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技術 電極用金属製立体基板の製造法、電極用金属製立体基板及びそれを用いた電気化学応用製品

出願人 株式会社エムアンドジーエコバッテリー日本蓄電器工業株式会社
発明者 松本功周華桑名宏二
出願日 2011年10月19日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2011-229900
公開日 2012年5月10日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2012-086272
状態 特許登録済
技術分野 金属プロフイルのための特殊な加工 特定物品の製造 特定物品の製造 電池用電極の担体または集電体 電池の電極及び活物質
主要キーワード 各突起間 微小断片 電極用金属箔 加工くず 立体加工 電極リード板 立体基板 立ち上がり角度
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図面 (16)

課題

ローラ清掃中断されることなく、連続して製造可能な二次電池などに使用される金属製立体基板の製造方法を提供する。

解決手段

金属箔を一対のローラ21、22に挟んで通過させて3次元立体基板を製造する方法であって、一対のローラ21、22の表面Sには突起部23が格子状に設けられ、一方のローラ21の隣接する4つの突起部23a−23dを頂点とする仮想的な四角形の中心27に、他方のローラの突起23が向かうように、突起部23が配置されたことを特徴とする金属製立体基板の製造方法とする。

概要

背景

近年、地球規模環境問題エネルギー問題緩和のため、ハイブリッド電気自動車HEV)、電気自動車EV)の導入と拡大展開石油消費を約半分以下に節減する有効な手段として注目されている。とくに、既に実用化が進み始めたHEVに関しては、現状、パワー特性が改良されたニッケル水素電池(Ni/MH電池)が搭載され、市場が急速に拡大しつつある。また、今後拡大するHEVへの搭載を目的に、ニッケル・水素電池の特性改良と共にリチウムイオン電池や改良キャパシタ等の開発も旺盛である。

この用途は、多数の電池をシリーズで接続し、広い温度範囲振動などに晒される過酷な使用条件のため、従来よりも遥かに改良された信頼性が求められると共に、HEVなどの起動走行のために電源パワーアップ高率放電特性の改良)も求められている。

本願は、ニッケル・水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池、および、キャパシタで代表される電気化学応用製品エネルギー密度(小型:Wh/Lおよび軽量:WH/kg)の向上と低コスト化をも目的にした提案であり、具体的には使用する電極電極基板を改良して目的を達成する手段を提供するものでもある。

なお、本願発明は、とくにHEVなどの動力用途の電気化学応用製品には極めて有効であるが、汎用の電気化学応用製品への適用も可能である。

以下、HEV用電源として既に実用化されている円筒密閉形ニッケル・水素電池を取り上げ、詳細な説明を行なう。なお、このニッケル・水素電池とは、正極にニッケル酸化物粉末を使用するニッケル極を、負極に水素吸蔵合金粉末を使用する負極を、セパレータ合成繊維多孔不織布を、電解液水酸化カリウム(KOH)を主成分とするアルカリ溶液を、それぞれ使用する1.2V系のアルカリ二次電池である。

1990年に開発・実用化されたニッケル・水素電池を、パワー特性に必要なHEV用途に展開するに当たり、その電池構造は、基本的には既存のニカド電池(Ni/Cd電池)と同様な構造を採用している。すなわち、汎用の電池より薄い、正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群有底筒缶収納されている。正極は活物質粉末(主に水酸化ニッケルNi(OH)2)の保持体(すなわち電極基板)の一部が金属製集電板電極リード板とを介して蓋体電気的に接続されている。負極は水素吸蔵合金粉末の保持体である、鉄にニッケルめっきを施した穴あき基板(NPPS:Nickel plated punched steel)が有底筒缶の底部に接触もしくは一部が溶接され、有底筒缶に電気的に接続された構造を採用している。

HEV用途の電池のように電池サイズが大きくなる場合は、エネルギー密度が高くかつ軽量のペースト式電極を円筒形電池に採用すると、両電極の切断加工部からの活物質粉末の脱落により微小短絡が生じるおそれが増す。このため、電極の切断加工部からの活物質粉末の脱落が極めて少ない焼結式正極が使用され、この問題を抑制した電池が使用されてきた。

しかし、焼結式正極を採用した円筒密閉形ニッケル・水素電池は、ニッケル使用量が多く、エネルギー密度が小さいこと、および製法過程硝酸根混入する。その結果、電池が重く大きくなり、また、自己放電の問題を有する。このため、ペースト式正極の使いこなしが、円筒密閉形ニッケル・水素電池における重要な課題であった。

そこで、本願発明者らは両電極の基板に、フレキシブルな、3次元立体基板(3DF,
3-dimentional foil)を初めて使用し(特許文献1)、電極リード部に相当する、電極の端面をセパレータと共に折り曲げてセパレータの袋を形成することによって微小短絡の問題点を解決して、ペースト式電極を実用化した(特許文献2)。その結果、小型、軽量化、低コストの円筒密閉形ニッケル・水素電池の提供が可能となった。しかし、使用する3次元立体基板の量産方法や電極の加工に使用するローラにおいては、まだ課題を有している。

