptopurine)、テニポシド(t
eniposide)、6−チオグアニン(6-thioguanine)、ビンクリスチン(vincristine)及
ビンブラスチン(vinblastine)。抗がん化合物及び治療的薬剤のさらなる例は、「The
Merck Manual of Diagnosis and Therapy 15th Ed.」、Berkow et al. eds. 1987 Rahwa
y N.J.及びSladek et al. 「Metabolism and Action of Anti-Cancer Drugs」、1987 Pow
is et al. eds. Taylor and Francis, New York, N.Y.に見出される。

0090

PKC阻害剤、ビスインドリーマレイミドVIII(bisindolymaleimide VIII;(BisVIII
)は、Fas媒介性アポトーシスを大きく促進する(Zhou T. et al. 1999. Nat Med 5:4
2-48)。JNK/p38経路の相乗的活性化は、重要な役割を果たすこと(Ohtsuka T.及
びT. Zhou. 2002. J Biol Chem 277:29294-29303)、及び3種の一般的な化学療法剤によ
るDR5媒介性アポトーシスの増強は、同様の機構を通じて起こるらしいこと(Ohtsuka
T. D. et al. 2003. Oncogene 22:2034-2044)が示されている。したがって、提供された
方法は、さらに、ビスインドリーマレイミドVIII(BisVIII)又はSN−50もしくはL
Y294002のような他の感作剤のような、アポトーシス誘導性化合物の使用を含むこ
とができる。したがって、提供された方法及び組成物のCARD含有タンパク質の調節因
子及びアゴニストは、BisVIIIと組合せることができる。提供された方法及び組成物のC
ARD含有タンパク質の調節因子及びアゴニストは、さらに、非ステロイド系抗炎症剤
NSAID)(たとえば、スリンダックスルフィド(sulindac sulfide)又は他のCOX
−1又はCOX−2阻害剤)と組合せることができる。

0091

提供された方法及び組成物のアゴニストを用いる療法は、他のアゴニストを用いる療法
とも組合せることができる。たとえば、DR5に対する抗体は、それを必要とする個体に
、DR4に対する抗体の投与とともに又はその前もしくは後に、投与することができる。
このような組合せ抗体療法は、さらに、ここで提供されたCARD含有タンパク質の1以
上の調節因子の投与と組合せることができ、さらに他の治療的薬剤と組合せることができ
る。

0092

提供されているのは、デスレセプターアゴニスト及びCARD含有タンパク質の1以上
の活性を調節する薬剤を含む組成物であって、ここで、この調節因子はデスレセプターア
ゴニストに対する抵抗性を低減する組成物である。提供されている組成物は、化学療法剤
、TNFファミリーのメンバー、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗日和見感染剤、抗生物質、
免疫抑制剤、免疫グロブリン、抗マラリア剤、抗慢性関節リウマチ剤、サイトカイン、ケ
モカイン及び成長因子からなる群から選択される治療的薬剤をさらに含むことができる。

0093

「タンパク質」、「ペプチド」、「ポリペプチド」又は「ペプチド部分」という用語は
、ここでは互換可能に用いられており、ペプチド結合によって連結された2以上のアミノ
酸を広く意味するように用いられる。「フラグメント」という用語は、ここでは、全長
リペプチド又はタンパク質の部分であって、ポリペプチド上でのタンパク分解反応によっ
て生成されることができる部分、すなわちポリペプチド中のペプチド結合の切断の際に生
成されるペプチドを意味するように用いられる。フラグメントは、必ずしもタンパク分解
反応によって生成される必要はなく、合成ポリペプチドを製造するための化学合成又は組
換えDNA技術の方法を用いて生成されることができることは認識されるべきである。「
タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、ここでは、その分子を含む特定のサイ
ズ又はアミノ酸数を示唆するために用いられてはいないこと、及び本発明のペプチドは数
個のアミノ酸残基又はそれ以上を含むことができることは認識されるべきである。

0094

「単離された」又は「精製された」という語は、天然においてその組成物が通常関連し
ている材料を含め、他の物質を実質的に含まない組成物(たとえばポリペプチド又は核酸
)を意味する。本発明のポリペプチド又はそのフラグメントは、たとえば天然供給源(た
とえばファージ)からの抽出、そのポリペプチドをコードする組換え核酸の発現(たとえ
ば細胞内又は無細胞翻訳系における)、又はポリペプチドの化学合成によって、得ること
ができる。それに加えて、ポリペプチドフラグメントは、これらの任意の方法によって、
又は全長ポリペプチドの切断によっても得ることができる。参照タンパク質又はポリペプ
チドのフラグメントは、その参照タンパク質/ポリペプチドの連続するアミノ酸のみを含
み、その参照配列よりも少なくとも1アミノ酸短い。

