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技術 ステレオリソグラフィの収縮差を減少させる方法

出願人 マテリアライズエヌ.ブイ.
発明者 サム,クーク
出願日 2011年9月26日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2011-209598
公開日 2012年4月12日 (7年5ヶ月経過) 公開番号 2012-071602
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード 部材変形 走査ベクトル 曝露パターン 高速プロトタイピング 製造プラットフォーム 表面ベース 製造領域 動作有効期間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

オブジェクト物体)の連続して隣接する断面薄層を作成し、特別に処理して収縮差(differential shrinkage)を減少させた三次元オブジェクトを提供する。

解決手段

オブジェクトの連続して隣接する断面薄層を、刺激もしくは照明に対応してその物理的状態を変えることができる樹脂で作成することにより、三次元のオブジェクトを作成する、薄層nに対する刺激力を決定するパラメータは、薄層nの刺激パターン全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される。薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するパラメータは、薄層nの刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択するようにする。

概要

背景

ステレオリソグラフィは、一群高速プロトタイピングを行って製造する技術に属する技術である。この技術によれば、一般に、コンピュータ処理CADファイルから直接出発して三次元オブジェクトを作成することができる。ステレオリソグラフィでは、第一に、部材が三次元オブジェクトをできるだけ精密に示す連続層積重ねに分割される。次いで、そのオブジェクト自身は、コンピュータ処理された層によって、機械上に構築される。第一に、樹脂の層を、構築領域全体にわたって被着させる。第二に、構築されるオブジェクトの一部である構築領域のセクション照明して、照明された領域の樹脂を重合させて硬化させる。この層が完成すると、新しい樹脂層が被着され、前記工程を、オブジェクトが完成するまで繰り返される。次いで、その硬化されたオブジェクトは、樹脂から取り外してさらに加工される。従って、ステレオリソグラフィは、ツーリング無しで複雑なまたは単純な部材を作成する高速の方法である。この技術は、コンピュータを使って、その断面のパターンを作成する技術なのでCAD/CAMに対する自然データリンクがある。

しかし、ステレオリソグラフィを利用して構築されたオブジェクトは、そのCADで設計された寸法から変形する傾向がある。収縮差が、ステレオリソグラフィで作成された多くの部材に多くみられる最も気がかりな欠点の一つである。収縮差は、樹脂の固化ポリマーへの転移によって生じる。この転移には、その物質収縮が伴う。さらに、部材の特定の形態またはセクションは他の形態またはセクションより敏感である。特に大きな平坦な面は収縮しやすい。すべてのセクションが同じ大きさの収縮または収縮差を示すわけではないので、それらの部材は変形して、もはや元のCADの表現に一致しない。例えば、薄い直立した構造体に接続する大きい平らな面は、有意な部材変形をおこすことがある。それ故、垂直方向のひずみを減少させる技術が必要である。

当該技術分野では、走査方法を変更したり、パターンを変更したり(例えば、パターン中に緊密にパックした六角形タイルを使用する)、同じ薄層を何回も続けて露出したりまたは中間の薄層もしくは層を中程度に固化するステップを提供することによって、この種の変形を回避するいくつもの努力がなされてきた。Allisonら(米国特許第5256340号)は、オブジェクトの歪曲を減少させる各種技術を含む、オブジェクトを製造する各種走査技術を開示している。Vinsonら(米国特許第5238639号)は、釣り合わせ層によって起こる釣り合い層の逆湾曲が、釣り合わせ層によって起こる釣り合い層の通常の湾曲を相殺もしくは打ち消すように、釣り合わせ層を釣り合い層に関連して硬化させることによって、部材の歪曲を最小にする方法を開示している。Hullら(米国特許第5273691号)には、湾曲すなわち収縮差に密接に関連している現象を減少させることを目的とした改良ステレオリソグラフィシステム記述されている。この特許には、この目的を達成するための示差走査技術が記述されている。Mannersら(米国特許第5965079号)は、収縮を減らすことを目的として、緊密にパックした六角形タイルのパターンが画かれているステレオリソグラフィ法を記述している。Guertinら(米国特許第6399010号)は、薄層の部分の第一と第二の露出の間に時間遅延を利用する方法が記述されている。この遅延時間は、時計によって決定されるか、またあるいは、時間遅延は、特定の物理学的条件適合すると、消滅したとみなすことができる。Mannersら(米国特許第6649113号)には、固化すると収縮する樹脂の量を減らすため、中間の薄層または層を中程度に固化するステップを利用することが記述されている。Nguyenら(米国特許第6699424号)には、主要部分の領域を固化し、所望の期間、収縮の発生を遅延または休止させ、次いで、主要部材境界の多数の図面において、主要部部分の外側に最も近い部分から、主要部分から最もはなれた部分までの境界を固化する方法が記述されている。

これらの方法のいくつかは、重合させるべき領域を照明する非標準的な方法に基づいている。しかし、これらの方法は、スライシングハッチングソフトウェアの複雑な再設計が必要であり、部材の外側に眼に見えマーキングをもたらして、部材の品質マイナスの影響をする。さらに、これらの方法は構築時間が長くなる。他の従来技術は、構築工程で、時々待ち時間が採用されているが、これは通常、構築工程では採用されていない。それ故、この技術は、構築と準備の両ソフトウェアの複雑な再設計を行なう必要があり、その結果、生産時間が長くなり、生産される部材の品質が低下する。

したがって、当該技術分野では、改良されたステレオリソグラフィの技術が要望されている。よって、本発明の目的の一つは、従来技術の欠点の少なくとも一つを克服もしくは改善することまたは有用な別法を提供することである。

概要

オブジェクト(物体)の連続して隣接する断面薄層を作成し、特別に処理して収縮差(differential shrinkage)を減少させた三次元オブジェクトを提供する。オブジェクトの連続して隣接する断面薄層を、刺激もしくは照明に対応してその物理的状態を変えることができる樹脂で作成することにより、三次元のオブジェクトを作成する、薄層nに対する刺激力を決定するパラメータは、薄層nの刺激パターン全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される。薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するパラメータは、薄層nの刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択するようにする。b

目的

本発明は、オブジェクト(物体)の連続して隣接する断面薄層を作成し、特別に処理して収縮差(differential shrinkage)を減少させたオブジェクトを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

a)樹脂、好ましくは液状の樹脂の層を、前記オブジェクトの先に形成された薄層n‐1を含む製造領域の上に被着させ、b)層nを形成させるための刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小にするために予め定められた値かまたは薄層n‐5からn+5までの薄層から選択される一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である刺激力を選択し、c)前記製造領域の少なくとも一部を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定される刺激パターンに従ってステップbで選択された刺激力を利用して刺激暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層nを形成させ、d)薄層n+1を作成するための前刺激待ち時間、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小にするために予め定められた値かまたは薄層n‐5からn+5までの一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である前刺激待ち時間を選択し、次いでe)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方にて予め定められていない値が選択されるステップa)−d)を連続して繰り返すステップを含む、三次元のオブジェクトであってそのオブジェクトもしくはその一部が複数の接着された薄層を含む少なくとも一つの三次元のオブジェクトの製造方法。

請求項2

a)樹脂、好ましくは液状の樹脂の層を、前記オブジェクトの、先に形成された薄層n‐1を含む製造領域の上に被着させ、b)層nを形成させるための刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小にするために予め定められた値かまたは薄層nおよび/またはn+1のパラメータに基づいた値である刺激力を選択し、c)前記製造領域の少なくとも一部を、ステップbで選択された刺激力を利用して、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定される刺激パターンに従って刺激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層nを形成させ、d)薄層n+1を形成させるための前刺激待ち時間、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小にするために予め定められた値かまたは薄層nのパラメータに基づいた値である前刺激待ち時間を選択し、次いでe)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方にて予め定められていない値が選択されるステップa)−d)を連続して繰り返すステップを含む請求項1に記載の少なくとも一つの三次元のオブジェクトの製造方法。

請求項3

薄層nに対する刺激力を決定するための前記パラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に対する前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される請求項2に記載の方法。

請求項4

薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するためのパラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択される請求項2に記載の方法。

請求項5

前記前刺激待ち時間および/または刺激力がファジイ論理で決定される請求項1-4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記刺激力(P)が、下記式I:(式中、Tpは前記前刺激時間を意味し、Trefは照合前刺激時間を意味し、fresinは樹脂のスケーリング因子を意味し、およびPstは全走査距離と全ジャンピング距離に基づいて計算される力を意味する)に従って決定される請求項1-5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記前刺激待ち時間(Tp)が、下記II:(式中、Pは前記刺激力を意味し、Prefは照合刺激力を意味し、fresinは樹脂のスケーリング因子を意味しおよびTstは全走査距離と全ジャンピング距離に基づいて計算される時間を意味する)に従って決定される請求項1に記載の方法。