概要

ローラの清掃中断されることなく、連続して製造可能な二次電池などに使用される金属製立体基板の製造方法を提供する。金属箔を一対のローラ21、22に挟んで通過させて3次元立体化基板を製造する方法であって、一対のローラ21、22の表面Sには突起部23が格子状に設けられ、一方のローラ21の隣接する4つの突起部23a−23dを頂点とする仮想的な四角形の中心27に、他方のローラの突起23が向かうように、突起部23が配置されたことを特徴とする金属製立体基板の製造方法とする。

目的

より詳細には、金属箔に凹凸を施すローラの清掃で中断されることなく、連続して製造可能な金属製立体基板の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

金属箔を一対のローラに挟んで通過させて3次元立体基板を製造する方法であって、前記一対のローラの表面には突起部が格子状に設けられ、一方のローラの隣接する4つの突起部を頂点とする仮想的な四角形の中心に、他方のローラの突起が向かうように、前記突起部が配置されたことを特徴とする金属製立体基板の製造方法。

請求項2

前記突起部の側面は、少なくとも一つの平坦部を経て、先端に至るほど細くなっていることを特徴とする請求項1に記載の金属製立体基板の製造方法。

請求項3

前記突起部の側面の、前記ローラの表面に対する立ち上がり角度は55〜75度であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属製立体基板の製造方法。

請求項4

少なくとも一方ローラと金属箔との間に合成樹脂製フィルムを挟むことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の金属製立体基板の製造方法。

請求項5

活物質または電気二重層形成物質金属製基板充填および/または塗着した電極を用いた電気化学応用製品において、前記金属製基板は金属箔に凹凸を設けて立体化された3次元立体化基板であって、a.前記金属箔の両面には、先端に至るほど細くなる、無数微細中空凸部、中空凹部を備え、b.少なくとも前記中空凸部および中空凹部の側面には、前記側面の傾斜方向と交差する無数の皺が形成され、c.前記中空凸部および中空凹部の側面の、金属製基板の未加工部に対する立ち上がり角度は55〜75度であり、d.前記中空凸部および中空凹部の先端または側面に開口部を有する、ことを特徴とする電気化学応用製品。

請求項6

活物質または電気二重層形成物質を金属製基板に充填および/または塗着した電極を用いた電気化学応用製品であって、該電極に於ける金属製基板は金属箔に凹凸を設けて立体化された3次元立体化基板であって、a.前記金属箔の両面には、先端に至るほど細くなる、無数の微細な中空凸部、中空凹部を備え、b.少なくとも前記中空凸部および中空凹部の側面には、前記側面の傾斜方向と交差する無数の皺が形成され、c.前記中空凸部および中空凹部の側面の、金属製基板の未加工部に対する立ち上がり角度は55〜75度であり、d.前記基板の一方の面の、前記中空凸部または中空凹部の先端または側面に開口部を有し、前記基板の他方の面の、前記中空凹部または中空凸部の先端または側面に開口部を有さない、ことを特徴とする電気化学応用製品。

請求項7

前記金属箔は、ニッケル(Ni)製、鉄(Fe)製、アルミニウム(Al)製、銅(Cu)製、もしくは、ニッケル、鉄、アルミニウム、銅のいずれかを主材料とする合金であることを特徴とする請求項5または6に記載の電気化学応用製品。

請求項8

前記中空凸部および中空凹部の側面は、底部付近一段の緩やかな傾斜の階段を経て、先端に至るほど立ち上がって細くなっていることを特徴とする請求項5または6に記載の電気化学応用製品。

請求項9

金属箔の機械的な立体加工基板は、表面に無数の微細突起を設けた少なくとも一対のローラ間と、表面が平坦な一対のローラ間を通過させて得られることを特徴とする請求項5または6に記載の電気化学応用製品。

技術分野

0001

本発明は、電気化学応用製品電極に使用される金属製立体基板の製造方法に関する。より詳細には、金属箔凹凸を施すローラ清掃中断されることなく、連続して製造可能な金属製立体基板の製造方法を提供する。

背景技術

0002

近年、地球規模環境問題エネルギー問題緩和のため、ハイブリッド電気自動車HEV)、電気自動車EV)の導入と拡大展開石油消費を約半分以下に節減する有効な手段として注目されている。とくに、既に実用化が進み始めたHEVに関しては、現状、パワー特性が改良されたニッケル水素電池(Ni/MH電池)が搭載され、市場が急速に拡大しつつある。また、今後拡大するHEVへの搭載を目的に、ニッケル・水素電池の特性改良と共にリチウムイオン電池や改良キャパシタ等の開発も旺盛である。

0003

この用途は、多数の電池をシリーズで接続し、広い温度範囲振動などに晒される過酷な使用条件のため、従来よりも遥かに改良された信頼性が求められると共に、HEVなどの起動走行のために電源パワーアップ高率放電特性の改良)も求められている。

0004

本願は、ニッケル・水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池、および、キャパシタで代表される電気化学応用製品のエネルギー密度(小型:Wh/Lおよび軽量:WH/kg)の向上と低コスト化をも目的にした提案であり、具体的には使用する電極の電極基板を改良して目的を達成する手段を提供するものでもある。

