図面 (/)

技術 高炉の操業条件導出方法、及びこの方法を用いた高炉の操業条件導出装置

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 平井真大塚喜久前田智徳
出願日 2010年10月15日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-233028
公開日 2012年5月10日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2012-087334
状態 特許登録済
技術分野 鉄の製造
主要キーワード 同心円領域 円周領域 導出装置 除外条件 通風状態 装入位置 各同心円 表面プロフィール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年5月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

高炉内における装入物堆積層層厚分布目標とする適正な層厚分布に近い分布にし且つ高炉操業状態が安定するような操業条件導出する方法及びこの方法を用いた操業条件導出装置を提供することを課題とする。

解決手段

本発明は、装入物装入位置に関するパラメータを含む基準操業条件を設定し、この基準操業条件からパラメータを変更して複数の演算用操業条件を作成し、複数の演算用操業条件のうち装入位置に関する条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外し、高炉100の操業を基準操業条件から前記除外されずに残った各演算用操業条件に変更した場合に高炉100内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測し、これら予測層厚分布の中から目標層厚分布と類似する予測層厚分布を選び、これを予測したときに用いた演算用操業条件を選択操業条件とすることを特徴とする。

概要

背景

高炉操業を安定させるためには、高炉内における装入物堆積層層厚分布を適切な形状に維持することが重要となる。そのためには、操業中の高炉内における現状の装入物堆積層の層厚分布を把握したうえで、この層厚分布がどのように変化するかを予測し、この予測に基づいて現状の層厚分布が適正な層厚分布となるように操業条件を変更する必要がある。

この高炉内の装入物堆積層の層厚分布を予測する方法としては、特許文献1に記載の方法が知られている。この方法では、過去の高炉の操業実績データから、操業条件と、この操業条件を用いた層厚分布予測のシミュレーション結果が実測値と最も合うようなモデルパラメータと、を保存しておき、操業条件の変更を検討するときに、この検討する操業条件案と最も近い操業条件を前記保存した操業条件から抽出し、この抽出した操業条件に対応する前記モデルパラメータを用いてシミュレーションを行うことにより、精度の高い装入物堆積層の層厚分布を予測する。

概要

高炉内における装入物堆積層の層厚分布を目標とする適正な層厚分布に近い分布にし且つ高炉の操業状態が安定するような操業条件を導出する方法及びこの方法を用いた操業条件導出装置を提供することを課題とする。本発明は、装入物装入位置に関するパラメータを含む基準操業条件を設定し、この基準操業条件からパラメータを変更して複数の演算用操業条件を作成し、複数の演算用操業条件のうち装入位置に関する条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外し、高炉100の操業を基準操業条件から前記除外されずに残った各演算用操業条件に変更した場合に高炉100内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測し、これら予測層厚分布の中から目標層厚分布と類似する予測層厚分布を選び、これを予測したときに用いた演算用操業条件を選択操業条件とすることを特徴とする。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、高炉内における装入物堆積層の層厚分布を目標とする適正な層厚分布に近い分布にし且つ高炉の操業状態が安定するような操業条件を導出する方法、及びこの方法を用いた操業条件導出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内部空間を囲う炉本体とこの内部空間内に装入物装入して装入物堆積層を形成する装入部とを備え且つ前記装入部が前記装入物堆積層上における装入物の装入位置を変更可能である高炉において当該高炉内の装入物堆積層の層厚分布目標層厚分布に近い分布にするための操業条件導出する方法であって、前記層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータを含む高炉操業条件である基準操業条件を設定する基準設定工程と、前記基準設定工程で設定した基準操業条件から当該基準操業条件に含まれるパラメータを変更することにより得られる複数の演算用操業条件を作成する演算用条件作成工程と、前記演算用条件作成工程で作成した複数の演算用操業条件のうち、前記装入位置に関する予め定められた条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外する除外工程と、前記高炉の操業を前記基準操業条件から前記除外工程において除外されずに残った各演算用操業条件に変更した場合にこの操業条件変更後の当該高炉内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測する予測工程と、前記予測工程で予測した予測層厚分布の中から前記目標層厚分布と分布状態が類似する1又は複数の予測層厚分布を選び、この選んだ予測層厚分布の少なくとも一部についてその予測層厚分布を前記予測工程で予測したときに用いた演算用操業条件を選択操業条件とする選択工程と、を備える高炉の操業条件導出方法

請求項2

請求項1に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記除外工程では、前記装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件が除外される高炉の操業条件導出方法。

請求項3

請求項2に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記高炉の炉本体は、前記装入物堆積層の形成される高さ位置において水平方向の断面が円形となる内壁面を有し、前記装入部は、前記装入物堆積層上における前記高炉の中心軸を中心とする円周に沿って前記装入物を装入すると共に前記円周の半径を変更することが可能であり、前記除外工程では、同じ円周の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件が除外される高炉の操業条件導出方法。

請求項4

請求項3に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記装入部は、前記高炉の中心軸を回転中心として旋回可能に支持される被支持部と、この支持された部分から旋回半径方向に離れた位置で装入物を装入物堆積層上に投入する投入部とを有し、その投入部の位置が前記旋回半径方向に変化するものであり、前記演算用操業条件には、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けて各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものがパラメータとして含まれ、前記除外工程では、前記各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記パラメータにおいて対応する旋回半径方向の位置での旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外される高炉の操業条件導出方法。

請求項5

請求項3に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記装入部は、前記高炉の中心軸を回転中心として旋回可能に支持される被支持部と、この支持された部分から旋回半径方向に離れた位置で装入物を装入物堆積層上に投入する投入部とを有し、その投入部の位置が前記旋回半径方向に変化するものであり、前記演算用操業条件には、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けてこれら複数の同心円領域の一部であって互いに隣接する複数の同心円領域を一組とする複数の領域組を形成し、各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものがパラメータとして含まれ、前記除外工程では、前記各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記パラメータにおいて対応する領域組における旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外され、前記領域組に対応する旋回半径方向の位置での投入部の旋回数は、当該領域組に含まれる複数の同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数の和である高炉の操業条件導出方法。

請求項6

請求項3に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記装入部は、前記高炉の中心軸を回転中心として旋回可能に支持される被支持部と、この支持された部分から旋回半径方向に離れた位置で装入物を装入物堆積層上に投入する投入部とを有し、その投入部の位置が前記旋回半径方向に変化するものであり、前記演算用操業条件には、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けて各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものが第1パラメータとして含まれると共に、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けてこれら複数の同心円領域の一部であって互いに隣接する複数の同心円領域を一組とする複数の領域組を形成し、各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものが第2パラメータとして含まれ、前記除外工程では、前記各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記第1パラメータにおいて対応する旋回半径方向の位置での旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件、及び前記各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記第2パラメータにおいて対応する領域組における旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外され、前記領域組に対応する旋回半径方向の位置での投入部の旋回数は、当該領域組に含まれる複数の同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数の和である高炉の操業条件導出方法。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか1項に記載の高炉の操業条件導出方法において、前記演算用条件作成工程と前記除外工程と前記予測工程と前記選択工程とが順に繰り返され、前記演算用条件作成工程では、前記選択工程で選択された選択操業条件を前記基準操業条件として前記演算用操業条件が作成される高炉の操業条件導出方法。