0095

特異的タンパク質が言及される場合、ここでは変異体、誘導体及びフラグメントが企図
される。タンパク質変異体及び誘導体は、当業者には充分に理解されており、アミノ酸配
列の改変を含むことができる。たとえば、アミノ酸配列の改変は、典型的には3つのクラ
スの1つ以上に該当する:置換、挿入又は欠失変異体。挿入としては、1又は複数のアミ
酸残基アミノ末端及び/又はカルボキシル末端への融合ならびに配列内への挿入が挙
げられる。挿入は、通常はアミノ末端及び/又はカルボキシル末端への融合よりも小さい
挿入であり、たとえば1〜4個の残基のオーダーである。欠失は、タンパク質配列からの
1以上のアミノ酸残基の除去を特徴とする。典型的には、タンパク質分子内の任意の部位
で約2〜6残基を超えない残基が除去されるが、欠失は、1〜30残基の範囲であること
ができる。これらの変異体は、通常は、そのタンパク質をコードするDNA中のヌクレオ
チドの部位特異的突然変異誘発によってその変異体をコードするDNAを生成し、その後
、このDNAを組換え細胞培養において発現させることにより調製することができる。既
知の配列を有するDNAにおける予め決められた部位での置換突然変異を作製する技術は
周知であり、たとえば、M13プライマー突然変異誘発及びPCR突然変異誘発が挙げら
れる。アミノ酸置換は、典型的には単一残基であるが、一度に多数の異なる位置で起こる
ことができる。挿入は、通常は約1〜10アミノ酸残基のオーダーである。欠失又は挿入
は、好ましくは隣接する2個の対、すなわち2残基の欠失又は2残基の挿入として作製さ
れる。置換、欠失、挿入又はそれらの任意の組合せを、最終構築物に到達するために組合
せることができる。突然変異は、配列をリーディングフレーム外に置くものであってはな
らず、かつ、好ましくは、mRNAの二次構造のこのような変化が望ましい場合でない限
り、二次mRNA構造を生成し得る相補的領域を生み出さないものである。置換変異体
、少なくとも1残基が除去され、その場所に異なる残基が挿入されているものである。こ
のような置換は、一般的に、以下の表1にしたがって作製され、これらは保存的置換と呼
ばれる。

0096

0097

機能又は免疫学的同一性の実質的な変化は、表1におけるものよりも保存的ではない置
換を選択することにより、すなわち(a)置換の領域におけるポリペプチド骨格の構造、
たとえばシート又はらせんのコンフォメーション、(b)標的部位での分子の電荷又は疎
水性、又は(c)側鎖の大きさ、に対するそれらの効果がより有意に異なる残基を選択す
ることにより、作ることができる。タンパク質の特性に最大の変化を生じると一般に期待
される置換は、(a)親水性残基、たとえばセリル又はトレオニルが、疎水性残基、たと
えばロイシルイソロイシルフェニルアラニルバリル又はアラニルと(又はそれによ
って)置換されること;(b)システイン又はプロリンが、別の任意の残基と(又はそれ
によって)置換されること;(c)電気的に陽性の側鎖を有する残基、たとえば、リシル
アルギニル又はヒスチジルが電気的に陰性の残基、たとえば、グルタミル又はアスパル
チルと(又はそれによって)置換されること;又は(d)嵩高い側鎖を有する残基、たと
えばフェニルアラニンが側鎖を有さないもの、たとえばグリシンと(又はそれによって)
置換されること、及び(e)硫酸化及び/又はグリコシル化のための部位の数を増加させ
ること、であろう。

0098

たとえば、1つのアミノ酸を生物学的及び/又は化学的に同様の別のもので置換するこ
とは、当業者に保存的置換として知られている。たとえば、保存的置換は、ある疎水性残
基を別のもので、又はある極性残基を別のもので、置換することであろう。置換としては
、表1に示されている組合せが挙げられる。明示的に開示された配列の各々の保存的置換
された変異体は、ここで提供されるポリペプチドの範囲内に含まれる。

