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技術 階段状構築物の施工方法およびその施工方法で構築された階段状構築物

出願人 増田広利徳岡隆夫佐々木孝
発明者 増田広利徳岡隆夫佐々木孝
出願日 2011年10月25日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2011-233622
公開日 2012年4月12日 (7年7ヶ月経過) 公開番号 2012-072651
状態 特許登録済
技術分野 護岸 建築物の階段
主要キーワード 傾斜面領域 棒状金具 平坦面領域 型枠成型 縦辺長 横方向領域 組立設置 突出度合い
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年4月12日)のものです。
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図面 (11)

課題

作業者熟練度合いを問わず安全かつ容易な施工が可能で、工期の短縮化及びコスト低廉が図れる階段状構築物施工方法及びその施工方法で構築された階段状構築物を提供する。

解決手段

所定勾配下地造成する下地造成工程と、下地上に高さ調整部材を介してブロック構造体を仮置きし、ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、下地上に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリート流し込むコンクリート打設工程とを含み、ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていく。

概要

背景

例えば、海岸などの周囲には、階段状の護岸構築されているところがある。このような階段状の護岸は、護岸としての役割の他、例えば次のような役割を有している。
(1)階段に腰掛けて夕日を観賞する。
(2)海や湖などで行われる水上スポーツを階段に腰掛けて観戦する。
(3)階段状であるため水辺近くまで降りて水遊び釣りをすることができる。
(4)水辺まで容易に近づけるため、水面に浮遊するゴミなどを容易に除去し得る。また、ゴミなどの浮遊物が目に付き易くなることから、近隣住民や遊びに来た者たちが積極的にゴミ除去をするようになり、海や湖などの清浄化にもつながる。
このようなことから、昨今、階段状の護岸が多く構築される状況にある。

従来、階段状の護岸は、一般的には、合板や木材を加工した型枠生コンクリート投入打設して現場施工によって造られていた。
図10(b)は従来工法の一例の概略工程を示すフロー図である。

(a)まず、施工面の堀削、基面整正し、その後、基礎砕石裏込め・敷均し・転圧し、そして砕石押えコンクリート(均しコンクリート)を打ち込んで押えコンクリート面を形成する。次に、数日掛けてこの押えコンクリート面を養生する(下地造成工程)。
(b)そして、この下地造成工程を終えた段階で、下地上の所定領域に型枠を組み立て設置する(型枠組立設置工程)。
(c)そして次に、型枠で形成した空間に生コンクリートを投入打設する(コンクリート投入打設工程)。
(d)そして、数日掛けてこの型枠内のコンクリートを養生する(コンクリート養生工程)。
(e)次に、このコンクリート養生工程を終えた段階で、型枠を撤去する(型枠撤去工程)。
(f)そして、その後、前記工程で成形したコンクリート製の階段に切石を貼り付ける(圧着する)(切石貼り付け工程)。
(g)そして数日掛けてこの切石の圧着を養生して施工全体の完成となる(切石圧着養生工程)。

従来のこのような工法を用いて、例えば法長5.16m
階段幅1.5mの階段状構築物(階段状護岸)を完成させるには、約11日程度の日数を要していた。
内訳は、下地造成工程で1日、型枠組立設置工程で1日、コンクリート投入打設工程で1日、コンクリート養生工程で3日、型枠撤去工程で半日、切石貼り付け工程で1.5日、切石圧着養生工程で3日である。

ここでこの従来の現場施工工法における課題を説明する。
(1)施工期間が長期にわたるという課題がある。すなわち、型枠の組み立て・据付の工程と、型枠内への生コンクリート投入打設工程と、コンクリート養生工程と、型枠の撤去工程などを要することが施工期間の長期化につながっている。また、このような現場施工の場合、天候にも左右され易いということが長期化の要因となっている。すなわち、降雨降雪あるいは悪天候などの場合には、生コンクリートの投入打設工程・養生工程ができなかった。また、切石の圧着作業は、景観維持あるいは景観向上のため、コンクリート製の階段状護岸にあっては必要であったが、この作業も容易ではなく熟練を要するとともに、綺麗に張るのは熟練者であっても容易ではなかった。
(2)施工期間が長期化することにより、現場作業員などの給与現場事務所などの経費光熱費・食費等)などが嵩み、結果的にコスト高を招くという課題もある。
(3)施工期間中、現場周辺への立ち入り制限をするため、工期が長引くと、周辺住民観光客など周辺に与える影響が大きいという課題がある。また、施工により生じる騒音・現場周辺の汚れ・安全性なども周辺に与える影響として大きいものである。
(4)型枠大工と言われる熟練した技能者を必要とするためコスト高を招くという課題がある。また、切石の圧着作業にも技能者を要し、かつ作業に手間を要するためコスト高の要因の一つであった。
(5)また、型枠大工と言われる熟練した技能者の高齢化、及び「きつい、汚い、危険」との土木現場の悪印象から、後継者不足労働者減少という問題も発生している。
(6)この工法で使用される型枠の大部分は構築物完成後、廃棄処分されていたのが現状である。しかし、昨今の地球温暖化対策環境保全の声が高まる中、このような合板や木材からなる型枠の使用が抑制されてきていることも課題の一つである。