請求項8

内部空間を囲う炉本体とこの内部空間内に装入物を装入して装入物堆積層を形成する装入部とを備え且つ前記装入部が前記装入物堆積層上における装入物の装入位置を変更可能である高炉において当該高炉内の装入物堆積層の層厚分布を目標層厚分布に近い分布にするための操業条件を導出する装置であって、前記層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータを含む高炉操業条件である基準操業条件が設定されることによって、この設定された基準操業条件に含まれるパラメータを変更することにより得られる複数の演算用操業条件を作成して格納する演算用条件作成部と、前記演算用条件作成部に格納された複数の演算用操業条件のうち、前記装入位置に関する予め定められた条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外して残りの演算用操業条件を格納する除外部と、前記高炉の操業を前記基準操業条件から前記除外部に格納された各演算用操業条件に変更した場合にこの操業条件変更後の当該高炉内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測し、各予測層厚分布と当該予測層厚分布を予測したときに用いた演算用操業条件とを関連付けて格納する予測部と、前記予測部に格納された予測層厚分布の中から前記目標層厚分布と分布状態が類似する1又は複数の予測層厚分布を選び、この選んだ予測層厚分布の少なくとも一部についてその予測層厚分布に関連付けられた演算用操業条件を選択操業条件とする選択部と、前記選択部によって選択された選択操業条件を外部に出力する出力装置とを備える高炉の操業条件導出方法。

請求項9

請求項8に記載の高炉の操業条件導出装置において、前記除外部は、前記装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外する高炉の操業条件導出装置。

請求項10

請求項9に記載の高炉の操業条件導出装置において、前記高炉の炉本体は、前記装入物堆積層の形成される高さ位置において水平方向の断面が円形となる内壁面を有し、前記装入部は、前記装入物堆積層上における前記高炉の中心軸を中心とする円周に沿って前記装入物を装入すると共に前記円周の半径を変更することが可能であり、前記除外部は、同じ円周の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外する高炉の操業条件導出装置。

請求項11

請求項8乃至10のいずれか1項に記載の高炉の操業条件導出装置において、前記高炉の複数の過去の操業条件が入力されることによりこの操業条件に基づいて除外要件を作成する要件作成部をさらに有し、前記除外部は、前記要件作成部が作成した除外要件に該当する演算用操業条件を除外し、前記要件作成部は、前記入力される過去の各操業条件における層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータに基づいて前記除外要件を作成する高炉の操業条件導出装置。

技術分野

0001

本発明は、操業中の高炉炉頂部の装入物堆積層において目標とする層厚分布を得るための操業条件導出する方法、及びこの方法を用いた高炉の操業条件導出装置に関する。

背景技術

0002

高炉の操業を安定させるためには、高炉内における装入物堆積層の層厚分布を適切な形状に維持することが重要となる。そのためには、操業中の高炉内における現状の装入物堆積層の層厚分布を把握したうえで、この層厚分布がどのように変化するかを予測し、この予測に基づいて現状の層厚分布が適正な層厚分布となるように操業条件を変更する必要がある。

0003

この高炉内の装入物堆積層の層厚分布を予測する方法としては、特許文献1に記載の方法が知られている。この方法では、過去の高炉の操業実績データから、操業条件と、この操業条件を用いた層厚分布予測のシミュレーション結果が実測値と最も合うようなモデルパラメータと、を保存しておき、操業条件の変更を検討するときに、この検討する操業条件案と最も近い操業条件を前記保存した操業条件から抽出し、この抽出した操業条件に対応する前記モデルパラメータを用いてシミュレーションを行うことにより、精度の高い装入物堆積層の層厚分布を予測する。

先行技術

0004

特許第3598824号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前記の層厚分布の予測においては、高炉の操業者等が経験や過去の操業成績等に基づき複数の操業条件案を作成し、これら操業条件案に基づくシミュレーションを行うことによって当該操業条件案で高炉の操業を行った場合に生じる層厚分布の予測を行う。このようにして予測された層厚分布が望ましい高炉操業を実現する適正な形状であれば、この予測に用いられた操業条件により高炉の操業を行うことによって、高炉の層厚分布が適正な形状に維持される。しかし、予測された層厚分布が前記望ましい高炉操業を実現する適正な形状でなければ、再度、操業者等が異なる操業条件案を作成し、これに基づくシミュレーションを行わなければならない。

0006

このような操業条件案の作成及びシミュレーションによる操業条件の変更についての検討は、高炉の層厚分布を適正な形状にすべく実際に操業条件を変更するときに行われるため、前記検討のための時間を長時間確保することができない。従って、多くの操業条件案を作成し、これら操業条件案に基づくシミュレーションを行って多数の層厚分布の予測を行うことが困難であった。そのため、予測された層厚分布の中から前記適正な層厚分布に即した形状の層厚分布を確実に得ることが難しく、その結果、適切な層厚分布を得るための操業条件を確実に導出することが困難であった。

0007

さらに、適切な層厚分布を得るための操業条件が得られても、高炉の操業条件を上記のシミュレーションから得られた操業条件に変更したときに、この操業条件の変更による高炉の操業変動が大きいと当該高炉の操業状態が不安定になる場合があった。

0008

そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、高炉内における装入物堆積層の層厚分布を目標とする適正な層厚分布に近い分布にし且つ高炉の操業状態が安定するような操業条件を導出する方法、及びこの方法を用いた操業条件導出装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、内部空間を囲う炉本体とこの内部空間内に装入物装入して装入物堆積層を形成する装入部とを備え且つ前記装入部が前記装入物堆積層上における装入物の装入位置を変更可能である高炉において当該高炉内の装入物堆積層の層厚分布を目標層厚分布に近い分布にするための操業条件を導出する方法であって、前記層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータを含む高炉操業条件である基準操業条件を設定する基準設定工程と、前記基準設定工程で設定した基準操業条件から当該基準操業条件に含まれるパラメータを変更することにより得られる複数の演算用操業条件を作成する演算用条件作成工程と、前記演算用条件作成工程で作成した複数の演算用操業条件のうち、前記装入位置に関する予め定められた条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外する除外工程と、前記高炉の操業を前記基準操業条件から前記除外工程において除外されずに残った各演算用操業条件に変更した場合にこの操業条件変更後の当該高炉内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測する予測工程と、前記予測工程で予測した予測層厚分布の中から前記目標層厚分布と分布状態が類似する1又は複数の予測層厚分布を選び、この選んだ予測層厚分布の少なくとも一部についてその予測層厚分布を前記予測工程で予測したときに用いた演算用操業条件を選択操業条件とする選択工程と、を備える。

0010

このように複数の演算用操業条件を作成して各演算用操業条件で当該高炉を操業したときに高炉内に生じる予測層厚分布を予測し、その予想結果、即ち、複数の操業条件に対応する層厚分布の中から目標層厚分布に近い層厚分布が予測された条件を選択することにより好適な操業条件が得られる。

0011

しかも、作成した複数の演算用操業条件のうち、高炉の操業変動の増大につながる要件に該当する演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動を抑えることができ、これにより、操業条件変更後の高炉の操業状態を安定させることができる。

0012

例えば、前記除外工程では、前記装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件が除外され、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動を抑えることができ、これにより、操業条件変更後の高炉の操業状態を安定させることができる。