0005

なお、本願発明は、とくにHEVなどの動力用途の電気化学応用製品には極めて有効であるが、汎用の電気化学応用製品への適用も可能である。

0006

以下、HEV用電源として既に実用化されている円筒密閉形ニッケル・水素電池を取り上げ、詳細な説明を行なう。なお、このニッケル・水素電池とは、正極にニッケル酸化物粉末を使用するニッケル極を、負極に水素吸蔵合金粉末を使用する負極を、セパレータ合成繊維多孔不織布を、電解液水酸化カリウム(KOH)を主成分とするアルカリ溶液を、それぞれ使用する1.2V系のアルカリ二次電池である。

0007

1990年に開発・実用化されたニッケル・水素電池を、パワー特性に必要なHEV用途に展開するに当たり、その電池構造は、基本的には既存のニカド電池(Ni/Cd電池)と同様な構造を採用している。すなわち、汎用の電池より薄い、正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群有底筒缶収納されている。正極は活物質粉末(主に水酸化ニッケルNi(OH)2)の保持体(すなわち電極基板)の一部が金属製集電板電極リード板とを介して蓋体電気的に接続されている。負極は水素吸蔵合金粉末の保持体である、鉄にニッケルめっきを施した穴あき基板(NPPS:Nickel plated punched steel)が有底筒缶の底部に接触もしくは一部が溶接され、有底筒缶に電気的に接続された構造を採用している。

0008

HEV用途の電池のように電池サイズが大きくなる場合は、エネルギー密度が高くかつ軽量のペースト式電極を円筒形電池に採用すると、両電極の切断加工部からの活物質粉末の脱落により微小短絡が生じるおそれが増す。このため、電極の切断加工部からの活物質粉末の脱落が極めて少ない焼結式正極が使用され、この問題を抑制した電池が使用されてきた。

0009

しかし、焼結式正極を採用した円筒密閉形ニッケル・水素電池は、ニッケル使用量が多く、エネルギー密度が小さいこと、および製法過程硝酸根混入する。その結果、電池が重く大きくなり、また、自己放電の問題を有する。このため、ペースト式正極の使いこなしが、円筒密閉形ニッケル・水素電池における重要な課題であった。

0010

そこで、本願発明者らは両電極の基板に、フレキシブルな、3次元立体基板(3DF,
3-dimentional foil)を初めて使用し(特許文献1)、電極リード部に相当する、電極の端面をセパレータと共に折り曲げてセパレータの袋を形成することによって微小短絡の問題点を解決して、ペースト式電極を実用化した(特許文献2)。その結果、小型、軽量化、低コストの円筒密閉形ニッケル・水素電池の提供が可能となった。しかし、使用する3次元立体基板の量産方法や電極の加工に使用するローラにおいては、まだ課題を有している。

先行技術

0011

特開2002−198055号公報
特開2006−12801号公報

発明が解決しようとする課題

0012

上述したように、円筒密閉形ニッケル・水素電池において、高エネルギー密度のペースト式正極を使いこなすには、折り曲げやすいフレキシブルな3次元立体基板の採用が重要である。しかし、この電極基板を量産するとき、および、電極基板に使用するときの課題には、以下の点が残されている。

0013

課題1:電極用金属箔表面加工には、合成樹脂フィルム人工皮革の表面加工に使用される一対のローラが使用される。この一対のローラの一方は、表面に無数微細突起(凸部)と孔部(凹部)を備えたパターンを有し、対応する他方のローラは、このパターンを反転したパターンを有する。つまり、一方のローラの突起を受ける、孔部(例えば水瓶状の凹部)が他方のローラに形成されている。そして、この一対のローラを使用して、金属箔に凹凸にする表面加工を施してきた。
しかし、樹脂や人工皮革よりはるかに硬度のある金属箔の加工に、このローラを使用すると、加工された金属箔の凸部の先端から脱落する微小断片加工くず)が、ローラの孔部に次々と詰まって蓄積し、以降の加工が困難になる。

0014

課題2:3次元立体基板では、金属使用量が従来から使用される発泡ニッケル基板の2/3程度と少なく、基板の表面積も小さいため、基板と活物質との接触面積が減少する結果、活物質粉末からの集電能力に劣っていた。つまり、高率放電特性の低下を招く場合がある。

0015

課題3:金属箔の表面加工の連続運転につれ、ローラの突起が先端部から摩耗し始める。摩耗の程度は各突起間でも異なるため、突起の高さに差が生じてしまう。
また、一対のローラ間においても、突起の摩耗の程度に差が生じ、突起の高さが異なる。この場合、加工された3次元立体基板の凸形状の高さが表裏で異なることになる。つまり、3次元立体基板の未加工部(凹凸がない部分)が厚さ方向の中心位置から突起の摩耗の大きいローラ側に偏移する。その結果、電極中の3次元立体基板の集電性能が低下することがある。

0016

課題1に対しては、定期的にローラを取り外して、孔部に溜まった金属箔の微小断片を取り除く方法が考えられる。しかし、現実には、多くの微小断片が重なって圧入されているため、微小断片の除去が極めて困難である。
課題2に対しては、3次元立体加工後に、活物質粉末との接触を改善して電気抵抗を小さくする目的で金属粉末を塗布し焼結する方法などが考えられるが、工程が複雑になり3次元立体基板の特徴である低コスト化が期待できない。
課題3に対しては、ローラに設けた突起の先端部の材料を耐摩耗性の材料に変更して、突起の硬度を増加することにより解決できる。しかし、逆に先端部が折れやすくなる問題が残ってしまう。

