図面 (/)

技術 ガス遮断器

出願人 株式会社日立製作所
発明者 作山俊昭浦井一大下陽一小泉眞柳沼宣幸佐藤賢廣瀬誠
出願日 2010年10月5日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-225298
公開日 2012年4月19日 (8年7ヶ月経過) 公開番号 2012-079601
状態 特許登録済
技術分野 遮断器
主要キーワード 主空間 アーク発生前 外周側空間 アブレーション効果 サーキュレーション効果 流体摩擦 加熱昇 アーク空間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年4月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

大電流遮断中小電流遮断を効率よく実現することが可能なガス遮断器を提供する。

解決手段

パッファ形ガス遮断器の熱パッファ室21に機械パッファ室32を直列に設け、熱パッファ室21には室内を径方向に分割する仕切り部材41を設ける。アーク空間31と熱パッファ室21の間には、ガス流制御手段として切替弁42を設け、熱パッファ室21と機械パッファ室32の間には、可動弁23を設ける。大電流遮断時には、アーク空間31からの高温高圧消弧性ガスを切替弁42により仕切り部材41の外周側空間62から内周側空間61を経てアークに対し吹き付ける。中小電流遮断時には、機械パッファ室32からの消弧性ガスを仕切り部材の内周側空間61のみに導きアークに吹き付ける。

概要

背景

熱パッファ併用形ガス遮断器は、大電流遮断に適しており、電圧の高い系統に使用することができる。その反面、中小電流の遮断が難しいといった問題があった。そのため近年、パッファ形ガス遮断器を用いて大電流のみならず中小電流の遮断をも可能とする試みが行われている。

下記特許文献1には小電流から大電流に至るまで遮断することを目的とするガス遮断器が開示されている。特許文献1、図3に示すガス遮断器(以下、従来例という。)を図8に示す。

従来例の熱的昇圧室101には、この室内を主空間101aと従空間101bに分割する分割部材102が、熱的昇圧室101の中心軸と同心円上に配置されている。主空間101aはアーク空間側につながるガス流路103と、隔壁104の開口部104aを経て機械的圧縮室105と空間的に接続されている。

この主空間101aは、中小電流遮断時にもアークエネルギーによって昇圧可能な体積を持つ大きさに設定されている。分割部材102のフランジ106側端部近傍には連通部102aが、隔壁104端部近傍には連通部102bがそれぞれ設けられている。

大電流遮断時には、アーク空間で生じた高温高圧ガスが主空間101aを通り、その圧力により逆止弁107を押すことで開口部104aを閉状態とする。その後、高温高圧のガスは、連通部102bを介して従空間101b内部をノズル方向に流れる。

その際、該高温高圧のガスは、従空間101b内部に存在した比較的低温のガスと混ざり合う。これにより比較的低温となった上記ガスは、連通部102aから開口部106aを介し、ガス流路103を通ってアークに吹き付けられる(以下、この現象サーキュレーション効果という。)。つまり、従来例では、大電流遮断時の吹き付けガスの温度を比較的に低温にすることで遮断性能を向上することをねらっている。

また、中小電流遮断時には、主空間101aの圧力が電流零点近傍で次第に低下し、機械圧縮室105の圧力を下回るため、逆止弁107は開状態となる。これによって、機械圧縮室105から熱的昇圧室101の主空間101aへ流れるガス流が生じることが想定される。

連通部102a、102bの断面積の和をガス流路の開口部106aの断面積よりも小さくすることで、連通部102a、102bにかかる圧力を上昇させ、ガス流が主空間101aのみに生じることで従空間101b側へガス流が分流することを防ぎ圧力低下を低減することをねらっている。

しかし、従来例には次の問題点がある。大電流遮断時において、連通部102a、102bの断面積の和をガス流路の開口部106aの断面積よりも小さくすることで、連通部102a、102bにかかる圧力が上昇し、ガスが連通部102bからうまく流入せず、サーキュレーション効果が達成できないおそれがある。

仮に、アークにより生じた高温高圧のガスが連通部102bから従空間101b側に流入したとしても、連通部102aの断面積が小さいため、連通部102aから流出するガスの量が著しく低減するおそれがある。