そこで、このような種々の課題が発生していることを契機として、現在、上述した現場施工の構築物から、工場生産コンクリート製ブロックや自然石を加工した石製ブロックなどを現場で据付ける工法が提案されている。

このようなコンクリート製ブロックや石製ブロック(以下、これらを総称して単にブロックとも言う。)などを現場で据付ける工法の一例として、特許文献1に開示の工法が知られている。

概要

作業者熟練度合いを問わず安全かつ容易な施工が可能で、工期の短縮化及びコスト低廉がれる階段状構築物の施工方法及びその施工方法で構築された階段状構築物を提供する。所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、下地上に高さ調整部材を介してブロック構造体を仮置きし、ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、下地上に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていく。

目的

しかし、昨今の地球温暖化対策や環境保全の声が高まる中、このような合板や木材からなる型枠の使用が抑制されてきていることも課題の一つである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材突設したブロック構造体所定数準備する工程と、所定の造成領域に所定勾配下地を造成する下地造成工程と、前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリート流し込むコンクリート打設工程とを含み、前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、前記コンクリート打設工程は、ブロック構造体の一段に対するブロック構造体据付工程を終えた毎に施工することを特徴とする階段状構築物施工方法

請求項2

底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材を突設したブロック構造体を準備する工程と、所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、前記コンクリート打設工程は、所定数のブロック構造体を下地上に据付ける全てのブロック構造体据付工程を終えた後に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法。

請求項3

下地造成工程は、施工領域整地してなる整地面と、該整地面上に砕石を敷設してなる砕石面と、該砕石面上に形成する押えコンクリート面で構成された下地を造成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の階段状構築物の施工方法。

請求項4

ブロック構造体据付工程は、高さ調整部材で、下地の上面に仮置きしたブロック構造体の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。

請求項5

ブロック構造体据付工程は、下段に配したブロック構造体の平面部上に、上段に仮置きしたブロック構造体の底面部を載せて所定方向に移動させることで前記下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法広狭調整する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。

請求項6

ブロック構造体は、自然石を切断加工してなる石製ブロックであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。

請求項7

石製ブロックは、浸透性水質浄化作用を有する自然石からなることを特徴とする請求項6に記載の階段状構築物の施工方法。

請求項8

石製ブロックは、縁部領域面取り加工し、左右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、水通路が形成されることを特徴とする請求項7に記載の階段状構築物の施工方法。

請求項9

請求項1乃至8のいずれかに記載の施工方法によって構築されたことを特徴とする階段状構築物。

請求項10

海、河川若しくは池の周辺に構築される階段状の護岸であることを特徴とする請求項9に記載の階段状構築物。

技術分野

0001

本発明は、屋内外構築する階段状構築物施工方法と、その施工方法で構築された階段状構築物、詳しくは、例えば海・河川・池などの周囲に設置する階段状の護岸や、階段状の法面、あるいは屋内外の劇場競技場などに構築される階段状の観客席などの階段状の構築物施工する方法とその方法により構築される階段状構築物に関する。

背景技術

0002

例えば、海岸や湖などの周囲には、階段状の護岸が構築されているところがある。このような階段状の護岸は、護岸としての役割の他、例えば次のような役割を有している。
(1)階段に腰掛けて夕日を観賞する。
(2)海や湖などで行われる水上スポーツを階段に腰掛けて観戦する。
(3)階段状であるため水辺近くまで降りて水遊び釣りをすることができる。
(4)水辺まで容易に近づけるため、水面に浮遊するゴミなどを容易に除去し得る。また、ゴミなどの浮遊物が目に付き易くなることから、近隣住民や遊びに来た者たちが積極的にゴミ除去をするようになり、海や湖などの清浄化にもつながる。
このようなことから、昨今、階段状の護岸が多く構築される状況にある。

0003

従来、階段状の護岸は、一般的には、合板や木材を加工した型枠生コンクリート投入打設して現場施工によって造られていた。
図10(b)は従来工法の一例の概略工程を示すフロー図である。

0004

(a)まず、施工面の堀削、基面整正し、その後、基礎砕石裏込め・敷均し・転圧し、そして砕石押えコンクリート(均しコンクリート)を打ち込んで押えコンクリート面を形成する。次に、数日掛けてこの押えコンクリート面を養生する(下地造成工程)。
(b)そして、この下地造成工程を終えた段階で、下地上の所定領域に型枠を組み立て設置する(型枠組立設置工程)。
(c)そして次に、型枠で形成した空間に生コンクリートを投入打設する(コンクリート投入打設工程)。
(d)そして、数日掛けてこの型枠内のコンクリートを養生する(コンクリート養生工程)。
(e)次に、このコンクリート養生工程を終えた段階で、型枠を撤去する(型枠撤去工程)。
(f)そして、その後、前記工程で成形したコンクリート製の階段に切石を貼り付ける(圧着する)(切石貼り付け工程)。
(g)そして数日掛けてこの切石の圧着を養生して施工全体の完成となる(切石圧着養生工程)。