課題を解決するための手段

0017

これらの課題に対しては、金属箔の3次元立体加工に使用する、一対のロ−ラの表面形状を工夫することで解決が可能である。以下、電気化学応用製品の例として円筒密閉形ニッケル・水素電池を挙げ、電極用金属製立体基板であるニッケル箔立体加工した基板を例に、上述した3つの課題を解決するための手段を説明する。

0018

課題1は、一方のローラに施された突起を受ける他方のローラの水瓶状の孔部に、加工された金属箔の凸部の先端から脱落する微小断片が蓄積することが原因であった。したがって、水瓶状の孔部を設けない構造で解決できることを見出した。つまり、両ローラの表面を、無数の突起部が格子状に配置されるように加工する。金属箔を立体加工するとき、一方のローラの突起部が、他方のローラの隣接する4つの突起部に囲まれた間に納まるようにして金属箔を挟んで立体化加工する。ローラーに孔部がないため、脱落した微小断片が突起部と突起部の間にも蓄積されず、課題1を解決できる。

0019

課題2に対しては、電極基板と活物質との接触面積を増加させるため、立体加工時に金属箔の表面に無数の皺を設けることに着目した。まず、ローラの表面に設けられた突起部の側面のローラ表面からの立ち上がり角度に注目し、立ち上がり角度を55〜75度の範囲にすると、3次元立体基板の中空凸部の間の金属箔表面に亀裂を生じさせることなく無数の皺を設けることが可能であることを見出した。その結果、3次元立体基板と活物質との接触面積が増加し、電極の集電能力を高めることができて電極の高率放電性能が改良できる。

0020

課題3に対しては、ローラの表面に設けられた、微細な突起部が連続的に細くなる形状ではなく、突起部の底部と先端の間に少なくとも一つの平坦部を設けて、突起部が不連続に細くなる形状を採用した。両ローラの突起部が先端から平坦部の位置までの距離の加工高さを確保する方法に着目した。このような形状の突起部の採用によって、金属箔を立体化加工する際、平坦部によって、形成する凸部の高さを一定にできることを見出した。したがって、突起部先端に摩耗が生じても、3次元立体基板の未加工部が厚さ方向の中心位置から偏移することを防止できる。

図面の簡単な説明

0021

図1は、本発明に係るニッケル・水素電池の断面概略図である。
図2は、本発明に係るリチウムイオン電池の断面概略図である。
図3aは、本発明に係る3次元立体基板の例を示す図である。
図3bは、電極基板の中空凸部、中空凹部の配置を示す図である。
図3cは、本発明に係るニッケル・水素電池のニッケル正極の断面概略図である。
図4aは、本発明に係る、3次元立体基板の製造に使用されるローラを示す概略図であり、
図4bは、ローラ表面の突起を示す概略図である。
図4cは、一対のローラが噛み合った状態を示す図である。
図4dは、図4cの一対のローラにより3次元立体基板が形成される様子を示す図である。
図4eは、ローラの突起部の他の態様を示す図である。
図4fは、ローラの突起部の他の態様を示す図である。
図5aは、一方のローラの突起部の先端部の方形を、他方のローラより大きくした、一対のローラにより3次元立体基板が形成される様子を示す図である。
図5bは、図5aの一対のローラにより金属箔と一方のローラとの間に合成樹脂フィルムを挟んで3次元立体基板が形成される様子を示す図である。
図6は、実施例1および比較例1、2に係るニッケル・水素電池における放電特性を示す図である。
図7は、実施例2、3および比較例3に係るリチウムイオン電池における放電特性を示す図である。

0022

以下、図面を参照しながら本願発明の実施の形態について説明する。

0023

本発明の実施の形態の一例として、渦巻状電極群を有する円筒形ニッケル・水素電池の断面図を図1に示す。ニッケル製3次元立体基板を電極基板に採用した正極1と負極2とをセパレータ3を介して渦巻状に捲回された電極群が有底筒缶4に収納され、正極1の金属露出部1’は、渦巻きの中心方向にセパレータ3と共に折り曲げられた状態で、金属製集電板9と電気的に接続された金属リード板5とを介して蓋体6に接続されている。なお、蓋体6には、ゴム弁体8を内蔵したキャップ7が取り付けられている。

0024

負極2の金属露出部2’は、渦巻きの中心方向にセパレータ3と共に折り曲げられた状態で、有底筒缶4の底部4’に電気的に接続されている。ここで、正極1と負極2との短絡を防止するため、それぞれの電極の一端は対極の金属露出部の折り曲げ部から、1〜2mmずらした構造を採用している。上述した正負電極1、2の構造は特許文献2に開示された構造である。