請求項8

前記層または薄層が少なくとも二つの別個セクションもしくはフィールドを含み、前記刺激力および/または前刺激待ち時間は前記セクションもしくはフィールド各々に対して計算され、そして前記層に対して使用される刺激力は前記セクションもしくはフィールドに対するすべての刺激力の最小値として決定されおよび/または前記層に対して使用される前刺激待ち時間は前記セクションもしくはフィールドに対するすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される請求項1に記載の方法。

請求項9

前記層または薄層が少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含み、前記刺激力が前記セクションもしくはフィールド各々に対して計算され、そして前記セクションもしくはフィールド各々が前記計算された刺激力によって刺激される請求項1に記載の方法。

請求項10

刺激力が、前記フィールド内で、各刺激パターンに対して計算され、前記刺激パターン各々が前記計算された刺激力に従って刺激される請求項9に記載の方法。

請求項11

前刺激待ち時間が、前記セクションもしくはフィールド内で、特定タイプの刺激パターン各々に対して計算され、そして前記セクションもしくはフィールドの前刺激待ち時間は、前記特定タイプの刺激パターンに対するすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される請求項1に記載の方法。

請求項12

推定製造時間より長い所望の全製造時間を考慮しこれに対応して各層に対する前記刺激力および/または前記前刺激待ち時間を調節して、前記オブジェクトの品質を最適化するか、または推定製造時間より短い所望の全製造時間を考慮しこれに対応して前記刺激力および/または前記前刺激待ち時間を調節して全構築時間を短くするステップをさらに含む請求項1に記載の方法。

請求項13

前記比較が一つ以上の層の後に実施され、次いでこれに対応して、その後の層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力が調節される請求項12に記載の方法。

請求項14

前記比較が、製造が開始される前に実施され、次いでこれに対応して、すべての層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力が調節される請求項12に記載の方法。

請求項15

すべての前刺激待ち時間および/または刺激力が、比例して増大または減少する請求項12に記載の方法。

請求項16

全構築時間の減少が必要なので、刺激力が、より大きい力が最も大きく増大するように調節されるかおよび/または前刺激待ち時間が、より短い待ち時間が最も大きく短くなるように調節される請求項12に記載の方法。

請求項17

前記薄層が、異なる計算された前刺激待ち時間を有する少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含み、そして前記セクションもしくはフィールドが暴露される順序を調節して、最も長い前刺激待ち時間が計算されたセクションもしくはフィールドが最初に刺激されるステップを含む請求項1に記載の方法。

請求項18

(a)前記オブジェクトの収縮と変形を最小にするため、走査ベクトルの全走査距離と全ジャンピング距離に基づいた各層に対する前刺激待ち時間、適用される刺激力および液状樹脂のタイプを決定することによって、各オブジェクトの異なる層に対する最適の前刺激待ち時間を決定し、次いで、(b)前記オブジェクトの前記最適の前刺激待ち時間の比較に基づいて、二つ以上の前記オブジェクトの製造を一つの製造プラットフォームに組み込むことを選択するステップを含む、追加の製造によって異なるオブジェクトの構築を最適化する方法。

請求項19

前記二つ以上のオブジェクトのオリエンテーションおよび/または分布を、前記オブジェクトの前記最適の前刺激待ち時間の比較に基づいて適応させる請求項18に記載の方法

請求項20

複数の接着された薄層を含む少なくとも一つの三次元のオブジェクトもしくはその少なくとも一部分を製造する装置であって、a)液状樹脂の層を、前記オブジェクトの予め形成された薄層n‐1を含む製造領域上に被着させる手段、b)前記製造領域の少なくとも一部を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定された刺激パターンに従って刺激に暴露して、その暴露された領域の樹脂を重合させて、前記オブジェクトの次の層を形成させる手段を備え、ステップ(a)と(b)を連続して繰り返し、そして前記オブジェクトの収縮または変形を最小にするため、薄層n‐1からn+1までのうちの一つ以上に対して決定されたパラメータに基づいて各薄層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力を決定するようにプログラムされている装置。

請求項21

薄層nに対する刺激力を決定するための前記パラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に対する前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される請求項20に記載の装置。

請求項22

薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するための前記パラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択される請求項20に記載の装置。

技術分野

0001

本発明は、オブジェクト物体)の連続して隣接する断面薄層を作成し、特別に処理して収縮差(differential shrinkage)を減少させたオブジェクトを提供することによって三次元のオブジェクトを作成する、新規な改良されたステレオリソグラフィの方法およびシステムに関する。

背景技術

0002

ステレオリソグラフィは、一群高速プロトタイピングを行って製造する技術に属する技術である。この技術によれば、一般に、コンピュータ処理CADファイルから直接出発して三次元オブジェクトを作成することができる。ステレオリソグラフィでは、第一に、部材が三次元オブジェクトをできるだけ精密に示す連続層積重ねに分割される。次いで、そのオブジェクト自身は、コンピュータ処理された層によって、機械上に構築される。第一に、樹脂の層を、構築領域全体にわたって被着させる。第二に、構築されるオブジェクトの一部である構築領域のセクション照明して、照明された領域の樹脂を重合させて硬化させる。この層が完成すると、新しい樹脂層が被着され、前記工程を、オブジェクトが完成するまで繰り返される。次いで、その硬化されたオブジェクトは、樹脂から取り外してさらに加工される。従って、ステレオリソグラフィは、ツーリング無しで複雑なまたは単純な部材を作成する高速の方法である。この技術は、コンピュータを使って、その断面のパターンを作成する技術なのでCAD/CAMに対する自然データリンクがある。

0003

しかし、ステレオリソグラフィを利用して構築されたオブジェクトは、そのCADで設計された寸法から変形する傾向がある。収縮差が、ステレオリソグラフィで作成された多くの部材に多くみられる最も気がかりな欠点の一つである。収縮差は、樹脂の固化ポリマーへの転移によって生じる。この転移には、その物質収縮が伴う。さらに、部材の特定の形態またはセクションは他の形態またはセクションより敏感である。特に大きな平坦な面は収縮しやすい。すべてのセクションが同じ大きさの収縮または収縮差を示すわけではないので、それらの部材は変形して、もはや元のCADの表現に一致しない。例えば、薄い直立した構造体に接続する大きい平らな面は、有意な部材変形をおこすことがある。それ故、垂直方向のひずみを減少させる技術が必要である。

0004

当該技術分野では、走査方法を変更したり、パターンを変更したり(例えば、パターン中に緊密にパックした六角形タイルを使用する)、同じ薄層を何回も続けて露出したりまたは中間の薄層もしくは層を中程度に固化するステップを提供することによって、この種の変形を回避するいくつもの努力がなされてきた。Allisonら(米国特許第5256340号)は、オブジェクトの歪曲を減少させる各種技術を含む、オブジェクトを製造する各種走査技術を開示している。Vinsonら(米国特許第5238639号)は、釣り合わせ層によって起こる釣り合い層の逆湾曲が、釣り合わせ層によって起こる釣り合い層の通常の湾曲を相殺もしくは打ち消すように、釣り合わせ層を釣り合い層に関連して硬化させることによって、部材の歪曲を最小にする方法を開示している。Hullら(米国特許第5273691号)には、湾曲すなわち収縮差に密接に関連している現象を減少させることを目的とした改良ステレオリソグラフィシステムが記述されている。この特許には、この目的を達成するための示差走査技術が記述されている。Mannersら(米国特許第5965079号)は、収縮を減らすことを目的として、緊密にパックした六角形タイルのパターンが画かれているステレオリソグラフィ法を記述している。Guertinら(米国特許第6399010号)は、薄層の部分の第一と第二の露出の間に時間遅延を利用する方法が記述されている。この遅延時間は、時計によって決定されるか、またあるいは、時間遅延は、特定の物理学的条件適合すると、消滅したとみなすことができる。Mannersら(米国特許第6649113号)には、固化すると収縮する樹脂の量を減らすため、中間の薄層または層を中程度に固化するステップを利用することが記述されている。Nguyenら(米国特許第6699424号)には、主要部分の領域を固化し、所望の期間、収縮の発生を遅延または休止させ、次いで、主要部材境界の多数の図面において、主要部部分の外側に最も近い部分から、主要部分から最もはなれた部分までの境界を固化する方法が記述されている。