0013

詳しくは、装入物堆積層上の特定の領域に装入物が集中して装入されると、当該領域において山のように堆積した装入物が崩れて隣接する領域に流れ込み、粒度偏析(操業変動)が増大する。装入物堆積層において粒度偏析が増大すると、当該装入物堆積層内の通風状態が変化して操業状態が不安定になる。そのため、装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選ぶようにすることで、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの装入物の流れ込みが抑えられ、この流れ込みに起因する操業変動(流動偏析)を抑制することができる。

0014

通常、高炉の炉本体は、前記装入物堆積層の形成される高さ位置において水平方向の断面が円形となる内壁面を有し、装入部は、前記装入物堆積層上における前記高炉の中心軸を中心とする円周に沿って前記装入物を装入すると共に前記円周の半径を変更することが可能である。そのため、除外工程において、同じ円周の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの装入物の流れ込みを抑えることができ、この流れ込みに起因する操業変動(流動偏析)を抑制することができる。

0015

具体的に、前記装入部は、前記高炉の中心軸を回転中心として旋回可能に支持される被支持部と、この支持された部分から旋回半径方向に離れた位置で装入物を装入物堆積層上に投入する投入部とを有し、その投入部の位置が前記旋回半径方向に変化するものである。そこで、演算用操業条件に、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けて各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものがパラメータとして含まれるようにし、除外工程では、前記各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記パラメータにおいて対応する旋回半径方向の位置での旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外されるようにする。そうすることで、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択して高炉の操業条件を基準操業条件から選択操業条件に変更したときに、装入物堆積層上における同じ円周の領域(円周領域)に装入物が集中して装入されるのを防ぐことができる。その結果、流れ込みが抑えられこれに起因する操業変動(流動偏析)を抑制することができる。

0016

また、装入部が上記の被支持部と投入部とを有する場合は、演算用操業条件に、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けてこれら複数の同心円領域の一部であって互いに隣接する複数の同心円領域を一組とする複数の領域組を形成し、各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものがパラメータとして含まれるようにし、除外工程では、前記各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記パラメータにおいて対応する領域組における旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外されるようにする。ここで、前記領域組に対応する旋回半径方向の位置での投入部の旋回数は、当該領域組に含まれる複数の同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数の和である。

0017

このようにしても、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択して高炉の操業条件を基準操業条件から選択操業条件に変更したときに、装入物堆積層上における旋回半径方向に隣接する複数の円周領域に装入される装入物の量が制限され、これにより流れ込みを抑えることができる結果、この流れ込みに起因する操業変動(粒度偏析)を抑えることができる。

0018

また、装入部が上記の被支持部と投入部とを有する場合は、演算用操業条件に、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けて各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものが第1パラメータとして含まれると共に、前記装入物堆積層上面を前記高炉の中心軸を中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域に分けてこれら複数の同心円領域の一部であって互いに隣接する複数の同心円領域を一組とする複数の領域組を形成し、各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での前記投入部の旋回数の上限値をそれぞれ定めたものが第2パラメータとして含まれるようにし、除外工程では、前記各同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記第1パラメータにおいて対応する旋回半径方向の位置での旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件、及び前記各領域組にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数のうちの少なくとも一部が前記第2パラメータにおいて対応する領域組における旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件が除外されようにすることが好ましい。ここで、前記領域組に対応する旋回半径方向の位置での投入部の旋回数は、当該領域組に含まれる複数の同心円領域にそれぞれ対応する旋回半径方向の各位置での投入部の旋回数の和である。

0019

このようにすれば、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択して高炉の操業条件を基準操業条件から選択操業条件に変更したときに、装入物堆積層上における同じ円周領域に装入される装入物の量が制限されると共に、旋回半径方向に隣接する複数の円周領域に装入される装入物の量が制限されるため、流れ込みをより確実に抑えることができる。

0020

前記演算用条件作成工程と前記除外工程と前記予測工程と前記選択工程とが順に繰り返され、前記演算用条件作成工程では、前記選択工程で選択された選択操業条件を前記基準操業条件として前記演算用操業条件が作成されることが好ましい。

0021

かかる構成によれば、高炉内の層厚分布をより目標層厚分布に近い分布状態とするために基準操業条件から変更すべき高炉の操業条件を効率よく得ることができる。即ち、選択工程で選択された操業条件を基にして、演算用操業条件を作成することにより、前回の選択工程で選択された予測層厚分布よりも目標層厚分布により近い分布状態の層厚分布を得ることができ、この層厚分布が予測される操業条件を検索することにより、高炉内の層厚分布を目標層厚分布により近い分布状態とするために基準操業条件から変更すべき高炉の操業条件を得ることができる。

0022

また、上記課題を解消すべく、本発明は、内部空間を囲う炉本体とこの内部空間内に装入物を装入して装入物堆積層を形成する装入部とを備え且つ前記装入部が前記装入物堆積層上における装入物の装入位置を変更可能である高炉において当該高炉内の装入物堆積層の層厚分布を目標層厚分布に近い分布にするための操業条件を導出する装置であって、前記層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータを含む高炉操業条件である基準操業条件が設定されることによって、この設定された基準操業条件に含まれるパラメータを変更することにより得られる複数の演算用操業条件を作成して格納する演算用条件作成部と、前記演算用条件作成部に格納された複数の演算用操業条件のうち、前記装入位置に関する予め定められた条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外して残りの演算用操業条件を格納する除外部と、前記高炉の操業を前記基準操業条件から前記除外部に格納された各演算用操業条件に変更した場合にこの操業条件変更後の当該高炉内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測し、各予測層厚分布と当該予測層厚分布を予測したときに用いた演算用操業条件とを関連付けて格納する予測部と、前記予測部に格納された予測層厚分布の中から前記目標層厚分布と分布状態が類似する1又は複数の予測層厚分布を選び、この選んだ予測層厚分布の少なくとも一部についてその予測層厚分布に関連付けられた演算用操業条件を選択操業条件とする選択部と、前記選択部によって選択された選択操業条件を外部に出力する出力装置とを備える。

0023

このように複数の演算用操業条件を作成して各演算用操業条件で当該高炉を操業したときに高炉内に生じる予測層厚分布を予測し、その予想結果、即ち、複数の操業条件に対応する層厚分布の中から目標層厚分布に近い層厚分布が予測された条件を選択することにより好適な操業条件が得られる。

0024

しかも、作成した複数の演算用操業条件のうちから操業条件を変更した場合に高炉の操業変動の大きい演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動が抑えられ、これにより、操業条件変更後の高炉の操業状態が安定する。

0025

また、選択部によって選択された演算用操業条件が出力装置によって出力されることにより、高炉の操業者等が迅速且つ的確に目的とする操業条件を取得することが可能となる。

0026

例えば、前記除外部が、前記装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外することで、選択部が残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択することになるため、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動を抑えることができ、操業条件変更後の高炉の操業状態を安定させることができる。

0027

通常、高炉の炉本体は、前記装入物堆積層の形成される高さ位置において水平方向の断面が円形となる内壁面を有し、装入部は、前記装入物堆積層上における前記高炉の中心軸を中心とする円周に沿って前記装入物を装入すると共に前記円周の半径を変更することが可能である。そのため、除外部が、同じ円周の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外することにより、高炉の操業条件を基準操業条件から選択部に選択された選択操業条件に変更したときの装入物の流れ込みを抑えることができ、この流れ込みに起因する操業変動(流動偏析)を抑制することができる。