0025

なお、正極1および負極2の電極リードとなる金属露出部1’、2’が、有底筒缶4や金属製集電板9と直角に接触してスポット溶接された既存の構造を採用してもよい。

0026

正極1を例にニッケル製3次元立体基板の写真図3aに示す。基板20には、中空の凸部31が格子状に配置されて、中空の凹部32も格子状に配置されている。図3bは、凸部31、凹部32の配置を模式的に表した図であり、黒い円は凸部31などを、白い円は凹部32などを表す。隣接する4つの凸部31a、31b、31c、31dは仮想的な四角形r1の頂点に位置し、四角形r1の中心に凹部32aが位置している。同様に、隣接する4つの凹部32a、32b、32c、32dは仮想的な四角形r2の頂点に位置し、四角形r2の中心に凸部31dが位置している。

0027

さらに、図3aのc−c線の概略断面図を図3cに示す。図3cでは、基板20に水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を主とする活物質粉末50のペースト充填および/または塗着後、乾燥しプレスを施したニッケル正極1を示している。中空凸部31、中空凹部32の側面35、36の立ち上がり角度(基板20の未加工部37と側面35、36とがなす角度)αは55〜75度が好ましく、より好ましくは55〜65度である。側面35、36が好ましい立ち上がり角度αで加工されていると、側面35、36に無数の皺40が形成される。皺40により基板20と活物質粉末50との接触面積が増加し(接触抵抗が減少し、)、電極1の集電能力を高めることができて、その結果電極1の高率放電性能が達成される。立ち上がり角度αが55度より小さいと皺の数が少なくなり、活物質粉末50との接触面積があまり増加しない。また、立ち上がり角度αが75度を超えると中空凸部31、中空凹部32が折れやすくなる。

0028

中空凸部31、中空凹部32の未加工部37からの高さh1、h2はほぼ等しくなっている。その結果、3次元立体基板20の未加工部37が厚さ方向の中心位置Cから偏移することなく、3次元立体基板20の集電性能が低下することを防止できる。また、中空凸部31、中空凹部32の先端(側面でもよい)には開口部33、34を備えている。

0029

次に、基板20の製造方法について説明する。図4aには、3次元基板20を作製するための一対のローラを示す。金属箔Fは、突起を備えた、一対のローラ21、22に挟まれて3次元立体加工され、3次元立体基板(3DF)20となる。図4bは、ローラ21の表面を示す図である。ローラ21、22は、鉄製(鋼材NAK55)のローラを突起部23が残るように表面Sまで切削加工したものである。なお、摩耗しやすい突起部23の先端部24付近は、例えば焼入れにより硬度を高めている。

0030

表面Sには、突起部23が格子状に設けられている。突起部23は、底面26が方形である角錐台形状基底部61と、ピラミッド形状の先端部24とを有する。突起部23の強度を確保するため、先端部24が、例えば一辺10μm程度の方形となっている。また、突起部23の高さ方向のほぼ中央に平坦部25(基底部61の頂面)を設けている。平坦部25により、3次元立体加工のとき、中空凸部、凹部31、32の高さh1、h2がほぼ等しくなるように調整される。同様に、他方のローラ22の表面にも突起(図示しない)が格子状に設けられている。そして、ローラ21の隣接する4つの突起部23a、23b、23c、23dを頂点とする仮想的な四角形の中心27に、他方のローラ22の突起が向かうように、ローラ21、22が噛み合う。言い換えれば、図3b黒丸白丸が、それぞれローラ21、22の突起となるように、ローラ21、22が噛み合う。

0031

図4cは、ローラ21、22が噛み合った状態を示す断面概略図である。図4dは、一対のローラにより3次元立体基板が形成される様子を示す図である。ローラ21、22で金属箔Fを挟むと、突起23により図3a−3cに示した中空凸部31、中空凹部32が基板20に形成される。また、中空凸部31、中空凹部32には開口部33、34がそれぞれ形成される。しかも、基板20の未加工部37が、ローラ21、22の平坦部25に挟まれて固定されるので、中空凸部31、中空凹部32の未加工部37からほぼ等しくなり、3次元立体基板20の未加工部37が厚さ方向の中心位置Cから偏移することなく形成される。

0032

なお、図4eに示すように、突起部23に2つの平坦部25、25’を設けてもよく、それ以上設けてもよい。また、図4fに示すように、突起部23の基底部61は直方体形状であってもよい。

0033

突起部23の先端部24の側面28の立ち上がり角度(ローラ21、22の表面Sと側面28とがなす角度)βは55〜75度であり、より好ましくは55〜65度である。立ち上がり角度βがこの範囲であると、中空凸部31、中空凹部32が形成されるときに、側面35、36に無数の皺40が形成される。立ち上がり角度βが55度より小さいと形成される皺の数が少なくなる。逆に、立ち上がり角度βが75度を超えると中空凸部31、中空凹部32が形成されるときに、側面35、36が折れやすくなる。

0034

さらに、ローラ21、22には突起23のみが設けられ、凹部が形成されていない。金属箔Fを3次元立体加工するときに、金属箔Fの一部がちぎれ加工くずとなっても、加工くずがローラ21、22に蓄積することがない。その結果、定期的にローラ21、22を清掃することなく、連続して3次元立体基板20を製造することができる。