0005

これらの方法のいくつかは、重合させるべき領域を照明する非標準的な方法に基づいている。しかし、これらの方法は、スライシングハッチングソフトウェアの複雑な再設計が必要であり、部材の外側に眼に見えマーキングをもたらして、部材の品質マイナスの影響をする。さらに、これらの方法は構築時間が長くなる。他の従来技術は、構築工程で、時々待ち時間が採用されているが、これは通常、構築工程では採用されていない。それ故、この技術は、構築と準備の両ソフトウェアの複雑な再設計を行なう必要があり、その結果、生産時間が長くなり、生産される部材の品質が低下する。

0006

したがって、当該技術分野では、改良されたステレオリソグラフィの技術が要望されている。よって、本発明の目的の一つは、従来技術の欠点の少なくとも一つを克服もしくは改善することまたは有用な別法を提供することである。

0007

本発明は、オブジェクトの連続して隣接する断面薄層を、刺激もしくは照明に対応してその物理的状態を変えることができる樹脂で作成することによって、三次元のオブジェクトを作成する、新規な改良されたステレオリソグラフィの方法およびシステムを提供するものである。本発明の方法と機器は、収縮差が低下しかつ強度が増大したオブジェクトを、高い複写精度で作成することができる。

0008

連続層の形状以外に、刺激力および前刺激(pre-stimulation)待ち時間などのパラメータが収縮差を最小にするのに重要な役割を演じていることが分かったのである。さらに、これらパラメータの変更は、他の解決策のように構築ソフトウェアもしくは準備ソフトウェアの複雑な再設計をおこなう必要がないので、既存のソフトウェアに簡単に組み込むことができる。その上、本発明の方法におけるこれらパラメータの変調は、部材に眼に見えるマーキングを残さずまたは部材全体の品質に対してマイナスの影響は全くない。

0009

第一の側面において、本発明は、収縮差が当該技術分野で公知の方法に比べて実質的に低い、薄層を連続的に被着させることに基づいて少なくとも一つの三次元のオブジェクトを作成する方法を提供する。さらに詳しく述べると、オブジェクトの作成に関する本発明の方法は、複数の接着された薄層を含み、薄層nの刺激力および/または薄層n+1の前刺激時間を決定する際、先行薄層および/または追従薄層のパラメータを考慮するステップを含んでいる。さらに詳しく述べれば、本発明は、
a)樹脂、好ましくは液状樹脂の層を、前記オブジェクトの予め形成された薄層n‐1を 含む製造領域の上に被着させ、
b)層nを形成させるための刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を 最小にするため、予め定められた値またはn‐5からn+5までの薄層から選択された一 つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である刺激力を選択し、
c)前記製造領域の少なくとも一部分を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定した刺激パターンに従ってステップbで選択された刺激力を使用して刺 激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層を形成させ、
d)薄層n+1を形成させるための前刺激待ち時間、すなわちオブジェクトの収縮もしくは 変形を最小にするため、予め定められた値またはn‐5からn+5までの薄層から選択さ れた一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である前刺激待ち時間を選択し、次いで 、
e)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方では予め定められていない値が選択されるステ ップ(a)‐(d)を連続的に繰り返す
ステップを含んでいる。

0010

本発明の特定の実施形態では、次の層のパラメータを利用して、製造工程の特性値、よ り詳しく述べると、層nの刺激力および/または層n+1の前刺激時間を調節する。した がって、特定の実施形態では、本発明は、
a)樹脂、好ましくは液状樹脂の層を、前記オブジェクトの予め形成された薄層n‐1を 含む製造領域の上に被着させ、
b)層nを形成させるための刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を 最小にするため、予め定められた値または薄層nおよび/またはn+1のパラメータに基 づいた値の刺激力を選択し、
c)前記製造領域の少なくとも一部分を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定した刺激パターンに従ってステップ(b)で選択された刺激力を使用して 、刺激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層nを作成 し、
d)薄層n+1を形成させるための前刺激待ち時間、すなわち,前記オブジェクトの収縮も しくは変形を最小にするため、予め定められた値または薄層nのパラメータに基づいた 値である前刺激待ち時間を選択し、次いで、
e)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方では予め定められていない値が選択されるステ ップ(a)‐(d)を連続的に繰り返す
ステップを含んでいる。

0011

さらに、詳しく述べると、薄層nに対する刺激力を決定するパラメータは、薄層nの刺 激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される。薄層n+1に対す る前刺激待ち時間を決定するパラメータは、薄層nの刺激パターンの全走査距離および /または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプ からなる群から選択される。

0012

特定の実施形態において、本発明は、層nの刺激力がファジイ論理で決定される方法に関する。

0013

さらに特定の実施形態において、本発明は、層n+1に対する前刺激待ち時間がファジイ論理で決定される方法に関する。

0014

特定の実施形態によれば、本発明は、層または薄層が、少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含み、そのセクションもしくはフィールド各々の層nに対する刺激力が別個に決定される方法に関する。前記セクションもしくはフィールドは各々、別個に決定された刺激力によって照明される。

0015

より特定の実施形態によれば、本発明は、層または薄層が少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含み、そして前記セクションもしくはフィールド各々の層nに対する刺激力が別個に選択される方法に関する。薄層n全体に対する刺激力は、前記セクションもしくはフィールドに対する全刺激力の最小値として決定される。

0016

さらにより特定の実施形態によれば、本発明は、層または薄層が少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含み、そして層n+1に対する前刺激待ち時間が、前記セクションもしくはフィールド各々に対する前刺激待ち時間を計算することに基づいて決定される方法に関する。層もしくは薄層n+1に使用される前刺激待ち時間は、前記セクションもしくはフィールドに対する全刺激力の最大値として決定される。

0017

さらにより特定の実施形態によれば、本発明は、推定製造時間を所望の全製造時間と比較し、これに対応して前刺激待ち時間および/または刺激力を調節するステップをさらに含む方法に関する。

0018

特定の実施形態によれば、本発明は、前記薄層が、異なる計算された前刺激待ち時間を有する少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを含むかまたはこれらセクションもしくはフィールドに分割できる方法に関し、そして、この方法は、前記セクションもしくはフィールドが曝露される順序を調節するステップを含み、その結果、最高の前刺激待ち時間が計算されたセクションもしくはフィールドが最初に暴露される。

0019

別の実施形態によれば、本発明は、追加の製造工程で異なるオブジェクトの製造を最適化する方法、すなわち
a)前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小にするため、走査ベクトルの全走査距離と全ジャンピング距離、適用される刺激力および液体樹脂のタイプに基づいて、各層に対する前刺激待ち時間を決定することによって、各オブジェクトの異なる層に対する最適の前刺激待ち時間を決定し、次いで、
b)前記オブジェクトの最適の前刺激待ち時間を比較することに基づいて、一つの製造プラットホーム上に二つ以上の前記オブジェクトの製造を組み込むことを選択する
ステップを含む方法を提供するものである。

0020

特定の実施形態によれば、本発明は、前記二つ以上のオブジェクトのオリエンテーションおよび/または分布が、これら二つ以上のオブジェクトの最適の前刺激待ち時間を比較することに基づいて適合される方法に関する。

0021

別の側面では、本発明は、複数の接着された薄層を含む少なくとも一つの三次元のオブジェクトまたはその一部分を製造する装置、すなわち
a)液状樹脂の層を、前記オブジェクトの予め形成された薄層n‐1を含む製造領域上に被着させる手段、
b)前記製造領域の少なくとも一部分を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定された刺激パターンに従って刺激に曝露し、暴露された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層を作成する手段
を備え、ステップ(a)と(b)を連続的に繰り返して、層n‐5からn+5までの一つ以上の層のパラメータに基づいて各薄層nに対する刺激力を決定し、および/または層n‐5からn+5までの一つ以上の層のパラメータに基づいて各薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するようにプログラムされていることを特徴とする装置を提供するものである。特定の実施形態では、層nとn+1のパラメータが考慮されて、この装置は、層nの走査ベクトルの全走査距離と全ジャンピング距離、層n+1に対する前刺激待ち時間および液状樹脂のタイプに基づいて各薄層nに対する刺激力を決定し、および/または層nの走査ベクトルの全走査距離と全ジャンピング距離、層nに適用される光源力および樹脂のタイプに基づいて各薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するようにプログラムされる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の特定の実施形態によって、ファジィ論理値と走査距離の間の関係(a)お よびファジィ論理値と走査距離/ジャンプ距離比率との間の関係(b)を示すグラフを示す。