また、連通部102aからガスが流出したとしても、その流出したガスはガス流路103方向のみならず主空間101a方向へも流れるため、ガス流路103方向に流れるガスの量は更に減少する。このため従来例ではサーキュレーション効果が弱まり、消弧性能も悪いという問題がある。

また、中小電流遮断時には、機械圧縮室105から熱的昇圧室101の主空間101aへ流れるガス流が、連通部102aまたは連通部102bから従空間101bに流入するおそれがあり、ガスの分流を低減する効果が得られないおそれがある。

概要

大電流遮断と中小電流遮断を効率よく実現することが可能なガス遮断器を提供する。パッファ形ガス遮断器の熱パッファ室21に機械パッファ室32を直列に設け、熱パッファ室21には室内を径方向に分割する仕切り部材41を設ける。アーク空間31と熱パッファ室21の間には、ガス流制御手段として切替弁42を設け、熱パッファ室21と機械パッファ室32の間には、可動弁23を設ける。大電流遮断時には、アーク空間31からの高温高圧の消弧性ガスを切替弁42により仕切り部材41の外周側空間62から内周側空間61を経てアークに対し吹き付ける。中小電流遮断時には、機械パッファ室32からの消弧性ガスを仕切り部材の内周側空間61のみに導きアークに吹き付ける。

目的

下記特許文献1には小電流から大電流に至るまで遮断することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

消弧性ガス充填した容器内に、離合可能な一対の主接触子と、固定アーク接触子と、前記固定アーク接触子と離合可能な可動アーク接触子と、前記固定アーク接触子と前記可動アーク接触子を包囲する絶縁ノズルと、前記固定アーク接触子と前記可動アーク接触子が開離したときに、絶縁ノズル内の前記両アーク接触子間に形成されるアーク空間と、前記アーク空間においてアーク熱により圧力が上昇した消弧性ガスを導き入れる熱パッファ室と、前記熱パッファ室に直列に設けられ、機械的圧縮により圧力を上昇させる機械パッファ室と、を有するガス遮断器において、前記熱パッファ室を径方向に分割する仕切り部材を該熱パッファ室に設け、前記仕切り部材の絶縁ノズル側端部及び機械パッファ室側端部にはそれぞれ開口部を設け、前記アーク空間の圧力が上昇した時には、前記仕切り部材の内周側流路閉鎖しかつ前記絶縁ノズル側端部を開放し、前記アーク空間の圧力が低下した時には、前記仕切り部材の内周側流路を開放しかつ前記絶縁ノズル側端部を閉鎖するためのガス流制御手段を設け、前記熱パッファ室と前記機械パッファ室の間で前記仕切り部材の外周側空間に開口部と可動弁を配置し、前記可動弁は、前記アーク空間の圧力が上昇した時には、前記開口部を閉鎖し前記仕切り部材の外周側空間と内周側空間を連通し、前記機械パッファ室の圧力が上昇したときには前記開口部を開放し前記仕切り部材の内周側への流路を形成することを特徴とするガス遮断器。

請求項2

前記ガス流制御手段は、前記仕切り部材の絶縁ノズル側開口部を閉鎖する面と前記仕切り部材の内周側空間を閉鎖する面を有し、前記仕切り部材の内周面に沿って摺動する切替弁で構成することを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。

請求項3

前記ガス流制御手段は、絶縁ノズル側端部の内周側に切り欠き部を設けた前記仕切り部材と、前記切り欠き部を軸方向に摺動する切替弁と、前記熱パッファ室の内壁と前記切替弁の間の流路を閉塞するように径方向に配置された封止部材とにより構成され、前記切替弁が前記切り欠き部の機械パッファ室側端部に係止するときに、前記切替弁の中空内径側の面と該封止部材の外径側の面が相対向することを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。

請求項4

前記切替弁は、絶縁ノズル側の面が円錐状または円弧状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のガス遮断器。

請求項5

前記仕切り部材の外周側空間に配置した逆止弁の開放時に、該逆止弁が前記仕切り部材の機械パッファ室側端部と密着することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガス遮断器。

請求項6

前記熱パッファ室において、仕切り部材の外周側空間にアブレーション効果を有する高分子材料を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のガス遮断器。