0035

軟質の金属箔(例えば、アルミニウム箔銅箔)を3次元立体加工する場合には、中空凸部31、中空凹部32の数が多いと引っ張り強度などの物理強度が低下する場合がある。この場合、隣接する中空凸部31、隣接する中空凹部32の間隔を広げてもよい。また、隣接する中空凸部31(中空凹部32)の間隔がニッケル基板と同程度に狭い基板を必要とする場合、図5aに示すように、一方のローラ22の突起部23の先端部24の方形を、他方のローラ21の突起部23に比べて大きくした、一対のローラ21、22を使用して、基板を3次元立体加工することが好ましい。この場合、中空凹部32は開口部34を有するが、中空凸部31は開口部を有しない。

0036

また、軟質の金属に於ける加工では、アルミニウムや銅の加工くずが脱落して3DFの中空凸部31、中空凹部32に付着する場合がある。加工くずが付着したままの基板を使用すると、微小短絡の原因となるおそれがある。この場合、図5bに示すように、一方のローラ22と、基板(アルミニウム箔や銅箔)20の間に、合成樹脂製の軟質フィルム29(例えば、ポリエチレンポリ塩化ビニルポリプロピレンフィルム)を挟んで、加工くずを軟質フィルム29に付着させて除去することが望ましい。

0037

次に、本発明の実施例と比較例と比べた効果の違いを説明する。

0038

図4a−4dで説明した、一対のローラ21、22を使用してニッケル箔(加工前の厚さ25μm)を隣接する中空凸部31(中空凹部32)の間隔が約700μmとなるように立体加工し、さらに表面が平坦な一対のローラ(図示しない)を通過させて所望の見かけ厚さ(400μm:Aタイプ、300μm:Bタイプ)に調整したニッケル製3次元立体基板(3DF)を作製した。得られた3次元立体基板は、中空凸部や中空凹部の側面に無数の皺40を有する。

0039

汎用の水酸化ニッケル(Ni(OH)2)粉末とコバルト酸化物粉末との重量比96:4である混合粉末を、フッ素樹脂粉末(1wt%)とカルボキシメチルセルローズ(0.3wt%)の水溶液練合して得られたペーストを、Aタイプの3次元立体基板に塗着した。乾燥後、加圧して、平均充填密度650mAh/cc、厚さ350μmのニッケル正極を得た。

0040

次いで、この電極を幅43mm、長さ400mmに切断後、一方の長尺端面に沿って幅4mmの塗着物を除去して金属露出部を形成し、理論容量が約3.5Ahの円筒密閉形Csサイズ電池用の正極を得た。

0041

汎用のMmNi5系水素吸蔵合金(Mm−(Ni−Co−Mn−Al)5)粉末を、フッ素樹脂粉末(1wt%)とカルボキシメチルセルローズ(0.3wt%)との水溶液と練合して得られたペーストを、Bタイプの3DF電極基板に塗着した。乾燥後、加圧して、平均充填密度1,500mAh/cc、厚さ200μmの水素吸蔵合金負極を得た。

0042

次いで、この電極を幅43mm、長さ480mmに切断後、一方の長尺端面に沿って塗着したペーストを除去して幅4mmの金属露出部を形成し、理論容量で約5.5AhのCsサイズ電池の負極を得た。

0043

得られた正負極を、厚さ0.12mm、幅44mm、長さ900mmのポリオレフィン製不織布を介して、汎用の方法で渦巻状に構成した電極群を得た。次いで、図1に示すように、電極群の上面に露出する正極1の金属露出部1’をセパレータ3と共に渦巻きの中心方向に折り曲げた加工を施す。次いで、電極群の下面に露出する負極2の金属露出部2’をセパレータ3と共に渦巻きの中心方向に折り曲げた加工を施す。正極1と負極2は、金属露出部1’、2’の折り曲げ時の短絡を完全に防止するため、1〜2mm円筒軸方向にずらした構造を採用した。

0044

得られた電極群の正極1側の折り曲げられた金属露出部1’にニッケル製集電板9を溶接し、それにニッケルリード板5を溶接する。次に、電極群をケース4に挿入し、ニッケルリード板を蓋体6(正極端子)に溶接した後、汎用の水酸化カリウム(KOH)を主とする比重約1.3のアルカリ電解液を8cc注液して蓋体とガスケット10で封口し、Csサイズのニッケル・水素電池を得た。

0045

使用した3次元立体基板は中空凸部、中空凹部の先端に開口部を有するものを使用した。ローラの突起部の形状を変えて、中空凸部、中空凹部の側面の立ち上がり角度を60度に近づけ、中空凸部、中空凹部の側面に開口部を有するように加工したものでもよい。

0046

得られたCsサイズ電池(理論容量3.5Ah)を、室温中で、充電率0.1Cで100%充電放電率0.2Cで終止電圧1.0Vまで放電の条件で2サイクル充放電を行なった。その後、充電のみを120%に変えた充放電を実施して化成を終了する。化成終了後の電池を、充電率0.1Cで100%充電、放電率0.2Cおよび5Cで充放電を行ったときの放電結果を、図6のeとe’にそれぞれ示す。

0047

使用電極および電池構成は、実施例1と同じCsサイズのニッケル・水素電池であるが、両電極に使用した3次元立体基板の中空凸部、中空凹部の側面の立ち上がり角度を約50度とした。