0023

本発明の特定の実施形態によって、オブジェクトの一例(a)、オブジェクトを構成する層各々に対して計算された前刺激時間(b)およびオブジェクトを構成する層各々に対して計算された前刺激力(c)を示す。

0024

本発明の特定の実施形態によって、2部材の例(a)、2部材各々に対して計算された前刺激時間(b)、2部材各々に対して計算された走査時間(c)および部材1と2に対応するセクションの異なる走査順序に対する層の合計時間(走査時間+前刺激値)(d)を示す。

0025

本発明の特定の実施形態によって、二つの異なるオリエンテーションの2部材の例(aとb)および両アイテムの全構築時間(c)を示す。

0026

本発明の特定の実施形態による方法を利用して構築された6部材の例を示す。 これらの各図面は、関連する構造の特定の実施形態を示し、その対応する構造は、その特定の実施形態に限定するとみなすべきではない。

発明の詳細な説明

0027

本発明の範囲は後記特許請求の範囲にのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は限定するもではない。

0028

単数形「a」、「an」および「the」は、本明細書で使用される場合、特に明確に断らない限り単数と複数の両方の対象を含む。

0029

用語「comprising」、「comprise」および「comprised of」は、本明細書で使用される場合、「including」、「includes」または「containing」、「contains」と同意の用語であり、包括的または無制限的であり、追加の列挙されていない部材、要素または方法のステップを排除しない。また用語「comprising」、「comprise」および「comprised of」は、用語「consisting of」を含んでいる。

0030

端点で記載されている数字の範囲は、記載されている数字のみならずそれぞれの範囲内に包含されているすべての数字と分数を含んでいる。

0031

用語「約」は、パラメータ、量、持続時間などの測定可能な値に言及するときに本明細書で使用する場合、変動が、開示されている発明において機能するのに適切である限り、特定の値の±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下およびさらにより好ましくは±0.1%以下の変動を含むものである。修飾語「約」が言及している値は、それ自体、具体的で好ましい値が開示されていると解される。

0032

本明細書に引用されている文献はすべて、その全体を本明細書に援用するものである。

0033

特に断らない限り、技術用語や科学用語を含む、本発明を開示するために使用される用語はすべて、本発明が属している技術分野の当業者が通常理解している意味を持っている。
さらに説明すると、説明のために使用される用語の定義は、本発明の教示をより正しく理解するために記載されている。

0034

この明細書全体を通じて「一実施形態」または「実施形態」と記載されているのは、その実施形態に付随して説明されている特定の特性、構造または特徴が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、この明細書全体を通じて各所に登場している語句「一実施形態において」または「実施形態において」は、すべて、必ずしも同じ実施形態を意味しないが同じ実施形態を意味することもある。さらに、特定の特性、構造または特徴は、当業者にとっては、この開示から明らかなように、適切な方式で結合して一つ以上の実施形態にすることができる。その上に、本明細書に記述されているいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれている他の特性でない特性をいくつか含んでいるが、当業者にはよく分かるように、異なる実施形態の特性を結合したものは、本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成するものである。例えば、後記特許請求の範囲では、特許請求されている実施形態はいずれもいかようにも結合させて利用できる。

0035

本発明は、刺激、より詳しく言えば照明に対応してその物理的状態を変えることができる樹脂の外面に、オブジェクトの連続的に隣接する断面の薄層を形成させることによって、三次元のオブジェクトを作成する新規の改良されたステレオリソグラフィの方法およびシステムを提供するものであり、そしてその方法は、オブジェクトの収縮差が、従来技術で述べられている類似の方法と比べて減少していることを特徴としている。3Dオブジェクトをステレオリソグラフィで製造する際に収縮を減少させることは、本明細書に述べられている利点を一つ以上持っている。特定の実施形態における方法は、再生産の精度が大きいことを特徴としている。

0036

オブジェクトをステレオリソグラフィによって製作するために、先行のまたは続く一つ以上の層に特異的なパラメータを利用して、層nの最適条件(層n+1の前刺激時間を含む)を決定して、収縮を減少させることができることを、本発明の発明者らは発見したのである。これは、本明細書に記載されている層nとn+1に特に有効であった。しかし、二つ以上の先行または続く層のパラメータも考慮する類似の方法を開発できることは、当業者は分かるであろう。

0037

したがって、特定の実施形態で、本発明は、薄層nに特異的なパラメータを利用して層n+1の最適条件を決定して収縮を減少させることができるという観測結果に関する。さらに、薄層nに特異的なパラメータと薄層n+1に特異的なパラメータを結合することを利用して薄層nに対する別のパラメータを決定して収縮を減少させることができることが分かったのである。さらに詳しく述べると、薄層n+1を刺激する前の前刺激待ち時間の長さおよび/または刺激力は、層nに対して調節することができ、その結果、オブジェクトの収縮が低下する。本発明の特定の実施形態に従って、薄層nに特異的なこれらパラメータを利用して、薄層n+1に対する待ち時間を決定しおよび/または薄層nとn+1に特異的なパラメータを利用して、薄層nに対する刺激力が決定される。

0038

本発明は、第一側面で、接着性の薄層を続けて被着させるステップを含み、その結果、得られるオブジェクトの収縮差が低下することを特徴とする、最終目的の部材でもある少なくとも一つの三次元のオブジェクトを製造する方法を提供するものである。

0039

本発明の方法はステレオリソグラフィの方法である。

0040

用語「ステレオリソグラフィ」は、本明細書で使用される場合、樹脂の第一層を構築領域全体の上に被着させ、構築すべき3Dオブジェクトの部材である構築領域のセクションを刺激して、刺激された領域上の樹脂を重合させて硬化させ薄層を形成させることによって、一度に層または薄層を一つずつ、三次元(3D)のオブジェクトを製造する加成式製造方法に関する。この薄層が完成すると、樹脂の新しい層を被着させ次いでオブジェクトが完全に完成するまでこの工程を繰り返す。

0041

用語「樹脂」は、本明細書で使用される場合、刺激エネルギー好ましくは紫外線スペクトルの光に暴露されると硬化するかまたは固体になる重合可能な物質、モノマーの混合物オリゴマーおよび/またはポリマーに関する。前記樹脂は、好ましくは、粉末または液状の樹脂である。世界中に広まっているいくつかの商業ブランドとしては、DSMSomos(登録商標)、Huntsman Renshape(登録商標)および3D Systems Accura樹脂類がある。

0042

一般に、本発明は、
a)樹脂、好ましくは液状樹脂の層を、前記オブジェクトの先に形成された薄層n‐1を 含む製造領域の上に被着させ、
b)前記製造領域の少なくとも一部を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに 基づいて決定された刺激パターンに従って、刺激に暴露し、その刺激された領域の樹脂 を重合させて、前記オブジェクトの薄層nを形成させ、ついで、
c)ステップ(a)と(b)を連続して繰り返して、連続層が接着してオブジェクトが形成され る
ステップを含む方法に関する。

0043

用語「刺激」は、本明細書で使用する場合、一般に、可視光紫外線または電磁放射線を使用して照明することを意味する。この放射線は一般にレーザーによって作成される。UVレーザー光に暴露すると、樹脂上にトレースされたパターンが硬化または固化してそれを下の薄層に接着させる。勿論、他の形態の、樹脂を適切に刺激する方法、例えば粒子ボンバードメント(電子ビームなど)、マスクを通じてもしくはインクジェットで物質をスプレイすることによる化学反応または紫外線以外のインピジング(impinging)放射線を利用して、本発明の範囲を逸脱することなく本発明を実行できることは分かるであろう。その刺激力は、例えばミリワットで表される刺激または照明の強さを意味する。