技術分野

0001

本発明はパッファ形ガス遮断器係り、特に、機械的な圧縮作用アーク熱による加熱昇圧作用を利用した遮断器に関するものである。

背景技術

0002

熱パッファ併用形ガス遮断器は、大電流遮断に適しており、電圧の高い系統に使用することができる。その反面、中小電流の遮断が難しいといった問題があった。そのため近年、パッファ形ガス遮断器を用いて大電流のみならず中小電流の遮断をも可能とする試みが行われている。

0003

下記特許文献1には小電流から大電流に至るまで遮断することを目的とするガス遮断器が開示されている。特許文献1、図3に示すガス遮断器(以下、従来例という。)を図8に示す。

0004

従来例の熱的昇圧室101には、この室内を主空間101aと従空間101bに分割する分割部材102が、熱的昇圧室101の中心軸と同心円上に配置されている。主空間101aはアーク空間側につながるガス流路103と、隔壁104の開口部104aを経て機械的圧縮室105と空間的に接続されている。

0005

この主空間101aは、中小電流遮断時にもアークエネルギーによって昇圧可能な体積を持つ大きさに設定されている。分割部材102のフランジ106側端部近傍には連通部102aが、隔壁104端部近傍には連通部102bがそれぞれ設けられている。

0006

大電流遮断時には、アーク空間で生じた高温高圧ガスが主空間101aを通り、その圧力により逆止弁107を押すことで開口部104aを閉状態とする。その後、高温高圧のガスは、連通部102bを介して従空間101b内部をノズル方向に流れる。

0007

その際、該高温高圧のガスは、従空間101b内部に存在した比較的低温のガスと混ざり合う。これにより比較的低温となった上記ガスは、連通部102aから開口部106aを介し、ガス流路103を通ってアークに吹き付けられる(以下、この現象サーキュレーション効果という。)。つまり、従来例では、大電流遮断時の吹き付けガスの温度を比較的に低温にすることで遮断性能を向上することをねらっている。

0008

また、中小電流遮断時には、主空間101aの圧力が電流零点近傍で次第に低下し、機械圧縮室105の圧力を下回るため、逆止弁107は開状態となる。これによって、機械圧縮室105から熱的昇圧室101の主空間101aへ流れるガス流が生じることが想定される。

0009

連通部102a、102bの断面積の和をガス流路の開口部106aの断面積よりも小さくすることで、連通部102a、102bにかかる圧力を上昇させ、ガス流が主空間101aのみに生じることで従空間101b側へガス流が分流することを防ぎ圧力低下を低減することをねらっている。

0010

しかし、従来例には次の問題点がある。大電流遮断時において、連通部102a、102bの断面積の和をガス流路の開口部106aの断面積よりも小さくすることで、連通部102a、102bにかかる圧力が上昇し、ガスが連通部102bからうまく流入せず、サーキュレーション効果が達成できないおそれがある。

0011

仮に、アークにより生じた高温高圧のガスが連通部102bから従空間101b側に流入したとしても、連通部102aの断面積が小さいため、連通部102aから流出するガスの量が著しく低減するおそれがある。

0012

また、連通部102aからガスが流出したとしても、その流出したガスはガス流路103方向のみならず主空間101a方向へも流れるため、ガス流路103方向に流れるガスの量は更に減少する。このため従来例ではサーキュレーション効果が弱まり、消弧性能も悪いという問題がある。

0013

また、中小電流遮断時には、機械圧縮室105から熱的昇圧室101の主空間101aへ流れるガス流が、連通部102aまたは連通部102bから従空間101bに流入するおそれがあり、ガスの分流を低減する効果が得られないおそれがある。

先行技術

0014

特開2009−99499号公報

発明が解決しようとする課題

0015

本発明はこれらの問題を解決するためのものである。すなわち、本発明の目的は、大電流遮断時には、サーキュレーション効果を確実に実現することで、比較的低温のガスをアークに吹き付けること、および、ガスの流路外周側空間62から内周側空間61に向かうようにすることでガス流の勢いをなるべく維持したままアークに吹き付けることを実現し、消弧性能を向上させることである。さらに、中小電流遮断時においても、ガスの分流を確実に防止することにより消弧性能を向上させることである。