0028

前記高炉の複数の過去の操業条件が入力されることによりこの操業条件に基づいて除外要件を作成する要件作成部をさらに有し、前記除外部は、前記要件作成部が作成した除外要件に該当する演算用操業条件を除外し、前記要件作成部は、前記入力される過去の各操業条件における層厚分布を調整するための前記装入位置に関するパラメータに基づいて前記除外要件を作成してもよい。

0029

かかる構成によれば、過去の操業条件が入力されればこれに基づいて除外条件が作成されるため、操作者等が除外条件を設定する場合に比べ、当該操作者における高炉の操業経験や知見等に関わりなく、適切な除外要件の作成が可能となる。

発明の効果

0030

上より、本発明によれば、高炉内における装入物堆積層の層厚分布を目標とする適正な層厚分布に近い分布にし且つ高炉の操業状態が安定するような操業条件を導出する方法、及びこの方法を用いた操業条件導出装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0031

第1実施形態に係る高炉の概略構成を示す構成図である。
前記高炉の上部を示す拡大図である。
前記高炉内の装入物堆積層の上面における同心円領域を説明するための概念図である。
本実施形態に係る高炉の操業条件導出装置の構成を示す機能ブロック図である。
前記操業条件導出装置において操業条件を導出するときのフローチャートである。
基準操業条件の一例を示す図である。
傾動ポイントにおける旋回シュートの旋回数によって規定される除外条件の一例を示す図である。
第2実施形態に係る高炉の操業条件導出装置の構成を示す機能ブロック図である。
前記操業条件導出装置において操業条件を導出するときのフローチャートである。
前記操業条件導出装置の除外条件作成部が作成した除外条件の一例を示す図である。
ポイント組における旋回シュートの旋回数によって規定される除外条件の一例を示す図である。
目標層厚分布の一例を示す図である。

0032

以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。

0033

本実施形態に係る高炉の操業条件導出装置(以下、単に「導出装置」とも称する。)は、高炉内の装入物堆積層の層厚分布を目標とする層厚分布(目標層厚分布)に近い分布にするための高炉の操業条件を導出するものである。

0034

当該導出装置によって操業条件が導出される高炉は、図1及び図2に示されるように、水平方向の断面が円形の内壁面102を有する炉本体と、この内壁面102に囲まれた内部空間Sに装入物を装入する装入部104と、を備える。高炉100の内部(即ち、内部空間S内)には、装入部104によって装入されたコークスcや鉄鉱石o等の装入物が堆積することにより装入物堆積層が形成される。この装入物堆積層における炉半径方向の層厚分布(又は層厚比分布)によって、高炉100の操業状態が変動する。

0035

装入部104は、装入物堆積層上における装入物の装入位置を変更することができる。具体的には、装入部104は、装入物堆積層上における高炉100の中心軸Ceを中心とする円周に沿って装入物を装入すると共に円周の半径を変更することが可能である。この装入部104は、高炉100の中心軸Ceを回転中心として旋回可能に支持される被支持部104aと、この支持された部分から旋回半径方向に離れた位置で装入物を装入物堆積層上に投入する投入部104cとを有し、投入部104cの位置が旋回半径方向に変化することが可能である。具体的に、装入部104は、高炉100の中心軸Ceから当該中心軸Ceを含む垂直面図1及び図2における紙面)に沿って延び、中心軸Ce側の端部である被支持部104aと、炉壁101側の端部である投入部104cと、これら被支持部104aと投入部104cとを接続する本体部104bと、を備える。また、装入部104は、被支持部104aを回転中心にして投入部104cを前記の中心軸Ceを含む垂直面に沿って回動させる(図1及び図2における矢印A参照)ことにより、中心軸Ceに対する傾動角傾斜角)αを変更することができる。この傾動角αが変更されると、装入物堆積層上における高炉の半径方向の装入物の装入位置が移動する。

0036

本実施形態の高炉100では、装入部104として、いわゆる旋回シュートが用いられ、この旋回シュート104の傾動角αは、傾動ポイントによって管理される。この傾動ポイントとは、旋回しながら装入物を高炉100内に装入する状の旋回シュート104の傾きを表すものであり、予め指定された旋回シュート104の傾動角αをユニークな番号として表現したものである。本実施形態の傾動ポイントは、傾動ポイント1から傾動ポイント20まで設定されている。傾動ポイント20では旋回シュート104が垂直に近い状態であり、ポイント数が小さくなるに伴って旋回シュート104が水平に近づき、傾動ポイント1では最も水平に近い状態となる。

0037

詳しくは、装入物堆積層の上面を高炉100の中心軸Ceを中心として同心円状に並ぶ複数の同心円領域(本実施形態では20個の同心円領域)に区分けし(図3参照)、中心軸Ceから炉壁101側に向かって順に第1同心円領域201、第2同心円領域202、第3同心円領域203、…、第20同心円領域220とする。そして、旋回している旋回シュート104から投入される装入物の装入位置(詳しくは、装入物堆積層の上面における装入物の落下位置)が第1同心円領域201となる傾動角を傾動ポイント1とし、同様に、装入位置が第2同心円領域202となる傾動角を傾動ポイント2とし、装入位置が第3同心円領域203となる傾動角を傾動ポイント3とし、…、装入位置が第20同心円領域220となる傾動角を傾動ポイント20とする。

0038

尚、本実施形態では、各旋回におけるコークス装入時の旋回シュートの傾動ポイントのことをコークス傾動ポイントといい、各旋回における鉱石(鉄鉱石等)装入時の旋回シュートの傾動ポイントのことを鉱石傾動ポイントという。

0039

次に、図4図7に基づいて、導出装置10について説明する。

0040

導出装置10は、装置本体20と、この装置本体20にデータ(情報)を入力する入力部12と、装置本体20からのデータ(情報)を外部に出力する出力装置14とを備える。装置本体20は、入力されたデータに基づき高炉100の操業条件を導出して出力するものあり、条件作成部(演算用条件作成部)22と、除外部23と、予測部24と、選択部25とを備える。

0041

入力部12は、装置本体20に複数種のデータを入力する。具体的に、入力部12は、キーボードにより構成され、条件作成部22と除外部23と選択部25とに接続される。これにより、入力部12から、条件作成部22に対して基準となる高炉100の基準操業条件(例えば、現在の高炉の操業条件等)を入力することができ、除外部23に対して除外したい操業条件を入力することができ、選択部25に対して目標とする層厚分布(目標層厚分布)を入力することができる。

0042

尚、本実施形態の入力部12は、キーボードにより構成されているが、タッチパネル等の他の装置等でもよい。また、導出装置10は、高炉100の制御等に用いられるコンピュータ等から装置本体20に現在の操業条件等の情報が直接入力されるように構成されてもよい。また、条件作成部22、除外部23、及び選択部25に共通の入力部12が接続され、この共通の入力部12によりそれぞれデータが入力される必要もない。即ち、条件作成部22と除外部23と選択部25とにそれぞれ異なる入力部が接続され、各入力部からそれぞれデータが入力されてもよい。