0044

樹脂の各層上の特定のパターンが、刺激または照明されて、その刺激または照明されたパターン上の固化工程が始まる。この固化工程は、一般に、各種領域の固化からなり、一般に「ベクトルタイプ」として分類されている。バウンダリー(boundary)ベクトル、ハッチ(hatch)ベクトルおよびフィル(fill)ベクトルを使用することは、当該技術分野では公知であり、先に引用した多くの刊行物および特許に教示されている。語句「ベクトル」と「ライン」は、最も一般的に、固化された物質の部分に言及するときに互いに交換可能に使用されることが多い。その外の場合、「ベクトル」は主として供給されるデータを意味するが、一方、「ライン」は主として固化された部分を意味する。照明パターンを決定するために走査ベクトルを使用することは別として、照明パターンを作成する別の方法として、例えば米国特許第5247180号(Texas Instruments Incorporatedの特許)および国際特許願公開第WO0021735号(Dicon ASの特許願公開)に記載されているような例えばEnvisiontec、3D SystemまたはHuntsmanで使用されている空間変調法(SLM)などが考えられることは明らかであろう。なおこれらの特許は本明細書に援用するものである。Envisiontecと3D SystemのVFlash技術は「マスク」タイプの照明に基づいた表面照明法を使用しているが、一方、Huntsman Digitalisのシステムはベクトルと表面ベースの照明を結合している。

0045

本発明によって、
a)樹脂、好ましくは液状樹脂を、先に形成された前記オブジェクトの薄層n‐1を含む製造領域の上に被着させ、
b)層nを作成するための刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮と変形を最小にす るために、予め定められた値であるか、または薄層n−5からn+5までから選択される 一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である刺激力を選択し、
c)前記製造領域の少なくとも一部分を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定された刺激パターンに従って、ステップbで選択された刺激力を使って 、刺激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて、前記オブジェクトの薄層nを作 成し、
d)薄層n+1を作成するための前刺激待ち時間、すなわち、前記オブジェクトの収縮と変 形を最小にするために、予め定められた値であるか、または薄層n‐5からn+5までの 一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値である前刺激待ち時間を選択し、次いで
e)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方で予め定められていない値が選択されるステッ プa)−d)を連続して繰り返す
ステップを含む、複数の接着された薄層を含むオブジェクトを提供する方法、さらに詳しく述べるとステレオリソグラフィの方法を提供するものである。
層n‐5からn+5までの間に、層n‐5、n‐4、n‐3、n‐2 、n‐1、n、n+1、n+2、n+3、n+4およびn+5が含まれている。これらの各層の一つ以上の一つ以上のパラメータを考慮できると考えられる。しかし、一般に、少数の先行層および/または随行層だけが考慮される。特定の実施形態では薄層n‐2からn+2までの層の一つ以上の薄層のパラメータが考慮される。

0046

本発明の方法は、層nとn+1のパラメータを考慮する実施態様に特に有効である。すなわち、特定の実施形態では、本発明の方法は、
a)樹脂、好ましくは液状樹脂を、前記オブジェクトの先に形成させた薄層n‐1を含む製造領域の上に被着させ、
b)層nを形成させる刺激力、すなわち、前記オブジェクトの収縮もしくは変形を最小に するため、予め定められた値または薄層nおよび/またはn+1のパラメータに基づいた 値である刺激力を選択し、
c)前記製造領域の少なくとも一部分を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定された刺激パターンに従がって、ステップ(b)で選択した刺激力を使用 して刺激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層nを形 成させ、
d)薄層n+1を作成するための前刺激待ち時間、すなわち、前記オブジェクトの収縮もし くは変形を最小にするため、予め定められた値または薄層nに対して選択されたパラメ ータに基づいた値である前刺激待ち時間を選択し、
e)ステップ(b)と(d)の少なくとも一方で予め定められていない値が選択されるステッ プa)−d)を連続して繰り返す
ステップを含んでいる。

0047

用語「待ち時間」もしくは「前刺激待ち時間」は、本明細書で使用される場合、製造領域上の樹脂層を刺激に暴露して、刺激された領域の樹脂を重合させて薄層nを形成させる時点と、続いて樹脂を刺激して薄層n+1を形成させる時点との間の期間として当該技術分野で認識されている用語である。一般に、前刺激時間は、浸漬前もしくは浸漬後の待ち時間(それぞれ樹脂を再度コートして層n+1を形成させる前と後に挿入される待ち時間である)の形で使用される。

0048

本発明によれば、ステレオリソグラフィによって形成されるオブジェクトの収縮は、適切な前刺激待ち時間および/または適切な刺激力を確保することによって、減らすかまたは最小にすることができる。適切な前刺激待ち時間および/または刺激力は異なるパラメータで決定され、そのパラメータには、先行の、現行のおよび次の層の内の一つ以上のパラメータが含まれることがある。

0049

本発明の方法における連続層は「n‐1」、「n」および「n+1」と呼称され、薄層の順序を示しているが、各連続層は、形成中、層nとみなされることは、当業者には分かるであろう。

0050

特定の実施形態によれば、薄層nに対する刺激力を決定するためのパラメータは、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択され、ならびに薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するためのパラメータは、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のパイプからなる群から選択される。

0051

用語「全走査距離」は、本明細書で使用される場合、刺激されるパターンの距離または大きさを意味する。一般に、刺激がレーザーの照明で起こる場合、全走査距離は、レーザーが刺激パターンを照明するときに製造領域を照明する全距離を意味する。刺激が走査ベクトルに基づいて実行される場合、全走査距離は、例えば、その層内の走査される全ベクトルの距離を加算することによって決定できる。

0052

用語「全ジャンピング距離」は、本明細書で使用される場合、刺激源例えばレーザースポットが製造領域を照明することなく移動する距離を意味する。全走査距離および/または全ジャンピング距離を計算するために使用される距離は、装置が刺激を実行する時間と速度によって決定できることは、この開示から当業者にとって明らかであることには留意すべきである。

0053

ベクトルに基づいた照明技術を利用しない方法に対しては、照明される領域の大きさと形状を説明する他のパラメータを決定できることは分かるであろう。

0054

実は、当業者は、そのセクションの表面とエキスパンス(expanse)の間の比率を反映する、オブジェクトのセクションを説明する異なる方法を開発できる。エキスパンスのレベルが限定されている大きい表面は、極めて収縮しやすいが、小さい表面はほとんど収縮しない。長いバンドまたはリボンのような細長い形は、表面が非常に大きくないならば大きく収縮することはない。例えば、かような方法は、例えば表面/円周の比率を考慮して、最も収縮しやすい領域を確認するため、最大の円がどこに位置しているかなどを見つけることができる。当業者は、セクションの収縮に対する感度を示すことを目的とするパラメータを説明する異なる方法を開発できることは分かるであろう。

0055

いくつかの特定のタイプの樹脂は他の樹脂と比較して収縮差を受けやすいので、本発明のステレオリソグラフィ法に使用される樹脂のタイプも、重要な役割を演じている。

0056

上記パラメータに加えて、本発明の製造技術において、決定されるすなわち測定されるパラメータを考慮することが考えられる。実は、例えば、電源ポテンシャルデビエーション(potential deviation)を考慮できるように、有効に適用される刺激力を測定することが考えられる。オブジェクトの一つ以上の特性を、付け加えておよび/または二者択一的に、製造中に測定することができかつ製造工程中に考慮することができる。

0057

上記パラメータに基づいて刺激力および/または前刺激待ち時間を調節することによって、収縮差を最小にする方法が得られることが発見されたのである。したがって、本発明では、上記パラメータの影響を、最適の前刺激待ち時間および/または刺激力に変換して、層の硬化の差が原因の収縮を最小にするアルゴリズムを使用することが考えられている。前刺激待ち時間および/または刺激力の変更は、他の解のように構築ソフトウェアまたは準備ソフトウェアの複雑な再設計を行なう必要がないので。いずれの既存のソフトウェアにも容易に組み込むことができる。さらに、本発明の追加の製造法でこれらの特性を調節しても、部材に眼に見えるマーキングを全く残さず、すなわちオブジェクトの品質の他の側面にマイナスの影響を全く与えない。逆に、本発明の方法で作成されたオブジェクトは、収縮が低い高品質を有し、この品質は、オブジェクトの優れた外観を確保しているのみならず、オブジェクトの強度と機能性に寄与している。したがって、本発明の方法は再現性も改善されている。

0058

異なる連続層のパラメータの間の関係はアルゴリズムで表すことができる。このことは、本明細書では、層nとn+1について具体的に説明してある。より詳しく述べると、層nおよび/またはn+1のパラメータ間の関係、ならびに収縮を減らすためまたは回避するために必要な層n+1に対する前刺激待ち時間および/または層nに対する刺激力はアルゴリズムで表すことができることが説明されている。特定の実施形態では、本発明の方法における前刺激待ち時間および/または刺激力はファジイ論理で決定される。ファジイ論理とは、正確であるよりむしろ近似していることの推論を扱うファジイ集合理論から派生した多値論理の一形態を意味する。ファジイ論理では、変数が0と1の間の範囲の真理値を有していることがあるので、その真理値は、古典的な命題論理の二つの真理値に限定されない。