課題を解決するための手段

0016

上記課題を解決するために、請求項1に係るガス遮断器は、消弧性ガス充填した容器内に、離合可能な一対の主接触子と、固定アーク接触子と、前記固定アーク接触子と離合可能な可動アーク接触子と、前記固定アーク接触子と前記可動アーク接触子を包囲する絶縁ノズルと、前記固定アーク接触子と前記可動アーク接触子が開離したときに、絶縁ノズル内の前記両アーク接触子間に形成されるアーク空間と、前記アーク空間においてアーク熱により圧力が上昇した消弧性ガスを導き入れる熱パッファ室と、前記熱パッファ室に直列に設けられ、機械的圧縮により圧力を上昇させる機械パッファ室と、を有するガス遮断器において、前記熱パッファ室を径方向に分割する仕切り部材を該熱パッファ室に設け、前記仕切り部材の絶縁ノズル側端部及び機械パッファ室側端部にはそれぞれ開口部を設け、前記アーク空間の圧力が上昇した時には、前記仕切り部材の内周側流路閉鎖しかつ前記絶縁ノズル側端部を開放し、前記アーク空間の圧力が低下した時には、前記仕切り部材の内周側流路を開放しかつ前記絶縁ノズル側端部を閉鎖するためのガス流制御手段を設け、前記熱パッファ室と前記機械パッファ室の間で前記仕切り部材の外周側空間に開口部と可動弁を配置し、前記可動弁は、前記アーク空間の圧力が上昇した時には、前記開口部を閉鎖し前記仕切り部材の外周側空間と内周側空間を連通し、前記機械パッファ室の圧力が上昇したときには前記開口部を開放し前記仕切り部材の内周側への流路を形成することを特徴とする。

0017

また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のガス遮断器において、前記ガス流制御手段は、前記仕切り部材の絶縁ノズル側開口部を閉鎖する面と前記仕切り部材の内周側空間を閉鎖する面を有し、前記仕切り部材の内周面に沿って摺動する切替弁で構成することを特徴とする。

0018

また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のガス遮断器において、前記ガス流制御手段は、絶縁ノズル側端部の内周側に切り欠き部を設けた前記仕切り部材と、前記切り欠き部を軸方向に摺動する切替弁と、前記熱パッファ室の内壁と前記切替弁の間の流路を閉塞するように径方向に配置された封止部材とにより構成され、前記切替弁が前記切り欠き部の機械パッファ室側端部に係止するときに、前記切替弁の中空内径側の面と該封止部材の外径側の面が相対向することを特徴とする。

0019

上記構成において、仕切り部材に設けられた切り欠き部には円筒状の切替弁が緩嵌合し、仕切り部材の内周面に沿って該切替弁が軸方向に摺動する。

0020

また、請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のガス遮断器において、前記切替弁は、絶縁ノズル側の面が円錐状または円弧状であることを特徴とする。

0021

上記において、「絶縁ノズル側の面」とは、円筒状の切替弁の内径側の面と絶縁ノズル側の面とを結び、アーク空間で生じたアークからの圧力を受ける面をいう。「絶縁ノズル側の面が円錐状」とは、絶縁ノズル側の面の形状が、該切替弁の中心軸の機械パッファ室側延長上に頂点を有する円錐の側面の一部であることをいう。「絶縁ノズル側の面が円弧状」とは、絶縁ノズル側の面の形状が、該切替弁の中心軸上に頂点を有する円弧の側面の一部であることをいう。

0022

また、請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のガス遮断器において、前記仕切り部材の外周側空間に配置した逆止弁の開放時に、該逆止弁が前記仕切り部材の機械パッファ室側端部と密着することを特徴とする。

0023

また、請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のガス遮断器において、前記熱パッファ室において、仕切り部材の外周側空間にアブレーション効果を有する高分子材料を設けたことを特徴とする。

発明の効果

0024

請求項1及び2に記載のガス遮断器によれば、ガス流制御手段を用いることで、大電流遮断時に以下の効果が得られる。

0025

開極動作に伴い、アークが生じることで、アーク空間に高温高圧の消弧性ガスが生じる。この消弧性ガスが、熱パッファ室の仕切り部材の外周側空間に導かれ、外周側空間に存在する低温の消弧性ガスと混ざり合うことで比較的に低温の消弧性ガスとなる。

0026

その後、アークが収縮することでアーク空間の圧力が低下し、この影響を受けた整流手段の動作により仕切り部材の内周側流路が形成される。比較的低温となった消弧性ガスは内周側流路を介して、ガスの流勢を維持したままアークに吹き付けられる。このサーキュレーション効果を確実に実現することで消弧性能を向上させることができる。