0005

従来のこのような工法を用いて、例えば法長5.16m
階段幅1.5mの階段状構築物(階段状護岸)を完成させるには、約11日程度の日数を要していた。
内訳は、下地造成工程で1日、型枠組立設置工程で1日、コンクリート投入打設工程で1日、コンクリート養生工程で3日、型枠撤去工程で半日、切石貼り付け工程で1.5日、切石圧着養生工程で3日である。

0006

ここでこの従来の現場施工工法における課題を説明する。
(1)施工期間が長期にわたるという課題がある。すなわち、型枠の組み立て・据付の工程と、型枠内への生コンクリート投入打設工程と、コンクリート養生工程と、型枠の撤去工程などを要することが施工期間の長期化につながっている。また、このような現場施工の場合、天候にも左右され易いということが長期化の要因となっている。すなわち、降雨降雪あるいは悪天候などの場合には、生コンクリートの投入打設工程・養生工程ができなかった。また、切石の圧着作業は、景観維持あるいは景観向上のため、コンクリート製の階段状護岸にあっては必要であったが、この作業も容易ではなく熟練を要するとともに、綺麗に張るのは熟練者であっても容易ではなかった。
(2)施工期間が長期化することにより、現場作業員などの給与現場事務所などの経費光熱費・食費等)などが嵩み、結果的にコスト高を招くという課題もある。
(3)施工期間中、現場周辺への立ち入り制限をするため、工期が長引くと、周辺住民観光客など周辺に与える影響が大きいという課題がある。また、施工により生じる騒音・現場周辺の汚れ・安全性なども周辺に与える影響として大きいものである。
(4)型枠大工と言われる熟練した技能者を必要とするためコスト高を招くという課題がある。また、切石の圧着作業にも技能者を要し、かつ作業に手間を要するためコスト高の要因の一つであった。
(5)また、型枠大工と言われる熟練した技能者の高齢化、及び「きつい、汚い、危険」との土木現場の悪印象から、後継者不足労働者減少という問題も発生している。
(6)この工法で使用される型枠の大部分は構築物完成後、廃棄処分されていたのが現状である。しかし、昨今の地球温暖化対策環境保全の声が高まる中、このような合板や木材からなる型枠の使用が抑制されてきていることも課題の一つである。

0007

そこで、このような種々の課題が発生していることを契機として、現在、上述した現場施工の構築物から、工場生産コンクリート製ブロックや自然石を加工した石製ブロックなどを現場で据付ける工法が提案されている。

0008

このようなコンクリート製ブロックや石製ブロック(以下、これらを総称して単にブロックとも言う。)などを現場で据付ける工法の一例として、特許文献1に開示の工法が知られている。

先行技術

0009

特開2005−256446号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、このような従来のブロック据付工法においても次のような課題を抱えていたものである。
(7)下地が施工基準面よりも高い場合、基準値内にブロックの据付ができないため、施工基準面よりも1cm〜2cm程度低めに下地を仕上げる必要があった。このような仕上げは、熟練した職人による手作業で行われるため、その労力が多大であり、特に真夏の炎天下での施工や、真の寒空の下での施工にあっては大変な作業を強いられることとなっていた。
(8)また、従来、この種の工法の場合、下地の仕上げによって工事の出来不出来が左右されるものであった。従って、現場作業では、下地が可能な限り平滑・平面となるように、木鏝金鏝などで丁寧に仕上げる必要性があり、多くの時間と労力が強いられていた。さらに、このような作業はある程度の技術を有する者でなければできず、作業者が限定されてしまうという課題も抱えていた。

0011

(9)仮に下地を鏡面のように仕上げることができたとしても、JIS規格では、ブロック自体の控え長(厚さ)の許容誤差が±5mm迄許容されており、ブロックを据付けたとき、隣接するブロックとの間で最大10mmの落差が出来てしまうこととなる。このような落差が隣接するブロックの間で生じてしまうのでは構築物の仕上がり精度が低くひいては、不適格な工事となる虞があった。

0012

(10)楔片などの高さ調整治具基礎コンクリートとブロックとの間に介在させるにあたり、基礎コンクリート上に仮置きしたブロックとの間にバールなどを差し込んで持ち上げたり、数人の作業者が素手で持ち上げたりしていた。
しかし、ブロックは現場での施工を考慮したものではなかったため、ブロックを持ち上げている作業中あるいは楔片を所定位置にかませている作業中に、誤ってブロックが落下してしまうことがあり、作業者の手や足などがブロックの下敷きになって大怪我をすることもあった。

0013

本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的とするところは、作業者の熟練度合いを問わず安全かつ容易な施工が可能で、工期の短縮化及びコスト低廉が図れる階段状構築物の施工方法及びその施工方法で構築された階段状構築物を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

このような目的を達成するために、第1の発明は、底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材突設したブロック構造体所定数準備する工程と、
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
ブロック構造体の一段に対するブロック構造体据付工程を終えた毎に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0015

第2の発明は、底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材を突設したブロック構造体を準備する工程と、
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
所定数のブロック構造体を下地上に据付ける全てのブロック構造体据付工程を終えた後に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0016

第3の発明は、第1又は第2の発明において、下地造成工程は、
施工領域整地してなる整地面と、該整地面上に砕石を敷設してなる砕石面と、該砕石面上に形成する押えコンクリート面で構成された下地を造成する、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0017