0099

典型的には、保存的置換は、結果として得られるポリペプチドの生物学的活性に対し、
ほとんど又はまったく影響を与えない。特定の例において、保存的置換は、ペプチドの生
物学的機能に実質的に影響を与えないペプチド内のアミノ酸置換である。ペプチドは、1
以上のアミノ酸置換、たとえば2〜10個の保存的置換、2〜5個の保存的置換、4〜9
個の保存的置換、たとえば2、5又は10個の保存的置換を含むことができる。

0100

ポリペプチドは、たとえば部位特異的突然変異誘発又はPCRのような標準的手順を用
いて、そのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を操作することにより、1以上の
保存的置換を含むように製造することができる。あるいは、ポリペプチドは、標準的ペプ
チド合成法を用いて1以上の保存的置換を含むように製造することができる。アラニン
スキャンは、タンパク質中のどのアミノ酸残基が、アミノ酸置換を許容することができる
かを同定するために用いることができる。一例において、アラニン又は他の保存的アミノ
酸(以下に列挙されているもののような)が1以上のネイティブなアミノ酸で置換されて
いる場合、そのタンパク質の生物学的活性は、25%を超えて、たとえば20%を超えて
、たとえば10%を超えて低減することはない。

0101

保存的置換についてのさらなる情報は、Ben-Bassat et al. (J. Bacteriol. 169:751-
7, 1987)、O'Regan et al. Gene 77:237-51, 1989)、Sahin-Toth et al. (Protein Sc
i. 3:240-7, 1994)、Hochuli et al.(Bio/Technology 6:1321-5, 1988)、ならびに遺
伝学及び分子生物学の標準的テキストブックのような他の場所に見出すことができる。

0102

置換又は欠失突然変異誘発は、N−グリコシル化のための部位(Asn−X−Thr/
Ser)又はO−グリコシル化のための部位(Ser又はThr)を挿入するために用い
ることができる。システイン又は他の不安定な残基の欠失もまた望ましい。潜在的なタン
パク分解部位、たとえばArgの欠失又は置換は、たとえば、塩基性残基のひとつを欠失
させること又はグルタミニル又はヒスチジル残基で置換することによって、達成される。

0103

ある種の翻訳後誘導体化は、発現されたポリペプチドに対する組換え宿主細胞の作用の
結果である。グルタミニル及びアスパラギニル残基は、頻繁に翻訳後脱アミド化され、相
当するグルタミル及びアスパリル残基になる。あるいは、これらの残基は、穏和な酸性
条件下で脱アミド化される。他の翻訳後改変としては、プロリン及びリジンのヒドロキシ
ル化、セリル及びトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン及び
ヒスチジン側鎖のO−アミノ基のメチル化(T. E. Creighton, Proteins: Structure and
Molecular Properties, W. H. Freeman & Co., San Francisco, pp. 79-86 [1983])、
N末端アミンアセチル化、及びいくつかの場合には、C末端カルボキシルアミド化
挙げられる。

0104

開示された組成物に取り込まれることができる多数のアミノ酸及びペプチドアナログ
あることは理解される。たとえば、多数のD−アミノ酸又は表1に示されるアミノ酸とは
異なる機能的置換基を有するアミノ酸がある。天然のペプチドとは反対の立体異性体もま
た、ペプチドアナログの立体異性体と同様に開示されている。これらのアミノ酸は、選択
したアミノ酸をtRNA分子に担持させること及びアナログアミノ酸をペプチド鎖に部位
特異的な方法で挿入するために、たとえばアンバーコドンを用いる遺伝的構築物工学
に製造することにより、ポリペプチド鎖に容易に取り込ませることができる(Thorson et
al. Methodsin Molec. Biol. 77:43-73 (1991), Zoller, Current Opinion in Biote
chnology, 3:348-354 (1992); Ibba, Biotechnology & Genetic Enginerring Reviews
13:197-216 (1995), Cahill et al. TIBS, 14(10):400-403 (1989); Benner, TI
B Tech, 12:158-163 (1994); Ibba及びHennecke, Bio/technology, 12:678-682 (199
4)、これらのすべては、少なくともアミノ酸アナログに関する材料について、参照によ
りここに援用される)。