0027

また、中小電流遮断時においては以下の効果が得られる。機械パッファ室の圧力が上昇することで、仕切り板の外周側空間に配される可動弁が動作し、機械パッファ室から熱パッファ室に流入する消弧性ガスが仕切り部材の外周側空間へ分流することを確実に防止することが可能となり、消弧性能を向上させることができる。

0028

なお、上記可動弁は、大電流遮断時には、熱パッファ室と機械パッファ室の間の開口部を封止する逆止弁の役目を有し、小電流遮断時においては、機械パッファ室から流入する低温の消弧性ガスを仕切り部材の内周側空間へ導く切替弁の役目を有する。

0029

請求項3に記載のガス遮断器によれば、切替弁と封止部材の軸方向の重なりが無くなるため、流体抵抗を減少させることが可能となる。これにより、消弧性ガスをより効率よくアークに吹きつけることが可能となる。

0030

請求項4に記載のガス遮断器によれば、切替弁の絶縁ノズル側の面が流体摩擦を低減するために円錐状または円弧状に構成されているので、消弧性ガスを効率よく仕切り部材の外周側空間へ流入させることが可能となる。

0031

請求項5に記載のガス遮断器によれば、中小電流遮断時において、機械パッファ室と熱パッファ室間の差圧により逆止弁が前記仕切り部材方向に変位する。該逆止弁は機械パッファ室側端部と密着することで外周側空間と内周側空間を分断する。これにより、消弧性ガスが外周側空間に分流することを防ぐことが可能となる。機械パッファ室からの消弧性ガスはその流勢を維持したまま内周側空間のみを経てアーク空間へ吹き付けられる。これによって中小電流遮断時における消弧性能を向上することが可能となる。

0032

請求項6に記載のガス遮断器によれば、熱パッファ室内に流入する高温の消弧性ガスを、アブレーション効果を有する高分子材料に直接接触させることができる。これにより効率よく熱パッファ室内の圧力を上昇させ、より高い遮断性能を得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0033

実施例1における、アーク発生前の熱パッファ室の状態を示す断面図である。
実施例1における、アーク発生時の熱パッファ室の状態を示す断面図である。
実施例1における、消弧性ガス吹付け時の熱パッファ室の状態を示す断面図である。
実施例2に示す、ガス流制御手段の一例を示す断面拡大図である。
本発明における切替弁の実施形態を示す断面拡大図である。
実施例3に示す、消弧性ガス吹付け時の熱パッファ室の状態を示す断面図である。
実施例4に示す、アーク発生時の熱パッファ室の状態を示す断面図である。
従来例の遮断部の断面図である。

0034

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記実施形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜変更して実施することも可能である。

0035

図1は本発明が適用される実施形態1のガス遮断器の遮断部の断面図である。熱パッファ室21には容積可変の機械パッファ室32が隔壁17を介して直列に配置されている。熱パッファ室21内には、熱パッファ室21を径方向に区分する円筒状の仕切り部材41が配される。

0036

該仕切り部材41は、例えば、以下の構成を有する。熱パッファ室21と同軸上に配され、熱パッファ室21を径方向に二分する円筒状の部材を用い、この円筒状部材の外周を90度間隔で4等分する任意の箇所に該円筒状部材の軸方向に沿ってシリンダ15の内周まで延びる支持部材(不図示)を設ける。

0037

上記の支持部材を有する仕切り部材41をシリンダ15の内周面に嵌合させることで熱パッファ室21内に固定する。なお、該支持部材を有する仕切り部材41は遮断部の軽量化のためアルミ製とするのが好ましい。アルミ製とすることで、熱パッファ室21に流入する高温高圧の消弧性ガスを冷却する効果も期待できる。さらに、仕切り部材41の両端には開口部53、54を設け、仕切り部材41の内周側空間61と外周側空間62を連通する。

0038

熱パッファ室21の絶縁ノズル14側には切替弁42、封止部材43を配置する。封止部材43は円盤状で、中空ロッド16の外周かつ仕切り部材41の開口部53よりも機械パッファ室32側に固定される。切替弁42は、封止部材43の外径よりも小径中空部を有する円筒状であって、封止部材43に係止する。また、切替弁42の円筒外周面は、仕切り部材41の内周面と緩嵌合し、仕切り部材41の内周面をガイドとして軸方向に摺動可能である。