第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、ブロック構造体据付工程は、
高さ調整部材で、下地の上面に仮置きしたブロック構造体の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0018

第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、ブロック構造体据付工程は、
下段に配したブロック構造体の平面部上に、上段に仮置きしたブロック構造体の底面部を載せて所定方向に移動させることで前記下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法広狭調整する工程を含む、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0019

第6の発明は、第1乃至第5のいずれかに記載の発明において、ブロック構造体は、
自然石を切断加工してなる石製ブロックであることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0020

第7の発明は、第6の発明において、石製ブロックは、
浸透性水質浄化作用を有する自然石からなることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0021

第8の発明は、第7の発明において、石製ブロックは、
縁部領域面取り加工し、
右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、水通路が形成されることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。

0022

第9の発明は、第1乃至第8のいずれかの施工方法の発明によって構築されたことを特徴とする階段状構築物としたことである。

0023

第10の発明は、第9の発明の階段状構築物が、海岸、河川、湖若しくは池の周辺に構築される護岸用階段であることを特徴とする階段状構築物としたことである。

発明の効果

0024

本発明によれば、作業者の熟練度合いを問わず安全かつ容易な施工が可能で、工期の短縮化及びコスト低廉が図れる階段状構築物の施工方法及びその施工方法で構築された階段状構築物を提供できた。

図面の簡単な説明

0025

本発明の一実施形態を示す工程概略断面図で、下地造成工程における整地面造成工程と砕石面造成工程を終えた状態である。
本発明の一実施形態を示す工程概略断面図で、砕石面上に押えコンクリート面を造成して下地造成が完成した状態である。
本発明の一実施形態を示す工程概略断面図で、コンクリート製品仮置き工程、コンクリート製品据付工程、コンクリート打設工程を施工している状態である。
本発明の一実施形態を示す工程概略断面図で、完成状態を示す概略断面図である。
(a)は、石製ブロック部の切断加工の一例を示す概略側面図、(b)は高さ調整部材を備える状態を示す概略断面図である。
ブロック構造体の概略斜視図である。
ブロック構造体据付工程において、高さ調整を行っている状態を示す概略断面図である。
ブロック構造体据付工程において、下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法を広狭調整する工程を行っている状態を示す概略断面図である。
隣り合うブロックの接触領域に水通路が形成されている状態を一部拡大して示す概略正面図である。
(a)は本実施例工法の概略工程を示すフロー図、(b)は従来工法の概略工程を示すフロー図である。

0026

以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。本発明は、階段状構築物、例えば、予め準備した所定数の石製ブロックやコンクリート製ブロック(以下、本実施例中では単にブロック構造体とも言う。)を用いて、階段状の護岸や、屋内外の劇場や競技場などに構築される階段状の観客席などを、現場の施工領域に階段状に施工するための工法及びその工法で構築された階段状構築物である。

0027

図1乃至図4は、本発明の施工方法の工程を示す概略断面図、図5及び図6は本発明に用いられるブロック構造体の一例で、図5はブロック構造体の形成についての概略説明図、図6はブロック構造体の概略斜視図、図7は、ブロック構造体据付工程において、高さ調整を行っている状態を示す概略断面図、図8は、ブロック構造体据付工程において、下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法を広狭調整する工程を行っている状態を示す概略断面図、図9は、隣り合うブロックの接触領域に水通路が形成されている状態を一部拡大して示す概略正面図、図10(a)は本発明の施工方法の工程の流れを示す概略フロー図である。

0028

本発明の階段状構築物の施工方法は、図10(a)の概略フロー図に示すように、(1)下地造成工程→(2)ブロック構造体仮置き工程→(3)ブロック構造体据付工程→(4)コンクリート打設工程にて構成されている。
なお、上記(1)乃至(4)に示す現場の施工工程に入る以前に、所定数のブロック構造体8を準備するブロック構造体準備工程が必要であるが、この準備工程は、所定数のブロック構造体8を現場施工に入る以前に準備できていればよいため、その工程の時期は特に限定されない。まず、このブロック構造体準備工程について簡単に説明した後に、図10のフロー図及び図1乃至図9に基づいて上記(1)乃至(4)に示す現場の施工工程を説明する。本実施形態では、海岸や湖岸などに構築される階段状(階段型)護岸の施工方法を一例とする。

0029

「ブロック構造体準備工程」
本実施例で用いられるブロック構造体8は、予め所定の場所で所定の形状に切断加工された石製ブロックが採用されている。

0030

ブロック構造体8は、例えば図5に示すように、自然石を所定大きさの直方体形状の塊1に切り出し、その切り出した自然石の塊1を同一形状・同一体積の二等分に切断加工してなる石製ブロック部9と、該石製ブロック部9の底面部10の所定箇所に、所定の間隔をあけて突状に設けた伸縮可能な複数個の高さ調整部材21で構成されている。

0031

石製ブロック部9の切断加工の一例を、図5(a)をもって説明する。
例えば、直方体形状の自然石の塊1を切り出した後、所定の縦辺長さL1を有する相対向するそれぞれの側面2(本図では側面2と相対向する反対側の側面は見えていない)を、側面視で台形状に二分する傾斜状の境界線5で上下に二等分した同一形状・同一体積の2つのブロックを形成する。