0105

ポリペプチドと似せた分子であるが、天然のペプチド結合を介して連結されていないも
のを、作製することができる。たとえばアミノ酸又はアミノ酸アナログのための結合とし
ては、CH2NH−−、−−CH2S−、−−CH2−−CH2−−、−CH=CH−−
、(シス及びトランス)、−COCH2−−、−CH(OH)CH2−、及び−CHH2
SO−が挙げられる(これら及びその他のものは、Spatola, A. F. in Chemistry and Bi
ochemistry of Amino Acids, Peptides, and Proteins, B. Weinstein eds., Marcel Dek
ker, New York,p.267 (1983); Spatola, A. F., Vega Data (March 1983), Vol. 1,
Issue 3, Peptide Backbone Modifications (一般的な総説); Morley, Trends Pharm
Sci (1980) pp. 463-468; Hudson, D. et al., Int J Pept Prot Res 14:177-185 (
1979) (−−CH2NH−−、CH2CH2−−); Spatola et al. Life Sci 38:124
3-1249(1986) (−−CHH2−−S); Hann J. Chem. Soc Perkin Trans. I307-314
(1982) (−−CH−−CH−−、シス及びトランス); Almquist et al. J. Med. C
hem. 23:1392-1398 (1980) (−−COCH2−−); Jennings-White et al. Tetrah
edron Lett 23:2533 (1982) (−−COCH2−−); Szelke et al.の欧州特許出願
EP 45665 CA (1982): 97:39405 (1982) (−−CH(OH)CH2−
−); Holladay et al. Tetrahedron. Lett 24:4401-4404 (1983) (−−C(OH)
CH2−−);及びHruby Life Sci 31:189-199 (1982) (−−CH2−−S−−)に見
出すことができ、それらの各々が、参照によりここに援用される。特に好ましい非ペプチ
ド結合は、−−CH2NH−−である。ペプチドアナログは、結合原子間に、b−アラ
ン、g−アミノブチル酸などのように2以上の原子を有することができることは理解され
る。

0106

アミノ酸アナログ及びアナログ及びペプチドアナログは、しばしば、たとえばより経済
的な生産、より大きい化学的安定性、強化された薬学的特性半減期、吸収、強度、効率
等)、変化した特異性(たとえば、生物学的活性の広いスペクトル)、低減された抗原性
その他のような、増強された又は望ましい特性を有することができる。

0107

D−アミノ酸は、より安定なペプチドを生成するために用いることができるが、これは
、D−アミノ酸はペプチダーゼ等によって認識されないためである。同じタイプのD−ア
ミノ酸でのコンセンサス配列の1以上のアミノ酸の系統的な置換(たとえば、L−リジン
の代わりにD−リジン)は、より安定なペプチドを生成するために用いることができる。
システイン残基は、2以上のペプチドを環状化又は付着させるために用いることができる
。これは、ペプチドを特定のコンフォメーションに束縛するために有益である(Rizo及び
Gierasch Ann. Rev. Biochem. 61:387 (1992)、参照によりここに援用される)。

0108

ここで開示された遺伝子及びタンパク質の任意の変異体、改変又は誘導体を定義するた
めのひとつの方法は、既知の特異的な配列に対する相同性によって変異体、改変又は誘導
体を定義することであることは理解される。具体的に開示されたのは、ここで開示された
核酸及びポリペプチドの変異体であって、記載された又は既知の配列に対して、70、7
1、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84
、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、
98、99%相同性を有するものである。当業者は、2つのタンパク質又は核酸の相同性
をいかにして決定するかを容易に理解する。たとえば、相同性は、相同性が最も高いレベ
ルになるように2つの配列を整列させた後に、算出することができる。

0109

相同性を算出するための別の方法は、公開されたアルゴリズムによって行うことができ
る。比較のための配列の最適な整列(アラインメント)は、Smith及びWaterman, Adv. Ap
pl. Math. 2: 482 (1981)の局所的相同性アルゴリズム、Needleman及びWunsch, J. MoL
Biol 48:443 (1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson及びLipman, Proc
. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444 (1988)の類似性探索(search for similarity)
法、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(GAP、BESTFIT、FA
TA及びTFASTA、the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer
Group, 575 Science Dr., Madison, WI)又は検査(inspection)によって、実行するこ
とができる。これらの参考文献は、相同性の算出方法について、参照によりその全体がこ
こに援用される。

0110

同じタイプの相同性は、核酸について、たとえば、Zuker, M. Science 244:48-52, 198
9, Jaeger et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:7706-7710 1989, Jaeger et al. Met
hodsEnzymol. 183:281-306 1989に開示されたアルゴリズムによって得ることができ、そ
れらは、少なくとも核酸の整列に関する材料について、参照によりここに援用される。