0039

図2に示すように、アーク空間31にアークが生じ、この部分のガス圧が上昇した時には、アーク空間31と熱パッファ室21の圧力差により、切替弁42が封止部材43方向に変位し、流路51を塞ぎ、開口部53を開放する。

0040

このように、切替弁42および封止部材43は、可動アーク接触子11と固定アーク接触子12が開極状態となったときに、熱パッファ室21内に生じる消弧性ガスの流路を制御し、外周側空間62へ導くためのガス流制御手段として機能する。

0041

この他に、熱パッファ室21と機械パッファ室32を隔てる隔壁17が中空ロッド16の外周に設けられる。また、熱パッファ室21と機械パッファ室32を繋ぐ連通部18と、該連通部を開閉する可動弁23は、仕切り部材41の外周側空間62側の機械パッファ室32寄りに配される。

0042

可動弁23は円盤状であって、中空部を有する。該中空部は、仕切り部材41の外径及び隔壁17の外径よりも小径である。可動弁23はシリンダ15の内周面をガイドとして、仕切り部材41と隔壁17の間を軸方向に摺動可能である。

0043

図2に示すように、アークが生じアーク空間31内のガス圧が上昇したときには、熱パッファ室21と機械パッファ室32の圧力差により、可動弁23は機械パッファ室32よりに変位して連通部18を閉塞する。

0044

一方、図3に示すように、遮断動作が進み、機械パッファ室32内の圧力が上昇したときには、熱パッファ室21と機械パッファ室32の圧力差により、可動弁23が仕切り部材41方向に変位する。本実施例においては、可動弁23が仕切り部材41に接する前にストッパー63に係止する。よって、可動弁23は仕切り部材41とは接触せず、その間に空間を有する。

0045

以下、大電流遮断時における動作について説明する。図1に示すように、電流遮断時に操作器により中空ロッド16が駆動されると、可動アーク接触子11、可動子カバー13、絶縁ノズル14、シリンダ15、隔壁17が紙面左に向かって変位し、開極状態となる。このとき、可動アーク接触子11と固定アーク接触子12の間に形成されるアーク空間31にアークが発生する。

0046

大電流遮断時には、電流が波高値まで大きくなるにつれて、アーク空間31に存在する消弧性ガスは圧力が上昇するとともに高温になる。図2に示すように、この消弧性ガスは連通部22を介して熱パッファ室21内へ高速で流入する。

0047

図2に示すように、熱パッファ室21内の切替弁42は、流入する消弧性ガスの動圧を受けて、仕切り部材41に沿って紙面左方向に動作し、封止部材43に押しつけられる。このとき、仕切り部材41と封止部材43間の流路51が閉塞され、同時に、仕切り部材41の開口部53は開放される。これにより、熱パッファ室21内に高速に流入した高温の消弧性ガスは、仕切り部材41の内周側空間61へは流入せずに、流路53を通り、仕切り部材41の外周側空間62へと流入する。

0048

これにより熱パッファ室21内にアークの熱エネルギーが取り込まれ、熱パッファ室21内の消弧性ガスが加熱され、熱パッファ室21内の圧力が急速に上昇する。このとき、熱パッファ室21と機械パッファ室32との間に圧力差が生じ、可動弁23には機械パッファ室32方向への力が作用し、連通部18が閉ざされる。

0049

一方で、閉極状態より熱パッファ室21内に存在する比較的低温の消弧性ガスは、熱パッファ室21の外周側空間62内に流入してきた高温の消弧性ガスにより、仕切り部材41と可動弁23の間の空間を介して内周側空間61に流入する。

0050

そして、図3に示すように、電流零点が近づくと、アークが収縮し、アーク空間31の圧力は低下し、切替弁42の連通部22側空間の圧力も低下する。すると、切替弁42は、切替弁42の熱パッファ室21側と連通部22側の差圧によって、連通部22側へと動作する。これによって、封止部材43と仕切り部材41間の流路51、及び封止部材43と切替弁42間の流路52が形成される。この流路51、52を介して、比較的低温の消弧性ガスが熱パッファ室21から連通部22を通り、アークへ吹き付けられる。