0059

特定の実施形態によれば、本発明の方法は、収縮を減らすために最適化された刺激力を使用するが、その刺激力(P)は、下記式I:



(式中、Tpは前記前刺激時間を意味し、Trefは照合前刺激時間を意味し、fresinは樹脂のスケーリング因子を意味し、およびPstは全走査距離と全ジャンピング距離に基づいて計算された力を意味する)に従って決定される。

0060

特定の実施形態によれば、本発明の方法は収縮を減らすために最適化された前刺激待ち時間を使用し、前記前刺激待ち時間(Tp)は,下記式II:



(式中、Pは前記光源力を意味し、Prefは照合刺激力を意味し、fresinは樹脂のスケーリング因子を意味しおよびTstは全走査距離と全ジャンピング距離に基づいて計算された時間を意味する)に従って決定される。

0061

ファジイ論理を利用すると、機械のオペレーターが一つ以上の待ち時間および/または力または先行技術に述べられているシステムを手動で選択するかまたはコンピュータアルゴリズムが多くの予め定義された値から自動的に選択する通常のプラクチスの場合のように、連続した範囲の前刺激待ち時間および/または刺激力が多くの予め定義された値もしくは範囲に限定されない本発明の方法が提供される。

0062

特定の実施形態では、本発明は、層n全体で決定されるパラメータに単に基づいたものではなく層nのサブセクションに対して決定される異なるパラメータに基づいた層n+1に対する最適の前刺激待ち時間を決定することによる、ステレオリソグラフィによる三次元のオブジェクトの製造のさらなる最適化を考えている。実は、これらパラメータは層のサブセクション内で有意に異なることがあるので、層の全体に基づいて決定される前刺激待ち時間とサブセクションに対して決定される前刺激待ち時間との間に有意な差が存在することがある。収縮を最小にするため、層のサブセクションに必要な最大の待ち時間を考慮しなければならない。

0063

したがって、特定の実施形態では、本発明は、前記層または薄層が少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを有し、前記刺激力および/または前刺激待ち時間は前記セクションもしくはフィールド各々について計算され、ならびに前記層に使用される刺激力は前記セクションもしくはフィールドに対するすべての刺激力の最小値として決定されおよび/または前記層に使用される前刺激待ち時間は前記セクションもしくはフィールドに対するすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される方法に関する。

0064

これらの方法では、層または薄層n+1に対する前刺激待ち時間を、前記セクションもしくはフィールドに対して決定されるすべての前刺激待ち時間の最大値(最高値)として決定することによって、収縮を最適に低下させることができる。これによって、オブジェクトの製造工程がさらに最適化される。製造装置内のオブジェクトのオリエンテーションに、任意に、異なる前刺激待ち時間を考慮することができる(以下に詳細に説明する)。

0065

さらに特定の実施形態では、本発明は、層n全体によって決定されるパラメータに基づいているのみならず層nのサブセクションによって決定される異なるパラメータに基づいている最適刺激力を決定することによって、ステレオリソグラフィによる三次元オブジェクトの製造をさらに最適化することを考えている。収縮を最小にするため、層のサブセクションに必要な最小の刺激力を考慮しなければならず、またはより好ましくは、各セクションは適切な刺激力で刺激しなければならない。

0066

さらに特定の実施形態では、本発明は、個々の刺激パターンまたは走査ベクトルに対して決定されたパラメータに基づいた各セクションに対する最適の前刺激待ち時間および/または刺激力を決定することによって製造工程を最適化することを予想している。

0067

したがって、特定の実施形態では、本発明は、刺激力および/または前刺激待ち時間が、前記フィールド内の各刺激パターンまたは走査ベクトルに対して計算され、ならびに前記フィールドの刺激力は、前記刺激パターンに対するすべての刺激力の最小値として決定され及び/または前記フィールドの前刺激待ち時間は前記刺激パターンに対するすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される方法に関する。

0068

さらに特定の実施形態では、刺激パターンまたはベクトルのタイプが考慮され、そして待ち時間が各刺激パターンに対して決定される。特定のタイプの走査ベクトルが他の前刺激待ち時間より大きい前刺激待ち時間を生成すると予想される。

0069

したがって、特定の実施形態では、前記層または薄層は少なくとも二つの別個のセクションもしくはフィールドを有し、前記刺激力が前記各セクションもしくはフィールドに対して計算されおよび前記各セクションもしくはフィールドは計算された刺激力によって刺激される。

0070

特定の実施形態では、前刺激待ち時間が、前記セクションもしくはフィールド内の特定のタイプの各刺激パターンまたは特定タイプの走査ベクトルに対して計算され、そして、前記層または前記セクションもしくはフィールドの前刺激時間が、前記特定のタイプの刺激パターンまたは特定タイプの走査ベクトルについてのすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される。

0071

さらに、製造されるオブジェクトの性質およびその所望の特性値によって、その固化工程は、一般に、「特定のタイプの刺激パターン」として分類される各種領域を固化する工程からなることが分かる。このパターンは境界、スキンフィルなどのいくつかのセクションに分割できる。ここでは、バウンダリー、ハッチおよびフィルの走査ベクトルを使用することも当該技術分野で公知である。本発明の方法においてかような特定のタイプの刺激パターンの存在を考慮できることは当業者にとって明らかであろう。

0072

特定の実施形態によれば、刺激力は、前記フィールド内の各刺激パターンに対して計算され、前記刺激パターンは各々、その計算された刺激力で刺激される。

0073

特定の実施形態によれば、前刺激待ち時間は、前記セクションもしくはフィールド内の特定のタイプの刺激パターン各々に対して計算され、そして、前記セクションもしくはフィールドの前刺激待ち時間は前記特定タイプの刺激パターンに対するすべての前刺激待ち時間の最大値として決定される。

0074

特定の実施形態では、上記方法は、必要かまたは利用可能な全製造時間のような外部因子をさらに考慮するように再設計される。

0075

全製造時間は、各層に対する各工程ステップに必要な全時間として決定できる。この時間は、以下の3グループ、すなわち前刺激待ち時間、刺激するために必要な時間および再コーティングおよび測定などの工程に必要な静止時間に分割されている。推定全製造時間は、オブジェクトの図面に基づいて推定される全製造時間を意味し、一方、所望の全製造時間は、使用者が設定する時間を意味する。所望の全製造時間によって、各層に対する刺激力および/または前刺激待ち時間を調節して、所望の全製造時間が推定製造時間より長いときには前記オブジェクトの品質を最適化するか、または所望の全製造時間が推定製造時間より短いときには全構築時間を短くすることができる。

0076

実は、利用可能な全製造時間が推定製造時間より長い状況(例えば夜通し生産)または制限された構築時間の増大が容認できる状況の場合、待ち時間および/または刺激力を調節することによって、さらに生産を最適化しおよび/または収縮を減少させることができる。

0077

したがって、本発明の方法の特定の実施形態では、被着された各層に対する刺激力および/または前刺激待ち時間を決定するステップは、推定製造時間より長い所望の全製造時間を考慮して実行され、かつ各層に対する前記刺激力および/または前記前刺激待ち時間を調節して前記オブジェクトの品質を最適化するステップを含んでいる。

0078

その外の状況では、商業または経営制限条件からみて、全製造時間を減少させることが必要であろう。同様に、このことを考慮して待ち時間および/または刺激力を調節できる。

0079

したがって、特定の実施形態では、本発明の方法において、被着された各層に対する刺激力および/または前刺激待ち時間を決定するステップが、推定製造時間より長い所望の全製造時間を考慮しそして各層に対する前記刺激力および/または前記前刺激待ち時間を調節して実施され、これに対応して前記オブジェクトの品質が最適化される。

0080

それ故、本発明の方法は、推定製造時間を所望の全製造時間と比較し、これに対応して前刺激待ち時間および/または刺激力を調節するステップを含んでいてもよい。この場合、終了時間は、製造時間が終了するように計算されている時間を意味する。

0081

したがって、特定の実施形態では、本発明の方法において、被着される各層に対する刺激力および/または前刺激待ち時間を決定するステップは、推定製造時間より短い所望の全製造時間を考慮し、前記刺激力および/または前刺激待ち時間を調節して実施され、これに対応して全構築時間が短くなる。

0082

本発明の方法の特定の実施形態では、前記比較のステップが予め実施され、これに対応して、異なる層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力が調節される。