0043

ここで操業条件とは、装入物の装入位置に関するパラメータ等の高炉100内の装入物堆積層の層厚分布を調整するためのパラメータを含むものである。本実施形態の操業条件には、旋回シュート104の傾動ポイント、高炉100へのコークスの装入量(投入量)、高炉100への鉱石の装入量(投入量)、サウンジングレベル等がパラメータとして含まれる。

0044

条件作成部22は、基準操業条件に含まれるパラメータを変更することにより多数の演算用の操業条件(演算用操業条件)を作成する。具体的に、条件作成部22は、入力部12により入力された基準操業条件を取得すると、この基準操業条件から多数の演算用操業条件を作成して格納する。詳しくは、条件作成部22は、基準操業条件に含まれる複数種のパラメータの中から特定種のパラメータを変更することにより得られる演算用操業手段を作成する。本実施形態では、特定種のパラメータとして傾動ポイントのみが変更される。即ち、条件作成部22は、基準操業条件のパラメータのうちのコークスの装入量、鉱石の装入量、サウンジングレベル等を一定としたまま、傾動ポイントのみを変更することにより基準操業条件から演算用操業条件を作成する。この傾動ポイントの変更はランダムに行われる。また、条件作成部22は、入力部12により入力された基準操業条件も格納する。尚、条件作成部22において変更されるパラメータは限定されない。例えば、本実施形態では、傾動ポイントのみが変更されるが、サウンジングレベル等の他のパラメータがそれぞれ単独で変更されてもよく、複数種のパラメータが同時に変更されてもよい。

0045

また、条件作成部22は、基準操業条件に含まれる各パラメータを当該パラメータから予め決められた所定の範囲内で変更することにより、基準操業条件から演算用操業条件を作成する。所定の範囲内でパラメータを変更させることで、条件作成手段は、基準操業条件に対応する層厚分布に近い分布状態の層厚分布を高炉内に生じさせる演算用操業条件を効率よく作成することができる。また、このようにパラメータの変更範囲が制限されることで、作成された再演算用操業条件に高炉の操業条件を変更しても、変更の前後での表面プロフィールの変化が少なくなる。

0046

本実施形態の条件作成部22は、基準操業条件(図6参照)の鉱石傾動ポイント設定から以下の式(1)で表される距離Dが2以内になる操業条件を全て作成する。尚、本実施形態では、鉱石傾動ポイントの設定のみを変更し、コークス傾動ポイントの設定を固定したが、コークス傾動ポイントの設定を変更するようにしてもよい。また、鉱石傾動ポイントを固定してコークス傾動ポイントの設定を変更するようにしてもよい。



但し、「||」は絶対値を意味し、Jmaxはコークスと鉱石とを装入するときの旋回数の総和であり、Pajは、シミュレーションで用いたj回目の旋回シュートの傾動ポイントであり、Pbjは、基準操業条件のj旋回目の旋回シュートの傾動ポイントである。

0047

条件作成部22は、選択部25が選択操業条件を当該条件作成部22に出力したときはこの選択操業条件を受け取り、これを基準操業条件として上記同様に多数の演算用操業条件を作成して格納する。これにより、当該導出装置10では、基準操業条件から選択操業条件を導出する工程を繰り返すことが可能となる。即ち、この条件作成部22は、目標層厚分布に近い層厚分布が得られる操業条件として一旦導出された操業条件をベースとし、さらにこの操業条件に含まれるパラメータを変更して多数の演算用操業条件を作成することによって、前記導出された操業条件に対応する層厚分布に比べて目標層厚分布にさらに近い層厚分布を高炉内に生じさせる操業条件(演算用操業条件)を取得することを可能にする。そして、条件作成部22では、前記工程が繰り返される毎に、目標層厚分布により近い層厚分布を高炉内に生じさせる操業条件が作成される。

0048

除外部23は、条件作成部22に格納された多数の演算用操業条件から所定の演算用操業条件を除外する。具体的に、除外部23は、条件作成部22から当該条件作成部22に格納されている多数の演算用操業条件を取得し、これら演算用操業条件のうち、高炉100内における装入物の装入位置に関する予め定められた条件であって操業変動の増大につながる要件に該当するものを除外して残りの演算用操業条件を格納する。詳しくは、除外部23は、装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外する。本実施形態では、高炉100の旋回シュート104が旋回しつつ装入物を装入物堆積層上に投入するため、装入物堆積層上における同じ円周の領域(同心円領域201,202,…220等)に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外する。

0049

詳しくは、除外部23は、所定の除外条件(除外ルール)を有し、この除外条件に該当する演算用操業条件を除外する。この除外条件は入力部12から入力される。本実施形態の除外条件は、旋回シュート104から内部空間S内に装入物が装入されるときの旋回シュート104の傾動ポイントと各傾動ポイントにおける旋回数とで規定される。具体的には、各傾動ポイントにおける旋回シュートの旋回数の上限値が設定され(図7参照)、除外部23は、第1〜第20傾動ポイント201,…,220の少なくとも一部の傾動ポイントにおける旋回数の値が除外条件に設定された旋回数の上限値よりも大きい演算用操業条件を除外する。そして、除外部23は、条件作成部22が作成した多数の演算用操業条件のうちの除外されずに残った演算用操業条件を格納する。

0050

このように、除外部23が条件作成部22の作成した多数の演算用操業条件のうち、高炉100の操業変動の増大につながる要件に該当する演算用操業条件を除外することで、基準操業条件から当該装置において導出される操業条件(選択操業条件)に高炉の操業条件を変更したときの操業変動が抑えられ、これにより、操業条件変更後の高炉の操業状態が安定する。

0051

具体的に、装入物堆積層上の特定の領域に装入物が集中して装入されると、当該領域において山のように堆積した装入物が崩れて隣接する領域に流れ込み、粒度偏析(操業変動)が増大する。装入物堆積層において粒度偏析が増大すると、当該装入物堆積層内の通風状態が変化して操業状態が不安定になる。そのため、装入物堆積層上の特定の領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選ぶようにすることで、基準操業条件から当該装置において導出される選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの装入物の流れ込みが抑えられ、この流れ込みに起因する操業変動(流動偏析)を抑制することができる。

0052

本実施形態の高炉100は、水平方向の断面が円形となる内壁面102を有し、旋回シュート104は、装入物堆積層上における高炉の中心軸Ceを中心とする円周に沿った位置に装入物を装入すると共に円周の半径を変更可能に装入物を装入する。そのため、除外部が、同じ同心円領域に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外することにより、基準操業条件から当該装置で導出される操業条件に高炉の操業条件を変更したときの装入物の流れ込みが少ない操業条件が得られる。即ち、この流れ込みに起因する操業変動(流動偏析)が少ない操業条件が得られる。

0053

尚、本実施形態では、除外条件として、各傾動ポイントにおける旋回シュート104の旋回数の上限値及び下限値が全て同じ値に設定されているが、それぞれ異なる値に設定されてもよい(例えば、図10参照)。

0054

予測部24は、高炉100の操業を基準操業条件から除外部23に格納された各演算用操業条件に変更した場合に、この操業条件変更後の当該高炉100内に生じる層厚分布を予測層厚分布としてそれぞれ予測(算出)する。