0051

以上のように、アークに吹き付けられる消弧性ガスは比較的低温であるため、アーク冷却効果が高まり、大電流遮断時において高い遮断性能を得ることができる。さらに、切替弁42一つのみで消弧性ガスの流路を確実に切り替えることが可能であり、簡便な構造で動作安定性の高い構造を実現することが可能となる。

0052

なお、本実施例の切替板42は、図5(a)ないし(c)に示す形状を有するのが望ましい。図5(a)は切替弁42の内周面42aを円錐状にしたものである。図5(b)は切替弁42の内周面42aを円弧状にしたものである。

0053

これらの断面形状は消弧性ガスのガイドの機能を果たすので、消弧性ガスを効率よく仕切り部材41の外周側空間62へと導くことが可能である。各辺の寸法または円弧状部分曲率は適宜変更可能である。

0054

また、図5(c)に示す切替弁の例は、図5(a)(b)の切替弁において、封止部材43に接する面42bと仕切り板41に接する面42cからなる角を湾曲としたものである。この形状を選択することで、切替弁42の中心軸が中空ロッド16の中心軸に対して傾きが生じた場合でも、切替弁42はスムーズに動作することが可能である。各辺の寸法または湾曲部の曲率は適宜変更可能である。

0055

さらに、切替弁42と封止部材43を復帰ばね(不図示)で連結し、切替弁42と封止部材43が密着する構造とした場合には、電流遮断時に流入する消弧性ガスが、内周側空間61へ流入するのを低減し、より確実に消弧性ガスを外周側空間62へと導くことが可能となる。

0056

次に、中小電流遮断時の動作について説明する。中小電流遮断時においては、熱パッファ室21の圧力上昇は大電流遮断時ほど大きくないため、熱パッファ室21と機械パッファ室32との圧力は均衡する。そのため、図3に示すように、可動弁23は連通部18を閉塞しない。電流零点近傍では、遮断動作により機械パッファ室32が圧縮され圧力が上昇しているため、熱パッファ室21の圧力は機械パッファ室32の圧力と比較して低い状態となる。

0057

そのため、図3に示すように、可動弁23が仕切り部材41方向に動作し、機械パッファ室32から熱パッファ室21に低温の消弧性ガスが流入する。機械パッファ室32より熱パッファ室21に流入した消弧性ガスは、可動弁23と仕切り部材41間の間隙狭小であるため、仕切り部材41の外周側空間62にはほとんど流れない。

0058

さらに、電流零点近傍では、アーク空間31の圧力が低下しているため、切替弁42の熱パッファ室21側と連通部22側の差圧によって、切替弁42は連通部22側へと動作する。これにより、機械パッファ室32内の低温の消弧性ガスを仕切り部材41の内周側空間61および連通部22を通してアークに吹き付けることが可能となる。

0059

さらに、可動弁23と仕切り部材41間に空間を有することで、外周側空間62に滞留している消弧性ガスを内周側空間61に取り込めるため、長い時間にわたって消弧性ガスをアークに吹き付けることが可能となる。

0060

なお、隔壁17、可動弁23、切替弁42及び封止部材43はその角に曲率を持たせるなど、流体抵抗を低減する形状とすることで、消弧性ガス流をアークに対してより効率よく吹き付けることが可能となる。

0061

図4(a)(b)に本発明のガス遮断器に用いられるガス流制御手段の他の例を示す。この例では、仕切り部材41の連通部22側端部の内周側に切り欠きを設け、前記切替弁42と熱パッファ室21の中心軸方向の内壁との間の流路を閉塞するように封止部材43を配置する。切替弁42が前記切り欠き部の機械パッファ室32側端部に係止するときに、切替弁42に設けられた略円形状の中空の内径側の面と略円形状の封止部材43の外径側の面が相対向するように構成する。

0062

図4(a)は消弧性ガスが熱パッファ室21内に流入したときのガス流制御手段周辺の拡大図である。このとき、切替弁42が連通部22とは反対側に動作し、封止部材43の外径側の面と切替弁42の中空の内径側の面が相対向する。これにより、消弧性ガス流入時には、切替弁42と封止部材43の間の流路を閉塞し、開口部53を開放する。