0032

詳しくは、側面2の一方の縦辺3の上隅点a1と下隅点a2との間で、前記下隅点a2寄り切断基準点a3を決め、他方の縦辺4の上隅点b1と下隅点b2との間で、前記上隅点b1寄りに切断基準点b3を決め、前記切断基準点a3とb3をむすぶ傾斜状の境界線5を決定する。この境界線5の傾斜角度は、本実施例では、後述する施工現場の下地の傾斜角度と同等とする。
この側面2と相対向する反対側の側面(本図では見えていない相対向する反対側の側面)の相対向する位置にも同一の傾斜状の境界線を決定する。
すなわち、一方の縦辺3では、上隅点a1から切断基準点a3までの長さをL2、下隅点a2から切断基準点a3までの長さをL3とし、他方の縦辺4では、上隅点b1から切断基準点b3までの長さをL3、下隅点b2から切断基準点b3までの長さをL2としたとき、それぞれL2>L3の関係となるようにする。

0033

そして、相対向する側面2のそれぞれの境界線5に沿って、かつ該側面2に対して垂直に切断刃を入れて切断することで、まず上下に二等分した同一形状・同一体積の2つのブロック7,7を形成する。
そしてその後、上下に二等分したそれぞれのブロック7における側面2の長尺の縦辺3と、境界線5で切断したことで形成された傾斜辺との交点(前記切断基準点a3(他方の縦辺4ではb3)と同じ)から、縦辺3の長さ方向に所定長さ入った位置a4(他方の縦辺4ではb4)で、平面と平行に、かつ相対向する側面2(本図では見えていない相対向する反対側の側面)にわたって余剰分(図面上側面視三角形状に切り出した三角柱部分)6を除去する。二分した他方のブロック7も同様に余剰分6を除去する。
なお、本実施例で説明した石製ブロック部9の切断加工の方法は単なる一例であって限定解釈されるものではない。

0034

上述の通り切断加工された石製ブロック部9は、載せ面領域11と傾斜面領域12で構成された底面部10と、蹴込み面部13と、後端面部14と、平面部(踏付け面部)16と、左右の側面部17で構成された側面視で略台形状を有するブロック体としている(図5及び図6参照。)。

0035

載せ面領域11は、前記加工工程で余剰分6を除去した後に形成され、下段に配設するブロック構造体8の平面部16の後方所定領域(被積載領域16a)に接する底面視で細幅矩形状の平坦面領域図5(b)で矢印T方向から視た形状)で、本実施例では平面部16の1/8程度の幅領域図5(b)で矢印W4で示す方向の幅)としている。

0036

傾斜面領域12は、前記加工工程で境界線5に沿って切断した傾斜面から前記載せ面領域11を除いて残った領域で、前記載せ面領域11の後端11bから所定の傾斜をもって形成される底面視で矩形状の傾斜面領域で、本実施例では、下地造成工程で造成された下地27と同等の傾斜角度に設定されている。
また、この傾斜面領域12には、後端面部14との境界にあたる縁部15から所定距離はなれた位置で、かつ左右の側面部17間で所定間隔をあけて二つの孔部19,19が所定深さをもって形成されている。孔部19は、傾斜面領域12の面部から直交するように形成されている。

0037

蹴込み面部13は、前記加工工程で余剰分6を除去した後に形成され、前記載せ面領域11の前端11aから所定高さをもって上方に向けて立ち上げ形成されている矩形状の平坦面領域である。

0038

後端面部14は、前記加工工程において境界線5で二分した縦辺における短尺長さL3で形成される細幅矩形状の平坦面領域である。

0039

平面部(踏付け面部)16は、前記蹴込み面部13の上端13aから前記載せ面領域11と平行で、かつ後端面部14の上端にわたり形成されている矩形状の平坦面領域である。

0040

側面部17は、側面視で略台形状を有しており、左右の側面部17において同一形状に構成されている。

0041

石製ブロック部9は、浸透性と水質浄化作用を有する自然石からなるのが最も好ましい。例えば、島根県宍道来待地区産出される来待石といわれる凝灰質砂岩で形成される石製ブロックが最適である。
すなわち、このような階段状の護岸は、海岸や湖岸などの近くに構築されるため、階段の踏付け面部領域(平面部16領域)には雨水や海水などが溜まり易い。夏場などはこの溜まった海水などが腐敗異臭を放つことがあり得る。また、この溜まった水に釣り餌などが混じったりすれば更に強い異臭を放つことが考えられる。従って、階段の踏付け面部領域(平面部16領域)には可能な限り水が溜まらないようにしたい。そこで、浸透性と水質浄化作用に優れた前記来待石などの凝灰質砂岩で形成された石製ブロック部を使用することが好ましい。
なお、この来待石を使用した場合、表面が粗面であるため(図6中の拡大図部分を参照。)、コンクリート打設工程において、ブロック構造体8と下地27との間に打設されるコンクリート28との接着性が良い。