0055

具体的に、予測部24は、条件作成部22から当該条件作成部22に格納されている基準操業条件を取得すると共に、除外部23から当該除外部23に格納されている各演算用操業条件(除外条件に該当しない演算用操業条件)を取得する。そして、予測部24は、これら基準操業条件と各演算用操業条件とに基づいて操業条件の変更に伴う高炉内の状態(例えば、装入物堆積層の状態等)の変化を演算し、この演算結果(即ち、予測層厚分布)を格納する。このとき、予測部24は、各予測層厚分布と、当該予測層厚分布を予測したときに用いた演算用操業条件とを関連付けて格納する。

0056

尚、本実施形態の予測部24は、操業条件変更後の高炉内の状態等を演算により算出し、算出した結果に基づき予測層厚分布を予測しているが、他に装入物堆積層の上面形状、ガス流速分布粒径分布空隙率分布等を算出(予測)するように構成されてもよい。

0057

選択部25は、予測部24に格納されている多数の演算用操業条件の中から所定の演算用操業条件を選択し、選択操業条件として格納する。具体的に、選択部25は、入力部12から取得した目標層厚分布と分布状態が最も近い予測層厚分布を予測部24に格納されている多数の予測層厚分布の中から選ぶ。そして、選択部25は、この予測層厚分布に関連付けられた演算用操業条件を予測部24から取得してこれを選択操業条件として格納すると共に、この選択操業条件から得られた予測層厚分布を格納する。

0058

詳しくは、選択部25は、目標層厚分布と予測部24に格納された各予測層厚分布とを比較して、その誤差値Eをそれぞれ算出する。この誤差値Eは、両層厚分布を層厚比を用いてグラフ化したときに、その形状の類似度合指標となる値である。具体的には、以下の式(2)により算出される値である。



但し、LRaiは、高炉の各半径位置iでのシミュレーション結果のLo/(Lo+Lc)であり、LRtiは、高炉の各半径位置iでの目標とするLo/(Lo+Lc)である。また、Lo/(Lo+Lc)は、鉱石層(Lo)及びコークス層(Lc)を合わせた層厚(Lo+Lc)に対する鉱石層(Lo)の層厚比である(図2参照)。

0059

そして、選択部25は、予測部24に格納された全ての予測層厚分布に対する誤差値Eを算出すると、算出された各誤差値Eを比較して最も小さな誤差値Eminを選び、この誤差値Eminを算出するときに用いられた予測層厚分布を導出する。選択部25は、この導出した予測層厚分布に関連付けて予測部24に格納されている演算用操業条件を選択操業条件として取得し、これを格納する。

0060

また、選択部25は、誤差値Eminと予め設定されている所定の閾値とを比較する。選択部25は、誤差値Eminが閾値よりも大きければこの選択操業条件を条件作成部22に出力する一方、誤差値Eminが閾値よりも小さければこの選択操業条件を出力装置14に出力する。選択部25は、選択操業条件を出力装置14に出力するときに、この選択操業条件に対応する予測層厚分布も出力装置14に出力する。

0061

尚、選択部25は、所定の閾値を予め格納している。この閾値は、入力部12から選択部25に入力される。

0062

出力装置14は、装置本体20からのデータを外部に出力する。この出力装置14は、選択部25により選択された選択操業条件やこの選択操業条件に対応する予測層厚分布等を外部に表示(出力)する。本実施形態においては、出力装置14として液晶ディスプレイが用いられる。しかし、これに限定されず、CRTディスプレイ等の他の表示装置であってもよく、印字装置等であってもよい。また、これらを組み合わせたものであってもよい。

0063

このように構成される導出装置10では、以下のようにして高炉100内の装入物堆積層の層厚分布を目標層厚分布に近い分布にするための高炉の操業条件を導出する。尚、図5は、当該導出装置10において操業条件を導出するときのフローを示す。

0064

先ず、基準操業条件(例えば、高炉の現在の操業条件:図6参照)が入力部12から装置本体20に入力されて条件作成部22に格納される(ステップS1)。前記のように基準操業条件には、パラメータとして図に示す傾動ポイント以外に、コークスの装入量、鉱石の装入量、サウンジングレベル等が含まれる。そして、目標層厚分布が入力部12から装置本体20に入力されて選択部25に格納され(ステップS2)、除外条件(図7参照)が入力部12から装置本体20に入力されて除外部23に格納される(ステップS3)。尚、このステップS1〜ステップS3は、順に行われる必要はなく、同時に行われてもよい。また、異なる順、例えば、ステップS2、ステップS1、ステップS3の順やステップS3、ステップS1、ステップS2の順等で行われてもよい。

0065

ステップS1〜S3が行われると、条件作成部22は、格納した基準操業条件から多数の演算用操業条件を作成する(ステップS4)。具体的に、条件作成部22は、入力部12から入力された基本操業条件のパラメータのうちの傾動ポイントを変更して演算用操業条件を作成する。このとき、条件作成部22は、基本操業条件の傾動ポイントをランダムに設定することにより演算用操業条件を作成する。条件作成部は、このようにして作成した多数の演算用操業条件を格納する。

0066

多数の演算用操業条件が条件作成部22により作成され格納されると、除外部23が除外条件に該当する演算用操業条件を除外し(ステップS5)、残りの演算用操業条件を格納する。具体的に、除外部23は、演算用操業条件における傾動ポイント毎の旋回シュート104の旋回数の値と除外条件(図7参照)の対応する傾動ポイントにおける旋回数の上限値とを比較する。そして、除外部23は、演算用操業条件の各傾動ポイントにおける旋回数の値が、除外条件において対応する傾動ポイントにおける旋回数の上限値より大きい場合はこの演算用操業条件を除外し(消去し)、小さい場合はこの演算用操業条件を格納する。

0067

除外部23により、条件作成部22で作成された多数の演算用操業条件から除外条件に該当する演算用操業条件が除外され、残りの演算用操業条件が格納されると、予測部24は、除外部に格納された演算用条件を順次引き出し、各演算用操業条件から予測層厚分布を予測する。具体的に、予測部24は、除外部23に格納された各演算用操業条件を用いたシミュレーションにより予測層厚分布を予測する(ステップS6)。予測部24は、これら予測した予測層厚分布に当該予測層厚分布を予測したときに用いた演算用操業条件を関連付けて格納する。

0068

次に、選択部25は、予測部24に格納された多数の予測層厚分布の中から、変更すべき高炉の操業条件を選択する(ステップS7)。具体的には、選択部25は、入力部12から取得した目標層厚分布と分布状態が最も近い予測層厚分布を予測部24に格納されている多数の予測層厚分布の中から選ぶ。

0069

詳しくは、選択部25は、予測部24に格納された全ての予測層厚分布に対する誤差値Eを算出し、最も小さな誤差値Eminを選ぶ。そして、選択部25は、この誤差値Eminを算出するときに用いられた予測層厚分布を選択する。そして、選択部25は、この選択した予測層厚分布に関連付けられて予測部24に格納されている演算用操業条件を選択操業条件として予測部24から取得する。

0070

選択部25は、誤差値Eminと予め設定されている所定の閾値とを比較する(ステップS8)。選択部25は、誤差値Eminが閾値よりも小さければこの選択操業条件を出力装置14に出力する。そして、出力装置14は、選択部25からの選択操業条件を受信してこれを表示する(ステップS9)。