0063

図4(b)は消弧性ガス吹付け時のガス流制御手段の断面拡大図である。切替弁42が連通部22側に変位すると、仕切り部材41、切替弁42、封止部材43の間に流路51を形成する。

0064

図1ないし図3に示す切替弁と比較すると、図4(a)(b)に示すガス流制御手段を用いれば、切替弁42と封止部材43の軸方向の重なりが無くなるため、流体抵抗を減少させ、消弧性ガスをより効率よくアークに吹き付けることが可能となる。

0065

また、ガス流制御手段の切替弁42としては、図5(a)および(b)に示した形状を有する切替弁を用いるのが望ましい。これらを用いることで、消弧性ガスを効率よく仕切り部材41の外周側空間62へと導くことが可能である。

0066

図6は本発明が適用される実施形態3のガス遮断器の遮断部の断面である。この実施の形態は実施形態1において、可動弁23が開状態にある時、可動弁23と仕切り部材41が密着することで外周側空間62が内周側空間61から分断されるものである。

0067

中小電流遮断時においては、熱パッファ室21の圧力の上昇は大電流遮断時ほど大きくないため、機械パッファ室32と熱パッファ室21の圧力は均衡する。そのため、可動弁23は連通部18を閉塞しない。

0068

電流零点近傍では、遮断動作により機械パッファ室32が圧縮される。これにより機械パッファ室32の圧力が上昇し、熱パッファ室21内の圧力が機械パッファ室32内の圧力と比較して低くなる。そのため可動弁23が仕切り弁41方向に移動し、機械パッファ室32から熱パッファ室21に低温の消弧性ガスが流入する。

0069

このとき、可動弁23と仕切り部材41は密着するため、仕切り部材41の外周側空間62と内周側空間61の流路は閉塞される。これにより、機械パッファ室32より流入した消弧性ガスは、仕切り部材41の外周側空間62には流れず、内周側空間61へと流れ込む。

0070

また、仕切り部材41の外周側空間62と内周側空間61の流路が閉塞されることで、外周側空間62に滞留しているガスが内周側空間61に流入するのを防ぐことができる。外周側空間62内の消弧性ガスは、機械パッファ室32から流入する消弧性ガスと比較すると高温である。このため、外周側空間62内の消弧性ガスの混入を防ぐことで機械パッファ室32から流入する消弧性ガスを低温のままアークに吹き付けることが可能となる。したがって、本実施例によれば、中小電流遮断時においても、高い遮断性能を得ることが可能となる。

0071

図7は本発明の実施形態4に適用されるガス遮断器の遮断部の断面である。この実施の形態は実施形態1において、熱パッファ室21内の仕切り部材41の外周側空間62にアブレーション効果を有する高分子材料71を配置したものである。

実施例

0072

この実施の形態によれば、熱パッファ室21内に流入する高温の消弧性ガスを、四フッ化エチレン樹脂などの高分子材料に直接接触させることができ、効率よく圧力を上昇させ、より高い遮断性能を得ることが可能である。

0073

11可動アーク接触子
12固定アーク接触子
13可動子カバー
14絶縁ノズル
21 熱パッファ室
23可動弁
31アーク空間
32機械パッファ室
41仕切り部材
42切替弁
43封止部材
61内周側空間
62外周側空間
71 高分子材料

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社日立製作所の「 ガス遮断器」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 本発明は、電流を遮断する際に発生するアークにより発生し、導電性異物を含有する高温高圧ガスが、排気シャフトを介して絶縁支持筒が設置される空間に排気されることを抑制する、いわゆる対地絶縁性能を... 詳細

  • 株式会社日立製作所の「 ガス遮断器」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 本発明は、絶縁協調を悪化させることなく、固定側アーク接触子の電界を緩和することにより、進み小電流の遮断性能を向上させるガス遮断器を提供する。【解決手段】 本発明のガス遮断器は、絶縁ガスが... 詳細

  • 株式会社日立製作所の「 ガス遮断器及びガス遮断器におけるストローク測定用センサヘッドの固定冶具締結方法」が 公開されました。( 2020/09/17)

    【課題】双方向駆動機構が適用されたものであっても、被駆動側電極のストローク特性の測定手段を容易に着脱可能とする。【解決手段】駆動側主電極と駆動側アーク電極から成る駆動側電極と、被駆動側主電極と被駆動側... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