0048

比較例1の電池を、実施例1と同様の化成を施した後、充電率0.1Cで100%充電、放電率0.2Cおよび5Cで充放電を行ったときの放電結果を、図6のfとf’にそれぞれ示す。

0049

正極1の基板としてに、多孔度95%、厚さ800μmの汎用の発泡ニッケル基板で、金属露出部1’をニッケル箔で溶接補強した基板を使用して、実施例1と同様の材料と工程でニッケル正極(理論容量:3.2Ah)を得た。
負極2の基板として、鉄板にニッケルめっきを施した、厚さ60μmの汎用の穴あき基板(NPPS)を使用し、実施例1と同様な材料と工程で負極(理論容量:5.0Ah)を得た。そして、実施例1と同様の渦巻状電極群を得た。

0050

次いで、電極群の両端、つまり正負極1、2のリードに相当する部分に、それぞれ厚さ200μmのニッケル製円板を溶接し、実施例1と同様の工程で理論容量3.2AhのCs電池を得た。なお、金属露出部1’、2’を折り曲げることなくニッケル製円板に溶接したので、正負極1、2の有効幅はそれぞれ実施例1より2mm狭くなった。

0051

比較例2の電池を、実施例1と同様な化成を施した後、充電率0.1Cで100%充電し、放電率0.2Cおよび5Cで充放電を行ったときの放電結果を、図6のgとg’にそれぞれ示す。

0052

実施例1と比較例1とを比べると、放電率0.2Cの放電では、電圧および容量に大きな差は認められない。しかし、放電率5Cの放電では、比較例1の電圧低下が大きく、実施例1は電圧および容量に大きな優位性を示した。これは、実施例1における3次元立体基板の表面には無数の皺が設けられているのに対し、比較例1では皺が少なく、活物質粉末との接触面積が低減するため、放電率5Cのような高率放電になると実施例1との特性の違いが大きく出てきたものと考えられる。

0053

また、実施例1は、3次元立体基板がフレキシブルなため金属露出部1’、2’を折り曲げる構造が採用でき、電極1、2の有効面積が増加する。その結果、放電率0.2Cの放電において、比較例2より約10%の電池容量が増加している。高い放電率の5C放電になると、電池容量と電圧のいずれにおいても、比較例2より大きく優れた特性結果を得た。さらに高率放電になれば、その差はより拡大すると予測される。その理由は、実施例1では、正負の電極1、2の金属露出部1’、2’の折り曲げ構造の採用により内部インピーダンスが低減したこと、および、比較例2の穴あき基板に代えて集電性能に優れる3次元立体基板を採用したことによると考えられる。

0054

図4a、4bで説明した、一対のローラ21、22を使用して、厚さ15μmのアルミニウム(Al)箔と厚さ10μmの銅(Cu)箔を、隣接する中空凸部31(中空凹部32)の間隔が約700μmとなるように立体加工を施し、さらに表面が平坦な一対のローラ(図示しない)を通過させて所望の厚さ(見かけ厚さはいずれも約150μm)に調整したアルミニウム製3次元立体基板と銅製3次元立体基板を作製し、それぞれ正極および負極用の電極基板とした。

0055

これらの基板を用いて、LiCoO2/C系のAAサイズの電池を作製した。図2は、アルミニウムを主材料とする3次元立体基板を正極に、銅を主材料とする3次元立体基板を負極に用いたAAサイズの円筒形リチウムイオン電池の構造を示す。正極11は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末を主材料とし、約1.5wt%のフッ素樹脂PTFE)の微粉末を混入した水溶液ペーストを用い、ペーストの塗着、スリット通過の工程(アルカリ蓄電池では一般的な方法)を経て、アルミニウム製3次元立体基板に活物質(ペースト)を塗着/充填し、乾燥後プレスを施して、正極を得た。正極11の寸法は、幅:39mm、長さ:750mm、厚さ:120μmで、理論容量:1500mAhであった。正極11は汎用の電池と同様に集電体15に接続されている。

0056

負極12は、グラファイト粉末を主材料とする、約1.0wt%のラテックスSBR)と共に混練した水溶液ペーストを、正極と同様の方法で、銅製3次元立体基板に塗着/充填し、乾燥後プレスを施して、負極を得た。負極12の寸法は、幅:39mm、長さ:800mm、厚さ:120μmで、理論容量:2000mAhであった。負極12は汎用の電池と同様に集電体16に接続されている。

0057

両電極11、12を、微孔を備えたポリエチレンフィルム製セパレータ13を介して渦巻状に捲回し、汎用の金属ケース14に挿入し、電解液を注入した後、蓋体18で封口した。蓋体18には正極端子であるキャップ17が取り付けられている。電解液としては、1モルのLiPF6を溶解した、エチレンカーボネイト(EC)2部とメチルエチルカーボネイト(MEC)8部との混合有機溶媒を使用した。

0058

さらに、汎用の電池と同様、安全対策として、電池が高温になると正極の集電体と端子であるキャップと接続が分断される構造のPTC素子19を備え、AAサイズのリチウムイオン電池を作製した。