0111

提供されている組成物は、経口、経直腸、嚢内心室脳室)内、頭蓋内、鞘内、関節
内、内、非経口静脈内、筋内、又は皮下)、局所的(粉末剤軟膏又は点滴剤)、腹
腔内注射によって、経皮的に、吸入によって又は口腔もしくは鼻腔用スプレーによって、
投与することができる。必要な抗体又は治療剤の正確な量は、年齢、体重及び対象の一般
的な状態、治療すべき疾患の重症度、腫瘍の位置及び大きさ、用いられる特定の化合物、
投与のモード等に応じて、対象ごとに変化する。適切な量は、ここでの教示を与えられれ
ば当業者によってルーチンの実験のみによって決定されることができる。典型的な抗体の
単一用量は、0.1〜10,000マイクログラムの範囲であり、好ましくは1及び10
0マイクログラムの間である。キャリア中の典型的な抗体濃度は、送達される1ミリリッ
トル当たり0.2〜2000ナノグラムの範囲である。関節内への注射のためには、抗体
及びキャリアの容量は、その関節に応じて変化するが、約0.5〜10ml、及び好ましく
は1〜5mlがヒトの注入され、そして、約0.1〜5ml、好ましくは1〜2mlがヒト
足首に注入される。

0112

組成物は、さらに、製剤学的に許容されうるキャリアを含むことができる。「製剤学
薬学)的に許容されうる」は、生物学的に又はそれ以外で望ましくないものではない材料
であって、有意な望ましくない生物学的影響を引き起こすことなしに又はそれが含まれる
製剤組成物の他の成分と悪い方式で相互作用することなしに、選択された基質とともに個
体に投与され得るもの、を意味する。

0113

意図された投与モードに応じて、抗体又は治療剤は、たとえば、錠剤、座剤、ピル(丸
薬)、カプセル、粉末剤、液体又は懸濁液のような固体半固体又は液体の用量形態の製
剤組成物であることができ、好ましくは正確な用量の単一投与に好適な単位用量形態であ
ることができる。組成物は、有効量の選択された基質を、製剤学的に許容されうるキャリ
アとの組合せで含み、それに加えて他の医薬、製剤、キャリア又は希釈剤を含むことがで
きる。非経口注入に好適な組成物は、生理学的に許容されうる滅菌された水性又は非水
溶液、分散液、懸濁液又は乳液、及び滅菌された注射可能な溶液又は分散液に再構成され
滅菌粉末剤を含むことができる。好適な水性及び非水性キャリア、希釈剤、溶剤又はベ
ヒクルの例としては、水、エタノールポリオール類プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコールグリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(たとえばオリーブ
油)及びエチルオレエートのような注入可能な有機エステルが挙げられる。適正な流動性
は、たとえば、レシチンのようなコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な
粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。

0114

これらの組成物は、保存剤湿潤剤乳化剤及び調剤(dispensing agent)のような補
助薬をも含んでいてもよい。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤及び抗真菌剤、たと
えば、パラベンクロロブタノールフェノールソルビン酸等によって確保することが
できる。等張剤、たとえば、糖類、塩化ナトリウム等を含有させることも望ましい場合が
ある。注入可能な製剤形態延長された吸収は、吸収を遅延される薬剤、たとえば、モノ
ステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされることができる。

0115

経口投与のための固体用量形態としては、カプセル、錠剤、ピル(丸薬)、粉末剤及び顆
粒が挙げられる。このような固体用量形態においては、活性化合物は、少なくとも1種の
不活性な慣用的賦形剤(又はキャリア)、たとえばクエン酸ナトリウム又はリン酸カル
シウム、又は(a)充填剤又は増量剤、たとえば、スターチ乳糖ショ糖グルコース
マンニトール及び珪酸、(b)結合剤、たとえば、カルボキシメチルセルロースアリ
グネート(alignates)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及びアラビアゴム
(c)希釈剤、たとえば、グリセロール、(d)崩壊剤、たとえば、寒天炭酸カルシウ
ム、ジャガイモ又はタピオカデンプンアルギン酸、ある種の複合体珪酸塩エステル
及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarders)、たとえば、パラフィン
、(f)吸収促進剤、たとえば、第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、たとえば、
セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、たとえば、カオリ
ン及びベントナイト、(i)潤滑剤、たとえば、タルクステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシウム固体ポリエチレングリコールラウリル硫酸ナトリウム、又はそ
れらの混合物、と混合される。カプセル、錠剤及びピル(丸薬)の場合、用量形態は、緩
衝剤をも含むことができる。