0042

さらに本実施例では、石製ブロック部9の縁部領域を面取り加工して面取り部18を形成している(図6及び図9参照)。
これにより、左右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、それぞれ隣り合う面取り部18により略V字状あるいはU字状の水通路20が形成される(図9参照)。
このような構成を採用することで、さらに階段の踏付け面部領域(平面部16領域)にある水(海水や雨水など)を積極的に水通路20へと案内し、水通路20を介して下方へと流すか、あるいは隣り合うブロック間の隙間へと流すことが可能となる。また、その他、必要に応じて水の流れる通路や形態を石製ブロック部9の外表面や内部に施すことも可能で本発明の範囲内である。

0043

高さ調整部材(高さ固定部材ともいう。)21は、簡単機構によって、下地27上に仮置きしたブロック構造体8の天地方向図5(b)及び図7中で符号Tで示す方向)の高さを容易に調整し得るもので、前記石製ブロック部9の底面部10における傾斜面領域12の所定箇所に設けられている。

0044

高さ調整部材21の一実施例を図5(b)及び図7に基づいて説明すると、例えば、石製ブロック部9の底面部10における傾斜面領域12の孔部19に一端22aが埋設され、他端22bが下地27に接する棒状金具部22と、前記孔部19と連通して孔部19の周囲に固着され、かつ棒状金具部22の外周に螺合され、該棒状金具部22を長さ方向に移動可能とするナット状調整部23とで構成され、この棒状金具部22を長さ方向に進退させることで、石製ブロック部9の傾斜面領域12からの棒状金具部22の突出度合いを調整する構造が採用されている。
本実施例では、二段目移行のブロック構造体8を構成する石製ブロック部9の後端面部14寄りの傾斜面領域12に二つの高さ調整部材21を設けているが、高さ調整部材21の配設数量などは特に限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可能である。本実施例では、下地27の最も最下段に配設されるブロック構造体8にあっては、前後に2本ずつ計4本配設している(図3及び図4参照。)。
なお、高さ調整部材の構造は、本実施例で説明した構造に特に限定されず本発明の範囲内で周知の調整部材が採用可能である。

0045

このように、高さ調整部材21を縁部15から所定距離内方に入った位置に備えたことにより、ブロック構造体仮置き工程において高さ調整部材21が、ブロック構造体8と下地27との間に所定の空間K1を形成する。
また、ブロック構造体仮置き工程においてこのように所定の空間K1が形成されることにより、ブロック構造体8と下地27との間に手足を挟む事故がなく安全性も高い。

0046

さらに、ブロック構造体8は本実施例によれば、底面部10側を鏡面仕上げする必要性がなく、むしろ石材の切断面が粗面(凹凸)であるほうが、コンクリート打設工程により設けられる後打ちコンクリート28との密着が良く一体化に寄与する。また、高さ調整部材21の存在によっても後打ちコンクリート28との密着性が向上する。

0047

また、石製ブロック部9の外観形状は、図面とともに説明した本実施例の形状に限定解釈されるものではなく、少なくとも高さ調整部材21の一端22aが所定長さ入る孔部19を形成可能な厚さがあり、かつ所定幅寸法の平面部16を有する形状であれば特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
すなわち、側面視形状を細幅矩形状とした平板形状や、側面視形状がL字形状であってもよく、平面部16の水平度を高さ調整部材21の伸縮調整で確保できるものであればよい。

0048

また、ブロック構造体8を構成するブロック体は、上述した材質石材に限定されず他の材質の石材であっても対応可能であり、また石製に限定されず本発明の範囲内で、例えば工場内において型枠成型されるコンクリート製ブロックを採用することも可能である。

0049

「下地造成工程」
下地造成工程は、所定の造成領域に下地を造成する工程で、本実施例では、施工領域を整地してなる整地面造成工程と、該整地面造成工程によって整地された整地面24上に砕石を敷設する砕石面造成工程と、その砕石面造成工程によって造成された砕石面25上に、砕石押えコンクリート(均しコンクリート)を打ち込んで押えコンクリート面26を形成(養生)する押えコンクリート面造成工程によって下地27を構成するものとしている(図1及び図2)。

0050

ここで、整地面造成工程とは、造成する領域(施工面)の堀削、基面整正する工程をいう(図1)。砕石面造成工程とは、前記整地面造成工程によって造成された整地面24上に基礎砕石を敷均し、転圧して砕石面25を造成する工程をいう(図1)。これら各工程は従来周知の工程が採用可能であるため特に詳細な説明は省略する。

0051

また、本実施例の下地造成工程では、後述するように下地27とブロック構造体8との間に所定の空間K1を形成して仮置きするため、この下地27(押えコンクリート面26)を鏡面仕上げする必要がない(粗面状態でよい。)。従って、従来のように下地27の上面を鏡面仕上げするための熟練工を必要とせず、人員確保のための労力及びコストの軽減となる。