0059

得られたAAサイズ電池(理論容量1500mAh)を、室温中で充電率0.1Cで終止電圧4.2Vまで充電、放電率0.2Cで終止電圧3.0Vまで放電の条件で1サイクルの充放電を行った後、充電率0.1Cで終止電圧4.2Vまで充電、放電率0.2Cおよび5Cで終止電圧3.0Vまで放電の条件で充放電を行ったときの放電結果を、図7のhとh’にそれぞれ示す。実施例2の電池は、ほぼ理論容量の電池が得られたと共に、放電率5Cの高率放電においても電圧および容量の低下が小さいことがわかる。

0060

比較例3の電池の基本構造は、実施例2と同様である。汎用電池と同様に、正極11には厚さ15μmのアルミニウム箔を、負極12には厚さ10μmの銅箔を、それぞれ使用した。それぞれの電極11、12の製法は、金属箔の両面に一定量のペーストを塗着する工程(一般的に採用されている方法)を採用した。また、汎用電池と同様に、電極厚さは正負極いずれも80μmの薄型電極とした。薄型電極であることと共に、セパレータ13は実施例2より長くなるので、正極11、負極12の理論容量はそれぞれ1300mAh、1600mAhである電極を得た。そして、電極の構造と寸法が異なる以外は、実施例2と同様にして、AAサイズ電池を作製した。

0061

比較例3の電池(理論容量1500mAh)を、実施例2と同様に、室温中で充電率0.1Cで終止電圧4.2Vまで充電、放電率0.2Cで終止電圧3.0Vまで充電の条件で1サイクルの充放電を行った後、充電率0.1Cで終止電圧4.2Vまで充電、放電率0.2Cおよび5Cで終止電圧3.0V放電の条件で充放電を行ったときの放電結果を、図7のjとj’にそれぞれ示す。

0062

放電率0.2Cの放電結果より、実施例2の電池は比較例3の電池より電極厚さを厚くできる(面積を低減できる)のでセパレータ13の面積を低減でき、電池容量が約250mAh増加し、放電曲線平坦性にも優れていることがわかる。放電率5Cに高めると、実施例2の電池は比較例3の電池より電池容量の低下が小さいこと、放電電圧の低下も小さいことが明らかで、実施例2の電池は、集電性能を向上させ、高率放電を大きく改良していることがわかる。

0063

実施例2の3次元立体基板の製造方法の代わりに、図5bに示したローラ21、22で、ローラ22と金属箔20との間に、厚さ約10μmの合成樹脂フィルム(ポリエチレン製)29を挟んで立体加工し、加工後はそのフィルムを除去する3次元立体基板の製造方法を採用した。加工後の寸法が実施例2と同じとなる3次元立体基板を使用した。この3次元立体基板は、一方の面の中空凸部31には開口部を有さず、他方の面の中空凹部32は開口部34を有し、側面36に無数の皺40が形成されている。実施例3の他の構成は実施例2と同様である、AAサイズの電池を得た。

0064

この製造方法では、軟質の金属箔(銅箔、アルミニウム箔)の立体加工で生じる加工くずがほとんど除去でき、微小短絡を防止することができた。また、ローラ22の突起部23の先端部24により中空凸部31に開口部が形成されないので、金属の加工くずが生じない。

実施例

0065

実施例3の電池を実施例2と同じ条件で充放電を行い、放電率0.2Cおよび5Cの放電結果を図7のiとi’にそれぞれ示した。電池容量および放電曲線の特徴は、実施例2の電池と、ほとんど変わりがなく、比較例3より大きく優れた結果を得た。

0066

本発明の中空凸部凹部を備えた3次元立体基板の製造法は、加工に使用するローラの改良により連続生産が容易にできる。また、本発明の3次元立体基板の表面に無数の皺を設けることにより、集電性能が向上され、エネルギー密度と高率放電特性に優れた二次電池を提供できる。とくに、リチウムイオン電池に適用した場合は、さらには活物質の脱落が防止できることから、電極の厚型化が可能になり、一層のエネルギー密度と高率放電特性に優れた電池を提供できる。

0067

以上、円筒形の二次電池について説明したが、3次元立体基板を用いた電極の特徴から、様々なサイズの角型二次電池にも適用できる。また、電極の材料や活物質を適宜選択することにより、例示したニッケル・水素電池やリチウムイオン電池と類似した電極構成や構造を有する、他の電気化学応用製品、例えばリチウムポリマー電池リチウムイオンキャパシタ電気二重層キャパシタなどへの適用も可能である。

0068

1:ニッケル正極1’: ニッケル正極の金属露出部
2:水素吸蔵合金負極2’: 水素吸蔵合金負極の金属露出部
3:セパレータ4:有底筒缶、4’:有底筒缶の底部
5:金属リード板6:蓋体
7:キャップ8:ゴム弁体
9: 正極の金属製集電板10:ガスケット
11: 正極 12: 負極
13: セパレータ 14: 有底筒缶(金属ケース)
15; 正極の金属製集電体16: 負極の金属製集電体
17: キャップ 18: 蓋体
19:PTC素子
20:3次元立体基板21、22:ローラ
23:ローラの突起部 25:突起部の平坦部
29:合成樹脂フィルム
31:中空凸部 32:中空凹部
33:中空凸部の開口部 34:中空凹部の開口部
35:中空凸部の側面 36:中空凹部の側面
40:皺 50:活物質

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