0116

同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖ならびに高分子ポリエチレングリコ
ール等のような賦形剤を用いて、軟及び硬充填ゼラチンカプセルの充填剤としてもまた使
用することができる。

0117

錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル(丸薬)及び顆粒のような固体用量形態は、腸溶性コー
ティング及び当該技術分野において周知のその他のコーティングのようなコーティング及
シェルを伴って調製することができる。これらは、乳白剤を含んでいてもよく、遅延さ
れた方式で腸管内の一定の部分で1種又は複数の活性化合物を放出するような組成物であ
ることができる。用いることができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワック
スがある。活性化合物は、適切な場合には、1以上の上記の賦形剤を含むマイクロカプセ
ル化された形態であることができる。

0118

経口投与のための液体用量形態としては、製剤学的に許容され得る乳剤、溶液、懸濁液
シロップ及びエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液体用量形態は、当該分
野において一般に用いられる、水又は他の溶剤のような不活性希釈剤可溶化剤及び乳化
剤を含むことができ、たとえば、エチルアルコールイソプロピルアルコールカルボン
酸エチル、酢酸エチルベンジルアルコール、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエー
ト、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールジメチルホルムアミド油類
、特に、綿実油塊茎植物油(groundnut oil)、トウモロコシ胚芽油オリーブ油、ヒ
マシ油及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレン
リコール及びソルビタン脂肪酸エステル類、又はこれらの物質の混合物等である。

0119

このような不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤甘味料、調
味料及び香料のような補助薬をも含むことができる。

0120

活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、たとえば、エトキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル微結晶セルロース、ア
ルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント、又はこれらの物質
の混合物等を含んでいてもよい。

0121

直腸投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、ココアバター、ポリエチ
レングリコール又は坐剤ワックスのような、通常の温度では固体であるが体温では液体で
あって、したがって、直腸又は膣腔で融解し活性成分を放出する、好適な非刺激性賦形剤
又はキャリアと混合することによって調製することができる、坐剤である。

0122

本発明の化合物の局所投与のための用量形態としては、軟膏、粉末剤、噴霧薬及び吸入
剤が挙げられる。活性成分は、滅菌条件下で、生理学的に許容されうるキャリア及び必要
な可能性のある任意の保存料緩衝剤、又は推進剤と混合される。眼の製剤、軟膏、粉末
剤及び溶液もまた、本発明の範囲内であるものとして企図される。

0123

「製剤学(薬学)的に許容されうる塩類エステル類アミド類及びプロドラッグ」と
いう用語は、ここで用いられる場合、健全医学的判断の範囲内で、患者の組織と接触さ
せての使用に好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わず、妥当な利益/
リスク比と釣り合っており、その意図された用途について効果的である、本発明の化合物
カルボキシレート塩類、アミノ酸付加塩類、、エステル類、アミド類及びプロドラッグ
、ならびに可能な場合には本発明の化合物の両性イオン形態を指す。「塩類」という用語
は、本発明の化合物の、比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩類を指す。これらの塩類は
、化合物の最終的な単離及び精製の間にインシチュで調製することができ、又は精製され
た化合物をその遊離塩基形態で好適な有機又は無機酸と別個に反応させ、形成された塩類
を単離することによって調製することができる。代表的な塩類としては、臭化水素酸塩
塩酸塩硫酸塩、重硫酸塩硝酸塩酢酸塩蓚酸塩吉草酸塩オレイン酸塩、パルミ
チン酸塩ステアリン酸塩ラウリル酸塩(laurate)、ホウ酸塩ベンゾエート(安息
香酸塩)、乳酸塩リン酸塩トシラートクエン酸塩マレイン酸塩フマル酸塩、コ
ハク酸塩、酒石酸塩、ナフチレート(naphthylate)、メシレート(mesylate)、グルコ
ヘプトネート(glucoheptonate)、ラクトビオネート(lactobionate)、メタンスルホン
酸塩及びラウリル硫酸塩類等が挙げられる。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム
カルシウム、マグネシウム等のようなアルカリ及びアルカリ土類金属ベースのカチオン
類、ならびに、非毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオン類アン
モニウム、テトラメチルアンモニウムテトラエチルアンモニウムメチルアミン、ジメ
ルアミントリメチルアミントリエチルアミンエチルアミン等を含むがそれらに限
らない)を含んでいてもよい。(たとえば、S. M. Barge et al., "Pharmaceutical Salt
s," J. Pharm. Sci. 1977 66:1-19を参照されたい、これは参照によりここに援用される
。)