0052

「ブロック構造体仮置き工程」
ブロック構造体仮置き工程は、前記造成した下地27の上面所定位置に、ブロック構造体8を仮置きする工程である(図3)。
具体的には、最下段の一段目のブロック構造体8は、法先方向に予め配したコンクリートの端面29に蹴込み面部13を突き当てるとともに、前記造成した下地27の上面所定位置に、4本の高さ調整部材21を当接させ、そして二段目以降のブロック構造体8は、下段のブロック構造体8の平面部16における所定幅後方領域(被積載領域16a)に、仮置きするブロック構造体8の底面部10における載せ面領域11を載せるとともに、前記造成した下地27の上面所定位置に、2本の高さ調整部材21を当接させて仮置きする工程である。
本実施例では、全ての高さ調整部材21を伸縮調整し、仮置きした際には、すべての高さ調整部材21の他端(接地部)が下地27の上面に当接し、下地27とブロック構造体8の底面部10との間には、高さ調整部材21の突設高さHに対応した空間K1が形成されるものとしている(図7)。

0053

「ブロック構造体据付工程」
ブロック構造体据付工程は、前記下地27の上面に仮置きしたブロック構造体8の高さを調整してブロック構造体8を所定高さに据付ける工程である(図3及び図7)。
本発明によれば、ブロック構造体据付工程Cは、ブロック構造体8の底面部10における傾斜面領域12に予め突設させてあった高さ調整部材21を伸縮作動させることで、下地27の上面に仮置きしたブロック構造体8の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する。
例えば本実施例によると、図7に示すように、所定のあるいは全ての高さ調整部材21を伸縮調整して、ブロック構造体8の天地方向(図5(b)及び図7中で符号Tで示す方向)の高さ位置を決定、かつ固定する。

0054

本実施例では、ブロック構造体据付工程として、下段に配したブロック構造体8の上方に上段のブロック構造体8を配設する際に、下段のブロック構造体8の平面部(踏付け面部)16の幅寸法を広狭調整する工程を含めている(図8参照。)。
具体的には、下段に配したブロック構造体8の平面部16における後方所定領域(被積載領域16a)上に、上段に仮置きしたブロック構造体8の底面部10(載せ面領域11)を載せて所定方向(図8にて矢印X1で示す前後方向)に移動させることで前記下段に配したブロック構造体8の平面部(踏付け面部)16の幅寸法を広狭調整する。このとき、先に高さ調整工程を済ませてあれば、ブロック構造体8は高さ調整部材21の他端22bが下地27に接し、底面部10の載せ面領域11が下段の平面部16上に接した状態で前後方向にスライド移動するだけであるため、ブロック構造体8の高さ位置を変えずに容易に施工できる。
すなわち、階段として施工完了した後のブロック構造体8の平面部(踏付け面部)16は、所定の幅寸法(17cm)とすることが最も歩き易い幅寸法であるとされているため、その幅寸法となるように上段に仮置きしたブロック構造体8を前後方向にスライドさせて調整をする。図面では、上段のブロック構造体8を仮置きした時の下段の幅寸法をW1としたときに、前方にスライドさせて減少させた状態の幅寸法をW2、後方にスライドさせて増加させた状態の幅寸法をW3として表す。

0055

「コンクリート打設工程」
コンクリート打設工程は、前記下地27とブロック構造体8との間の空間K1に所定量の生コンクリートを流し込み・養生し、下地27とブロック構造体8との間に打設された後打ちコンクリート(胴込コンクリート)28によって下地27とブロック構造体8とを一体化する工程である(図3及び図4)。
このとき本実施例によれば、ブロック構造体8の底面部10における傾斜面領域12に一体に突設されている複数個の高さ調整部材21が、後打ちコンクリート28が固化したときに、後打ちコンクリート28と一体化され、差し筋としての効果を有する。
また、ブロック構造体据付工程によって下地27とブロック構造体8との間に空間K1が形成され、その空間に生コンクリートを流し込み・養生するため、後打ちコンクリート28の厚さ・密着及び一体化の確認が可能である。

0056

そして、下地27の横方向所定領域まで最下段の所定数のブロック構造体8の施工が完了(ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程)し、次に二段目のブロック構造体8の施工に移る。
そして、この二段目にあっても下地27の所定領域まで施工が完了すると三段目の施工に移る。このようにして次々に上段のブロック構造体8の施工を行っていき、所定の高さ方向(法肩方向)まで施工を終えて全ての施工が完了する。
そして、所定の施工領域にわたり、上述したブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を所定回数繰り返し行い、施工領域の全域にわたって所定数のブロック構造体8を配設して階段状護岸の施工工程を終了する(図4参照。)。

0057

本実施例によれば、次のような作用効果が得られる。

0058

本実施例の工法を用いて、例えば法長5.16m階段幅1.5mの階段状構築物(従来のコンクリート現場施工の場合と同一条件の階段状護岸)を完成させるとした場合を想定して日数を計算すると、約2日程度の日数で済むことがわかった。内訳は、下地造成工程で1日、ブロック構造体仮置き・据付工程で半日、コンクリート投入打設工程で半日である。
これは、従来のコンクリート現場施工の場合が完成までに11日要していたことを考えると飛躍的に工期の短縮となる。

0059

予めブロック構造体8を準備して現場に向かい、造成した下地27上にブロック構造体8を設置し、そのブロック構造体8と下地27との間の空間K1にコンクリート28を投入打設するものであるため、現場施工の場合と異なり天候にも左右され難い。すなわち、降雨、降雪あるいは悪天候などの場合であっても施工が可能である。