0083

本発明の方法において、付け加えてまたは二者択一的に、前記比較は、一つ以上の層の後に実施され、そしてこれに対応して、続く層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力が調節される。

0084

第一層を構築した後、新しく測定したレーザー力およびデータファイルの起こりうる変化を考慮して推定全製造時間が再評価される。次いで二つの時間、すなわち前刺激待ち時間、走査時間(刺激力に関する新しい情報を考慮した)および静止時間の現行のセットを利用して推定される終了時間に残された時間、ならびに所望の終了時間に残された時間が計算される。これら二つの時間の差およびその後生成する層の前刺激待ち時間および/または刺激力に基づいて、推定終了時間と所望の終了時間が(ほとんど)等しい、新しいセットの前刺激待ち時間および/または刺激力が提案される。次いで、続く層が、新しく計算された前刺激待ち時間および/または刺激力を利用して構築される。この後、全構築時間の推定値は、再び再評価され、残された時間が計算され次いで新しい前刺激待ち時間および/または刺激力が計算される。この工程は、構築が完了するまで繰り返される。

0085

上記方法は、初期構築時間の推定値の最大誤差を見つけ、変化する機械のパラメータ(電力損失、遅い再コーティングなど)を考慮し、最高の適応性保証して、変化する生産環境対処することができる。実は、使用者は、構築工程中所望の終了時間を変更することができそしてアルゴリズムがこれを考慮する。

0086

あるいは、推定製造時間と所望の全製造時間の比較は、製造が始まる前に実行され、これに対応してすべての層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力が調節される。

0087

上記のことには関係なしに、異なる層の前刺激待ち時間および/または刺激力を調節するため異なる動作有効期間を考慮できることが分かる。実は、すべての層に対して同じ大きさで前刺激待ち時間および/または刺激力を増減させるか、前刺激待ち時間および/または刺激力を直線的に増減させるか、または前刺激待ち時間および/または刺激力をそれらの値に基づいて異なって増減させることが予想できる。

0088

例えば、特定の実施形態では、全構築時間は、増大させることができるので、すべての前刺激待ち時間を同じ大きさで増大するように選択されると予想できる。すべての前刺激待ち時間を同じ大きさで増大させる式は下記の通りである。



すべての前刺激待ち時間を直線的に増大させるのに利用できる式は下記の通りである。



上記式中、「前刺激」は「前刺激待ち時間」を意味し、tnewは新しい前刺激待ち時間であり、そしてtoldは古い前刺激待ち時間である。

0089

別の実施形態では、全構築時間を減少させることができると予想される。使用者は、これが許容されると、部材の品質が標準の状況と比べて低下するリスクがあることに気づかねばならない。すべての前刺激待ち時間を同じ大きさで減少させるための類似の式は下記の通りである。

0090

本発明の方法の特定の実施形態によれば、すべての前刺激待ち時間および/または刺激力は比例して増減する。

0091

より詳しく述べると、本発明は、全構築時間を減少させることが必要なので、刺激力は、より高い刺激力が最も大きく増大されるように調節され、および/または前刺激待ち時間は、より短い待ち時間が最も大きく減らされるように調節される方法を予想する。

0092

最小の時間を最も大きく減少させるための式の一例は下記の通りである。



上記式中、tnewは新しい前刺激待ち時間であり、toldは古い前刺激待ち時間であり、およびpは全タイムゲインが十分なように、0から25まで(その時間をどの程度短縮できるかによっては前記以上に)変化させることができる。この方法の最大の利点は、収縮に敏感なセクションがさらに十分な時間を許容されることである。

0093

別の特定の実施形態によれば、本発明は、全構築時間を減少させる必要があるので、刺激力が、最高の刺激力を最も大きく増大するように調節される方法に関する。

0094

さらに別の特定の実施形態によれば、本発明は、全構築時間を増大させる必要があるので、刺激力がより低い刺激力を最も大きく減少させるように調節されおよび/または前刺激待ち時間がより高い待ち時間を最も大きく増大させるように調節される方法に関する。

0095

上記のように、特定の実施形態によれば、本発明は、薄層が、異なる計算された前刺激待ち時間を有する少なくとも二つの別個のサブセクションもしくはフィールドを有する方法に関し、そしてその方法は前記サブセクションもしくはフィールドが暴露される順序を調節して、最高の前刺激待ち時間が計算されるサブセクションもしくはフィールドが最初に曝露されるステップを含んでいる。

0096

これによって製造方法を最適化できる。実は、これらのサブセクションについては、重合と待機は、サブセクションの残りの部分がまだ刺激されている間に始めることができる。これらの実施形態では、製造領域の残りのサブセクションもしくはフィールドを刺激するために必要な時間に対応して、残りの刺激時間が考慮される。

0097

実は、前刺激待ち時間が全構築時間に与える衝撃を除くかまたは少なくとも最小にする方法として、最初に、領域を、最長の前刺激待ち時間で曝露し続いて余りクリティカルでない領域を最短の前刺激待ち時間で曝露するスマート曝露パターンを利用することができる。事実上、前刺激待ち時間のカウントダウンは、特定のクリティカル領域の曝露が完了すると直ちに開始することができる。

0098

別の側面で、本発明の方法は、異なるオブジェクトの同時の製造を最適化するのに利用できる。かような方法は、異なるオブジェクトに対する最適の前刺激待ち時間を考慮し、これに対応してオブジェクトの製造を結合することを予想している。

0099

したがって、特定の実施形態では、本発明は、追加の製造によって異なるオブジェクトの構築を最適化する方法に関し、その方法は、
(a)前記オブジェクトの収縮または変形を最小にするため、走査ベクトルの全走査距離と全ジャンピング距離、適用される刺激力および液状樹脂のタイプに基づいて、各層に 対する前刺激待ち時間を決定することによって、各オブジェクトの異なる層に対する最 適の前刺激待ち時間を決定し、次いで
(b)前記オブジェクトの前記最適の前刺激待ち時間の比較に基づいて。一つの製造プラ ットフォーム上での二つ以上の前記オブジェクトの製造を結合することを選択する
ステップを含んでいる。

0100

本発明の方法の特定の実施形態では、前記二つ以上のオブジェクトのオリエンテーションおよび/または分布は、前記オブジェクトに対して最適の前刺激待ち時間の比較に基づいて適応される。

0101

本発明の別の側面は、本発明の方法を実行するのに適切なツールと装置、すなわちオブジェクトをステレオリソグラフィで製造するのに適した、オブジェクトの収縮を制約するツールと装置を提供する。特定の実施形態によれば、本発明は、
(a)前記オブジェクトの予め形成された薄層n−1を含む製造領域上に液状樹脂の層を被着させる手段、
(b)前記製造領域の少なくとも一部を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定される刺激パターンによる刺激に暴露して、暴露された領域の樹脂を重 合させ前記オブジェクトの次の層nを形成させる手段
を備えた、複数の被着された薄層を含む少なくとも一つの三次元のオブジェクトまたはその少なくとも一部を製造する装置であって、前記オブジェクトの収縮または変形を最小にするため、ステップ(a)と(b)を連続して繰り返して、薄層n‐5からn+5までから選択された一つ以上の薄層のパラメータに基づいて各薄層に対する前刺激待ち時間および/または刺激力を決定するようにプログラムされている装置を提供するものである。さらに特定の実施形態では、そのパラメータは薄層nおよび/またはn+1のパラメータである。

0102

特定の実施形態によれば、本発明は、
(a)樹脂、好ましくは液状樹脂の層を、前記オブジェクトの予め形成された薄層n‐1 を含む製造領域上に被着させる手段、
(b)オブジェクトの収縮または変形を最小にするため、予め定められた値または薄層n ‐5からn+5までの一つ以上の薄層のパラメータに基づいた値を選択して層nを形成さ せるための刺激力を選択する手段、
(c)前記製造領域の少なくとも一部を、オブジェクトのコンピュータ処理CADファイルに基づいて決定された刺激パターンにしたがって、予め選択された刺激力を使用して刺 激に暴露し、刺激された領域の樹脂を重合させて前記オブジェクトの薄層nを形成させ る手段、
(d) )オブジェクトの収縮または変形を最小にするため、予め定められた値または薄層 n‐5からn+5までの一つ以上のパラメータに基づいた値を選択して層n+1を形成させ るための前刺激待ち時間を選択する手段
を備えた装置であって、ステップ(a)−(d)を連続して繰り返すようにプログラムされ、そしてステップ(b)と(d)の少なくとも一方において予め定められていない値が選択される装置を提供するものである。特定の実施形態では、その装置は、薄層nおよび/またはn+1のパラメータに基づいた値を選択することによって層nを形成させるための刺激力を選択する手段および/または薄層nのパラメータに基づいた値を選択することによって薄層n+1を形成させるための前刺激待ち時間を選択する手段を備えている。