0071

一方、選択部25は、誤差値Eminが閾値よりも大きければこの選択操業条件を条件作成部22に出力する。このように選択部25から条件作成部22に選択操業条件が出力されると、選択部25において誤差値Eminが閾値よりも小さくなるまで、上記のステップS4〜S8が繰り返され、誤差値Eminが閾値よりも小さくなると、そのときの選択操業条件が出力装置14に出力されて表示される。

0072

以上のような導出装置10によれば、複数の演算用操業条件を作成して各演算用操業条件で当該高炉を操業したときに高炉内に生じる予測層厚分布を予測し、その予想結果、即ち、複数の操業条件に対応する層厚分布の中から目標層厚分布に近い層厚分布が予測された条件を選択するため、好適な操業条件が得られる。

0073

しかも、作成した複数の演算用操業条件のうち、高炉100の操業変動の増大につながる要件に該当する演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動を抑えることができ、これにより、操業条件変更後の高炉100の操業状態を安定させることができる。

0074

また、上記の導出装置10では、除外部が装入物堆積層上の特定の領域(本実施形態では特定の同心円領域)に所定の量以上の装入物が集中して装入される演算用操業条件を除外し、残りの演算用操業条件から選択部が選択操業条件を選択することにより、基準操業条件から選択操業条件に高炉の操業条件を変更したときの操業変動を抑えることができ、これにより操業条件変更後の高炉の操業状態を安定させることができる。

0075

次に、本発明の第2実施形態について図8図10を参照しつつ説明するが、上記第1実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成ついてのみ詳細に説明する。

0076

本実施形態に係る導出装置10Aの装置本体20Aは、第1実施形態の装置本体20が備える条件作成部22、除外部23、予測部24、及び選択部25以外に、除外条件作成部26を備える。この除外条件作成部26は、実績値記憶部27と作成部28とを備え、除外部23で用いられる除外条件を作成する。

0077

実績値記憶部27は、高炉100の過去の操業実績値を格納する。この過去の操業実績値は、入力部12から入力される。本実施形態では、過去の操業実績値として、直近3ヶ月間の高炉100の操業条件(本実施形態では、各傾動ポイントにおける旋回シュート104の旋回数の値)が用いられる。また、実績値記憶部27は、高炉の操業として不調(操業状態が不安定)であった期間が入力部12から入力されると、これを不調情報としてこの期間に対応する操業条件に付加した状態で格納する。

0078

尚、本実施形態の実績値記憶部27には、入力部12から高炉100の過去の操業実績値が入力されるが、これに限定されず、実績値記憶部27は、高炉100を制御する制御装置等から、直接、操業実績値や不調期間等が入力されるように前記制御装置等に接続されてもよい。

0079

作成部28は、実績値記憶部27に格納された過去の操業実績値に基づいて除外要件を作成する。具体的に、作成部28は、先ず、実績値記憶部27に格納されている各操業条件の同一傾動ポイントにおける旋回シュート104の旋回数の最大値及び最小値を求める。このとき、作成部28は、不調情報が付加された操業条件を除外した残りの操業条件から前記の最大値及び最小値を求める。作成部28は、このように求めた各傾動ポイントにおける最大値及び最小値を当該傾動ポイントにおける旋回シュートの旋回数の上限値及び下限値とし、これを除外条件として除外部23に出力する。

0080

本実施形態の作成部28は、作成した除外条件を修正することなく除外部23に出力するが、これに限定されない。例えば、作成部28が作成した除外条件を当該導出装置10Aの操作者等が手動で修正できるようにしてもよい。また、作成部28は、入力部12からの入力等により取得した過去の操業実績値以外の情報を用い、過去の操業実績値のみに基づいて作成した除外条件の修正を行った後に出力するようにしてもよい。このように過去の操業実績値のみに基づいて作成された除外条件の修正が自動又は手動で行われるようにすることで、より適切な除外条件の設定が可能となる。

0081

除外部23は、この作成部28から受信した除外条件を格納し、条件作成部22に格納されている多数の演算用操業条件のうちからこの除外条件に該当する演算用操業条件を除外し、格納する。

0082

このように構成される導出装置10Aでは、以下のようにして高炉100内の装入物堆積層の層厚分布を目標層厚分布に近い分布にするための高炉の操業条件を導出する。尚、図9は、当該導出装置10Aにおいて操業条件を導出するときのフローを示す。

0083

先ず、入力部12から、基準操業条件が条件作成部22に入力され(ステップS1)、目標層厚分布が選択部25に入力される(ステップS2)。そして、直近3ヶ月間の高炉100の操業実績値(過去の操業条件)及びこの期間のうちの高炉100の操業が不調であった期間が入力部12から入力され、実績値記憶部27に格納される(ステップS3A)。作成部28は、この実績値記憶部27に格納された高炉100の過去の操業実績値及び不調情報に基づいて除外条件を作成する(ステップS3B)。具体的に、作成部28は、過去の操業実績値から操業が不調であった期間の操業実績値を除外し、残りの操業実績値から同一傾動ポイントにおける旋回シュート104の旋回数の最大値及び最小値をそれぞれ求める。そして、作成部28は、これを各傾動ポイントにおける旋回シュート104の旋回数の上限値及び下限値とした除外条件を作成する(図10参照)。作成部28はこの除外条件を除外部23に出力し、除外部23はこれを格納する。

0084

尚、このステップS1〜ステップS3Bは、順に行われる必要はなく、ステップS3Aよりも後にステップS3Bが行われれば、例えば、ステップS1及びステップS2と、ステップS3A及びステップS3Bとが並行して行われてもよい。

0085

このようにしてステップS1〜ステップS3Bが行われると、第1実施形態と同様に、ステップS4〜ステップS9が行われる。

0086

以上のような導出装置10Aによれば、当該装置の操作者における高炉100の操業経験や知見等に関わりなく、適切な除外要件の作成が可能となり、操業変動の少ない操業条件が確実に導出される。

0087

通常、第1実施形態のような除外条件作成部26がない導出装置10では、除外条件は、導出装置10の操作者等の高炉の操業経験から得られた知見等に基づいて設定される。そのため、除外条件を設定する人により除外条件が異なる場合があり、その場合、得られる操業条件(選択操業条件)が異なる。しかし、本実施形態の導出装置10Aのように、除外条件作成部26が除外条件を作成することにより、操作者等の高炉の操業経験等にかかわりなく除外条件が作成されるため、操作者等毎の除外条件のバラツキがなくなる。

0088

また、除外条件作成部26は、実際の高炉の操業において操業が不調であった期間の操業実績値を除いた高炉の過去の操業実績値、即ち、操業状態が安定しているときの操業実績値から除外条件を作成するため、適切な除外条件が得やすい。

0089

尚、本発明の高炉の操業条件導出方法、及びこの方法を用いた高炉の操業条件導出装置は、上記の第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

0090

上記の第1実施形態及び第2実施形態では、除外条件は、傾動ポイント毎の旋回数の上限値及び下限値であるが、これに限定されない。例えば、図11に示されるように、互いに隣接する複数の傾動ポイントの組(ポイント組)における旋回数の上限値及び下限値であってもよい。このポイント組における旋回数は、当該ポイント組に含まれる複数の傾動ポイントにおける各旋回数の和である。具体的には、互いに隣接する複数(図11においては2個)の傾動ポイントを一組のポイント組とする。より具体的には、傾動ポイント1と傾動ポイント2とをポイント組1、傾動ポイント2と傾動ポイント3とをポイント組2、傾動ポイント3と傾動ポイント4とをポイント組3、……、傾動ポイント19と傾動ポイント20とをポイント組19とする。そして、例えば、傾動ポイント10の旋回数の下限値と傾動ポイント11の旋回数の下限値との和である2がポイント組10の旋回数の下限値となり、傾動ポイント10の旋回数の上限値と傾動ポイント11の旋回数の上限値との和である7がポイント組10の旋回数の上限値となる。