0124

提供されているのは、RNA干渉(RNAi)における使用のための二本鎖RNA(d
sRNA)を含む単離された核酸である。dsRNAは、短鎖干渉性RNA(siRNA
)又は短鎖ヘアピンRNA(shRNA)であることができる。したがって、提供されて
いるのは、shRNAを含む単離された核酸であって、そのshRNAはCARD含有タ
ンパク質の発現を阻害する。shRNAは、配列番号10、12、14又は16の核酸配
列によってコードされていることができる。

0125

開示された核酸は、たとえば、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ又はヌクレオチド
代用品から構成されている。これら及び他の分子の非制限的な例がここで検討される。た
とえば、ベクターが細胞において発現される場合、発現されたmRNAは、典型的にはA
、C、G及びUから構成されていることが理解される。同様に、もし、たとえばアンチセ
ンス分子が細胞又は細胞環境に、たとえば外来性の送達によって、導入される場合、その
アンチセンス分子は、細胞の環境においてアンチセンス分子の分解を低減するヌクレオチ
ドアナログから構成されていることが有利であることが理解される。

0126

「単離(された)核酸」又は「精製(された)核酸」は、本発明のDNAが由来した生
物の天然のゲノムにおいてその遺伝子に隣接する遺伝子を含まないDNAを意味する。し
たがって、この用語は、たとえば組換えDNA自律複製プラスミド又はウイルスのよう
なベクター中に取り込まれている;又は原核生物又は真核生物のゲノムDNAに取り込ま
れている(たとえば、トランスジーン);又は分離した分子(たとえば、PCR、制限エ
ンドヌクレアーゼ消化又は化学もしくはインビトロ合成によって産生された、cDNA
又はゲノムもしくはcDNAフラグメント)として存在する、組換えDNAを含む。また
、それは、付加的なポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換
えDNAをも含む。「単離(された)核酸」という用語は、RNA、たとえば、単離され
DNA分子によってコードされる又は化学合成された、又は少なくともいくらかの細胞
成分、たとえば他のタイプのRNA分子又はポリペプチド分子から分離された又はそれら
を実質的に含まない、mRNA分子をも指す。

0127

ここで提供されているのは、発現制御配列作動可能に連結された、ここで提供された
任意の核酸を含むベクターである。哺乳類宿主細胞でのベクターからの転写を制御する好
ましいプロモーターは、種々の供給源から入手することができ、たとえば、以下のような
ウイルスのゲノム:ポリオーマシミアンウイルス40SV40)、アデノウイルス
レトロウイルスB型肝炎ウイルス及び最も好ましくはサイトメガロウイルス、又は非相
同哺乳類プロモーター、たとえばβ−アクチンプロモーター又はEF1プロモーターから
、又はハイブリッドもしくはキメラプロモーター(たとえば、β−アクチンプロモーター
に融合されたサイトメガロウイルスプロモーター)から入手することができる。SV40
ウイルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点をも含むSV40制
限フラグメントとして好都合に得ることができる(Fiers et al., Nature 273:113 (197
8))。ヒトサイトメガロウイルスの極初期(immediate early)プロモーターは、Hin
dIII E制限フラグメントとして好都合に得ることができる(Greenway, P.J. et al.,
Gene 18:355-360 (1982))。もちろん、宿主細胞又は関連種由来のプロモーターもまた
、ここでは有用である。

0128

エンハンサー」は、一般に、転写開始部位からの固定的な距離を有さずに機能するD
NAの配列を指し、転写単位に対して、5’側(Laimins, L. et al., Proc. Natl. Acad
. Sci. 78:993 (1981))又は3’側(Lusky, M.L. et al., Mol. Cell Bio. 3:1108 (
1983))のいずれであることもできる。さらに、エンハンサーは、イントロンの中(Bane
rji, J.L. et al., Cell 33:729 (1983))ならびにコード配列それ自体の中(Osborne,
T.F. et al., Mol. Cell Bio. 4:1293 (1984))にあることができる。それらは、通常
、長さ10及び300bpの間であり、シスで機能する。エンハンサーは、近傍のプロモ
ターからの転写を増大するように機能する。エンハンサーは、しばしば、転写の調節を媒
介する応答要素をも含む。プロモーターもまた、転写の調節を媒介する応答要素を含むこ
とができる。エンハンサーは、しばしば、遺伝子の発現の調節を決定する。多くのエン
ンサー配列が今では哺乳遺伝子(グロビンエラスターゼアルブミン、フェトタンパク
質及びインシュリン)から公知である一方で、典型的には、一般的な発現については真核
細胞ウイルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。好ましい例は、複製起点の後期
側のSV40エンハンサー(bp 100270)、サイトメガロウイルス初期プロモータ
ーエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエン
ハンサーである。