0103

さらに特定の実施形態では、薄層nに対する刺激力を決定するためのパラメータは、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される。薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するためのパラメータは、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択される。

0104

特定の実施形態によれば、本発明は、薄層nに対する刺激力を決定するための前記パラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層n+1に適用される前刺激待ち時間および/または樹脂のタイプからなる群から選択される本発明の装置に関する。

0105

特定の実施形態によれば、本発明は、薄層n+1に対する前刺激待ち時間を決定するための前記パラメータが、薄層nに対する前記刺激パターンの全走査距離および/または全ジャンピング距離、薄層nに適用される刺激力および/または樹脂のタイプからなる群から選択される本発明の装置に関する。

0106

本発明の特徴をよりうまく説明するため、以下の特定の実施形態は、単に実施例として記載しているだけで限定する意図は全くない。

0107

実施例1
この実施例は、本発明の特定の実施形態を説明するものであり、その前刺激待ち時間(Tp)は式IIで決定され、式中、PはPrefに等しくおよび樹脂のスケーリング因子は1であり、Tstは以下のファジイシステムで決定される。

0108

上記ファジイ論理値は下記表に対応している。

0109

そのマトリックスは以下のように解釈すべきである。

0110

走査距離の論理値が非常に高くかつ走査距離/ジャンプ距離の比率が非常に高い場合は時間は++であり、走査距離が高くかつ走査距離/ジャンプ距離の比率が非常に高い場合は時間は++であり、走査距離が低くかつ走査距離/ジャンプ距離の比率が非常に高い場合は時間は+である...。

0111

ファジイ論理値と走査距離の関係は図1aに示してある。ファジイ論理値と走査距離/ジャンプ距離の比率との関係は図1bに示してある。

0112

実施例2
本発明の理解を助けかつそのシステムの強度を示すため、次の層に使用される前刺激待ち時間が、実施例1にしたがって、すべての層が固定した刺激力を利用して構築されると仮定して計算されるいくつかの実施例の形態を示す。四つの形態が使用され、それら形態の一つに対して二つの別個のベクトルタイプを使用した(スキンフィルとハッチィング)。

0113

収縮差を受けやすい領域が確認され、待ち時間が増大していることが分かる。

0114

当業者は、単純な形態に対していくつかの範囲の前刺激待ち時間を選定できるが、複雑な部材に対しては、連続した範囲の可能な時間をカバーする、個々に決定された前刺激待ち時間はこの方法では得られない。かような複雑な部材の一例は図2aに示してあり、そして計算された前刺激時間は図2bに示してある。これらの図から分かるように、スキンフィルベクトルを含むセクションは、かようなベクトルを含まない層より長い前刺激待ち時間を選定される。このように複雑な部材に対して前刺激待ち時間を手動で選定すると、与えられた構築時間内に部材の品質を最高にすることは決してできない。

0115

実施例3
実施例2と同様に、この層に使用するように示唆された刺激力がすべての層に対して固定した前刺激待ち時間を仮定して計算される形態のいくつかの例を提供する。

0116

0117

図2aに示す複雑な部材については、実施例の部材の個々の層すべてに対する刺激力は、すべての層に対する固定された前刺激待ち時間を想定して図2cに示してある。

0118

実施例4
上記諸実施例と同様に、刺激力と前刺激待ち時間の両方を、前記形態の例に対して決定できる。

0119

両パラメータの組合せは、全構築時間が、与えられた収縮度に対して最小になるように選択される。これを達成するため、示唆される前刺激時間Tpredipが、最初に、標準の刺激力(この場合150mW)を想定して別個に計算される。次に、その形態の全実走査時間Tscanを参照刺激力に対して決定する必要がある。この走査時間は、スキャナーの遅延などによって導入される遅延は含まれていないので、リアルライフの走査時間とは異なることがあることに留意すべきである。このようにして得られた値は、走査速度に影響する他の機械設定の影響を受ける。次いで、最適の構築時間は、参照力に、下記式に示す係数fを乗ずると得られる。

0120

前刺激待ち時間は同じ係数で割り算される。10 x 10 mmという小さい形態の場合、最大の力と最小の前刺激待ち時間はすでに達成されたので、さらなる最適化は行なわない。

0121

0122

0123

使用者の好みによって、計算された刺激力および計算された前刺激待ち時間を組み合わせる場合の(唯一の)基準として全構築時間の最小化を利用しないステップを選択できる。使用者は、前刺激待ち時間を増大することより刺激力を下げることを好む想像できる。このことはすべて前記計算に含めることができる。

0124

さらに、プラットフォームが多数のセクションを含んでいる場合、刺激力を増大することによって得られる走査時間の減少は、刺激力が適用されるセクションにだけ有効であるが、増大される前刺激待ち時間はすべてのセクションに同時に影響するという事実を考慮することができる。

0125

実施例5
また、いくつかのオブジェクトを同時に製造することは、本発明を利用することによって最適化できる。この実施例では、形成されている薄層のセクションの照明の順序の変化によって、各セクションに対して最適の前刺激待ち時間を維持して、構築中、オブジェクトの品質を維持しながら、どのように全層の時間を減らすことができるかを示す。

0126

図3aの二つの部材各々に対して計算された前刺激時間は図3bに示してあり、およびこれら二つの部材各々に対して計算された走査時間は図3cに示してある。図3dは、図3aに示す部材1と2に対応するセクションを走査する順序が異なる場合の全層時間(走査時間+前刺激時間)を示す。

0127

本発明では、オブジェクト1と2(図3aに示す)を同時に構築するための前刺激待ち時間は個々に計算された前刺激待ち時間の最大値として選択される。これは、最適の品質を保証するが、全構築時間からみて、必ずしも最も有効なわけではない。これは、図3dに「Max」で示してある。

0128

さらに、全構築時間は、第一オブジェクトの刺激が完了した後、その第一オブジェクトに関連する前刺激期間のカウントダウンを開始することによって短くできる。第二オブジェクトに関連するセクションが刺激された後、前記オブジェクトに関連する前刺激期間も始まる。両方の前刺激時間の期間が完了すると、全前刺激待ち時間は完了したといえる。これは図3dに示してあり、各層の構築時間は、オブジェクト1に関連するセクションが最初に刺激される場合と、オブジェクト2に関連するセクションが最初に刺激される場合とを別個に想定して示してある。これは、図3d中に、「部材1」と「部材2」で示してある。

0129

また本発明の方法の特定の実施形態は、オブジェクトに関連するセクションが走査される順序を選択することによって、より詳しく述べると、最も長い前刺激期間を必要とするセクションが最初に走査されるようにこの選択を行なうことによって、全構築時間はさらに最小になることを示す。これは図3dに「Ordered」で示してある。

0130

実施例6
また本発明は、いくつかのオブジェクトの同時製造が、互いにこれらオブジェクトのオリエンテーションを変えることによって最適化できる方法を提供する。図4aに示す両オブジェクトは同時に構築されると想定する。オブジェクト1のオリエンテーションが固定されていると想定して、オブジェクト2のオリエンテーションを、両オブジェクトにおいて長い(短い)前刺激時間を要する層に最大のオーバーラップを確保することによって両アイテムの全構築時間を最小にするために適応させることができる(図4c参照)。

0131

実施例7
特定の実施形態で、本発明の方法は、いくつかのオブジェクトの構築は、どちらのオブジェクトを各工程に組み込むか選択することによって(単一の工程に組み入れ可能な数より多いオブジェクトを構築すると想定して)、最適化できることを示している。一例として、図5に示すすべての部材を構築する必要があるが、そのうち四つだけ機械に同時に取り付けられると想定する。本発明の方法の特定の実施形態によれば、ともに構築すべきオブジェクトは、異なる層に対する前刺激時間が異なるオブジェクトにできるだけ大きく対応するように選択される。

0132

この実施例では、部材5と6は、他の部材のどれも部材6のように長い前刺激待ち時間を必要としないか、または、他の部材中のより長い前刺激時間を必要とするセクションは、部材5のように長い前刺激時間を要するセクションと一致せずおよび/またはそれらを一致させるように配向させることができないから、別個に最も良好に構築される。

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