0091

このようなポイント組における旋回数を除外条件として、除外部23が条件作成部22の作成した多数の演算用操業条件から該当する演算用除外条件を除外するようにしてもよい。このようにポイント組の旋回数を除外条件とすることで、装入物堆積層上面の隣接する複数の同心円領域(図3参照)からなる領域に装入される装入物の量を制限することができる。例えば、ポイント組9の旋回数の上限値により、傾動ポイント9に対応する第9同心円領域209と傾動ポイント10に対応する第10同心円領域210とを合わせた領域に装入される装入物の装入量が制限される。

0092

そのため、除外条件に該当する演算用操業条件が除外された残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択して高炉の操業条件を基準操業条件から選択操業条件に変更したときに、隣接する複数の同心円領域からなる領域に集中して装入物が装入されることが防がれ、これにより、装入の流れ込みを抑えることができる。

0093

また、除外部は、傾動ポイントの旋回数により規定される第1除外条件、又はポイント組の旋回数により規定される第2除外条件のいずれかに該当する演算用操業条件を除外するようにしてもよい。具体的には、第1除外条件を傾動ポイント毎の旋回数の上限値及び下限値とし(例えば図10参照)、第2除外条件をポイント組毎の上限値及び下限値とする(例えば図11参照)。そして、除外部は、条件作成部22が作成した多数の演算用操業条件から、第1除外条件及び第2除外条件のうちのいずれか一方に該当する演算用操業条件を除外する。

0094

このようにすることで、同じ同心円領域に装入される装入物の装入量が制限されるのに加え、隣接する複数の同心円領域からなる領域に装入される装入物の量が制限される。

0095

そのため、除外条件に該当する演算用操業条件が除外された残りの演算用操業条件から選択操業条件を選択して高炉の操業条件を基準操業条件から選択操業条件に変更したときに、同じ同心円領域に集中して装入物が装入されることが防がれると共に、隣接する複数の同心円領域を合わせた領域に集中して装入物が装入されることが防がれ、これにより、装入物の流れ込みをより確実に抑えることができる。

0096

上記第2実施形態では、実績値記憶部27に高炉100の直近3ヶ月間の操業実績値と不調情報(操業が不調であった期間の情報)が入力されるが、操業が不調であった期間の操業実績値を除いて入力するようにしてもよい。これにより、作成部28が除外条件を作成するときに、入力部12から入力された直近3ヶ月間の操業実績値から前記不調であった期間の操業実績値を除外しなくてよくなり、作成部28の構成の簡素化を図ることが可能となる。

0097

また、上記の第1実施形態及び第2実施形態では、装入部104として旋回シュートを備えたベルレス式高炉の操業条件を導出しているが、他の方式の高炉の操業条件を導出してもよい。即ち、装入物堆積層上における高炉の中心軸を中心とする円周に沿った位置に装入物を装入すると共に円周の半径を変更可能に装入物を装入可能な導入部を備える高炉であればよい。具体的には、図3に示すような同心円領域毎に装入物を装入可能であれば、ベルアーマ式高炉等であってもよい。この場合、除外条件は、傾動ポイント毎の旋回数ではなく、ムーバルアーマの押出し量ノッチ)及び装入物の装入量によって規定される。

0098

ここで、第1実施形態の導出装置10を用いて実際に行った高炉の操業条件の導出結果について説明する。本実施例では、第1実施形態の導出装置10による操業条件の導出結果を評価するために、除外部を備えていない点以外は第1実施形態の導出装置10と同じ構成を有する操業条件導出装置(他の操業条件導出装置)による操業条件の導出結果と比較する。

0099

具体的に、第1実施形態の導出装置10に、(i)基準操業条件として図6に示されるものを入力し、(ii)所定の目標層厚分布(図12参照)を入力し、(iii)除外条件として図10に示されるものを入力した。これにより求められた結果を以下に示す。

0100

0101

この表の操業条件により得られる層厚分布(予想層厚分布)と図12に示される目標層厚分布との誤差値E(上記の式(2)により求められる値)を以下に示す。

0102

0103

一方、他の操業条件導出装置に、(i)基準操業条件として図6に示されるものを入力するものを入力し、(ii)上記の導出装置10と同一の目標層厚分布(図12参照)を入力した。これにより求められた結果を以下に示す。

0104

0105

この表の操業条件により得られる層厚分布(予想層厚分布)と図12に示される目標層厚分布との誤差値E(上記の式(2)により求められる値)を以下に示す。

0106

0107

上記の2つの誤差値Eから、他の操業条件導出装置と同程度の目標層厚分布に近い層厚分布が得られる操業条件を第1実施形態の導出装置10から得られることが分かる。

0108

しかも、第1実施形態の導出装置10は、除外部を備えているため、得られた操業条件は、他の操業条件導出装置から得られた操業条件に比べ、基準操業条件から当該操業条件に高炉の操業を変更したときに、流れ込みに起因する操業変動(粒度偏析)をより抑えることができる。

0109

次に、傾動ポイントの旋回数により規定される第1除外条件、又はポイント組の旋回数により規定される第2除外条件のいずれかに該当する演算用操業条件を除外する除外部を備えた操業条件導出装置を用いて実際に行った高炉の操業条件の導出結果について説明する。この操業条件導出装置は、第1除外条件及び第2除外条件を用いる除外部以外は、第1実施形態の導出装置10と同じ構成を有する。この実施例では、互いに隣接する2個の傾動ポイントを一組のポイント組とする。

0110

この導出装置10に、(i)基準操業条件として図6に示されるものを入力し、(ii)第1実施例と同一の目標層厚分布(図12参照)を入力し、(iii)第1除外条件として図10に示されるものを入力し、(iv)第2除外条件として図11に示されるものを入力した。これにより求められた結果を以下に示す。

0111

0112

この表の操業条件により得られる層厚分布(予想層厚分布)と図12に示される目標層厚分布との誤差値E(上記の式(2)により求められる値)を以下に示す。

0113

0114

この誤差値Eから、当該実施例2の操業条件導出装置によっても、第1実施例の2つの操業条件導出装置と同程度の目標層厚分布に近い層厚分布が得られる操業条件が得られることが分かる。

実施例

0115

しかも、当該第2実施例の操業条件導出装置の除外部では、各傾動ポイントの旋回数だけでなく傾動ポイント組によっても旋回数を規定しているため、基準操業条件から当該操業条件に高炉の操業を変更したときに、流れ込みに起因する操業変動(粒度偏析)をより効果的に抑えることができる。

0116

10,10A操業条件導出装置
20,20A 装置本体
22 条件作成部(演算用条件作成部)
23 除外部
24予測部
25 選択部
26除外条件作成部
100高炉
102内壁面
104旋回シュート(装入部)
Ce 高炉の中心軸
S 高炉の内部空間
α 傾動角

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