0129

プロモーター及び/又はエンハンサーは、光又はその機能の引き金をひく特異的化学的
事象によって、特異的に活性化されてもよい。システムは、テトラサイクリン及びデキサ
メタゾンのような試薬、合成転写因子、方向付けされたRNA自己切断(Yen L. et al.
2004. Nature 431:471-476)及び他のアプローチによって制御されることができる。
また、γ線のような放射線照射又はアルキル化化学療法剤に暴露することによって、ウイ
ルスベクター遺伝子発現を増強する方法もある。

0130

プロモーター及び/又はエンハンサー領域は、転写されるべき転写単位の領域の発現を
最大化するための構成的プロモーター及び/又はエンハンサーとして作用することができ
る。ある種の構築物において、プロモーター及び/又はエンハンサー領域は、特定のタイ
プの細胞において特定の時のみに発現されるとしても、すべての真核生物細胞タイプにお
いて活性である。このタイプの好ましいプロモーターは、CMVプロモーター(650ba
ses)である。他の好ましいプロモーターは、SV40プロモーター、サイトメガロウ
ルス(及び連結するイントロン配列)、β−アクチン伸長因子1(EF−1)及びレト
ロウイルスベクターLTRである。

0131

すべての特異的調節要素は、クローニングすることができ、メラノーマ細胞のような特
異的な細胞タイプにおいて選択的に発現される発現ベクター構築するために用いること
ができることが示されている。神経膠線維性酢酸タンパク質(GFAP)プロモーターは
、神経膠(星状細胞)起源の細胞において選択的に遺伝子発現するために用いられた。H
LA−DR、CD11c、ファスシン(Fascin)及びCD68プロモーターは、すべて、
マクロファージ及び樹状細胞を含む抗原提示細胞において選択的に遺伝子を発現するため
に用いられており(Brocker, T., et al. 1997. J Exp Med 185:541-550; Gough, P.J.
及びRaines, E.W. 2003. Blood 101:485-491; Cui, Y. et al. 2002. Blood 99:399-408
; Sudowe, S. et al. 2003. Mol Ther 8:567-575)、樹状細胞特異的遺伝子(CD83
等)由来のプロモーター要素もまた、これに関して有用であることが明らかにされている
(Berchtold S. et al. 2002. Immunobiology 205:231-246)。

0132

真核生物宿主細胞(酵母真菌昆虫、植物、動物、ヒト又は有核細胞)において用い
られる発現ベクターもまた、mRNA発現に影響し得る転写終結に必要な配列を含んでい
ることができる。これらの領域は、組織因子タンパク質をコードするmRNAの非翻訳
分のポリアデニル化セグメントとして転写される。3’非翻訳領域もまた、転写終結部位
を含む。転写単位は、ポリアデニル化領域をも含むことが好ましい。この領域のひとつの
利点は、転写される単位がmRNAのようにプロセッシングされ、輸送される確率を増大
させることである。発現構築物におけるポリアデニル化シグナルの同定及び使用は、充分
に確立されている。相同なポリアデニル化シグナルは、トランスジーン構築物において用
いられることが好ましい。ある種の転写単位において、ポリアデニル化領域は、SV40
初期ポリアデニル化シグナルから由来し、約400塩基からなる。転写される単位は、他
の標準的な配列を、単独で又は上記の配列と組合せて含み、構築物からの発現又は構築物
の安定性を改善することが好ましい。

0133

ウイルスベクターは、マーカー生成物をコードする核酸配列を含むことができる。この
マーカー生成物は、遺伝子が細胞に送達されたか否か、及びいったん送達されたら、発現
されているか否か、を決定するために用いることができる。好ましいマーカー遺伝子とし
ては、β−ガラクトシダーゼをコードする大腸菌(E. coli)のlacZ遺伝子、緑色蛍
光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼが挙げられる。

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