0060

本実施例では、石製ブロック部9を採用しているため、切石の圧着・養生作業等は不要である。従って、作業困難な切石圧着・養生作業がなく作業容易であるとともに、熟練者も要しない。

0061

施工期間が短縮化されるため、結果的にコスト低廉につながるとともに、周辺住民や観光客など周辺に与える影響も小さい。

0062

本実施例によれば型枠大工と言われる熟練した技能者を必要としない。また、簡単な作業で良いため、女性高齢者新規入場者などであっても施工可能であるため、後継者不足、労働者減少という問題も発生しない。また、階段部分の施工に当たり木製型枠を必要としないため、木材の保護と自然環境保全に役立つ。

0063

本実施例によれば、上述のように高さ調整部材21によって横方向で隣り合うブロック構造体8との間の高さ調整を容易に行うことができるため、従来のように高さ調整のためのモルタル敷設工程や熟練を要する鏡面仕上げ工程なども不要となり、下地造成の簡素化(工程数の減少,作業時間の短縮)が図れる。モルタル面仕上げ作業がなく施工容易であるため、技術者で無くても誰でも容易に施工することができる。
これは、ブロック構造体でJIS規格(控え長の許容誤差プラスマイナス5mm)を満たさない製品であっても使用できることとなる。すなわち、ブロック構造体の不良発生率が大幅に減少する。従って、工場製造の負担も軽減され、かつコスト軽減も図れる。

0064

従来、ブロック設置型の工法の場合、下地の仕上げによって工事の出来不出来が左右されるものであったが、本実施例では、高さ調整部材21によって下地27とブロック構造体8との間に所定の空間K1が形成され、その空間K1にコンクリート28を投入打設して一体化させる方法であるため、下地27は平面であっても粗面であっても構わない。
従って、従来のように下地の仕上げに掛けていた多くの時間と労力は不要となる。

0065

本実施例によれば、従来のように楔片などの高さ調整治具を下地とブロックとの間に介在させなくとも高さ調整部材21によって石製ブロック部9が支持されるため、安全であるとともに、従来のような面倒な作業も不要である。

0066

「その他の実施形態」
本発明の場合、据付工程を終えたブロック構造体8は下地27上に高さ調整部材21を介して高さ位置が固定されているため、その据付工程を終えたブロック構造体8と下地27との間の空間K1に流し込まれた生コンクリートが養生しない状態であっても、そのブロック構造体8上に載って上段のブロック構造体8の仮置き工程、据付工程を施工することが可能である。これにより、さらに工期の短縮化が図れる。

0067

また、上述した本実施例では、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を、所定の横方向領域にわたるブロック構造体8の一段ごとに1サイクルとして施工し、これを繰り返すものとしているがこれに限定解釈はされない。
例えば、ブロック構造体一個毎に、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を行い、その後二段目、三段目と順に、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を行い、法先から法肩方向への高さ方向に一列ずつ施工し、その後順次横方向に一列ずつ施工する形態であってもよい。
また、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程を施工領域全域にわたって全て完了させ、その後にブロック構造体8を据付けた全施工領域にわたってコンクリート打設工程を施工する形態とすることも本発明の範囲内であって何等これを妨げるものではない。

0068

本実施例では、下段のブロック構造体8の平面部16の被積載領域16aに上段のブロック構造体8の底面部10の載せ面領域11を積載して段積みする形態の一例について説明したが、例えば次の形態を採用することも本発明の範囲内である。
すなわち、石製ブロック部9の底面部10の前方にも同様に二つの高さ調整部材21を備えて構成する(本実施例の最下段のブロック構造体8と同様の構成)。そして、上段のブロック構造体8は下地27上にこれら四つの高さ調整部材21を当接させるとともに、蹴込み面部13下方の所定領域を、下段のブロック構造体8の後端面部14に当接させる。そして、所定の高さ調整部材21を伸縮調整して高さ調整及び平面部16の水平調整をして上段のブロック構造体8を据付けるものとすればよい。従って、このような形態を採用する場合には、下段のブロック構造体8の後端面部14に当接させる所定領域分を考慮して、予め蹴込み面部13の高さ方向幅寸法を設計するようにする。
また、本実施例では、最下段の一段目のブロック構造体8は、法先方向に予め配したコンクリートの端面29に蹴込み面部13を突き当てて据付ける形態としたが、ブロック構造体18の載せ面領域11を前記コンクリートの上面に載せる形態であってもよい。また、この法先方向に予め配したコンクリートは無くても良く、本発明の範囲内で設計変更可能である。

実施例

0069

本実施例では、海岸や湖岸などに構築される階段状の護岸を一例として説明したが、例えば河川や池などの周囲に設置する階段状の護岸や、階段状の法面、あるいは屋内外の劇場や競技場などに構築される階段状の観客席などの階段状の構築物の全てに適用可能であることは言うまでもない。

0070

8ブロック構造体
9石製ブロック部
10 底面部
11 載せ面領域
12傾斜面領域
13蹴込み面部
14後端面部
16平面部(踏付け面部)
17 側面部
19 孔部
18面取り部
21 高さ調整部材
22棒状金具部
23ナット状調整部
24整地面
25砕石面
26押えコンクリート面
27下地
28コンクリート(後打ちコンクリート)
K1 空間

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